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とある科学の超電磁砲 45   

とある科学の超電磁砲 4―とある魔術の禁書目録外伝 (電撃コミックス)

【とある科学の超電磁砲 4】 冬川基 電撃コミックス

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う、うわあ、うわあ。
ついに木山先生が予告していた件の絶望、シスターズ編に突入したわけですが、これはキッツいなあ。妹ちゃんとビリビリの交流が思いのほかホットで屈託なく、初対面同士にも関わらず本当の姉妹みたいだっただけに、その後の顛末のショックたるやとんでもないレベルでザクザクと刻まれる。
元々、これまでの巻でもアクションの描写力の凄まじさには圧倒されていたものの、どちらかというと痛快感の方が強かったんですよね。
でも、シスターズとアクセルレータの実験は殺し合いであり、一方的な殺戮であり、問答無用の惨劇なのです。ここまで徹底して克明に、残虐な殺人を見せられるとは覚悟していなかったので、かなり衝撃が強かったですわ。ビリビリから強奪、もといプレゼントされたバッチにすがりより、最期の瞬間ギュッと抱きしめるミサカ妹の姿がまた、象徴的で……実験の真相を知り、別れたミサカ妹を探し求める美琴の表情がイイんですよ。今まで見たことのない彼女の表情。怒りでも悲しみでもない、純粋なまでの恐怖。自分の知ってしまった事実への怯え、信じることを拒否する心。実験が今まさに行われている事を確認しようとする行為へ完全にビビり倒しながら確認せずにはいられない真っ黒な恐怖。真の絶望へと至る絶壁の手前。

正直、原作小説のこの事件での、ビリビリのあの悲壮な、自分が死んでも実験をとめてやろうという決意は、そこに至る彼女の心の変節が描かれていなくて、随分と唐突感に苛まれて彼女の決意とやらに特に思うこともなかったんですが、これを見せられると、彼女がどうしてなんで、あそこまで何もかもをかなぐり捨ててこの実験をとめようとしたのかが嫌というほどわからされる。というか、思い知らされる。
事件の顛末は既に知っているだけあって、このシスターズ編、ちょっと舐めてた所があったんですよね。これまでのエピソードと違って新鮮味に欠けてしまうかなあ、と。
とんでもなかった。完全に見縊っていた。
感想を書くたびに繰り返しになってしまっているけど、この冬川基という漫画家の力量はマジ半端ねえっすよ。この人が描いてなかったら、ぶっちゃけここまで面白くならんですよ。シスターズも、全然可愛いし。あのシニカルに惚けた感じ、たまんねえ。繰り返しになってしまいますが、ほんとにビリビリと彼女の掛け合いは楽しく面白く、ニヤニヤさせられたんですよね。それだけに、ラストのキツかった。
五巻を、五巻を早くお願いします、マジで。

2巻 3巻感想

ディーふらぐ! 25   

ディーふらぐ!2 (MFコミックス アライブシリーズ)

【ディーふらぐ! 2】 春野友矢 MFコミックス アライブシリーズ

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一巻に引き続き、ひたすら高尾部長かわいいよ。廊下の隅で膝抱えてカタカタ震えてる高尾部長かわえーーー!! いや、逃げてるならせめて隠れようよ(爆笑
そして優位に立った途端、速攻で調子に乗る部長かわええなあ! そっから落ちるのも急降下だし。
やっぱりツンデレさんの最強付属属性はドジッ娘&ダメッ娘だよなあ、と実感した。見てて放っておけないですものね。もう、見過ごすのがむしろ悪いみたいな気すらしてくるしw
一応この人、ロカと並ぶメインヒロイン格で間違いないんですよね。この二巻ですでに表紙を飾っているわけだし。ですから、そろそろ部長に名前のほうを進呈してほしいんですが。いまだに名前不明とか、メインヒロインとしてどうなんだよ(笑
しかも高尾部長の部長って、この作品の活動のメインとなる部活とは別の部の部長だし。まー、順調に高尾部長がツンデレ道を極めつつあるので、それさえ楽しめれば何でも構いませんよ?
一巻では高尾部長とロカの二人ばっかりが目立って、むしろ本来のゲーム製作部(仮)(正式名)のメンバーの紹介すらおろそかにされていたのだけれど(このへん、完全に勢い任せだ)、安心めされよ。この二巻では思いっきり影が薄かった水上桜にもスポットが当たっている。
なに、このエグい娘さんは……しまった、ボーイッシュな外見にだまされてた。わりと単純アーパーな体力勝負っ娘だと誤解していた。こいつ、しれっと笑いながら人の心の傷をグリグリつま先でえぐって喜ぶタイプだw

しかし、二巻になってもこの完全に予想想像の範疇外から繰り出されてくるギャグのたたみかけは、衰えるどころか切れ味を増している。
もう最初から最後まで笑いっぱなし。小ネタの応酬だけでは済まず、魔の十四楽団編なんて、ストーリー展開の根元からギャグとして聳えてるんだもんなあ。魔の十四楽団なんて全然覚えてなかったよ!! 実在すら信じてなかったよ!
そもそも、主人公の風間が不良さんで、学園制覇などという昭和の匂いすら嗅ぐってくる野望を秘めているなんて、根本から忘れ去っていましたよw
というか、あのリストを見る限り、この学校かなりの不良天国なんじゃないのか、とすら思えてくる。全部、ゲテモノばっかりだけどw
この調子だと、二人ブラザーズとかも出てくるのか?
何気に、あの嘘次回予告の魔の十四楽団過去回想編とか見てみたいよな。あいつら、無闇に面白いもんなあ。とはいえ、ロカと高尾部長が出てこないとそれはそれでヘコむんですけど。
この漫画、やたらと面白すぎるのでもっと短い間隔で出てほしいんですが、ほとんど9〜10ヶ月置きだもんなあ、焦れる焦れる。

1巻感想

天川天音の否定公式 25   

天川天音の否定公式 II (MF文庫J)

【天川天音の否定公式 2】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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そうか、これはそういう事だったのか!!
完全に登場人物の立ち位置を勘違いしていたのが、シロコの天音への痛烈な指摘とエピメテウスの繰り言によって、この作品について捉えていた構図がガラリと百八十度引っ繰り返った。
そもそも、非日常の象徴として雪道と瑛子を巻き込む存在として現れたはずの天音こそが、逆に巻き込まれた側であり、もっとも普通の人間であり、この惨劇が約束されている未来の運命に対する部外者だったという事か。
故にこそ逆に彼女――天川天音こそが雪道・瑛子・天音の三人によって紡がれ始めていたこのぬるま湯のような安息の日常を護る担い手となり、部外者であるが故に運命を覆す要となり、雪道や瑛子の歯止め――ストッパー、いつか彼らが境界を飛び越えてしまうのを、日常の側に引き留める存在になるということか。

てっきり典型的パターンとして元々日常サイドの人間だった瑛子の方がその役割を担う側だと思い込んでいたんだけれど、今回の一連の事件での瑛子の行動を見ている限り、彼女にはそういう立場に立つ事が絶対に無理だと思い知った。
瑛子と雪道の関係は、あまりに重く深く断ち難い繋がりによって、それこそ魂の根源からと言えるほどの深度で繋がっているので、日常とか非日常とか周りの環境、生死の境ですら問題ではないんですよね。彼女にとって雪道とは絶対と言っていい存在であり、彼の辿る道ならたとえ地獄だろうと奈落の底だろうと何の躊躇なく付いていく。他の何を捨てても振り返る事すらないだろう、まさしく絶対存在。
それは、雪道にとっての瑛子もまた同じで、それはかつて雪道が彼女のことを「自分にとっての光だ」とのたまったように、瑛子の存在は雪道にとって何を引き換えにしても後悔のない掛け替えの無い存在。今でこそ天音やシロコが現れ、彼にとって護るべき存在は増えているとはいえ、瑛子はまるで別格なんですよね。
そんな二人が、二人だけでいたなら、きっと軽々と越えてはいけない境界を踏み越えてしまうに違いない。いずれ襲い来るであろう明示された絶望の運命に、彼ら二人だけでは抗えない。
そこに、天音の存在が必要になるわけです。
ただ二人だけで完結しかねない雪道と瑛子の間に現れた、運命の部外者天川天音。彼女は異能者であり非日常の側の人間でありながら、あまりに普通の人間であり、多くのしがらみを捨て切れずにいる人間です。ラストに近いとあるシーン。あのシーンで躊躇なく雪道のいる場所に駆けこんでいった瑛子と違って、天音は異常な空間に隔てられた雪道のいる場所に飛びこむことを躊躇い、迷ってしまいました。
ヒロインとして致命的に見えるこの行動こそが、きっと天音の存在がこの物語において、雪道と瑛子の二人にとって、かけがえのない者となる事を示しているんじゃないかと思うのです。
異能者でありながら普通の人間そのものである彼女だからこそ、二人を日常の側に引き留める、過酷な運命から二人を護る存在になるのでは、と。
ですが、部外者が、普通の人間が運命の楯になるのなら、それ相応の代償が必要。大好きな二人を守るため、彼女はここでしばらく前、同じような選択を迫られた瑛子と正反対の選択をするわけです。それぞれが多大な勇気と覚悟を持って。
この時点を以って、雪道と瑛子と天音の三角関係というものは、誰一人欠けてもいけない、尊いまでの繋がりと化したのではないでしょうか。
もっとも、正直、今回の一件で天音はめちゃめちゃな勢いで死亡フラグを立てまくった気がします。雪道は、きっと最後に立てた誓いを果たす事はできないんでしょうけれど、守られたその先にこそ、もう一度果たせなかった誓いを果たす機会を得るのでは、となんとなくそんな展開を想像してみたり。それには、きっと瑛子が必要なんだろうね。瑛子こそが雪道の光なのだし。だからこそ、誰一人欠けたらいけないんだわ、きっと。

とまあ、完璧に入り込む隙のないように見えたこの三人の中に、見事にすべり込む事に成功した浅闇シロコというキャラクターの描き方は絶妙の一言。なるほど、出自と言い雪道や瑛子との関係といい、彼女が秘めていた知識と目的といい、その行動の果てに辿り着いた居場所といい、彼女もまた運命のキーパーソンとして重要な立ち位置を担う存在になるわけだ。具体的にどういう役割を担うかは、次回以降に見えてくるんだろうけど


シリアスパートの尻上がりの面白さと同様に、ラブコメパートもまたニヤニヤが止まらんのよですねえ。一番常識人で抑え役だったはずのクールで冷静だったはずの瑛子さんが、際限なく暴走しまくり、それをあたふた右往左往しながら必死に宥める天音の構図。おい、逆、元々の立ち位置と逆逆(w
猫被りのダメッ娘という属性に苦労症という属性まで付けて、天音さんはいったいどこまで行くつもりだ(笑
一巻で、既に振り回され役と思われた主人公の雪道が実は無自覚に振り回す方だったと発覚した上に、瑛子の無表情に惑乱暴走するタイプ、しまいにシロコは小悪魔的に事態をひっかきまわすタイプ、となると必然的に天音の抑え役の役回りが回ってきてしまうのか。傍若無人のお調子者に見えて結構根は常識人というのが発覚しちゃったからなあ(笑

一巻で絶賛に絶賛を重ねた本作品、二巻でますます惚れた、ベタ惚れ。自分の好みをスマッシュヒットされまくり。前シリーズの【この広い世界にふたりぼっち】よりは一般向けにカスタマイズされてるけど、まだまだ読み手を選ぶタイプの作品だとは思います。けど、自分相手にはまったくもって傑作様でございました。もう、こういうの大好きなんだよな、たまらん!!

1巻感想

みそララ 35   

みそララ 3 (まんがタイムコミックス)

【みそララ 3】 宮原るり まんがタイムコミックス

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ラブコメものはもちろん大好きで大好物なんだけど、こういうとびっきりに傑作な仕事モノって、味わいがまた格別なんだよなあ。

前半は親睦会的なバーベキューに、街頭インタビュー。
後半は丸々、再び若手三人組揃っての大仕事。今回はこんぺではなく、以前美苑がライターとして仕事をしたケーキ屋さんから、パンフレットのデザインの依頼があって、という展開。
街頭インタビューもそうなんだけど、インタビューを受ける側やパンフレットを何気なく手に取る側ではなく、インタビューする側、パンフレットやDMを造る側の視点って、とても新鮮で面白いんですよねえ。いやまあ、面白いのはまったくもって作家さんの漫画力あってこそなんでしょうけど。
インタビューする側もあんだけ苦労や工夫があるんだなあ。やっぱり、声かけたのに素気無く逃げられるのって、ダメージあるんだ。だからと言って、こっちから気遣うのは違うと思うし、そういう忌避感を上手く引きはがしていく工夫こそが大事になってくるわけだ。
初日はまったく捕まえることが出来なかった美苑が、へこみながらもなんとか工夫を重ね、印象を良くし、通行人を捕まえていく姿がまた面白い。とはいえ、あくどい手段を使うんじゃなくて、元々も彼女の人柄があるんだろう、その努力の方向性や慣れて段々強かに口がまわっていくのも、好感度たっぷりに見てられるんですよね。

そして今回の大仕事であるケーキ屋大将の依頼も、前回の穀物トリオのコンペでの失敗も踏まえて、次々と襲い来るトラブルや予想外の事態を三人でガーガーとディスカッションを重ねながら飛び越えていくさまがまたまた面白い。大将、いい人なんだけどこういう依頼の内容が曖昧ではっきりしないってのが一番困るんですよねー。こういう点では大将がまずケーキ職人であって経営者としては徹底していないというのがよくわかる。そういう相手に地雷を踏まず、空の展望を当てにして猪突せず、堅実かつ慎重、しかし妥協は最小限に最上のものを追及していく姿は、ホント三人とも成長したなあ。そう、営業の粟ちゃんもまっすぐ突っ込むだけじゃなく、相手をその気にさせつつ、予算もしっかり掴んで離さないという営業の本分を尽くしてて、前はなかなか未熟を露呈していた分、今回はよく頑張っていたのが伝わってきてる。米ちゃんも、前は一人で一人でというのが前面に出てたけど、彼女はみんなでディスカッションを重ねて叩いて叩くことによってドンドンといい部分が出てくるというタイプなのが、自覚的にわかってきたみたいで、最初から最後までガガガガと止まらず掘り進んでたし、今回は間違いなく素晴らしい仕事っぷりでした、っと。
もちろん、何事も順調というままでは済まないんでしょう。これから先、また違う形での壁が三人の前には立ち塞がってくるんでしょうけど、それはそれでまた楽しみなんですよね。

ああああーーー、面白かったっと何度云ってもイイ足りない程度には面白かったです、はい。つまりは最高傑作っとw

葉桜の来た夏 5.オラトリオ5   

葉桜が来た夏 5 (電撃文庫 な 12-5)

【葉桜の来た夏 5.オラトリオ】 夏海公司/森井しづき 電撃文庫

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近未来ボーイミーツガール、完結編!

 水無瀬率いる<水車小屋>の暗躍により、一触即発の事態を迎えた日本とアポストリ。学は前評議長の娘である星祭を呼び寄せて<十字架>の評議会へ送り込み、アポストリ側からの開戦の引き延ばしを図る。そして自らは<水車小屋>を止めるべく東京へ向かう。一方、葉桜は学との関係について思い詰めた様子を見せるが──。
 人とアポストリ、学と葉桜、それぞれの関係の緊張が高まっていき、本格的な開戦まで猶予のない中、学はぎりぎりの決断と行動を求められる。はたしてその決着は!? 堂々の完結編!

MARVELOUS!!

素晴らしかった。もう完璧に近いくらいに最高でした。ボーイ・ミーツ・ガールとしても政治・軍事サスペンスとしても、見事なほど完ぺきにしあげてきましたよ。MARVELOUS!!

