徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  11月の漫画新刊カレンダー  11月のライトノベル新刊カレンダー
  12月の漫画新刊カレンダー  12月のライトノベル新刊カレンダー
 

書籍感想(2010〜

ゼロの使い魔 18.滅亡の精霊石4   

ゼロの使い魔 18 滅亡の精霊石

【ゼロの使い魔 18.滅亡の精霊石】 ヤマグチノボル/兎塚エイジ MF文庫J

Amazon
 bk1

ぐおおおっ、ルイズさんがついに、ついに<ツンデレ>をご卒業あそばされました!!
うん、これはもうデレ状態ですらないですよね。自分がサイトを愛している、その事実を否定も肯定もせず、ただただ在るがままに受け入れた状態。これまでももう既にサイトが好きという事実を自他共に認めて、恋人として在ったわけだけれど、さらにそこからもう一皮むけた段階の愛情へとクラスアップしたのが、今のルイズさんで……。
無理もせず、浮かれもせず、依存もせず、気負いもせず、建前も前置きも言い訳も装飾も必要とせず、極々自然にサイトを愛するに至った今のルイズさんは、もうパネェっす。こりゃあ、他の娘っこどもは太刀打ちできない領域にまで飛び抜けちゃったなあ、ルイズは。他の娘たちはまだサイトに恋をしている段階だけれど、ルイズはもう愛の段階にまで至っちゃったわけだし。
サイトも頑張らないと、ルイズは一足先に大人になっちゃったわけで、これだと本当の意みで頭があがらなくなるぞ。確かに、サイトは少年から一廉の男として立派に成長して、いつの間にかルイズはその男の背中を追いかけ縋る関係になっていたのだけれど、今回の成長でルイズは一端の男であるサイトをその胸と腕の中に抱きしめられるより大きな存在になってしまったわけで、サイトの性格からしてそんな彼女に見合うように、さらに自分への要求値を高めていくことになるんだろうし、こりゃあ大変だわ。

タバサを誘拐し、双子の妹を入れ替わりに女王に仕立て上げたロマリアの陰謀との対決は、驚愕の展開に。聖戦に固執して、これまで延々と周到な策謀を積み上げてきた法王とジュリオ。その容赦ないやり口や、法王の得体の知れないカリスマ性の描写から、タバサと妹との入れ替えはこれまで怪しい動きを見せながらもじっと牙を研いでいた真の黒幕がついに本性を表した! と思われた展開だっただけに、しばらく対ロマリアのこれまでと違って表沙汰に出きない闇側での陰惨な闘争が繰り広げられるのかと構えていただけに、ちょっと拍子抜けでは在ったのだけれど、それを上回る真実には、ロマリア側の形振りかまわぬ立ち回りに確かな根拠と実像を与えて、なるほど納得させられた。
あの法王の自信の絶対正義を信じ抜いているような意気込みは、そういうことだったのか。
正直、いくら決して失敗の許されぬ慎重さを求められていたとはいえ、あれほどの真実を秘密にして各国との関係を破滅させかねない布石を次々と振りまいた姿勢と言うのは、ある種のパニック状態にあったと思ってもいいのかもしれない。冷静たらんとしようとはしていたんだろうけれど、本当に冷静だったならもっとやりようというのはあったはずだし。
それでも、この結果を導けたのなら彼らは賭けに勝ったと言うべきか。

なんにせよ、ジュリオの好感度はこれで大逆転だな。少なくとも、あそこでキレたり、偽悪的に振舞う心根は、いい意味での男らしい見栄っ張りで、非常に可愛げが感じられる。女の子からは呆れられる姿勢なのかも知れないけれどね。

EIGHTH 14   

EIGHTH 1 (ガンガンコミックスJOKER)

【EIGHTH 1】 河内和泉 ガンガンコミックスJOKER

Amazon
 bk1

また難しい主題で挑んできたなあ、この人は。前作の【機工魔術士】にしても【賽ドリル】にしても、明快な正解、正しい選択がないテーマに挑むことがこの人の漫画家、というよりも物語を創る者としてのスタンスなのだろうか。なんにせよ、正解がない問題について延々と苦闘の自問自答、他者との対話と衝突を繰り返しながら、その時その人における最善の答えを求め選択し続けるという苦しいルートを、この新しいシリーズでも辿ることになるのか。
このスタイルというのは、むしろ一途に目の前の理不尽や難問に苦悩する主人公たちよりも、その設問を用意し、全登場人物の懊悩を一手に引き受け導き、掘削していくことになる作者当人が一番負担が大きいと思うんですよね。毎度毎度、大したもんだと呆れながらも敬意を覚える。

今回のシリーズは、遺伝子産業界が舞台。遺伝子分野の技術云々を決して蔑ろにしているわけではなく、むしろそれを扱う側として非常に丹念に描写しているのだけれど、本題は技術そのものではなく、技術を実用化し社会に送り出す、その過程の部分における業界の暗部、しがらみ、硬直化に対して真っ向から挑むような内容になっている。
特に、二番目のお話は、既に十年前に確立されていた火傷に対する皮膚移植の新技術が、認可や実用化への治験、予算問題や利権問題なので表に出ることなく、腐らされていた、なんて話は実際に決して珍しくもない話なんじゃないだろうか。
主人公の所属するエイス研究所は、本社から独立実行権を得て、ある種目先の利を無視した迅速な行動に打って出ている。所長はじめ、職員の意識は間違いなく世の理不尽を蹴飛ばして、組織ではなく人や社会全体にとっての最善を追求することに徹底しているように見えるけれど、民間企業でこの姿勢というのは、立場的にかなり物凄い綱渡りを要求されてるんだろうなあ、特に所長。見た目チンピラで、軽薄な態度のおっさんだけど、その能力の大半は組織の独立性を維持することに費やされてるんじゃないだろうか。かなり忙しそうだし、本来所長が出向くはずだった皮膚移植の技術を持つ博士へのアプローチをキャンセルしたのも、単に忙しかったから、という段階じゃないみたいだし。
ああいう運営してたら、絶対本社から突き上げはくらうだろうし、同業者からの敵視はとてつもないことになりそうだし、かなり危ない橋をわたってるんだろうなあ。

主人公はエイスの警備員、まー警備員といっても建物の警備員じゃなくて、外回りもやる執行工作員って感じだけど。汚い仕事云々は与えられなくて、徹底してガードマンって感じだな。
これは、かなり周りの大人達に大事にされているようだ。今のところ、彼が突きつけられる問題と言うのは、極々狭い彼個人の視野に入ってくるレベルのことに限定されていて、それは周りの大人達の配慮によって彼に対して大きな選択肢を突きつけられないようにされている、という感じだし。
ただ、今の段階でも、結構厳しい選択ではあるんだよなあ。大切に配慮されているけれど、決して甘やかされてはおらず、むしろ厳しく鍛えられているっぽい。そのうちこれ、組織の庇護を受けられない状態で、正解の無い選択肢を突きつけられ、苦しむことになるんだろうなあ。
こっちもあれだ。頑張れ男の子! になりそうで、楽しみ。
順調に周囲にヒロインが集まってるけど、この人の作品において女の子というのは得てして一個の独立した強力なキャラクターとして主人公に負けず劣らずの意地の悪い設問を突きつけられる傾向にあるので、女の子が一杯だからってキャッキャウフフのぬるいハーレムとは程遠い形にはなるんでしょうけど、でもラブコメはちゃんとやって欲しいなあw

第二次世界大戦紳士録  

第二次世界大戦紳士録
第二次世界大戦紳士録

【第二次世界大戦紳士録】 ホリエカニコ

Amazon
 bk1

アームズマガジンで掲載されていたコラム漫画の単行本。刊行されたのは去年の八月だったのですが、それからずっと欲しい欲しいと思いながら値段やサイズから躊躇していたのですが、ついについに買ってしまった。
第二次大戦紳士録となっていますが、紹介されているのは日独の軍人と、ドイツは軍人ではないけれどナチスの主要人物で、米英の方は載っていません。
いやあ、これは確かに評判になるわけだ、面白い! 軍事にも歴史にも詳しくない人でも、これならスラスラと読んで楽しめると思うし、詳しい人でも軍事史の有名な人物の知られていない一面や思わぬ顔、思わず笑ってしまうようなエピソードの数々に、その人物の印象を新たにすることになるんではないだろうか。
古村提督が、戦後山本リンダのファンクラブに入ってたなんて知らなかったよ!!(知ってるわけあるか!
とりあえず、パウルス将軍に思い入れがあるのはよくわかった。この人だけ、エピソード3まで組まれてるんだもんな(笑
とにかく、どの人物の紹介漫画にも、その人の知らざれる人となりがよくわかる日常のヒトコマ、もしくは戦場の中での戦史にはあまり残らない小さなエピソードが多分に描かれていて、単なる年表や戦史を見ただけでは分からない、歴史とは生きた人間によって成り立っているという事実がよく実感出来る、素晴らしいコラム漫画でございました。

しかし、山本五十六だけなんであのキャラクターなんだ?(笑
いや、笑ったけど。嫌いなヤツが会議で立ち上がって喋ってるときにこっそりそいつの椅子を引いて、相手が座ろうとしてひっくり返るのを見るのが趣味だったって、どんな子供だよ!

お茶が運ばれてくるまでに 〜A Book At Cafe〜5   

お茶が運ばれてくるまでに―A Book At Cafe (メディアワークス文庫)

【お茶が運ばれてくるまでに 〜A Book At Cafe〜】 時雨沢恵一/黒星紅白  メディアワークス文庫

Amazon
 bk1

実のところ、この本、完全に作者買いで内容についてはまったく把握していませんでした。あらすじも見てなかったし。だもんで、届いた時の薄さと本の質感に「????」となりながらページを開いてみたら、これが<絵本>じゃないですか。
ええーー、と拍子抜け、というかガッカリしてしまったんですよね。

そのときは。

ごめんなさい。ガッカリなんかしてごめんなさい。絵本を舐めてました、すみません。
絵本と言うよりも、本来ならこれは詩篇・詩集とカテゴライズするべきなのかもしれない。
18の掌篇。黒星さんの絵も、普段と違う淡いタッチ。
そして紡がれる、短くも濃密で、寡黙なようで雄弁な、言葉の旋律。
元々時雨沢さんって多くの言葉を費やさず、わりと短い言葉で物語や情感を紡ぐスキルを有した特異な人で、キノの旅なんてのはその結晶みたいなものだとこれまでは考えていたのだけれど、あれでまだまだ多弁だったのだなあ、と本当に結晶になるまで純化されたものを前にして感嘆の吐息をついてしまう。
真摯に訴えかける言葉。アイロニーが散りばめられた言葉。物静かにささやかれる言葉。そのどれもが、ムギュッ心を鷲掴みにして、トンと胸を押す。
なるほど、これは確かに喫茶店で注文して、お茶が来るまで軽くページを開いて目を通し、届いたお茶に口をつけて「ほぅ」と息をつく。
そんな至福を想起させられる一冊だ。
歩き続ける人生の中の一時の休息にて、再び歩き続けるための糧となり、新たな歩のリズムを得るための、かけがえのない一冊。
もっとも、お茶はお茶でもこれは紅茶というよりも苦いコーヒーが良く合いそうな気がするなあ。

