【極東救世主伝説 少年、異形の機体で無双する。 ―九州大規模攻勢編―】 仏ょも／黒銀 カドカワBOOKS
Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
少年がその異形を駆るとき――人類が世界を取り戻す戦いが始まる。.
第二次世界大戦末期に行われた悪魔召喚の儀によって、世界の在り様は一変した。それから一〇〇年。世界の支配者となった悪魔に対し、人類は魔装機体を生み出し抗っていた。
そんな中、「異なる現代」の記憶を持つ少年・川上啓太は入学した軍学校で、誰も起動すらさせられなかった試作機との適合に成功する。いきなり戦場に派遣された彼は、前世の知識を活かして、今までの常識を覆す戦果を示してしまう。
――それは、人類が世界を取り戻す戦いの始まりだった。
ああ、このイラストデザインを手掛けてる黒銀さんって【ナイツ＆マジック】のイラストもやってた人か。このヒトのメカニックデザインってファンタジーとメカニカルな感じが見事に融合していて実に良きものがありますもんね。
【ナイツ＆マジック】でも「ツェンドルグ」という人馬型の機体があったもんなあ。
本作で主人公の乗る機体は同じ四脚型でもケンタウロスともいうべき馬みたいな機動をする下半身に人型の上半身がついている機体ではなくて、もっとアーマード・コア寄りなんですよね。
なにしろ、元ネタがACだもんな！ 前世の記憶持ちの主人公の啓太くんも、操縦感覚はACのノリでやってるもんな！
本作の魔装機体って自分の体を動かすような感覚で動かしているもんだから、人型が主流……というかこれまで人型しか存在しなかったんですね。
この多脚型戦車とかロボットって、やっぱりこう人型とは見る側からしても感覚違うんですよ。あの脚をワチャワチャさせて気持ち悪いくらいの前後左右から上下すらも自在に動く立体機動。ぴょんぴょんはねたりなんならビルの壁を這い上がったり。幹線道路を脚の車輪でスケートで滑るみたいに走ったり、とあの自在性に、自由極まる動きからの戦闘。
これを目の当たりにした時の感覚って、人型のロボットのそれを見るのとはまた違うゾクゾク感、ありますよね。王道としては攻殻機動隊のタチコマとかフチコマ。最近だと【８６】のジャガーノートやレギンレイヴ。【８６】のアニメのあの多脚戦車たちの戦闘シーンは痺れたんだよなあ。
とまれ、これらはあくまで多脚戦車であって、多脚の下半身に対して上半身が人型だったりするとまた味わいが違ってくるんですけどね。そこはもろにアーマードコアなんだよなあ、戦い方も。
半世紀以上を人類の生存圏を守るために維持され、その方向にのみ発展してきた世界において、自由な発想を生む娯楽というのはやはりそれほど生まれてはいないのでしょう。
主人公の川上啓太、当人は自分のことをよくわかっていなくて前提からして勘違いしているんだけれど、彼って人造の存在でも有り救世主計画といういわば人類決戦存在を作り出す計画の数少ない成功例なわけですが、彼の強みであり天才性ってそういうスペックじゃなくて、そのスペックを野放図に使えてしまう常識知らずのところなんですよね。
彼ってかなり思慮深く、物事や組織の思惑なんかにしても非常に注意深く観察し、自分と妹の身の安全を守るため将来を担保してもらうために知恵をひねって、思考を常に巡らせている、まあ慎重で油断をせず増長しない、かなり弁えた人物である、と言っていいでしょう。
と、同時にかなりのアホでもある。アホです。
彼の思考、思慮ってなんかもう前提から間違ってるんですよね。誤解と思い込みが初手から彼の踏み出す一歩目を明後日の方向にしてしまっているし、色々と深く考えているつもりの本人に対して、実際に客観的に見るとこいつなんにも考えてないだろう、という結果結論に至ってしまっている。
前提としている知識に間違いが有り、常識と思っている在り方がこの世界では根本的に違っていたり存在していなかったりするものだから、もう何もかもが噛み合ってないんですね。
そして、この世界の常識を知らないからこそ、普通なら迷ってしまう場面でも、戸惑ってしまうところでも、非常識すぎて躊躇してしまう土壇場でも、彼は彼なりの深慮遠謀をめぐらしているつもりで、地雷原をタップダンスで突き抜けていってしまうのである。
実際、考えるのを止めて思考停止して、まあいいや、とやっちゃえ！ という感じでやらかすこともあるので、往々にしてアレである。
だもんだから、意味不明の天才として、英雄らしく畏怖されると同時に「HENTAI」としてなんだこいつ？とドン引きされていくのである。
妹ちゃんの方も同じ救世主計画の被験体であり、こっちは真っ当な天才なんですよね。真っ当な天才であるからこそ、自分たちの置かれた環境、状況、背景事情なんかも余人が気づかぬレベルで掌握している。掌握しているからこそ、もう自分たちがどん詰まりの行き止まりで救われようのない所にいたはずという自覚があり、それをなんかもうガンガン掘削して穴開けて突破していってしまう兄に惚れ込んでるんですね。
同じ天才として比較すると、あまりに違いすぎる二人だからこそ、如実にそのスタイルの違いもよくわかる。というか、この主人公じつはアホだろ、というのがよくわかるのである。
