【魔術師クノンは見えている ６】 南野 海風／Laruha カドカワBOOKS
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絶対に売れると思う――後輩と開発した新魔道具にクノン自身も太鼓判!?
調和の派閥のシロトから、禁忌の学問「造魔学」の共同実験に誘われたクノン。だがその前に、後輩セララフィラの金策と進級用の単位取得、二つの課題が立ちはだかる。
そこでクノンはそれを同時に解決すべく、新魔道具の開発に着手。魔力を流すだけで家が建つ――魔建具と命名されたその発明は、予想を上回る大型契約へと繋がって……?
さらにゼオンリーの過去編、魔術学校の問題児だった頃の活躍を、三万字超の大ボリューム書き下ろしで収録!
ライバルにして友人の中でも特に親密なゼオリオン……じゃなくてジエオリオンだ。あれ違う、ジオエイロンだ。名前が、名前が混乱している。特に最初の間違いはゼオンリー師匠と混じってる混じってる。
ともかく、その「狂炎王子」ジオエリオンの……めっぽう凶暴そうな二つ名だけれど、普通に落ち着いた青年なんだよな、ジオエリオン。まあともかく、その彼の従妹にあたる新入生なのがセララフィラである。
ジオエリオンからも、クノンはどうか面倒見てやってくれ頼む、と依頼されて快諾してたわけですが。忘れてやがりましたね、この男ｗ
特級の新入生というと、まず一番最初に立ちふさがる壁が資金面。自分で魔術使って稼がないといけないんですね。実家からの仕送りは禁止、使用人を使うならばその雇用資金も含めて自分で稼がないといけない、という身分関係なしのかなりハードなハードルである。
去年も聖女レイエスが苦労しまくってたやつですね。
レイエスと比べてまだ世俗に慣れていたセララフィラですが、だからといってそう簡単に衣食住に自分についてくれている乳母的な侍女のお婆さんの分の雇用資金まで用立てることが出来ず、早々に小さなアパートメントの一室を借りてひもじ良い生活を送ることに。
でも、この時点で壁が薄いことを除けば小さい部屋の方が良いよね、となっているあたり皇帝家に連なる高位貴族の令嬢にも関わらず、適応能力が高いの見えてるんですよね。というよりも、周りの環境を気にせずに魔術の研究に没頭してしまえるあたりに、魔術師の素養……魔術馬鹿の素養の高さが見て取れるわけです。
とはいえ、資金はなんとか稼がないと特級クラスから脱落してしまう。そうして相談したのがクノンだったんですね。正直、先輩含めても稼げる発想を持っているのはこいつでしょうから、ジエオリオンのオススメ抜きにしてもクノンが最適だっただろうなあ。クノンくん、まあ魔術研究に没頭しすぎてセララのこと忘れていたとはいえ、思い出しさえすれば面倒見凄くいい子ですから。
セララがまだ初級の土属性の魔術しか使えないのを踏まえた上で、またぞろめちゃくちゃ凄い売れるネタを編み出すのでありました。
セララがここで初級魔術の奥深さを知り、魔術というものがどれだけ広大な世界なのかを実感して、そして自分がまだその端っこにようやく降り立ったばかりなのをさらに感じて、ワクワクしてもっと魔術を研究したい、もっとその深淵を覗きたい！と嬉々と没頭していく様子はこの子ももう立派な魔術の徒だなあ、と見ていて微笑ましくなってしまいました。
新たなダメ人間が出来た、とも言えるのかも知れませんが。
レイエスが霊草栽培のために自宅に地下室を作ってほしい。秘密を守れる土属性の魔術師限定、という依頼をクノンにお願いしていたのもあるんでしょうけれど、その地下室を作るというところからこの発想を生みだしてくるの、真面目に凄いよなあ。
依頼主の要望に合わせて作る、土製の急造住宅。魔術建築。いやこれ、長持ちしないとはいえ、テントとは格の違うインスタントコテージですよ？
これ、まだまだ未熟なセララですら出来る、というあたりが凄いですよね。土系統の初級魔術の応用でできる、という時点でこの発想の権利を売ることで、どれだけ社会に多大な影響を与えるか。完全に新しい分野の構築じゃないですか。
