
【大草原の小さな領主 1 〜元廃ゲーマーな転生幼女の楽しいハードモード辺境開拓記〜】 赤村 咲/ハナモト オーバーラップノベルス
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困難なほどやる気↑↑な転生王女が、貧しい辺境村を大改革!
廃ゲーマーだった前世を持つセントルム王国末っ子王女アレクシス。
異母兄姉に疎まれた彼女は、魔物が蔓延り、村人は貴族という存在に不信感を持つ崩壊寸前の開拓村の領主になることに!
この厳しい状況に幼い王女は絶望――しない!
なぜなら前世で散々この手のゲームを攻略して、どんな村も国も救ってきたから!
(やりごたえあって最高! 逆境こそゲーマーの腕の見せ所よね!!)
周囲から孤立し食料も資源も無い鬼難易度の開拓。
攻略に向けてアレクシスが目を付けたのは、村に不干渉な先住民と、男手不足の村人たち、ズタボロの村という逆に開拓を不可能に思わせる存在で?
「資源(リソース)がない? あるじゃない、ここに沢山!」
アレクシスの掟破りな発想によって、満足のいく食事ができるようになり、資源も増えていき――
滅びかけた村は希望を取り戻していく!
前世ゲーマーの転生王女が挑む、ハードモード異世界開拓ファンタジー、開幕!
正しくゲーム感覚で生きておられる、王女様。
いや、それにしてもこれハードモードどころじゃないですよ。これまで色んな内政モノ、僻地に派遣されて開発していく内政ものは見てきましたけれど、開拓地に赴任したスタート地点で、ここまでえげつない事になってる状況のお話はなかなか見たことありません。
これならまだ荒野で領民ゼロからスタートの方がよっぽどマシなんじゃないだろうか。
前領主のやらかしで、もはや滅びる寸前の開拓村。恐るべきは、前領主の失政が中央に伝わって王女さまが派遣されてきたわけじゃなくて、前領主の嘘八百の報告書を信じて長年人の手が入れられなかった土地の開拓が順調に成功していると伝わっていたからこそ、王女がお飾りの領主として派遣されてきたので、立て直しの準備もなにもしていなかったわけですね。
たどり着いてみれば、村は領民が半数以下、もっとか、ほぼ壊滅状態になるほど飢えと寒さと病気で死んでしまっていて、領主は王女たちが到着する寸前に自然発生的に起こった一揆によって追い出され、とんずら。
ただ逃げたならまだしも、少ない備蓄食料は全部焼き払い、追っ手から逃れるために中央との唯一の通行路だった橋を王女たちと入れ違いに落として逃げる、ということまでしちゃってたわけだ。
もはや、中央に戻ることも出来ず、支援を求めることすら出来ない。村は、来年の種籾種芋にまで手を出さないとこの冬を乗り越えられない、というありさま。
特に領民たちが完全に荒んでしまっている。ほとんどの村人たちが家族を失ってるんですよね。特に、子供が数人残してほぼ全滅しているので、大人たちの精神の荒廃が凄まじいことになっていて、いきなりポッと出で現れた王族の幼女なんて、少ない食料を食いつぶすだけの害悪でしかなく、自分の子供たちが飢えや寒さで死んでいくのを目の当たりにしている村人たちにとって、何の苦労もなくふくふくと健康そうな子供というのは、見ているだけで精神をささくれさせる存在だったのだろう。
ちょっと尋常じゃないくらいの反発、ヘイトが王女に向けられる。
まあ王女アレクシスも、王都ではまともに扱われずに苦労してきた子なんですけどね。子供らしく生きる事も出来ず、こんな僻地にわずか数人のお供だけで飛ばされてきた、というだけでまともな扱いをされてこなかった、というのもわかろうかというところなんだけれど、衣食住に困ったことがないというのは確かなので、まあ村人たちに苦労、絶望、悲しみを理解はできんよなあ。
いずれにしても、ここまで領民から敵意を向けられながらはじまる領主生活というのも、なかなかに珍しいのだけど、それだけじゃなく、生活基盤が完全に崩壊しちゃっているのでもう滅亡待ったなしなのである。
生産力もなく、人口も限界集落まっしぐら、備蓄もまともになく、周囲は魔物だらけで狩りすら出来ない。王女が赴任の際に物資を持ってきていればよかったのだけれど、開拓村がもう滅びかかってるなんて知らないものだから、嘘八百の報告書や歓迎の頼りを信じてほぼ何も持たずに赴いてるんですよね。
季節はもうすぐ冬に差し掛かろうというところで、周辺に採って食えるものもなく……これが開拓開発ゲームだとしたら、資源ゼロ、生産力ゼロ、収入ゼロ、公益ゼロ、住人の信頼度ゼロ、というオールゼロのマイナススタートなわけである。
そして、こっから立て直せるだけの余裕も余力も何にもない。
ちなみに、王女がなんかチートな魔法スキルを有していて、無から何かを生み出せる、とかいうのもない。
