書籍感想(2015)

ギルド〈白き盾〉の夜明譚(オーバード) ★★★☆  

ギルド〈白き盾〉の夜明譚 (MF文庫J)

【ギルド〈白き盾〉の夜明譚(オーバード)】 方波見咲/白井秀実 MF文庫J

Amazon
Kindle B☆W

凶暴な魔獣犇めき、血気盛んな傭兵達が活躍する最後のフロンティア――新大陸。伝説の傭兵『魔眼の騎士カール』に憧れる少年レイ・ブラウンは、傭兵になるために新大陸を訪れた。到着直後にカールの子孫・マリールイズと運命的な出会いを果たしたレイは、なんとカールの作った伝説のギルド〈白き盾〉との契約を持ちかけられる。ところが、レイに任された仕事はギルドの経営・兵站管理を行う『運営職』だった! ? しかもギルドは伝説の面影も無く、今や経営破綻目前で――。第11回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞受賞作、夢と希望と赤字が織り成す本格派ギルド経営ファンタジー!
「ご安心ください! 借金してでも、依頼は達成して見せます! 」
これは面白いところに着目したなあ。傭兵ギルドも組織である以上、それも営利団体である以上は組織運営のための業務を行う人員は絶対に必要になってくる。戦闘の最前線で無双する戦う人ではなく、後方でまず戦闘という仕事を行える環境を整えるホワイトカラーの悪戦苦闘を話のメインに持ってくるとは。でも、これは個人的な趣味かもしれないけれど、何の取っ掛かりもないところから仕事を作り出し、物資を確保し、作戦計画を整え、必要なものを必要なだけ必要な場所へ届けて万全の体制を整えてみせる、後方無双も滅茶苦茶燃えるタチなんですよねえ。だから、銀河英雄伝説のキャゼルヌや皇国の守護者の駒城保胤なんていう、兵站や補給のスペシャリストは大好きだったりします。
でも、本作の主人公のレイは士官学校で伝説になるほどのロジスティックスへの才能を保持しながら、どうも組織運営においてそれがどれほど重要かを認識してないっぽいんですよね。自分のやってきた仕事を卑賤なものと捉えて、前線で剣を振り回すことを望んでいるわけです。なんで彼が士官学校を放校されたのかも訳がわからないんですが、当人がこの認識と言うのもなあ。これだけ認識不足にも関わらず、正しくロジスティクスを制御し掌握し創造し構築し展開することが出来るんだろうか。
ともあれ、レイがとっ捕まり強引に加入させられることになったギルド<白い盾>は、凄まじい自転車操業を行い仕事をすればするほど収入より支出が上回る、という破綻寸前の壊滅的経営状態のギルドだったのです。恐ろしいのは、ギルドのメンバーが当のギルドマスターのマリーを含めて自分たちの置かれた状況をさっぱり理解していなかったところでしょうか。経営状態の実態を把握しているのがマリーだけとはいえ、三人のギルドメンバーも自分たちが凄まじい金食い虫であることを承知しながら、平然と浪費と言っていい経費要求を行い続けていたわけで、頭沸いてんじゃないだろうか、こいつら。
マリーはマリーで経営というものをさっぱり理解していなくて、依頼の契約の仕方から支援要員の確保の交渉のやり方まで目を覆わんばかりの酷い有様。
まあね、マリーはまずギルドというものに対する捉え方が他のギルドと根本的に異なってるんですよね。他のギルドが営利団体として利益をあげるために仕事をしているのに対して、マリーは新大陸の人々を危機から守るのが目的であって、傭兵ギルドはその手段なんですね。つまり、私財を投じて行っている慈善事業、と言っていいわけです。だから、利益は度外視だし、なるべく自分以外の関係者に便宜を図ろうとしている。負債や負担は全部自分が負うことにして。
財産らしい財産も持たないくせに、こんなもん、長く続くもんじゃありませんがな。
どれだけ慈善を志すとしても、ある程度利益を出さないと組織の維持ができず、それで組織が破綻してしまったら結局、人々を守るという目的を果たすことすらできなくなるわけで、それじゃあ何の意味もない。志だけでは飯は食えないし、飯が食えなかったら志を保つことも出来ない。その最低限の保持すらも意図せず意識せず無視して、現実から目を背けて目の前の自分の綺麗な志にばかり傾倒していった結果が、この経営破綻だったわけである。まあ経営能力や認識に欠いた人、畑違いの分野に居た人がいきなり会社や工場の最高責任者なんかに就いてしまったりすると、よくなってしまうパターンでもある。
こういうの、わからないのに自分で全部やろうとするからこうなるわけで、一番大事な基本理念と大方針を堅持して、それを実現する為のプランニングは専門家に任せればいいんですよ。
というわけで、専門家の登場である。輜重車の悪魔と呼ばれたレイ・ブラウンその人であります。
剣を振るって戦うことをを志しながら、しかしマリーの苦境を、そしてどんな苦しい場面でも決して失わない彼女のまばゆい理想を前にして、そして新大陸を見舞う災厄の襲来を前にして、ついにレイはみっともなくて毛嫌いしていた自身のその能力を解放するのである。
彼が七面六臂の大活躍をやってのけた仕事って、昨今だと「倍返しだ!」で有名な半沢直樹シリーズとか、いま放映中の下町ロケットなど池井戸潤作品でドラマなんかでも見るようになった、経理や財務部のそれなんですよね。綿密かつ説得力のあるプランニングで各所から融資を引き出し、その資金で信用を確保してさらに必要な人員と資産を獲得し、その実績を持って入札を成功させ同業者の同意と協力を取り付ける。
これまで二進も三進も行かない行き詰った展開からの、痛快な中央正面突破の事態の打開である。まあ、あくまで停滞を打破して風穴をあける展開であって、誰か悪いやつがこれで痛い目を見てざまあみろ、みたいな話ではないので、その意味でのスカッとするような気分は得られないかもしれませんが、それでもここは気分良かったなあ。

しかし、一巻としてはこの展開で見せ場はありますけれど、シリーズ化するとなるとさて、どれだけ毎回「運営職」としての見せ場を作り出しひねり出せるか。なかなかハードルは高いと思うんですよね。強い敵、困難な状況を持ってきて、それをパワーで吹っ飛ばす、或いは神算鬼謀で覆すのとは、また一味違うシチュエーションが要求されるでしょうし。でもだからこそ、次回以降の展開はちょいと期待したいところですねえ。

双剣使いの封呪結界(ロストマギカ) ★★★  

双剣使いの封呪結界 (一迅社文庫)

【双剣使いの封呪結界(ロストマギカ)】 瀬尾つかさ/ 美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon
Kindle B☆W

若者たちが異世界に勇者として召喚されては、ちからを手に入れたまま帰還することが頻発するようになった地球。あるとき、東京は謎の黒い霧に覆われ異世界とつながり、強大な怪物たちが現れるようになり東京は閉鎖された。高い戦闘力を保持した異世界帰還者たちは、霧を発生させている謎の黒い柱を破壊することで霧から東京を解放できることを発見するが、黒い柱の数は膨大で……。帰還者たちの中でも最強と呼ばれる一輝と遙、特殊な魔術を行使する理沙の三人組は、激しい戦いの中、黒い霧の奧に潜む途方もない何かの存在に巻き込まれていく……。スカイワールド、銀閃シリーズを完結させた瀬尾つかさが挑むバトルファンタジーの新境地!
相変わらずどこでも出てくるな、このマッド小人族。黒い霧が無数の異世界を侵食していく、という危機的状況だけれど、侵食具合なら作品の枠を超えてどこにでも登場するこの自爆系小人族の方がよっぽど侵食してますよね!?
多数の次元世界を滅ぼした勢力が、現代地球にも侵略の手を及ぼしてくる、というのは瀬尾さんの得意のツールなんだけれど、本作は最初期に東京の中枢部がやられてしまっているために、優秀かつ指導力を持った層が根こそぎいなくなっているので大人側の指揮系統が完全に劣化してるんですよね。割りと他の作品では後方支援組織やバックアップ体制は中身が真っ黒であろうとかなり頼りがいはあったんですよね。人類の存亡を賭けた総力戦、に相応しい体制だったのですが、こっちはバックアップがしっかりしているどころか、足を引っ張られている状況なので前線戦力となる帰還者たちは精神的にも肉体的にも疲弊する一方。かなりストレスの溜まる状況なんですなあ。
そんな中で世界を救うよりも個人的な事情を優先して動いているのが、主人公となる一輝と遙。政府の紐付から離れて独自に動いているのですが、この子たちも目的に向かってひたすら脇目もふらずに邁進していたが為に、気付かずかなりメンタルがヘタって先鋭化していたようなんですよね。
そんな中で、召喚された異世界で仲間たちをすべて殺されて自身もその世界の侵略者のボス相手に潰えようとしていたところを一輝たちに助けられた理沙。彼女の参入と地球への帰還が、思えばすべての変化の起点になってるんですよね。彼女自身、共に召喚されて辛い戦いをくぐり抜けてきた仲間たちを失い、大きな心の傷を負っているにも関わらず、微妙に三下っぽい、しかし意図された陽気さと前向きさによって、徐々に一輝たちの凝り固まったメンタルを解きほぐして、彼らを人間に戻していくんですね。また、帰還者たちのリーダーとしてこの世界の盾となり、無能なバックとの調整や一輝たちに便宜を図るなど組織運営や防衛戦略についてもほぼ一人で奮闘していた小学生戦士かなたの孤高にして孤独な心を本当の意味で救い支えようとしているのも彼女、理沙ですし……もうこれ、理沙が主人公でいいんじゃないだろうかw
理沙は決して強い子じゃないんですよね。戻った学校ではうまく馴染めず、失敗を繰り返してはへこんで落ち込んでいるし。それでも、この娘だけはひたすら目的に向かって邁進する、突き進まなければもう二度と進めないくらいにボロボロになっている帰還者たちの中で、周りの人たちを支えようとしている。かつて、自分が居世界で仲間たちに支えられ助けられ、最期まで守られたことを。彼女の能力が、誰かに守られることを前提としているからこそ、当たり前のように自分を費やして周りの人たちを身も心も守ろうとしている。それこそ、自分を使い尽くすのを望んでいるように。その意味では、彼女もまたいい具合に壊れているんだけれど、その壊れ方が他人を癒やすことに費やされているのは、何とも健気だなあ、と遠い目になってしまう。これに関しては、かなたも似たようなものなんですけどね。かつて喪われた仲間たちが自分に託したものを、目いっぱいに背負い込んで、世界を守るために全力全壊で使い尽くそうとしている。小学生の幼女が背負うには、あまりにも酷じゃあないですか。でも、優秀すぎるが故にみんな、彼女自身も含めて彼女を決して歳相応の小学生の子供としては扱わない。それを、理沙がするりと滑り込んで誰もやらなかったことをやっているわけですけれど……。
いずれにしても、惨い世界観だなあ。ただでさええげつない状況下で、さらに悪意を持った謀略が帰還者たちを陥れ、屠ろうと手を伸ばしてくる。さて、いったいどの段階で痛快にこの行き場のないどん詰まりのような状況をふっ飛ばしてくれる展開になってくれるのか。

瀬尾つかさ作品感想

その無限の先へ 2 ★★★★  

その無限の先へ (2) (MFブックス)

【その無限の先へ 2】 二ツ樹五輪/赤井てら MFブックス

Amazon
Kindle B☆W

ありとあらゆる願いが叶うといわれる『迷宮都市』に辿り付いたツナとユキ。冒険者としての登竜門『トライアルダンジョン』に挑む二人に“冒険者の洗礼"が降りかかる。そして――最下層。直後現れたのは、一目でボス部屋と分かる巨大な扉。
「成る程、ここでこのまま突入して死ぬのがパターンというわけだね」
いきなり目の前の扉に飛び込むほど馬鹿でも、無謀でもない。探索とレベルアップを重ね、万全の準備を整えボスへと挑むことに。ボスとのバトルを通して、二人は相棒としての絆を徐々に芽生えさせていく。しかし、扉の奥、さらにその先に待っていたのは――!?
ギャグもバトルも予想外! 無限に続くバトルコメディー第二弾!!
あれ、カラー口絵のユキの表記って、今ユキトになってるけれど、これって今後あのイベントに伴って変わってくるんだろうか。あれって、別にそのくらい構わないじゃない、と軽く考えてたんだけれど、口絵にこうして名前の表記がされるとなると凄く可哀想に思えてきて、爆笑してしまった。想像だけで笑えてしまうとか。うん、そりゃユキも憤怒するよね! って、まだ起きていないイベントはイイとして、この2巻は導入編の後編。トライアルダンジョン攻略編である。ボス部屋を前にしてレベリング、とかこの頃は普通のダンジョン攻略みたいなことしてたんだなあ……って、ぶっちゃけこういうダンジョンって、ほんとこのトライアルダンジョンだけなんですよね。もう次からは常識ぶっ飛んだようなハチャメチャなダンジョンに突っ込んでいくことになるし。
まずは定番とも言える序盤の大物ミノタウロス。これが、最下層のボス部屋に出てくることになるのですが、そういえばミノタウロスの名前の由来であるミノス島の大牛という意味にツッコまれたのは初めてみたなあ。他の異世界ファンタジーで出てくるミノタウロスもミノス島関係ないのにミノタウロスなんですよねえ。しかし、ほんとどうでもイイこと駄弁ってるよなあ、と思うんだけれど、何気にミノのタウロスさんは今後も引っ張っられるネタなのでここで流してしまうわけにはいかないのです。この段階までは、この作品に出てくるモンスターについて完全に思い違いしてたんですよねえ。ある意味、この迷宮都市のハチャメチャ具合を実感するのは、このトライアルダンジョンを戦い終えて、迷宮都市の実態を知ることになるこれ以降の話なんですけれど、ミノタウロスについてもあれはなんかもう笑い倒したもんなあ。いや、モンスターに留まらなくってあまりといえばあまりのことにひっくり返ったものですけれど。おかしい、もう全部おかしい、この都市!
それにわりと即座に馴染んでるツナって……。ツナって口では驚いたように言ってるんですけれど、どんな事でもわりと鷹揚に受け止めてるので、傍から見ると全然動じない風に見えてるんじゃないだろうか。状況に対しての適応力が尋常じゃないというか、驚きツッコミを入れながらもどんなふざけた事態、とんでもない状況、ぶっとんだ出来事でも、わりとそういうモノか、という風に馴染んじゃうんですよね。いや、それに馴染むなよ! というような事にまで。これは前世の学生時代からの事のようで、こいつは生身で紛争地帯に放り込んでも平気で生き残りそう、というか傭兵にでもなって馴染んでそう、とか言われてる始末ですしね。実際、彼がこの世界で生まれ変わったところは、日々の糧にも事欠くような限界村落で、転生者とか関係なく普通に死にそうな過酷な環境で、平然と適応してましたからね。チートとかではなく、ナチュラルに頭オカしいタイプなんですよねえ。とはいえ倫理観に欠けてたり常識がなかったり無神経だったり腹黒だったりコミュ障だったりするわけではなく、鷹揚で許容範囲も大きく付き合いやすいタイプなので、キャラ的にもホントに面白いばっかりの主人公で、見てて愉快なんです。でも、頭オカしいんですけどね!
ユキもあれで、相当ぶっ飛んでるというか、性格悪いところあると思うんだけれど、ツナとはよっぽど歯車合ったんだろうなあ、という噛み合いっぷりで。今後も仲間や知人友人は増えていくのですけれど、バディ的な相性の良さはやはりユキがずっと一番のような気がします。
で、最下層のボス戦を突破したツナとユキが直面するのは、この作品の特徴でもあり、この迷宮都市の特性でもある、「死んでも生き返れる」というシステム。
そもそも、迷宮都市の冒険者たちがクリアを目指す無限回廊は、死ぬのが前提とされている難易度のダンジョン。何度も死んでみることで内部を調べていくスタイルなんですよね。
でも、死ぬんですよ? ゲームで死んでやり直す、というのとは決定的に違う。血を流し、肉が削がれ、骨が砕け、眼球が潰れ、脳漿がこぼれ、ハラワタがぶちまけられる。グシャリと潰されたり、上半身と下半身を真っ二つにぶった切られたり、強酸でデロデロに溶かされたり、溺れ死することもこんがりと全身を焼かれて焼殺されることも、生きながら食い殺されることすらある。そうした普通なら一度経験して終わり、という救いがある絶望が、このダンジョンでは何度も何度も繰り返し経験しなければならない。死ぬとわかっていて、死ぬほどの苦痛を味わうと知りながらそれでも自分から進んでいかなければならない。
死んでも大丈夫、というのは決してヌルゲーの条件じゃないんですよね。死んで死んで死にまくらなければならない、というのもそれはそれで凄まじいまでの苛酷さなのである。
それに耐えられる人間だけが、この迷宮都市で冒険者で居られるのである。その洗礼を、ツナたちも無理矢理に強制されることになるわけだけれど……。