とはいえ、この発想を商人に売ろうとする際に明らかに安すぎるお金で売ろうとしているあたり、この子魔術師であって商人ではないのだな、というのがよくわかりました。これは商業面でのアドバイザー要りますわ。セララ付きのマイラお婆さんがそのへんの経験が豊富だったことが幸いしましたけれど。
でも、ここに更に今研究中の魔術を入れられる箱「魔帯箱」が生きてくるとは。魔術を使えない人も魔術を使うことが出来る箱、って発想。ライターとか冷蔵庫とかコンロとか、まずそういう身近な日用のものから活用していくのかな、と思ったらいきなり家！ そうかー、もうこれポイポイカプセルみたいなもんじゃん！ あのカプセルは何でも入る収納箱でまた違うものなんですけれど、原作のドラゴンボールで最初にポイポイカプセル使われてたのって、ブルマが旅している時にカプセルに入れていた家を出して野宿せずに寝泊まりしていたのが主だった使用方法だから、まああんな感じのイメージで使われることになるんだろうなあ、てなもんで。
さくっと月額１０００万の契約をもぎ取ってくる甲斐性の塊みたいな少年クノン！ さらにもう一桁か二桁上の金が入ってきそうな商売のネタを握っているどぎついほどに稼げる少年クノン！
もうリンコさん、真面目に愛人にしてもらったらいいんじゃないでしょうか。いや、恋人いるんでしたっけかｗ
それはそれとして、ついにひさびさにミリカ殿下登場！ いや、登場どころかクノンのところに来たーー！ 何巻以来の再会だ、これ！？ クノンが女性にいい顔してまわるのって、紳士としてそうするべし、と某メイドに誤った常識を植え付けられたから、というのが主だった理由なのですけれど、そんなクノンが本当に好きな女性に対してどういう態度をとるのか、久々に見られるぞぃ。
でもこれ、今のクノンってミリカからすると知っている頃よりもまただいぶ変わっている、というかどうかしてしまっている紳士像の権化なんで、前々から手紙で不安煽られているのもありますから、さてどういう反応になってしまうのか。
いずれにしても、楽しみで仕方がないｗ
巻末にはゼオンリー師匠の学生時代の話も。ゼオンリーって子供の頃はチビスケだったのね。そして、クノンとは比べるべくもなく稼げないゼオンリーｗ おまえ、友達に借金しまくるんじゃないよｗ
でもあれ？ 割と真面目に色恋沙汰やってたの、これ？ ゼオンリーがどう認識しているかわからないんだが、相手の女性アイオンの方はなんかもう完全にガチにしか見えないんだが。
ともかく、その「狂炎王子」ジオエリオンの……めっぽう凶暴そうな二つ名だけれど、普通に落ち着いた青年なんだよな、ジオエリオン。まあともかく、その彼の従妹にあたる新入生なのがセララフィラである。
ジオエリオンからも、クノンはどうか面倒見てやってくれ頼む、と依頼されて快諾してたわけですが。忘れてやがりましたね、この男ｗ
特級の新入生というと、まず一番最初に立ちふさがる壁が資金面。自分で魔術使って稼がないといけないんですね。実家からの仕送りは禁止、使用人を使うならばその雇用資金も含めて自分で稼がないといけない、という身分関係なしのかなりハードなハードルである。
去年も聖女レイエスが苦労しまくってたやつですね。
レイエスと比べてまだ世俗に慣れていたセララフィラですが、だからといってそう簡単に衣食住に自分についてくれている乳母的な侍女のお婆さんの分の雇用資金まで用立てることが出来ず、早々に小さなアパートメントの一室を借りてひもじ良い生活を送ることに。
でも、この時点で壁が薄いことを除けば小さい部屋の方が良いよね、となっているあたり皇帝家に連なる高位貴族の令嬢にも関わらず、適応能力が高いの見えてるんですよね。というよりも、周りの環境を気にせずに魔術の研究に没頭してしまえるあたりに、魔術師の素養……魔術馬鹿の素養の高さが見て取れるわけです。