採取も狩猟もやる余地がない、というのは絶望ですよね。村の農地はもう機能していないし。中央との道も断たれてしまっているので、よそから持ってくることもできない。
どう考えても詰みである。いくら廃ゲーマーだって、本当に何も出来ない、何も手に入れられない、刻々とあらゆる数値が減少に向かい、もうすぐ来るだろう冬がタイムリミット、と時間もない。とどめに、魔物がひっきりなしに襲ってくるという状況。
ここまで無い無いづくしの状況は早々ないですよ。
実際、廃ゲーマーとしてこの難易度ルナティックな開拓村の状況に、むしろウハウハ悦に入っていた主人公の王女も、あまりのやりようの無さに頭抱えてましたからね。
これ、この不毛の地で実際に暮らしてきた先住民の集団が近くにいなかったら、いかな廃ゲーマーの主人公でもさすがにゲームオーバーだったんじゃないだろうか。
知識チートとか、ゲーム知識の応用みたいなのも出来る余地、余力が一切なかったもんなあ。
なので、王女のやったことと言えば、とにかくもう捨て鉢になって言うことを聞かない住民たちの説得説得、ネゴシエーションである。
そして、資源と知恵を持つ先住民との交渉、交渉、とにかく交渉。
アレクシスが廃ゲーマとしての経験を活かしたのって、いわゆるスケジュール管理、タスク管理だったんじゃないだろうか。
本当にギリギリまで限られていて、有限で、あっという間に減少していく僅かな資源、人員をどう動かすことで、先へ先へと繋いでいくか。
戦略ゲーム、開拓ゲームの特に難易度が高いバージョンって、序盤は本当にやることがないんですよ。ないというか、出来ない。出来ない中で最善手を的確に打っていかないと容易に行き詰まって、詰んでしまう。いきあたりばったりでは絶対にだめ。行程を緻密に管理して、順番に将来への展望を見据えつつ、そこにいたるルートを開拓していかなくてはならない。
この感覚こそ、彼女のゲーマーとしての辣腕の振るいどころだったんじゃないですかね。
まあ持ち手が本当にゼロに近かったので、それを維持構築入手するために、ひたすら交渉交渉、また交渉だったわけですけれど。
普通なら、蛮族なんて適当に襲ってきて略奪していくのが当たり前のユニットなんですよね。それが、交渉に応じてくれる、というだけで有り難い以外のなにものでもないのですけれど。前領主が先住民たち相手ともやらかしていて、向こうのヘイトだいぶ溜まっていたのに、ほんとよく話聞いてくれたよなあ。
彼らも、正常な集団ではなく、そのままだと先細りしていくばかりだった集団だった、というのもわずかばかりの運の良さ、だったのでしょうけれど。
もはや、個々の家族という単位を維持できるリソースすらなくなり、生き残りの人間たちが固まり、すべてを共有していかないといけない、原始共産主義みたいな状態にまで落ち込んだ村を、果たしてここから立て直していけるのか。
絶望しかなかったこの村に、僅かながらも「希望」を示してみせた王女の奮闘は、まだはじまったばかり。
ってか、まだ肝心の「冬」がまだ来てないんですよね。ってか、ここからまさに冬に差し掛かろうというところで、これ何とか出来るんだろうか。今の段階でもかなり先住民たちに頼ってしまっているようにも見えるけれど。王女も、決してそれを良しとしてるわけじゃなく、むしろ借りを作るまい作るまいとして対等な交渉を心がけているけれど、今の段階だとほぼムリだよなあ。
魔物を自分たちで何とか狩れるようになり、それを食べれるように処理できただけでも、大きな一歩ではあるけれど、ここから先住民たちに逆に何かを返せるようになるのか。まだまだルナティックな状況は続くのは面白そうです。










































































































































































































































































































































































































































































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