お気に入りの一編は「りゆう」。内容だけなら、良く目にし、言われている事のはずなのに、たった二行の言葉に、どうしてここまでハッとさせられるのか。
あとは「やりたいこと」「かべ」「きょうのできごと」あたりかなあ。ああ、やっぱり時雨沢さんらしい、と思わされるアイロニーに満ちた内容のものも好きだし、柔らかくも優しい死生観を感じさせる詩もいいなあ。
これは、繰返し繰返し、折を見て読み返すことになりそう。何か心が疲れた時にこれを読んだら、また頑張ろうという気になれそうな気がする。
やっぱり、この二人のコンビは素晴らしいなあ。


それはそれとして、何故描かれている女の子になべて耳が生えているのか、なんか気になる気になるw

天川天音の否定公式 34   

天川天音の否定公式〈3〉 (MF文庫J)

【天川天音の否定公式 3】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

Amazon
 bk1

この、物語全体にしんしんと降り積もる一種異様な儚さ、明るく賑やかにわいわいとラブコメをやっているはずなのにどこか仄かに香る物悲しさ。
この他の異能モノやラブコメハーレムものに類を見ない、あまりに独特であまりに異端な雰囲気は、同時にどこか既視感があって、いったいなんだったかなあとずっと頭を悩ましていたのですが、ようやくわかった。
これ、一種の終末モノなんだ。
遠くない未来、自分たちが滅び去ることを半ば承知しながら、それでもその時、その瞬間が来るまで絶望する事を選ばず、懸命に今の幸福を享受して生きる若者たち。その輝きは眩くも儚く、美しくも幻のようにふつりと消えてしまいそうで。
彼らはきっと、破滅するのだろう。
雪道は瑛子たちを守ると決めながらそれが叶わぬのだと識っている。
瑛子は未来を知らずとも忍び寄る運命を察し、その果てが滅びであると薄々気づきながら、最期まで雪道と離れないと決めている。
天音もまた、雪道に迫る絶対的破滅の足音を聞きながら、巻き添えを食う前に逃げろと言う協力者に別離を告げ、彼と滅びることを選択した。
シロコは最初から何もかも承知の上でカレの前に現れた。

みんな、最期まで運命に抗い戦い抜くつもりであり、同時にその果ての滅びが避けられないものだとどこかで受け入れ、その上で今この瞬間を、かけがえのない日常を、騒がず慌てず穏やかに過ごしているのだ。
それはまるで、滅びゆく世界で終末を前に、それでも懸命に穏やかに日々を生き抜こうとする人々の物語そのままのように感じたのだ。
それは雪道が、この巻の最後、この結末をとても悲しみながらも、悔悟や理不尽に憤る事もなく、ただ粛々と受け入れ、瑛子たちに努めて普段と変わらぬ表情を見せたこと。瑛子たちもまた、穏やかにそれを受け入れたことに、象徴されているのではないだろうか。

何度読んでも、彼と彼女らのこの透明な覚悟には、背筋が震える。表向きの賑やかなラブコメパートが楽しいだけに、その明るさに余計に胸打たれる。
その明るさが、決して無理をして作り出しているものではない、極々自然に湧き出しているものだという事実が、彼女らの健気さを示しているようで、息を飲む。
天音が協力者だった人から<領域>の動向を知らされた時の一瞬の躊躇いもない、穏やかな決断とその後の別れのやり取りなんか、ちょっとした衝撃ですらあったものなあ。その後、みんなの前での天音が、それまでと何も変わらなかったという事も。
どこかお遊戯のような日常の時間が、彼女らにとってどれほど大切でかけがえのないものなのか、思い知らされたようで。
あれほどの痛切で鮮烈な想いを抱えながら、瑛子も天音もシロコも、決してそれをぶちまけず、無様に晒さず、ぬるま湯のような空気の中で戯れじゃれ合い続ける。
来るべき時が来たならば、自身の何もかもを投げ捨てる覚悟を秘めながら、今はただ戯れ続ける彼と彼女らが、無性に切なく愛しい。
もし叶うならば、彼らの幸せな時間が長く長く続くように、祈りたい。その祈りはもう何度も何度も物語の中で否定され続けているのだけれど。

そして、他の彼女たちのように一途に雪道に想いを寄せながら、その運命に押し流されていったコッペリア。人形である彼女こそが、幸せな時間が終わることを否定し、そして失敗したと言うのはここでは何を意味するんだろう。
彼女は、結局雪道を中心とした小さな世界に、入りきれなかったと言うことではあるんだろうけれど。今回の一件で確信したのは、この物語においてもはやヒロインは増えないという事ですね。あくまでヒロインは天音と瑛子の二人であり、特別枠はシロコのみということか。
こうなってくると、あの最初の四式も、この四人にかかってくるのだろうか。雪道の原初式に加えて、天音は終焉式を得ているわけで、あとの二式も瑛子とシロコに対応すると想像し得る。
時間迷宮で出てきたもう一人の天音の意味深な発言も、待ち人ゴドーの言葉にかかる部分があるし、想像の余地はまだまだあるなあ。

聖剣の刀鍛冶 8.Light&Darkness4   

聖剣の刀鍛冶〈8〉 (MF文庫J)

【聖剣の刀鍛冶 8.Light&Darkness】 三浦勇雄/屡那 MF文庫J

Amazon
 bk1


表紙絵のセシリーコスプレ劇場、これまでの最高傑作は三巻の男装バージョンだったのだけれど、今回のはこれまでのカッコイイ、美人系の装いと大きく方向転換した看護服!!
これが何気に似合ってやがる。前のメイド服も良く似合っていたけれど、けっこうセシリーって女性らしい柔らかい装いも似あうんだよなあ。って、これだと何着ても似合ってますと言っているのとおんなじか。今回は挿絵でも何枚も看護服セシリーが拝めるので眼福である。イラストレーターの屡那さんが素晴らしいのは、女の子がカワイイだけじゃなく、若い男は若いなりに格好良く、おじさんはおじさんなりに、老人は老人なりに渋くカッコいいのがいいんだよなあ。あとがきで三浦さんが悶えているように、今回のシーグフリードの挿絵は悪役にしてもカッコよすぎて惚れそうだわ。

帝政列集国の悪魔と人外を擁した侵攻を辛くも退けた独立交易都市。国際緊張は既に列集国の侵攻をもって既にダムに穴が空いた状態。もはやいつ決壊するか、の段階に入っているのだけれど、独立交易都市は一先ずの危機を脱して、都市の復興に取り掛かる。
市民の被害は最小限に食い止めたものの、騎士団の被害って書いてある通りだと殆ど壊滅じゃないですか。特に三番街担当部隊は半数が死亡。傷を負って復帰不能に陥った団員の事も考えたら、これは痛いどころじゃない。幸いにして団員募集がうまく行っていて補充も足りているようですが、正規隊員がこれだけ失われていると、新兵が幾ら増えても戦力化されるまでどれほど掛かるものだか。まだ、即戦力になる人材もいるだけマシかもしれないけど、半年前に入団したセシリーがベテラン扱いされるようじゃあ、大ピンチだわ。まあ、セシリーは実際ほんとに強くなったけど。
一巻の時は剣に振り回され、初めての実戦でまともに戦えずにヒーヒー言って泣いてた小娘が、ねえ。セシリーのあの活躍はやはり市民の間でも相当話題になっていたらしく、彼女に憧れて入団してくる輩も出てきている。その一人であるヘイゼルが、泥棒を追いかけて逆襲されたあげくにこっぴどくやられそうになったところを、颯爽と現れ瞬く間に制圧してしまうセシリー、なんて場面、半年前はセシリーがちょうどヘイゼルみたいにド素人相手にボコボコにされて泣いてたもんなのになあ。ほんと、強くなったわ。

そして、ルーク。みなさん、お母さん、お父さん、ルークが本気を出しましたよ! まさかまさか、こいつの方からこんなに積極的に動くなんて。
今まで風雲急を告げてばかりでバタバタしてばっかりだったから、二人がわりといい雰囲気になってからこっち、落ち着いて他の何にも気をとられず二人で過ごす時間と言うのは殆どなかったわけで、こうしてみるとこの二人って本当にお似合いなんだなあ、と惚れ惚れとしてしまった。ツンツンせずに誠実にセシリーに向き合うルークは、瑕疵が見当たらないほぼパーフェクトな完璧イケメン青年で、そこはかとなく照れているのなんかチャーミングで、文句のつけようがないんだよなあ。
まあ、そんなルークは、妙だとは思ったんだ。
卑怯だとは思うけど、それ以上に自分に対してもセシリーに対しても、これはきっと誠実なんだと思いますよ。変に遠ざけようとするよりも、よっぽど男らしく素敵な未練がましさだと思う。そこで踏み越えてしまわないのもまた、迷いであると同時に誠実さなんでしょう。その未来が決定しているものなら、安易に一線を越えてしまうのはやはり無責任だと思うし。かと言って、後々セシリーがどれほど傷つくか、という点もあるんですよね。もっとも、どのやり方を選んだとしても、正解は無いわけだし、セシリーが傷つかないルートもまずないわけで、ならばルークのやり方と言うのは非常に共感し得るそれなわけです。
それもまた、愛なのよ。

いい雰囲気というと、もうアリアとユーインもすっかりいい雰囲気になっちゃってるじゃないですか。前々から気にはなっていた、悪魔は、魔剣は人と愛し合えるのか、という点についても今回ユーインの研究からひとつの答えが出たわけですし。
アリアの将来についてはずっと見通したたなくて、微妙に不安なところがあったのですが、これは良かったなあ。
ただ、その事実が判明することで、思わぬ伏線が起爆したわけですけど。
なるほど、シーグフリードの正体ってそういうことだったのか!! 一つの過去の事実が明らかになることで、これまで、生殖能力を持たない、ハウスマンの姓を持つなどといった様々な謎をでもってその正体を闇に落としていた彼の素性その他もろもろが一気に明らかに。
まともな人間ではないと思っていたけれど、まさかそういう事だったとは。彼が迸らせている世界への憎悪も、きっとそこに起因するんだろうけれど、まだその具体的な目的などは分からないんですよね。帝国側のキャラにも、それぞれ色々ありそうな感じがしてきたわけだ。
今回の帝国側のエピソードも、その真の目的はわからないままなんだよなあ。でも、さらにこんな帝国側の戦力が増えてるようじゃ、パワーバランスが傾きすぎているような気もするんだけど。
エピローグでの、びっくら仰天の展開もそれに拍車を掛けているし。
いや、キャラの幸せのことを考えると、この展開は大いにアリなんですけどね。最終的に元に戻るにしても、この間の時間と言うのは将来的にとても貴重なものになるはずだし。

マギ・ストラット・エンゲージ 24   

マギ・ストラット・エンゲージ〈2〉 (電撃文庫)

