【凶乱令嬢ニア・リストン ７ 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録】 南野海風／刀 彼方 HJ文庫
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武闘大会は予選から国を揺るがす程の大盛り上がり!!
ニアから始まった武闘大会は、気付けば世界各国から一万人以上が集まる一大イベントになっていた!!
ニア選出による注目選手の似顔絵が国中を飛び交い期待が高まる中、ついに大会の開催が国王によって宣言される。
ニアの弟子たちや各国の強者による予選は最初から大番狂わせの大盛り上がり。ニアもインタビュアーとして奔走していたが――
「文句があるなら勝ってから言えばいい」
天使のような凶乱令嬢の最強無双譚、全編書き下ろしの第7弾!!
ウェブ連載版では、この武闘大会の様子は全く描写されずに終わったらしいのですが、マジですか。めっちゃ面白いんですけど！？
というわけで、全編書き下ろしで描かれる武闘大会編。
ネットの連載だと主人公が前に出ず他の登場人物がメインとなる展開は好まれない、とかいう不文律みたいなものがあるらしいので、そういう影響なんですかね？
この武闘大会にニアが出場することは、飛び入りだとしても年齢制限という枠組みが開催にあたってルール制定されたので、不可能になりましたし。
でも、裏方で選手のポスター作りに協力したり、インタビューして回ったり、また弟子のピンチに颯爽と駆けつけたり、とこれはこれで大活躍だったようにも見えるのですけれど。
とはいえ、メインは彼女が教えをつけた弟子たちの活躍である。ニアの功績を表向き肩代わりする形で設定された冒険者リーノことメイドのリノキスは別枠としても、兄貴のメイドのリネットや武闘家のガンドルフ、そして裏の人間であるアンゼルにフレッサと、いつの間にかこんなに弟子みたいなのが出来てたんだなあ、と今更ながらに驚く所。これだけ、ニアの実力が知られてるってことですしね。
それはそれとして、ニアがこの時代ではもう埒外になってしまっている氣の運用について教え込んだ彼ら弟子が圧倒的優勝候補なのかというと、意外にもそこまで圧倒的ではなく……。
さすがに世界中から１万人以上の選手が集まったらそりゃごっついのも来ますわなあ。飛行船みたいなのが普及しているからといって、交通の便がそこまで行き渡っていないこの世界で、１万人の観客じゃなくて選手が１万人も集まるって相当ですよ。
よく、これ運営が捌けたなあ、と。王国の騎士団や行政機関も総出で関わってるみたいですけれど、国王陛下自ら事務処理に乗り出してたくらいですし、行政ある程度止まっちゃってたんじゃないのこれ？
普通にマッチアップに会場設定準備などだけでもてんてこ舞いになってそうなんですが。
下手な漫画だと、初手バトルロイヤルで雑に人数減らしそうな参加者数である。そういう雑なことしないで、ちゃんと予選から１対１で試合していましたからね。
さらにその上で、有力選手が被らないようにバラけさせたり、本戦から訪れる外賓のために海外から参加した選手が全滅しないように配置したり、とだいぶ苦労も絶えなかっただろう事が伺えます。
戦う方はシンプルなんだけれど、こういうイベントは裏方運営ほんと大変ですよねえ。ニアも、冒険者リーノが選ぶという建前で、有力選手をプックアップしたり、大会宣伝のためのポスター作りに協力したり、と相変わらず労働基準法の存在しない世界らしい児童労働を通り越したブラック労働に励み……そのうち過労で死ぬんじゃないのか、この幼女ｗ
ともあれ、今冒険者リーノが超人気者としてこの大会でも目玉として扱われている、それこそメジャーリーグの大谷選手ばりの注目度ですからね。ニアの功績の肩代わりとはいえ、リノキスがいい加減もうイヤッ、となっているのもわかりますし、この大会が終われば冒険者リーノの肩書と重責を綺麗さっぱりおろして消えることが出来ることにホッとしているのもよくわかるんですが……。
ほんとに下ろせますか？ その看板。
いやあ、どう考えてもリーノの看板ってニアにとって便利すぎるんですよね。今回のポスターに描く選手の選出だってリーノの看板がないと非常に面倒なことになっていたでしょうし。
１万人いる参加者の中から、わずか５０人ほどピックアップされたポスターに描かれる選手の大半が本戦に残ったら、そりゃこれを選んだのは誰よ！？ ってなりますし、それがリーノだとわかったら大体はああなるほど、とその知名度故に納得されちゃいますもんね。
情報が氾濫している今の時代と違って、地元の有名冒険者ならいざ知らず、国内外の無名もいいところの選手がポコポコと全部残ってたら、そりゃあねえ。
こういう面倒くさい注目を、全部リーノで引き受けてもらえるのですから、そりゃあ便利ですよ。こんな便利なの手放すかな、お嬢様ｗ
さて、裏の暗殺者集団に勇者養成機関の候補生、となかなかのくせ者も集まってくるなかで、順当に有名冒険者などを撃破して本戦へと歩を進める我らが弟子たち。ニアもこれ、自分が戦えない分ストレス溜まっているのかと思ったら、ちゃんと楽しそうだし、弟子の勝ち上がりにも満足しているかどうかはさておいて、まあ見てて楽しそうだし、やって良かったですねえ。
フレッサあたりが超目立ってしまって、色々と後戻りできなくなりつつありますけど、そんな美人で謎めいた経歴で、戦い方も派手となったらそりゃ評判も上がりますて。
リノキスはリノキスで、相変わらずニアに対してわりと気持ち悪い感情を抱いている所は変わらないまま、その暴力は思いっきり振るうと快感であるというニアの思想に染まりつつありますし、こりゃあヤベえなあ。ってか、リネットの方もニアのお兄ちゃんにこれまた気持ち悪い感情を煮えたぎらせていた、アストン家のメイドはこんなんばっかりか！
ニアの自分が大会に出られないというストレスは、おそらく大会でもナンバーワンの実力を有していただろう裏の暗殺者グループの師父ともいうべきクゥ老師との対決で、ある程度満足できたでしょうし、良かったですね。というか、ちゃんとまいど弟子のピンチに颯爽と駆けつけてくるんですから、えらい師匠であります。
本戦のはじまる後半も楽しみ。
しました
まあベンデリオ絡みでは毎回ズタボロになっているのでバランスがとれている気がしてしまうのですがw
この作品、コミカライズもかなり高クオリティなのでオススメです。
八岐
が
しました