徒然雑記

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書籍感想(2013)

エロマンガ先生 妹と開かずの間3   

エロマンガ先生 妹と開かずの間 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 妹と開かずの間】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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高校生兼ラノベ作家の俺・和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。和泉紗霧。一年前に妹になったあいつは、まったく部屋から出てこない。今日も床をドンドンして、俺に食事を用意させやがる。こんな関係『兄妹』じゃないぜ。なんとか自発的に部屋から出てきてもらいたい。俺たちは二人きりの『家族』なんだから―。俺の相棒・担当イラストレーターの『エロマンガ先生』は、すっげーえろい絵を描く頼りになるヤツだ。会ったことないし、たぶんキモオタだろうけど、いつも感謝してる!…のだが、衝撃の事実が俺を襲う。『エロマンガ先生』は、俺の妹だった!?『俺の妹』コンビで贈る、新シリーズ!
何を思ってそんな名前を付けた!?
関係ないけれど、イラストレイターの人って作家や漫画家と比べて変な名前にしている人多いですよね。特徴的なものならまだいいんだけれど、読めないとか検索しにくい類の名前は仕事をするのに損が多いだろうに、と良く思うのです。ライトノベルの感想記事なんか書いていると、イラストレイターの名前を見ることが多いので尚更にそう思う機会が多かったり。
さて、本編ですけれど、新たな妹ラブ伝説、というよりも今回のはライトノベル作家ネタ、というべきなのかもしれない。というのも、この義妹ヒロイン、妹としての要素が非常に薄い。義理の妹になってからすぐに引き篭もって顔も合さない生活を続けていたせいで、家族らしい付き合いがさっぱりないんですよね。かと言って、引きこもりな家族との真剣な付き合い方について深く掘り下げて書いているわけではないので、兄妹という関係でありながら限りなく他人に近い身内なわけである、この二人。
まあかと言って、他人同士、という冷めた関係ではないんですけれどね。この微妙な人間関係をじっくりねっとり描写していってたなら、これも新たな妹とのドラマになったんでしょうけれど、どちらかというと重きがなされているのは、兄と妹の関係よりも作家と絵師、作家と作家のあれやこれや、であったわけである。
難しいのは、これが義妹であり同居人という関係でなければ成立しない物語であるところなんだけれど、かといって妹モノかというとやっぱり首を傾げたい。
マサムネがガチンコでぶつかり合うのは、結局引き篭もったままあんまり出てこない紗霧ではなく、ライバルであるエルフ先生だったのですから……。
それ以上に、この二人の関係って兄と妹である方がお互いの気持的にも立場的にも歪んじゃってますしねえ。ってか、普通に接しろよ。なんでそんな究極的に遠回りするんだ、この男は。いや、これもこの男が小説家の権化だからか。一般的な恋愛観からして大いに間違ってはいるが。小説家だって、ラブレターはそんな風に書かないし渡さないから、小説家としても大いに間違ってるんだが。

いきなり話は変わるが、やたら速筆の作家さんって、何年かすると燃え尽きる率、そこそこ高いよねw
いやあ、単なるイメージかもしれないけれど、デビューからガンガン書きまくっていた人が、段々息切れしたように刊行スピードを減らしていき、やがてシリーズも途中のママ音沙汰なくなってしまう。というパターンをいくども経験しているがためか、そんな印象がある。
まあ、実際は敢然と何年にもわたって息切れもせずバリバリ書きまくってる人も、パッと思いつくだけで沢山思い浮かんだので、やっぱりイメージなのかもしれないけれど。
プロとして生き残れるのは、やはりこういう書いて書いて書きまくってなお、すり切れない人なんだろうなあ。なかには擦り切れるどころか、もうベテランもいい所なくらいの年月書いてるくせに、さらにクオリティあげたり、作風の幅を広げたり、レベルアップしていく人も結構いますしねえ。
ただ、こういうマサムネみたいな書き方をしている作家さんから、息を呑むような、電撃に打たれるような傑作や名作が生まれる想像はしにくいのも確か。とはいえ、安定したレベルの作品を沢山供給する、というタイプだって大事なんですけどね。作家なんてものは、それこそ十人十色でいいんだと思う。いろんなタイプが居てこそ、停滞は遠のいていくものなんだから。でも、マサムネはボツが多すぎるよなあ。決して書捨てしているわけじゃないのは、ボツにされた原稿にのたうちまわるような、自分の子供を殺されるような苦痛を感じている事からも間違いないんだろうけれど、やっぱり慣れや摩耗というのはあるんですよねえ。
マサムネが、今までと違うスタイルで新しい作品を書いた、というのはその理由とはまた、いいことなんじゃないかしら。物語を書くことだけじゃなくて、今までと違うやり方で挑んでみる、というのは新たな見地が広がるものですし。
さて、この伏見さんがライトノベルを書く、ということについて具体的にどういう見識を持っているのかについては、どこか自伝っぽく、しかし巧妙にフィクションに彩られ、様々な方向から違う価値観を持ちがる形式からして、まったく悟らせずに面白いエンタメとして出来上がってる事に、やっぱり上手いなあと思うばかりなんですが、【十三番目のアリス】の続きはいつ出るんですか? という件についてはいつまででも言い続けるのですよ?w 【火目の巫女】についても同じくなw

さて、今回の新作のホラー枠は、神野めぐみ、一択で。何が怖いって、この娘全部わかっててやってるっぽいところ。マサムネや紗霧みたいな人間のことを全く理解できずに自分の常識だけで判断している、というだけなら迷惑なだけで怖くはないんだけれど……なんか全部解ってるのにやらかしている卦が微妙に見受けられるのが怖い。

で、実妹からさらに実妹で押してくるのではなく、義妹になったのは現実的回避と捉えるべきか、はたまた逃げと見るべきか。今度は実妹でも妥協抜き、というパターンを密かに期待していたのだがw

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) 24   

ミス・ファーブルの蟲ノ荒園 (2) (電撃文庫)

【ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) 2】 物草純平/藤ちょこ 電撃文庫

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十八世紀に発生した謎の巨大生物“蟲”によって大きく変貌した、もうひとつの近代。日本から遠く離れた欧羅巴の地で、その左目に奇妙な“蟲”の力を宿すことになった少年・秋津慧太郎。彼がある日、街で遭遇した「死神」―かの者が狙う「魔本」をめぐり、蟲愛づる魔女アンリ・ファーブルと女騎士クロエ、謎多き少女マルティナまでも巻き込んで、長い長い一日が幕を開ける。最悪の事件の裏に潜む呪わしい因縁は、十字教の総本山にも至る秘密を秘めたもので―まだ見ぬ荒園をめざし、少年と少女は闘う。蟲と恋と蒸気が彩るスチームパンク・ファンタジー、激動の第2弾!
幼稚な正論を振りかざすしかなかった慧太郎の著しい成長を伺わせるスチームパンク第二弾。いや、自分でも信じきれていない建前ばかりの正論に縋る事でしか剣を振るえていなかった慧太郎が、ここまで変わることが出来たか。あの本物の戦士であるジョセフとの魂のぶつかり合いが、どれほど彼の成長を促したか、実感叶うというものである。
自分の中に生じている想いを、正論という耳障りの良い借り物の言葉で飾り立てて繕っていたのが嘘のように、自分なりの自分だけの言葉で、信念を語る。それは、妥協の許されない逃げ場のない、ともすれば辛いばかりの自分の心を抉るような自問だったかもしれない。でも、ジョセフとの戦いは少年から安易な逃げを遠ざける強さを与え、ひたすら自分を突き詰めていくだけの輝きを少年に生じさせたのだろう。
もう一人の自分、ともいうべき男に自分の「信念」と「正義」を語る慧太郎の姿は、掛け値なく格好良かった。その姿は紛うことなき男のものであり、幼さを脱ぎ捨てた大人の背中を感じさせるものでした。
見た目が少女? 関係ないね!
いや、一度女の子と認識されてしまうと、普通に男の格好をしていてももはや男と思われないあたり、慧太郎の容姿ってどうやら真性に女の子みたいなんですが。初対面の人にさえ、男装の美少女と認識されてしまうあたり、もはや手遅れもいいところである。

死神と呼ばれ、魔本という謎の魔導書を手にした人間を次々と惨殺していきながら、それをその者への救いと詠ってゆらぎもしない男。一見すると、無茶苦茶な理屈に寄りかかっている殺人鬼そのままなのですが、彼の持つ背景や魔本の正体が明らかになるにつれて、彼の言う「救い」が決して根拠の無い妄言ではないことが理解できてくる。
彼、ベノワは狂った殺人鬼などではなく、そのおぞましい境遇にのたうちまわりながら救いを求める男でした。同時に、彼が自分だけの事にかまけず、自分と同じ境遇になろうとしている無辜の民を悲惨な末路から救いたい、と願い行動に移す、優しい男でもあったのです。それは贖罪だったのでしょう。代償行為だったのかもしれません。ですが、彼が他人を思うことの出来る男であり、この世界の社会通念を鑑みるに、彼に迅速に殺される事は彼の言うとおり「救い」の要素があったのは間違いないことでした。あまりに一方的で、殺される当人に意思確認をしないというのも、あまりにも理不尽である事は間違いないものの、殺される当事者が受けるであろう絶望を思うなら、何もわからないうちに殺されるのも無垢なる救いであったことは、決して否定出来ないのです。
しかし、敢えて慧太郎は死神ベノワの救いを、他者を救い自分を救おうという必死で、縋るような、慟哭に塗れた彼の修羅道を、敢然と否定するのです。
借り物の言葉ではなく、自分で悩み苦しみ心の内から溺れるようにして掬い上げた信念を言葉にして、もう一人の自分の末路であるベノワの救いを、否定してみせるのです。
そして、慧太郎がたどり着いた答えこそ、生きて戦って辿り着く場所こそ、アンリと交わした約束の地だったのです。
この回り回ってあるべき所に着地していく構成は、哀切に彩られたどうしようもない現実への人の抗いというデコレーションもあって、とても美しく感じるものでした。同時に、クロエとマルティナというクラスメイトたちが深く関わるようになり、アンリと慧太郎の二人だけの物語に彼女たちが加わった事で、気づけば「楽園」の形がささやかながら成立していた事にも嬉しさが芽生えるのでした。でも、クロエの一族にまつわる謎や、マルティナの秘密がエピローグで明らかになったことで、慧太郎とアンリ、クロエとマルティナという四人が一緒に居る暖かな光景は、背筋に寒気が走るものでもあるんですよね。当人たちは誰も理解していないけれど、彼らが今同じ時間と空間で日常を過ごしているというのは、とてつもない奇跡と偶然と運命のイタズラの上に成立しているものなんじゃないだろうか。奇跡のような調和の上に成り立つ楽園。その儚さと脆さ、理想の重たさを思うと、この小さな楽園の姿には、痺れるようなナニカを感じるのです。
うむむ、なんか凄いぞーー。

アクションシーンは相変わらず、見栄えのする躍動感や鋭利さが盛りだくさんで、脳内で物凄い作画で動いているような感じです。アンリとクロエ、アンリが一方的に嫌っていた女の子同士の人間関係も、クロエのめげないアプローチについにアンリが陥落する形でクロエの勝利に終わり、得難いアンリのデレを獲得するという結末に。はいはい、ご馳走様です。クロエ、そっちの卦はないと言いつつ、ケイへの態度といいアンリへのそれといい、わりと百合の人なんじゃないかという疑いがw いや、ケイが相手だとノーマルになるのですが。
ベタベタしないように気をつけながら、何だかんだと慧太郎が気になって仕方なくて、クロエとケイのデートを尾行するアンリも、本人女子力かなり乏しいくせにちゃんと乙女していて、ニヤニヤするやら安心するやら。お風呂のシーンは眼福でした。慧太郎が男だと知っているのに一緒にお風呂に入らなきゃいけなくなったアンリの心境たるや、やっぱり単に覗きや偶然混浴してしまうシチュとは全く異なる乙さがあるんですよね。結局、慧太郎あますところなく見てるし。こいつ、なかなか良いむっつりだわ。うむ、うむ、ごちそうさまでした。