まったく、何度も瞠目させられてきた南方学の政治センスだけど、今回のカードの切り方には戦慄させられっぱなしだった。星祭の使い方が尋常じゃないよ、これ。まさか、以前の灯籠との交渉内容を、ここでこんな風にカードとして切ってくるとは。正直、前回こそ灯籠との駆け引きには押し切りという形で勝ったものの、あれは灯籠がわざわざ学の舞台にあちらもあがってくれたから、という印象だったんですよね。不用意に彼と交渉してしまったから、と思っていたので今回彼に会う事すら拒否して彼の舞台に乗らなかったことで彼女に関してはどうにもならないと思ってたんですが……。
主戦派である灯籠が勇躍するアポステルたちの開戦選択の会議場での、あの顛末。学の繰り出した一手は、灯籠ほどの人物を殆ど一蹴と言っていいほどに無力化してしまうのです。いやもう、このシーンは滅茶苦茶鳥肌立った。学が星祭に託した灯籠への伝言。
「話し合いの機会は与えたはずだ」
には、もう総毛立ったどころじゃないですよ。震え上がった。この会議が始まるまで、灯籠は各方面に根回しを進め、幾多の策謀を巡らせ、度肝を抜くような政治的軍事的切り札まで準備して、アポストリ氏族全体の向かう先の流れをほぼ完全に掌握しきっていた。対して、学はといえば全権大使の父親は死亡し、力を貸してくれるはずの評議長は今や政治力を喪ってしまった状態。そもそも学は何の背景も持たない学生という身分にすぎないはずだったのに。灯籠は圧倒的優位な、比べるのもおこがましい立場にいたはずなのに。
あの傑物、灯籠を完全に手玉に取ったわけですから。もちろん、その手管は薄氷を踏むようなもの。少しでも想定外の事態が起これば余計に状況を悪化させかねない賭けだったわけですけど、もとより戦争へのタイムリミットは迫り、手持ちの札はろくにない状態。
ここで、あんな一手を打てる学の凄まじさには、震え上がるしかないでしょう。
そりゃあ、ここまで鮮やかにグウの音も出ないほどの敗北をくらった灯籠が、学にのめり込むのも仕方ないわなあ。彼に夢中になっていく灯籠の歪んだ情熱を思うと、将来的にも学はまた厄介な相手に見込まれてしまったなあ。

ここで勝ち取った時間は72時間。たったこれだけの猶予を持って、学はアポストリの居留区を出て東京に向かい、水車小屋を打倒しなければならない、というどう考えても途方に暮れるしかない状況から、学は父親が準備していたシステムに食らいつき、星祭をはじめとした人脈を使い尽し、持ち合わせのカードを最適最良の場面で次々にこれ以上ない効果的な手段を持って開いていき、それこそ身を投げ出すように、全身でぶつかるようにして、絶望的な状況に希望の光が差し込むように覆していくのです。

はたしてそれは、葉桜と過ごした故郷を護るため。アポストリである彼女と居られる世界を護るため。そのはずだったのに。
居留区を出た後のふとした瞬間、二人は気付いてしまうわけです。
何もかもを投げ捨てて、このまま二人、外国にでも逃げだしてしまえば、二人はずっと一緒にいられる。共棲の期間が過ぎればいずれ離れなければならない今の世界よりも、それは確実に二人に訪れる安息の時間。
お互い、危地に相手を送り込むことを怖れ、もし相手が死んでしまえば自分もまた生きてはいけない、それほどの想いを学は葉桜に、葉桜は学に抱いている事をそれぞれ自覚していくのです。
特に、葉桜が学に対している想いの大きさには、圧倒すらされました。茉莉花に、学は自分のマエスタだから、と宣誓する葉桜。人間にはないマエスタという概念。星祭がそれを説明してくれるんですけど、これがまた凄まじいもので。その上で、葉桜は自分の想いを学に告げるわけです。
葉桜の告白に対して、学がはっきりと自分の想いを告げられなかったのも、この緊迫した状況かと葉桜の精神面を思えば仕方ないよなあ。
それでも、葉桜と自分の想いを理解し知った上で、その上でなおアポストリと日本政府との間に起こるであろう戦争を止めるために、自分たちの身を危険に晒す。自分たちの幸せと、自分たちの住まう世界の平和。その微妙な齟齬に苛まれながらも、この男はひるまず邁進していくのです。前々から思ってたけど、両想いになろうと結ばれようと、その果てにこの学くんは葉桜に、今と同じような、もしくは今よりももっと大きな苦しい想いをさせるんだろうなあ。なんだかんだと、よく父親の南方大使と似てますよ、この男は。でも、葉桜はそういう彼だからこそ好きになり、そんな彼を誇らしく思い、その彼を助けることに誇りを抱くわけだ。いいパートナーじゃないか。
今のこの二人を見ていると、一巻の時の険悪な関係が信じられない。母親の死に深く関与したアポストリという種族を深く憎悪していた南方学の前に現れた、頑固で気まじめで融通の利かないアポストリの少女。反発し、衝突しあい、いがみ合っていた二人が、自分の生死を、存在すべてを委ねあえるほどの信頼を結び、情愛によって繋がれることになろうとは。
葉桜の想いに対する、学の告白もまた、これ以上ない場面での直球ど真ん中、それでいて状況的にも葉桜の鬱屈も払拭するのにも最も効果的で意欲的、先だって書き連ねた二人の懊悩への答えも含めた、将来の展望もひっくるめて、最高の代物でしたよ、ええ。これほど力強く、カッコいい告白も滅多と見ない一品でした。

まー、あの人の再登場にも仰天しましたけど。学は普通の人間だって言ってたけど、学本人も含めて二人とも普通の人間というにはその人を動かし状況を掌握する力は尋常じゃないよな。


彼らの勝ちとった平和は、彼ら自身が自覚しているように束の間の平和なのでしょう。また、世界が元の姿を取り戻したとしても、アポストリと人間である二人の間には、社会の認知、アポストリの寿命の短さを含めて、様々な障害が横たわっています。ただ、それを乗り越えるだけの多大な力強さを、彼らはここで見事に証明してくれたわけで。凄惨にして過酷な現実の在り様を踏まえてなお、とてつもなく希望に満ちた未来が広がっている、素晴らしいボーイ・ミーツ・ガールの完結でした。
あとがきを読む限りでは、防衛庁にもしっかり取材しにいってたみたいだし、政治情勢の描き方や、各公的機関の描き方、細かい機械システムの描写やその使い方といい、ライトノベルレーベルでは屈指の、というか殆どお目にかかった事のないレベルでの政治・軍事サスペンスでもあり、読み応えの確かさがもうハンパなかったです。
まったくもって、最高傑作でした。最高傑作でした。大事な事なので二回言いました。
これほどのものを読まされては、次回作が楽しみとしか言いようがない。たいへんたいへん、ごちそうさまでございました。

逆理の魔女4   

逆理の魔女 (集英社スーパーダッシュ文庫 ゆ 6-1)

【逆理の魔女】 雪野静/石川沙絵 スーパーダッシュ文庫

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このタイトル、単純に【逆理】と呼ばれる特殊な魔術大系を操る魔女さんがヒロインだから、というものなんだけど、この作品の巻き込まれ型異能バトルもののテンプレートを真逆に反転したような内容をみると、色々とこのタイトルも意味深に思えてくる罠(笑

いや、もうなんというか、ひっくり返って笑いましたがな。
平凡な(ちょっと特殊な才能あり)一般人の主人公が、魔術師であるちょいとエキセントリックな性格のヒロインと出会う事で、異能の世界に巻き込まれる、というありがちな展開と見せかけて……実はどう見ても巻き込まれてしまったのはヒロインの魔女の側!!(笑
魔術師という特別な存在であり、異能の世界に身を置く人間でありつつも、あくまでそのパーソナリティはかなり普通の(まともというべきか)少女であり、しかもドジッ娘属性まで付与している魔女・逆月雨坏が、戦慄を覚えるほどのぶっとんだキャラクターである主人公姉弟(一般人)と知り合ってしまったのが運の尽き。
異界の存在が見える、という常人とは多少違う力を持っているけれども、主人公のマシロと姉のソラの力は本当にただ見えるだけ。なのだが、その性格がもう凄まじいまでに常軌を逸している。
特にお姉ちゃんのソラに至っては、奇人変人いったいどちらが一般人なのか分からなくなるくらいのエキセントリック。そんな彼女に気に入られてしまった雨坏は、徹底的に振り回され、弄り倒され、翻弄され、強引に引っ張りまわされと、その姿は、おいおいもう程々にしておいてやれよ、とそっと救いの手を差し伸べたくなるほど。
でも、これまで立場もあってまともに人付き合いもなかった雨坏さんは、なんだかんだと人間関係の距離感をスッ飛ばしてベタベタとひっついてくるソラや、飄々と傍らに立ってくれるマシロに、転げ落ちるように心を許してしまっていくわけです。飼い馴らされているようにも見えるんだけどw

にしても、ホントに、このお姉ちゃんは凄まじい。お姉ちゃん無双状態である。
途中、雨坏の持つ珍しい逆理の力を狙って、魔術師がつけ狙ってくる展開があるんだけど、そこでお姉ちゃんのとった行動が凄まじいの一言。異能とか、一般人の世界とは隔絶した魔術師の領域とか、普通の人間が手も足も出ない世界観、というこの手の作品の定番のルールをガン無視(笑
魔術とか超能力とか異能力とか全く使わず関係なしに、もはや蹂躙! としか言いようのない圧倒的なまでの容赦ないやり口で、魔術師をブチ倒すお姉さまの恐ろしい事恐ろしい事。
ハッキリ言ってこの人を一般人と言ってしまうのは大いなる間違いなんだろうけど。イカレた天才ってやつは、特別な能力があろうがなかろうが関係なし、ただソラはソラであるだけで、魔術師だろうが怪異だろうが関係なく、無敵に無双に踏みつけ蹴飛ばし吹き飛ばしていくわけだ。
そんな人間竜巻みたいなソラを、何だかんだと上手くコントロールしているマシロにとって、雨坏みたいな照れ屋で意地っ張りですぐ顔に考えてる事が出る素直な娘なんざ、簡単に手玉に取れるんだろうけど、その真っすぐさは好感度高かったんだろうなあ。いちいち言葉責めして弄って遊ぶくせに、彼女の事おそろしく優しくて手厚く扱ってるんですよね。
この姉と弟の雨坏への野放図なまでの親愛が妙に心地いいんですよね。傍若無人な振る舞いをしているように見せて、決して雨坏を傷つける言動はとらないし、何くれとなく彼女の事を庇護し光のあたる場所に導くように引っ張ってるし。そんな二人の親愛に戸惑い、半ば目を回しながらも、雨坏の寂しさに傷つき縮こまっていた心が解き解され、ときめきウキウキと弾んでいく様子がまた、実に微笑ましい作品でした。
うん、とにかくお姉ちゃんの存在そのものが痛快で、弟くんの飄々として性格の悪い言動が愉快で、そんな二人に振り回されて右往左往して顔を真っ赤にしている雨坏が愛い、なんとも気持ちの良いお話でした。
うんうん、面白かった!!

さよならの次にくる<新学期編>5   

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)

【さよならの次にくる<新学期編>】 似鳥鶏/toi8 創元推理文庫

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三作目にして、これは最高傑作きただろう!?
二作目の<卒業式編>が日常の中のこじんまりとした事件を幾つか取り扱った短編集だったので、こうしてちっちゃくまとまったタイプの青春ミステリーで行くのかと思いきや、どうしてどうして。
この三作目も当初は同じような路線で行くのかと思いきや、事態が二転三転とまるで予想もしない方に転がっていき、そのたびに「なんとーっ!?」と驚愕に翻弄される。
その予想もつかぬ展開も、実のところ様々な細かい描写、さりげない仕草、それまで捉えていたのとは全く別の側面からスポットを当てることでまったく違う意味を持ってくるエピソードによって、入念かつ丁寧に伏線が仕込まれているので、唐突感はまったくなく「なんとっ! そういうことだったのか!?」という、心地よさのある驚愕なんですよね。
この巻に限らず、二巻でのキャラクターたちの何気ない行動にも三巻での展開に繋がるものがあり、おそらくは一巻の中にもそれらはちりばめられているはず。一巻で伊神さんが「僕は父親にはならないよ」といったたぐいの発言をしているのですが、その時は特になんとも思わなかったのですが、こうして伊神さんにまつわる謎の一端が明らかになった今となると、あの発言がどういう想いを持って発せられたかが色々と想像できてくるわけです。
特に二巻は、まさにこの三巻への仕込、という点があったんだなあ。卒業式での伊神さんのあまりにエキセントリックな行動は、単にこの人がエキセントリックな人だから、と言う点でなんの疑いも抱いていなかったのだけれど、あんな明確な理由があったとは。
伊神さん、卒業してしまってもう登場しないのかと思ったら、むしろ今まで以上に出張ってきたのはちょっと笑ったけど。伊神さん携帯って、葉山くん(笑
呼べばすぐに来てくれる伊神さんが、フットワーク軽すぎるw

今回は謎に満ちていた伊神さんという人間の中身がさらけ出されて、興味深かったなあ。この人は最初から最後まで普通の人間の範疇から逸脱した奇人の類いなのかと思う時もあったけど、というか大かたはその通りなんだけど、もっとシンプルに普通の人間の感性を持った人でもあったんだなあ。
それをよくわからせてくれたのは、まったくもって葉山くんの功績。
なんで伊神さんがこのどこか頼りなくも普通の少年に目をかけ、学校のみんなが何だかんだと彼に頼ってくるのかが、ものすごくよく分かった気がする。
大した奴、というか頼れる奴、というんじゃないんだけど、この子には全幅の信頼を寄せられて、自分の大事なものを預けられるような何かがあるんだよなあ。
柳瀬先輩が彼にちょっかいかけてくるのも、男の見る目があるということか。最後に、新入生のあの子が彼に向ってあんな事を言い出したのも、まあ無理からん。一連の事件における彼の対応、そして最後のあの気配り。まあ、ズキュンだわなあ。なるよ、なるなる。
いやあ、それにしてもあの新入生の子にはビックリさせられたなあ。一度じゃなく二度までもびっくりさせられたもんなあ。柳瀬先輩大勝利! かと思わせておいてアレだもんなあ(苦笑
思えば、表紙絵の彼女は柳瀬先輩じゃなくてこの子の方だったのか。いや、てっきりこのシリーズは葉山くんと柳瀬さんの二人が表紙だと思い込んでたので、新学期編のこの子も柳瀬先輩だと思い込んでたよ。ちょっとキャラデザインが安定しなさすぎだ、とか思っちゃってて全力ですみません!!
違うわけだよ。全然違うじゃないか。当り前だろう、はずかしいっ。
初登場のエピソードだとまだよくどんな子か分からなかったんだが、美術部に入り浸るようになってからの、言動が明晰かつ明瞭でハキハキとした態度。それでいて活発すぎずとても知的で思慮深そうな物腰。彼女の素性やらが明らかになっていくにつれて伝わってくるあの人と似た部分。まあ、無茶苦茶スペック高いよー。正直言って自分は柳瀬先輩派だったんですが、これはちょっと転向させられかねないキラーマイン。
ミノじゃないけど、柳瀬先輩、グズグズしてる暇ないっすよ、これは。完全に来年三月までのタイムリミット勝負じゃないっすか!
実のところ、この三巻を読むまでは柳瀬先輩の葉山君に対する真意が分からない部分があったんですが、ミノをはじめとした周りの人の発言や、実際の彼女の妙に挙動不審な態度を見ていると、これは間違いないかな、と思うようになった。ストーカー張り込みの時といい、合宿の時といい、真相解明編の時といい。いや、でも葉山くん視点だと確かに滅茶苦茶分かりにくいんですよ。これはよっぽど勘ぐらないとわかんないし、勘違いや思い込みの類と言われれば反論しにくいなんとでもとれる態度だしねえ。この人は、あまりに女優すぎるよなあ。
でも、ヒロインアピールとしては、今回の柳瀬先輩は八面六臂の活躍だったと思われ。いや、ヒロインアピールかどうかは怪しすぎる方向だけど。完全に演劇部の女首領だもんなあ。愉快な姐御すぎる。葉山くんが彼女を称して、モデル並みの美人だけれど、しゃべりだすとお笑い芸人にしか見えない、というのはあまりに的確すぎて、いやはや。ストーカーガツン、のシーンでの彼女の唐突なあれは、一瞬マジで信じかけたし。ああいうの、即興でやるんだから、普段の言動もどこまでが真実でどこまでが演技なのか、けっこう分からんぞ。

にしても、面白かった。一巻、二巻で描かれてきたキャラクターたちの個性や存在感をさらに昇華させ、大どんでん返しを何度も用意するあの一巻を彷彿とさせる構成。あくまで青春ミステリーの枠組みから逸脱しない日常の延長線上の、でもとてもエキサイティングで活発な、そして何より、友情や親子の想いといった人情がじんわりと包んでくれる優しい心地。
うん、素晴らしい傑作でした。

ピクシー・ワークス4   

ピクシー・ワークス (電撃文庫)

【ピクシー・ワークス】 南井大介/バーニア600 電撃文庫

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すっげええ。もう、これは凄いとしか言いようがない。この作者、何を考えてこんなとんでもない常軌を逸したキャラクターどもを造形したんだ!?
もう、メチャクチャ面白かった。何が面白かったって、コイツラのイカレっぷりですよ。
女子高生女子高生って、こいつらそんな【女子高生】なんて肩書きで語っていい存在じゃないでしょう!? 女子高生なんて甘酸っぱい響きによって結ばれるような人間じゃないよ、こいつらは。こいつらは偶々今高校生というだけで女子高校生という枠組みの範疇に入ってしまっているだけの、化け物どもですよ。こんなのを女子高生なんていったら、普通の女子高生に失礼だ。
女子高生が戦闘機を直して飛ばす青春モノ、なんて風に要約したらこの作品の姿形がまるで違うものになってしまう。
彼女らが優秀だから、尋常ならざる能力を持ってるからそう言ってるんじゃないですよ。能力の問題ではなく、彼女らの人間性とか内面の問題。
青春!? 青春!? 冗談じゃない。これがそんなお話か。
ハッキリ言って、これは頭のネジが二、三本抜けた狂人にして人格破綻者、社会不適合者にして紛うことなきマジもんの悪党、すなわちマッドサイエンティストどもが、己が趣味と好奇心と冒険心と享楽、欲望のままに踊り狂う、魔女の宴、ワルプルギスの夜の物語。

あまりに優秀でありすぎるが故に、彼女たちの視野は自分たちの見える範囲で完結してしまっている。そこには思想も俗欲も公共心も社会に対するモラルもなく、自分と手の届く範囲の仲間たちのためだけに、そのウルトラハイスペックな能力は発揮されるのだ。
彼女らのやってることは、否定しようのないテロルであり、犯罪そのものにも関わらず、彼女らの中に罪悪感というのは欠片もない。
信念や郷愁めいたものも皆無なんですよね。芹香がヴァルティに空に行こうとするのは、死んだ父を身近に感じたいためか、と問われて、一切そんな事を考えていなかった事に気がついて衝撃を受けるシーンがあるんですけど、それが特に象徴的かな。こういうシーンを挟んでくるあたり、彼女らの破綻した部分と言うのはかなり意図的に組まれている気配がうかがえる。
空恐ろしい事に、自らの身体的・社会的危険性をまったく考慮に入れないこの試みを、彼女らはまったくあっさりと娯楽のため、と明言してるですよね。
それがいっそ、痛快であるのが、この物語の面白い所。人によっては、耐えがたい嫌悪を覚えるかもしれないけど。
個人的には、決して無邪気に無思慮無自覚にこういう連中を書いているのではなく、自覚的にイカレ壊れた悪党として描いているようなので、気にはならないけど。
まあ、色々と舐めて生きてる連中であるのは確か。そのうち、痛烈に痛い目を見そうではある。実際、この作中でも痛い目見かけてるし。そうそう甘いもんじゃねえぞゴラァ、というのが怖ぁい大人の人たちによって爪先で鳩尾蹴りあげられるみたいに、一発食らってるし。
その程度で凝りそうにないのも、また確かなんだけど。悪い連中だねえ。悪党だねえ。

環太平洋戦争と呼ばれた戦争から15年。どうやら総力戦ではなかったものの、それに近い大戦争であったようで、インフラその他はほぼ回復しているようではあっても、まだ<戦後>がリアルタイムで進行しているような時代であるが故に、寄って立つべき国家という柱が威信をなくし、社会そのものが撹拌され希薄となり、枠組みとしての意義を取り戻すことがまだ出来ていないような時代だからこそ、このような子供たちが生まれてきたのかもしれないなあ。
なんにせよ、この子らがとてもじゃないけど平和な世界で平和に暮らしていけるような連中でない事は確かだ。この子らはあまりにナチュラルに社会の規範を踏み越えすぎている。秩序が崩壊した世界、それこそ乱世だとか世紀末だとか、そういう世界でこそ勇躍しそうなイカレた連中だもんな。

なんにせよ、面白かった。一言で言うなれば、痛快である。オーヴァー?

