徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  7月の漫画新刊カレンダー  7月のライトノベル新刊カレンダー
  8月の漫画新刊カレンダー  8月のライトノベル新刊カレンダー
 

書籍感想(2013)

2013年 ライトノベル・ベスト  


今年は痛恨なことに【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】と【ココロコネクト】の新刊を最後まで読む機会を逸してしまいました。絶対に面白いのがわかっているので、読むにも感想書くにもちゃんと腰を据えてかからにゃあ、と意気込んでいたら、そもそも腰を据えるだけの余裕がないまま年末まで来てしまった次第で。恐らく、ここの上位にもあがって然るべき作品だっただけに、しまったなあ、と。

さて、13年度にどれだけ本を読めたか、ですけれど。こういう時は読書メーターのありがたさがよくわかります。

2013年の読書メーターまとめ

13年度の総読破数は621冊。去年よりも十数冊アップで多少増えましたか。今年はバタバタしていて全然読む気力が湧かなかった時期があるので増えるとは思わんかったけれど、若干回復ということで。目標、650くらいに設定しておこうかな。目標があるとペースみたいなものも生まれますし。
あ、マンガの方は78冊と前年100冊越えてたのに比べると激減してます。これは、漫喫とかで一気読みする機会が減ったからではないかと。うーん、ただそうなると比例としてはライトノベルの読破数はかなりあがってると見ていいのかも。いちいち数えるの面倒いのでしませんけど。


2012年の記事 2011年  2010年 2009年 2008年

これは毎年のテンプレートですが、
上限は六ツ星までとしています。5つ星評価でも収まらない傑作、という事ですね。ですが、実質は四つ星Dashまでは自分としては文句なしにお勧めです。また、この記事を書く上で一年間全体を見直した結果、多少の星の数の変動、四つ星Dashから5つ星に移動した作品も数点ありますのであしからず。


六ツ星きらり☆彡


これが我が軍の五大頂だッッ!! 大丈夫、ちゃんと五しかいないから。変態枠も少なめです。
さて、こうして5つ星の限界突破した作品を並べてみると、総じて読んでいる最中に夢中になってワクワクドキドキ胸を高鳴らせてしまった作品ばかりが見受けられます。そう、やっぱり大事なのは胸をどれだけいっぱいにしてくれるかなんですよね。感情を揺さぶり、居ても立ってもいられなくなるような衝動を沸き立たせてくれる。ただ、文字を読むだけで興奮の坩堝に、理性をとろかすような酩酊に沈めてくれる。それをなせる作品こそ、傑作なのでしょう。ここに並べた5つの作品は、まさにそれに値する素晴らしい逸品ばかりでした。



【東京レイヴンズ 9.to The DarkSky】 あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫



感想はこちら
あざの作品のクライマックスは、どうやったってこれくらい盛り上がる、燃え上がるものなのです。最後までフルスロットルに、滾った滾った。


【ログ・ホライズン 6.夜明けの迷い子】 橙乃ままれ/ハラカズヒロ エンターブレイン



感想はこちら
スーパーウルトラネオジオ女子会の会。ギルドの枠を超えて女の子たちが手を取り合い、気持ちを通じ合わせて成長していく、これぞ世界の広がり、枠組みの拡大。読んでて、これほど胸がワクワクしてくる作品は滅多とありませんよ。


【ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン 3】 宇野朴人/さんば挿 電撃文庫



感想はこちら
13年のムーブメントとなった戦記モノ。そのジャンルの中でも極北を行き、最前線を突っ走り、他の追随を許さない領域へと進行している本物の傑作戦記。こればかりはちょっと別格です。



【うちのメイドは不定形 2】 静川龍宗:森瀬繚/文倉十 スマッシュ文庫




感想はこちら
単にテケリさんを愛でるつもりで居たら、とんでもない威力でぶん殴られた。重厚なスケールとエンタメ作品としての絶大な広がりを見せた新たなるクトゥルフ神話の一翼、第二弾。もっそいワクワクさせられましたがな。これで惜しむらくは刊行ペースが……。


【俺、ツインテールになります。 4】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫




感想はこちら
今現在、ライトノベル全体を見渡しても一番極まってしまっているシリーズ。その中でも特に最高傑作と言えたのがこの四巻。その者、ついに真なる意味でツインテールを知り、ツインテールを得、ツインテールに成る!!



五つ星☆ミ

今年の5つ星は14作。去年よりもさらに減ってますけれど、厳選したと思ってください。どうもシリーズものだと、面白い作品ほど前巻と比べて期待値をあげてしまっているので、辛くなる傾向もありますし。
こうしてみると、わりとコンスタントのどのレーベルもこれわっ、という作品を送り出してくれているので満足満足。上記した事と裏腹になってしまいますけれど、長期シリーズにも関わらずグワッと思わず星を捧げてしまう作品も散見できますし。


角川スニーカー文庫
俺の教室にハルヒはいない】 新井輝/こじこじ




電撃文庫
塔京ソウルウィザーズ】 愛染猫太郎/小幡怜央
はたらく魔王さま! 7】 和ヶ原聡司/029 




HJ文庫
月花の歌姫と魔技の王 4】 翅田大介/大場陽炎 




講談社ラノベ文庫
クロックワーク・プラネット 1】 榎宮祐・暇奈椿/茨乃 




GA文庫
聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5】 あわむら赤光/refeia  




スーパーダッシュ文庫
覇道鋼鉄テッカイオー 3】 八針来夏/Bou
ベン・トー 10.恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円】 アサウラ/柴乃櫂人




MF文庫J
ノーゲーム・ノーライフ 3.ゲーマー兄妹の片割れが消えたようですが……?】  榎宮祐/榎宮祐
機巧少女は傷つかない 12.Facing "Master's Doll"】 海冬レイジ/るろお
MONSTER DAYS】 扇友太/天野英





ファミ通文庫
B.A.D.  11.繭墨は紅い花を散らす】 綾里けいし/ kona 





オーバーラップ文庫
デスニードラウンド ラウンド1】 アサウラ/赤井てら 





メディアワークス文庫
キーパーズ 碧山動物園日誌】 美奈川護






以下には、4つ星Dashの作品を列挙しております。続きを読む

2013年12月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

月末発売のファミ通文庫、スニーカー文庫、コバルト文庫、HJ文庫、ビーンズ文庫などは来月送り。

読んだ本の数:48冊 うち漫画:5冊

今月は中旬以降の作品が多忙もあってか、だいぶ読めませんでした。新人作品を優先して読んでいた、というのも大きいのですけれど。
そんな新人作品の中でとびっきりの一番星が登場。【MONSTER DAYS】は、アメリカの刑事ドラマ、或いは賀東招二さんの【コップクラフト】シリーズとか好きな人は大好物なんじゃないかしら。とかく新人離れした面白さでした。
これが完結編だった【瑠璃色にボケた日常】、最初は完成度こそ高いもののひと味足りない感触だったんですが、2巻から見違えて化けましたね。このシリーズ自体は終わってしまいましたけれど、次のシリーズは相当期待できそうです。
さて、14年に躍進を期待したいのが【ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル)】と【俺、ツインテールになります。】。ツインテールは既に5巻だけれど、これはまだこれからもどんどん大きくなれるポテンシャルがあると思ってます。アニメ化企画もあるようですし。ファーブルは、微妙に主戦からハズれてる気がするんですけれど、自分ほんとこの作者さん好きなので、頑張ってほしいなあ。
そして、じわじわと上り詰めてきた【銀閃の戦乙女と封門の姫】。この手の元々ライン高めだったのに、4巻、5巻あたりからさらにクオリティあげてくる作品は、そのまま傑作になる傾向が多い気がします。次が最終巻みたいだけれど、5つ星クラスまで盛り上がって欲しいなあ。


★★★★★(五ツ星) 1冊

MONSTER DAYS】 扇友太/天野英 MF文庫J

【MONSTER DAYS】 扇友太/天野英 MF文庫J


感想はこちら
新人離れしたハードボイルドの濃密なサスペンスに、アクションにのた打ち回れ。社会の闇、平和のもたらす影に敢然と立ち向かうために掲げるは最も素朴な正義、小さくも揺るがぬ勇気。
MF文庫らしからぬ萌えを置き去りにしたハードさと大人たちの格好良さに痺れろ。

★★★★☆彡(四ツ星Dash) 4冊

瑠璃色にボケた日常 4】 伊達康/えれっと MF文庫J
ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) 2】 物草純平/藤ちょこ 電撃文庫
俺、ツインテールになります。5】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫
銀閃の戦乙女と封門の姫 5】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫


【瑠璃色にボケた日常 4】 伊達康/えれっと MF文庫J


感想はこちら
MF文庫Jの新人作品の中でも、デビューから一番化けたのがこのシリーズと作者だったと確信している。惜しむべきことにこの4巻で完結してしまったが、次回のシリーズは特に期待したい。
翠の可愛さは極めつけでした。そしてシモネタ面白かったなあ。


【ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) 2】 物草純平/藤ちょこ 電撃文庫


感想はこちら
奇跡のように調和のとれた小さな楽園。そこに立つ少年少女達は、自分たちが今どれだけの奇跡の上で手を取り合っているかを知らない。ゾクゾクするような舞台設定の上で鮮やかに躍動するキャラクターたち。こいつはとびっきりだぞ。


【俺、ツインテールになります。5】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫


感想はこちら
さながら劇場版ツインテールズ。夏合宿は異世界だ!
というわけで、異世界にてツインテールを啓蒙し、青い大怪獣が暴れ回り、全力で脱衣する。やってることは毎度おなじみな気がするが、女性形エレメリアンと満を持して登場したポニーテイルに激戦必死。燃えて笑える全力全壊バカ小説、異世界よこれが真のツインテールだ!


【銀閃の戦乙女と封門の姫 5】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫


感想はこちら
オールキャスト・ザ・瀬尾ワールド。さあさあ、真の敵の登場で否応なく一致団結する世界。暗躍するゼノ相手にこちらも全力謀略戦で迎撃に入るシャーリーと梨花。盛り上がってきたーーっ!!


★★★★(四ツ星) 10冊

この素晴らしい世界に祝福を! 2.中二病でも魔女がしたい!】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫
魔法少女育成計画 limited (後)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫
魔法少女地獄外道祭文】 安藤白悧/kyo 講談社ラノベ文庫
放課後四重奏 3】 高木幸一/ぜろきち GA文庫
はたらく魔王さま! 10】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫
現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと】 師走トオル/KEI 電撃文庫
ケモノガリ 7】 東出祐一郎/品川宏樹 ガガガ文庫
穢れ聖者のエク・セ・レスタ】 新見聖/minoa(ニトロプラス) MF文庫J
非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに】 藤瀬雅輝/荻pote このライトノベルがすごい!文庫
オレのリベンジがヒロインを全員倒す!】 八薙玉造/雛咲 スーパーダッシュ文庫



【この素晴らしい世界に祝福を! 2.中二病でも魔女がしたい!】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫


感想はこちら


【魔法少女育成計画 limited (後)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫


感想はこちら


【魔法少女地獄外道祭文】 安藤白悧/kyo 講談社ラノベ文庫


感想はこちら


【放課後四重奏 3】 高木幸一/ぜろきち GA文庫


感想はこちら


【はたらく魔王さま! 10】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫


感想はこちら


【現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと】 師走トオル/KEI 電撃文庫


感想はこちら


【ケモノガリ 7】 東出祐一郎/品川宏樹 ガガガ文庫


感想はこちら


【穢れ聖者のエク・セ・レスタ】 新見聖/minoa(ニトロプラス) MF文庫J


感想はこちら


【非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに】 藤瀬雅輝/荻pote このライトノベルがすごい!文庫


感想はこちら


【オレのリベンジがヒロインを全員倒す!】 八薙玉造/雛咲 スーパーダッシュ文庫


感想はこちら



今月のピックアップ・キャラクター

鴫原翠 (瑠璃色にボケた日常)
紺野孝巳 (瑠璃色にボケた日常)
佐藤和真 (この素晴らしい世界に祝福を!)
灰堂青 (放課後四重奏)
草ヶ部詩織 (放課後四重奏)
空上深樹 (放課後四重奏)
鎌月鈴乃 (はたらく魔王さま! )
花梨梨花 (銀閃の戦乙女と封門の姫)
シャーロッテ・エレインララク・クァント=タン (銀閃の戦乙女と封門の姫)
津辺愛香 (俺、ツインテールになります。)
柿谷浬 (セクステット 白凪学園演劇部の過剰な日常)
宮岡貫平 (非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに)
伊原迅 ( オレのリベンジがヒロインを全員倒す!)


