書籍感想(2015)

その無限の先へ 1 4   

その無限の先へ (1) (MFブックス)

【その無限の先へ 1】 二ツ樹五輪/赤井てら MFブックス

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いつ、どんな形で死んだかは分からない。
食べ物にも困る限界村落に転生した少年ツナ。ゲーム的システムはありつつも、現代知識の通用しない現実を前に、彼は希望の見えない人生を生きていた。
記憶にある豊穣の国は幻だったのか……全てを諦めかけた時、ある街の噂を聞く。
『迷宮都市』――ありとあらゆる願いが叶う街。
少年は同じく日本からの転生者ユキと共に、やがて無限へと至る試練へと導かれていく。
Webで話題沸騰! 超文明で繰り広げられる、笑って熱くなれるダンジョンバトルコメディ第一弾!!

うんうん、やっと来ました大本命。小説家になろうに連載中の作品の書籍化と、今では珍しくなくなったどころか大きな潮流となっている流れでありますけれど、その後発組の中でも屈指の大物作品がこれ、となるのでしょう。
実際、これ滅茶苦茶面白くてねえ。うん、夢中になって読んだものです。語り口の軽妙さと、固定観念に囚われない設定の自由さ。魅力的を通り越して、若干中毒症状を発症しかねないくらいに濃いキャラクターたち。
読んでいて面白い! という以上にね、「楽しい!」んですよ。心の底から笑って、あまりの馬鹿馬鹿しさに笑って、血の滾るような展開にワクワクして、ピリピリとしびれるような緊張感にドキドキして、時に度肝を抜かれ、時にびっくりしてひっくり返り、何が起こるかわからない未知の状況にウキウキして。
そう、もう楽しんだー。これぞ、エンターテイメントって奴でしょう。

実のところ、この一巻ってまだまだ開幕前で終わっちゃうんですよね。少なくとも、トライアルダンジョンのラスボス戦こそが、プロローグの盛り上がりどころで、そこが終わって本格的に迷宮都市の詳細とそこに暮らしているアレな人々の実態が明らかになってきてからこそ、の物語なので、この一巻ってまだ食卓の上に前菜のお皿が並び始めた、というくらいなんですよね。それが、掴みが大事な一巻としてはちょいと勿体無かったなあ、と思わないでもない。無理しても、トライアルダンジョンくらいはクリアして欲しかったなあ。でも、変に削られるのも嫌だし。難しいところである。だからこその、二ヶ月連続刊行だったんだろうけれど、それならもう一巻二巻の同時発売、くらいはやってもよかったんじゃないだろうか。
案内役のチッタをはじめとして、既に濃ゆそうな面々が出まくってるように見えるけれど、濃さに関してはまだ本当に触り程度で、迷宮都市の想像を絶する……マジで想像の斜め上を行き過ぎてるイカレっぷりはまだまだこれからなので、少なくともパンダ地獄程度が嗜まれはじめてからが本番ですよね?
まあ、既に主人公とヒロイン(?)のツナとユキが濃度100%のキャラなんですけどねw その二人の頭のおかしさ……可笑しさ?もまあこれからなのですよ。いや、この時点で既に相当アレなんですけれど。ツナの迷宮都市に来る以前、帝都住まいの前の故郷の限界村落でのサバイバーっぷりについては、これだいぶ削られてるのかな。それとも、これからもっとエピソードが出てくるんでしたっけ。ちょっと忘れちゃったのですが、ともかく文明的な生活など欠片も存在していない村落での、彼のサバイバル生活ってとても現代日本の若者だったとは思えないバイタリティなんですよね。というか、文明人としてどうなのか、というレベル。当人、まったく自覚なくておかしいと思ってないのだけれど、よく話を聞いていると明らかに人類として何かおかしいレベルの生存の仕方をしてるんですよね。わかりやすくチート能力とか持っているのなら、理解できるんだけれど別に特別な能力があるとか身体能力に優れているとかの範疇とはズレた「変」な部分を備えているのです。すぐに周囲の人たちにも「あれ? こいつ存在レベルで頭おかしいんじゃね?」と察せられてしまうんですよね。迷宮都市の人間は概ね頭も存在も「あれ? これ色々とダメなレベルでダメなんじゃね?」という階梯の人(人以外も)ばかりなのに、その中ですらアレ扱いされるのだから、まあ尋常じゃありません。話を聞く限りだと、どうやら生前、前世の一般人だった頃から「これ」だったらしいのですけれど……現代編のエピソードも相当「オカシイ」ので、要注目。
まあその彼、ツナの本性の一端が垣間見えるのがトライアルダンジョンのラスボス戦だっただけに、何もかもとりあえずそこに行かないと、始まらないなあ。
迷宮都市のダンジョンでは、冒険者は死なない、という仕様も決してヌルい難易度じゃなく、ユキがちらっと口にしているけれど、死ぬことを前提としているような超ハードモードな仕様なんですよね。トライアルダンジョンは、文字通り体験版でしかなく、今後本格的にダンジョンに潜る際は序盤ですら尋常でないルナティックモードと化すので、その凄まじいを通り越して壮絶すぎる攻略編は、実に盛り上がるのでとりあえずその辺りまではどんどん巻出して早くたどり着いて欲しいものです。

巻末に掲載された書きおろし短編は、前世持ちが珍しくない世界で純粋な魔術師としてツナたちと同時期に迷宮都市に来たリリカさんのエピソード。彼女、すぐに仲間入りするのかと思ったら、ウェブ版でもまだなんですよね。マトモ寄りの人はなかなか仲間にならないのか!? ちょうど、単行本の発売に合わせてウェブ版でもリリカの番外編が公開されたんですけれど、これはこれでひどいな!! なんかもう、いい具合にダメになってきているので、そろそろクランメンバー入りするのかもしれないなあ……。

あ、重要な案件を忘れてた。
表紙のヒロイン・ユキちゃんは…だが男だ!
あくまで現段階では生物学的に性別が男というだけで、ガチで中身も男というわけではないので、多分ヒロインである……のだろうか?
この子も、チッタへの煽りで一瞬垣間見えたように、けっこう外道属性の持ち主なので、アレな感じの人たちの中でもわりとブラック寄りのアレなんだよなあ。それが良いのだがw
……さて、今後「アレ」じゃない人が出てくるんだろうか。人じゃなくてもいいので。ホントに。あ、フィロスはその点マトモな方か。希少な真人間枠w


超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 3   

超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! (GA文庫)

【超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!】 海空りく/さくらねこ GA文庫

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飛行機事故に巻き込まれた七人の高校生が目覚めると、そこは魔法や獣人の存在する中世っぽい異世界だった。
突然の事態に彼らは混乱――することもなく(!?)
電気もない世界で原子力発電所を作ったり、ちょっと出稼ぎに出ただけで大都市の経済を牛耳ったり、
あげく悪政に苦しむ恩人たちのために悪徳貴族と戦争したりと、やりたい放題!?
そう。彼らは誰一人普通の高校生ではなく、それぞれが政治や経済、科学や医療の頂点に立つ超人高校生だったのだ!
これは地球最高の叡智と技術を持つドリームチームによる、オーバーテクノロジーを自重しない異世界革命物語である!

あらすじ見ると、好き勝手やりたい放題やってるような感じに見えますけれど、実際に読むと結構抑制的なんじゃないだろうか、これ。それぞれ現代の地球で各分野の第一線に立っていた人物たちなせいか、むちゃくちゃな能力を持っているけれどその力を無分別に振り回すような子供じゃないんですよね。むしろ大人。それぞれ、その境遇から、或いはその高い能力を持っていたせいで大きな挫折や苦難、心に傷を負うような悲劇を越えて今の立場に立っている者が大半なので、出来た人物ばかりなのである。
これはガチでドリームチームだなあ。能力に振り回されない精神的に成熟した面々が七人も集まって、仲違いもせず一致協力してあたるわけですから。しかも、彼らが持つ能力ときたら異世界どころか現代の地球ですらそれぞれの分野で無双していた人外魔境ばかり。一人一人が一作の主人公を務められるような逸材ばかりである。
このタイトル【超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!】の略称が「超余裕」というのには笑ってしまったけれど、なるほど余裕だ。
余裕なんだけれど、でもそれって彼ら七人が全部何もかもやってしまったら、他の者達は後からついてこさせ、考えるのも導くのも実行するのも全部自分たちでやってしまったら簡単で超余裕なのだろうけれど……面白い、と思ったのは彼ら七人は決して自分から前に出しゃばらず、常に彼らを救ってくれた獣人の村の人たちを尊重し続けてるんですよね。その意思も、その決断も、すべての主体はこの異世界の住人でありこの地で暮らす民である村の人たちに置いている。
その彼らの生活や意思を助けるためにやってしまう内容こそ、ここ異世界!! 地球じゃないから! と思わず叫んでしまうような自重の欠片もないやりたい放題っぷりではあるんだけれど、特に発明家! 発明家の娘! それは現代の地球でも数百年は先を行くようなオーバーテクノロジーだ! ってか、何百年未来に行っても個人でそこまで好き勝手作れる時代は絶対来ない!
商人、というか経済界の麒麟児たる実業家の少年が出先の街で繰り広げた錬金術なんかは、魔法じみた手管ではあっても一応辣腕の範疇に入るものなんだろうけれど、剣士や医者の娘のそれなんかもう人外魔境。
でも、何気に一番むちゃくちゃなのって、プリンスの手品ですよね。種も仕掛けもあるからって、もうなんでもありじゃないか、それ!! 魔法や魔術という幻想領域の代物が、しかしちゃんとルールや方式に則って出来ることしか出来ない、というのを逆手によるように、手品と標榜しつつ文字通り何でもあり、な物理法則も魔術法則も関係ないみたいなやりたい放題をやっているのには笑ってしまった。種も仕掛けもちゃんとあります、ただしネタは明かさない!
そのくせ、マジシャン・プリンス暁当人は七人の中で一番常識人で一般人だという……なにやら次回はその常識人がゴッド暁にサせられてしまうようですがw

彼らの能力が全開で発揮されれば、世界を破壊し時代を破綻させ文明にロケットブースターを取り付けて停止ボタン無しで発射されてしまうのでしょう。だがしかし、彼らはその世界を革命する力ボタンを自分たちで押すことなく、本来の世界の住人たちの手のひらの上に乗せるのです。彼らは王にならず、担い手にならず。
革命とは、個々の特別な人間の意思によって成されるものではなく、市民一人ひとりの願いの集積として旧弊の殻を割り産まれ出るもの。政治家である御子神司は、民主主義国家の政治家として断固としてそこは譲らないんですね。だからこそ、ラストの展開へと繋がっていくのでしょうけれど。
七人の超人高校生にぜんぶお任せ、じゃなくて獣人の村の人たちや真田勝人がその意思を汲んで買い上げた奴隷の幼女など現地の人たちが率先して前に出て物語の中枢に噛もうとしていたのは、好印象でした。
メインキャラだけじゃなくて、周りの人たちまでちゃんと気合入ってる作品は好きだなあ。
作者の講談社ラノベ文庫の作品が、主人公が全部たった一人で何もかもやってしまうほど突き抜けていて、周囲の人達が追随できず、助けられず、悔しい思いに七転八倒しながらなおも追いすがろうと、並び立とうとしているお話であるんですよね。それと比べると、色々とポイントを組み替えて構成しているのが面白いなあ。

ある意味、異世界に来ても公人に徹している司ですけれど、いや地球でも公人として私人としての何もかもをかなぐり捨ててきた彼ですけれど、だからこそここで出会ったエルフのリルルとの関係の行く末は興味深いですね。公人として、自分の家族を破滅に追いやった彼が、果たして私人としての幸せを掴めるのか。
リルル救出でも、実のところ彼は公人としての振る舞いに徹しているんですよね。心情は露わにしながらも、決断については私人としてのそれに最後まで譲らなかった。このあたり、先々もポイントになってきそう。
まあその前にまず面白そうなのが、ゴッド暁ですけどね。どうなってしまうんだ、マジシャン(笑

海空りく作品感想

彼女は遺伝子組み換え系3   

彼女は遺伝子組み換え系 (電撃文庫)

【彼女は遺伝子組み換え系】 嵯峨伊緒/refeia 電撃文庫

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「決めました、命川景。この家は私が占拠いたします」。少女は微笑み、景に銃口を押しつけた。日常的にテロの脅威に晒される新東京都で、普通の高校生の景はテロリストの少女に自宅を占拠されてしまう。少女の正体は“ムーンチャイルド”。かつて「世界テロ紛争」で壮絶なテロを引き起こし、世界中を恐怖の底に叩き込んだ人間兵器の生き残りであった。そんな彼女の毒舌に傷つきながら、不思議な共同生活を始めることになった景であったが…。これは、世界的で個人的な、近未来アクションファンタジー。
毒舌、というんだろうか、これ。最強のツンデレ少女とか毒舌が売りみたいな物言いをしているけれど、彼女のバックグラウンドを考えると、その口の悪さはキャラクターじゃなくて防衛反応に近いものだと思うんですよね。常に拒絶を身にまとうことで、自分を守っている。人類から敵認定され、その命を狙われ続け、裏切られ、この世のどこにも安息の地が存在しないという境遇からすると、他人を信用することも出来なかったでしょうに、この娘根っこの部分で甘いんですよね。誰も信用できないにも関わらず、心を許せる相手を探してしまっている。あの口の悪さは相手への攻撃で心を寄せてくるのを遠ざけようとするのと同時に、ふと緩んでしまい兼ねない自分に甘えを許さないための戒めであり楔でもあるように見えたわけだ。
だからこそ、景に対して心を許して以降は、口ぶりや使う単語こそやや口汚いもの混じっていても、そこに旧来のキツさや冷淡さはごっそり抜け落ちてるんですよね。皮肉めいた物言いもしないし、毒舌キャラとして売るにはマイルドすぎるんじゃないかなあ。
と言って、ヒロインとしてキャラが弱いとかじゃあないんですよね。非常にクレバーだし、長い長い逃亡生活を続けてきたはずなのに、ヘタレたところも折れたところもない。ふてぶてしさの影に当初は疲れた面も垣間見えたけれど、景の家に落ち着いたあとはそういう面も見えなくなったし、景の背景を知り彼の思いと願いを知ったあとは、いい意味で対等の、景の頼りになる相棒として寄って立つことになりますしね。
ごくごくシンプルに、カッコいい女の子なんじゃあないでしょうか。

ただの一般人の少年が、世界を騒がすテロリストを匿う、なんて随分場違いな話、という風に当初は思ったものですけれど、段々と彼の方の事情が明らかになるにつれて、景には明確に「ムーンチャイルド」たちと関わる理由と、確固とした意思が存在することが浮き彫りになってくるわけです。それは、突き詰めれば世界の流れに逆らうこと。景の家に転がり込み、猫よろしく自分の家のように居座って、ようやく落ち着いた生活を満喫しだしていた少女にとってそいつは決して歓迎スべきことではなかったはずなのですが、なんだかんだと言いながら彼女は少年の意思を否定せず、その願いを貶さず、そっけなく傍らに立って彼の剣となり盾となるのです。
支えるでも後押しするでも導くでもなく、その傍らに立つ。そのべたつかない距離感が、なんか好きでしたねえ。
彼女の能力のド派手っぷりも素晴らしかった。似たような能力はよく見かけるものの、ここまで攻撃的にぶん回す使い方はなかなか見ないものですもんね。豪快極まる!

