書籍感想(2015)

D9 聖櫃の悪魔操者 34   

D9―聖櫃の悪魔操者― (3) (電撃文庫)

【D9 聖櫃の悪魔操者 3】 上野遊/ここのか 電撃文庫

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悪魔憑きの少年ソーマと少女悪魔メルヴィーユ。二人は旅の仲間ファムにいざなわれ、“箱船の守り人”のアジトを訪れる。しかしそこは、何者かに壊滅させられた後だった―。襲撃者は、世界を守るはずの教会の人間。ソーマは、信じてきた教会の闇を暴く決意をする。一方聖都では、教皇ディアドラが世界の滅亡を予見。箱船が人々を救うとし、民衆を街へと集めていた。果たして古の伝説“箱船”は、人々を救うのか、それとも滅ぼすのか。人と悪魔の最後の戦い。ソーマとトーマ、因縁の兄弟の邂逅。すべては教会の総本山、聖都で決着する―!少年と少女悪魔の世界を救う旅、堂々完結!
仇であり宿敵であり絶対の壁であったトーマがこうなってしまったのは、残念と思う部分もあるのですが、兄弟の相克として捉えるならば単に正面からぶち当たってぶち破るよりも複雑な切なさがあってよかったんじゃないかと思うんですよね。あれを目の当たりにした時のソーマの混乱とやりきれなさは感情がぐるぐると渦巻いて行き場をなくしている感がひしひしと感じられて、実に良かったんですよね。仇であり敵であったからこそ、そのまま保たれていたものもあると思うんですよ。尊敬し、敬愛していた兄という肖像。それは、憎悪スべき絶対否定すべき敵となっても、何をやっても跳ね返されうわまられ見下され、太刀打ち出来ないんじゃないか、と思わされる巨大な壁として、ある意味変わらぬまま尊敬していた頃と同じようにそびえ立っていたんじゃないだろうか。それが、自分の手ではなく、ガラガラと崩れ去るのを目の当たりにしてしまった衝撃。そうして再びこみ上げてくる、兄への愛情。憎んでも呪っても、それでも奥底にこびりついて離れなかった兄への親愛。あのぐちゃぐちゃになってしまったソーマの感情は、実に堪能スべき価値のある描写だったように思う。
兄とその婚約者で好きだった幼馴染への想い。それは思っていた決着とはならなかったけれど、ケリはつけれたと思うんですよね。考えていた結末とは違っていても、だからこそ昇華できたんじゃないだろうか。そうなった時、ソーマに残されていたのはあれからずっと傍に寄り添っていてくれた悪魔の少女との絆だったわけである。メルはその辺意識していなかったみたいだけれど、後半にはいってソーマはずっとメルと自分との関係について向き合っていて、世界が滅びようとしている瀬戸際にあって、いやだからこそか、メルのことを自分の中心に置いていたように見える。言動がいちいちメルのこと大切にしてたからなあ。まあ真剣に受け止めればう受け止めるほど、肝心のメルの方がビビってヘタレるという有様だったわけですけれど。あれほど積極的に見せておいて、いざとなるとビビってしまうあたり、実に可愛い娘さんである。
ともあれ、後半はもうクライマックスの盛り上がりは半分くらい二人のラブストーリーみたいになっていて、残念ながらファムの方は入り込む余地なかったですねえ。それはファム自身も自覚していたみたいで、無駄な足掻きをみせなかったところは潔いとは思うのですけれど、気持ちの良いヒロインだっただけに勿体ないと思わないでもなかった。でも、今回に関してはメルがずっと可愛かったからなあ。ファムとメルも随分仲良くなってある意味ソーマ相手よりもイチャイチャしてた感があったので、それはそれで……うん。
いろいろ短縮してまとめたっぽい急ぎ足のラスト突入でしたけれど、まさにカタストロフ! と言わんばかりの世界滅亡の危機の迫力は、クライマックスの盛り上がりとしては十分だったんじゃないでしょうか。
二人の関係についても、綺麗にまとめてくれましたし、満足のハッピーエンドでした。
もうあれだね、お幸せにー。

シリーズ感想

のっぺら あやかし同心捕物控え 4   

のっぺら-あやかし同心捕物控え- (廣済堂モノノケ文庫)