翼の帰る処 2.鏡の中の空(下)5   

翼の帰る処 2下 (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-4)

【翼の帰る処 2.鏡の中の空(下)】 妹尾ゆふ子/ことき 幻狼ファンタジアノベルス

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さわりだけ、とページ開いたのが運の尽き。気が付いたら、全部読んでたよ! 運じゃなくて、どう考えても自業自得だな。面白いと分かっているものを開いて、さわりで我慢できるはずがないと理解しているのに。それでも、さわりだけと言い訳をして開いてしまうのは、目前にモノがありながらそれを無視することが叶わないというだけのこと。
なんだ、単純に読まずに置いておく事が我慢できなかったというだけのことか。

何の因果か、単なる下級官吏だったヤエトが四代大公の一角であり、空席となっていた黒狼公の座に就く羽目になったのが上巻のお話。
国に引き上げとなった北領の相として、主の皇女を支える傍ら、自らも黒狼公の領地を治める事になったわけだけど、前回の最後で皇女が転がり込んできたんですよね。そのお陰で、このシリーズが始まって初めてじゃないかというくらいに、ヤエトと皇女が一緒に行動することに。事実、一巻まるまる、ほぼ行動を共にしてたのは今回が初めてだったはず。それまではなんだかんだとけっこう別行動が多かったしね。それに、まだ北領に居た最初の頃は、皇女とは本当に打ち解けた仲じゃなかったしね。これだけ親密な関係になったあとでは、はじめてだったはず。
おかげで、これまででも十分魅力的だった皇女様の魅力をさらに弥増すはめに。
ヤエトと皇女、それにルーギンを加えた三人組。この三人、ほんとに仲良いんですよね。これまで気づかなかったのは、この三人がプライベートな空間で一堂に会して顔を付きつけ合ってガヤガヤ言い合うシチュエーションが殆どなかったからだと思うんだけど、とにかく仲がいい。ルーギンが皇女をどう思ってるのか、微妙に分からないところがあったんで、いきなりチビ呼ばわりしだしたときは吹いたなあ。まさか、ここまで本気で「可愛がってる」とは思わなかった。
ヤエトもヤエトで、二人や三人で砕けた調子で話していると、皇女に対して主君や師として接するよりも、一人の女の子として扱うような素振りを見せる場合が出てきてるんですよね。
こうなってくると、この三人。なんだか兄妹のようにも見えてくる。それこそ、皇女の本当の兄弟たちよりもよほど。
随分、末妹に甘いお兄ちゃんたちですけど。
ただこの皇女さまは、女の子として、妹分として以上に、やはり皇女として、主君としての大きな器こそが魅力的なんですよね。
ルーギンにしてもヤエトにしても、彼女の口から放たれる言葉に我知らず己が内に押し込めていた真意を掬いあげられ、曇りかけた目を開かされること度々。また、倦んでいた心を晴れやかにし、頑なに凝り固まろうとしていた気持ちを解きほぐしてくれる事もあり、皇女がヤエトたちによって支え導かれる存在でありながら、同時にヤエトたちを包み込み力を湧き立たせてくれる大きな存在として立脚してるんですよね。それをして、ヤエトはいずれ彼女が独り立ちし自分など必要としなくなる、なんて思ってるみたいですけど……まったく、わかってないよなあ、この人は。彼女が彼女である限り、ヤエトを必要としなくなるなんて事、あるはずがないというのに。
まあ隠居したいそろそろ余生をゆっくり過ごしたい、死んでもいい頃だ、などと嘯いているヤエト師ですけど、実際のところまだ三十代の働き盛り。若く、まだまだ人生の機微について学ばねばならない歳の頃。ようやっと、皇女は遠くに離しておくのではなく、目の届く範囲に置いておくのが正解だ、と気づいたように、自分の在り様、他人との関わり方の妙についても、これから学んでいくのでしょう。

僕は友達が少ない4   

僕は友達が少ない (MF文庫J)

【僕は友達が少ない】 平坂読/ブリキ MF文庫J

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これ、タイトル詐称だろう。この場合、表現に正確を期すならば、タイトルは【僕は友達が少ない】じゃなくて、【僕は友達がいない】じゃないですか。「少ない」と「いない」とでは天と地ほど実像に違いがあるぞ!?
と、このように、いないものを少ないなどと言ってごまかしてしまう残念な小人物が主人公のお話である。ああ、タイトル詐称じゃないな。実に深くも端的で分かりやすい意味のこめられた見事なタイトルじゃないか。

でも、実のところこの友達のいない隣人部の面々。多少エキセントリックで残念な部分はあるものの、性格的にはそれほど突飛な人たちじゃないんですよね……などと言ってしまえる自分は相当ラノベ業界に毒されてしまっている気もするが。でも、漫画やラノベに出てくるキャラクターとしては小鷹にしても夜空にしても、星奈にしてもそれほど突出した変人というわけでもないのである……いや、エア友達とか作っちゃってる時点でも相当突出して残念な気もしてきたが。エア友達はヤバいよなあ、うんヤバいよなあ。
まあ兎も角、この連中が凡百の残念な人々と違う点は、なにより自分たちに友達がいない事を気にしてしまっている点なのだろう。なにしろ、他の作品に出てくる性格的にアレな連中は、性格がアレなせいか自分の周りに友達がいなくても気にしない場合が多かったり、なぜか親友がいたり、友達が多かったりするパターンが多いからな。
残念な性格なくせに友達がいないのを気にしてしまうというのは、なんとも残念な話である。
ちなみに主人公の小鷹はかなり普通の人間に見えるけどね。普通に見えてアレだったりするケースもあるけど、彼の場合は単純に間が悪かったとしか考えられない、まったくの常識人であり普通人。というか、周りのクラスメイトたちの方が少々おかしいんじゃないのか、これ。
まあ、第一印象は外見と言うのは大事なんだよね。身嗜みはきっちり整えておきましょう。ギャルゲプレイして、女の子の攻略無視して親友エンドに突っ込んで大満足してしまっているあたり、どれだけ寂しいんだ、とちょっとマジで泣けてきたけどな。

そんなこんなで友達のいない子たちが友達を作ろうと作った隣人部。そこに集った、現在三名の部員。羽瀬川小鷹、三日月夜空、柏崎星奈の三人。さらに、後後楠幸村を含めて何人か入ってくる事になるみたいだけど、とりあえずは前者三名がメインとなってくるみたい。なんともくだらなく、ばかばかしく、そして切実で一生懸命な三人のやり取りがなんとも笑えて、なんとも微笑ましい。彼らの友達づくり大作戦というのは、もう空回り以前に回ってすらいない状態で、いったい何やってんだこいつら、仲いいな、って感じなんだが、そのドタバタっぷりがなぜだかポカポカと温かいんですよね。賑やかさにぬくもりが感じられる。
私、この作者の作品はデビュー当初に何冊か手を出してるんですが、もっと小賢しさというか、筋立て、話の流れ、キャラクターの挙動に作者の計算高さが透けて見えて、どうにも楽しめなかった記憶があるんですよね。
それでしばらく遠ざかっていたのですが、ラノベ部の評判を聞いて再び手に取ってみて、これが以前までの印象とガラッと変わってて、凄く面白かった。その面白さが、より奔放に伸び伸びとした感じでこの作品からは伝わってくるんですよね。あとがき読むと、わりと趣味満載自由に描いてる、みたいなことを書いてらっしゃるんですが、私はこの人の場合、変にカッチリ考えて書くよりも、この作品みたいに伸び伸びと好き勝手に書いてる方が性に合うのかも。
ただ、あの変名。元ネタのまんま名前出すのは難しいかもしれないけど、ああいう安易な名前の変え方させられると、どうも、ねえ(苦笑
PSとかくらいなら、別にそのままの名前で出しても良さそうなもんなのに。
まあ、あれはマズそうだけどな。聖剣の刀鍛冶とか。いいんですか、あれ。同じレーベルの作品をエロゲにしてしまって。めっちゃ笑ったわw
しかもエロシーンのテキスト、朗読させられてるし。星奈と夜空ってガチンコで渡り合う関係かと思ったら、段々と夜空に好い様に弄られる星奈、という関係になってって、可哀想と言うか爆笑というか。
これで星奈さん、ひどいアダナで呼ばれるの、アダナで呼ばれるの初めてだからってひそかに喜んでたり、何気に夜空と喧嘩するの楽しんでたりと、高飛車な表面とは裏腹の素の顔が妙に初心っぽいのがやたら可愛らしいんですよね。
これで、プールのイベントとかでめっちゃ女の子の顔とか見せてくれてるし、ヒロインとして一気にポイント稼いできてるんだよなあ。
一方で、夜空の方は彼女の方でものすごいアドバンテージをひそかに抱えてるみたいだし。というか、あれ。実は最初から気づいてて小鷹のこと引っ張ったのか? エア友達を見られたのは偶然だろうけど、いやそれも偶然ではないという可能性もあるのか。
ただ、夜空や星奈との関係って、真の友達を手に入れるぜ、という皆の目的からすると、絶対どっかで相容れぬ形でぶつかるはずなんだよなあ。
仲良くなればなるほど、爆弾の導火線は短くなっていくわけだ。何気に、意地が悪いぞ、これ。


とはいえ、ワタクシ的に一番のクリティカルヒットだったのは、妹ちゃんだけどな!!
なにこの子、マジ可愛らしいんですけど! うわーーー、頭撫でてー。
普段の成り切り邪気眼中に病ですらも、一生懸命なりきってる、って感じで、うんうん頑張れー、と幼稚園でハンディカメラ持ってお遊戯撮影している親御さん的な気分で応援したくなる可愛らしさ。
出来れば、擦れずに育ってほしいねえ。くぅ、「あんちゃん!」の呼び方にこれほどクる瞬間がこようとは。
あんまり素の口調で喋るシーンないけど、これって大分か博多あたりの方言なんだろうか。
しかし、小鷹は妹と二人暮らしというのもあるんだろうけど、かなりしっかりお兄ちゃんしてるんだな。シスコンとは程遠い落ち着いた接し方だけど、よく面倒見てるし構いすぎず突き放さず、妹の奇行も変に弄らず、ムキになって治そうとせず、かといって真面目には取り合わず、でもそれなりには相手をしてやっているという、絶妙のバランス感覚。
なかなかスペック高いんだよなあ、小鷹って。いいじゃんもう、友達できなくったってw

鷲見ヶ原うぐいすの論証4   

鷲見ヶ原うぐいすの論証 (電撃文庫)

【鷲見ヶ原うぐいすの論証】 久住四季/カツキ 電撃文庫

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やっばいなあ。鷲見ヶ原うぐいすの可愛さが尋常ではない。性格もひねくれてなくて、主人公を虐めたり罵倒したり足蹴にしたりすることもなく、素直に「ゆずさんゆずさん」と懐いてくる。その様子は明らかに小動物系なんだけど、頭の中までお子様というのでは全然なく、むしろ理知的で礼儀正しく落ち着いた物腰で大人びてすらいる。
さすが探偵役だけあって頭脳明晰で知識も潤沢、主人公の足りないお頭では難易度の高い文言がスラスラと出てくる賢人なんだけど、それでいて主人公への態度は胡乱どころかとてもストレート。かといって強引でも押し付けがましくなく、控え目で慎ましくそっと指を絡めてくるような、服の裾をつまんで引っ張るような好意の見せ方が、それはもうとてつもなく可愛いんですよ。もう、メチャクチャ可愛い。
主人公は例にもれずの鈍感野郎なのですが、こうも素直に好きだよ、という態度を見せられたら気づかざるを得ないし、無視もできない。どころか、見事なくらいにパックリと心奪われてしまっているわけですから、いっそ絶妙な匙加減というべきかもしれない。

さて、肝心の本編ですが、これは見事なくらいに直球なミステリー。クローズドサークルにおける殺人事件。いや、ここまでしっかりとしたミステリーの格式を整えて書く人は、ライトノベルのレーベルで書いている人では滅多にいないし、その中でも久住さんはまさに筆頭格と言えるんじゃないだろうか。むしろ、メフィストの方で書いても全く見劣りしないんじゃないかとも思われる。
わりと小じんまりした印象を受けるのは、畳みかけるようなどんでん返しが次々と起こるような展開ではなく、一つの事件の発生とその解明にじっくりと手をかけているからで、むしろ構成の完成度という点を見れば非常に精緻に整えられているとも言えるだろう。
ただ、一度この人の手掛ける、とんでもない大事件、というのを読んでみたい気持ちもある。それには、よほど分厚いページ数を確保するか、それこそ新書の方に進出するか、しかないんだろうけど。



事件に巻き込まれても冷静で取り乱すことなく対処していくんだけれど、強引な行動に出る事も破天荒な奇行に及ぶこともなく、とにかく探偵役としては珍しいくらいに真人間。事件や関係者に対する態度も変にクールだったり厳しかったりするような冷徹さは微塵もなく、非常に柔らかく優しげな物腰なんですよね。

封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 54   

封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ〈5〉 (ルルル文庫)

【封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ 5】 霜島ケイ/也 ルルル文庫

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桐子婆さまの若かりし頃。時代の闇が世に影を落とし始めた昭和の初めを舞台とした封殺鬼シリーズの番外【鵺子ドリ鳴イタ】もこの五巻でついに完結。
僅か10歳で神島家の当主を継ぎながら、その際の継承者争いで兄を喪い、深く心に傷を負っていた桐子も、聖と弓生に支えられ、宇和島夫妻の親愛を受け、なにより志郎との出会いによって、一巻の時とは見違えるようにその在り方を変えたように見える。
他人を寄せ付けず、全部一人で抱え込もうとしていた彼女が、兄や従兄の裏切りとその死の影響で、他人を信じられず、なにより自分のために誰かが傷つくことを過剰な位に怖れていた彼女が、今回神島の当主として乙夜の儀式を破壊する際に家人たちに出した命令には随分と驚かされた。
確かに、あの命令は酷薄にすら見えるけど、家人たちを信じていないと決して出せないものなんですよね。以前の彼女なら、絶対に口にしなかった令なのです。なにより、乙夜に神島家の者たちが馬鹿にされた時には、敢然とそれを否定して見せ、その力を誇って見せている。
いつもどこか張り詰めて、いつかひび割れて壊れてしまいそうな危うさの上に立っていた桐子だけど、今の彼女は名実ともに当主として相応しい在り方を身に付けたんじゃないだろうか。
それと同時に、宇和島の奥方の前や、志郎の前では歳相応の子供らしい顔、我儘で気位の高い年頃の女の子らしい顔を素直に……ではないけれど、隠しきれないほどあからさまに見せるようになってきた。
当主としての桐子と14歳の少女としての桐子。その二つの顔が矛盾なく両立するようになってきて、以前の不安定さはもう見えなくなっている。
桐子の傷は、信頼できる人々との出会いによってようやく癒えたのかもしれない。彼女の奈落のようだった洞は、埋まったのかもしれない。
そういえば、前の巻での感想で悠久の時を生き続ける聖と弓生の絶対に届かない絆にこそ、あれほど二人に大切にされながら彼女の空隙が埋まらなかった理由があると書いたけれど、ここで彼女は彼女だけの絆を、ついに手に入れたんだろう。
自分の友達は君だけだ、と言われてこっそりと喜び、幽玄の狭間で捨てた想い出を取り戻してもらい、さらに未来の約束を交わして……。
志郎は今まで、どうにも桐子の扱いがそっけない向きがあったけど、あの桐子の洞を目の当たりにして怒ったあたりから、明確に態度が変わってきた。それでも、まだあまり彼女を女の子として見ている素振りは少なかったんだけど……此方もちょっと変わってきたのかも。
少なくとも、とても大切な存在だと明言するほどには。
この巻の末に、二人がやがて結婚することが明示されている。二人の行く末がどうなっていくのか、【封殺鬼】シリーズを読破した方ならご存知の事だろう。桐子が言ったというあのセリフ、シリーズを通読していた時には神島桐子という人物の峻厳さを示すエピソードとして捉えていたのだけれど、実際にこうして彼女の少女時代、そして志郎という人との絆の在り様を知ってしまうと、どれほどの想いを抱えてあの言葉を発したのか、胸が震えて仕方がない。

二人の物語はまだ始まったばかりなのだという。二人のその後、それこそ結婚に至るまでのエピソードなんかも読みたいのは言うまでもなく。できれば、もう一シリーズ桐子様で行って欲しいなあ。
それこそ、桐子さま一六歳! とかで。
と、云いつつ、本編の方の後日譚あたりでも大歓迎なのだけれど。最近、佐穂子分が足りないんだもんね。