しかし、何気にちゃんと偽装して潜伏すれば、ムーンチャイルドって素性は意外とばれないんじゃないだろうか。

これといった明確な敵組織などが存在せず、生まれから非合法、その使われ方からして暗部、そして最終的に切り捨てられ、テロリストとして存在自体を悪とみなされ世界のあらゆる国々から追われるムーンチャイルドにとって、世界こそが敵そのものなんですよね。逃げて隠れて身を潜める、という選択肢ではなく、ムーンチャイルドの人権を取り戻す、という戦いを選択するのなら、この作品先々の舵取りを相当難しいものにしたと言わざるをえないんだけれど、そのあたりをきっちりと最後まで書ききったなら実に読み応えのある秀作になるに違いない。ラストの展開は、ムーンチャイルドの置かれた状況の醜悪さに対して、悲劇に酔わずなかなか面白い方に転がしてきたと思うので、先々この土壇場で築いた出発点からどう進んでいくか興味深いだけに、これは続きが読みたいなあ。

魔境戦区のナイチンゲール3   

魔境戦区のナイチンゲール (角川スニーカー文庫)

【魔境戦区のナイチンゲール】 岬かつみ/はる雪 角川スニーカー文庫

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“神”が医術を禁じた世界―“魔境大陸”。お尋ね者の人間カルマは、ある日、武器商人の少女サレナと出会う。サレナのキャラバンに同行するカルマだったが…。「胸も触診したいんだが」「ちょ、そこは…あっ…」実はカルマは、この世界で珍しい“医術師”だった!サレナの頼みで、“天の杯”が管理する“西の大監獄”を襲撃することになったカルマ。そこには、“戦闘執刀医”と呼ばれる異種族の少女たちが捕らわれていて!?
ナイチンゲールの名前を使うからには生半可な女傑じゃあ受け付けんよ、と若干構えて挑んだ本作ですけれど、なるほどメインヒロインのサレナはナイチンゲールの名字を持つに足るだけの気合の入ったお嬢さんでした。気高い理想を叶えるために、頭のなかがお花畑じゃあただの現実を見ていない迷惑な人種でしかありませんしね。その点、彼女は汚泥のような絶望から這い上がり、血と臓物に塗れながらそれでも理想を掲げ、戦って戦って勝ち取る覚悟を宿した女傑でありました。
カルマをはじめ、彼の仲間である医術師たちは、それぞれ医師としての誇りを以って体制に反逆するだけの闘士なのですけれど、いざとなるとそんな彼らをすら圧するほどのメンタル見せてたのはサレナでしたしね。恐るべきことに、その生き様に感化されたのはむしろカルマたちの方でしたし。幼少時の体験の壮絶さはみんな比べられないくらい凄まじいものなんですけれど、サレナのエピソードはその時の年齢も相まって畏怖すら感じる決断力ですし。
ここまで覚悟完了しているにも関わらず、普段は非常に繊細な乙女心の少女だというのはなかなか反則。ちょいと感性ズレているカルマの言動にいちいち振り回されて、赤面しているセレナの可愛いこと可愛いこと。
しかし、いざ武器商人のキャラバンの長として局面に立たされた時には、あの古き因習をブルドーザーのように踏み潰し、旧弊然とした体制をまっ平らの更地にし、常軌を逸したバイタリティで医療看護の分野に新たな地平を開拓していった偉人ナイチンゲールの如く、絶対的な神である医神が支配し、医術知識が制約され制限され恣意的に制御されているこの世界に、新たな医術の浸透した世界を打ち立てようとするそのカリスマは凄かった。キレイ事だけじゃなく、武器商人として戦場を行き来しているように清濁合わせ呑んで目的を達するためには汚名をかぶることを厭わない鮮烈さも備えていますし、実に気合の入ったヒロインでした。
世界観もなかなか面白いんですよね。医神が支配し医術が封じられた世界、というと一見医神の勢力が独裁を敷いている世界にも見えるんですけれど、空に浮かぶ黒い月に代表されるように変なところからニョロッとあの「神話」が顔を覗かせてくるわけですよ。何気に、いつの間にか「ソロモンの72の悪魔」VS「アレ」みたいな構図が浮き彫りになってくるわけで。
シリーズ化したら、面白くなりそうなんだけれど。

加賀100万石に仕えることになった4   

加賀100万石に仕えることになった (カドカワBOOKS)

【加賀100万石に仕えることになった】 シムCM/上田夢人 カドカワBOOKS

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生まれかわって気がつけば戦国時代。前世の記憶を使って信長に仕えて、秀吉に近づき、家康に従って東軍についてオレ勝ち組!と思いきや、開始前に野望が潰えて寺で坊主にジョブチェンジ。そんな折、ひょんな縁から前田利家に仕えることに。ここからオレの武勇伝が始…まらない!?殿は脳筋。領土は問題だらけ。大殿からは無理難題。年貢納入と補給物資管理と悲鳴を上げる男、三直豊年(←オレ)。ソロバン片手に文句をたれつつ(数字と)戦う男の物語である。

ウェブ版既読。ウェブ版では一話一話が少量でひたすらデスマーチしている印象だったんだけれど、まとめて読むとトシ君が地道にやってる仕事が覿面に効果をあげているのが如実にわかって面白い。
軍師モノというと、だいたい戦場で采配を振るうか或いは戦略を立てる立場に立つか、なんだけれどこの主人公の三直豊年の役割は戦場に立たない事務官僚。ひたすら蔵に篭って兵糧と金の勘定をする会計管理者なのである。いや、マジでひたすら勘定してるんですよね。内政官、なんて言ったらあれこれ未来的な画期的な政策で生産力を爆上げしたり、なんて仕事を期待してしまうのだけれど、彼が行っているのは本当にひたすら兵糧管理なのである。
この当時の税収が主に米であることを考えるなら、税収・総資産・兵站全般の管理のすべてを担うことになるのである。事実上、前田家の進退は彼の差配次第になってるんですね。勿論、前田家の戦略方針は信長
からの指示に基づくんだけれど、どんぶり勘定だった兵糧管理が、彼の労力と彼が構築したちゃんと覚えたら誰でも使える管理システムと彼が育てた内政団によって、大きな無駄をなくした形で自由に動かせることになったことで、前田家という戦力の自由度が爆上げされた結果、織田家の中での前田家の地位というか使い勝手が滅茶苦茶あがってしまったんですよね。んでもって、いつの間にか史実における柴田勝家ではなく、前田家が北陸方面軍を担当することになってしまっているのである。
これに関しては、織田信長の見る目というか、視点の置き方、適材適所の駒の配置の仕方が抜群な気もしますけれどね。単純に率いる兵力があがっているとかじゃあないはずなんだけれど、前田家の有用性のどの部分が上昇しているかをちゃんと把握した上で、その使い方を決めている節が伺えるので。
トシ君の功績というか能力というのは、武功のようなわかりやすい部分じゃないので、非常に把握しづらくてぶっちゃけ殿様こと前田利家もよくわかってないっぽいのだけれど(彼が偉いのはわからなくても、信頼して責任は負った上でかなり好きにやらせてるところなんだけれど。結果、デスマーチ&デスマーチ化してるとも言えますが)、信長についてはぶっちゃけ現場で目の前の仕事を捌くことに必死になってるトシ君よりも高い視点で彼のしていることを理解した上で、方向を指し示しているんですよねえ。

トシ君のやり口で実に面白いのが、相手が望むものを与えることでより大きな成果を得る手法である。これ、味方に対してだとWin−Winの結果になるのだけれど、えげつないのが敵に対してのもので、敵さんに目先の利益を与えることで、思う通りに動かした挙句に、気が付くと敵さん泥沼にハマって二進も三進も行かなくなっているのである。場合によっては、最後までイイように自由に操られた、ということに気が付かないで終わる場合すらあるのだから恐ろしい。傍から見ると、餌に釣られた間抜けに見えてしまうケースもあるんだろうけれど、実際その立場に立たされると、自分や自分サイドの勢力にとってプラスになり、敵対勢力にはマイナスになるだろう成果を、見逃すというのはありえないんですよね。これはまだ単行本化されてない先の話なんですけれど、恐ろしいことに差し出された餌を受け取ってしまうと詰みだと、釣られる側が完全に理解しながらそれでも餌に食いつかない以外の選択肢がない、という凄まじい展開すらある、というまあとんでもない手法なのである。
戦う前に既に結果は決まっている、という言葉はよく聞くけれど、ここまで見事に相手の動きを誘導して用意していた結果の穴に落としてみせる業師は、なかなか見られないんですよね。そりゃあ、わざわざ戦場に立つ必要がない。
甲賀への謀略なんかは、自分から足を運んでハメているのでまだ序の口の類なんですよね。筒井家への働きなんか、この人本当に兵糧をあっちからこっちへと動かすだけで、敵さん詰めちゃいましたしね。
いや、この兵糧を正確な数量、あっちからこっちへ動かす、というのが本来難しいを通り越してる難易度なんですけどね。ゲームなんかだと、数値打ち込んでそれで終いなんですけれど、現実ではそんな簡単な話じゃないわけです。ましてや、まともな管理の為の理論が成立していない中近世なら尚更に。
ラストの撤退戦「引き鳥府中」なんかは、この兵糧の出し入れの精確さと適確さ芸術的な差配が導き出したものですしねえ。彼の謀略は、個々の武将相手じゃなくて、一般兵や農民たちの群集心理、組織内のパワーゲームにおける人間心理を相手にしているというのも、面白いというかソソられるところである。対象を一人や個人に絞った謀略は、防ぎようというのはいくらでも方法はあるのだけれど、この心理誘導はほんとどうやって防いだらいいかわからないたぐいのやり口なんですよね。イニシアチブをどの段階まで繰り上げないと取り返せるかわからん。

ともあれ、普通の軍師モノ、戦記モノと比べて着眼点がかなり違っているので、その点だけでも本当に面白いし興味深い。しかし、こういう戦国モノって前田慶次郎は使い勝手愛嬌のあるイイキャラなんだろうなあ。特にこれは前田家が舞台の話だけあって、前田慶次が絡みやすいという下地はあったにしろ、ただでさえデスマーチで死にかけてる主人公にちょっかいかけて弄って遊んでくるキャラで、いつもくっついてくるんでぶっちゃけ、殿様の利家よりもでかい顔してますww


ノーブルウィッチーズ 3.第506統合戦闘航空団 結成!3   

ノーブルウィッチーズ (3) 第506統合戦闘航空団 結成! (角川スニーカー文庫)

【ノーブルウィッチーズ 3.第506統合戦闘航空団 結成!】 南房秀久/島田フミカネ 角川スニーカー文庫

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ノーブルウィッチーズの正式お披露目イベントが数日後に迫り、国同士の様々な思惑に翻弄されるA、B両部隊の魔女たち。一方、キーラとともに忽然と姿を消したジェニファーを追って、那佳とカーラはガリア中を探索する…!果たして那佳たちはお披露目イベントまでにジェニファーを取り戻せるのか!?ちょっぴり守銭奴な魔女の奮う名槍が、灰色のドーヴァー海峡を切り開く!異色の部隊、結成間近の第3弾!
2巻のラストの展開が、もうジェニファーが真っ黒けっけに見える流れだったのでかなり焦ったんだけれど、ちゃんと白で良かった。各国の情報部が内部の派閥ごとに違った動きを見せて暗躍するわ、正規の登録がなされていないエージェント・ウィッチが暗躍するわ、とウィッチーズシリーズの中でも特に組織間の暗闘、国家間のパワーゲームの歪みが描かれるのがこのノーブルウィッチーズなわけですか。ウィッチの中でも貴族の血を引くものを選んで集めた、という時点で胡散臭いことこの上なかったんだけれど、担がれる神輿だからこそ、その下では他よりも激しいパワーゲームが繰り広げられる厄介な立ち位置になってしまっているわけか。そこにさらに、合衆国が送り込んできたBチームが絡んでくるんだから、そりゃ駆け引きの類がより陰湿な方に向かってしまうのも仕方ないのかもしれない。統合戦闘航空団の中でも、特にごちゃごちゃ面倒くさい立場に立たされてしまっているわけだ。
だけれど、そんな周囲からの悪意たっぷりの攻撃が皮肉にもAチームBチームを超えた結束を506にもたらした、とも言える。なんだかんだと喧嘩しながらも、同じ戦場で同じ敵であるネウロイと戦う戦友同士であるのに、周囲からのちょっかいはそんな彼女らの誇りを汚し踏みにじるものである以上、好かない相手だろうと戦友の誇りを守るために戦うのは、まさに貴族として、兵士としての正しい在り方なのだろう。
この航空団だけ、なんだかネウロイよりも人間相手に戦っているみたいな感すらあるけれど、まあ正面で実際の敵と対峙しながら、後ろから撃ってくる味方と激戦を繰り広げるのは、ある程度どこでもやっていることであるからして。
501でもミーナ隊長が頑張ってましたしねえ。
その意味では、苦労性で気弱で生真面目故にマイナス思考なロザリー隊長ですけれど、見事に様々な横槍を捌ききってるんですよねえ。Bチームのジーナ隊長が色々と現場でも後方でも実に頼もしい補佐役であるのもあるんでしょうけれど。プリン姫とジーナ隊長が二大戦闘隊長で張ってるだけでも、他の戦闘航空団と引けは取らんのよねえ。

さて、消えたジェニファーとキーラを追って、黒田の那佳ちゃんとBチームのカーラの珍道中。こんな時でも食い意地が張り守銭奴に徹している那佳ちゃんのメンタルって、本当に図太い。明朗快活な元気娘であるはずのカーラが、不安から弱音をこぼすような状況でありながら、那佳ちゃんのあっけらかんとした態度は変わらんのですよねえ。那佳ちゃん、506に合流する以前でも相当の修羅場をくぐって来てるのだけれど、どんな絶体絶命のピンチだろうが態度変わらんのだから、ハッキリ言って凄い。これだから扶桑の魔女わ、と言われる類だよなあ、この娘も。
それでいて、ウィッチーズ全体を見渡しても黒田那佳ってかなりの頻度で死にかけてるんですよね。あれだけお金お金、と金に執着していながら、いざというときには体を張って仲間を守り、血を流し激痛に耐えながらチームの為に根性見せる。そこまで死にそうな目に合いながら、しかし仲間たちに苦しい顔をさせ続けないんですよね。重苦しい雰囲気を吹き飛ばすような軽口を、いつもどおりの態度で飛ばしてみせる。演技じゃなく、本気だからこそ、ついついみんな深刻な顔を解いて、笑ってしまう。数いるウィッチの中でも、この子は最強のムードメーカーなんじゃなかろうか。そりゃ、こんな娘が居たら貴族だなんだと、AチームとBチームで張り合ってるのも馬鹿らしくなってくる。その意味では、やはりこの那佳ちゃんがノーブルウィッチーズの要なのでしょう。
今回もネウロイと殆ど戦うことなく、スパイ映画さながらのサスペンス・アクションな話でしたけれど、2巻と違って3巻はこれはこれで面白いなあ、と思えてきました。

今回、表紙でも那佳ちゃんが振るっている槍は、あの名槍【日本号】ならぬ、【扶桑号】。やっぱりこっちの世界だと扶桑皇国だから銘も扶桑なのね。あの槍って、黒田家じゃなくてその家臣の母里家のものだったんじゃないか、と思ったら、この時期には紆余曲折あって確かに黒田家に渡ってたのか、知らなかった。

シリーズ感想

できそこないの魔獣錬磨師(モンスタートレーナー) 3   

できそこないの魔獣錬磨師 (富士見ファンタジア文庫)

【できそこないの魔獣錬磨師(モンスタートレーナー)】 見波タクミ/狐印 富士見ファンタジア文庫

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授かったモンスターの紋章によって優劣が決まる世界。モンスターを従え闘わせる『魔獣錬磨師』の育成学園『ベギオム』に通うレインは学園唯一のスライムトレーナー。周囲の嘲笑も気にせず、相棒のペムペムを信じ、誰よりも努力を重ねていた。そんなレインに固執する学年3位の美少女ドラゴントレーナーのエルニア。紋章と美貌を兼ね備えた完璧な彼女が底辺のレインにこだわるのは、過去の因縁が原因らしいが…!?最弱も最強も関係ない!勝利への執念が定められた運命に逆転劇をもたらす!!
なるほど、ポケモンっぽい……と、言っても自分、ポケモンやったことないので外から見た印象が似ている、と言うだけの事なのですが。
今はもう大人になってても、子供の頃からポケモンやってて今も親しんでいる、という人は珍しくないんでしょうねえ。自分の世代だと、ポケモンというと小学生が遊ぶものでわざわざ自分たちがやるもんじゃなかったからなあ。あ、勿論初代のゲームボーイ版の話ですよ? それ以降となると、もうさっぱりわからない!
とは言え、ポケモンがあれこれとゲットしたポケモンを入れ替えながら戦う、というくらいは知っている。対して、本作は一人につき1モンスターしか扱えない、と言う事なのでなかなか戦術の幅は広がらないんだろうなあ。一匹しか扱えないなら、そのモンスターの格でトレーナーの評価がある程度定まってしまう、というのも致し方ないのかと。
タイトルはできそこない、となっているけれど、単に世間的評価の低いスライムを扱っている、というだけで主人公のトレーナーとしての実力はすこぶる高い。努力し研鑽を積んで、単にスペックをあげるのではなく、自分の扱うモンスターの特徴をよく掴み、長所を取り上げ、戦いかたの幅を広げ、能力を開発し、と自分たちの限界を規定せず、自分たちを高め続ける姿勢は、ストイックですらある。最弱のスライムであることで上級モンスターを僻むでもなく、見返してやるという憤懣を蓄えているわけでもない。ただ、自分たちを高めることに一心不乱なのだ。
でも、実際を見ずに不当に低く評価されてしまうこと、最初から決められた枠内で物事を判断されてしまうことに対しては、やはり溜め込んでいるものがあるようで、時折激しく反発心を垣間見せる。

