【男子禁制ゲーム世界で俺がやるべき唯一のこと ６ 百合の間に挟まる男として転生してしまいました】 端桜 了／hai MF文庫J
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絶対に百合にはなり得ない、新感覚の百合ゲーバトル&ラブコメ第6弾!
クリスを黄の寮の「死神」に迎え、ついに三寮戦の幕が上がる!
フーリィ、ラピス、アステミルを擁する蒼の寮と、フレア、三条黎、劉悠然を擁する朱の寮。圧倒的戦力を誇る他寮の攻勢に対し、黄の寮はヒイロ、月檻たちが実力を発揮しつつも綱渡りの用兵を強いられる。
一方、戦いの裏では、ミュールを狙うアイズベルト家が黄の寮の戦力を削ぐべく暗躍していた。
一進一退の攻防のなか、ヒイロたちの機転により暗躍の事実が公になったことで、三寮戦の決着は寮長同士の一騎打ちに持ち込まれる。
「出来損ない」「似非」と蔑まれたミュールが、ヒイロの教えを胸に、運命の決戦に挑む!
ほんとに絶対百合になり得ないんですよ、ヒイロくんがそんなカッコいいことばっかりやってるから！
お前よくそれで自分は置いておいて百合百合してください、とか真顔で言えるよな。
出来るかーー！！ てなもんである。
さすがは百合IQ３である。
というわけで、アイズフェルト家編の集大成である三寮戦、ついに開幕。
もうひたすら健気健気に頑張るミュールの姿を見る度に、無性に泣けてきてしまってどうしようもなかった。
何の才能もなく、何をやっても上手く出来ず、魔力すら通せない。似非と呼ばれ、母ソフィアにはお前はもう何もしなくていい、と言われ……諦め腐りそれでも心の奥底でずっと星を追い求めていたミュール。
失われていた同じ黄の寮の寮生たちの信頼を取り戻し、いつしか守ろうとしながら踏み躙る側に回っていた姉クリスが、絶対的な味方になってくれて。
矮小で何も出来ない無力な子と貶めることでアイズベルト家から娘を守ろうとしていたソフィアの絶望と諦めに勇気を与えて。
フーリィやフレアといった同じ寮長でありながら、歯牙にも欠けられず視界にも入れてもらえなかったミュールが、あの天才たちに真っ向から立ち向かっていく。
おバカでどうしようもない子だけど、ミュールのズタボロになりながらそれでも今度こそは諦めず、諦めず、そうして星を掴んだ彼女の姿に、もうこみ上げてくるものが。
本作は、ほんと感情を盛り上げるというか、かきむしるみたいに感情を沸き立たせる文章表現なんですよね。
ギャグにも、燃える展開にも、ラブコメにも、淡い恋と切ない愛にも、どの展開にも強引なくらいのパワーで揺さぶりにかかってくる。
三寮戦は、最初から最後までそれをトップギアのフルスロットルでやり通したような熱い展開でした。
ヒイロが、本拠地に打ち込まれてくる砲弾を、真っ向から抜刀で切り捨てるシーンはウェブ連載の頃から何度も読み返してしまうほど、もうむちゃくちゃ燃えるシーンでしたよ。あんなん、思わずキャーーーッと黄色い悲鳴をあげてしまうの仕方ないのよ。そんなん、誰が見てもカッコいいに決まってるじゃない。
なんで、そこでアルスハリヤの言うことを聞いてしまうのかね。この百合殺しのアドバイスを、どうして素直に聞いて言うとおりにしてしまうんですかね？
そんなん、女性陣から嫌われるどころかキャーキャー言われるに決まってるじゃないか。ここぞというとき、アルスハリヤの言う通りにしちゃうこいつは、だから百合IQが３だとか言われるんだよ。実は百合を成立させる気なんてサラサラないだろう、と周りに思われるのも仕方ないよ。百合に挟まる男を心の底から憎んでいるのに、憎みながらグイグイと自分で挟まっていくんだから。いやそれは正確ではないか、招き寄せているのか。
