年間ベスト

2023年 年間ライトノベル・ベスト  


令和5年も終わりました。6年は冒頭から能登半島で大地震。羽田で大事故と何十年に一度起こるようなことが元旦から一気に起こって、流石に不安も募ります。
個人的にはなんとか悪いことが起こらなければいいのですが。

というわけで令和5年は357冊の読了。前年は335冊だったので多少増えている模様です。そのウチ漫画本が53冊だったのでそれを差っ引くと去年の272冊から282冊とこちらも微増になっています。
感想記事数も、まとめ記事込み込みですが284から290と微増と相成りました。ちょっと増やせました。
例年は休みの日は三本くらいガガガっと感想記事書けたんですけど、最近はもう2本書けたらいい方でまとめて一辺に書けなくなってきたんで、感想記事も減っちゃうかなと思ったのですが、意外にも連日コツコツと続けられたかして、多少増やすことが出来ました。
……競馬のレースの記事ちょいちょい書くようになったからなあ。
索引の更新もしたんですけれど、この年末年始も手掛けられてないのが申し訳ない。偶にちょっとずつやってはいるんだけれど。
ともあれ、今年も継続は力なりでコツコツやっていきたいと思いますので、本年度もどうぞよろしくお願いします♪


では、これが前年度の22年度版年間おすすめライトノベルの選出記事です。


こちらが各年度のおすすめライトノベル記事をまとめたものになります。



以下、令和4年に読んだ本から、特別面白かった作品をピックアップ。
レーベルごとにまとめて掲載しております。
書籍タイトルのリンクから、各感想記事へと飛べるようにしております。
まずは最高評価五つ星を送った作品から。


五つ星☆ミ


GA文庫


【陽キャになった俺の青春至上主義】 持崎湯葉/にゅむ

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格好いいよ、主人公!!いや、最高でした。これ何気に陽キャデビューもののあらゆるテーマを網羅してたんじゃないだろうか。成功した橋汰と半ば失敗している七草の二人が居る事もあるけれど、中心となる6人が陰陽の様々な立ち位置に居る事から様々な良い所問題となってくる所が見えてくるんですよね。それをボーダーを渡った橋汰だからこそ見逃さずに拾い集めて結んでいく。正直六人で家でわちゃわちゃ遊んでいる時、そんな瑕疵が現れていたなんて気づかなかった。最終的に橋汰が導いて見せた結論は、本当に素敵でイカしていたと思うよ


ガガガ文庫

【恋人以上のことを、彼女じゃない君と。2】  持崎 湯葉/どうしま

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社会に出てしがらみに縛られ引きずり回されて疲弊した大人たちのラブコメディ。コメディと謳われている通り思いっきり笑えるお話でもあるんですけれど、それ以上に辛さを抱えながら寄り添える相手に出会い癒やされていく様子が無茶苦茶沁みるお話でも在りました。



【帝国第11前線基地魔導図書館、ただいま開館中】  佐伯 庸介/きんし

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
すげえ作品でした。情緒をぐちゃぐちゃに揺さぶってくる物語でした。戦場という死が当たり前に誰もを平等に飲み込んでいく場所において、本という存在を通じて人間のあるべき姿を浮き彫りにしていく、胸を打つ戦争小説でした。
図書館の設置される場所、ほんまの最前線なんですよ。
基地内に図書館というのはそこまで珍しくないよな、と思っていたのだけれど本当に激戦砲火が飛び交う只中とは思わなかった。しかもここを落とされると首都が陥落しかねないという要衝なんですよね。この戦争描写の凄絶さ、過酷さが鮮明であるほど本というものがどれだけ人が人らしくあるために必要なこと。夢を抱き未来を望むきっかけになる大切なものだというのが深く伝わる。同時に、そんな人達の未来をあっさりと奪ってしまう戦争の悍ましさが引き立つ。
でも、そんな未来が一方的に奪われる事を防ぎ、守るために彼らが戦うのもまた戦争なんですよね。
いやもう情緒をぐちゃぐちゃに揺さぶられる物語でした。主人公のカリアさんのあのバイタリティが、どれほどつらく苦しくても挫けない諦めない、司書としての本分を忘れずに本を読む場所を守り続けた、そして守るために大胆な賭けに打って出たこの人のあり方の眩しさに随分と救われた思いです。戦闘兵器のような勇者も、だからこそ彼女に惹かれたんだろうなあ。


オーバーラップ文庫

【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 8 ~ヘンダーソン氏の福音を~】  Schuld/ランサネ

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ついにエーヒリの永遠の好敵手にして長き付き合いの右腕となるジークフリートことディー君とその相棒カーヤ嬢の登場の巻である。8巻でようやくパーティーメンバー参戦ですよ。
まあ仕方ない、何しろ冒険者デビューしたのが7巻だもんね。そんじょそこらのヒロイン相手ではお目にかかれないほどの、エーリヒのディーくん推し、好き好き光線発しまくりの構いまくり弄りまくり育てまくり、ペットでもそれだけ構われたらストレスでハゲるわ、というくらいの気に入りっぷりに、どこか哀愁すら感じる、いやでも彼らが加わるとまた抜群に面白くなってくるんですよね。やっぱり同世代の同性のバチバチやれる男がいると盛り上がるなー! そしてむしろディー君の方がまっとうな主人公枠のキャラな件について。


【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 9 ~ヘンダーソン氏の福音を~】  Schuld/ランサネ

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まーーた書き下ろしである。9割5分新規ってそれもうほぼ全部書き下ろしですよね? しかも上下巻ですからね。うははは、がっつり読めすぎる。もう大叙事詩じゃねえかぃ。
内容の方なウェブ版では数年飛ばされていきなり結成されていたエーリヒが主催する氏族……氏族じゃないと主張してるんだったけか。でもエーリヒが主催主導する剣友会なる戦闘集団の発足誕生の軌跡である。エーリヒのヤベえやつっぷりがついに単体ではなく集団へと拡大していくw
剣友会誕生の経緯は気になっていた所ですけれど、まさか上下巻ほぼ書き下ろしという大叙事詩になるとは。エタンくん、真面目な彼が初めはあんなイキってたというのは、微笑ましい。自然とエーリヒやジークを慕って集まってきた面々をふんわりと集団としてまとめるんじゃなくて、かっちり組織化してしまうのはやはりエーリヒだなあ、と。結果として冒険狂い剣狂いの高度に組織化された酔狂な戦闘集団が誕生してしまうあたり、非常にやばいw


アース・スターノベル

【冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 10】 門司柿家/toi8

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
シリーズの完結編。旅の終わり。されど人生という冒険は続く。少なくとも、彼らのこれからの人生は祝福に満ちた幸せなものであるのでしょう。なんでもない辺境の村の日々の暮らしの様子をこれだけ賑やかにあざやかに温かに幸せそうに描くことの出来る人を、自分は他に知らないですよ。幸福感のおすそ分けがたまらんかったです。


ブレイブ文庫

【おでん屋春子婆さんの偏屈異世界珍道中 2】  紺染 幸/あまな

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
おでん屋の婆ちゃんはあくまで舞台装置。主役はこの異世界の人々だ。群像劇として様々な老いも若きも男も女も区別なく、無数の人達の人生の転機と、頑張りが描かれてきたけれど、それらの散りばめられた星空のような無数の人々の人生が、クライマックスにかけて亡国の危機を救う綺羅星として一気に集っていく……報われぬはずの苦労が、輝くように報われていく姿にもう涙がこぼれて仕方なかった。こういうの、ほんとたまんないんだ。
途中からもうたまらずホロホロとガチ泣きしていた。結実。何時か誰かの為に、蒔いた種が女王の日に実を結んでいく。いやそれ以前から短い話の中で登場人物達がたとえ自分の代で実を結ばずとも、自分の成しえる事に力を尽くしていく様にもう泣きそうだったんだ。彼らの語る言葉の刺さり方が尋常じゃないんですよね。特にアントン、彼に限らずこの作品の登場人物達の語る言葉には力がある、慈愛がある、敬意があり魂が込められている。これほど登場人物の一言一言に心震え、柔く笑みながらホロホロと涙こぼれたのは初めてかもしれない。




エンターブレイン

【TS衛生兵さんの戦場日記】  まさきたま/クレタ

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そこは地獄の一丁目。前世ではFPSの世界的プレイヤーだった主人公だけれど、やはりゲームと実際の戦場とでは勝手が違うのか、その異能を発揮する事も出来ず、新兵しかも衛生兵としてWW気気覆らの地獄の塹壕戦にろくな訓練もなく放り込まれてしまう。そこは倫理も人権も何もなくゴミのほうに兵士が死んでいくこの世の地獄。銃弾の雨を浴び泥を被り冷たい雨に凍え上司の暴力に壊され男の欲望に晒され、しかしそこで少女は掛け替えのない戦友達と巡り合う。彼女がまだ全てを失う前、兵士達にとってのありふれた地獄がここにある。
この世の地獄、戦争の災禍というものを嫌というほど味わえる一作。それでいて、中毒になったみたいに次を、その次の話を、と求めてしまうこのエンターテイメント性ですよ。シンプルにめちゃくちゃ面白い。展開のあまりの地獄っぷりに、なんでか鬱になってしまうどころか、テンションがあがってしまう。情緒が無茶苦茶にされた上で興奮してしまう。なんでだ!? わからん! 敢えていうなら、ただただ面白いからだ、と申し立てたい。

【TS衛生兵さんの戦場日記 2】  まさきたま/クレタ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
無条件降伏を決断するまでの時間を稼ぐための孤立無援の籠城戦、という希望のない戦いの中でひたすら送られてくる負傷兵達の助ける者と見捨てる者を選別するのはまだ15歳の少女衛生兵。そこからついに防壁が突破され巻き起こる市街戦で、敵兵と飛び交う銃弾を潜り抜けながらまだ味方が保持している地区へと辿り着く為の脱出劇。ここだけでも凄まじい密度の地獄なのに、いざ降伏を宣言してからの急転直下。ここで明らかに戦争のあり方が常軌を逸脱する、正気の一線を超えてしまう。戦争の狂気と地獄を嫌というほど味わえる一作だ。
個人的にはトウリが負傷兵を抱いて看取るシーンと、市街戦の只中で血染めのワンピースで敵兵に笑いかけるシーンのある意味対極的な二場面をイラスト化してくれたのは最大級に評価したい。


角川スニーカー文庫

【見た目は地雷系の世話焼き女子高生を甘やかしたら?】  藍月 要/tetto

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
まあ凄かった。凄まじい作品でした。これ読んだ時はものスゲエの読んでしまった、という呆然とした気分を味わいました。想像期待していたのより三倍は違うレベルのヤバい作品でしたよ。
人を駄目にする世話好き狂いのヒロインが、しっかり者の主人公に逆に甘やかして貰う事で真人間になるラブコメかと思って読んでたら、中盤でアレアレアレ?とヤンデレものへと舵を切りそうになった所で「エイリアンVSプレデター」ですよ。作中の登場人物が語った【エイリアンVSプレデター】というセリフが一番刺さったw 叔父さんこの表現捻り出したのも凄いけど、人伝とは言え甘音当人にこれを伝えたのって藁にも縋る想いだったんだろうなあ。どうしたってマトモになれなくても人は幸せになれるし、怪物にこそ救われる人もいる。凄え構成の怪作でした
ヤンデレとは無差別に闇を振りまく存在ではない。運命と出会ったとき、人であることを辞めたモノの事を言うのだ。



富士見ファンタジア文庫

【彼女でもない女の子が深夜二時に炒飯作りにくる話】  道造 /びねつ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
とびっきりにわけがわからない怪作でありながら、尋常じゃなく面白い怪作という奇々怪々さにおいては間違いなく23年度で他の追随を許さない作品だった。ちょっと余人には真似の出来ない作風じゃあなかろうか。
出てくるのは尋常じゃなく頭の回転が良すぎるせいで頭おかしい事になっている頭のいいアホどもしかおらず、故に彼らの奇行は理解不能のそれにも見えるんだけれど、後半恐ろしくロジカルにそれぞれの人格形成から人生観から感情の起因まで緻密に解体されていく。銭子が自筆した自分の取説はいい加減この上なかったけれど、後半彼女の述懐による自身語りはこれ以上無い銭子取説であり、彼女の目から見た砕蜂という少年の無垢さ純真さ愚鈍さクズさを余すことなく捉えた取説なんだろう、これは。滅茶苦茶に面白い大怪作でありました



こうしてみると、やたら濃い味付けが好みだというのがバレてしまいますなあ。決して癖が強いのが好き、というわけじゃないと思うんですけれど、濃いのは認める。
あと【TS衛生兵さんの戦場日記】は今でも最加速していますけれど、ここからさらにホップ・ステップ・ジャンプと跳ね上がっていくので、本当にヤバい作品です。ヤバいなんてもんじゃない作品です。



以下には4つ星Dash作品を列挙しております。


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2023年 面白かったweb小説ピックアップ その2  

1回目の記事です。


では引き続き2回目、後編です。



私は人知を越えるモノに『異世界戻りの既婚TSおっさんがその妻から緑色の紙を叩きつけられるRTA』をやらされているに違いない (劇団おこめ座)
私は異世界へ転移し、現代に戻って来た悲しい既婚TS美少女おじさんである。
 戻って来た世界には妻と思春期の子供2人がいる。
 現実世界に、おっさんから美少女に変わっちゃいました、なんてものはいらない。
 そんなもの許されるのはフィクションの中でだ。
 離婚待ったなし、退職待ったなしの過酷な状況を、今日もなんとか私は乗り切る。
異世界に転移してしまった既婚のおじさんが、エルフの里で長い長い時間を過ごし、ようやく戻ってきたらTSして美少女になってしまっていた、という悲しいお話である。
このおじさん、かろうじてエルフの里で魔法を教わっていたので、美少女になっても幻影でおじさんに偽装する、というアクロバットがかろうじて通じたので、生き残ることには成功するんですね。おまけに出張で家族と離れて暮らすことになりかろうじて首の皮一枚繋がるのですが。
無意識にかろうじてを連発してしまうくらいやばい状況にあるおじさん。まあ娘にはわりと早めにバレるんですけど。
そんなおじさんの異世界での回想と現代のドタバタ劇が交互に描かれる作品です。そういう意味では異世界おじさんと枠組みは似てるかも知れない。内容は全然違うけれど。
そして何より仰天させられたのがラストの展開なんですよね。最初から仕組まれていたこの展開にはまじで驚かされた、あっと言わされました。そうだったのかーー!!


兄に悪役令嬢をやらせたら、とんだ傾国の美女(男)になりまして (恵ノ島すず)

あ、私このままだと悪魔崇拝一家の手先になって破滅して死ぬわ。
そう確信した私は、自身の破滅を防ぐため、兄と互いの立場を入れ替えて暗躍することに決めた。

ところが。

私の双子の兄に悪役令嬢をやらせてみたら、とんだ傾国の美女(男)になった件。

※こちら、「小説家になろう」にて、恵ノ島が所属するサークル「なろうチャット会」のアカウントにも転載しております。
※こちら、ハーメルンでも連載しております。
この作者の恵ノ島すずさん。アニメ化もされた【ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん】の作者さんですね。こっちは漫画版も絶品です。
このお兄ちゃんがもう超絶ヒロインすぎて、もう男とかウッソだろう? というくらいの美貌のキャラになっている。あざといんだけど、作ったあざとさ作った装いじゃなくて完全に天然。本人の自意識は男なんだろうだけど、所作とか全部女じゃん!? 健気さとか儚さとか麗しさとか全部素じゃん!?
もう常時魅了を撒き散らしているかのような女装男子で、男女問わず攻略キャラも主人公な女の子もメロメロにさせていくお兄ちゃんのあまりの魔性っぷりに、外で冒険者をしながら様子を覗き見つつ呆然としているのが妹の方の主人公。と、妹の方視点だったのであまりに異常、あまりに特異点なのお兄ちゃんの方だけで妹の方はわりと普通なのか、と思ってたら段々とそうでもない事がわかってくるんですよね。自覚が一切ない、という点で妹もお兄ちゃんと完全に同類じゃん!? 
これほどひどいお互い様、鏡を見ろ!はなかなかないぞw



バッドエンド多めの魔装ハーレム物に最つよ魔女を登場させて力づくでハッピーエンドにしていく話 (デュアン)

一言で言えば女版ワン〇ンマン。

 女のみが『魔法』と呼ばれる特殊な力を使える世界で初めて男で魔法を使える様になった少年、藤堂快人。世界初の男性魔法使いという称号は、彼を様々なバッドエンドに突き落としていく──

──そんな世界に、大体何でもできちゃう最強魔女を放り込んでみる。襲撃は容易く止めるし、少女も親友も死なないし、暗躍する組織は壊滅する。如何なる陰謀も、圧倒的な力を前にしては無力なのだ。

 これは、一人の最強魔女が様々な死亡フラグを折りまくり、本来迎える筈だったバッドエンドを力こそパワー理論で無理矢理ハッピーエンドにしていくだけの話である。
これぞラスボス系ヒロイン。いずれ異界より来たりて世界を滅ぼす厄災の魔女。その予言を恐れ、破滅を憂い、世界を支配する魔法使いたちはより深い闇に溺れていく。かの厄災の魔女に抗うために。
という、恐怖の大王と戦う手段を得るのにどんどん世界全体がダークサイドに落ちていくために、やたらとバッドエンドばかりになっていく世界観ですなあ、これ。
そんな世界に実はとっくの昔に来ちゃってて、一般家庭の子供として普通に暮らしているラスボスな主人公。普通に魔法使いを育てる学園に進学し、普通に無名ながら無造作に全部蹂躙していく主人公。
破格の力を振るう彼女に、しかしいずれ訪れるであろう破滅を恐れる人々は或いは彼女ならあの厄災の魔女に勝てるかもと希望を見出し、或いはそれでもあの魔女には届きえないとさらなる闇へと落ちていき、情勢は混迷を深めていく。その子が当の予言にうたわれた厄災の魔女だと気づかぬままに。
当の本人も自分がラスボスとして予言されていずれ異界から現れるとか言われてるの、知らないんですけどね。
おまわりさん、そいつですw



魔王滅ぼしたけど多分新しい魔王ポジが生まれただけ
(丸米)

イかれた魔王討伐メンバーを紹介するぜ!