その絶対的な結末を、ボロボロになりながらごく自然に踏み潰していくツナがバケモノすぎるのである。この主人公の異常性というのは、メンタルが強いという表現に当てはまらない、巌のような揺るぎなさ、なのでしょう。絶望的な状況に対して、それをそもそも絶望的、と感じてないっぽいんですよね。限界村落でオークの群れと戦った時も、そこに英雄的な考え方も村を救わねばならないという信念があったわけでもない、絶望を覆してやる、という反発心や奮い立たせる意気があったわけでもない。
内心どれだけキツいキツいとこぼしながらも、黙々と、一つ一つ目の前の絶望を踏み潰し、握りつぶし、一歩一歩掻き分け、止まることなく突き進んでくるのである。どれほど傷めつけても、ボロボロに叩き潰しても、堪えた様子もなく、何も感じていないかのように、突き進んでくるのである。
絶対的な優位の上に居て、絶望を与える側だった者が、その止まらぬ進軍に逆に段々と追い詰められ、何をしても倒れないという事実に恐れおののき、逆さまに絶望を恐怖を味わわされるのである。
最終戦の相手、途中から逆に可哀想になりましたもんね。どっちが襲われている側か、わからなくなるほどに。トラウマです、もうトラウマ与える側です。

最後の目を覚ましたユキとのやり取りって、書きおろしだったのかしら。二人だけのささやかな祝勝会。ここは、二人の相棒としての雰囲気の良さが出てて、凄い好きなシーンでした。


で、書きおろしのオマケ話は、ユキが蹴っ飛ばしてきたお見合い相手のお嬢さんのお話。普通の娘さんかと思ったら……ちょっ、もしかして最新話近くでこっそりルーキーたちの間で話題になってた新人の子って、この娘のことだったのか!!
うははは、またぶっ飛んだ娘さんの登場である。これはまた、メンバーの候補だなあ、これ。

さて、導入編とも言うべきトライアルダンジョン編も終わり、ダンジョンマスターとのお話でこの都市で目指すべきところも把握し、次からこそはこの迷宮都市のぶっ飛びっぷりをこれでもか、と味わえるのでこっからが真骨頂なんですよね、楽しみ楽しみ。そして、本作最強のネタキャラがついに登場であるw

1巻感想

イレギュラーズ・リベリオン 1.王者の紋章 ★★★☆  

イレギュラーズ・リベリオン 1.王者の紋章 (GA文庫)
イレギュラーズ・リベリオン 1.王者の紋章 (GA文庫)

【イレギュラーズ・リベリオン 1.王者の紋章】 尾地雫/おちゃう GA文庫

Amazon
Kindle B☆W
超自然の力を操る紋章騎士の養成学校――マーテリア騎士学院。そこに歴代最高成績で入学し、最強部隊で活躍していたハンティス=ハーミリオン。ところが、
「せんぱい、起きてくださいよぉ……」
「……なんでそんなに俺に構うわけ?」
今は落第生としてドジっ子のマロンを筆頭に、問題児ばかりが揃う落ちこぼれ部隊の隊長となっていた。しかしある日、学院を揺るがす事件が勃発し、ハンティスの前に忌まわしい過去の因縁が再び姿を現す。
「俺はもう逃げないって決めたんだ」
元エリートと落ちこぼれたちの反撃が、いま始まる!
なるほど、才能のきらめきはあるけれどそれぞれ大きな欠点がある落ちこぼれたち。それに対して、かつて歴代最強と謳われた天才たちでありながら、大きな挫折を経験して停滞してしまったエリートたち。それぞれ別枠で一つの物語を形成出来そうなチームを思い切って一緒にしてみるとこうなるのか。実に優等生的な内容でこうすれば盛り上がる、こうすれば面白くなる、という定型パターンを丁寧に踏襲しているんだけれど、上辺だけなぞるのでは決して出てこないキャラクターの熱量がちゃんとノッてるんですよね。残念ながら落ちこぼれ組はそれほどでもないのだけれど、大きな傷みを抱え込んでいる主人公たちエリート組は、抱え込んだものの重さとそれを振り払おうと足掻く必死さが熱量となり、厚みとなり、キャラクターの息遣いに力が宿ってる。だからこそ、彼らの走っていく後にちゃんと実のある物語が形成されていってるのではないでしょうか。キャラがこうして流れに乗って動いてくれてる作品は、その流れをうまく維持できればどんどん伸びていきますからね。その意味でも先は楽しみな作品なのですが、如何せんちょっとまとめすぎたかなあ。
まず現在の落ちこぼれ部隊第29部隊の他の面々が見ててイラッとするタイプばっかりであんまり魅力ないんですよね。彼らが落ちこぼれている理由って、不遇とか力の使い方が間違ってるとかそういうのじゃなくて、本人たちが好き勝手してるだけで真剣にやるべきことをやってない、という面が大きいんですよ。ちゃんと頑張ってるのに報われない子はそりゃ応援したくなりますけれど、この子らは自業自得の側面が大きいからなあ。むしろ、かつてのイレギュラーズの方がエリートで天才たちの集まりでありながら、みんな努力家でひたむきでお互いを思いやり足りない部分を支えあい、と人格面でも優れていてついつい肩入れしたくなるようなチームだっただけに、こう対比してしまうと尚更に、うーん……と。
そのイレギュラーズでも、もうちっとお互いの距離感やどう思い合っているのかを想像できるエピソードが多くあったら、それが喪われていく時の悲劇性にも感情が乗ったのですけれど、特に隊長のリースがどういう人物だったのか、人となりや考え方。表面的にはともかく、中身をもう一味実感できる要素が足りなかった気がします。彼が、仲間を一人ひとりどう思っていたのか、についても。
残念ながら、今後彼については掘り下げられていく機会もなさそうで、このままものすごい勢いで過去の人になっていきそうですし。
ともあれ、一度壊れてしまったものの一部でももう一度繋がることが出来、今の仲間たちに加えて此処からが再びの、過去を一つ乗り越えたイレギュラーズの再出発。こっからが本番なのでしょう、物語としても。
あれだけ直球で告白しながら、シスリーの横槍でひどいことになってしまったハンティスは可哀想だと思いますけれど、いやそこでバタつかずに粘りなさいよ。告白したんだから、サヤ一筋でいいじゃない。頑張れよw
個人的には00部隊のアルレナとムスリアの二人組の関係の方が気になるなあ。


聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 14 ★★★★  

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 14 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 14】 あわむら赤光/refeia GA文庫

Amazon
Kindle B☆W
"いざ、剣と魔術の乱舞。日本支局攻防戦!!

「ただいま、エリカ叔母さん」
春休みに入った亜鐘学園を後にし、久々に実家に帰省した諸葉。マヤ&レーシャ同伴の家族団欒や、静乃の祖父から「彼氏の呼び出し」を受けるなど束の間の休暇を味わう。
だがその陰で、六翼会議が次なる一手に動きはじめる――日本支部長駿河安東の拉致。白騎士機関最大の急所を狙い、遂に《炎王》熾場自らが作戦の渦中に現れた。
迎え撃つは日・仏連合の最強チーム!
かつて敵対した二国が手を取り合い、奇策、鬼謀、超次元の防衛戦を繰り広げる。
綴れ、常識を突き破りし連理の秘術!!
剣と炎が入り乱れる緊迫の学園ソード&ソーサリィ第14弾!!"
そういえば諸葉の叔父さんと叔母さん、ずっと諸葉の話には出てきていたものの、実際に登場した事がなかったのか。
そりゃあ、諸葉をこれだけ出来た子に育てた人たちなのだから、立派な人たちなんだろうとは思ってたけれど……叔母さんが外人だってのは予想外すぎるよ!! この二人の来歴については作中では一切話題にはのぼらなかったのだけれど、多分裏設定、というか二人の半生の激動のストーリーみたいなのがちゃんとあるんだろうなあ。決して裕福な暮らしではない、というのは普通の日本人の夫婦ならそういう事もあるんだろうな、と思うだけなんだけれど、片割れが外国人だとよっぽどの紆余曲折の末にここに落ち着いたんじゃないだろうか、と想像が羽ばたいてしまう。まあ過去はどうあれ、今はただの一般人。そして諸葉によっては尊敬する叔父夫婦であるだけなのだけれど。
しかし、最初に親代わりの叔父夫婦の元に連れていったのが、いつもの二人じゃなくてまーやとレーシャの二人だったというのはなかなかの変化球である。でも、レーシャは特に、ナチュラルに場を和ませてくれる存在なので、こういう日常パートではけっこう重宝するんですよねえ。どんな相手でもレーシャは弄りやすいというか。サツキや静乃だと、このケースだと諸葉の親代わりの面前だと色々と畏まっちゃうし、意識し過ぎちゃう場面であろうから、家族の団らんという意味では自然体のまーやとレーシャの方が、馴染むんですよね。諸葉も、久々の帰省ということでリラックスしたいところだったでしょうし。

さて、肝心の六翼会議との抗争だけれど、事此処に至っても未だアドバンテージは向こうに持って行かれたまんまかー。まーやの覚醒など、着実に相手に奪われた主導権を取り返すための手は打ってるのだけれど、それでも追っつかないのはそれだけ相手が上手なんだろうけれど、それでも苦しいなあ。
ぶっちゃけ、今の白騎士機関って中国の師父は前線に立てないしアメリカも戦闘向きじゃなし。ぶっちゃけ、諸葉とエドワードとシャルルの三人で何とかしないと行けなかったわけで、ここでシャルルが痛手を受けたのはちょっと辛すぎる。六翼のうち一人も落とせてない、というのもなあ。よっぽどの大逆転劇が待っていないと、この展開はストレスが溜まるばかりですよ。
そして、目に見える形で白騎士機関と六翼会議がぶつかり合う一方で、のそりと鎌首をもたげるようにどうやら本筋の、本当の黒幕が浮上してきたじゃありませんか。なるほど、熾場さんが敵のボスというには、理性的だし突き抜けた感じがしなかったのはこういうことだったのか。

にしても、あのシャルルの面倒臭さはむしろ仲良くなってきた時のほうがより一層面倒くさいんじゃないだろうか。諸葉、いい加減慣れたのかと思ったら、まだ自在にあしらえるほどではなかったか。いや、可哀想だからもうちょっとかまってあげなよ、というのは他人事だからか。フランス支部のシャルルの部下たちが、慣れきった様子でシャルルを弄って遊んでいるのを見ると、慣れたら扱いやすい人なんだろうなあ、とは思うんだけれど。あれで、食事に誘われて実はめっちゃ嬉しがってた、とかわかんねえよ! 可愛げの塊みたいな人ではあるんだけれど、やっぱり面倒くさいよ!!

シリーズ感想

「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ 1.太秦萌の九十九戯曲 ★★★☆  

「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ1 ~太秦萌の九十九戯曲~ (講談社ラノベ文庫)

【「地下鉄に乗るっ」シリーズ 京・ガールズデイズ 1.太秦萌の九十九戯】 幹/賀茂川 講談社ラノベ文庫

Amazon



Kindle B☆W

連休直前に送られてきた『京都・パワースポット巡り』の案内。写真撮影が好きな太秦萌は幼馴染みの松賀咲と小野ミサと、このイベントで思い出作りをしようと考えた。パワースポットを巡りきると願い事が叶うというのにも心惹かれていたが、今まで三人で市内観光をしたことがなかったのだ。張り切る萌の前に、イベントの案内役だという自称“精霊”の都くんが現れた。萌たちは都くんに色々な意味合いで妖しい巫女の元へと連れて行かれる。巫女はイベントの本当の目的を語り始めた。これはいくつかの試練を乗り越えなければならない神聖な祭なのだと。果たしてどんな苦難が待ち受けているのか…!?元気ハツラツ★ガールズストーリー!!
作者の幹さんと言えば、【神様のお仕事】シリーズなどを良作を手がけてきた人なのだけれど、その人がノベライズ。しかも「地下鉄に乗るっ」シリーズって……聞いたことないんだけれど、なにこれ? と、思ったら、本作に出てくる幼馴染三人娘が京都市営地下鉄PRキャラクターなんですか。そりゃあ知らんわ。読み終わってあとがき読むまで、これが企画物という背景も知らなかったのですが、まずキャラクターありきで、バックストーリーとかもなかったと思うんだけれど、そういう所が引っかからずに素直に物語に入っていけたので、改めて振り返ると上手いこと作品世界を構築してたんだなあ、とちょいと感心してしまいました。太秦萌と、他の二人の関係からして何もなかったはずですしね。制服からして違うのだから、同じ学校の生徒にも出来ず、どうやって一緒に動かすのか、というところから考えねばならなかったはずなのですけれど、バラバラの学校に通う幼馴染同士、というところからスタートさせて、そこから三人が一緒に京都巡りをする理由とこの物語の着地地点までうまいこと繋げてるんですよねええ。オリジナルキャラとなる白河澄の存在も、彼女らの京都巡りのコンセプトに上手いこと合致させて、自然に流れの中に加わる形になってましたしねえ。
神様の領域に片足をつっこみ、普通の人が見えない八百万の世界が混じり入った現実の京都で様々な賑やかなイベントに巻き込まれながら、京都各所の著名なスポット、或いは穴場の名所、地元の名物なんかをめぐっていくわけだけれど、話を読み進めていくと自然に京都の情報が頭のなかに滑り込んでくる。物語は添え物で観光案内の情報を羅列するのがメイン、というのでは全然なくて、あくまで物語が主眼であり、それを楽しんでいたら自然と……という風に出来ているんで、観光案内としても実にお見事。観光情報ばっかり強調されて目の前に押し出されてもつまらないですし、読み飽きちゃいますもんね。その点、本作は観光案内というコンセプトを意識せずに、純粋に最後まで物語として面白かったですし。
でも、地下鉄にはそんなに乗ってなかったような…(笑
ちなみに、世界観についてはやはり幹さんの一連のシリーズと共通しているようで、八百万の神様や妖怪たちも一般人には見えないながら、ちゃんと地元に根を張って存在している世界のようで、その点でも入って行きやすかったのかな。多分、この作品内では神務省とかもあるんだろうなあ。狐面の巫女さんも、そっち関係の人だろうし。

