【みみみみ -神手洗澪には未来が視える-】 岬 鷺宮／イコモチ MF文庫J
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最後の戦いは終わった。ここから先は彼女と僕の、ありふれた恋の話。
突如地球に現れた【外敵】との戦い【IW禍】は、人類の勝利に終わった。世界に平和が戻ってきた。復興が進められる中で俺・桃澤基雄は、とある人物の側近に選ばれる。未来を予知する『未来視』能力で、人類を勝利に導いた『元』救世主。神手洗澪の側近に。しかも彼女は初対面で、「わたしたち、将来結婚するようですよ?」なんて言い出して……!?
始まった彼女との日常。学校では正体を隠しつつ恋人同士として、放課後はお隣さんとして共同生活を送る日々。騒がしくも楽しいそんな毎日の中で、俺は一人の女の子としての澪を知っていく――。これは『平和になった世界』で始まる、元救世主とのありふれた恋物語。
昔懐かし、或いは古式ゆかしい。自分にとってはそう言えば最近(!)あんまり見ないね？ という四文字タイトルであります。
ヒロインは敵性エイリアン？の襲来によって壊滅しかけていた地球を、その未来予知の能力を駆使して救った救世主。
舞台は、世界が救われて平和が戻ったあと。政府組織の凄まじいバックアップ付きだけれど、正体を隠して元の学生に戻ったヒロインの澪と、彼女のサポート役として同級生としてマンションのお隣さんとして配置された元軍属の少年。軍属といっても後方で支援業務に勤しんでいたので歴戦の兵士とか護衛役ってわけじゃありません。本当に、サポート役。
ところが、そんな彼との共同生活を始めるにあたって、澪が未来視で見てしまったのが自分と彼、基雄くんが将来結婚する結婚式の様子。
おやおやおやーー、どうやら私達将来結婚しちゃうみたいですよ？
ってな塩梅ではじまる、そうこれはラブコメなのです。
ちなみに、他にもサポート役として人員が配置されているのですけれど、基雄くんの上司の女性が成人しているのに制服着せられて女子高生やらされているのには笑った。
と、その椋井さんは別段無理した感じもなくメンタル的にも落ち着いて普通に女子高生しているのは流石である。まあ、それほど年齢行っちゃってるわけじゃなくて、彼女も大学生相当なのでギリギリセーフなのだが。
そのあたり、弄ったり突っ込んだりという展開は全然なかったなあ。そもそも椋井さんあんまり出番なかったし。出番なかったわりに、大事なところでとんでもない融通きかせてくれたりしたので、物語上この上なく必要な人物だったのだけれど。
基雄も十代という年齢の割に大人びている子だったけれど、椋井さんだってまだ二十歳そこそこなのに十分人生観が熟成されてますよｗ
そのわりに女子高生をなんなくこなせて制服も着こなしているあたり、逸材である。
さてもメインヒロインの澪さんは、というと最終的に戦争のあらゆる局面の決定権を握って尋常ならざる決断を下し続けただろう人物だけに、精神的にも擦り切れてたり少女らしさを失ってしまっているのかと思ったら、普段の彼女は普通の女の子、であることを保ってるんですね。無理なく、しっかりと。
非常時にはまた非常時相応の冷厳とした側面を見せるのですけれど、そういう側面があるというのを救世主のサポート役に任命されるほど優秀とされた基雄をして、まったく悟らせないくらい、普段の彼女のゆるっとした明るさは徹底されていたんですよね。それが素であったのでしょうけれど、戦時の顔を一切見せなかったというのはそれだけ切り替えられていた、という事ですからね。
まあ彼女に戦時に心が擦り切れるような体験をしてきたのか、というのはわからないのですけれど。
なんか、外敵と呼ばれる地球外生命体との戦争って、地球規模で本当に人類が絶滅を覚悟するほどに追い詰められた戦争だったのに、どういったものだったのか全然描かれないんですよね。基雄自身、後方で働いていて実際の戦場を知らないからこそ、物語全体としてもそういう情報から断絶されている、というのもあるのかもしれませんけれど、戦争時の情報や雰囲気があまり伝わってこないので、復興の空気や戦争が終わって平和が戻った、という戦争の傷跡やまだ落ち着きが戻りきれていない空気感といった雰囲気もあまり感じられないので、普通のラブコメという範疇に小さく収まってしまっていた作品のようにも思えました。
未来予知、という要素も一度見た未来は変えられない、という観測固定の設定があるのに、そこらへんあんまり突き詰めた設定はないみたいで、澪は日常的に未来予知しているし、変わらないはずの結婚する未来を簡単に諦めちゃってたり、そもそも未来変えられないのにその未来予知で戦争指導ってわりと大変というか難しくない？ というあたりも、ふわっとしたゆるゆるの未来予知という感じで処理されていたので、SF要素はあまり重視しない方がいいのかもしれません。
あくまで、未来予知の能力が使えるしガンガン使っちゃう女の子とのラブコメ、みたいな感じで。
