【継母の連れ子が元カノだった １２．男なんて一人しかいない】 紙城 境介／ たかやKi 角川スニーカー文庫
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黒歴史《おもいで》にさよならを告げる!? 大阪逃避行編!
川波小暮は目覚めると、パンツ一丁だった。しかも昨夜の記憶がまるっと無い!
中学時代の同級生と遊んでいたらしく、暁月に夜のことを尋ねようとするも
「へへ。おはよ、こーくん」
なぜか昔の呼び方で、意味深な態度をとるばかり。もしかして……やらかした?
一方の暁月も記憶が無く、起きたらパンイチの小暮と下着姿の自分がいたという朝チュンな光景に混乱していた!
帰省中の水斗と結女に助けを求めながら、小暮はあの夜の真実を追い――
暁月はもうこの機に関係を進めてしまおうと、小暮をムラムラさせて再告白を引き出そうとし!?
真相が明らかになるとき、幼馴染みは黒歴史《おもいで》を乗り越える!
主人公カップルよりも関係がもつれに縺れて拗れてしまっていた川波・暁月の幼馴染カップルのようやくの決着編。
まあ確かに、川波がPTSDまで患ってしまって好意を向けられると蕁麻疹が発症して最悪嘔吐や意識の混濁まで起こしてしまう、なんて状態でしたから軽々によりを戻すなんて事も当然叶わず、当初は二人の関係も微妙でしたからね。水斗と結女のそれとはまただいぶ状況が違っていた、とも言えます。
それに、暁月がもう一度踏ん切りつけて川波と距離縮める決断が出来るようになったのは、結女たちと仲良くなり男女ひっくるめて色々と行動する機会があったからですしねえ。
というか、川波たちの方が先にくっついてたら、あの二人のことですから余計な茶々たくさん入れてきて鬱陶しい事になってたんじゃないだろうか。川波はともかく、暁月の方は的確なアドバイスとか出来るイメージが湧かない。いらんこと相当しそうｗ
ともあれ、水斗と結女が交際をはじめて順調に安定して落ち着いたお付き合いを続ける脇で、暴露治療めいたアレルギー反応が出るか出ないかのギリギリを見極めつつのアプローチを続けていた暁月。そのお陰で段々と激烈なアレルギー反応は起こさなくなってきていた川波。
とはいえ、二人の縒りが戻ったわけではなく、川波の方は未だに暁月に対してラインを引き、暁月の方も負い目があるが故に必要以上に踏み込まない。或いはこのままなら、変に膠着してしまっていたかもしれませんし、本当に川波が完治したことを確認して、暁月が身を引いて距離を置いてしまっていたかもしれません。
……このメンヘラ女にそれが可能だったかはともかくとして、罪悪感塗れの彼女はそういう責任のとり方をしようとは思うんじゃないでしょうか。出来るできないは脇においておくとして。
だから、川波と暁月が目を覚ますと記憶を喪っていて、裸同然の下着で同衾していた、という衝撃的なスタートは、確かに彼らにとっての契機になったのでしょう。
単にお互い酔っ払って記憶なくすまで飲んで一緒に寝ちゃってた、程度の問題ではなく、実際は複雑に入り組んだ展開があって、謎が謎を呼ぶミステリー調のお話になっていたのですが。
酒が原因じゃなく、アレルギー反応が原因で記憶が吹っ飛ぶって、川波のそれかなり危ない劇症だったんじゃないだろうか。記憶なくなるとか相当ですよ？
治りかけてたんじゃないの？ と言いたくなるくらいの反応なんですよね、これ。
実のところこれって、恋愛アレルギー治っていってたんじゃなくて単純に暁月相手限定で解除されていたんじゃないの？ 今の所、他の子相手だと相変わらずひどいことになってる様子しか見てないんだけど？
暁月の暴露治療って、つまるところ自分にだけ最適化してたんじゃないの疑惑が。もちろん、暁月当人にはそんなつもりはなかろうけれど。
でもこの女、冒頭でやっちゃったと誤解したあと、またぞろしおらしく彼女ヅラして甘えだしてたからなあ。わりとすぐに記憶取り戻して、自らにカウンターパンチ食らわしてましたけれど。隙あらばやらかして、自己嫌悪に陥っとる女子である。
まああれだけの事されて、精神的外傷まで負わされたのに、徹底して拒絶したり無視したり形振り構わず逃げ出したりもせず、微妙な関係ながらもずっと友達付き合い以上のお隣同士のプライベートを半ば共有した幼馴染づきあいを続けてしまっていた時点で、川波に逃れる余地はなかったのでしょう。囚われてしまっていたというべきか。
