
【冒険者アル 2 あいつの魔法はおかしい】 れもん/sime TOブックス
Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
いざ、天空に浮かぶ古代大魔法使いテンペストの研究塔へ! その願いをかなえるため、貧しい領主の三男坊アルは飛行【フライ】呪文ゲットに走り回っていた。 新しい呪文の書の誘惑に時には負けつつもギルドの依頼をこなし、購入資金を着々と貯め続ける。以前見つけた塔の主の墓所探索も怠らず、遺跡奥では巨大ゴーレムを発見。魔道具を介して話すその高性能さに、大魔法使いの遺物への思いを募らせていたが――思いがけず、墓所周辺で怪しげに活動している隣国の部隊を目撃してしまう。彼らは知ってか知らずかテンペストの墓所を暴くような不穏な動きを見せていて……?隣国の手を振り切り、目指せ大空の大遺跡! 謙虚堅実な少年が“古より今を創る”王道ロードファンタジー第二弾!
おおっと、おおっと、おおっと!?
なんかストーリーの方向性がグイッと変わってきましたよ?
それも、ラブストーリーの方向に。
主人公のアルくんって、騎士爵の嫡男じゃなかった男子なんで、家を出て冒険者として身を立てる事にしたわけですけれど、あくまで彼の興味は呪文や古代遺跡の探索に向いていて、個人の出世や名声、野心の類は全然ありません。新しい呪文を手に入れるためなどには随分と強かな側面を見せたり、情報の独占を図ったりというクレバーな所を見せるんですけれど、一方で戦場の功績や呪文開発の名声なんかはホイホイと人に譲ってしまう無欲なところが目立つんですよ。
彼は妹を蛮族……この世界の場合ゴブリンみたいな存在ですね。そういう蛮族に襲われて喪っているので、蛮族に対しての敵意は非常に高いのですけれど個人で復讐するという方向ではなく、人間社会がもっと力をつけて蛮族の脅威に立ち向かえるようになればいい、蛮族の被害が出ないようになればいい、というような考えを持っているので、社会全体が発展するような社会貢献にも余念がないのです。なんで、自分で工夫して発見した既存の呪文の未知の使い方、より効率的な運用法、拡張性の開発なんかも、まあ一部自分のために使うために秘匿しているものもあるんですけれど、大半は惜しげもなく後悔して、同じ魔法使いの研究者たちにもその考え方やアプローチについても、積極的に情報提供しているのです。もっと広まればいい、と考えて。
まあそういう形で、この作品ってアルが広がっていく人脈から様々な仕事を請け負って、お金を稼ぎ、呪文書を買って既存の呪文からさらに新しい使い方を発見、工夫、開発して、それをまた広めていく。
さらに、前回知見を得た古代文明のAI的な存在との交流から、未知の古代遺跡を探索していく、みたいな形で話が続いていくと思ってたんですね。
ところが、ここに大きな転換点が現れます。
前回、たまたま仕事先で危地から救出、そのまま親族のもとに送り届けることになった亡国のお姫様パトリシアと交流が続くうちに、段々と道ならぬ恋の物語の様相を呈してきたのです。
とはいえ、相手は国が下剋上で乗っ取られて一族が滅せられて、そこから命からがら逃れてきたという境遇も深刻な亡国の姫君。一方のアルは各方面にその力を認められつつあるも、騎士爵の三男坊で今は平民に過ぎない新人冒険者。
13歳のお姫様は、過酷な状況に疲弊しながらもアルのことを慕ってくるのですけれど、アルの方は現実主義者なだけあって最初から身分差を自覚して、態度以上に自分の心持ちの中に一線を引いてたんですね。
これだけ身分にも差があり、立場の違いもあるんだから、パトリシアがどれほど慕ってきても勘違いしてはいけない。最初から自分達がどうこうなる可能性なんてないし、仮定すらも意味がない。とばかりに、丁寧に優しく親身に対応しながらも自分からは決して踏み込まないようにしてたわけです。
傍目にも、アルの気持ちはパトリシアに対してその行く末に心配もしているし、彼女のために出来ることはしてあげたいと親身にもなっているし、尽力も欠かさない。肩入れはすごくしている。けれど、彼女に懸想しているとか、仄かな想いを押し殺して耐えている、みたいなパトリシアに恋をしている、想いを寄せている、みたいな様子は一切見せていなかった。
