【魔術師クノンは見えている ７】 南野 海風／Laruha カドカワBOOKS
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師匠&婚約者と魔術都市で再会!? 夜遊びにデートにとクノンも大忙し!
クノンの発明した魔建具は祖国ヒューグリアでも話題に。その権利獲得を目論む上層部の命令で魔術都市へ派遣されたゼオンリーだったが、師弟の久々の再会となれば――まずは魔術談義!
二人は命令そっちのけで鏡眼の検証を始める。
一方、ミリカとも積もる話が沢山!
クノンは久々のデートと意気込むが、そこで聞いた彼女の近況は予想外で――?
さらにはシロトとの共同実験に備えて、造魔学の基礎研究も開始。恩師に恋人に新学問、イベント目白押しの第七弾!
実は一巻以来の再会になるんじゃないですか、メインヒロインのミリカさま。
２巻から魔法学園に入学して、それ以来手紙のやり取りだけで対面してなかったですもんね、確か。
全７巻のうち最初の巻と最新刊にしか登場してないメインヒロイン。
メインヒロインとはｗ
いやでも、ミリカの方はミリカの方でエピソード描かれていたんで、作品としては１巻以来の登場ってわけじゃなく、クノンに負けず劣らずの波乱万丈な人生を送っている……ほぼクノンの埒外な活躍と功績のせいなんだけれど……ミリカさまである。
クノンはひたすら政治的な干渉とかしがらみとかを排除された学園で、魔術の研究に没頭するという大変だけれど至福の充実した時間を過ごしてきたわけですからねえ。
それに比べると、ミリカさまはクノンの婚約者の立場を護るために本当に大変なご苦労を背負われてきたのですから、ご苦労さまおつかれさまでした、と言いたくなる。いやおつかれさまでした、なんて言ったらそれっきり、退場を促してしまうお祈りメールみたいな感じになってしまいますが。
メインヒロインである。
ある意味作中時間の経過よりも久々のクノンとミリカの再会でしたけれど、出会った瞬間お互い感極まって無言で抱き合ってしまう、というシーンを見てしまうと、ほっこりであります。
とにかく女性相手となると口軽くペラペラと感激とおもてなしの言葉で出迎えそうな、実際そうするだろう教育を受けてきたクノンだけに、そんな彼が無言で抱きしめる、というのはやはりそれだけの重みがあると思うんですよねえ。
実際、ミリカへの態度はやっぱり他の女性たち相手とは断然違いますよ。もうどう見ても一途じゃないですか。
あれだけ、女性に対して軽薄にしか見えない声掛けをしまくっているクノンが、一途というのは変に思えますけれど、実際そうとしか見えないのは凄いなあ。
まあ読者側は、クノンのあの紳士観は専属メイドさんの歪んだ教育の結果で、一切下心も何も無いとわかっているので、一途に見えるのも当然なのかもしれませんが。実際一途ですし。
とはいえ、手紙で多数の、というか無数の女性との交流を赤裸々に手紙で読まされていたミリカさまとしては、心中お察しいたします、というところだったのですけれどね。幾ら信じていても、遠く離れて顔も見えないところで新しい生活をはじめている婚約者のことを、無条件に信じるのは盲信というものです。初年度から無数の成果をあげて、国の重要人物に駆け上がってしまい、王女でも末端の自分では彼の婚約者として見合う価値が足りてない、と思われるようになってしまって、必死に努力してミリカとしての功績を積み上げようと頑張ってきたミリカ様としても、思うところはあるでしょう。
ミリカさまの方もクノンくんのことを一途に思いながらも、再会してすぐに自分の現況について、クノンの将来とも密接に関わっているそれについて、すぐに伝えるのではなく、この学園でのクノンの様子を実際に見てから、というふうに口をつぐんだのは、彼女なりの矜持でもあったんじゃないでしょうか。
それはそれとして、再会してすぐに自分そっちのけで師匠のゼオンリーとの魔術談義に夢中になってしまっているクノンを、苛立つでも怒るでも妬心に歯噛みするでもなく、幸せそうに温かく見守っているミリカさまは、クノンの最大の理解者で受け入れ先だと思いましたねえ。
いやあ、周りの人達たちからするとその光景はオイオイってなもんだったかもしれないですけれど、当事者たちが幸せそうなんだから、いいんじゃないでしょうか。
愛ですよ、愛。
