【ブレイド&バスタード ４．迷宮街冒険奇譚】 蝸牛くも／so-bin DREノベルス
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新しい仲間、見知らぬ階層、隣り合わせの死。
初めての冒険。
<あらすじ>
「一人で潜るのか?」「ああ、俺の冒険だからな」
迷宮を抱える《スケイル》の街には、冒険者の数だけ冒険が存在する。
騎士団を抜け自由騎士となったセズマールが挑む初めての《迷宮》。
火竜との邂逅を生き延びた靴屋の息子が、寄せ集めのメンバーで挑む怪しげな仕事。クランの軛から解放されたオルレアは、新たな仲間たちと「初めての冒険」へと出かけ、そして黒衣の冒険者イアルマスはなにかを探し求めるように黙々と単独行での探索を繰り返していた。
迷宮街で紡がれる六つの冒険奇譚。ダークファンタジー第四弾!
新たに加わった圃人（レーア）の司祭オルレア。ララジャの昔なじみで、彼がずっと探していた少女。前巻は彼女を取り戻す、というとオルレアからすると不本意極まりないか。ともあれ、大冒険だったわけだ。
しかしこの彼女がまた強烈なキャラクターである。全身傷だらけの包帯少女で隻眼ツンデレってどんだけ属性マシマシなのか。これで劣等感と負けん気の塊という。劣等感めいたものは、ララジャもベルカナンもそれぞれが自分の内側で持て余し飼い慣らしている感情なので、これを持ちながら直向きに前に進み続けるこの子たちはとても真面目なイイ子なんですよねえ。
ともあれ、オルレアがパーティーに加わってどんなパーティーになるのか、と思ったら肝心のイアルマスが一旦冒険を休止して一人で何か調べたり探し回ったりしているようで。
そんなこんなで、他のメンバーはそれぞれバイトしたり違うメンバーとダンジョンに潜ったり、と行動を別にすることで……短編集として話が連なることに。
って、オルレアがメインに加わるだけじゃなくて、前巻の冒険の引き金ともなった靴屋の息子のシューマッハ。一発キャラじゃなくて、新しいパーティー組んだの？！
これがまたオールスターズやイアルマスたちのパーティーを上回る個性的な面々で……いや、まじで個性的だな！！？？
ノームの双子の魔術師。蘇生の際に灰が混ざったとかで、双子というよりも二人が一旦一つに合体したのが分裂した、みたいになってるラームとサーム。
君主だか司祭だかよくわからない全身フルアーマーで手に何本もの剣を爪みたくして握りしめてる寡黙な前衛盾役。
そしてレーアの馳夫レグナー。フードを被って顔は真っ黒クロスケで三日月のようにぼんやり光る目と口だけが見えていて、脚は素足という……なんかイラストのキャラクターが凄いインパクトなんですけど。これで性格悪そうなお姉さんらしいんだよなあ。そして馳夫ってストライダーって読むんだけれど、なにストライダーって？ と思って調べたら、指輪物語のアラゴルンが名乗っていた二つ名だそうじゃないですか！ ……いや、だから何なんだよストライダーってｗ
そしてシャドウウィンドと名乗る……ニンジャだ！ どこからどう見てもニンジャだ！ しかも、なんか凄くダメっぽい。佇まいから喋り方から全部ダメっぽい！ ポンコツ以前の、ニンジャ見習いとか修行の最初で逃げ出した練達の欠片ももって無さそうななんちゃってニンジャっぽい！！
いや、濃すぎだろこのメンツ。元靴屋の息子に過ぎないシューマッハくんでこれ統率できるの？ 統率以前に引率しないといけないレベルじゃない？ と、思ったらわりとシューマッハがテキパキと仕切っていて感心した。
これで、このパーティーって悪の戒律のパーティーなんですねえ。Wizの悪だ中立だ善だ、というのはホントの善悪とはまた違った、スタンスの違いみたいなもので、悪の戒律だからといって別に悪人とかでは全然ないのだけれど、それはそれとして悪の戒律って濃くないとダメなのか？ と思わず思ってしまうほどには濃いな！！