その性悪さ、一族の折り紙つき!己どころか家そのものを没落させた生粋の悪役令嬢、レミディアス・アルデバラン!

三度の飯より戒律破りが大好き!神を嫌い、博打打ち、男装する!男装系ボクっ娘破戒僧、アーレン・ローレン!

わらわは戦いが好きなのではない!勝つことこそが好きなのじゃ!謀略騙し討ちなんでもござれ!卑劣漢系のじゃロリ(に擬態した)女剣士、カスティリオ・アンクズオール!

そして、魔王滅ぼすために転生させられた俺!

以上だ!
魔王滅ぼしたんだから解散だ解散、こんなクソパーティー!どっちが魔王だか解ったもんじゃねぇしなァ!じゃあな、俺はひっそりと余生を過ごさせてもらうぜ!

なお、
終わってからが本番である。
魔王軍の次は人間側が阿鼻叫喚の地獄絵図に。もちろん、普通に攻撃普通に侵略普通に虐殺、なんてわかりやすい邪悪なんてもんじゃなく、悪意にはより深い悪意を、憎しみにはより奈落の憎悪を、とばかりに人の業を暴き立てもっとも無惨な形でざまぁしていくやっべえ女たち。そんな彼女らにどうしてか見込まれてしまった面倒見の良い面倒体質の主人公。被害担当艦。
この悪辣な人間同士の企みががっちり噛み合い、人間社会の支配層が上からねじ伏せひれ伏せさせて権力と謀略をもって傲慢に踏みにじろうとしてくるのを、それ以上の悪辣さで絡め取り捻り潰していくこのカタルシス。メインメンバー、悪人なんだけれど邪悪ではなく、それなりに筋通っているので不快感は感じないですし、特にメインヒロインのレミディアスが人間不信極めちゃって他人に対してはもちろん、仲間に対しても決して心を開ききられないキャラクターがまたいいんですよ。そんな有様でありながら、主人公に対して凄まじい罪悪感と人並みの思慕を抱いてしまっている、この感情の機微の描写がまた細緻で好きなんですよねえ。


死ぬに死ねない中年狙撃魔術師 (星野スミ)

その男は百発百中の狙撃の腕を持っていた。

己の功を誇ることなく、奇妙な使い魔と共に生きるひとりの狙撃魔術師の物語。
彼がひとりの天才少女魔術師を弟子としたとき、止まっていた時間が動き出す。
これまた骨太のダークファンタジーで読み応えたっぷりなんですよね。この世界観、好きだわあ。
狙撃魔術というある種の一撃必殺の魔術を扱う術師の社会的組織的立ち位置がまた玄人好みでイイんですよね。そうした狙撃魔術師の出馬を必要とする場合の相手もまた、人類の生存そのものが脅かされるスケール感があって、この人類生存圏の心もとなさも含めて重厚で渋い。その中で弟子のリラの明るさは作品そのものに華やぎをもたらしているのですけれど、さらに後半マイアちゃんという子が登場したことでさらに面白さの位階がレベルアップするんですよ。このマイアちゃんについては、普通に順繰りに読んでいくとどういう子かすぐにわかるんですけれど、主人公のおっさんはわかってないんですよね。このわかってないのがまたニヤニヤしてしまうわけですよ。いったいどうなってしまうんだ、とワクワクしてくるんですよね。また、このマイアがまた無表情系無知素直幼女なのですけれど、この子存在自体が面白いというか、その言動が非常にそそるというか。かなり物分りよく素直で聡明なんですけど、微妙な食い違い、というか主人公の解釈違いとのかみ合わせが妙に面白くて。
今丁度連載も盛り上がってるところで、次回分を待っているところでもあります。



<ハーメルン>から二次創作小説

転生神機使いは狩り続ける (時杜 境)原作:GOD EATER
作中のシリアスをガン無視してアラガミを狩る元プレイヤーの愉快な転生録。
本当に愉快すぎるから困る!
原作のゲームは未履修。おおまかな概要を知ってるくらいだったんだけれど、わりとざっくりとだけれど上手いことゲームの内容や登場人物について話の中で語ってくれるので、何もわからんと置いていかれるという事はなかった。というか、凄くすんなりと必要な情報頭に入ってきたので、こういううまいこと書くの難しいのにサラッとめちゃくちゃ上手いんじゃないか、これ語り方。
そして何より主人公のハチャメチャさがとにかく楽しい愉快可笑しい、頭おかしい。完全にコメディなんですが、主人公のアキちゃんのトンチキ周回魔っぷりが常軌を逸していて、その頭のおかしさに本来ダークだった世界の雰囲気が侵食されていき、他の登場人物たちにまで汚染が広がり徐々に染められていき、ついでに容赦なくハッピーエンド展開に持っていくんで、ひたすらアホで痛快なんですよね。笑った笑った。これはゲームの方なんも知らんでも思いっきり面白いです。



2023年 面白かったweb小説ピックアップ その1  

あれ? 今年は上半期分のweb小説オススメ記事、書いてなかったのか。
あれもこれも、とやることやりたい事溜め込んでたらどれも片付かない、進行しないという始末。あかん、何も出来へん。とにかく、一つ一つ片付けていかないと。

これが去年の記事。22年の下半期ですので、今年じゃないんですよ。


で、こっちが今年に書いた紹介時期ですが、書いたの1月ですのでほぼ去年。



さてここから、23年度に読み始めた中からピックアップしてご紹介。
一年分あるので、分割して順次アップしていく予定。出来れば今年中を目処に。


追放をやり遂げたのでセカンドライフに移行したら教え子が続編主人公たちでした (佐遊樹)
パーティを追放された少女マリーメイアが世界を救う非王道RPG『CHORD FRONTIER』の世界に、追放を言い渡す傲慢なリーダー、ハルートとして転生した主人公。
シナリオの始まりに間に合わせるため死に物狂いで仲間を集め、最強パーティにまでのし上がった後、無事にマリーメイアを追放したハルートは『ざまあ』されないために引退しセカンドライフを楽しもうとする。
とりあえずコネで辺境の冒険者学校に教師として赴任したハルートだったが、彼が受け持った教え子は続編である『CHORD FRONTIER2』の主人公三人組だった。
悪役ロールの次は師匠ロールかよと絶叫しながらも、世界を救ってもらうためにハルートは…>>続きを読む
TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA】の佐遊樹さんが書かれている新シリーズ。カクヨム、ハーメルンでも掲載しているそうです。こういう場合どこの掲載分で紹介したらいいんでしょうかね? 最近は各小説サイトでまたがって公開している事も多いですし。
本作、もう書籍化決まっているみたいですね。相変わらずネジぶっとんだ戦闘システムとその描写がかっ飛んでいて、ドライブ感凄いです。そして、それ以上にぶっ飛んでいるヒロインたちに振り回されているようで、お前が一番やべえんだよ、な主人公追放する悪役ハルート氏。
あと、追放やり遂げたとか言ってるけれど、アフターフォローを蔑ろにした結果自分も追放した子もメンタルめためたになってしまってえらいことになるの、反省しろw
おいどん騎士はちょっと面白すぎた。やたら強いし。



転生したら劉備の弟だった (ほうこうおんち)

本社の無茶振りによって海外勤務を繰り返す中年・金刀卯(かねとう) 二郎。
家族仲は最悪、妻や娘からは不用品扱いされていた。
そんな彼の趣味は「三国志」を読む事。
本の中の英雄たちとばかり親しんでいた彼は、ある日事件によって生命を落とした……筈だった。
目覚めた時、彼は劉備の弟・劉亮叔朗になっていた。
元の時代の書物にしか記述がない劉備の弟や、従兄弟たち親族衆。
そして実際に会った劉備も関羽も、曹操や袁紹も本の中の英雄とは少し異なっている。
劉亮として第二の人生を生きる事になった彼は、自分の知っている歴史とは異なる動きを見せる中、類まれなる武力も無し、兵を指揮する能力も無し、商才も謀略の才能も無しながら、最初の人生で培った知識や技能を活かして、推し武将である劉備の為に頑張ろうと決意するのであった。
定番の三国志モノではあるんですけれど、この作者のほうこうおんちさんって【薩摩転生 〜サツマン朝東ローマ帝国爆誕〜】や【武田信長の野望 〜滅亡して追放された武田信玄五代前の祖先は武田家を復興して大名に復帰するぞ!〜】など物語のベースとなる部分は突拍子もない設定持ってきたりもするんですけれど、肝心の歴史に関してはなかなか見ないアプローチをしつつ、それを物語として非常に面白い大河として描くんで面白いんですよ。三国志自体は今まで無数にこの時代を舞台とした作品あるんですけれど、それだけに描かれる内容も手を変え品を変え濃さも濃淡様々なんですが、本作は劉備に弟が居たら……ひいては彼に後援となる一族が全滅せずに居続けたら、というIFのアプローチでもありつつ、劉亮という主人公が思わぬ形で引き起こす歴史の改変と、彼の目を通して見られるこの時代の著名人たちの思わぬ姿が物語としても面白いのですよー。



魔法祖父ソルグランド 〜TS転生した祖父は魔法少女の孫娘を見守る〜 (永島ひろあき)
類が新たなエネルギーを手に入れた時代。
突如として人類を襲った新たな災害『魔物』。通常の兵器が通じない常識外の災害に対し、人類の希望となったのは可憐であどけない魔法少女達。
命を賭して魔物と戦う魔法少女達だったが、ある日、正体不明、神出鬼没の魔法少女が現れる。


ソレは、なんの因果か、孫娘と同じ魔法少女となった祖父なのだと誰も知らなかった。
TSおじいちゃん! いや、中身がお爺ちゃんという事もあってか少女の姿になることに戸惑いはあっても混乱とか動じたりとかはしないこの貫禄っぷり。ひたすら実の孫とそれ以外の世界中の魔法少女たちも孫みたいな年齢の子供なので、慈愛のオーラが半端ないんですよね。
世界観はまさに世界規模のスケールで、魔法少女たちも各国と魔法の国が全面的にバックアップしている世界戦争状態。まさに地球の危機を前に立ち上がる全世界、って感じで燃えるのですが。
その異界からの地球への侵略に対して、地上より去ったはずの神代の神々、その中の日本の神々八百万の神が密かに人の子らを救うべく総力を結集して誂えた決戦兵器こそが、これがソルグランドなんですね。こういう宇宙や別次元、異世界からの侵略に対して人間の時代となって地上より去っていた地元の神様が戻ってきて力を貸してくれる、という展開なかなか無いんですけれど、これがまた燃えます。
直接の力を行使するんじゃないのですけれど、サポート役の八咫烏とお爺ちゃんのお互いリスペクトしあったコンビがまた心地よく、いい関係なんですよね。



全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。 (雨糸雀)

 ――だからさ、別に片目片足くらいどうってことないって。俺は平気だから。大丈夫だって見捨てないから。償いとかそういうのもいいから。すべて捧げるとか言われても困るから。重い。重いってば!!
ヒロイン全員クソデカ感情がクソデカすぎて、本当にヤバい。ガチ病みだこれ。
超一流冒険者パーティーとして謳われながら、本来のゲーム展開では冒頭に主人公の初登場シーンで無惨に全員惨殺された状態ではじまる、という全滅エンドというかこれ全滅スタートだよね? というパーティーのリーダー・ウォルカが主人公。これも転生モノではあるんだけれど、全滅エンドを回避するための準備期間とか全然なく、記憶が蘇ったのは件の敵モンスター・グリムリーパーに片目片足ぶっ潰されて死にかけになった状態のとき、というこれもうここからどないせいっちゅうところからのスタートなんですよね。いやまじでどないせいっちゅうねん、という絶望的な状況をもう全身全霊魂が摩滅するほどのガチの死物狂いで倒してのけたウォルカ。
問題はここからで、完全に全滅待ったなしの死線の向こう側へ転げ落ちたのを、ウォルカのあまりにもあんまりに凄惨な死闘によってかろうじて引き戻されたパーティーメンバー。死を実感し、絶望に魂を染め上げられ、その上で死を免れ、凄まじい戦いを目の当たりにし、その結果二度とまともに戦えなくなる身体になってしまったリーダーの無惨な姿に……完全に全員脳が焼き尽くされてしまったわけですな。
そりゃもう、病んで病んでえらいことになるヒロインたち。一応普段は見てくれ普通の状態を保ててはいるんですけれど、精神状態やばいのなんの。依存と後悔、罪悪感と使命感でこれがもうメンタルぐちゃぐちゃになってるのが、またこう見ていて……そそる。なんでこんな状態の女の子たちを魅力的にかけるんだ?w
死線をかろうじてくぐり抜けて生き残ったにも関わらず、なんか引き続き断崖絶壁の上で綱渡りさせられているような主人公の危うい環境が、なんか癖になる作品なのでした。
んでこの主人公がボロボロになってまともに戦えない身体になったくせに、そこから新たな剣の領域にたどり着いていっちゃうんですね。それを目の当たりにしてさらに脳が焼かれるヒロインたち。ちょっとこんがり焼きすぎじゃね?




<ハーメルン>から二次創作小説

マージナル・アーカイブス - 子供使い、先生になる - (オーバードライヴ/ドクタークレフ)原作:ブルーアーカイブ/マージナル・オペレーション

元ニートで傭兵隊長、民間軍事の世界で『子供使い』と恐れられたアラタ。
ミャンマーでの戦争を切り抜けた先、彼の次の戦場は―――キヴォトス!?

限りなく透き通る世界で新たなるオペレーションが始まる

ブルーアーカイブ×マージナル・オペレーションのクロスオーバー作品です。

※ヨルムンガンド由来のキャラクタが一部出てきます
【ブルーアーカイブ】やってないんですよ、プレイしてないんだけれど伝え聞く断片的な情報だけでもこれ絶対面白いってわかるんですよね。わかるならやれよって話なんですけれど、これ以上ゲームに手を出す余裕がねえ。唯一ちゃんとやってるFGOですらまだ2部6章途中ですからね。イベント参加するので手一杯で本編進まない。進まなさすぎて、今年のクリスマスイベント参加資格なかったよ! 
でもブルアカ、設定からして絶対好みどストライクなんですよね。とはいえ、大して内容も把握していなくてキャラもわかんない状態なので、二次創作も読んでもわからんだろうなあ、と思っていたのですが。
先生があのアラタとなれば、ちょっと見逃せないですよ? と、ちょっと覗いてみたらドハマリしました。いやこれは、内容の充実度がやべえっすわ。戦闘描写、特にあのイヌワシと称されるアラタのオペレーションの描写がすげえのなんの。いやまじでこの描写密度と緻密さスピード感、凄くないですか? 現代戦のあの複雑怪奇さを余すことなく描ききっている。しかも、このドライブ感がたまんなく痺れる、面白い、がち面白い。





このコミカライズ(漫画化)作品、面白いぞ!!? その5  

一月あいてしまいましたが、まだ続きますその5です。
その前に、前回までの記事がこちら。






お盆休みに合わせて、と思ったのですが随分と遅れてしまいました。おまけに台風通過中だよ!

とりあえずこの3作品をご紹介。

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このコミカライズ(漫画化)作品、面白いぞ!!? その4  

その4です。

今日はガチで仕事で肉体的に疲弊しきったあとに、歯医者に定期検診いったら以前治療した銀歯が外れかけてて、つけ直すことに。
もう今日はお疲れのお疲れなんで、感想記事書くほどの気力体力がもう無いので、週末にあげるつもりだったこっちを書くことにしました。

書いた。

ただただ好きなものを好きだと書くのは疲れてても大丈夫なんだなあ。

というわけで3作品をご紹介。




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このコミカライズ(漫画化)作品、面白いぞ!!? その3  


取り急ぎ、第三回。
出来れば明日には第四回の記事を書きたいけど、取り急ぎ。
取り急ぎなので今回は三作品をご紹介。






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このコミカライズ(漫画化)作品、面白いぞ!!? その2  

……しまった、この企画、やろうと思ったらなんぼでも面白いコミカライズ作品あるぞ。ほんとになんぼでもあるぞ。
当初は作品のタイトルとかだけざっと紹介して終わり、のつもりだったのに、ついつい思わずその作品について語ってしまうじゃないですかー。やばいやばい、終わらんw
その1の方のコメントの返事の方は少しお待ちを。色々とタイトルあげてくださった方、ご紹介くださった方、ありがとうございます♪

というわけで、第二回も四作品をご紹介。ファンタジーに学園恋愛モノに映画のコミカライズと、あれもこれもだなあw


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このコミカライズ(漫画化)作品、面白いぞ!!? その1  


ちょっと息抜きというか、普段のライトノベルの感想記事とは違うのを、まあ気分転換というか気楽になんか書きたいなあ、と前々から思っていたんですが、そろそろ今年も半年経ちますし、ちょいちょい見切り発車ですが初めてみましょうか。

コミカライズ作品であります。今、まさに全盛期というか、出版各社が力入れているのがこの小説、特にライトノベルなんかを原作にした漫画化作品ですね。
昔は原作小説のオマケみたいな扱いで、それこそ普通の漫画作品として読めるだけのクオリティに届いていなかったり、原作小説のダイジェスト版みたいな感じでこじんまりとまとめられていたり、とほんとに原作が好きな人がアイテムとして集めるための商品って感じだったのですけれど。
いつぐらいからですかね。原作の醍醐味を見事に漫画という媒体に変換して、これが見たかったんだよ! と言わせてくれるような作品がどんどんと出だしたのは。
小梅けいとさんの【狼と香辛料】あたりかなあ。
近年では原作とは別のステージで傑作の領域にまで駆け上がる作品も珍しくなくなり、より原作を掘り下げる形だったり、別の視点から観点を広げたり、よりわかりやすく或いは漫画という媒体ならではの表現でアプローチしたりと、ほんと面白い作品増えてるんですよね。
ってか、少なくない月刊系漫画雑誌の大半が今、原作ありのコミカライズ作品なんじゃないだろうか。

今回はそんなこのコミカライズは面白い! という作品を何度かに渡って紹介していきたいと思います。週一くらいのペースで?

