【望まぬ不死の冒険者 １４】 丘野優／ じゃいあん オーバーラップノベルス
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最弱不死者（アンデッド）からめざす最強冒険者、第14弾！
銀級冒険者への昇格試験を迎える前に、カピタンから《気》の扱いを学ぶため、港湾都市ルカリスを訪れた不死者・レント。
街の散策をしていると荒くれ冒険者三人組から襲撃を受けるものの、獣人で呪物屋のディエゴの加勢もあり難なく退ける。
その冒険者三人組にまだ見込みがありそうだと考えたレントは、彼らに冒険者として生きていく術を教えることに。
冒険者組合（ギルド）でカピタンと再会したレントは、魔錆（ましょう）病に効果を発揮する海霊草を採りに《海神の娘達の迷宮》を目指す。
カピタン、ディエゴ、冒険者三人組とともに迷宮に突入しようとしたが、そこでレントは予期せぬ再会を果たし――!?
「お久しぶりですね。屍鬼の人」
強大な魔物と戦い、多くの謎を解き、そして強くなる。
死してもなお遙かなる神銀（ミスリル）級を目指す、不死者レントの『冒険』、第14弾――！
ディエゴくん、どう見ても猫科の獣人なんだけど、そんな水中に潜ったりして大丈夫なのかー！？
と、表紙でダイビングで使うレギュレーターみたいなのを咥えているレントのインパクトにばかり目が行ってて、後ろから一緒に潜ってきているディエゴの姿にあとから気づいて、うわぁぁぁ！ってなってしまいました。
猫科なのに大丈夫なの？ 嫌じゃない？ 水に濡れて嫌じゃない！？
別に猫科でも、ジャガーとかピューマなんかは全然普通に泳ぐみたいですけれど、ネコと思って見てしまうとどうしても水嫌がって暴れまわるネコちゃんが印象に残っているだけに。
あと、海水濡れて毛並みとか大丈夫なんだろうか、とどうでもいい所が気になって仕方なくなってしまったのでした、丸。
ってか、今回登場人物男ばっかりだな！ ディエゴも男だし、レントが会いに来ていたダンジョン探索中だという師匠も男だし、食うに困ってレントに絡んできた底辺冒険者たちも男だし。って、この絡んできた連中を、レントわざわざ確保して取り敢えず普通に生きていけるくらいには稼げるように、冒険者としてのノウハウを叩き込んでやろう、とわざわざ面倒見始めたわけですよ。
面白いのが、この連中マジでむさい男ばっかりで、女の子とかいないんですよ。男性向けのファンタジーなんかだと、こういう展開だとどうしても女の子ばかり拾って育成、みたいなのが定番なのに、潔いくらい行き詰まって落ちぶれてどうしようもなくなってる男連中なのである。秘められた身分とか、顔がイケメンとかそういうのも一切なし。
潔し！！
どれほど努力しても能力があがらず、ずっと銅級に燻っていたレントとしては、行き詰まってた彼らの姿にかつての自分の姿を垣間見た、みたいな感じみたいだけれど。いやいやいや、レントさんあなた銅級からずっと昇格できなかったとはいえ、尋常じゃない努力を、それこそ常人が真似できないような努力を続け、まったく能力が伸びなくても向上心を失わずにやり続ける、という途方もないことをしてたんだから、全然一緒でも似てるわけでもないですよ。
とはいえ、このガヘッド、ルカス、ニーズという三人組は、まず冒険者としてのノウハウも何も知らず、我流でずっと頑張ってきていたのは確かなんで、決してサボってたとか努力を怠っていたというわけじゃないので、そういう意味では同情の余地があるのだろう。
レントなんか、故郷で様々なジャンルで師匠から学んでたんですからねえ。恵まれていた、というのは間違いないのでしょう。
わりとレントも誰かに教えたりするの好きというか、性分にあっているみたいなんで、マルトの街でもギルドから頼まれて初心者の教導とかしてたもんなあ。
というか、マルトの冒険者ギルドで初心者教育とか冒険者のマナー教育とかの指針を打ち立てたのって、レントだったんですよね、確か。そりゃ、ギルド職員に熱心に勧誘されるよなあ。
そんなマルトの街と比べると、こっちの街は自己責任って感じで冒険者としてのノウハウとか必要な知識なんかを教えてくれる場が全然なかったみたいですし。
そういう自分の責任ではないのに能力を伸ばせない、伸ばす機会がない、という奴らを見かけると、面倒を見ずにはいられない性分なんだろうか、レントは。
こういう性格だからこそ、いつまで経っても銅級より上に上がれない冒険者なのに、老若男女問わず立場関係なく慕われ信頼されてるんでしょう。レントに薫陶を受けお世話になったという冒険者、マルトの街には山程いるみたいですし、街の人達にも顔広いもんなあ。
そして、今や人外じみた実力を急に手に入れた、にも関わらず、相変わらず偶々訪れた街で落ちぶれそうになってた連中を拾って面倒見てるんですから、増長とかイキったりとか全然縁がないんだろう。
そういう主人公だからこそ、好感持てるのですけれど。
さて、故郷の村の住人であり「気」の師匠であるカピタンを探して、この海辺の街に来たレントだけれど、カピタンが探している素材を一緒に見つけるために、今度はこの街由来の海中ダンジョンに挑むことに。
水中のダンジョンって、まためちゃくちゃ難易度高くない！？ 大体、水の中のダンジョンってどこの世界でもハイエンドなんだけれど、ここのダンジョンは難易度高いとはいえわりと気楽に挑戦は出来るみたい。
というか、スキューバダイビングが出来る魔道具みたいなの、普通にあるんだ。普通に普及してるんだ。なんかわけわからん発展の仕方してるなあ。
一方で、近隣の海では４体いる魔王のうちの１体が接近しているとかで、微妙な緊張状態。海を拠点にしている魚人たちが姿を消し、どうにもきな臭い雰囲気が漂っている中で、またぞろ犯罪に手を染めようとしている魚人の娘を捕まえて拾って帰るレントである。
なんでこの男、仮面にマントという超絶怪しい格好しているにも関わらず、こんなふうにわりと気楽に絡まれるんだろう。見た目かなりお近づきになりたくない感じだと思うんだが。
そのスリをしかけてとっ捕まった子供が、まさかの魚人のお姫様、という……この巻では初めての女の子登場だぞｗ まあまだ幼い子供なんだが。
これは、ダンジョンで素材探しというだけじゃなくて、対魔王案件にも関わっていくのか。ぶっちゃけ、レントまだ魔王と戦えるほどそこまで強くはないと思うんだけれど。まあ魔王と言ってもラスボスじゃなくて、やばめの魔物か、勢力抱え込んでイキってる豪族みたいな雰囲気だけれど。
Ａｍａｚｏｎ
Ａｍａｚｏｎ