次回もほんとに期待大。ラストを見る限り、ちょっと背中を押すだけで凄まじい激動の渦に巻き込まれそうな要素たっぷりですし。楽しみです。

1巻感想

現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと 4   

現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと (電撃文庫)

【現代日本にやってきたセガの女神にありがちなこと】 師走トオル/KEI 電撃文庫

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東京は羽田にある穴守稲荷神社。ある日そこの跡取り息子である菅原勇雄のもとに、見知らぬ少女がやってくる。一見普通に見えるゲーム好きなその少女は、実は八百万の神の一柱。ドリームキャストの神様だった!夢実と名乗るその女神様は、勇雄の家に居候をして現代日本のゲーム事情について調べるのだという。それからというもの、勇雄のもとには様々なセガ歴代ハードの女神様が訪れることになるのであった。「ニコニコ連載小説」「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編に書き下ろしを加えた、セガ公認のハードなガールズ・ストーリー!
セガ神さま、みんな沸点低すぎ!!
いやあ、ドリームキャスト持ってましたよ、ドリームキャスト。ドリキャス!! 別にセガファンということは全然なかったんですが、何のソフトを目的にドリキャス買ったんだったかなあ。ちと忘れてしまったのですけれど、あの当時はまだドリキャスも決してプレステに劣る趨勢ではなかったのでした。極々一般的なゲームユーザーだった自分が手を出すくらいでしたし。
しかし、ここがピークだったのも確かなんだよなあ。
というわけで、セガ神さまの降臨であらせられる! バーチャファイターを友達の家でやった時には本気で感動したものです。いや、自分ゲーセンは殆ど全くと言っていいほど行かない輩でしたので、コンシューマ専門だったのですが、それでもあのこれまでの格闘ゲームとは隔絶していたポリゴンは驚いたし感動したんだよなあ。
まさにセガここにあり、の時代でした。とまれ、そのセガマシンのツッコミどころについては、さっぱり知らなかったんですけどね。
まったく、セガ神さまたちはみんなメンタル弱すぎ!! 普通にハードの歴史を語っているだけでナチュラルに祟り神と化していくセガ神さまたち。いや、それ全部史実だから、紛れも無い事実だから。事実を指摘されていくだけで流れ作業的に祟り神化してしまうあんたたちの来歴そのものがネタみたいなもんだから!
わざとやってるのか、と思うほどのネタまみれのセガの歴史は、しかしそれだけセガという会社の在りようそのものを愛する信者をわんさと産んでいく事になるんですよね。セガがハード事業から撤退してもう長く経つのに、未だに語り継がれ笑いのネタにされ続ける、というのも愛され続けている証拠なのでしょう。何より、セガネタ一本でこうして本が出てしまうくらいなんだから折り紙付きです。
いわば自虐ネタになってしまうんでしょうけれど、セガ女神さまたちのセガ語りは読んでてもお腹を抱えて笑ってしまうものばかりで、いやあ楽しかったです。主人公の妹ちゃんの知識が明らかに偏ってるというか、十歳か二十歳ほど鯖読んでるだろうお前、というくらい変な所に精通していて、こんな幼女が居たら怖いよ!!
個人的にはドリキャス女神さまよりも、セガサターン女神さまのほうが色々と微妙で好きです。キャラ的に。

しかし、このイラストのキャラのテカリっぷりは、てっきり女神様たちがポリゴン的なデザインで現世に降臨しているからこんなにテカってるのかと思ったら、特にそういうのは関係なく絵柄としてテカってるのですね。人形めいていて正直キモいんだけど(苦笑

これだけぶちこんでまだネタがあるのか、と次巻以降も予定がある事に驚いてたら、あとがき読んでびっくり。ええ、作者の人、元々関係者だったの? それはそれは、ひたすらゲームをプレイするシリーズを手がけてたのにも納得。そして、自虐ネタもイキイキと弾んでるはずだわw


師走トオル作品感想

断罪のレガリア 2.星の偶像 3   

断罪のレガリア (2) ―星の偶像― (電撃文庫)

【断罪のレガリア 2.星の偶像】 多宇部貞人/すーぱーぞんび 電撃文庫

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世界は静かに混乱していた。多数の人間が消失するという謎の六芒星事件―地球上に巨大な六芒星の魔方陣が描かれ、何者かによって儀式が行われている。シオンたちは黒装退魔師団よりも高位の組織・極東教会直属の『熾天使の六翼』の命により、魔王級の悪魔が絡むであろう不可解な事件の調査へ乗り出すことに。その一方で、八慧は幼い頃に亡くした母を思い出し、感傷に浸る日々が続いていた。そんなある日、八慧は自身と同じく母を亡くしたアイドル・JUNEと出会い、何でも願いが叶うと噂されるウェブサイトのことを知ることになり…!?退魔の宿命を継ぐ者たちのアンホーリー・アクション第2弾!

うむむ、本作の何が気に入らないかというと、なんかあんまり人気なさそうなところが気に入らない!!
あれ? 結構面白いしよく出来ていると思うんだけれどなあ。
前作の【シロクロネクロ】の頃から、この作者さんの主人公とヒロインの関係の書き方に面白味を感じていたのですけれど、あちらは中途半端なコメディ要素と主人公の砕けたキャラクターが逆効果になって人間関係の妙味を打ち消してしまっている節があったのですが、作風を硬派なベクトルに向けたこの【断罪のレガリア】はその辺りを丁寧かつシットリと描く余地が生まれていて、良い味が出てきてるように思います。
面白いなあ、と思うのが主人公のシオンが非常に正しい選択を選び続けている点。彼の過去やトラウマの大きさから、容易に「囚われる」だけの重たいものを背負っているにも関わらず、彼は常に一番大切なもの、守るべきものである八慧の存在を見失わないのであります。まず最優先で、幼馴染であり家族であり大切な人である八慧を守ることを意識している。これは表層的な意味だけではなく、彼女のメンタル面にも踏み込んでいて、傍から見ていても独り善がりではないかなり理想的な距離感で八慧の側に居続けてるんですね。八慧からすると、鬱陶しくなさすぎず素っ気なさすぎずの絶妙な距離感でもあり、熱血漢でありながら冷静さを失わないシオンのキャラクターは、仕事のパートナーとしても家族としても想い人としても大きな信頼を寄せるに足る人物なのです。翻って八慧の方も、変に暴走したり自分勝手に動いたりせず、かといってシオンにべったりとした自立性がないような女性でもなく、ちゃんと一人で立っている大人なヒロインなんですね。
辛い過去を持つ者同士、大切なものを喪ったもの同士、様々な局面で彼らを揺さぶる展開や悪意が襲ってくるものの、二人をつなぐ信頼感と強い心根は揺さぶられながらもキチンとそれらを跳ね飛ばしてくれるので、見ていても非常に安心感があります。ホント、いいパートナーなあ、というのが折々に触れて実感出来るのです。
さらに、周りを固める人材も信頼の置ける人物ばかりで、彼らへの助言や手助けを欠かしてくれないんですよね。特に、天津架ヶ世という青年は彼自身、大切なモノを守りきれず喪ったという後悔に苛まれているからか、すべてを復讐に捧げているという身の上でありながら、シオンが自分の二の舞いにならないようにとても気を遣っていて、態度だけはそっけないけれど実際は非常に親身になって時に彼に助言し、時に身を挺して手を差し伸べ、とあんた自称復讐鬼じゃなかったのか、と思わずツッコミたくなるイイ人で、登場時の何にでも噛み付きそうな狂犬みたいな印象は何処へいった、という感じになってます。でも、頼もしいことこの上ない。
ただ、これだけ親身になってくれていながら、一方で復讐に自分の全身全霊を燃やし尽くす覚悟は一切ブレないのは、彼自身が救われる余地がもう残っていなさそうで、ちょっと心配なんですよね。これで復讐に凝り固まっていたのが、徐々に打ち解けてきた、というのなら呪縛から解き放たれる余地がありそうなものですが。

今回、一番お気に入りだったのが、家出少女と八慧の交流でした。わりとパターンだとこの手の新キャラは主人公が拾ってしまうのですけれど、八慧が拾ってしまうというあたりにシオン=八慧というカップリングのブレなさを感じます。基本的に、シオンには他のヒロインが入る余地がさっぱりないんですよね。完全に八慧に一途ですし。
仕事から逃げ出してきたアイドルと、喪失感に心を弱めていた少女との何気のない交流。捨て猫を拾うように、自宅に招いた行き場のない旬という少女との気の置けない女の子同士のやりとりは、どこかホッと心のあたたまるもので、目立たないけれどこの二人が友達になる一連のシーンはなんかえらい好きでした。
結果として、彼女との接触が新たな事件へ不用意に踏み込むことになってしまうのですけれど、八慧にとってシオンや父親だけが拠り所ではなく、こうやってシオンとは関係のないところで育んだ人間関係が彼女を励ます、というのは人間関係の枠をググっと広げる効果もあって、良かったと思います。これだけ主人公とヒロインが強固な絆と信頼で結ばれていながら、そこだけに関係が閉じずにちゃんと黒装退魔師団というファミリー内の仲間同士や、外での一般人である友人で成長を促すような関係が育まれているのは良い感じなんじゃないでしょうか。
そういう外枠を大きく広げておいたからこそ、一番大事なところでやっぱりシオンと八慧の二人の想いが強く作用する展開が映える気がします。
シオンって、ほんと素直クールというか、わりと恥ずかしい台詞をシラフでズケズケと言ってしまうので、ラストらへんちょいと赤面ものです。これまで八慧はもう少しシオンに対してはサバサバした感じ、というか家族的な親愛が強かった気がしますけれど、ラストではさりげないながらも明確に態度が変わってましたね。あの甘え方や自分の見せ方は、シオンを家族として見ていた時とは完全に意識が異なっているように見えました。
むふふ、甘酸っぱいのう!

1巻感想

はたらく魔王さま! 104   

はたらく魔王さま! (10) (電撃文庫)

【はたらく魔王さま! 10】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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恵美と芦屋を連れ戻すためエンテ・イスラへやってきた魔王と鈴乃は、アルバートと合流し、皇都蒼天蓋に近づいていた。しかしアシエスとうまく融合できなくなった魔王は、鈴乃から戦力外通告されてしまう。仕方なく千穂へのお土産を物色していると、アシエスに異変が起こる。同じイェソドの欠片であるアラス・ラムスに危機が迫っているのではと考えた魔王は、地球から持ち込んだスクーター「機動デュラハン参號」を爆走させ、力を行使できないことを知りながらも、恵美たちのもとへ向かうのだった!緊迫のエンテ・イスラ編。悪魔と勇者、そして天使と人間の戦いの行方は!?
パラリラパラリラ〜♪
いやあ正直、ここまで行き詰まった段階からどうするんだ、と危惧していましたけれど裏から表から皆がそれぞれの立ち位置から事態を打開するために動いたことで一気に停滞が吹き飛びましたね。天使とオルバが見誤ったのは、新生魔王軍の絆の深さだったのでしょう。まあ、まさか彼らも魔王たちがあれだけバラバラにバラけた状態から一致団結して同じ方向に向かって協力するとは思っていなかったんだろうなあ。利害が一致しているから協力し合っている、というレベルでは成し遂げられない事でしたし、まさか人間と悪魔がこれほど密接に繋がっているとは、傍からしか状況を見ていなかったオルバや天使では思いもよらぬ事だったのでしょう。
今回に関しては謀略に絡め取られていたエミリアとアルシエルサイドからも積極的に動かなければどうにもならなかったでしょうし、鈴乃に至っては世界中駆けずり回っての大活躍。一番のMVPは彼女で間違いないよなあ。一方で魔王は何をしていたかというと……スクーターで武装してパラリラパラリラ〜、である。なにやってんだ、こいつわ(笑
いやしかし、これで彼の登場こそが溜めに溜め込んだ堰を切る為の一番肝心な要なんだから、彼こそが皆にとっても一番重要、というのは間違いないのでしょう。エミリアなんか、今回で完全にデレたっぽいもんなあ。あそこまで精神的に縋るとは。あの瞬間、人質になっていた父親との思い出も、新たに得た日本での平和な生活も、その両方を放り捨てても構わない、という気持ちにまで感情を高ぶらせたのは無視できない心の動きですよ。特に、日本での生活すらも諦められる、というのは父親の畑のように過去の郷愁に根ざすところではありませんからね。彼女はもう自分が完全に勇者として在れなくなった、と自答していましたけれど、それ以上に女っ気の萌芽が出てしまったんじゃないでしょうか、これ。
そして、エミリア以上に大暴れしてしまったのが鈴乃。元々暗部とはいえ権力サイドの人間だけあって、握った権限の使い方に躊躇がない。訂教審議会筆頭審問官と新生魔王軍大元帥の立場を両方自在に使い分けて、あっちこっちの跳ねっ返りを叩いて回る暴れっぷり。ほぼ現状、大法神教会の首根っこを掴んだ上で、勇者の仲間として世界的にも名声を得て、さらには新生魔王軍大元帥としてアルシエルに並んで魔王軍にも睨みをきかせる形となり、と今現状において世界でもっとも権威と権力を握ってるのって、この日本では家事手伝いの娘さんなんじゃないだろうか。本物の天使を公式に異端指定してしまったことで、大法神教会の宗教としての在り方を根本からひっくり返してしまったんですよね、これ。日本に来たことで改められた彼女個人の宗教観が、まんま公式のものとして大法神教会に反映されそうな勢いで、これって単に大法神教会の権力を掌握したという以上にえらいことになりそうだ。