まずは一回目。

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ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2022年下期 に投票します。  

ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2022年下期 に参加させていただきます。


取り急ぎ。
うまいこと★4つ半と★5つで十作が埋まってくれました。これくらいが丁度いい塩梅なんですなあ。って、去年とまったく同じ事言ってるぞ!?
新作がだいたい一冊完結の単発っぽいのがなかなかつらい。いや、それらはそれだけ完成度高くて満足度高い作品という事なんですけどね。
新シリーズで【貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士】は続いてくれそうなのだけど、超推し推し推しだった【頭流星女】もう打ち切り決まっちゃったみたいで意味わかんない!と発狂するはガチ落ち込むわしてるんですが、投票はしますもちろん。



<現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 4>
  二日市とふろう/景 オーバーラップノベルス

【22下ラノベ投票/9784824001658】
感想はコチラ


<TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 7 ~ヘンダーソン氏の福音を~>
  Schuld/ランサネ オーバーラップ文庫

【22下ラノベ投票/9784824003355】
感想はコチラ


<恋人以上のことを、彼女じゃない君と。>
  持崎 湯葉/どうしま ガガガ文庫

【22下ラノベ投票/9784094530964】
感想はコチラ


<魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 16>
  手島史詞/COMTA HJ文庫

【22下ラノベ投票/9784798629858】
感想はコチラ


<わたし、二番目の彼女でいいから。4>
  西 条陽/Re岳 電撃文庫

【22下ラノベ投票/9784049144017】
感想はコチラ


<TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA 嫌われ追放エンドを目指してるのに最強無双ロードから降りられない>
  佐遊樹/ぬくもり エンターブレイン

【22下ラノベ投票/9784047368101】
感想はコチラ


<小説が書けないアイツに書かせる方法>
  アサウラ/橋本洸介 電撃文庫

【22下ラノベ投票/9784049144581】
感想はコチラ


<貞操逆転世界の童貞辺境領主騎士 1>
  道造/めろん22 オーバーラップ文庫

【22下ラノベ投票/9784824002662】
感想はコチラ


<継母の連れ子が元カノだった 9.プロポーズじゃ物足りない>
  紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫

【22下ラノベ投票/9784041119549】
感想はコチラ


<わたしはあなたの涙になりたい>
  四季大雅/柳すえ ガガガ文庫

【22下ラノベ投票/9784094530810】
感想はコチラ

2022年 年間ライトノベル・ベスト  

令和4年。個人的にも激動の年でした。前年も大変だったと思ってたんですけれど、まさかそれ以上になるとは。参った参った。今年はちゃんと初詣行った方がいいですね、これ。厄払いしないと。

というわけで令和4年の読書量は前年の334冊から335冊とほぼ変わらず横ばい。ただ漫画単行本がその内63冊なので、マンガ本以外の読了数は274冊から272冊と微減になったのか。それでもまあ横ばいでした。
感想記事数も、まとめ記事込み込みですが287から285と微減。とりあえず現状維持できたのは良かったです。

ちょっと気になってとりあえず12月分だけですが調べてみたのですが、だいたい自分の感想は2000文字から3000文字までくらいの分量で書かれているみたいです。やっぱり面白いと筆も乗るのか分量増えるみたいですね。12月で一番多かったのは【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変】で3618字。引用文とかタグの文字数抜きですよ、もちろん。
まあお陰で書くのに一時間以上かかるのは毎度ですし、量産は難しいですよね。休みの日で暇があってよしやったるかーとやる気気力ある日でも、近年では3本書いたらもうムリーってなりますわ。
もっとこう、ダダダダダダと30分くらいで一気に書きあげられるようになったら記事数も増えるでしょうし、本の読了数も増えるんでしょうけれど、まー今ではこのへんが限界一杯でしょうね。
数年前とか300余裕超えてたときはどうやってたんだろう。まあその頃は他にやることもう少し少なかった気がするので時間に余裕があったんでしょうね。ちなみに一記事あたりの文字数はそんなに変わらなさそうでした。どれだけ書くかについては、書きたいだけ書くという方針は一切曲げたことないので、そうだろうなあ。いやマジでどうやってこれだけ書いてたんだろう……w


さて、前回の同じ年間おすすめライトノベルの選出記事です。


以下、令和4年に読んだ本から、特別面白かった作品をピックアップ。
書籍タイトルのリンクから、各感想記事へと飛べるようにしております。


五つ星☆ミ


HJ文庫


【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 14】  手島史詞/COMTA

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
愛で力定例会という名前の実質短編集ともいうべき巻なんだけれど、それぞれのカップルにスポットが重点的に当たる分、普段よりも愛で力が増してすらいるので、ニヤニヤするあまり顔面崩壊しそうな勢いの満点五つ星でありました。


電撃文庫


【わたし、二番目の彼女でいいから。2】  西 条陽/Re岳

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
決して実らぬ恋であるからこそ、二番目でいいと決めたはずなのに、恋の情熱は理性の堰を簡単に押し流していく。もうなんか凄かった、としか言いようがない、ずぶずぶと沼に沈んでいくような恋愛模様でありました。


【わたし、二番目の彼女でいいから。3】  西 条陽/Re岳

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
すごかった。もうなんというか凄かった。
本心を隠さず嘘をつかない、思うがままに感情を迸らせる。全部ダイレクトアタック。それがどんな嵐のような激流をもたらすのか、嫌というほど思い知らされた。傍から読んでるコチラからですら疲弊著しいのに、当事者たちの精神の削りっぷりは如何ほどなるか。剥き出しの自分を曝け出してぶつけ合う乱打戦のオール修羅場。ひたすらに凄かった。


【わたし、二番目の彼女でいいから。4】  西 条陽/Re岳

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
アバババババババババ(白目
も、もう駄目だーーー!! ガチでこれはもうダメだーーー!!
完全にヤバいです。ヤバいなんてもんじゃないくらいガチでヤバいです。もうやだーー!! 
これ読んで、どんな顔したらいいですかね?→笑うしか…ないんじゃね?


【恋は双子で割り切れない 3】 高村 資本/あるみっく

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
昨今隆盛となっている泥沼修羅場系と比べるとびっくりするくらい健全に見えるけれども、こちらも十分ドツボにハマった三角関係なんですよね。双子は既に自ら関係の変化を促した上で、今現状維持に努めた上で判断を主人公へと投げ渡した。さあどうする?と決断を迫るラブコメである。



TYPE-MOON BOOKS


【ロード・エルメロイII世の冒険 3.彷徨海の魔人(下)】  三田誠/坂本 みねぢ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
凄い今更も今更なのですが、エルメロイ先生の凄まじい時計塔の勢力図を塗り替えるとすら言われた先生っぷりを改めて思い知らされた感のある話であった、日本編怒涛のエピソードでありました。


MF文庫J


【転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? 3】 紙城 境介/木鈴カケル

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
こうして、世界観は豚のように屠殺されました。
その世は彼女の飼育小屋。かつてのマンションの一室が異世界に変わっただけ。黄金の時代は贋金へと朽ち落ちる。
さあもう一度問いましょう。尋ねましょう。質しましょう。
【転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?】



富士見ファンタジア文庫


【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 21】  羊太郎/三嶋 くろね

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
敵幹部連中との最終決戦総力戦。全部のバトルがラスボス級のスケールだ。こりゃ贅沢、こりゃド派手。こりゃ盛り上がって然るべき。


角川スニーカー文庫


【継母の連れ子が元カノだった 9.プロポーズじゃ物足りない】  紙城 境介/ たかやKi

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
恋の障害、恋敵は他の女の子じゃなく……水斗にとっての人生のおける恋愛の比重そのものだった。
彼の生き方、魂の在り方そのものが愛する人を最優先に出来ない事を理解した時、彼にとってその壁は越えられないものになった。そんな水斗を前に、果たして結女は二人にとっての幸せを結ぶことが出来るのか。そんな危急にして希求の一冊でした。


オーバーラップノベルス


【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 4】  二日市とふろう/景

Amazon Kindle BOOK☆WALKER DMMブックス
桂華院瑠奈の敗北。彼女の未来を守るために、子供である彼女を止めようとする大人たち。彼らの愛情を噛み締めながら、しかし歴史に打ち勝つために彼女は自らの破滅を前提に勝負に挑み続ける。
世界を股にかけた数千億ドル=数十兆円を超える資金が飛び交い、イラク戦争を目前に日本で、アメリカで、政治の季節が訪れる。そして遂にその頭をもたげる、サブプライムローン。すべてを崩壊させる引き金が、今引かれようとしている。怒涛の盛り上がりを見せる仮想経済戦記であります。


こうしてみると圧巻だったのはやはり【わたし、二番目の彼女でいいから。】シリーズでしょう。結局、この年に刊行された3冊全部★5つを献上してしまいました。今思い返しても想像を絶する凄まじい修羅場の連続で、もう何というか凄いという言葉しか今更出て来ない……。


以下には4つ星Dash作品を列挙しております。


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2022年 面白かったウェブ小説ピックアップ 下半期!  

年末ーー、これだ、これ書いていなかった。クリスマス前後あたりで書いておきたかったのですけれど、後回しになっちゃいました。でも、まだ年越していないからOKOK.

前回の記事です。上半期ですね。




<小説家になろう>から

ハズレスキルで追放されたけど【文字化け】スキルが大当たりでした (稲荷竜)

先天スキルと潜在スキルですべてが決まる世界。
ナギはアンダーテイルという侯爵家に生まれ、『授かるだけで将来安泰』と言われる先天スキルを二つも授かった。もう輝かしい未来が約束されている……と思いきや、十五歳の『鑑定の儀』で判明した潜在スキルが【スカ】で家から追放されることになる。
しかし、転生者であることを思い出して【文字化け】で読めなかったスキルを読めるようになった時、人生が一変する……
ハズレスキルからの犧撞嫖将甍枩こΕ侫.鵐織検竺惘爐發痢開幕!

この主人公の話は通じるんだけれど、話が通じてない。話が噛み合ってるんだけれど噛み合ってない感は、さすがこの作者さん、という特筆性なのですが、さらに上の意思疎通が出来てるはずなんだけれど、話が通じない魔王な学園長がフィクサーとして登場すると、このそれまで周りを振り回すことこの上なかったナギさんが振り回される側に回って苦労人ポディションへと移行していくのは何とも微笑ましいものでした。てか、学園長以外全員苦労人ポディションじゃね、これ?


出世レースに負けた私が殺戮サークルの姫になるまで (佐遊樹)

栄光ある騎士団から出向を命じられた主人公が、気づいたらヤバいはみ出し者(魔王の息子・落ちぶれた勇者・無能王子・偽聖女)に囲まれて王国史上最強最悪の暴力集団を率いるに至るまでのお話。
※ただし対人暴力装置として頂点に君臨するのは主人公とする

【TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA】の作者さんの新シリーズ。主人公のカナメは頭流星女に比べるとかなりマトモだと思うのですけれど、あくまで当社比です。
「お前……理性がありすぎて理性がないように見えるな……」

最終的に暴力、暴力ですべてが解決される!
戦闘シーンは相変わらずキレッキレでめちゃくちゃカッコいい。普段どちらかというと脳筋単純お花畑系なカナメが戦闘となると途端にロジカルモンスターマシンとなるの、ほんとこの作者さん好き。


<ハーメルン>から

乙女ゲーに転生したら本編前の主人公と仲良くなった。(4kibou)

病気で死んで転生した主人公(♂)なんとなくそれなりに二度目の人生を過ごしていたところ、高校受験を目前にした中三の時期にとある少女と出会う。そう――彼が生まれ変わった世界は前世での乙女ゲー。そして出会った少女こそが本編開始前のヒロインちゃんだった!ゲームだと名前も影も形もない転生主人公くんだが、次第に乙女ゲーのヒロインちゃんと仲良くなっていってしまい……?

これ、あらすじだと男の子の方が主人公に見えるけれど、実際はヒロインちゃんの方が本編主人公ですよ、絶対! ひたすらに主人公の肇に翻弄され続ける渚ちゃん。途中から加速度的にラブコメ濃度がマシマシになっていくのですが、その濃度上昇とともに渚ちゃんの赤面度がえらいことになっていき、物凄い勢いで脳がやられていく渚ちゃんの七転八倒が面白いのなんの、可愛いのなんの。クールヒロイン(爆笑)である。肇の親密になった人に対する距離感が壊滅している根本原因が、実は渚の方にあったりするので、これ思いっきり自業自得なんですよね。出会う前から絡み合っていた二人の知られざる因縁が、鋭く突き刺さる面白い設定だったりして、今年見た中でも指折りのラブコメでありました。



バスタード・ソードマン(ジェームズ・リッチマン)

それなりに強力なギフトを持って異世界に転生したものの、モングレルには大きな野望も志もなかった。
やろうと思えば強い魔物も倒せるし、世界を揺るがす先進的な知識もないことはない。
だが、そうして活躍することによって生まれる軋轢やトラブルを考えると、保身に走ってしまうのが彼の性格だった。
ギルドで適当に働いて、適当に飲み食いして、時々思いつきで何かをする。
これは中途半端な適当男の、あまり冒険しない冒険譚。

昨今、スローライフを標榜する作品は多々あるんですけれど、ここまでガチで偽りなくスローライフに徹している作品ってなかなか見たこと無いかも。あくまで一介のギルドマンとして、いや結構名物男として知れ渡ってはいるんですけれど、大きな事件などに首突っ込んだり強大な魔物に挑んだり、なんていう冒険もせず、変な発明に勤しんだり、馴染みのギルドマンたちとどんちゃん酒場で騒いだり、新米ギルドマンがやるような肉体労働に勤しんだり、とほんとふつーの冒険者の日々が描かれるんですが、これがもう面白いんだ。変にでっかいイベント、大冒険がなくてもこれだけ物語って面白く出来るんだ、という逸品ですわ。今度書籍化決定したみたいで、おめでとうございます。


捕食者系魔法少女(バショウ科バショウ属)
捕食するのも、苗床にするのも、お前たちだけの特権と誰が言った?
この作品紹介文が端的ながら素晴らしくイカしてると思うのですよ。
エロゲ系魔法少女モノの世界観がベースとなっているわけで、当然敵の勢力というのは、異界から侵攻してくる魔物たちであり、人間や魔法少女たちを捕らえては文字通り食料として捕食したり、繁殖のための苗床としてしまう、知性ありながらも邪悪極まる存在なのですが……主人公の魔法少女はあらゆる種類の虫を巨大化させた上で眷属として運用し、それこそ逆に魔物たちを虫たちによって殺戮し、捕食させ、苗床にして総数を増やしていくという敵方のお株を奪うような戦い方で、他の魔法少女たちとは一線を引きつつ、しかし凶悪な戦い方とは裏腹にクレバーながらも人の守り手として戦う異端の魔法少女なのである。更新ペースは遅めなのですが、アプローチの仕方が非常に面白い作品です。



他、ハーメルンでは二次創作小説だと、このあたり読んでるかな。

世界掲示板】(Muv-Luv)
緑礬の錬金術師】(鋼の錬金術師)
ただし賢者の石は尻から出る】(鋼の錬金術師)
NTロリ娘。】(機動戦士ガンダム)
シン/機動戦士ガンダム】(機動戦士ガンダム)
WBクルーで一年戦争】(機動戦士ガンダム)
宇宙開発企業なんですけど!?】(Muv-Luv)
サツマンゲリオン 〜 碇シンジが預けられた先が少しだけ特殊だった県/件】(エヴァンゲリオン)
盟主に気に入られちゃったし三馬鹿が美少女だった(仮題)】(ガンダムSEED)
偽書・銀河英雄伝説】(銀河英雄伝説)
とある黒猫になった男の後悔日誌】(ONE PIECE)
お辞儀様の娘はTS転生人外幼女】(ハリーポッター) 
転生チート吹雪さん】(艦隊これくしょん)
解説の宮永さん】(咲)

2022年 面白かったネット小説ピックアップ 上半期!  