でもねえ、このレインって固定観念に対して憤ってみせるくせに、自分もやっぱり自分たちをバカにしている連中と同じく固定観念に縛られてるんですよね。エルニアたち女の子たちが自分に向ける感情に対して、まったく考慮もせず自分の観念に拘って一顧だにもしてあげないあの態度って、レインをバカにしていた連中と同根なんですよね。結局、同じ穴のムジナじゃないか、とちょっとがっかりしてしまった。
最弱のモンスターが最強のドラゴンを倒す、とはいっても、あくまで世間的評価ではジャイアントキリングに見えるだけで、実際の実力を発揮すれば勝てる、というくらいに普通にレインとペンペンが強いんですよねえ。それに、バトルみてるとわりと無駄な行動や攻撃が多いような。一手一手にすべて意味がある濃厚な戦術、というわけでもないですし。
エルニアも、なんか面倒くさいばかりで、その面倒臭さに面白みがあるタイプのヒロインじゃないですしねえ。対ドラゴン戦も、最初殺す気で来ていたはずなのに、戦い終わったあとにあんなに物分かりよくされてしまうと拍子抜け、というかなんというか。
どうも折々に触れて締まりがない気が抜けてしまう場面があって、もうちょっと起伏と締りのある展開が欲しかったかなあ、と。

暁の戦闘論者(バトロジカ) 3   

暁の戦闘論者 (ダッシュエックス文庫)

【暁の戦闘論者(バトロジカ)】 大保志雄二/安倍吉俊 ダッシュエックス文庫

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武器は“言葉”! 完全論破ディベートバトル!! 「お前、いま納得したな――?」 町中でフードを被った少女と大男が揉めている。そこへふらふらへらへら安物のマント姿の男・ワードがやってきて、剣も魔法も使わずにあっさり問題を解決! 彼はこの世界でもっとも恐れられる存在――言葉で納得させることによって、絶対的な力で相手を操る“戦闘論者”(バトロジカ)と呼ばれる流浪の能力者だった! 危険視されて連行されたお城でワードを待っていたのは先ほどのフード女あらため、この国の王女であるミシェル殿下。 「あんた、私に力を貸しなさい!」 「シュークリームで手を打とう」 気がつくと国を揺るがす一大事件に巻き込まれていたワードは、ミシェルを守り抜けるのか!?
これは……タイトルが失敗だったんじゃない? 読むまでは、これがディベート、言葉を擁して論戦によって相手と攻防する話だなんて想像もしなかったですし。タイトルとジャケットデザインみたら、思いっきり脳筋系に見えましたし。戦闘論、というからにはそれぞれの流派みたいなのを競いながら、殴りあう、みたいな。
もっと、あらすじにあるディベートバトル!というポイントを一見してアピールするタイトルや表紙だったらもう少し違ったんじゃないだろうか。
しかしこれ、どちらかというと正論を投じて相手を論破していくよりも、とにかく納得させたらいいのなら詐術でだまくらかしていく方がより効果的な能力ですよね。意外と人間、正論をつきつけられても納得しないものですし。物事に対して、これこれこれはこういうものなんだよ、と説明されてもけっこう納得できなかったりする。
そこは、弁が立つ人が説得力を発揮すればいいのだけれど、この戦闘論者たちって実はあんまり直球で論破とかしてないんですよね。彼らの能力って、とにかく「納得」させれば一回ストックが貯まるという仕組みで、その納得の内容は問わないのである。つまり、どうでもいい話でも一回納得させてさえいれば、別の重要な場面でまったく関係ない件で相手を操作できるのである。これはほとんど反則に近い能力なのだ。
もっと、納得させた件についてでなければ相手に有無を言わせない、という能力ならちょいとした迫真のミステリーものになり得たのかもしれないけれど。

ともあれ、興味深いのは黒幕は明らかで彼が目論んでいることそのやり口もバレていながら、その黒幕を断罪できずに別の人が犯人に仕立てあげられてしまった状態を崩すことがクライマックスに用意されていた、というところですか。勝負の要は、どうにかして黒幕に「敗北を納得」させること。
お互いに制約が課せられた状態で、それを潜り抜けてどうやってお互いが設定した勝利目標を達成するか、その攻防が舌戦によって繰り広げられるわけだけれど、ルールが周知されているわけではなく、この攻防の中にあるルールからまず手探りで解き明かしていかなければならない、など単なる論破合戦にはならず、謎が謎を呼ぶ状況や秘された思惑などを探り当てるミステリー要素もふんだんに用意されていて、なかなか展開の面白い作品だった。一方、ちょっとキャラクターに関してはパンチが弱かったかなあ。様式ありきの作品だった気もする。






偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中3   

偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中 (ファミ通文庫)

【偉大なる大元帥の転身 出直し召喚士は落第中】 竹岡葉月/ともぞ ファミ通文庫

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平凡な中学生だったケータが、異世界ディルスマグナに召喚されて早三年。フレッドフォード召喚学院に通うケータには、ある秘密があった。それは彼が魔王の腹心、大元帥ヴェーレスとしてかつて名を馳せていたこと! ヒトと魔族が和平を結んだ後、正体を隠し、強大な魔力を封じて元の世界に戻る方法を探すケータだったが……。ヒトの操る精霊召喚術はうまく発動せず、討伐するべき魔物はこっそり逃がし、ついた渾名は、任務達成率ゼロパーセント。しかしそんなある日、優秀な生徒だけを集めた遠征調査隊のガイドに任命される。その行き先はなんと、魔王軍の戦略拠点要塞ベルタ――元自分の城で!? 魔王の腹心が、落ちこぼれの戦術召喚士にジョブチェンジ!? 波乱尽くしの出直し異世界転戦記、堂々開幕!
この人に限らないんだけれど、超ベテランの粋に達している作家さんが流行りのジャンルに手を出しても、この流行が初乗りの人たちと比べるとやっぱりちょっと話の雰囲気、というか根本からの話の作り方が違うんですよねえ。基礎構文が異なっているというか。ベーシックとなる部分がこれまでの蓄積からなる経験によって形成の仕方、積み上げていくやり方のルールが違うんですよねえ。なので、同じような話の展開や構図だったりしても、独特の気配を纏っている。
……面白い。

しかしこれ、魔王軍の大元帥から落ちこぼれ学生に転進、というと思惑あっての事ならまだ格好つくのですけれど、実際の様子を見てると……殆ど家出だよなあ(苦笑
気持ちはわかるんだけれど、拗ねてるようにしか見えない可愛らしさが透けて見えてしまう。魔王さまの思惑が、そもそもどうして人間サイドと戦争していたのか、などの理由もわからないので、どうして和平を結ぶつもりになったのか、という理由も全然想像……出来ないわけではないのだけれど、根拠となる情報がさっぱりだからなあ。そこは魔王さまの気持ちも察してあげなよ、とは言えないか。
僅かな登場シーンから窺い知る限りでは、どう見ても薄幸の病弱系美少女でしかない魔王さまなんだけれど、強力なカリスマ性とかリーダーシップがある方には見えないので、やっぱりケータがやり過ぎてしまったんだろうか。いずれにしても、魔王さまと最終目標のすり合わせ、みたいなのが出来てなかったのは確か。ケータからすると、魔王さまの為に頑張ってきたのに、少なくとも魔王さまが望んでいると思ってその方向に頑張ってたのに、突然ハシゴを外されてしまったのだから、まあ不貞腐れる気持ちはわかるんですよ。そこで、クーデターだとか本意を問い詰める為に殴りこみだ、とならないあたり健全なのか、子供っぽいのか。子供っぽく見えるからこそ、家出に見えちゃうんだけれど。
だいたいさ、あの条件ってどう考えても最初に条件を出された段階で条件クリアされてますよね?
ぶっちゃけ、後続出演のヒロイン二人ではちょっと条件クリアできてるとは思えない。色々あって、好感持たれだしているんだろうけれど、さすがにあの条件をクリア出来てるとは思えない。だとしたら、その条件クリアしてるのって、条件を提示してみせたあの人としか思えないんですよね。
そう考えると、拗ねてないで戻ってちゃんと話しあおうよ、と言いたくなるわけですよ。あの魔王さま、どうにも言いたいことをグッとこらえて胸に秘めちゃうタイプに見えるし。拗ねて実家に帰る、と言い出して飛び出そうとする男の子に対して、引き止めることの出来るようなタイプに見えないんですよね。でも、直接言わないけれど、何もしないわけではなくて凄く遠回しにあれこれしたり、アピールしたり、と面倒くさい人っぽいんだよなあ。和平だってさ、先に大元帥に言っとけよ、てなもんでしょ? それを、直接言わないで先に人間側と話まとめちゃって、結果だけ見せてハイ終わり、とかあれ問答無用で結果出して止まらざるを得ない状況を用意しないと、ケータに止めて、と言えなかったんじゃないかしら。
自分、そういう面倒くさいヒロイン大好物なんで、あんまり放置しないでかまってあげて欲しいんですけどねえ(苦笑

終始ギスギスしたままで、本当に追いつめられてから素の顔を剥き出しにしないと生き残れない状況で、やっとキャラが立ってきた学園の実力者たち。逆に、次からは最初から生死の境を一緒にくぐり抜けた戦友たち、としてある程度気心の知れた状態で始まるので、男女問わずキャラがたくさん出てきましたけれどけっこういい感じの仲間たちとして動けるんじゃないかしら。
その意味では、ライラが戻ってこれなかったのは地味に痛い気がする。学友たちを心配して危険も顧みずに戻ろうとしていたのに、あれだと一緒に死にかけた他のメンバーたちとちょいと差が出てしまうのではないかと。いい子なだけに、ちと心配。

竹岡葉月作品感想

スカイフォール 機械人形(オートマタ)と流浪者(ドリフター) 3   

スカイフォール 機械人形と流浪者 (電撃文庫)

【スカイフォール 機械人形(オートマタ)と流浪者(ドリフター)】 石川湊/ときち 電撃文庫

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人類は、大地を見たことがない。天地を貫く巨大な柱・ターミナルを中心に、彼らは街を造り国を建てた。旧世代の遺構であるターミナルを繋ぎ、空を横断する無数の鋼線。そこにぶら下がるゴンドラに乗り、流浪者たちは街を行き来して生活する。見渡す限り、一面の蒼。「警告。危ない、空に墜ちますよ」そう、これは―俺の知らない世界。青空に浮かぶ雲海の中、記憶喪失で倒れていた青年・クウガを拾ったのは、天真爛漫な流浪者スズと、彼女に尽くす機械人形のエア。少女二人と旅をする中でクウガが知る、己と世界の真実とは―。大空を舞台にした空創ファンタジー!

ひぃぃ。高所恐怖症の身としてはケーブルからぶら下がるコンドラが家だなんて怖いどころじゃないですわ。あそこがヒュンとなる、ヒュンとなる。しかも、途中にケーブルを支える鉄塔とかないんでしょ? 見渡す限り、空の中。そこをただ一本のケーブルが走っているだけのところを、ゴンドラで動いていくだけ、って。
想像すれば、凄まじい閉塞感である。これならまだ永遠に空を飛んでいる方がマシなんじゃないだろうか。ゴンドラだと、本当にケーブルの下をまっすぐに進むか下がるかしか出来ないのだから。そして、前にも後ろにもススメなくなった時、あとは下に落ちるしかない。
想像すれば、この世界が抱え込んでいる絶望感というのは思い描くことができるだろう。
勿体ないのは、その想像を促す描写があまりなかったことか。読んでいる間は、あまりそういう想像、連想が湧いてこなかったんですよね。この世界で暮らしている人たちが潜在的に有している、閉じた絶望感を伝える要素があまりない。ラストに至るスズの動機からすると、この辺りの「世界に漂う絶望」が大事だったはずなんだけれど、いまいちそれが伝わってこなかったのでかなり唐突感があったんですよね。
これは、読者の視点が、記憶喪失でありまた異邦人であるために、価値観をこの世界の人たちと共有できていなかった主人公のクウガのそれに合わさっていたが為に、気づかせることが難しかったんだろうけれど。クウガ視点なのに読者は気づいてクウガがさっぱり気づかないんだったら、この主人公想像力も観察力もないんかいっ、という事になってしまいますしね。一人称ではないものの、極めて一人称よりの三人称という形式だとやはり難しいのか。まあクウガ視点で気づいてない時点でやっぱり察しが悪いというのはわかってしまうのですけれど。
観察力はある方なんだけれど、どうも分析力が明後日を向いているのか被害妄想の嫌いがあったのか、スズやエアの言動に対してわりとネガティブなことばかり想像をめぐらしてるんですよね、この人。スズの笑顔に違和感を覚えだすあたり、見るべきところは見てるはずなんだけれど。
エアの機械人形でありながら、人間味を感じさせ心や想いがある、魂魄実装済み的な振る舞いに親しみを感じる一方で、この世界では機械人形はあくまでモノ扱い、というあたりの設定も、確かにスズの動機の根源に繋がる要素ではあったものの、クウガが世間の扱いに憤り反発していた部分とは微妙にすれ違ってるんですよね。どうもこう、クウガの記憶喪失という点があんまり意味をなしていなかったところも含めて、色んな面でクウガが的を外していたような気がします。いや、記憶喪失は彼の責任じゃないんですけれど、物語の様々な局面で彼の見ているものと実際のところがズレて的を外していた、というかなんというか。おかげで、最後までこの主人公大丈夫なのかな、と主人公としての信頼を寄せきれなかった感が……(苦笑

二線級ラブストーリー4   

二線級ラブストーリー (講談社ラノベ文庫)