幹作品感想

このライトノベルがすごい!2016   



このライトノベルがすごい! 2016

この書影、発売日になっても変わらないのか(苦笑

今年も協力者枠で参加させていただきました。今年に関しては例年に比べて取りこぼしが多くて、手を伸ばせる範囲を網羅してそこから選び抜いた、という手応えにいささか欠けた感があり、ちと悔いが残ってるんですよね。
せめて月30は最低限読んでおかないと。歳なのかなあ、仕事から帰ってから一冊読んで感想一つ、というペースがなかなか保てなくなりました。疲れて起きてらんないのよさ。
と、愚痴はともかくとして、今年も第一位は俺ガイル。これで三年連続ということで殿堂入りらしいんですけれど、殿堂入りってもうランキング除外ということですか。凄いなあ。
この作品、然るべき時に読むぜー、と6巻あたりから大事に置いておいたら然るべき時が来なくて
今まで最新刊まで読まずに積んじゃってるんですよね。完全にタイミングを逃してしまってるのです。読もう読もうと思うのですが、暇があって余裕があってガッツリ読みふけって浸れる時間を図ってたら、来ないんですよそんな時間(苦笑
同じように大事にしすぎて抱え込んじゃってるシリーズが他にもけっこうありまして、気合入れて読みたいと思う作品ほど積んじゃってるんですよね。【とある飛行士】シリーズなんか、そのままついに完結しちゃいましたよ、あわわっわ。
出た時にこそ読むべき、とわかってるんですけどねえ。あれもこれも、とどんどん積み本が溜まってきてしまっていて、今となってはどれから読んでいいものか途方に暮れてる次第です。
俺ガイル、結局アニメ第二期は内容知りたくないから一切見なかったもんなあ。

今年のランキング、やはり目立つのは新作部門の【エイルン・ラストコード】と【終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?】の2タイトルでしょう。【エイルン・ラストコード】に関しては完全に予想外で、この名前を見た時は驚きました。私、一巻しかまだ読んでないんですよね、これ。かなりハードな世界観で歯応えある内容だったのですが、これも読まないとなあ。
終末こと「すかすか」については、私も二位で投票していました。20位以内くらいは食い込むかなあ、と期待していたのですけれど、これも想像以上の位置で。
本作の打ち切り予定からの復活劇は、私も感激した口です。今まで、どれだけ打ち切りにしないでっ、と願っても覆った試しなんてなかったですからね。いつだって、続きを見ないまま去っていく名作、傑作を歯を食いしばって見送ってきたか。そんな中で、こうして打ち切りから蘇った作品の存在は、言わば希望の種。【魔法遣いに大切なこと】【echo 夜踊る羊たち】以来の枯野さんファンとして、本作の続きが読めることも然ることながら、こうして復活の前例が出来たことは嬉しい限りです。

さて、今回私が投票した作品は【異世界から帰ったら江戸なのである】【終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?】【はたらく魔王さま!】【ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン】【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】でしたが、ガンゲイルとはたらく魔王さまがそれぞれ36位と41位。他はランク外。江戸はまあ個人的趣向に走りまくってたんですが、問題児はあれ発売時期的なのかな。

ランキングを見ていて、ふと感じたことなのですが今年猛威を奮っているなろう出身小説なのですが、意外なほどランキングには姿を見せてないんですよね。いや8位の「ダンまち」、11位に劣等生。ソードアートも含めれば上位にちゃんと顔を出しているといえるのですけれど、これらはもう数年前から既に地位を築いているタイトルばかり。明確に新顔と呼べるのは、【異世界食堂】くらいなんですよね。さり気なく、ランク外からにょきにょき上にあがってきている【薬屋のひとりごと】もありますけれど。あとは【Reゼロ】と【オーバーロード】くらいか。60位以内でわずかこれだけ、というのはちょっと意外な結果でしたね。

ともあれ、ランキングにあがっている中でも積んでいる作品がこれでもか、と散見されてあうあうとなってしまいました。エイルンは早く読まないとなあ。

コメントはガンゲイルで採用されてるの、一つ発見w

カボチャ頭のランタン 03 ★★★☆  

カボチャ頭のランタン03  (ダッシュエックス文庫)

【カボチャ頭のランタン 03】  mm/kyo ダッシュエックス文庫

Amazon



Kindle B☆W

迷宮から無事帰還したランタン一行は、敵襲を誘い出そうと一計を案じる。ランタンに強い執着を見せる射手・バラクロフ。狂乱する麻薬密売組織の頭首・カルレロ。そして背後に控える巨大な黒幕…。探索者ギルド職員テス、傭兵探索者ルーと共に、ランタンとリリオンは激化する戦いに身を投じる。そして明かされるランタンの、リリオンの過去。出会うべくして少年と少女は出会い、独りと独りはやがて二人になった…。圧倒的な描写力で綴る本格迷宮ファンタジー、WEB版からの大幅改稿を経てさらなる魅力で贈る待望の第三巻!!
テスさんの、あの犬頭にも関わらず色気と美人さが伝わってくるデザインはやはり素晴らしいなあ、と表紙を眺めながらしみじみと実感してみたり。
見目も然ることながら、生き様がすごいシャープなんですよね。わりと好き勝手奔放に振舞っているあたり、周りの人たちは大変な思いをしているだろうことは、弟や同輩、司書さんからの反応からも窺い知れるのだけれど、迷惑や厄介事を押し付けられ引っ掻き回されながらもテスを嫌う様子だけは誰も見せない、というのは人徳なのかねえ、これ。嫌いになれない愛嬌みたいのがあるんだろうか。ふと一瞬、テスさんが垣間見せる弟への愛情や司書さんへの友情なんかを目の当たりにしてしまうと、その気持ちもわかるんですけどね。でも、基本的に近づくな危険、というヤバイ系ではあるんだよなあ。
しかし、仮にもこの人に手綱つけて組織に所属させている、というのは探索者ギルドって結構懐の深い組織なんだろうか。受付のお姉さんもいい人だし、テスさんの同輩の隊長さんも、有能であれ結構人格者っぽいしねえ。
正直探索者稼業というのはどうしたって血生臭く世間からドロップアウトしがちな人間が多いもので、スラムの様子や探索者崩れと呼ばれる者たちの堕ちっぷりを見れば際どい業界だと言わざるをえないのだけれど、少なくとも後ろ盾となるギルドがしっかりしている、というのは頼もしい。図らずも、ランタンとリリオンはそんな組織と知遇を得られたわけで、今回の襲撃の一件がもろにランタンやリリオン個人を狙ってきているものだと判明した以上、ギルドに頼れるというのは無視できない大きな要素のはず。
というわけで、今回はダンジョン攻略戦ではなく徹底して対人戦。それも、市街戦での多人数戦闘と相成ったわけだけれど……敵さん、その殆どがヤク中か薬漬けで洗脳されてる相手、ということで強さはともかく戦う意思に関しては人形みたいなもので、覚悟や欲望がぶつかり合うような戦いではなかっただけに熱いものにはいささか欠けたかなあ。確固として剣を交え命のやり取りをしあう理由がお互いになかった感じなので。暗く欲望に爛れた薄汚い意思、大敵となり得る相手は背後の闇に隠れたまま戦いの最中は姿を表さなかったわけですしね。出てきたら出てきたで、あまりのおぞましい悪臭に顔をしかめざるを得なかったのですが。
まあ相手に強さとしての歯ごたえは兎も角、敵としての手応えがなかった分、ひたすら戦いながらもランタンとリリオンがイチャイチャしていた気もしますが。頑張って猛威をふるうリリオンを、ランタンが愛でるや愛でるや。その成長に目を細め、慈しみを絶やさないその可愛がりような、もう目に入れても痛くない、というレベルで。
まあわかるんですけどね。体つきこそ大きいけれど、中身はまだ年齢ひとケタ台の幼気な子供にすぎないリリオンは、その言動、反応、全部が可愛い盛りでねえ。でかい図体で幼女ぶられても、と思われるかもしれませんが、これが殊の外良くて。うん、大きいのも愛嬌さぁ。
そんな無邪気で無垢で健気で純真なリリオンだけれど、彼女の陰惨な過去を知るとよくまあそんな綺麗な心のままで入られたものだ、と重たい気分にさせられる。そして、穢れの一つもないように振る舞う彼女だけれど、はっきりと彼女の口から自分の中には怨がある、と明言されてるんですよね。恨み、憎しみ、怒り、そういったものが源泉として彼女の中にある。そして、この街に来るまでに彼女が味わった辛酸は、深い傷として今なお血を流し続けている。それでありながら、今のリリオンがあれだけ明るく天真爛漫に振る舞えるというのは、それだけランタンと過ごす時間が彼女の心を守ってるということなのだろう。傷つき血を流し暗い炎に焼かれ続けている心から、痛みも負の感情も消し去ってしまうほどの安らぎを、安心を、幸福を、この小さい少年は大きな幼女に与え続けているわけだ。リリオンのランタンへの態度も健気だけれど、ランタンのそれも献身だよなあ。
そんな二人を、身も心も尊厳も自由もすべてを脅かそうとするおぞましい悪意の塊が、黒幕として敵として浮かび上がってきた今回のお話。徹底してやりあうには十分な邪悪である。

1巻 2巻感想

世界の終わりの世界録(アンコール) 5.降魔の大皇3   

世界の終わりの世界録(アンコール) (5) 降魔の大皇 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録(アンコール) 5.降魔の大皇】 細音啓/ふゆの春秋 MF文庫J

Amazon
Kindle B☆W

伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める時代―覇都エルメキアを舞台とした三大姫の大暴れで「再来の騎士」の名声が高まる一方、レンは騎士王ゼルブライトとの激闘の末、新たな「英勇」としての可能性を顕示。そして一行は最後の封印を解くために冥界へと歩みを進める。危険すぎる道中の先に待ち構えるのは、エリーゼの弟である現魔王ヴェルサレム、五大災、正体不明の沈黙機関。過去と因縁に囚われし者たちが鎮魂曲を奏でる中、現在と未来を切り拓く偽英勇の熱き叫びがこだまする。「太古を誇るだけの獣が、現在を生きる人間を舐めるんじゃねえ!」―いま、最も王道を行くファンタジー、怒濤の第5弾!
三大姫の一人として最初からずっとレギュラーで頑張ってたのに、何故か五巻になるまで表紙を飾らして貰えなかった元魔王のエリーゼさん。ようやくトップを飾りましたよ、良かったね。というわけで、色々と世界を巡ってきたレンたちだけれど、ついに魔界……じゃなくてエリーゼたちの世界である冥界を悪魔法印を求めて訪れることに。気分は、ドラクエ3のアレフガル突入である。冥界はイメージ通りの毒々ワンダーランドっぽくて良かったんだけれど、魔王城までの道程、レンがひどい目にあっているのに概ね端折られちゃってて、可哀想というかなんというか。苦労したのにw
現魔王のヴェルサレム、エリーゼの弟で話題にのぼる時もあの愚弟扱いばかりだったので逆にエリーゼが過小評価しているか、可愛がっているけれどわざとキツい言い方しているのじゃないか、とちょっとだけ期待してあげたんだけれど……あかん、わりとガチで姉ちゃんに頭あがらん弱弟だw 見た目はイラストになってなかったんだけれど、どうやら厳つい見るからに魔王っぽい容姿なんだけれど、言動の端々から理不尽なお姉ちゃんに振り回されても文句ひとつ言えずに半泣きになりながらヘコヘコしてるのが透けて見える残念さw わりと威厳もあると思うんだけれどなあ、滲み出ちゃってる、威厳の隅っこからにじみ出ちゃってるよー。
まあエリーゼのことを姉上とか姉者とかじゃなく「姉ちゃん」と呼んでる時点で推して知るべしなんだけれど。一人称が「余」な分、ギャップが萌えるのです。竜の谷の妹竜カルラとか、天界の女神様とかわりと格好ついてたんだけれどなあ。レスフレーゼさまも大概だったんだけれど、愚弟魔王と比べるとまだ……魔王、頑張れ魔王w
魔王の座を競い合ったという冥界の大幹部五大災たちも久々に登場すると、あれただの愉快な変人たちですよね。人間サイドの実力者たちがみんな真面目、シリアスモードなのに対して、この悪魔たちと来たら……。
特に魅亜さん。旅団のおっちゃんにおもいっきり籠絡されて、嬉々と仲間になろうとしているのには吹いた。五大災、仮にも五大災の一人だというのを、この娘普通に忘れてるんじゃなかろうかw とはいえ、あの「黄金の夜明け」の団長、何気に人物なんだよなあ。人族と決して仲良いというわけじゃない異種族のメンバーたちにあれだけ慕われてるのだし、魅亜にしたってアホの娘とは言えああも安々と「団長♪」と慕われるようになるとは、尋常じゃないですよ。その上、同じく冥界に迷い込んだ「あの娘」についても、団長については完全に特別扱いでしたしね。
この団長、弱いとはいえ多種族から慕われ、注目されているという点ではレンと似てるんですよね。今後、けっこう重要な立ち位置になってくるのかもしれない。

さて、ついに三大姫と英勇エルラインが戦ったという謎の存在の正体、少なくともどういう連中なのか、というのが明らかに。もうちょっと引っ張るかと思ったけれど、ここらはサクサクっと進めてきましたね。どうして、レンにその敵のことを積極的に語ろうとしなかったのか。レンが持つ特別な力と覇都エルメキアで繰り広げられている陰謀も絡んで、なるほど焦点はそこだったのかー。
実のところ、エルラインたちが戦った相手は意思疎通不可能な絶対敵なのだと思っていたので、意思の疎通が不可能だった理由の一旦が明らかになると同時に、その性が悪ではなかったのはインパクトでありましたね。ただ、敵を倒せばいい物語じゃないのか、やはり。エルメキアで暗躍している連中のほうがよっぽど質悪そうだし。ああいう意味深に悪ぶって見下して自分たち超つおい、という態度取ってる連中は、バチコーンとぶっ飛ばしてほしいなあ、早々に。その意味では、あのディスカントもそういうタイプだったので、一発イワしてくれたのは大変結構だったのですが、どうせなら泣きべそかかせて「くちゅじょきゅだ!」ってなるくらいにはきっちりやっつけてほしくもあったのでした。いや、そういうキャラじゃないのは承知の上で。

シリーズ感想

吸血鬼に彼女役を頼んだ結果→とんでもないことになりました4   

吸血鬼に彼女役を頼んだ結果→とんでもないことになりました (一迅社文庫)