ともあれ、これで公の形で人間と悪魔が真っ当な交渉を持ち、停戦に合意がなされた、ということで交渉の余地無く潰し合う形しかなかった人間と悪魔の交流に、これで本当に新しい道が提示されたわけです。
真奥の戯言に近かった新生魔王軍が、なんやかんやで本当の意味で稼働し始めてしまった、ということでもあり、悪魔サイドも日本で暮らしている三人以外の魔界在住組でも、新生魔王軍体制がこれで機能し始めてしまいましたしね。リヴィクォッコあたりなんぞ、鈴乃の下についてもおかしくない感じでしたし。
そういえば、アルシエルがなんかえらい人に見込まれてたなあ。あれって、重要な伏線になるんだろうか。

さて、天使のさらに上位に存在する「ナニカ」とデウス・エクス・マキナというにはドギツすぎる大家さんの登場によって、事態は混沌を迎えつつも一先ず沈静化。停戦がなり、鈴乃とエメラダの暗躍でエンテ・イスラの混乱も一応の決着がつき、一行はなんとか日本への帰途につくことが成ったわけですけれど……迎えてくれたちーちゃんは、なにか厄介な真実を知ってしまったようで、胸に重たいものを抱えてしまった様子でやや心配。ってか、それも彼女の明晰さがなければ突けない「真実」だったみたいだから、新生魔王軍筆頭大元帥としての試練ですね、これは!
一方で一番ショックだったのは、やはりエミリアのテレアポの仕事がクビになってしまったことでしょう。そりゃ、無断欠勤続けてたら仕方ないけどさ!! 生活レベルからしても、あの割のいいお仕事を喪ってしまうのは痛すぎる。もう、あのマンションぐらしも続けていけないんじゃないか。となると、彼女もアパートに越してこないといけなくなってしまうのでは。みんな一緒に暮らすのは悪くないけれど、あのマンション暮らしからあのボロ屋に都落ちは辛いぞぉw
しばらくは、恵美さんの求職三昧と生活苦がテーマになるのか。可哀想に。
鈴乃みたいに、エンテ・イスラの資産を持ち込むとかいうずるはダメなんだろうかw

シリーズ感想

東京皇帝☆北条恋歌 12 3   

東京皇帝☆北条恋歌12 (角川スニーカー文庫)

【東京皇帝☆北条恋歌 12】 竹井10日/高階聖人  角川スニーカー文庫

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「ようこそ、進化の塔の最深部へ」莫大な犠牲を払い辿り着いた先にいたのは、「東の門番」を名乗る東雲十狼佐だった。彼女に導かれ帝国暦1年の京都へ向かった一斗と恋歌は、世界を取り戻すための試練に挑む。しかし最後の門で2人を待ち構えていたのは、一斗を名乗る人物で!?本編はシリアスモードだけど、短編は今回もゆるゆる!雑誌「ザ・スニーカー」掲載時に話題沸騰となった、東雲のあの短編がついに文庫版に収録。
この人の作品は「シリアスってどういう意味だったっけ」と深刻に首をひねってしまうこと度々なのだけれど、今回に至っては本当に概ねシリアスだったんじゃないだろうか、概ね、ね。
いやしかし……今回ってば怒涛の伏線回収だったですよ、でしたよ。これまで謎だったり意味不明だったりした事柄が、あらかた明示され解体され解明されあからさまにぶちまけられて説明されてしまったんじゃないだろうか。時系列と世界線が入り組みすぎてわけがわからなくなっていた人物相関についても、かなりスッキリと分かりやすく提示された気がする……気がするだけで気のせいかもしれないけれど、実は分かった気になっただけで本当はそんなにわかってなかったんだぜ、という可能性もあるんだが、そんな気分になれたんだから良かったじゃないか、良かった良かっためでたしめでたし。
で、終わってしまったらいけないんだけれど。なにしろ、本編終わってないし。終わってないよね? そもそも、これって何を最終目標にしていた話だったのかをついつい忘れがちの忘却の彼方にうっちゃってしまってるんだが、なんだったっけ?
一応あれですか? みんな死なずに世界も滅びずにハッピーエンドを迎えればいい、ということなんですよね? 言葉にしてみると平易な最終目標だけれど、何しろ登場人物が片っ端からあさっての方向を向きながら明々後日の方向に突っ走って本道を逸れっぱなしなものだから、ついついどんな話だったのか意識の上から飛ばしてしまうのである。そもそも主人公の一斗少年からして、精神的に枯死していてまともに動きも思考を働かせもしない人物だったからなあ。最近になってようやく自発的行動を開始してようやく主人公らしくなってきたけれど、最初の頃は精神的に死んでいるのが売りみたいな主人公でしたから……って、どんな主人公だよ。

ともあれ、平行世界が軒並みアウトを喰らい、どの世界の一斗も数百、数千歴史を繰り返しても失敗し続けた中で、ようやく今回最終局面に辿りつけた、その要因こそが東京皇帝北条恋歌の存在であった……恋歌さま、マジヒロイン! というには、いささかこの娘だけシリアス成分が圧倒的に足りないどころか必然的にマイナスを保っているのだけれど、このマイナスこそがクリア要因だった、ということなんだろうなあ。こればっかりは、他の娘さんでは無理だったのか。そりゃ、ここまでアーパーすぎるアーパーは、いくらアーパー揃いのヒロインの中でもいなかったし、恋歌さま図抜けてたし。
ヒロイン度としては、雪絵がある意味圧倒的だし、十郎佐さんなんか短編含めてクリティカル決めてたし、ユカリ子さんは常に侮れない位置を不動で占めてましたし、恋歌さんマジコメディ枠。
……あれ? 婚約者の来珠さんは? ご不在ですか? ……不憫!!

ともあれ、怒涛の勢いで広げまくっていた大風呂敷を畳みに掛かったクライマックス12巻。え? 次で完結なの?? なるほど、その御蔭でそのせいか。ぶっちゃけ、風呂敷広げすぎててたたむつもりなんかさらさら無いとすら思っていたので、ここまであれこれ事細かに謎だった部分を明らかにしてくるとは思わなかっただけに、次々と明らかになっていく真相はなかなかに痛快でありました。面白さに勢いはつきものだよね♪ 
というわけで、このままの勢いで最終回だ!!

シリーズ感想

放課後四重奏 34   

放課後四重奏 3 (GA文庫)

【放課後四重奏 3】 高木幸一/ぜろきち GA文庫

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……恋って、いいね……。

「だけど必ず、いつか、誰かだけが特別になる。……その人しか、見えなくなる……」

草ヶ部の告白から数週間後、SL会と峰は西京路に旅行に来ていた。
にぎやかに西京路観光を楽しむ灰堂、菜花、草ヶ部、空上、峰だったが、
時折、灰堂をめぐり、火花を散らす状況が増えていく。
そんな中、うつむいている、ひとりの少女のことが、灰堂は気にかかっていた……。

そして、灰堂は忘れていた過去の記憶をも思い出す。
「……俺の昔のあだ名が、あーくんなんだよ」

人間嫌いだった灰堂は、SL会による出会いで、何を学び、何を選ぶのか!?
青春ラブコメ四重奏第3弾!
恋って、いいもんだなあ。
ライトノベルにも名作・傑作と呼んで過言ではない青春ラブストーリーは幾作も生まれていますが、この【放課後四重奏】もそんな青春恋愛小説の傑作に見事に名を連ねた、と言ってもいいんじゃないでしょうか。素晴らしかった。恋、という事象がどれほど素敵なものなのか。この五人の男女の一生懸命精一杯の恋模様を見ていると、思わず読んでいるこっちまで胸がいっぱいになってしまうほどでした。なんて、瑞々しい恋なんだろう。
ラブストーリー、恋物語というと良く炎や熱に例えられますけれど、本作はそうした熱量よりもむしろ水を連想させる恋模様でした。弾けそうな気持ちの瑞々しさ、心の器を越えて溢れ出しそうな決壊寸前の想い、止めどもなく踊り続け抑えられない好きという気持ち。これらは炎に例えるよりも、常に形を変え動き続ける流体のようで、手で救い上げても指の隙間からこぼれ落ちていってしまうような儘ならなさ、泥々と停滞しない胸の透くような清涼さは、読んでいてピチピチと弾けそうな瑞々しさを強く感じさせるものでした。
内に想いを溜め込んで燻らせてしまうのではなく、素直に思いの丈をぶつけることを恐れない少女たちの勇気、それを真正面から受け止めて誠実に向き合う灰堂の愚直さがひたすら爽やかであったのも、大きな要因だったのでしょう。好き、という気持ちに突き動かされ、精一杯目一杯にぶつかっていく彼女たちの姿は、恋という感情の勢いの凄さを、キラキラと煌く眩しさをこれでもかというくらいに突きつけてきます。好き、という気持ちに身も心も埋め尽くされることがどれだけ幸せなことなのか、その恋が叶うか否かを抜きにして、ただ恋をしているという今こそが、幸せの極地だったのでしょう。もちろん、恋が叶う事こそ最高だったのでしょうけれど、そうでなくても恋をしていられる、という事こそが幸せそのものなのだと、彼女たちを見ていると思うことが出来ました。
良く、好きな人と一緒に居られるわけで幸せ、なんて文句を聞きますけれど、その本当の実感をこれを読んで分かった気がします。建前じゃないんですよね、一緒に居られるだけで幸せって。何もしてない無くても、何も喋っていなくても、黙ったまま何もしなくて同じ場所にいるだけでも、幸せでいられる気持ちこそ、恋。いや、究極的には一緒にすら居られなくても。ただ、想えて居られればそれだけでも……。そんな風に思えるくらい、彼女たちの恋は、瑞々しく弾けて輝いていました。
灰堂が誰を好きになったか、誰を好きだったかは、彼の言動を見ていると自ずと理解できてしまって、薄々この旅先で他の三人も気づいていたんでしょう。だけれど、彼女たちは全力でした。諦めずなりふり構わず、全力でぶつかっていきました。カッコ良かったなあ、惚れ惚れしたなあ。あれだけ、全力で気持ちをぶつけられる機会が、果たして人生にどれだけあるでしょう。草ヶ部も空上も峰も、とても素晴らしくて良い恋をしていました。そして、その恋は敗れてもいささかもくすまず曇らず乾くこと無く、瑞々しいまま彼女たちの中でなおも育まれています。頑張れ、頑張れ女の子たち。いつまでもその恋を胸に踊らせ、全力で幸せに在れ。
最高で最幸の、青春恋愛ストーリーでした。ビバビバ♪

1巻 2巻感想

クロックワーク・プラネット 2 4   

クロックワーク・プラネット2 (講談社ラノベ文庫)