【二線級ラブストーリー】 持崎湯葉/籠目 講談社ラノベ文庫

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高校二年生の松尾家之助は、親友で生徒会長の完璧超人一ノ瀬秋、憧れのクラスメイトで書記の月本紗姫とともに生徒会に所属し、平凡ながらも楽しい高校生活を送っていた。そして家之助は紗姫への想いを自覚する。だが、どうやら紗姫は秋のことが好きな様子。どうすべきか悩む家之助だったが、そんなさなかに秋のとんでもない秘密を知ってしまう!その結果、家之助の、紗姫のそして秋の想いは複雑に絡み合って―?第3回講談社ラノベチャレンジカップ“佳作”受賞作、華麗に登場!
ちょっちょっちょっ……!?(爆笑
いやいやいや、これは参った。途中まで、男装していた親友の秋と、好きな女の子の紗姫との微妙な三角関係を繊細に描いていく青春ラブストーリーだと思ってたのに、まさに秋の性別を家之助が知ってしまった瞬間から、完全に予想の斜め上を行く展開に。どこが二線級だよっ、これこそ一線級だよ、というか一線超えちゃってるよww
思えば、青春ラブストーリーの三角関係というのは、現状維持思考なんですよね。どれだけ穏便に、これまでの関係を損なわないように傷つかないように傷つけないように気を遣いながら、それでも募る想いを抑えきれず変化を迎えてしまう。そんな細やかな感情や気持ちの綱引きの末に、誰かが決定的な一線を越えることで激動の展開が始まる、そんなのが三角関係の定番パターンなんでしょう。
ところが本作と来たら、実質三角関係がはじまった途端に、なりふり構わず一線を越えて来やがったのである。これだけ恋敵の気持ちを踏みにじっても自分の気持ちを押し通す! 恋愛はキレイ事じゃない! と初っ端から開き直った姿勢で来られると、笑ってしまうやら圧倒されてしまうやら。
そのどぎついキャラクターでコミカルな事になってるけれど、秋にしても紗姫にしてもえげつないといっていいくらい酷い事してますしね。それも、相手は恋敵ではあっても自分を好いてくれている相手である。自分に抱きついてくる相手の顔面に蹴りを食らわせながら、その反動で自分の好きな人に抱きつこうとするような有様なんですよね。二人の女子のあまりにも強烈にして強固な恋心を前に、しかし家之助も引きずられるように彼女たちと同じ選択をしてしまう。これ、秋は絶対に自業自得だと思うんだけれど、男が女にしてしまうのはダメなのか、そんなことないよね? 男だって心繊細だもん。
どれだけ酷いことをされても、好きな気持ちは止まらない。決して振り向いてくれないトライアングル。ドン引きしてしまうレベルの肉食性を見せてくれた秋と紗姫だけれど、その本性むき出しのがむしゃらさは恋に対する本気の証でもあり、やってることは相当なんだけれど嫌悪感なんかはなくて、むしろゾクゾクするような味わい深さが。
この点、紗姫の悪魔の提案に乗ってしまった家之助は、その恋の情熱の持って行き場所を自分の意思で決められず、流されてしまった為に随分モヤモヤを引っ張ってしまったのだけれど、その分彼の本気を出す方向を、自分で決めた方に向けて突っ走り出してからは痛快でありました。いや、なんにも解決していなくて、一方通行の三角関係という構図は一切変わっていないのだけれど、彼の自分の恋は貫き通しつつ、しかし誰かを傷つけても構わないような格好わるい振る舞いはしない、という決然とした姿勢は歪でギスギスして泥沼化しはじめていた三角関係を、すっきりと後腐れのない、真っ向勝負へと変えてしまったんですよね。ここの家之助はなかなか男前だったなあ。
自分の醜い面をこれでもと曝け出して、ぶつかり顔を背け合いうつむいてみっともなくしがみつくばかりだった関係が、しかし皆がそれぞれの醜悪さを受け入れ飲み込んで、向き合った先に見えたものは、恋というものがやっぱりキラキラとした綺麗で素敵なものだった、という事実。誰かを好き、という気持ちの輝きと同等に、自分を好きで居てくれる人が居る、という事の素晴らしさ。
これは家之助、男を見せたと同時に、一兎を追って二兎を得そうな雰囲気じゃありません?

影のMVPは、勿論妹の芽衣でしょう。不甲斐ない兄貴の相談に親身になって乗ってあげて、色々とフォローしてまわり、へこんで落ち込む兄貴を励まし、と七面六臂の活躍。わりと自由人の気風の娘なのに、もう暴走しっぱなしの秋や紗姫の煽りもくって、苦労しっぱなしでしたしね。うん、頑張った、頑張ったよ妹! そして、これからも頑張れ、あの人達は概ねダメだw

断罪官のデタラメな使い魔3   

断罪官のデタラメな使い魔 (HJ文庫)

【断罪官のデタラメな使い魔】 藤木わしろ/菊月 HJ文庫

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人の理を外れし強大な力=魔法に目覚めた者から、魔法を取り除くことが出来る唯一の存在“裁判官”。陸也と緋澄の男女コンビは、時に国家以上の権力を行使しながら、裁判官として世界各地で起こる魔法使い絡みの事件を次々と解決していた。そんな二人が新たな任務で訪れたのは、魔法使い“切裂きジャック”による連続殺人事件が噂される国で―。
建前って意外と大事なものなんですよね。それは公のことに限らず、個人的な二人きりの関係においても。ぶっちゃけ、この陸也と緋澄の以心伝心の信頼関係の厚さを思えば、二人が拘っているお互いの関係の距離感、なんてのは虚構と言って過言のないものだと思うのです。実質、実際の二人の関係はもう彼ら自身が引いたラインをとっくに越えている。それでも、建前だけでも原則を言い募り固持しているフリを続けていることで、辛うじて魔法使いの「法」を実行し得てるんじゃないだろうか。もうこれ、在るか無いかじゃなくて、既に在るものを認めるか認めないか、の段階なんだよなあ。いや、それすらももうふたりとも認めていて、意識的に無い振りをしているようにしか見えない。本当に、辛うじての辛うじて、際の際だ。ここまで来ると、もう時間の問題のようにも見えるので、大事なのは既に越えてしまっている一線を無視し続ける努力ではなくて、愛の形に「法」を組み込むしかないと思うんですよね。愛情表現として、それを組み込むように調教調律していくしかないんじゃないだろうか。
つまり、SMの関係だよ!!

国家権力、国の最高権力者すら一方的に断罪できる権限を持つ「裁判官」が、そんなSM趣味だったら嫌ですけど、うん。
ちょっと違和感あったのは、ここで語られる国の規模が非常に小さいことでした。これって、国を名乗っているけれど、その規模は一つの街レベルなんですよね。都市国家、と考えればいいんだろうけれど、意外とその都市間の技術・文明レベルにかなり差があるようで、このへん【キノの旅】の国の形に良く似ているなあ、と。
肝心の切り裂きジャックに関しては、まず最初の段階で殆ど正体隠さない状態で現れるのですぐわかったのですが、そうなると「断罪官」なんてテーマで期待するであろう、胸糞悪い悪を問答無用で罰する「カタルシス」を得られるのだろうか、という疑問が湧いてきたのですが……思ってた以上に胸糞悪い展開が待っていて、これって悪党をぶっ飛ばすだけじゃ解消しきれない外道の所業でした。最悪の誰も救われない展開ではなかった分だけ、だいぶマシだったのかもしれませんけれど。ギリギリではありますが、助かるべき人が助かって、守るべき挟持は守られ、悪は滅びたわけですし。
陸也と緋澄の二人の過去にも、どうやら色々といわくがあるようですし、世界観の紹介も終わったところで次回からはもっと二人の個人的な事情にスポットを当てて掘り下げたところを読みたいところですね。
ちなみに、裁判官と使い魔の関係については素直に騙されてました。うん、これは騙されるよ。

まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる 4 3   

まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる 4 (このライトノベルがすごい!文庫)

【まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる 4】 紫炎/武藤此史 このライトノベルがすごい!文庫

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かつてのゲーム仲間であり、ミンシアナ女王となっていたユウコと再会した風音たち。旧交を温めたのち依頼されたのは、ユウコの息子ジーク王子の鍛錬をかねた、黒岩竜ジーヴェの討伐だった。我が子を千尋の谷に突き落とすユウコに軽く引きつつ、風音たちはジーク王子とともにジーヴェの根城であるダンジョンへと潜るのだった…。魔物を倒してスキルを奪取!大人気異世界ファンタジー第4弾!
順調に風音がパワーアップしている一方で、何故かそれ以上に魔改造を受けているような印象すら与えられる勢いで強化されているのが、ジンライ師匠なんですけど。既にピークを過ぎて、弟子の弓花にもじきに追いぬかれそうというロートルに見えたのも最初だけで、むしろ弟子が強くなるのを上回るペースで強化されていってますよね、この師匠w
しかも、この巻ではついに禁断のアイテムまで使用してしまって……爺がこの手のアイテム使うの初めて見たよ! 普通はこう……とりあえず女性が使うもんでしょう! いいんだけど、別にいいんだけれど。
ご自身は若いころの強さを取り戻すどころか、それを上回る勢いでパワーアップしてるからいいんでしょうけれど、それに合わせるようにして本人知らないところで泥沼に足をツッコんでいるご様子ですし。血の雨が降るぞーー!! 当人はまったく悪くないだけに、可哀想といえば可哀想……いや、一回浮気しちゃってるので、その時点でもうアウトか。清廉潔白ではないもんなあ。
一方で、自覚なく男心を弄びまくってるのが主人公の風音さんである。いや、わかってて頓着してない上にスルーするならともかく、面白半分でイジっちゃってるからなあ。これで魔性の女を気取っているならまだしも、料理を知らない子供が包丁で遊んでるみたいな無邪気な危なっかしさがあるので、なんともはや。さすがに最後のキスはやりすぎである。あれでもうジーク王子は引くに引けなくなったぞ、完落ちしちゃったじゃないか。
将来的に、彼女をめぐって本気で戦争始まっても不思議じゃない気がしてきたなあ。

かなり風音周辺がイージーモードなんで忘れがちなんだけれど、これって死んでも生き返るなんてルールのないリアルワールドなんですよね。途中で、他のパーティーが全滅しているのを見せられて、ハッとしてしまいましたが。ゆっこ姉も、風音たちを信頼しているとは言え危険なダンジョン攻略に愛する一人息子を送り出すのだから、確かに千尋の谷に突き落としてるなあ、これ。ダンジョン攻略は、トラップありモンスターハウスあり、と刺激的な展開も多くて、最後の対ドラゴン戦も含めて素直に楽しかった。風音も個人能力のアップだけじゃなく、パーティの戦術能力を高める事のできるような支援系の能力も手に入れて、こりゃ隙らしい隙もないなあ。探索・隠密系の能力もパワーアップしてるし。
一応、元の世界に戻るための情報は手に入れたものの、もうあんまり戻る気はないんですねえ、風音たちは。既に、この地で生き切って歴史の向こうに消えていった仲間も居れば、子供まで作って暮らしてる仲間に再会し、とこの世界に根を下ろした同じ世界の人たちと出逢えば、思うところもあるだろうしなあ。

シリーズ感想

バリアクラッカー 神の盾の光と影3   

バリアクラッカー 神の盾の光と影 (電撃文庫)

【バリアクラッカー 神の盾の光と影】 囲恭之介/KeG 電撃文庫

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あらゆる傷と病いから人を守る不可視の盾、アイギス。その恩恵を受けて千年都市アーモロートは繁栄を謳歌していた。しかし、そこであり得るはずのない、世界の秩序を揺るがす殺人事件が起こる。アイギスを砕く者の存在が囁かれるなか、異端審問官のベルヘルミナは、情報屋クリカラとともに事件の謎を追う。異端の嫌疑をかけられた少女、不老不死を望んだ古の教皇、そしてすべての鍵となる黙示録…。さまざまな手掛かりをたぐった先にある驚愕の真実とは!?第21回電撃小説大賞“電撃文庫MAGAZINE賞”受賞の謎とスリルが加速するゴシック・ミステリー!
これって、教会とか異端審問とか中世的世界観におけるゴシックファンタジーの皮を被っているけれど、その皮を一枚向いてみればサイバーパンクの匂いがプンプン漂ってくる、中世と超未来という噛み合わなそうな時代感が「退廃的な空気の蔓延る世界観」という共通項で括りつけられてるんですよね。レプトイドというと、爬虫類型人類の名称の一つですけれど、後から考えると映画の【ブレードランナー】に出てくるレプリカントを意識して名称を引っ張ってきたような感もあるわけです。
こういうゴシックSFは好物なんだなあ。しかも、シスターが主人公。教会のシスターという属性は、貞淑さに秘められたエロティシムズなんてものが魅力なんだろうけれど、個人的にはあまり好みの属性ではないんですけれど、このベルヘルミナは真面目で清廉潔白ではあっても、潔癖症の類ではなくまた行動的でガンガン挑んでいく現場タイプなので、ヒロインじゃなくて主人公としては良いキャラクターでした。女の子の主人公というのは、やっぱり度胸と人誑しが武器なんだよなあ。
この物語の舞台となる世界では、人間は生まれた時からアイギスという神のもたらした楯によって守られているため、いかなる病も外傷も負わないようになっており、決して傷つく事がない。しかし、稀にその盾の加護を失う人間が居て、それは神に背いた証拠として、異端者として処理されてしまう。
そんな世界なので、普通なら殺人事件どころか傷害事件ですら起こりえない。何か事件が起こるとすれば、レプトイドという人間に化ける人外の存在が暴れることによって起こる騒ぎくらいで、それも人を傷つけることはない……はずだったのが、ありえない殺人事件が、それも枢機卿という高位の幹部を含めた教会関係者が次々と殺害される事件が起こり、バリアクラッカーという謎の存在が浮かび上がってくる。そもそも、アイギスという盾の正体は何なのか、殺人事件の犯人とされるバリアクラッカーとは何者なのか。自身、何故かアイギスが機能しなくなり、教会に追われることとなりながら、それでも協力してくれる人たちに助けられ、シスター・ベルヘルミナは世界の根幹に繋がる謎を追求することになる、まさにミステリー仕立てのサスペンス。
身近な人間たちも次々に殺されていく、というなかなかハードな展開で、さらに主人公の追われるはめになることから、切羽詰まった畳み掛けるようなスピード感や切迫感があり、実に面白かった。
その分、謎が明らかになるシーンがちょっと勿体無かったかなあ。まさに世界の謎が明かされる決定的場面のはずなんだけれど、いきなり主人公も訳のわからないまま大量の情報を渡されてしまって、謎を探り当てる、解明するって感じでは一切なかったんですよね。主人公の持つ価値観や知識からすると、仕方ないっちゃ仕方ないんだけれど、予想も推察もしてないゼロのところから、いきなり全部の答えを求めてた分以上にぽんと渡されてしまったようなものでしたからね。ちょっと拍子抜けなところがあったわけです。ベルヘルミナ的には、それこそ世界観が根こそぎ変わってしまうような衝撃的な話だったんだろうけれど。彼女自身、それを単独で聞いてしまった上に、他人に教えるには問題が多すぎる話だっただけに、一人で抱え込んでしまったのも、驚愕の共有が出来なかった分、味気ないことになってしまった感はある。
ともあれ、胡散臭い情報屋のクリカラとの、それぞれの立場を考えれば一筋縄ではいかない立ち位置同士の関係はいい味出してましたし、性格的にも政治的にも相容れず向かい合えばいがみ合う政敵同士でありながら、ベルヘルミナがピンチになった時にこっそり助けてくれたシビルとの、あのどこか通じ合うライバル関係なんかは良かったなあ。なかなか良作だったんじゃないでしょうか。

人生 第10章3   

人生 第10章 (ガガガ文庫)

【人生 第10章】 川岸殴魚/ななせめるち ガガガ文庫

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「どんなものにだって、いつかは終わりが来るものなの。新しい一歩を踏み出さないと」
第一新聞部と第二新聞部の合併。その結果、九文ジャーナルは終了となりお悩み相談コーナーも最終回を迎える。どうせ最後ならと、お悩み相談コーナーの面々は自分たちのお悩みを持ちよることに。勉強する気にまったくならないいくみ、自己主張できる人になりたいふみ、コミュニケーション能力を上げたい絵美、部活で会えなくなることを寂しがるアリーナ……。そして、赤松は赤松で大きな悩みを抱えていた。それは、宿敵であるところの生徒会長・白河香織になぜか告白されてしまったことだった! 彩香のアドバイスを鵜呑みにしてきちんと否定しなかったことで、学校では公然のカップル扱い。副会長をはじめとする香織のファンたちには命を狙われる日々。そんななか、梨乃のアメリカ留学が発表され……?
赤松は、梨乃に勘違いされたまま別れを迎えてしまうのか?
素直になれない梨乃と赤松の恋路は果たして――。

大人気ゆるゆる人生相談コメディ、ついにフィナーレ!
人生オワタ。
最終巻の人生相談は、お悩み相談コーナーの面々自らが悩みの相談をすることに。わりと真面目な、それもそれぞれ今までの自分を変えたい、という相談なんですよね。この子たちって、みんなマイペースで自分の在り方に疑問を一切持っていないような娘たちで、だからこそその理念に則った答えを受けた相談に返していたわけだけれど、こんな風に今までの自分じゃいけないんじゃないか、と思うようになったということは、この面々との付き合いの中で自分と全く毛色の違う人種と深く仲良くなってしまったことで、改めて自分を見つめなおす機会を得た、という事なのだろう……なんて真面目な話かどうかは怪しいけれど。
でも、相性最悪だったいくみと梨乃があれだけ仲良くなるくらいだものね。もうこれイチャイチャしてるんじゃないか、というくらいの勢いでイチャイチャしてましたからね。実質それプロポーズじゃないのか、というくらいの勢いで、生涯付き合う親友レベルの話をしていましたし。いやー、あのいくみを一生面倒見るのは自分は勘弁願いたいなあ。殆どの人間は勘弁願いたいだろうなあ。梨乃さん、もう一生いくみという手間暇の掛かるペットを飼うくらいの覚悟が必要ですよ、それ。この少女なら、梨乃さんが結婚しようと新婚だろうと、平然と家庭の中に潜り込んできて面倒見てもらおうとしますよ。そのへんの遠慮とか皆無ですよ。捨てても勝手に帰ってきますよ。えらい約束してしまいましたね。
あと、ふみは今までも自己主張はけっこうしていたような……。わりと押し強かったよ? けっこう強引なところありましたよ?