続きを読む

デート・ア・ライブ 9.七罪チェンジ3   

デート・ア・ライブ9  七罪チェンジ (富士見ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 9.七罪チェンジ】 橘公司/つなこ  富士見ファンタジア文庫

Amazon

「シドー!おなかがすいたぞ、シドー!」、「だーりーん!だーりーん!」、「みんなちょっとおちつきなさい!」
第7の精霊、七罪が化けた相手を探す勝負を見事制した士道だが、天使の力によって十香たちを子供の姿に変えられてしまう。
「七罪…一体、なんでこんな…」
世界から存在を無視されたことで、コンプレックスを肥大化させ、偽りの姿に変身し、本当の姿を隠す精霊、七罪。「教えてやるよ―女の子は天使なんて使わなくたって、『変身』できるんだってことをさ」自分を否定し続ける精霊の魅力を引き出すため、デートして、デレさせろ!?
これ、表紙の8巻との対比が素晴らしすぎるでしょう。多少ネタバレにはなってますけれど、既に8巻で七罪の正体については殆ど明かされているようなものですし。むしろ、一発で見てわかるインパクトがまた素晴らしい。そんでね、この姿はまだちゃんと身繕いする前の素の彼女なんですよね。カラー口絵には、ちゃんとみんなの手でオシャレした七罪の姿がちゃんと掲載されていて、これがまたとびっきり可愛いんだ。実のところ、表紙の彼女でも素の素材として可愛いのは間違いないんだけれど、ちゃんと手入れされた七罪は、ほんとに完璧な美少女になってるんですよね。この描き分けは手放しで絶賛していいと思う。
さて、これまでの物理的に破壊力タップリに攻めてきた精霊たちに対して、今度の七罪は士道に心を折るかのように精神的に攻撃してくる。いやまあ、彼が一番精神的にダメージくらったのは、美九の洗脳でみんなが敵に回ってしまった時がピークだったんだろうけれど、七罪の攻撃はイタズラレベルなんですけれど、悪意たっぷりに社会的に抹殺を図ってくるから質が悪いのなんの。士道って、基本的に真面目で遊びのない性格しているから、そんな子があんなに変態として警察にしょっ引かれそうな目に合わされるのは、ちょっとどころじゃなく悲惨でした。これで、ギャグキャラの要素を持っている主人公なら、笑って済ませられるんですけどね。この作品、ギャグ要素はわりとタップリあるのに、士道はそれをやるタイプじゃないからなあ。個人的にはもっと弄られ属性があっても良かったとも思うんですけれど。蒼穹のカルマの鳶一くらい。
ただまあ、他の精霊の子たちが言ってるように、客観的に見ると七罪のやってることって可愛らしいレベルなんですよね。他の精霊の子たちが大暴れしている時にやらかしたことを考えると、ね。それでも、士道だけじゃなく十香をはじめとして精霊のみんなが七罪に対して全然隔意を持たずに親身になって接していたのを見ると、随分微笑ましい気持ちにさせられました。いい子たちじゃないですか。八舞双子の多芸さには笑ってしまいましたけれど。
トドメに、士道の化粧の腕前である。こ・い・つ・わww
そういえば、女装するのに後のほうでは他人の手を借りずに短時間で出来るようになってた、と言っていたけれど、どこまでのレベルに達してるんだよ。なんか微妙に変な方向に行ってるぞ。

でも、今回の士道の真摯な振る舞いは、精霊の心を溶かすという意味では一番説得力あったんじゃないだろうか。あれだけ献身されたら、七罪じゃなくても心ぐらつきますわ。それに、今回に関しては士道のワンマンじゃなくて、他の精霊の子たちが積極的に七罪に構って、彼女のネガティブに凝り固まった心を優しく溶かしてましたからね。みんなのチームプレイが光った回でした。特に、クライマックスでは精霊のみんなで共同戦線張る、という一番見たかった展開が待ってましたからね。力が封印されて限定的になっているとはいえ、やっぱり燃えました。共同戦となると美九が支援系として非常に役立ってたのが印象的。単に洗脳とかだけじゃなく、ステータスアップまで賄うとは。

個人的にはDEM社のエレンに精霊がやられてしまうのはちょっと悔しいんですよね。人類が太刀打ちできない絶対の存在が精霊だったはずで、あの真那だってずっと苦戦し続けてたのに。
今回に関しては七罪が戦闘能力の低いタイプの精霊だったから、と思いたいところですけれど。

あと、折紙はいくらなんでも節操なさすぎだと思う。この子は、ほんとに周り見てないでマイウェイ突き進むよなあ。明らかに士道の敵だとわかっている側にホイホイ参加してしまうとか。
あ、ということは次回はついに折紙回になってしまうのか。この際、いい機会なのでDEMと一緒にまとめて始末してしまうわけにはいかんのだろうか(苦笑

シリーズ感想

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! 4   

オレのリベンジがヒロインを全員倒す! (スーパーダッシュ文庫)

【オレのリベンジがヒロインを全員倒す!】 八薙玉造/雛咲 スーパーダッシュ文庫

Amazon

物理法則を超える力、オリジン。伊原迅は地球上に存在する全てのオリジンを操る万能にして最強の“星”のオリジンの使い手だった。“流星事件”の夜、迅は地球を救ったが、直後、仲間だったはずの少女たちに裏切られ、“星”の力を奪われた。二年後、迅は力を持たないただの高校生になっていたが、諦めてはいなかった。裏切りの少女たちに復讐し、“星”の力を取り戻すため、迅は手段を選ばず、エロい手も辞さず、最強無比のヒロインたちに迫る!全てのヒロインを倒すバトルアクション!
さ、さすが落ちぶれて身を持ち崩してクズになってしまったダメ人間を描かせたら天下一品だぜ、八薙先生!!
全然褒めてない気もするけれど、もうねえ、この人ダメ人間書かせると素晴らしく輝くんですよね。想えばデビュー作のエミリーもあれ、相当に落ちぶれて堕落しきってたもんなあ。現在も続いているもう一つのシリーズの【獅子は働かず 聖女は赤く】の主人公なんか、幼女に働かせて自分はニート決め込んでる怠惰の極みだったし。その最低っぷりが、どのキャラもホントキラキラと煌くように腐ってるんですよね、あんなイキイキと全力で腐ってるクズはいないぜ、って勢いで。
本作の伊原迅も、それはもう拍手喝采で讃えたいくらいの惨めな落ちぶれっぷりで、もう未練がましさが見っともないわ目も覆わんばかりの有り様だわ、性根のネジ曲がり方の清々しいこと。かつての英雄が狡っ辛い卑怯な手蔓と、浅ましい欲得と、口から出任せの虚言を駆使して、ほの暗い復讐心を満たして悦に浸る小悪党っぷりが、もう素晴らしく輝いてるのであります。腐りっぷりがキラキラ輝いてる、というのは変な表現だけっれど、迅くんの場合はもうそうとしか言いようがないもんなあ。これだけ腐りきってるのに、見ていて微笑ましいというか愛嬌があるというか、あまりにチョロい小悪党すぎてついつい応援したくなってしまうほどである。
彼にくっついている幼なじみの神那がまた、迅の外道働きの制止役になってるのか煽り役になってるのかわからない、かなり訳の分からないキャラで……、てか煽ってるよね、これ煽ってるよねw 実はこいつが黒幕なんじゃ、と思えてくるくらい無邪気にはしゃいでおります、この娘。

で、肝心の裏切り者への復讐劇なのですが、かなりシリアスに進行するのかと思ったら、変に深刻にならずに思いっきりコメディ進行で突き進むのですね。小悪党に落ちぶれた迅に成り代わって、新たに正義の味方な主人公役は風のオリジンの持ち主である樹が務めて、迅と真っ向から敵対していく流れなのかと思ったら、全然予想外の方向にキャラが突き進んでいってしまって……待て新主人公、おまえ神那と同類の煽り役になってるぞ! あかん、この子はこの子で立ち位置が面白すぎる。真面目で正義感の塊である主人公枠は変わってないはずなのに、アホの子であることが明らかになった途端、その主人公キャラのまま迅の外道働きを全力で後押しする煽り役にハマっちゃってるんですが。一緒になってサラさん弄りまくってるんですがw 子分か!
クールで感情を見せない鉄面皮の従者キャラとして登場したはずのサラさんからして、途中から凄まじい勢いでキャラが崩壊してしまってるし。カラー口絵とか登場時と全然キャラ変わっちゃってるんですけど!! 
……ニャンニャン(爆笑

あかん、すっとぼけた掛け合いが面白すぎる。
迅くんもほんと性根腐りきってしまっているのですけれど、彼の復讐はある意味正当ですし、オリジンを失った彼は卑怯極まりない外道な手練手管で復讐相手に挑んでいくんですけれど、ほんとやり口ゲスなんですけれど、いい感じにノリノリなので嫌悪感とかは感じなくて、いいぞもっとやれ!! という感じで思わず声援を送ってしまうノリに……。だって、周りの連中だって煽ってるしw
本当に越えてはいけない一線はこえてませんですしね。小悪党には成り下がってますけれど、ちゃんと良心とか自分を省みる視点とか他人への思いやりとかは失ってませんし。単に落ちぶれて腐って歪んでしまっただけなんですよぅ。ダメじゃん。
まあ、エロ方面については軽くこえちゃってる気がしますが。若干アウトです。こいつ、自重しねえ。やるな、基本ヘタレっぽいくせに、エロに関しては益荒男だったぜ、尊敬。
まだまだ裏切り者に対する制裁は半分が済んだばかり。残る二人に対する復讐劇がいかなる目を覆わんばかりのついつい指の隙間からガン見したくなるような酷い惨劇になってしまうか、期待が募るばかりです。
いい具合のバカ小説でした、グッジョブ!(笑

2013年ライトノベル系新人作品 まとめ  

 

年内に書き上げるつもりだったのですが、無理でした。無理だったよ!! 
というわけで、本文中には年内のつもりで書いてる表現が多々あるのですが、お見逃しください。年内に書いてたんだもんっ。


失礼、取り乱しました。
というわけで、またぞろ昨年度になってしまった13年度にデビューした新人作品をずらっと並べて、さてさて、去年一年間どんな人が、どんな作品がお目見えしたのかな、と振り返りつつ、雑感をこぼしていくまとめ記事でございます。
並べて見ると見えたり分かったりすることもありますしねえ。

一応、あくまで対象は新人さん。シナリオライターの方や美少女文庫など、他のジャンルで活動していた方が新たにライトノベルで、というパターンは除けさせていただいてます。
また、下記もしていますが、アルファポリスやMFブックスなど、ウェブ小説から単行本でデビューされた作品についても全然追いきれてないので省かせていただいてます。しかし、既存の文庫レーベルから出たものはカウントしているのであしからず。
また、今回当該作品を調べるにあたり、<ラノベの杜様>を参照・参考にさせていただきました。ありがとうございます。
以上、除外分を置いて主要レーベルから出版された、この記事内で収録した新人作品は102作品。増えてるなあ。新たにオーバーラップ文庫が創刊され、さらにメディアワークス文庫も加味するようにしたので、必然と言えば必然ですが。

うち、私が読めたのは67タイトル。去年と同じくざっと6割はカバーできたようですし、純粋に冊数も増えてるんだから、自分頑張った、頑張ったよ。

ちなみに、評価基準は完全に主観的な好みによるものなので御容赦御寛恕お願いいたします。


以下、収納。


続きを読む

ダイス・マカブル ~definitional random field~ 01. 否運の少年3   

ダイス・マカブル ~definitional random field~ 01. 否運の少年 (MF文庫J)