ついに、クリスとの封印された記憶もミュールを守るために、劉を止めるために解放してしまいましたからね。あれは、百合至上主義者であるヒイロにとって敗北の記憶、主義を折った記憶。取り戻せば、二度と元に戻れないポイント・オブ・ノーリターンなんですよ。
いや、普通は大事な人との大切な恋の記憶が失われていて、それを傍らで黙って耐えていた少女という構図から、その記憶が取り戻されて二人の愛の絆が再び……という展開は、感動そのものといっていいもののはずなんだけれど、ヒイロにとっては地獄の開陳、というのはなんか脳がバグるよねｗ
その淡くも大切な記憶が戻ることで、ヒイロは絶望と自己の崩壊に崩れ落ちる、という。なんか人格が崩壊しかねない悪夢の記憶が蘇ったような反応に、あたまがバグるｗ
ただもうほんとに、ヒイロにとってこの記憶が戻ってしまった以上、無かった事には出来ないんですよね。百合という関係を至上としながら、それ以上に百合の成立のためにその女性の心を踏み躙ることが出来ないのがヒイロくん。彼にとって、本当に一番大事なのは女の子の心を守ること。
そのためならば、人間としての存在を捨てることも、百合の優先度を下げることすらも厭わない。
クリスと彼氏彼女の関係になったこと。恋人同士として過ごした時間。恋をして愛を交わしたあの夢の世界は、クリスと想いを通じあわせて彼女の気持ちを痛いほど理解してしまっているから、蔑ろにできない。しかも、向こうからの一方通行じゃなくて、確かにヒイロの側からも矢印向けちゃった間柄ですからねえ。
この時点で、クリスはもうスノウや緋墨と同じ誰かとの百合の関係に押しやれずに、自分が責任とらないといけない枠になったのです。
ガチ嫁のスノウ。ガチ女房の緋墨。そしてガチカノジョのクリスの三巨塔の誕生だ。
そして、このミュール編ってすなわちアイズベルト編であり、アイズベルト一家全員の救済を掴む物語である以上、ミュールが自分の力で星を掴むのと同時に、母ソフィアが苦しんで苦しんでそれでも娘たちを愛するが故に謝ってしまった道を正すこと。そして、魂の支えであるアイズベルトの長女を失って無明の闇をさまようアイズベルトの長姉・劉悠然に、光はあるんだと。星は確かにそこにあるのだと証明すること。彼女たちの救済こそが、この三寮戦のメインストーリーでもあったんですよねえ。
その結果として、ヒイロは人としての死を自らに課すほどの逸脱を見せてしまうのですが。
そこまでやるか、という話である。そこまでやる男なのだ、ヒイロという男は。そこまでやってしまえる男だからこそ、この世界の理である百合を徹底的に破壊してしまうのですが。誰よりも百合の守護者でありたいと願いながら、そうしようと頑張れば頑張るほど百合を破壊してしまう、悲しき百合殺し。
正しく、百合殺しアルスハリヤの後継者であり分身であり、無二の相棒になってしまってるんですよねえ、こいつ。
ついに、アルスハリヤが守護天使呼ばわりされ出してしまいましたし。守護天使！ アルスハリヤが！ （笑）
ってかヒイロくん、わりとというかこいつ終始勢いとノリで喋ってるところがあって、ついにヒイロ自身の口からアルスハリヤのこと守護天使とか呼んじゃうんだもんなあ。
本来不倶戴天の相いれぬ、思想も存在も絶対に受け入れられないもの同士なのに、もうこんなの相棒以外の何者でもないじゃないですか。この二人の関係もなんか好きなんですよねえ。
しかしこれで、神聖百合帝国という行き場をなくした魔人支持者の避難所みたいなのだった組織は、魔人の実働組織になってしまうんですよね。緋墨さんがさらに重要なポディションに。ブックウォーカーの電子版特典小説では、またぞろ組織を預かる女房役として三寮戦で活躍するヒイロくんの様子に完全に女房気分でニコニコしているの、むちゃくちゃ可愛かったです。