しばらく忙しくて余裕なかったので、7月の中盤まで食い込んでしまいましたけれど、半年ごとに記述している今年前半に出会った面白いウェブ小説の紹介をさせていただきたいと思います。

これが前回の記事です。記事数4つあるのですが、全部へのリンクがある四番目を取り敢えずここに。




<小説家になろう>から

百合ゲー世界に、百合の間に挟まる男として転生してしまいました (とまとすぱげてぃ)

――百合の間に挟まる男は死ね

そんな言葉がまかり通る百合ゲー世界『Everything for the Score』に転生してしまったヒイロ。

百合好きのヒイロにとっては、理想の世界のようにも思えたのだが……徐々に、彼は、その実態を知る。

そこは魔法が存在する現代日本、スコアが全てを支配するファンタジー世界。

その世界は、素行、活躍、社会貢献度から布団の畳み方まで、ありとあらゆることが評価され、政府から付けられる『スコア』が序列を決めるカースト世界だった。

男であると言う理由だけで、0点を付けられて、理不尽に迫害され続けるヒイロ。しかも、彼は、男のお邪魔キャラとして悲惨な死を宿命付けられていた。

迫りくる死亡フラグをどうにかしようと、力を求めて魔法を鍛えて、ゲーム知識を最大限に活用し、策謀に次ぐ策謀を繰り返すうち……百合ゲーの筈なのに、お邪魔キャラの彼は、ヒロインたちに囲まれていて。

「……あれ? 百合は?」

コレは、お邪魔キャラの筈だった男が、別の意味で百合ゲーを破壊するまでの話。 
今年出会った中で最大のヒット作。こよなく百合を愛し百合に挟まる男を憎悪しながら、何故かナチュラルに百合の間に挟まってしまう主人公。でもこいつ本当に男前なんだ。ヒロインたちを見舞う理不尽に、絶望に、敢然と立ち向かい真っ向から打ち破るその姿がめちゃくちゃかっこよくて、こんなん惚れてしまうやろう! 不倶戴天となる<百合殺し>の魔神との連理比翼の相棒関係がこれまた良くてねえ。不倶戴天なのに連理比翼とはナンゾやと思うかもしれないけど、ほんとこうなんだよw
だいぶ後になるますけど、三寮戦はマジでアドレナリンどばどば出まくるほど燃えまくった。
今度書籍化することが決まったそうで、本当に本当に本当に楽しみです。



守護霊(?)は鎌倉武士 (ほうこうおんち)

幽霊の寿命はおよそ四百年……そんな常識を覆した八百年近く前の武士の霊。
それがひょんなことから守護霊となってしまった主人公・皆川ユウキ。
鎌倉時代の武士の霊は、霊の世界でも常識が違う。
行く先々で、出くわす浮遊霊や地縛霊の首を取り歩く。
理由は「わしと目が合ったから」。
成仏出来ない霊が、更に理不尽な目に遭って、募る無念。
それを背負わされるユウキは
「早く何とかしないと!」
と、この強力な霊対策を急ぐのであった。
鎌倉武士の世界レベルの蛮族っぷりは近年有名になってきていますけれど、そんな鎌倉武士が半ば神格化して押しかけ守護霊として居座ったら、というなんか別のベクトルで怖すぎるホラー作品でした。一時期ジャンルをコメディにするか悩んではったくらいに愉快な作品でもあるんですけど。狩ってきた悪霊やら妖怪やらの首を腰に吊るそうとしてくるのやめてあげてww 最初の方に激闘の末に討ち取られた八尺様の生首が、ぽぽぽぽしか鳴かないあのになかなかお茶目なレギュラーキャラになったのとかほんと好き。
すでに完結しているのですが、最後まで鎌倉武士やりたい放題の痛快ホラー?でありました。




湖北の鷹 ―新生浅井伝― (一代 半可)

織田信長が桶狭間の奇跡を起こしたその年、近江でも三倍以上の敵を破る奇跡を起こした若武者が居た。
名を、浅井長政。

やがて両雄は出会い、手を結び、袂を分かち、天下を巻き込む決戦に至った。
史実が示すその結末は、浅井長政の敗北と浅井家の滅亡だ。

何の因果かそんな浅井長政としての一生を歩み始めていた男は、未来の知識と共に破滅の未来に勝負を挑む。

これは、存在しないはずの未来の知識を持って新生する、浅井長政の伝記――新生浅井伝である。
最近の歴史ジャンルでは一番好きな作品かな。主人公の長政含めて、登場人物がガッツリとキャラ立っているんですよね。織田信長と盟を結ぶまでの若かりし頃の近江での奮闘も丁寧に描かれていて、大名として権力を集中できずに国衆の取りまとめに苦労している所などもしっかりテーマを定めて描かれていて、浅井家の成り上がり故の不安定さも描写されていて読み応えもあるんですよねえ。



<ハーメルン>から
TS衛生兵さんの成り上がり (サンキューカッス)

TSしたFPS廃人が、異世界ファンタジーな戦争に巻き込まれる話です。
残念ながらチートとかは貰えなかったので、雑兵としてコツコツ努力していきます。
主人公の少女のFPS廃人の能力は本当になかなか使われる場面はなくて、ガチで一番最下級の兵隊、衛生兵という立場から泥を啜り血に塗れ、むごたらしい塹壕戦を理不尽な暴力に見舞われながら生き残っていく、という迫真の戦場小説なんですよね。
彼女のFPS廃人としての際立ったセンスは、本当の本当にやばい此処ぞという時に発揮されるのですけれど、基本衛生兵として味方を生き残らせる戦いに終始するのである。生き残り続けた彼女はやがて一兵卒としての衛生兵から出世もしていくのですけれど、戦場という場所に夢も希望も誉れも何もないただただ地獄の吹き溜まり、という生々しさを存分に味わえます。そんな中で必死に生き残ろうとする兵士たちの命の輝きを垣間見る読み応えのある物語でした。




<カクヨム>から
銃機世界の武術無双 (八針来夏)



《破局》による危機的状況を乗り越えた世界。
サイボーグ技術や強化スーツなど、科学の恩恵を受けられない裸野郎(ネイキッド)の青年、ユイト。
ある切っ掛けから離れ離れに暮らしていた『嵐の騎手』と仇名され、人類最強の雷撃能力を持つ双子の兄レイジ、彼の護衛であり初恋の人アウラと再会する。

 最悪の形で終わった初恋と兄との決別を経て、生体強化学の秘奥、『雷霆神功』は完成した。
 無力の日々を投げず腐らず鍛えた古代武術の力を手に、銃と科学の世界を無双する!!
「電磁発勁」ってな感じの単語に魂震わされる人は是非にご照覧あれ。
作者はかつて【覇道鋼鉄テッカイオー】でデビューしたライトノベル界隈では屈指の辣腕を持つ武侠小説家。その八針さんの手掛けるサイバーパンク世界における侠に生きる男女たちの武侠アクション小説ときたら、そりゃもう熱く痺れて咽び泣く物語になるというもの。
序章はちょっと登場人物全員鬱々していてなかなかテンションあがらないのですけれど、主人公のユイトが気持ち一新して新たに生きていく意思を持ち、またメインヒロインと出会う一章からが本番、ここから激烈に面白くなってきましたわ。




前回、去年の後半分で紹介させていただいた作品も、相変わらず面白いというかすっげー盛り上がってる所に突入したりしているのもあるので、そのままオススメ中です。
特に【非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものはなんですか?】と【異世界転生して騎士になった僕(男)は、メスオークどもからくっころを強要されていた。】はめちゃめちゃおもしろい所突破しています。
伝奇世界の悪役令嬢※90年代からきました】なんかは好き度がどんどんヒートアップしていますわー。

そして今一番大好き!と言っても過言じゃない【TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA】はついに書籍化決定、ってか8月末にもう発売決定して表紙も公開されてるし! マリアンヌがマリアンヌしてるぅ!!
そして【貞操逆転世界観童貞辺境領主騎士】もオーバーラップ文庫から8月に書籍化決定。あの人食い王女がどんなデザイン成ってるのかめっちゃ楽しみなんですけど!



ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2022年上期 に投票します。  


ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2022年上期 に参加させていただきます。


あかん、締切直前になってしまいました。もっと早くやるつもりだったんですけれど、しばらく修羅場ってて全然余裕なかったんですよね、特にこの一週間は……マジ疲れた。
今回も前回と同じく、★4つ半と★5つでピッタリと10作埋まってくれました。
本当はロード・エルメロイII世の冒険とか入れたかったんだけど、あれISBNないんだよなあ。あとは、去年以前に刊行されていた作品だったり。
どうしても、同じシリーズの作品を取り上げてしまいガチなんですが、しょうがないよなあ。好きなライトノベル、面白いライトノベルを選ぶ企画なんですから。
そんな中で【魔術師クノンは見えている】と【魔王と勇者の戦いの裏で】は期待の新作、新シリーズです。



<魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 14>
  手島史詞/COMTA HJ文庫

【22上ラノベ投票/9784798627038】
感想はコチラ
愛で力定例会という名前の実質短編集ともいうべき巻なんだけれど、それぞれのカップルにスポットが重点的に当たる分、普段よりも愛で力が増してすらいるので、ニヤニヤするあまり顔面崩壊しそうな勢いの満点でした。



<恋は双子で割り切れない 3>
  高村 資本/あるみっく 電撃文庫

【22上ラノベ投票/9784049141405】
感想はコチラ
最近流行りの不健全不道徳系の三角関係モノと比べるといっそ健全とすら言えるんだけれど、幼なじみの双子との拗れ方というかハマり方が幼なじみ故、双子故というドツボにハマってしまっているのがまた面白いのだ。双子は既に自ら関係の変化を促した上で、今現状維持に努めた上で判断を主人公へと投げ渡した。さあどうする?



<継母の連れ子が元カノだった 8.そろそろ本気を出してみろ>
  紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫

【22上ラノベ投票/9784041119532】
感想はコチラ
これに関しては最新刊が最高傑作、という覚醒ターンに入り始めているのですが、着々と決着に向けて個々人の解析度が極まってきている。かつて好きになって、一度好きでなくなり嫌いになって、そうして家族になってもう一度改めて好きになった。と、そこで終わりじゃないそこからが本番という二人のリ・スタートなんですよねえ。



<サイレント・ウィッチ III 沈黙の魔女の隠しごと>
  依空 まつり/藤実 なんな カドカワBOOKS

【22上ラノベ投票/9784040743752】
感想はコチラ
掴みどころのなかったフェリクス王子の心のあり方が見えてくる第三巻。ようやくここで、王子がこの物語におけるモニカにとって一番大きな影響を受け、与えられる相手となる人物だと思えてきた。
人を避けることで最強の力を手に入れた魔女が、人と関わり続けることで今、新たな成長を迎えている。それは果たして、魔女としての成長にも繋がるのか。



<TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 5(下)~ヘンダーソン氏の福音を~>
  Schuld/ランサネ オーバーラップ文庫

【22上ラノベ投票/9784824001085】
感想はコチラ
WEB版の連載がダイジェストだったっけ? と思わず振り返ってしまうほどの濃密な加筆がされた書籍版。アグリッピナ氏の受難と、ただでは転ばぬお前らも巻き添えじゃー、という陰謀暗躍大暴れの回でありました。見所は表紙にもなっている百足娘さんの活躍というか殺し愛増量版とアグリッピナ師ルートのヘンダーソンスケール2.0。ある意味エーリヒ沼にハマった場合、一番ヤバいのこのピナ師なのかもしれません。



<魔術師クノンは見えている>
  南野 海風/Laruha カドカワBOOKS

【22上ラノベ投票/9784040744056】
感想はコチラ
どこか神秘的な人物像を伺わせる表紙のデザインから連想されるクノン君とは裏腹に、その実像は軽薄陽キャなお調子者の盲目魔術師のスチャラカなノリの楽しい日常。ハンデにメンタルを引っ張られずに、生き生きと日々を謳歌し、家族と笑い友人たちと遊び、師と学び魔術に耽溺する。
読んでてこっちまで元気になってきそう、楽しい作品でありました。



<転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? 3>
  紙城 境介/木鈴カケル MF文庫J

【22上ラノベ投票/9784046812957】
感想はコチラ
世界はこうして屠殺されました。世界観は踏み躙られ、絆は弄ばれ、愛情は飴玉のようにシャブラれて。そう、ここからが本物の地獄だ。そしてまだ、地獄すら生易しい悪夢のような現実には、覚めてすらいないのだ。



<魔王と勇者の戦いの裏で 1 ~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~>
  涼樹悠樹/山椒魚 オーバーラップ文庫

【22上ラノベ投票/9784824001276】
感想はコチラ
これは無茶苦茶面白かった。直接魔王とその幹部たちと戦い勇者一行。それ以外全部を引き受けて八面六臂の活躍を見せ、勇者を支援する主人公。前線指揮官として、作戦参謀として、軍政家として、実務官僚として、財務家として、元々儀礼を司る文官の家柄ながら本人の勲功で実権を振るうポディションについて、あらゆる分野で実績を残していくのである。ビスマルクと大モルトケのハイブリッドかよ、という逸材である。勇者ともガチの親友で、彼をサポートするため、という目的もしっかりしているのもいいんですよねえ。


<わたし、二番目の彼女でいいから。3>
  西 条陽/Re岳 電撃文庫

【22上ラノベ投票/9784049142327】
感想はコチラ
すごかった。もうなんというか凄かった。
二番目でいい、と言えなくなった少女たちの闘争。
本心を隠さず嘘をつかない、思うがままに感情を迸らせる。全部ダイレクトアタック。それがどんな嵐のような激流をもたらすのか、嫌というほど思い知らされた。傍から読んでるコチラからですら疲弊著しいのに、当事者たちの精神の削りっぷりは如何ほどなるか。剥き出しの自分を曝け出してぶつけ合う乱打戦のオール修羅場。ひたすらに凄かった。



<ロクでなし魔術講師と禁忌教典 21>
  羊太郎/三嶋 くろね 富士見ファンタジア文庫

【22上ラノベ投票/9784040745794】
感想はコチラ
敵幹部連中との最終決戦総力戦。全部のバトルがラスボス級のスケールだ。こりゃ贅沢、こりゃド派手。こりゃ盛り上がって然るべき。これが前哨戦というのを完全に忘れてた。

2021年 面白かったネット小説ピックアップ 下半期! その4  

もうちょっとだけ、続くんじゃよ。

過去三回の記事がこれらです。






<小説家になろう>から

泡沫に神は微睡む (のら)


この世界に産まれたものは、必ずその身に精霊を宿す。
 いかなる生物であろうと例外なく、精霊は宿るはずであった。

 しかし、高天原と呼ばれる島国で武家の長男として生を受けた雨月晶は、精霊を宿さずに産まれたため、家族から疎まれ、ついには故郷から追放されてしまう。

 それから3年、晶は故郷から遠く離れた南の地で、穏やかに日々を営んでいた。


 だが、平穏な日々は終わりを告げ、晶は自分を知る旅へと、一歩、足を踏み出す。


 一話の文字数が大体5000超あります。
 是非とも、読んでいただいたら嬉しいです。
いわゆる追放モノを題材とした作品で、話の流れそのものはベーシックと言ってもいいと思うんだけれど、同じ素材を使っても料理法というか書く人によって面白さって全然違ってくるんですよね。
ってか、めちゃくちゃ面白い! 知らず物語に、世界観に没頭してしまうほどの濃密さ。心情描写も、主人公が実家から虐げられ挙げ句追放された事でどれほど傷つき苦しみ、そんな中で与えられた僅かな暖かさにどれほど助けられ、身一つで追放されて生き足掻いてきたか。主人公の生き様に引き込まれていくんですよね。
その上で、和風ファンタジーの世界観がまた重厚で味わいぶかく登場人物の描写や動向も緻密というか自然な中に躍動があって、いいなあこれこそ本格ファンタジーですよ。
まだ一章が終わって二章がはじまったばかり、という始まって間もないタイミングも良かったです。おすすめ。




転生!? 蛮族令嬢! (✝漆黒の陽炎✝ )

容姿端麗頭脳明晰、膨大な魔力と公爵令嬢という地位にも関わらず奢らずに謙虚であり、その立ち振る舞いから完璧な公爵令嬢と呼び名の高いアンジェリーク・フォン・ザクセンは、ある日突然、前世を思い出しました。
 前世を思い出した彼女は思いました。人を選べば好きなだけ斬りたいほうだいなんて、なんて良い世界に生まれ変わったんだと。

 なんということでしょう。
いやもうホントになんということでしょうw と嗤うしか無い蛮族なんですけど。首狩族か、血を頭から浴びるのを幸いとする蛮人なのか、いきなり脳みそが戦闘脳を通り越して確かに蛮族としか言いようがない様に成り果ててしまうのも面白いのですが、その上で頭脳明晰で貴族としての気品と聡明さも喪っていないので、ちゃんと麗しの貴族令嬢と蛮族を不可分に融合させてしまってるんですね。
ただその御蔭で普段は貴族令嬢らしくしているのに、突然謎の蛮族的価値観に基づいて動き出すので周りからすると油断も隙もないというか精神的なダメージが半端ないというか、突然家から飛び出したと思ったら盗賊の生首持って帰ってきて戦果として見せつけられたお父様、心中お察ししますw
とにかく、彼女の巻き起こす騒動に毎度阿鼻叫喚となるさまがほんと、面白いw



2021年 面白かったネット小説ピックアップ 下半期! その3  


前2回の記事がこちらになってます。



引き続き三回目。



<小説家になろう>から
非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものはなんですか? (色付きカルテ)
『世界は無色。薄っぺらくて淡白で、とてもつまらないものですよ』――――なんて。
そんな中二病を卒業したばかりの佐取燐香は“人の心が読めたりする”少し死んだ眼をした花の女子高生。黒歴史を撒き散らした中学時代とは一転、高校では普通に過ごすと決意するが、そんな彼女の想いとは裏腹に非科学的な力が関わる事件が連日世間を騒がせていた。身の回りで頻発する犯罪事件の数々に、ついには彼女の隠していた特異性はバレ始め、非科学的な力が関わる事件に協力することとなっていってしまう。

妹のツンデレすら悟れない悪特攻持ちポンコツ系主人公による現代無双もの
現代を舞台にした異能モノの中でも出色白眉の作品がこれでした。
異能も超能力もオカルトの範疇。世間ではそんなもの存在しないとされている当たり前の世界。しかし、そんな中で明らかに非科学的で常識では考えられない事件が起こり始める。
佐取燐香は異能者だ。しかし、そんな世間で起こりつつある騒ぎとは距離を置き、コミュ障を拗らせながらも家族と平和に暮らそうとしていた。ひょんなことから、一人の刑事と出会うまでは。
これ、単なる異能バトルものじゃなく、異能の力がフィクションのものとされていた現代社会で、異能者が現実として現れ始め、普通なら起こり得ない現象を、事件を起こし始めたら、というシチュエーションを描く作品でもあるんですよね。だから、彼ら異能者の行いはまず犯罪として扱われるし、真っ先に対処のために動くのは警察となるわけです。
公的な組織を信用していない主人公は、なるべく警察とも関わるまいとするのですけれど、彼女が出会った刑事は過去に大事な人を奪われた事から異能犯罪に執念を燃やしつつ、誠実さと善性を強く備えた好漢であり何より立派な大人であり、佐取燐香はそんな彼個人に信頼を寄せるようになり、彼に協力するようになっていき、と事件に関わるようになっていくのですが。
頭の回転も早くちょっと反則的な異能を持つ燐香なんですけれど、どうにもポンコツな所があってこいつ早くなんとかしないと、というわりとどうしようもない娘なのですけど、非常に魅力的で面白い娘なんですよね。そしてそれを取り巻く人々も、巻き怒る事件も緻密かつ重厚ですごく読み応えがあり、ほんとにグイグイと引き込まれてしまいました。まーとにかく面白い! 