【マギ・ストラット・エンゲージ 2】 松山シュウ/かわぎしけいたろう 電撃文庫

Amazon
 bk1

これは驚いた! びっくりした! 一巻から見違えるように面白くなってるじゃないですか!!
最初はアレでも、段々と面白くなるケースというのは多々アリますけど、ここまで激変するのは珍しい。
実のところこの作品、一巻で見切ってたんですよね。一巻は正直言って、面白くなかった。話の柱となる部分や起承転結は完成度が高かったのだけれど、逆に枠組みをしっかり作ることにかまけたのか肝心の話の中身に余裕がなくって、プロットの筋書き通りに話を進めるのに精一杯、という感じだったんですよね。
こりゃああかんなあ、と二巻は当初購入を見送るつもりだったのですが、ふと読書メーターなどで他の方の感想を見ていると、なんかやたらと評判がいいんですよ。それも、一巻と対比して非常に面白くなっていると言う内容が目に入り、それは読んでおくべきかと一ヶ月遅れで入手しページを捲ってみたのですが。
これがもう、抜群に上手くなってる。前は文章に全然入り込めなかったのが、今度はもう最初からクイクイと引き込まれたわけですよ。
勿論、傑作名作というほどの凄い面白さ、というわけではないのですけど、これはもっと続きを読ませてくれ! と切望する程度の面白さは十分以上に満ちみちていました。
どこが変わった、と具体的に例を上げるのは非常に難しいのですが、以前の枠組みの完成度はそのままに、全体のクオリティがあがったというべきなんでしょうか。余裕をもってエンタテインメントとして魅せる工夫がなされているというべきなんでしょうか、その辺はわかりませんけど。

意外にも、思いのほか恋愛要素というのは無いんですよね。主人公の世郎はそれまで普通の高校生だったのが、前巻の事件で双術師という特殊な魔術師になり、ヒロインのルルーラを師事して高校生をやりながら魔術師としても修練を重ねることになるのですが、この師弟関係が物凄い真っ当で、その真っ当さが逆に新鮮なんだなあ。
ルルーラは世間知らずで浮世離れした所があるものの、人間として非常に誠実で、師匠としては熱心かつ理性的でマジメで責任感が強く、先生役としてここまでまともなキャラクターも珍しいくらい。セロに対しても訓練は厳しいものの、とても気を遣って丁寧な接し方をしているので、師匠キャラの横暴さは微塵もなく、セロはセロで年頃の少年相応の、厳しく地味な訓練への不平不満を抱きつつ、こいつもなんだかんだとマジメで、面と向かって文句や嫌味を言うことなく、しっかり前向きに修行すると言う、なにこの健全師弟(笑
セロの等身大の高校生らしさは、これこそ普通の高校生だよなあ、という適度な真面目さと適度な不真面目さ、適度な遊び心と適度な親切心。面倒くさがりだけどやるべき事はやろうとする心意気。世のライトノベルで普通を名乗る主人公たちは、この物凄い普通な主人公を見習うべきだ、と思うくらいにキングオブ普通。普通ってのは無個性って意味じゃないんだよなあ、というのを色々な意味で実感した。
この二人の関係は、師弟関係、とだけで区切ってしまうのもちょっと違うんだよなあ。セロはルルーラに師としての敬意をちゃんと払っているのだけれど(これだけで偉い)、同時に同世代の若者同士としての気安さもあり、特殊な育ちゆえの世間知らずな面のあるルルーラに対して俗世での過ごし方について楽しく過ごせるようにと気遣い、面倒を見ようと言う意気もあって、お互いに魔術師としても学生としても、両方の立場で尊重し合ってるんですよね。
そこにはまだ、恋愛感情は双方ともにかけらも芽生えていないんですけど、これはこれで読んでて凄くイイなあ、と思わされる関係だった。
ルルーラの従者でセロにはいつも毒舌を吐くヴィオも、決してルルーラべったりの見境なしではなく、セロのことはキツい事を言いながらも認めてるし、ルルーラに対しても良く構ってはいるもののの、決して甘やかしてはおらず、距離感はごく身近に、でもひっつきすぎず、というこれも良い主従関係で。
今回の敵役の二人についてもそうなんだけれど、この巻についてはそれぞれのキャラクターの人間関係が、素晴らしくイイ距離感で描けてるんだな。
灰庭のいう<納得>も、その距離感に基づくものだったわけだし。
マリィの幼いメンタリティと、同時に切羽詰り追い詰められた人間のギリギリ瀬戸際、崖っぷちの精神状態を併せ持つという難しいキャラクターも、非常に上手く描けているし、事件の決着への道筋も、とても面白かった。
灰庭のクールでプロフェッショナルで、それでいて情の篭った生き様も、その双方を崩さず貫くやり口も、見応えあって、うん、良かった。

まだこう、結末に向けて強引に展開を舵取りする余裕のなさはところどころ見受けられるのですが、前巻と比べるならその辺は見違えるように改善されていて、いやはやこれだから新人さんはさらっとスルーできないんだよなあ。常にアンテナは立てておかないと、面白い作品を見逃してしまう事は珍しくないわけで。

このセロとルルーラの恐ろしくまともな師弟関係は、それはそれで読んでて心地よいものではあるのですが、このゆるがぬ信頼関係にラブの要素が入ってくるのを期待してみたい気もあるし、このままでも良さそうな気もするし、うーん、もうどうとでもしてくれぃ。どっちにしても、このクオリティが保たれるなら、間違いなく面白いままでイケそうだし。

氷室の天地 Fate/schoollife 34   

氷室の天地Fate/school life 3 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)


【氷室の天地 Fate/schoollife 3】
 磨伸映一郎 IDコミックス/4コマKINGSぱれっとコミックス


Amazon
 bk1


か、鐘ちゃんを泣かすなーーー!!
知的策略系クール美少女キャラと言いつつも、氷室鐘、実は思い込み度S。賑やかな夏休みの日々を奇々怪々と堪能しながらその一方で、あの許嫁の一件の調査も進めていたのだけれど、彼女自身これまで予想もしていなかった人材が対象者である可能性に気づいてからの意識のしようは可愛い限り。いや、発想力が豊かな分、制御を失うととことん暴走しだす傾向があるな、この娘は。まだ途中で理性を取り戻して「いやいや」と一旦停止するけれど、なにげに妄想家な所がある。
まあ、勝手に自分で想像して一人で悶えている、というのはけっこうアレなんだがw
その結果、好奇心を押えきれずちょっかいをかけて探りを入れてみようとしたところ、物凄いてひどいしっぺ返しを受けて、鐘ちゃんマジ泣き。
うわぁ、ばかめ、これは完璧に逆効果だ! このシーン、思いっきり固まってる美綴と違って、慌てずスッと氷室嬢を抱きしめる三枝ちゃんがすっごい女の子だ。
マキジが場を外していたのも納得。ここに彼女がいたら、えらいことになって余計に拗れてただろうし。

と、最後の展開はさておいて、相変わらず怒涛の小ネタの奔流がエクストリームしまくってるハイテンションコメディの品質は超一級品のママ型落ちせず。おっもしろいなあ、もう!
英雄史大戦はちょっとやりたい!
三人娘&美綴がここまでスッとんでると、猫かぶりバージョンの遠坂凛がむしろおとなしくて目立たないという不思議。まあ、彼女の場合ネコ被ってようと素の状態だろうと誰が相手だろうと、振り回されて収拾役にまわってしまう運命にあるのですがね。
マキジの偏りまくった多才ぶり、知識人ぶりはやっぱり面白いなあ。あれだけ歴史に詳しいのに国語のメタメタっぷりは笑える。国語の試験でこの作品における作者の心境を掛け、という設問の答え、あれは何だかんだと間違っていないような。走れメロスってそういう太宰の実体験があって書かれた創作だったのか! とりあえずゴムボートに畝傍と名づけるセンスは大好きだw
パンジャンドラムは人が乗る兵器じゃありません! というか、大河いつそんなの作ってたんだ。
志茂田景樹!(笑
ドアラ!
お好み焼き屋のメニュー。ネーポンはまだわかるんだが、ミスパレードというのは知らんなあw
なんでネーポン250円でホットネーポンは500円といきなり値段が倍になってるんだ?

次回からは夏休みあけて二学期編。氷室嬢が今回の一件でテンション落ちているかどうかが心配だけれど、逆に進展もありそうで、ラブコメ的にも面白くなってきた。
でも、この漫画、公式のはずなんだが、ということはこのカップリングも一応の公式になるんだろうか。

魔法少女リリカルなのはViVid 14   

魔法少女リリカルなのはViVid (1) (角川コミックス・エース 169-2)

【魔法少女リリカルなのはViVid 1】 藤真拓哉 カドカワコミックスA

Amazon
 bk1


魔法少女リリカルなのは第四期。高町ヴィヴィオが主人公の文系格闘アクション開幕! って、この期に及んでも、このタイトルは変われんのですなあ(笑
もうなのはさん23歳ですよ。19歳の時点でも魔法少女は無理でしたが、そろそろ無理を通り越して暴挙の時代に突入しているので、いい加減主人公も変わったところですし、魔法少女ヴィヴィオでも良さそうな気もするんですが、やっぱりタイトル変わったらインパクトや印象が薄れちゃうんだろうなあ。実際に名前変わったら、自分もなんか拍子抜けしそうな気もしますし。

というわけでストライカーズから4年後。高町ヴィヴィオ小学四年生。ちょうどなのはママたちがヤンチャを始めた年頃にヴィヴィオもなってしまったわけで、なのはたちもその事が頭にあったのでしょう。ヴィヴィオにも専用のデバイスを与えることに。インテリジェンスデバイスってわりと高級品、というか非常に珍しいもの、というイメージが昔はあったんだけど、今となっては普通に一般的に普及しているみたいになってるなあ。たしか、初期の説明文にはインテリ型は扱いが非常に難しく、使用者はかなり珍しい、と書いてあった記憶があるんだが。
それよりも驚いたのが、ヴィヴィオの大人化魔法ですけどね。いや、聖王ヴァージョンに変身するのは、むしろ魔法少女モノとしては王道なんですが、驚いたのはそれがヴィヴィオの固有スキルではなく、わりと一般的な魔法だという所ですよ。みんなの前で変身しても、あんまり驚かれなかったし。
これってけっこうヤバい魔法だと思うんだがなあ。さすがは小学生に平気で就労させるという労働基準法における年齢基準が異様に甘い世界観。

ストライカーの頃から、聖王ヴァージョンの衣装イメージからしてなんか格闘系っぽいというイメージはあったのだけれど、やっぱりなのはと違ってソッチ系に走るわけだ。砲戦型魔法少女、という新機軸に燃えまくったかつてからすると、やっぱり寂しい路線ではあるんだけれど、砲戦だとやっぱりどうやっても撃ち殺し合いの殲滅戦になっちゃうからなあ。平和路線のお話をやるなら、拳と拳で殴り合って友情を深める方に行っても仕方ないか。
やっぱりさ、話を聞いて、ドギューーーン! はどう考えてもおかしいですもんね(笑

