【暁の魔女レイシーは自由に生きたい ３〜魔王討伐を終えたので、のんびりお店を開きます〜 】 雨傘ヒョウゴ／京一 オーバーラップノベルスｆ
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王女様のお悩み解決も最強魔女にお任せ！
花嫁に贈るのは、世界を彩るとっておきの魔法！
王女アリシアの婚約により、結婚ブームが起きているクロイズ国。
プリューム村も例外ではなく、休暇でやってきたウェインとともに村に下りたレイシーは、娘の結婚祝いに悩むセドリックと出会う。
すると、困り果てたセドリックに「お祝いに相応しい料理を一緒に考えてほしい」と言われ、依頼として引き受けることに。
村の子供の協力もあり「飴で花をつくる」ことを思いつくレイシーたち。
しかし、べたつく飴の成形は難しく不格好な花ができあがるばかり。
レイシーも焦りを感じるが、ウェインの言葉をきっかけにクッキングペーパーの発明に成功！
セドリックも綺麗な飴細工を娘に贈ることができ、無事に依頼達成となった。
肩の荷が下りほっとしたのもつかの間、今度はウェインが考えこんでいる様子。
すると、彼がプリューム村を訪れた理由ーー国王からレイシー宛の依頼を預かってきたことを知らされ……？
臆病な最強魔女の『何でも屋』ライフ、第三幕！
レイシー、本当に気持ちが強くなったなあ。
自分からこうしよう、ああしようって意見出来るようになったし、自分だけで抱え込まずに誰かに相談できるようになった。
ウェインがレイシーの事を思って握りつぶそうとしていた国王陛下からの依頼を、自分から引き受けて、ウェインに代わりに話して貰うこともなく、一人で国王陛下から話を聞いて、婚約者問題でトラブった王女のアリシアに一人で会いに行けたんだから。
俯いて震えて怯えてばかりだったレイシーの印象しかない国王陛下が、ちゃんとまっすぐに自分の目を見て話してくる姿に驚きを隠せなかったのも無理ないでしょう。
空っぽだった自分を変えたくて、婚約者に縛られあとは無為の人生を送るはずだった自分を救ってくれたウェインに促され、自分の自由を追い求めたレイシー。
そうしてたどり着いた村ではじめた星探し。誰かの願いを叶えるために始めた道具作り。
俯いてばかりだった魔女は、そうして顔をあげて自分を見つめてくれる人の顔を見つめ返す事が出来るようになりました。
まずは、いつも自分を大切に支えてくれていたウェインの顔を。そして同じ旅の仲間たち。
そうして、村に住まうことを許してくれて、色んな依頼を、願いを、望みを持ち込んでくれるようになった村の人達。
そんな彼らのために、頑張って色んな道具を作り、彼らの願いを叶えるために彼らの望む星を探し、としているうちに、一人ぼっちだった魔女は他人との繋がりを感じ取っていきました。
ずっと避けていたのに、旅の間から自分のことを気にかけてくれていたウェインたちへの想い。勇者一行の似姿の絵を買い求めて、ずっとなくしたくない思い出として大切にしていた自分の無意識からの想いを自覚します。
そして、依頼主としてだけじゃなく村の仲間として友達になってくれた隣人たち。ただ一方的に願いを叶えるのではなく、一緒に試行錯誤して一緒に星を探す内に、彼らの望みを叶えることが他人事の人助けじゃない、自分にとっても掛け替えのない事になっていくんですね。
また、同じように自分にとって大切だと思えることが、他の人にも同じように大切だと思ってくれるのだと知ることが出来た。一方通行じゃない、相互の関係を彼女は実感していくのであります。
でも、そこに留まらないんですよね、レイシーは。小さな村の内側だけの関係に留まらない。
いつしか、彼女の作った道具はアステール印の魔導具として、世の流行になっていく。知っている人の顔を見て、その人のために作った道具じゃないのに。知らない誰かに、いつの間にか自分の道具が星として届いている。