【ダイス・マカブル ~definitional random field~ 01. 否運の少年】 草木野鎖/ふしみ彩香 MF文庫J

Amazon

「──鬼灯君、呪われてたりしない?」
生まれつき「確率を裏切る呪い」を持った高校生・鬼灯灰斗は、ある日転校生の美少女・莉子と出会う。莉子の姉・率によってそれが神の呪い≪神呪≫の一つ「否運」であり、呪いを打ち消すためには千人の人間の呪いを集めなければいけないことを教えられた灰斗は、呪具の一つである≪愚者のダイス≫を使い、確率を支配し、呪いを集めることを決意するのだが――。
第9回新人賞受賞! 確率を統べる新感覚ダイス・アクション、堂々開幕! もし俺がロシアンルーレットをやるなら? それなら銃弾を五発入れることにするね。――だってこれは、そういう呪いなんだから。
【鬼灯の冷徹】というマンガが頭をよぎったw 地獄の補佐官の鬼灯さまほど冷徹に徹しきれていませんけれど、こちらの鬼灯くんは。
最近読んだ本、気のせいか呪われ系男子が異様に多い気がするんだけれど、流行りなんだろうか。で、このダイス・マカブルも「確率を裏切る呪い」に見舞われた少年が主人公。これが興味深い呪いで、つまり確率的に低い方の選択肢が現実に引き寄せられる、というものなのです。あらすじで、ロシアンルーレットをやるなら銃弾を五発入れる、というのは実弾が発射される確率が六分の五、空砲が発射される確率が六分の一なら、必ず空砲を引くことになる、という事。作中でもちょうど昼時で混雑している時にフードコートに行ったら、人数分の席が空いていた、なんて話がある。今頃なら混雑しているだろうからフードコートの方に行ってみようか、なんていう会話に一瞬???が脳裏を乱舞してしまったのだけれど、この鬼灯くんの場合だとむしろ空いている時間帯の方が席が埋まっていたりしてしまう、という事なのだろう。普段意識していない事柄から発動している呪いなので、相当にヤバい代物だというのが知れる。実際、かなりの頻度で事故に合っているようだし、彼自身かなり気を使って周りの人を巻き込まないように遠ざけている。その孤立を望む言動が固着した結果、現在の彼は冷徹と言っていいほど辛辣に孤高を望む人間になってしまっている。実際、近寄ってくる人に対して彼が発する拒絶の言葉は、何らオブラートに包まれる事のない淡々とした冷たさに覆われている。これはかなり聞いていても鼻白むような言い草で、ここまで言われてなおもめげずに近づいてくる輩は腹に一物持っているような者か、
或いは一種の変態性を有する特殊な趣味の人くらいだろう。
そして、メインヒロインたる犬蓼莉子はその希少な変態であったのだ。人呼んでリアクション芸人。いやあ、最初は付きまとってくる様子がいかにもウザったいのだけれど、灰斗がどれだけ突き放してもめげない姿が段々可愛くなってきてねえ。それも、灰斗の冷たい言動に対していちいち大きなリアクションで反応してくれるわけですよ。お陰で、普通なら感じが悪いだけの灰斗の発言が絶妙の掛け合いに変貌して、段々と仲が良いがゆえの遠慮のない屈託ない掛け合いに見えてきて、楽しくなってきたんですよね。これは当事者である灰斗も同様だったらしく、徐々に本当に突き放す為ではなくて、莉子のリアクションを楽しむために弄る目的でキレキレの言葉を投げかけはじめるのである。その証拠に、言葉の辛辣さとは裏腹に言葉の調子からは段々と刺が取れてきましたし、莉子があんまりにも落ち込んだりした時にはすかさずフォローを入れて慰めたりし始めるんですね。
……でも、絶対こいつSだよな。鬼畜な笑みが似合いすぎるw
うん、莉子の快活さはホント心洗われるものでした。もっと、暗い話になってもしょうがない物語だったと思うんだけれど、彼女の明るさが根底から雰囲気を底上げし、主人公の灰斗のキャラクターすら当初の姿から補正して、一見クールで排他的だけれど、中身に熱いものと優しさを持った人間味のある主人公として自律させたように思います。莉子が中盤までで灰斗のキャラを解きほぐさなければ、後半彼をあれだけ動かせたかどうか。
強引で鬱陶しいくらいの娘ですけれど、この明朗闊達な少女は一緒に過ごしていてホント楽しい娘なんだろうなあ、と羨ましくなります。ぶっちゃけ、いい友達で終わってしまいそうなキャラなんですけれど、本作ではちゃんとメインヒロイン扱いで、ホッとするやら何とやら。いやまあ、苗字の違う妹ちゃんが恐ろしくガチで踏み込んできているので、油断すると食われかねないですけれど。こういう莉子みたいないい子は、強引に見せかけていざとなると遠慮しちゃう傾向が多いからなあ。
志穂は、さすがに灰斗とは相性が悪すぎる。素直になりきれずに憎まれ口や思っていることと違うことを口走ってしまう性格は、ある意味額面通りにしか受け取らず、さらにバッサリ切っちゃう傾向にある灰斗みたいな子相手だと、即座に二進も三進もいかなくなっちゃうんですよね。よほど素直にならないと。その点、莉子の性格は確かに灰斗とフィットしてるんだよなあ。現時点で、凄く息合っちゃってるし。
読み始めた当初は、全体的にぎこちなくて読むのがしんどかったのですけれど、徐々に灰斗と莉子の息が合い始めた頃から彼ら二人のみならずキャラ全体的に艶が出てきて、あとは最後まで楽しく読み通すことが出来ました。まだちょっと確率の呪いについて活かしきれてるとは言えない気もするのですが、その辺りの妙については今後に期待、というところで。

非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに4   

非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに (このライトノベルがすごい! 文庫)

【非モテの呪いで俺の彼女が大変なことに】 藤瀬雅輝/荻pote このライトノベルがすごい!文庫

Amazon

「俺は那須谷繭香が好きだ!」
ある日の授業中、唐突に自分の恋心を自覚した宮岡貫平は、さっそく告白を決意する。なぜか告白を邪魔しようとする担任の月影先生を謎の“コウカンゴジョカイ”のメンバーたちの協力のもと振り切って、晴れて繭香と恋人同士となった貫平。バラ色の学園生活が広がると思っていた矢先、学園に伝わる「非モテの呪い」の試練が襲ってきた…。呪いに負けずに最後まで彼女を愛し抜けるのか!?
第4回『このライトノベルがすごい!』大賞・優秀賞受賞作!

うわぁ、これは主人公尊敬するわ。なんという性格イケメン。学園に伝わる呪いによって、カノジョになったばかりの相手の女の子が、計4回にわたって筆舌しがたい有り様になってしまうのですけれど、この貫平と来たら一切ブレずにこの繭香という娘への恋心を失わないのである。いや、スゴイわ。普通に考えて、これは多少とも恋心にゆらぎを生じさせそうなものなのに、事態そのもの、繭香を見舞った呪いに対しては動揺を露わにするものの、恋心に関してはホント、不動なんですよね。これで全く動揺せず受け入れてしまうのならこれほど感心はしないのですけれど、普通に度肝を抜かれて慌てふためいているんですよね、彼。彼女に対する一途さは、ほんとに尊敬に値する。これは、繭香さんもさらに惚れるわー。見放されても仕方ない状態になりながらも、こんなに一心に想いを寄せられたら、女性としてたまらんですよね。この繭香もまた凄くイイ娘で、そんな二人が健気に一途に必死になって呪いをはねのけようと頑張る姿は、素直に見ていて応援したくなる素晴らしいカップルでした。リア充爆発しろじゃないよ、この素敵なカップルの邪魔する奴こそ爆発しろ!!
特に、2番目の呪いはちょっとどころじゃない決意がないと耐えられないですよ。なんか、変な方向に目覚めかけてた気もしないでもないですけれど、可愛くさえあれば性別なんて関係ないよね!!を地で行くとは思わなかったぜ。
個人的には、三番目の呪いはもう解けなくても良かったんじゃないかとすら思ったり。いやあ、普段の毒のない綺麗な繭香もいい子で可愛いけれど、あの性格改変された繭香は、あれはあれで可愛すぎるでしょう。同類属性のキャラの中でも、あの可愛さはなかなか見られないレベルですよ?

三十年前から続いている学園の呪い。実際に呪われたまま、という実例があるのはかなり厳しい設定ですよね。ただ、呪いはカップルが破綻すると解かれるという話なので、呪われたままというのはそのカップルが別れる事無く続いた、という事でもあるわけです。月影先生の旦那さんは、正直スゴイと思う。だって、この先生が学生時代に呪われたお陰で元の姿や性格からどれだけ変わってしまったかを思うと、これを愛し続けたというのは猛者も猛者ですよ。旦那さんは登場しなかったけれど、尊敬するわー。

呪いを解くため協力してくれる先生や友人たちも、ほんとにいい人達ばかりで、その援護に答えてひたむきにお互いへの想いを貫こうと頑張る貫平と繭香のカップルは、見ていて微笑ましく甘酸っぱくなるような素敵な恋人ぶりで、これほど心から声援を送りたくなる相思相愛のカップルはなかなかいないですよ。まさに、本年度のラノベ業界見渡しても、指折りのベストカップル、と呼ぶに相応しい二人でありました。
最高に素敵なハートフル・青春ラブコメでした、ご馳走様。

きんいろカルテット! 13   

きんいろカルテット! 1 (オーバーラップ文庫)

【きんいろカルテット! 1】 遊歩新夢/DSマイル オーバーラップ文庫

Amazon

黄金の音色を奏でる、4人の少女―――
オーバーラップキックオフ賞「金」賞、受賞! !

「このみんなでずっと吹きたかったんです。私、目標があるんです」
ユーフォニアムという楽器の演奏者である摩周英司(ましゅうえいじ)は、恩師の紹介で中学生の少女たち4人の楽器コーチをすることになる。
清楚で真面目な菜珠沙(なずさ)、元気な性格の貴ノ恵(きのえ)、しっかりものの美夏(みか)、上品でおとなしい涼葉(すずは)。
「ブリティッシュ・カルテット」と呼ばれる日本の吹奏楽では馴染みのない楽器を演奏する少女たちに英司は感動し、彼女たちが最高の四重奏(カルテット)を奏でられるように奔走する。
心に響く青春音楽ストーリー、演奏開始!
ユーフォニアムって楽器は知らんかったなあ。名前からとっさに鍵盤楽器かと思ってしまったのだけれど、金管楽器なのね。ちなみに、表紙の女の子が持っているのがそれです。
作者は本物のプロのユーフォニアム奏者らしく、本編にもその知識と経験が遺憾無く発揮されている。逆に、だからこそか物語も登場人物たちも裏表もない凄く素直でストレートな綺麗なお話なんですよね。悪役の人も、ある意味素直なくらいな悪役で、ここまで真っ直ぐな話だと正直ちょっと照れくさくなるやら、ついつい斜めから眇め見てしまおうとする自身の性根に苦笑を感じてしまったり。でも、本当に素直な流れなので、取り澄ましたような青臭さは感じなくて、スッと淀みなく気持ちが伝わってくるお話でもありました。あんまり青臭いと、つい反発心が湧いてきたり、斜に構えてしまうんですけれど、こうも素直に来られると、ねえ。
それに、音楽に対する情熱、そう素晴らしい音に感動し、サウンドに対してのめり込んでいく、夢中になっていく少女たちの、それを導いていく大人たちの熱量には、ただただ感動し見守る気持ちしか生まれませんから。
純粋な情熱ほど、人を魅了するものはありません。

ただ、主人公の英司が若干十八歳の若者、というのは些か無理があったんじゃないでしょうか。18歳というと、どれだけ大人びていても、まだ未成年の経験の乏しい少年から青年になろうという時期の子供です。ところが、この英司青年の中学生の少女への対応の仕方や、周りに示す見識、周囲に対する落ち着いた態度など、どう見ても18歳どころか、もう十年ほど年齢を足した28歳くらい、と言われないと納得が行かない大人な立ち回りなんですよね。個人的には、二十代でもちょっと信じられない。よほど社会で揉まれた三十代くらいでないと。すみません、自分三十越えてますけど、こんなに大人じゃありませんから。
それにね、この英司くんの示す音楽への情熱って、やっぱり子供のものとは色が違うんですよ。様々な経験をしてきた大人が燃え上がらせる純粋さ、なんですよね。ここらへん、子供の純粋な情熱とは色も景色も違う。彼が抱えている喪失の痛みも、大人がずっと抱え込んできた痛みであり、彼が流した涙も吐露した思いも、過去と現在を隔てる年月に相応の経過を感じさせるものだったんですよね。あの男泣きは、大人でこそ似合うものですよ。
それにね、はっきり言って、十八歳の小僧がこれほどまでに素晴らしい指導を、教育を、後進に未来を示すことが出来るなんて信じられないです。それくらい、彼の菜珠沙たちへの指導は、何年も子供たちに教えてきた年輪を感じさせる熟成された行き届いた素晴らしいものでした。ってか、高校卒業したばかりのガキにこんな指導されたら、先生みんな形無しですよ。
なので、読んでいる間は彼を現役大学生とは全然認識せず、もう大学の講師か准教くらいのイメージで読んでました。そうでないと、ほんとにしっくりこなかったので。
現代の日本の音楽に対する教育の姿勢に対する問題提起は、なるほどなあ、さもあらん、と思うこともしばしば。なんとも日本らしい硬直性は、音楽という分野にもかくも及んでいるわけだ。この国は芸術というジャンルの持つ本質的な柔らかさを、根本から無視するのがホント好きですよねえ。こればっかりは、大昔からなんでしょうけれど。同時に、それを良しとしない人たちもその現場から常に現れ続けているのも、この国の素晴らしさな気がしますけれど。ただ、常に可能性を潰される環境がそこにある、というのは、いくらその環境に屈さず芽を出し突き破ってくる逸材が出てくるとはいえ、あまりにももったいないし、哀しい話ですよね。
教育の根本は、否定することにあらず、というのをしみじみと実感させてくれる話でもありました。若干、ロリきゅーぶ!を意識しているようなシーンもありましたけれど、まあそこら辺は余分だった気がします。