でも、本物の英雄だ。意味不明なくらい強くて、これまでの戦場の理をぶち壊していく新しい流れの源泉でもある。面白い！
そしてやっぱり多脚式メカはいい。特に人型の機体がほとんどであり、また敵が巨大な魔物たちであるというシチュエーションこそが、多脚式メカの舞台として最高だと思うんですよね。
一番こう、グッとくるものがある。熱きパトスが迸るんですよ！ｗ
しかし最上重工の社長、これ啓太がいなかったらどう言い訳しても社運をかけてどうしようもない欠陥機作ったダメ社長じゃないかしら。普通に会社潰れてたんじゃないのｗ
【ナイツ＆マジック】でも「ツェンドルグ」という人馬型の機体があったもんなあ。
本作で主人公の乗る機体は同じ四脚型でもケンタウロスともいうべき馬みたいな機動をする下半身に人型の上半身がついている機体ではなくて、もっとアーマード・コア寄りなんですよね。
なにしろ、元ネタがACだもんな！ 前世の記憶持ちの主人公の啓太くんも、操縦感覚はACのノリでやってるもんな！
本作の魔装機体って自分の体を動かすような感覚で動かしているもんだから、人型が主流……というかこれまで人型しか存在しなかったんですね。
この多脚型戦車とかロボットって、やっぱりこう人型とは見る側からしても感覚違うんですよ。あの脚をワチャワチャさせて気持ち悪いくらいの前後左右から上下すらも自在に動く立体機動。ぴょんぴょんはねたりなんならビルの壁を這い上がったり。幹線道路を脚の車輪でスケートで滑るみたいに走ったり、とあの自在性に、自由極まる動きからの戦闘。
これを目の当たりにした時の感覚って、人型のロボットのそれを見るのとはまた違うゾクゾク感、ありますよね。王道としては攻殻機動隊のタチコマとかフチコマ。最近だと【８６】のジャガーノートやレギンレイヴ。【８６】のアニメのあの多脚戦車たちの戦闘シーンは痺れたんだよなあ。
とまれ、これらはあくまで多脚戦車であって、多脚の下半身に対して上半身が人型だったりするとまた味わいが違ってくるんですけどね。そこはもろにアーマードコアなんだよなあ、戦い方も。
半世紀以上を人類の生存圏を守るために維持され、その方向にのみ発展してきた世界において、自由な発想を生む娯楽というのはやはりそれほど生まれてはいないのでしょう。
主人公の川上啓太、当人は自分のことをよくわかっていなくて前提からして勘違いしているんだけれど、彼って人造の存在でも有り救世主計画といういわば人類決戦存在を作り出す計画の数少ない成功例なわけですが、彼の強みであり天才性ってそういうスペックじゃなくて、そのスペックを野放図に使えてしまう常識知らずのところなんですよね。
彼ってかなり思慮深く、物事や組織の思惑なんかにしても非常に注意深く観察し、自分と妹の身の安全を守るため将来を担保してもらうために知恵をひねって、思考を常に巡らせている、まあ慎重で油断をせず増長しない、かなり弁えた人物である、と言っていいでしょう。
と、同時にかなりのアホでもある。アホです。
彼の思考、思慮ってなんかもう前提から間違ってるんですよね。誤解と思い込みが初手から彼の踏み出す一歩目を明後日の方向にしてしまっているし、色々と深く考えているつもりの本人に対して、実際に客観的に見るとこいつなんにも考えてないだろう、という結果結論に至ってしまっている。
前提としている知識に間違いが有り、常識と思っている在り方がこの世界では根本的に違っていたり存在していなかったりするものだから、もう何もかもが噛み合ってないんですね。
そして、この世界の常識を知らないからこそ、普通なら迷ってしまう場面でも、戸惑ってしまうところでも、非常識すぎて躊躇してしまう土壇場でも、彼は彼なりの深慮遠謀をめぐらしているつもりで、地雷原をタップダンスで突き抜けていってしまうのである。
実際、考えるのを止めて思考停止して、まあいいや、とやっちゃえ！ という感じでやらかすこともあるので、往々にしてアレである。
だもんだから、意味不明の天才として、英雄らしく畏怖されると同時に「HENTAI」としてなんだこいつ？とドン引きされていくのである。
妹ちゃんの方も同じ救世主計画の被験体であり、こっちは真っ当な天才なんですよね。真っ当な天才であるからこそ、自分たちの置かれた環境、状況、背景事情なんかも余人が気づかぬレベルで掌握している。掌握しているからこそ、もう自分たちがどん詰まりの行き止まりで救われようのない所にいたはずという自覚があり、それをなんかもうガンガン掘削して穴開けて突破していってしまう兄に惚れ込んでるんですね。
同じ天才として比較すると、あまりに違いすぎる二人だからこそ、如実にそのスタイルの違いもよくわかる。というか、この主人公じつはアホだろ、というのがよくわかるのである。
でも、本物の英雄だ。意味不明なくらい強くて、これまでの戦場の理をぶち壊していく新しい流れの源泉でもある。面白い！
そしてやっぱり多脚式メカはいい。特に人型の機体がほとんどであり、また敵が巨大な魔物たちであるというシチュエーションこそが、多脚式メカの舞台として最高だと思うんですよね。
一番こう、グッとくるものがある。熱きパトスが迸るんですよ！ｗ
しかし最上重工の社長、これ啓太がいなかったらどう言い訳しても社運をかけてどうしようもない欠陥機作ったダメ社長じゃないかしら。普通に会社潰れてたんじゃないのｗ