竜と呪いの千回紀 (稲荷竜)

前世を思い出した。
妻と並んで今年から学生寮に入ることになった娘を見送っていた時のことだ。こんな科学技術全盛の時代に思い出したのは、とても現代に続くとは思えない過去のこと━━剣と魔術と、竜の物語だった。
「思い出しましたか」と妻は言った。それでようやく確信した。『ああ、この記憶は、本当にあった俺たちの前世なのだ』と。
だからまあ、もう過去の物語だけれど。今はもう、幸せな結婚生活まで送っているけれど。
俺たちがなにを経てここに立っているのかを、ちょっとすり合わせてみよう。
これは、俺が竜に呪われて、現世で『竜だった人』と結ばれるまでの話。
千回生まれ変わった俺と彼女と、呪いの話だ。
稲荷竜さんは毎度ながら、人生というか一人の人間の一生涯というものを描かせると、めちゃくちゃ抉ってくるんですよねえ。生々しいというか無常観があるというか、人が生きて生きて死ぬ、という事の当たり前さ、平凡さを突きつけられて、何がしかのダメージを負ってしまう。
その過去を思い出した男とその妻にとって、それは全部終わった話。今の彼らは、ただの人間の夫婦で、子供を持つ親に過ぎない。特別なことなどなにもない平凡な幸せを享受する二人の、そんな平凡を手に入れるまでの永い永い幾つもの生涯のお話だ。


小物武将、木村吉清 豊臣の天下で成り上がる! (旧題)マイナー戦国武将に転生したのでのんびり生きようと思ったら、いきなり30万石の大名になってしまいました (田島はる)

【奥州動乱編】
木村吉清に転生した主人公。小田原征伐ののち、彼に与えられた領地は旧葛西大崎領だった。のちに葛西大崎一揆により改易されることを知り、吉清は一揆回避のために奔走することとなる。

【豊家斜陽編】
「明へ攻め込むぞ」そんな秀吉の号令から端を発した文禄の役。吉清に与えられた役割は、高山国(台湾)への派兵だった。瞬く間に沿岸部を制圧すると、現地の倭寇を従え、明の沿岸部で経済活動(略奪)を始めるのだった。世はまさに、大海賊時代!!
明らかにその性根は小物。臆病で小心者で卑しく欲が深くお調子者、でもだからこそ人を見捨てられなくて情に流されて譲れないものを胸の奥に抱えている、そんな木村吉清こそ小物界の大物である。
こすっからいくせに、いざとなると大胆に大勝負打つわ自重せずにやりたい放題手をのばすものだから、いつの間にか日本列島外にやたらと領土増やしてくんですよね。それでいて、伊達政宗と大人気なく喧嘩したり、賄賂ばらまいてウハウハしたり、小物ムーブを欠かさないところがむしろ愛嬌になってて面白い人物になってるんですよね。あれで自分が小物であるという自覚はあるので、部下や配下にも気遣いや配慮を欠かさないので、あざといくらいなんですけど皆からは結構慕われていますし、なんだかんだと情にも厚いので敵も多いが味方も多い。土地に縛られる戦国大名とは一線を隠した視点から、やがて徳川家康と勢力を二分する大勢力へと育っていき、あのたぬきを度々ぎゃふんと言わせるところなんぞ、実に痛快、カタルシスを感じさせる戦国絵巻になっております。


生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします (雪国竜)

生まれた時から難病で|白河《しらかわ》|脩《しゅう》は成人まで生きられないと医者に診断されていた。
 その為、毎日を病院で本を読んで過ごしていた。病状が悪化しあっけなく死んでしまう。
 気が付くと自分が赤ん坊になっており、更に自分が曹操の息子の曹昂になった事に知る。
 本を読んでいたので、自分が宛城の戦いで死ぬ事を知る。そんな未来を回避する為に前世の知識を活かして生き残る事を決める。
 この話は三国志演義に準拠します。ノベルアップにも投稿しています
歴史ものからもう一つ。若くして父曹操の人妻好きが原因で父を庇って戦死してしまう(マジです)曹操の嫡男曹昂に転生した主人公。本作でも曹操の人妻好きは特にピックアップされていて、正妻となる夫人に毎度怒られる曹操ってば、ただのエロオヤジである。でも、そういう曹操の人間味あるところがまた魅力なんですよね。才を示す長男を可愛がりつつも、このおっさんならいざとなったら正史のように息子置いて逃げ出しかねんなあ、というところありますし。いい味出してるおっさんなんだよなあ。
よくある歴史ものにあるように、前世の記憶を元に色々と発明し名声を高めていく曹昂ですけれど、彼も父に似て、というとあれですけれど、なかなかの女殺しの所もあり、軽妙で愛嬌があって見ていても面白い人物なんですよね。また料理好きでもあり、なんでかわりと多めにグルメパートがあって曹昂が作った新作料理に曹操陣営は宴会で大騒ぎするシーンが。
プリンに果たしてカラメルは必要か不要か。羊羹の餡はこし餡か粒餡か、など毎回2つの陣営に別れて喧々諤々の激しい論争が巻き起こるのは、ある意味平和なんでしょうか。


<ハーメルン>から
貞操逆転世界観童貞辺境領主騎士 (道造)

タイトルまんま。

異世界転生して騎士になった僕(男)は、メスオークどもからくっころを強要されていた。 (寒天ゼリヰ)

ミリオタを拗らせすぎて軍人になり、見事出世ロードに乗ることに成功した主人公。しかし、とある事件をきっかけに非業の死を遂げてしまう。
運よく異世界転生に成功した彼は、第二の人生で再び軍人としての成功を望み騎士となる。しかし、その世界は男が性的に狙われる貞操逆転世界で……
現代軍事知識を武器に成り上がりを狙う主人公に襲い掛かるのはセクハラ女!ストーカー女!ナンパ女!おまけに体目当ての蛮族たち!彼が栄光を掴む日はいつ来るのだろうか……
男と女の社会における立場や役割が逆転してしまった貞操逆転世界。
つまり、家の外に出て働きその腕っぷしと益荒男っぷりで剣を振り回すのが女であり、お淑やかに家庭を守るのが男、という価値観が逆転してしまった世界こそが貞操逆転世界。
それも剣と魔法の世界となれば、兵士や騎士として戦うのは女であり、男の騎士なんてのはこちらの世界の「女騎士」とか「姫騎士」みたいなもので、まあ色物なわけですなあ。
そんな価値観が何もかもひっくり返ってしまった世界観を、かなりガチに描いた上で戦記物として騎士英雄譚として本格的に描いているのがこの2作品であります。
なんか一時期、ハーメルンでやたらと貞操逆転世界モノが出た時期があったんですけれど、この2作品がとびっきりの本物でしたね。男女が逆転した世界観というものも、非常に真剣に描かれていて、もし男女の在り方が逆さまになってたら、というケースを丁寧にアグレッシブに描いているのですが、これがまあ面白わ興味深いわ、よく練られているなあ、と感心するばかり。その上で戦記物としても本格派なので、読み応えも厚いんですよねえ。

2021年 年間ライトノベル・ベスト  


令和3年の2021年。個人的になかなか大変な年でありました。仕事も余計なものが増えて肉体的にも精神的にも疲弊して、家庭内でも家族に大きな病気が発覚し、まあめっちゃ疲れた年だったんですよねえ。
一番キツかったのは、目がかすむようになってきたことですけど。うわーー、ガチで歳だわー(ショック)

それやこれやもありまして、令和3年の読了数は読書メーター記録で前年の381から334冊へと激減しました。ここから漫画単行本60冊を差っ引くと、274冊。前年が344冊ですから、70冊くらい減ってしまったことになります。
ただページ数の多い新文芸を読んだ冊数がだいぶ多くなってるはずなので、その分を換算するともう少し減少幅は少なくなるはずですが、それでも減りましたねえ。

感想記事の方はというと288本。読了数より多くなっているのは、毎月のまとめ記事なども入ってるのと、漫画の方の感想もちょいちょい書いてたからですね。
それでも、前年の341本からすると、だいぶ減ってしまいました。
ちょっと体力的にここから劇的に上昇するのは無理めかなあ、と思うので今年はなんとか現状維持から、微増させて300越えられないかなあ、くらいで頑張っていきたいと思います。


さて、前回の同じ年間おすすめライトノベルの選出記事です。




以下、令和3年に読んだ本から、特別面白かった作品をピックアップ。
書籍タイトルのリンクから、各感想記事へと飛べるようにしております。


五つ星☆ミ


オーバーラップ文庫


【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 3 ~ヘンダーソン氏の福音を~ 】 Schuld/ランサネ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

この3巻で帝都という最も栄え最も混沌とした街を舞台としたシティーアドベンチャーへと突入したことで、ぶっ壊れの勢いで面白さを増していったシリーズでした。ハック&スラッシュの精髄なんだなあ、これ。



角川スニーカー文庫


【継母の連れ子が元カノだった 6.あのとき言えなかった六つのこと】 紙城 境介/ たかやKi

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

「好きってなんなんだ!?」
真剣に苦悶する水斗にいさなが提示する、シンプルな定義。シンプルだけれどこの上ない真理であるそれが、水斗を貫く。モノクロだった彼の感情がフィルムを剥がすように色づいていく姿がとても綺麗なラブストーリーのワンシーン。恋をもう一度、そのリスタートに相応しい回でした。


【転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3】 雲雀湯/シソ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER


今年もっとも甘酸っぱく情熱的で初々しくて微笑ましい、みずみずしい恋をしている女の子と男の子を描いたラブコメがこれでした。幼馴染という関係が、恋によって変わる瞬間。大切の意味が少しずつ変わってくる過程、それを丁寧に優しく甘やかに描ききっていたんですよね。控えめに言っても最高のラブコメでしたよ。


ガガガ文庫


【筺底のエルピス 7.継続の繋ぎ手】 オキシ タケヒコ/ toi8

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

これまでずっと、巻を重ねるごとに絶望のどん底を突き抜けて突き抜けて、そこが底だと思った瞬間にさらなる奈落を見せられる。だがようやく、ようやく見えた希望の切っ先。これまで突き抜けてきた絶望のどん底を、全部吹き飛ばしてくれるだけの質量を持った希望の切っ先、それがこの巻でありました。

【ここでは猫の言葉で話せ】 昏式 龍也/塩かずのこ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

猫はときとして、人の人生を根底からひっくり返してしまう存在だ。その愛らしさが、人を魅了し世界観を改変させる。猫はただ猫であるのみ。その猫に何かを見出してしまうのは人の勝手で一方的なものにすぎない。それでも、猫はそっけなくも人に寄り添ってくれる。その愛情は一方通行ではないと信じてる。だからこそ、人は猫を通じて愛を知ることが出来るのだ。これは、それまで人として生きていなかった人でなしたちが、猫を通じて愛情を覚え、人に戻るまでの本のささやかな物語だ。


電撃文庫


【わたし、二番目の彼女でいいから。】 西 条陽/Re岳

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

それを果たして青春と呼んで良いのか。恋と呼ぶにはあまりにも粘質で、愛と呼ぶにはあまりに重い。しかしだからこそ、それは恋であり愛なのだ。恋愛の湿度も粘度も重量も年齢は関係ない。背徳によって彩られた人を愛するという情念、その熱量とエロスがぶち撒けられた生粋のラブストーリーでありました。


以下には4つ星Dash作品を列挙しております。







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ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2021年下期 に投票します。  


ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2021年下期に参加させていただきます。


取り急ぎ。
うまいこと★4つ半と★5つで十作が埋まってくれました。これくらいが丁度いい塩梅なんですなあ。
ちうわけで、投票させていただきます。よろしくお願いします。



<ただ制服を着てるだけ>
  神田暁一郎/40原 GA文庫

【21下ラノベ投票/9784815611774】
感想はこちら
制服リフレという水商売の世界で生きている、もう子供で居られなくなった大人未満の女性の、それでも幸せになりたいと願い、願うのもどこか諦めていた時に訪れた小さな転機。ライトノベルの中でも一際、しんどい世界を丁寧に描いた物語だと思う。



<継母の連れ子が元カノだった 7.もう少しだけこのままで>
  紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫

【21下ラノベ投票/9784041110447】
感想はこちら
恋人として過ごした時間と、家族として過ごした時間がゆっくりと混ざり始める。好きという気持ちに振り回されず、飾らずにお互いを見つめ直す二人のひととき。
「もう少しだけこのままで」、それは現状維持の逃げ腰の言葉じゃなく、その時が来るまでの醸成の時間のことなのだ、きっと。



<転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? 2>
  紙城 境介/木鈴カケル MF文庫J

【21下ラノベ投票/9784040648064】
感想はこちら
生涯の友となるクラスメイトたちとの出会い。彼らはライバルであり親友であり立ち塞がる壁であり共に手を携え未来に進む戦友だった。彼らこそが運命だった。
神童集結編。それは少年の人生においてもっとも輝かしき黄金の時代の幕開けである。



<現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 3>
  二日市とふろう/景 オーバーラップノベルス

【21下ラノベ投票/9784865549829】
感想はこちら
世界中の諜報機関を狂乱させた核テロの危機に、小さな女王の長い手は封ぜられる。そして、その日が訪れる。2001年9月11日、その日を境にして世界は猛り走りはじめた。
それはあり得たかもしれない現代史。そしてあり得なかった平成という時代を狂奔の渦へと巻き込んでいく桂華院瑠奈の闘争史、その第三段である。



<わたし、二番目の彼女でいいから。>
  西 条陽/Re岳 電撃文庫

【21下ラノベ投票/9784049135831】
感想はこちら
衝撃の問題作、なんて良く言われる文句だけれど、この作品はガチで衝撃だった。もう、物凄い作品が現れたとしか言いようがない、ヤバいくらい不純で倒錯して不健全な、でも懸命に恋をしている、死ぬ気で恋をしている男女の物語でした。ドラマでした。脳内物質どばどばですよ。



<魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 13>
  手島史詞/COMTA HJ文庫

【21下ラノベ投票/9784798625775】
感想はこちら
あっちでもこっちでも愛の力、パワー・オブ・ラブが炸裂しまくる総力戦。バトルバトルしてるのかイチャイチャしているのかよくわからんけど、盛り上がるならそれも良し。ビブロンスのあれもまた、歪んでいるとは言え愛だったんだなあ。



<戦姫アリシア物語 2 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし>
  長門佳祐/あんべよしろう アース・スターノベル

【21下ラノベ投票/9784803015638】
感想はこちら
愉快な頭のおかしいバカどもの饗宴、男も女もバカばかり、楽しい戦争のお時間だ! スチャラカドタバタ戦場コメディ第二弾は、あいも変わらず愛すべきバカどものどんちゃん騒ぎで、ひたすら楽しかった!



<TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 4(下)~ヘンダーソン氏の福音を~>
  Schuld/ランサネ オーバーラップ文庫

【21下ラノベ投票/9784824000002】
感想はこちら
ステータスでもスキルでもなく、レベルもチートも関係ない。すなわち強さとは絶対ではない。
彼らは、遥か次元の違う格上だろうと、斯くの如く倒してみせる。データさえ存在するなら神だろうと殺してみせる。
人はそれをデータマンチと呼ぶ。彼こそが、TRPGプレイヤー。その極を歩む者だ。そんな圧倒的格上との対決でそれを見事に証明してみせた、実に燃える回でした。



<転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3>
  雲雀湯/シソ 角川スニーカー文庫

【21下ラノベ投票/9784041119570】
感想はこちら
今一番甘酸っぱいと言ってもいいんじゃないかしら、このラブコメ。幼馴染に恋をするその過程と関係の変化が丁寧に描かれていく、誰よりも大切な人、の大切さの意味が変わっていく。その甘酸っぱい変化を堪能して欲しい一作でした。



<ここでは猫の言葉で話せ>
  昏式 龍也/塩かずのこ ガガガ文庫

【21下ラノベ投票/9784094530407】
感想はこちら
猫とはすなわち人生である。
猫に癒やされるのも、猫に救われるのも、猫を愛するのも愛されるのも、人の勝手な思い込みだ。勝手に猫に投影しているだけだ。
猫は、ただただ猫である。
だからこそ、人は猫に救われる。猫こそが人を浮き彫りにする。猫を通して人を感じる。
人だからこそ、猫を感じられる。そうして彼女は人たる自分を取り戻す。これはハードボイルドな救いのない世界から、一人の殺人マシーンが猫を通じて人の愛を感じ、ただの少女に戻っていく物語であったのでした。

2021年 面白かったネット小説ピックアップ 下半期! その2  


この紹介記事を書くと、コメントで皆さんご自分の面白いと思った作品を次々と紹介してくれるので、大変ありがたいです。なかなか面白い作品探すの大変ですからねえ。
でもありがたいんですけれど、おかげでついつい読みふけってしまって、やばいくらい時間が消し飛ぶのどうにかなりませんかね? 100話十分くらいで読める速読法とかないですかね?
気がついたら年末年始終わってそうなのですがw
皆さんも時間消し飛べーー。
ちなみにこの紹介記事、あともう一回か二回ほど続く予定です。


<小説家になろう>から
██▚ 現代魔術は異世界をクロールするか : 数理科学による魔術の始め方 ▚██ (▚ Richard Roe ▚)

ジーニアスが、父の所有する魔法書を読んで至った結論は、数理科学、であった。

 精霊という名前の『ラグランジアン密度で規定される物理作用場(スカラー場)』を仮定。状態空間表記される数式は特異値分解SVDを計算することでハンケル特異値が求まり、棄却可能な要素を削れば魔術方程式の計算リソースを大幅に節約可能。
 魔術演算補助アプリケーションを立ち上げ、数理系の工学理論を駆使して、ジーニアスはこの世界唯一の現代魔術師へとなるのであった。