その事実に、実感なく戸惑うばかりだったレイシーだけれど、王様からの依頼である王女アリシアのマリッジブルーを解決するために、アリシアと会って話す内に彼女はまた気づき始めるのです。
自分とは関係ないと思っていた、遠方で自分の道具を買った人達。でもたまたま見かけた、見知らぬ街の娘さんたち。彼女たちが自分のアステール印の小道具でキャッキャとはしゃぐ姿を見て、繋がりのなかった見知らぬ相手とも自分が繋がっている事を実感するのです。
自分のアステール印の小道具の、他の衣服との合わせ方を楽しそうに吟味する娘さんたちを見て、レイシーは一緒だな、と思ったんですね。
自分が一生懸命頭をヒネって何かを作り上げるように、彼女たちも自分が着飾るために色々と頭を捻って、楽しく何かを作り上げていく。
一緒なのだ。根本は、魔女である自分も顔も知らない自分の道具を買ってくれただけの繋がりのない人達も、自分と同じなのだと。
だから、自分が好きなもの。自分が喜ぶもの。自分が望むものを作っても、同じように見知らぬ誰かも好きになってくれるかもしれない。喜んでくれるかも知れない。望んでくれるかも知れない。
誰かを喜ばせるために、誰かの事を考えるんじゃなくて、自分のことを考える。自分の好きを考える。
自分が作りたいものを作る。
王女アリシアが抱える漠然とした不安や寂しさを払拭するために、アリシアの中の答えを見つけるんじゃなくて、共感する自分の中からレイシーはひとつの回答を見つけることが出来たんですね。
俯いて誰の顔も見つめられなかったレイシーは、こうして自分自身をも直視できるだけの心を持つに至りました。
そうして自分の心を見つめれば、今までわからなかった事も理解できてしまいます。
最近、一緒にいると心がざわめいて、落ち着かなくて、前みたいに接することができなくなっていたウェインの事を、自分がどう思っているか。
この熱くて温かくてどうしようもないくらいに吹き上がりそうな感情の名前を、レイシーは否応なく自覚するのです。
恋する女の子と、男の子はただただカワイイ。可愛い。可愛い。
いつか、レイシーの本当の願いが叶うといいね。家族が欲しい。その願いはもう半分以上、フェニックスの雛のティーやイノシシのノーイ。そしてもうなんか単身赴任の旦那さんみたいに休みのたんびに、レイシーのもとに帰ってくる。会いに来るじゃなくてもう帰ってくる、ですよね、これ？
そんな家族同然の人達がもう居るのだけれど。本当の家族になる日が、はやく来るとイイですねえ。
最後の、国王陛下のお礼もイカしてて……いや、あれをイカしてると言っていいのかわからないけれど、気が利いたお礼であり、暁の魔女たるレイシーへの祝福で、素敵でありました。
自分からこうしよう、ああしようって意見出来るようになったし、自分だけで抱え込まずに誰かに相談できるようになった。
ウェインがレイシーの事を思って握りつぶそうとしていた国王陛下からの依頼を、自分から引き受けて、ウェインに代わりに話して貰うこともなく、一人で国王陛下から話を聞いて、婚約者問題でトラブった王女のアリシアに一人で会いに行けたんだから。
俯いて震えて怯えてばかりだったレイシーの印象しかない国王陛下が、ちゃんとまっすぐに自分の目を見て話してくる姿に驚きを隠せなかったのも無理ないでしょう。
空っぽだった自分を変えたくて、婚約者に縛られあとは無為の人生を送るはずだった自分を救ってくれたウェインに促され、自分の自由を追い求めたレイシー。
そうしてたどり着いた村ではじめた星探し。誰かの願いを叶えるために始めた道具作り。
俯いてばかりだった魔女は、そうして顔をあげて自分を見つめてくれる人の顔を見つめ返す事が出来るようになりました。
まずは、いつも自分を大切に支えてくれていたウェインの顔を。そして同じ旅の仲間たち。
そうして、村に住まうことを許してくれて、色んな依頼を、願いを、望みを持ち込んでくれるようになった村の人達。
