
【こちら、終末停滞委員会。3】 逢縁奇演/荻pote 電撃文庫
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「このラノ2025」総合新作2位獲得! 最大規模の東京防衛戦線、始動。
光速の1298乗の速度で宇宙を轢き潰す、最強最悪の“終末”がやってくる。終末停滞委員会は仇敵・黒の魔王と手を組み、東京防衛の総力戦に挑む――!
生徒会長・エリフと行動する事になった心葉は、奇しくも日本へ。彼の胸に去来したのは、とある幼馴染の記憶で……?
――絶望に中指立てる少年少女の、史上最大の戦いが今、始まる!
ほらぁ! やっぱり恋兎先輩を前回こいつ危ない奴だから先んじて殺しておこう、という正義のもとに処してたら、世界終わっちゃってたじゃないかぁ!!
最終決戦である。
考えてみたらさ、終末ってどれも世界滅ぼしちゃうんだから、終末を相手にするときはいつだって最終決戦なんだよね。
そういう意味では、月刊とか週刊で世界の危機が訪れるような世界はしょっちゅう最終決戦をやってるはずなんだけれど。
本当の意味でここまで後が無い崖っぷちの瀬戸際で死に物狂いで世界の滅びを退け続けている世界観もそうはないんじゃないだろうか。
いやなんていうかね、本作が壮絶なのって登場人物たち全員が、本当にほぼ全員、末端の人間に至るまでもうこの世界が持たないことを心の何処かで受け入れちゃっている所なんだろうと思う。
何もかもがもう、終ることが前提なんだ。
でも諦めていない。
いや、当然絶望しきってしまったり諦めてしまったり、或いは滅びに乗じて自分の欲望を叶えようとするもの、滅びを利用してさらに悍ましいことを成し遂げよう、なんて行状に走っている連中もいるようなんだが。
この3巻で戦ってた連中は蒼の学園も日本政府も自衛隊も、桜の次元も死霊次元の人達も、いつかの終わりを受け入れていて、その上で諦めきれなくて抗って抗って藻掻いている人達だった。
終末停滞委員会とはよく言ったものです。今回は特にそれを思い知った気がする。全員誰も、世界が救われるなんて思ってない。いつか絶対、破滅に追いつかれ呑まれすり潰されて、何もかも全部亡くなってしまう、消えてしまう、終わってしまうと、それはもう自明の理としてわかってる。
他のフィクションみたいに、逆転して何もかもが救われて、誰も戦わなくてよくなって犠牲にならずによくなって、ハッピーエンドで皆が幸せに暮らしました、なんて結末が訪れないことを、知っている。
知ったうえで足掻いてる。無駄な足掻きを続けてる。無駄だとわかって足掻いてる。
少しでも少しでも少しでも、ほんの僅かな時間でも、平和な日常をこの世界の誰かが送れるように。ほんのちょっとの間だけれでも、誰かが幸せに暮らしましたを出来るように。わずかわずかな時だけでも世界の誰かが生きられるように。
そう、願って抗っている。
特別な一部の人間が、じゃない。この世界のありさまを知る、端から端まですべての人が、だ。
だから、この物語は壮絶で、あまりにも儚く、何もかもが美しい。
そういう世界の、そういう覚悟や願いで固め尽くされた人達の思い描く「幸福」って、なんか違うんですよ。
この3巻には、幸福感や満足感で満たされて本当の幸せを手にしていく人達が沢山沢山、なんでこんなにと思えるほどに、たくさん登場しました。現れました。
自分がやるべきことをやり遂げられた。自分の役割をなんとか果たすことが出来た。自分達がこれまで積み上げてきたものを示すことが出来た。その上で、次に託せる。残った人達につなげることが出来る。そんな思いを抱きながら、幸せそうに、満足そうにゆくのです。
明日世界が滅ぶとしても、今日は世界を終末から守り通せた。遺した人達に、世界を繋げることが出来た。きっとあしたの世界は、きっと託した人達が明後日に繋げてくれるに違いないと心から信じて。
それは、犠牲といい、献身というのでしょう。彼らが抱く幸福感とは、もしかしたら真っ当なものではないのかもしれません。
でも、彼らは自分を軽いものとしては扱っていなかったから、だから自分を費やせたときに幸せを感じられたと思うんですよね。自分の価値を信じていたから、自分の意味を知っていたから、だからこそ滅びに抗えるほどの重みをもって擲てた。それを後悔もしなかった。
