徒然雑記 : 凶乱令嬢ニア・リストン８病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録　★★★★

【凶乱令嬢ニア・リストン８病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録】　南野海風／刀彼方 HJ文庫

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武闘大会本選、ついに王国一の強者が決まる！

王国中を熱狂の渦に巻き込み、予選から大盛り上がりの武闘大会。
ニアの弟子たち、勇星会の男女や剣鬼、敗者復活から舞い戻った挑戦者など、本選ではさらなる激戦が繰り広げられる!!
そんな中、武に関して妙に詳しく、試合の解説が抜群に上手いと評判になったニアは、王令で全試合の解説担当に任命され大活躍！
それはそうと、見ているだけでニアが満足するはずもなく――
「魔王じゃないわ。さっき言ったじゃない。魔王より強いって」
天使のような凶乱令嬢の最強無双譚、全編書き下ろしの第8弾!!

結構な長丁場になった武闘大会。大会本編はウェブ連載ではすっ飛ばされたらしいので、特にこの２巻はほぼ全面書き下ろしになるんですか？
ともあれ、敗者復活戦から本戦に突入したわけですけれど、国内の盛り上がりはずっとうなぎのぼりっぱなし。これ、経済効果凄いことになってたんじゃあなかろうか。
そして、大会中ずっと馬車馬のように働かされるニアたち就労年齢に達していないだろう幼女たち。ニアはまだ中身化け物だからいいけれど、ヒルデトーラとレリアレッドの二人は大丈夫だったんだろうか。幼女で過労死とか洒落にならないぞ。それとも、うちのベンデリオだけが鬼畜外道だったんだろうかｗ
まあでも、ニアはこの大会中ずっとイイ空気吸えてましたからねえ。普段の撮影地獄のときよりずっとイキイキして、これ肌もツヤツヤのプニプニだったんじゃなかろうか。
結局ニアって、大会に出場するなんて面倒を回避しつつ、関係者兼インタビュアーという立ち位置を存分に利用して参加選手をじっくりねっとり吟味して、これは美味しそうと目をつけた相手、全員裏で摘み食いしやがってるじゃないですか！
大会に参加して律儀にトーナメントに従って決められた相手だけ戦うのと比べて、自由好き勝手すぎる！！
暗殺拳の老師に妖刀使いのサムライ、そして養成された勇者の卵、と踊り食いも良い所じゃないですか。そりゃあ、ご満悦でしょう。ある意味、この摘み食いのためにニアもわざわざ資金集めてこの大会を開催まで漕ぎ着けた、と言えるのかもしれない。
にしても、勇者候補生たち。二人がかりで今のニアの半分くらい……って、今までの相手と比べても破格に強いんじゃなかろうか。
でも、二人でニア半分くらいは強いとか言ってるくせに、これくらいのが１０人も集まればちょっと遊べそうって言ってるの、計算があわないんですけど？！　二人がかりで半分くらいなら、４人がかりでちょうど釣り合うんじゃないの？　それが１０人集まってもちょっと遊べる程度って、この幼女、前々からの強さ換算の表現、適当言ってるだろこれ絶対！

一方で、ちゃんとリストン家の娘としての立場は忘れておらず……というより、家云々関係なくもうマジックヴィジョン事業……テレビ事業ですね。この新興事業の発展の担い手としての自覚も高く、武闘家としての強さに注目するのとはまた別に、試合の勝ち負け抜きにして選手のキャラクターや人気に注目して、早々に大会から脱落してしまった選手でも、これはタレントとしてテレビで起用したら人気を集めそうだぞ、という人材を意識してピックアップしてらっしゃいましたからねえ。
フレッサなんかも、弟子として以上に解説役として評価した挙げ句に、裏の人間である彼女を目立つ仕事に引きずり回すという暴挙にｗ

大会の方は、これ大番狂わせなく順当に収まった、というのはニアの視点から見ている読者サイドの印象であって、人気の冒険者ジオンが予選で敗退して、敗者復活戦で這い上がりつつ敗れてしまったり、と世間的には無名の選手が大活躍した大会だったのかもしれない。
とはいえ、予選の段階でニアがピックアップして、こいつらは勝ち上がるぞ、みたいな感じで宣伝していましたからねえ。そういう意味ではコイツ誰？みたいな空気はなかったんじゃないかと。

その分、なんかやたらとニアの相馬眼が注目されてしまってましたが。最初はフレースを解説役に引っ張ってきて誤魔化してましたけれど、途中からずっと一人で実況解説してましたからねえ。ちゃんと聞いてたら、この幼女ナニモノ！？とだいぶ思われたんじゃないですか？　ギャングたちの賭けでもだいぶ参考にされてしまっていたみたいですし。
だいたい、普通の人が認識もできないような攻防をみんな的確に解説してたら、そりゃ？？？ってみんななりますよ。途中からもうあんまり隠す気なくしてただろ。それとも、無意識でしょうか。興がノリすぎて。

とはいえ、そういう選手の強さを見抜く的なことはだいぶバレバレな感じでやらかしていましたけれど、そこから芋づる的にニアが影でコソコソやってたような事や、大会の有力者たちを鍛え上げてたのはこの幼女でした、みたいな秘密に関してはバレるような真似はしていなかったと思うので……。
ラストのいきなりの国外追放命令はさすがに目を剥きました。いや、以前からニア自身が回顧みたいな形で国外追放されるはめになるんだが、みたいな事を言ってたんですが、こんないきなりとは思わんじゃないか。
いやあ、色々とやらかしているだけに、ネタは十分ではあるんだけれど、ほんと何がバレたんだ？　どうやってバレたんだ？

と、大会の方はまさかアンゼルが勝つとは思わんかった。彼の裏稼業のボスがアンゼルに５００億賭けるぜ、と言い出したときには流石に早まるなぁぁ、この大会アンゼルなんかよりもっと強いやつゴロゴロいるから。と、随分と可哀想に思ったんですけれど……。
アンゼル、がちで頑張りましたねえ。この大会、一番必死に勝利に貪欲だったのはアンゼルだったんじゃないでしょうか。いやあ、マジで勝てるとは思わんかった。
リノキスもリネットも、このメイド組はかなり下心ありありでやってましたし、フレッサはお金と保身優先でしたから、そういう意味では弟子含めて有力選手の中で一番真面目に真剣に武闘家としてこの大会に向き合っていたのって、ガンドルフ先生じゃなかろうか。一番つよくなることにストイックだしなあ。
ニアの弟子として一番真面目に弟子してるかもしらん。ニア的にはそれってどうなんでしょうね。

さて、アンゼルは勝ったは優勝したは、でそれはいいんだけれど、やっぱり裏社会の人間である以上、警戒していた通りとっ捕まってしまうのでしょうか。第一回大会優勝者が直後に逮捕、とか主催の国としてもまずいんじゃないの？　大会の選手の選手紹介用の絵を描いて回っていたレリアレッドの姉であるリクルビタァがどうにもアンゼルのこと好きなんじゃないか疑惑とかは、ほんとどうなるんでしょうね。
国外追放とかニアにとってはむしろ虎に翼じゃん？　という主人公の急転直下よりも、アンゼルの方が心配だなあ。