それを自覚させ、暁月を赦し恕して自分の彼女への恋心を許すのに必要な契機となったのでしょう。川波の中学時代の友人である真琴には辛いことになってしまいましたけれど、ずっと引きずっていた未練を解消するという意味では高校でうまくやれずに過去の思い出に囚われていた彼女にとっても進めなかった一歩を進ませる一助になったかもしれません。
しかし、ラストのベランダのシーンは一軒家同士だと二階の屋根伝いに隣の家の部屋に飛び込むシーンだよなあ。意外とマンションとかアパートで隣同士の幼馴染ってあんま見たこと無いので、こういうシチュエーションは新鮮かも。隣の部屋になった相手と段々と恋人関係になっていくラブストーリーなんかだと見たことのある展開なんだけれど。
さて、川波と暁月がふたたび付き合い出したとの報告は水斗たちにはしていたけれど、よりを戻した二人がどんなカップルになっているかはまだ描写されていないんですよね。水斗たちと違って別に隠す必要のない大っぴらに恋人やれる二人なだけに、さてどういう有り様になるのやら。暁月がもうひどいことになりそうなんだけれど、今までそっけなかった分川波の方も反動で相当にデレそうなんだよなあ。
だいぶ鬱陶しいカップルになるんじゃないの、これ？
一方で、付き合いはじめてからだいぶ経つのだけれど、更年期……じゃない、倦怠期になることもなく落ち着いたでも親密で熱の途切れない関係を続けている水斗と結女。この安定感は凄いよなあ。兄妹で家族という関係が、二人を下支えしているように見える。
もう何の問題もないように見える二人だけれど、でも最大の問題を放置したままでもあるんですよね。
すなわち、両親に何も告げていないこと。お母さんは未だに水斗といさなが付き合ってると思ってるんでしたっけ！？ 水斗と結女が真剣にお付き合いをしている以上、どこかで両親には自分たちの関係を告白しなければならない。できれば自分たちから言った方がいいんだろうけれど。
そして、着実にプロへの道を歩みつつあるいさな。プロへの道を歩むと言っても、いさなは描く以外なにも出来ないので、その道に進むためのプロセスをあれこれ世話して経理やってマネージメントしていくのは水斗になるわけですから、無関係どころかむしろ水斗の方が大変忙しくなっていくのですよね。
つまり、水斗もプロの道へと同乗していくことになる。本格的に、そっちの話になっていくのだろうか。
結女の方は生徒会の引き継ぎの話になっていくんですかね。次期生徒会長を誰がやるか、って話もあるだろうし。
まあ確かに、川波がPTSDまで患ってしまって好意を向けられると蕁麻疹が発症して最悪嘔吐や意識の混濁まで起こしてしまう、なんて状態でしたから軽々によりを戻すなんて事も当然叶わず、当初は二人の関係も微妙でしたからね。水斗と結女のそれとはまただいぶ状況が違っていた、とも言えます。
それに、暁月がもう一度踏ん切りつけて川波と距離縮める決断が出来るようになったのは、結女たちと仲良くなり男女ひっくるめて色々と行動する機会があったからですしねえ。
というか、川波たちの方が先にくっついてたら、あの二人のことですから余計な茶々たくさん入れてきて鬱陶しい事になってたんじゃないだろうか。川波はともかく、暁月の方は的確なアドバイスとか出来るイメージが湧かない。いらんこと相当しそうｗ
ともあれ、水斗と結女が交際をはじめて順調に安定して落ち着いたお付き合いを続ける脇で、暴露治療めいたアレルギー反応が出るか出ないかのギリギリを見極めつつのアプローチを続けていた暁月。そのお陰で段々と激烈なアレルギー反応は起こさなくなってきていた川波。
とはいえ、二人の縒りが戻ったわけではなく、川波の方は未だに暁月に対してラインを引き、暁月の方も負い目があるが故に必要以上に踏み込まない。或いはこのままなら、変に膠着してしまっていたかもしれませんし、本当に川波が完治したことを確認して、暁月が身を引いて距離を置いてしまっていたかもしれません。
……このメンヘラ女にそれが可能だったかはともかくとして、罪悪感塗れの彼女はそういう責任のとり方をしようとは思うんじゃないでしょうか。出来るできないは脇においておくとして。