【のっぺら あやかし同心捕物控え】 霜島ケイ 廣済堂モノノケ文庫

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南町奉行所定町廻り同心、柏木千太郎はのっぺらぼうで顔がない、れっきとしたあやかしだ。だからといって江戸っ子はいちいち驚かない。そんな千太郎の元に「ある娘が拐かされそうなので男を捕まえてくれ」と、話の筋が通っていそうで通っていない奇妙な依頼が。依頼人は赤い珊瑚の玉簪をした婀娜っぽい美人だったがどうにもおかしい。下っ引きの伊助、同僚の片桐正悟とともに調べ始めると…。江戸の町を颯爽と歩く、顔も気性も「さっぱり」としたのっぺらぼう同心が不思議事件を解決する、心優しい捕物帳!
あらすじを読まないでそのまま本編突入したので、てっきりあやかし関連の事件ばかり巻き込まれる同心のお話かと思い込んでいたのです。まさか主人公の八丁堀その人が妖怪とは想像だにしていなかったんで、いきなり出てきた主人公がおもいっきり「のっぺらぼう」だったのには、度肝抜かれたさ! ひっくり返ったわ! しかも、正体全然隠してないし! 全江戸に知れ渡ってるし! 
ものがのっぺらぼうだけあって、千太郎こと千さんには目も鼻も口もなく、口がないのでこの人、全然しゃべらないんですよね。でも、一言も口を利かないにも関わらず、千さんって恐ろしく雄弁で感情豊かなのである。いや、言葉無しで語るべき表情すらないので、顔を見りゃわかるってなもんじゃないんだけれど、なんでかわかるんだよねえ。ジェスチャーか? ジェスチャーなのか? わりと愉快な性格していて、小物な上司をからかって遊んでたり、江戸っ子らしい粋なところを見せてくれたり、とこれがまたいい男なのである。江戸市中でも評判の頼りになる同心で、「男は顔じゃあない」とそのいい男っぷりを噂されている人物、ならぬあやかしなのであります。
いやあ、もうさすがは霜島ケイさん、というべきか。まったく頭になかったところからザクザクとつきこんでくるあやかし譚でありました。人間の世界と幽世の、相容れぬところと寄り添うところの境界線を人情味たっぷりに描くことに関しては、これまで書かれた様々な作品の中でも共通していたものでありますけれど、まさか江戸時代の時代小説で、こうも面白おかしく、じんわりと染み入るような人情モノのあやかし物語を書いてくれるとは。
しかし、こののっぺらぼうの旦那、既に奥さんと娘さんまで居るのだから大したものである。いや、この奥さんが千さんに惚れて添い遂げるまでのエピソードがまた笑えて楽しいんですけどね。奥さんの顔の好みがある意味すごすぎるww
へのへのもへじのエピソードとかでは、千さんの娘小春への溺愛っぷりが物凄いことになっていて、家族仲の良さは羨ましいほど。のっぺらぼうとか関係ない良い家族ですなあ。

短編集の三話構成。第一話こそ、いわゆる仇討話の変則型となるのですが、二話目の「ばらばら」なんか、女性のバラバラにされた肢体が発見されて、という凄惨な始まりのわりに随分とほっこりとした、全然血生臭くない、愉快でありつつも誠実な人間の心根の健やかさにじんわりと温かくなる良い話でしたし、三話目なんかは女性が苦手で堅物だけれど本当にイイ男な、千太郎の同僚の同心片桐正悟の淡い恋物語だったりと、読んでいて思わずニコニコと相好を崩してしまっている心地良いエピソードばかりで、いやあ堪能させていただきました。事件もそれぞれ、ひねりが聞いていてなかなか先が読めない紆余曲折っぷりが本当に面白かった。

筆談という形で結構色々喋ってくれる千さんだけれど、やはり表情がない分ふとした瞬間何考えてるかわからない時はあるんですよね。それを長年の付き合いで真っ直ぐな性根の片桐正悟や、何となく千さんの気持ちを感じ取れる下っ引の伊助が代わり、と言っちゃあなんですけれど、いつも一緒になって頭を悩ませ、時には千さんの想いを組んで動いてくれる。逆に千さんは何も言わず、何も語らず、影に日向に彼らを助け、気遣い、いつも必要な時、居て欲しい時にそこにいる。なんか、凄くいい関係なんですよねえ。
うん、笑って泣けてじんわりと温まれる、素晴らしい人情モノでありました。これはオススメ。