価値がないものを捨てて、なんの意味があるだろう。意味のないものを擲って、なにがあるというのだろう。
心葉くん、心葉くん、君があなたがいつもそんなに悲しそうだったのは、幸薄そうだったのは、こんなに人に恵まれて寄り添われて、孤独そうだったのは。きっとそこなんだよ。そこだったんだよ。
この世界において、心葉くんが幸せになるには。幸せになっていいと思えるには。誰よりも君自身が君の価値を思ってあげないといけなかった。
君はソレを、ずっと教えて貰っていたのに。Lunaさんをはじめとした多くの人達に、それを教えられ叱られてきたのに、どうしてもそれを受け入れきれられなかった。
きっと、その思いを心葉くんの心に届けさせる事ができたのは、彼の原風景にいた子でないとダメだったのだろう。
心葉くんにとっての原風景。彼が、自分の価値を信じていた頃の。自分が居ていいんだと、世界に対する楔になってくれた子でなければ。
あの子に言われて、認められて、告白されて、ようやくようやく、心葉くんは家族に捨てられ、親にマフィアに売り捨てられた傷を乗り越えられた。
生きたいと、思えるようになった。自分の価値を認められるようになった。
ならば、そこがスタート地点だ。傷痕は、銃痕は消えてしまっても代わりに彼は資格を得た。
言万心葉は 幸せになる、資格を得たんだ。
誰かの代わりに費やすのではなく、君自身を燃やし尽くすチケットを。
きっと、それを得そこねてしまったのが「彼」なのだろう。
大切な人の名前を探すため。或いは憎きものを世界もろとも滅ぼすため。たった一つの生きる意味を定めてしまった彼と、きっと幾つもの生きる意味を積み重ねていくだろう彼。
同じだったはずのものが、遥か遠くに隔てたりけり。
心葉くんには、きっととても多くの矢印が向けられているだろうにね。果たして、その如何程ばかりが彼の心に届くのか。
最後の最後に来たラファエルの生き様に、グッと来ている私です。まさかの重要ポジに来てるじゃないですか、兄さん。
最終決戦である。
考えてみたらさ、終末ってどれも世界滅ぼしちゃうんだから、終末を相手にするときはいつだって最終決戦なんだよね。
そういう意味では、月刊とか週刊で世界の危機が訪れるような世界はしょっちゅう最終決戦をやってるはずなんだけれど。
本当の意味でここまで後が無い崖っぷちの瀬戸際で死に物狂いで世界の滅びを退け続けている世界観もそうはないんじゃないだろうか。
いやなんていうかね、本作が壮絶なのって登場人物たち全員が、本当にほぼ全員、末端の人間に至るまでもうこの世界が持たないことを心の何処かで受け入れちゃっている所なんだろうと思う。
何もかもがもう、終ることが前提なんだ。
でも諦めていない。
いや、当然絶望しきってしまったり諦めてしまったり、或いは滅びに乗じて自分の欲望を叶えようとするもの、滅びを利用してさらに悍ましいことを成し遂げよう、なんて行状に走っている連中もいるようなんだが。
この3巻で戦ってた連中は蒼の学園も日本政府も自衛隊も、桜の次元も死霊次元の人達も、いつかの終わりを受け入れていて、その上で諦めきれなくて抗って抗って藻掻いている人達だった。
終末停滞委員会とはよく言ったものです。今回は特にそれを思い知った気がする。全員誰も、世界が救われるなんて思ってない。いつか絶対、破滅に追いつかれ呑まれすり潰されて、何もかも全部亡くなってしまう、消えてしまう、終わってしまうと、それはもう自明の理としてわかってる。
他のフィクションみたいに、逆転して何もかもが救われて、誰も戦わなくてよくなって犠牲にならずによくなって、ハッピーエンドで皆が幸せに暮らしました、なんて結末が訪れないことを、知っている。
知ったうえで足掻いてる。無駄な足掻きを続けてる。無駄だとわかって足掻いてる。
少しでも少しでも少しでも、ほんの僅かな時間でも、平和な日常をこの世界の誰かが送れるように。ほんのちょっとの間だけれでも、誰かが幸せに暮らしましたを出来るように。わずかわずかな時だけでも世界の誰かが生きられるように。
そう、願って抗っている。
特別な一部の人間が、じゃない。この世界のありさまを知る、端から端まですべての人が、だ。
だから、この物語は壮絶で、あまりにも儚く、何もかもが美しい。
そういう世界の、そういう覚悟や願いで固め尽くされた人達の思い描く「幸福」って、なんか違うんですよ。