この漫画、さらっとサウンドステージの冥王イクスも出てるんですね。なるほど、イクスってこういう見てくれの娘だったのか。
あのドラマCDは、……あれ、感想書いて無かったっけ。これ、凄く出来が良かったんですよね。ちゃんとスバルとティアナが主人公として活躍してたし、結局ストライカーズ本編では有象無象でキャラもはっきりわからなかったナンバーズたちが、このドラマCDでは一人ひとりキャラがかき分けられ、掘り下げも進んで、非常に魅力的に描かれてたんですよね。ぶっちゃけ、自分、ナンバーズはアニメじゃなくてこのドラマCDでキャラ把握しましたもん。ナカジマ家に養子に入った四人の、ナカジマパパへの懐きっぷりや、徐々に距離感が縮まって家族となっていく姿とか、ニヤニヤしながら聞いてましたし。
ドラマとしても重厚で読み応え、じゃなかった聴き応えのある内容で、むしろこれもOVAか何かでアニメ化しても良かったんじゃないかというクオリティの高さ。
ヴィヴィオは出番はあまり多くないんですが、滅茶苦茶可愛いんだわ、これ。声にベタ惚れ。元気で明るくしっかりもので結構知的、でも喋り方は舌っ足らずでカワイイのなんの。聖王陛下なんて呼ばれてプンスカ怒るのがカワイイのなんの。惚れた。
そのドラマCDで登場していたのが、この冥王イクスヴェリア。彼女の姿をちらっとでも見せてくれたのは嬉しかったなあ。ちゃんとみんな大切に扱ってくれてるみたいだし。ただ、このドラマ聴いて無い人は、この子なにー!? となりそうだけど。

それはそれとして、ユーノくんは影も形も出てこないんね(涙
ヴィヴィオは無限書庫に入り浸ってるみたいだから、けっこう頻繁に会っているっぽくはあるけど。
ギンガといい、そろそろお年頃の女性陣は、イイ人見繕わないと行き遅れるぞw そういえば、なのはの兄ちゃんは忍と結婚してるんだろうか。

そんでもって、ヴィヴィオのお相手として覇王イングヴァルト アインハルト・ストラトスが登場。聖王戦争からの因縁アリ、とはいっても、こっちは拳で交える友情かー。おーい、女の子(笑
昔は乱暴者で通っていたノーヴェが二人のお姉さん役というのも、またイイ感じの配役で。
しかしスポーツ格闘魔法少女マンガって……どんどん属性が謎めいてくるなあw


StrikerS Sound STAGE X
StrikerS Sound STAGE X
おすすめ平均
starsアニメ化してほしい一品です
starsドラマCDには惜しい作品!!
stars商品としても、CDドラマとしても、非常に完成度の高い逸品
starsドラマCDの枠を超えた名作
stars時を経ても変わらぬスバルとティアナの友情

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ベン・トー 5.北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円4   

ベン・トー〈5〉北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 5.北海道産炭火焼き秋鮭弁当285円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

Amazon
  bk1

物凄い暴露記事をあとがきに観た!! この作者、担当とよほど仲がいいか、会社的に抹殺したいほど大好きかのどちらかだな。
初版本にだけついているおみくじしおりは中吉でござんした。これ、デザインは種類一つだけなのかな。着物姿の先輩がなかなか美人さんで可愛らしく、キュートでござんした。裏のアセビの厄除けは、むしろ厄寄せなんじゃないかと恐々ですが。

今回、かなり削ったらしくあとがきでも、話が成り立つかどうかの綱渡りをしてどうにかこうにか、と言っているだけあって、かなりカツカツな感じがするんですよね。もういっそ分冊にしてしまえばいいのに、と思うんだけどなあ。
前々から佐藤たちのいる街は相当の激戦区、レベルの高い地域じゃないのかとは思っていたけれど、大谷や牧といった別地域の狼たちとの交戦を見る限りではやはり相当なんだな。未だ二つ名を持ってない茶髪や坊主、顎髭なんかのいつもの面々だって、あれもう無茶苦茶古強者って感じだし。茶髪さんなんか、未だにガチでやりあったときには、佐藤にまともに勝ちを譲ってないじゃないですか。佐藤はあれ、まだムラがあるとはいえ確かに二つ名レベルの実力を獲得してきているのに、ですよ。茶髪さんは二つ名出てきてもおかしくなさそう。

今回はわりと直球のラブコメをやっているのですが、うーん、やっぱり佐藤の恋愛観ってちょっと他の人とは違う気配がするんだよなあ。丁度、別口のカップルが成立しているのでその違いがわかりやすかったのだけれど、大谷くんのそれは大変わかり易いものだったんですが、佐藤のそれはちょっとズレてるんだよなあ。彼が広部さんが好きで惚れているというのは間違いの無いことだとは思うのだけれど、それが果たして大谷が牧に抱いた想いと同種のものだったのか。
もし、広部蘭が間違わずに佐藤が好きだった素の彼女で彼を引き止めていたら、という問題じゃなくて、佐藤の生き様云々という話じゃなくて、そもそも佐藤の異性への認識、女性との距離感、恋愛に対する想像力が普通の男と違ってしまっているような気がするんですよね。これは、あやめとの付き合いから生じたものだとは思うんだけれど、大谷や二階堂といった他の男と比べてもどうもなんかおかしい。他人の恋愛に対しても、殆ど理解力や認識が及んでいないみたいだし。
その点、あやめはズレてるようで恋愛観はちゃんと普通の女の子らしく持ってるんですよね。故にこそ、あやめは佐藤が他とはズレているのを、ちゃんと把握しているのかも。だから、自分と彼がくっつくことはないと確信しているのかもなあ。でも、最近ちょっとあやめの佐藤への接し方が徐々にだけど変わってきてるんですよね。佐藤も微妙に違和感感じてきているみたいだし。

まあでも、佐藤の恋愛異常と、自身の生き様に対する誠実さとはまた別のお話なわけで。人って賢いやつよりもバカなやつの方が正直に生きることが出来ると言うことなのか。打算や損得勘定で、時に人間は自分が望んでいた生き方をハズレてしまい、ついついより確実と思われる方の道を選んでしまった結果、その正解の中で息を詰まらせ苦しい思いをすることになる。
広部蘭も、猟犬とあった山原も、それぞれが正しいと思って選んだ道で、成功しているはずなのに、何故か苦しい思いに苛まれている。
そんな二人にとって、佐藤という存在は憎悪と憧憬の象徴だったのかもしれない。だから、彼をたたきつぶそうと執心し、彼を自分の場所にまで引きずり降ろそうと、しがみついていたのだろう。
「あたしと半額弁当……どっちが好き?」
この頭の悪い問い掛けを、バカじゃないのかと自分で思いながらも広部は真剣に尋ねるんだけれど、これは彼女が、未だ半額弁当争奪戦の真実の姿を知らないままでありながら、正確に佐藤が持つ魅力を理解し、彼の生き様が自分が捨て去ったものを体現しているのだと認識していたからこそ言えたセリフなんじゃないだろうか。逆に、自分はこのセリフで相当に広部蘭というキャラクターを好きになりましたよ。これは、よっぽど彼女が聡明でないと言えないセリフだもんなあ。本人はこの時点ではわかってないけど、ある意味コレ、今の自分と昔の自分、どちらが好き? と問いかけているようなもんだし。だからこそ、佐藤はあんなふうに答えたんだろうし。
うん、バカは強いよなあ。余計なものにリソースを振り分ける余裕が無いから、脇目もふらず自分の信じた道に好き勝手に突き進める。あとで後悔することも無い。
それはとってもカッコいいことだし、羨ましい。
だから、変態扱いされながらも彼の周りにはライバルでありながら通じ合った友が集まるんだろう。なんだかんだと、佐藤ってこの地域の狼たちの中心核的な存在になりつつもありますしね。ボスだの最強だのというんじゃあないんだけれど、誰もが彼を意識しているわけですし。そろそろ、ホントにあれな二つ名じゃなく、まともなのをつけてあげてもよさそうなもんなんだけどなあ。どうも、犬系のにはなりそうな感じなんだけど。
オルトロス姉妹の再登場は嬉しかったなあ。ダンドーと猟犬群との激戦に、オルトロスが味方側で参戦してきた時には激燃えでしたよ。魔導士を除けば、オルトロス姉妹は間違いなくこれまで出てきた中でも最強クラスの狼なわけですし、それが味方に回るときたら、
八匹の猟犬を引き連れた地獄の狩猟者・ダンドーと、双頭の魔犬を引き連れた魔女。頭数では負けていても、その総力では負けていない。

この口絵の、氷結の魔女とオルトロスが並び立つシーンは、読み始める前だったのに滾ったもんなあ。

そういえば、今回、具体的ではなかったものの、槍水先輩とHP部の過去が段々と明らかになってきてましたよね。前巻の感想でそろそろ、過去のHP部の話もやるのかと穿ってましたけど、次くらい本格的に来そうだよなあ。

弁当の描写も、全く衰えることなく美味そうで美味そうで。自分、豆ご飯とピーマンの肉詰めがあれほど美味しそうに思えた事なんて初めてですよ。どっちも別に好きじゃない類の品なのになあ、滅茶苦茶美味そうだったなあ、はぁ。

ごくペン! 23   

ごくペン!〈2〉 (MF文庫J)

【ごくペン! 2】 三原みつき/相音うしお MF文庫J

Amazon
 bk1

うん、おもしろかった。
でも、期待していた方向への進捗は何もなく、結局のところ前回にやるべき事をやりきってしまったがために、辛うじて残ったものをかき集めてなんとか再構成したものでしかなく、あの野放図な、どこまでもグイグイと真上に伸びる豆の木みたいなオーラは、絞んじゃったなあ。なんかこう、普通の面白い作品になってしまった感じ。
だから、一巻で綺麗に終わって、新しいステージに移行すればよかったのに。
よくぞまあ、一旦終わったものをここまで仕立て直した、と作者の腕にはむしろ感心したくらいだけど、肝心の骨子となる部分がどうしても見いだせなかったんだよなあ。前回にあった革命、という物語の芯となる要素。今回は色々と試行錯誤して、現状打破から未来への展望への足掛かりを作るという方へと向いていたけれど、なんか違うんだよなあ。前のは人間扱いされていなかった生徒たちに人としての尊厳を取り戻させ、共に人らしく生きるための居場所を勝ちとるための戦い、という理由が在ったんだけれど、今回真太郎や凛子が負わされている責任と言うのは、果たして学生である彼女たちがそこまで負わなきゃいけないものなんだろうか。前は民衆の中に入り、一緒になって権力を打倒する側だったのに、今回の彼らの立場は完全に民衆を導く指導者としてのそれが求められてしまっていたわけだし。
あれが革命だったとするなら、革命家たちは新政権を打ち出して指導者に座り、新たな施政方針を打ち出しより良い社会構造を構築しなければならない、という意味では正統な流れと言えるのかもしれないなあ。
でも、あの革命の中でジャーナリストとして民衆の立場から真実を人々に訴えた真太郎が、「ペン」の道から外れるという意味でもあるわけで。<ごくペン>じゃなくなっちゃうんだよなあ(苦笑

とりあえず、凛ちゃんがますます可愛らしくなるのは上等なので、もっともっと真太郎とイチャイチャしておくれよ。

レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女4   

レイセン  File1:巫女とヒキコと闇少女 (角川スニーカー文庫)