にしても、あの人の正体については、もうまったく最後までまるで気がつかなかっただけに、あっと言わされた。それこそ、見た通りの人だと思っていただけに。言われて振り返ってみると、確かに伏線らしきものはそこかしこにあったんだけど、いやもうさっぱり気がつかなかった。やられたなあ。どうにも軍人だけが一方的に時代の闇に蠢く悪役にされて微妙に違和感感じてたんだけど、見事にひっくり返された。
そのうえで、その彼の口から語られることによって、どうしようもない時代の流れ、妖怪や怪異とは全く別の、不気味で如何ともしがたい人間の社会の蠢き、というものを示されたみたいで、この時代の名状しがたい重たい雰囲気がひしひしと伝わってきたように思う。


この巻は短編のCDドラマが付属していたのですけど…また沢城さんかい! この人、最近はほんとに売れっ子だなあ。まあ、それだけの実力者だと言うことなんでしょう。毎回驚かされっぱなしだし。
聖の人はかなりぴったし。弓生は思ってたより渋いなあ。
話的には桐子さまをもう存分に堪能できたので、大満足。まあ、志郎はああいう怒り方はしない変人だと思うんだけど。


そういえば、作中で本物の鵺が鳴いてたけど……いいのか、あれで?(爆笑
仮にもシリーズタイトル【鵺子ドリ鳴イタ】なのに。志郎も呑気というか、わざわざ本物連れてこなくてもよかろうに。いや、でも実際あれは腹立つ。あの鳴き声はイラッとくる。源頼政の鵺退治・新説だなw
しかし、この封殺鬼に出てくる妖怪たちって、けっこうコミカルというか、天然というか。一反木綿なんか、けっこうヒドイ扱いだぞ、あれ。幾ら文字が書けるからって手紙扱いって。挙句、洗濯してOKなのか、一反木綿w

世界平和は一家団欒のあとに 8.恋する休日5   

世界平和は一家団欒のあとに〈8〉恋する休日 (電撃文庫)

【世界平和は一家団欒のあとに 8.恋する休日】 橋本和也/さめだ小判  電撃文庫

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ああ、もう否定はしないんだ柚っち。

このあいだ久し振りに三人で帰ったときなんかねー、あの二人ときたら『そういえばこの間のあれ、どうなったっけ?』『それなら昨日ちゃんと言っといたじゃない。しっかりしてよ』とか、もうアレとかコレだけで会話してるの。傍で聞いてる身としては、もうこれ、どこの熟年夫婦ぅー!? みたいな感じでね。もう香奈ちゃんが呆れながらお兄ちゃんに靴下の場所を教える光景まで目に浮かぶよ。


というわけで、毎回家族の一人にスポットを当てて物語が展開するこのシリーズも、遂に星弓さん家のお嫁さんこと、柚島香奈子のターンきたぁぁ!!
よっしゃ、テンションあがってきたッ。
とか言いつつ、実は妹・美智乃のターンでもあったわけなんですけどね。
星弓家のお婆ちゃん。随分と昔になくなっている織花と、祖父の腹心である煉次の若かりし頃のラブロマンスがまた、セピア色をして切ないんだ。
かつて、大切な存在を守ると誓ってその誓いを果たせなかった男の哀愁が、数十年の時を超えて、織花に瓜二つだという美智乃へと差し向けられるというお話。
こうして見ると、男と言うのはいつだって思いあがっていて、女の子の本当の気持ちになんか気づいていないのだ。それが優しさであれ、愛情であれ、ただ一方的なものでしかないのなら、女性はそれを受け入れない。その人の事を想っていてこそ、受け入れない。ただ守られることを良しとせず、支えあって生きていきたかったという願いを、男は大切に思うが故にわかってやれない。

「守るだの守られてるだの、たったそれだけの関係なんて、ちょっと寂しいじゃない?」
「私たちはお互い様よ。できれば対等な関係でいたいの」


そう考えると、尻に敷かれて頭が上がらない関係というのは、むしろ最適なのかもしれない。女は負い目に思わず、男は思い上がらず、素直な感謝で結びあう、それはきっと、素敵な絆。
改めて、香奈子と軋人の関係は見ていて気持ちいいなあ、と思わされた。香奈子は本当にいいやつと巡り合えたと思うし、軋人も勿体ないくらいの娘に引っかかったもんだ。
それにしても、香奈子が軋人の事を好きなのか、と問われて明確に否定とか誤魔化しとかせず、消極的にだけれど認めるそぶりを見せたのは驚きだった。柚っち、ちゃんと自分の気持ち認めてたのかー。
そうなると、二人の関係が進展しないのって、二人が不器用だから、というよりも、現状維持を二人ともが望んでるから、というべきなのかもしれないな。お互いはっきりとは言わないものの、自分が相手を好きで、相手も自分が好きだという感覚は伝わってる。だったら、それでいいじゃない、みたいな。これで軋人が無神経で鈍感でフラフラしがちな野郎だったら、香奈子ももうちょっと関係をはっきりさせてしっかり捕まえないと、という焦燥感に駆られるんだろうけど、軋人ってあれで結構気がきく所も多いんだよね。無精者ではあるんだけど、意外と香奈子のこと良く見てて、自分がまずい行動とって彼女の機嫌損ねたら、ちゃんとまめにフォローにかかるし。大雑把なようで、細かいところに気がついて、香奈子のことしっかり大切にしているし。そうなると、香奈子からすると今の状態でも安心しちゃって焦る必要感じないんだろうなあ。
包容力があると同時に、あいつは無茶しがちですぐ突っ走るから、自分がついていなきゃ、という母性本能を擽るところもあるんだろうし。
隣にいるのが、今の段階ですら自然な状態で、それはこれからもずっと続いていくだろうという感覚。それが、今の状態で二人の関係が遅滞してしまってる原因なんでしょう。
まあ焦らないでも、いい雰囲気にはたびたびなってるからなあ。美智乃が危惧するみたいに、このままなあなあで有耶無耶になっちゃう、って事はないように思う。でも、美智乃も今みたいにもっと二人の背中を押すようなちょっかいはドンドン掛けていいようにも思うな。二人ともあれで意固地なところ少ないし、案外美智乃の企みにひょいひょい乗りそうな所もあるし。余計なお世話ではなく、本当に進展のきっかけみたいな事になってもおかしくなさそうだからね。

とまあ、そんな二人の理想的な関係が、煉次の心に長年影を落としてきた呪縛を解きほぐし、辛く哀しい想い出を温かな想い出へと昇華させたという、終わってみればやっぱり素敵でハートフルなお話だったなあ。
美智乃も、今回はずいぶんといろんな顔を見せたな。普段は破天荒でアグレッシブすぎるくらいアグレッシブな娘だけど、年下なくせに姉さん女房全快な香奈子と違って、もしかしたら美智乃はわりとしおらしくなるタイプなのかもしれない。そういえば彩ねえもわりとそんな所あったような。
さらわれてる時の態度とか、香奈子にポツリと漏らした告白を聞くに、この娘なりに本気だったんじゃないだろうか。そうなると、最後に彼に告げた言葉というのが、けっこう切ない意味を以って聞こえてくる。

叶わぬ恋の、また麗しき哉。

翼の帰る処 2.鏡の中の空(上)5   

翼の帰る処〈2〉鏡の中の空〈上〉 (幻狼ファンタジアノベルス)

【翼の帰る処 2.鏡の中の空(上)】 妹尾ゆふ子/ことき 幻狼ファンタジアノベルス

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やっぱり面白いなあ、これ。まったく、べらぼうに面白い。
隠居して余生を過ごしてとっとと死んでしまうのが当面の夢です、希望です、と公然と口走り、その並外れた虚弱体質で事あるごとに熱を出してぶっ倒れる主人公のヤエト様。
その自らの生き死ににも頓着しない生き様から派閥争いに巻き込まれて、北領という帝国でも辺境の僻地に左遷されたのが運の尽き。左遷だ左遷だと喜んでいられたのも最初のうちだけ。ただの下級官吏だったのが、尚書官という文官の責任者に祭り上げられ早々に北領の未開人たちに振り回され、北領の太守として派遣されてきた皇女に見初められて、副官に任命されて、一心不乱に働かされる羽目に。
まー、それだけでも隠居から遠ざかり、ご愁傷さまというところだったのに、今回北領が国に格上げされたのをきっかけに、皇女からは相――首相・宰相的役職と考えていいだろう――に任命された挙句に、本国では貴族として召し上げられることに。その任命された貴族の位が、またえらいことになってしまい……と、とっとと隠居したいはずの男の転落人生の物語w
傍から見ると、ものすごい成り上がり、立身出世、栄達なんですよね、これ。にも関わらず、本人的にはまさに転落人生(笑
この一冊の中で、今回ヤエトは一体何回、面倒くさい、もういやだ、逃げ出したい、隠居したい、というかいっそ死にたい。死んでしまいたい。と内心で連呼してたか。数えるのも馬鹿らしいくらい、そればっかり考えてるんだから。
でも、自業自得なんですよね。この人、客観的にみるととてつもなく有能なんですもん。面倒くさいといいつつ、しっかり仕事こなしているし。本人自覚ないですけど、ルーギンがその自覚のなさに発狂しながら指摘しているように、まさにこの人一人の存在が北領を支え、後継者争いに紛糾しつつある宮廷闘争の中で皇女を守っていると言っても過言ではないくらい。彼がいなくなれば、それだけですべてが崩壊し、破綻してしまうくらいには、彼は重要人物になってしまっている。
実際、ヤエトって面倒くさいといいつつ、仕事に関してはどれほど立場があがり、変わっても、そりゃ難題には頭を悩ませますけど、戸惑う風もなくテキパキとこなしていくんですもん。はっきり言って、さすがに皇帝陛下から爵位を賜ったあとなんか、そんな位を頂いてはたしてやっていけるのかいな、と思ってたら、案外困った風もなくこなしちゃってるんですよね。これには正直驚いた。物怖じしない人だとは思っていたけれど、まさかこれほど適性を見せるとは。私も、皇帝が彼にあの位を与えたのはけっこう嫌がらせの向きもあったように思うけれど、ただそれだけではなかったのかもしれない、と彼の働きぶりを見るに思いましたね。
この人、ほんと面倒くさいとは言っても、無理ですとかできません、とは思う事すらしないんだからなあ。
だから、そんな手を抜かずに真面目に働いて有能さを知らしめるから、夢である隠居から遠ざかってしまうんだって(苦笑

さて、問題だった帝位の後継者争いは、各皇子たちの背景や人となり、現状の政治的立場などが詳しく情報を出してきてくれたお陰で、かなり現在の状況がクリアになってきた。なるほど、皇女殿下はかなり面倒くさい立場にあるんだな。それでいて、本人にはその危機意識がかなり薄いと。彼女の善良で真っすぐな人となりは、こうした状況では決してプラスには働かないということなんですね。それを補うのはヤエトやルーギンの役目でもあるのですけど、ヤエトは切れる割に自分の身の安全に対しては皇女殿下並みに無頓着ですし、ヤエトってわりと皇女のこと甘やかしてるんですよね。その意味では、ルーギンはかなり苦労しているのかも。
そう、今回読んでて改めて思ったけど、ヤエトって皇女に対してかなり甘いところがあるんですよね。普段は厳しく現実的な物言いで皇女を指導しているヤエトなんですけど、第三皇子の裏切りについて皇女の心が傷つくのを慮って言を控えたり、弱った皇女に対してスッっと甘い言葉をささやいて労わったりと、この男、時々、そう、本当に肝心な時に、無自覚にけっこう皇女の内面にズケズケ踏み込んで他人が触るべきでない部分まで、撫でていくような所があるんですよね。あの場面で名前呼ぶとか、反則でしょうに。ほんと、ヤエトはまるで自分が皇女をどのように扱ってるかわかってないんですけど。ただの臣下がするような事じゃない事をしてる自覚がまるでない。
そういうことをするから、段々と皇女が、自分を臣下や師という存在以上に見始めていることに、まったく気づいていないわけです。
まわりは、みんなわかってるのに、ねえ(苦笑
皇女本人にどれだけ自覚があるか、それはわからないけれど、今回の最後のシーンで、ああいう状態になった時にヤエトにだけは見られたくない、なんて口走っていたのを見ると、どうにもこうにも…ねえ?
それに、ルーギンはじめ、周りはみんな、そうなることを望んでいるみたいだし。幸か不幸か偶然か作為の結果か、そうした展開が決して不可能ではない立場に、ヤエトは立っちゃってるわけですしねえ。
はてさて、どうなることやら。

いやさ、この最後の展開はかなりニヤニヤさせられますけど、ルーギン兄さんはもうグッドジョブとしか言いようがない。


一方で存在感を増していたのが、ジェイサルド御大。何を考えているのかわからない不気味な所のあった人ですが、ようやくここで今の彼の目的が明らかに。こうなってくると、どうやら心底ヤエトに味方してくれるみたいだし、この上なく頼もしい存在だわなあ。
あと、シロバが鳥のくせになんかヤエトのお袋さんみたいなのが笑った笑った。

紫色のクオリア5   

紫色のクオリア (電撃文庫)

【紫色のクオリア】 うえお久光/綱島志朗 電撃文庫

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……言葉を失うという感慨を久々に味わわされた。
これはすごい。本当にすごい。
本物の傑作。紛う事なき傑作。完全に抜きん出た、卓抜した凄まじい傑作。
すごいものを読んだ。まったく、凄いものを読んでしまった。
これほど際立ったSF作品にも関わらず、同時にライトノベルとして一つもぶれていないのだから、もはや呆気にとられるしかない。
まいったな、これは。体の芯から揺さぶられたまま、未だにうまくこの作品を咀嚼し切れていない。
正直、これをネタバレなしに語るなど難易度が高すぎるんだが、いやネタバレをしたからといって小揺るぎもしないんじゃないのかとも思うんだが、だからと言ってどんな小さな瑕疵すらも付けることに怖れ慄いてしまうこの感覚を無視できようはずもない。

しかし【少女とロボット】というテーマから第一話「毬井についてのエトセトラ」へと至る時点でその発想のぶっ飛びっぷりはおかしいとしか言いようがないのに、そこからどうやったら第二話の「1/1,000,000,000のキス」に発想が至るのか、もはや常軌を逸しているとしか思えない。なんなんだ、この話の転がりっぷりは。
第二話が始まった途端、第一話のあらゆる要素が起爆剤となり、物語は尋常ならざる速度で加速していく。それは規定されたルールを飛び越え、常識を乗り越え、可能性という可能性を網羅し、人であることすらかなぐり捨て、ただ一つの目的を達成するためにあらゆる観測点を踏みにじり、世界の外へと飛び出していく。
その果ての果てに辿り着いた場所で遭遇したもの、それこそが彼女の誤謬であり到達点であり、回帰であったのだ。
ここで思うのだが、これほど遠大な探求を成し得ながら彼女が目的を達成できなかったのはなぜなんだろう。ここで目的の対象である彼女の言は、あまり全面的に信用できないように思う。なにより彼女は、対象以外の運命はほぼ完全に操作しきっていたからだ。
そして、果てでのあの邂逅。まるでお釈迦様の手のひらの上を彷徨っていたような感覚。
そう、万物理論へと至るまでのあれほどの段階に達した彼女ですら、結局あの子のいた地平には辿り着く事は叶わなかったという事になるんじゃないだろうか。
というよりも、そもそも回帰することで既に辿り着いていた同じ地平に戻ってきた、と言えるのか?
いや、でもそういうメンタル面の話ではなく、存在の階梯という意味ではやはり、ああなってすら辿り着けない断絶があったような気がする。
それでも、着地点としてこうなるのは、正しくライトノベルであったというべきか。でも、IFでのあれを考えると、色々と意味深に推測できることも多々あるわけで……まいったなあ。

とにかく、ものすごい作品である。このドライブ感に巻き込まれれば、それこそどこまでも、人が本来辿り着けるはずのない地平の先まで覗けてしまいそうな恐怖感と興奮に取りつかれることだろう。
繰り返す。紛うことなき、これは傑作である。

カンピオーネ! 4.英雄と王4   

カンピオーネ!〈4〉英雄と王 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【カンピオーネ! 4.英雄と王】 丈月城/シコルスキー スーパーダッシュ文庫

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チュッチュッ、ペロペロ、クチュクチュ、ぴちゃぴちゃ。

もう、……あんたたち、キスがエロすぎ!! いや、マジで、本気でエロいんだから、辛抱たまらん!!
あくまでキスというのは魔術の類いが極端に効きにくいカンピオーネたる護堂に対して、知識を教授する魔術を体内に送り込むための手段なのだが、護堂が有する権能のうちの最強の力である【剣】を起動させるためには、もはや必須の手段である以上、それは決して避けえない行為であるからして、あらゆる状況が護堂とリリアナをキスせざるを得ない状況へと追い込んでいくのである!!
以前の万理谷の時は、緊急事態ということもあり、半ば突発的な行為だったわけだが、今回のリリアナの場合はペルセウスとの決闘がリミット付きで予定されている状況であり、なおかつ他の教授を行える人材たるエリカや万理谷が近くにいないというありさま。
もはや、護堂が勝つためにはリリアナとキスしなければならない! という決定的事実が罷り通ることに。
……勝つためにキスしなきゃなんないなんていうたわけた状況をこうも真剣に、深刻に、ナチュラルに構築してしまうこの作品の構造には、戦慄すら覚えるな!!