ひょんな事から、ベルカナンとオルレアに、ラームとサームにシャドウ。そしてガーベイジの６人でダンジョンに潜る臨時編成ガールズパーティーなお話があったのですが、このメンツでは必然的にリーダーにならざるを得なかったオルレアが、このデコボコパーティーの引率に大変苦労するお話になっていて、いやほんと大変でしたねえ、としみじみ。
いやだって、このメンツはやばいよｗ
何だかんだとちゃんとみんなを引っ張っているララジャくんへの評価が、自然と上がってしまっているのには苦笑してしまいました。いやでも、ララジャほんとに斥候としてもパーティーをまとめるリーダーとしても凄くちゃんとやれてるんですよねえ。居ないほうがありがたみと存在感がマシマシになるララジャくん。
ナニカにつけてララジャならこうしただろうか、ララジャがどう反応するだろうか、とララジャのことばかり気にしているオルレアがどうにも可愛くて。
これライバル意識というか、負けん気というか、ララジャへの対抗心も強いんだろうけれど、それだけじゃない意識してしまう部分が透けて見えてて、いやもうオルレア加入は非常に良き、ですねえ。
彼女目線からすると、ガーベイジやベルカナンもちょっと違った視点、違う側面が見えてきて面白いんですよねえ。特にベルカナンは気が弱くて人の顔色ばかり窺っている風情でありながら妙に肝が太いというか、度胸があってタフなところが垣間見えて、魔術師なのに竜殺しの剣持って前衛務めてるのもあながち間違いじゃないというか、案外似合ってるんじゃないか、と思えてくる不思議。
ガーベイジはさらにワンコ風味がマシている、というかもう元気爆発やりたい放題ですよね、この新しい金剛石の騎士様は。
伝説の剣であるハースニールさん、実はインテリジェンスソードだったらしく、外部と意思疎通できるわけじゃないみたいなのだけれど、独自に意識めいたものがあるみたいなんですよね。
それは決して人としての意識ではなく、人のような感情も持っていない、と繰り返し繰り返し強調されるんですけれど、感情はないと言いつつガーベイジの剣を剣とも思わないひでえ扱いに、めちゃおこなんですけど、ハースニールさん！！ 不平不満どころじゃなく、プルプル震えてらっしゃるじゃないですか！ 焚き火の火をガシガシとかき回す火かき棒扱いされた日には、あれ半泣きだったんじゃないですか！？ でも、どれほど抗議しても抵抗しても腕力でねじ伏せられて、子どもがそのへんで拾った棒のように有無を言わさず雑に振る舞わされる伝説の剣。
ここまで持ち主に意図が伝わらずに好き放題されてるインテリジェンスソードは初めて見ましたわ。だいたい、ソードの方が偉そうだったりしますしね、知性ある剣ってやつは。
哀れ哀れ……あかん、笑ってしまうｗ
しかし、ほんとに歴史上未だかつてなかっただろう類の金剛石の騎士の降誕だろうな、これ。
冒頭では、現在のトップを担う冒険者パーティー、オールスターズの初陣の時のお話。あの英雄たちが、ただ一番近い部屋に行って帰るだけでボロボロになって、でも初めての冒険にズブズブとハマってしまう瞬間が描かれていて、こっちもグイグイ掘り下げてきましたねえ。
オールスターズにシューマッハたちのパーティーと、ここにきてさらに裾野を広げるかのような展開。
んで、肝心のイアルマスが一人で何をやっていたのかというと……。
いや、いやいやいや、おおおお、ええええ！？ いやこれはちょっとほんとに驚きだったんですけど。
イアルマスってそういうことするんだ。義理は果たす方だと思ってったし、何だかんだと面倒見は良い方だとは考えていたけれど。
責任を取るってわけじゃないんだろうけれど、これは自分の冒険だ、とララジャたちを連れずにこれ探し回ってたんですよねえ。
