
【弱小国の王女に転生してしまいましたわ~!? 1】 まさきたま /和狸ナオ SQEXノベル
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龍殺し 発明家 軍師チートな部下を集めて、弱小国から成り上がる!『TS衛生兵さんの戦場日記』(KADOKAWA)の著者新シリーズ!
無駄に良い顔面と、弱小国の王女という権力を持っているだけの凡人に異世界転生してしまった。こうなれば仕方ない。代わりにチートキャラ集めて、無双してもらうか。愛嬌たっぷりの必殺技・王女スマイル(プリンセスマイル)で、チートな部下をどんどん獲得!天下無双の龍殺し、世界を変える発明家、稀代の戦術家たちをお供に、最強国家を育成しちゃいますわ~!え、隣の大国が攻めてくる? 龍神への生贄が必要? な、なんとかなれですわ~!
あふれ出るカリスマとチートキャラな仲間の力で弱小国から成り上がる痛快戦記コメディ!
お前みたいな凡人がいるかーー!シリーズですね。でも、本作の主人公のリシャリ姫の場合、凡人の皮を被った天才とか、ただ周りに評価されていないだけの超有能とかとはちょっと様相が違うわけです。
これ、本作の作者さんである「まさきたま」さんって、あの【TS衛生兵さんの戦場日記】を書いた人なんですよ。
この世の地獄を煮詰めて濃縮させたような、読んだら悪夢にうなされそうなあの極悪な戦争小説を書いている人とは思えないくらい、ポップでライトなスチャラカコメディ戦記で、実際ポケポケっとしたリシャリ姫が色々とすっとぼけた調子で人を集めて、なんだかんだと故国の弱小国がぶっ飛んで滅びそうな案件を偶然混じりに乗り越えていく痛快作品なんですけれど……。
要所要所に、ドシリアスで外道の極み、下衆めいた現実をぐいぐい突き刺してくるような要素がしれっと混ざっているの、やっぱり【TS衛生兵さんの戦場日記】の作者さんだと思っちゃいますねー。
リシャリ姫の故国であるサリパ王国って、なんちゃってじゃないガチの弱小国で内憂外患を抱えていて、さらに侵略国家である帝国にへーこら頭さげて庇護されている属国であり、隣国のわりと大きめの敵国にいつも脅かされてるような、かなりきつい環境の小さな国なわけです。
これでも、父である現国王の奮闘のもとにだいぶマシになった、というのだから現実は厳しい。
ってかね、父王も小さい国を周りからの圧力を躱しながら切り盛りして生き延びさせながらちょっとずつでも成長させている有能な王様ですし、他に三人いる兄王子二人と姉姫さま、天才秀才揃った本物の綺羅星なんですよね。リシャリ姫が、自分は凡庸で政略結婚の駒くらいにしかならないねー、と思っちゃうのも仕方ないくらいには、本物の天才たちなんですよ。人格的にも善良であり同時に王族としての自覚と責任を持つ立派な人達ですし。
王族にそれだけの逸材が揃っているにも関わらず、列強相手に平身低頭して何とか生き延びているあたりが、ガチの弱小国だというのがわかるんじゃないでしょうか。
まあ頭が優秀でも、手足となる貴族たちが使い物にならない、国家に害をなすばかりの害虫ばっかり、だったというのが厳しい所なんでしょうけれど。それでも父王の奮闘によってそれらも徐々に排除されて、確かに国の趣は上昇カーブを描きつつあったわけだ。
とはいえ、そんなの列強の思惑次第では吹けば消し飛ぶような弱々しい上昇カーブだったわけですけれど、それにとてつもない補強をしてしまったのが、どこからともなくリシャリが引っ掛けてきたチート級人材たちだったわけですね。
まあ、地元に埋没してそのまま鬱屈を抱えたまま消えてしまっていただろう彼らを、発掘してその力を活かせる環境を提供、身内を説得してその有益さを理解させて、場を用意したというだけでも、まあ優秀という他ないのですが。
リシャリ姫の非凡庸さって、少なくとも能力値的なものではないんですよ。ステータス的に言えば、まあ普通。どの角度から見ても、悪くはないけれど普通。身体能力に関しては生来の病弱さもあってか、人並みに運動すると喀血してぶっ倒れるレベル。虚弱じゃん。
頭、知能も決して良くはない。悪くはないけれど、一を聞いて1.5を知る、というくらいのちょっといいくらいの普通さ。姉のルウルウ姫の天才っぷり、1を聞いて100を知るくらいの理解力や頭の回転を見ると、同じ人物を推薦するにしても、ふわっとこの人すごい人ですわよー、とふんわりとしたプレゼンしか出来ないリシャリ姫と比べても、ルウルウ姫は理路整然として説得力と熱量があって、プレゼン能力も段違いなんですよねえ。
このあたり、二人の兄王子たちも癖はあるけれど、ほんとに優秀なんですよ。