なんで、読んでるこっちも姫様に対してアルは別に恋愛感情までは抱いていないんだろうなあ、と思ってたんですよ。
ところが、亡命状態のパトリシアに縁談が持ち込まれ、彼女の立場や国を思う気持ち、王女としての責任もあって断ることが出来ず、しかしアルへの気持ちを殺しきれずに不安定になっていくパトリシアの様子に、彼女の騎士や彼女の身柄を預かっている家の学友なんかが、慕われている側のアルの方にどうにかならないか、と無茶振りしてくるんですわ。アルの方からすれば、そんな事言われても、という案件で、言ってる方も無茶言ってるのはわかってて、でも姫様の様子が見ていられずに告げずにはいられなかった、という塩梅ですから無理押しはしてこなかったんですが。
それでも、そうやって周囲の人間からは突っつかれ、パトリシアの様子は心配だし、情報を集めてたら相手の婚約者候補はろくなやつじゃなさそうだし、おまけに姫様の暗殺計画が立てられていることに偶然気づいてしまったり、ととにかくパトリシア周りの状況がどんどん悪化していくこと。パトリシアが自分に向ける気持ちが一時の熱情ではなく、本気の想いである事。など様々な刺激を与えられることで、自分でも押し殺しているつもりもなかった奥底の気持ちが、パトリシアを本当はどう思っているかについて噴き上がってくる想いを否応なく自覚させられ、アルは大いに悩むはめになるのです。
それこそ、せっかく手に入れた呪文書に手がつかないくらい、悩んでしまう。
あの呪文狂いのアルが。稼いだ端から全部呪文書の購入に当ててしまって、周囲の人がキミそれはあかんぞ、自重しろ?と心配して止めるのもスルーして貯蓄なんか最初から考えてないぜ、生活費も注ぎ込んでませんか?という勢いで呪文書にお金を注ぎ込み、買ったら寝食も忘れてその解析に没頭してしまうあの呪文書狂いの、呪文中毒のアルが呪文書そっちのけで悩んでるんです。
一大事ですよ。天変地異の前触れですよ。それくらい、本当にそれくらいパトリシアのこと、アルが本気で思い悩んでいる、というのがそれで伝わってくるわけです。
しかし、どう考えても王族と平民が結ばれるなんて、相手が国を喪ってしまった姫とはいえ、親族はこっちの国にいるし亡命状態で身柄を保護されてる立場だし、どうこう出来るとは思えない。
アルが最初から線を引いてたのも当然と言えば当然だったんですよね。どうにもならない。
ところが、姫の国を乗っ取った勢力と国内の貴族が繋がっていたり、暗殺計画の発覚と阻止すべく動く人達との間で混乱が起こり、情勢は混沌としつつあり。また、意外なと言ってはあれですけれど、姫に親身になってる人達はみんなわりと姫の気持ち優先してるんですよね。さらにアルの知人友人たち、アルが姫を救った経緯を知る人達なんかは、二人の関係については好意的で、思いの外応援してくれる人が多いんですよ。
先の合戦では、学友のナレシュの従者として従軍することになったアルは、そこで多大な活躍をして戦功をあげた上に、英雄ナレシュの誕生のサポートもしている。いや、あの活躍はナレシュくん自身の才覚あってのものなんですけどね。今や昇り龍のごとく名声を高めているナレシュを筆頭に、アルの学友たちは色んな分野の若手ホープとして活躍を始めていて、その上でみんなアルの実力を認め、それ以上にアルの人柄に対して好意的で学生時代よりもより親しい関係になってて……何気に、様々な方面に伝手が出来てるんですよねえ。
呪文研究についても、独自の工夫がその道の専門家たちに認められた上で、今も親しくやり取りしてるし。今回の合戦での活躍は、現場で戦っていた軍部の上層部の目にもとまっていますし。
何気に政軍商に魔術関係の分野に渡って、アルの人脈って広がってるんだよなあ。さらに、他の人が知らない古代文明の遺産とも親交が出来ていて、情報を交換している。
今や出世に関心のないアルですけれど、もしそれを望んだ時に邁進していけるだけの道の切り拓きは出来ているとも考えられるんですよね。
とりあえず、緊急事態も相まってパトリシアを連れて旅立つことになったアルだけれど、果たして二人が堂々と結ばれる未来は訪れるのか。とても困難な道行きを選んだアルですけれど、だからこそワクワクドキドキしてきましたよ。
なんかストーリーの方向性がグイッと変わってきましたよ?