【クロックワーク・プラネット 2】 榎宮祐・暇奈椿/茨乃 講談社ラノベ文庫

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死んだ地球のすべてが、時計仕掛けで再現・再構築された世界――“時計仕掛けの惑星”。京都パージ未遂事件から三週間後、マリーのもとに謎の通信が入る。ナオトたちは発信源である区画・三重に向かうが、そこは全てが停止したゴーストタウンと化していた! 都市最深部に潜入した彼らが見たのは、条約違反の“巨大兵器”と幼い少女の自動人形――『永遠』を体現する最強のInitial-Y――。
「おねえちゃん――わたしを、壊して――」
……世界は修正を許さない。破綻した歯車は軋みを上げて螺子狂い、少女の悲嘆をすり潰してなお加速する――――!!
榎宮祐×暇奈椿×茨乃が紡ぐオーバーホール・ファンタジー第二弾!
ああ、あの老軍人の憤りはちょっと理解できるかもしれない。理不尽な怒りかもしれないけれど、どれだけ手を尽くしながらも何も変えられず何も守れず、それでも耐えながら抗ってきた生涯を送ってきた人にとっては、ナオトの在り方の方が理不尽だと思ってしまうものなんじゃなかろうか。何も考えず好き勝手しながら、何も堪えず我慢せず目の前の興味のある事だけに傾倒しながら、その正しさを疑いもしない。
もちろん、ナオトの立場からすると、彼にとって儘ならないものは沢山あったわけで、最近になってようやく自分の好きなものにかまけるようになれたばかり、なんだろうけれど……。
ずっと堪え続けてきた人にとって、世界に絶望していた人にとって、周りも世界も、世界を覆い尽くす絶望すら一顧だにせずにいる存在は、かつて抱いた希望も今抱いている絶望も、自分を取り巻く世界すべてを全否定、全無視されているような、許せなさを抱いたのか。
ナオトやマリーといった天才だけの視点だけではなく、彼らについていくハルダーの視点だけで、常人の観点は補填していると思っていたのだけれど、まさかこういう限界を迎えた俗人の立場から天才の立つ境地に牙を剥いていくアプローチを仕掛けてくるとは思わなかった。
うん、実際マリーのような天才には共感を抱けても、ナオトってどうしても見ている世界が極々小さく狭くって、果たしてマリーやハルダーたちについてすらどれだけ視界に入れているか怪しく思える時すらあるのに、その彼が揺るがぬ中核となって壊れかけた世界の深淵にガリガリと食い込んで行くというのは、1巻の時にはあまり感じなかった事だけれど、理不尽な不快感が痛快さの中に微細に混じり込んで来てたんですよね。
あの老人の憤怒は、そうしたナオトへの理不尽な違和感への払拭に繋がる展開になってくれるのでは、とちと期待してしまう。
何にせよ、ナオトの精神構造が微妙なところで得体が知れなく不気味なお陰で、同じ天才でも、同じ無軌道暴走娘であっても大義と正義感を持ち、涙を流し、艱難辛苦汝を玉にすを地で行っているマリーの方がやっぱり一端の主人公をやってるんですよね。今回だって、七転八倒しながら、自分の行った行為を顧みて、後悔し苦しんでのたうち回った末に、涙を拭って歯を食いしばって立ち上がり、ボロボロになっても不屈の闘志で前に進み続けようという姿は、心が揺さぶられるほど気高く眩しく格好の良い在り方でしたし、惚れ惚れとするほどヒーローしていましたから。やっぱり、共感を得るという意味では圧倒的にマリーなんですよね。
個人的には、彼女にはヒーローであると同時にもう少しヒロインでもあって欲しいのですけれど、ナオトのそっけなさというか道のハズレっぷりがそれを許してくれないのがもどかしいやら、果たして仲間として心通じあえているのかすら不安になる次第。マリーの片思い、ではないのでしょうけれど、一緒に行動しながらもどこかズレている感覚がつきまとってるんですよね。果たして、ナオトはマリーに対して「価値」を感じているのか。彼女がやろうとしていることに「意味」を感じているのか。これだと、むしろリューズやアンクルの方がわかりやすいくらい、とすら思えてくる。さて、彼に付き従うリューズにはコチラには見えないナオトの進む道が見えているのか。
いずれにしても、次回にはその答えを、不安を払拭して欲しいものであります。

1巻感想

魔法少女地獄外道祭文4   

魔法少女地獄外道祭文 (講談社ラノベ文庫)

【魔法少女地獄外道祭文】 安藤白悧/kyo 講談社ラノベ文庫

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魔女・長南雨衣佳と僕・三田村黒犬によって作られた魔女と魔法少女の混成秘密結社『永遠の満月団』。それまで個別に行動していた魔法少女たちが、一つの旗印のもと結束を強めていた。ただ、結びつきが強まったことで逆に反目する部分もまた発生するもの。具体的には、武器組―ヒミコを中心とした武器で戦う魔法少女たちと素手組―マミを中心とした素手で戦う魔法少女たちが、互いのよって立つ信念の違いから反目しているらしい。しかしそれぞれの中心であるヒミコとマミは“戦友”として認め合っている。困った二人が先輩に相談しにきた結果、「武道大会大会」を開催することに。って、いったい何するの!?血みどろアクションファンタジー!
あかん、アホや、これこそ頭のおかしい真骨頂!!(爆笑
作中やあとがきでも書かれているように、盛大に山田風太郎大先生リスペクト、というのはわかっているのですけれど、それを魔法少女でやってしまう、というのを抜きにしても、もう内容がはっちゃけすぎていて無茶苦茶楽しかったです。無茶苦茶すぎて楽しかったですw
格闘系魔法少女に武器系魔法少女って、もはや魔法少女の原型ないやん! というのは、昨今の魔法少女の多様性を前にしては古臭い文言になってしまうのでしょうし、本作はそうした魔法少女が奇形というほど多様性を持つようになったこの時代を踏まえて、或いは則ってお馬鹿をやる目的で創りだされた物語である以上、もはや根幹に「あれもこれもなんでもかんでも魔法少女」というのが刻み込まれているだけに、いまさら格闘系魔法少女とか武器系魔法少女の武闘大会が行われたからといって、なんじゃこりゃ、なんて感想も生まれないはずなんですけれど、それでも敢えて言おう。
なんじゃこりゃ!!

『第一回魔法少女武道大会大会 魔法少女地獄外道祭!!』

こういうイベントを行う際、もっとも必要にして重要な役どころは、いわゆる司会解説役なんだけれど、これに関してはシリーズ一作目から、魔法少女研究家である黒犬くんが際立った才覚を煌めかせているので全く問題なし。というか、解説をするために生まれたような主人公なので、その解説の腕は瞠目スべき的確さと切り口に満ちあふれていて、今大会でもその才を遺憾なく発揮してくれます。もはや、彼のために用意されたイベントなんじゃないか、というくらいに。
表紙絵だって、彼の一人舞台だもんな! 最初、新たな忍者系魔法少女かと思ってたら、まさかの司会主人公だったよ!! この忍者風デザインは、やっぱり山田風太郎を意識した結果なんだろうか。どう見ても仮面ライダーとかあっちじゃなくて、ちょっとアレなニンジャ風だもんなあ。

さて、肝心の武道大会の試合内容というと……繰り返しになりますが山田風太郎リスペクトでありますけれど、それを踏まえても……頭がおかしい!! 発想がおかしい!! 常識を盛大に蹴り飛ばした自由っぷりにひっくり返れ。
クソ面白かった!!
まず、ルールからして、シンプルに「相手を殺した方が勝ち」というところからいい具合に狂ってる。死んでも生き返る儀式魔法が敷かれているとはいえ、全力全開で魔法少女が肉弾戦で殺し合い、血肉に臓物が飛び散り、骨が粉微塵になり、グロくてエグくて筆舌しがたい死に様をさらしながら、試合が終われば爽やかにいやあいい試合だった、と健闘を讃え合う清々しい光景の狂いぷりに、思わずケタケタと笑ってしまう。おかしい、何かがおかしい。でもそれが素敵に可笑しい、面白い。
個人的に一番爆笑させられたのが、スターゲイザー・ヒミコVSジャクリーン・ハンマーの試合。ジャクリーンのある意味アラレちゃんの地球割に匹敵する無茶苦茶さに、さらにそれを上回るヒミコの突き抜けきった対応にもう笑った笑った。凄い、凄いよヒミコさんw

あまりにも面白かったので、二回戦、決勝戦がページの都合上か単に飽きたかで大胆に省略されてしまったのがもったいないやら口惜しいやら。完全版は出さないんですか?

そして、こんな狂った大会にもかかわらず、終わってみると元から厚かった友情がさらに厚くなり、魔法少女全体の結束も高まる、というまるで王道のような終わり方。結果に辿り着くまでの過程の暴走っぷりが凄すぎる。それを演出してしまう魔女先輩のはっちゃけっぷりを、それを受け入れてしまう魔法少女たちの素敵っぷりを讃えるべきか。
シリーズもこれで幕引き、みたいな話も聞くけれど、このいい具合に煮立った魔法少女ワールド、もっと堪能したいですわぁ。

シリーズ感想

アリストクライシ 2.Dear Queen3   

アリストクライシII Dear Queen (ファミ通文庫)

【アリストクライシ 2.Dear Queen】 綾里けいし/るろお ファミ通文庫

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滅んだ村の終わらない戦争は続く――

「黒森に近づく人間は姿を消す」その噂に『穴蔵の悪魔』の気配を感じたエリーゼとグランは、
黒森の中にあるという廃村を目指していた。
そこで出会ったのは明るく居丈高な少女・アリシア。
エリーゼの忠告で逃げだそうとした彼女を、突如として現れた巨大な鎧が連れ去った。
鎧を追い『領地』へ侵入した2人が見たのは、
傷は治され死も終りも訪れない、永遠に続く『戦争』を行う人間達だった――。
儚く哀しい化け物たちのダーク・ファンタジー第2幕!
第一巻がどうしようもなく「人間」である化物たちの話であったとしたなら、この2巻は人間はどこまで「人間」で在れるかが試されている、人の業に纏わる話でした。
永遠に戦い続けることを強要される、というとヴァルハラなんかを思い起こさせてちょっとカッコいいと思ってしまうかもしれませんが、ここで行われている戦争と、人間たちが置かれた環境は栄光も勇気も存在しない、ただ怠惰に傷つけあうだけの腐臭のする腐れ果てた地獄でした。そんな中で人間たちは自ら考えることをやめ、獣のように落ちぶれて、醜いエゴを剥き出しにして暗い眼差して他者を踏みにじっていくのです。彼らを、この退廃に溺れた家畜たちを果たして人間と呼んでいいものか。彼らを人間として認めてよいものか。
自らを化け物と認めながら、それでも人の心を他持ち続けようとしているエリーゼとグランの前にぶちまけられた、あまりにも浅ましい人の業。まったく、悪趣味な話じゃないですか。
彼ら自身の力ではどうにもならない環境に置かれ、腐ることを強いられたのですから、同情の余地はあるのでしょうけれど、それでも彼らの澱みきった言動は見るに耐えれるものではなく、そもそもこの「領地」が誕生した原因を知ってしまうと、その同情の余地すら果たして保ち続けられるか……。
しかし、こんな澱み腐りきった環境の中でも、心を喪い飼われた人畜と化す人々の中でも、人としての尊厳を保ち続けよう。戦って、この世界を抜けだそうとしている人がいることに、自分でも思っていた以上に救いを感じ……それがより大きな理不尽に踏みにじられていく様に、さらなる絶望を味わわされるのです。

