【ポンコツスキルしか使えない悪役魔女だけど、テイムしたパリピなスライムたちと強く生きます！】 雨傘ヒョウゴ／朝日川日和 HJ NOVELS
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ポンコツスキルｘハッピーなスライム達で悪役魔女が大活躍！
ある日、前世の記憶を思い出した村娘・エルは、自分が乙女ゲームの悪役魔女であることに気づく。
ゲームでは強キャラのはずだが、幼いエルに目覚めたのは何故か微妙なスキルばかり!? それでも――
「幼女にお任せ、である！」
元より悪役になりたくないエルは、スキルでテイムしたパリピなスライム達と共に、街中の食堂で楽しいスローライフを目指す！
攻略キャラとのシナリオ外イベントも、魔物の襲撃イベントも、幼女とスライムが居れば問題なし！
独自の発想でポンコツなスキルを活用し、悪役魔女は今日も強く生きる！ スライム達と贈る賑やかな破滅回避ファンタジー！
わりと全体的な雰囲気は、主人公のエルの楽天的で呑気な性格もあってポップなコメディ調で、街中の食堂で働きながら、助けてもらった原作の主人公パーティーの一人となるロータスの事を気にしつつ、のんびり過ごしていく、というスローライフものっぽいのですけれど。
でも、そもそも冒頭が、突然魔族に目覚めてしまったエルが、それまで仲良く暮らしていた村の人達に石を投げられ、崖から突き落とされて殺されそうになる、という凄まじくハードな展開から始まっているんで、根底に寒々とした冷たさが作中にはあるんですよね。
そもそも、魔族に目覚めるって特に悪い原因があるわけじゃなくて、人間なら誰でも突然起こってしまうことで、別に性格が変わってしまったり、ということもないのに、魔族になってしまえばその途端に排斥されてしまう。これ、エルが暮らしていた村が田舎の偏見に満ちた所だったというわけじゃなくて、どこの土地にも魔族に目覚めたものを突き落として殺す崖があって、魔族になったものは裁判とか捕縛とか一切過程を経ずに、そのまま殺されてしまうという風習が根付いてしまっている、ちょっと殺伐としすぎてないですかね！？ という世界なんですよね。
なので、前世の意識が殺される寸前に目覚めたことで、原作の悪役魔女エルドラドのように突然豹変して自分を殺そうとした村の人たち、ひいては人間そのものを強くに憎み恨むようになったわけではなく、異なるもの、違ってしまったものを恐れる人間の本能、習性みたいなものを理解していて、村の人達を恨む気にはなれなかったエルだけれど。
それでも、魔族になってしまったと知った途端に、それまでの家族同然に親しくしてくれていたのが一変してしまった恐怖、理不尽さはトラウマみたいになっていて、特に自分が魔族とバレることを恐れ不安に思うようになるわけです。
森を彷徨っているときに、モンスターから自分を助けてくれた上に。逃げ出してしまった自分を街の入口で捕まりそうになっていたのを拾ってくれた上に、住み込みの働き口まで用意してくれた原作の主人公パーティーの一員であるロータスに対しても、感謝しつつもどうしても一線を引いてずっと警戒を解けなかったように、明るく楽天的に過ごしているようでかなり深い人間不信みたいな状態になってたんじゃないかな、エルって。
いや、こうして改めてロータスがしてくれた事を振り返ると、あまりにもお世話になってしまっていて感謝してもしきれないくらいだよな、これ。おまけに、はらぺこ亭というロータス馴染の食堂で働くようになったエルを、食事にくるという名目で頻繁に様子伺いに来てくれていたわけで。
これ、純然たる親切心だぞ。
これ、エルの方もちゃんとメチャクチャお世話になってしまっている、というのわかっているにも関わらず、原作ではロータスは腕と片目を失うような怪我をして魔族絶対殺すマンになってしまっていたのも相まって、ビビってなるべく関わり合いになりたくない、と避けがちになってしまっているの、エル自身がそういう態度取るの失礼だし恩知らずだよね、と悩んでるんですよね。
悩んでいるにも関わらず、どうしても逃げ腰になってしまう。理性や感謝の心を押しつぶすほどに、エルから不安が拭い去れずにいた、という事で実際かなりトラウマになってたんじゃないかなあ、と。
まあ、ロータスの方もあれだけエルを気にしていたのは、彼の方にも原作では明らかになっていなかった過去の傷、みたいなものがあったから、みたいなんだけれど。