さて、何をまかり間違えたか、赤松に惚れてしまった生徒会長。うん、それは間違いなく気の迷いです。あの高飛車娘がデレた、というべきところなんでしょうけれど、これほど「勘違い!」と言い切れるデレも珍しい。
さすがに、あれだけ梨乃といい感じになっておきながら、香織のアプローチにいい加減な態度取れないよなあ……と、思ってたら、とったよこの野郎! そこでなあなあで濁せ、とアドバイスする彩香も酷いけど。梨乃との関係知っていながらアドバイスしちゃう彩香は本当にゲスいと思うけれど、そのアドバイスに従っちゃう赤松も十分ゲスいです。これ、内心で香織にもいい顔したいとかあわよくばちょっといい思いしたいとか、予想外にモテて浮かれてた、という部分がないとんなアドバイス聞かないですよね。この血族は何気に俗すぎるw
梨乃も可哀想である。真面目な子だから、何事も深刻に捉えがちな面倒くさい娘なのだから、もうちょっと大切に扱ってあげないと。
実は最後までにはもうちょっと進展するかと思ってたんだけれど、まあ初心な二人にはこのくらいの塩梅がいいのかもしれない。仄かにゆっくりと、仲睦まじくなっていけばいいさ。お幸せに。

シリーズ感想

フルメタル・パニック!アナザー 11 3   

フルメタル・パニック! アナザー (11) (ファンタジア文庫)

【フルメタル・パニック!アナザー 11】 大黒尚人/四季童子 富士見ファンタジア文庫

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オルカンの悪意を紙一重ではね除け、奇跡的な再会を果たした達哉とアデリーナ。しかし、それを喜ぶ間もなく、国境を越えたガルナスタン軍によるアフガニスタンへの侵攻が始まる。アフガン軍とともに避難民を守りながら、援軍も補給もない逃避行を続ける達哉たちだったが、そんな満身創痍の彼らにミハイロフ・ナタリア率いる“ケントゥリア”隊の奇襲が迫り―生き残るため、民間人を救うため、そしてリーナを守るため、達哉は崖っぷちの戦場に立ち向かう!“レイヴン”不在、絶望的な戦力差を前に活路を開くことはできるのか!?起死回生のSFミリタリーアクション、背水之陣!!
あそこで謝られちゃうと立つ瀬がないわなあ。言ってみれば、生涯最大の決断であり取捨選択だったわけで。こういうのは、アデリーナの方に自分のしたことの意味にちゃんとした理解が追いついてなかった時の方が、感覚的に正直になるものだから、まあ怒るわね。
逆に理解が追いついたあとの、達也への対応の方が面白かったですけどね。あそこで逃げちゃうのは、謝っちゃう達也と同じことになっちゃいますもんね。でも、あそこまでハッキリと女としての主張をするとは思わなかっただけに、リーナのことを見直した……というよりも、それだけ菊乃が危機感煽りまくってたせいなんだろうけど。
むしろ、察しよく達也がリーナの意図を汲んだ方が驚きましたけれどね。そこで察せられるなら、謝っちゃうなよー、と言いたいですけれど、この場合はよくやった、と褒めておこう。
もうちょっとイケイケで押せよ、と思わないでもなかったですが。それで終わりかよ、という二人の奥手っぷりである。まあ、意思表示と気持ちが通じあった、というのが二人にとっては重要で大事だったんでしょうけどね。
ここは、ふたりとも大好き、を公言している菊乃の手腕に期待しましょう。彼女なら、ふたりとも喰ってくれるに違いない。
兵士としては完全に一端の精兵となってしまった達也ですが、男としては可愛い盛りですからねえ。
男女関係では、サミーラの動向の方が気になるところですけどね。彼女も、完全に菊乃に煽られちゃったからなあ。
しかし、ここであのシステム、ラムダドライバが稼働しますかー。あれは完全に世界観違う反則兵器なだけに、それを破滅にまっしぐらなオルカンに持たせるというのは棘が効いてる。自ら望んで破滅しようとしている相手に、金棒どころじゃない超兵器を持たせるのか。いったい、どこまで。どこまで行かせるつもりなんだろう。

シリーズ感想

我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス) 5   

我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス) (ガガガ文庫)

【我がヒーローのための絶対悪(アルケマルス)】 大泉貴/おぐち ガガガ文庫

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日本のどこかにある地方都市、月杜市。どこにでもある規模のその街には1つだけ、他の街とは違っているところがある。それは1人のヒーローが街を守っているというところだ。

普段は女子高生として生活している少女・澪。彼女は悪の組織『禍嶽社リヴァイアサン』の怪人が街の平和を乱すとき、ヒーローに変身し日夜戦うのであった。そんな澪のヒーロー活動を見守る幼馴染の少年・武尊。なんの取り柄もない平凡な高校生である彼だが、武尊にはある秘密があった――それは、彼こそが禍嶽社リヴァイアサンの総帥・ヘルヴェノム卿なのである。武尊の目的。それはガイムーンとして生きる宿命を背負わされ、悪と戦わないと生きられない澪のために、宿敵として立ちはだかり続けることだった。

悪の首領とヒーローの関係は2人をどんな運命へと導くのか。

最愛の者を守るため、最愛の者と戦い続ける、正義と悪に彩られた青春ヒーローピカレスクロマンここに誕生!
こ、れは……えげつない。最初から完全に詰んだところから始まってるじゃないですか。詰将棋の詰められてる側に立たされたような状況。しかも逆王手だけは絶対にしてはいけない、という制約付き。いや、唯一の救済ルートが悪として正義を挫くことなのか。だがそれですら、ハッピーエンドには辿りつけない。そのエンドを許してもらえない一線を、澪も武尊も越えてしまっている。その罪に耐えて幸せを掴むには、ふたりとも余りにも善い子すぎる。
武尊が大切なものを無くして失くして亡くして、全部打ち捨ててそれでも守ろうとしているモノは、多分彼女にとっては恐ろしく空虚なものだ。彼女が望み願いささやかに祈って守ろうとしているものとは、決して相容れない結末だ。相反する絶望だ。武尊がもし、それを叶えたとしても、彼が願う澪の幸せは絶対に訪れない。絶対に、だ。絶望的なのは、武尊自身薄々それを理解してしまっている事なのだろう。それでも、許される選択肢だけを辿って行くと、それを選ぶしか無いのだ。本当に何もかもを斬り捨てて最低限残される残骸だけが、あらゆる可能性の中でもっとも幸いなのだ。
無残極まる現実だ。
そして、この悪の首領はこれから切り捨てていくものに対して、無感情では居られない、冷酷でも冷静でも居られない、あまりにも優しすぎる、普通に善い子すぎる真っ当な子なのだ。それでも、血の涙を流しながら、呪詛を、怨嗟を、裏切られた絶望を受け止めながら、唯一無二の為に、おそらく残骸しか残らないモノの為に、それらを殺していくのだ。その、なんと救われないことか。
彼の、あまりのも残酷な絶望を、知ってしまった娘が居るというのもさらに極悪である。彼女は武尊の絶望と悲しみに触れ、それに共感し、同情し、それを尊いものだと思ってしまった。それに、殉じる覚悟を決めてしまった。彼女は、きっとその時が来ても、恨んですらくれないのだろう。
夜はきっといつか明けるのだろう。でも、闇は決して晴れない、光を当ててすらより濃く深くなるだけだ。悪の道は、ひたすらその闇を降りていく道。彼は、自ら望んでその闇の中を征く。ハッピーエンドに背を向けて、絶望しかないのだと知りながら、それでも欠片しか残らないだろう救いを求めて、望んで破滅の道を征く。
悲しい悲しい、正義の味方を救おうとする悪の物語だ。

大泉貴作品感想

筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 3   

筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 (宝島社文庫)

【筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。】 谷春慶 宝島社文庫

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祖父が残した謎を解き明かすべく、美咲は大学一の有名人、東雲清一郎を訪ねるが、噂に違わぬ変人で…。著名な書道家なのに文字を書かず、端正な顔立ちから放たれるのはシビアな毒舌。挫けそうになるも、どうにか清一郎を説得。鑑定に持ち込むが―「気持ちに嘘はつけても、文字は偽れない。本当にいいんだな?」。鎌倉を舞台に巻き起こる文字と書、人の想いにまつわる4つの事件を描く、連作短編ミステリー。
これもう筆跡鑑定のレベルじゃなくて、サイコメトリーのレベルなんじゃないだろうか。勿論、筆跡から感覚的に、為人や書いている時の感情を推定する、とか技術で出来ることなんだろうけれど、彼の場合は文字に込められた感情にアテられる、とか文字に対する感受性が第六感覚じみてるんですよねえ。それどころか、受信だけじゃなくて送信についてすら人間離れしているし。
本人も認めているけれど、これなら昔から相当レベルで人間関係のトラブルに見舞われてたんだろうなあ。感受性の強い人間が、他者の感情に対して鈍い、なんてことはないだろうし、見るからに神経質で繊細なタイプですしねえ。
しかし、一方でこれだけ対人拒否症に罹っていながら、隠棲するのではなく大学に通っている、人の群れの中に遠く離れた端っことはいえ、居続けようとしているのはなかなか興味深い。美咲という人間に心を開いてからの、あの親身な対応から見ても、彼はもしかしたら人恋しいタイプなのかも。あのハリネズミみたいな他人に対する拒絶の態度も、過剰すぎることが逆に穿った見方をすることも出来るんですよね。本当に他人と距離を置こうとするのなら、孤独であろうとするなら、集団の中にあってさえもう少し上手いやり方、或いは徹底したやり方、というのがありますしね。ああやって、近づいてくる人を金属バット振り回すような追い散らし方は、何かを持て余しているように見えてしまうわけで。
とはいえ、ここまでアタリが刺々しい、悪意すら込められている罵倒混じりの発現を初対面から食らわされたら、ちょっとお近づきになろうとは思わんなあ。美咲は、必要あって根性見せて何度もアタックしたわけだけれど、最初はかなり本気で傷ついてますしねえ。あとでの美咲の友達への対応を見ると、近づいてくる人間限定ではなく、誰彼構わずみたいだし。
美咲も、もし別件で彼に関わることがなかったら、彼女の方からもう東雲に接触しようという気もなかったようですから、これこそ人の縁というものなのか。むしろ、運命の出会い、という意味合いで言うなら美咲の方からよりも、東雲が美咲に出会った方がそう表現するに相応しいような気もするんですよね。彼のこの性格にもめげずに根気よく付き合ってくれる人格者で、こんな東雲の性格にもへこたれず面倒みてくれるお節介で、大好物の日本酒を扱う酒屋の娘だし、どう見ても東雲の方に美味しいことの多い出会いなんですよねえ。美咲の方は、彼と出会って友人になったことであとで盛大なトラブルに見舞われるはめになるわけですし、友人に紹介できる性格じゃないしなあ。かなりの困ったちゃんですし。
まあ最初のお祖父さんの手紙を視てもらって祖母の元気を取り戻してくれたことや、ストーカー・トラブルも親身になって非常に積極的に行動してくれて助けてくれたこともあり、美咲の方からもまんざらじゃないのかもしれませんが。あの、美咲が肉体的にも精神的にも追い詰められていた時に、あれほどしっかりと頼もしい対応をしてくれたら、そりゃ印象も悪くなりようがないです。ほぼ、東雲の方が原因なのですが。まあ、彼もとばっちりなので、彼が悪いわけではないんですけどね。一度心をひらいてくれたら、案外と操作しやすそうな男であることも明らかになっちゃいましたし。これだけ面倒くさい人間ですけれど、美咲の方が面倒臭がらない性格なので、相性はいいんでしょうけれど、これは東雲の方が逃したらいけないケースだよなあ。まあ上手いこと捕まえたとしても、かの書家の大家みたく、将来逃げられないか心配になるところではありますけれど。なんとなく、ガチガチに針で全身を覆っている分、打たれ弱い気がしますしw

谷春慶作品感想

2015年9月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

月末発売のファミ通文庫、スニーカー文庫、コバルト文庫、HJ文庫、ビーンズ文庫などは来月送り。


読んだ本の数:37冊 うち漫画:10冊


好きな作家さんは、なるべくアンテナ立てておきたい。たまに、ライトノベル枠じゃないところから出してる時もありますしね。霜島ケイさんの【のっぺら】シリーズは、最近まで出ている事にまったく気づいてませんでしたし。
【はたらく魔王さま!】が、これだけ巻数重ねているにも関わらず、未だに自分にとっては新鮮なんですよね。面白いなあ。


★★★★★(五ツ星) 1冊

はたらく魔王さま! 13】 和ヶ原聡司/ 029 電撃文庫


【はたらく魔王さま! 13】 和ヶ原聡司/ 029 電撃文庫

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日常だって平坦で代わり映えのない日々ばかりじゃない。刻一刻と環境は変わり、人間関係は変化していく。この作品のリアルな生活感は、そんな日常における変化や機微もきっちり取り込んで描き切っているのがすごい。



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 3冊

うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。2】 CHIROLU/景 HJ NOVELS
のっぺら あやかし同心捕物控え】 霜島ケイ 廣済堂モノノケ文庫
黒鋼の魔紋修復士<ヒエラ・グリフィコス> 13】 嬉野秋彦/ミユキルリア ファミ通文庫

【うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。2】 CHIROLU/景 HJ NOVELS

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そろそろラティナ可愛い教が創始されても不思議ではないくらいにラティナ可愛い! 