こんな、救いのない話があるものか……そう思っていたはずなのに。

とある男性の、最後の想いを目の当たりにした時に、「ああ、この人は報われたんだ」、そう感じてしまった事が、我に返ってひたすらに悲しかった。こんな結末を迎えてしまった人が、こんなに報われ救われたんだ、と安堵してしまった、それがただただ悲しい。
もっと、もっと報われてよかったのに。もっと救われてよかったのに。もっと良い世界を、素晴らしい時間を、人らしい幸せを、心を、愛情を、手に入れる事だって出来ただろうに。この人にとっては、これで本当に満足だった、という事実が「良かった」と思うと同時に、痛切なまでに哀れだったのだ。
こんなにも相反する感情で胸が一杯になってしまったことは、あまり記憶に無い経験だ。グルグルと渦巻いて溢れそうになる言葉にならない複雑な想いに、ため息が漏れる。
辛く苦しく、重たい世界だ。そう思うよりほかない。
そんな残酷で無慈悲な世界で、必死にあがいているエリーゼとグランの前に現れたのは、純粋無垢な悪意。邪気のない邪悪。
愛を知らない、天使のような悪魔だ。
よりにもよってこんなものを寄越すだなんて、あの存在のおぞましいまでの粘性の悪意の凄まじさを、狂気然とした好意の異様さを思い知らされる。
エリーゼもグランも、お互いを離さないで欲しい。こんな悪意にさらされて、とても一人じゃ耐えられそうにないだけに、余計にそう思う。二人のお互いをおもう強さだけが拠り所だと、改めて思い縋る顛末でした。
願わくば、グランに似た彼のあまりにも哀しい救いは、グランとエリーゼには与えられないように。二人には本当の報いと幸せを、手に入れて欲しい。

1巻感想

魔法少女育成計画 limited (後) 4   

魔法少女育成計画 limited (後) (このライトノベルがすごい! 文庫)

【魔法少女育成計画 limited (後)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫

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追う者と追われる者。狩る者と狩られる者。結界で限定された空間を舞台に、魔法少女達の命を賭けた“追いかけっこ”が繰り広げられる。次々と倒れていく魔法少女達。刻々と近づくタイムリミット。状況は常に変化し続け、三つの陣営の思惑は入り乱れる。敵味方の立場さえも激しく入れ替わる血みどろの戦いの果てに、最後まで生き残るのは、そして目的を遂げるのは誰なのか?話題のマジカルサスペンスバトル、第三幕の完結編!
やっぱり、前半は嵐の前の静けさでした。
考えてみると、前2幕と比べて今回は「ゲーム」ではない分、「死」が前提として準備されている環境ではありません。最初のバトルロワイヤルにしても、二回目のデスゲームにしても、ゲームマスターが居てそのGMが用意し強要してくる「死」という脱落をどうやって回避するか、という状況でした。ところが、今回はゲームではないのでGMが(一応)居らず、参加者全員が状況をコントロール出来ないまま渦中にあり、さらに「死」が目標ではなくあくまで結果に過ぎない以上、生存したままこの状況をくぐり抜ける手段や可能性は幾らでもあったわけです。
つまり、どれだけ陰惨で血生臭く悪意に塗れていても、今回の状況は限りなく普通のバトルものに近しい設定でした。前半の死者ゼロという展開は、第三勢力の乱入という要素がまだなく、状況が定まっていなかったとはいえ、死んでいくことが前提の状況ではなかった、というのが大きいと思われます。
だからこそ、ちょっと迂闊にも心に油断を持ってしまっていたんですね。普通のバトルものだと、どれだけバタバタと死人が出たとしても、大切な人を喪ってその遺志を継いだり、辛酸を嘗め外道を目の当たりにしたことで心を改め強い決意を秘めるようになった、などといった生存フラグを立てたキャラは最後まで生き残るものなのだと、思い込んでいたのでした。この作品が、悪名高い【魔法少女育成計画】であることをつい忘れてしまって……。
この三幕、通常のバトルものの枠組みに則って話を進めておきながら、最後にまとめて生存フラグなぎ払いやがった!!
お陰で、魔法少女の死に対するショックは、先の2幕よりもかなりグサリ、と深く突き刺さった気がする。第一幕の、まだ魔法少女の死に様に慣れていなかった頃のショックにかなり近いものを喰らってしまった。もう生き残るだろう、と安心していた所に死角からクラッシュ、だったからなあ。
しかも、今回の一件、ゲームマスターは存在しないものだと思い込んでたら……居たよ、居やがったよ。ある意味、これまでで最も練達の指し手だったかもしれない。彼女、これをゲームにせずにあくまで目的を達するための作業に徹していたからなあ。ちょっと前二幕までのGMとは役者が違ったんじゃなかろうか。立ち位置からして全然違うのだけれど。彼女にあるのは、悪意でも享楽でもなく、善意ですら無く、純然たる理性と秩序と公正さ、なんですよね。ライトスタッフ、とすら言っていいかもしれない。恐るべきは、自身駒としてゲームに放り込まれた経験がありながら、他者を駒として消費し、必要に応じて抹消することを厭わない冷徹さか。
これで、ちゃんと情のある人でもあるので、ちゃんと「身内」の保護については注意していた、と思いたいけれど、さてどこまで手が届いていたものか。実際、ちゃんと生き残っているのを見る限りは……どうなんだろう。
そして、あの人物の生存は彼女の唯一の瑕疵であり、あとあと致命的な事になりかねない最悪の見逃しであったんじゃないかと危惧せざるを得ない。

そして、ラストの展開は喜ぶべきなのか、戦慄するべきなのか。かなり複雑な心境になってしまった。まだ、道が途切れず続いている、というのはきっと喜ぶべきで、実際道が途切れたと思った時にはかなり凹んでいたので、良かったと言えばよかったんだけれど、思いっきりルート変更しちゃったからなあ。
それでも、まだ可能性が続いていると思えば。助けて、スノーホワイト!!

シリーズ感想

この素晴らしい世界に祝福を! 2.中二病でも魔女がしたい!4   

この素晴らしい世界に祝福を!  2    中二病でも魔女がしたい!  (角川スニーカー文庫)

【この素晴らしい世界に祝福を! 2.中二病でも魔女がしたい!】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫

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「…金が欲しいっ!」
カズマは異世界で初めての冬を迎えようとしていた。本格的な冬に馬小屋暮らしは辛すぎる。生活拠点の確保が急務だ。そんなカズマに「屋敷に住み込みで悪霊退治をして欲しい」と願ってもないチャンスが訪れる。普段はポンコツ駄女神でも、こと除霊に関してはエキスパートのアクアがいるので、二つ返事で依頼を引き受けたカズマだったが…!?「小説家になろう」で人気を博す異世界コメディ第2巻が登場!
おおっ、ダストくん、ちゃんと出番あったんだ。よかったな〜。てっきり、存在自体抹消されてしまったかと危惧していただけに、彼とそのパーティーの登場には安心しました。でも、此処で出すならベルティア戦後回しにしてちゃんと出してあげたら良かったのに、と思わないでもない。
とはいえ、第一巻で異様に多かった構成などの違和感やチグハグは大幅に解消され、妙にキャラの薄かった主人公のカズマも、さすがはカズマさん!と思わず勘違いで尊敬してしまいそうな「アレ」な感じになってきて、さあさあ面白くなってきた。

さて、今回の2巻はサブタイトルからしてめぐみんがメインみたいに見えるけれど、そんなことは全然なかったぜ! というか、むしろダメっ子三人娘の中では一番見せ場少なかったんじゃないだろうか。今回は恐らく次巻のダクネスメイン回の前振りもあってか、ダクネスにネタがふられるケースも多かったですし。いやあ、彼女も段々本番入ってきましたね。積極的ドM娘に見せかけて……いや、見せかけじゃなくて本気でドMなんですが、そういう本性とはまた別に、一番恥じらいが強くてメンタル防御力が紙装甲なのがダクネスなのです。押せば押すほど受け入れちゃうところは、今回の恐らく書き下ろしかと思うサキュバス編での一幕からも明らかではないかと。ってか、いくらなんでもそのシチュエーションで逆らえずに背中流しちゃうダクネスが押しに弱すぎる!!(爆笑
ダクネス姉さんは、これからもエロス担当で頑張ってくれるはずなので、そのまま性的に突き抜けてくださいw

今回から、リッチーのウィズやアクアの女神の後輩にあたるエリス様が本格参戦。この二人の安心感は、ついついめぐみんやアクアとくらべてしまうためにか、もうこの人らとパーティー組んじゃえ、と思わないでもないのだけれど、ウィズも貧乏属性がかなり酷いのでパーティーを組めば組んだでろくでもないことになるか。先々、仮面さんとか苦労してるしなあ。一方で、エリス様はどう考えても優良株。優しくて茶目っ気があって優秀で気がきいて性格も良い、と某ポンコツ女神とは比べるべくもなし。もしこの作品の真ヒロインが誰かと問うならば、圧倒的にこのエリス様に票が集まると思われるんだが、何しろカズマの野郎、しょっぱなに彼女にやらかしてるからなあ(苦笑
あれで嫌われてないあたり、本当にエリス様は女神さまやでぇ。

逆に、アクア様の方は逆さまの意味で安定まっさかり。どのパートでも揺るがぬ駄女神ぷりを遺憾なく発揮中。トイレの女神様、宴会芸の神様呼ばわりはまだイイほうで、ウィズ相手には露骨にチンピラ属性を発揮していますし、わりと深刻にアブない宗教の元締め、という事も発覚し、マッチポンプはやらかすわ、勤労意欲に欠けることニートなカズマに勝るとも劣らなずで、わりと浪費家で金銭に関して計画性が欠如していたり、トドメに知力はこれ以上あがりませんw
うん、安定してる安定してる。
ここまで酷い面白ヒロインはなかなか貴重ですよ? 天然記念物ですよ? 君子危うきに近寄らずですよ?

脇を固める人材も充実してきて、ようやく足場周りが固まってきた感じ。次回におもいっきり引っ張るラストの展開からして、三巻は本格的にダクネスがメインになる話と思われます。こっからカズマさんの偉い人が泣いて帰ってくださいと懇願するほどの、何をしでかすかわからない恐怖の冒険者伝説のはじまりを期待したいところ。ウェブ版とは違う書き下ろし展開も待っているようですしね。楽しみ楽しみ。

1巻感想

瑠璃色にボケた日常 44   

瑠璃色にボケた日常4 (MF文庫J)

