【隠居暮らしのおっさん、女王陛下の剣となる ~引退騎士は娘のために王国筆頭騎士に返り咲く~】 天酒之瓢／みことあけみ DREノベルス
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娘のためにおっさん騎士、最強に復帰!
王国筆頭騎士を引退後、最辺境の街で巨大な人型機械「鉄獣機」を操縦し、貨物運びの日々を送るワット・シアーズ。ときには「鉄獣機」乗りの師匠、ときには街の仲裁役として頼られるおっさんとして、しがない余生を過ごすはずだったが……
「父親であるあなたに会いに来たのです」
自分の娘と名乗る少女アンナとの出会いを機に、彼の騎士としての物語が再び動き出す。
「『継承選争』が、始まったのです」
次期国王を選ぶための争い『継承選争』。ワットは次期�牴Ν瓩了餝覆鮖�つアンナが継承候補の王弟に狙われていることを知り助けることに。
のちに王国を巻き込んだこの出来事は娘(女王)の剣として、王国最強の騎士に復帰するきっかけとなり――
【ナイツ＆マジック】の天酒之瓢の新シリーズはDREノベルスから。
やっぱりファンタジー世界のロボットものなんですね。
見た目は騎士とかハブ駅の現場の作業員の親方って感じじゃなく、結婚詐欺師みたいな風貌なんだが、これでも騎士をドロップアウトして流れてきた辺境の街でベテラン作業員として、上には頼られ下には慕われ、と実質顔役みたいになってたオッサンである。……いや、全然隠居なんかしてないよね？ 現場の親方としてバリバリ働く毎日でしたよね！？
さすがに３９歳はオッサンの範疇だろう。最近、三十路前後でおっさん呼ばわりするような作品が珍しくないけど、さすがに若者視点すぎる。３５までは確実にまだ若いの範疇だよ……いや、３３くらいからかな（ちょっと弱気）。
でも年頃の娘がいるくらいだから、もうオッサンだよね。
というわけで、認知していなかった娘（王女）が現れ逃げてきたので匿ってほしい、と頼られてやる気満々になってしまうおっさんの話である。
わかる。この娘、いきなり大きくなって現れたので、お父さん臭い、とか顔忘れられておじさん誰？とか辛辣な扱いを娘から受けたことがないまま、やたらと可愛くて昔の婚約者そっくりの年頃の娘さんから、お父様！と野放図に慕われることの甘美さよ。舞い上がっちゃうよね、お父さんだもん。
そんな彼が婚約者と別れて自分の子供の存在も知らずに騎士を止めて辺境に流れてきた理由には涙涙の物語があり、すなわち権力者に寝取られたのである。
王太子も、出自が平民とはいえ近衛騎士団長にまで成り上がり、王国最強の名を恣にしている男の婚約者を、政治目的とかじゃなくて単にイイ女だから、という理由で無理やり奪うとかって、頭大丈夫か？てなもんなんですよね。
いやこれ、どうしようもないくらいの政治的失点だと思うんだけれど、この失点を拾えない時点で王位継承の対抗馬である王弟殿下も全然ダメだわ。対立派閥からすると致命的醜聞のはずなんだが。
そんで、その婚約者だったカリナさん、王太子妃になってるんですよね。妾じゃないんだ。
実力では、王太子をその取り巻きごとぶっ殺してカリナとともに逃げるくらいは簡単に出来ただろうに、さすがにカリナの方は貴族家の一員でそんな事をしたら国賊として一族族滅させられかねないし、カリナからすると愛する人をこの国の敵にしてしまうのは耐えられない、ということで、大人しく強奪を受け入れてしまったので、ワットとしてはもう出ていくしかないわなあ、これ。
そのまま使えて脳を焼かれ続けるとか耐えきれないし。
これに関しては、近衛騎士団の連中が全部投げ出して逃げやがって、と若干恨み節なのはさすがに可哀想。特に同僚で片腕だったキャロームさんは事情全部知ってたみたいだし、そこは責めてやるなよ。