この3巻には、幸福感や満足感で満たされて本当の幸せを手にしていく人達が沢山沢山、なんでこんなにと思えるほどに、たくさん登場しました。現れました。
自分がやるべきことをやり遂げられた。自分の役割をなんとか果たすことが出来た。自分達がこれまで積み上げてきたものを示すことが出来た。その上で、次に託せる。残った人達につなげることが出来る。そんな思いを抱きながら、幸せそうに、満足そうにゆくのです。
明日世界が滅ぶとしても、今日は世界を終末から守り通せた。遺した人達に、世界を繋げることが出来た。きっとあしたの世界は、きっと託した人達が明後日に繋げてくれるに違いないと心から信じて。
それは、犠牲といい、献身というのでしょう。彼らが抱く幸福感とは、もしかしたら真っ当なものではないのかもしれません。
でも、彼らは自分を軽いものとしては扱っていなかったから、だから自分を費やせたときに幸せを感じられたと思うんですよね。自分の価値を信じていたから、自分の意味を知っていたから、だからこそ滅びに抗えるほどの重みをもって擲てた。それを後悔もしなかった。
価値がないものを捨てて、なんの意味があるだろう。意味のないものを擲って、なにがあるというのだろう。
心葉くん、心葉くん、君があなたがいつもそんなに悲しそうだったのは、幸薄そうだったのは、こんなに人に恵まれて寄り添われて、孤独そうだったのは。きっとそこなんだよ。そこだったんだよ。
この世界において、心葉くんが幸せになるには。幸せになっていいと思えるには。誰よりも君自身が君の価値を思ってあげないといけなかった。
君はソレを、ずっと教えて貰っていたのに。Lunaさんをはじめとした多くの人達に、それを教えられ叱られてきたのに、どうしてもそれを受け入れきれられなかった。
きっと、その思いを心葉くんの心に届けさせる事ができたのは、彼の原風景にいた子でないとダメだったのだろう。
心葉くんにとっての原風景。彼が、自分の価値を信じていた頃の。自分が居ていいんだと、世界に対する楔になってくれた子でなければ。
あの子に言われて、認められて、告白されて、ようやくようやく、心葉くんは家族に捨てられ、親にマフィアに売り捨てられた傷を乗り越えられた。
生きたいと、思えるようになった。自分の価値を認められるようになった。
ならば、そこがスタート地点だ。傷痕は、銃痕は消えてしまっても代わりに彼は資格を得た。
言万心葉は 幸せになる、資格を得たんだ。
誰かの代わりに費やすのではなく、君自身を燃やし尽くすチケットを。
きっと、それを得そこねてしまったのが「彼」なのだろう。
大切な人の名前を探すため。或いは憎きものを世界もろとも滅ぼすため。たった一つの生きる意味を定めてしまった彼と、きっと幾つもの生きる意味を積み重ねていくだろう彼。
同じだったはずのものが、遥か遠くに隔てたりけり。
心葉くんには、きっととても多くの矢印が向けられているだろうにね。果たして、その如何程ばかりが彼の心に届くのか。
最後の最後に来たラファエルの生き様に、グッと来ている私です。まさかの重要ポジに来てるじゃないですか、兄さん。










































































































































































































































































































































































































































































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