それも、ラブストーリーの方向に。
主人公のアルくんって、騎士爵の嫡男じゃなかった男子なんで、家を出て冒険者として身を立てる事にしたわけですけれど、あくまで彼の興味は呪文や古代遺跡の探索に向いていて、個人の出世や名声、野心の類は全然ありません。新しい呪文を手に入れるためなどには随分と強かな側面を見せたり、情報の独占を図ったりというクレバーな所を見せるんですけれど、一方で戦場の功績や呪文開発の名声なんかはホイホイと人に譲ってしまう無欲なところが目立つんですよ。
彼は妹を蛮族……この世界の場合ゴブリンみたいな存在ですね。そういう蛮族に襲われて喪っているので、蛮族に対しての敵意は非常に高いのですけれど個人で復讐するという方向ではなく、人間社会がもっと力をつけて蛮族の脅威に立ち向かえるようになればいい、蛮族の被害が出ないようになればいい、というような考えを持っているので、社会全体が発展するような社会貢献にも余念がないのです。なんで、自分で工夫して発見した既存の呪文の未知の使い方、より効率的な運用法、拡張性の開発なんかも、まあ一部自分のために使うために秘匿しているものもあるんですけれど、大半は惜しげもなく後悔して、同じ魔法使いの研究者たちにもその考え方やアプローチについても、積極的に情報提供しているのです。もっと広まればいい、と考えて。
まあそういう形で、この作品ってアルが広がっていく人脈から様々な仕事を請け負って、お金を稼ぎ、呪文書を買って既存の呪文からさらに新しい使い方を発見、工夫、開発して、それをまた広めていく。
さらに、前回知見を得た古代文明のAI的な存在との交流から、未知の古代遺跡を探索していく、みたいな形で話が続いていくと思ってたんですね。
ところが、ここに大きな転換点が現れます。
前回、たまたま仕事先で危地から救出、そのまま親族のもとに送り届けることになった亡国のお姫様パトリシアと交流が続くうちに、段々と道ならぬ恋の物語の様相を呈してきたのです。
とはいえ、相手は国が下剋上で乗っ取られて一族が滅せられて、そこから命からがら逃れてきたという境遇も深刻な亡国の姫君。一方のアルは各方面にその力を認められつつあるも、騎士爵の三男坊で今は平民に過ぎない新人冒険者。
13歳のお姫様は、過酷な状況に疲弊しながらもアルのことを慕ってくるのですけれど、アルの方は現実主義者なだけあって最初から身分差を自覚して、態度以上に自分の心持ちの中に一線を引いてたんですね。
これだけ身分にも差があり、立場の違いもあるんだから、パトリシアがどれほど慕ってきても勘違いしてはいけない。最初から自分達がどうこうなる可能性なんてないし、仮定すらも意味がない。とばかりに、丁寧に優しく親身に対応しながらも自分からは決して踏み込まないようにしてたわけです。
傍目にも、アルの気持ちはパトリシアに対してその行く末に心配もしているし、彼女のために出来ることはしてあげたいと親身にもなっているし、尽力も欠かさない。肩入れはすごくしている。けれど、彼女に懸想しているとか、仄かな想いを押し殺して耐えている、みたいなパトリシアに恋をしている、想いを寄せている、みたいな様子は一切見せていなかった。
なんで、読んでるこっちも姫様に対してアルは別に恋愛感情までは抱いていないんだろうなあ、と思ってたんですよ。
ところが、亡命状態のパトリシアに縁談が持ち込まれ、彼女の立場や国を思う気持ち、王女としての責任もあって断ることが出来ず、しかしアルへの気持ちを殺しきれずに不安定になっていくパトリシアの様子に、彼女の騎士や彼女の身柄を預かっている家の学友なんかが、慕われている側のアルの方にどうにかならないか、と無茶振りしてくるんですわ。アルの方からすれば、そんな事言われても、という案件で、言ってる方も無茶言ってるのはわかってて、でも姫様の様子が見ていられずに告げずにはいられなかった、という塩梅ですから無理押しはしてこなかったんですが。