と、思わないでもないけれど、あとは頼むしカリナの事も頼む、とだけ言い残してあと十数年音沙汰なしじゃあ、恨み節の一言も言いたくなるか。
キャロームさん、その捨て台詞を真に受けて、本当にずっと近衛騎士団支え守り続けてきたんだもんなあ。うん、これは恨み節ガンガンぶつけていいですわ。消息くらいは伝えてあげなさいよ。
おかげで、ほんとにいき遅れになってしまったみたいだし。これは責任とるべきでは？
さても、国王陛下の不豫により王位継承の戦いが勃発。そのなかで、王太子レザマの長女として人質の駒とみなされたアンナは、王都で危険な立場となり母カリナに逃されて、実の父だというワットのもとに逃げてくる。
いやこれ、アンナさんがワットの娘って、レザマ殿下知ってるんですよね？ それでよく廃嫡せずに継承権まで与えてたなあ……いや、なんで継承権まで与えてんの？ このコ王家の血引いてないよ！？
キャラクター見ている限り、十数年経っても人間的に成長してたり智謀がこんこんと湧き出るようになったり、というふうには見えず単なる刹那的に頭の悪い野心だけ肥大化したクズ野郎、でしかないように見えるんだけれど。
それにしては、アンナを囮にして対抗馬である王弟にルール違反を起こさせて、問答無用で断罪する、という策略は見事でした。……あれ、カリナが最初はもっと杜撰な計画だった、とぶっちゃけてるんですけれど、じゃあ誰が奸智に長けた策謀に練り直したのか？ って話なんですよね。
アンナをワットの元に行かせて娘の安全を図ろうとしたのは、カリナらしいけれど。他の計画の練り直しにも噛んでない、この人？ もしくは、アンナの弟妹である双子のレドとレダの二人がなにかしたのか。
この双子、なんかやたらと邪悪で妖しく闇深そうなキャラクターなんだけれど、父親であるレザマにはさっぱり似ていない。あの父親の頭の空っぽさと底の浅さとは真逆ですらある。じゃあ、誰に似たの？ というと、自然と母親の方を見てしまいますよね？
双子の育成に母であるカリナがどれだけ関わったのか。アンナについては、放置状態だったのを幸いにアンナが色々と王女では経験し得ないような事まで教えたかわりに帝王学なんかはほとんど手を付けてない、みたいな話でしたけれど。
正当な後継者であろう双子には、カリナは関与できなかったんだろうか。普通に見る限りのカリナの性質からして、その育成教育に関わったらマトモな要素が幾分でも残るだろうに。
それとも、カリナの方にもなんか闇があるんだろうか。
アンナが立って事が済んだあと、良い夫でも父でもなかっただろうレザマの側を唯一カリナは離れずに付き添っている、というのがなあ。なんか情が湧いた、というのでなければ、どういう心境なのかイマイチわからん。情が湧きそうな要素がレザマに一片もないだけに。あれで、ちゃんと愛情を注いでくれる夫だったんだろうか。いや、ちゃんと理由があるならそれでいいんですけどね。
でも、あの邪悪な双子に共通するような悪しき何かがカリナにもないとも限らない、と実のところこのお母様がどんな人なのかそこまで詳しく描写されていないだけに、ちょっと穿ってしまうところがある。
しかしこれ、ほんとにアンナ大丈夫なんだろうか。ガチで王家の血まったく入ってないんだが。それで女王になれるの！？ ワットとアンナが親子というのが、どこまで秘密なのかも謎ですしね。わりと普通に言いふらしてましたよね！？
それでワットが後ろ盾になってレザマぶっ飛ばして娘を女王に押し上げた、とも見て取れるので、これ王家簒奪のクーデターと見られてもおかしくないんじゃなかろうか。でも、アンナの継承権は正当に認められたものであるのも間違いないみたいだし、継承権さえあれば継承戦争勝ち抜きさえすればOKという、わりとファジーなのかな、基準。
