
【弟子入りした天才魔法使いが実は娘だったんだけど、どうしたらいい? 1】 R・S・ムスカリ/このいけ HJノベルス
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冒険者パーティーを追放され続けてすっかり落ちぶれた中年剣士ラルフ。そんな彼が実は天才的な魔法の素質を秘めていることが判明!! 魔導士に転向を決めたラルフが加入したのは、一癖も二癖もある美女ばかりが集う冒険者ギルド! 偉大なる魔導士を目指して人生リスタート!と思いきや、ラルフの師匠に任命されたのは――かつて生き別れた実の娘カーラだった!?
幼さゆえに師として背伸びしがちで可愛いカーラの教えのもと修行を重ねていくラルフ。ダメ人間の自覚から娘に父親であることを言いだせずにいた彼は、師弟生活を過ごすうちに、魔導士として、そして父として成長を遂げていく!!
師弟で親子な二人が織り成す、人生大逆転ファンタジー!
実は秘めたる力を持ちながらも底辺冒険者をやってる親父、とじゃなくてホントにただの落ちぶれて仕事振りも悪く、パーティーに加入してもすぐに追い出される本物の底辺冒険者。それが主人公のラルフだったのです。
いや、無能だけならまだしも借金を山と抱えて、しかもギャンくず。少しでもお金が入ったらギャンブルで増やそうとする完全に社会のクズですね。
たまたま、新設の魔導士ギルドがやっていた魔力鑑定で魔力量を桁外れに有している、という特異な才能が発覚したため、スカウトされて齢40前後で剣士から魔導士に転職することになったオッサン。
これで心機一転、生まれ変わってやり直すのかと思ったら、支度金として用意してくれた借金返済用の資金をその足で賭博場に行って溶かしたのを見た日には、こいつ救いようのないクズだな、と思ったものですが……。
ギルドマスターからこの娘を師匠として魔導を学んでください、とつけられた12歳の天才魔導士だという少女カーラが、どう見ても昔愛した女に瓜二つで幼い頃に生き別れた娘である、と気付いたあと、このオッサン、それまでのダラダラとした惰性の生き方を一変させて兎に角この自分の娘を護らないと、と必死になっていくのであります。
はたして、このカーラの母と何があったのかはまだ何も明かされていないのですけれど、彼女と別れなければならなくなった事を機に、人生の目標みたいなものを失って漠然と生きてきたみたいなんですよね。
しかし、眼の前にカーラが現れて、とにかくこの娘を見守らねば。将来は魔王を倒すという目標を掲げているこの魔導士ギルドに所属している以上、将来危険な戦地にも赴くだろう娘を見守り続けるには、自分も強くなってついていかないといけない。という明確な目標が出来たためか、それまでの怠惰やギャンブル中毒は払拭されて、非常に真面目に仕事や修行に取り組むようになるんですね。
当初はギルドマスターの指示に不服を抱いていたカーラ、いきなり年上のボンクラそうでやる気なさそうなおっさんを弟子にして、初心者にあれこれ教えなさい、って言われても年頃の娘さんとしてはイヤですよねえ。
将来、魔導士としての等級を上げるためには弟子を育てないといけない、という規定もあるみたいで、しぶしぶマスターの指示に従って指導はするものの、女学校の中に突然男の職員が現れて生理的にちょっと無理なんですけど、という感じで義務的に仕方なく、という感じの接し方だったんですね、当初は。
まあラルフも最初はこんなガキに教わるのか?という態度でしたから、お互い様だったのですけれど。
でも、ラルフが心を入れ替えて真面目に仕事にも修行にも取り組むようになると、カーラももともと真面目で勤勉な娘なんで、ちゃんとやっている相手にはいつまでも悪い印象を持ち続けられず、また実地でもちゃんと年下の自分の指示にも文句言わずに従ってくれるし、何だかわからないけれど一生懸命自分の事を庇ってくれようとするし、とまあそういうちゃんとした対応取られ続けたら心象も変わってくるじゃないですか。そんなこんなで、当初のギスギス感はどこへやら、わりと順調に二人は打ち解けていくのでありました。
ラルフが偉いのは、自分の素性を隠しているのもそうなんですけれど、変に大人ぶろう、父親面して干渉しようとしない所なんですよね。まあ、自己評価低いし実際しょうもない人生歩んできて、カーラには親らしい事何もできずにいた、という自覚あるので、恥ずかしくて父親ヅラなんか出来ない、というのもあるんでしょうけれど。
それでも、自分の娘をちゃんと師匠として立てて、言うこともちゃんと聞いて。それでいて、どうしても子供な部分は大人としてフォローしたり、庇ってあげたり、とやるべき事やってるの偉いですよ。
ちゃんとした大人なわけじゃないのに、ほんと親としての愛情が彼の背筋を伸ばしている、と思うとよく頑張ってる、と言いたくなります。
ラルフの方は、立派になるまでは親としては名乗らずに影から見守り続ける、という方針だったみたいなのですけれど、最後にカーラが意欲的に階位をあげて上を目指す理由が、生き別れになった顔も知らない父親を探すためなんだ、と告白してきた際の、嬉しそうなせつなそうなラルフの様子は、なかなか美味しい養分でありました。
時折垣間見せる、愛した女と瓜二つの表情、そっくりの心意気、生き写しの生き様、それに心震わせ、胸が熱くなる親父の想い。
父娘モノとして、なかなかの良作なんじゃないでしょうか。良き、でした。










































































































































































































































































































































































































































































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