【のっぺら あやかし同心捕物控え】 霜島ケイ 廣済堂モノノケ文庫

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のっぺらぼうの腕利き同心が、あやかしが普通に生活している江戸の街で大活躍。笑って泣けてじんわりと温まれる、素晴らしい人情モノでありました。


【黒鋼の魔紋修復士<ヒエラ・グリフィコス> 13】 嬉野秋彦/ミユキルリア ファミ通文庫

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壮大なラブロマンスも無事に完結。よくこの二人が恋仲になったもんだ、と最初期の二人の凄まじい険悪さを思い出す度に、感慨深くなります。


★★★★(四ツ星) 14冊

路地裏バトルプリンセス 3】 空上タツタ/平つくね GA文庫
魔剣の軍師と虹の兵団(アルクス・レギオン) 3】 壱日千次/おりょう MF文庫J
魔法少女育成計画 ACES】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫
再び始まる反救世譚(エスカトラ) 2】 上智一麻/nauribon MF文庫J
D9 聖櫃の悪魔操者 3】 上野遊/ここのか 電撃文庫
彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫
七日の喰い神】 カミツキレイニー/ nauribon ガガガ文庫
この素晴らしい世界に祝福を! 7】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫
絶対城先輩の妖怪学講座 七】 峰守ひろかず/水口十 メディアワークス文庫
かくりよの宿飯 二 あやかしお宿で食事処はじめます。】 友麻碧/Laruha 富士見L文庫


【路地裏バトルプリンセス 3】 空上タツタ/平つくね GA文庫

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【魔剣の軍師と虹の兵団(アルクス・レギオン) 3】 壱日千次/おりょう MF文庫J

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【魔法少女育成計画 ACES】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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【再び始まる反救世譚(エスカトラ) 2】 上智一麻/nauribon MF文庫J

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【D9 聖櫃の悪魔操者 3】 上野遊/ここのか 電撃文庫

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【彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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【七日の喰い神】 カミツキレイニー/ nauribon ガガガ文庫

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【この素晴らしい世界に祝福を! 7】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫

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【絶対城先輩の妖怪学講座 七】 峰守ひろかず/水口十 メディアワークス文庫

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【かくりよの宿飯 二 あやかしお宿で食事処はじめます。】 友麻碧/Laruha 富士見L文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

丁田小町 (路地裏バトルプリンセス)
鈴木梨香 (はたらく魔王さま!)
ルガイア (天壌穿つ神魔の剣)
トリスタン (魔剣の軍師と虹の兵団)
ラティナ (うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。)
柏木千太郎 (のっぺら あやかし同心捕物控え)
メルヴィーユ (D9 聖櫃の悪魔操者)
忍者林瑠璃 (彼女がフラグをおられたら)
神楽・ブレードフィールド (彼女がフラグをおられたら)
ラティメリア (七日の喰い神)
ララティーナ (この素晴らしい世界に祝福を!)
ベッチーナ (黒鋼の魔紋修復士<ヒエラ・グリフィコス>)
絶対城阿頼耶 (絶対城先輩の妖怪学講座)
湯ノ山礼音 (絶対城先輩の妖怪学講座)
 (かくりよの宿飯)



以下に、読書メーター読録と一言感想。

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かくりよの宿飯 二 あやかしお宿で食事処はじめます。4   

かくりよの宿飯 二 あやかしお宿で食事処はじめます。 (富士見L文庫)

【かくりよの宿飯 二 あやかしお宿で食事処はじめます。】 友麻碧/Laruha 富士見L文庫

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あやかしの棲まう“隠世”にある老舗宿・天神屋。女子大生の葵は、その大旦那である鬼神のもとへ、亡き祖父の作った借金のかたに嫁入りさせられそうになる。持ち前の負けん気から、あやかしたちの前で「借金は働いて返す」と宣言した葵。九尾の狐の銀次に助けられつつ、得意の家庭料理を武器に、ついに天神屋の離れに食事処「夕がお」を開店させた。だが、鬼門中の鬼門といわれるその場所は、一筋縄ではいかない。立地条件の悪さ、謎の営業妨害、そして予算削減など、「夕がお」の前途は困難ばかりで…!?
これは飯テロだなあ。読んでいてお腹が空いてしまう、というタイプじゃないんだけれど、「あっ、これは一口だけっでも摘みたい」と思わずヨダレが溜まってしまうタイプ、というべきでしょうか。
最近、食事描写や料理の描写が実に素晴らしい作品が散見されるわけですけれど、本作は食堂や凝った料理と違って、小料理屋の品が良いけれど気軽に箸をつけられる、まさに家庭料理の延長という風な料理なんですよね。でも、家のご飯に出てくる料理そのままではなくて、一品一品趣向が凝らされているのですけれど、それもほんのりと愛情篭った一手間、という感じがして、実に優しい風味なわけです。
なるほど、旅館の母屋から少し遠い離れの、静かな環境の中でトコトコとお湯が湧く音を聞きながら、じっくりと味わう手料理の数々。黙って静かに味わうもよし。連れ立ってきた相方と談笑しながら舌鼓を打つもよし。作中で、隠れ家みたいな雰囲気を味わえる店構え、なんて評価を受けているけれど、葵のひらいたお店はいっぱいのお客さんで満員になって大忙し、というよりも常連さんが落ち着いてくつろげる空間、というお店なんでしょうね。これなら、母屋の会席料理中心の高級感ある食事ときっちり住み分けできるんじゃないだろうか。
しかし、根性の据わった娘さんである。色々とへこたれても仕方ないような境遇に置かれても、負けん気が強くてくじけない。落ち込んでも引きずらない。前向きであっけらかんとして不敵に笑ってみせる、実に粋な姐さんである。こういう人って、他人へのアタリもキツかったりするのだけれど、彼女の場合打てば響く鐘のような溌剌とした部分と、包容力を感じさせるふんわりと包み込んでくれる柔らかさが相まってあるので、付き合えば付き合うほど好かれるタチなんでしょうね。気が強くもあるので、喧嘩を売られたら腕まくりして買う方なので、ナメられないですし。妖怪だろうと人だろうと区別なく、誑すタイプだ。亡き爺さんは、大いに好かれはすれども大いに嫌われもしたというので、その意味では葵の方が得なんだろうけれど。いや、純粋に彼女の場合は徳なんだろうなあ、これ。
そして、自立した女性でもある、と。今のところ嫁入りに反発しているのって、大旦那への反発じゃなくって借金の方に、というところなんですよね。見ている限りでは、大旦那個人に対しては懐いている、と言ってもいいんじゃないだろうか、というくらい屈託なく接している。大旦那からすると、自分と結婚したくない、と決然と言い放ちつつ、自分に対してはわりと気安く接してくるので、若干戸惑っているふしもある。好き嫌いに関しては暖簾に腕押し、というかあんまりこの娘、ちゃんと考えてないみたいだし。
キーワードは、幼いころに助けてくれた妖怪が誰か、というところなんだけれど、順当に大旦那さま、がその妖怪かと思ってたんだけれど、あんまりにも順当すぎてちょっと「あれ?」と思うようにもなってきたんですよね。銀次の反応が色々と怪しすぎて、一周回って怪しくないんじゃないかと思ってたんだけれど、さらにもう一周回ってやっぱり怪しくなってきたw

一巻感想

絶対城先輩の妖怪学講座 七 4   

絶対城先輩の妖怪学講座 七 (メディアワークス文庫)

【絶対城先輩の妖怪学講座 七】 峰守ひろかず/水口十 メディアワークス文庫

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「顰衆」との一件で、『妖怪学』への意識が変わった絶対城。自分なりの妖怪学論を執筆するため資料整理にあたっていると、紫から「座敷わらし」に関する情報を耳にする。一行は山間の巨木が佇む廃村神籬村を訪れ、座敷わらしの正体を突き止めることに。一方、東勢大学では謎のドラッグが広まりつつあり、絶対城のもとに織口が相談に訪れる。大学と神籬村という、遠く離れた場所での、一見関係のない出来事が次々と繋がってゆき…そしてその脅威は礼音にまで及ぶのだった。
おやおやまあまあ、絶対城さんがそんなことを口に出して言うなんて。妖怪学への意識だけじゃなくて、別の部分も大分変わっちゃってるんじゃないですか?
まあ、彼が礼音をどう思っているかなんて、今までも態度でバレバレではあったのですけれど、当人ではなく杵松さん相手とは言え、あの捻くれ者が思っていることを素直に告白するなんて、随分と人が変わったというべきか、それだけ惚れ込んでいると言うべきか。まあ杵松さんからしたら、あの絶対城が本音を自分にだけ打ち明けてくれた、というのは絶対城本人は実感ないかもしれないけれど、これは嬉しいですよね。杵松さんからすると、友達甲斐のあるやつなんだろうなあ、この変人は。
まあ付き合いの長い人たちからすると、この人のつっけんどんな態度は可愛げでしかないんだろうなあ。見ようとして見てたら、わりと何考えてるかわかりやすい人ですし、その優しさとか気配り上手なところとかも本人が思っているほど隠せてないですし。
段々、絶対城先輩を愛でるお話になってきた気がするぞww

さて、今回のお題は、家に繁栄を呼ぶあやかし、そしてそれが出て行ってしまうと家が滅びるという幸福と不幸の両方を体現している不思議な妖怪である「座敷わらし」。
今回は、その正体をどういう古代生物、或いは巨大生物で持ってくるのかと思ったら、なるほどこれは面白い「座敷わらし」の正体だなあ。一応筋が通っている……のか? 個々人が感じる幸福感と、実際の家の繁栄は違う気もするけれど、相変わらず突拍子もないネタを実に面白く料理して、妖怪話に仕立てあげるものである。この荒唐無稽さが面白いんだよなあ。
しかし、回を重ねるごとに礼音の女性離れした、というか人間離れしたタフネスさが際立ってきますねえ。今回なんぞ、普通の人間なら意識すら保てないくらいの状態だったはずなのに。絶対城先輩がいい所で颯爽と登場してくれるのですけれど、わりと放っておいても礼音さん、一人で切り抜けてしまいそうなほど頑丈というか打たれ強いので、段々と絶対城先輩も微妙に介入するタイミングに余裕見るようになって気配すら……w
でも、礼音のピンチとなると顔色変えてすっ飛んでくる度合いというか焦りっぷりについては、増し増している感もあるので、礼音のタフさを信頼しててもべた褒めしてる弱みかなあ、このあたりw
絶対城先輩も覚悟を据え、礼音は礼音で自分と絶対城先輩との関係について目を逸らさないように決めたためか、当人たちの想像以上に何とも甘やかな雰囲気が流れてしまって、ラブですか? ラブ寄せですか? みたいな感じになってきましたよ。正直、晃はタイミング遅すぎたような気もするのですけれど、いやでもむしろ絶妙のタイミングで三角関係となるべく割り込んできた、と考えるべきかこれは。礼音煽る気満々だよなあ、晃さん。

シリーズ感想

黒鋼の魔紋修復士<ヒエラ・グリフィコス> 134   

黒鋼の魔紋修復士13 (ファミ通文庫)

【黒鋼の魔紋修復士<ヒエラ・グリフィコス> 13】 嬉野秋彦/ミユキルリア ファミ通文庫

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ディヤウスとしての己の出自を知った上で、その手でメルディエトを葬ったディー。彼の苦悩を包み込むかのように、ヴァレリアはディーと結ばれる。一方その頃、カリンと決着をつけたいと願うダンテと、ついにルオーマに直接攻撃をかける用意を整えたルキウスとオルヴィエトはユールローグを出立する。それぞれの相手を迎え撃つべく、カリンが、シャキーラが、そしてディーとヴァレリアが最後の戦いに臨む!大人気ファンタジーアクション、堂々最終巻!!

結ばれちゃってたんかーー! しまった、あそこから勢いで雪崩れ込んでしまってたのか。若いなあ。いや、ディーといえど身内を手に掛けた衝撃を受け止めるのに、ヴァレリアの愛情を肉の感触として必要としたのは仕方ない事なのか。元々覚悟を決めていたディーだけれど、家族だったルキウスとオルヴィエトに対するのに今回まったく動揺しませんでしたからね。その意味では、ディーにとっての至上をヴァレリアに揺るぎなく固定するのに、これは必要なプロセスだったのかも。
いやしかし、今に至ってなお、ディミタールとヴァレリアがこんなに情熱的なラブロマンスへと揺蕩う関係になるとは信じがたい結果ですよねえ。
第一巻を読んだ時の感想で自分、こんな風に書いてるんですよ。
ここから、二人に恋愛感情が芽生えるとか、まるで想像できんな!! あり得んよな!! あり得んだけに、見たくはなるんですけどね。想像できないだけに、そうなっていく時の過程がまた面白そうなんですよねえ。
まあ現段階ではやっぱり無いよなあ、というレベルの断絶が二人の間には横たわっているのですけれど。いやあ、無いよなあ。

ここから、あれだけどうしようもないくらい険悪だった段階から、本当にロマンスに至ったんだから本当にすごいですよ。それも、安易に一足飛びにではなく、一つ一つ積み重ね、徐々にお互いへの認識を変えながら、ですからね。まさに、険悪な仲から家族も国も敵に回しても構わないというほどの深い愛を抱くまでの過程を、余すことなくじっくり丹念に描き切って見せたのだから、感嘆の吐息をつかざるをえません。
その代わりと言っては何なのですけれど、一番可哀想だったのはやはりルキウスでしたね。彼自身、何も悪くはなかったのに、兄弟同然だったディミとたもとを分かつことになり、覚醒してしまうことで元の人格も殆ど変わってしまって、敵という立場に置かれてしまったわけですしね。
彼の真面目でちょっと苦労性で優しくて、イザーク王子に振り回されながらもテキパキと有能に仕事をこなしていくキャラクターは好きだったので、やはり可哀想だったなあ、と思ってしまうところであります。尤も、彼の性格からしてそんな運命ですら、割りきってしまった後となると粛々と受け入れてそうなのですが。いかんせん、彼には欲というものが良くも悪くも薄かったんだろうなあ。せめて、ティアルの想いに答えて忘れ形見を残してくれただけでも、良かったのか。

こうしてみると、色んな所で家族仲が深まったり、カップルうまく行ったりとわりと全体的にハッピーエンドなんですよね。
ついに全身鎧ガチャピンクから姿を現し、その容姿をイラスト化してくれたベッチーナ。以前、イザーク王子がその中身を覗いて驚いてたのって、そういうことだったの! イザーク王子も一目惚れだったの!? なるほど、それで自分以外顔見せないようにもっかい鎧の中に押し込めてたのね。
まさか、この世界でも有数の美少女だったとは。イラストの方も本当に可愛く描いてくれていて、嬉しい限り。まさに玉の輿で、ちゃんと正式にイザーク王子との婚約にまでこぎつけるに至るとは思わなかった。でも、頑張ってたもんねえ。
一番驚いたのは、カリンの好きな人でしたが。ちゃんと他に好きな人が居る、と言っていたけれど、まさかねえ。そう、好きな人が居るのに、自分に対して因縁を晴らそうとするダンテとちゃんとケリをつけに行ってあげるあたり、あれは優しいというよりもカリン男前って言うべきなんでしょうねえ。
いやしかし、まさかあの人だったとは。言われてみると、カリンの登場時からあれこれと絡んでいるので、そ、そうだったのかー、と思ってしまうんですけれど。でも、恋愛感情があると知ってるのと知らないのとでは、あれらの接触、見ても全然意味の捉え方変わっちゃいますよねえ。
ラムピトーもクロチルドも、順調に思いを遂げれそうですし、最大の問題は先送りとなり子孫にお任せとなっちゃいましたけれど、そこまで面倒は見きれんですし、概ねハッピーエンドだったんじゃないでしょうか。
長いシリーズでしたが、それに見合う濃厚で読み応えのあるストーリーで、大満足。次回作も既に準備済みということで、実に楽しみです。

シリーズ感想

この素晴らしい世界に祝福を! 7 4   

この素晴らしい世界に祝福を! (7) 億千万の花嫁 (角川スニーカー文庫)

【この素晴らしい世界に祝福を! 7】 暁なつめ/三嶋くろね 角川スニーカー文庫

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魔王軍幹部の討伐報酬として大金を手にし、悠々自適の生活を送るカズマたち。そんな中一人浮かない様子のダクネスは、大物賞金首のモンスターを倒しに行こうと言い出したかと思えば、ついには突然、姿を消してしまう。「お前達とは、もう会えない。本当に勝手な事だが、パーティーから抜けさせて欲しい」残された手紙に3人が落ち込む中、ダクネスが領主と結婚するという噂が流れ―。仮面が笑い、大金が舞う。はたしてその結末は!?

だいぶ回り道した感がありますが、ようやくダクネス結婚編に。めぐみんがロリ化してしまったせいか、カズマのエロスを一手に引き受ける盾役として活躍していたダクネスが、ようやく正統派ヒロインとして扱われる機会が訪れてしまったわけですが……正統派?? うーん、正統派正統派……ないな、うん。
ドMとして精神的にも肉体的にも虐げられることに興奮してしまう残念女騎士としては、ゲスの極みの欲深領主に借金の方に食べられてしまうのは、むしろばっちこーいだったはずなのですが、カズマたちと過ごす日々に後ろ髪引かれてあれこれ足掻くことに。ある意味カズマに性癖を改造されてしまったと言えるんでしょうか、これ。ドMですら耐えられない言葉責め、精神に鞭打つ行為をこれでもかと乱打してくるカズマがテクニシャンすぎるのか。
この二人、お互いノーガードで打ち合ってお互いダメージ喰らってのたうち回るような力関係なのですが、ダクネスの普段の鉄壁すぎる防御力とは裏腹の、カズマに対する防御力ゼロっぷりは、相性がイイというべきなんでしょうかねえ。

置き手紙一つ残して、カズマたちの前から姿を消してしまったダクネス。接触しようにも、彼女は屋敷に引きこもったまま、連絡すらとってもらえない。じゃあどうしよう。屋敷に侵入してダクネスと接触しよう、というあたりまではまだまともな範囲なのかもしれないけれど、実際やってみると完全に屋敷に襲撃を仕掛け、お嬢様の寝室に押し入り、当のダクネスを押し倒して雰囲気作っちゃう始末。なにしに来たんだ、おいw 
その後の展開もそうなんだけれど、カズマたちのあの用意された舞台そのものをちゃぶ台ひっくり返すみたいにぶっ壊していくデストロイヤーっぷりは、やっぱり痛快ですなあ。中には自分たちで用意した舞台ですら、自分たちで台無しにしてぶっ潰していくケースもあるのだから、ある意味筋金入りである。自由(フリーダム)の意味を履き違えてるww
まあ往々にして引き金を引いてしまうというか、盛大に自分なら地雷を踏んで爆発させていくのはアクア様なわけなんですけれど、カズマたちも最初は制止する側にいてもある一定のラインを過ぎると自分たちも一緒になって地雷フミフミし始めるから、たちが悪いなんてもんじゃない。でも、手段もルールも選ばない、用意されていた手順や流れすらふっ飛ばしてしまうやり方は、どれほど達成困難な目的でも届かないはずの目標でも、手元に手繰り寄せてしまうハチャメチャさで、うんそれが何とも面白い。

さて、ラストで遂にこの作品の真ヒロインである女神エリス様に、最大のピンチが。その正体がカズマに露見し、クズマにバレてしまい、貞操の危機が。あかん、こいつにバレたら悲鳴も挙げられないくらいペロペロ全身舐め回されてしゃぶり尽くされるぞ!!


