徒然雑記 : 2024夏アニメ　スタート雑感　その３

第三回目の記事です。どんどん行くよー。

【恋は双子で割り切れない】
【この世界は不完全すぎる】
【しかのこのこのここしたんたん】
【小市民シリーズ】
の４作品から

恋は双子で割り切れない

いつまでも、ただの幼なじみじゃ居られない── 初恋こじらせ系双子ラブコメ開幕！白崎純と琉実・那織の神宮寺姉妹は小さいころから家族同然で育った幼なじみ。見た目ボーイッシュで乙女思考な姉・琉実と、外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織。顔はそっくりだけど全く正反対な2人。純はいつからか芽生えた恋心を抱えながらも、特定の関係を持つでもなく交流は続いていたのだけれど…… 「わたしと付き合ってみない？お試しみたいな感じでどう？」琉実が発したこの一言が、3人をいびつな三角関係へと導いていく――

凄いな、ちゃんと琉実と那織、二人の視点から物語が描かれていく。双子ながらも全然違う二人の性格、趣味嗜好が伝わってくるなかで、二人と幼馴染である純との出会いから距離感、感じる気持ちまでつぶさに描き切られていて、素晴らしいの一言。少女たちの恋と青春を語る物語として、演出といい空気感といいとびっきりの出来栄えですわ。正直、ここまで丁寧にイケてるとは思わなかった。
原作も琉実と那織では心情を語る地の文が全然語調から違っていて独特の雰囲気があるんだけれど、そうした語り部の違いによる空気感の違いを文章ではなくアニメでどう表現していくのかな、というのは大変気になっていたところなんだが、なんか満額回答貰った気持ちであります。
この作品、双子同士が恋のライバルであると同時に、どうしたって家族で姉妹で何もかもが違う二人だけれどやっぱり双子なんだ、というのを如実に感じ取れる物語なんですけど、それを余すこと無く味わえそう。それにしても、アニメで見るとこれ主人公は双子であって純がヒロインに見えるなあ。実質そうだろ、という感想も無きにしもあらずなんだが。
これは素晴らしい作品になりそう。今期、マジで恋愛モノ絶品ばかりだ。

この世界は不完全すぎる

フェルナーク大陸の南方に位置する辺境にもかかわらず、５つの小国がひしめき合い、小競り合いの絶えないクレボーン島。その中で最も小さく最も平和なベイル王国の…つまり辺境の中の辺境にある小さな村で慎ましく暮らす少女ニコラ。日課の薪拾いの最中に彼女の前に現れたのは、はるか山奥に住むはずの巨大なドラゴン。まさに村が襲われようというその時、駆けつけたのは、極秘に組織された調査隊 “王の探求者キングス・シーカー “の一員を名乗るハガという男。繰り返される平穏な毎日の中で飽きることも知らなかったニコラは、ハガに憧れ、自ら外の世界へと踏み出すことを望む。そして、彼女はこの世界の本当の姿を知ることになる。

原作の漫画でこういうタイトルの作品がある、というのは知っていたんですけれど、中身に関しては本当にまったく知らなかったんですよね。だから、第一話のラストにはびっくらこいた。
そうかー、そうかそうか、そういう設定のお話だったのか。役目を放棄した他の同僚たちについてはむしろ共感を覚える方で、ハガさんの方が異常と言えば異常なんですよね。２話まで見る限りでは、バグの調査に心血を注ぐことで現実から目をそらしている、というわけでも一縷の望みに賭けているという風でもなく、なんかそれ自体が生き甲斐になっているという感じで変人の類に見えるよなあ。弟子になったニコラに対して、嬉々として頭のおかしくなるようなバグの発見法を教えて１日中それやっているあたり、コミュ障なのは間違いないでしょうし。
しかし、思ったよりシーカーって沢山いるのか？　何気にどう話が転がっても救いがなさそうな予感もするんだけれど。

しかのこのこのここしたんたん

都立日野南高校に通う女子高生、虎視虎子。ある日の登校中、彼女は顔に冷たいものが当たるのを感じた。ふと上を見ると、そこには鼻水をたらし、ツノが電線に引っかかって身動きが取れなくなっている女の子が――!? うっかり変な『ツノ』の生えた少女・鹿乃子のこを助けたことで、優等生（の皮を被った）虎視虎子の人生がかき乱されていく...... 一人の少女（元ヤン）が一人のシカ（？）に出会うガール・ミーツ・シカ物語開幕!!

おおぅ、なんか話題になってたけれど、日常学園コメディというよりこれ不条理ギャグものなんじゃないのか？　鹿乃子のこが思考から存在から意味不明すぎて、かなり怖いんだが。マジ怖いんだが。
こういうタイプのギャグはあんまり好みじゃないので、もう一話見て合わなさそうだったら離脱すると思います。

小市民シリーズ

“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵（ごけい）関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。

【氷菓】などの古典部シリーズを描いた米澤穂信さん。後に直木賞も取ることになるこの人が、古典部シリーズとほど同時期に書いたのが、この小市民シリーズでした。
当時は小市民シリーズとは言われてなかった気もするけれど。いやどうだろう。【春期限定いちごタルト事件】で終わらず【夏期限定トロピカルパフェ事件】という続編が出た時期には漠然とそう言われてたかもしれない。この小市民シリーズというフレーズには馴染みがありますし。ただ自分の感想の記述内では小市民シリーズみたいな名称は使ってないので何とも言えないんですけどね。

個人的には古典部シリーズよりもこっちが好みでしたね。ヒロインである小佐内さんのキャラクターに度肝抜かれて以来、この娘の一挙手一投足にドキドキハラハラゾクゾクしながら読んでいたものです。
OPで狐と狼がばっちり描かれていたのには不覚ながら吹き出してしまったｗ
改めてアニメで見てみると、これ小佐内さんと小鳩くんって付き合ってるようにしか見えんよなあ。そして、小佐内さんのあのちょこまかとした小動物めいた動きですよ。これが果たしてどんな風に描かれていくのか。ちょっと楽しみすぎてワクワクしてるんですが。
彼らは一応付き合ってはいなくて、お互いに中学の頃にあれこれやっちまった過去があり、その反省と後悔からお互いに小市民足ろうと志し、小市民であろうとするのをお互いに助け合いましょうね、という関係で結ばれた二人なのである。つまるところ、頑張らないと小市民足り得ない人間と暴露してるようなものでもあるんですよねｗ
いやあ背景から学校の空間のあの空気感。登場人物の動きの滑らかさ、挙動の細やかさ、目線や仕草の描写の丁寧さとまあこれが凄くて凄くて。いやだから、今期の学園青春モノのクオリティ、やばくないですか？
あと、健吾はなんか思ってた以上に威圧的で一方的で、あれで内実は掛け値なしの善人の好人物、というのがちょっと信じられない。あれだと見た目や言動でだいぶ忌避する人も多くなるんじゃなかろうか。
いや、マジでいいヤツなんだが。