【吸血鬼に彼女役を頼んだ結果→とんでもないことになりました】 すえばしけん/LENA[A-7] 一迅社文庫

Amazon
Kindle B☆W
異世界に続くゲートが開いたことにより、異種族と人間が共存する現代日本。何故かやたらと女性(人外限定)にモテる体質のため、トラブルに巻き込まれがちな俺・真城大河は、ひょんなことから、行き倒れていた密入界者で吸血鬼の美少女・リーゼロッテを助けることになる。彼女をかくまう代わりに、形だけの恋人になってもらうことで女難を避けようと、偽の彼女役をお願いすることにしたのだが、それがさらなるトラブルの引き金に―!?モンスター娘にモテモテ!?人外ハーレムラブコメ!
すえばしさんの作品としては【ひきこもりの彼女は神なのです。】寄りの世界観だなあ、これ。しかも、この作者特有のああこれはヤバイとゾクゾクさせられるような黒かったり壊れてたり、という部分が見受けられない久々のマイルド路線。かと言って味気なくなっているわけではないのは、さすがというべきか。ハーレムラブコメというには独特の渋みといいますか、キャラクターに味わいがあるんですよねえ。特にリーゼロッテと日和子さん。リーゼロッテは庶民的な生活の知識を殆ど経験していないまさにお姫様で態度も偉そう、という記号的になりそうなキャラクターにも関わらず、これが妙に面白いというかシットリとした雰囲気のあるキャラに仕上がってるんですよね。偉そうだけれど素直でクール。無愛想だけれど人付き合いが良く、世間知らずなのに世知に長けている。誤解されがちな大河という少年に対する深い理解者、それも大河当人が自覚していない部分まで短い付き合いの中でよく読み取り、彼の在りようを定義づけていたりもするんですよね。そういった点から見ても、彼女の性質が崇め持て囃されるお姫様というよりも……なるほど、彼女が異世界において与えられていた特殊な役割に相応しい在り方を培っていたのが何となくわかるなあ。観察し、把握し、価値を見抜き、在りようを捉え、その真贋を見極める。
必要に迫られて、緊急措置的にあの最後の選択をしたわけではなく、リーゼロッテはしっかりと選定を行っていたんですよね、これ。
さて、そんなお姫様にしっかりじっくり見られていたことに、この主人公の大河はどれだけ気づいていたのか。全然気づいていなさそうだな、うん。この大河って子、体質によるこれまでの不遇な人生の影響によるものなんだろうけれど、他人に自分がどう見られているか、という点について恐ろしく鈍感なんですよね。まあ自分の出すフェロモンによって、正気を逸しかけてる人外によるトラブルに遭い続けた、というのは相手から向けられる意思や感情が常に変な状態であり、普通の人間もちゃんと彼の人となりや言動を見てくれずに一方的な思い込みから来る決め付けで判断され続けたのだから、むしろ他者からどう思われているか、については鈍感にならないとやっていけなかったのかもしれないけれど。
ただ彼の偉いところは、他者から何も与えられず理不尽に見まわれ続けながらも、自分からは礼節を喪わず信義を重んじ、他者が見舞われる理不尽に正しい怒りを示す人品を保ち続けたところなのでしょう。これだけ心を叩かれ続けながら、歪むことがなかったというのは果たしてどれほど強靱だったのか。
いや、冗談抜きでリーゼロッテの見る目というのは、まさに選定の側に立つに相応しかったんじゃないでしょうか。惜しむらくは、主人公の大河が鈍感故に基本一方通行であることとリーゼロッテが物語の核心としては能動的でありながら、内面の問題に関しては基本観察者モードで積極的に相手に干渉してくるタイプ、或いは時期ではなかったせいか、肝心の主人公とメインヒロインの関係の醸成がひどく大人しかった、というところでしょうか。いや、あんまりバンバンぶつかり合うことも干渉しあうこともなく、静々と熟成されて行ってたんですよね。わりと物語の進行が捲いてるのか早かったんで、微妙に二人の関係の修熟のスピードと合ってなかった気が……。これが長期シリーズでゆっくり進行していくなら、この二人の関係のスピードもちょうどよい丁寧さなんですけれど。
あと、面白かったのが日和子さん。大河のTシャツの匂いかいでハアハアしてる変態さん、と定義付けてしまうと可哀想か。でも、この人の立ち位置もヒロインとしてあるまじき苦労人的なポディションで。主人公たちが関知しないところでひたすら公務員としての立場と大河たちの隣人としての情に挟まれて、あたふたと苦悩しストレス溜め続けるという、一人で何をしてるんだろう、と思わず涙誘われる人だったんですよね。この人、ヒロイン枠にちゃんと入ってるんだろうか(苦笑
いやでも、一番感情移入してしまうのがこのいい人すぎる日和子さんだったわけで。もう少し良い目見させてあげてください。

すえばしけん作品感想

ガーリー・エアフォース 3 3   

ガーリー・エアフォース (3) (電撃文庫)

【ガーリー・エアフォース 3】 夏海公司/遠坂あさぎ 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W
お待ちかね、艦載機のアニマが初登場!米軍所属で明るく気さく、だけどどこか謎めいたスーパーホーネットのアニマ、ライノがグリペンたちの前に現れる!
そんな彼女も加えて、ついにザイへの反攻作戦が発動する。東シナ海洋上の空母ジェラルド・R・フォードより発艦、目指すは大陸への足がかり、上海奪還!
「ではお先に」ファントムは今日もクールにテイクオフ。「撃墜数勝負ね!」イーグルは今日も無邪気に士気軒昂。
「慧、行こう」そしてグリペンは慧の手を携えて、いざ蒼穹の戦場へ!
さあさあ、どんどんきな臭くなってきましたよ。国同士の国際関係も、ザイの正体と人間の関係についても。
こう、何を信じていいのかわからない状況になってくると、腹に一物抱えているファントムが逆に頼もしくなってくるんですよね。天真爛漫なイーグルにしても、無垢なグリペンにしても、いい意味でも悪い意味でも純粋で彼女のたちの場合、それが人間味に通じているのと同時にアニマとしての本能に無造作に親しいとも言えるのである。特に、グリペンは今回の話を見ていると、彼女自身理解しきれていない本能の部分で、ザイの真実を把握している節がある。彼女はその「真実」を人類の側の自分に言語化して持ってこれずに、ただあるがままそこに置いてしまっている感じなんですよね。彼女の無垢さは、その状態をあるがままに受け止めている、というべきか。多分、イーグルもあの性格からして対応は似たようなものだと思うのだけれど、ファントムに関しては、あの捻くれつつも戦闘機として人類側の戦力のアニマとしての自分に忠実であり、人格として理知に重きを置いている彼女なら、もしその自分の中の「真実」に気づいた場合、そのまま置物にしておくことが出来ない性格だと思うんですよね。ファントムは、色んな意味であれ、人間寄りなんですよ。だからこそ、真実の探求においては慧の相棒足りえるわけだ。ファントムが自分の搭乗者として慧を欲しているのも、彼女自身が口にしている理由には実際は留まらないんじゃなかろうか。彼女自身の自覚の有無はわからないけれど。勿論、ごくごくシンプルに、慧という人間のもたらす効果じゃなく、彼自身に対する興味や関心、秘めやかな好意からくる彼を独占するグリペンへの嫉妬や羨ましさがあるのはあるんだろうけれど。
いずれにしても、こうしてみると日本のアニマたちは複雑な内面を抱えていることがよくわかる。ややこしいファントムに限らず、グリペンやイーグルだって自然に芽生えたものを今までずっと培ってきたわけだ。その点において、ライノと一体どれだけの差があったのか。
アメリカのアニマの扱い方が一体どれほどのものだったのか、触りくらいのレポートだけでしかわからないのだけれど、あちらのアニマは記号として扱われ、徹底してそう振る舞わなければならなかったんだろうなあ。日本側のアニマへの態度だって、慧が来るまでの様子を見ていると決して良いものではなかったと思うんだけれど、その点については八代さんの見識によるものが大きかったのだろう。彼がどうして、こうも多くのアニマを生み出せたのか。ライノへのアメリカの待遇と八代さんの姿勢の差は、何気にアニマの秘密に直結している気がするんだが、どうだろう。ここにきて、対比するようにこういう展開を持ってきた上で、ライノの顛末ですもんね。
正直言って、一個人にはどうにも出来ない国家間の駆け引きなんてものは、その綱引きの上に乗っかった上でそこで出来る僅かな範囲の中でどうにかするしかないわけで、さらに何の権限もない一般人の延長にすぎない慧に出来ることなんて、本当に微小にすぎないんですよね。まだ成人もしていない一人の少年に負わせるには過酷すぎる状況ではあると思うんだけれど、国同士のパワーゲームも未知との衝突もそんな矮小な事実は欠片も考慮してくれないわけで、このへんのそっけない冷徹さは何気に好みなんだよなあ。
幼馴染の明華への、あのそっけなさすぎる冷徹な物語上の扱いにも、ゾクゾクさせられますけれどw 殆ど彼女の存在って、日常側における嫁も同然なんですけどねえ。嫁だからこそ、旦那の仕事に口を出せないのかw

1巻 2巻感想

落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 8 4   

落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)8 (GA文庫)

【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 8】 海空りく/をん GA文庫

Amazon
 Kindle B☆W

《紅蓮の皇女》vs《風の剣帝》、《無冠の剣王》vs《凶運》因縁に終止符を打つ準決勝開始!

無数の剣で磔にされた珠雫と、その前で哄笑する天音――一輝の対戦相手を決める準々決勝の戦いは、
開始前の惨劇で幕を閉じた。
そして迎えた七星剣武祭準決勝戦。《紅蓮の皇女》と《風の剣帝》、
二人のAランク騎士は、かつてない規模で会場全体を蹂躙しつくす、埒外の戦いを繰り広げる。
さらにもう一つの準決勝、《無冠の剣王》と《凶運》の戦いは――
「僕、――この試合を棄権しようと思うんです」
天音の思わぬ発言で波乱の幕開けとなった! どこまでも翻弄してくる天音に、揺るがぬ覚悟で対峙する一輝。
最愛の恋人と約束した、決勝の舞台に向けて突き進む第八弾!
もうステラさんが、人間辞めちゃってるんですけど、これ! 人外とか化け物とか超人とか怪物とか悪魔とか魔獣とか神様とか、そんな方向ならこれまで覚醒してなっちゃう人たちはたくさん居ましたけどさ……これってもう『怪獣』ですよね、怪獣。ゴジラとかガメラとかキングコングとか、そっち方面の『KAIJU』。
わかってます、次は巨大化するんですよね!? 口からブレス吐くんですよね!? よし、スーパーXを呼べ! イェーガーを召喚しろ! ウルトラマンはまだかー!
メインヒロイン、メインヒロインと幾ら連呼しても、目の前にいるのは大怪獣ステラ・ヴァーミリオン。ヒロインとはいったいなんだったっけ? と遠い目になってるところに聞こえてくるのは、怪獣の雄叫びと破壊音。
「がぁおおーーっ!!」と吠えていた6巻の頃はまだ可愛らしかったんですね。もう人間の発声器官では出せない咆哮とか言われてるし。
これからは紅蓮の皇女改め、怪獣皇女でいいですね? よろしいんですね?
ああなるほど、黒乃理事長や西京先生たちはあれ、「出てくる漫画が違んじゃね?」と思ってしまうくらい頭のおかしい能力の持ち主だったけれど、ステラも無事にあっち側のアレになっちゃったんだなあ(遠い目)
ただでさえ取り返しのつかない変態というヒロインにあるまじきキャラクターでありながら、さらに怪獣みたくなってしまったステラさん。よくまあこんなのを恋人にしてやってけるなあ、と今更ながら一騎の器の大きさにはため息が漏れてしまいます。恋人としても大丈夫か、と思うところですけれど、それ以前にこんなのとどうやって戦うつもりなんだ、一騎は。一巻で戦った時と文字通り桁が7つほど違うぞこれ。

と、それ以前に決勝に進むためにはまずあの『凶運』紫乃宮天音に勝たなければならない。勝つ以前にこの相手とは、戦いの舞台に立てるのか、というところから高いハードルが待っていたわけだ。
それを何とかするために無茶をしたのが、珠雫とアリス。前巻の終わりの衝撃的なシーン、アリスは一体何をしてたんだ? と思っていたのですが、ちゃんと一緒に襲撃仕掛けてたのね。
もう無茶苦茶もいい所な天音の能力に、手も足も出ない珠雫とアリス。むしろたちが悪いのは天音の能力よりも、その能力がもたらした影響によって歪められた天音の性格でした。うん、ここまで性根が歪みきったキャラも久しぶりだ。相手の尊厳の踏みにじり方、大事にしているものを弄ぶやり方がそれはもう嫌らしくて、いっそ素晴らしく思えてくるほど。よくもまあ、そこまでピンポイントに人を貶められるものだと感心すらしてしまう。
あの珠雫がガチ泣きしたのってよっぽどですよ。それで怒髪天突いて激怒してきたのがステラだった、というのが嬉しいところでしたけれど。この二人、今となってはホントに仲良いんだよなあ。

ともあれ、凄まじいまでの邪悪な本性を露わにした天音に対して、これはもう気持ちよくスカッと痛快にぶちのめす展開だよね、と期待して手ぐすね引いていたら、待っていたのは期待以上の展開でした。うん、天音にこうなってしまう理由があり同情の余地があるのはわかっていたけれど、ここまで歪んでしまったらどうしようもない、と多くの人が思っていたのでしょうけれど、なるほどなあ、一騎がなりたいと理想に思い描いていた騎士というのは、こういう子をこそ見捨てない騎士だったのか。天音のあの能力を、無効化するとか攻略するというのじゃなく、真正面から乗り越えて、その絶対性を否定してみせ、潰すのではなく終わらせるのではなく、叩いて叩いて叩きのめした上で立ち上がらせる、という……自分だけ絶対を乗り越えるのではなく、諦めてしまっていた天音当人をも、戦いを通じて一緒に、彼を縛り付けていた彼自身の能力を乗り越えさせる、という熱い熱い展開が待っていたわけだ。正直、天音戦でここまで胸が熱くなるとは思ってなかったです。天音が無様を晒し、惨めにのたうちまわり、それでも諦めきっていた彼がどれだけ格好悪くても諦めずに立ち上がり抗い戦い抜こうとする姿には、それを引っ張りだした一騎の騎士としての志に、胸打たれたよ。格好良かった、熱かった。その痛快さは、胸のすくような爽快な痛快さだった。
かつて、あの一巻で一騎がステラに語った夢が、ここで一つ実現するとはなあ。あのセリフが一騎の口から贈られ、それがちゃんと相手に伝わり受け継がれていくシーンには、素直に感動してしまいました。

あと、さり気なく『白衣の騎士』のキリコさんが、やたらかっこよくいい所持ってったんですけどw この人、戦闘シーンこそ出番ないけれど、登場する度にいちいち言動がカッコいいんだよなあ。惚れる。

さあ、次はついに長きに渡って待ちに待った、一騎とステラの決勝戦だ。

シリーズ感想

灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって4   

灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって (オーバーラップ文庫)

【灰と幻想のグリムガル level.6 とるにたらない栄光に向かって】 

Amazon
Kindle B☆W

「目標はもう決まったわけだろ? それなのに、帰るってどういうこと?」
ハルヒロたちとトッキーズが発見した「黄昏世界」は新たな狩場として注目を集めていた。
ハルヒロたちも、以前は逃げるしかできなかった白い巨人を撃退し、安定した稼ぎを得られるまでになっていた。
しかし、あるクランの行動がきっかけで「黄昏世界」の危険度が跳ね上がってしまう。
そんななか、以前に加入した「暁連隊」のリーダーであるソウマと再会したハルヒロたちは、なし崩しに複数のクランが参加する、大規模なミッションに加わることになる。
精強な義勇兵たちと共に戦うことで、ハルヒロは何を見て、何を思うのか――