しかし、リリアナさんはまた、ちょろかったな(笑
この人、初登場の際は毅然としていて自分の中にしっかりとした規律と芯を持った騎士らしい騎士だと思ってたんだが……エリカにからかわれてしまう人、という時点で理解しておくべきだったのかもしれない。それとも、エリカとのキスを興味津津に凝視していたのを思い出しておくべきだったのかもしれない。
なんという、夢見がちな乙女だw
この人、潔癖というよりただ単に男に免疫ないだけじゃん。しかも、わりと恋だの彼氏なのに浮ついた幻想抱いてるし、恋に恋する妄想少女だしw
これまで、ヴォバンだのドニだのといった人間性に問題のありすぎる連中にしか関わってこれなかったせいで、護堂の真人間な言動に簡単にコロッと言っちゃってまあ。仲間の魔女連中にも簡単に煽られて、即座にグラついてしまうあたり、相当チョロい。
しかも、清純派を気取ってるくせに、ハマるとどこまでもハマるタイプである。完全に陥落したあとの、特にキスを迫るシーンでのメロメロ、デレデレっぷりを見ると、本当にひどいw

あーあ、ほらみてみろ。エリカ嬢、余裕ぶっこいで護堂で遊んでたから、予定外の手合いが護堂に引っかかっちゃったぞ。まー、予定外とはいえ、所詮リリィもエリカの手の内でいいように転がされちゃうタイプの人だから致命的とは言えないけれど。
でも、そろそろ真正面から叩き潰して護堂の心を掌握する方法を改めて、手段を選ばず護堂を陥落させる方策をとらないと、色々と面倒なことになってきちゃうぜ。確かに、今のところ正妻の座は揺るぎなさそうだけど。
護堂も、肝心なところで、エリカがいれば問題ないのに、とか思っちゃってるからなあ。エリカが本命で間違いないんだろう。まあ、それにエリカが安心しちゃってたから、こういう問題が出てきてしまったわけだが。

というかね、護堂もいい加減ぐだぐだ言ってないでさ、風評通りに食っちゃえばいいのに、と思えてきたよ。カンピオーネとしての権利として、彼女らをお手つきにすることは、それこそ彼女本人たちが認めてるわけなんだからさ。まあ、彼が作中で言っているように、王の権限に逆上せないようにしている以上、向こうから云い寄ってきたからと言って手をつけることは絶対に意地でもしないだろうけどね。
だから、何度も言うけど、エリカが王の権利だから云々付け加えず、ストレートに好きです愛してます付き合ってください、って言えば即座に済む話なんですけどねえ。


さて、今回の敵たる<まつろわぬ神>は、ペルセウス。メドゥーサを倒し、美女アンドロメダを海蛇から救ったギリシア神話の英雄である。
毎度ながら、この作品による神話や神の解体には、感嘆させられる。まさか、ペルセウスという英雄にこれほど複雑かつ遠くも広い来歴があったとは。マジで勉強になるわ。
ミトラスって最近どこかで見たなあ、と思ったら【Xの魔王】の主人公じゃないか。あの主人公の由来は、ここから来たんだろうか。

肝心のペルセウスとのバトルシーンも、いつものように<剣>が最後の一撃になるのではなく、これまでのパターンを大きくひっくり返した展開に。うむ、単純にバトルモノとしても思わぬ攻防が繰り広げられて、これが実に面白い。

しかし、この作品での神の在り様というのは、過去、それこそ神代の時代に実在した存在……というのとは、どうにも一線を画しているようだな。ペルセウスの正体なんかを読んでると、その辺はもう確信に近くなってくる。そもそもカンピオーネが誕生する理由、<まつろわぬ神>の降誕のシステム。このへんも、実に興味深い。


今回は、護堂が自分の中の基準、というかカンピオーネとしての自分の在り方について語ってくれたんですよね。巨大な力を得ながら、彼がなぜ力に振り回されず謙虚に在り続けているのか。その理由が彼の口からポロっと語られるのですが……そうか、ウルスラグナとの邂逅は護堂という人間に予想以上に多大な影響を与えていたんだなあ。
かの神格との出会いによって生じた友情と憧憬は、正しく彼の在り方を導いているわけだ。
まあ、女のあしらい方は身に付かなかったみたいだけど。エリカが相手じゃ、土台無理な話かw

そういえば、アテナさんが再登場して護堂さんをこれでもかーと振り回していましたけど、この人も将来的に護堂ハレムに加わっちゃうんだろうかw
神殺しのくせに神をはべらせりゃ、それこそ大したもんだぞw

ベン・トー 4.花火ちらし寿司弁当305円  

ベン・トー 4 (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-6)

【ベン・トー 4.花火ちらし寿司弁当305円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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みんな、気づいているか!?
一巻からこっち、弁当の値段が五円ずつUPしているという事実に!!

……だからそれがなんだ、と言われると、いえべつに、と返答する他ないのだけれどね。


夏休みに入り、強化合宿を行うことになったHP同好会。槍水先輩、佐藤に白粉の三人に加え、合宿の後半からはあやめも参加する、お泊り会。
けっこう気合の入った槍水先輩のエロカッコいい私服姿も相まって、やたら佐藤がテンションあがってるのが笑える笑える。
佐藤ちん、槍水先輩のことエロい目で見すぎだって。熱中しすぎだっての。もう、まるで槍水先輩を視姦するのが目的かと思うくらいに、舐めまわすように見る見る見る。……こいつ、やっぱり変態だな。

と、その合宿と称した遠征に行くまでの冒頭ですでに飛ばす飛ばす。駅での列車の停車時間中に駅弁を急いで買いに行く、というシチュエーションは、それ自体はよくあるだろうけどさ。違うホームにある売店まで往復一分半で行って帰るって、ねえよ!!(笑
最近、スーパーでのあり得ない激闘にも感覚がなれてしまってて、たかが弁当争奪戦で、天井に着地したりカートを片手で振り回したり、というアクションにそれほど違和感を感じなくなってしまっていたのだけれど、そういえばあれって、ねえよ! っていうアクションだったな!
でもやっぱり、一分半はシビアすぎるよ! っていうか、普通に行き来したら6分くらいのところ一分半て!
とりあえず、レッドに対する当人と他の連中との認識の差に笑ってしまった。可哀想にw


この強化合宿自体は、HP同好会の恒例行事だったらしい。夏休みのこの時期、そこは花火大会時の特別弁当の仕出しもあって、他の土地からも名うての狼たちが集まってくる狩猟場となっており、ここでの戦いぶりが二つ名を広めることになるという。かの【魔導師】もまた、かつてこの地で名望を高めた一人なのだそうだ。
半額の弁当を手に入れるために、わざわざ遠隔地にまで遠出してくるという時点で、通常の感覚では本末転倒なんだけどなw ただし、それは闘争を求める狼の論理にあらず。真の美味を得るためには、闘争を経るしかなし。彼らは半額の弁当を求めているわけではなく、うまい弁当を求めている、と考えれば、その志向も理解できるか。
とはいえ、そこでは元の街では会う事のない、かつてここでHP部と戦った猛者たちとの遭遇もあり、佐藤たちの知らない槍水先輩の姿、そして過去のHPの栄光も垣間見えることとなる。
あえて、槍水先輩は口を閉ざしているけれど、HPの過去にはどうやら大きな事件があったみたいなんだな。
前巻からチラチラと描かれていた、槍水先輩の素顔。普段のクールで鋭角的なスタイリッシュな頼りがいのある先輩としての姿とは裏腹の、どこかあどけなく柔らかく大人しげな少女としての槍水仙。元々の彼女って、実はかなり大人しい引っ込み思案で内向的な少女だったんじゃないだろうか。縁日ではぐれかかったときの、オロオロと不安げに慌てる姿や、オバケが全然ダメだったり、お風呂であやめに弄られてる時のものすごい受け身の姿勢とか、今の性格が作ってるとは言わないけど、それなりに変えようとして変えたものだったんじゃないだろうか。あの化粧なんかも、意図的だったわけだし。
かつてのHPの先輩たちを狩り、現役から追い落としたという氷結の魔女の行状の真相とは。いずれ、近いうちにHPと槍水先輩の過去にスポットを当てたエピソードがきそうな雰囲気である。

そして後半は、真打ち著莪あやめが登場。
今回のゲストである禊萩真希乃と淡雪えりかという中学生の少女二人の関係と照らし合わせるように、あやめと佐藤の関係にも改めて焦点があてられてたな。
傍若無人で自由気儘なあやめだけど、その彼女がこの二人のすれ違いに、自分と佐藤の過去の諍いを思い起こして、これだけ肩入れしてしまう、というのはそれだけ彼女が佐藤との関係を意識して特別視してるってことなんだよなあ。

相変わらず、佐藤とあやめのスキンシップは常軌を逸している。これはもう、家族的とすら言えないよなあ。
高校生にもなって、普通にあやめが佐藤の住処に泊まりに来る(独り暮らしだぜ)という時点であれなんだが、泊まった時基本的に同じベッドで一緒に寝る、しかもだいたい抱き合って、てのが普通って……どうなんだ?
しかも、寝る時彼女の髪が濡れてるとえらいことになるから、と佐藤が習慣的に風呂上がりには、あやめの髪をドライヤーで乾かして梳かしてる、とかさ。
どんなイチャイチャカップルだよ、と思いたくなるところなんだけど、こいつらそういう意識なくて、ほんとに習慣的にやってやがるからなあ。変にエロいくせに、恋愛臭がまるでしなくて、読んでるこっちはなんか酔っ払ってくるよ。
恐ろしいのは、佐藤はまるであやめに対して女性の性を感じていないように見えるところか。少なくとも欲情らしきものは一切していない。先輩に対してはあれほどエロい目で見ているくせに。興奮しているくせに。
でも、あやめを女と思ってない、というにはどうにも自分たちのスキンシップが他人の目にはどう映るかは分かっている気配もあるんだな、これが。あの火傷に唾つけるシーンなんか見るとね。一応、周りの目、気にしてるわけだし。
いや、しかし口の中を火傷した部分を舌で舐めまわすのは、キスとどう違うんだろう……いや、でも確かにこれ、キスじゃないんだよなあ。参るよなあ。
この二人は、お互いに不可欠、隣にいるのが当たり前、という関係なんだけど、それぞれ互いの関係について少し見ている光景は違うのかもしれない。

なんにせよ、あれだけの戦いを見せたんだから、佐藤もそろそろ本格的に二つ名がついてもおかしくなさそうなんだがなあ。アレ以外でw


しかし、毎回毎回佐藤父のエピソードは気が狂ってる。あの親父は、そもそも人間なのか? なんなんだ? 
ここまで大人げの一切ない大人って、見たことないんだがw
この男が普通に働いて普通に収入を得ている姿がまるで想像できないんだ。
その上、今回は母親もそうとうキてしまっている残念な人間だということが発覚してしまい、……その、なんだ。佐藤は、まあ、よくまともに育った方だったんだな。こいつ、バカだけど、真人間だもんな。

天川天音の否定公式5   

天川天音の否定公式 (MF文庫 J は 6-4)

【天川天音の否定公式】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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うわあ、前作の【この広い世界でふたりぼっち】とはまるで違うじゃないの。この人、こういうのも書けるんだ、と感心してしまった。いやはや、作風の範囲が広いというのは、いいことだと思うよ。
それに、個性を消してしまったわけではなく、後半ラストの主人公周辺の情報が浮き上がってくるらへんのシーンでは、前作で作品全体に立ちこめていた深く立ちこめる白い霧を連想させる、うすら寒くも厳かな幻想神話の雰囲気が確かに感じられたんですよね。前作がとにかく自分の持ってる特色部分を先鋭的に研ぎ澄まし、特化させた作品だったとしたら、今回のはそれをうまく引き出して使いこなしているイメージ。その意味でも、非常に驚き感心させられたんですよね。よほど地力が高くないと、自分の作風をこんな風に掌握して使えないですよ。前作みたいな作品書く人は、書き方事態に引っ張られ、引きずりまわされてしまいがちだしねえ。

個人的には序盤の異能編は普通だったんだけど、際立って素晴らしかったのが猫被ってた天音の本性に主人公が慣れ、同時に瑛子が仲好くなった二人の関係に気づいて割り込んできたあたりですか。
すなわち、ラブコメパート!! これが、とんでもなく素晴らしかった!!
瑛子と天音がぶつかりだしたあたりから、二人に振り回されてるみたいに見えていた主人公・雪道の本性が明らかになってくんですよね。雪道の策略で、天音の猫被りが瑛子にバラされ、有耶無耶のうちに二人とも仲良くさせられてしまった挙句に、ヒロイン二人がまとめてマイペースな雪道のノリに振り回されまくる、という展開に(笑
「あーん」とか、極悪だぜ、あれw

でも、この三人の関係が、ほんとにすばらしいんだ。個人的に、こうした誰が欠けてもいけないトライアングルの三角関係って、ツボにハマりまくるんだよなあ。雪道の瑛子を大事に思う気持ちとか、瑛子が雪道を好きな気持ちの純粋で真っすぐな温かさは、ほんと可愛らしくて眩しいくらいに思えるし、そんな二人に出会った天音の無邪気さ。弄られ、可愛がられ、大事にされ、という関係は、ほんと読んでて楽しかったし、ニヤニヤしっぱなしだった。
中盤から、ただ巻き込まれていただけと思われていた雪道の存在に突き付けられた謎の、寒々しさを感じさせる不穏な空気が、余計にこの三人の関係を引き立たせていた気もするなあ。能天気ではない、今にも崩れそうな前提の上にあるからこそ、尊くも眩く大切な関係、という感じで。

御堂叶流も、これ思いのほかイイキャラだったなあ。いや、途中まではそんなにイイとも思ってなかったんですが、エピメテウスに対してあの態度・表情のまま、あんな事をナチュラルに云った瞬間にガラッとイメージ変わりましたよ。あの理由だけなら、ここまでグルっと変わらなかったんですけどね。ただ、言動通りの人間じゃなかったんだな、と思うだけで。
ただ、それまでもあの奇矯な物腰の侭、自然にああいうこと言われてしまうとね、いきなり底が見えなくなった気がしたんですよね。考えすぎかもしれませんけど。

にしても、面白かった。セリフの中にも、短いくせに異様に印象に残る名セリフも多いし。「全部」とか「光だ」とか、もうグッと来ましたよ。
後半行くほどテンションあがってきて、これはホント、予想外に傑作でした。やー、面白かった。
最後の雪道の叫びには、もうニヤニヤしすぎて、顔面崩壊だったw

時載りリンネ! 5.明日のスケッチ5   

時載りリンネ! 5  明日のスケッチ (角川スニーカー文庫)

【時載りリンネ! 5.明日のスケッチ】 清野静/古夏からす 角川スニーカー文庫

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前作からはおよそ八カ月ぶり。長編としては丸一年ぶりとなる時載りリンネの新作。長らく間が空いたことで、その筆調がどう変化するのか、期待と不安に身を焦がしページをめくり、めくり、めくり……この読み終えたあとに口元から溺れ落ちていく至福に満ちた溜息の大きさときたら……。
嗚呼、まいった。空白は純粋に更なる高みへ至るための準備期間にすぎなかったわけだ。
素晴らしい。いっそこの一言で片づけてしまいたくなる。この本の文章の美しさ、豊潤にして上品な、それでいて身近で優しくやわらかい、その温かくも涼やかな文字列を前にしてしまうと、自分の書く言葉の貧相さに居た堪れなくなってしまう。ただ、そんな自分でも言葉を尽くして伝えたくなるモノが確かに、ここに存在するのだ。恥じ入って身を縮め、顔を伏せてしまうような居丈高な力強さではなく、すべてを受容し受け止めるような優しさに満ちた潤いが。

子どもたちは子供たちであるがゆえに、その場に立ち止まり続けることはなく、全力で弾むように前へ前へと走っていく。それは進歩であり成長であり、無垢で無邪気な子供であり続ける事から飛び立っていくということでもある。
リンネもまた、たび重なる冒険と、多くの人々との出会いと、変わらぬ日常の繰返しを経て、成長を続けている。常にそばにいて彼女のことを見守っている久高の目から見ても、その変化は顕著であり、そして彼女はリンネであり続けている。
子供であり、女の子であったリンネが垣間見せるようになった大人びた横顔。美しい少女の所作。思慮深いまなざし。それでいて、輝かんばかりにはじけるリンネという存在のまばゆさは何一つ変わらない。
とても健やかに、とても素晴らしい形でリンネはすくすくと前へと進んでいる。
それがとてもうれしく、また年甲斐もなく久高に同調したように、心臓をドキドキさせてしまった。
ふと思う。考えてみれば、自分も罷り間違えればこのぐらいの年頃の子どもを儲けていてもおかしくない年齢だ。そう思うと、この眩しいばかりの子供たちの姿に、思わず目を細めて微笑んでしまう。
そう、子どもたちはいつだって見守るものたちの想像をはるかに飛び越えて、成長していくのだ。
少し生意気になったねはんのように。以前よりも我が強くなりよくお喋りするようになった凪のように。

自分は時載りでも文学少女でもないけれど、このシリーズを読み終えるといつだって、空腹が満たされたようにお腹がいっぱいになる。心踊りながらも平穏に、テンションはなめらかに、疲れは吹き飛び、心底からリラックスして、穏やかな多幸感に身を浸す。それは、暑い夏に吹きぬけていく涼やかな風のように。寒い冬の空の下、暖炉にともった火のぬくもりのように、私を優しく癒してくれる。


相変わらず、このシリーズの感想は具体的な中身に触れることができず、ついつい叙情的に湧き立つ心情を語ってしまうのは、少々反省した方がいいかもしれない。
ついつい読み終えた端からつらつらと繰り返し同じページをめくってしまうのだが、なるほどこの年頃の子どもというのは、本当にすくすくと成長していくものなのだな、と感心してしまった。叙述係であるところの久高にしても、リンネの成長はどうにも脅威のようである。これまで、彼の彼女に関する記述の中には、異性であることを意識する描写は目立って多くはなかったと思うのだが、今作に関しては所々でリンネの中に少女を感じているようだ。その感覚に対して怖気づかないあたりは、この少年が伊達にこの天衣無縫の少女の相方を務めているのではないことがよくわかる。
きっと、この少年と少女がいずれはぐくんでいく恋や愛というものは、情熱的であったとしても、穏やかなものなのだろうな。まあ、両家の間では既にリンネの嫁入りは確定事項らしいが。それに対して、照れ隠しはしてみせても、否定も反発もしないあたりは、やはり久高は大物だと思う。

レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い5   

レンタルマギカ  滅びし竜と魔法使い (角川スニーカー文庫)


【レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い】 三田誠/piko スニーカー文庫

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全部読み終えたあとにこそ、この表紙は威力を発揮するよなあ。
これは、戻らない日常の風景。これこそ、取り戻すべき宝物の姿。
とりあえず、アディと穂波、喧嘩しすぎ仲好過ぎw 相変わらず、肝心の社長がほったらかしの構図なのであった。

というわけで、<螺旋なる蛇>に拉致された挙句、<協会>から禁忌認定されてしまったいつき。かつてないほどの大ピンチになってしまったわけだけど、そうなってくると極端に難しい立場になってしまうのが<ゲーティア>の首領であるアディリシアになるわけで。魔術結社の首領としての立場と一人の少女としての想いに板挟みになり、苦悩するアディ。でも、そもそも彼女は魔法に身も心も何もかもを捧げた身。彼女がそれを捨てていつきを優先するという事はあってはならない事なんですよね。これは、作中の立場のことを言っているのではなく、アディリシア・レン・メイザースというキャラクターの根幹に基づくお話。アディがここで恋に日和ってしまうと、アディというキャラの魅力そのものが崩壊してしまうんですよね。一人の女としての恋に揺れながらも、魔法使いとして誇り高く気高く生きる姿こそがアディの魅力であり、いつきが憧れる少女の在り方なのですから、それが崩れてしまったらそれはもうアディではないわけです。
でも、ただ単純にいつきを見捨てるなど、アディの心情からしても話の筋立てからしても成り立たないわけで、いったいどう折り合いをつけるのかとハラハラしながら読み進めていたわけですが。
……ま、まいった。参りました。
この女、マジすげえよ。ほんとにすげえ。
魔法使いとしての在り方に徹しながら、女であることを貫いた、凄絶としか言えないアディの覚悟は、衝撃的ですらありました。
正直、状況の打開によってアディが苦悩から解き放たれる方の展開を予想していただけに、まさかアディがあそこまで覚悟を決めるシーンが持ってこられるとは、いやはや感服しました。
彼女が常々意識している、魔神を呼ぶにあたっての代償。既に捧げたモノ、これから捧げなければならないもの。それは彼女を魔法使いとしての限りない高みへと届かせるものであり、彼女を限りなく日常から遠ざけるものになってしまうものです。より、純粋な魔法使いに。
それは、いつきがアストラルの社長を務める中で育んできた思想。想いと合致するものなんだろうか。いつきがアディに抱く憧れに似た憧憬に沿うものなんだろうか。魔法使いでも幸せになっていい。魔法使いを守りたい。彼の願いが、どうかアディに魔法使いと少女の二つの在り方に矛盾しない形で叶ってほしいと願ってやまない。

妖精眼という特殊な力を有していたいつきだけれど、彼の本質であり、彼の本当の力は、それではなかったんですよね。彼の強大な力が奪われてからこそ発揮された、彼がこれまでアストラルで培ってきた力――人と人。本来孤高であるはずの魔法使いたちの繋がりが、いつきのために集い、力を合わせ、ひとつの大きな流れとなって収束していく姿は、以前の鬼祭りのそれを上回る、でっかい感動でした。


フィンは以前は中身が空虚でどこか自働人形じみた青年でしたけど、今回いつきに相対したときの姿は、まるで違って見えました。本人も自覚があるようですけど、願望器であるはずの彼が、間違いなく自分の意思と願いで動き、いつきを救おうとしていた。それは、以前穂波の願いに応えて動いていた時とは、確実に違っていましたよね。
不思議と、<螺旋なる蛇 オピオン>って、根本的なところでは決して邪悪っぽくないんですよね。あの多種多様な系統の魔法使いが集まり、強力している姿は、どこかアストラルと似通った一面を垣間見るのです。
<螺旋なる蛇>がいかなる理由を以って創設されたのか。その根源に関わるものとは誰なのか。幾つか想像、予想はあるのですが……うん、第三部では明らかにされてくるでしょうし、しばらく捏ねまわしておくとしましょう。

影崎さんの正体はほぼ明らかに。いや、それよりも黒羽の対影崎能力の高さは凄いな、ほんとに。この相性の良さは影崎の正体と黒羽が幽霊という事に通じるのでしょうか。まあ、黒羽の性格と聡さが大きいのは間違いないのですが、影崎のあの一目の置き方は不思議なくらいなんですよね。いや、あんなズバズバ無色透明なはずの黒崎の本質の中に切り込んでこられては、一目置かざるをえないか。彼が脱ぎ捨てたはずのものを、彼女は容易に見つけ出し、突きつけてくるわけですから。
面白いなあ。幽冥の存在である黒羽が、ある意味では影崎を現世に繋ぎとめるような関わり方をしてるようなもんだもんな、これ。


そろそろお坊さんには帰ってきてほしいなあ。あの二人が離脱してしまい、彼女が加わったとなると、アストラルの平均年齢がえらいことになっちゃうし。それに、アディが色々と瀬戸際まで来ているこの状態、ダフネがまた鍵を握ってきそうな感もあり、その彼女を支えられるのは坊さんしかいないだろうし。
カップリングというと、みかんはやっぱり猫屋敷っぽいなあ。両方、そんな気はないんでしょうけど。でも現段階で二人ともお互い、ただの同僚、仲間ではないどっか特別な存在として意識している節がありますし。まあ、歳の差は気にしない方向で。

力を失ってしまったいつきだけど、果たしてあの生命の実だけが彼の中に秘められていた秘密だったのだろうか、というと首をひねらざるを得ないんですよね。ダリウスも疑問を抱いていましたが、いつきの異能と生命の実――竜という存在は合致するようで、どこかズレてる気もするし。
まだまだ、なにかありそうなんだよなあ。

とにかく、第二部完結編に相応しい、素晴らしい盛り上がりでした。
辰巳兄ちゃんも、ここにきてその超絶的な力を発揮してくれましたし。この人、本気で凄かったんだなw
いや、鬼祭りではいまいち活躍しきれてなかったから、気がつかなかったんだが、螺旋なる蛇の幹部と伍するほどだったとは。あの敵には、前はぶっちゃけボコボコにされっぱなしだっただけに、それとまともにガチンコしてるというというだけで、その強さが知れる。
まあそれを言うなら、猫屋敷の本気もとんでもなかったわけですけど。

うーん、返す返すも戦力ダウンが痛い。まー、アディも穂波もこのまま黙ってるタイプではないから、否応なくレベルアップしてくるんでしょうけど。

レンタル・フルムーン 第一訓 恋愛は読みものです4   

レンタル・フルムーン〈第1訓〉恋愛は読みものです (電撃文庫)

【レンタル・フルムーン 第一訓 恋愛は読みものです】 瀬那和章/すまき俊悟 電撃文庫

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作者のデビュー作は、どうにも肌が合わなくて一巻で離脱したのだけれど、今回のシリーズは何やらこう、ビビッとくるものがあったのでアタックをかけることにした。ラノベ買いにも経験の積み重ねによる勘というものが働くものなのだろうか。何気にこういうパターンでビビッと来た時はハズれないんですよね。
というわけで、こいつは見事にクリーンヒット。全体的にコメディ調なのだけれど、ヒロインの境遇とそれに関わることになる主人公の心情については、驚くほど真剣に描かれていて、ふざけたバカ話になりそうなところを絶妙なバランスで良質のラブコメディに整えているあたり、逆にバランス感覚が絶妙すぎて、一歩踏み外せば全体が崩れてハチャメチャになってしまいそうで怖いくらい。ある意味、スリルだ(苦笑
帯のポップにはちょっと“残念”なキャラクター達によるファンタジックラブコメディ。となっているわけだけど……確かに、みんな「残念」なんだよね。誰だよこれ考えたの。絶妙じゃないか。
確かにキャラクター、みんな、色々ともう笑っちゃうような「残念」な部分があって、間が抜けてるんだけど、決して悪い意味でのダメさじゃないんですよね。短所や欠点というよりも、これは愛嬌だよね。
ヒロインのツクモも見事なくらいに「残念」(笑
この子って、立ち位置や立ち振る舞いは面白いくらいに何でもできる完全無欠美少女なのに、体力ないし頭も(智謀とかそっちね、いやでも普通に頭悪そうだな)実はあんまり良くなさそうだし、基本ドジっこだし、という見事な残念賞(笑
そのくせ無意味に偉そうだし。自分の言い間違いとか勘違いとか頑として認めないし、横暴だし。でも、嫌らしさはなかったりする。態度自体、竹を割ったようにサッパリしてるし、偉そうにしているわりに偉ぶらないし。主人公がへまやったり、大失敗やらかしたり、ラッキースケベを発動させたりしても、怒ったり責めたり八つ当たりしたりしないのですよね。恩着せがましくもしないし、逆にベッタリ感謝してくるようなこともない。意図して距離を保ってるとか、そんな器用な事が出来る子でもないので、本質的に単純にサバサバとした気持ちのいい性格の女の子なんじゃないだろうか、この子。いや、普段のあの偏屈な態度からはなかなか想像しにくいけど。
そっけないようにも見えるけど、素であんな感じなだけっぽい。むしろ、明快に態度に出るわけじゃないんだけど、なんだかんだと一緒に過ごすうちに、主人公の事を深く信頼して頼りにしていく様子が、けっこう如実に見えてくるんですよね。
読書好きという同好の士だからこそ通じる話題で、二人が語り合うシーンが度々挟まれるんだけど、これがまたいいんですよね。余人には首を突っ込めないような、二人だけの柔らかくも静かな時間。交わす言葉の一言一言に、これまで出会えなかった同好に士に巡り合えた喜びが垣間見え、普段そっけないツクモが、こういうシーンの時は飛びっきり間近で心を許したように微笑む感じが伝わってきて、なんちゅうかこれ甘酸っぱいよ(笑
とはいえ、他人の心の機微に少々疎いところがあるせいか、男心をもうちょっと考えてやれよ、と思うようなシーンも。
そう考えると、普通のラブコメとは男女の配置がこれ、逆になるのか。鈍感なのはヒロインの方で、主人公の方はさっさと自分の恋心に気づき、それをもてあましながら悶々と悩むことになるわけだし。
過去での出来事から、他者に深く関わることを避けるようにしてきた主人公が、ツクモに関わるようになったのは、最初の遭遇こそ偶然だけど、それ以降は彼の意志なわけだし、その意味では巻き込まれ型主人公とは一線を画しているわけか。どうして自分が彼女を手伝うのをやめられないのか。自分の気持ちから目を逸らさず、きちっと向き合ってとっとと直視して認めてるし、初めて抱いた気持ちに懊悩しながらも、肝心の場面ではしっかりとやるべきことを間違わない。変わることを恐れながら、いざとなれば恐れず立ち向かうその勇気の発露はカッコいいの一言。好感度高いよな、この主人公も。やたらと不幸体質で、かなり可愛そうな子なんだけど(苦笑
とはいえ、ツクモに対しては十分脈ありそうでよかったね、だ。彼女の方は、他人どころか自分の心の機微にも疎いようで、自分の気持ちとか全然分かってなさそうだけど、主人公新太と喧嘩したあとのメタメタっぷりを見てると、彼の存在が彼女の中でとてつもなく大きくなってたのがよくわかるし。
ラブコメながら、これはカップル的には鉄板で進みそう。
ヒロインにはなりそうにならないけど、マスコットとしておこじょ娘のクルンが可愛すぎるんですが。なんだ、この健気の塊みたいな生き物は!
この子が描いてる日記見てると、新太が思ってるほど純粋無垢な生物ではないようなのですが(というか、新太。序列、下に見られてるしw)、それでも十分健気でかわいいよっ!

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偽物語(下) (講談社BOX)

【偽物語(下)】 西尾維新/VOFAN  講談社BOX

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やっべえ、これはやっべえよ。火憐ちゃんがマジ可愛いんですがッ!
上巻で、阿良々木ハーレムの面々を津々浦々と梯子して遊んでいた弊害か、肝心のメインヒロインであった火憐との掛け合いがめっきりと少なくなってしまい、初登場にも関わらずなんか印象薄かった背の高い方の妹様だったのですが、この下巻ではその分を取り戻すようにどっぷりしっとりと、火憐ちゃんとの掛け合いを堪能させていただきました、ええさせていただきましたとも。
誰だよ、上巻で妹には厳格に接するのだ、とか偉そうにのたまってた兄者は。阿良々木、てめえほんと口だけじゃねえか。何が厳しく接スルダ。何が妹たちとはあんまり仲が良くないだ。
…いかん、今回のこいつの乱行を黙々と追っかけてると、あの天上の変態こと、神原さんが至極まともで常識的な人に思えてきた。あいつ、変態だけど、ちゃんと我慢するもんな。阿良々木くん、一切我慢しないもんな。口では自分が一番常識的みたいなこと言っといてからに、一番無茶苦茶してやがるじゃないか、この野郎。
わりと理性が飛ぶの早いし。
今回、中学生の姉妹と小学生にしでかしたセクハラの数々を箇条書きにしてしまうと、論理的にこいつが性犯罪者だというのが立証されてしまうので、やめておこうと思ってしまうくらいに、ヤバいよ、阿良々木くん(笑

妹のおっぱい、ぷよぷよ七連鎖とか、もう自重してくださいw 如月千早の中の人のぷよぷよソングが頭の中を重奏してしまったじゃないか。
しかし、火憐ちゃんがこれほどのエロ要員としての類い稀なる素質を有していたとは、まったく自分の目がどれほど節穴だったかを思い知らされる勢いだゼ。
歯磨きシーンなんか、月火が現われなかったら、あれマジでどうなってたんだ?

「いいよ、兄ちゃん」


だからなにがイイんだよ!! 他に解釈のしようがない完璧なもうマルっとオッケーサインじゃないっすか。スイッチ完全に入っちゃってたじゃないっすか。そして、二回戦をおねだりする火憐ちゃんが可愛すぎたんですが、おかげさまでドウシテクレルッ!
ちなみに、【こころナビ】の昔より、私にとって「兄ちゃん」の認証こそ、至上にして至高の認証であることをここに表明しておこう。
何気に最後、兄ちゃんに言われたことを頑なに守ってた火憐ちゃんに、一番キュンと来た。ちくしょう、純粋一途でまじ可愛いじゃないか。
最初、妹をちゃん付とか変なのーとか思っててごめんなさい。火憐ちゃんは火憐ちゃんが一番だよ、ほんとに。

と、火憐ちゃんがピックアップされるのとは対照的に、本来のメインヒロインであるところの月火が、今回は逆にまったく目立っていないという羽目に(苦笑
ある意味、今回の一件で彼女がメインとなる事件でありながら、彼女がほぼ蚊帳の外に置かれてしまったというのは、まったく兄貴である所の阿良々木くんが、ほぼ完璧にお兄ちゃんとして妹を守り切ったという証左とも言えるので、これはこれで阿良々木くんを褒めるべきなんだろうけど。
うん、今回の阿良々木くんの見事なお兄ちゃんぶりには、感動すら覚えた。これぞお兄ちゃん。変態だろうと人間失格だろうと、妹にどれだけセクハラしようとも、これだけかっこいいお兄ちゃんぶりを見せてくれたら、文句言えねえなあ。
ファーストキスを奪われて、おっぱい揉まれて踏まれて、裸にされて着せ替えさせられても、文句言えねえなあ……いやいや。

「もうお兄ちゃん、妹のおっぱい触りすぎ!」


これはもう、何十年単位で後世に語り継がれる名言だよね。百年後、きっと教科書とかに乗るんだぜ。大学の国語の試験とかに遣われるんだぜ。

しかし、欠かさず八九寺イジリをして、シスターズにセクハラしてと、今回は他のヒロインズはほとんど登場しなかっただけに、一貫してロリコンだったね、阿良々木くん。
キャラが更生してしまったガハラさんが、具体的にどんなあり様になってしまっているのか(デレドロ?)、具体的に見てみたかったところだけど、その辺は次回作以降で目の当たりにできるのかしら。
アニメ化に関しての八九寺との掛け合いがメタすぎて、吹くとか吹かなかったとか。

さり気に嬉しかったのは、忍との相棒関係がこれでもかと強調されてたところですなあ。不思議で強固な信頼によって結ばれた、生涯のパートナー。以前語っていた償い合うような関係じゃなくて、お互いをとても大切に思っているような描写が端々に刻み込まれてて、うん、良かったなあと、嬉しく思ったわけですよ。彼女が相変わらずブッチギリで最強であるのをきっちり証明してくれたのも良かった。やっぱり、この子は無敵で痛快無比でないと。


ちなみに、プリキュアは初代が至上というのには同意せざるを得ないが、実のところ今放映してるフレッシュプリキュア!も、かなり面白いという点は強く主張したい。イース様万歳!!