子供時代にもこれだけ長々と引きずるような後悔を抱きながら、さらに原作ゲームでは十字架を背負って魔族絶対殺すマンになってしまうのですから、ロータスかなり薄幸キャラだよなあ。
というように、ライトなコメディ調に見えて、世界観や登場人物の背景には酷薄とすら言えるような冷たいものが漂ってる作品なんですよね。だからこそ、人を恨まずも信じきれずにいるエルの心を解かすほどに、親切で温かい周りの人達の在り方が沁み入るわけですけれど。
エルがあれほど恐れた魔族だとバレることを覚悟してまで、その人達を守ろうとするくらいには。
しかし、原作の魔女エルドラドはどうしてあんな痴女みたいな姿になってしまったのか。
何気にあの格好、てっきり１０年後くらいのエルの姿なのかと思ったら、ゲーム原作って今から３年後くらいのスタートで、あの露出狂みたいな痴女ファッションのエルドラド、まさかの１１，２歳前後であるというｗ
もちろん、あの姿生身ではなくて、エルのメインスキルである幻術スキルによって作った姿なんだそうで、まだ小学校くらいの年齢であの色気ムンムンの体型になるわけじゃないらしい。
それはいいんだけれど、原作のエルドラドはどうして幻術で変身する姿をあんなボディコンの露出過多な美女にしたんだ！？ 何を思ってあんな格好をしたんだ？
この３年の間に、彼女の価値観に何が起こったんだ？
なんか、よっぽど幼女体型にコンプレックスを抱いてしまうような出来事があったんだろうか。彼女が人間を憎み恨むようになる原因については、村人達から裏切られ殺されそうになったことで生じたもの、とだいたいわかっているのだけれど、どうして痴女になったかについては謎なんだよなあ。
そして、原作のイメージにどうしても引きずられてしまって、幻術を使っておとなになるとあの痴女の姿になってしまって、恥辱と寒さで毎度死にそうになっているエルさんご愁傷さまである。
自分のトラウマを振り切って、魔族の襲撃からきっと原作では死ぬはずだった身近な人達を守り、どうしても心開くことの出来なかったロータスにすべてを吐露した上に、魔族にしてしまうアクシデントもあって、文字通りの運命を共有する存在になったエル。最後に、裏切られたと思っていた村人の中で、独りだけ幼馴染の男の子が自分を助けようとしていた事を知り、彼の後悔と謝罪を聞くことで最後の若溜まりが解けたエルは、これで全部吹っ切れたんじゃないだろうか。明るく過ごしながらも、どこか怯えと後ろ向きな気持ちを抱え込んでいた彼女だけれど、足枷がなくなって心から前向きに頑張っていけそうな娘になった感じである。
ロータスの方も子供時代の後悔を、エルを助けることで振り切れたみたいだし。
ある意味、次からが本番な物語なんじゃないだろうか。
それはそれとして、スライムたち明るく陽気な良い子たちだったけれど、パリピか？と言われるとちょっとそうかぁ？ よくわからんないよ？という感じなんですけど。
でも、そもそも冒頭が、突然魔族に目覚めてしまったエルが、それまで仲良く暮らしていた村の人達に石を投げられ、崖から突き落とされて殺されそうになる、という凄まじくハードな展開から始まっているんで、根底に寒々とした冷たさが作中にはあるんですよね。
そもそも、魔族に目覚めるって特に悪い原因があるわけじゃなくて、人間なら誰でも突然起こってしまうことで、別に性格が変わってしまったり、ということもないのに、魔族になってしまえばその途端に排斥されてしまう。これ、エルが暮らしていた村が田舎の偏見に満ちた所だったというわけじゃなくて、どこの土地にも魔族に目覚めたものを突き落として殺す崖があって、魔族になったものは裁判とか捕縛とか一切過程を経ずに、そのまま殺されてしまうという風習が根付いてしまっている、ちょっと殺伐としすぎてないですかね！？ という世界なんですよね。
なので、前世の意識が殺される寸前に目覚めたことで、原作の悪役魔女エルドラドのように突然豹変して自分を殺そうとした村の人たち、ひいては人間そのものを強くに憎み恨むようになったわけではなく、異なるもの、違ってしまったものを恐れる人間の本能、習性みたいなものを理解していて、村の人達を恨む気にはなれなかったエルだけれど。
それでも、魔族になってしまったと知った途端に、それまでの家族同然に親しくしてくれていたのが一変してしまった恐怖、理不尽さはトラウマみたいになっていて、特に自分が魔族とバレることを恐れ不安に思うようになるわけです。
