LAZARUS ラザロ ★★★★☆
西暦2052年。これは、ゴッツイのが来たなあ。いやあ、圧巻でした。第一話、アクションをここまでポカンと口開けて見てしまったのあんまりないよ？
世界はかつてない平和な時代を迎え、脳神経学博士スキナーの開発した鎮痛剤「ハプナ」が大きく貢献していた。
副作用がない「奇跡の薬」として世界中に広まり、人類を苦痛から解放したハプナ。
しかし、その開発者であるスキナーは突如姿を消し、その行方は誰も知らなかった。
――3年後、彼は世界を破滅に導く悪魔として再び現れる。
ハプナは服用者を3年後に発症させ死に至らしめる薬で、仕掛けられた罠だった。
「あと３０日。それまでに私の居場所を見つけだせば、人類は生き延びられる。」
スキナーが持つたったひとつのワクチンを使用するしか、助かる道はない。
そして、これが欲しければ私を見つけ出せと言う。
スキナーの陰謀に対抗すべく、世界中から集められた5人のエージェントチーム「ラザロ」。
彼らは、人類を救うことができるのか？そしてスキナーの真の目的とは――？
戦闘シーンじゃなくて、パルクールめいた逃亡劇なんだけれど、アニメとしてもこれは凄えわ。前情報まったく無しに見始めて、文字通り目を釘付けにされてしまった。
キービジュアルからしてなんか見覚えある構図だなあ、と思ったら「カウボーイビバップ」の監督さんなんですね。それにしても、これだけ「カウボーイビバップ」に寄せるキービジュアルを持ってきたということは、それだけビバップと向こう張れる作品だぞ、という自負を感じます。
そしてアクション監修にチャド・スタエルスキなんて名前があるんですけど。映画『ジョン・ウィック』の監督じゃねえか！ なんちゅう人連れてきてんだ！？
いきなり人類絶滅の危機、って鎮痛剤服用ってそりゃ使ってる人はえらいことになるだろうけれど、人類が絶滅するほどそんな使うの？ と、思ったんだけれどアメリカとかでは社会問題化もしてるのか。いやでもこれ合法麻薬的な使われ方してるから問題になってるんじゃないの？
でも、日本でもロキソニンレベルの鎮痛剤使用であんた死ぬよ、という事になったら国レベルで崩壊するかもなあ。自分だって腰痛とかで使うよ？
ユア・フォルマ ★★★☆
脳の縫い糸、通称〈ユア・フォルマ〉。電撃文庫の大賞受賞作品で、かなりガッツリとしたSFでもあり、寒々とした北の国の重苦しい空気感とか、凍えるような温度、どんよりとした曇り空といったイメージをともなう、灰色の世界観が攻殻機動隊とかああいうSFとは違う雰囲気があって実に味わいある作品でした。
1992年に起きたウイルス性脳炎のパンデミックから人々を救った医療技術は、今や日常に不可欠な脳侵襲型情報端末へと進化をとげていた。
見たもの、聞いたこと、そして感情までも——。
全てが記録される世界で、重大犯罪事件の捜査は、記録の集合体〈機憶〉にダイブできる特別捜査官「電索官」の仕事になっていた。
世界最年少で電索の任についた天才少女、エチカ・ヒエダ。
その才能ゆえに孤立する彼女にあてがわれた新しい相棒は、金髪碧眼のヒト型ロボット〈アミクス〉のハロルドだった。
最強の二人の前に、秘密は全て暴かれる——！
……って、これアニメ、２巻からスタートしてない！？
この「電索」って作業は一度潜ると自分で返ってくることが出来ないので、電索官の状態を確かめつつタイミングを見計らって命綱を手繰り寄せて電索官を引き戻す電索補助官という役割の人が必要なんですね。
しかしこの電索補助官には〈機憶〉に潜る電索官にかかる負荷と同じ負荷が脳にかかってしまうため、主人公であるエチカの電索に、普通の人間の補助官では対応できず病院送りになってしまうありさまだったわけです。そのため、天才的な能力を持つにも関わらず相方がいないために孤立していたエチカに、新たに相方として派遣されてきたのがアミクスと呼ばれるロボットのハロルドだったわけです。