これが同じ魔術の探求の徒となってしまうと、話題が噛み合っても自分の欲求を叶え高める相手という認識で、なんというか彼らが真に愛しているのは魔術の方なので、お互いを見る時まず間に魔術が介在してしまうんですよね。それはそれで魔術愛が高じて変な領域の愛情に突入してしまいそうではありますけれど、人と人との愛情としてはそれはちょっとピーキーがすぎると思います。
そういう意味でも、やっぱりミリカさまはクノンにとっての唯一無二のヒロインなんでしょうなあ。
聖女様は、完全にベクトルが外れてますって、あれ。ただ、のちのちのクノンの領地経営のほうにも聖女さま、がっつりと農法や植物研究関連で利用し倒すつもりみたいなんで、学園出てからも縁がまったく途切れそうにないのは、ちょっと意外。聖女レイエス、ガチでクノンには異性としての興味一切持ってないですからねえ。だからこそ、実物とあったミリカさまも安心したというか呆れたというか、なるほど納得だったわけですけれど。
いやでも、クノンの領地で好き放題植物植えられるとなったら、この人即断で結婚しそうなところがあるぞ。
しかし、クノンのあのミリカさまへの一途さと、場合によってはこれほど充実して日々を謳歌している、今人生の絶頂といっていい魔術三昧の日々を放り捨ててもミリカのもとに馳せ参じる、というあの真っ直ぐな愛情を見せられてしまうと……ゼオンリー師あんたもうちょっとなんとかしなさいよ？
前日譚での、あの錬金術師との女性との顛末はまだ結末を見ていないんだけれど、色々あったらしいとはいえ、現在のゼオンリーの様子を見るとあれだからなあ。自己都合で置いていっちゃった感が露骨に出てるからなあ。当時ゼオンリーの方はガキ過ぎてどういう思いを抱いていたかは定かではないですけれど、相手方のアイオンさんの方はこれ絶対秘めたる思いを抱えていたでしょ。
周囲から見ても、二人はそういう雰囲気だったみたいだし、もういい年なんだからほんとちゃんとしなさいよ、お師匠様。
ところで、クノンに声掛けされてた学園の女性陣。彼女らも魔術師である以上、魔術優先最優先でクノンのお誘いの言葉や湧いて出てくる褒め言葉なんかも、みんなさらっと流してスルーして、と若干ツンツン対応している人もいましたけれど、大概適当にあしらっているように見えたのですが。
みんな、わりと満更でもなかったのね！
クノンに婚約者がいた、という事実が知れ渡って「え？ 婚約者いたの！？」となって動揺とまではいかないまでも、微妙にモヤッとした感じになってる女性陣にちょっと笑ってしまいました。
２巻から魔法学園に入学して、それ以来手紙のやり取りだけで対面してなかったですもんね、確か。
全７巻のうち最初の巻と最新刊にしか登場してないメインヒロイン。
メインヒロインとはｗ
いやでも、ミリカの方はミリカの方でエピソード描かれていたんで、作品としては１巻以来の登場ってわけじゃなく、クノンに負けず劣らずの波乱万丈な人生を送っている……ほぼクノンの埒外な活躍と功績のせいなんだけれど……ミリカさまである。
クノンはひたすら政治的な干渉とかしがらみとかを排除された学園で、魔術の研究に没頭するという大変だけれど至福の充実した時間を過ごしてきたわけですからねえ。
それに比べると、ミリカさまはクノンの婚約者の立場を護るために本当に大変なご苦労を背負われてきたのですから、ご苦労さまおつかれさまでした、と言いたくなる。いやおつかれさまでした、なんて言ったらそれっきり、退場を促してしまうお祈りメールみたいな感じになってしまいますが。
メインヒロインである。
ある意味作中時間の経過よりも久々のクノンとミリカの再会でしたけれど、出会った瞬間お互い感極まって無言で抱き合ってしまう、というシーンを見てしまうと、ほっこりであります。
とにかく女性相手となると口軽くペラペラと感激とおもてなしの言葉で出迎えそうな、実際そうするだろう教育を受けてきたクノンだけに、そんな彼が無言で抱きしめる、というのはやはりそれだけの重みがあると思うんですよねえ。
実際、ミリカへの態度はやっぱり他の女性たち相手とは断然違いますよ。もうどう見ても一途じゃないですか。
あれだけ、女性に対して軽薄にしか見えない声掛けをしまくっているクノンが、一途というのは変に思えますけれど、実際そうとしか見えないのは凄いなあ。