デリカシーーッ!! いやほんと酷い主人公なんですよ。そりゃもう、鬼畜としか言いようがないくらい酷い。どれくらい酷いかと言うと、ヒロインたちとダンジョンに入り、女王アリとキラーアントの軍団、そして触手の化け物とアリの幼虫たちに挟まれて、芋虫に身体を這い回られ触手に弄られて女性陣が悲鳴、絶叫、半ばパニックになりながら必死に抵抗している最中のセリフである。
「大丈夫だ、害はない! 触手は体を舐め回してくるだけで、せいぜい微弱な精神汚染を与える程度と、魔力を少しずつ吸い取る程度だ! キラーアントに集中すれば命に別条はない!」

限界まで耐えながら、もう心壊れかけながらも、舐め回されながらなんとかキラーアントの大群と戦っている最中のセリフである。
「みんな、触手に身を預けるんだ! むしろ触手に取り込まれたほうがキラーアントの攻撃が届きにくくなって、状況をいったん立て直せる! 展開型非協力的ゲームにおけるリスク支配的なナッシュ均衡だ!」
絶望に染まりきった顔で視線を向けてくるヒロインたちに、なんでそんな顔をされるのか本気でわからず「?」となってるジーニアスくんの、無自覚鬼畜っぷりが素敵すぎて、爆笑の嵐でした。
全体的に非常に凝った魔術理論が飛び交い、設定厨としても大変に満足させてくれる世界観なのですが、そんな多種多様で重層的な魔術大系が多々ある中で、飛び抜けた才も魔力も持たないながら独自の数理科学理論によって組み立てた現代魔術、唯一無二ではなく普遍的、人を選ばず学べば誰もが使える汎用性の極地を目指す青年の物語。そして、思いやりはあるのにデリカシーが一切ない天才、或いはその境目を跨いじゃってるアレな男に振り回され泣かされ、それでもなんだかんだとかまってしまうヒロインたちの、受難にして賑やかなる冒険譚である。



武田信長の野望 〜滅亡して追放された武田信玄五代前の祖先は武田家を復興して大名に復帰するぞ!〜 (ほうこうおんち)

甲斐武田家は滅亡した。
次男坊、武田信長は野望を抱く
「いつか大名に復帰してやるし!」
明るさと不屈の精神とは裏腹に、何度も負けるし、挫折もする。
それでも何歳になっても諦めず、ついに戦国時代幕開けの戦いに参加し、そして野望を果たす。
何となく名前だけはインパクトが強い、武田悪八郎信長の人生を描く。

※あくまでもラノベです。
時代がかった口調もありますが、言ってる事はテキトーです。
なるべく時代的に合わない発言はさせていませんが、あったら指摘お願いいたします。

※転生者、チート、未来知識は出て来ません。
ただし主人公は追放されます。
後世の話は説明で出すだけで、人物の行動には一切関わりません。

※「鎌倉大草紙」とは内容一致したりしなかったりです。
史料の良さげなとこをつまみ食いしてるので、史実をベースにした物語ではあっても
史実そのものではないです。
(つーか、人名・所在・言動・兵力がきちっと書かれた史料あったら下さい)

さても武田信長という歴史上の人物をご存知だろうか。私の知る限りでは、漫画【犬夜叉】にちらっと登場したくらいで、その実態を描いた作品は過分にして知りません。
信長って諱の人物、意外と存在しないんですよねえ。わりとありがちな漢字の組み合わせにも関わらず。
これは室町時代中期。応仁の乱が始まる前。未だ戦国時代が訪れず、しかしその戦乱の時代の扉を開くことになる混沌の開幕を告げる時代の物語であります。応仁の乱は最近、ようやくテーマとして取り上げられることが増えてきましたけれど、その時代の関東って全然どうなってたか知らなかったんですよね。北条早雲こと伊勢新九郎が京都より現れる以前、あの江戸城を作ったという太田道灌が頭角を表していくまでの時期。鎌倉公方や、古河公方、関東管領など他にはない役職がどのようにして誕生したのか。
そんな中々一般的には知られていない時代の関東を、武田信長という負けても追放されてもめげずに前向きに大暴れしつづけるバイタリティの固まりたる人物を中心に描く、非常にダイナミックな大河ロマンでありました。何も知らないからこそ面白く感じられる歴史小説でしたね。そして、よく知られる戦国時代へと着実につながっていく各地の国衆たちの変遷がまた面白い。歴史というのは一切途切れること無く地続きで続いているんだなあ、というのがよくわかります。史料少なくてフィクション多めだ、と述べてらっしゃいますけれど、キャラ立ってる人ばかりでほんと面白かったなあ。


下準備転生〜下準備チートは全てを駆逐する〜 (Schuld)

 たまの休暇に温泉旅行に出かけようと企画した、大学時代からの腐れ縁三人組。
 しかし、運悪く事故で揃って死んでしまった三人は、死後の役所にて“神”から信じられぬことを告げられる。

 彼等の魂は本分を果たすことなく死を迎えたため、残った役割を果たすために別の世界で生きる機会をあげようと。
 生き返ることはできないものの、まだ生きられると知って落胆すると同時に安堵した三人に神はこう提案する。

「ほっほっほ、ではチート“下準備”をあげよう」

「した……じゅん……び?」

「うむ。今から時間が過ぎない空間にやるから、各々行き先の情報を見てから何が必要か考えてから行くのじゃ」

「あの、お手軽能力とかは?」

「そんな物よりずっと便利じゃろう。生まれる周りの情報と人物名鑑を置いてくので、後は己の力でなんとかするのじゃ」

 斯くして神から異世界にて事業を手助けすることを代価に転生することが適った三人は、念入りに重ねた下準備を持って異世界へ殴り込むこととなる。都合の良い力も、持っているだけで全てをねじ伏せるスキルもなく。
 重ねに重ねた入念な下準備だけを頼りとして…………。
【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す  〜ヘンダーソン氏の福音を〜】の作者であるSchuldさんが手掛ける新シリーズ。転生モノって、死んだときによく神様と面談して多少の説明と贈り物を受け取って早々に新天地へと旅立っていくことが多いですよね。
だがしかし、そんなろくな情報もなく未知で不明な土地に放り込まれて、さて幾ら才能やらスキルやらを与えられたとしても、それを十二分に活かすことが出来るだろうか。
必要なのは、入念な準備である。戦争は戦う前に結果は既に決まっている、と語られるように、事前の準備こそがすべてを決するのである。
というわけで、A・B・Cの三人組は神様に、あの…まだ行かないの? と焦りを覚えさせるほどに事前の情報収集に知識の蓄積、入念な計画を建てた上で、異世界へと殴り込んでいくのである。
これぞ下準備転生、これぞ下準備チート。そして遊び心も忘れずに。
ドタバタ三人組のある意味これ世界征服紀行じゃないのかしら、と思いたくなる金と名声と権力と技術による席巻劇が開催中ですよ。


<やる夫スレ>から
【あんこ】追放ニート侍 (道造)

毎回紹介しているけれど、【【あんこ】悪役令嬢と石田三成】の作者さんの作品です。ってか、この人の作品毎回ハズレなしなんですけどね。特にこの下半期に発表された作品の中でも一番の大作になったのがこれでした。
ニート侍剣心、金に汚くしかし儲けた金はすべて遊女に使ってしまい、それでいて働きたがらないというニートの鑑のような冒険者。最初はもうクズ男にしか見えないのですけれど、そんな彼がどうしてニートをやっていたのか。ニートとして生きることを自分に課したのかがわかった途端に世界が180度ひっくり返る、この展開には度肝を抜かれましたわな。場末でほそぼそと投げやりな人生を送るうらぶれた男の小さな物語が、とんでもない大作へと、大河ロマンへと転がっていくのは毎日ワクワクしながら見ていました。まさかあの作品とあんな繋がりが出てくるとは。いやー、面白かった!
今連載中の【あんこ】柱間なうちは【NARUTO】もめっちゃ面白いんですけどね。


2021年 面白かったウェブ小説ピックアップ 下半期! その1   


恒例の読んで面白かったウェブ小説を紹介していこう、という企画です。
夏に上半期。この年末に下半期の分をまとめていますが、今期は随分と紹介したい作品の数がたくさんになったので、数回に分けてお送りしたいと思います。

これが上半期の記事です。




<ハーメルン>から

TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA (佐遊樹)



悪役令嬢にTS神様転生して実は善人だけど追放されるRTAの様子を配信しようとした。
気づいたら金!血筋!権力!女!女!イケメンヤンデレ!暴力!暴力!暴力!って感じの異世界ライフを送る羽目になっていた。
そういう感じのお話。
今年一番ドハマりしたちょっと盛りすぎなくらいのTS悪役令嬢モノである。
「小説家になろう」でも連載されているのですけれど、主人公の彼女マリアンヌ・ピースラウンドのRTAを観覧している神様たちのチャットや魔術の詠唱シーンの演出なんかがハーメルンの仕様の方がかなり映えるので、こっちの方がオススメですね。
とにかくもう滅茶苦茶おもしれーー!! 基本的に全体的に頭おかしいのですが、特におかしいのはやっぱり主人公にして最強を自称するマリアンヌ。頭マリアンヌ、という単語が作中で誕生して常態化してしまうほどには、頭おかしくその上アホで煽り耐性ゼロなのだが、この人脳筋じゃなくむしろ頭滅茶苦茶イイ天才系なんですよね。だがしかしアホだ。天才でアホって始末に負えない上に暴力!暴力!暴力!というパワー系悪役令嬢である。もう見てるだけで面白いってこの娘の事を言うんですね。
バトルものとしても、インフレ上等! な痛快なアクション満載の上に、初っ端から本来の原作ゲームの展開を軽くぶっ飛ばして神様たちも知らないルートを爆走していくので、チャットで発狂する神様たちの阿鼻叫喚がまた愉快。
章を重ねるごとに加速度的にアッパーになっていく作品ですが、特に個人的には夏休みRTAがマリアンヌのハチャメチャっぷりに世界そのものが引きずり回されていくようなすさまじい勢いが楽しすぎて、一番好きだなあ。
今一番楽しく読んでる作品です。



<小説家になろう>から

オルクセン王国史 〜野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか〜 (樽見京一郎)
「平和なエルフの国に、オークたちが攻め込んできた」
よく目にする、そんなフレーズ。
では、彼らは一体なぜエルフの国に攻め込むのか。
国を亡ぼすほどの大軍勢を、どうやってその場に送り込んだというのか。
そんな疑問に挑む、ひとつの近代軍事ファンタジー。連載です。

ほんのつい先日に完結した、ガチに、ガチに兵站とは何たるかというテーマに挑んだと目されるファンタジー世界を舞台にしつつ、時代背景は第一次世界大戦より僅かに前くらいで、近代国家同士の戦争を描いた仮想戦記でありました。
いや、圧巻ですよ。近代の戦争を扱った戦争ものの中でもこれほど重厚でダイナミックな内容を、これほどのエンタメ性を備えながら描ききるとは。思わず夢中になって読んでしまいました。
分量内容質ともに圧倒的すぎるので、読み始めると容易に時間消し飛ぶと思うのでご注意を。
タイトル通り、オーク種族を中心とした近代化をいち早く達成した国家が、エルフが収める国を故あって攻めることになったのですが、これ完全にタイトル詐欺ですよね。野蛮どころか、その時代もっとも先進的で文明的な国家に発展した、グスタフ王というオークキングによって本物の近代国家へと生まれ変わった幾つかの魔物種族によって構成される連合国家が、凄まじい民族浄化をはじめとする人権問題を起こしたエルフ国家に、国際的な承認を経て宣戦布告する。むしろ悪者はエルフの側になるのですが、当然のように国際政治に勧善懲悪など存在せず、それぞれの理由をもって戦争は起こってしまうわけです。もっとも、エルフの側は大いにやらかしまくっていて、その失点をオーク側は見事に自分たちの得点へと変えていくのですが。
加えて、なかなか扱いづらい、そもそも兵站とはなんぞや、とその言葉の意味する所すら定義しきれない「兵站」という難しいテーマに真正面から挑んでいるんですよね。オルクセンという国家そのものが、オークという普通の人間や他の魔物よりも圧倒的にエネルギーの消費量が激しく、頻繁に補給を必要とするが故に、近代国家として生まれ変わる際にとにかく餓えない事を最重要視最優先して最大限のリソースを放り込むシステムを根幹として構築したために、往時のアメリカ合衆国に匹敵するんじゃないだろうか、という未曾有の兵站システムを基盤にした国家になっているんですね。
そのオルクセンをして、いざ戦争がはじまってみると過剰なほどに積み上げた見積もりがドンドンと破綻していって、これ以上ないほどの高度さと冗長性、柔軟性を確保して作られたはずの兵站システムが、ボロボロになっていくさまは人類の叡智の限界を見せられるようで、戦争という行為の途方もなさを別方面から見せつけられるようでした。
でも、最優秀のオルクセンだからその程度で収まっていて、この当時の近代化にまだ片足突っ込んでいるだけの旧来の国家、エルフの国の方ではもう話にならないくらい酷いことになっていて、改めて戦争とは、とまたまた別の方面からそのえげつなさが見せつけられていくんですよね。
いや、なんにせよ戦争小説として文句なしの一級品であり、グスタフ王をはじめとするキャラクターも大変魅力的に活発に動いていて、その意味でも見せてくれる傑作でありました。
正直、戦争が終結したあとの、占領政策の方をこれほど緻密に見たのははじめてかもしれない。
見事にキレイに完結させてくれたのも、素晴らしかったです。時間のとれる年末年始にぜひ一気に読んで見てほしい作品でした。


今年のライトノベルを振り返る、前に10年前のライトノベルを振り返ってみよう! 新人編  


去年も同じような記事を書いたのですけれど、今年はちょいと早めに、まずその当時の新人さんから取り上げたいと思います。
新人と言っても、今から10年前ですから今も作家を続けていらしたらもうベテランでしょうね、10年現役なら。
今から10年前の2011年に各ライトノベルのレーベルからデビューした方々は、現在と違ってほぼほぼ新人賞の受賞者とそこからの拾い上げ、によって構成されていました。
現在の小説家になろうやカクヨムの連載からのデビュー、というのは皆無……ではなかったんですよね。
実は、2011年にあの【魔法科高校の劣等生】が第一巻を発売しております。【ソードアート・オンライン】がこの2年前ですから、ようやくちらほらと界隈でも名だたる大作がようやくチラホラとデビューしだしたという時期だったんでしょうね。本格的にウェブ小説からのデビュールートが増えてくるにはまだ数年を待たなくてはならなかったはずです。



さて、こちらが当時の2011年の暮れに纏めた新人作品のラインナップとなっています。
だいたい初年度かその翌年には姿を見なくなってしまうのですが、その最初の山を超えると結構長きに渡って作品を出し続ける方も多くなってくるんですね。
しかしやはり10年というのは長いようで、今もなお現役でバリバリと作品を書き続けている人となるともう数えるほどになってしまいますねえ。
【はたらく魔王さま!】の和ヶ原聡司さん。
望公太さんも、様々なレーベルで書きまくっている上に脚本なんかも手掛けてるのかしら。今脂が乗ってる作家さんですよねえ。
他にもHJ文庫で超長編シリーズ書き続けている鷹山誠一さん。
【裏世界ピクニック】でブレイク中の宮澤伊織さん。
最近【幼なじみが絶対に負けないラブコメ】が大ヒットした二丸 修一さん。
新作【魔女と猟犬】も相変わらずのキレキレっぷりでエッジのきいた作品を出し続けているカミツキレイニーさん。
上総朋大さんも今年、新作久々に出してたなあ。
コンスタントに作品を出し続けて、講談社ラノベ文庫の主力を担い続けている澄守彩さん。
アニメ化もされた【魔法少女育成計画】の遠藤浅蜊さんもこの年のデビューでした。
八針来夏さんは書籍化はされないのですけれど、偶に新作をウェブで発表してるのでいつかまた本で読みたいです、絶対買うので。
他にもまだポツポツと新作出してる方もいらっしゃるんですかね。10年経って今なお現役で頑張ってくれている方がこれだけ居る、というのは果たして多いのか少ないのか。でも今まさにブレイクして絶頂期という人もいるのが凄い。
なかなか生き残るのが難しい業界ですし、昨今はさらに毎年ちょっと追いかけるのが不可能な数の人がデビューして飽和状態のライトノベル界隈ですけれど、さらにもう10年後でも新作を出し続けてくれていたら、嬉しいんですけどね。













ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2021年上期 に投票します。  



ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2021年上期に参加させていただきます。


今年もついに半分過ぎ去ってしまったんですねえ。というわけで、今回も参加させていただきます、よろしくお願いします。
川上稔先生のラブコメ短編集、投票しようと思ったら電子書籍限定は投票対象外なんですかー、ぐががが。
仕方はないが候補には事欠かなかったので、選びたくても枠が足りなくて選びきれない悩ましさを一つ解消できたと思って。

前回投票させてもらった作品、その続編が4作。これはそれだけ評価が高く固く揺るぎがない、という事ですね。作品そのものが持つとびきりの面白さは早々すり減らない。
【現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変】と【ホラー女優が天才子役に転生しました】は2巻でむしろパワーアップか。
【筺底のエルピス】、【Unnamed Memory】も言うたら継続枠。
残る四作は新作だけれど、これがまたとびっきりの作品ばかりだ。その尖りといい濃さといい厚みといい素晴らしいの一言。続きが楽しみで仕方ないものばかりでしたよ。

ちうわけで、投票させていただきます。よろしくお願いします。



<TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 3 ~ヘンダーソン氏の福音を~>
  Schuld/ランサネ オーバーラップ文庫

【21上ラノベ投票/9784865548228】
感想はこちら

ただでさえ面白かったシリーズがぶっ壊れたみたいに密度を増し充実度を増しひたすらに濃厚で濃密なエンターテインメントと化すのが、この第三巻からはじまる帝都編です。この右を見ても左を見ても見所しか無い世界観を目撃せよ、耽溺せよ、溺れてしまえ。



<僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない>
  紙城 境介/羽織 イオ 星海社FICTIONS

【21上ラノベ投票/9784065225257】
感想はこちら

【継母の連れ子が元カノだった】の作者・紙城 境介さんが描くミステリー。それも、犯人や真相を推理するミステリーじゃない。過程をすっ飛ばして「天啓」によって導き出された真実、その真相に至るために演算されたはずの「推理」を「推理」するミステリー。
明神凛音は真実しか解らない
答えを導きだしたはずの凛音当人と共に、真実を証明する謎解きを繰り広げていく、これが抜群に面白かった!