ララ&ノノのキャラクターが想像と違いすぎててひっくり返ったよ!! いや、十文字青キャラらしいといえばらしいんだけれど、もっとキューティーというかリリカルというか、そっち方向のちょこまかとフットワーク軽そうな可愛らしいコンビを思い描いていただけに、思わず悲鳴あげちゃいましたがな。
「黄昏世界」、とてもマトモに活動できそうにないフィールドだと思ってたのに、慣れるとこんなものなのか。それだけ、初見が危険だということでもあるんだろうけれど、結構ハルヒロたちも順応性高いよねえ。歩みは遅くても、着実に出来ることを増やしていっている気がする。
それでも、周りのハイレベルなクランたちが凄すぎるので、決して目立っていないのだけれど。でも、ハルヒロの意識というか心境が、そんなハイレベルのクランに対しても徐々に変わってきてるんですよね。昔は見上げるだけで遠い存在にしか感じていなかった彼らに対して、どうにかして近づけないか、と考えるようになってきている。おこがましいとか腰が引けたり凄すぎるとか圧倒されながらも、心の奥底、本音の本音では負けん気みたいなのが徐々ににじみ出てるんですよねえ。ハルヒロは常に現実を直視し続けて、自分を戒め続け、身の程を知り、浮ついた気持ちにならないように抑制し続けているのだけれど、それでもなお、心の奥底とは言えそういう気持ちが生まれ始めている、というのはそれだけ何かしらの手応えがあるんだろうなあ。モグゾーをはじめとする、多くの喪失、数えきれない失敗を経た上での成長だからこそ、重みを感じるのである。成長の実感に対して喜色よりも、ハルヒロのそれには哀切を感じてしまうんですよねえ。頑張ってる、君は頑張ってるよッ!
そして今回も十文字さんお得意の対大群戦闘である。このグリンガムシリーズでこれだけ大規模の雲霞のごとき敵群との戦闘は流石に初めてだったんじゃなかったか。ゲームの無双シリーズみたいな戦いは、それこそ一騎当千の連中でこそ形になるもので、モブキャラサイドであるハルヒロたちにとってこんな倒しても倒しても湧いてくるようなモンスターの津波は、それこそ押し流されるしかないもので、いやいやもういつ誰がやられるかわからない切羽詰まった撤退戦にハラハラしっぱなし。作者さんは、いきなしサクっと誰でも殺りかねない引き金の軽さがあるので、こういう時の緊張感はたまらんものがあるんですよね。一旦、クランのメンバーが散り散りになってしまった時なんぞ、本気で肝が冷えた。本当にピンチに陥った時には、強力なクランが援護に入ってくれたり、と運のよさもあるんだろうけれど、この引きの強さはハルヒロたちがそれだけ縁を繋いできた証拠とも言えるので運のよさだけじゃないんだよなあ。少なくとも、強キャラたちの目に入った時に助けてやろう、と思うだけの印象を、与えているわけなんだから。
決して器用な性格じゃないはずなんだけれど、ハルヒロってわりといろんな方面の人に気に入られてるんですよねえ。とはいえ、それは人間性だったりクランのリーダーとしてだったり、という方面であって信頼は寄せられても異性としては誰からもあんまり反応がなかったのだけれど、此処に来てついにミモリンというハルヒロに熱烈な好意を寄せてくれる女の子が登場……したわけですけれど、明らかになんかヤバイ系で捕食されそうだし、大女だしこれはあかんやつやー、と思っていたのですが、今回じっくり話してみると、す、凄くいい子じゃないですかー。一途で情熱的でしかし強引すぎずちゃんと乙女していて……。いい子なんですよー。でも、ハルヒロの気持ちもわかるんですよ。友達としては全然オッケーで一緒に遊んだりしても楽しいのだけれど、お付き合いするとなるとなんか違うなー、そういう気持ちにはなれないなー、というの。そんな気持ちをごまかさずきっぱりと告げるハルヒロは、やっぱり誠実なんですよねえ。クザクといい雰囲気を通り越してもうあれ付き合ってるんじゃないの? という素振りを見せるメリィに対して、ショックを受けてようやく自分の恋心に気づいて、それが既に終わってしまってる可能性が高いことにも連続して気づいてへこみまくってるハルヒロは、いわば攻め時だったはずでミモリンの告白と攻勢のタイミングは最良と言って良かったはずなんだけれど、ディフェンス固いなあこの主人公。ただ、ミモリンも粘って今後の可能性を繋いだのはよくやった、と言いたいんだけれど、ミモリン報われなさそうなんだよなあ。

ここにきて、ついに「元の世界」に戻る情報が現れるという激動の展開。そもそも、元の世界の記憶を持たない義勇兵たちにとっては、自分たちが異世界から来たという自覚すらないのだから、これはいきなり爆弾みたいな情報なんだよなあ。

シリーズ感想

東京ドラゴンストライク4   

東京ドラゴンストライク (電撃文庫)

【東京ドラゴンストライク】  長田信織/緒原博綺 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W
現代日本に《ドラゴン》襲来。その日、東京は戦場になった。

東京・池袋を訪れていた少年・結城景人は、突如現れた灰色の《竜》の襲撃に遭う。それは、飛行機や車など『動くあらゆるモノ』を竜と化す力を持った異世界の竜族・ニズレグの尖兵だった。重傷を負った景人を救ったのは、同じ竜族でニズレグを止めにやってきた少女・クウクル。自衛隊や米軍をも巻き込んだ未曾有の事態に発展する中、渦中に立つこととなった景人は――!?
日本国民1億3000万の命運を賭けた戦いが今、始まる。

おひょーーっ、これは紛うことなき怪獣映画じゃないですかっ!
 話の筋立てが完全に怪獣映画のノリ。しかも、これは平成ガメラ的な日常風景の中に突如天から厄災としての怪物が降ってくる、という臨場感タップリな作りなんですよね。政府や軍、マスコミの対応や一般市民の反応がまたいいんですよ。
突如現れた非現実的な光景に空白が生じ、真空に空気が流れこむように一気に切迫感が行き渡り、日本全体が非常事態という緊張感の中に包まれ、姿を現したドラゴンたちに対して対決姿勢が整っていく。この空気感の流れ方が見事に怪獣映画のそれで、劇場版らしい爆発力に漲っている。
主人公とヒロインは、その目まぐるしく動く空気感の中核に常に位置していて物語をリードしていってくれるのは、怪獣が主役の作品とはまたちゃんと違ったライトノベルらしい話になっているのも頼もしい。ちゃんと国家機関や自衛隊なんかが、主人公たちのサポートに徹して、彼らの活躍をお膳立てしてくれるんですよ。変に足を引っ張ることなく、主人公たちが持つ情報をちゃんと受け取って、最大限活かしてくれますしね。ぶっちゃけ、景人とクウクルの二人だけだったら出来ることはかなり少なかったはず。ちゃんと国家機関がバックアップしてくれることの有り難みが感じられます。
自衛隊をハジメとした各国の軍が、決してやられ役ではなく相応に現代兵器で活躍してくれるのも、ある意味平成ガメラ的と言えるのかもしれない。ちゃんと、カッコいいんですよー。敵の制空権下にある基地に乗り込むために、景人たちが乗る特殊装備を、F15Jイーグルで送ってもらわないといけない状況でこれですよ。
「一人乗りの回天だが、軽装備で私と君なら、どうにか入る。あとはイーグルのパイロットの選定に難航中だ。五分五分で撃墜されるだろう、危険な任務だからな」
「誰も乗りたがらない?」
「逆だ。『自分なら絶対に成功させる』と息巻くパイロットが何人もいる」
おいおいおい、熱すぎるよ、イーグルドライバー!
最終決戦は、海上から首都に迫る敵の群れに、陸海空の自衛隊に在日米軍が総力戦を挑む大盤振る舞い。うんうん、これは燃えますよ。

一方で怪獣側となる「ドラゴン」も、これが面白い設定で異世界の竜族の術により、機械類がドラゴン化するんですね。これは、敵側だけではなくて、味方のクウクルも同じなので、味方側のドラゴンもいるわけですけれど、まるでトランスフォーマーみたく、漠然とした「機械」じゃなくて、F15Jイーグルのドラゴンとか、F/A-18E/F スーパーホーネットのドラゴンなど、それぞれ差別化がなされてるんですよね。これが面白い。ちゃんと、元の兵器や機械の性能がドラゴンの性能に反映されていて、結構味方側のドラゴンには個性みたいなのも感じられて、愛着も湧いてくるんですよね。悪のドラゴン軍団対クウクルのドラゴンたち、というちゃんと怪獣対怪獣、しかも集団戦みたいな要素もあり、そこに自衛隊が共闘する展開が加わるわけである。さらに、主人公の景人には機械に対する特殊な能力があり、さらにクウクルと出会った時に致命的な傷を負い、緊急措置で半身を機械化ドラゴン化されて命を取り留めた、という生身でドラゴン相手に何とか渡り合える力を手に入れている、というヒーロー的な要素もあるわけですよ。さすがは劇場版、という盛りだくさんっぷりである。
それでいて、ちゃんと景人の悲劇的な過去にしっかりと因縁が絡まったクウクルとのボーイ・ミーツ・ガールとしてもすっきり筋立てが最初から最後まで通っていて、景人が抱えていた心の傷を見事にヒロインが癒やし救う展開になっている、見せるべきを余すことなく見せてるなかなか卒のない構成なんですよね。
さすがに一巻で片付けるために、やや駆け足気味ではあるんだけれど、個人的にはこの速さは疾走感として捉えられて、むしろ好ましいくらいでした。劇場版、堪能しました、燃えた燃えた面白かったっ!

封神演戯 2 3   

封神演戯  2 (ダッシュエックス文庫)

【封神演戯 2】 森田季節/むつみまさと ダッシュエックス文庫

Amazon
Kindle B☆W
殷(いん)は滅ばない――聞仲(ぶんちゅう)によってもたらされた情報の真偽を確かめるために一度崑崙(こんろん)に戻った太公望(たいこうぼう)。そこで、聞仲の強すぎる殷への執着によって歴史に変動が起きうる可能性を元始天尊(げんしてんそん)に語られる。どちらの歴史を選択するか、殷の存亡をかけて崑崙と金鰲(きんごう)による仙界大戦が勃発!! 聞仲は幹部の呂岳(りょがく)、趙公明(ちょうこうめい)と共に崑崙を急襲! 太公望もまた崑崙に残っていた太乙真人(たいいつしんじん)、竜吉公主(りゅうきつこうしゅ)たちと策を考える。だが、そのころナタが応援に向かった人間界では、妲己(だっき)姉妹と紂王(ちゅうおう)がなにやら妖しい動きを見せていて……!? 楊センと太上老君(たいじょうろうくん)の太公望をめぐる恋のバトルも勃発!? 宝貝(パオペエ)と美少女が入り乱れる新解釈「封神演義」待望の第二巻!
これ、太公望の根本のやる気が全然ないにも関わらず、責任背負い込んで死にそうになるまで頑張ってしまう所って元日本人っぽいなあ。これが変に前向きになると、スープーみたくうざくなってしまうのでどっちもどっちなんだけれど、嫌だ嫌だと思いながら手を抜けない、というのは小心者の特徴でもあるんですよね。もし手を抜いたり適当にやってしまった時に起こってしまうあれこれを想像してしまうと、もう不安で仕方なくて耐えられなくなるわけですよ。がっつりストレスが溜まってしまう。そんな精神状態で、サボって遊んでなんていられないのです。遊ぶなら、ダラダラするなら憂いも懸案も全部片付けてからでないと、心から安らげない。この太公望は、さらに関わった人間たちに対しての責任感も感じているから、輪をかけちゃってるんですよねえ。損を引き受けてることは誰よりも自分が理解しているにも関わらず、それを投げ出せない。それこそ、そんな性格なんだよねえ。幸いなのは、そんな太公望の在りようを周りの人達が利用しようとしていないことか。いや、利用はしてるんだけれどね、元始天尊も楊センも彼を踏み台にして使い潰そうというつもりだけは一切ないですし。楊センとは価値観こそ違えど、彼女は太公望のそんな損してる部分をこそ、愛おしんでいる節もありますし。だからこそ、彼には損だけじゃなく、もっとその働きに応じた相応しい得るべきものを得て欲しい、と思ってもどかしい思いをしてるんでしょうけれど、その彼女が得るべきと思ってるものを太公望は全然欲しがってないわけで、その食い違いにやきもきしてるんだよなあ、楊センは。
彼女の苛立ちは、その理由からして実に可愛らしくて好きなんだけれど、なかなか解消は難しそうなのよねえ。その点、太上老君の方が太公望の理解者ではあるんですけれど、でも応援したいのは楊センの方なのです。
自分の置かれた立場に対する苦悩、という点では紂王のそれも、面白いと思うんですよね。ただの善人にすぎない姫昌などよりも、ずっと王としての資質に優れていた紂王。だが、その優秀さに時代や人間がついてこれず、国を創造ではなく破壊へと傾けてしまうが故に、故意に愚者たらんとする彼の苦悩、もどかしさ、悔しさ。そんな彼が出会ったのは、出会ってしまったのは国の行く末など眼中に無く、ひたすら音楽に傾倒してオンリーワンの誰も聞いたことのない最高の音を探し続け、王としてではなく音を奏でる奏者としての紂王の才能を欲する妲己であったわけで。
真面目に世界の、歴史の、国家の行く末、未来を思い、様々な立場から自分の守るべきものを守ろうと、果たすべき役割を果たそうとしている崑崙と金鰲、殷と周の人々の中で、妲己たちだけが完全に違う方向向いちゃってるのが、なんともはや。妲己たちの第三勢力の動向がちょっと読めないんですよね、これ。目的ははっきりしているのだけれど、そこに至る過程をどう突き進むつもりなのか、さっぱりわからない。何しろ、妲己がその辺まったく考えてないんだもんなあ。妹分で実務面を担当している胡喜媚が、ある程度常識的に対応しているんでまだわかりやすい金鰲と妲己勢力がゆるい協力状態にある、という形に収束しているものの、妲己の気まぐれ次第ではどうなるものか。何しろ、紂王からしてえらいことになってるわけで、これ聞仲が知ったらどうなるのやら。

1巻感想

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.84   

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.8 (電撃文庫)
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.8 (電撃文庫)

【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.8】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫
Amazon
Kindle B☆W
バレンタインを制すべく、残念美少女・アコがついに本気になる!?

バレンタインデー。恋人たちが愛を交わすはずの日を前に残念美少女・アコに襲いかかったのは、取り返しのつかない一言だった。――アコって、ネトゲこそ真の世界とか言ってる割に、ネトゲに本気じゃないよね? 「うわっ…もしかして私のプレイヤースキル、低すぎ…?」 ついに白日の下に晒された、アコの割とみんなもう知ってた真実! かくして、アコのリアルとネトゲのすべてをかけたアコ史上最大の特訓が、ネトゲ部の全面バックアップで始まった! 目標はバレンタイン限定ダンジョンの主討伐で手に入る最高級カカオ豆。ルシアンに――愛する夫に最高のチョコレートを渡すため、アコがついに(※ただしネトゲの中で)本気を見せる!? さらにリアルでも、ネトゲ部対抗のチョコレート渡し合戦が勃発で!? 残念で楽しい日常だいたい=ネトゲライフ、愛の試練の第8弾!
もうチョコもらえるの前提で余裕ぶる事すらなく自然体なルシアンが小憎たらしいっ! と、リア充爆発しろ的な情熱を燃やすほど若くないのよねえ、こちとら。むしろ、面倒くさいことになること間違いないのに、バッチコーイと受け止める気満々なところに男気を感じてしまいます。モテる男というのは、マメで鷹揚なんだよなあ……いや、このルシアン、言うほどどこそこがカッコいい、というようなところがある男の子じゃないんですけれど、その等身大な自然体が妙に好ましいんですよねえ。キャラ作ってない、というかなんというか。そんな彼氏が居るからか、アコももう最初期のようなリアルと仮想現実の区別がついてないようなフワフワした危ないキャラだった部分はだいぶ解消されて、今となっては随分と地に足が着いた感じがします。今回のバレンタインイベントに際しての、ネットゲー内での頑張りや現実におけるネトゲ部の友達たちとの気の置けないやり取りなんかを見てるとねー。特に、あのアコが茜やマスターにチョコの作り方を教えてるシーンなんか、感慨深かった。普段と逆に、隙あらば暴走しようとする茜を押しとどめようとして半分パニックになってるアコ、英騎がほっこりしてるのも宜なるかな。
しかし、既に英騎とアコがちゃんと恋人として成立しているから、と言ってもここまで他の女の子たちと穏当に友人関係構築している主人公、というのも珍しいんじゃないだろうか。実際のところはわからないものの、少なくとも目に見える範囲では、茜もマスターも秋山さんも英騎に対して恋愛感情を垣間見せるようなことは一切ないんですよね。ほぼ全面的にアコとの仲を応援している。一方で、友達としては凄く打ち解けた親愛を見せてくれてるんですよね。今回、みんながくれたチョコレートってあれ義理チョコなんかじゃなくて、それこそ友チョコと言っていいくらい気持ちのこもったものでしたし。秋山セッテがチョコくれたシーンも良かったんだけれど、それ以上に茜が「デレた!」と評されるほど気持ちのこもった言葉とともにチョコくれたシーンは、なんかジーンとしてしまったほど。それも、女の子として男の子に、というのとはなんか違って、仲間として友達として、これまでありがとう、これからもよろしくね、という真心が伝わってくるシーンでねえ。うん、ここのシーンは凄く良かった。
いやあ、アコとルシアンのバカップルさが加速するばかりで、ほんとに割って入る余地全然無いのもあるんでしょうけれどねえ。ちょっと最近、アコに対してデレデレしすぎてやしないだろうか。時々本当に砂吐きそうなことをナチュラルに口にしてたり、思ってたりするんだけれど、こやつw
なんか、アニメ化も決まったそうですけれど……うん、ここは素直に楽しみとしておこう。料理次第ではいくらでも面白くなるだろう題材だし。