そして、新たな女王が誕生したのはいいのですけれど、支援してくれる貴族層は、単なる反王太子派が勢いで後押ししただけで、派閥としてすら纏まっていない状態。ワットの雇い主でもあった、辺境の商人出身の男爵が後ろ盾の最上位って、その時点で派閥組織として土台も何もあったもんじゃない。
これは前途多難だぞ。そして、怪しく動き出す双子たち。これ、双子がラスボス？
一応、この双子もワットから見ると義理の子供になるの？ いや、ならないか。娘の義理の弟妹でかつての婚約者の子供って難しいポディションだな。
やっぱりファンタジー世界のロボットものなんですね。
見た目は騎士とかハブ駅の現場の作業員の親方って感じじゃなく、結婚詐欺師みたいな風貌なんだが、これでも騎士をドロップアウトして流れてきた辺境の街でベテラン作業員として、上には頼られ下には慕われ、と実質顔役みたいになってたオッサンである。……いや、全然隠居なんかしてないよね？ 現場の親方としてバリバリ働く毎日でしたよね！？
さすがに３９歳はオッサンの範疇だろう。最近、三十路前後でおっさん呼ばわりするような作品が珍しくないけど、さすがに若者視点すぎる。３５までは確実にまだ若いの範疇だよ……いや、３３くらいからかな（ちょっと弱気）。
でも年頃の娘がいるくらいだから、もうオッサンだよね。
というわけで、認知していなかった娘（王女）が現れ逃げてきたので匿ってほしい、と頼られてやる気満々になってしまうおっさんの話である。
わかる。この娘、いきなり大きくなって現れたので、お父さん臭い、とか顔忘れられておじさん誰？とか辛辣な扱いを娘から受けたことがないまま、やたらと可愛くて昔の婚約者そっくりの年頃の娘さんから、お父様！と野放図に慕われることの甘美さよ。舞い上がっちゃうよね、お父さんだもん。
そんな彼が婚約者と別れて自分の子供の存在も知らずに騎士を止めて辺境に流れてきた理由には涙涙の物語があり、すなわち権力者に寝取られたのである。
王太子も、出自が平民とはいえ近衛騎士団長にまで成り上がり、王国最強の名を恣にしている男の婚約者を、政治目的とかじゃなくて単にイイ女だから、という理由で無理やり奪うとかって、頭大丈夫か？てなもんなんですよね。
いやこれ、どうしようもないくらいの政治的失点だと思うんだけれど、この失点を拾えない時点で王位継承の対抗馬である王弟殿下も全然ダメだわ。対立派閥からすると致命的醜聞のはずなんだが。
そんで、その婚約者だったカリナさん、王太子妃になってるんですよね。妾じゃないんだ。
実力では、王太子をその取り巻きごとぶっ殺してカリナとともに逃げるくらいは簡単に出来ただろうに、さすがにカリナの方は貴族家の一員でそんな事をしたら国賊として一族族滅させられかねないし、カリナからすると愛する人をこの国の敵にしてしまうのは耐えられない、ということで、大人しく強奪を受け入れてしまったので、ワットとしてはもう出ていくしかないわなあ、これ。
そのまま使えて脳を焼かれ続けるとか耐えきれないし。
これに関しては、近衛騎士団の連中が全部投げ出して逃げやがって、と若干恨み節なのはさすがに可哀想。特に同僚で片腕だったキャロームさんは事情全部知ってたみたいだし、そこは責めてやるなよ。
と、思わないでもないけれど、あとは頼むしカリナの事も頼む、とだけ言い残してあと十数年音沙汰なしじゃあ、恨み節の一言も言いたくなるか。
キャロームさん、その捨て台詞を真に受けて、本当にずっと近衛騎士団支え守り続けてきたんだもんなあ。うん、これは恨み節ガンガンぶつけていいですわ。消息くらいは伝えてあげなさいよ。
おかげで、ほんとにいき遅れになってしまったみたいだし。これは責任とるべきでは？
