【攻撃力ゼロから始める剣聖譚 ４〜幼馴染の皇女に捨てられ魔法学園に入学したら、魔王と契約することになった〜】 大崎アイル／kodamazon オーバーラップ文庫
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波乱の学園祭で──解放するは、禁忌の力。
故郷である帝国の危機を救ったユージン。
無事に帰省を終えると、迷宮都市はすっかり学園祭ムード一色に。
恋人であるスミレやサラに誘われ、学園祭で屋台を巡ったり、さらには──恋人同士で夜を楽しむための宿に連れ込まれたり!?
ところが、学園祭を楽しむユージンの元へ凶報が舞い込む。
どうやら天頂の塔（バベル）で大規模な魔物暴走が発生したらしく……!?
さらに、駆けつけたユージン達の窮地に追い打ちをかけるべく、迷宮主が新たな神の試練を発動！
一方的な蹂躙から脱するためにユージンが選んだ策は──。
「ユージン。魔王（わたし）のもう一つの力を使いなさい」
うわぁぁ、このちびっ子ダンジョンマスター、ムカつくぅう。
最終迷宮・天頂の塔（バベル）を担当する迷宮主アネモイ・バベル。まだ先代から管理を引き継いだばかりの若いダンジョンマスター。引き継いだばかりと言っても、神々の感覚なので１００年は過ぎているらしいけれど、まあ彼ら天上のものたちの感覚からすると交代したばかり、になるんでしょうなあ。
そして、転任してきたばかりの上役は、なにかと張り切って色々と新しいことをやりたがる法則。特に先任のやり方を否定して鼻息荒くイキってる場合の、現場に降りかかる混乱や非効率化、これまで積み上げてきたものが台無しになっていく、全体的にエラいことになっていくパターンは業界問わずあるあるなんじゃないでしょうか。
それまでうまく回っていたのに、どうしていらんことをしようとするのか。
アネモイの場合、１００年近く様子見てるじゃないか、と言われそうだけれど、この階梯の人達からするとこれくらいの年月はつい先日くらいのものみたいですからねえ。転任してきたばかり、と言って良いんじゃないでしょうか。
あの自由すぎるユーサー学園長が上に逆らえない中間管理職みたいな振る舞いをさせられてるくらいだもんなあ。完全にこれまでの先代とユーサー学園長が協力してやってきた……ユーサー学園長が無茶苦茶してきたのをなんとかルール化して形を整えてきたと思しき迷宮攻略の運営を、根底からそんなんじゃダメだーー、とひっくり返してきたようなものですもんね。
しかも、とにかく厳しくすればいいだろう、というこれ絶対検証とかしていない貴女の心象だけしか根拠のない昭和イズムのやり方ですよね。
という、もう見ててもただただ「こいつ、分からせてやりてえ」と思っちゃうようなメスガキでした。メスガキ上司とかって嫌なんですけど！
ムカつくのは、彼女が敵対者ではなく、単なるルールの制定者であり管理者であって、戦う相手ではないということ。相手が押し付けてきた無茶苦茶なルールに従って、相手の無茶振りに対応しないといけない、という直接手の出せないところがホントムカつくぅぅ。
まあ、結局現場をちゃんと把握しないまま、ただ自分のやりたいことを実行しようとして、ルールが成立せずに破綻してしまうどころか、舞台となり自分が管理するダンジョン「バベル」そのものが崩壊しそうになる、という重大インシデントを起こしてしまうのですが。
これ、完全にダンマスのヒューマンエラーですよね。
やらかした相手である九首悪神竜さんがこれ真面目ですよね、非常に真面目。真面目に試練を与える神獣としての役割に徹してくれていたから良かったようなものの、これ神代の怪物の封印を安易に解いて自由に解き放ってしまった、という重大事故案件ですからね。
いっそヒュドラさんに痛い目見せられたらよかったのに、と思ったんだけれど、これあくまでヒュドラさんが迷宮主であるアネモイの指示に従った結果、バベル崩壊しかかったというところがミソなんで責任追及するにあたってはこっちの方が良かったのかも。
物理的に痛い目見るよりも、自分のほうが先代よりも絶対にうまくやれるんだから、という増長を叩き潰すという意味でも、この自爆という形のほうが痛恨になりますよねえ、ぐへへ。
いやあ、これあとで上からしっかり怒られたんだろうか。ユーサー学園長から詰められたんだろうか。クライマックスである対ヒュドラ戦のあと、ユージンぶっ倒れてしまったので、そのあたりの事後のアネモイの様子が描かれる余裕がなかったので、詳しいところは次回になるんでしょうかね。
しっかり分からせられていてほしいですがｗ
あとは、同性のライバル候補は剣術部の多分ユージンよりも剣技で上回っている先輩よりも、一巻からユージンがまだ底辺に追いやられていた頃からの親友であるクロードの方になるんですね。
エキシビジョンマッチでは、一瞬で終わってしまいましたけれど、これは実力が離れているという意味じゃなくて、勝負のアヤみたいなもんだったからなあ。クロードがあの呪われた槍を本格的に使いこなせるようになってきたら、伸びしろとしてはユージンに容易に追いついてきそうなポテンシャルを感じます。
ちょっと使っただけで死にそうになる武器とか、絶対使いこなせるようになるやつじゃんｗ
そして、前回学園に戻るために故国に残していくことになった、幼馴染のアイリ。彼女もユージンとの共闘もあって、皇太子という帝国でも最重要な立ち位置になって簡単に動けない立場になったが故に、離れ離れになってしばらく会えないんだろうなあ、と思ってたら、なんか速攻で外交にかこつけて会いに来ましたよこの幼馴染。
既に恋人たちとやることやりまくっているユージンに対して、アイリはそっち方面初心、というよりも全然触れてこなかったが故の無知というべきか純真というべきか。
見た目では他のヒロインたちと比べて、むしろ大人っぽいくらいの容姿してるのに。今回の表紙の人ですよ。
ラブホ入っても全然そういうことする場所と気づかずにユージン引っ張って入って、添い寝するだけで何もせずに出てくる、という無垢っぷりは、なんか逆にメインヒロインなのを強調してるように見えてきたぞ。
あと、あのロザリーさんの娘であるレベッカさんという人が登場したけど、ロザリーの娘なの？ あれ？ じゃあ、別シリーズのメインヒロインの一人であるルーシーの姉妹にあたるの？ ってか、姉妹いたの！？ そういう話してたっけ、覚えてないんだが。
Ａｍａｚｏｎ
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