【レイセン File1:巫女とヒキコと闇少女】 林トモアキ/上田夢人 角川スニーカー文庫

Amazon
 bk1

またぞろ最初からすっ飛ばしてぶっ飛んだ展開に突入するのかと思いきや、意外にも就職先で奇態な同僚と慣れない仕事に四苦八苦しながらも普通(?)に日々を送るヒデオくん。
なんと、これ本気でオマケ的な後日譚番外編だったのか、とあとがきで書かれていた話に納得すると同時に、さらりとこのレイセンは前振りで、あとに本番が控えている、という大暴露に大興奮してしまいしたよ。この人はもう、プロットも書かない癖にその頭の中にどれだけ壮大なクロニクルが詰まってんだか。大風呂敷を広げれば広げるほど、さらに大きな風呂敷が詰まっていると言う、この逆マトリョーシカ人形め。
実はマスラヲにアニメ化の話があったというのにも驚いたけど、それを蹴ってたのにはさらに驚いたさ! これはでも、話を聞く限りでは英断でしょう。そりゃ、アニメとして【お・り・が・み】とか【マスラヲ】はそりゃもう見てみたいけど、【マスラヲの皮みたいなのを被ったもの】を見たいとは全然思わないもんなあ。

さて本編ではアリますが、聖魔杯が終わった後も二十社面接を受けて全滅したヒデオ。面接受けにいけるようになっただけ大いに成長しているとも言えるんだろうけど、受からなかったらどうしようもないんだよなあ。それで、鈴蘭や貴瀬のコネで宮内省神霊班、あの長谷部翔香や名護屋河睡蓮がいる対オカルト対策チームに就職することに。
一時期、魔殺商会に務めていた時期もあったけれど、何はともあれこれでようやくヒデオもニート・ヒキコモリから脱却することに。ダウナー属性は未だに脱却出来ておらず、相変わらずマイナス思考になりがちだけれど、それでもちゃんと就職できたんだなあ、おめでとうおめでとう。
と言っても、ヒデオってぶっちゃけ何の特殊能力も持ってないので、実は何も出来ないんですよね。睡蓮からは目付きの悪さが仇となって目の敵にされてしごかれ、聖魔杯をくぐり抜けてきたとはいえ、第三世界のことについては何も知らないヒデオは、四苦八苦することに。まあ、オカルト方面と言う点を除けば、社会人が新しい職場で頭を抱える苦労という点では変わらないんですけどね。
それでも、あの闇の神アンリマユが送り込んできた観覧用端末闇理ノアレや神に昇格したにも関わらず、相変わらずヒョイヒョイ遊びに来るウィル子たちのお陰で、ヒデオは召喚師やら妖精使いだのと勘違いされ、なんだかんだと一目置かれるわけで。まあ、でもヒデオは頼めば闇の力をなんぼでも借りられるし、呼べばウィル子もすぐに助けに来てくれるわけで、精霊使いというのもあながち間違った話じゃないんだよなあ。もっとも、ヒデオの誠実さはやっぱり前のまんまで、そういうチートを利用せず、自分でなんとかしようとするのは相変わらず偉いところ。
いわゆるハッタリで場を乗り越えて行くタイプにも関わらず、ヒデオへの好感度がやたら高いのは、彼は嘘や虚言を弄するタイプではなく、むしろ常に誠実で献身的だからなんだろうなあ。
このシリーズに出てくる大物たちは、大物であるが故にヒデオの本質を鋭く見抜き、見抜くが故に勝手に誤解し、はたまたその言を大げさに解釈し、もしくはその意を疑えないわけだ。騙されている、惑わされている、のとは一線を画してるんだよなあ。
睡蓮が出てくると言うことで、ほむら鬼も【お・り・が・み】以来久々に登場したわけですけど、あの鬼があれほどまともに他人を認め評価するのは初めて見るような気がする。睡蓮はもとより、鈴蘭に対してだってもうちょっとひねくれた態度だったし、評価は辛かったぞ。
ちなみに、ほむらのビジュアルデザイン出たのはこの巻が初めてか。実はもっとムキムキの鬼と言われてすぐに思い浮かぶ典型的な姿を連想していたんだけれど、なるほどこっちタイプだったのか。
ナニゲに後日談と言うことで、人間関係――特に恋愛方面で色々と激変があったんですよね。これはぶっちゃけ驚いた。翔香さん、あなた貴瀬とまさかそういう関係だったとは!!
これはこの巻で一番驚いたかもしれん。たしか、【お・り・が・み】からこっち、翔香と貴瀬が対面している場面、なかったんじゃないか? 幼馴染で、みーこ関連で色々あったという話はあったけどさ。でも、いやそう言えば、伊織貴瀬について話している時の翔香って彼に対してかなり気安い、というかある意味弟に対してよりも身近な相手について口にしているみたいな柔らかさがあったんだよなあ。貴瀬はみーこのモノ、というイメージがくっきり刻み込まれてたんで、みーこ以外ならハズレ籤で鈴蘭? という組み合わせぐらいしか思い浮かんでなかったんで、これはサプライズだった。ちゃんと、みーこもイイと言ってる、とみーこの了解得ているところとか、ホント良くわかってる(笑
翔希は翔希で、真琴と別れてやがるし。う、上手くいかなかったのかよぉ(苦笑
そりゃあ、告白の時からえらい蛋白な対応されてたけど、高校時代からの友達気分が抜けなくて、というのは色々と生々しいw だからと言って、鈴蘭に走るのはある意味バッドエンドだぞ。
意外なカップリングというと、ヒデオも意外だったよなあ。なんか、睡蓮とわりと本気でイイ雰囲気になってきてるし。てっきり、ヒデオに対しては婦警の美奈子が本気でアプローチしてくると思ったんだけどなあ。ヒデオに脈があったかどうかはともかくとして。


書下ろしは、鈴蘭無双というか鈴蘭無法というか。この女、いい加減悪の組織の親玉が似合いすぎて偉いことになるつつあるなあ。貴瀬だってまだマシだったぞw 少なくとも、貴瀬は部下の覆面タイツにノリで実弾ばら撒くとかしなかったから。
出てきた当初は不幸不遇がお似合いの被虐系薄幸メイドヒロインだったはずなのに、今や初代聖魔王とか神殺しとか言う以前に、悪の暴君だもんなあ。
いいぞ、もっとやれw
リップルラップル、とうとうミズノのみならずSSKにまで食手を伸ばしやがったか。マリアエクセルも暇なのか? 最近、普通に地上におりてきて姉妹喧嘩ばかりしてる気がするがw


今のところこれといった大事件は起きていないものの、ヒデオたちが処理してきた案件の裏ではうごめく影があるようで、今のところどちらも相互にその存在に気づかない段階。幾つか接触はあったものの、未だ決定的な所までには至ってはいないが、早晩表面化はしそうなんだよなあ。
こりゃあ、次の巻あたりから自体は大きく動き出すのか。それとも、レイセンでは動かずに終わるのか。このノンビリしたノリも結構好きなので、しばらくはこれで楽しむのもいいなあ。と、あとに真打が控えているのがわかってると、余裕も出てくるな、うんうん。

レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い5   

レンタルマギカ  銀の騎士と魔法使い (角川スニーカー文庫)

【レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い】 三田誠/pako 角川スニーカー文庫

Amazon
 bk1

この表紙絵観たときは、目を丸くしたものです。一体誰だ、こいつ、と真剣に首をひねってしまった。それくらい、以前のいつきとは印象が変わっている。眼帯がなくなったことこそ一番大きな外見的変化なのですが、それだけならこんなにも驚かなかったと思うんですよね。
この優しげで柔らかくも、芯の強そうな真っ直ぐな相貌。それはいつきの本質そのものなのですが、以前の彼はここまではっきりとその本質が表に出る人間じゃなかったんですよね。同じ微笑でも、どこか気弱でヘラヘラっとした笑みこそが彼の表情だったのに。
彼を苛み続けながらもその強さの源でもあり続けた紅い瞳が奪われ、彼を支え続けた猫屋敷と穂波を協会に奪われ、アディもまたいつきから距離を置き、アストラルに残ったのはオルトとみかん、黒羽と新たに助っ人として加わったラピスと、いつきよりも年少者ばかり。
いつきが拠り所としていたものがすべて奪われてしまったわけです。そんな中で、いやそういう状況だからこそか、彼は甘えを捨て、今まで漠然としていた願いを叶えるために何をすればいいのかを、それを具体的に見定め、誰に導かれるのでもなく、自分の頭で考え、自分の足で進みだすのです。
そこには、かつての気弱で内気で情けなげな少年の幼い風貌は溶けてなくなり、精力的に己が目的を達成するために、夢を叶えるために突き進む精悍な男の姿があるばかり。
ああ、少年は大人になったんだなあ、とこの巻を読んでいて妙な感動に胸が熱くなってしまった。それも、ツマラナイ大人になるのではなく、少年がかねてから持っていた良い部分を、多くの人々が彼を慕い、余人に心許さず光に見向きもせず闇を歩むはずの魔法使いたちを惹きつけて止まなかった素晴らしい彼の本質はいささかも陰ることなくそのままに、とても素敵な青年へと成長していっている。
まあ、気弱そうだったり、臆病だったりするのは以前のままで、妙に安心させられてしまうのですが。それでも、気弱でも、頼もしさが前とは断然違うんだよなあ。
おそらく彼は答えを見つけたのだろう。これまで彼がずっと疑問に思い、自問し続けてきた問題に対して。そして何より、妖精眼という異能を持っているものの、魔法使いではないただの人間でしかない自分が、魔法使いの社会の中でどういう立場にいるのかを、いったい何が出来るのかを。

前回、彼の中に隠されていた秘蹟が奪い去られたことで、伊庭いつきが持っていた能力は著しく低下してしまい、主力だった社員たちが抜け、いつも手助けしてくれていたアディが疎遠になったことで、アストラルの戦力は半減どころではない勢いで減退してしまいました。
前の巻の感想でも、この戦力の低下をどうするんだろう、とかなり不安視していたのですが、いやまったく自分の見識の浅さを思い知らされた思いです。
まさか、真っ向からの正攻法で、これほど強力なアストラルを見せつけられることになるとは。そうなんだよなあ。アストラルの強みというのは、個々の魔法使いが稀代の腕利きばかり、というんじゃなかったんだよなあ。それなら、猫屋敷、穂波、アディが抜けたことで立ち直りようがなかったはず。でも、アストラルの本当の強さというのは、洋の東西を問わない多種多様の系統の魔法使いが一同に介しているというところだったんですよね。社長であるいつきが起点となって、それぞれの魔術系統の特徴、長所を活かして応用自在に状況に対応する。他の魔術結社には決してできない、魔術の融合、それこそがアストラルの唯一無二の在り方だったわけだ。
そして、残ったみかん、オルト、黒羽、そしてラピスたちもまた以前のままではなく、懸命な研鑽を積んで魔法使いとしての力を増しているわけで。
以前とはまた少し違ってはいるものの、より結束と柔軟性が深まり、いつき本人の意思と戦略性が通るようになった指揮っぷりは、新生アストラルが決して前よりも劣化などしていない事を示していて、各種戦闘ターンでは随分と興奮してしまいました。
ゲーティアに匹敵するほどの強大な魔術結社<銀の騎士団>との一連の会合は、痛快の一言だった。辺境の弱小結社と舐めまくり見下しまくった相手の思惑を、ことごとく覆して行くいつきの深慮遠謀。あー、この子がこんなに強かな策士になるとはなあ。それも、陰惨で性格の悪いたぐいの策ではなく、どこか敵にすら思わず「やられた!」と喝采をあげさせてしまうような、いっそ清々しいような快策ときた。
そして、それは戦術面のことだけではなく、政治戦略的な面にも繋がることになる。敵を打ち倒すのではなく、味方を作り、利益だけでない信頼によって紡がれる繋がりを広げて行く。一旦は禁忌指定を受けて協会内での立場を最悪としたアストラルが、裏技でも反則技でもルールの盲点を突くやり方でもなく、まったくの正攻法で、真正面からの正々堂々のやり方で、これほど見事に、これほど痛快に、再び……いや、こんどこそ本当に協会内で無視できない存在感を示すことになろうとは。
今回はもう、いつき社長に惚れっぱなしの巻だったなあ。ほんと、よくここまで成長したよ。

魔法使いが幸せになってはいけないのか。その疑問を胸に、魔法使いの世界の中に、あくまで普通の人間として挑むことを決意したいつき。彼の在り方に惹かれ彼の味方をしようと集まる魔法使いたちの流れは留まるどころか拡大するばかり。<螺旋の蛇>の正体も含めて、なにかとてつもない大きな変化の波が、いつきを中心に起きようとしている、この雰囲気には酔っ払いそうだ。
そして、ついに。ついにあの人の消息が明らかに。何もかもが謎に包まれたあの人が、今後どういう影響をこの波に及ぼすのか。第三部開始冒頭から、めちゃくちゃ盛り上がってきた!!