そして、何故か委員寮クロエとうちのヒイロとマウント取り合ってるんですがｗ いや、緋墨はともかく、クロエさんがそこまでマウント取ろうとするの！？
そして、ガチ嫁の正妻ことスノウはこっちはこっちで堂々と正妻の貫禄を見せてくれちゃって。なにこのカワイイ生き物。いやもう、この娘たちガチヒロインたちのヒイロへの恋心の見せ方が尋常じゃなくカワイイんですよねえ。ヘタなラブコメでは太刀打ちできないくらい、気持ちの見せ方の切なさとか距離感とか反応の可愛らしさとか、絶妙な所くすぐってくるんだよなあ。たまりません。
お前よくそれで自分は置いておいて百合百合してください、とか真顔で言えるよな。
出来るかーー！！ てなもんである。
さすがは百合IQ３である。
というわけで、アイズフェルト家編の集大成である三寮戦、ついに開幕。
もうひたすら健気健気に頑張るミュールの姿を見る度に、無性に泣けてきてしまってどうしようもなかった。
何の才能もなく、何をやっても上手く出来ず、魔力すら通せない。似非と呼ばれ、母ソフィアにはお前はもう何もしなくていい、と言われ……諦め腐りそれでも心の奥底でずっと星を追い求めていたミュール。
失われていた同じ黄の寮の寮生たちの信頼を取り戻し、いつしか守ろうとしながら踏み躙る側に回っていた姉クリスが、絶対的な味方になってくれて。
矮小で何も出来ない無力な子と貶めることでアイズベルト家から娘を守ろうとしていたソフィアの絶望と諦めに勇気を与えて。
フーリィやフレアといった同じ寮長でありながら、歯牙にも欠けられず視界にも入れてもらえなかったミュールが、あの天才たちに真っ向から立ち向かっていく。
おバカでどうしようもない子だけど、ミュールのズタボロになりながらそれでも今度こそは諦めず、諦めず、そうして星を掴んだ彼女の姿に、もうこみ上げてくるものが。
本作は、ほんと感情を盛り上げるというか、かきむしるみたいに感情を沸き立たせる文章表現なんですよね。
ギャグにも、燃える展開にも、ラブコメにも、淡い恋と切ない愛にも、どの展開にも強引なくらいのパワーで揺さぶりにかかってくる。
三寮戦は、最初から最後までそれをトップギアのフルスロットルでやり通したような熱い展開でした。
ヒイロが、本拠地に打ち込まれてくる砲弾を、真っ向から抜刀で切り捨てるシーンはウェブ連載の頃から何度も読み返してしまうほど、もうむちゃくちゃ燃えるシーンでしたよ。あんなん、思わずキャーーーッと黄色い悲鳴をあげてしまうの仕方ないのよ。そんなん、誰が見てもカッコいいに決まってるじゃない。
なんで、そこでアルスハリヤの言うことを聞いてしまうのかね。この百合殺しのアドバイスを、どうして素直に聞いて言うとおりにしてしまうんですかね？
そんなん、女性陣から嫌われるどころかキャーキャー言われるに決まってるじゃないか。ここぞというとき、アルスハリヤの言う通りにしちゃうこいつは、だから百合IQが３だとか言われるんだよ。実は百合を成立させる気なんてサラサラないだろう、と周りに思われるのも仕方ないよ。百合に挟まる男を心の底から憎んでいるのに、憎みながらグイグイと自分で挟まっていくんだから。いやそれは正確ではないか、招き寄せているのか。
ついに、クリスとの封印された記憶もミュールを守るために、劉を止めるために解放してしまいましたからね。あれは、百合至上主義者であるヒイロにとって敗北の記憶、主義を折った記憶。取り戻せば、二度と元に戻れないポイント・オブ・ノーリターンなんですよ。
いや、普通は大事な人との大切な恋の記憶が失われていて、それを傍らで黙って耐えていた少女という構図から、その記憶が取り戻されて二人の愛の絆が再び……という展開は、感動そのものといっていいもののはずなんだけれど、ヒイロにとっては地獄の開陳、というのはなんか脳がバグるよねｗ