【瑠璃色にボケた日常 4】 伊達康/えれっと MF文庫J

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瑠璃がボケなくなった!?
突然の事態に衝撃を受ける孝巳。だが、翠や柘榴に聞けば、これは霊能者特有の病気、霊虐と言うらしい。しばらくすれば治るというが、霊力が低下しまるで普通の女子高生のような言動をする瑠璃に、孝巳はどうも調子が出ない。
翠「まさか高校生にもなって霊瘧になるなんて…そういえばこの子、まだ下の毛も生えてないし…」
瑠璃「翠ちゃん!それ内緒だって言ったのに!」
孝巳「…」
そんなとき、孝巳の前に、怨霊を人につける“与霊師”、美濃部春喜が現れる。瑠璃を探しているという美濃部に危険を感じた孝巳は、彼女を守るべく動き出すが―。瑠璃色にボケた日常は戻ってくるのか!?美少女ツッコミ系バトコメ、第4弾!
なんか、翠まで普通にしもネタ使うようになっちゃってるんですけどっ。あかん、柘榴の影響、地味に受けてる!? だけれどこの作品、実はしもネタ絡みが一番漫才、掛け合いネタとして面白かったりするので洒落にならない。孝巳のツッコミが必死系になってしまうから、という理由もあるのかもしれないけれど、甚振り系の柘榴のしもネタに、翠のテンパリ系しもネタが相乗的に掛け合わされることで、笑いの効果を増しましていたのは間違いない。
それ以前に、普通の漫才ネタからして、柘榴と翠が加わったことで面白くなってるんですよね。最初の頃はネタとしてみると巧いけれど、巧いだけで別に笑いどころは何処にもない、という代物だったんだけれど、今回なんか冒頭の漫才の練習風景見てると、普通に面白かったもんなあ。ちゃんと上達の様子が伺えるのが、なんともかんとも。これは瑠璃たちの漫才レベルがあがったというよりも、単純に作者が熟れてきただけなのでしょうが。
その証拠、というわけでもないんですけれど、四巻にまで至ったこのシリーズ、本当に面白くなりました。この手のご町内限定の地元の街を舞台にした異能モノという類の中では、MF文庫Jの中でも一番好きだったかも。うん、話の見せ方、キャラの立たせ方の上手さと同時に、ホントに登場人物や作品の雰囲気が大好きな作品でした。それだけに、4巻で終わってしまったのが惜しくて惜しくて。いや、すでに2巻あたりからシリーズ継続については綱渡りな感じがしてましたし、正直三巻で締められるんじゃないかと覚悟はしていたので、四巻まで出たのは御の字だったのかもしれませんけれど、それでもやっぱり自分、この作品好きだったんだなあと終わる段になって改めて実感した次第。
笑い、というポイントに根ざしたコミカルさと、それに相反するような霊を相手にする世界のおどろおどろしさと重さが見事に掛け合わさった、特筆すべき作品でした。少女たちが背負った重責や業、彼女たちと関わる孝巳の覚悟が逆に「笑い」という要素を引き立たせ、「笑い」という要素が物語の闇や登場人物の必死さをより際立たせる、そんな相反するはずの双方の要素がうまく絡み合って作品そのものに味わい深さをもたらしていた気がします。
三人娘の仲の良さも、素敵でしたね。ベタベタした友情ではなく、そっけないけど実は、というものでもなく、一人ひとりが立派に自立していながら、苦境に陥れば躊躇いなく全霊を掛けて支えあう。尊重しあっている友情が、見ていても眩しかったです。孝巳も、眩しかったんじゃないかな、これ。三人共、この業界では禍々しいくらいの二つ名を負わされ、一廉の霊能者として扱われている身であり、三人共それに相応しい立派な振る舞い、或いは凄味や強かさを備え持つ大した少女たちなのですけれど、三人寄ると何だかんだと普通に仲良いのも見ていてニマニマしてしまう要素でした。特に翠と瑠璃は幼馴染というのもあるのでしょうけれど、自然な距離感が凄く好きでしたね。
でも、そんな関係も一度は破綻していて、孝巳が介在することで再び繋がることが出来たというのですから、感慨深い。柘榴がここに加わることが出来たのも、孝巳が頑張った結果ですしね。彼は、もともと単なる一般人であり、三巻までもちょっとずつ霊術は覚えていたものの、素人に近くて単純な戦闘能力という意味では三人娘に遥かに及ばず、殆ど役立たずに近い立場だったはずなのですけれど……なんちゅうか、此処ぞという時の抑えるポイントの見極め方といい、男前な心意気といい、無力なはずなのに頼りがいのある主人公でした。力の強弱を抜きにして、肝心なときに心や魂を預けられるような気合の入った男の子だったんですよね。だからこそ、誰に頼ることもせずに一人で立てる三人娘があれだけ慕い、見る目厳しそうな翠の家人がぞっこん見込んでしまったのでしょう。
特に秀でた力を持たない段階でこれだけ頼もしかった主人公です、これが覚醒した日にはどれほどのものになるか。その可能性を垣間見ることになったのが、今回の孝巳の目覚めっぷりでした。覚醒と言っても、これまでコツコツと修練を重ね構築してきたものが、ちょっとしたコツを掴んだことで使い方をモノにした、という感じのものだったのですけれど、柘榴や翠が瞠目するほどの可能性で、思わずこっちまでワクワクしてしまうほど。いやあ、こいつホントにコチラの業界でも大人物になれるんじゃないだろうか。
翠がテンパリながら、婿に婿に、と口走ってしまうのもわかるわかる(笑

今回はあの傍若な瑠璃が、霊能者特有の疾病でメンタル普通の可愛い女の子になってしまう、というアクシデントが中心に展開するのですけれど、瑠璃はやっぱりあの自由にマイペースの方が好きだなあ。ああいうキャラだからこそ、孝巳や翠にデレるのが強力なインパクトになるわけで。孝巳たちが、迷惑極まるけれど普段の瑠璃の方がいい、と言うのに何度もウンウンと頷きながら読んでいました。三人娘のトリオで居る時も、ルリがいつもの彼女でないとなんか調子でないですもんね。

やっぱり、この四人のボケツッコミとしもネタ三昧と微笑ましいラブコメはいつまでも見ていたかったなあ、とエンドロールに寂しい気持ちになってしまいました。凄く好きなシリーズでしたけれど、これはもう気持ちを切り替え、作者さんの新作に期待したいです。次はもっと大長編で、おねがいしますよ。

シリーズ感想

ストライプ・ザ・パンツァー 3   

ストライプ・ザ・パンツァー (MF文庫J)

【ストライプ・ザ・パンツァー】 為三/キムラダイスケ MF文庫J

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姫川響子は交通事故で瀕死の状態になったところを、心優しい宇宙生命体のストライプに寄生されることで助けられる。心に直接話しかけてくるストライプに、響子は二週間前に家出した兄の礼二を探していたことを明かす。実は記憶喪失だというストライプと共に、響子は二人で互いの“探しもの"を見つけることを約束するのだった。そんなとき、響子の学校で大量のパンツ消失事件が起こった! 響子はストライプと協力し、パンツ泥棒の宇宙人を追うことになるのだが――!?
審査会騒然のハートフル・ピュアコメディ、堂々優秀賞を受賞して登場!
なるほど。
よくネタを練り上げられたコントか漫才を観覧したような印象でした。人格を持つパンツ型宇宙人が主人公、という馬鹿げたシチュエーションを、ふざけずひたすら真面目に描くことで、明らかに変な状況を当人たちはシリアスな顔をして受け入れている、という所謂シリアスな笑いを導くように、丹念にネタを織り上げているんですね。お陰で、まともな子の方が、「あれ?これって私のほうがオカシイの?」と良識を揺るがされ、いい具合に狂った状況に鳴らされいつの間にか疑問を感じなくなっていく。
いや、明らかに頭がおかしい状況だから。意志を持つ男性人格のパンツを履いてるのが平気になっていく時点で、響子も相当おかしくなっているのがよく分かる。

うん、でも巧いよ、これは。パンツが主人公だったら、というアホな状況をこれだけ妥協せず真剣にシミュレートして、茶化さずに真面目に巫山戯倒すのはなかなか根性と技巧がい名言の数々は、思いついても物語上に俎上出来るものではない。これを、巧いことストーリー進行に合わせて、此処ぞという場面場面で放り込んでくるのだから、お見事という他ない。
ストーリー自体も、おおよそ見当がついていたとはいえ、紆余曲折を経て真相が明らかになっていく謎の隠された、自分の失われた記憶の奥に秘められた真実を追い求めていくお話にもなっていて、結構読むに応がある作品でした。少なくとも、パンツなんかが主人公だから、と適当だったりノリだけで転がしたりするような物語ではなく、本当に真面目にストーリーを構築していたのは、好感が持てました。普通に面白かったです。

ただ……そう、この作品は巧くはあっても、それ以上ではないんですよね。あまりに馬鹿馬鹿しいテーマを用いている事に目を引かれますけれど、その実体は非常に良識に則って、良識を踏まえた上でそれを外す技巧に長けている、という方式に思えるんですよ。あくまで、マトモさの範疇に根ざした作品だと感じました。

つまり、狂気が感じられない。

あ、こいつ本気で頭がおかしい!! という狂人を感じさせるぶっ飛んだ、イカレた、ネジが抜けた、常人が決して触れられない逸脱した危うさ、がまず見受けられなかったのです。いや、それが悪いというわけでは全然ないんですけどね。ネタの練り具合、使い方と言い職人芸に近い技巧を感じさせるほどの秀作だったのですから。
漫才なんかでも、天才の尖ったそれよりも技術の巧みさを好む人も沢山いるでしょうし。まあ、そういう好みのお話。
ちなみに、絵師のキムラさんの方はこれ、尖ってるタイプの方だと思われw

2013年11月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

月末発売のファミ通文庫、スニーカー文庫、コバルト文庫、HJ文庫、ビーンズ文庫などは来月送り。

読んだ本の数:50冊 うち漫画:5冊


【月花の歌姫と魔技の王】と【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>】のヒロイン衆は、年間通しても三指に入る魅力的なヒロインでした。キャラがイキイキしている作品はやはり惹きこまれます。
特に【聖剣使いの禁呪詠唱】の方はこれから益々伸びる予感。
他にも加速状態に入った模様なのが【エスケヱプ・スピヰド】。【百錬の覇王と聖約の戦乙女】、【スクールライブ・オンライン】あたりは、2巻になって殻を破った感があります。これらは注目株。
新人作品としては一迅社文庫初の大賞をとった【引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている】が、なかなか引力ある作品でした。これも、次が要注目ですね。
【ストレンジムーン】は短く纏める、なんて話も聞くのですけれど、これはどう読んでも長編シリーズだよなあ。というか、その方が話しも膨らんで面白そうなんだけれど。短めに片付けてしまうの、勿体無いです。


★★★★★(五ツ星) 2冊

月花の歌姫と魔技の王 4】 翅田大介/大場陽炎 HJ文庫
聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

【月花の歌姫と魔技の王 4】 翅田大介/大場陽炎 HJ文庫


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まったくもって素晴らしく魅力的な女性が躍動するお話であり、濃厚なエンターテイメントであり、若干頭がおかしいくらいに愛を与え合う若者たちのラブストーリーでした。マリーアが好きすぎてどうしようもないw


【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5】
 あわむら赤光/refeia  GA文庫



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アンジェラさん、大好きじゃーーー!! 今現在において、一番痛快かつ爽快なカタルシス大爆発な活劇と言って過言じゃないシリーズになってきました。諸葉という主人公のスケールの大きさには、一目置かざるを得ません。イイなあ、この主人公。

★★★★☆彡(四ツ星Dash) 2冊

エスケヱプ・スピヰド 伍】 九岡望/吟 電撃文庫
ストレンジムーン 2.月夜に踊る獣の夢】 渡瀬草一郎/桑島黎音 電撃文庫


【エスケヱプ・スピヰド 伍】 九岡望/吟 電撃文庫


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ストーリーが動き出してからの加速感が半端無くて夢中になってしまいました。うわっ、トップギア入った!という感触がありありと。


【ストレンジムーン 2.月夜に踊る獣の夢】 渡瀬草一郎/桑島黎音 電撃文庫


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お、幼馴染カップルが目白押しだ。なんという幼馴染パレード。皇帝派とキャラバンの争いは個々の思惑に記憶に引きずられた者たちの迷走も入り混じり、混迷を極めていく。そんな狭間で、玲音とクレアはどう泳ぎ切るのか。面白くなってきた。

★★★★(四ツ星) 10冊

百錬の覇王と聖約の戦乙女(ヴァルキュリア) 2】 鷹山誠一/ゆきさん HJ文庫
問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫
神様のお仕事 3】 幹/蜜桃まむ 講談社ラノベ文庫
魔法少女育成計画 limited(前)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫
スクールライブ・オンライン 2】 木野裕喜/hatsuko このライトノベルがすごい! 文庫
憂鬱なヴィランズ 4】 カミツキレイニー/キムラダイスケ ガガガ文庫
引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている】 棺悠介/のん 一迅社文庫
ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫
剣刻の銀乙女(ユングフラウ)5】 手島史詞/八坂ミナト 一迅社文庫
ノーゲーム・ノーライフ 5.ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです】 榎宮祐/榎宮祐 MF文庫J


【百錬の覇王と聖約の戦乙女(ヴァルキュリア) 2】 鷹山誠一/ゆきさん HJ文庫


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【問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常ですっ!】 竜ノ湖太郎/天之有 角川スニーカー文庫


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【神様のお仕事 3】 幹/蜜桃まむ 講談社ラノベ文庫


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【魔法少女育成計画 limited(前)】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい! 文庫


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【スクールライブ・オンライン 2】 木野裕喜/hatsuko このライトノベルがすごい! 文庫


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【憂鬱なヴィランズ 4】 カミツキレイニー/キムラダイスケ ガガガ文庫


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【引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている】 棺悠介/のん 一迅社文庫


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【ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫


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【剣刻の銀乙女(ユングフラウ)5】 手島史詞/八坂ミナト 一迅社文庫


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【ノーゲーム・ノーライフ 5.ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです】 榎宮祐/榎宮祐 MF文庫J


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今月のピックアップ・キャラクター

護堂臣 (プログレス・イヴ)
ルナーリア・D・ネブラブルート (月花の歌姫と魔技の王)
マリーア・ハイライン (月花の歌姫と魔技の王)
黒須千鳥 (神様のお仕事)
灰村諸葉 (聖剣使いの禁呪詠唱)
アンジェラ・ジョンソン (聖剣使いの禁呪詠唱)
クロトラくん (ストレンジムーン)
羽矢田寿宗 (ストレンジムーン)
文槻クレア (ストレンジムーン)
月代玲音 (ストレンジムーン)
遊形花菱 (召喚学園の魔術史学)
村瀬一郎 (憂鬱なヴィランズ)
瑞鳥紫羽 ( 引きこもりたちに俺の青春が翻弄されている)
白粉花 (ベン・トー)
マナ・ベルグラーノ (剣刻の銀乙女)




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人生 第6章3   

人生 第6章 (ガガガ文庫)

【人生 第6章】 川岸殴魚/ななせめるち ガガガ文庫

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理、文、体、美。相談相手は何系女子?

