年末まで定期的に書いていく予定だった記事だけれど、案の定力尽きて前回からまる一ヶ月が過ぎて、年末になってしまいました。
大丈夫、年明けにはならなかった!
もう一記事、ちょっと趣向変えたネット小説の紹介記事書きたいけど、いけるかな?


逆行したヒカルと佐為が藤崎あかりを魔改造するお話(作者:そとみち/原作:ヒカルの碁)

二十一歳の若さで本因坊タイトルを獲得した進藤ヒカルが小学二年生のころに逆行。
再び佐為と出会い、神の一手を共に探しに行きます。

なお藤崎あかりが二人の再会に居合わせたことでクッソ脳を焼かれて囲碁にドハマりしてアヘ顔W本因坊指導碁を受けて魔改造されてヒカルと一緒にプロを目指します。
しばらくしたら筒井先輩も脳が焼かれます。
塔矢アキラも脳が焼かれます。
院生メンバーも脳が焼かれます。
だいたい出てくる人みんな最終的に脳が焼かれます。

そんなヒカあかメインの自給自足のお話。
時々他キャラも活躍します。



※筆者の囲碁知識はほぼ素人です。対局シーンなどはパッションと勢いで書き抜けておりますのでお手柔らかにお願いします。
ヒカルの碁を連載していた頃、雑誌のジャンプは読んでたかなあ。読んでたような気もするし、もう読んでなかったような気もするし。ただヒカルの碁に関しては雑誌読んでたとしてもちゃんと読んでたわけじゃなくて、だいぶ流し見してたと思うんですよね。
内容、ほとんど覚えてないし。
ただ本因坊のタイトルを奪取したほどの頂点捕食者が小学校に逆行って、そりゃ強いです。面白いのは過去に戻ったヒカルがただその強さを振り回して無双するのではなく、同世代全体の棋力を高めて切磋琢磨しあい神の一手に近づける環境を作りたいというスタイルなんですよね。ある意味これ佐為と同じような立場になってるとも言える。
その最初にして最大の改変が、偶然にしても幼馴染のあかりの脳を焼いて、彼女を自分たちと同じレベルの囲碁星人にしてしまった所にあるのでしょう。そして彼女の指し手としてのスタイルが、また佐為やヒカルと全く違う、そしてヒカルたちの目的に最も沿うものであったというのが非常に面白い。直接ヒカリとあかりによって影響されるだけじゃない、バタフライエフェクトによる人間関係の怒涛の変化がまたいいんですよね。
なにより、ヒカルとあかりが小さい頃からイチャイチャしてるぅw



悪役令嬢と石田三成 (作者:孔明)

新作の乙女ゲームを購入した帰り、交通事故でこの世を去った現代JK。だが次に目を覚ますと購入したばかりの乙女ゲーム「ホロスコープ・クロニクル」の世界に転生してしまった。しかも転生先はあらゆるルートで絶対に死亡する悪役令嬢のアナリーゼ・アガレス。ゲームプレイ前だったため原作知識はゼロで、頼りになるのはネタバレ糞レビューアーのレビューのみ。そこで死亡フラグを回避するため、アナリーゼは石田三成を召喚するのだった。
元はやる夫スレあんこスレにおける名作にして傑作。それを作者本人が小説に仕立てなおして連載している作品ですね。
作者の孔明さんの作品は、ダイスが跳ねまくってとんでもない展開になるのを見事にダイナミックなストーリーに仕上げていってくれるので、毎度そのドライブ感に目を回しながら読んでいるのですけれど、この悪役令嬢と石田三成は学園ものから大陸の覇権をかけた戦記物へと発展していって、作者の作品の中でも特に傑作として知られています。あのライブ感は楽しかった。




一般男性、TS令嬢転生(嫌々)からのしたくもない異世界統治 (作者:柴野沙希)

現代日本で日の目を見ること無く、うだつの上がらない人生を過ごしていた一般男性。
彼は自殺しようとした見知らぬ誰かを助けようとして死ぬ。
神と問答する中で、気がつけば異世界転生が確定してしまい、あれよあれよと送られてしまう。
次に目覚めた時には、TS、しかもロンディルト王国の公爵家令嬢に転生してしまったのだ!
なんてことだ!もう(責任から)逃げられないゾ♡
これは、ぐうたらしたい公爵家令嬢が実権を握らされる物語。