その淡くも大切な記憶が戻ることで、ヒイロは絶望と自己の崩壊に崩れ落ちる、という。なんか人格が崩壊しかねない悪夢の記憶が蘇ったような反応に、あたまがバグるｗ
ただもうほんとに、ヒイロにとってこの記憶が戻ってしまった以上、無かった事には出来ないんですよね。百合という関係を至上としながら、それ以上に百合の成立のためにその女性の心を踏み躙ることが出来ないのがヒイロくん。彼にとって、本当に一番大事なのは女の子の心を守ること。
そのためならば、人間としての存在を捨てることも、百合の優先度を下げることすらも厭わない。
クリスと彼氏彼女の関係になったこと。恋人同士として過ごした時間。恋をして愛を交わしたあの夢の世界は、クリスと想いを通じあわせて彼女の気持ちを痛いほど理解してしまっているから、蔑ろにできない。しかも、向こうからの一方通行じゃなくて、確かにヒイロの側からも矢印向けちゃった間柄ですからねえ。
この時点で、クリスはもうスノウや緋墨と同じ誰かとの百合の関係に押しやれずに、自分が責任とらないといけない枠になったのです。
ガチ嫁のスノウ。ガチ女房の緋墨。そしてガチカノジョのクリスの三巨塔の誕生だ。
そして、このミュール編ってすなわちアイズベルト編であり、アイズベルト一家全員の救済を掴む物語である以上、ミュールが自分の力で星を掴むのと同時に、母ソフィアが苦しんで苦しんでそれでも娘たちを愛するが故に謝ってしまった道を正すこと。そして、魂の支えであるアイズベルトの長女を失って無明の闇をさまようアイズベルトの長姉・劉悠然に、光はあるんだと。星は確かにそこにあるのだと証明すること。彼女たちの救済こそが、この三寮戦のメインストーリーでもあったんですよねえ。
その結果として、ヒイロは人としての死を自らに課すほどの逸脱を見せてしまうのですが。
そこまでやるか、という話である。そこまでやる男なのだ、ヒイロという男は。そこまでやってしまえる男だからこそ、この世界の理である百合を徹底的に破壊してしまうのですが。誰よりも百合の守護者でありたいと願いながら、そうしようと頑張れば頑張るほど百合を破壊してしまう、悲しき百合殺し。
正しく、百合殺しアルスハリヤの後継者であり分身であり、無二の相棒になってしまってるんですよねえ、こいつ。
ついに、アルスハリヤが守護天使呼ばわりされ出してしまいましたし。守護天使！ アルスハリヤが！ （笑）
ってかヒイロくん、わりとというかこいつ終始勢いとノリで喋ってるところがあって、ついにヒイロ自身の口からアルスハリヤのこと守護天使とか呼んじゃうんだもんなあ。
本来不倶戴天の相いれぬ、思想も存在も絶対に受け入れられないもの同士なのに、もうこんなの相棒以外の何者でもないじゃないですか。この二人の関係もなんか好きなんですよねえ。
しかしこれで、神聖百合帝国という行き場をなくした魔人支持者の避難所みたいなのだった組織は、魔人の実働組織になってしまうんですよね。緋墨さんがさらに重要なポディションに。ブックウォーカーの電子版特典小説では、またぞろ組織を預かる女房役として三寮戦で活躍するヒイロくんの様子に完全に女房気分でニコニコしているの、むちゃくちゃ可愛かったです。
そして、何故か委員寮クロエとうちのヒイロとマウント取り合ってるんですがｗ いや、緋墨はともかく、クロエさんがそこまでマウント取ろうとするの！？
そして、ガチ嫁の正妻ことスノウはこっちはこっちで堂々と正妻の貫禄を見せてくれちゃって。なにこのカワイイ生き物。いやもう、この娘たちガチヒロインたちのヒイロへの恋心の見せ方が尋常じゃなくカワイイんですよねえ。ヘタなラブコメでは太刀打ちできないくらい、気持ちの見せ方の切なさとか距離感とか反応の可愛らしさとか、絶妙な所くすぐってくるんだよなあ。たまりません。
