【黄金の経験値 ４ 特定災害生物「魔王」配下融合アルケミー】 原純／fixro2n カドカワBOOKS
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眷属同士の合体で配下に双頭竜が誕生! これで世界掌握がはかどるね!
ダンジョンの魔改造を終えたレアは、眷属同士を融合させる錬金システムに着目!
巨大モンスターを次々作り、ついには新たな災害生物――神殿巨人(アダマンタロス)まで生み出してしまう。
そんな折、旧ヒルス領の街がエルフの王国に滅ぼされたという報せが舞い込む。しかも六大災厄の一角、大天使の襲来イベントも発生し……よし、売られた喧嘩は買うしかないね。
次なる蹂躙の標的はエルフと天使! 巨大眷属も続々実戦に投入し、ノリノリな魔王ロールプレイがさらに加速する!
眷属を融合合体させちゃうとか、眷属の意識とかどうなるんだろう。そういうの一切考慮せず、好奇心のまま融合合体させちゃうあたり、実にゲーム脳！ まさに魔王！ と思ったんだけれど、さすがに人型の喋れる身内は悪魔合体させなかったかｗ
機会があればやりたそうにしてるけれど。それに、実際融合させても元のモンスターの意識はそのまま残っている場合が多いみたいで、特に人格消失みたいなひどいありさまにはならなかったので一安心。
本作、そういう残酷非道な描写はあんまりやるつもりないみたいなんですよねえ。
まあ、国の首都ごと大虐殺、みたいなことはさらっとやらかしてたりするんですけれど、その場のノリみたいな勢いでやらかしているわりに、やられた方のエルフの国の非道っぷりが明らかにされてるので、嫌な感じは全然しないの結構絶妙なバランスだと思うんですよねえ。
他のプレイヤーたちも、魔王の所業に対して憤慨している様子は一切なく、自業自得でご愁傷さまくらいの冷めたニュアンスで、これほとんどのプレイヤーがこれを完全にゲームとして認識してるんじゃないだろうか。
レアたちも一切悪気みたいなの、ないですし。
一方で、ブランがお世話になっている吸血鬼伯爵に対しては、ちゃんとうちの仲間がお世話になってます、と挨拶にいって礼儀正しく接しているあたり、本来の現実世界での彼女らがかなりちゃんと礼儀作法を叩き込まれているの、なんとなくわかるんですよねえ。
ブランちゃんは、現実でも自由に放置されてるのかもしれないですけれど。でも、あの人好きしてなんだかんだとみんなが面倒見てしまう性格は、けっこう周りからも愛されているのかもしれない。
本作、ほとんど現実世界での様子は描かれないのですよね。かろうじて、レアとライラの姉妹の家庭環境なんかが描かれたくらいで。
ともあれ、三人とも心から魔物ロールを楽しんでいるご様子で。やりたい放題ではあるんだけれど、別に無法に無茶苦茶やっているわけじゃなくて、魔物として魔王として遊べることを遊び尽くしている、という感じで見ていても楽しそうだなあ、やり込みに夢中になっていていいゲームの堪能の仕方をしてるなあ、という風に見てとれるのが、読んでてほんのりと楽しい気持ちにさせてくれるんですよねえ。
これだけ一切善いことせず、悪者ロールプレイに徹しているにも関わらず、嫌な感じとか不快感感じさせずに、ただただ楽しそう、とか思わせてくれる作品、意外と今まで読んだことなかったんですよねえ。このバランス、やっぱり結構難しいと思うんだけれど、別に意識してバランス取ってるわけじゃないんだろうなあ。また、ライラやブランたちと同じ立場、同じ魔物ロールの仲間同士、身内でわいわいやってる感じがいいんでしょうねえ。レアが一人でソロプレイしてた頃の独りよがりっぷりと比べると、レアとブラン、目的が競合してぶつかってもすぐにアクセスして揉めもせず役割分担したあたりなんぞも、仲良いなあ、ゲームで遊んでるもの同士っぽいなあ、と感じさせてくれましたし。
しかし、ライラも邪王なんかになっちゃって、人の王として暗躍していくのかと思ったら、彼女もわりとノリと勢いだよなあｗ
Ａｍａｚｏｎ
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