霜島ケイ作品感想

うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。2 4   

うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。2 (HJ NOVELS)

【うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。2】 CHIROLU/景 HJ NOVELS

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訳有り魔族少女ラティナの保護者となって、早二年。可愛すぎるラティナとの生活も順風満帆な凄腕冒険者の青年デイルは、とある事情から実家のある故郷ティスロウへと帰省することになる。そこでデイルは、自分の故郷にラティナを連れて行くことにするのだが――
「デイル、デイルっ! 海、海っ、行ってもいいっ!?」
「落ち着けってラティナ」
――初めての長旅に、普段は大人しい娘も思わず大興奮!?

新たな出逢いや発見も満載な、大人気アットホームファンタジー第2幕!
毎ページ、ラティナカワイイ! ラティナ可愛い! を連呼されてもなお足りないくらいにラティナが可愛すぎて、どうしようもない。可愛いは正義などでは収まらない、これはもう「可愛いは摂理」のレベルである。
幼いラティナとの出会いから二年。あれから、少し大きくなったラティナはさらに賢く可愛らしく成長し、これはもう天使と呼んでいいんじゃね? 育ての親であるデイルは親バカを拗らせ続け、街の人々も愛らしさを増していくラティナを可愛がり、ラティナはその愛情を糧にしてさらに健気に頑張って成長していくという幸せスパイラル。
もうねー、可愛いのよ、ラティナが。
子供にとっての二年というのはやはり大きいのですね。まだまだちっちゃな女の子なんだけれど、ふとした瞬間に大人びた顔を見せたり、無邪気さの中にもしっかりとした聡さが根付いていたり。どんどん素敵なレディになっていってるわけですよ、もう可愛いなあ。
さて、今回そんなちょっと大きくなったラティナを連れて、デイルは故郷へと帰ることになる。ラティナの初お披露目となる里帰りだ。勿論、現代社会のように車や電車で気軽に帰れるわけがなく、片道一月以上のそれなりの旅となる。いつも、仕事の為に遠出するデイルを見送るばかりだったラティナの、初めての大好きなデイルとの旅行である。意外と体力的にもタフで、好奇心旺盛なラティナにとっては、まさに目眩くような体験の連続で、その楽しそうな様子の可愛いことかわいいこと。初めて見る景色、見たことのない街並み、デイルと一緒に覗いてまわる異国の商品が並ぶ露天、旅先で出会う人々。旅先からお世話になっている人や友達に送る手紙を書くのに、便箋が足りなくなるくらい書きたい事が山程ありすぎてる姿なんか、心の底からこのデイルとの旅行を楽しんでいて、もう目をキラキラさせてるんですよねー。なんて可愛いんだろう。
幸せそうなラティナの可愛さも素晴らしいんだけれど、そんなラティナをひたすら愛でるデイルもまた楽しそうで、思わず目を和ませてしまう。ラティナと出会う前のデイルは、どこか心をすり減らし感情を停止させ摩耗していく剣のようなヤバイ雰囲気を漂わせていたもので、非常に危なっかしい人品を連想させていたんですが、だからこそ彼は家族には恵まれていないんではないか、そうでなくても天涯孤独とかそういう境遇なのかなあ、と漠然と思っていたのですが、ちゃんと家族や身内となる一族の人たちが居たんですねえ。しかも、家族仲はむしろ普通よりも良好なようで、わりと定期的には帰郷してたようなのですが、だからこそそんなイイ家族や親族がいながら、あれだけデイルがちょっと危うい方に傾いていたというのは、深刻な状況だったんでしょうね。家族も、デイルの変化には危惧を抱いていたようですが、離れて住んでいるだけにメンタルケアとかできてなかったみたいですしね。
だから、あのタイミングでラティナを引き取ることになったのは、ラティナにとっての幸いだけではなく、デイルにとっても自他共認めるように、救いを得たターニングポイントだったんですなあ。

