【落ちてきた龍王〈ナーガ〉と滅びゆく魔女の国 2】 舞阪洸/よう太 MF文庫J
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一の砦の戦いから十日。迫るカサンドラ王国軍二千に対し、ナーガ率いる二十人の魔女たちは二つの“秘策"をもって迎え撃つ。“黒い森"のもうひとつの魔女一族の長、ヴィータも見守るなか、戦線は切って落とされるのだったが……決め手となる“二の矢"が発動せず、ナーガたちは苦境に立たされる。一進一退の攻防と、ぎりぎりの戦いの果て、ついに明かされるナーガの真名とは――!? “聖龍王"が起つ刻、戦場に新たな風が吹く! はやくもコミカライズ決定の大人気戦乱ファンタジー第2弾、威風堂々推して参る!おおっ、思いの外ガチンコで合戦してる。ガブリエラ戦記はあれで戦略と謀略、ミクロで見てもわりと小細工に終始していて、実はあんまりマトモに会戦という形で、少なくとも主事項たちが参加しての戦いは少ないので、まともに敵の軍勢と合戦するのは【火魅子伝】以来なんじゃないだろうか。あれもまあ、かなり小規模の局所戦でしたし、本作も味方側は魔女20人だけ、と決してまともな軍勢とは言えませんけれど。
しかし、策を弄し、魔女の魔法を駆使したとはいえ、お手本のような渡河を利用した誘引、分断、各個撃破戦術はお見事。この世界には戦術という概念がないという特殊な在りようになっているようだけれど、そんな縛りがなくてもこれまでの長きに渡る魔女が行なってきた戦い方とは全く違うスタイルで迎え撃たれたのだから、備えがなっていなかった、と責めるのは流石に厳しそう。面白いほど典型的な逐次投入になってしまっていますが、よっぽど軍法がしっかりしていて、司令部からの意思伝達がしっかりなされている上でよっぽど練度が高いならばともかく、この惨敗は仕方がないかと。
まあ出来れば、この合戦自体は一冊の中の半分までに収めてどんどんと話を進めて欲しかったところですけれど、今更作者にサクサクとした進捗など期待するほうが間違っていると諦めるしかないか。
キャラクターについては、私もまだ全然把握できず。少なくとも、まだデザインとキャラ名が合致しない。おおよそ、主軸を族長に力持ちのアイス、跳ねっ返りの空飛ぶ子、ナーガの世界の知識に興味を示している智者よりの子、くらいに絞ってきているようだけれど、他にも水を操る子とかを含めて20人近い魔女の一人ひとりにちゃんとキャラクターシートみたいに設定がついているようなので、これから覚えていけるかどうか。今のところ、アイスは覚えた。何気に力持ちなのにお説教キャラで、弄られ系のようなので、こういう子って嫁さんポジにハマるんだよなあ。
なにしろ、主人公が主人公なので、既に元の世界では嫁さんももらっている人のようなので、けっこう色っぽい展開もあるんじゃないだろうか、と期待したい。しかし、ノーブルナーガで聖龍王というのは飛ばしすぎだよなあ(笑
イラストのよう太さんは、中の挿絵の方で相当に暴走してます。なんか、ToLOVEるレベルの技巧を駆使しまくってるような気がするんですがw エロエロすぎるw
舞阪洸作品感想