シリーズ感想

七日の喰い神4   

七日の喰い神 (ガガガ文庫)

【七日の喰い神】 カミツキレイニー/ nauribon ガガガ文庫

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夏の猛暑のさなか、行方不明となっていた少年が凍った死体となって発見された。警察は事件の異常性から“マガツガミ”によるものと判断した……。古来よりこの国には人間に害を為す禍々しい神々“マガツガミ”が存在する。そして、それらマガツガミを討伐する特殊な力を持った者たちを“祈祷士”と呼んだ。連携し独自に組織を作り上げた祈祷士たちは、マガツガミたちと長きにわたり戦いを続けてきた――。そして現代、天才的な資質を持ちながら祈祷士としての道を捨てた男・古川七日と、可愛らしくも残酷な“喰い神”の少女ラティメリア。人間とマガツガミという許されざる異種間のコンビは、法や常識に縛られることなく、彼らなりの理由と方法でもって禍々しい神々を葬っていく。

カミツキレイニー待望の新作は、「冷徹な最強の男」×「人を喰う神の少女」の異種バディもの! 共闘もするが、たまに殺し合いもする……そんなコンビが見せるダークファンタジー!
七日のラティメリアへの扱いは酷いものがあるんだけれど、その根っこには確かな愛情が……あるようには見えんなあ。でも、無関心でも道具扱いしているわけでもないんですよね。目線を合わせないように、焦点を合わせないようにしながらも、確固とした熱のこもった感情が、炙るようにしてラティメリアに向けられている。この複雑な思いの正体が何なのか、その理由は最終話でラティメリアの正体とともに明かされることになるわけだけれど、単純な情愛とは異なる当人にも把握しきれないほどに複雑に絡み合ってしまった愛憎を持て余し、というシチュエーションは大好物なのでこういうゴリゴリと精神を削るタイプの作品はやっぱり好きです。一方で、陰惨で鬱々とした主人公のそれとは対照的に、ラティメリアは天真爛漫で裏表が全然ない明るい性格で、酷い扱いをされながらも、全然引きずらないので作品の雰囲気を暗いながらも、息が詰まらないような空気にしてくれている。その意味では救いではあるんだけれど、彼女もマガツカミではあるので純粋ではあっても善良ではないんですよね。明るくても、倫理的だったり善人であったりするわけではない。当たり前のようにかまされる人間らしさの欠片もないバケモノとしての無邪気な言動に、ハッとさせられるのである。そんな時はどれほど冷酷でも、酷薄でも七日の方にこそ人間としての熱を感じるのだ。互い違いで定まらない異種間コンビ。でも、時折ふとした瞬間、価値観や存在の階梯、意識の相違を乗り越えて、まったく立ち位置が重なる時がある。ほんの偶然なのだろうけれど、優しさや情というものが同じ方向を向く時がある。だからこそ、七日はラティメリアという存在に憎しみだけじゃなく、在りし日の大切な人の面影を見てしまい、またそれとは関係ないラティメリアの不思議な柔らかさに目を細めることになってしまうのだろう。憎みきれず、しかし愛しめず、蔑ろにしながら大切にしてしまう。
答えの分からない、しかし確かにそこにあるものを抱え込みながら放浪する。彼と彼女に、たどり着くべきカナンの地が果たしてあるのだろうか。既に、どこにも辿りつけない今こそが着地点な気がしないでもないけれど、それは救いがないような気がするし、同時にこれが望むべき形のような気もするし。
この二人の場合、歩み寄ってしまえばこそ、救われない事になりそうで、なんとも言えない複雑さ。でも、ラティメリアは既にそのシンプルさを以って探すまでもなく在りようを定めている気もするけれど……でも、マガツカミとしては定まってはいても、その定まった地点から自覚なくウロウロと彷徨っている風なきらいもあるんですよねえ。
こればっかりは、一つ一つ話を積み重ねていかないと見えてこない霧中であるか。だからこそ、シリーズ続いてほしいな、これは。

カミツキレイニー作品感想

彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ4   

彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ (講談社ラノベ文庫)

【彼女がフラグをおられたら ここは修学旅行生に任せて、早く枕投げに行くのよ】 竹井10日/ CUTEG 講談社ラノベ文庫

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仮想世界での天使との最終決戦を共に戦い抜いた大名侍鳴。現実世界で旗立颯太と再会を果たした鳴は、あろうことか七徳院の新“No.0”であった。しかし密かに颯太の身を案じているようで―折しも旗ヶ谷学園は修学旅行の真っ最中。目的地の京都にて、古都にふさわしいのかふさわしくないのか全くもって不明な騒動を巻き起こす茜や菜波や菊乃に恵、さらには神楽や鳴までもが…!?京都での驚きの“再会”と“出会い”を経て、クエスト寮メンは第二の修学旅行先・パリへ向かう。花の都でまたもや颯太達を追い詰める強大な敵、現れた意外な味方、そして「旗ヶ谷学園に危機が迫る」という“グリモワール”の予知の真偽は!?波乱の二都物語を描く第13巻登場!!
思わせぶりに七徳院のマントをまとって現れた大名侍鳴、聖帝小路美森、大司教河 くるみ子の三人。そして、新たな七徳院の“No.0”へと就任したことを告げる鳴。じゃあ、美森会長とくるみ子はナンバー何なんだ!? と思ったら……単に鳴に合わせてカッコつけてマント借りて羽織ってただけかい!! 七徳院関係ないんかい!! 思わせぶりすぎた!!
鳴も、天界軍に制圧された七徳院から派遣された、ということで敵に回ったのかと思ったら、なんか即座にポンコツ化してるし。前No.0の神楽・ブレードフィールドのポンコツ化たるや凄まじいものがあったけれど、新旧揃って見事にポンコツ化してるし。神楽さん、もう黒幕然としたあの威厳あるNo.0の面影、もうかけらもないよ。あれとこれが同一人物なのか真剣に疑いたくなるくらい、普通の姉ちゃんになってるよww
京都からフランスはパリにハシゴするという、とんでもない修学旅行行程はこの際まあ「旗ヶ谷学園」ならアルアル、で済んでしまうんだけれど、それにしても思わせぶりに登場した鳴さんが旅行先でも普通にヒロインの座を掻っ攫っていった感である。第一部のクライマックスで、まるで正ヒロインであるかのように最終決戦でボロボロになった颯太の傍らに寄り添い続けた鳴だけれど、あの時のヒロインオーラはポンコツNo.0として復活してきた現実世界でも衰えていないようである。これに対抗するのが、生身の人間からロボ子化した忍者林瑠璃だというのだから、ヒロインの座をめぐる攻防も実に面白い様相を呈している。このツンケンしながらも颯太が気になって仕方がない瑠璃がめちゃくちゃ可愛いのね。健気で従順なアンドロイドモードもいいのだけれど、人間の方の瑠璃もこれいいんだよなあ。
さて、かの仮想世界でのクエスト寮の仲間たちも、ついに白亜が合流してきたことで全員勢揃い。颯太のSBDとしてのあの仮想世界で猛威を振るった力も、徐々に戻りつつあるという状況。
旅先で遊んでばかりいて、話が進んでいないように見えて、今回何気に怒涛の展開である。クエスト寮の仲間たちが集結するのと同じくして、あの「絶対存在」と呼ばれる者たちも次々と表舞台に現れ出したわけですよ。
くるみ子に魔法少女福祉機構事務総長の座を譲り渡して行方不明になっていた天后まおん。ミーロワースやマァリンをして相手にしたくない、と尻込みする彼女は、SBDと同じ絶対存在にして、魔界を統べる大魔王シャルロット・ホーリィである。
さらに、運命狩りと呼ばれる絶対存在「エデン・リ・プライ」が白亜の師匠として久々の再登場。
そして、どうやら颯太の最大の敵となりそうな人物がついに姿を表わすのであります。
聖騎士王ギルガメス・センティア……って、聖騎士王って聖デルタ王国の王様でしょ? 巴御劔のことじゃん!? あれ? 御劔さん、アッチ側なの!? 聖デルタ王国の宮廷魔術師であるマァリンがこっちにいるんで、天界に取り入ってたクリストフ・ブーゲンハーゲンはデルタ騎士団とは外れた怪しい動きをしてるのかと思ったら、デルタを離脱してたのはマァリンの方だったのね。天界騎士団のタリアス卿が、御劔さんの仮の姿なんじゃないか、と疑ってたんですが全然的外れだったよ。
ちなみに、巴御劔という人は同じ竹井10日作【東京皇帝☆北条恋歌】シリーズで主人公の盟友であり滅びかかっていた人類の守護者として、いろいろと助けてくれた人で、かなり頼りになる上に信頼できる人だったんですよね。それが、こっちでは敵に回るのかー。これは、天使なんか相手してるよりよほどキツいぞ。
ってか、デルタ騎士団敵に回ったらどうしようもないじゃん。
一応、天后まおんがこっちにつくということは、ミーロワースも居るし魔界もこっちよりか? 魔法少女福祉機構もくるみ子が新事務総長についてるし、こっち側なのかな。でも、前々から助けてジークリート・キンダーハイムの実家の会社のキンダーハイム・インダストリアル社って、聖デルタ王国の会社なんですよね。瑠璃のボディってエニグマシリーズの流れ汲んでるっぽいんだけど、どうなるんだ?
この世界にもあるっぽい八坂原機関も、あれ御劔さんメンバー入ってるしなあ。
ってか、もう主だった機関や組織には大概御劔さんや聖デルタの息が掛かってるんですよね。そもそも、神楽さんだって、一時期デルタ騎士団で黒騎士やってたって……ああ、あれは聖デルタ王国になる前の旧デルタ王国なのか。でも、現黒騎士は神楽さんの直弟子なんだよねえ。関係大有りなんだよなあ。
天后まおんに加えて、エデン・リ・プライまで味方として現れて、これって戦力過剰じゃない? と一瞬思いましたけれど、颯太の(SBD)含めて絶対存在三人揃えてようやく太刀打ちできるくらいなんだろうか、これ。
天界は、先帝ルシェ・アンチスペルの復権で完全に聖騎士王の勢力下に入っちゃいましたし……。ってか、ルシェ・アンチスペルこと東雲十狼佐さん、ガチで登場してきてしまいましたがな! 
ともあれ、これで役者が揃った、というところでしょうか。どうにも、大物が揃いすぎてえらいことになってる気がしますが。

シリーズ感想
 

8月12日

このえ/田口ケンジ
(サンデーうぇぶりSSC)
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堂本裕貴
(サンデーうぇぶりSSC)
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ヨウハ/SCRAP
(サンデーうぇぶりSSC)
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浅井蓮次/沢田新
(ビッグ コミックス)
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朝比奈希夜/榊空也
(ビッグ コミックス)
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田井ノエル/カズアキ
(ビッグ コミックス)
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宮野美嘉/碧風羽
(ビッグ コミックス)
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Y.A/すざく
(ビッグ コミックス)
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大井昌和
(夜サンデーSSC)
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大井昌和/いのまる
(夜サンデーSSC)
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8月11日

千羽十訊
(GA文庫)
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kimimaro
(GA文庫)
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完菜
(GA文庫)
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ゆいレギナ
(GA文庫)
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えぞぎんぎつね
(GA文庫)
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森田季節
(GAノベル)
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8月10日

支倉凍砂
(電撃文庫)
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伏見つかさ
(電撃文庫)
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七菜なな
(電撃文庫)
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榛名千紘
(電撃文庫)
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佐島 勤
(電撃文庫)
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岬 鷺宮
(電撃文庫)
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蒼井祐人
(電撃文庫)
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杉井 光
(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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雪仁
(電撃文庫)
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鏡銀鉢
(電撃文庫)
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新 八角
(電撃文庫)
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依空 まつり
(カドカワBOOKS)
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しののめすぴこ
(カドカワBOOKS)
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あるくひと
(カドカワBOOKS)
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可換 環
(カドカワBOOKS)
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犬魔人
(カドカワBOOKS)
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リュート
(カドカワBOOKS)
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夕蜜柑
(カドカワBOOKS)
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猫神信仰研究会
(サーガフォレスト)
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香月美夜
(TOブックス)
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古流望
(TOブックス)
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早瀬黒絵
(TOブックス)
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ダイヤモンド
(TOブックス)
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阿井りいあ
(TOブックス)
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乙野四方字
(ハヤカワ文庫JA)
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西尾維新
(講談社文庫)
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九井諒子
(ハルタコミックス)
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青木潤太朗/森山慎
(単行本コミックス)
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月夜涙/長尾件
(角川コミックス・エース)
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たかた/吉野宗助
(角川コミックス・エース)
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岡沢六十四/倉橋ユウス
(角川コミックス・エース)
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雪仁/かがちさく
(角川コミックス・エース)
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studio HEADLINE
(角川コミックス・エース)
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かたやままこと
(角川コミックス・エース)
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さわむらリョウ
(角川コミックス・エース)
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島本和彦
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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七尾ナナキ
(裏少年サンデーコミックス)
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武者サブ
(裏少年サンデーコミックス)
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丸戸史明/武者サブ
(裏少年サンデーコミックス)
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朝倉亮介
(ガンガンコミックス)
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新木伸/岸田こあら
(ガンガンコミックス)
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日之影ソラ/明日かかん
(ガンガンコミックス)
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天野ハザマ/月島さと
(ガンガンコミックスONLINE)
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椿いづみ
(ガンガンコミックスONLINE)
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丸美甘
(ガンガンコミックスONLINE)
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わるいおとこ/彭傑&奈栩
(ガンガンコミックスUP!)
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浜田よしかづ
(アクションコミックス)
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Magica Quartet/富士フジノ
(まんがタイムKRコミックス)
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牛木義隆
(まんがタイムKRコミックス)
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一七八ハチ
(ハルタコミックス)
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namo
(ハルタコミックス)
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宮本伶美
(ハルタコミックス)
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大上明久利
(ハルタコミックス)
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竹澤香介
(アース・スター コミックス)
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目黒三吉/一色孝太郎
(アース・スター コミックス)
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幾夜大黒堂/天然水珈琲
(アース・スター コミックス)
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鉄田猿児/ハム男
(アース・スター コミックス)
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咲良/ちょきんぎょ。
(アース・スター コミックス)
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深山じお/花波薫歩
(アース・スター コミックス)
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木虎こん/みわかず
(アース・スター コミックス)
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8月9日