しかし、ラティナのスキルとか魔術とか関係なしの、籠絡力はもう尋常じゃないですね。関わる人関わる人、場合によっては人以外ですらも、ラティナの魅力にメロメロにされていく。
前回、ラティナのためならば魔王を倒すくらい楽勝だろう、と確信したものですけれど、今回読んでいるともう魔王討伐を通り越して、ラティナの為ならば世界だって征服できるんじゃないだろうか、というくらいにはラティナ教信者が勢力拡大してるんですよね。これまでは、まだ一つの街の中に留まっていただけに、その影響力は街一つに収まっていましたけれど、今回ラティナが街の外に出てしまったが為に、旅先にまでラティナの可愛さが感染拡大してしまってる次第。冗談じゃなく洒落にならない勢力が、幾つか陥落していたような!?
デイルの故郷ティスロウも、あれ話を聞く限り、単なる村落ではなくかなり特殊な勢力みたいですし。

この旅の中で、幾つかラティナの魔族の事情についての情報も得られたわけだけれど、この世界では「魔王」とは単体ではないのね。どうやら、ラティナの存在は魔族の中でもかなり特別みたいなんだけれど、単純に弱い狙われる立場、とも少し違っているようで……いずれ、彼女自身にも決断が求められる場面が訪れるのかなあ。
一方で、出自の事情とは別に、ラティナにとって女の子としての立場や考え方も成長を遂げているようで……、さてこの年齢の娘にそこまでの成熟を求めるのは間違っているのだろうけれど、彼女の歳相応とは言いがたい聡明さを思うと、周りが思っている以上に精神的に大人びている可能性もあるので……さて、いつまで彼女は自分が「愛娘」であることを保つことが出来るのだろう。このあたりも、興味深いところである。

1巻感想

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国 8 3   

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国 (8) (MF文庫J)

【落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国 8】 舞阪洸/よう太 MF文庫J

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旧教会“最凶”と名高いグリスタン率いる神の旅団との激戦の末、かけがえのない仲間を失いながらも勝利を収めた魔女・カサンドラ王国連合軍。さらに大陸本土での新教会・旧教会の争いが激化したことで、半島の情勢は徐々に魔女達にとって有利に傾き始めていた。そんな中、カサンドラ王国から半島の地盤固めの助力を、レンスールの街からは敵対する大陸の商業都市・エゥラニアの攻略を依頼されたナーガ率いる魔女軍。「今こそ魔女達が打って出る好機」と捉えたナーガは同時攻略を提案。半島諸国と大陸本土を同時に相手取る、大規模な両面作戦が幕を開ける―!戦いの舞台は大海原、そしてついに大陸へ!大ヒット戦乱ファンタジー、震天駭地の第8弾!
この段階で、圧力かけてくる側だった大勢力の教会が、旧教と新教の抗争に入って半島に手を出す余裕がなくなった、というのは大きいなあ。このあたり、完全に運ですし。本来の戦国大名だと、こういうケースは往々にして裏で糸引いてたりするんですけどね。ナーガにはその余裕はなかったですし。
とはいえ、機を逃さずここで畳み掛けるように勢力圏を広げていくのはさすがというべきか。しかも、軍事制圧ではなく経済協力と外交圧力という手段を選んだのは、勢力圏を広げるためのスピードも然ることながら、武力以外の部分で魔女という存在を浸透させていくには大いに効果あるんですよね。魔女=強い、怖いというイメージを覆すには、まず魔女たちが人間たちとそんなに変わらない存在である事を知ってもらうことが必要である、という認識からなんだろうけれど、ナーガのその辺りの方針は首尾一貫していると言っていい。
その意味では、人間と魔女の橋渡し役だった「彼」の役割というのは既に終わりを迎えていたんだろうなあ。勿論、彼の能力からしてそこからさらに発展させた、人間の軍隊と魔女を一緒に運用できる指揮官というナーガの代役を担えるだけの器だっただけに、勿体ないってもんじゃなかったんだけれど。今のところ、ナーガ以外にこれが出来る役者はいないわけですしねえ。
ともあれ、カサンドラ王国の人々を含めて、レンスールなど魔女とふれあうことになった半島諸国の人々は魔女に対する認識を徐々に変えられていくとともに、魔女の方も初めて味わう人間たちの友好的なコミュニケーションに対して打ち解ける様子を見せ始めている。これは、魔女という存在の神秘性や未知であるが故のアドバンテージを失うことで、その特別性もいずれ消失させてしまうことを意味しているんだろうけれど、さて魔女たちは本当の意味で自分たちが今までのように「魔女」で居られなくなる社会へと進出しはじめていることに、果たして気がついているんだろうか。
今のところ、生き残ることが優先であることとナーガへの信頼感から、その辺思考停止しているというか、まったく将来の自分たちの在り方というものに考えがめぐっていない気がするんだが、大丈夫なんだろうか、とふと心配になってしまう瞬間もある。もしかしたら、その辺を一番真剣に考えることになるのは、ユウキということになるのかもしれないなあ。人間と魔女の関係について、はからずも人間嫌いだった彼女こそが一番、様々なことに直面したことで考えることになったわけですし。今のところ彼女だけが、ナーガがそう言ってるから、じゃなくて自分の頭で自分の体験を咀嚼し、人間と魔女の将来の在り方について結論を……少なくとも、スタンスを決めたような感があるので。