ギブあっぷ3!3   

ギブあっぷ3! (HJ文庫)

【ギブあっぷ3!】 上栖綴人/会田孝信 HJ文庫

Amazon
 bk1

あれ? このタイトル、巻数番号のあとに!が付くのか!? わざわざこういう形にしているからには何らかの意味があるんだろうけど???
もうちっと続くのかと思っていたら、この三巻で終わりですか。璃亞がついに自分の気持に正直になり、攻勢に出ようとしたその瞬間にエンドというのはなかなか生殺しである。これからの修羅場こそが本番だろうに。
でも、これ以上続けるともうジュブナイルポルノにしかなる他ない、という所までこの巻で進んじゃっているので、ここで止め、というのも仕方ないのか。ぶっちゃけ、この巻でヤッちゃっててもなんらおかしくなかったもんなあ。璃亞はいささか敏感すぎるw
璃亞の過去、彼女が留年した事件の真相から、その後の展開とイイ、概ね、エロ漫画なシナリオそのものじゃないですか!(笑
ただエロ漫画だろうとなんだろうと、テンプレートは強力にして強烈な吸引力があるからこそ誰もがそれを利用する代物。しっかりガッチリ描ききれば、それはそれだけ強大な威力を発揮するリーサルウェポンでもあるわけです。
だから、メチャクチャえろいんだって!(苦笑
未祐が好きな相手が自分ではなく、親友である事を知っている璃亞は、自覚してしまった彼への恋心を必死に押し殺し、なんとか我慢しよう我慢しようとするのですが、正義感の塊であり情熱の人でもある璃亞は、恋心も情熱的すぎて、被せた蓋がどうしても閉まりきらず、沸騰した恋心は時折蓋を押しのけて、蒸気を吹き出してしまうのです。心肺蘇生の講習でガムテープ越しに人工呼吸をしてみたり、螢と未祐がデートすることを知って、思わずキスをしてみたり。
まるで熱病に冒されたみたいにフラフラになりながら、それでも健気に自分の気持を押し殺し、我慢して我慢して、半泣きになりながら耐えて耐えて。そのエロいことエロいこと。我慢することで色気とかフェロモンとかそういうのが吹き出しているんじゃないか、というくらいにこの璃亞という少女の色恋に悶える姿は肉感的なのでした。
なんでこの小娘、昔のボディコンみたいな服着てるんだ?w
未祐も好きな相手がちゃんといるのに、今更フラフラするな、と言いたいのですが。相手がこの女じゃなあ。フラフラと目移りしてしまうのも、まあ仕方ないなあと思ってしまう。色気はもとより、一連の事件を通じて彼女の人間性やその本心、弱さや強さ、内面的な部分の隅々まで覗きみちゃっているわけだし、普段のあの強気な態度とは裏腹の弱った姿をさらけ出されて甘えられたら、そりゃあグラっとなるわなあ。女としての可愛げに、男心はどうしても擽られてしまうわけです。螢はその点、かなり遅れを取ってしまってるし。まだ距離感を手探りで詰めようとしている段階だったもんなあ。
だからこそ、同じ土俵に立った今後こそが、本当の修羅場モードでここをどう料理するかでラブコメとしても青春エロラブとしても際限なく面白くなりそうだっただけに、ここでスッパリ終わってしまったのは潔いとも残念とも思えるのでした。

愁一の失恋の真相にはけっこう驚かされたなあ。かなり単純に考えていたので。
両思いならいいじゃないか、と思ってしまうのは色々と毒されてしまっているのか。でも、失恋と言いつつ、このままズルズルと収まる場所に収まってしまいそうな状態でもあるんですよね。でも、愁一はあれでマジメだから、ちゃんと決着つかないと悶々と苦悩し続ける気もするのだけど。いいさいいさ、それもまた愛の形の一つですよ。悩み苦しみ続ける限り、その愛は常に新鮮なわけですから。



グロリアスドーン 10.桜舞い散る空の上、4   

グロリアスドーン10 桜舞い散る空の上、 (HJ文庫)

【グロリアスドーン 10.桜舞い散る空の上、】 庄司卓/四季童子 HJ文庫

Amazon
 bk1

ああ、これは。HELLOの総帥が広大に語った想いは、物凄く共感できる。いつかの遠い未来、人類が一人も残さず滅び去ったとき、人が連綿と繋いできた歴史は誰にも知られる事なく消え失せる。何万年と言う人が築いてきた想いが、何も残らない、無と化してしまう。
その虚しさ、寂しさは想像するだけで途方もなく胸をかきむしる。
でも、そんな歴史を、人々の記憶を、かつてここに人類と言う生命がいて、文明を築き、確かに生きていたのだと、それを覚えていてくれるモノが居たとしたら。それはどれほど救われることなのだろう。
しかも、それらを覚えていてくれるモノたちは、単なる機械のように記録として歴史を記述するのではなく、その歴史にちゃんと人が生きていた事を理解し、実感し、理解してくれるメンタリティを有した知的生命体なのだ。人間と同じ言葉を介し、同じ想いを共有し、同じ視点で同じ景色を見てくれた存在なのだ。
それが、ずっとずっと永遠に、人のことを覚えていてくれる。たとえ、人類がこの宇宙から消えてしまったその先であろうと。
人を見下ろす神ではなく、その時隣に居てくれた隣人として、同じ喜怒哀楽を共にした友人として、自分たちのことをずっとずっと覚えていてくれる。これほど安らぎと嬉しさを抱くことはないだろう。
HELLOの総帥が変節と言われようと、bioクラフトとの友好を受け入れ、それを広大とティセに語った想いは、とてもよくわかる。言わずには居られなかったんだろうなあ。

それと同時に、大地が抱く危惧もまた理解できなくはないのだ。そんな遠大な未来を臨む視点ではなくもっと近似的な未来を観た場合、膨大な時を、殆ど永遠に近い時間の流れを揺蕩うbioクラフトと、およそ百年しか生きない人間とでは生きる時間が違いすぎる。それは、友人として繋がるにはあまりにも大きすぎる違いであり、それは双方に取って禍根を残し、未来を歪める形になりかねない。その危惧は決して間違ってはいないはず。実際、bioクラフトの中にもそれを危険視しているものもいるし、オストネホワールウィンドがそういう考え方に至ったのは実際の経験に基づくもの、それもアイシャに関わるもののようだし。
大地がその思想に至った、というか想い定めた発端となる事件については未だ明かされておらず、広大の母親である広海の正体と合わせても、それ相応の思想が固まるだけの何かがあったのだろう。
それでも、広大に対する一方的な思想の押し付けは、息子を放ったらかしにしておきながら、広大が日々どんな風に過ごしているのかも知らないくせに、勝手な言い草だとムカッと来たけれど。どうも大地の中ではbioクラフトが殆ど人間と変わらないメンタリティを有した、人と変わらない存在である、という考えがないようにも見える。まあ、過去の一件でそう思ってしまうようなことがあったのだろうけれど。

そもそも、bioクラフトと人間の関係と言うのは、他の星の文明とbioクラフトとの関係とは根本から異なっている可能性が、一連の事件を通じて非常に高まってきたようにも思える。ワンダフルプレイスとはなんなのか。本来まったく別の存在であるはずのbioクラフトと人間との近似性の意味は。
そもそも、地球という惑星は、本当に自然発生的に生まれた星なのか。

クライマックスに向けて、情勢は激しく動き、ついに真相へと至る道筋が見えてきた。


と、同時に人間関係の方も進捗を見せてきたんだか、ないんだか。ぶっちゃけ、広大は恵子の異変について幼馴染として気づかなさすぎだ。この手のパターンだと、恋愛方面には鈍感だとしても普段とは違う様子をちょっとでも見せたらすぐにでも気づくのが幼馴染の面目躍如だろうに。
恵子が気づいて欲しそうな素振りを見せていただけに、これは非常に残念な振る舞いだった。あの恵子が、恋愛臭を全く見せないある意味余裕とも言うべき不貞不貞しさを見せつけていた恵子が、殆ど初めて見せた隙であり、誘いであったのに。
ラストの展開からの対応次第では、まだまだ巻き返しの余地はあるとおもうのだけれど。まあ、恋愛方面についてはこのシリーズ、これだけ女の子が一杯いるにも関わらず、その手の浮いた話は広大には全くと云って言いほど浮き上がってないんですけどね。みんなそれなりに好意を見せつつも、それが男性に対する意識の高まり、という程には盛り上がっていってないですし。
ティセたち三姉妹は完全にマスコットだしなあ。やたら愛らしくて可愛いんですが。この姉妹、ティオが普通に一緒に過ごすようになってからの三人セットになってからやたら愛玩動物めいた可愛らしさを獲得しやがったし。ティセ単体でも面白可愛かったけど、三人一緒だとさらに破壊力ましたもんなあ。大人びた風貌のティオがちゃんとティセやティオとそっくりの仕草を魅せてくれるのもギャップ萌えだし。なんだかんだと末妹らしいもんなあ。
やたらととんがっていたのも今は昔。ティオはティセたちと元のように付き合うようになってから、張り詰めていたものが随分と取れたっぽい。桜子が例の一件で暴走状態に陥ったときもその激情に飲まれず、心配そうに引き止めたところなんて以前の彼女じゃ考えられなかったところだし。前だったら、一緒になって煽ってたよなあ。ティオと桜子は一時期からホントにいいパートナーになりましたわ。お互いをちゃんと想いあい助け合えているし、ティセたちとは違う意味で姉妹らしく見えてる。