<ホラー女優が天才子役に転生しました 2 〜今度こそハリウッドを目指します!〜>
  鉄箱/きのこ姫 ガガガ文庫

【21上ラノベ投票/9784094518924】
感想はこちら

これは天才子役として再誕したホラー女優の新たな栄光の道への物語と同時に、その子役にして天才女優の誕生に行き遭ってしまったばかりに、幼くして女優として、人間として、成長を通り越して覚醒と言ってイイほどの目覚めを迎えてしまった、主人公のライバルであり親友となる子供たちの物語でもある、それを印象づけてくれる第2巻でした。



<継母の連れ子が元カノだった 6.あのとき言えなかった六つのこと>
  紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫

【21上ラノベ投票/9784041110430】
感想はこちら

「好きってなんなんだ!?」
真剣に苦悶する水斗にいさなが提示する、シンプルな定義。シンプルだけれどこの上ない真理であるそれが、水斗を貫く。モノクロだった彼の感情がフィルムを剥がすように色づいていく姿がとても綺麗なラブストーリーのワンシーン。水斗の側も心の準備が整った、そんな6巻でした。



<筺底のエルピス 7.継続の繋ぎ手>
  オキシ タケヒコ/ toi8 ガガガ文庫

【21上ラノベ投票/9784094518917】
感想はこちら

これまでずっと絶望を塗り重ねてきた。世界を覆い尽くし真実が明らかになるたびに、途方も無いスケールの終焉が絶望を提示してくる。絶対不回避の絶望をだ。それを、ついに、希望が上回る。
それはきっと奇跡の切っ先。幾多の絶望を貫いてきた希望の突端。その闇が深く深く奈落のように底なしだったからこそ、それをぶち抜くだけの質量を備えた奇跡はきっと、最強無比の希望なのだ。
それをこれでもかと見せつけてくれた新刊だったんですよ!



<武装メイドに魔法は要らない>
  忍野 佐輔/大熊 まい 富士見ファンタジア文庫

【21上ラノベ投票/9784040740225】
感想はこちら

現代兵器無双? とんでもない、敵は騎士、しかし普通の銃火器などまるで通じないまさに人外無双の化け物のようなスペック持ちたち。お前ら全員アイアンマンかなにかか!? 人型ロボット相手でも生身で戦えるんじゃないかというファンタジー世界の英雄たちだ。そんな怪物を相手に地獄のような世界のもと、少女たちが決死の想いで抗うこれは熱い熱い物語だった。理不尽に抵抗しろ、非道を許すな。本作こそ崇高なる少女と少女の物語。ガール・ミーツ・ガールの粋である。



<現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 2>
  二日市とふろう/景 オーバーラップノベルス

【21上ラノベ投票/9784865548488】
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兆に至る資金を以て政界の動向に介入し、平成のフィクサーとして不良債権処理に辣腕を振るうお嬢様。ついには大統領選挙にも関与することで、米露の中枢にも注目されることになる。
そんな彼女の前に、郵政改革を掲げて政界を根こそぎひっくり返すあの男が立つ。さらに着々と近づいてくる9.11。そしてイラク戦争の影。はたして、小さな女王様の歩む未来は何処か。2巻にして盛り上がること最高潮でありました。



<Unnamed Memory VI 名も無き物語に終焉を>
  古宮 九時/chibi 電撃の新文芸

【21上ラノベ投票/9784049128055】
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一人の孤独な魔女と王様の恋物語は終りを迎え、お伽噺の器からこぼれ落ちていく。そこからはじまるのは文字通り、名前の残らない記憶の物語だ。長い長い悠久に等しい二人の流離いがはじまる、始まりと終わりの感動の最終巻でした。



<駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。1>
  書店ゾンビ/ユズハ オーバーラップ文庫

【21上ラノベ投票/9784865548839】
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ときに、見知らぬ人同士が家族になるのに時間が必要ないときがある。ふとした偶然から居候するようになったJKと、JDとサラリーマン。そんな世代も性別も違う三人が当たり前の日常を、穏やかで心地よい日々を過ごしていく、そんなごくごく平凡な幸せが詰まった生活感あふれる日常譚だ。
幸せだからこそ壊したくない時間。幸せだからこそ、愛しく恋しく募る想い。相反する矛盾した気持ちが今を軋ませる、そんなラブストーリーのはじまりでした。
昨今増えつつある年の差男女の同居モノ。良作も珍しくなくなってきたジャンルですけれど、その中でも本作は頭一つ突き抜けた面白さであり、雰囲気の味わい深さでありました。



<恋は双子で割り切れない>
  高村 資本/あるみっく 電撃文庫

【21上ラノベ投票/9784049137323】
感想はこちら

三者三様、それぞれに抱く恋の形、それぞれに求める愛情の結びつき。幼馴染だからこそ、もっとも身近な相手だからこそドロドロに沈んでいく関係の「深さ」がまさに沼のように引き込んでくれる。
今年屈指の青春恋愛譚となりそうな新作でした。

2021年 面白かったウェブ小説ピックアップ 上半期!  

6月ももうすぐ終わり、今年も半分が経過する頃ということで、半年ごとの恒例。
今年に入って読み始めたウェブサイトに掲載されてる小説など、ご紹介です。


前回、去年の後半に読んだウェブ小説のおすすめ紹介記事です。


前回の記事からは【メスガキ銭ゲバCEOアズニャエルの経営拡大記】が先日完結。
原作のガンダムSEEDに備わっていた戦争を通り越して相手を根絶やしにしてやるという破滅性を、そのまま開放させるとこうなる、というような黙示録的展開には戦慄させられました。留まる所を知らない人の愚かさを、しかし押し止めるのもまた人の愚直さなんだよなあ。



<小説家になろう>から

伝奇世界の悪役令嬢※90年代からきました (海老)


90年代の伝奇小説好きが、死後に悪役令嬢として現代に黄泉帰る。
彼女のいくところ、魔戦が繰り広げられるのだ。

そんな、よく分からない物語。

壺の上で踊る】という悪役令嬢モノの皮を被ったヒロイックダークファンタジーを送り出した作者の、またぞろ独特な怪作にして快作。
90年代の伝記小説というだけあって、舞台は令和のはずなのに世界観の雰囲気は夢枕獏や菊地秀行という御大型の描く妖しくおどろおどろしいものなんだけれど、ストーリー展開は重苦しいものではなく、本来進むべき重苦しい流れを振り切るようなポップで明るく前向きなものが根ざしてるんですよね。これ夢枕獏原作ながらコミカライズで独自のコメディチックな作風を創り出した伊藤勢のノリが近いかもしれない。
このアンバランスなはずなのに、他に類を見ない混ざり方をした作品の雰囲気は魅力的で、ドライブ感ある、そしてバッドエンドを吹き飛ばす展開は滅茶苦茶面白い!
またお食事パート、グルメ語りがまた素晴らしくて、料理の数々がまた美味しそうなんだ。また、話の要としても、みんなで食卓を囲んでというパートが結構重要だったりするんですよね。
現在の章も異能とか全く持たない風来坊の主人公の叔父さんが、妖魔や神格をその無自覚の屈託の無さで振り回しながら、本来死と呪詛で暗く沈んでいくだろうだった話を明るい方向へとひっくり返していく展開は、もう痛快というほかなく。
最新話の
「ゴッド引いた! ゴッド引いたんや!」
は爆笑しつつ、文字通りの神展開で最高でした。



厨二病お嬢さま? 〜悪役令嬢は魔王に進化(?)しました。前世が魔王で闇属性に目覚めたそうです〜 (稲荷竜)


十四歳の誕生日パーティの日、貴族令嬢アンジェリーナは前世の記憶を思い出した。
『魔王』……魔法を極め魔族を統べた原初の王こそが、自分の前世なのだ。
記憶を取り戻したアンジェリーナは魔王であることを隠したりはせずに生きていくのだが……

「最近、アンジェリーナ様、発言が、その、『アレ』では?」
「なんていうか、こう、特徴的であらせられる、というか……」

はあ? 我は二千年の太古より目覚めし魔の中の魔、魔王であるぞ? 深淵なる闇を司りし我との邂逅という栄誉に浴しながらそなたらの応対、あまりに不遜ではないか?

魔王であると言っても信じてもらえない。
思春期特有の痛い発言だと思われる。

戯れにすべてを闇に呑ませしことも能うるが、我とて世を乱すこと本意ならず。光の中に生まれし者どもよ! 我が平和を愛する者たる幸運に感謝せよ!
輪転する時の中に刻まれしかすかな波紋。光満ちる世界に一条の闇が刻まれし瞬間より、運命の歯車は巡り、新たなる可能性が誕生する!
開闢! これより始まるは『人生』ではない! 我という存在が再び生まれ世界を変える『神話』である!

典型的に頭の悪い世間知らずの傲慢な令嬢だったアンジェリーナが、魔王の記憶(賢君)を取り戻したことで周りからは厨二病と思われながら、聡明な女性(マイペース)に転身してしまうのですが、その彼女に夢中になってしまうのが婚約者だったオーギュスト君で、お互い聡明ながらどこか半歩ずつズレたカップルが誕生してしまうのです。この王子様の一途な恋がまた可愛らしくてねえ。聡明になったのについでにポンコツにもなってしまったアンジェリーナには直球でボールを投げても中々想いは通じず。オマケに完璧超人の兄リシャールまでアンジェリーナに興味を抱きだし、それでもパートナーとして共犯者としてアンジェリーナと二人三脚で王様になるために活動する姿がまたイイんですよねえ。
稲荷竜さん特有のあの独特の言い回しとロジックの噛み合ってるのか噛み合ってないのか謎な面白さは健在でありつつ、結構ストレートにラブコメしてる作品でもあり、最近アンジェリーナの方が自覚してなかった恋心にキュンキュンしだしていることもあり、続き楽しみな作品です。


魔王谷より愛をこめて (門司柿家)


 かつて人と魔の戦いがあった。
 闇の神獣率いる魔王たちと人類との戦いは熾烈を極めたが、最後には人類の勝利で幕を閉じ、魔王たちは皆死に絶えたかの様に思われた。
 しかし魔王の一柱アクナバサクは死んではいなかった! 彼はこっそりと命を分割し、一割の命を少女の姿をしたホムンクルスに移して、ほとぼりが冷めるまで眠る事にしたのである。願わくは、起きた時には人間に紛れて暮らそうともくろんで。
 そんなこんなで二百年、少女の姿で目覚めたアクナバサクが見たものは、徹底的に破壊され草木も生えぬ灰色の不毛の大地と化した旧魔領の姿であった。
「あいつら、徹底的に領地をぶっ壊して、精獣も精霊も根こそぎ滅ぼしましたから」
「え、そこまですんの? 人間こわあ……」
 これでは人間に紛れて暮らすなぞ、怖すぎて出来そうもない。
 という事で、アクナバサクは旧魔領で何とか安穏に暮らそうと、部下のホネボーンと一緒に頭を捻った。
「というか、まず何をやればいいんだろ?」
「とりあえず木でも植えてみたらどうです」
「なるほど、それだ」

※女の子ばっかり出て来る頭の悪い話です。

【冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた】の作者さんの新シリーズ。
人と魔の戦いが終わった後、突如出現した生命を奪い土地を荒廃させる謎の怪物・現世喰によって、世界が文字通り滅びを迎えつつある世界。人の暮らす領域は遥か遠方まで退き、人間たちが生み出した魔姫と呼ばれる人造生命の女の子たちが、辛うじて現世喰の領域の中で生き残り戦い続けている。
前作でもそうだったのだけれど、街から故郷である村に帰る時の風景描写が素晴らしかったんですよね。旅路の中で刻々と目に映る風景が変わっていき、それに従って空気感がかわっていく。風の匂い、草木の香り、雪の気配や夏の色。季節の変わり目とか、そんな情景描写がさり気なくも物語の基部に根ざしていて、作品の雰囲気そのものに大きな影響を及ぼしてたんですよね。
今回の作品はそれがより顕著に伝わってくる。魔王アクナバサクちゃんの活動によって、荒れ果てた不毛の荒野に緑が生まれ、きれいな水が湧き、動物たちが戻ってくる。大地が生き返っていく様子が描かれる一方で、魔姫たちの絶望的な、空は重く雲が立ち込め太陽も見たこともない少女たちが飢えて乾いてジリジリと炙られるように死が近づいてくる、終わりの中で溺れているような日常が対比のように描かれるんですね。そんな泥の中、闇の奥に置き去りにされていた彼女たちの前に、魔王アクナバサクちゃんが現れた瞬間から始まった、目に映る世界の変化、曇天の下から光り輝く太陽の下に引っ張り出されたような転換、冷たく冷え切った身体がポカポカと温まっていくような展開は素晴らしかった。


董卓の娘 (神奈いです)

董卓の娘として生まれたので皆殺しエンド回避を目指します!

董卓の孫娘である董白ちゃんが活躍するラノベが絶賛刊行中ですが、本作は董卓の娘である超絶美少女(自称)董青ちゃんが主人公。将来魔王と呼ばれて一族根絶やしにされる董卓パパの運命を覆すために、色々小細工しちゃいますよー、なお話。この作品の董卓は苦労しながらも配下や異民族の人望厚い人の良いオジさんであり名将であり、親バカなんですな。三国志当時の価値観や独特の風習に混乱し振り回されながら、一方で周りの人達を振り回して明るくポップに董一族のために頑張る董青ちゃん。テンポの良い語り口と和気あいあいとした董一族とその軍団のノリが楽しい作品です。


バズれアリス (富士伸太)

人々の祈りや応援を集めて力に変える『人の聖女』アリスは
魔王を倒して世界を守ったが、その功績を妬んだ王と
『天の聖女』ディオーネから「反乱を企てた」と濡れ衣を着せられる。
アリスを弁護するはずの親友『地の聖女』セリーヌは逃げてしまい、
アリスの追放刑が確定した。
しかしアリスは追放された先の遺跡で、謎の大きな鏡を発見する。
鏡の正体は別世界と繋がるゲートであり、その先にあったのは
日本のレストラン「しろうさぎ」店内。
そこでアリスは異世界の青年、誠(職業レストラン経営)と出会った。

誠はアリスを助けようとするが、鏡を通り抜けられるのは
命を持たない物品だけで人間は決して通過できない。
そこで誠は鏡を通して食事や生活物資を与えることにした。
鏡越しの共同生活を始めた二人は少しずつ惹かれ合っていく。

またこのときの誠は、コロナ不況を乗り切るため店の宣伝動画や
料理動画を配信していたが、アリスや異世界を紹介する動画を思いついた。
そしてアリスの動画がバズってフォロワー数やgood評価が急上昇した瞬間、
アリスに莫大な力が流れ込み……?

ところでアリスを追放した王国は、アリスの戦友たちから
怒りと不信を買い、滅亡の日が刻一刻と迫っていた。

短期集中で連載してすでに先日完結した作品ですが、これがまた面白かった!
絶望と諦観に塗りつぶされ、死ねとばかりに追放された遺跡ダンジョンでそのまま諦めと共に終わろうとしていたアリスが見つけた、異世界と通じる鏡。
生きてる生命だけは通れないものの、それ以外なら物体でも電波でも通り抜ける鏡を通して、レストランの若き店主である誠と交流を続け、生きる気力を取り戻していくアリス。そうして、なんやかんやと遺跡攻略をメインとするユーチューバーとしてデビューすることになるのである。
普段は礼儀正しいのに、動画撮影がはじまると、途端にテンションが切り替わってめっちゃ口数の多い兵隊ノリのイケイケガンガンになるアリスがまた面白くて。これはウケるわー。
どんどん、現代の文化や機材に慣れ親しみ、動画配信者としてメキメキと腕を上げていくアリスに、いやそれでいいのか、と思いつつ、鏡越しの誠との淡いラブストーリーも相まってほんと面白かった。


<やる夫スレ>から
【あんこ】カミーユ・ポッターと短気な意思【ハリーポッター】

先の【ザリガニ令嬢】こと【【あんこ】悪役令嬢と石田三成】の作者の新作。ガンダムZのカミーユ・ビダンがハリー・ポッターの役で行くハリー・ポッターシリーズ。
いやこのカミーユのキャラが、あの人格破綻者のカミーユ・ビダンそのままなものだから、初手から言葉にならないほど酷いことにw そりゃ、伝説になるよ。カミーユ伝説。
スリサザン寮に振り分けられた初日に、堂々とグリフィンドール寮に遊びに行ってそのままお泊りしてくる展開は腹痛くなるほど笑いましたがな。なんでかマルフォイがカミーユのストッパー役となり親友枠に入っちゃってるし。毎回、この作者さんの作品は突拍子もないことになってめちゃくちゃおもしろいです。

2020年 ライトノベル・ベスト   


令和2年の2020年、今年は外出を控える気運もあり本を読む機会が増えたという方も少なくないのではないでしょうか。
自分は自宅待機とかもなく、在宅ワークなどもなく、むしろ例年よりも忙しいくらいだったので特にそういう事もありませんでしたっ(涙

という事で、年間読了数は390から381へと微減、となりました。このうち、漫画の読了分を差っ引くと、344冊。2019年が342冊だったので、微増でした。微小とは言え、増えたのは良かった。

感想記事は341本と、2019年の323本からさらに上乗せでき、全盛期にだいぶ近づく事が出来たと思われます。ちなみに、感想記事の中には毎月の読了本からのおすすめ記事が入ってますので、正確には329冊の本の感想が書けた、という所ですね。なかなか頑張ったんじゃないでしょうか。
去年も触れていますけれど、読書メーターでの短文感想が思いの外書き出しのブースターとして効果的だったように思います。
今年は、さらにもう少しずつでも上積みできればよいのですが。

去年までのライトノベル・ベストの記事であります。


2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年  2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2004年