シリーズ感想

再び始まる反救世譚(エスカトラ) 2 4   

再び始まる反救世譚(エスカトラ)2 (MF文庫J)

【再び始まる反救世譚(エスカトラ) 2】 上智一麻/nauribon MF文庫J

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特異点として世界の犠牲となっていた少女、イリアを救出してしまったことで全世界から追われる身となった黒斗たち。身を隠しながらも旅を続け東都アガスティアへと辿りつくと、そこでは五百年前の英雄である救世主トラヴィスの召喚を祝う召礼祭が行われている最中だった。賑わう街の喧騒のなか一人の気品漂う美少女と出会う黒斗。その少女は、どこか異質な空気を漂わせていて…。そして旅の資金を調達するため、武道会へと参加することになった黒斗の前に六連覇を誇る天霊兵装の保持者、カイムが立ちはだかる!規格外の救世主による、全世界を敵にまわす反救世譚、第二巻!

存在するだけで世界を脅かす、人を殺し街を破壊し国を滅ぼす、そんな災厄である特異点。しかし、それは特異点となる人間が邪悪であったり悪意や野心があるわけではなく、言わば体質のようなもの。災厄となるものを意図せず呼び寄せてしまう特質こそが問題で、その為人はまったく関係ないわけですね。しかし、その特異点を放置しておけば、未曾有のおぞましい災厄が訪れて周囲を地獄へと変えてしまう。だからこそ、特異点となってしまった人は、捉えられて封印されてしまう。それは世の秩序を守るための、平和を守るための、人々のささやかな日常を守るための正義である。が、しかし、罪もなく一方的にすべての責を負わされ、人間扱いされず封印という憂き目に遭う特異点にとって、その処遇は受け入れられるものなのか。
特異点となってしまった一人の少女を守るために、救世主として神霊フェルに呼ばれながら、救世主たることに背を向けた少年の反救世譚。
特異点となる娘の性質が良い子であればあるほど、自分の存在が災厄を振りまいてしまうことに苦しみ悩み、自己を犠牲にすることが一番世界の為になると理解しながらも、しかし自分は何もしていないにも関わらず、誰からも疎まれ、愛されず、拒絶され、憎まれすらすることの理不尽に納得できず、哀しくて、嫌で、受け入れがたい。
このヒロインの煩悶を受け止めるのはなかなかにヘヴィーであるはずなんだけれど、それをしっかりこなしながら世界を敵に回す覚悟を据えている黒斗という主人公は、そりゃもう土台のしっかりしたドンと揺るがん良い主人公なんだけれど、それでもイリア一人だけで一杯一杯であることは確かなんですよね。精神的に、というよりも自分たちがしでかしていることの重さをよく理解している聡明さ故、というべきか。
だからこそ、ここで敢えて彼一人にどんどんおっ被すのではなく、彼と同じくらい強くて彼と同じくらい覚悟を据えることの出来る、黒斗とあらゆる意味で同格で対等なライバルにして友人たることの出来る相手が出てきたのは、噛み合わせが隙間なくピッタリとしているような骨格の強度を感じさせて、物語としても揺るぎなさが出ていてよかったんですよね。二人目のヒロイン登場というパターンは王道なんですけれど、この作品はそのヒロインの重たさが尋常ではないのですからね。
だからこそ、クライマックスのダブルライダー的な盛り上がりは実に燃える展開で、ドライブ感も増し増しで、うん良かったよー。燃えた燃えた。
うんこの作者さんってヘヴィーな主題を鬱々と沈めることなく、これだけ熱く手に汗握る熱量へと燃焼できる手腕の持ち主だというのを、いかんなく証明してくれたと思う。正直、もっと売れても全然おかしくないと思うんですがねえ。前シリーズともども、2巻・3巻で打ち切られるような作品ではないと思うんだが。どうも、あとがき見る限りではここで打ち切りを食らってしまったような感もあり、残念無念で仕方がない。
次回作こそ、何とかならんもんかしら。