「勇樹には聞こえないの? クリスマスに対する生徒たちの怒りの声が!」

12月初旬。第二新聞部の部室内で、いつものように赤松勇樹(あかまつ・ゆうき)に演説をぶつ、部長の二階堂彩香(にかいどう・あやか)。どうやら、宿敵の生徒会長・白河香織(しらかわ・かおり)が、今年も開催するリア充クリスマスパーティーが気にくわないらしい……。
お悩み相談コーナー一同もクリスマスパーティーを開き、対抗することに。

しかし、理系代表の遠藤梨乃(えんどう・りの)、文系代表の九条ふみ(くじょう・ふみ)、体育会系代表の鈴木いくみ(すずき・いくみ)、美術系代表の村上絵美(むらかみ・えみ)の四人が考えるクリスマスパーティーは相当にヘンなもので……。うん、餃子は食べないよな……。一同は、キングオブネガティブ・矢野くんの考える、非リアなクリスマスパーティーに乗っかることにしたが……。

社交、格差、赤点、正義、餃子のこと……。クリスマスパーティーは誰のもの? 祈☆祝祭・人生相談6回目!!
彩香と香織がまれに見る低レベルないがみ合いをしている脇で、梨乃と勇樹の甘酸っぱい恋模様が、見ていて微笑ましい限り。良い恋を、していますね。
別に告白なんかしていないのだけれど、お互いに相手への好意が溢れちゃってて、傍目にも好きあってるのが一目瞭然なんですよね。あんまり柄じゃないくせに、勇樹に喜んで欲しくて普段と違う自分を見せようと努力するところなんて、可愛くて仕方ない。サンタコスを誰が着るかについて、果たして梨乃があれだけ頑張って自己主張するなんて誰が想像できただろう。好きな人の視線を気にする女の子が、可愛くないはずなんてないのですよ。もう照れ照れの二人の様子は、素晴らしいです。眼福です。こういう可愛らしいカップルに、爆発しろとかは思わんですねえ。見てるだけでこっちまで幸せな気分になりますし。
だから、いくみは空気読め!! 超空気読め!! おまっ、この二人がどれだけ勇気出してデートの約束したと思ってるんだ。邪魔してやるなよぉw
しかし、いくみは回を重ねるごとに頭悪くなるなあ……いや、最初からこのくらいだったか。果たして、どうやって高校に合格したのかわからないレベルだぞ。というか、もはや日常生活に支障をきたすレベルで頭悪そうなんですが。心配なんですが。真剣に、進級出来ないんじゃないか? 授業もまともに聞いてなさそうだし。

今回は全体的にリズムも小気味よく、小さなネタも結構キレてて読んでいて楽しかったです。まあ、何よりも初々しいカップルの甘酸っぱさが一番のごちそうでしたが。あれ? こんな作品だったっけw ちょっとアニメの方も楽しみですよ。

シリーズ感想

楽聖少女 43   

楽聖少女 (4) (電撃文庫)

【楽聖少女 4】 杉井光/岸田メル 電撃文庫

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束の間の平和が訪れる中、ルゥがいよいよ取りかかったのは、歴史的な二大交響曲“運命”と“田園”。しかしその初演にまたしても教会が言いがかりをつけてくる。ただの難癖に終わるかと思われていた教会の妨害工作は、ナポレオンとその敵対勢力の陰謀の絡み合いからやがて大事件に発展し、予測不能の悲劇は悪魔メフィをも巻き込む。死地に追い込まれた僕がついに直面するのは、この奇妙な世界を支配する残酷な“運命”そのもの―。急転する絢爛ゴシック・ファンタジー、第4弾!
あれ? ルゥの外見年齢ってそんなに幼かったの? それだと少女というよりも幼女に近いじゃん! いや、魔法少女が小学生からなのを考えると、12,3歳は少女の範囲か。いや、それでもアウトだよ。なに少女と同棲してるんだよ、このファウストは! ロリコン! 超ロリコン!! あ、でも神様のメモ帳のアリスも外見はだいたいおんなじくらいなのか。だとしたらOK? ……いや、アウトだろ。両方アウトだろ! いやだがしかし、外見はあくまで外見であって実年齢とか生きている年数とか精神年齢を考えると、合法なのか。合法だよな。それ以前に、法なんてこの世界には存在しない!!
無意識に、ルゥの年齢はもうちょっと上だと思っていたので、ちと取り乱してしまいました。でも、今回メフィが怒涛の勢いでヒロイン紛いの扱いになってきたお陰で、見た目的にはユキとメフィ夫婦に娘のルゥ、みたいな家族感になってきてしまったような……。いやだって、12歳だぜ。アウトだろう。
それにしても、メフィはユキよりだとはいえあくまで悪魔であって真意を悟らせない妖艶で惑いを誘う言動で敵味方の境界を浮遊してきたと思うんだけれど、今回の行動を見ていると彼女、もう自分の欲望よりもユキたちを優先してしまってるんですよね。これって、もう悪魔として逸脱してしまっているように見える。これじゃあ、愛と献身に身を捧げる天使みたいじゃないか。おのれ、こんなにエロい天使があってたまるか。
ユキが執行した大魔術もまた、メフィの在りようをそちらに固定してしまったんじゃないだろうか。実際はどうあれ、現実を彼の思う形に照らしあわせて実現してしまったわけですから。その定義された世界では、メフィは自らを犠牲にして愛するものたちを救おうとした者として観測されてしまった事になりますし。
しかし、ここまでデタラメが融通をきかせるとなると、この世界自体が相当に柔らかく芯を持たないことになる。ここまで自在に変容がかなってしまうということは、異世界というよりも箱庭みたいな限定世界なのか。それも、容易に改変……いや、上書き可能な書き換えが可能となると、これは誰かの執筆によって造られた、或いは現在進行形で造られつつある創作世界みたいにも思える。ナポレオンは、その中で一番割りを食ってしまっているキャストにあたるのかもしれない。
相変わらず、音楽と神学的見地から当時の欧州をおもちゃ箱みたいにして遊びまくってる作品だけれど、その軽佻浮薄さに安心してしまうのは、何とも面映い。慣れ親しんでしまった、とも言える。
ルゥが、自分もまた本物のベートーベンではないと自覚した事が、ルゥ自身にもユキ自身にもちょっとした安定感をもたらしていて、二人の親密さにブレがなくなったのも良い方に回ってるんじゃなかろうか。そこに、メフィもまたユキとルウの二人に密接に寄り添ってきた感がこの巻で強まってきたので、クライマックスに向かう上での身内の地固めとしては十分に進展があったんじゃないだろうか。もっとも、メフィは近づきすぎた事で逆にバランスを崩しかねない危うさを抱え始めた気もするけれど、そんな狭間に入り込みつつあるヒロインというのはまた愛しいものじゃないですか。大いにアリで。

杉井作品感想

ノーゲーム・ノーライフ 5.ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです4   

ノーゲーム・ノーライフ5 ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです (MF文庫J)

【ノーゲーム・ノーライフ 5.ゲーマー兄妹は強くてニューゲームがお嫌いなようです】 榎宮祐/榎宮祐 MF文庫J

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ゲームで全てが決まる世界【ディスボード】――人類種の王となった地球出身の最強ゲーマー兄妹・空と白は、吸血種と海棲種の『リアル恋愛ゲーム』をかい潜り、真の攻略法を暴くべく向かうは天翼種の故郷、空中都市『アヴァント・ヘイム』! だが序列第六位、狂瀾怒濤の“神殺しの種族"が一筋縄で行くはずもなく――? 空と海を制し、比翼のゲーマーは三種族一挙制覇へその手を届かせるか!? 「俺TUEEEでゲームして一回負けたらクソゲ認定? “俺YOEEE"からやり直せ! 」大人気異世界ファンタジー、嘘と騙りと陰謀の入り乱れる大連戦の第5弾!!
なるほどなあ。このシリーズがはじまった当初は、人類種のみが領土をギリギリまで獲られて追い詰められていた、と思っていたのだけれど、シリーズも五巻を重ねて他の種族の事情に踏み込んでくると、人類種のみならず、ほとんどの種が行き詰まりや限界を迎えていたのが判ってきた。テトがどうして、『  』の二人をこの世界に迎え入れたのか。単に滅びかかっていた人類種へのテコ入れじゃなくて、世界全種が滅びかかっていたことへのテコ入れだった、と考えれば、今の『  』の快進撃もうなずけるんじゃないだろうか。そもそも、本当に他の種族が現状に満足してゲームを満喫していたら、いかな『  』とはいえ、こうも安々と空と白に協力して同盟を結ぼう、なんて考えないもんなあ。彼らが示した実力と展望に希望を感じたからこそ、自分たちの手では掴みかねていた未来を見出したからこそ、積極的に彼らの元に集ってきた、と思った方がすんなりくる。空白の勝利は、プレゼンテーションと考えればしっくりくる。
その意味では森精種に対してはフィールとクラミーにほぼ任せてしまっている、というのは森精種がこの歪んでしまったゲームに、というよりもゲームでなくなってしまった盤上の世界の現状に乗ってしまっている種だから、と言えるのかもしれない。ゲームでは無敵な空白だけれど、ゲームの盤上にあがってくれなければ、本当の意味で勝負は出来んもんなあ。確かに、表面上はゲームとして相手取ることはできるだろうし、勝てるかもしれないけれど、果たしてただ勝利するだけでこの世界というゲームの同好者になってくれるか、というのはなかなか難しい話。だから、フィールとクラミーは森精種を盤上にあげる仕込みをやっている、と見るべきなのかな。そういう仕込みが出来る時点で、空白はただのゲーマーじゃないんだけれど。

これだけ、いろんな種が行き詰まってしまっているのを見ると、この盤上の世界のルールを構築した遊戯神テトがどれだけ忸怩たる思いをしてきたか、なんだか透けて見えてくるようだ。彼の意図を履き違えて、まったく見当違いの戦いをはじめてしまった十六種。天翼種の最も古い意志でもあるアズリールと、一番新しい意志であるジブリールのすれ違いと、空白の介入はまさにこのゲームを主軸とする世界を巡る象徴的な戦いだったんじゃないだろうか。
第十の盟約に込められた願いが、いつか色あせてしまっていた願いが、じわじわときらめいてきた。絶対法則であり、「縛り」であった十の盟約が、与える意味を変えようとしている。
空白だけじゃなく、人類種であるステフと獣人種であるいづなの交流が、兵器として生まれた種であるジブリールがむき出しにした愛情が、この巻では盟約の意味を刷新し始めたんじゃなかろうか。

さて、ここまで順調と言ってイイくらいに回ってきた対戦カード。ただ、だからこそそろそろ壁が来る頃か。嘘の付けない嘘つきの、それ故の長所がこれまで彼らに信頼という恩恵を与えてきたけれど、ここで改めて空の特性を示したというのは、今度はまたそれがキーワードになってくるということなのか。
いずれにしても、新たな展開は新たな盛り上がりをもたらしてくれるものに違いない。さあ、中盤戦だ!