さても、国王陛下の不豫により王位継承の戦いが勃発。そのなかで、王太子レザマの長女として人質の駒とみなされたアンナは、王都で危険な立場となり母カリナに逃されて、実の父だというワットのもとに逃げてくる。
いやこれ、アンナさんがワットの娘って、レザマ殿下知ってるんですよね？ それでよく廃嫡せずに継承権まで与えてたなあ……いや、なんで継承権まで与えてんの？ このコ王家の血引いてないよ！？
キャラクター見ている限り、十数年経っても人間的に成長してたり智謀がこんこんと湧き出るようになったり、というふうには見えず単なる刹那的に頭の悪い野心だけ肥大化したクズ野郎、でしかないように見えるんだけれど。
それにしては、アンナを囮にして対抗馬である王弟にルール違反を起こさせて、問答無用で断罪する、という策略は見事でした。……あれ、カリナが最初はもっと杜撰な計画だった、とぶっちゃけてるんですけれど、じゃあ誰が奸智に長けた策謀に練り直したのか？ って話なんですよね。
アンナをワットの元に行かせて娘の安全を図ろうとしたのは、カリナらしいけれど。他の計画の練り直しにも噛んでない、この人？ もしくは、アンナの弟妹である双子のレドとレダの二人がなにかしたのか。
この双子、なんかやたらと邪悪で妖しく闇深そうなキャラクターなんだけれど、父親であるレザマにはさっぱり似ていない。あの父親の頭の空っぽさと底の浅さとは真逆ですらある。じゃあ、誰に似たの？ というと、自然と母親の方を見てしまいますよね？
双子の育成に母であるカリナがどれだけ関わったのか。アンナについては、放置状態だったのを幸いにアンナが色々と王女では経験し得ないような事まで教えたかわりに帝王学なんかはほとんど手を付けてない、みたいな話でしたけれど。
正当な後継者であろう双子には、カリナは関与できなかったんだろうか。普通に見る限りのカリナの性質からして、その育成教育に関わったらマトモな要素が幾分でも残るだろうに。
それとも、カリナの方にもなんか闇があるんだろうか。
アンナが立って事が済んだあと、良い夫でも父でもなかっただろうレザマの側を唯一カリナは離れずに付き添っている、というのがなあ。なんか情が湧いた、というのでなければ、どういう心境なのかイマイチわからん。情が湧きそうな要素がレザマに一片もないだけに。あれで、ちゃんと愛情を注いでくれる夫だったんだろうか。いや、ちゃんと理由があるならそれでいいんですけどね。
でも、あの邪悪な双子に共通するような悪しき何かがカリナにもないとも限らない、と実のところこのお母様がどんな人なのかそこまで詳しく描写されていないだけに、ちょっと穿ってしまうところがある。
しかしこれ、ほんとにアンナ大丈夫なんだろうか。ガチで王家の血まったく入ってないんだが。それで女王になれるの！？ ワットとアンナが親子というのが、どこまで秘密なのかも謎ですしね。わりと普通に言いふらしてましたよね！？
それでワットが後ろ盾になってレザマぶっ飛ばして娘を女王に押し上げた、とも見て取れるので、これ王家簒奪のクーデターと見られてもおかしくないんじゃなかろうか。でも、アンナの継承権は正当に認められたものであるのも間違いないみたいだし、継承権さえあれば継承戦争勝ち抜きさえすればOKという、わりとファジーなのかな、基準。
そして、新たな女王が誕生したのはいいのですけれど、支援してくれる貴族層は、単なる反王太子派が勢いで後押ししただけで、派閥としてすら纏まっていない状態。ワットの雇い主でもあった、辺境の商人出身の男爵が後ろ盾の最上位って、その時点で派閥組織として土台も何もあったもんじゃない。
これは前途多難だぞ。そして、怪しく動き出す双子たち。これ、双子がラスボス？
一応、この双子もワットから見ると義理の子供になるの？ いや、ならないか。娘の義理の弟妹でかつての婚約者の子供って難しいポディションだな。