それでも、そうやって周囲の人間からは突っつかれ、パトリシアの様子は心配だし、情報を集めてたら相手の婚約者候補はろくなやつじゃなさそうだし、おまけに姫様の暗殺計画が立てられていることに偶然気づいてしまったり、ととにかくパトリシア周りの状況がどんどん悪化していくこと。パトリシアが自分に向ける気持ちが一時の熱情ではなく、本気の想いである事。など様々な刺激を与えられることで、自分でも押し殺しているつもりもなかった奥底の気持ちが、パトリシアを本当はどう思っているかについて噴き上がってくる想いを否応なく自覚させられ、アルは大いに悩むはめになるのです。
それこそ、せっかく手に入れた呪文書に手がつかないくらい、悩んでしまう。
あの呪文狂いのアルが。稼いだ端から全部呪文書の購入に当ててしまって、周囲の人がキミそれはあかんぞ、自重しろ?と心配して止めるのもスルーして貯蓄なんか最初から考えてないぜ、生活費も注ぎ込んでませんか?という勢いで呪文書にお金を注ぎ込み、買ったら寝食も忘れてその解析に没頭してしまうあの呪文書狂いの、呪文中毒のアルが呪文書そっちのけで悩んでるんです。
一大事ですよ。天変地異の前触れですよ。それくらい、本当にそれくらいパトリシアのこと、アルが本気で思い悩んでいる、というのがそれで伝わってくるわけです。
しかし、どう考えても王族と平民が結ばれるなんて、相手が国を喪ってしまった姫とはいえ、親族はこっちの国にいるし亡命状態で身柄を保護されてる立場だし、どうこう出来るとは思えない。
アルが最初から線を引いてたのも当然と言えば当然だったんですよね。どうにもならない。
ところが、姫の国を乗っ取った勢力と国内の貴族が繋がっていたり、暗殺計画の発覚と阻止すべく動く人達との間で混乱が起こり、情勢は混沌としつつあり。また、意外なと言ってはあれですけれど、姫に親身になってる人達はみんなわりと姫の気持ち優先してるんですよね。さらにアルの知人友人たち、アルが姫を救った経緯を知る人達なんかは、二人の関係については好意的で、思いの外応援してくれる人が多いんですよ。
先の合戦では、学友のナレシュの従者として従軍することになったアルは、そこで多大な活躍をして戦功をあげた上に、英雄ナレシュの誕生のサポートもしている。いや、あの活躍はナレシュくん自身の才覚あってのものなんですけどね。今や昇り龍のごとく名声を高めているナレシュを筆頭に、アルの学友たちは色んな分野の若手ホープとして活躍を始めていて、その上でみんなアルの実力を認め、それ以上にアルの人柄に対して好意的で学生時代よりもより親しい関係になってて……何気に、様々な方面に伝手が出来てるんですよねえ。
呪文研究についても、独自の工夫がその道の専門家たちに認められた上で、今も親しくやり取りしてるし。今回の合戦での活躍は、現場で戦っていた軍部の上層部の目にもとまっていますし。
何気に政軍商に魔術関係の分野に渡って、アルの人脈って広がってるんだよなあ。さらに、他の人が知らない古代文明の遺産とも親交が出来ていて、情報を交換している。
今や出世に関心のないアルですけれど、もしそれを望んだ時に邁進していけるだけの道の切り拓きは出来ているとも考えられるんですよね。
とりあえず、緊急事態も相まってパトリシアを連れて旅立つことになったアルだけれど、果たして二人が堂々と結ばれる未来は訪れるのか。とても困難な道行きを選んだアルですけれど、だからこそワクワクドキドキしてきましたよ。























































































































































































































































































































































































































































Amazon
Amazon