セクステット 白凪学園演劇部の過剰な日常3   

セクステット 白凪学園演劇部の過剰な日常 (このライトノベルがすごい! 文庫)

【セクステット 白凪学園演劇部の過剰な日常】 長谷川也/皆村春樹 このライトノベルがすごい!文庫

Amazon

地味で弱そうで友達の少ない少年・カキタニは、自分を変えるべく、進学を機に演劇部に入部する。だが、彼が入部した演劇部は、人間関係を有利に支配し、世の中をうまく渡っていくために『演技』を活用しようとする女生徒たちの集まりだった!
第4回『このライトノベルがすごい!』大賞・大賞受賞作は、演劇部の部室で日々展開される無軌道かつハイテンションなハイパー日常系コメディ。美少女だけど、どこか変わっている5人の先輩たちと一緒に、人生の勝ち組を目指せ!
大賞受賞というとちと大仰にも思えるけれど、部活で駄弁りモノとしてはすこぶる面白い!! 最初の頃こそ、掛け合いにぎこちなさが介在していたけれど、二章あたりからリズムに違和感がなくなってまさに隙のない掛け合いになっていく。楽しい、なんか気楽に楽しい。
柿谷くんなのですが、地味で意志薄弱な内向的な少年に見せかけて、此奴、据え膳に対しては一切躊躇せずむしゃぶりつくかなり強者のムッツリスケベじゃないか。いや、普通はどれだけ美味しそうなシチュエーションを前にしても一拍の躊躇いや迷い、これって食いついていいのだろうか、という警戒や怖気が生まれるものであり、また周りの目を気にしてしまったり、恥ずかしさや照れによって踏みとどまってしまうのが普通であり、彼のような内向的に見える少年ならば尚更に、目の前の壁を乗り越えるのに躊躇を覚えるはずなのに、この柿谷ときたら、柿谷ときたら。
無拍子かっ!! と思わず突っ込むほどの即答! 或いは即座の行動に打って出る躊躇いのなさ! まさに野生! 本能のなすがママ! 理性を放り捨てた野生のワンコ!! あかん、こいつ中学1年生だからまだこの程度で収まってるけれど、成長したらどれだけ女好きになるか知れたもんじゃないぞ。性格的に自分からお膳立てして食いついていくほど積極的でも肉食系でもないのだけれど、誘われたり促されたりした時の本能に身を任せる理性の外し方は、プロレベル。自爆系弄られ属性のツバキとの一幕は、唖然とさせられるほど両者とも全く人の目も気にせずブレーキを踏む様子がない有り様で、これ舞台が高校じゃなくてよかったですね、というレベル。あれ? 意外とこの二人、相性がいいのか? 相性が良さ過ぎて軽々と破滅しそうな気もしますけれど。実際、周りに止められなかったらアウトなところまで行き着きそうな勢いでしたし。わははは、やってしまえ。
まあ、それ以外にも大人しい人畜無害な顔をしていて、内心はかなり黒いことを口走っているので、結構イイ性格しています、この主人公。彼から無垢な天使扱いされているモモ先輩も、実際はかなり腹黒そうで口も悪くて笑顔で人の心を折るような事を平然と口走ってますけれど、主人公もヒロインも黒いってなんかヤダなあ(笑
でも、実は本性は黒い、という人よりもオモテウラ無く天然な人の方が質が悪い、というのがニーナさん。あれは本気でたちが悪いよ!! カキタニはかなりチョロい方だけれど、あんなベタベタとした接触のされ方されたら男だったら誰だって勘違いするよ!! 悪魔だ、傾国だ。本気の美人局テロだ!! こうなったら、理性を蕩かされたカキタニを正気に戻すために、カウンターで他の娘が色仕掛しないと収まらないな! おのれ、いずれにしても勝ち組じゃないか。まあ、面白いくらいに誰ともフラグ全然立ってませんけれど。マジでツバキ先輩は相性良さそうだけどなあ。破滅しそうだけれど。

ともあれ、この手のくだらない駄弁り系では相当に面白かったです。肩の力抜いてケラケラ笑えてスッキリ出来る楽しい作品でした。グッドジョブ。

白き煌王姫と異能魔導小隊<チート・フォース> 1   

白き煌王姫と異能魔導小隊<チート・フォース> 1 (オーバーラップ文庫)

【白き煌王姫と異能魔導小隊<チート・フォース> 1】 桐生恭丞/松之鐘流 オーバーラップ文庫

Amazon

無能な魔導士による"呪われし幸運譚"――開幕!

「"魔導"が使えなくったって俺には俺の戦い方がある! ! 」
煌王教会が絶対的権力を握る世界。そこでは災害獣と呼ばれるモンスターたちが人々の生活を脅かしていた。
主人公のエイルは災害獣の駆除を生業にする平凡なハンター。"魔導が使えないこと"と"異常なまでの幸運の持ち主"であることを除けば――。
そしてエイルのハンターライフは、魔導小隊所属のアリーシアの裸を目撃してしまった瞬間から一変。
魔導が使えないのに魔導小隊の隊長に任命されてしまう! ?
しかも、そこは一癖も二癖もある連中ばかり。
美少女隊員たちと無能な主人公との絆が生み出すタクティカルファンタジー、開幕!
「ハ、ハーレムちゃうわ…こいつらは最高の仲間たちだ! 」
いやあ、このチームメイトはハズレもいいところなんじゃないかなあ。これは干されてて仕方ないレベル。いくら能力が高くても、ここまで自分勝手にやられたら連携もチームも何もあったもんじゃない。特にアリーシアが酷い。人の話はきかないわ、理解しないわ、耳を貸さないわ。現状分析も何も出来てないし、感情任せに突っ走るばかり。反省はしないし、自分の主張を声高に繰り返すだけ。よくまあ、エイル怒らんわ。人間出来過ぎでしょう、この主人公。
幸運しかない無能な主人公、と聞くからにはてっきり勢い任せで運の良さだけで苦難を乗り越えて、周りにちやほやされてしまう安い主人公を思い浮かべてたんだけれど、このエイルくんの場合は単に魔導が使えないというだけで、謙虚だし努力家だし気配り上手だし、注意深く慎重で常に分析と反省を怠らない人物で、無能とは程遠い非常に優秀な人物なんですよ。人柄も健気だし頑張り屋さんだし、前向きで健全な正義感の持ち主で程よい熱血漢で、話を聞かない幼稚園児か、というような仲間たちに根気よく接し続けるさまは涙ぐましいほどで、なんか主人公に対する好感度だけ突出して高くなっちゃいましたよ、あははは……アリーシアぉ。
アリーシアのこのヒロイン力の低さは瞠目に値しますよ。メインヒロインだというのに、この頭の悪さは酷いです、ほんと酷い。さすがにこのヒロインを好きだといえる人は希少なんじゃないだろうか。主人公のエイルくんが本当にいい子なんで、ついつい応援したくなってしまうのですが、ヒロインがこの娘というのがまったくもって可哀想で可愛そうで。いい子なので、彼は気にしてないんでしょうけれど、うむむむ。

無能、有害と爪弾きにされたハグレ者たちが一つのチームにまとめられ、一致協力して敵を打ち破っていく、という王道らしい王道ストーリーなんだけれど、ちと面白いのが本筋の鍵となりそうな煌王姫がいったい誰なのか、というのがなかなか巧妙に迷彩されているところ。今のところ候補に上がるのが小隊のアリーシアと騎士団のフラン。お互いに、彼女こそは煌王姫なのでは、という状況証拠が出揃っていて本当にどちらがそうなのかわからないんですよね。アリーシアの隠し持っていた能力はかなり決定的な証拠なのだけれど、一方でフランの容姿や教会が彼女を確保しつつ理由がわからない厳しく理不尽な待遇を強いているところなんぞ、かなり彼女の自身も知らない素性に怪しい点が見受けられるのです。そもそも、本物の煌王姫が出てきてもらっては困る教会が、その本身を確保しつつ飼い殺しにしている、というのは実にありそう。むしろ安全保障の観点からして、煌王姫の血筋を手の内に入れていない、というのは間抜けで怠惰極まることなので、フランがそうなのはむしろ納得行く展開なわけです。
わからないといえば、エイルくんが魔導を使えず幸運に呪われている、という境遇も不可解なもので、これも多分きっちりとした理由と因果があるんだろうなあ。以外と因縁が深く絡んでそうで興味深い要素は満載だったりします。

……しかし、タイトルの「チート・フォース」ってルビは無いよなあ。全然ズルしているわけじゃないし、今どきチートってあんまり良い印象ない言葉ですし。弱くても能力がなくても不貞腐れず挫けずひたむきに頑張ってるエイルという主人公に対して、配慮がないよなあ、と思ったり。タイトル見ただけでそっち系の話かと思っちゃうし。

MONSTER DAYS 5   

MONSTER DAYS (MF文庫J)

【MONSTER DAYS】 扇友太/天野英 MF文庫J

Amazon

【邂逅の日】1200年前のその日、世界に魔物が出現した。それはドラゴンであり、妖狐であり、巨人であった。そして戦いが生まれた。魔王が生まれた。英雄が生まれた。多くの戦い、犠牲、そして時を経て、人間と魔物は何とか共存している。とはいえ、未だ軋轢が絶えない人魔間の平和を維持するため、人魔調停局の新人実働官ライル・アングレーは今日も事件と、上司であるオーロッドの叱責と戦っている。
そんな中、相棒の一角獣であるアルミスと社会加入を求める外部魔物集落【竜羽の里】の使者を護衛することに。だが、護衛対象の使者は竜族の姫様、しかも彼女は幼い少女で――!?
第9回新人賞 <最優秀賞> 受賞! 銃と魔法の現代バトル&サスペンス活劇誕生!
……うぉう(呆気
いや、なにこれ凄くない? ちょっと上手い新人作品、どころじゃないレベルなんですけど。
うむむむ、これは参った。問答無用、文句なしに面白い。読み応えが半端ない、なんちゅうハードボイルド。
ハードボイルドなんだけれど、主人公ライルって全然こう、鋼鉄の男とかそんな感じではないんですよね。性格的に問題があるわけでもなく、上司の怒鳴り声にうんざりしながら、好き勝手する同僚に皮肉を垂れ、気の合う仲間と他愛のない雑談に興じる、普通の捜査官。調停局の実働官って、世界の背景は違うけれどアメリカさんの刑事モノが一番しっくりくる仕事かな。新人、なんて冠ついているけれど、既に何年か実務についているし、新人特有の現実を見てない青臭さは持ってないし、かと言ってスレて性格がゆがんでいるわけでもない。堅実に強かに、ちゃんと任務をこなしているやり手の捜査官、て感じで。なんでそんなに始末書が多いのかはわりと謎。戦闘能力も特段高かったり、特別な能力を秘めてたりするわけでもなく、同僚の魔物の実働官と比べると純粋な身体能力や特殊能力では一等劣る普通の人間なんで、周りの同僚と比べても決して強い方でもなんでもない。ただ、サバイバリティが高いというか、粘り強いというか、絶体絶命でも凌ぐ凌ぐ。このあたりは、ハリウッドの刑事物なんかと一緒で、スペックの高低じゃないんですよね。決して強さは感じないのに、喰らいついたら離さないしぶとさが、土壇場の度胸と機転の利かせ方がやたらとカッコいいんですよ。
悲鳴を上げながら軽口を絶やさず、すかさず反撃。アクションシーンの充実ぶりは、見応えたっぷり。後半に行くほど、相手が無理ゲー化していくのですけれど、絶体絶命どころか必死の状態になってさらにコイツのカッコよさがでっかくなっていくんですよ。絶対に譲ってはいけない一線を守るために、文字通り全身血みどろになり、凄まじい痛みにのたうちまわりながら、逃げずに戦って戦って戦いぬく。
また、怪我を負ったり、悲惨極まりない状態に陥るシーンの表現が、また痛みが伝わってきそうな迫真の描写なんですよ、これが。マンティコア戦なんて、あまりにも悲惨なダメージに生唾を飲み込んだほど。あれほど凄まじい状況になりながら、心折れない様を見てようやくこの普通の捜査官の凄まじさを思い知りました。いや、こいつホントすげえ、と唸ってしまった。歯を食いしばって我慢してこらえて、退かずに立ち向かう姿がもう痺れそうなほどカッコいい。その戦う理由がまたいいんですよ。大層なお題目なんかじゃなく、本当にささやかな、人として当たり前の、誰もが共感できる正義。泣いている子供を理不尽から守るという、大人としての正義。それだけの事なのです。でも、その理不尽を押し付け、泣いている子供を消し去ろうとしているのは、社会であり秩序であり平和と呼ばれるもので、そういった正しい世界を織り成すものが嵩にかかって子供を轢き潰そうとしているのを目の前にして、彼とその仲間たちは一歩も退かないわけです。
私はねえ、こういう素朴な正しさを貫ける大人たちって、大好物なんですよね。これこそ「強さ」というものでしょう。感動した、感動した!!
相棒のアルミスが、あくまで相棒であってまったくヒロインではなかったのは正直苦笑いなんだけれど、あらぶる一角獣がまたスゴイんですよね、荒ぶりすぎだろうユニコーン。実はユニコーンって凶暴、という話は知っていたけれど、ここまで大暴れするユニコーンも見たことねーですよ。あんた、一応回復職じゃないんですか、と問いたくなるような突貫ぶり。ライルに負けず劣らずの血みどろ具合であります。頼もしいったらありゃしない。
彼女に限らず、同じ調停局の同僚たちがまたいい味出してるんですよね。人間、魔物を問わず。
魔物の種類が洋の東西を問わずに、ほんとにいろんな種類が居ることには関心しましたね。窮奇とか、ポンと出てきませんよ。素晴らしかったのが、こうした多種多様な魔物が本当に社会の中に馴染んでいたこと。魔物と人が融和した世界というのは、これまでもたくさん描かれてきましたけれど、この人魔社会の馴染みっぷりは一等抜けていて、思わずヨダレ垂れてきそうでした。人と魔物が一緒に社会を形成しているのに、全く無理がありませんし、しかし社会情勢としては人と魔物の間にしっかりと軋轢があることを、歴史を交えて主題としても取り扱っている。魔物の種類の特徴に、立ち位置が引っ張られてないのも好印象。一番わかりやすいのがアラミスですけれど、彼女のユニコーンという魔物の特性は消さず、しかしあの暴れさせようからも分かる通り、ユニコーンと言えば想像してしまう固定観念は、綺麗に吹き飛ばしてるんですよね。
また、人間と魔物の能力差はきっちりと描きながらも、調停局の中ではその辺りに全然壁が感じられないのも良かったなあ。ちょっと名前が出てくるだけの同僚でも、一発で印象に残るような存在感で、読んでてちょいとワクワクしてきてしまいました。この手の中では一番好みかもしれん。