佐藤ショウジ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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石田彩/CK
(ドラゴンコミックスエイジ)
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つむみ/愛七ひろ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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いつむ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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奇仙
(ドラゴンコミックスエイジ)
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Bcoca/保住圭
(ドラゴンコミックスエイジ)
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山口ミコト/D.P
(ドラゴンコミックスエイジ)
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三簾真也
(KCデラックス)
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門司雪/アルト
(KCデラックス)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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石沢庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)
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シンジョウタクヤ
(KCデラックス)
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井上菜摘/未来人A
(KCデラックス)
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大前貴史/明鏡シスイ
(KCデラックス)
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外ノ/秋
(KCデラックス)
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筒井テツ/菅原こゆび
(モーニングKC)
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井上まち
(モーニングKC)
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白井三二朗
(モーニングKC)
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栗田あぐり
(モーニングKC)
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カワグチタケシ
(講談社コミックス)
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中村なん
(講談社コミックス)
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ナナシ
(講談社コミックス)
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西岡知三/鏑木カヅキ
(BLADEコミックス)
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穂高歩/しゅうきち
(BLADEコミックス)
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朱子すず/日之影ソラ
(BLADEコミックス)
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8月8日

中島豊
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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モトエ恵介/FUNA
(シリウスKC)
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加古山寿/朱月十話
(シリウスKC)
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町田とし子
(シリウスKC)
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タイジロウ/青山有
(シリウスKC)
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蒼井万里
(ワイドKC)
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品佳直/カルロ・ゼン
(バンチコミックス)
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たかとうすずのすけ/花果唯
(メテオCOMICS)
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ねこ末端
(メテオCOMICS)
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水崎弘明
(メテオCOMICS)
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8月5日

しげ・フォン・ニーダーサイタマ
(ドラゴンノベルス)
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藤浪 保
(ドラゴンノベルス)
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かずなし のなめ
(ドラゴンノベルス)
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音無砂月
(PASH!ブックス)
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月夜乃古狸
(PASH!ブックス)
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下城米雪
(PASH!ブックス)
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櫓刃鉄火
(アフタヌーンKC)
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井上堅二/吉岡公威
(アフタヌーンKC)
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吉岡公威
(アフタヌーンKC)
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イシイ渡
(アフタヌーンKC)
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新井春巻
(ヤンマガKCスペシャル)
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山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)
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藤本ケンシ/井出圭亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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植野メグル
(ヤンマガKCスペシャル)
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南勝久
(ヤンマガKCスペシャル)
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筧千里/堂島ノリオ
(ガンガンコミックスUP!)
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秋澤えで/桐野壱
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/ニシカワ醇
(ガンガンコミックスUP!)
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quiet/ムロコウイチ
(ガンガンコミックスUP!)
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こおりあめ/ひだかなみ
(フロース コミック)
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杉町のこ/柚原テイル
(フロース コミック)
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RINO/YUNSUL
(フロース コミック)
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鳥生ちのり/なまくら
(フロース コミック)
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SUOL/ Gwon Gyeoeul
(フロース コミック)
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8月4日

西出ケンゴロー
(角川コミックス・エース)
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芥見下々
(ジャンプコミックス)
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内藤泰弘
(ジャンプコミックス)
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尾田栄一郎
(ジャンプコミックス)
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Boichi/石山諒
(ジャンプコミックス)
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Boichi/石山諒
(ジャンプコミックス)
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鈴木祐斗
(ジャンプコミックス)
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三浦糀
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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神海英雄
(ジャンプコミックス)
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附田祐斗/佐伯俊
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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賀来ゆうじ
(ジャンプコミックス)
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近藤憲一
(ジャンプコミックス)
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天野明
(ジャンプコミックス)
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龍幸伸
(ジャンプコミックス)
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かっぴー/nifuni
(ジャンプコミックス)
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高口楊
(ジャンプコミックス)
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静脈/依田瑞稀
(ジャンプコミックス)
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河本ほむら/羽田豊隆
(ジャンプコミックス)
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鳥山明/とよたろう
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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ちると
(ジャンプコミックス)
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8月2日

裕時 悠示
(講談社ラノベ文庫)
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歩く魚
(講談社ラノベ文庫)
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FUNA
(Kラノベブックス)
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FUNA
(Kラノベブックス)
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鬱沢色素
(Kラノベブックスf)
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琴子
(Kラノベブックスf)
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水仙あきら
(Kラノベブックスf)
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8月1日

逆木ルミヲ/恵ノ島すず
(B’s-LOG COMICS)
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比村奇石
(プレミアムKC)
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比村奇石
(ヤンマガKCスペシャル)
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森小太郎
(HJコミックス)
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あび/上村夏樹
(HJコミックス)
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佐々木マサヒト/綿涙粉緒
(HJコミックス)
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文ノ梛/水城正太郎
(HJコミックス)
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羊思尚生
(HJ文庫)
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軽井広
(HJ文庫)
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農民ヤズー
(HJ文庫)
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叶田キズ
(HJ文庫)
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おけまる
(HJ文庫)
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ハヤケン
(HJ文庫)
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北山結莉
(HJ文庫)
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北山結莉
(HJ文庫)
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7月29日

雲雀湯
(角川スニーカー文庫)
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燦々SUN
(角川スニーカー文庫)
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斎藤ニコ
(角川スニーカー文庫)
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たかた
(角川スニーカー文庫)
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はむばね
(角川スニーカー文庫)
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月夜涙
(角川スニーカー文庫)
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日向夏
(ヒーロー文庫)
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百黒 雅
(エンターブレイン)
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木の芽
(エンターブレイン)
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矢御 あやせ
(エンターブレイン)
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日之影 ソラ
(エンターブレイン)
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gulu
(エンターブレイン)
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小鳥屋エム
(エンターブレイン)
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櫂末高彰
(ファミ通文庫)
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棚架ユウ
(GCノベルズ)
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ジャジャ丸
(GCノベルズ)
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小鈴危一
(モンスター文庫)
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どまどま
(モンスター文庫)
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水月穹
(Mノベルス)
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ふつうのにーちゃん
(Mノベルス)
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赤金武蔵
(Mノベルス)
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つたの葉/Project シンフォギアXV
(バンブーコミックス)
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藤川よつ葉/あづま笙子
(バンブーコミックス)
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ミト
(バンブーコミックス)
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つくしあきひと
(バンブーコミックス)
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佐藤夕子/三嶋イソ
(バンブーコミックス)
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重野なおき
(バンブーコミックス)
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鳴見なる
(バンブーコミックス)
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さぬいゆう/伊丹澄一
(バンブーコミックス)
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重野なおき
(ヤングアニマルコミックス)
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7月28日

SASAYUKi/リュート
(ライドコミックス)
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一花ハナ/龍央
(ライドコミックス)
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7月27日

英貴
(REXコミックス)
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フライ/竹岡葉月
(REXコミックス)
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中田ゆみ
(REXコミックス)
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久慈 マサムネ/Mika Pikazo(REXコミックス) Amazon


空地大乃/黒山メッキ
(REXコミックス)
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長野文三郎/結城心一
(REXコミックス)
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上海散爆網絡科技有限公司/Ling
(REXコミックス)
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あずまあや
(電撃コミックスEX)
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五十嵐正邦
(電撃コミックスNEXT)
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秋奈つかこ/鴨志田一
(電撃コミックスNEXT)
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みなみ/逆井卓馬
(電撃コミックスNEXT)
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〇線(まるせん)
(電撃コミックスNEXT)
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リーフィ
(電撃コミックスNEXT)
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藤松盟
(電撃コミックスNEXT)
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加藤陽一/スメラギ
(電撃コミックスNEXT)
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ノッツ
(電撃コミックスNEXT)
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野人/小林嵩人
(電撃コミックスNEXT)
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松風水蓮/彩峰舞人
(電撃コミックスNEXT)
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戦上まい子
(電撃コミックスNEXT)
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夏川そぞろ/御鷹穂積
(電撃コミックスNEXT)
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隆原ヒロタ/青山有
(電撃コミックスNEXT)
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ちくわ。
(電撃コミックスNEXT)
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宇崎うそ
(まんがタイムKRコミックス)
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かきふらい
(まんがタイムKRコミックス)
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みくるん
(まんがタイムKRコミックス)
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むらさき*
(まんがタイムKRコミックス)
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カヅホ
(まんがタイムKRコミックス)
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7月26日

円城 塔
(ジャンプジェイブックス)
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TYPE-MOON(TYPE-MOON BOOKS)
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TYPE-MOON
(TYPE-MOON BOOKS)
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東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)
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池野雅博/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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東大路 ムツキ/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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植野メグル
(角川コミックス・エース)
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草下シンヤ/マルヤマ
(角川コミックス・エース)
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そと/冬原パトラ
(角川コミックス・エース)
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kanco/坂石遊作
(角川コミックス・エース)
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内田健/鈴羅木かりん
(角川コミックス・エース)
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矢野トシノリ
(角川コミックス・エース)
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高木秀栄/矢立肇
(角川コミックス・エース)
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浅川 圭司/花黒子
(角川コミックス・エース)
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7月25日

おがきちか
(ZERO-SUMコミックス)
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おがきちか
(ZERO-SUMコミックス)
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サワノアキラ/秤猿鬼
(ガルドコミックス)
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合鴨ひろゆき/赤井まつり
(ガルドコミックス)
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蒼和伸/篠崎冬馬
(ガルドコミックス)
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かせい/猫子
(ガルドコミックス)
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長頼/シゲ
(ガルドコミックス)
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ばう/小野崎えいじ
(ガルドコミックス)
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七浦なりな/桜あげは
(ガルドコミックス)
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藤谷一帆/瀬尾優梨
(ガルドコミックス)
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くずしろ
(ヤングガンガンコミックス)
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山崎夏軌
(ヤングガンガンコミックス)
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水城水城/Ko-dai
(ヤングガンガンコミックス)
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実倉なる
(ヤングガンガンコミックス)
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星河だんぱ
(ヤングガンガンコミックス)
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鮭no.マリネ/日本サぱ協会
(ヤングガンガンコミックス)
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咲竹ちひろ
(ビッグガンガンコミックス)
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Schuld
(オーバーラップ文庫)
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どぜう丸
(オーバーラップ文庫)
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みわもひ
(オーバーラップ文庫)
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甘木智彬
(オーバーラップ文庫)
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常陸之介寛浩
(オーバーラップ文庫)
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岸本和葉
(オーバーラップ文庫)
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鬼ノ城ミヤ
(オーバーラップノベルス)
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シゲ
(オーバーラップノベルス)
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上野夕陽
(オーバーラップノベルス)
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桜あげは
(オーバーラップノベルスf)
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日之影ソラ
(オーバーラップノベルスf)
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涼暮 皐
(MF文庫J)
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森林 梢
(MF文庫J)
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城崎/かいりきベア
(MF文庫J)
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マリパラ
(MF文庫J)
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壱日千次/Plott、biki
(MF文庫J)
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久追遥希
(MF文庫J)
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守雨
(MFブックス)
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新巻 へもん
(MFブックス)
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福寿草 真
(MFブックス)
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虎戸 リア
(MFブックス)
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7月23日

むらかわみちお/才谷屋龍一
(MFC)
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石見翔子/理不尽な孫の手
(MFC)
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村市/千月さかき
(MFC)
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松井俊壱/リュート
(MFC)
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Usonan/Wookjakga
(MFC)
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一智和智/桝田省治
(MFC)
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盧恩&雪笠/早秋
(MFC)
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牛乳のみお
(MFコミックス アライブシリーズ)
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雨水龍/細音啓
(MFコミックス アライブシリーズ)
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森野カスミ/暁なつめ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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かわせみまきこ/駱駝
(MFコミックス アライブシリーズ)
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浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ)
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えかきびと/長田信織
(MFコミックス アライブシリーズ)
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甲田 学人
(メディアワークス文庫)
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仲町 六絵
(メディアワークス文庫)
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7月22日

ネコクロ
(ダッシュエックス文庫)
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持崎湯葉
(ダッシュエックス文庫)
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新木伸
(ダッシュエックス文庫)
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磨伸映一郎
(REXコミックス)
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はるまれ/世界一
(4コマKINGSぱれっとコミックス)
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赤人義一
(ブシロードコミックス)
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藤近小梅/漆原雪人
(ブシロードコミックス)
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つるまいかだ
(アフタヌーンKC)
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出端祐大
(イブニングKC)
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華鳥ジロー
(イブニングKC)
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藤田和日郎
(モーニングKC)
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須賀達郎
(モーニングKC)
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蛇蔵/鈴木ツタ
(モーニングKC)
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ツジトモ/綱本将也
(モーニングKC)
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山田芳裕
(モーニングKC)
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中村光
(モーニングKC)
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大森藤ノ/矢樹貴
(ガンガンコミックスJOKER)
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嶋水えけ
(ガンガンコミックスJOKER)
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大森藤ノ/桃山ひなせ
(ガンガンコミックスUP!)
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大森藤ノ/汐村友
(ガンガンコミックスUP!)
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7月21日

伊達 康
(ガガガブックス)
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春間 タツキ
(角川文庫)
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7月20日

竹町
(富士見ファンタジア文庫)
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木の芽
(富士見ファンタジア文庫)
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サンボン
(富士見ファンタジア文庫)
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神里 大和
(富士見ファンタジア文庫)
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平成オワリ
(富士見ファンタジア文庫)
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小狐 ミナト
(富士見ファンタジア文庫)
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七野りく
(富士見ファンタジア文庫)
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七野りく
(富士見ファンタジア文庫)
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なめこ印
(富士見ファンタジア文庫)
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四季大雅
(ガガガ文庫)
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新馬場 新
(ガガガ文庫)
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初鹿野 創
(ガガガ文庫)
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鶴城 東
(ガガガ文庫)
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真白ゆに
(ガガガ文庫)
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ハマカズシ
(ガガガ文庫)
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手代木正太郎
(ガガガ文庫)
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イスラーフィール
(TOブックス)
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華宮ルキ
(TOブックス)
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春の日びより
(TOブックス)
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木嶋隆太
(TOブックス)
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星畑旭
(TOブックス)
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林譲治
(ハヤカワ文庫JA)
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八神鏡
(GCN文庫)
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竹林七草
(集英社文庫)
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せうかなめ/竹町
(MFコミックス アライブシリーズ)
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甜米らくれ
(ヤンマガKCスペシャル)
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御池慧/桂あいり
(ヤンマガKCスペシャル)
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鳴見なる
(ヤンマガKCスペシャル)
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7月19日

Sin Guilty
(HJ NOVELS)
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かたなかじ
(HJ NOVELS)
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保利亮太
(HJ NOVELS)
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あずまたま
(ヤングジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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奥浩哉/花月仁
(ヤングジャンプコミックス)
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松原利光
(ヤングジャンプコミックス)
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稲葉みのり
(ヤングジャンプコミックス)
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朝倉亮介
(ヤングジャンプコミックス)
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茶菓山しん太
(ヤングジャンプコミックス)
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川西ノブヒロ
(ヤングジャンプコミックス)
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椎橋寛
(ヤングジャンプコミックス)
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まめおじたん/Qruppo
(ヤングジャンプコミックス)
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妹尾尻尾/そら蒼
(ヤングジャンプコミックス)
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高橋慶太郎
(サンデーGXコミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/MAAM
(裏少年サンデーコミックス)
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7月15日

川上 稔
(電撃の新文芸)
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珪素
(電撃の新文芸)
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茨木野
(電撃の新文芸)
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Y.A
(電撃の新文芸)
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しまねこ
(アース・スターノベル)
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虎戸リア
(アース・スターノベル)
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長野文三郎
(アース・スターノベル)
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一色孝太郎
(アース・スターノベル)
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十夜
(アース・スターノベル)
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三上康明
(アース・スターノベル)
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顎木 あくみ
(富士見L文庫)
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sora/柚原テイル
(フロースコミック)
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硬梨菜/不二涼介
(KCデラックス)
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山本崇一朗
(KCデラックス)
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内藤マーシー
(講談社コミックス)
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宮島礼吏
(講談社コミックス)
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久世蘭
(講談社コミックス)
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金城宗幸/ノ村優介
(講談社コミックス)
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吉河美希
(講談社コミックス)
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ひらかわあや
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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西森博之
(少年サンデーコミックス スペシャル)
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百地/岬
(コロナ・コミックス)
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いづみやおとは/玉梨ネコ
(コロナ・コミックス)
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藤屋いずこ/古波萩子
(コロナ・コミックス)
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こばみそ/岸若まみず
(モンスターコミックス)
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身ノ丈あまる/神埼黒音
(モンスターコミックス)
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宮島 礼吏
(ヤングアニマルコミックス)
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