森を彷徨っているときに、モンスターから自分を助けてくれた上に。逃げ出してしまった自分を街の入口で捕まりそうになっていたのを拾ってくれた上に、住み込みの働き口まで用意してくれた原作の主人公パーティーの一員であるロータスに対しても、感謝しつつもどうしても一線を引いてずっと警戒を解けなかったように、明るく楽天的に過ごしているようでかなり深い人間不信みたいな状態になってたんじゃないかな、エルって。
いや、こうして改めてロータスがしてくれた事を振り返ると、あまりにもお世話になってしまっていて感謝してもしきれないくらいだよな、これ。おまけに、はらぺこ亭というロータス馴染の食堂で働くようになったエルを、食事にくるという名目で頻繁に様子伺いに来てくれていたわけで。
これ、純然たる親切心だぞ。
これ、エルの方もちゃんとメチャクチャお世話になってしまっている、というのわかっているにも関わらず、原作ではロータスは腕と片目を失うような怪我をして魔族絶対殺すマンになってしまっていたのも相まって、ビビってなるべく関わり合いになりたくない、と避けがちになってしまっているの、エル自身がそういう態度取るの失礼だし恩知らずだよね、と悩んでるんですよね。
悩んでいるにも関わらず、どうしても逃げ腰になってしまう。理性や感謝の心を押しつぶすほどに、エルから不安が拭い去れずにいた、という事で実際かなりトラウマになってたんじゃないかなあ、と。
まあ、ロータスの方もあれだけエルを気にしていたのは、彼の方にも原作では明らかになっていなかった過去の傷、みたいなものがあったから、みたいなんだけれど。
子供時代にもこれだけ長々と引きずるような後悔を抱きながら、さらに原作ゲームでは十字架を背負って魔族絶対殺すマンになってしまうのですから、ロータスかなり薄幸キャラだよなあ。
というように、ライトなコメディ調に見えて、世界観や登場人物の背景には酷薄とすら言えるような冷たいものが漂ってる作品なんですよね。だからこそ、人を恨まずも信じきれずにいるエルの心を解かすほどに、親切で温かい周りの人達の在り方が沁み入るわけですけれど。
エルがあれほど恐れた魔族だとバレることを覚悟してまで、その人達を守ろうとするくらいには。
しかし、原作の魔女エルドラドはどうしてあんな痴女みたいな姿になってしまったのか。
何気にあの格好、てっきり１０年後くらいのエルの姿なのかと思ったら、ゲーム原作って今から３年後くらいのスタートで、あの露出狂みたいな痴女ファッションのエルドラド、まさかの１１，２歳前後であるというｗ
もちろん、あの姿生身ではなくて、エルのメインスキルである幻術スキルによって作った姿なんだそうで、まだ小学校くらいの年齢であの色気ムンムンの体型になるわけじゃないらしい。
それはいいんだけれど、原作のエルドラドはどうして幻術で変身する姿をあんなボディコンの露出過多な美女にしたんだ！？ 何を思ってあんな格好をしたんだ？
この３年の間に、彼女の価値観に何が起こったんだ？
なんか、よっぽど幼女体型にコンプレックスを抱いてしまうような出来事があったんだろうか。彼女が人間を憎み恨むようになる原因については、村人達から裏切られ殺されそうになったことで生じたもの、とだいたいわかっているのだけれど、どうして痴女になったかについては謎なんだよなあ。
そして、原作のイメージにどうしても引きずられてしまって、幻術を使っておとなになるとあの痴女の姿になってしまって、恥辱と寒さで毎度死にそうになっているエルさんご愁傷さまである。
自分のトラウマを振り切って、魔族の襲撃からきっと原作では死ぬはずだった身近な人達を守り、どうしても心開くことの出来なかったロータスにすべてを吐露した上に、魔族にしてしまうアクシデントもあって、文字通りの運命を共有する存在になったエル。最後に、裏切られたと思っていた村人の中で、独りだけ幼馴染の男の子が自分を助けようとしていた事を知り、彼の後悔と謝罪を聞くことで最後の若溜まりが解けたエルは、これで全部吹っ切れたんじゃないだろうか。明るく過ごしながらも、どこか怯えと後ろ向きな気持ちを抱え込んでいた彼女だけれど、足枷がなくなって心から前向きに頑張っていけそうな娘になった感じである。
ロータスの方も子供時代の後悔を、エルを助けることで振り切れたみたいだし。
ある意味、次からが本番な物語なんじゃないだろうか。
それはそれとして、スライムたち明るく陽気な良い子たちだったけれど、パリピか？と言われるとちょっとそうかぁ？ よくわからんないよ？という感じなんですけど。
Ａｍａｚｏｎ
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