【異世界ラーメン屋台 エルフの食通は『ラメン』が食べたい ２】 森月 真冬／転 PASH!ブックス
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私はエルフのリンスィール、エルフ界一の食通である！
このところすっかり虜になっている料理がある。
その名前は「ラメン」……一口食えば、天にも昇る味である！
ラメンとの出会いのきっかけであるタイショとはもう会えないが、
息子のレンがこの世界でラメンを作ってくれている。
さて、今夜もお待ちかねのラメン会食の時間である！
『ツケメン』？『ニボケイ』？『ヒヤシチューカ』？
なんだこの新しいラメンたちは！？
今日もまた新しいラメンとの出会いに、感謝するぞ、レン。
サンマーメンって食べたことないんだよなあ。よく知らない子どものころは、ニシン蕎麦に対抗した秋刀魚ラーメンだと思っていた、恥ずかしい。
これカップ麺でもあってスーパーなどでもよく見かけるんだけれど、餡とかも添付してあるんだろうなあ、凄いなあ。
とまあ、今回も様々な種類のラーメンが登場。てか、店主が作る作る。きっちりそれぞれの種類のラーメンの来歴から、材料作り方、その特徴や強み弱みなどをしっかり丹念に解説した上で、食べる連中、リンスフィールを筆頭に食レポが滅茶苦茶上手で情感と戸惑いと感動がうねってるから、あてられて読んでるこっちまでお腹が空いてくるのは、ガチの飯テロ小説である。
飯テロ小説って、料理の描写の絶妙さだけではやっぱり足りなくて、それを食べた人の感動、衝撃、驚き、感情の爆発がダイナミックであるほど、伝わってくるものの桁が違ってくるんだよなあ。
とはいえ、派手なリアクションが良いってわけじゃなくて、これは描写、表現の妙に尽きるんでしょうねえ。
つけ麺は全然ラーメンの範疇だと思うけれど、冷やし中華はあれは流石にラーメンじゃねえだろ派でありますなあ。じゃあなんだ、と言われると悩むのですけれど、あれはソーメンとか冷や麦とかざる蕎麦のジャンルじゃない？ でも、それだとつけ麺もそっちじゃね？と言われるとそうかもなー、とも考えちゃうし、でもつけ麺は温いから、とも思うし。
まああれだ。カテゴリーってのはそこまで拘るところじゃないんだよ、きっと。
とはいえ、カレーラーメンに関してはまた違った悩ましいところがあり、カレーが主かラーメンが主か、という主体性の問題になってくるからなあ。いやもちろん、カレーラーメンである以上ラーメンが主体なんだが、でもラーメン自体麺とスープとどっちがメインなんだ？ という話になるとそれは……という話になってくるわけで。
ただカレーラーメンというジャンルが、カレーという強烈なファクターを含みながらも、品種としてはかなりマイナーであまり見かけないものになっているというのは特徴的でありましょう。
カレーうどんの方はあれだけうどん屋で見ないものはないのにね。
そして、カップ麺の世界ではカップヌードルを始まりとしてかなりメイン寄りの品種になっているのを考えると、店舗ではあまり見ないというのは面白いですよねえ。やはり店舗でカレー作ってると匂いとか影響あるんだろうなあ。
とまあ、色んなラーメンについて語りたくなる作品でもあるのですが、同時にラーメンと人生を交錯させる異世界の人々、或いは異世界に迷い込んでしまった異邦人たちのドラマでもあり、屋台をひいて異世界に現れ、美味しいものをこの世界にも伝えていきたいとする店主たちの心意気と、その想いに感化された者たちの物語でもあります。
この異世界に迷い込んでしまった人達にとっては、ラーメンはまさに故郷の味。懐かしい想いで。心の慰めとなるものであり、そうした人達との交流もまた沁み入るものがあります。
魔女サラなんかはもうベッタリでありましたし。そうした宿り木だからこそ、基点となってそこに集う人達の人生の交錯点ともなる。長い人生をかけて追いかけていた人と運命の再会を果たせる場所となり、止まっていた過去が動き出す起点にもなる。
また、屋台という屋外の路上で広げられる店舗だからこそ、建物の中という境界を踏み越える必要のない場所だからこそ、誰もが立場もなにも関係なく訪れられ、温もりを得られる場所でもあるんですよねえ。
仇敵同士が肩を並べて麺をすすり、路上でひもじい思いをしていた孤児たちに、そっと温かいものを差し出せる。
比喩じゃなく、このぬくもりが世界を救っていたというのは、まさにラーメンこそが平和の象徴、というべきお話だったんじゃないでしょうか。
そして、そんな子供たちの中から、異世界の地の材料だけで自分達の命を救ってくれたラーメンを、恩人の思い出の詰まったラーメンを、その息子のレンに手を貸してもらったとはいえ、再現してしまう者たちも現れた。