アミクスの中でも特殊な存在であるハロルドとコンビを組むものの、人とのコミュ力に欠けるエチカがロボットのハロルドに対して穏当な態度を取るはずがなく、反発し合うバディもの……というにはハロルドが人間出来すぎてて、人間不信の猫を徐々に手なづけていくみたいな工程を経て、ようやく相棒として信頼を結ぶまでが一巻の内容だったわけですが……そのあたり、思いっきりすっ飛ばして、二人がちゃんとバディとして動けるところから、アニメははじまったのですね。
この相棒として成立するまでの揉め揉めを、アニメの１話から長々と見せるのを避けたがゆえの２巻相当からのスタートなんだろうけれど、原作既読済の自分ですらこれ１巻読んでないと人間関係とか世界観とかエチカの立ち位置とか、アミクスってなに？ ハロルドの特別性ってどういうこと？ 用語とかわかんないぞ。といった感じに、前に起こった事件のことを知っている前提で会話してるの、置いてけぼりになるぞ！？ とかなり露骨に思わされたんで、これ原作未読の人はかなり突き放された感じになるんじゃないだろうか。２巻から始めるにしても、１巻を読んでいなくても何となくでも情報が伝わってくるような話のアレンジをしてくれればよかったんだろうけれど、単にすっ飛ばしてまんまスタートしてる感じだからなあ。
とはいえ、雰囲気自体は原作のあの重苦しくも読み応えのある雰囲気がちゃんと出ていて、ロボットであるハロルドに果たして心は存在するのか、人とアミクスの間に想いは通じあえるのか、という主題にしっかり向き合っている感もあるだけに、面白い作品になると思うんだが……始め方、描かれなかった１巻との繋ぎ方だったよなあ。
履いてください、鷹峰さん ★★★☆
「私にパンツを履かせなさい」なるほど……頭おかしいんじゃないか！？
⽣徒会⻑の鷹峰さんはスクールカーストのトップオブトップ、神！
対して、友達も存在感も皆無の⽩⽥くんは、ある⽇鷹峰さんの⽣おっぱいを⾒てしまったことで
スクールライフが変わり始める…。
なんと鷹峰さんは"未だ穢れ知らぬ⼄⼥（エターナル・バージンロード）"という能⼒でパンツを脱いで時をかける⼄⼥だった。
ノーパンではいられない鷹峰さんのクローゼットとして⽩⽥くんは鷹峰さんにモモ⾊おねだりをされ続けるハメに…。
そんなとき思わず⾔っちゃう、「履いてください、鷹峰さん」!
TVアニメでもたっぷりモモ⾊おねだり炸裂します！
いや、これはどういう性癖なんだ？ 性癖なのか？ 好きな人に見られたいまではまだ聞くけれど、好きな人をクローゼットにして、下着を持たせておいて、パンツを履かさせたり、ブラをつけさせたりしたがる性癖をなんというんだ？
思わずAIに聞いてみたら、本当に真剣に考察吟味してくれて、なんだか申し訳ない気持ちになってしまった。すまない、変なことを聞いてすまない。
被着衣フェティシズム的なものなんじゃないでしょうか、と言われて、そうなのかなあ、と。他にも色々と考察してくれたのですが、むしろ下着を着せられることに服従欲求みたいなものがあるんじゃないか、と言われてなるほどなあ、と。
鷹峰さん、白田くんの社会的な抹殺を脅迫材料にしてまで、この行為を強制してるんですよね。それを鑑みるとむしろ白田くんを服従させる。授業中にこっそりパンツ履かせることを実行するか試したり、白田くんへの支配欲みたいなものを露骨に見せているんだけれど、確かに支配しているようで自分の恥部をさらけ出し、全部を委ねてしまっているというのは色々と考えさせられるところがある。まだ１話２話を見ただけで、原作の漫画の方は読んでないだけになんとも言えないのだけれど、鷹峰さんの心理がどのへんにあるのかは興味深いところである。
Ａｍａｚｏｎ
Ａｍａｚｏｎ