一方で、本作は社会の闇をこれでもかと容赦なく描き出す作品でもあり、抗いようのない理不尽に憤りを感じる前に薄ら寒さを感じてしまうような、そら恐ろしさがあるんですよね。だからこそ、それに真っ向から抗おうとする主人公たちに思わず拳を握り、強かに裏から手を回して自分なりに正義を手繰り寄せようとするロイヤーみたいな食わせ者に頼もしさを感じてしまうわけです。ロイヤー、私は好きですよ、この人。何もせずに黙認してしまったり、目をそらしてしまう人に比べてば、まさに正義の味方じゃないですか。身体張って血反吐を吐いて戦ったライルたちからすれば気に喰わないでしょうけれど、彼がお膳立てしてくれなければそもそも彼らも体を張る場面すら訪れませんでしたからね。そこのところをちゃんと理解して、濁を飲める男だから、このライルという主人公は大人で好きだなあ。
魔物と人間の間には子供が出来ない、というのがこの世界の法則らしくて、その辺微妙に残念だなあ、とも思うのですけれど、魔物と人間の種族間問題に混血の問題まで打ち込むのは避けた、という事ならまあ納得する他ないか。クーベルネはどう見ても被保護者枠なので、ヒロインほんとに居ないのな。
でも、そういうの抜きでも文句なしに面白かった。読み終わったあとに思わずほえほえ〜と放心してしまったほどガッツリ満腹感を感じさせてくれる出来物でした。超おすすめ。

仮想領域のエリュシオン 001 シンクロ・インフィニティ3   

仮想領域のエリュシオン 001 シンクロ・インフィニティ (MF文庫J)

【仮想領域のエリュシオン 001 シンクロ・インフィニティ】 上智一麻/nauribon MF文庫J

Amazon

類稀な運動神経が取り得の兄、天陵大河。天才的なプログラミング能力が取り得の美少女妹、天陵冬姫。八年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことになった兄妹は、二人だけで生きていくための生活費という問題に直面していた。冬姫が提案した工面方法、それは人々の生活に深く係わっている基幹システム、電脳世界の悪質なバグを倒して賞金を稼ぐことができるゲーム、構造体≪アリエス≫だった。不慣れな感覚に戸惑いながらも持ち前のセンスでゲーム内を無双する大河だったが、ある日、冬姫の親友の西園寺涙が正体不明のバグに襲われてしまい―――。
「待ってるからね、王子様」破天荒なチート兄妹が繰り広げるハイブリッドバトルファンタジー、ここに始まる!
これ、賞金額の安さをどう考えたらいいんだろう。うむむ、バグの除去という本来の目的からすると、わりと現実的な額なのかな、と思わないでもない。裕福な暮らしは出来なくても、まあ一日にこれだけ稼げるのなら悪くはない気がする。ああ、でもチームメンバーで賞金を割らないといけないとなると、ちょっと苦しいのか。これで飯喰ってくのは苦しいかもしれないけれど、バイトと割り切るなら割のいい方なのかもしれない。

そんなゲームの賞金額に対して、妹の金遣いの荒さはちょっと考慮した方がいいんじゃないだろうか。浪費癖があるというわけじゃないんだろうけれど、事前準備でお金を使い果たしてしまうって、金銭感覚がヤバイって。計画性も案外なさそうだし、この娘に財布を持たせておくのは非常に危険だと思うんだけれど。兄の方も、その辺りしっかりしているとは言えなさそうだしなあ。涙の家とはいえ、毎朝喫茶店で朝食、というのはなかなか経済的に贅沢な話じゃないですか。

なんだろう。ちょっと地に足がついてない感じがする。ヒロインたちのキャラクターは良く仕上がっているし、主人公の大河も、卒なくまとまっていて適度に熱い性格をしていてストレスを感じない好漢なのですが、彼らが動くべき舞台とストーリーが書割りめいていてしっかりと地面に根づいてない気がするんですよね。見てくれだけはそれなりに仕上がっているのだけれど、ポンと地面の上に乗せているだけみたいな感じで、微妙にグラグラしている。そんなもんだから、キャラもそれぞれ足に力を入れて踏み込みに踏み込めず、せっかくのキャラの良さを活かせずにフワフワと与えられた流れに乗って動くのが精一杯で、まだ自分から動くことが出来ていない感じ。まだ自分がどれだけポテンシャルを持っているかわからず、それを探るだけの余裕もない、という感じか。冬姫にしても涙にしても、巴夜にしてももう既に現状である程度勝手に動き出しても良さげなくらい出来上がってる感じなんだけれどなあ。なんかこう、一本ガツンと真ん中に通った芯が作品に見当たらないんですよね。逆に、そこさえ通れば、上滑りしている部分が全部かみ合ってきそうなんだけれど。
ぶっちゃけ、必要な物は全部揃っていると思う。ストーリーも舞台設定も、大河や妹、巴夜の行動原理や信念にしても悪くはないんですよね。あとはほんと、慣れだけかもしれない。その慣れが安易な方に流れていけば、十把一絡げの安い建売になっていくでしょうし、その慣れを「掴んで締めて掘って練って鍛えて」の方に仕上げていくなら、元々の精度の高さからして実に良い方へと邁進していく、そんな感じがするんですよね。
粗が少なそうに見えて見えにくい所に隙間がたくさん、というのはある意味新人さんらしい作品ではないかと。個人的には、この隙だらけなところが逆に伸びしろがたくさんありそうで、舌なめずりなんですが。
何気に涙みたいな娘をメインっぽいところに据えたのは面白いと思うんですよね。というよりも、明確にメインヒロインらしい役どころが機能していないところが、中途半端に見えてヤバいところであり逆に面白味を感じたところでもあり。如何様にも転びそうで、結構楽しみなんですよ、私としては。

つくも神は青春をもてなさんと欲す3   

つくも神は青春をもてなさんと欲す (スーパーダッシュ文庫)

【つくも神は青春をもてなさんと欲す】 慶野由志/すぶり スーパーダッシュ文庫

Amazon

物の修理が得意な骨董品屋生まれの高校生・物部惣一は、ある日、クラスメイトの月野原鞘音が「他人に不幸を撤く力」を持っていることを知る。その呪いのような力を持つがために、他人と距離を置き、空虚な表情を浮かべる鞘音の姿を見た惣一は、彼女を救いたいと思う。そんな時、惣一へ祖父から古い茶釜が届く。その正体は付喪神という、道具が精霊と化したものだった。幼い少女の付喪神に「つくも」と名付けた惣一は、彼女が持つ“お茶で心をもてなす能力”を使い、鞘音を救うべく動き出すが…!?
第12回スーパーダッシュ小説新人賞優秀賞受賞作!
茶釜というと中に爆薬を詰め込んで自爆するものだと、そんな固定観念に縛られてしまっている昨今ですが、そういえば茶釜ってお湯を沸かすものだったんだなあ、と久々に思い出した。でも、今の子は茶釜なんて言われても容易に形が思い浮かぶもんなんだろうか。自分が子供の頃は分福茶釜のお話を絵本なんかで読んだものだけれど。今の子供も日本昔ばなしみたいな日本古来のお伽話を普通に読んでいるものなんですかね。こればっかりは、自分か身近に小さいこどもがいないとなかなかわからないものです。
でも、茶釜って見ていても楽しいですよ。ざっと画像検索しただけでもいろいろな形のが出てきますし、見目を楽しませてくれます。いいものが名物として過去から現在に至るまでもてはやされているのも、まあわからなくもないんですよね。
と、話が茶釜の方に流れてしまいましたが、本作は新人作品と思えないほど卒なく丁寧にまとめられた良作でした。と言っても小さくまとまっているわけじゃなくて、キャラクターが生き生きしている弾むようなリズム感によって構築されている作品で、最近こういう初っ端から上手いなあ、というのが増えましたねえ……って、自分の中の
「最近」の定義が十年単位で延長されている気もするのですけれど。裾野が広がることによって最初から玉から出発する作品が少なくない、というのも間違いないと思うのですけれど。
一番お気に入りなのが、鞘音が彼女自身を暗闇に沈めていた諦めから解き放たれたあとの、あの静かな、でも剥き出しになった感情の描写でした。あの終わることのない闇から迷い出てきたような、おぼつかなくも呆然としながらも、じわじわとこみ上げてくるように自分の身に起こったことを実感していく、あの鞘音の感情表現は、その後の惣一への縋るような、離れてしまえばこれが束の間の夢のように融けてしまうかのように必死になって離れまいとする姿といい、心に迫ってくるようなシーンだったんですね。あれはもう、鞘音がどれだけの絶望に苛まれていたか、そこから救われたことが彼女にとってどういう事なのかをこれでもかと伝えてくれる良いシーンだった気がします。
押し付けがましくなく軽妙でありながら、芯の通った頼りがいのある主人公に、マスコットのように可愛らしいつくもという茶釜の少女。どこかポンコツな巫女さんといい、掛け合いもテンポもよく、読んでいて楽しかったです。
ただ、後半はマキが入った、というか前半で見せた丁寧さが幾分性急さに押し流された感があります。人形少女とそのマスターとの交流も中途半端なままで、クライマックスの展開に流れ込んでしまいましたし。
そのクライマックスも、バタバタとバトルになってしまったのはちともったいなかった気がしますね。なんちゅうか、そぐわないというか、テンプレート的にバトルで決着をつける、という固定観念に沿ってしまったようなブレが
かいま見えたというか。バトルに流れる展開を小手先に感じてしまったというか。個人的には、対決が必要だったとしてももうちょっとあっさりと片付けて、心や言葉に重点を置いて呪いを解いて欲しかった。なにしろ、つくもの特性が、心を和ませる能力ですからね。最終的に、その能力で呪いとなっていた意志を解きほぐすことになるのですが、トドメじゃなくて過程にもその要素を重視して欲しかったですよね。それだけ、情感に訴え心を温めるタイプの王道作品としての冴えを前半で大きく感じていたものですから。
いずれにしても、初っ端から非常に完成度の高い作品でしたので、もしこのまま続きが出るにしても高い位置で安定した続編を出してくれそうで、楽しみです。安定したままこじんまりとしないでくれるとありがたいですね。頑張って掘り下げて掘り下げて♪

