【フルメタル・パニック! Family 4】  賀東 招二/ 四季童子 富士見ファンタジア文庫

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迫りくる新たなAS、迎え撃つは夏美と〈アズール・レイヴン〉!!

賀東招二新作ロボットライトノベル「機動転生」も同時発売!

変わらず各地を飛び回る相良家。そこに自衛隊の依頼が舞い込み、怪我した宗介に代わり夏美が〈アズール・レイヴン〉で演習に協力!? さらに謎のASが自衛隊を襲撃し――新型ASも登場! 絶好調の『Family』第四弾!


夏美って感情が薄いというか表に出にくいタイプで、恋愛とは縁がなさそうと思ってたんだけれど……意外と惚れっぽいのか!?
前巻の大貫さんとのそれはあまりにも特殊シチュエーションすぎて、恋愛カウントに入らないと思ってはいたんだけれど、結構男の人のことを良いな、と思うこと多いのね。
幸いにして、惚れっぽいと言ってもそれでのめり込んでしまうような事もなく、意識するくらいの感覚らしいし妻子ある人に粉かけるみたな様子もないので、健全かつ普通の範疇の若者らしい情動なんだろうけど。でも、年上好きの可能性はけっこう高いなw
さて、怪我をしてしまった宗介の代わりに、自衛隊のAS部隊のアグレッサー役として訓練に参加することになった夏美。
フルメタの本編の時期、まだASという兵器が突如出現してからまだ年月がそれほど経っていなくて、各国ともその運用や編成、訓練形式が手探りの状態だった頃から、さらに20年余が過ぎたこのシリーズの現代。ASという装備品周囲のあれこれがかなり定まってきている、という話は面白かったなあ。
フルメタ本編の頃にもちらほらと登場していた自衛隊のAS乗りたちが、今や自衛隊の幹部クラスとなってASの運用の指導に回っているというのが懐かしいやら、ここでも時間の流れを実感したり。
宗介に訓練指導の話が回ってきたのも、宗介がかつて街の中で暴れた際に関わった自衛隊関係者からのオファーというのも、また縁が深いというかなんというか。

ともあれ、夏美の操縦技術はやはり図抜けたものがあるんだなあ、と。宗介たちが実戦を潜り抜けてきた経験値というものがあった事に比べると、夏美ってかなり非日常寄りの生活はしていても、ASに乗って死戦をくぐり抜けるような戦いを日々繰り返している、という意味ではないですからね。それであの腕前はやはり出色のものがある。
そんな夏美に降って湧いた実戦、そして本物の殺し合い。自衛隊の面々との訓練でも見せていたけれど、思いの外この娘って負けず嫌いなところありますよね。こういう場面でビビってイモ引かないのは大したもんですよね。

とはいえ、仮にも自衛隊の部隊と訓練しているさなかにASで襲いかかってくるとは、往時に匹敵する物騒さじゃないですか。さすがにこれは企業体が相手ではなく、合衆国の一部機関の暴走だったみたいだけれど、それだけあの国の統制が取れてないということは怖いことだぞ。
また、久々に宗介の伝説の傭兵としての凄み、凄腕を垣間見ることが出来た……というか、夏美に親父さんの凄さを実感させることが出来たのは良かった良かった、という気分である。
最近、何かと宗介の衰えみたいなのを感じさせる描写が多かったし、夏美がそれを感じて自分がもっとお父さんを守らないと、みたいな感じになりそうになっている所が見受けられただけに、あんたの父親はすごい人なんだぞ、というのはもっと見せてあげたいところである。
まだまだ老け込む歳じゃないでしょう、宗介。
襲ってきたASに乗っていたノーリアは、今後再登場、ってかレギュラー化するんだろうか。夏美に友達がいない、というのはマジで心配なところなので、そろそろ同性の同年代の友達居てもいいよねえ。
なんか、めっちゃ相性悪そうだけれど。というか、夏美のほうが気に食わなさそうだけどw


後編の方には、テッサの潜水艦の副長だった英国の潜水艦乗りマデューカスさんが登場。いい加減年齢的にも現役は引退してただろうなあ、と思いつつ近況については語られていなかったので、どうしてるのか気になっていたこの人のご様子が知れて良かった。
フルメタ本編の頃でも結構いい歳……テッサの父親に近い世代だったんでしたっけ。なんで、もう本当にいい歳になってるわけですけれど、この人はまた良い歳のとり方をしてたんだなあ、と。
別れた奥さんとよりを戻して、籍は入れてないけれど一緒に過ごしている、というのはいいなあ、と。
そんな老夫婦が懸賞で当てた日本旅行で、案内役に宗介・かなめ一家が託された、という話だったわけですけれど。
宗介、逃げまくってるじゃないかw そんな苦手だった、マデューカスさんのこと!?
むしろ、マオとかクルツみたいな面々のほうが苦手にしてそうだったように思ってたけれど。生真面目堅物の宗介は、相性悪くなかったんじゃなかったっけ。テッサにつく悪い虫として眼をつけられてたんだったっけか。

子どもたちとマデューカス夫妻との交流や、老いてなおその鋭い知性に衰えなし、の潜水艦戦でも見せたあの棋士のごとき指し手の妙をマデューカスさんが見せてくれる話も面白かったのだけれど。
なにかと理由をかこつけて時間つぶして一行と合流しようとせずにグダグダしている宗介の様子に、こいつも大人になったんだなあ、と妙な実感をえてしまいました。
若い頃の宗介なら、生真面目に任務としてマデューカスさんの案内役とかでも逃げずに、色々バタバタ混乱を巻き起こしながらも遂行しようとしたんじゃないかなあ。
それを、ズルズルと引き伸ばして、息子におしつけているのを理解しながら、ぐだぐだと動かない、行けない理由を探してグズグズしているのは、こいつも色んな意味で大人になったなあ、と思ったのでしたw


そして、もう一人近況はどうなってるんだろう、となっていたレイスが登場。……あれ? 何気にレイスが一番この一家と近い距離に居続けてたってことじゃないの、これ?
マオのところを除いたら、時々バカンスやら別の仕事やらで離れてはいるみたいだけれど、直接の護衛隊とはまた別に後方でこの一家のことを見守り続けてたみたいだから、子供らとしてもほぼ親戚のお姉さんくらいの距離感なんじゃないだろうか。
長年、一緒にいたせいか、本編の頃よりもだいぶ仲良く親密になってますし。特にかなめとレイスの方は。宗介とだって、信頼関係は構築できてますしねえ。
にしても、まさかレイスが安斗にべったりになってるとは思わんかった。ショタか? ショタがええんか? 男関係派手らしいので、別に小さい男の子でないとダメ、というわけではないみたいなんだが、それとはまた別枠で幼い頃、それこそ赤ん坊の頃から見守り続けた安斗に、母性を通り越した危なそうなアレを抱いている様子は、シンプルに危ないですw
自覚あって、ときどき距離を置いているあたりがむしろさらにヤバいよなあw
まあかつての冷めた生き方してたときよりも、なんか人生謳歌してそうなレイスさん、いい意味で人間味増していて、この人も良い人生送ってるんじゃないだろうか。
それはそれとして、護衛隊なかなかしょっぱい評価だなあ。レイスが凄腕すぎるというのもあるはあるけれど、ミスも確かに多い。レイスの評価点厳しいようで結構甘めにつけてるんじゃない、あれ?

次回、クルーゾーさんが登場する予定なの、ちょっと楽しみ。なんか、一番変わり果てていそうじゃない?