とはいえ、資金はなんとか稼がないと特級クラスから脱落してしまう。そうして相談したのがクノンだったんですね。正直、先輩含めても稼げる発想を持っているのはこいつでしょうから、ジエオリオンのオススメ抜きにしてもクノンが最適だっただろうなあ。クノンくん、まあ魔術研究に没頭しすぎてセララのこと忘れていたとはいえ、思い出しさえすれば面倒見凄くいい子ですから。
セララがまだ初級の土属性の魔術しか使えないのを踏まえた上で、またぞろめちゃくちゃ凄い売れるネタを編み出すのでありました。
セララがここで初級魔術の奥深さを知り、魔術というものがどれだけ広大な世界なのかを実感して、そして自分がまだその端っこにようやく降り立ったばかりなのをさらに感じて、ワクワクしてもっと魔術を研究したい、もっとその深淵を覗きたい！と嬉々と没頭していく様子はこの子ももう立派な魔術の徒だなあ、と見ていて微笑ましくなってしまいました。
新たなダメ人間が出来た、とも言えるのかも知れませんが。
レイエスが霊草栽培のために自宅に地下室を作ってほしい。秘密を守れる土属性の魔術師限定、という依頼をクノンにお願いしていたのもあるんでしょうけれど、その地下室を作るというところからこの発想を生みだしてくるの、真面目に凄いよなあ。
依頼主の要望に合わせて作る、土製の急造住宅。魔術建築。いやこれ、長持ちしないとはいえ、テントとは格の違うインスタントコテージですよ？
これ、まだまだ未熟なセララですら出来る、というあたりが凄いですよね。土系統の初級魔術の応用でできる、という時点でこの発想の権利を売ることで、どれだけ社会に多大な影響を与えるか。完全に新しい分野の構築じゃないですか。
とはいえ、この発想を商人に売ろうとする際に明らかに安すぎるお金で売ろうとしているあたり、この子魔術師であって商人ではないのだな、というのがよくわかりました。これは商業面でのアドバイザー要りますわ。セララ付きのマイラお婆さんがそのへんの経験が豊富だったことが幸いしましたけれど。
でも、ここに更に今研究中の魔術を入れられる箱「魔帯箱」が生きてくるとは。魔術を使えない人も魔術を使うことが出来る箱、って発想。ライターとか冷蔵庫とかコンロとか、まずそういう身近な日用のものから活用していくのかな、と思ったらいきなり家！ そうかー、もうこれポイポイカプセルみたいなもんじゃん！ あのカプセルは何でも入る収納箱でまた違うものなんですけれど、原作のドラゴンボールで最初にポイポイカプセル使われてたのって、ブルマが旅している時にカプセルに入れていた家を出して野宿せずに寝泊まりしていたのが主だった使用方法だから、まああんな感じのイメージで使われることになるんだろうなあ、てなもんで。
さくっと月額１０００万の契約をもぎ取ってくる甲斐性の塊みたいな少年クノン！ さらにもう一桁か二桁上の金が入ってきそうな商売のネタを握っているどぎついほどに稼げる少年クノン！
もうリンコさん、真面目に愛人にしてもらったらいいんじゃないでしょうか。いや、恋人いるんでしたっけかｗ
それはそれとして、ついにひさびさにミリカ殿下登場！ いや、登場どころかクノンのところに来たーー！ 何巻以来の再会だ、これ！？ クノンが女性にいい顔してまわるのって、紳士としてそうするべし、と某メイドに誤った常識を植え付けられたから、というのが主だった理由なのですけれど、そんなクノンが本当に好きな女性に対してどういう態度をとるのか、久々に見られるぞぃ。
でもこれ、今のクノンってミリカからすると知っている頃よりもまただいぶ変わっている、というかどうかしてしまっている紳士像の権化なんで、前々から手紙で不安煽られているのもありますから、さてどういう反応になってしまうのか。
いずれにしても、楽しみで仕方がないｗ
巻末にはゼオンリー師匠の学生時代の話も。ゼオンリーって子供の頃はチビスケだったのね。そして、クノンとは比べるべくもなく稼げないゼオンリーｗ おまえ、友達に借金しまくるんじゃないよｗ
でもあれ？ 割と真面目に色恋沙汰やってたの、これ？ ゼオンリーがどう認識しているかわからないんだが、相手の女性アイオンの方はなんかもう完全にガチにしか見えないんだが。