穢れ聖者のエク・セ・レスタ 4   

穢れ聖者のエク・セ・レスタ (MF文庫J)

【穢れ聖者のエク・セ・レスタ】 新見聖/minoa(ニトロプラス) MF文庫J

Amazon

天より与えられし無双の兵器「輅機」の力で世界征服を目論むフィガロ魔皇国。その圧倒的な武力を前に祖国を滅ぼされた亡国の皇子シリュウ・スィグアは、魔皇国の侵略戦争の最前線に立たされながらも、一切の戦功を認められない不遇の日々を送っていた。復讐に燃えるシリュウ。そんな彼の野望を見抜いたのは“聖女”と称えられる義妹エトラだった。「さあ、お義兄様、共に末短き未来を歩んでいきましょう」―その復讐に幸いと災いのあらんことを願う兄妹が“神代の詩を”詠う刻、絶望へとつながる叛逆の扉が開かれた。新時代の幕開けを告げるリベリオン・サーガ、降臨!
ド・ストライク キターーーッ!!
あかんこれ、こういう破滅系のお話、もろツボなんですよ。国を、人を、世界を救う物語ではなく、復讐の為に自らもろとも滅ぼすお話。ここで自分がツボにハマるのは、一人孤独に戦って滅ぶのではなく、傍らに運命を共にしてくれる相手が居てくれるお話。お互いを何よりも慈しみ愛しあいながら、手に手を取り合って一緒に破滅しようとするお話。こう定義すると誤解を招くかもしれないけれど、広義の心中物捉えてもいいかもしれない。ただ、この二人の場合は自分たちが破滅するのが目的ではなく、あくまで結果であり罰として捉えているところが彼らの破滅志向に嫌悪を感じない要素なのでしょう。また、彼らの復讐心が真っ当な、そう正しき怒りに則っている事も、彼らが自ら破滅しようとも復讐を果たそうとしている決意と覚悟に、甘美なものを抱かせるのです。
それだけ、フィガロ魔皇国の皇帝の所業といい、上層部の振るまいといい、体制下の臣民の思想といい、外道が極まっている、つまりは悪役が非常に悪役らしくゲスに描かれている、ということでもあります。ちゃんと悪役が小物に陥らず、憎たらしさを掻き立てる仇として描くのは案外と難しいので、臥薪嘗胆で我慢に我慢を重ねながらも、じわじわと内側から壊していく、というこの物語からするとこの悪役の描きっぷりはお見事です。特に、ラスボスはあれだけ酷いことを平然としでかしておきながら、得体のしれなさ底知れなさが溢れてて、まさにラスボスという感じですし。
一方で、ヒロインのエトラの可愛らしさもまた絶妙。表の顔は純真無垢な聖女でありながら、その本性はおのが境遇に虎視眈々と復讐を企み、自らもろとも国を滅ぼそうという苛烈な性を持ち、運命共同体となることを持ちかけたシリュウに対しても悪女らしい残酷で粘性の素顔で迫る、ように見せかけつつ、実際は女の子らしいウブさと、義兄への抑えきれない憧憬と愛情を持て余してアップアップしている、という三様の顔をなれないお手玉をしているかのように危なっかしくコロコロと変えて見せてくれるので、何とも可愛らしくて仕方ないんですよね。
シリュウもシリュウで辛辣で現実的な事を口では言っているつもりで、その実お前もエトラにぞっこんだろう、という甘々っぷりで。お互いにどう見ても、どっぷりとハマってしまっているのが容易に見て取れるのです。そうして結びつきながらも、二人の目的はこの国への復讐、という点では一切ブレず、一緒に破滅することも厭わず憤怒と憎悪を共有しながら、苛烈極まる謀略を仕掛けていく姿は、どこか背徳的な魅力と熱量をまとっていて、思わず目を奪われるのでした。
こういうほの暗い情念が甘やかに描かれている作品は、やっぱり好きだなあ。バッチリ好みのストライクな作品でした。なんかもう、義妹以外では主人公の唯一の理解者で味方である人に思いっきりフラグが立ちまくってるので、いい具合にのたうちまわりそうな展開になりそうで、今からドキドキだわぁw

翼の帰る処 4.時の階梯(下)3   

翼の帰る処 4 ―時の階梯― 下

【翼の帰る処 4.時の階梯(下)】 妹尾ゆふ子/ことき 幻冬舎

Amazon

“黒狼公”をキーナンに譲り、待望の隠居生活に突入した過去視の力を持つヤエト。しかし、残念ながら隠居とはほど遠い仕事量に忙殺される日々を送っていた。そんな中、ターンの預言者・ウィナエに導かれ、ヤエトはジェイサルドらと共に世界の罅を塞ぐ手がかりを得るため、砂漠の深部・シンリールへと赴く。数ヵ月後、ようやく都へと戻ったヤエトだったが、都では第七皇子が反旗を翻し、まさに戦いの火蓋が切られようとしていて―。
確か、ジェイサルドの方が御老体のはずだったんだけれど、ヤエトよりもどんどん若返ってる気がするなあ、この人。実際、順調に人の枠からハズレていってしまっているようで。以前、まじない的な意味で彼にヤエトが新しい名前をあげていたんだけれど、やっぱりこの剣士はどうやったってジェイサルド以外の何者でもなくって、違和感ばかりだなあと思っていたのですが、どうやら世界の認識の方もどう意見だったようで、あっさり無効判定をくだされたのには納得すると同時に焦りました。いやじゃあどうすんねん!! ある意味解決法は力押し、と言ってもいいものだったのですけれど、確かにさすがに最初からこの方法を取るのは憚られますよね。もう何も考えてないのと変わりませんし。だから、対処法として新しい名前を与えるというのは間違ってはいなかったんでしょうけれど、ここまで効果がないとはなあ。本当に力押しで何とかしてしまうあたり、ヤエトとジェイサルドの主従は良いコンビですw
未来を知っているという事はすなわち未来に抱くべき希望を最初から失っているのと同じ、というのはよくある話で、未来視の能力者は運命の操り人形と化してしまうもの。ヤエトも当初はそんな風に預言者ウィエナのことを見て嫌悪、とまでは言わないまでも忌避感を抱いていたものですが、この旅先で垣間見せるウィエナの人間らしい顔に段々とほだされていくことに。ヤエトって何だかんだと愚痴や皮肉の対象にしてしまう相手ほど、執心してしまう傾向がある気がするなあ。
すべてが明かされてみると、ウィエナは未来を知っていたからこそその未来が自分の前に訪れることを楽しみに待っていたわけで、その先に自分の身に何が訪れるのかも理解していながら、あんなに少女のように心浮き立たせて、未来の光景を待ちわびていた姿は、何とも切なく、でも心が温かくなるものでした。彼女は、自分が見た未来の光景に縛られ、人生のすべてを捧げ、しかしその光景をこそ生涯の心の支えとして過ごし、運命の操り人形ではなく自分の意志で目にした未来を掴みとるために「生きて」きた、と考えれば、満足した人生だったのでしょうか。ヤエトからすれば、言葉にもならないやるせなさでしょうけれど。

それにしても、よく倒れる御仁である。前回馬車馬のように働け、と感想で口走ったことに反省。まさか本当に死にかけるとは。ご隠居、働いてるか死んでるかのどっちかで、全然余生を過ごすって感じじゃありませんよ? まあ、これだけ遠出して砂漠の真ん中にまで足を運んだ以上、まずぶっ倒れるだろうなあとは自他ともに認める展開でしたけれど、それにしても今回は本気で死にかけてたんじゃありません? 期間が半端なかったんですが。姫様も、どれだけ心配したか想像するだに胃が痛くなりそうです。もうそろそろ姫様の方も悟りの境地に入りそうな気がする。一方で回を重ねるごとにはっちゃけて行くのが皇妹殿下。今回最初から最後まで大はしゃぎじゃないですか、これ? なんかどえらいもん、手の内に入れてらっしゃいますし。
ヤエトが倒れている間に状況はガンガン進展していき、あまりの目まぐるしさに目を白黒。姫様はヤエトは何もやってないことなんてないぞ、と言ってくれてますけれど、でもやっぱり考えてみると倒れてばっかりであんまり何にもしてませんよ、ご隠居さま。
なんかラスト、開き直ったのかヤエトってばなんとでも解釈できそうな事を内心で口走っているのですけれど、この人って偶にそれまで居た立ち位置から唐突に三段飛ばしぐらいで飛躍した所に着地するところがあるので、特に姫様関係の場合。なにかしら、これ遠回しに物凄いこと考えてないか? 心配である、うははは。

シリーズ感想

銀閃の戦乙女と封門の姫 5 4   

銀閃の戦乙女と封門の姫5 (一迅社文庫)

【銀閃の戦乙女と封門の姫 5】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon

ついに明らかになった世界の脅威「ゼノ」。王城へと侵入したゼノが王族最強の第一王子タウロスを無力化したことで、ゼノの脅威とその特殊能力が明らかとなる。カイトとフレイ、第三王女ソーニャたちは、第四王女シャーロッテの指揮の元、逃走するゼノの群れを追撃することになるのだが、その高い戦闘力と組織的な連携攻撃に苦戦を余儀なくされ、ついには王族からの犠牲者も出してしまう。その頃、梨花は第二王女アアフィリンの秘密に気づき…。瀬尾つかさが贈る剣と魔法の本格異世界ファンタジー、急転の第五弾!
おっもしろいなあ、もう!!
そういえば、瀬尾さんって先の【魔導書〜】でもそうだったけれど、キャラ被りを恐れないんですよね。竹中半兵衛と黒田官兵衛、或いは諸葛亮に龐統といった感じに、ヒロインに軍師格を二人突っ込む事を厭わないわけです。この作品の場合は、シャーロッテと梨花が双頭の龍のように政治・戦略・作戦・戦術・情報・謀略戦と頭を使うことに関してはほぼ二人でやってのけてます。普通は、こういう知謀系のキャラは作品にひとりいれば良くて、概ねその一人で大方の方針や指針を示していくものなんですけれど、こっちは一人ですらオーバースペックなシャーリーと梨花が二人で足りない部分を補いながら作戦を仕立てていくので、殆ど反則級の無敵状態です。いや、今回の一件、ゼノの仕掛けていた罠がかなり悪辣で、はっきり言ってどう考えても詰んでいてたように見えたんですけれど、第二王子の遭遇という偶然があったにしても、絶体絶命の場所からの挽回の仕方が洒落にならない勢いと精度で、もうシャーリーと梨花の独壇場、というくらいに二人の知謀が冴え渡ってました。恐るべきことに、第一王女と第二王女、エレ姫さんとアアフィリンもこれ、頭の回転がべらぼうに速いタイプで、政治と知謀が90オーバーしてそうな人たちなんですけれど、この二人も後半全面的に協力体制に入ってくれたことで、四人もの稀有にして屈指の賢人がフル回転で知恵を絞りだすという展開になってしまって、これがもう頼もしいのなんの。頭の方は残念なソーニャ姫やカイトは完全に仕出し係である(苦笑
特にソーニャ姫は、残念ながらその頭の悪さは王様になるのはちょっと無理ですね。早々に王位継承放棄していて正解でした。いや、頭悪い悪いとは言われてたし実際悪いとしか言いようのない言動は今までも数々あったけれど、今回は特に実感させられました。この人は最前線で誰かの命令に合わせて大暴れしているのが一番合ってるわ。使う人じゃなくて使われる事によって最大の能力を発揮できるタイプなんだなあ。

それにしても、なんであの愚王から、これだけ出来物の息子・娘が生まれたのか不思議でならない。本気で全員傑物じゃないですか。いささか腹に一物ありそうだったアアフィリンも、決して足を引っ張るような事を考えていたわけではありませんでしたし、一番性格悪そうだったエレオノーラ姫も、いざとなったら頼もしいわカッコいいわ。確かに、この人ツンデレだわ、ツンデレだわ。男の王族の方も、タウロス閣下は文句なしのイイ男でしたし、今回えらいことになってしまったアシュレイ王子も、好漢と呼んでふさわしい人物でしたし。
ハズレが居ないし!!
能力だけではなく、危急時に身内同士で争わない、という原則をキチンと守れる人たちだというのが何より凄い。なんだかんだと足を引っ張り合ってしまいそうな場面だってのに、そういう時こそ普段対立しているくせに、一致団結して目の前の危機に対処できるというのは、実際目の当たりにすると感動すら覚えてしまう。
さすがは、三千世界最後の砦として造られた世界の王族たち、という他なし。