シリーズ感想

剣刻の銀乙女(ユングフラウ) 54   

剣刻の銀乙女5 (一迅社文庫)

【剣刻の銀乙女(ユングフラウ)5】 手島史詞/八坂ミナト 一迅社文庫

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エステルに続き騎士姫ルチルも王宮の動乱を鎮めるためにヒースの元を去った。小隊をまとめる中核を失った一行は残り3つの剣刻を集めるため、エリナが発案したヒースとエリナ自身を囮にした誘き出し作戦を実行するのだが、剣刻の所有者は現れず、剣刻目当ての欲にかられた者たちに襲われるばかりの結果に。そんな中、ヒースたちに助力する男女の傭兵が現れる。どこか憎めない風情の兄貴分めいた雰囲気のベニートと、ヒースたちとさほどの歳の変わらない少女ドゥルセの二人は、ヒースたちの剣刻を狙ったならず者を瞬く間に倒してしまう。二人の助力に感謝するヒースとエリナは言葉を交わすうちに二人に親しみを覚えるのだが、そんな二人に剣刻の封印を解かんと画策する悪魔の道化師クラウンの仕掛けが襲いかかる。ヒースたちは剣刻の封印を守りきることができるのか。そして最後の剣刻の持ち主とは?剣刻争奪ファンタジー、急転の第五弾!
ちょっ、最近はあれなのか? 弓使いの時代が来たのですか!? 小隊メンバーの中では唯一、剣刻持ちではないマナ。所謂「魔法使い」ポジションに近い<占刻使い(オーメントーカー)>であることから、マナは後衛での支援要員と考えていて、実際そのとおりではあったんですけれど、ぶっちゃけ思っていたのとマナの戦闘力が違いすぎた! め、めちゃくちゃ強いじゃないかっ!! しかも、火力押しじゃなく、戦慄するような神がかった技量の弓術と占刻のコラボレーション。この弓の人間離れした神技の数々は、【魔弾の王と戦姫】のティグルを彷彿とさせるような凄まじいモノで、魔弾の射手の名に相応しい代物でした。いや、バトルシーンでここまでゾクッとさせられることはなかなかないですよ。その意味でも、マナのそれはティグル並みと言ってもいいかも。いやあ、川口さん以外にもここまで弓矢を映えさせる事の出来る人がいるとは。久々に鼻息荒く興奮させていただきました。

ダブルヒロインであるエステルとルチルの両方が一時的に剣刻を巡る現場から離脱し、残されたヒースとエリナ、そしてマナにシルヴィアたちだけで、残る剣刻3つを集めるために策を練ることになったのですけれど……正直、これは読んでるこっちも騙された。よくよく考えると、最大戦力である二人が抜けるって、誰がどう見てもあからさまに大ピンチなわけだけれど、それって=釣りの餌としてもあからさまなくらい魅力的なんですよね。残されたヒースたちが、自分たちの中で囮を選び出して動いていたために、その外側の大枠をまったく意識できなかった。ルチルとエステルが離脱した理由が、それぞれどうしても避けられないものであったことから、彼女たちの離脱が意図したものではない苦渋の決断だった、と思ってしまったんですよね。思うよなあ、これ。誘引策としては、鮮やかなくらい見事ですわ。
この策の唯一のネックは、ターゲットを完全に捕まえられるところまで対象を引きずり込めるまで、囮となったヒースたちが耐えられるか、という点だったわけだけれど、これについてはルチルもエステルもよく決断したものである。場合によっては比喩抜きで死地送りでしたしね。相手は何しろ、今までずっと手玉に取られ続けていたあのクラウンだったわけですから。それでも、敢えて任せたルチルは男前ですわ。自分を死地に置く事を厭わないヒロインは珍しくはないですけれど、好きな相手を死地に送り込めるヒロインはやっぱりなかなか居ませんよ。
その意味では、ルチルって実は主人公枠なんですよね。で、ヒースの方がヒロイン、と(笑
だって、ラストのルチルとエステルのイチャイチャっぷりを見せられるとねえ。あのパターンは読めなかった。これって、ルチルとエステルのダブルヒロインじゃなくって、ルチルがメインでエステルとヒースのダブルヒロインじゃないのか、マジでw
一応、エリナとシルヴィアもヒースにくっついてヒロインちゃんとしてますけれど、この二人もルチルやエステルには結構メロメロだしなあ。
クラウンが仕掛けてきた極悪極まる謀の数々は、これまでと同様かそれ以上に悪辣で外道でヒースたちの警戒を安々と打ち砕き死角から襲いかかってくる壮絶なものでした。甘さなんか何処にもない、謀略戦の極みだったと言えるでしょう。だからこそ、そんなクラウンを最終的に手玉に取る形で手のひらの上に収めてみせたルチルの王器は文句なしの大器を感じさせるものでした。エステルも無事に魔王座につけたみたいだし、これでようやく剣刻戦争も受け身に回る段階はくぐり抜け、収拾をつける段階に辿りつけた……と、思いたいところなんだけれど、果たしてあのクラウンが本当にこれで退場させることが出来たのか。ちょっと、未だに信じられないんですよね。それに、剣刻の真実についてまだ全然明らかになってないし。クラウンが、ちょっぴり新たな真実とそれに付随する新たな謎をもたらしてしまい、結局余計に剣刻の裏には深遠に似た真実が横たわっているというのがわかってしまったわけで……こりゃあ、戦力が整ったこれからこそが本番、と言う事になってしまうのか。いずれにしても、それは盛り上がるのもこれから本番よ、と言っているようなものでもあり、楽しみなことこの上ない。

シリーズ感想

ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円4   

ベン・トー 11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

【ベン・トー 11.サバの味噌煮弁当【極み】290円】 アサウラ/柴乃櫂人 スーパーダッシュ文庫

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狼たちの集大成!
半額弁当争奪戦、ここに極まる!!
半額弁当バトルに青春を賭ける佐藤洋は魔導士に拒絶され、涙する槍水を見て以来、HP同好会の部室へ向かう足が遠のいていた。そしてその夜を境に佐藤、槍水共に弁当の奪取率が急激に落ち込んでしまう。この状況を変えるために、白粉は一人魔導士へ戦いを挑むのだが…。そして悩める佐藤が狼として、男として槍水に告げた決意とは…? 「最強」の称号と【極み】と名付けられた弁当を手にするため、今、狼たちが集結する! 半額弁当をめぐる青春シリアスギャグ・アクション、史上最大の特盛りで贈るクライマックス!!

ちょっ、ちょっと待て。もしかして、狼を極めてしまうと必然的にスーパーの半額神へとクラスチェンジしてしまうのか!? 最強へと至った狼の就職先はスーパーなのか!?
実は先刻読んだ【ベン・トー】の漫画版でチラッと未来編みたいなパートがあったんだけれど、これは茉莉花の夢、という形にはなっているのだけれど、オルトロスの二人も半額神になってるんですよね。今回明らかになった、狼の前代とも言うべき「騎士」たちの頂点に立った男の征く果てを見てしまうと、さてはウィザードも将来半額弁当争奪戦に携わる職業についてしまうのではないかと想像してしまったじゃないか。日本みたいなスーパーの形式を持たないアメリカなどでは、半額弁当争奪戦などは無いそうなのだけれど、そこはウィザードがどうにかしてしまいそうな。なにしろ、天才だしな!!

その天才様の顔を青くさせた白粉は、間違いなく今回のMVPだったんじゃないでしょうか。もしかしたら、ラストの魔導士との最終決戦よりも、白粉の死戦の方が熱かったかもしれないというほどに。正直、白粉があんなにかっこよくなるなんて想像だにしていませんでしたよ。もうずっと「モンスター」化してしまっていたのに、最後の最後にあんなに覚悟決まった誇り高き狼になるなんて、ズルいよ。
覚醒した白粉の能力もまた凄まじかった。あれ、単純に弁当をゲットするだけなら、魔導士に勝ててましたし。能力を悟られるまで、実際圧倒してましたし、取れる場面もありましたから。ってか、もはや弁当争奪戦という舞台で使うには能力のスケールがパなすぎるよ!(笑
まあ、スーパーという限定空間でしか使えない能力だろうから、まさに弁当争奪戦にしか使えないんだろうけれど。白粉の敗因というか、魔導士が指摘するところの彼女の狼としての足りなさは、結局「食べたい」という飢餓感の少なさなのかな。彼女は最初から空腹に対する飢えた感覚、美味しい弁当を食べたいという意気が他の狼に比べて薄いところがありましたし。彼女が「腹の虫の加護」を十全に受ける事ができるようになったら、とてつもない狼になれそうなんだがなあ。肉体的な弱さってのは、この半額弁当争奪戦の場合概ね「腹の虫の加護」で克服できるものらしいのは、白粉以外の女性陣がまったく力勝負で引けをとってないことからも明らかですし。

しかし、今回は魔導士との戦い、最強の称号を巡る動きがあまりにも中心すぎて、「うまい弁当を食べるコトこそ至上」という物語の芯とのバランスが非常に危ういものだった気がします。確かに、佐藤の勝利の要因はうまい弁当を食べたい→誰かと一緒に食べる弁当こそ最高の味、という結論で、主題こそ貫けていましたけれど、どうしても最強の座や、恋愛修羅場が話につきまとい続けていたので、戦う理由の研ぎ澄まされ方がぼんやりしていた感じなんですよね。その意味では、広部さんの回に比べて純粋さに欠けてしまうし、逆に戦いの価値がメインだったオルトロス回と比べても、戦う人たちの心に余分が多かった気がする。そもそも、肝心の魔導士がラスボスとしてはやや下衆になってしまって、品格を落としてしまってたからなあ。図らずも、2巻のモナークことパッドフットと似たような雰囲気になってしまった気がする。そのパッドフットが今なお狼として健在で、佐藤と一緒に弁当を食べるシーンに至ったのは、ちょっとじゃなく感動してしまいましたけれどね。
場に出れる人は集えるだけ集まり、出れない人もその最強を決める最後の戦いに思いを馳せ、はじまった最終決戦。これは火が盛り上がるというよりも、聖火リレーみたいな感じで、最後の魔導士と佐藤の激突まで戦いの中でも皆が橋渡ししていくような雰囲気で、そうですねえ、劇場版のクライマックスシーンみたいな流れそのものでした。だから、幕が引いていくのをぼんやりと見送っているような感覚でしたね。
なんだか興奮するよりも、終わっていく感じが……寂しかったです。
個人的に、圧倒的に著莪派だったんで、先輩エンドは佐藤の気持ちは本気度はともかくわりと一貫していて納得は出来ましたけれど、だからといって嬉しくはなかったですね、こればっかりは正直な気持ちとして。著莪の内助を見てしまうと尚更にねえ。先輩、全然気持ち向いていませんでしたし、ずっとヘタレたまんまで狼としてもヒロインとしても見せ場らしい見せ場は殆どありませんでしたし。
むしろ、白梅ルートもありだったんじゃないか、と思える今回の白梅さん。いや、恋愛的に脈ナシなのはわかってるんですけれど、バレンタインでチョコくれたあたりから彼女の佐藤への当たりがものすごく柔らかくなってて、さらに今回のあの態度でしょ? ガチレズだけれど、結婚くらいならしてくれるんじゃないか、とか思っちゃうじゃないですか!!(逆ギレ

ちなみに、佐藤がついに魔導士に打ち勝つ「真理」に辿り着いたのは、狼としてでも先輩への想いゆえでもなく、ひたすらに「真のセガユーザー」だったが故、にしか見えないのは自分だけだろうか。
いやだって、ようやく得た最後の答えを語るシーン、ほとんどセガ語りだったじゃないか!! セガを愛する心こそが、佐藤洋を魔導士をも上回る真の騎士の高みへと導いたようにしか見えない。つまり、セガ最強! というのが、このベン・トーの結論だったんだよ! って、弁当全然関係ねえ!! 
つまり、このベン・トーの真のタイトルは「セガガガ2!」だったんだよ!
……お後が宜しいようで。

物語的にはここで終わってもおかしくないのだけれど、どうやら最終巻はもうひとつ先の模様。もう少し続くんじゃよ、ですか? こっから、どう収集つけるんだろう。

シリーズ感想
 
11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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(エンターブレイン)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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(ドラゴンノベルス)
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(PASH!コミックス)
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(フロース コミック)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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11月4日

(ジャンプコミックス)
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(JUMP j books)
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(ジャンプコミックス)
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