だから、川波と暁月が目を覚ますと記憶を喪っていて、裸同然の下着で同衾していた、という衝撃的なスタートは、確かに彼らにとっての契機になったのでしょう。
単にお互い酔っ払って記憶なくすまで飲んで一緒に寝ちゃってた、程度の問題ではなく、実際は複雑に入り組んだ展開があって、謎が謎を呼ぶミステリー調のお話になっていたのですが。
酒が原因じゃなく、アレルギー反応が原因で記憶が吹っ飛ぶって、川波のそれかなり危ない劇症だったんじゃないだろうか。記憶なくなるとか相当ですよ？
治りかけてたんじゃないの？ と言いたくなるくらいの反応なんですよね、これ。
実のところこれって、恋愛アレルギー治っていってたんじゃなくて単純に暁月相手限定で解除されていたんじゃないの？ 今の所、他の子相手だと相変わらずひどいことになってる様子しか見てないんだけど？
暁月の暴露治療って、つまるところ自分にだけ最適化してたんじゃないの疑惑が。もちろん、暁月当人にはそんなつもりはなかろうけれど。
でもこの女、冒頭でやっちゃったと誤解したあと、またぞろしおらしく彼女ヅラして甘えだしてたからなあ。わりとすぐに記憶取り戻して、自らにカウンターパンチ食らわしてましたけれど。隙あらばやらかして、自己嫌悪に陥っとる女子である。
まああれだけの事されて、精神的外傷まで負わされたのに、徹底して拒絶したり無視したり形振り構わず逃げ出したりもせず、微妙な関係ながらもずっと友達付き合い以上のお隣同士のプライベートを半ば共有した幼馴染づきあいを続けてしまっていた時点で、川波に逃れる余地はなかったのでしょう。囚われてしまっていたというべきか。
それを自覚させ、暁月を赦し恕して自分の彼女への恋心を許すのに必要な契機となったのでしょう。川波の中学時代の友人である真琴には辛いことになってしまいましたけれど、ずっと引きずっていた未練を解消するという意味では高校でうまくやれずに過去の思い出に囚われていた彼女にとっても進めなかった一歩を進ませる一助になったかもしれません。
しかし、ラストのベランダのシーンは一軒家同士だと二階の屋根伝いに隣の家の部屋に飛び込むシーンだよなあ。意外とマンションとかアパートで隣同士の幼馴染ってあんま見たこと無いので、こういうシチュエーションは新鮮かも。隣の部屋になった相手と段々と恋人関係になっていくラブストーリーなんかだと見たことのある展開なんだけれど。
さて、川波と暁月がふたたび付き合い出したとの報告は水斗たちにはしていたけれど、よりを戻した二人がどんなカップルになっているかはまだ描写されていないんですよね。水斗たちと違って別に隠す必要のない大っぴらに恋人やれる二人なだけに、さてどういう有り様になるのやら。暁月がもうひどいことになりそうなんだけれど、今までそっけなかった分川波の方も反動で相当にデレそうなんだよなあ。
だいぶ鬱陶しいカップルになるんじゃないの、これ？
一方で、付き合いはじめてからだいぶ経つのだけれど、更年期……じゃない、倦怠期になることもなく落ち着いたでも親密で熱の途切れない関係を続けている水斗と結女。この安定感は凄いよなあ。兄妹で家族という関係が、二人を下支えしているように見える。
もう何の問題もないように見える二人だけれど、でも最大の問題を放置したままでもあるんですよね。
すなわち、両親に何も告げていないこと。お母さんは未だに水斗といさなが付き合ってると思ってるんでしたっけ！？ 水斗と結女が真剣にお付き合いをしている以上、どこかで両親には自分たちの関係を告白しなければならない。できれば自分たちから言った方がいいんだろうけれど。
そして、着実にプロへの道を歩みつつあるいさな。プロへの道を歩むと言っても、いさなは描く以外なにも出来ないので、その道に進むためのプロセスをあれこれ世話して経理やってマネージメントしていくのは水斗になるわけですから、無関係どころかむしろ水斗の方が大変忙しくなっていくのですよね。
つまり、水斗もプロの道へと同乗していくことになる。本格的に、そっちの話になっていくのだろうか。
結女の方は生徒会の引き継ぎの話になっていくんですかね。次期生徒会長を誰がやるか、って話もあるだろうし。