しかし、相変わらず戦闘シーンのスケール感がハンパないなあ。しかも、今回は地球上から観測出来るものだっただけに、空一面を覆い尽くすようなイメージでのビジュアルは、文字の上からですら度肝を抜かれる。
一度、映像として見てみたい気もするんですよね。ティセのパタパタも含めて。

B.A.D. 1.繭墨は今日もチョコレートを食べる5   

B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)

【B.A.D. 1.繭墨は今日もチョコレートを食べる】 綾里けいし/kona ファミ通文庫

Amazon



うわああああ、これはヤバイ。とてつもなくヤバい。危険すぎる。危なすぎる。
呑まれかけた。溶かされかけた。
魅入られかけた。

まず、ここまで真にイカレ狂っている話を、常軌に指先の爪先すらも残さず踏外した話を描いてしまっているという時点でおかしい。度肝を抜かれた。しかも新人と来た。このご時世、人間の狂気を主題にして描かれた作品と言うのは決して珍しくはないのですが、その大半は所詮常識に囚われた狂気であり、一生懸命筆者が考えて考えてひねり出した人造の狂気に過ぎないわけです。その多くが造り物然とした部分を消しきれておらず、読み手にある種の白けた冷静さを取り戻させてしまうのです。
ですが中には、時折、造り物だの何だのと言う意識そのものを塗りつぶしてしまうような、おぞましいものも混じっている。本物と呼ぶのもバカバカしい、ただただ描かれ出されている狂気に肌が粟立ち、胃が窄まり、体中がおののき震えてしまう凄まじいモノが出てくるわけです。
これは、間違いなくその一つ。
だいたい、主人公の男がお腹にあんなものを孕んでいる、そう「孕んでいる」という時点でもう、その発想からなにからイカレ狂っているとしか言い様がない。
そして、これがマジでヤバいと思ったのは。本来なら、そうした狂気、イカレ狂った人間の見る景色、踏み外した世界の有様、そうしたものには強烈な忌避感、嫌悪感、おぞましさや恐れを抱くものなのです。そうした、常軌を逸したモノを目の当たりにすることに対して、自分の中にあるものと似ているようでまるで違うもの、決して巡りあうはずのないものだと認識することで、見てはいけないモノを見てしまったという禁忌を犯したその後暗さにこそ、こうした類の作品に対する妙味というものがあるはずだったのに。
この作品、甘いんですよ。
狂気が甘くて、蕩けそうで、食べてしまいたくなる。
ヤバいことに、魅入られそうになる。
最初読みはじめた時、なんでこんなにチョコレートが協調されているのかと頭の片隅に疑問が浮かんでいたんですが、本来吐き気をもよおすような場面で、鳥肌が立ち、寒気に震え上がるような場面で、漂ってくる甘い香りが、浮かべるべき嫌悪感や気色の悪さといった部分を塗り潰していってしまうのです。
凄いよコレ。チョコレートという小道具が、作品全体に恐ろしいまでに影響を及ぼしている。呪術の触媒みたいに、作用してしまっている。あれだけの血生臭いグロテスクさが、粘性の闇が、チョコレートという要素を介することで、妖しい甘さへと変換されてしまっている。
ううっ、なんか胸焼けが……。ヤバいなあ。
狂気の質が、今まで観てきたものとは何か違う。ヒロインたる繭墨あざかにしても、、あれだけハズレておかしくイカレた人間なのに、同時におそろしくまともで良識的で普遍的で常軌に則ってるのです。正気と異常さが、並列して存在している、のではなく、完全に混じり合って溶け合って、全く別の何かになってしまっている。お陰で、異常なようで普通なようでそのどちらでもないという、ワケの分から無い存在になってしまっている。これまでこの手の作品に出てくるキャラクターというのは、正気か狂気かどちらかの側に立っているか、その両者の間で揺れているか、大概そのどちらかだっただけに、このどちらでもありどちらでもないという有様に成り果てているようなキャラクターはあんまりお目にかかった事がなく、読んでいるこっちは平衡感覚を失って依って立つべき足元を見失って、フラフラと酔っ払っているうちに、引きずり込まれそうになっていた。
ゾッとした。ほんとにヤバい、これ。私、甘いもの、好きなんですよ。
主人公たる小田桐勤にしても、作中では極々普通の人間の区分に置かれているし、実際その通りなのでしょうが、同時にこの人も哀しいくらいに踏み外してしまっている人で、その混在振りには酩酊させられるんだよなあ。主人公として依って立つ所が無茶苦茶なんだ、この人は。無茶苦茶というか、見失っているというべきか。それを探求するのがこの物語における彼の役割だったのかも知れないけれど、付き合わされた身としてはこの胸焼けから来るような気持ちの悪さをなんとかしてくれと愚痴りたくなる。巻き添えを食って、地獄の底まで覗かされてしまった、この途方に暮れた感覚と、どこか得体の知れない幸福感は、ほんと勘弁して欲しいと同時にどこまでもずぶずぶとハマッていってしまいそうで……だからヤバいんだって。

またもう、とんでもない化け物が出てきたなあ。戦慄を抑えきれません。

ばけてろ 影の大統領はとてつもなく偉いのだ!3   

ばけてろ  影の大統領はとてつもなく偉いのだ! (角川スニーカー文庫)


【ばけてろ 影の大統領はとてつもなく偉いのだ!】 十文字青/みことあけみ 角川スニーカー文庫

Amazon
 bk1

サブタイトルの影の大統領の人、あれだけギャーギャーとうるさくて幼児性が傍迷惑でどうしようもないキャラクターにも関わらず、恐ろしいほど存在感がなかったなあ。本気でどうでもいいと、どれだけ声が大きくても印象に残りにくいのか。この【ばけてろ】という作品が、景敦とメルカ、千夜子の三人による三人のための三人の物語なんだからだろうか。結局、二巻にはミポルは出てこなかったわけだし。
第一巻のある意味最大の特徴だった、景敦のムッツリスケベっぷりは今回はわりと控えめだった。初登場時はあれだけ煩悩に身を任せていたのに、結構自重していた。一話でメルカたちが裸に剥かれてしまったときなど、前の彼なら一生懸命チラ見しそうなものだったのに。まあ、今回も覗きをやってしまったりと色々やっているのはやっているのだけれど、妄念がいささか押さえ気味だったんですよね。それが、メルカと千夜子の二人の女の子が、AVやエロ雑誌のモデルとある意味変わらない他人でしかなかった頃と違って、身近な親しい人間となってしまった事で、そういう対象として見ることに一方ならぬ罪悪感、申し訳なさ、バツの悪さといったものを感じるようになってしまったと言う事なのでしょう。それでも、なかなか若い情念を抑えきることが出きずに、ついつい出来心を迸らせてしまうのだけれど。
この初々しさは、人付き合いを今までまるでしてこなかった未熟さ故なんだろうけれど、意外と純真で誠実なんだなあ、と微笑ましく思ってしまった。
そんな自重しだしたかれに対して神様が祝福を送ってくれたのかは分からないが、今回は妙に景敦に対してラッキースケベが多かったような。メルカと千夜子、なにかと見られてはいけないところを見られてしまっているわけで。ご愁傷さまというべきか、お粗末様でしたと言えと言うべきか(?)
この三人の日常を追って行くと、意外なことに対人スキルが一番まともなのは一番鈍い千夜子だったりするんですよね。普通に友達もいるみたいだし、社交性もある。一番頭にお花畑が咲いているのも彼女だったりするわけですが。これは彼女個人の資質ではなく、彼女の家族全体がそんな感じみたいなので、千夜子の責任じゃないのですけどね。
一方で、メルカの方は逆に景敦並に対人スキルに欠けているっぽい。高飛車な性格とは裏腹に、かなり他人に対して臆病なんですよね。幼い頃のトラウマが未だに残っているからなのでしょうけど、千夜子以外の同級生に対しては積極的に距離を置いているみたいですし。その分、唯一の友人である千夜子に依存してるんですよね。何事にもトロくさい彼女を助けている庇護者という立場に、しがみついている。
ただメルカが偉いと言うか健気なのは、千夜子を決して自分の所有物のようには見ていない所なんですよね。彼女を独占しようとはせず、千夜子が他の友達と交遊する事を邪魔しようとはしないし、自分と付き合うことについて彼女の意思を強く尊重しているように見える。たぶん、この娘は千夜子が他の友達を優先して過ごすようになっても、何も言わず黙って距離を置いてしまうんじゃないかな。その点に関してはいささか危惧する処でありますけど。
それでいて、千夜子に何かあったら血相を変えて飛んでくるし、彼女を守り助けることに労を厭わない。確かに、その原点となる部分は多少歪んでいるのかも知れないですが、メルカと千夜子の関係というのは素晴らしい親友同士なんじゃないでしょうか。
正直、あの千夜子の桜の友人との一件ではメルカを見直したもんなあ。千夜子しかまともに友達のいないメルカが、ああも積極的に千夜子の友人探しに協力するとは。あれ、一つ間違えれば、自分から千夜子が離れて行くかも知れない可能性を、聡いメルカが気付いていないはずなかっただろうし。それでも千夜子のため、とがんばれるメルカはイイ子ですよ。どっか、危ういけれど。
あの話では、恐ろしく腰が重かった景敦も、自分から積極的に千夜子のために動いているんですよね。二人と付き合うことで、この少年も今までにない変化を迎えているということなのか。

しかし、なんだかんだとメルカたち、景敦の家にほとんど日参してたのか。なんか、遊びにいく、のノリが小学生レベルな気もするんだけれど、このむしろ何もセずにだらだらと家で過ごす時間があるからこそ、この三人の関係、やたらと距離感が近くなってしまってる気がするなあ。
メルカも景敦も他人との距離感の取り方がまるで上手くできないタイプだし、千夜子は何も考えてないタイプだし、そんな三人が不用意に近いところに固まってしまったために、随分と三人の関係って変なことになってるんですよね。お互いみんな気になっているのに、それをどう扱ってイイのか分から無いまま持て余しながら、ズルズルと距離感だけがどんどん近くなってしまっていってる。これは、ラブコメ展開になっていっても、どっちを選ぶか、とかそういう話にはならなさそうだなあ。

身代わり伯爵の誓約4   

身代わり伯爵の誓約 (角川ビーンズ文庫)