明るく無邪気なようで、自分を後回しにして周りに配慮し続ける澪に、基雄も救世主への敬意からすぐに一人の女の子への好意へと気持ちが変わっていって、澪の方も気遣い上手で未来予知能力者ではなく一人の女の子としてとても大切にしてくれる男の子に対して順当に恋していって、と恋物語としてはチョロいというかスムーズなお話でしたし、順当すぎるが故にすれ違い方も……これ、澪の精神防御耐性が修羅場潜ってるわりにヨワヨワで、ちょっとのすれ違いであっさり挫けちゃうし、基雄が頑張って置い変えてきたらあっさりメンタル復活したり、と……色んな意味でチョロいな、この救世主。
ともあれ、全般的にふわっとしてゆるっとしつつ難しい塩梅は綺麗さっぱり取り除いてスルスルっとした、うんテンポがびっくりするくらい良かったラブコメでした。
ヒロインは敵性エイリアン？の襲来によって壊滅しかけていた地球を、その未来予知の能力を駆使して救った救世主。
舞台は、世界が救われて平和が戻ったあと。政府組織の凄まじいバックアップ付きだけれど、正体を隠して元の学生に戻ったヒロインの澪と、彼女のサポート役として同級生としてマンションのお隣さんとして配置された元軍属の少年。軍属といっても後方で支援業務に勤しんでいたので歴戦の兵士とか護衛役ってわけじゃありません。本当に、サポート役。
ところが、そんな彼との共同生活を始めるにあたって、澪が未来視で見てしまったのが自分と彼、基雄くんが将来結婚する結婚式の様子。
おやおやおやーー、どうやら私達将来結婚しちゃうみたいですよ？
ってな塩梅ではじまる、そうこれはラブコメなのです。
ちなみに、他にもサポート役として人員が配置されているのですけれど、基雄くんの上司の女性が成人しているのに制服着せられて女子高生やらされているのには笑った。
と、その椋井さんは別段無理した感じもなくメンタル的にも落ち着いて普通に女子高生しているのは流石である。まあ、それほど年齢行っちゃってるわけじゃなくて、彼女も大学生相当なのでギリギリセーフなのだが。
そのあたり、弄ったり突っ込んだりという展開は全然なかったなあ。そもそも椋井さんあんまり出番なかったし。出番なかったわりに、大事なところでとんでもない融通きかせてくれたりしたので、物語上この上なく必要な人物だったのだけれど。
基雄も十代という年齢の割に大人びている子だったけれど、椋井さんだってまだ二十歳そこそこなのに十分人生観が熟成されてますよｗ
そのわりに女子高生をなんなくこなせて制服も着こなしているあたり、逸材である。
さてもメインヒロインの澪さんは、というと最終的に戦争のあらゆる局面の決定権を握って尋常ならざる決断を下し続けただろう人物だけに、精神的にも擦り切れてたり少女らしさを失ってしまっているのかと思ったら、普段の彼女は普通の女の子、であることを保ってるんですね。無理なく、しっかりと。
非常時にはまた非常時相応の冷厳とした側面を見せるのですけれど、そういう側面があるというのを救世主のサポート役に任命されるほど優秀とされた基雄をして、まったく悟らせないくらい、普段の彼女のゆるっとした明るさは徹底されていたんですよね。それが素であったのでしょうけれど、戦時の顔を一切見せなかったというのはそれだけ切り替えられていた、という事ですからね。
まあ彼女に戦時に心が擦り切れるような体験をしてきたのか、というのはわからないのですけれど。
なんか、外敵と呼ばれる地球外生命体との戦争って、地球規模で本当に人類が絶滅を覚悟するほどに追い詰められた戦争だったのに、どういったものだったのか全然描かれないんですよね。基雄自身、後方で働いていて実際の戦場を知らないからこそ、物語全体としてもそういう情報から断絶されている、というのもあるのかもしれませんけれど、戦争時の情報や雰囲気があまり伝わってこないので、復興の空気や戦争が終わって平和が戻った、という戦争の傷跡やまだ落ち着きが戻りきれていない空気感といった雰囲気もあまり感じられないので、普通のラブコメという範疇に小さく収まってしまっていた作品のようにも思えました。
未来予知、という要素も一度見た未来は変えられない、という観測固定の設定があるのに、そこらへんあんまり突き詰めた設定はないみたいで、澪は日常的に未来予知しているし、変わらないはずの結婚する未来を簡単に諦めちゃってたり、そもそも未来変えられないのにその未来予知で戦争指導ってわりと大変というか難しくない？ というあたりも、ふわっとしたゆるゆるの未来予知という感じで処理されていたので、SF要素はあまり重視しない方がいいのかもしれません。
あくまで、未来予知の能力が使えるしガンガン使っちゃう女の子とのラブコメ、みたいな感じで。
明るく無邪気なようで、自分を後回しにして周りに配慮し続ける澪に、基雄も救世主への敬意からすぐに一人の女の子への好意へと気持ちが変わっていって、澪の方も気遣い上手で未来予知能力者ではなく一人の女の子としてとても大切にしてくれる男の子に対して順当に恋していって、と恋物語としてはチョロいというかスムーズなお話でしたし、順当すぎるが故にすれ違い方も……これ、澪の精神防御耐性が修羅場潜ってるわりにヨワヨワで、ちょっとのすれ違いであっさり挫けちゃうし、基雄が頑張って置い変えてきたらあっさりメンタル復活したり、と……色んな意味でチョロいな、この救世主。
ともあれ、全般的にふわっとしてゆるっとしつつ難しい塩梅は綺麗さっぱり取り除いてスルスルっとした、うんテンポがびっくりするくらい良かったラブコメでした。