まあ読者側は、クノンのあの紳士観は専属メイドさんの歪んだ教育の結果で、一切下心も何も無いとわかっているので、一途に見えるのも当然なのかもしれませんが。実際一途ですし。
とはいえ、手紙で多数の、というか無数の女性との交流を赤裸々に手紙で読まされていたミリカさまとしては、心中お察しいたします、というところだったのですけれどね。幾ら信じていても、遠く離れて顔も見えないところで新しい生活をはじめている婚約者のことを、無条件に信じるのは盲信というものです。初年度から無数の成果をあげて、国の重要人物に駆け上がってしまい、王女でも末端の自分では彼の婚約者として見合う価値が足りてない、と思われるようになってしまって、必死に努力してミリカとしての功績を積み上げようと頑張ってきたミリカ様としても、思うところはあるでしょう。
ミリカさまの方もクノンくんのことを一途に思いながらも、再会してすぐに自分の現況について、クノンの将来とも密接に関わっているそれについて、すぐに伝えるのではなく、この学園でのクノンの様子を実際に見てから、というふうに口をつぐんだのは、彼女なりの矜持でもあったんじゃないでしょうか。
それはそれとして、再会してすぐに自分そっちのけで師匠のゼオンリーとの魔術談義に夢中になってしまっているクノンを、苛立つでも怒るでも妬心に歯噛みするでもなく、幸せそうに温かく見守っているミリカさまは、クノンの最大の理解者で受け入れ先だと思いましたねえ。
いやあ、周りの人達たちからするとその光景はオイオイってなもんだったかもしれないですけれど、当事者たちが幸せそうなんだから、いいんじゃないでしょうか。
愛ですよ、愛。
これが同じ魔術の探求の徒となってしまうと、話題が噛み合っても自分の欲求を叶え高める相手という認識で、なんというか彼らが真に愛しているのは魔術の方なので、お互いを見る時まず間に魔術が介在してしまうんですよね。それはそれで魔術愛が高じて変な領域の愛情に突入してしまいそうではありますけれど、人と人との愛情としてはそれはちょっとピーキーがすぎると思います。
そういう意味でも、やっぱりミリカさまはクノンにとっての唯一無二のヒロインなんでしょうなあ。
聖女様は、完全にベクトルが外れてますって、あれ。ただ、のちのちのクノンの領地経営のほうにも聖女さま、がっつりと農法や植物研究関連で利用し倒すつもりみたいなんで、学園出てからも縁がまったく途切れそうにないのは、ちょっと意外。聖女レイエス、ガチでクノンには異性としての興味一切持ってないですからねえ。だからこそ、実物とあったミリカさまも安心したというか呆れたというか、なるほど納得だったわけですけれど。
いやでも、クノンの領地で好き放題植物植えられるとなったら、この人即断で結婚しそうなところがあるぞ。
しかし、クノンのあのミリカさまへの一途さと、場合によってはこれほど充実して日々を謳歌している、今人生の絶頂といっていい魔術三昧の日々を放り捨ててもミリカのもとに馳せ参じる、というあの真っ直ぐな愛情を見せられてしまうと……ゼオンリー師あんたもうちょっとなんとかしなさいよ？
前日譚での、あの錬金術師との女性との顛末はまだ結末を見ていないんだけれど、色々あったらしいとはいえ、現在のゼオンリーの様子を見るとあれだからなあ。自己都合で置いていっちゃった感が露骨に出てるからなあ。当時ゼオンリーの方はガキ過ぎてどういう思いを抱いていたかは定かではないですけれど、相手方のアイオンさんの方はこれ絶対秘めたる思いを抱えていたでしょ。
周囲から見ても、二人はそういう雰囲気だったみたいだし、もういい年なんだからほんとちゃんとしなさいよ、お師匠様。
ところで、クノンに声掛けされてた学園の女性陣。彼女らも魔術師である以上、魔術優先最優先でクノンのお誘いの言葉や湧いて出てくる褒め言葉なんかも、みんなさらっと流してスルーして、と若干ツンツン対応している人もいましたけれど、大概適当にあしらっているように見えたのですが。
みんな、わりと満更でもなかったのね！
クノンに婚約者がいた、という事実が知れ渡って「え？ 婚約者いたの！？」となって動揺とまではいかないまでも、微妙にモヤッとした感じになってる女性陣にちょっと笑ってしまいました。
Ａｍａｚｏｎ
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