そんな彼らのために、頑張って色んな道具を作り、彼らの願いを叶えるために彼らの望む星を探し、としているうちに、一人ぼっちだった魔女は他人との繋がりを感じ取っていきました。
ずっと避けていたのに、旅の間から自分のことを気にかけてくれていたウェインたちへの想い。勇者一行の似姿の絵を買い求めて、ずっとなくしたくない思い出として大切にしていた自分の無意識からの想いを自覚します。
そして、依頼主としてだけじゃなく村の仲間として友達になってくれた隣人たち。ただ一方的に願いを叶えるのではなく、一緒に試行錯誤して一緒に星を探す内に、彼らの望みを叶えることが他人事の人助けじゃない、自分にとっても掛け替えのない事になっていくんですね。
また、同じように自分にとって大切だと思えることが、他の人にも同じように大切だと思ってくれるのだと知ることが出来た。一方通行じゃない、相互の関係を彼女は実感していくのであります。
でも、そこに留まらないんですよね、レイシーは。小さな村の内側だけの関係に留まらない。
いつしか、彼女の作った道具はアステール印の魔導具として、世の流行になっていく。知っている人の顔を見て、その人のために作った道具じゃないのに。知らない誰かに、いつの間にか自分の道具が星として届いている。
その事実に、実感なく戸惑うばかりだったレイシーだけれど、王様からの依頼である王女アリシアのマリッジブルーを解決するために、アリシアと会って話す内に彼女はまた気づき始めるのです。
自分とは関係ないと思っていた、遠方で自分の道具を買った人達。でもたまたま見かけた、見知らぬ街の娘さんたち。彼女たちが自分のアステール印の小道具でキャッキャとはしゃぐ姿を見て、繋がりのなかった見知らぬ相手とも自分が繋がっている事を実感するのです。
自分のアステール印の小道具の、他の衣服との合わせ方を楽しそうに吟味する娘さんたちを見て、レイシーは一緒だな、と思ったんですね。
自分が一生懸命頭をヒネって何かを作り上げるように、彼女たちも自分が着飾るために色々と頭を捻って、楽しく何かを作り上げていく。
一緒なのだ。根本は、魔女である自分も顔も知らない自分の道具を買ってくれただけの繋がりのない人達も、自分と同じなのだと。
だから、自分が好きなもの。自分が喜ぶもの。自分が望むものを作っても、同じように見知らぬ誰かも好きになってくれるかもしれない。喜んでくれるかも知れない。望んでくれるかも知れない。
誰かを喜ばせるために、誰かの事を考えるんじゃなくて、自分のことを考える。自分の好きを考える。
自分が作りたいものを作る。
王女アリシアが抱える漠然とした不安や寂しさを払拭するために、アリシアの中の答えを見つけるんじゃなくて、共感する自分の中からレイシーはひとつの回答を見つけることが出来たんですね。
俯いて誰の顔も見つめられなかったレイシーは、こうして自分自身をも直視できるだけの心を持つに至りました。
そうして自分の心を見つめれば、今までわからなかった事も理解できてしまいます。
最近、一緒にいると心がざわめいて、落ち着かなくて、前みたいに接することができなくなっていたウェインの事を、自分がどう思っているか。
この熱くて温かくてどうしようもないくらいに吹き上がりそうな感情の名前を、レイシーは否応なく自覚するのです。
恋する女の子と、男の子はただただカワイイ。可愛い。可愛い。
いつか、レイシーの本当の願いが叶うといいね。家族が欲しい。その願いはもう半分以上、フェニックスの雛のティーやイノシシのノーイ。そしてもうなんか単身赴任の旦那さんみたいに休みのたんびに、レイシーのもとに帰ってくる。会いに来るじゃなくてもう帰ってくる、ですよね、これ？
そんな家族同然の人達がもう居るのだけれど。本当の家族になる日が、はやく来るとイイですねえ。
最後の、国王陛下のお礼もイカしてて……いや、あれをイカしてると言っていいのかわからないけれど、気が利いたお礼であり、暁の魔女たるレイシーへの祝福で、素敵でありました。