だから、リシャリ姫の特異性というのは一点、ただただ人誑しの能力にあるのでしょう。この人の場合、在野の人材を惹きよせていつの間にか心を射止めている、というふうな魅力ももちろんあって、そうやって不遇をかこっていた竜殺しの末裔や、天才発明家から、この人のためならばと忠誠を誓われるのですけれど、この子の真価はむしろ好感度とかゼロどころかマイナスの敵中に放り込まれてからが発揮されるんじゃないでしょうか。
その一端が垣間見えるのが、終盤ひょいひょいと拉致され誘拐されてしまってからの、リシャリ姫の人心掌握っぷりなんですよね。
あとでわかるんですが、身内からどんな敵対勢力だろうと放り込んだら味方にして戻ってきてしまう「外交爆弾」扱いされていて、実際に幼少時からちょっとわけのわからない実証例が幾つもあったみたいなんですよ。
誘拐犯たちにもそれは速攻で発揮されてしまっていて、これ軍師ベルカが全力で警戒してリシャリの魔性というべきか魅了というべきか、この人誑しの能力が一切発揮できないよう口を塞いで喋れないようにして身動きもとれないようガチガチに固めてしまわなければ、あっさりと速攻で他の誘拐犯たちの心を掴んでしまっていたでしょうね。そのあたり、リシャリ姫結構自覚的というか意識して人の懐に入ることやってるみたいで、やばいんですよ。敵対してようが憎まれていようが、どれだけ負の感情がマックスでも、するっとぬるっと人の心の内側に入ることを自分でも当たり前に出来る、と思ってるあたり。それを普通のことと思っているあたり、かなりヤバい子ですよ、この姫様。
いっそ、悪魔的ですらある。天然の詐欺師のようですらある。まあこの詐欺師は、騙したり不利益を押し付けたりせず、覚悟ガンギマリで誠実で嘘をつかないというたちの悪さなんですが。
こういう子なので、ゆっくりと国力を上げるためにチートな人材を集めていく展開よりも、より壮絶で土壇場瀬戸際待ったなしの崖っぷち展開で追い詰めていけばいくほど、よりそのヤバさが際立っていく子なんですよね。
同時に、この子愛嬌たっぷりで明るくチャランポランとした振る舞いの子だけれど私心というものが殆どなく、王族としての公共心や責任感の塊みたいな、一種の公の化身みたいな所があるんですよね。
だから、魅了的に人心を集めて、竜殺しの末裔の男の子たちなど彼女に全身全霊を賭した忠誠を誓っている人は少なくないのですけれど、意外とそれが恋愛には発展していかないのが、この場合なんでか面白味でもあるのが不思議。竜殺しのタケルくんなんて、リシャリ姫に夢中なのに一方でなんでか同僚のツンデレ女騎士とイチャコラしていて、本人の自覚のないまま凄くいい雰囲気になってってるし。それを生暖かくニヨニヨと見守るリシャリ姫、というこれ絶対にリシャリ姫ルートなさそうだな、というこの展開よw
ここからWeb版では、サリパ王国は弱小国の悲哀、というだけでは言い表せない悲惨極まる地獄のような状況に追い詰められていき、それに比例するようにヤバい人たちがその本性というか、そのヤバい本質をぶちまけていくことになるので、めちゃくちゃ面白さが加速していくので、書籍版続くならこれ本当に楽しみなんですよねえ。
カタルシス半端ないですし、読みたいのう読みたいのう。



































































































































































































































































































































































































































































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八岐
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