シリーズ感想

出番ですよ!カグヤさま3   

出番ですよ!  カグヤさま (GA文庫)

【出番ですよ! カグヤさま】 逢空万太/パルプピロシ GA文庫

Amazon
Kindle B☆W
「わらわはカグヤ・∀・ハインライン。月を統べる女王だ―― 元、な」

ある日、支倉結太の前に流れ星とともに落ちてきた美少女、カグヤ。
『黒科学』の使い手である彼女は、月での失政により女王をリコールされて地球へと追放されたのだった。
カグヤをどうにか月に送り返そうと決意する結太。それには善行を積まなければならないというのだが。

目標の善行値:100
現在の善行値:マイナス530000

「何万光年かかるんだよ!?」
「光年は時間ではなく距離だぞ」

そんな彼らの前にカグヤを狙う月からの暗殺者が現れ――
月の少女と地球の少年が出会い、すごく不埒な竹取物語が始まる!
ママがヒロインでいいです……はっ、結論が出てしまった。はい、終了で。
いやまじで実際、ママさんが一番美人なんですけど。おぱーいが大きいんですけれど。未亡人だし。未亡人だし。
カグヤはウザ可愛いけれど、うざいしなあ……。わりとガチであかんタイプのダメ人間っぽいんですよね。善行値がマイナス、というのも伊達ではないという感じで。これだと、まだニャル子の方がキャラとして愛嬌があったような気がします。でも、ヒロインとしてみるとこのエロさは何気に色気があってついついチラ見してしまうというか、腹を空かした虎のごとく、結太を性的に食べに来ようとするところなんぞ、わかっていても無視できないというか。これがニャル子さんだと、元があの這い寄る混沌というヤバイ感じがつきまとっていたので、ベタベタひっついてこられても、危ないので突き放して当然、ニャルラトホテプとしてもイロモノだとわかっても色気的にはやっぱり微妙なところがあったので、真尋が徹底的に迎撃してもやったれやったれ、という感じだったんですけれど、こちらのカグヤだと仮にも女の子があれだけ積極的に色仕掛けしてきているのに、拒絶するとは何たることか、という気分になってしまうのは、ちと理不尽とわかっていたも否めない感情なのである。
うん、手を出したらババ引かされると理解していても、ちょっとお触りくらいなら、と思うのが男の子なのであるからして、もう少し結太はアタリを柔らかくしてもいいんじゃないかな。ちょっと対応が厳しすぎます、相手はニャル子じゃないんですよ? と、言いたくなってしまうのは自分でもまあどうかと思うんだが。
ネタの数々は相変わらず面白いんですけれど、若干ノリきれないのはカグヤが云々じゃなくてやはり主人公の結太の反応というかツッコミがまだ若干ぎこちないからなんでしょうね。もうちょい主人公としてこの作品に合う調整が必要な気がする。これは書いていたら徐々に合ってくるのかな。
しかし、星系感航行が可能な異星人よりも、月人の方がオーバーテクノロジーだというのは何気に凄いなあ。どれだけレベル高いんだ、月の人。あと、昔のリアルかぐや姫が、現代のカグヤ姫と較べても相当に下衆の類なんですけれど。この女王、フォークでがっつり刺した方がいいんじゃないか?

サクラ×サク 03 慕情編3   

サクラ×サク03  (ダッシュエックス文庫)

【サクラ×サク 03 慕情編】 十文字青/吟 ダッシュエックス文庫

Amazon
Kindle B☆W
祝! 公女殿下(サクラ)御結婚!! 何を祝っちゃってるの? 何がそんなに嬉しいの? ねえ? きみたち本当にわかってるわけ? ふざけんじゃねえぞこら。いけない、いけない。ハイジ・バランは軍人なのだ。任務を果たすのだ。公女殿下をお守りする。しっかりと嫁ぎ先までお届けする。嫁ぎ先! 嫁いじゃうんですかあ!? そうなんです。公女殿下はご結婚されるんです。いやあ。びっくりですよ。 カバラ大王国への道中、ハイジたち随行員の命が次々と狙われる。そしてその魔の手はついに……。 血が滾(たぎ)って色々躍る大戦詩幻想交響曲(ファンタジックウォーシンフォニー)、混沌の三巻!!
本当にこのハイジ君は挙動不審で垂れ流しにされている内心ときたらサクラ姫のことが好きすぎて気持ち悪いといって然るべきなんだけれど、キョドリまくってる内面ばかり見せられる一人称の描写ばかりだとなかなかわかりにくいんだろうと思うんですけれど、客観的に見るとこの子、ハイジくんってかなりべらぼうに優秀なんですよねえ。いや、確かにコミュニケーションとりにくそうな内向的なところはある、というか前面に押し出されるように内向的すぎるんだけれど、戦闘力や決断力、洞察力やらあれこれ実戦での様子を見てると、抜擢されるだけのあれこれはやっぱりあるんだろうなあ。部下たちが手のかかる弟のように慕ってくれているというのも、決してハイジが傍から見ていて微笑ましいから、だけではないはずなんですよね。ちゃんと自分たちの命を大事に扱ってくれる、という信頼があった上で命を懸けるに足るものが彼にはある、と信じているからこそ、なのでしょう。それにしても、見る目のある出来た人たちだとは思いますが。一見すると、こいつヤバイんじゃない?と思うような子だしなあ。でも、本人は自信持ってないようだけれど、折々でちゃんと部下たちを指揮できてるんですよね。まあそれだけに、だからこそ、ハイジにとっては痛恨事だったのでしょうけれど、あれは。結果論だけれど、ハイジはそれを判断をミスった、と考えてるわけですしね。でも、へこんでもそこで心の痛みや疲弊に思考や身体を止めちゃわずに踏ん張り続けたところはハッキリ言って見直しました。もうちょっと打たれ弱いと思っていただけに。

最前線で戦い続ける立場から、急遽政略結婚の駒として他国の皇太子に嫁ぐことになったサクラ姫。同じ戦場で一緒に戦うだけでも何とか満足しようとしていたハイジにとっても、それは衝撃的な出来事で否応なく自分のサクラ姫への感情と対峙させられることになる。一方のサクラにとっても、結婚という事態を前に自分の諦観しきった感情をかき乱す存在であるハイジに対して、より深くその感情の正体が何なのかと向き合わなければならなくなるわけだ。
サブタイトルが慕情編、というのも伊達ではないのである。
結婚相手であるはずの皇太子から次々と送り込まれてくる刺客に、次々と櫛の歯が欠けたよう殺されていく随行員たち。まさに血塗れ泥まみれの花嫁行列となってしまったカバラ大王国への道行。普通、これだけ正体不明の暗殺者たちに襲われ続け、次々と同僚たちが殺されて行ったら随行員たちも動揺し、逃亡者も出そうなものなんだけれど、非戦闘員の文官も含めて最後まで規律を保ったまま士気も崩壊せずに目的地にまでたどり着くんですよね。これ、地味に凄いなあ、と感心した次第。最終的に出発時から半壊以上、3分の1も辿りつけなかったんじゃないかな。そういうむちゃくちゃな道程にも関わらず、最後まで皆サクラ姫を守り続けたというのは、やはりそれだけサクラ姫がカリスマを集めてたって事なんですよね。一般市民には殆どその知名度は浸透していないようだけれど、最前線での人気は相当なものになってたんじゃないだろうか。
実際、国王をはじめとする王家がサクラのことをどう考えているかわからないんだけれど、前線から引き剥がして政略結婚に利用しようとするだけの危険要素は積み上がりつつあった、とも言えるんだよなあ。

ラスト、かなりしっちゃかめっちゃかな展開になって、この巻で吹き荒れた殺戮の嵐がどのような意図で行われていたのか、その真意すらも有耶無耶になってしまったのか、それともこのラストの展開も含んだ上の事なのかもわからないまま次回に続いてしまったのだけれど、ある意味ここからが物語としての本番なのか。
真人、という重要な鍵も出てきましたし、とにかく次だ次。

天空監獄の魔術画廊 34   

天空監獄の魔術画廊 (3) (角川スニーカー文庫)

【天空監獄の魔術画廊 3】 永菜葉一/八坂ミナト 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W

奇跡の島『天空の大監獄』―そこには魔王の血肉と、恐るべき魔術が込められた600枚以上の『魔王の絵画』が封じられている。天空の大監獄に閉じ込められ、看守の任を与えられたリオンはある日、監獄の次期副署長の座を賭けた『熾天の儀』にエントリーされてしまう。そんな中、リオンの前に若き看守ハイネが現れる。彼は『魔王の左手』の持ち主で、魔王の復活を目論むヴェルゼ教の騎士だった!妖しき監獄ファンタジー第3弾!

なるほどなあ。今回の話は、リオンと同じ画家であり魔王を継ぐ者、そしてリオンが成し得なかったもっとも素朴な善性を保持し続けた、リオンの対照ともいうべきハイネという少年の存在を以って、より深く主人公であるリオンの人間性を掘り下げていく話であったわけか。掘り下げる、というのは別の言い方をすると「解体」とも言える。元々画狂とは言え、普通のメンタリティの持ち主だったリオンが、いかにして魔王と呼ばれるに足る異常性を発露していったのか、その根源的な理由を捉えることでリオンとヒロインたちとの乖離を留め、手繰り寄せようという展開だったわけだが、その担い手がキリエでもレオナでもなく、淫乱シスターのアネットであった、というのが意外でもあり、一番成熟した大人である彼女にしか成し得なかったという意味では納得の人選でもあった。近年、シスターというと前提として血塗れだったり当たり前みたいに銃器を振り回してたり、思想的に頭おかしかったり、とまともな人材を見たことがなかったのだけれど、このアネットは調教開発されて多少発情しがちとはいえ、基本的には貞淑で勤勉な変態魔王崇拝者……あれ? やっぱりオカシイ人ダネ。まあ若干アレな部分はあるとしても、常識と包容力と、何より他者を救うことに真摯な信念を抱いている、という意味では実に真っ当な修道女なんですよね。隣人を正しく愛することの出来る聖職者、というべきか。
だからこそ、自分を犠牲にすることを厭わなかったのだろうけれど。自分を優先するのなら、リオンには魔王で居てもらった方が良かっただろうに、彼女の愛情とは与えられるものではなく、ただただ与えるものだったのだ。
尤も、この作品に出てくる主だった女性陣は、リオンのヒロインたちに限らず報われる事を望まずに愛を与え続ける健気な人たちなんですよね。下衆揃いの看守たちの中で、彼女たちが巡りあったその男たちが、そんな献身に足るだけの男だった、というのもあるんだろうけれど、何気にそういう愛情は重たいもので、その重みをしっかりと背負うだけの貫目を持つのは、男としても大仕事なんですけどねえ。
一人の男はそれを最期まで背負いきり、一人の少年はその重さに縛られてしまった。リオンはその点、恵まれているのでしょう。アネットにしても、レオナにしてもその重さをリオンに重さとして認識させない化粧の仕方が実にうまい。まあ、レオナはまだまだ未熟で、かなりコケかけている気がするけれど。その点、キリカは完全に天然ポンコツで最近もうふわふわ浮いちゃってるんじゃないか、というくらいマイウェイを行ってしまっているのが面白い。リオンが魔王から人間側に戻りかけてるのに、キリカと来たらあっけらかんと人外の領域へすっ飛んで行ってしまってるような。まったく自覚ないアタリ、なんともはやw
新加入のフィーネも、一悶着あったもののなんとか馴染んで……馴染んでしまったなあ、この変態集団にw
いや、元々この突っ張ってるのにちょっと強く当たると即座にビビって涙目になる防御力ゼロなところは完全に面白枠だったのに、弄られるのが高じてついにドMに目覚めてしまうとはw
妻(キリカ)・愛人(レオナ)・玩具(アネット)に雌豚(フィーネ)って、どんなヒロインラインナップだ。
ともあれ、リオンの魔王化は頼もしくはあってもちょっと危うさもあったので、アネットの救済によって欠落が産められたことでより男をあげてくれたのは良かったんだけれど、彼にはそのままヒロイン全員抱きかかえられるだけの魔王としての貫目は保ってほしいなあ。

さり気なく、巻を重ねるごとに表紙のキリカの衣装がランクアップしていっている気がする。あと、露出度もw

1巻 2巻感想

2015年10月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

月末発売のファミ通文庫、スニーカー文庫、コバルト文庫、HJ文庫、ビーンズ文庫などは来月送り。


読んだ本の数:47冊 うち漫画:19冊


今月はけっこう読んだなあ、と思ったら漫画が多かったのか、うむむ。
年末も近づいてきたので、今のうちに今年出た新人作品の積んでいる分を取り崩していこう、と思って今月はそちらを優先して読み進めていたのですが、なかなか飛び抜けてコレハッ!というのには当たらず。とはいえ、これはあかんやろう、というのは殆どなかったんですけどね。一作目が目立たなくても、2,3巻目や次のシリーズから突然確変したり、メキメキとうまくなるケースは枚挙に暇がないので、がっかりはしませんでしたが。それに、とりあえず今月読んだ分だけの話ですしねえ。
新人作品というと、なろう経由のはどうしようかなあ。数年来の話だけれど、今年なんかは特に圧倒的なまでに多くなってきてますし。レーベルごと新設されたり、なんて事もありますし。毎年やってきた新人作品のピックアップもちょっとやり方考えてみよう。

さて、そんな隆盛を極めているなろう作品ですけれど、その後発組の中では特に大物、と言っていい作品がついに書籍化されました。【その無限の先へ】。まだ実質プロローグも終わってないようなところで一巻が終わってしまったので、肩透かしされましたけれど、間違いなく度肝を抜かれるような面白さを誇る作品なので、この先注目。
文字通り顔面ぶん殴られたような衝撃だったのが、【我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス)】。悪の組織側が主人公の作品はチラホラと見たことはありましたけれど、ここまでヒーローサイドと悪の組織サイドの両方が過酷な状況に置かれている作品はなかったなあ。こういうゴリゴリと追い詰めていく作品、ホント好きです。
正統派ファンタジー戦記ものとして、先々期待しているのが【竜は神代の導標となるか】。一巻ではまだふわふわと足元がしっかりしていない部分があった作品なのだけれど、この2巻でその辺の地ならしが一気に進んで、戦記物としてどしんと読み応えのある話になってきました。これは盛り上がってきそう。


★★★★★(五ツ星) 1冊

我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス)】 大泉貴/おぐち ガガガ文庫

【我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス)】 大泉貴/おぐち ガガガ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
噂に違わぬ極悪さに戦慄を抑えきれませんでした。どん底に落とすなら徹底的に。救われる余地をゴリゴリと削り落としていく追い詰めっぷりは、一周回ってゾクゾクしてくるほど。

★★★★☆彡(四ツ星Dash) 1冊

二線級ラブストーリー】 持崎湯葉/籠目 講談社ラノベ文庫

【二線級ラブストーリー】 持崎湯葉/籠目 講談社ラノベ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
二線級は二線級でも、超弩級の二線級。というか、一線超えちゃってるよ! と頭抱えて叫ばざるをえない凶悪極まるラブコメディ。超えげつないエゴとエゴのぶつかり合いが、三角関係を泥沼に叩き落としていく様がもう、面白いのなんの。すごいよこれ。



★★★★(四ツ星) 5冊

加賀100万石に仕えることになった】 シムCM/上田夢人 カドカワBOOKS
その無限の先へ 1】 二ツ樹五輪/赤井てら MFブックス
竜は神代の導標となるか 2】 エドワード・スミス/クレタ 電撃文庫
東京レイヴンズEX3 memories in nest】 あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫
異世界修学旅行】 岡本タクヤ/しらび ガガガ文庫

【加賀100万石に仕えることになった】 シムCM/上田夢人 カドカワBOOKS

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【その無限の先へ 1】 二ツ樹五輪/赤井てら MFブックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【竜は神代の導標となるか 2】 エドワード・スミス/クレタ 電撃文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【東京レイヴンズEX3 memories in nest】 あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【異世界修学旅行】 岡本タクヤ/しらび ガガガ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


今月のピックアップ・キャラクター

沖名武尊 (我がヒーローのための絶対悪)
桜井花音 (我がヒーローのための絶対悪)
松尾芽衣 (二線級ラブストーリー)
カルマ・メディウス (魔境戦区のナイチンゲール)
サレナ・ナイチンゲール (魔境戦区のナイチンゲール)
渡辺綱 (その無限の先へ)
リリアナ・ザンダイク (異世界魔法は遅れてる!)
リチャード・ランドランス (竜は神代の導標となるか)
プリシラ (異世界修学旅行)



以下に、読書メーター読録と一言感想。
続きを読む

異世界修学旅行4   

異世界修学旅行 (ガガガ文庫)

【異世界修学旅行】 岡本タクヤ/しらび ガガガ文庫

Amazon
Kindle B☆W
新しい異文化コミュニケーションコメディ!