この三千世界を滅ぼしつくしたゼノという生命体に対する、クァント=タンという出城での迎撃作戦。凄まじい犠牲を払って構築し、現在進行形で様々な犠牲を強いながら用意されたゼノへの対抗措置。もう傍から聞いているだけで、これを構築したメンバーの鬼気迫る凄味には薄ら寒さすら感じるものだったんだけれど、見事にこれらが機能してゼノに対抗できる舞台が整ったのを見た時には、なんかこう……心揺さぶられるものがあった。ここまでしなければならなかったのか、という思いと、ここまでしてのけるだけの覚悟への敬意、そしてそれが成就したことで、犠牲が無駄にならなかった事への胸の詰まるような感慨。
ふー。今回はほんと、度々息を止めてしまうような迫真の展開が続きました。なにしろ、初っ端から一手打ち間違えるだけで破滅、という綱渡りの状況でしたし、幾度か取り返しの付かない事に実際なりかけてましたしね。各人の獅子奮迅の活躍がなければ、どうなっていたことか。
これまでのモンスターと違って、今度のゼノはシャーロッテや梨花の手を掻い潜り、思考の死角を突いてくるような狡知の徒でもあるので、読んでても一時も油断できない展開が続きましたし。ふとした瞬間から、いきなり大ピンチに陥ってたりと、気を抜く暇がなかったからなあ。
ともかく、この流れはどうやら最後まで行かないと終わらないようで、次の巻まで緊迫しっぱなしだ。
個人的には、ソーニャ姫さまの力説する漫画脳的展開は大いにありなんだがなあw

さて、瀬尾つかさオールスター、とも言われる本作。私が読んでいない作品のヒロインも今回がっつりと登場していたようで、このヒロインも既に人妻か!!
それどころか、あれですよ。イリーナさん、ご懐妊おめでとうございます♪ 挿絵付き、とはどんなご褒美だ(笑

一巻 二巻 三巻 四巻感想

氷結鏡界のエデン 12.浮遊大陸-オービエ・クレア-3   

氷結鏡界のエデン12  浮遊大陸-オービエ・クレア- (富士見ファンタジア文庫)

【氷結鏡界のエデン 12.浮遊大陸-オービエ・クレア-】 細音啓/カスカベアキラ 富士見ファンタジア文庫

Amazon

氷結鏡界が音を立ててきしむ。結界の鍵を異篇卿イグニドに奪われ、幽幻種侵攻は時間の問題だった。皇姫サラが下した決断、それは精鋭による異篇卿追撃戦と、護士たちの総力を挙げての浮遊大陸防衛戦。サラに率いられ、巫女、千年獅、そしてシェルティス、ユミィがイグニドを追う。だが“楽園幻想”を成就させんとする異篇卿が、真の力を解散し、行く手を阻む。
「…レオンは一番強いから。誰にも負けない…から」穢歌の庭で対峙する、千年獅レオンと異篇卿アルマデル。一方、浮遊大陸でも天結宮戦力と幽幻種の撃戦が幕を開けて―氷結鏡界か楽園幻想か。重層世界ファンタジー、最終局面!
紗沙さん、貴女本気でババ臭くなってますよ? 説教臭くなってるわ、涙もろくなってるわ、言動がいちいち年寄り臭くなってしまってる。さっさと少女分を回復しないと、あれと再会した時大変ですよっと。
さあ、ついについに<イリス覚醒!> これを<邪神(イリス)覚醒>にすると程よくガメラ3になります。さすがにイリスも邪神さまと呼ばれるほどケバケバしい存在ではなく、ただの駄メイドなので良かったです。いや、よくはないか。駄メイドが復活したところで意味無いものなあ。目下のところ必要とされるのは、不完全神性機関としてのイリス。かつて数千・数万の幽幻種と渡り合った伝説の存在が今、復活する。というところで、結界の崩壊に寄って圧倒的な幽幻種による数の暴力に吹き飛ばされそうなときに、機神としての彼女の復活は文字通り希望の光り。主力である巫女と千年獅たちが総力戦でエデンに向かったとなると、浮遊大陸の方はもうからっけつと言ってイイ状態ですしね。いかな、ジルシュヴェッサーたるイシュタルが残っているとはいえ、戦力を欠くのは揺るがぬ事実。ここにイリスが復活というのは非常に大きな戦力補強になるのではないかと。エデン開放しました、しかし浮遊大陸全滅してました、じゃ話にならないものなあ。
もっとも、イリスに限らず秘戦力はわりと残っている模様ですけれど。あの謎の店長含めて。機神に関してもわりと千年前から十全戦力残っているんじゃないか、という節もありますし。この期に及んで、第一位の巫女と千年獅が重役出勤なのはちょっと勿体ぶりすぎだと思いますけどねっ! この分だと、エデンか浮遊大陸かどっちに現れるんだかわかんないなあ。イリスも、てっきりエデン投入だと思ってたんだけれど、果たして浮遊大陸を守り切ってそっちまで行けるかどうか。でも、行かないとナギと再会できないじゃないかっ!

今回は、いうなれば異篇卿との決着戦。ただ、本当の意味で『重界計画』に拘っている人がいないものだから、紗沙のエデン浄化に対向する信念とか指導力というものが足りなかった気がする。単に、個々の相手との因縁をぶつけあうのが目的、みたいな感じでしたし。だもんで、対決する相手と真っ向からぶつかり合ってそれで概ね満足しちゃってるんですよね。それはそれで構わないといえば構わないんですけれど。その中で唯一、こだわりが強かったのがマハさんですか。彼女自身の過去や事情を鑑みれば、彼女の決意や覚悟の深さは知れますし。でも、ゼアドールさん、そんな人を泣かせてたらあかんですよ。ぶっちゃけ、漢気ならあんたがぶっちぎりで一番なんですから。
ところで、黒猫さんは毎度毎度一番ひどい怪我を負っている気がするんだけれど、もうちょっと優しくしてあげてくださいw

ユミィやシェルティス、そしてイグニドについては最後に回したか、今回は殆ど出番なし。最終回に、全ての因縁が紐解かれることになるのでしょう。意外と秘密も引っ張ったなあ。

シリーズ感想

俺、ツインテールになります。5 4   

俺、ツインテールになります。5 (ガガガ文庫)

【俺、ツインテールになります。5】 水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

Amazon

ツインテール部の夏合宿! 異世界の戦い!

待ちに待った夏休み!しかし、ツインテイルズの戦いに休息はない……と思っていたら、アルティメギルもまさかの夏休み宣言!? せっかくなのでこの機会に旅行をかねての強化合宿を行うことになったツインテール部。行き先は――異世界!
ちょうどその頃、首領から裏切り者エレメリアンの抹殺の命を受けたダークグラスパーは、 配下である戦闘部隊<貴の三葉>を追っ手として差し向け、自身もまた異世界へと旅立つ。そして、小型戦艦スタートゥアールに乗り込み異世界へと出発した総二たちツインテイルズだったが、トラブルに見舞われ、目的地とは違う未知の異世界へと放り出されてしまう。そこで総二が出会ったのは、異世界のツインテール戦士だった……。
僕らのツインテイルズが、今度は異世界を舞台に大暴れ! 孤独な戦いを続ける異世界のツインテール戦士とは?
そして、ポニーテール属性を持つ反逆のエレメリアンの正体とは!?
敵味方入り乱れ、かつてない戦いが始まる!
これって、ノリ的は劇場版ぽいなあ。
そもそも、このシリーズって戦隊物とかヒーローものというよりも、プリキュアタイプなんですよねえ。いや、あまりにも隅から隅まで余すところなく変態と変人しかいないものだから認識障害が働いていたけれど、今回はじめて女性形エレメリアンたちが出てきて、彼女たちと戦うことになって、そういえばツインテールズって性別で言うなら一応女に分類されるんだった、と思い出した次第で。もっとも、女だからプリキュアというわけじゃないんですけど。
前回、女性化して非常のツインテールだけではなく、日常におけるツインテールをも体感し習得した総二は、もはやツインテールについては隙の一欠片も存在しなくなったようで、ツインテールに関してはさらに一皮むけて鋭敏に、繊細に、行き届いた感性を手に入れたようだ。書いていて意味不明だが、そうとしか言い様がないのだから仕方がない。
しかし、ことツインテールに関しては愛香だって引けはとってないんですよね。そのツインテールは与える愛のツインテール。彼女のツインテールは、並み居るツインテールを極めし者たちが軒並み絶賛して惜しまない絶品なんですよね。総二は愛するが故にツインテールになってしまったツインテールだけれど、愛香は言わばツインテールそのもの、と言ってイイくらい不可分になってるんじゃないだろうか。
まったく、これで蛮族でなければ。まあ、蛮族系ヒロインという未曾有の存在だからこその、この恐ろしいまでの存在感なんですけどね!! ついには双眸を光らせながら口から怪光線を吐く段に至ってしまって、もう言い訳不能でただの大怪獣じゃないかっ、死ぬほど笑ったわ!! イメージ映像じゃなく、ガチでこんな地獄の光景を現出させてしまうヒロインとは一体w
そりゃ、アルティメギルという敵組織全体が、テイルブルーに対して恐怖症どころかPTSDを発症するのも仕方ないわ。今回に至っては、異世界の人たちにまでトラウマを絨毯爆撃してしまっていましたし。
でも、でも今回は可愛かったよ、ちゃんとヒロインしてましたよ、愛香さん。いやね、痴女な黄色やもうどうしようもない狂人である白と比べると、どれだけ蛮族であっても愛香が元々一番ヒロインしてたんですけれどね。
にしても、あれだけ血みどろの戦いを繰り広げていたトゥアールと、微妙にガチで友情をかわしつつあるこのイカレた現実はなんなんでしょうw トゥアールに対して本気でデレても、誰得だよ、とか思うんだけれど、トゥアールも愛香のガチの裾を摘むようなデレに対して茶化すでも悪乗りするでもなく、こちらも本気で照れたり戸惑ったりしている姿にはちょっと安心しました。心の底まで腐ってはいなかったのか、こいつw
敵の乙女エレメリアンとの戦いの果てに結ばれた刹那の友情といい、今回は愛香さんの見せ場多かったです。

さて、今回の見所の一つはついにツインテールと双璧をなすポニーテール属性のエレメリアンの登場だったわけですけれど……こいつ、微妙にサラリーマンレッドみたいな鬱陶しさだな。
まだ顔見せ、という段階であんまりいいところのなかったポニテだけれど、どうやらアルティメギルを裏切り反逆に打って出た背景にもいろいろあるようですし、何より最初にテイルレッドの正体に気づいた感性といい、アルティメギルの怪人たちの限界だった部分を突破した可能性を見せてくれましたし、これから本格的にメインに飛び込んできそう。それにしても、ツインテール信者である総二がポニテについてどう考えているかは気になっていた部分だったのですが、そうか、むやみに敵視せずにちゃんと敬意を持って捉えているあたりに、総二のツインテールへの愛情が狂信ではないことが実感できたり。頭はおかしいけれど、心根はいつだってまっすぐで熱い。それが、主人公の総二のみならず、アルティメギルの面々を含めた総じた在りようだからこそ、これだけ変態揃いの変態的な内容にも関わらず、さっぱりと清々しく、気持ちのよい熱さを感じられる理由なんだろうなあ。

で、巨大ロボはいつ稼働するんですか? あれって絶対ネタ振りだよなあw

シリーズ感想

ケモノガリ 74   

ケモノガリ 7 (ガガガ文庫)

【ケモノガリ 7】 東出祐一郎/品川宏樹 ガガガ文庫

Amazon

――旅は終わり、終わりが始まる。

――終わりにしよう、と誰かが言った。
――まだまだ終わらぬ、と誰かが言った。
――終わらせる、と誰かが言った。
――続けさせる、と誰かが言った。
――殺してやる、と誰かが言った。
――殺されない、と誰かが応じた。
――戦おう、と誰かが言った。
――戦う訳がない、と誰かが言った。
――何故戦わぬ、と誰かが問うた。
――僕は答えた。
――お前などと戦うものか。お前は殺される側なのだ。

