
【魔術オタクの魔法革命 1】 カタリ/かれい ブレイブ文庫
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不慮の事故に巻き込まれ、命を落とした青年は、死後の世界で出会った不思議な存在から転生先の世界についてある程度選ぶことができると告げられた。オカルトマニアにして魔術オタクであった彼は「魔術が実際に使える世界」を希望することに――。異世界に転生し、目指すは大魔術師!……え、魔法? 魔術じゃなくて……? 前世の魔術知識を駆使して魔法世界の変革に挑む、異世界オカルティック・ファンタジー!!
これは面白かったなー。
主人公の魔術オタクというのがなかなかの肝で。この主人公のサキくん、前世ではかなりの魔術オタク、魔術マニア? であったそうです。
この魔術というのはゲームなんかでアレンジされたものではなく、伝統的歴史的な経緯をもって古くからオカルトの根幹を担っていた西洋魔術の類いに特に傾倒していたようである。
あとあと、彼が使っている魔術の単語を見ていると、近現代の魔術結社、黄金の夜明け団とか銀の星などで使う名称や、基礎魔術の学習法なんかを多用しているので、それらが専門なのでしょう。
一方で、これは当初サキくんも知らなかったことなのだけれど、彼が転生した世界では「魔法」が一般的に広まっていて、「魔術」に関しては魔法と混同されているか、古の昔に存在し途絶したもの、として捉えられていて、この魔法というのはいわゆるPRGなどで呪文と共に発動するゲームみたいな魔法なんですね。
別名でスペルキャスター、呪文を投射する者、という風にも呼ばれることがあるみたいで、この世界での魔法使いという存在に対する認識がわかろうというものである。
魔法のそれは便利ではあるんだけれど、武器であり技術であってそれ自体に学術的探究的な意味は存在しない。いや、どんな分野でも研究や探求は行われているものなので、存在しないというのは語弊があるかもしれないけれど、少なくとも学問や知識を深めるための手段としての魔術とは別物ではあるんでしょうね。
サキくんは特に儀式魔術に傾倒していたらしく、彼の転生後の目的は実際に魔術を使うことではあったんだけれど、それ以上に実在する魔術の深奥を研究し探求していく事だったわけですから、この世界では「魔術」に相当するものは途絶え、魔法しか現存していないという事実を知ったときには相当のショックを受けることになります。
このサキくんの良い所は、こういう壁にぶち当たっても、大きな挫折を味わっても、もちろん当たり前ですが凹んだり落ち込んだりがっかりはするものの、そこでへこたれず膝を折ったままで居ないというところなんでしょうね。
非常に前向きで、自分に活を入れることの出来るタイプなのだ。
ダメージがないわけじゃないんですよ。堪えていないわけがない。これ以降も、彼には簡単な魔法を使うだけの魔力もなかったり、などと彼が普通の魔法使いになることすら難しい大きな壁が立ちふさがって、お前には無理だ、と突きつけてくるのですけれど。
その度にへこんで、落ち込んで、でも自分でフンフンッと気合い入れて、考え方や発想を変えて落ち込んでる場合じゃないぞー、と自分に奮起させて立ち上がる姿は、素直に素敵だなあ、と思えたんですよね。
必死に歯を食いしばって立ち上がるのとは違って、自分のなかのワクワク感を、周りの人達が思わず微笑んでしまうような楽しげで好奇心いっぱいな様子を取り戻して、幼馴染にルリアを伴って何度でもパーーッと走り出す、そういう彼の姿を追っているのが読んでいるこっちまで楽しくなってくる要因なんでしょうなあ。
幼い頃から、スキルを積み重ねていったり新たな技術体系を構築していったり、と世界の在り方考え方価値観から変えていってしまうような作品って多々あると思うんですけれど、その少なくない数の作品がなんか作業的に物事が進んでいってしまう、ゲームの単純なレベル上げみたいに淡々と物事が続いていく、みたいな描写になってる場合があるんですよね。
それはそれで、そういう作品特有の面白さや楽しみ方、というのがあるわけですし、実のところ私もそういうタイプの作品、嫌いではないのですけれど。
でも、それとはまた全然違う、子どもたちがあれこれと誰も見たことのない、或いはもう古き時代に忘れ去られてしまったものを、再びこの世界に描いていく、とても楽しそうに創造していく様子を見るこのワクワク感、楽しさがこっちまで感染ってしまうような描き方の作品は、また味わいが違うものがありますなあ。
大人達が、そんな子どもたちの様子を温かく見守って、そっと手を差し伸べ、或いは知らないうちに護り、道標を立ててくれている、という周囲の様子も拍車をかけるんですよね。
酷い仕打ちを受けて、その逆境に反発し、復讐し、ざまあを食らわせる展開もまた痛快ですけれど、身内にとても深く理解してもらっている、という安心感は、主人公達がどれほど前世で年齢重ねていようとこの世界ではちゃんと子供やってるんだなあ、というのが伝わってきて、いいんですよねえ。
また、サキくんは幼馴染のルリアの育成も手掛けていて、生まれた時から自分といっしょに育ったこの幼馴染、本物の天才、サキの持たない才能も溢れんばかりに持っている稀有な逸材である彼女を、その魔術の知識を以てさらに魔改造していってしまうのである。
このルリアちゃんが、人見知りでサキくん相手にも殆ど言葉を発さず、でも酷く懐いていて小さな表情の変化や言葉はないけど雄弁な自己主張とか、ほんと可愛らしいんですよ。個性的なヒロインで、サキくんとはもう幼い頃から比翼なのがまたほんと、良き、良きですよ。
まだサキにとっての、この世界で失われたはずの魔術の探求ははじまったばかり。それでもこれだけ面白いのだから、これから社会に打ってでてそのアグレッシブさが止めどなくなってきたら、どれだけ楽しさが加速していくか、今からワクワクしてきます。
跳ねるようなスタートを切った新シリーズだと思います。続き楽しみ♪
主人公の魔術オタクというのがなかなかの肝で。この主人公のサキくん、前世ではかなりの魔術オタク、魔術マニア? であったそうです。