ちょうど自分探しの探索に一区切りついた所でもあり、ちょっと目標を失っているのかとも思ったし、また違った形でナニカを模索したり、何をするのかを決めてその準備を整えているのか、と想像していたので、これは想像の埒外でした。はーーー、イアルマスがねえ。
これを一旦休止というには色々と濃い話に濃いメンツの登場、オルレアが加わった新しい空気への馴染と目まぐるしさすらあったのんびりしているようで怒涛の展開でしたけれど、ラストで明らかにストーリーがグググっと進みそうな展開に。
これはガーベイジがメインの話になるのか？ このワンコはもう何が起ころうと一切ブレることはないんだろうけれど。
しかしこの彼女がまた強烈なキャラクターである。全身傷だらけの包帯少女で隻眼ツンデレってどんだけ属性マシマシなのか。これで劣等感と負けん気の塊という。劣等感めいたものは、ララジャもベルカナンもそれぞれが自分の内側で持て余し飼い慣らしている感情なので、これを持ちながら直向きに前に進み続けるこの子たちはとても真面目なイイ子なんですよねえ。
ともあれ、オルレアがパーティーに加わってどんなパーティーになるのか、と思ったら肝心のイアルマスが一旦冒険を休止して一人で何か調べたり探し回ったりしているようで。
そんなこんなで、他のメンバーはそれぞれバイトしたり違うメンバーとダンジョンに潜ったり、と行動を別にすることで……短編集として話が連なることに。
って、オルレアがメインに加わるだけじゃなくて、前巻の冒険の引き金ともなった靴屋の息子のシューマッハ。一発キャラじゃなくて、新しいパーティー組んだの？！
これがまたオールスターズやイアルマスたちのパーティーを上回る個性的な面々で……いや、まじで個性的だな！！？？
ノームの双子の魔術師。蘇生の際に灰が混ざったとかで、双子というよりも二人が一旦一つに合体したのが分裂した、みたいになってるラームとサーム。
君主だか司祭だかよくわからない全身フルアーマーで手に何本もの剣を爪みたくして握りしめてる寡黙な前衛盾役。
そしてレーアの馳夫レグナー。フードを被って顔は真っ黒クロスケで三日月のようにぼんやり光る目と口だけが見えていて、脚は素足という……なんかイラストのキャラクターが凄いインパクトなんですけど。これで性格悪そうなお姉さんらしいんだよなあ。そして馳夫ってストライダーって読むんだけれど、なにストライダーって？ と思って調べたら、指輪物語のアラゴルンが名乗っていた二つ名だそうじゃないですか！ ……いや、だから何なんだよストライダーってｗ
そしてシャドウウィンドと名乗る……ニンジャだ！ どこからどう見てもニンジャだ！ しかも、なんか凄くダメっぽい。佇まいから喋り方から全部ダメっぽい！ ポンコツ以前の、ニンジャ見習いとか修行の最初で逃げ出した練達の欠片ももって無さそうななんちゃってニンジャっぽい！！
いや、濃すぎだろこのメンツ。元靴屋の息子に過ぎないシューマッハくんでこれ統率できるの？ 統率以前に引率しないといけないレベルじゃない？ と、思ったらわりとシューマッハがテキパキと仕切っていて感心した。
これで、このパーティーって悪の戒律のパーティーなんですねえ。Wizの悪だ中立だ善だ、というのはホントの善悪とはまた違った、スタンスの違いみたいなもので、悪の戒律だからといって別に悪人とかでは全然ないのだけれど、それはそれとして悪の戒律って濃くないとダメなのか？ と思わず思ってしまうほどには濃いな！！
ひょんな事から、ベルカナンとオルレアに、ラームとサームにシャドウ。そしてガーベイジの６人でダンジョンに潜る臨時編成ガールズパーティーなお話があったのですが、このメンツでは必然的にリーダーにならざるを得なかったオルレアが、このデコボコパーティーの引率に大変苦労するお話になっていて、いやほんと大変でしたねえ、としみじみ。
いやだって、このメンツはやばいよｗ