かくして、終わりが始まった。


天才ハッカー・シャテアの解析によりクラブの本拠地である島を発見する。その島は対空ミサイルを備えるなど厳重な武装警備状態で準備を要した。
上陸の前夜、楼樹たちは思い思いに過ごす。
一匹は姉との因縁を、一人は計画を円滑にするための作戦を、一人は思い出を忘れ人間らしさを消していく――そうしなくては勝つことはできない
から。それぞれが決意を固め、潜水艦に乗り込み決戦の地へと向かう……。

残る“聖父”はあと四人! 楼樹の果てなき戦いはついに最終局面へ!!
これが【ケモノガリ】ではなく、ケモナーガリだったなら、もっとファンシーなお話になったのかしら、などと頭の脳裏によぎったり。どうせ、エロゲになるんじゃないのかって? それもまた然り。まあイヌガミの取り扱いが非常に気になるところだけれど。

さて、本編はというとついに最終決戦ということで、楼樹の独壇場になるのかと思ったらば、敵の本拠地に攻め入るのは楼樹とイヌガミ、そしてシャーリーのいつもの三人だけではなく、なんとCIAから十人の最強の工作員が参加することに。いつものように殲滅戦を繰り広げる楼樹たちの一方で、シャーリーと凄腕エージェントたちの決死の潜入工作戦が行われるというまさかの展開。このエージェントたちがまたみんな個性的でカッコいいのなんの、というこっちサイドもコッチサイドで熱いやら燃えるやら、もう片方の主人公になってます。なんという冒険小説。アパッチ最強!!
CIAの工作員でありながら、クラブの非道を前にして、国のためではなくただ人としてやらねばならない、と決意した男女たちの決死行。それ以前に、このクラブとの決戦に挑むべきかがCIA内部で多数決によって決められるんだけれど、これがまた熱かったんだなあ。会議上では冷静に、クラブと敵対することへの損得を分析し話し合いながらも、結論として導き出されたものは……。
この作品、人間という存在の下衆っぷり、救われなさを「クラブ」という組織の存在だけでほぼオーラスに浮き彫りにしているにも関わらず、常に「人間って捨てたもんじゃない」というのを示し続けているお話でもあるんですよね。ケモノガリとして人の身から逸脱し、ついには人間の枠組みからこぼれ落ちようとしている楼樹だけれど、彼は常に憤怒し続けながらもついに絶望に陥ることはなかった。それは、常に戦う先々で人の道、人の心、人の誇りを守り戦おうとする人々と出会い続けてきたからなのでしょう。殺して殺して殺し続けながら、彼の血塗られた道には何も残らぬわけではなく、希望が残り、未来が残り、彼に続いて武器を手に取り戦おうとする「人間」たちが続いていこうとしています。立ちふさがる獣の群れに、抗う人の集いが動こうとしている。
その先兵として、切先として、敵の本拠地に乗り込む楼樹たち。うむむ、長い戦いも、まさかこうも世界を動かす熱い物語になるとはなあ。
CIAも去ることながら、この法王猊下の熱さはちょっとした見ものです。これほどの人物が、世界最大の宗教の長に就いて、味方になってくれることほど頼もしい事はないよなあ。そんな法王さまの方にも妙な情報が行っていたようだけれど、あれはなんだったんだろう。今回は明らかにならなかったけれど、最終回に繋がる大きな伏線のようだ。

さて、楼樹の戦いは量産型のエンターテイナーたちとの殺し合いによって幕を開ける。おなじみというべきか、復活怪人はヒーロー物の定番だったような気がするんだけれど、いやはやそこまで自分を改造してまで殺しを楽しみたいものですかねえ。もう、自分の名残が全然ないじゃないですか。劣化型の量産怪人と成り果てて、万能感なんて得られるものかしら。まあさくさくっとやられていく劣化怪人はモブとして、今回のメインはやはり最強最悪の兵士ジャック。問答無用の人間を明らかに越えてしまったスペックを持ち、何より心が残虐に歪みきった最凶の悪魔。あまりに品性も下劣すぎて、かつて戦ったロビンフッドや、ククリナイフを譲ってくれた戦士と比べるとどうしても怖さを感じないのだけれど、しかし強さに関してはどうしようもなく一級品。そんな相手を、どう殺すのか……って、こいつって明らかに最高の殺され役を与えられたキャラだよなあ、うん。カタルシス
そして、楼樹の同士であり戦友であった男の最後の戦い。自らの最後の戦いを果たし終え、自分そのものを失ってもなお友のもとに駆け続けた、その姿と最期にはただただ涙するばかり。演出も最高でした。
シャーリーについてはかなりビックリしましたけれど。いや、彼女がそういうつもりだったとは。気持ちとしてはわからんでもないんですが、これまで全く素振りも見せてなかったもんなあ。流石はエージェント、或いは流石は大人の女性というべきでしょうか。翻って、少女でありながらもうひとつの怪物的な存在感を見せ始めているのがあやな嬢。この娘も、いい加減一般人とは言いがたいメンタルですよねえ。覚悟を決めているとか、そういう範疇とは思えない。幼い頃からその片鱗を見せていた楼樹と育ち、あの事件を経ることで彼女もまた決定的に変質したのか。でも、これくらいでなければ、多少覚悟を決めた程度では楼樹を引き戻せるとは思えないので、彼女には徹底的に人という怪物になって貰わないと仕方ないのかもしれない。
いずれにしても、決着はすぐそこ。思いの外長い旅になりましたが、こうやって決着がつこうとしているのは何とも感慨深いです。

シリーズ感想

猫耳天使と恋するリンゴ 3   

猫耳天使と恋するリンゴ (MF文庫J)

【猫耳天使と恋するリンゴ】 花間燈/榎本ひな MF文庫J

Amazon

高校2年生の一樹が食べた林檎は、どんな願いも叶える『天界の林檎』だった。
林檎を食べたことで悪魔に命を狙われることになった一樹は、天界から舞い降りた天使・ミントと協力して『林檎の片割れ』を捜索することになる。悪魔の襲撃、天界の林檎に隠された秘密、次々に迫りくる苦難を乗り越えながら、片割れを手に入れるために奔走する一樹。そんな中、幼馴染の雪姫が急に積極的になってしまって……!?
第9回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>受賞作品。恋するリンゴ達と猫耳天使が織り成すラブコメディ。ふんわりまどろむ極上の果実を召しあがれ。

ヒロインの体の一部に浮き出た印を見つけるために、あれやこれやと四苦八苦しながらヒロインの素肌を見ようとするドタバタラブコメはこれまでもいくつもあったと思うけれど、最終的に真正面から小細工抜きにヒロインに全部脱げ! そして全部見せて! と宣う主人公は多分ハジメてみたよ!! いや、一応それまでも薄着を促したりお一緒にプール行って水着姿を鑑賞したりと、いきなりラストステージに突入はしてないんだけれど、もうあとは全部脱がすしか無いという局面に至って、こっそりお風呂を覗き見るとか本人が気づかないように剥いて調べる、という卑怯な方法をとらずに、真っ向から脱いで、と迫った一樹少年は主人公として尊敬に値する。よくやった! ぼんやりしているくらい温厚な人柄なくせに、ヘタレとは程遠い果敢さである。しかも、家に帰ってから然るべきタイミングで、とモジモヂと恥ずかしがりながらも実質OKですよ、サインを出しまくってる彼女に対して、いやダメここで、と逃げることを許さない一樹少年。鬼畜か! 世間のヘタレ主人公に爪の垢を煎じて飲めと言いたくなるような迫りっぷりである。すげえ。
まあここで邪魔が入っちゃうのがぬるいラブコメの典型なんですが……ふわふわだけれど、そういうお為ごかしとは程遠いのがこの作品。
そして本当に脱いじゃう雪姫。舐めるように隅々まで鑑賞し倒す一樹。……この野郎w

林檎を食べたせいで恋心を喪ってしまった一樹だけど、傍から見ていての雪姫を大事に、大切に、宝物のように扱う様子は、とても感情の一部を欠損したようには見えない。もう半分の林檎のせいで、積極的に自分の気持ちをあらわすようになった雪姫との関係は、見ていて気恥ずかしくなるような甘やかでふわふわとした空気に満ち溢れていて、ラブ真っ盛りである。
恋心を失っても、愛情は失われないということだったのか。恋と愛の定義の線引は難しいけれど、雪姫に触れる一樹の指や言葉には、彼女への愛や慈しみが行き渡っていたように思う。恋のような激しい物がない分、安心感すらあったかもしれない。
それでも、これだけ彼女のことを大切に思っているのに、ポッカリと穴のあいたように恋という心が失われてしまっていることは、もどかしさと苦しさに一樹を苛んで行く。ならば、恋とは相手を求める力なのか。でも、求めたいと求める時点で既に求めてはいるんですよね。彼女をほしいと思っている。不可思議な堂々巡りだけれど、あるはずなのに無いモノを求めるというのは、その渇望はどこか理解できる。
どれだけ、失われたモノは彼にとって大きく埋めがたいものだったのだろう。失って初めてその存在に気づく、という事でもあるのだろう。
いずれにしても、これだけお互いにべた惚れだと誰にも割って入る余地はないですよねえ、と言いたいところなんだけれど、猫耳天使のミントの健気さが圧倒的な存在感をもって食い込んでくる。彼女に関しては、恋愛ではなく親愛に近い感情なんだと思うんだけれど、放っておけない感は雪姫に負けず劣らずだからなあ。カップルとしてはこの幼馴染カップルは譲れないんだけれど、ミントについても一人の女の子としてキチンと成り立たせた上で送り出して上げてほしい、というふうに思うということは妹ポジション、という事なのかしら。
あまりにも一樹と雪姫がお似合いだっただけに、この先変に他のヒロインを介在させるのはやめて欲しいなあ。一樹の請け負った負債からして、他の女の子と接触を持たないといけないのは決定的みたいだけれど……雪姫が泣くような事はしないでほしい。ってか、この一樹が雪姫が泣くようなことはとてもするような奴に見えないので、むしろ他のヒロインが泣くんじゃないのか、これw

 
8月3日

(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W

8月2日

(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(YKコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(FUZコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(HJコミックス)
Amazon Kindle B☆W
7月30日

Kindle B☆W


(WITノベル)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川スニーカー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川ビーンズ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川ビーンズ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川ビーンズ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ファミ通文庫)
Amazon Kindle B☆W


(モンスター文庫)
Amazon Kindle B☆W


(モンスター文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W


(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ZERO-SUMコミックス) Amazon


(ビッグコミックス) Amazon Kindle B☆W


(モンスターコミックス) Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

7月29日

(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(講談社ラノベ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W


(Kラノベブックス)
Amazon Kindle B☆W

7月28日

Amazon Kindle B☆W

7月27日

(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(REXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(KADOKAWA)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

7月26日

(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース・エクストラ)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(KADOKAWA)
Amazon Kindle B☆W


(KADOKAWA)
Amazon Kindle B☆W

7月25日

(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W

7月21日

(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W


(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W


(MFC)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

7月20日

(4コマKINGSぱれっとコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(4コマKINGSぱれっとコミックス)
Amazon


(4コマKINGSぱれっとコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(4コマKINGSぱれっとコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(モーニング KC)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W


Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W

7月19日

(HJ NOVELS)
Amazon Kindle B☆W


(HJ NOVELS)
Amazon Kindle B☆W


(HJ NOVELS)
Amazon Kindle B☆W


(HJ NOVELS)
Amazon Kindle B☆W


(HJ NOVELS)
Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(チャンピオンREDコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

7月17日

(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W

7月16日

(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W


(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W

7月15日

(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W


(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W

7月14日

(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W


(GAノベルス)
Amazon Kindle B☆W


(GAノベルス)
Amazon


(ハヤカワ文庫JA)
Amazon Kindle B☆W


(ハヤカワ文庫JA)
Amazon Kindle B☆W


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle


(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle


(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W


(モーニングKC) Amazon Kindle B☆W

7月13日

(リュウコミックス)
Amazon Kindle B☆W

7月12日

(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アクションコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W


(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグ コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ビッグ コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(YKコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(YKコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(YKコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


(メテオCOMICS)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W

7月10日

(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W


(モーニングスターブックス)
Amazon Kindle B☆W

7月9日

(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W


(講談社)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(ドラゴンコミックスエイジ)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(星海社COMICS)
Amazon Kindle B☆W


(ブレイドコミックス)
Kindle B☆W


(ブレイドコミックス)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


7月8日

(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC
Amazon Kindle B☆W


(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W



(宝島社)
Amazon Kindle B☆W

7月7日

(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W


(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W


(幻冬舎文庫)
Amazon Kindle B☆W



(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W


Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索