だいたい半年ごとくらいにやってる企画。半年ペースぐらいで、新規の作品ある程度見つけられる感じなんですよね。

一方で前回以前に紹介した作品が、もっと加速して面白くなっている場合もあるので、前回までの同系記事もまた見直していただけるとありがたいです。
タイトル変わってますけど【悪役天才道術士の憤怒　破滅確定だった転生悪役、隠された才能で原作を蹂躙する】と【機甲猟兵エルフリーデの屈折した恋愛事情〜最強パイロットは無礼なスパダリにキレている〜】は話が進むにつれてさらにバチクソ面白くなってしまってます、やべえです。
特にエルフリーデの方はほんとメチャクチャ面白いんだよなあ。書籍化されんのだろうか。

とりあえず、６月から７月にかけて何度か小分けしながら書いていくつもりです。まずはその１から。


こちらがＷｅｂ小説の紹介記事全般。




＜小説家になろう＞から
転生モーツァルトは女子アイドルを目指します（作者：ほうこうおんち）

天才音楽家モーツァルトは今際の際
「もっと楽しい音楽を！」
と望んだ。
そして、日本の女の子に転生したモーツァルトは、望み通り楽しい音楽を目指す。
「高尚さとかどうでも良い！
皆で盛り上がる音楽こそ最高さ！」
それが女子グループアイドル業界。
かくして、前世からは考えられないジャンルに天才は身を投じるのであった。
この作者さん、同企画の記事でも何度かその作品を紹介した事があるのですが、その際はだいたい歴史小説だったんですよね。
ところが、今回は大胆にジャンルを変えて、アイドル業界にスポットをあてた作品を送り出してきはりましたわ。
面白いのは、既存のアイドルものってあくまでアイドルたちをフィーチャーして彼女たちの活躍、挫折、成功、成長といったものにスポットをあてて描いていくものが大半だと思うのです。今まで見てきた作品ってだいたいそんな感じでしたしね。
ですけど、本作って確かにモーツァルトが転生した天草優子をはじめとしたアイドルになろうとしている子たち、この子たちもなかなか強烈なキャラクターの子が多くて個性的でちゃんとキャラ立っているのですけれど、それにもましてアイドル業界、そしてアイドルという存在が目指している方向性とはなんぞや、というものにアプローチしていて、これがまた非常に面白い。
アイドルとモーツァルトの音楽性ってそもそも全然違うわけで、モーツァルトの天才的な音楽の才能を受け継いだ優子でも、そのままのあり方では噛み合わず、彼女自身生まれ変わって自分が望む音楽の方向性と、アイドルのあり方を意欲的にすり合わせ噛み合わせ、候補生として勉強しながら新しい自分を生み出していく。業界ネタ、アイドルネタとも合わさって、あまり体験したことのない方向からのアイドルものへのアプローチで、かなり楽しんで読んでいます。



＜カクヨム＞から
種付けおじさんin戦国（作者：星野林）


種付けおじさんっていうチートを望んだ主人公の又兵衛が戦国時代で種付けおじさんみたいに行動するみたいです。

どう成り上がっていくんでしょう？
いやー、これはズルいわ、面白いわ。
種付けおじさんというと、エロゲとかエロ漫画に出てくるアレなおじさんなわけですけれど、だいたい精力だけ凄くて女の人を落として行く事に終始するキャラじゃないですか。
本作の種付けおじさんたる又兵衛くんは、おじさんってスキルなんだけど若いときはちゃんと若いし小僧なんですよ？！　そして、単に精力旺盛というだけじゃなく、お前それは拡大解釈すぎない！？というようなスキルの応用で、肉体強化から農産物の増産、土地の肥沃化、畜産増大とセックス関係ない方向にまでガンガン能力を発揮してしまうのである。
そういう能力的な事だけじゃなくて、人間的にも種付けおじさんとは思えないほど善良で紳士的で義理堅く社交的で、一部には嫌われているものの上層部から下々にまで好かれ慕われている好漢なのである。それはそれとして、もう最新話あたりで子どもが４０人くらいいるんだけれど、これもうどうするんだろう。そりゃ生産力爆上げしていかないと自分の家だけでも食えなくなるわ。十分食えるくらい生産してるんですが。まあハチャメチャっぷりが痛快で、本人も気持ちの良い人物なので楽しいです。


＜ハーメルン＞から二次創作小説
シン・南斗の拳　俺達の戦いはこれからだ！（作者：マジカル☆さくやちゃんスター）

１９９Ｘ年、世界は核の炎に包まれた！
海は枯れ、地は裂け、全ての生物が死滅したかのように見えた。
だが、人類は死滅していなかった！

――という出だしから始まる、開始した時点で既に詰んでいる世界に転生してしまった一人の男。
見ている分には面白いが実際に自分が関わりたくないイカれた世界へようこそ！
そんな世界によりにもよってケンシロウの強敵（とも）、ユリアへの横恋慕、悪の組織のボス、殉星の死亡フラグ四重苦の男シンとして転生してしまった主人公。
彼は果たして最後まで生き延びる事が出来るのか。

というかそもそも、世界レベルで詰んでいるこの世紀末にゴールなどあるのか……？
生き延びても「俺達の戦いはこれからだ！」エンドしか見えない北斗ワールドの明日はどっちだ……？
以前、ドラゴンボールやGANTZのSSを書いていた作者さんの久々の新シリーズ。北斗の拳ですよ、北斗の拳。随分昔の作品、なんですけれど長寿作品だけあってドラゴンボール並とは言わずとも、様々なスピンオフや派生作品がある名作なんですが、この作者さんてそういう派生作品までしっかりと読み込んだ上で、設定を練り込んでいるのでキャラクターについても、このキャラ誰！？という人までしっかり描かれているものだから、これがまた面白い。
とはいえ、北斗の拳ってかなり世界観設定ふわふわしているのか、シリーズによって頻繁に矛盾が生じているらしく、作品の知識をもっている主人公のシンも、これはどの作品世界線の設定なんだ！？と手探りで調べたり試したりしていかないといけないし、彼自身の行動の影響からなんか全然知らん展開になってたりして、結構苦心してるんですよね。
決して善人ではなく、この世紀末世界でKINGとして栄華を極めるために悪となりながら、しかし結果として善行を成し、人々が平和に衣食住を享受できる国を作っていく、というくだりは……いや、ラオウやサウザーがまともな国造りしてないのがどうかしてるんだけどね、という観点も含めて面白いです。
この作者さん、大作を書いてもしっかり完結させてくれるから安心感もありますわー。


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