何だかんだとちゃんとみんなを引っ張っているララジャくんへの評価が、自然と上がってしまっているのには苦笑してしまいました。いやでも、ララジャほんとに斥候としてもパーティーをまとめるリーダーとしても凄くちゃんとやれてるんですよねえ。居ないほうがありがたみと存在感がマシマシになるララジャくん。
ナニカにつけてララジャならこうしただろうか、ララジャがどう反応するだろうか、とララジャのことばかり気にしているオルレアがどうにも可愛くて。
これライバル意識というか、負けん気というか、ララジャへの対抗心も強いんだろうけれど、それだけじゃない意識してしまう部分が透けて見えてて、いやもうオルレア加入は非常に良き、ですねえ。
彼女目線からすると、ガーベイジやベルカナンもちょっと違った視点、違う側面が見えてきて面白いんですよねえ。特にベルカナンは気が弱くて人の顔色ばかり窺っている風情でありながら妙に肝が太いというか、度胸があってタフなところが垣間見えて、魔術師なのに竜殺しの剣持って前衛務めてるのもあながち間違いじゃないというか、案外似合ってるんじゃないか、と思えてくる不思議。
ガーベイジはさらにワンコ風味がマシている、というかもう元気爆発やりたい放題ですよね、この新しい金剛石の騎士様は。
伝説の剣であるハースニールさん、実はインテリジェンスソードだったらしく、外部と意思疎通できるわけじゃないみたいなのだけれど、独自に意識めいたものがあるみたいなんですよね。
それは決して人としての意識ではなく、人のような感情も持っていない、と繰り返し繰り返し強調されるんですけれど、感情はないと言いつつガーベイジの剣を剣とも思わないひでえ扱いに、めちゃおこなんですけど、ハースニールさん！！ 不平不満どころじゃなく、プルプル震えてらっしゃるじゃないですか！ 焚き火の火をガシガシとかき回す火かき棒扱いされた日には、あれ半泣きだったんじゃないですか！？ でも、どれほど抗議しても抵抗しても腕力でねじ伏せられて、子どもがそのへんで拾った棒のように有無を言わさず雑に振る舞わされる伝説の剣。
ここまで持ち主に意図が伝わらずに好き放題されてるインテリジェンスソードは初めて見ましたわ。だいたい、ソードの方が偉そうだったりしますしね、知性ある剣ってやつは。
哀れ哀れ……あかん、笑ってしまうｗ
しかし、ほんとに歴史上未だかつてなかっただろう類の金剛石の騎士の降誕だろうな、これ。
冒頭では、現在のトップを担う冒険者パーティー、オールスターズの初陣の時のお話。あの英雄たちが、ただ一番近い部屋に行って帰るだけでボロボロになって、でも初めての冒険にズブズブとハマってしまう瞬間が描かれていて、こっちもグイグイ掘り下げてきましたねえ。
オールスターズにシューマッハたちのパーティーと、ここにきてさらに裾野を広げるかのような展開。
んで、肝心のイアルマスが一人で何をやっていたのかというと……。
いや、いやいやいや、おおおお、ええええ！？ いやこれはちょっとほんとに驚きだったんですけど。
イアルマスってそういうことするんだ。義理は果たす方だと思ってったし、何だかんだと面倒見は良い方だとは考えていたけれど。
責任を取るってわけじゃないんだろうけれど、これは自分の冒険だ、とララジャたちを連れずにこれ探し回ってたんですよねえ。
ちょうど自分探しの探索に一区切りついた所でもあり、ちょっと目標を失っているのかとも思ったし、また違った形でナニカを模索したり、何をするのかを決めてその準備を整えているのか、と想像していたので、これは想像の埒外でした。はーーー、イアルマスがねえ。
これを一旦休止というには色々と濃い話に濃いメンツの登場、オルレアが加わった新しい空気への馴染と目まぐるしさすらあったのんびりしているようで怒涛の展開でしたけれど、ラストで明らかにストーリーがグググっと進みそうな展開に。
これはガーベイジがメインの話になるのか？ このワンコはもう何が起ころうと一切ブレることはないんだろうけれど。