​───なんでぇ???
よくある転生してからの内政系にあたるわけですが、けっこう淡々としているというか、お嬢様がタイトルにもある通りやりたくないけど責任を果たさないといけないから、とローテンションで、しかし着々と与えられた実権を行使していく様子がなかなかに好みで。
こういう責任を投げ出さずに悩みながらもやり遂げていく主人公って好きなんですよね。ローテンションなのが、どうにもクールで冷徹と思われつつ、妙に親しみを感じさせる距離感の近さもあり、なんとも表現しがたいカリスマを醸し出しているあたりも、大変好き。



おつかれ勇者とつるぎの魔女 (作者:調味のみりん)

『伝説の調律者となり、世界の英雄と共に魔王を討て!』



——そんなキャッチコピーで人気を集めたソシャゲ『ハールドファンタジア』。

ガチャからは星6レアが排出され、プレイヤーは英雄たちと絆を結び、壮大な物語を描いていく……はずだった。

だが、星5キャラ『王国の勇者ルーク』は違った。
性能は平凡、メインストーリーにはほとんど登場せず、誰からも忘れられた存在。
そんな彼と“ひとりの小さな魔女”が出会ったとき、運命はおおきく回りだす──

ゲームの片隅で始まる、無名勇者と少女の“本当の物語”。
世界を呪い世界を憎み、禁忌に触れて存在を魔女へと変転させてしまった少女。彼女は、剣と化した自分の前に現れた勇者と契約を結ぶ。勇者に力を貸して魔王を倒す。もし魔王を倒し終えたなら、共に世界をこわすのだ、と。
ただし、この世界において魔王は唯一ならず。およそ300の魔王が居て、既に50数体は討伐されたものの、未だ200を超える魔王が顕在し、人類生存圏を着々と蝕んでいる。
まあ、ひでえ世界である。ってか、この魔王ってのがせいぜいエリアボスレベルなのかと思ったら、一体一体が尋常じゃない災害災厄、理不尽の権化で塵芥のように人が死んでいき、勇者はその魂を削られていく。勇者くん、戦い方がゴアすぎるというか覚悟ガンギマリすぎて、魔女の鍛造という能力とマッチしすぎてるんだけれど、まあ壮絶である。どの章も勇者をはじめとして登場人物の覚悟、生き様死に様がガンギマリすぎて、そうでもしないと人類すぐに絶滅するよね、という瀬戸際感がまた凄まじく、なかなか読むのしんどいんだけれど、それだけ読み応えのあるファンタジー巨編であります。



転生魔法貴族の次男坊は無責任に生きるよ(作者:星野純三)

長男として家業の会社を継いだものの、その会社は倒産。
無念の中で死んだ男は、異世界で魔法貴族の次男坊に生まれ変わった。

男は誓う。
今世では家業の重荷を背負うことなく、無責任に生きてみせよう。
好きに生きる、と好き勝手に生きるはまた違うんですよね。まあ次男という事もあり、家長としての責任は全部兄上が引き受けてくれたので、家業である機工人形の研究に全力没頭できるようになった主人公が、経営だの統治だのに余計なリソースを費やすことなく、その有り余る才能を全部好きな家業の研究に投入した挙げ句に、国家規模のやべえ研究者になってしまうというお話。
これが主人公一人だと、マッドサイエンティストの暴走話になってしまいそうなんだけれど、同世代の幼い天才幼女が居たことで、この二人が学園でセットになって……二乗やばいことになってんなw
でも、お互いに国家の機密技術を扱う家の人間同士なので、一緒に研究できるのは学園の中だけ、というのを弁えているので、それが逆に二人の幼子が刹那の逢瀬を大切に、仲睦まじく寄り添っているようで、めちゃくちゃ尊いように見えるんですよねえ。実態は、国の人たちが頭抱えてこれどうすんの?という成果をじゃがぽこ生み出すやべえ生産コンビになってしまってるんですが。
でも、小さな男の子と女の子が眼をキラキラさせながら、一緒に夢中になってモノ作りに取り組み、手を繋いで駆け回り、疲れ果ててお互い寄り添い合って眠りこける様子とか、ほんと尊い、尊い。
これが将来、国の都合によって引き裂かれる事が確定しているからこそ、それを当人たちが誰よりも弁えて受け入れているから、余計に哀切に目を細めてしまう。良き。