この魔術というのはゲームなんかでアレンジされたものではなく、伝統的歴史的な経緯をもって古くからオカルトの根幹を担っていた西洋魔術の類いに特に傾倒していたようである。
あとあと、彼が使っている魔術の単語を見ていると、近現代の魔術結社、黄金の夜明け団とか銀の星などで使う名称や、基礎魔術の学習法なんかを多用しているので、それらが専門なのでしょう。
一方で、これは当初サキくんも知らなかったことなのだけれど、彼が転生した世界では「魔法」が一般的に広まっていて、「魔術」に関しては魔法と混同されているか、古の昔に存在し途絶したもの、として捉えられていて、この魔法というのはいわゆるPRGなどで呪文と共に発動するゲームみたいな魔法なんですね。
別名でスペルキャスター、呪文を投射する者、という風にも呼ばれることがあるみたいで、この世界での魔法使いという存在に対する認識がわかろうというものである。
魔法のそれは便利ではあるんだけれど、武器であり技術であってそれ自体に学術的探究的な意味は存在しない。いや、どんな分野でも研究や探求は行われているものなので、存在しないというのは語弊があるかもしれないけれど、少なくとも学問や知識を深めるための手段としての魔術とは別物ではあるんでしょうね。
サキくんは特に儀式魔術に傾倒していたらしく、彼の転生後の目的は実際に魔術を使うことではあったんだけれど、それ以上に実在する魔術の深奥を研究し探求していく事だったわけですから、この世界では「魔術」に相当するものは途絶え、魔法しか現存していないという事実を知ったときには相当のショックを受けることになります。
このサキくんの良い所は、こういう壁にぶち当たっても、大きな挫折を味わっても、もちろん当たり前ですが凹んだり落ち込んだりがっかりはするものの、そこでへこたれず膝を折ったままで居ないというところなんでしょうね。
非常に前向きで、自分に活を入れることの出来るタイプなのだ。
ダメージがないわけじゃないんですよ。堪えていないわけがない。これ以降も、彼には簡単な魔法を使うだけの魔力もなかったり、などと彼が普通の魔法使いになることすら難しい大きな壁が立ちふさがって、お前には無理だ、と突きつけてくるのですけれど。
その度にへこんで、落ち込んで、でも自分でフンフンッと気合い入れて、考え方や発想を変えて落ち込んでる場合じゃないぞー、と自分に奮起させて立ち上がる姿は、素直に素敵だなあ、と思えたんですよね。
必死に歯を食いしばって立ち上がるのとは違って、自分のなかのワクワク感を、周りの人達が思わず微笑んでしまうような楽しげで好奇心いっぱいな様子を取り戻して、幼馴染にルリアを伴って何度でもパーーッと走り出す、そういう彼の姿を追っているのが読んでいるこっちまで楽しくなってくる要因なんでしょうなあ。
幼い頃から、スキルを積み重ねていったり新たな技術体系を構築していったり、と世界の在り方考え方価値観から変えていってしまうような作品って多々あると思うんですけれど、その少なくない数の作品がなんか作業的に物事が進んでいってしまう、ゲームの単純なレベル上げみたいに淡々と物事が続いていく、みたいな描写になってる場合があるんですよね。
それはそれで、そういう作品特有の面白さや楽しみ方、というのがあるわけですし、実のところ私もそういうタイプの作品、嫌いではないのですけれど。
でも、それとはまた全然違う、子どもたちがあれこれと誰も見たことのない、或いはもう古き時代に忘れ去られてしまったものを、再びこの世界に描いていく、とても楽しそうに創造していく様子を見るこのワクワク感、楽しさがこっちまで感染ってしまうような描き方の作品は、また味わいが違うものがありますなあ。
大人達が、そんな子どもたちの様子を温かく見守って、そっと手を差し伸べ、或いは知らないうちに護り、道標を立ててくれている、という周囲の様子も拍車をかけるんですよね。
酷い仕打ちを受けて、その逆境に反発し、復讐し、ざまあを食らわせる展開もまた痛快ですけれど、身内にとても深く理解してもらっている、という安心感は、主人公達がどれほど前世で年齢重ねていようとこの世界ではちゃんと子供やってるんだなあ、というのが伝わってきて、いいんですよねえ。
また、サキくんは幼馴染のルリアの育成も手掛けていて、生まれた時から自分といっしょに育ったこの幼馴染、本物の天才、サキの持たない才能も溢れんばかりに持っている稀有な逸材である彼女を、その魔術の知識を以てさらに魔改造していってしまうのである。
このルリアちゃんが、人見知りでサキくん相手にも殆ど言葉を発さず、でも酷く懐いていて小さな表情の変化や言葉はないけど雄弁な自己主張とか、ほんと可愛らしいんですよ。個性的なヒロインで、サキくんとはもう幼い頃から比翼なのがまたほんと、良き、良きですよ。
まだサキにとっての、この世界で失われたはずの魔術の探求ははじまったばかり。それでもこれだけ面白いのだから、これから社会に打ってでてそのアグレッシブさが止めどなくなってきたら、どれだけ楽しさが加速していくか、今からワクワクしてきます。
跳ねるようなスタートを切った新シリーズだと思います。続き楽しみ♪




























































































































































































































































































































































































































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