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【Landreaall 14】 おがきちか IDコミックス ZERO-SUMコミックス

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かー、どうしてAmazonは表紙絵こないかなあ。二ヶ月くらいかかるそうだけど。ちなみに今回の表紙絵は原点に返ってか知らないけれど、DXとイオンの姉妹二人。加えて裏はお久しぶりのリゲイン&ファレルのお父ちゃんお母ちゃん若いころバージョン。いやー、何度見ても若い頃の傭兵時代のファレル母さんはデラカッコいいわー。この裏表紙、さり気なく二人が腕組んでるのがにやけるねえ。


はてさて、本編の方はというと、アカデミーも夏休み。DXとイオンはそれぞれウルファネア王国の一件とアカデミーでのモンスター襲撃事件を経て、故郷に帰郷中。そのへんの後日談と言うか、事後処理というか。DXもイオンも、それぞれに事件を通じて自分の立場というものを否応なく顧みなくちゃいけないことになったからなあ。その辺の心境の整理と、周りの事後処理なんかをバラバラと、って感じかしら。

と、初っ端からメイアンディアとレイ・サークの密談――というかこれはディアの脅しだよなあ(苦笑 からはじまるあたり、怖いねえ、色々な意味で。ディアって大老と関係あるって話は前してたみたいだけど、なんかこう、先生と生徒みたいな感じなのね。とはいえ、単純な師弟ではなさそうだけど。天恵が絡んでるみたいだし。しかし、ここでレイ・サークが言ってるディアの天恵って、かなり物騒なような……。
という能力的なもの以上に、レイ・サークが、あのレイ・サークがここまで彼女にビビるっていうのは、ディアがある意味アンちゃんよりも喰えない人ってことだよなあ。怖い怖い。
そのディア、個人的興味、好奇心の類いをDXに抱いてて、レイ・サークに彼「で」遊ぶなと釘さしているわけだけど、今のところ恋愛感情とかは皆無っぽいなあ。とはいえ、私的に関心を抱いているというところは非常に注目だけど。どうもまだ断片的にしかそのキャラが垣間見えてこないけど、こんな風にレイ・サークを掣肘しつつけし掛けるような真似をするタイプの子じゃないんだよね、ディアって。単なる好奇心だけでは、ここまで攻撃的アプローチをするとは思えない。まだ今のところ自分が直接彼の懐に飛び込んでDXという人を確かめたいと思うまでには至っていないみたいだけど、それも時間の問題じゃないのかな、これは。
いや、どうだろう。本心はすでに彼の傍に行ってみたい、というところまでは思っているのかも。レイ・サークに対して、貴方は傍にいられるんだから、みたいなことを言っていることからすると……。
やっぱり、公の裏側っぽい立ち位置に身を置いて動いている立場だからだろうか。大老の密偵というほどアウトサイダーな立場じゃないみたいだけど、その意を受けて非公式に立ち回ることくらいはしてそうだなあ。以前のDX暗殺未遂事件の処理の仕方なんかを見ても。


竜胆と五十四さんは、DXとともにエカリープに滞在しているのだけど、海老庵師父とリドとの挨拶がこれまた秀逸。ここのやりとり、最高だわ。イオンの面くらいっぷりもさることながら、リドの気づくまでの過程がねえ(笑
ここでウルファネアの常識にとらわれず、自分の常識がエカリープでの海老庵先生の扱いとかけ離れていることに気づいた途端に、赤面できる、というのはリドの偉い所だよなあ。郷に入れば郷に従えで表面上合わせているのではなく、ちゃんと恥じ入ってるもんなあ。

リドと先生の話は、ちょっと衝撃だった。海老庵先生、まさかそんなことになっていたとは。だとすれば、五十四さんもそうなんだよなあ。
彼女、さらっと自分の将来について語ってるけど、イオンたちが聞いたらそれショック受けるぞ、絶対。リドがそんな五十四さんの宣言に顔色一つ変えていないのも、ちょっと吃驚と言うか、いや吃驚じゃないな。もう飲み込んでいるんだろうね、そういうものだと。でも当たり前のことだとも思っていないのは、DXやイオンたちのことを慮っているのを見ても明らかで……。この辺、やっぱり単純で純朴なだけの青年じゃないんですよね、リドは。ニンジャを使う為政者としての心構えみたいなものがしっかりと出来上がっている。あれほどニンジャと主としての枠を超えて姉弟のように親密にしている五十四さんのことにもそれが普通としちゃってるんだもんなあ。いや、これ傍から聞いてたらけっこうショックですよ、うん。

リドとDXのここでの会話はよく覚えておいた方がいいのかもしれない。ウルファネアで自分の立場を利用したことを踏まえての、DXの今後の指針のようなものだし。ある種の感性に基づいて奔放に生きてきたDXだけど、今後はこんな風に自分についてよくよく考えながら歩いていかないといけないようになってきたんだなあ。
とはいえ、思いついたことは忘れちゃうから自分の言ったこと覚えておいて、とリドに丸投げしちゃうあたりが、DXの素敵なところだ(笑
ある意味、こうして熟考して道を確認しても、とりあえずポンと頭の中を白紙にしてしまえるDXだからこそ、瑞々しいまでの自由さを失わないのかな。常に新鮮ってね。もちろん、忘れたからと言ってなかったことにしているわけじゃないから、大事なことは積み重なっていくわけだし。


おおっ、増刊号に載っていたというアカデミーでのビックハンドとティティとの会談もちゃんと載ってるじゃないか。ここで、ティティの視点から事件が要約され、彼がどんな風に一連の事件を捉えていたかをこうして詳らかにしてくれたのは、大いにありがたい限り。
イオン…イオンか。本物のお姫様? 彼女が信じたからこそ、本物の騎士団になれた……か。この辺の解釈と言うか、騎士がどう騎士らしくあるか。偽物と本物の違い。本物の淑女、本物の騎士。この相関の考え方は、作者のブログでもハルとジアの話と絡めて少し語られていたけど、興味深いよ。
式典の話を読んでても、本来ならモブ的な立ち位置にいるキャラまで非常にこと細かく設定が定まっているのがよくわかる。ブログでもちょこちょこっと触れられてますけどね。あの人が王子さまだったなんて、びっくりだよ(笑
読者の目の届かないところまで事細かく決めごとをしていて何の意味があるのか、って考える人もいるかもしれないけど、これは作風にもよるのだろうけど、むしろ表に出てこない膨大な設定こそが、巨大な基礎となって物語の自由さ、どこにどう進んでも世界が広がっているという広大さ、奥深さを支えているんですよね。特にこの作者先生はでっかいタンスの引き出しをちょこちょこ引っ張り出して、それを漫画にしてるような感じだからねえ。以前、伏線なんてあんまり考えて描いてないよー、みたいなこと書いてらっしゃったんだけどね。あれは感銘受けたなあ。意を得た、とも言えるかも。自分もちょっと経験あるんだけど、伏線って事前に仕込むもんじゃなくて、その場でぐるっとまわりを見渡して、そこにあるのを見つけてつまみあげてホイっと叩きつけるもんなんですよね。実のところ、その方が効果的かつ映えた形で機能していた、という経験が自分にもあるわけで。事前に準備しておくと、ルートが硬直化しちゃう上に、道幅が狭まっちゃう場合、あるもんねえ。まあ、あるがままをあるがままに描き広げていける、というのはそれこそ、才能とセンスと根気と暢気さと小まめさといい加減さがないとなかなか難しいしなあ。

ここでフィリップが女の子たちから勲章を受け取り、感謝の言葉を賜るってのは、大きいよなあ。イオンのために、本物の騎士になることを誓ったフィルだけど、これでもう、イオン個人のためじゃなく、淑女の理想のために騎士たるを目指すだけの理由が出来たわけだし。


んで、エカリープの休日、というかこれは日常編だわなあ。日常編でモンスター退治、というのはらしいといえばらしいんだけど。いや、さらっとエカリープ、ひいてはアルトリア王国の他国と違う特色がここで紹介されてるんですよね。竜を持たない国、か。なるほどねえ、そういう意味合いをこの国や、騎士団は持っていたわけか。
しかし、あのシャツは酷いにもほどがあるぞ(爆笑

最初「?」だったんだけど、リドが所有している刀と海老庵先生が渡した刀だと、あとから渡した「泥み香梅」の方が格落ちなんだ。役不足の言葉を正確に使ってるのって、そういえば初めて見たかも。これって、本来の理由だと意外と使う場面ないんだよね。
いや、しかしDXのシャツの「不能中」が目に入るたびに笑うw

このモンスター討伐で、DXが地元の子供たちを指揮してるのって、何を暗示してるんだろうねえ。DX不在だったアカデミーでのモンスター襲来でのDXの資質を示してるんだろうか。いや、ウルファネアでの一件を経てDXもだいぶあり方変えてる部分なるからなあ。
それにしても、この安定感。この視野の広さはやっぱり凄いよなあ。わざわざ子供たち引っ張り出して、ってのは自覚してやってるんだろうか。それとも、純粋に子供たちのため? 相変わらずDXって何考えてるのか分かりやすいようでわかんない。もっと見えてる部分を素直に受け止めればいいのかもしれないけど。
一方で、故郷でのイオンちゃん、微妙に大人しいんですよね。いつもならDXなんか問題にならないくらいはしゃいではっちゃけてるのに。彼女は彼女で、アカデミー騎士団の件でよっぽど堪えたんだろうなあ。堪えた、というのは変か。へこみはしてるけど、落ち込んでるって感じじゃないし。エカリープでの彼女は、よくよく考えこんでる感じ。だから、普段と様子が違うのをきづいてても、今回はDX、あのシスコンがあんまりちょっかい掛けずに放っているんだろう。くそぅ、シスコンのくせにしっかりお兄ちゃんしてるんだよなあ。
そして、イオンの問いかけに対してのDXの答え。これ、他の連中だったらどう答えるんだろうね。

今回は大ファンであるファエル母さんが一杯出番あって嬉しいなあっと。なんとー、ファレルて幽霊苦手だったんかー! やべっ、激烈に可愛いw
DXが霊感ないってのは無いよね、無い無い(笑
前に思いっきり幽霊とダンスしていたのに。なんなんだろうね、この子は。素で幽霊相手に霊感ないよー、と言い切れるこの感性は。幽霊が見えたり話せたりすることが霊感があるってことだというのを分かってないんじゃないのか、DXは。だったら、霊感があるとはつまりどういうことだと思ってるんだろう。興味深い。
って、ああそうか。お母さんの影響かよw 刷り込みだな、これ。こりゃあ、DX、子供の頃に相当幽霊のたぐいに絡まれた口じゃないのかしら。んで、そのたびにファレル母さん逆切れして大暴れしてたもんだから、自分には霊感なんぞありませんってことにしちゃったわけか。自己防衛?
それでも幽霊を無視するんじゃなくて、幽霊と平然とおしゃべりしながら霊感ないよー、と言い切るのは面白いよなあ。それはそれ、これはこれってか? 面白い子だなあ、ほんとに。

シメオン、この漫画の場面だとライナスもルーディも座ったまんまだから対比がなくってよくわかんないけど、ブログの集合絵みたら確かにちっこいなあ(笑
チビッ子騎士上等。将来的には伸びるらしいし、気にしない気にしない。
ライナスとシメオン、二人の意見の噛み合わなさは、笑えると同時にこの国の身分における立ち場の違いを如実に示してるっぽいんだよなあ。いや、違うか。立場の違いによって出て来てしまったものに、色々と納得できてないわけだ。これって、アカデミー騎士団というあの事件で生まれた、この国の新しい息吹の一つになるのかなあ。ライナスの立場からはそれがよくわからんからああいう食い違いになるのか、それとも分かっていてわざとなのか。意地悪さんだねえ(苦笑
でも、二人ともその意見にはそれぞれ、好感が持てるのが素敵♪
シメオンって、あの現場ではもっとしっかりとした印象あったんだけど、こっちだとすげえ子供っぽいよね(苦笑
というか、可愛いよなあ、シメオン。彼の騎士の誇りというものへの方向性は素晴らしく好感が持てる。変に頑なな部分はあるけど、悪い気はしないんだよね。ライナスもあれで、けっこう気に入ってるんじゃないのか。


と、とろとろと進んでいたところで、ラストにまた急展開。
これは……おいおいおい、ってな感じですよね。うはぁーー。
この手のタイプの人って、DXが一番反発するタイプじゃないのか? とはいえ、この作品のキャラクターって第一印象当てにならないからなあ。それぞれ一筋縄ではいかない、一見しただけではどういうキャラクターなのか見抜けないんですよね。だから、この人も第一印象の地雷踏みまくってるようなそれも、そう単純なことかどうか。
くくくっ、こりゃあ面白くなってきましたよ。ついに、というべきか。今まで匂わされるだけで真相が未だ明らかではなかった、この国が王不在となった一件。リゲインとファレルが出会う遠因となった革命。おそらくは、DXの将来にも重きをなすであろう事件に、ついに話の穂が向けられたわけだ。
さてさて、アンちゃんだって黙っていなかろうて。って、あの人まだウルファネアか!?


ラストのオマケが相変わらず激烈に面白くて困るんだが。
そして、ウールン様ご一行の世直し旅、マジで読んでみたいんですけど(笑
そして、カバー裏のエカリープ図解。圧巻だよな、これ。あの子供たち一人一人にこれほどまでにお話があるとは。そりゃあモブの一人一人までが瑞々しく生きている感覚がほとばしっているわけだ。それぞれに生活があり、日常があり、目的があり、人生があり。町の子供、街の人、という一言で終わってしまう説明だけで終わらない遠大なバックグラウンドがあるんだから。
そんな連中が生き生きと飛び回ってるんだから、そりゃあ面白いわけだよ。

と、書きまくってたらえらい長文になってしまった。しかも脈絡もなし。
んー、まあいっか。こんな感じです、感想だし♪

BLACK BLOOD BROTHERS 11.賢者転生5   

BLACK BLOOD BROTHERS11  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)

【BLACK BLOOD BROTHERS 11.賢者転生】 あざの耕平/草河遊也 富士見ファンタジア文庫

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終わった。終わってしまった。
その事実を前にして、湧き上がり押し寄せてくる様々な感情の波に、ただただ翻弄される。
しかし、意外なほど喪失感はない。寂しさもない。もうこれ以上この物語の世界に住まう眩しいばかりの魂の持主たちの姿を読めない、というのにだ。
あざの先生のエンターテイナーとしての手管は、その意味では物語を完結させるやり方においてさえ、読者に対して行き届いていると言っていいのかもしれない。たとえ物語が、ページ上に文字列として描かれる形においては終わりを迎えたとしても、この赤と黒の血が交わる世界が泡沫のように消えゆくのではなく、何一つ終わることなく、先へ、未来へ、次の世代へと引き継がれ、様々な物語が紡がれていくのだろうというヴィジョンを、刻みつけていってくれたのだから。
だから寂しさなど何処にもなく、想いを馳せることただそれだけで、再び彼ら彼女らが駆け抜けていった世界の姿を脳裏に垣間見ることができる。刻々と変わっていくであろう世界を想像できる。
それがただ、嬉しい。
終わってなお、物語が続いていくだろうことが嬉しい。

出会いあれば別れあり。
しかれども、別れた先で想った人が元気であり続けてくれるのなら、たとえ二度と逢うことがないのだとしても、別れは決して辛くはない。
つまりは、そういうことなのだろう。



赤い血、人間の。黒い血、吸血鬼の。
この物語では、様々な形の意志の継承。世代を経て受け継がれていく想いというものが描かれてきた。
賢者の血統、ジローに課せられた血の宿命、サユカに受け継がれたゼルマンの意志のような、血によって引き継がれていく、吸血鬼独特の在り方。
また、陣内の遺志をミミコが引き継ぎ、より大きく翼を広げていったような、人間の世代の引き継ぎ方。
どちらが是で、どちらが否というわけではない。そのそれぞれの在り様を、まるまる飲み込み、すべてを肯定するようにして結実していく未来の形。
それはさながら、新しい世界での人間と吸血鬼との新たな関係の誕生を祝福するかのようだった。
カーサや九龍の家族たちが、ワインに託した思いが。ジローとミミコの間にうまれたものが、まさにその象徴、この大きな戦いと世界の変革がもたらすであろう世界の未来の、希望の光の象徴だったのではないだろうか。
まったくすごい。ここまで見事な形で、常にこの物語の根底に流れていたテーマに解答を叩きつけてくれるとは。もう、痺れるような快感に震えるしかないではないか。
おめでとう。ありがとう。ここまで書きたかったであろうことのあまねく全てを余すことなく書き切ってやったぜ、ってなものを見せられては、読者冥利に尽きるというものである。ほんとに。まったく本当に。


しかし、ある種の痛快感、カタルシスにいささか欠けた点があったのは否めないなあ。もちろん、理由は明快にして明確である。
倒されるべき敵。憎むべき仇敵。世界に仇なす大敵であるところの九龍の血統。
あの連中が、あまりにも愉快で、優しくて、温かで、眩しいぐらいの絆と愛情によって結ばれた、とてもとても素敵な家族(ファミリー)であったからだ。
敵として扱うには。倒される相手として見るには、あまりにも最高なヤツラだったからだ。
決して強大な敵などではなく、むしろ抗いがたい世界のうねりに勇ましくも誇り高く、持てる力と知恵を振り絞って戦いを挑んできた弱者たちだったからだ。
その彼らが、一人一人、倒れていく姿に、どうカルタシスを感じることができるだろう。どんな痛快感が生まれるというのだろう。
だからと言って、九龍側にだけ一方的に感情移入していたわけでは無論無い。ミミコの、ジローの、ケインの、サユカの。カンパニーを含めた吸血鬼・人類連合サイドの感情移入度も、最高潮に達していたのだ。
勘弁してほしい。敵味方、どちらもこんなに好きなのに。全身全霊を賭して戦い、抗い、生きようとして、世界を作ろうとしている姿にこれほど心打たれているというのに、その双方が争い、戦う事が運命づけられているんだから。どちらかが倒れなければならないことが決まっているわけだから、辛かったなあ。苦しかったなあ。
かといって鬱になるわけじゃないんだ。恩讐を超えた先、というべきか。互いに憎み恨み負の感情を募らせて傷つけ合った時期は確かにあったと思うけど、この最終決戦には不思議とネガティブなところは感じられなかった。誰もかれもが、眩しかった。光り輝いていた。
相容れぬはずだった二つの陣営。だけれども、戦いは避けられなかったにしろ、互いには認め合い、通じ合う何かが生まれていたように見えて仕方ないのだ。カーサを前にしたケインのあのセリフ。ミミコとカーサの約束。そして、ジローとカーサの最後の戦い。
だから、カルタシスなど感じなかったのは確かだけど、それとはまったく別の、とても深い感慨と、どこか不可思議な爽快感を、この最終決戦から受け取った気がする。