【身代わり伯爵の誓約】 清家未森/ねぎししょうこ 角川ビーンズ文庫

Amazon
 bk1

くあああ、甘い甘い、でら甘のスイートラブ。極まるところまで極まってしまったミレーユとリヒャルトのイチャイチャっぷりに、悶えて悶えて七転八倒。
ああもう、ご馳走様でしたぁっ!!
開き直ってからのリヒャルトの攻勢は凄まじいものだったけど、結局それで押し切ってしまった。なにしろあのミレーユの鈍さも記憶封印すらも諸共せず、だったもんなあ。ミレーユの恋愛に対する鈍感さはかなりのものがあったはずなのに、押して押して押しまくったお陰で、いつの間にかミレーユも無理やりこじ開けられたみたいに自分がリヒャルトに抱いていた想いが彼への一途な恋愛感情であるのだと分からせられてたし。何も分かって無いミレーユに対するちょっとした洗脳じゃないのか、と疑いたくなるところすらあったけど(笑
でもまあ、元々控えめで抑制的ですらあった男性があれほど積極的に愛する女性を欲する猛進さはかなり心地よいもので、世のへたれ主人公共はちょっとは彼を見習いたまえ、と尊崇の念すら抱いてしまった。
ミレーユの記憶喪失をあまり引っ張らずに、早々に片付けたのも好印象。この手の記憶喪失って、ようやく成就しかけた二人の関係を一旦リセットして最初からやり直させるようなものなので、長引くと結構うんざりさせられることが多いんですよね。また最初から繰り返しかよ、みたいな。それを、明快に、多少記憶を失おうがミレーユはミレーユで、リヒャルトとの仲は揺るがない、というのを示す事で迅速に済ませてしまったのは、ちょうどクライマックス入っていたところだったし、ここでは良かったんじゃないだろうか。
ウォルター伯爵については、これで終わり? というくらいにあっさりと片付いたので拍子抜け。なんだけど……どうも、これで彼の妄執が終わったとはとても思えないんですよね。彼の企みが阻止されたあとも、なんか妙な余裕があったような。まだなんかありそうなんだよなあ。

様々な障害を乗り越え、自身の中の葛藤や迷いにも片をつけ、リヒャルトにどこまでも着いて行くのだと決心したミレーユ。もうこれで、お幸せにー、となっても良さそうなんだけど、まだまだ続くのね。師団の連中のように味方になってくれる人も出てきたけど、彼女のことを敵視する人もまだまだいるわけで。ようやく二人が添い遂げることを誓い合ったにも関わらず、最後のあの人の不穏な動きを含めて、今度は周りが障害になってくるのかな。
どーも、またフレッドが元凶のような(苦笑
この兄ちゃん、大概迷惑だよね。散々リヒャルトとの仲をけしかけてたくせに、いざミレーユがマジになったら要らんチャチャを入れだすって、どんだけ鬱陶しいんだかw まー、兄貴として気持ちは分からんでもないが。ようやく、認めてくれたと言うか受け入れてくれたというか妹離れしてくれた(してないけど)のはいいけど、次の波乱の元凶も貴方が原因なら、ちゃんと自分で後始末して欲しいなあ。というか、いい加減妹に構ってないで、自分の大切な人を大切にしなさいよ。セシリアをいつまでも放ったらかしにしてー。まだシアランに残るとか言い出した時には、蹴っ飛ばしたくなりましたよw

戦闘城塞マスラヲ 15   

戦闘城塞マスラヲ (1) (角川コミックス・エース 263-1)

【戦闘城塞マスラヲ 1】 浅井蓮次+ 角川コミックス・エース 

Amazon
 bk1

ヒデオ、本気で目つきメチャクチャ悪いなッ!!!!
古今、目つきが悪いという特徴のキャラクターは多々あれど、本当にここまで悪いのは滅多といないぞ!(爆笑
いやもう、本当に何人も殺してそうな目だよ。リュータもこれ、相当に目付きが悪い部類に入ると思うんだけれど、ヒデオの目付きの悪さと比べるとまるで好青年に見えてしまうと言うくらい。さすが、この目つきのお陰で人生踏み外すだけあるわー。というか、こんな目つきの写真が貼られた履歴書送られてきたら、そりゃ速攻でごめんなさいしちゃいますよ。

というわけで、かの傑作ライトノベルのコミカラズである。昨今の漫画化作品は一昔前と違って非常にクオリティの高いものが多いが、この戦闘城塞マスラヲもその中の一つ、というかその中でも特に素晴らしいクオリティのものと言っていいんでないだろうか。何度も繰り返しになってしまうが、ヒデオの目つきの悪さがもうパネェ事になっており、そのお陰でヒデオの行動の何もかもがもう、インパクト強すぎてひっくり返ってしまう。あの何とも特徴的なキャラクターも見事に漫画に対応していて感心してしまった。ヒデオって無口だし見た目リアクションも少ないし、けっこう書きにくいキャラクターだと思うんだけど、とりあえず目で殺しーの、あのやたら可笑しい地の文もうまいことチョイスして使ってて、あの原作の通りのヒデオがここに降臨しているわけです。いやあ、これはすごいわ。
漫画になって改めて思ったけど、【戦闘城塞マスラヲ】の面白さって、あの林トモアキの独特の文章に寄る処だけではなく、単純に話として面白いんだよなあ。ストーリー展開からエキセントリックですっ飛んでて、それでいて奇を衒っただけではない王道としての芯があって。
原作である小説をまだ読んだことのない人は、ぜひぜひこの漫画をきっかけにして川村ヒデオという特異にしてオンリーワンな主人公と林トモアキの世界に足を突っ込んで欲しいなあ。まだまだ【戦闘城塞マスラヲ】はこの一巻では序の口も序の口。その盛り上がりたるや登り始めて一合目。これでまさかの一合目。ここからさらにさらに鰻登りに上り調子になっていくので乞うご期待。

しかし、女性陣が思いのほか可愛らしいのには、年甲斐もなくときめいてしまった。特に美奈子さんはまるでヒロインのようじゃないか!(w
まあもっと驚いたのは、リリーさんの方ですけど。あのリリーさんがなんだか可憐で可愛いのですよ? あのリリーさんが、あのリリーさんが! あの! リリーさんがぁ!!
まあ、ネコかぶってるのも今のうちですけどw
そういえば、この漫画から入った人は、リリーさんについてはまるで情報無いんだよなあ。いきなり聖魔王と言われてもわけわかんないだろうし。なるほど、謎の美少女である……美少女て(爆笑

蒼空時雨4   

蒼空時雨 (メディアワークス文庫)

【蒼空時雨】 綾崎隼/ワカマツカオリ メディアワークス文庫

Amazon
 bk1

だから、どうしてこれを電撃文庫大賞に送るんだ!!(笑
完全に大人たちの恋愛小説じゃないか。登場人物、もう大学生ですら無いし。これは困る。電撃文庫ってライトノベルの中でもかなり懐の広いレーベルだけれど、さすがにこれを電撃文庫として出すのには躊躇を覚えたんじゃないだろうか。【[映]アムリタ】についても、同じような事を思ったけど、まだあちらは登場人物たちが大学生で、電撃文庫から出ていても、だいぶ毛色は違うと感じても、おかしいとまでは思わなかったと思う。だけど、この【蒼空時雨】はちょっと毛色が違いすぎるもんなあ。もし電撃から出ていたら、かなり戸惑ったと思う。でも、だからと言ってはい残念、とお蔵入りにするにはちょっとこれは名作過ぎた。
なるほど、こういう類のものが多数送られてくるようになっていたのなら、メディアワークス文庫なんて新レーベルを立ち上げようという構想も出てくるわなあ。既存の作家だのみではなく、ちゃんとこうしたレーベルを支えられるに十分な実力を持つ新人が揃っていたから、敢然と打って出たわけか。

電撃文庫を読んで大人になった読者へ というメディアワークス文庫の創刊にあたってのキャッチフレーズ。この作品を読んでその言葉の意味をしみじみと実感させられたようだ。先程、大人たちの恋愛小説、と書いたけれど、この物語の登場人物たちは大人は大人だけれどまだ同時に二十代の若者でもあるのだ。青春を直走った学生時代こそ通り過ぎてしまったけれど、その残り香がまだしっかりと胸に収まったまま、侭なら無い人生を泳ぎだしている世代。
彼らの恋愛には微笑ましさや初々しさといった淡くも夢ごこちの調べはない。彼らの恋愛に求められているのは、人生を共に歩む覚悟。これから先の人生を、一緒に過ごして行く事への真摯さだ。それはやはり、生半可なものではなく、若者たちはその覚悟に向きあうために多大な勇気や決意を必要とし、時に自らを奮い立たせ、時に痛みをじっと噛み締め耐えることになる。
愛だけですべてを乗り越えて行くには、社会のしがらみや人の関係というのはあまりに重たく脆くあやふやなものだ。
それでも、それらを乗り越えるには自分が共に人生を歩むと決めた人との間に育まれた愛こそが必要とされるのだろう。
楠木風夏が夫の不貞を疑っていたとき、かわいがっている後輩の零央にもしもの時は自分じゃダメですか、と問うた時に彼女が返した決然とした言葉が、鮮烈に胸を打った。
「結婚は恋愛じゃない」

恋は素敵なことだけど、恋が成就するということはとても素晴らしいことだけれど、ラブストーリーはそこでハッピーエンドかも知れないけれど、そこから恋人たちはもう一つ、大きな試練を乗り越えなければならないわけだ。大きな覚悟を求められるのだ。
楽しいだけじゃいられない。幸せなだけじゃいられない。思えば、あの有名すぎる結婚の誓いの言葉、良いときも悪いときも、富めるときも貧しきときも、病めるときも健やかなるときも、死がふたりを分かつまで、愛し慈しみ貞節を守ることをここに誓います、というあのフレーズは実に端的に結婚と言うものの真髄を捉えているのだとわかる。
はたして、今の時代、これほどの覚悟をもって人生のパートナー契約を結ぶカップルがどれほどいるのだろう、とふと考えてしまった。
いや、舐めたらいけないね。結婚と言うものをこれからもするつもりがない自分などでは及びもつかないしっかりとしたものを秘めて、今の人々だって人生を歩んでいるに違いない。

そんな、夢ごこちの甘いばかりの恋愛ではないのだけれど、でもこの若き大人たちが紡いで行く愛の物語は、決して冷めた現実を思い知らされるだけの辛辣なお話ではない。子供でしか無かった時代を背後に置き去りにしてきていても、彼らの胸の中にはあの頃の思い出がしっかりと残っている。現実の辛さに幾度も打ちのめされながら、宝物のように大切に守っているのだ。そして、大人になった今だからこそ巡り会える愛もある。6つの短編によって紡がれる大人たちの恋愛物語は、とてもロマンティックで優しい光に満ちている。
その光は、きっと彼らの歩んでいくだろう人生の先々までずっと照らし続けて行くに違いない。
降り注ぐ冷たかった雨はいつの間にかどこか温かいものとなっていて、雨が去った後に現れる青空は清々しいまでに澄み渡っている。そんな読み心地の、とてもしっとりと落ち着いた恋愛小説でありました。
 
12月2日

(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(一迅社ノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(早川書房)
Amazon Kindle B☆W

12月1日

(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月30日

(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W

11月29日

(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ファミ通文庫)
Amazon Kindle B☆W


(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W

11月28日

(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月27日

(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月26日

(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月25日

Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(KADOKAWA)
Amazon Kindle B☆W

11月22日

(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスpixiv)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月20日

Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(GCN文庫)
Amazon Kindle B☆W

11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

11月18日

(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガブックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングチャンピオン烈コミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月17日

(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W

11月16日

(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W

11月15日

(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Gファンタジーコミックス)
Amazon Kindle B☆W

11月12日

(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(宝島社)
Amazon Kindle B☆W


(星海社COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スター コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス(月刊アクション))
Amazon Kindle B☆W

11月10日

(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W

11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W
11月6日

(角川書店単行本)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W

11月5日

エンターブレイン
Amazon Kindle B☆W


(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon


(KCデラックス)
Amazon


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W

Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索