高校の修学旅行中だった沢木浩介をはじめとした2年1組の面々は、気づけば中世ファンタジー風の異世界へと辿り着いてしまう。どうやらこの世界では100年に1度くらい異世界から人間が漂着し、漂着者はその度に世界の危機を救ってくれるという言い伝えがあるという。
普段から接している漫画とゲームとラノベとゆとりある教育のおかげでその手の話をすんなり受け入れた2年1組は、サクっと世界を救ってやろうと決意する。
だが、世界を支配せんとしていた魔王は既に倒されたあと。彼らの活躍する隙間はもう残っていなかったのである。さらに次の日食の際に儀式を行えばもとの世界に帰れると知り、拍子抜け。
しかし、異なる文化と文化がぶつかるところでは、必ず摩擦が起こるもの。異世界中に散らばった少年少女たちが世界各地で様々なトラブルの種となっている。
浩介たちは異世界という修学旅行先の各地で思い思いにはしゃいで回る個性的すぎるクラスメートたちを全員回収し、無事にもとの世界に帰還することができるのか。

異世界から帰るまでが修学旅行の異文化コミュニケーションコメディ。
名前に覚えがあると思ったら、この作者さん、【僕の学園生活はまだ始まったばかりだ!】の人じゃないですか。活動実績は少ないながら、どれもいい仕事してるんですよね。本作も、流行りの異世界転移モノと思いきや、一味も二味も違ったものでした。せっかく異世界に来たものの、別に現地の内政に関与するでもなく、戦争に加担するわけでもなく、文化侵略するまでもなく文化色々浸透しているし、現代知識そのものも若干の遅れはあるものの、結構流布しているので、異世界まで来たはいいものの、特にやることもなく……観光だよ!観光!! というわけで、異世界に来ても王宮を旅館代わりに修学旅行を続ける面々。平和である。やったことといえば、現地人の姫様にお菓子を献じたくらいか。
まー、このお姫様、プリシラがぶっちゃけ全部持ってってますよね。プリシラ無双。なんでそんな、日本のバラエティ番組への造詣が深いんだよ! あらゆる物事をバラエティ番組のあれこれに当てはめて解釈するその知見たるや、生半のテレビっ子では太刀打ちできないバラエティという概念そのものへの習熟度である。どれだけバラエティ見尽くしたら、そこまでの見解を得られるのか。タモリ倶楽部のノリをそこまで深く理解仕切った異世界人は初めて見たわ!! 
しかし、前作もそうだったのだけれどこの人の描く学生は、端から端まで個性的すぎやしませんかね! まともな奴が一人もいない、一人もいない! キャラ立ちしていないと入学できないのか、というくらいにクラスメイトの一人一人がアレすぎる。文化祭の出し物を何にするか、のアンケートで出てきた案を並べるだけでクラスメイトがどんなやつかわかってしまう、というのも相当なんじゃないだろうか。
一方で、他のクラスメイトや圧倒的すぎるプリシラの存在感に押されて、肝心のメインとなる主人公とヒロインの影の薄さが逆に尋常でなかったりする。あんたら、主役じゃないんかい。前作で、個性的すぎるキャラたちを圧倒する勢いで全部持って行ってしまっていた存在感ありすぎな主人公とメインヒロインの反動なのだろうか。
プリシラに個性の無さを突っ込まれてた主人公はまだマシな方で、むしろ何も言及されていないメインの幼馴染ちゃんの方が存在感ないんですよね。
「行くー」
は私も可愛いと思ったが、思いましたが、うんうん。
まー、何しろ文学少女の豹変というか変身がインパクト強すぎたしなー。ただの知識バカではなく、マニアが高じ過ぎた挙句に行く所まで行っちゃってるあたり、いきなり旅先で颯爽と現れた時には突き抜けすぎてて笑ってしまったし。いやもう、そこまでやればもう何も言えないよ。凄いよ。バイタリティありすぎだよ。
ゲームマニアの豚くんも、凄いと言えば凄かった。言ってることはどうしようもないことのはずなのに、あの溢れかえる大人物感。むしろ、偉大な人物に思えてくる威風。いや、ほんと何にもしてないのにね。
異世界に転移してきた直後あたりは、主人公とヒロインの綾ちゃん、ちょっと甘酸っぱい雰囲気で旅先で関係が変わり始める幼馴染同士、みたいな予感が漂ってたのに、実際王宮から出てからはパタッとそのへんの空気感止まっちゃったんで、個性的なクラスメイトたちが今後も出てくるにしても、殆どプリシラ姫が持ってっちゃうのは仕方ないにしろ、メイン二人のラブコメはきちんとやってほしいなあ。
それにしても、まだ出てないクラスメイトが完全に出待ちのコント大会状態な件について。司会はもちろん、プリシラ姫で。彼女のさ○まやタモさんばりの司会トークセンスはもう既に大御所レベルやでぇ。

岡本タクヤ作品感想

東京レイヴンズEX3 memories in nest4   

東京レイヴンズEX3 memories in nest (ファンタジア文庫)

【東京レイヴンズEX3 memories in nest】 あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle B☆W
陰陽師を育成する「陰陽塾」。それは、いずれ夜空に羽ばたく闇鴉の雛たちが、力と絆をはぐくむ巣。誰かに見られたら秘密がバレかねないモノを塾内で紛失してしまった夏目は、春虎たちと夜の塾舎へ潜入することに。最近、夜に塾内を徘徊しているという謎の式神と遭遇して…!?真夜中の陰陽塾での大騒ぎや、天才美少女からのエスケープ、コンの増殖(!?)事件など、陰陽塾での賑やかで鮮やかな日々がここに紡がれる。伝説の陰陽師・土御門夜光と、彼の式神・飛車丸、角行鬼のありし日の憶い出を描いた書き下ろしも収録。
どうしてこう、夏目はやることなすこと黒歴史ばっかりなんだろう。輝かしい青春時代、のはずなんだけれど、夏目に関してはちょっとシラフで語れないようなことが多すぎるんですけれど!! 今となっては笑い話だ……と、本人笑顔で言えないレベルのことが多すぎるんですけど!
本編の方ではもうマトモな日常生活を送れないような切羽詰まった状況になっていて、陰陽塾時代のことは随分遠い出来事になってしまったのだけれど、「あの頃」を懐かしく思いながら当時のことを思い出すと、おおむね夏目が蹲って顔を覆ったまま停止してしまう気がするんですけれどw
というわけで、優等生にして生真面目で堅物であるが故にゆるい春虎や冬児たちを説教し叱咤する側のはずの夏目さんでありますが、実際一番「やらかして」トラブルを起こした上にどうしようもないところまで悪化させているのかというと、アナタです、アナタ!
勿論、春虎をはじめとしてトラブルを起こしてしっちゃかめっちゃかにする人材には事欠かないのですけれど、顔を覆って呻くしかないようなとんでもないことを仕出かすのは、だいたい夏目なんですよねえ。
そんな夏目さんが今回やらかしたのは、ソシャゲ廃人へのデスロードである。ああ、うん、ハマるよねえ。この娘は一旦沼にハマると、真顔でより深みの方に突進していくんですよねえ。
止まれよ!
この娘のアクセルベタ踏みしてる自覚なしの暴走っぷりは、毎度ながらいっそ清々しくすらある。これに関しては、若さ云々じゃなく一生変わらなさそうなのが何ともはや。

「第三話 式神行進曲」
これはラストの写真に尽きるでしょう。ってか、なんでこの写真のイラストがないのか、というレベル。想像していたのを遥かに上回る可愛らしさだった。

「第四話 コン!コン!コン!」
これもイラスト、というよりも映像作品が欲しくなるエピソード。ユーチューブにアップせよ!
春虎も、安易に褒めるからー。そりゃ、可愛いかわいいと褒めたくなる気持ちもよくわかるんだけれどね。それで浮かれてしまう人をどうやってうまいこと止めるのか。これがなかなかの難題である。
あとで、この話を聞いた角行鬼がフリーズしてしまうのもよくわかる。本当になにをやってるんだ(笑

「ザ・ナイト・ビフォー・トライアングル」
思えば、土御門夜光がちゃんと描かれるのって、この話が初めてなんですよね。どうなんだろう、春虎とそこまで似ているかというと微妙かなあ、と思うところなんだけれど、快活さに自信と貫禄が備わってる、という所なのかなあ。
そして、これは初登場にして初情報なんだけれど、夜光に妹ちゃんの存在が。そうかー、春虎の家系ってこの妹の系譜にあたるのか。現代の土御門家って夜光の子孫と言われてるけれど、夜光に子供が居るという話はとんと聞かなかったのでどうなってるんだろうと首を傾げていたのですが。なるほどなるほど。でも、戦後苦労したんだろうなあ。夜光がああなってしまったあと、土御門家は随分と風当たりきつかったみたいだし。逞しそうな妹さんだったので、そこは踏ん張ったんだろうけれど。
しかし、夜光さんてば本当に規格外だったのですねえ。いや、禁呪であるはずの泰山府君祭、そんなに軽々と使っちゃって。え? そんな普通に使っちゃうの? と若干呆気にとられたり。鈴鹿がどれだけ危ない橋渡ってそれやろうとしたのか……。復活した春虎もそこまで気楽には使ってなかっただけに、まさに全盛期だったのか。
そんでもって、これが千年生きた茨木童子が角行鬼として、夜光の式神となるエピソードとなるのだけれど、夜光に纏わる話は物語の根幹に繋がるもの以外でも多分たくさんあると思うんですよね。倉橋理事長や闇寺の爺ちゃんなどとの若かりし日のあれこれ。飛車丸や角行鬼との出来事なんかも。もう本編クライマックス入っているので、果たして短編集が出るか微妙な所なんですが、もっと夜光時代のエピソードは見てみたいなあ。







結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? 3 3   

結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? (3) (MF文庫J)

【結局、ニンジャとドラゴンはどっちが強いの? 3】 伊達康/ そりむらようじ MF文庫J

Amazon
Kindle B☆W
人々が竜人の支配に怯える大陸で旅を続ける、銀髪巨乳女剣士メルと、異能“忍法”を扱うシノビのサビト。ナトゥアを支配していた竜公ゴルニシチを討伐し、サビトの幼馴染みのクノイチ・アトリとも『結魂』を交わしたことで新たな嫁(?)を得た二人。そんな3人が次に目指すはナトゥアの北部。その地を治めるは序列第五位の竜公バークナー。彼の驚異的な魔法を前に、3人はこれまで以上の苦戦を強いられる。さらに訪れた集落で新たな竜落子と出逢い、メルシオーネ出生の秘密が明らかに…!?「私は…伴侶失格です」ニンジャとドラゴンが雌雄を決する人類反抗バトラブ活劇第3幕、竜落子とシノビとクノイチ、3人の夫婦の運命は―。
バークナー公の能力、よくある能力なんだけれど破り方が斬新というか……破ってないよね、これ?
そもそも、バークナーってこの能力アクティブに使ってたんだろうか。いや、能力を持っているという時点でそれを使うという事実を織り込んだ結果が導き出されるわけだから、そりゃ持っている事そのものに意味があるんだけれど、これを活用していると言えるんだろうか。バークナー自身、自己評価低かったみたいだけれど、そらまあねえ。でもそうなると、ゴリ押しというサビトたちの攻略法は成功ではあったのか。破ってはいる、ということになるんだろうか。
ともあれ、バークナー戦はわりとサクッと終わって、次の竜公を探す旅程で砦に篭って抵抗を続ける人間の一団と遭遇するサビトたち。彼らを率いる王子様がまた容姿性格ともにイケメンなんだけれど、実はその本性は……ということもなく、中身もイケメンというサビトも妬むことすらできなくなるくらい完璧超人。トドメに、サビトの嫁であるメルに、余計なちょっかいをかけてこないという一部の隙もない好人物っぷりである。
彼を通じて、メルの出自が明らかになるのだけれど、そうなるとやはり彼女の父親が誰か、という疑問に話題が及ぶわけで、それがこの巻の根幹に関わってくるわけですね。
まあそれはそれとして、やはり肝心のメインはメルとサビトとアトリの三人夫婦のイチャイチャっぷりでしょう。と言っても、メルの方はアトリの存在が本能よりも理性を目覚めさせたせいか、前巻のような自重を忘れたようなベタベタ甘えてくる様子は鳴りを潜め気味になってしまったのですが、それでもアトリとサビトが仲良く喧嘩している様子を見てジリジリしているのは、可愛かったなあ。アトリはアトリで、和解したことで喧嘩していても以前までの殺伐とした空気がなくなって、サビトをチクチク攻撃するのにもじゃれつくような可愛らしさが垣間見えるようになったので、これはこれでニヤニヤ、と。やっぱり、この三人の軽妙な掛け合いは面白いなあ。命を共有し、身も心も預け合う関係というのはともすれば重くなりそうなものだけれど、彼らの場合それに不自由さや責任を感じるのではなくて、文字通り一心同体であることに安心を覚えているようなのが、ちょっと印象的なんですよね。
しかし、そんな命の伴侶ともいうべき三人の間に、割って入ってくる邪魔者が。これが、まだ別のヒロインというのなら一考の余地はあったんでしょうけれどね。
無邪気であるけれど悪意の塊であり、故にこれこそが邪悪そのものなんだろうなあ。メリットだけ奪い去ってデメリットについてはスルーとか、なんという反則。個人的にはこれをNTRというのは違和感あるんだけれど、相手との関係性もそうだし、アトリやサビトと心が離れてしまったわけでもないですしね。なので、厄介なことになったなあ、というくらいで。いや、実際厄介どころではなく、さらにエグい責めで嘲弄してきて、徹底的に追い詰めてこられているわけですけれど、これくらい追い詰められた方が逆転の際に痛快ですから遠慮無くやって欲しいですのう。