誰もが、タイショのラーメンの記憶を、思い出を原動力にして、レンが現れるまでずっと頑張ってきた。
その結実を見る思いでありました。
……それはそれとして、リンスフィールさんはガチで食ってばっかりだな、うん。いや、この人も美食のガイドブック書いて美味いものを世に広めているのか。別にこの人だけ食ってるだけで何もしてないってわけじゃないよな、うん、うん。
これカップ麺でもあってスーパーなどでもよく見かけるんだけれど、餡とかも添付してあるんだろうなあ、凄いなあ。
とまあ、今回も様々な種類のラーメンが登場。てか、店主が作る作る。きっちりそれぞれの種類のラーメンの来歴から、材料作り方、その特徴や強み弱みなどをしっかり丹念に解説した上で、食べる連中、リンスフィールを筆頭に食レポが滅茶苦茶上手で情感と戸惑いと感動がうねってるから、あてられて読んでるこっちまでお腹が空いてくるのは、ガチの飯テロ小説である。
飯テロ小説って、料理の描写の絶妙さだけではやっぱり足りなくて、それを食べた人の感動、衝撃、驚き、感情の爆発がダイナミックであるほど、伝わってくるものの桁が違ってくるんだよなあ。
とはいえ、派手なリアクションが良いってわけじゃなくて、これは描写、表現の妙に尽きるんでしょうねえ。
つけ麺は全然ラーメンの範疇だと思うけれど、冷やし中華はあれは流石にラーメンじゃねえだろ派でありますなあ。じゃあなんだ、と言われると悩むのですけれど、あれはソーメンとか冷や麦とかざる蕎麦のジャンルじゃない？ でも、それだとつけ麺もそっちじゃね？と言われるとそうかもなー、とも考えちゃうし、でもつけ麺は温いから、とも思うし。
まああれだ。カテゴリーってのはそこまで拘るところじゃないんだよ、きっと。
とはいえ、カレーラーメンに関してはまた違った悩ましいところがあり、カレーが主かラーメンが主か、という主体性の問題になってくるからなあ。いやもちろん、カレーラーメンである以上ラーメンが主体なんだが、でもラーメン自体麺とスープとどっちがメインなんだ？ という話になるとそれは……という話になってくるわけで。
ただカレーラーメンというジャンルが、カレーという強烈なファクターを含みながらも、品種としてはかなりマイナーであまり見かけないものになっているというのは特徴的でありましょう。
カレーうどんの方はあれだけうどん屋で見ないものはないのにね。
そして、カップ麺の世界ではカップヌードルを始まりとしてかなりメイン寄りの品種になっているのを考えると、店舗ではあまり見ないというのは面白いですよねえ。やはり店舗でカレー作ってると匂いとか影響あるんだろうなあ。
とまあ、色んなラーメンについて語りたくなる作品でもあるのですが、同時にラーメンと人生を交錯させる異世界の人々、或いは異世界に迷い込んでしまった異邦人たちのドラマでもあり、屋台をひいて異世界に現れ、美味しいものをこの世界にも伝えていきたいとする店主たちの心意気と、その想いに感化された者たちの物語でもあります。
この異世界に迷い込んでしまった人達にとっては、ラーメンはまさに故郷の味。懐かしい想いで。心の慰めとなるものであり、そうした人達との交流もまた沁み入るものがあります。
魔女サラなんかはもうベッタリでありましたし。そうした宿り木だからこそ、基点となってそこに集う人達の人生の交錯点ともなる。長い人生をかけて追いかけていた人と運命の再会を果たせる場所となり、止まっていた過去が動き出す起点にもなる。
また、屋台という屋外の路上で広げられる店舗だからこそ、建物の中という境界を踏み越える必要のない場所だからこそ、誰もが立場もなにも関係なく訪れられ、温もりを得られる場所でもあるんですよねえ。
仇敵同士が肩を並べて麺をすすり、路上でひもじい思いをしていた孤児たちに、そっと温かいものを差し出せる。
比喩じゃなく、このぬくもりが世界を救っていたというのは、まさにラーメンこそが平和の象徴、というべきお話だったんじゃないでしょうか。
そして、そんな子供たちの中から、異世界の地の材料だけで自分達の命を救ってくれたラーメンを、恩人の思い出の詰まったラーメンを、その息子のレンに手を貸してもらったとはいえ、再現してしまう者たちも現れた。
誰もが、タイショのラーメンの記憶を、思い出を原動力にして、レンが現れるまでずっと頑張ってきた。
その結実を見る思いでありました。
……それはそれとして、リンスフィールさんはガチで食ってばっかりだな、うん。いや、この人も美食のガイドブック書いて美味いものを世に広めているのか。別にこの人だけ食ってるだけで何もしてないってわけじゃないよな、うん、うん。
Ａｍａｚｏｎ
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