だからこそか。少しばかり、いや大いにか、この九龍の血統を生みだした世界の脈動が憎らしい。
はぐれ者たちの寄る辺となったこの血統だけど、乱を好む性質、血を吸って血族を増やすという特性から、世界と相容れぬ性を持たせ、新たな世界を生み出すための生贄のようにして、従来の世界を壊させ、罪を犯させ、用が済んだら使い捨てるように排除させた、世界が恨めしい。
やつらは、本当に素敵な連中ばかりだったのに。囚われたコタロウが思いのほか九龍の家族たちに馴染んでいたように、
もしワインがミミコを噛んでいたとき、カーサの企みが成ってミミコが九龍の血に感染していたら、と思う事がある。きっと、笑っちゃうほど馴染んでいたんだろうなあ、なんて光景が思い浮かんでしまうのだ。カーサにからかわれながらも肝心な時にはお尻を叩いて喝を入れ、ザザなんかも頭があがらず、ダールからは可愛がられ、弟たちからは小うるさいちいお姉ちゃんとして、うるさがられ、慕われて、ちょっぴり恐れられ。みんなを引っ張り回し、引っかき回し、逆に引っかき回され、頭を抱えて怒鳴り散らす。
そんな光景が容易に思い浮かんで仕方がない。

元は孤児で家族を知らないミミコは、思いのほか九龍の家族たちと相性が良かったのかもしれない。
ミミコがもし、あちら側にいれば。結局、ダールやザザでは抑えられなかったカーサの激情を、カーサという個性を殺すことなく見事に制御できたんじゃないだろうか。
アリスにもジローにもケインにも結局埋めきれなかったカーサの心の虚。それはリズと出会い、九龍の血統という家族を得て、蓋がされたのだろう。彼女は十分、満足していった。
でも、本当に彼女の虚を埋められたのは、もしかしたらミミコだったように思えてならない。この作品の登場人物の中で、もっともミミコという人が必要だったのは、カーサだったような気がしてならない。
カーサとミミコが敵ではなく、家族だったら。そんな「if」に想いを馳せるのが、少し楽しい。

それからすると、ミミコがワインとした約束は、実のところかなり惹かれるものがあるんですよね。
ミミコが本気になってワインを立てるようなことになったら。どこか、心躍るものがないだろうか。胸沸き立つものがないだろうか。
きっと、今回の一件が比肩にならないほどの大混乱が世界を満たすことになるに違いない。一つのテロリズムに過ぎなかった九龍の抵抗は、まったく形を変えた世界を変革する激動になるのがまぶたの裏に浮かんでくる。
そして、その中核にいる新たな家族たちは、きっとかつてのそれに勝るとも劣らない、素敵で愉快な面々であるに違いないのだ。


あとがきで作者が囁いていた、この世界のその後の物語にも相当心躍ったものだけど、ほんとに、終わったにもかかわらずこの作品には想像がつきることない可能性が詰め込まれていて、少し想いを馳せるだけで一気にそれらがあふれだしてくる。
まったく、楽しくて仕方無い。もう終わってしまったと言うのに、楽しくて仕方がないよ。


あと、少しだけ個人にも触れる。

カーサは、結局もう一人の主人公として、見事に走り切ったなあ。
この人は、結局最初から最後まで、どんな立場に立っていても、みんなのお姉ちゃんだったな。アリスたちと一緒にいたときも、九龍の血統になったあとも。みんなの頼りになるお姉ちゃんにして、みんなが守り支え助けてあげないと、と思ってしまうお姉ちゃん。
結局、彼女をよく知る人たちは、みんなカーサが大好きだったんだよね。罪作りな人だよ、カーサは。自分がこんなにも愛されているということを、彼女は頭では知っていたとしても胸の部分で分かっていなかったところがあったんだろうなあ。
もしかしたら、それを思い知ったのが、ケインが目の前に現れたあの時だったんじゃないだろうか。あの激しすぎる動揺は、ケインの想いに打たれたものは当然としても、それ以上に自分がどれほど想われ、大切にされ、愛されていたかを、本当の意味で思い知ったからなんじゃないだろうか、なんてことを思ったり。頭ではわかっていた、みんなが自分を愛していてくれた、という事実に、あの瞬間、実が籠り、色が生まれ、匂いや質感が生じ、本当に確かなモノとして感じとることが出来たんじゃないだろうか。
ただの、想像だけどね。
でも、だから。カーサはさいごまで幸せだったんじゃないだろうか。
そう、思うことにする。


通してカッコ良かったのは、間違いなくサユカさんだよなあ。この人はもう、あらゆる意味で化けた。もう惚れた。彼女に関して書いてたら、それこそ尽きることがないので、もうやめとく。やめとこう。
いやもう、最高にかっこよかったよ。

他にも書きたい人はいくらでも。それこそ、いくら書いても足りないくらいに。
だから、このへんにしておこう。



史上に残る大作にして、傑作でした。
終わることを惜しみつつ、また新たな先生の作品が読めることを喜んで。

葉桜が来た夏 4.ノクターン5   

葉桜が来た夏〈4〉ノクターン (電撃文庫)

【葉桜が来た夏 4.ノクターン】 夏海公司/森井しづき 電撃文庫

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いいわ――、その誰も信用ならないという顔。全てを疑ってかかる歪んだ心。
あなたには才能がある。早く私と同じ立場にいらっしゃい。全てを騙し、謀り、嘘と真実を、正義と利害をいちどきに扱う世界に。



うははは、すげえすげえ。なんだこの主人公は。この南方学という青年は。背筋がそそけ立つ。まだ二十歳にもならないこの歳で、どの権力中枢とも関わりのない一般人の学生の身の上で、それどころか今回のあのとんでもない事件によって、後ろ盾と言ってもいい人脈が壊滅状態に陥るという状況下――何の武器も持たず、防具もはぎとられ、丸腰の状態で砂漠に放り出されたような有り様でありながら、数少ない手持ちの知識と人脈を駆使して現状で自分が為し得ることを引き摺りだし、もはや殲滅戦争という破局に向かって滑落していくばかりだった状況を、辛うじてとはいえ取り返しのつかない最悪の一歩手前で喰いとめたこの手腕。

怪物である。

物理的戦闘能力でもなく、絡まりあった謎を解く知力でもなく、その人間的魅力を以って大勢を動かすカリスマでもなく。
ことこれほど、純粋な政治力だけを武器として巨大な世界そのものへと戦いを挑もうとした主人公が、ライトノベル界隈にいただろうか。ちょっと自分の記憶からは発掘できない。
しかも、彼は王様でも国政に発言力の在る貴族でもない。官位も立場も何もない、後ろ盾すらなくなった子供に過ぎないのだ。実際、彼と葉桜の存在は南方学という個人の才覚に注目している人物こそ何人かいるものの、政治的にはまったく無意味な存在として、どの勢力からも無視されているのが現状だ。茉莉花は戒める。もう、事態は学や葉桜がどうこうできるレベルを超えている、と。監察官稲雀も云う。人が一人動いたところで大勢に影響はない。安全なところで嵐が過ぎ去るのを待ち、葉桜と二人、普通の子供らしく生きればいいではないか、と。
然るに、南方学と葉桜は凄絶ですら覚悟を以って、渦中へと飛び込む決意を固める。
何故なのか。
結局それは、茉莉花や恵吾が穏健派、融和派として長きに渡り政治闘争の激流の中で戦い続けた理由と同じものなんですよね。
愛する人が夢見た理想を守るため。大切な人と共に過ごせる世界を守るため。恵吾が、今は亡き鶺鴒の意志、願いを守るために戦い続けたように。茉莉花が恵吾や学たちとの関係を守るために、評議長の座に立ち続けたように。
そして今、学もまた、ただの子供として誰かが代わりにやってくれるのを待つのではなく、自らの手で葉桜とともに生きることのできる今の世界を守るために戦う事を選んだわけだ。
アポストリと人間である葉桜と学の関係は、アポストリと人間が友好関係にある社会であるからこそ維持できるもの。だからこそ二人の関係を守るためには、社会に干渉し、世界に働きかけなければならない。
幸か不幸か、学にはその才覚があったわけだし。
ある意味これ、セカイ系の対極なのかな?

なかなか興味深かったのは、南方恵吾と茉莉花の意見の違いなんだよなあ。自らの理想を託して、普通の世界ではなく、権謀術数の政治の世界に息子である学が飛び込む事を望んだ恵吾と、渦中から学を遠ざけ関わらせまいとし、(あの事件によって冷静さを完全に失っていたとはいえ)権勢の限りを尽くしてでも、学を守ろうとした茉莉花。
これって、父親としての立場と、母親としての立場の違いによるものなのかなあ、などということをつらつらと思ったり。あの態度を見てると、やっぱり茉莉花って、恵吾のこと、想ってたんだろうなあ……。
そして、学が選んだのは庇護されることではなく、母と妹を見殺しにした挙句に政治的に利用し、また息子である自分を政治の駒として扱う事を厭わなかった、憎むべき父の理想を後継すること。
この辺はやはり、学も男というべきか。


反アポストリ派政治家の暗殺を契機として、【水車小屋】の謀略によりアポストリと日本との関係は急速に悪化。もはや、二度目の戦争がはじまるのも時間の問題とみなされる世論に、彼と葉桜がどういった手管を以って立ち向かうのか。
権謀術数の限りを尽くして、この戦争を止めてやると覚悟を決めた彼の打つ手。薄らとその筋道は、学が最後に開いて見せた、彼が持つ最大にしておそらく最後のカードでもって見えてきたけど、いやもう実際どんな風にこの破局的状況をひっくり返して見せるのか、楽しみで仕方がない。


挽回不可能に見えて、なるほど実のところこの最悪の事態を打開する血路は、なくはないんですよね。今のところ、人間側もアポストリ側も世論は戦争へと傾いているけれど、総意としてそれが決定的になっているわけではない。それどころか、人間側で事態を悪化に導いているのは社会情勢や政府の意志決定ではなく、【水車小屋】という一点に集約されている。つまるところ、人間側は【水車小屋】を。アポストリ側は秋氏族を中心とする過激派を、なんとかすればいい。
幸いにして、両者ともパレスチナ紛争などでのマクシマリストなどのように妥協の余地のない集団ではない。以前の水無瀬の動きや意見などからも、彼らがアポストリを危険視しているのは感情的、恣意的なものではなく、現在のアポストリと日本との関係が将来的に国を危うくするものになると想定した上での行動と見受けられる。アポストリ側の過激派も、燈籠の言葉や茉莉花の語った内容からして、現状の人間との融和政策への一般世論の絶望感を背景とした現状打破のための戦争選択を指針としているわけで、それぞれ、戦争以外に改善不能とみなした問題点に対して、別の解決策、改善に至る証明を示せば、受け入れる論理性を保持しているように見えるんですよね。灯籠なんか危うそうだけど、話聞かない人じゃないからなあ。最後のあの人を守った行動も、自分たちが選んだ道とは別の可能性を閉ざさないため、とも見えるし……。

うーん、しかしこうしてみると、四・一八事件から二十年。二百万近い死者を出す羽目になった破滅的ファーストコンタクトから、南方恵吾や鶺鴒、茉莉花たちはよくぞここまでアポストリと人間との融和社会を構築したと言えるんだけど、同時にそれもここにきて行き詰まり出していたんだということが実感される。
稲雀が言っていたのとはまた別の意味で、恵吾たちは失敗していたのかもしれないなあ。もちろん、それを打開するための尽力を、ずっと恵吾たちは続けていたんだろうけど。でも、どれほど恵吾や茉莉花が奮闘しようと、現状は緩慢な壊死を迎えつつあり、その劇症が【水車小屋】であり、秋氏族の対応となってきたわけか。
結局のところ、一度何らかの形でアポストリと人間との関係は、現状を破却しなければならなかったのかもしれない。
それを戦争によって一度跡形もなく打ち壊すか、それとも今の理想が引き継がれるよう穏当に着地させるか。そのせめぎあいが今、起ころうとしているわけだ。

となると、学の勝利条件も見えて来るな。最後に彼が引っ張り出してきたカードは、それを叶えるための交渉の場に立つための立ち場づくり、ということか。


しかし、ここまで事態が急展開を見せ始めると、前巻で危惧していた葉桜の評議員候補の資格はく奪という事態からくる、拠り所を喪った彼女の不安定な精神をどうやって支えるか、という問題は、事態に巻き込まれてそれどころじゃなくなってしまったなあ。冒頭では確かに、ポッキリ折れかかった葉桜を、どう支えるか学が苦慮するシーンが続いていたけれど。
まあ、幸いというべきなんだろう。葉桜は、縁って立つべきものを、ばっちり見つけたみたいだし。お互いがお互いに寄せる信頼は、もう何があっても壊れそうにないしね。
だが、学の野郎は、もう、ねえ。実にあっさりと、何のためらいも逡巡もなく、前置きすらなしにポンと自分の命を葉桜に預けるあたり、葉桜も生きた心地しないよなあ、これ。三巻でもそうだったもん。信頼しているのはいいけど、いい加減にしないと葉桜の精神すり減るぞ、それ。
この気の利かなさは、父親譲りか。となると、将来絶対子どもと揉めそうだな、こいつ(苦笑

 

7月8日

南野 海風
(カドカワBOOKS)
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神無月 紅
(カドカワBOOKS)
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千月さかき
(カドカワBOOKS)
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アルト
(カドカワBOOKS)
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神山 りお
(カドカワBOOKS)
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港瀬 つかさ
(カドカワBOOKS)
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7月7日

ゆずチリ
(KCデラックス)
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桑原太矩
(アフタヌーンKC)
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光城ノマメ/しまな央
(アフタヌーンKC)
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SNK/あずま京太郎
(シリウスKC)
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福田直叶/むらさきゆきや
(シリウスKC)
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やつき/澄守彩
(シリウスKC)
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内々けやき/あし
(シリウスKC)
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石口十
(シリウスKC)
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田口ホシノ
(シリウスKC)
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川上泰樹/伏瀬
(シリウスKC)
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伏瀬/柴
(シリウスKC)
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園原アオ/割田コマ
(シリウスKC)
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錬金王/五色安未
(シリウスKC)
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FUNA
(SQEXノベル)
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佐賀崎しげる
(SQEXノベル)
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葉月秋水
(SQEXノベル)
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ももよ万葉
(SQEXノベル)
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7月6日

四葉夕卜/小川亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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朝賀庵
(ヤンマガKCスペシャル)
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岡本倫
(ヤンマガKCスペシャル)
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細川忠孝/山村竜也
(ヤンマガKCスペシャル)
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硯昨真
(宝島社文庫)
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7月5日

Kindle B☆W DMM


にゃんたろう
(ドラゴンノベルス)
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八華
(ドラゴンノベルス)
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二八乃端月
(ドラゴンノベルス)
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7月4日

レオナールD
(一迅社ノベルス)
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松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)
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藤本タツキ
(ジャンプコミックス)
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阿賀沢紅茶
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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yatoyato
(ジャンプコミックス)
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土田健太
(ジャンプコミックス)
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橋本悠
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
(ジャンプコミックス)
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三条陸/芝田優作
(ジャンプコミックス)
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稲岡和佐
(ジャンプコミックス)
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有馬あるま/フカヤマますく
(ジャンプコミックス)
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田中靖規
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
(ジャンプコミックス)
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堀越耕平
(ジャンプコミックス)
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古橋秀之/別天荒人
(ジャンプコミックス)
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神江ちず
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)
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蝉川夏哉/ヴァージニア二等兵
(角川コミックス・エース)
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三上康明/田中インサイダー
(角川コミックス・エース)
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7月1日

紙城 境介
(角川スニーカー文庫)
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メソポ・たみあ
(角川スニーカー文庫)
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ナナシまる
(角川スニーカー文庫)
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shiryu
(角川スニーカー文庫)
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あまさきみりと
(角川スニーカー文庫)
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ミヤ
(角川スニーカー文庫)
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榊一郎
(HJ文庫)
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たすろう
(HJ文庫)
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シクラメン
(HJ文庫)
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かみや
(HJ文庫)
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ぎんもく
(FUZコミックス)
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晩野
(FUZコミックス)
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明地雫/霜月緋色
(HJコミックス)
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森山ゆっこ/はむばね
(HJコミックス)
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黒野ユウ/遠野九重
(B’s-LOG COMICS)
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大和田秀樹
(近代麻雀コミックス)
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6月30日

之 貫紀
(エンターブレイン)
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kawa.kei
(エンターブレイン)
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槻影
(エンターブレイン)
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白水 廉
(エンターブレイン)
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丸山 くがね
(エンターブレイン)
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鹿角フェフ
(GCノベルズ)
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力水
(モンスター文庫)
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蒼井美紗
(Mノベルス)
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よねちょ
(Mノベルス)
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あきさけ
(Mノベルス)
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唐澤 和希
(ヒーロー文庫)
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中野 在太
(ヒーロー文庫)
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新城一/海月崎まつり
(KCx)
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キダニエル/四葉夕卜
(KCx)
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6月29日

榊 一郎
(講談社ラノベ文庫)
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弥生 志郎
(講談社ラノベ文庫)
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雨宮 和希
(講談社ラノベ文庫)
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虎走 かける
(講談社ラノベ文庫)
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謙虚なサークル
(講談社ラノベ文庫)
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深山 鈴
(Kラノベブックス)
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右薙 光介
(Kラノベブックス)
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火事屋/蛙田アメコ
(ライドコミックス)
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真鍋譲治/すかいふぁーむ
(ライドコミックス)
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伊吹 亜門
(星海社FICTIONS)
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柴田 勝家
(星海社FICTIONS)
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6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
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東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
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佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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