シリーズ感想

竜は神代の導標となるか 24   

竜は神代の導標となるか (2) (電撃文庫)

【竜は神代の導標となるか 2】 エドワード・スミス/クレタ 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W
王国最強と謳われる蒼竜騎士ルガールに勝利したカイ。それは驚きをもって近隣の領主たちに受け入れられる。カイたちは無視できぬ勢力として注目されるのだった。エレナの兄リチャードら優秀な補佐も揃い、カイはヴェーチェル領を制圧すべく、シギル家の本城に迫る!
本来なら、すでに勝敗は決したと言ってもよい戦い。だが、ウェイン・グローザはさらなる刺客を送り込む。通称「蛇」。その者は王国軍においても畏怖される実力の持ち主らしい。ヴェーチェル城攻防戦の決着はいかに!?
おおー、面白い面白い。一巻における発端が外からの圧力に受動的に動かざるを得なかった状況だったのに対して、今回から主人公サイドが主体的かつ能動的に動き出し、戦記物として本格的に稼働しだしたわけだけれど、その途端メキメキと面白くなってきましたがな。いや、一巻の段階で良質の戦記物だなあ、とは思ってたんだけれど期待以上に土台のしっかりした感じがあるんですよね。それでいて、重厚すぎず。戦記物って本格的すぎると、物語や登場人物の考え方から世界観からひたすら重たくなって圧迫感に晒され続けるようなものもあるんだけれど、その点この作品は軽い……のとは全然違うな。主人公サイドの主要人物がみんな若いだけに、動きや考え方に気持ちの良い爽やかなキレと温度のある柔らかさが備わってるんですよね。戦記モノとしてのしっかりとした下地の上で、若者たちの成長譚が描かれはじめてるのである。
カナの兄ちゃんのアーロンと、エレナの兄貴のリチャード。一回り年上とはいえ、二十代の若者である二人の兄貴分がカイのサポートにつくんだけれど、この男三人のトリオがいいんですよね。ある意味女性陣ほったらかしで、イチャイチャ……というのは違うんだけれど、エレナを旗頭とした1勢力として立ち上がるために片付けなきゃいけない問題を、三人で頭付きあわせて喧々諤々やりあう様子が仲良さそうでねえ。いや、リチャードはエレナの兄貴として結構、カイのことを突っつくんだけれど、キツい性格と見せかけて初対面ですぐにわりと繊細で不器用、というのがバレてしまったので、これカイに懐かれた、と言っちゃってもいいんじゃないだろうか。厳しい言動のリチャードに、まあまあと間に入って仲裁するアーロン、と収まるところに収まったようなお似合いの三人組が出来上がって、彼らを見てるだけでなんだか楽しくなってくる始末。これで、有能な親父さん連中がちゃんと健在で、若い連中を上に立てて自分たちは後ろに回って縁の下の力持ちに徹してくれる、というこの安心感。まだ軍事面では人材確保できていないんだけれど(これについては後半かなり大胆な展開が待っていたわけですが)、一個の勢力としての政治や外交、方針決定に関してはエレナを旗印に、カイをリーダーに盛り立てていく体制が出来上がっていく様子がしっかり描かれていて、純粋シンプルに彼らの行く末を追い駆けたい、という気持ちにさせられました。
男連中に負けず劣らず、女性陣もガンガン頑張ってたんですよねえ。特に、やっぱりというかエレナである。
唯一残された王族として、生き残るだけではなく女王としてどうするべきか、という考えを自分の中で育てていく一方で、カイの婚約者として女の子としての自分もちゃんと良い方向に伸ばしていってるんですよ。新女王としてのカリスマを見せながら、さらに良い奥様としての女子力をあげまくっていく、この両立性。なんか、もうこれ無敵じゃないですか?
初心として、エレナのことを守るために立ち上がったのに目まぐるしく変わる状況と置かれた立場、新たな動力源の開発の秘密を握ったことから、より高い視点で国の行く末を考えることに忙しく、ついつい初心を忘れてしまったカイと、置いてけぼりにされながら責任感と生来の我慢強さからじっと耐え忍びつづけたエレナ。このあたりのすれ違ってしまった二人の、喧嘩から仲直りまでの過程がもうねー、恋人とか通り越して新婚夫婦そのものなの。そもそも、エレナが王族とはいえ端くれも端くれで、辺境貴族の一人娘というだけあって、考え方が庶民的というか、カイにためにやってあげたいと思ってることがもう、生活感ある若奥様のそれで、初々しいの可愛らしいの。カイの方も、新妻をすごく大切にしている、がんばり張り切ってる若い旦那さん、って感じで見ていてニヤニヤするしかないでしょう。これで、いざというときはエレナは王族としての威やカリスマを感じさせるかっこ良い言動をみせてくれるわけで、そのギャップもたまらんです。
正妻としての余裕か、側室候補たちへの態度にも全然棘がありませんし。というか、男連中三人組と同じくらい、女性陣も仲良しなんですけどねえ。

ラストの展開は、なかなか意外なことに。まさか、あの人達を取り込むことになるとは。いや、人材が足りていなかったのは間違いないので、これは凄い助かるんですけれど、さてしばらくはやっぱり揉めるんじゃないだろうか。でも、リチャードくんがなんか面白いことになってるんで、彼がうまいこと橋渡しになりそうだ。ってか、初登場時からこの人、キャラ立ちすぎじゃないですか? いわゆる厳格で融通が聞かず気難しい宰相ポディションに収まりそうな人なのに、なぜにここまで可愛い男になってるのかw
アーロンも、一巻の時のいまいち頼りなさそうな人柄から一変して、温和だけれど居ないと絶対困りそうな長男的な立ち位置でキャラ立って来たし、やっぱり男連中が目立つ作品、特に戦記モノは面白いです。
ウェインたちの反乱軍と、主人公の勢力以外にも、一癖も二癖もありそうな勢力が顔見せしてきましたし、盛り上がってきましたよ。

1巻感想



異世界魔法は遅れてる! 5 3   

異世界魔法は遅れてる! 5 (オーバーラップ文庫)

【異世界魔法は遅れてる! 5】 樋辻臥命/himesuz オーバーラップ文庫

Amazon
Kindle B☆W
最強の現代魔術師 vs 最強の現代剣士!?

リリアナを救い、元の世界に戻る手がかりを探すため、サーディアス連合領に向かった水明一行。そこで水明は、幼なじみの朽葉初美(くちば・はつみ)を発見する。なぜ彼女がこの世界に召喚されているのか。声をかけるものの、彼女は水明のことをまったく覚えていないという。どうやら彼女は召喚時のショックで記憶を失っているらしい。水明は彼女の記憶を取り戻すため、接触の機会をうかがうことに。
一方、黎二たちもまた、勇者が使ったといわれる「伝説の武具」なるものを引き取りに帝国から旅立つことに。
その旅に同行しようと現れたのは、意外な人物で――!?
異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、第5巻!
初美の修めている剣術の流派名がまた凄いな!!
倶利伽羅陀羅尼幻影剣!!
いやでも、凄い山田風太郎的じゃないですか? 人間相手の剣術じゃなくて、伝奇モノらしい妖異魔物相手に練り上げられた剣法、というのがひと目でわかる名前じゃないですか。時代的に一周回ってそろそろかっこ良く思えるような時期に入ってるんじゃないだろうか。
倶利伽羅陀羅尼幻影剣!!
何気に語呂が良くて口当たりが心地よいので、ついつい口ずさんでしまう(笑
そんな魔界都市御用達な剣法を振るうのは、まさかの幼馴染枠である。異世界まで来てしまっている以上、一緒に召喚された黎二たち以外に同郷の現代人の参加はまずないだろうから、幼馴染枠の投入はこの作品ではないんだろうなあ、と思ってたらどうしてどうして。違う国の勇者として召喚された、という顛末で登場である。というか、こんなに各国ごとで勇者が召喚されてるのか。
ともあれこれ、現代とこっちの世界、この様子だとかなり繋がり深く絡んでくる可能性も出てきましたね。度々、水明の回想で語られる中に、同業と思われる女性の影もちらほら垣間見えるので、どうも初美で打ち止めとは思えないんですよねえ。敵方の方にも、現代での因縁の相手らしき人物も顔を覗かせてきましたし。
まだ水明君は気づいていないようだけれど、敵味方の構図がどうも単純な魔族VS人類サイドとは行かなくなってきたようで。面白いことに水明くん、このままだとどの陣営にも入れない、というか入ると角が立ってしまう様相になってきてるんですよね。角が立つ、というのはおかしいか。彼にとっての正義と良心と友情と親愛を全部蔑ろにせず、大切なものを守ろうとすると、もう自分がどの陣営にも属さない独立した勢力として立って全方位を敵に回さないといけない、ような感じに当人含めまだ誰も把握していない段階だけれど、流れとしてなってきてるんですよねえ。
黎二くんだけでもある意味決定的だったのに、そこから初美まで勇者として召喚されていた、となるとトドメに近い形になってるわけだ。こりゃもう、どうやったって水明くんが勇者を敵に回すことはあり得ない。一方で、薄々見えてきた構図からすると、勇者の味方をするわけにもどうにも行かなくなるような気配もあるわけで……。
黎二があっさりと勇者として魔族と戦おうと決めた過程。黎二の性格から水明も殆ど疑問らしい疑問を抱いていなかったようだけれど、初美やエリオットの例を見ると少なからず何らかの意思の誘導が行われてる、ということなんだろうか。

しかし、勇者陣営差し置いて、水明組の強化っぷりがまた凄いなあ。といっても、レフィールは最初からこのくらいだったので、主に水明に弟子入りしたフェルメニアが担っているんだけれど戦闘パートでのあの活躍は大したものである。リリアナは今のところ、まだリハビリ中で実戦は無理なのか。でも、彼女が加わったことで水明組のパーティーとしてのスタンスが出来上がったような気がする。立ち位置がちょうどみんなの妹分みたいなマスコット的なところに収まったので、レフィールとフェルメニアの間を繋ぐ感じにもなってるんですよね。プラス、もと工作員らしいあの諜報能力。フェルメニアが王様と繋がっているとは言え、事実上国家組織から離れて動いている彼らは情報収集面でどうしても一歩譲るというか、孤立しているというか、一般大衆にも届く程度のうわさ話を耳にするくらいしか出来なかったのが、リリアナのおかげで一気に情報面でも遅れをとらなくなったわけで。これは地味に大きい。

なかなか怒涛の展開のさなかで終わってしまったのだけれど、これは次巻に焦らされるなあ。

シリーズ感想
 

6月30日

之 貫紀
(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W DMM


kawa.kei
(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W DMM


槻影
(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W DMM


白水 廉
(エンターブレイン)
Amazon Kindle B☆W DMM


丸山 くがね
(エンターブレイン)
Amazon


鹿角フェフ
(GCノベルズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


力水
(モンスター文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


蒼井美紗
(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


よねちょ
(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


あきさけ
(Mノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


唐澤 和希
(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


中野 在太
(ヒーロー文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


新城一/海月崎まつり
(KCx)
Amazon Kindle B☆W DMM


キダニエル/四葉夕卜
(KCx)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W

6月29日

火事屋/蛙田アメコ
(ライドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


真鍋譲治/すかいふぁーむ
(ライドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊吹 亜門
(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W


柴田 勝家
(星海社FICTIONS)
Amazon Kindle B☆W

6月28日

Amazon Kindle B☆W DMM

6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


幌田
(まんがタイムKRコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W

6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


寺王
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨川水海
(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


江口 連
(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W DMM


KK
(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


志瑞祐
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


長月 達平
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


長月 達平
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


月見 秋水
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


三月みどり
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


花間燈
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


衣笠彰梧
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


甘岸久弥
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


yokuu
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


天ノ瀬
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ラチム
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


櫻井 みこと
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


御手々 ぽんた
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


支援BIS
(KADOKAWA)
Kindle B☆W DMM


藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
Amazon Kindle B☆W DMM


ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


水無月すう
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


人生負組
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM

6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


優風
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


泰三子
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


ハナツカシオリ
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


瀬下猛
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM

6月20日

風間レイ
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ほのぼのる500
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


楢山幕府
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


リッキー
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


こりんさん
(GCN文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Kindle B☆W DMM

6月19日

Amazon Kindle B☆W DMM

6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


双龍
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


松江名俊
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


福井セイ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


安西信行
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


寺嶋裕二
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ヒロユキ
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


綾里けいし
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊崎喬助
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


平坂 読
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


緒二葉
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


川上 稔
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM


美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM


草薙 刃
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM


時田 唯
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


松岡健太
(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


あだちとか
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫田パナ(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐々木禎子(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


仲町鹿乃子(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


竹岡葉月(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


竹岡葉月(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鍋敷(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


LA軍(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


天然水珈琲
(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


西尾維新(講談社文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


葛城阿高(ビーズログ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


小田ヒロ(ビーズログ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


綾河ららら
(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


バッド(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


真安一(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


カヤ(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


星奏なつめ(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


冬坂右折(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


白石定規(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


星崎崑(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


えぞぎんぎつね
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


三木なずな
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


カイシャイン36
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


よっしゃあっ!
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


6月13日


Amazon Kindle B☆W DMM

6月12日

Amazon Kindle B☆W DMM

6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


リムコロ
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


春花あや
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W DMM


こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W DMM


白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W DMM


オジロマコト
(ビッグ コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


田村由美
(フラワーCアルファ)
Amazon Kindle B☆W DMM


もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
Amazon


東崎惟子(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三雲岳斗(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三雲岳斗(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


和ヶ原聡司(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


白金透(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
Amazon B☆W


佐島勤(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


二月公(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鏡遊(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


真代屋秀晃(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


周藤蓮(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


壁首領大公
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


KK(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


うみ(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM

ふか田 さめたろう
(宝島社)
Amazon Kindle B☆W DMM


魔石の硬さ
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


地雷酒(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


サンボン
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


蒼月海里(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


椹野道流(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


桑原水菜(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


仁木英之(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


奈良一平
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小玉有起
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


横田卓馬
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


高田裕三
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


冬葉つがる
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


光永康則
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


一二三
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


がしたに/MITA
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


うかみ
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


桜野みねね
(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


森野きこり
(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM

6月8日

かみはら(早川書房)
Amazon Kindle B☆W DMM


西尾維新(講談社)
Amazon Kindle B☆W DMM


ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐藤二葉
(星海社COMICS)
Amazon Kindle B☆W DMM


山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


TNSK
(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


琴子
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫子
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


平成オワリ
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


榛名丼
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


蝉川夏哉
(宝島社文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


貴戸湊太
(宝島社文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月6日

智弘カイ/カズタカ
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ippatu
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月5日

Kindle B☆W DMM

6月3日

いつきみずほ
(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


夢・風魔
(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


助野嘉昭
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


松井優征
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊科田海
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


鏡貴也/山本ヤマト
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


水あさと
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


篠原健太
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


針川智也
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


時田時雨
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


猗笠怜司
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐々木尚
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


賀来ゆうじ
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


大須賀玄
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


バブル製作委員会/肘原えるぼ
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


三部けい
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


長岡太一
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐茂すけ/竹村優希
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


関崎俊三
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


封宝/富樫聖夜
(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


此匙/浜千鳥
(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


神栖みか/シロヒ
(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


武シノブ/江本マシメサ
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


柳矢真呂/ぷにちゃん
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


深山キリ/もり
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


さーもにずむ
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索