書籍タイトルのリンクから、各感想記事へと飛べるようにしております。


五つ星☆ミ


電撃文庫


【七つの魔剣が支配する V 】 宇野 朴人/ミユキ ルリア

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なぜこんな事になってしまったのだろう。それは誰よりもオリバー自身が抱いている思いなのだろう。なぜ、なぜ、なぜ。
敵討ち、その二人目の討滅はこの物語が徹頭徹尾悲劇であることを伝えてくれた。この物語において救いは果たしてどこにあるのか、それを問いかけてくる第5巻でした。


【数字で救う! 弱小国家 5.勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。】  長田 信織/紅緒

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敵は戦場無敵の大英雄とナオキと同類の論理を操る傭兵将軍。人類史に残るであろう将帥と相対するは北方の雌獅子ソアラと「魔術師」の名をほしいままにするナオキ夫婦はこれにどうねじ伏せるのか。この勇躍する面白さは昨今の戦記モノの中でも最高傑作の一つとなるだろう。


電撃の新文芸


【Babel III 鳥籠より出ずる妖姫】  古宮 九時/ 森沢 晴行

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このシリーズにおける真・ヒロインであるオルティアと、異邦人・雫との運命の出会い。
一方的に生命を脅かし強いる関係だった二人は、いつしかお互いの運命を預け合い手を取り合う関係になっていた。交わるはずの無かった二人の少女の、至尊の友情の姿をここに……。


GA文庫


【りゅうおうのおしごと! 12】 白鳥 士郎/しらび

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現代にも命懸けの戦いは存在する。お互いの人生を叩き潰し合う殺し合いは存在する。親しい友と、兄弟と愛する人との殺し愛は存在する。この巻は、それらの存在証明である。


GAノベル


【エリスの聖杯 3】 常磐くじら/ 夕薙

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ファンタジー・クライム・サスペンス・ミステリーの金字塔。十年という時間を経て次々に明らかになるとある貴族令嬢の処刑に纏わる驚愕の真実と、再び繰り返されようとする宮廷の闇に纏わる陰謀。それに立ち向かう、かつて処刑された令嬢の幽霊と彼女に取り憑かれた地味令嬢のコンビによる究明劇。文句なしに大傑作でした。


MF文庫J


【異世界拷問姫 9】  綾里 けいし/ 鵜飼 沙樹

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これは残酷な愛の物語。この世で最も美しい物語。人間讃歌の物語。綺麗な夢のおとぎ話。
これは、ヒトが小さな幸せを手にする物語だ。


【探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる】 玩具堂/悠理 なゆた

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やっだもうこれ好き、大好き!やはり玩具堂さんのお話は自分の好みど真ん中だ。読んでる間中心がピョンピョンしてしまった。どの案件も日常ミステリーとしては珠玉の出来栄えで無茶苦茶面白く、何より戸村君と山田姉妹の凸凹トリオが素晴らしい。脳裏に鮮明に光景や仕草表情が浮かんでくる情景描写に、性格正反対の双子の心の動きを繊細に描き出す心理描写、二人に挟まれオロオロとなりながら、中々難しい性格の双子の内側にスルスルと入り込んでいく戸村君。姉妹との距離感の縮まり方がキュンキュンしてしまう丁寧さ。控えめに言って最高!


【探偵くんと鋭い山田さん 2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる】 玩具堂/悠理なゆた

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双子の山田姉妹と繰り広げる日常の中の探偵劇。証拠にもならない僅かな手がかりから真相を手繰り寄せる謎解きを、姉妹と顔を突き合わせて喧々諤々わいわいと騒ぎながら解いていく様子は、その流麗な情景描写力と相まって涼やかな青春劇として見事に彩られている。
彼女達の心の動きが映し出される仕草や表情の変化にドキドキしてしまう。まさに細部に神は宿るを体現している一作である。


角川スニーカー文庫


【継母の連れ子が元カノだった 4.ファースト・キスが布告する】 紙城 境介/ たかやKi

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今回に関してはラブコメというよりも、繊細なタッチで綴られる純正の恋愛小説へと昇華されていたのではないだろうか。文学少年と文学少女の舞踊のように清廉に整えられた文字列で描かれた恋模様。同じ人に二度目の恋をするまでの過程を、心の内側をここまで引き出し浮かびあがらせながら描かれれば、陶酔するように夢中になるしかない。決意の涼やかさに、想いの強さに、魅入られる。恋に恋する時期を越え、これはその人の人生そのものを掴み取るための大人の恋のはじまりなのだ。


【継母の連れ子が元カノだった 5.あなたはこの世にただ一人】 紙城 境介/たかやKi 角川スニーカー文庫

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ついに自分の想いを定めた結女のターンと思いきや、まさかの東頭いさなリターンズ。
ひとりの登場人物である東頭いさなという特異なキャラクターを、ここまで見事に掘り下げて解体し切り、その人物像を明確化してのけた渾身の一作であり、改めて周囲の人間関係が再設定することで水斗と結女の新しい関係をはじめる舞台が整えられた。まさに新展開に向けての踏ん切りの回でもありました。



オーバーラップ文庫


【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 1 〜ヘンダーソン氏の福音を〜】 Schuld/ランサネ

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なんて濃厚! 読んでて文章の情報密度が半端なくて読み応えが尋常でない。派手なイベントは最後だけなのだけれど、世界観の緻密さと世界を謳歌するエーリヒの楽しそうな振る舞いのお陰で、田舎の町暮らしの様相がべらぼうに面白く味わえる。最強ビルドを目指しながら、割とその場のノリで熟練度使っちゃうエーリヒは自分への無駄な言い訳含めて何とも可愛げの塊である。そして幼い容姿と裏腹の妖艶の塊みたいな幼馴染のアラクネの色っぺー事。世界観の解説であるTIPSもただの説明でなく諧謔混じりの妙味ある詞になってて味わい深い。



以下には4つ星Dash作品を列挙しております。
続きを読む

好きラノに投票しよう!! - 2020年下期  



ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2020年下期に参加させていただきます。


今年の後半分からの選出になります。今回もよろしくお願いいたします。
先の【このライトノベルがすごい!】のアンケートが年間で5作品という厳選具合だったので、半年で10作選べるこの【好きラノ】は精神的にも随分と楽です。
それでも、色々と悩んで残念ながら今回は、という形で選出外にせざるを得ない作品が出てしまうのですが。
まあそれでも、この企画は「好きなライトノベルに投票しよう」なので、「面白い!」よりも「すごい!」よりも「好き!」を最重視して選ぶことにしています。
というわけで、こんなん出ましたけどー。
おおっ、意図したわけじゃないのだけれどどこかのレーベルに偏ることなくまんべんなく選出する形になってしまいました。
前期から引き続き続刊を投票した作品が4作ありますが、新作も3作ほど。今後も楽しみな注目作ですねー。



<魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 11>
  手島史詞/COMTA HJ文庫

【20下ラノベ投票/9784798622309】
感想はこちら




<TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 2 ~ヘンダーソン氏の福音を~>
  Schuld/ランサネ オーバーラップ文庫

  【20下ラノベ投票/9784865547184】
感想はこちら





<継母の連れ子が元カノだった 5.あなたはこの世にただ一人>
  紙城 境介/たかやKi 角川スニーカー文庫

【20下ラノベ投票/9784041091654】
感想はこちら





<あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね>
  藍月 要/Aちき ファミ通文庫

【20下ラノベ投票/9784047362178】
感想はこちら





<ホラー女優が天才子役に転生しました 〜今度こそハリウッドを目指します!〜>
  鉄箱/きのこ姫 ガガガ文庫

【20下ラノベ投票/9784094518634】
感想はこちら





<現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 1>
  二日市とふろう/ 景 オーバーラップノベルス

【20下ラノベ投票/9784865547429】
感想はこちら





<エリスの聖杯 3>
  常磐くじら/ 夕薙 GAノベル

【20下ラノベ投票/9784815607692】
感想はこちら





<探偵くんと鋭い山田さん 2 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる>
  玩具堂/悠理なゆた  MF文庫J

【20下ラノベ投票/9784040646633】
感想はこちら





<天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~>
  鳥羽徹/ファルまろ GA文庫

【20下ラノベ投票/9784815608880】
感想はこちら





<Babel III 鳥籠より出ずる妖姫>
 古宮 九時/ 森沢 晴行 電撃の新文芸

【20下ラノベ投票/9784049135398】
感想はこちら


2020年 面白かったウェブ小説ピックアップ 下半期!  

前回、今年の上半期に読んだウェブ小説のおすすめ紹介記事です。



半年ごとのウェブ小説紹介であります。
わりとマメに新作チェックしているの、歴史ものなだけなせいか、必然的に歴史モノが多くなってしまうんです。
二次創作の方も、わりと歴史シミュレーションとか戦記物風味のをよく摘んでいますし。


<小説家になろう>から


薩摩転生 〜サツマン朝東ローマ帝国爆誕〜(ほうこうおんち)



天正十五年(1587年)正月、桜島の異常な光に包まれた薩摩半島は、島津家ごと西暦1453年の黒海沿岸に転移してしまう。
島津家の十字の紋を見たビザンツ帝国と戦争中のオスマン帝国皇帝メフメト2世は、謎のキリスト教徒を屈服させるべく、薩摩の地に踏み入る。
オスマン軍を迎え撃つは、島津家四男・家久。
一方、オスマン帝国によって滅亡の危機に瀕していたビザンツ帝国皇帝コンスタンティノス11世は、起死回生の一手として島津家との同盟を申し出る。
だがそれは、島津家に「ローマ帝国再興」を大義名分としたヨーロッパ征服のお墨付きを与えるものであった。
ビザンツ帝国に臣従し、皇帝を傀儡として神輿に担いだ島津家は、中断された九州平定の憂さを晴らすかの如くヨーロッパ、アナトリア、ロシア、北アフリカで猛威を振るう。

出オチ! かと思うでしょ!? 思いましたよ、自分も。しかし、違ったんです。最初から最後までオチだったよ!!
百年先の未来から来た蛮族たちがヨーロッパを領土的だけじゃなく、思想的にも政治的にも宗教的にも引っ掻き回し、侵食していくのである。当時15世紀の欧州の怪物たちが触発されたように覚醒していき、サツマニアというあまりにも凶悪な触媒をきっかけにして激変していく欧州史。
勇躍するワラキア串刺し公、台風の目となるブルゴーニュのシャルル突進公、復活のジャンヌ・ダルク。他にも北はロシア、東はオスマン、西はスペイン、北アフリカの地中海沿岸地域に至るまで、各地の奸物、妖怪、英雄、怪人が激動の欧州史を彩っていく、むちゃくちゃ面白かった!
キレイにこれすでに完結していて、本当に最後の最後まで予想のつかない展開であり続けてた怪作でした。


今年は幕歴417年です!!(甲殻類)


ソビエト幕府爆誕!! 史実においてロシア帝国を滅ぼす形で誕生した共産国家ソビエト連邦が、なにをどうしてか徳川幕府から進化する形で「ソビエト幕府」として誕生してしまう歴史改変シミュレーション。いやもう「ソビエト幕府!」のパワーワードで全部持っていっているでしょうw 
徳川初代将軍信康からはじまったこの世界の徳川幕府は、なぜか北へ北へと進出することになり、シベリアの大地に勢力圏を築くことになり、ここから世界史は正史と全く異なる様相を呈していくのである。
これまでも数々の歴史犯罪を企ててきた作者さまでありますが、今回のはまたぶっ飛び具合ではとびっきりであります。


平民宰相の世界大戦 〜原敬兄弟転生〜(巽未頼)


日本最初の本格的政党内閣の総理大臣となった原敬。彼は総理大臣在任中に東京駅で暗殺され、元老たちにも、そして多くの政党政治家にも惜しまれた。彼の死後協調外交は破綻し政党は腐敗を加速させ、日本は軍の手綱を握れなくなっていく。そんな原敬と兄・恭の兄弟に転生した2人が、自分のため、家族のため、日本のために二人三脚で歴史を変えていく物語。 ※一部通説以外を採用して物語を構成している部分もあります。ご理解いただけますと幸いです。

【斎藤義龍に生まれ変わったので、織田信長に国譲りして長生きするのを目指します!】を完結させた作者さまの新作は、舞台幕末。のちの平民宰相として知られる原敬と、その兄・原恭の二人が転生者として目覚め、彼らの故国である盛岡藩をもり立てて、幕末期を乗り越えていくお話となっている。原敬が、盛岡藩の士族の出だったのも知らなかったし、盛岡藩の幕末当時の動きなんかも全然知らなかったのでこのあたりは本当に興味深かった。原兄弟の働きで経済的にも技術的にも雄藩と言うべき力を持ち、激動の幕末の中でも頭角を表していく盛岡藩。西国諸藩が中心だった幕末の動きが、盛岡藩をきっかけに東北諸藩も無視できない力を蓄えるようになって、史実とはかなり動きが変わっていて、まだ明治に入る前なのにめちゃくちゃ面白いことになってるんですよね。
でも、このまま行くと宰相にはなっても、平民宰相とは呼ばれませんよね、原敬w


肥満令嬢は細くなり、後は傾国の美女(物理)として生きるのみ(八針来夏)


もう獣将姫さまの戦利品〜身代金さえ惜しいんだろ? たとえ奴隷でも高く『買って』くれる相手を選ぶ権利はある。知る人ぞ知る王家の奴隷、知らぬは当の王家のやつばかり。 (八針来夏)

【覇道鋼鉄テッカイオー】や【メサイア・クライベイビィ】、ダッシュエックス文庫がまだスーパーダッシュ文庫だった頃に活躍していた作家さんで、自分もずっとファンなんですよね。
テッカイオーの武侠モノとしての特色はホント好きだった。「十絶悪鬼」とか語呂がヨすぎて未だに舌の上で転がしていますもの。
そんな八針来夏さん、小説家なろうでの連載もしていらっしゃって、今年は特にこの2つの長編シリーズを手掛けていて、非常に楽しませていただきました。どちらもファンタジー戦記寄りの世界観なのですが、キャラクターの思想・性格の根底に武侠モノの侠の気質が備わっていて、腐りきった悪漢をぶっ飛ばし、尊敬できる好敵手と命を懸けて槍を合わせ拳を交える痛快さを味わえて、堪能させていただきました。


我輩は猫魔導師である! 〜キジトラ・ルークの快適ネコ生活〜 (猫神信仰研究会)


猫は可愛いだけで偉いし、神様みたいなもの。そんな宇宙の真理に基づいて、下僕なヒトたちに猫に尽くすという幸福を与えるために、猫な神様に下界に遣わされた元人間の猫による快適ペットライフである。
ちなみに、この作者の猫神信仰研究会さんの別名は、渡瀬草一郎先生とおっしゃる方であります。
渡・瀬・草・一・郎・先生、ですよぅ!!


ハーメルン

雛森「シロちゃんに『雛森ィィィィ!』と叫ばせたいだけの人生だった…」(ろぼと) 原作:BLEACH


愉悦部と化してしまった雛森桃による、大好きなショタ幼馴染の顔を曇らせて悦に浸るために道という道を片っ端から踏み外してしまった、通称・悦森さんによる大暴走劇である。
彼女の目的欲望をぜんぶ承知した上で、めっちゃ協力してくれる藍染さまの理解ある上司ムーブがまた面白すぎて、いやもう今年もっとも酷い! 酷いお話で最高すぎました。ちょっとヤバいくらい面白かった。


和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件(鉄鋼怪人) オリジナル


銀河英雄伝説の二次創作【帝国貴族はイージーな転生先と思ったか?】の作者さんによる、オリジナル作品。この作者さん、ほんとドSすぎて、オリジナル作品になってもひたすら主人公がトラブルに巻き込まれ、敵味方問わずにヤバい病んだ連中に目をつけられ狙われて、いたぶられ精神的にも肉体的にも追い込まれていく、というやべー話である。とかく、ヒロインが全員ヤンデレというのがひたすらヤバい。純粋無垢な半妖のシロちゃんだけが癒やしであるが、この子も一歩踏み外すと途端に外道落ちした大妖怪に変貌してしまうので、主人公も心を許しきれないという救いが限りなく少ないという、控えめにいっても地獄かな? ヒロインたちにはベタぼれされているはずなのだけれど、惚れられれば惚れられるほど、死亡フラグが立ち、バッドエンドフラグが立ち、まともに人間の形で死ねなさそうなフラグが立っていくという。



メスガキ銭ゲバCEOアズニャエルの経営拡大記ー腹一杯食べようではないか!ー(作者:Dixie to arms) 原作:機動戦士ガンダムSEED


なんかやべー作品しか紹介してない気がするが、これもとびっきりのやべー作品である。原作の機動戦士ガンダムSEEDが、一歩間違えれば憎悪の連鎖で国益関係なく人類絶滅戦争へと行きかねなかった危険性があったのを、ひたすら救いなく国家間の選択肢を一番ヤバい方へと振り続けた展開にしたのが、この作品であります。
戦争の無差別拡大、狂気に侵された首脳による戦争指導、加速度的に戦争が国家間の勝敗を位置づけるものではなく、人類そのものの生存を脅かすものへと広がっていくのを、多くの人が制止の意思を持ちながら誰も止められない加速度を得ていく、人類の絶滅へのカウントダウンがはじまってしまう絶望感。戦争というものを冷徹にシビアに描き続けてきた作者さんが描くからこそ、余計にゾッとさせられる人類の愚かさの淡々とした生々しさを味わえるんですよね。

真・恋姫†無双〜李岳伝〜(ぽー)原作:真・恋姫†無双


長らく続いてきた傑作三国志戦記も、このたびついに完結。
別に記事書いて、完結を祝させていただいてますが、本当にとてつもない大作でした。
真・恋姫†無双の二次創作という枠にとどまらず、三国志モノとして尋常ならざる素晴らしい物語でありました。ここまでドキドキワクワク、鳥肌が立ちまくった作品は滅多とありませんでしたよ。
本当に、凄い物語をありがとうございました。これほどのお話を読めたことに、ひたすら感謝を。


 

6月25日


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