神鎧猟機ブリガンド 3   

神鎧猟機ブリガンド 3 (ダッシュエックス文庫)

【神鎧猟機ブリガンド 3】 榊一郎/柴乃櫂人 ダッシュエックス文庫

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『ブルー・オーシャンズ・ガーデン』の事件後、損傷を負った“ブレイバー”と大悟は修復と再調整に入っていた。一方、連志郎と“ブリガンド”も和晃を中心に『武器』の試作をするなど、対“悪魔憑き”の緊張感は高まっていた。そんな中、“悪魔憑き”が同時多発的に五体現れる。一対一の戦闘しか経験のない“ブリガンド”に対する、亜麻音たち“フォスファー”の次なる一手だった。“ブレイバー”と“ブリガンド”は共に出動し制圧に向かうが、混乱の中で効率的な動きが取れない。そして苛立つ連志郎たちの目の前で、悲劇が起きる。局面打開のため再び共闘を呼びかける大悟に、連志郎は―。鋼鉄の巨人が導く、ダークヒーローアクション、第3幕!
凄いな、フラグをちゃんと立たせてすら貰えずに退場させられてしまったぞ。あんまりあっさりしていたので、裏があるんじゃないかと勘ぐってしまうくらいに。
容赦無いといえば容赦無いんだけれど、盛り上げるだけ盛り上げて突き落とされるよりもダメージは少ないのかもしれない。連志郎ってあれでかなりメンタルが繊細であることが明らかになっているので、もし本格的に踏み込んできた段階でああなっていたら、ちょっと立ち直れないほどのダメージを食らっていたかもしれない。
何者も寄せ付けない鉄壁、を装っているようで大吾のヒーロー主義に対してムキになるところや全然冷酷に徹しきれてないところなど、何というか自分から他人を拒絶するほどの主体的な反応は示せてないんですよね。向こうから近づきたくなるようなキャラを振舞っているだけで。自分から突き放すことも拒絶することも出来かねるような、受動的な少年であるわけだ。
だから、紫織のささやかな不満やヤキモチの理由である、自分に対して彼が反応してくれない、興味を示してくれない、相手をしてくれない、というそれは、内気な少年の繊細な反応として見たら可愛いものなんですよね。紫織が考えているほど、連志郎は紫織のことをスルー出来ていないような気がするのです。敢えて見ないようにする、というのも意識している反応の一つと捉えるなら。
大吾の連志郎への馴れ馴れしさには、彼の「可愛げ」というものを無意識に把握しているからじゃないかなあ、という向きもあり……まあ、単に無神経、というところもあるんでしょうけれど。
いずれにしても、もうこの段階にまで至ってしまえば、単なる復讐者として復讐以外のすべてから背を向けて生きることは叶わないでしょう。ブレイバーとしての大吾の正義に共感を覚え、知り合いや友人が理不尽に死んでいくことに耐え切れず、敵を倒すためではなく守るために戦うことを選んだ時点で。
しかし、それだと単なるヒーローものになってしまうのも確かなんですよね。ダークヒーローものとしては、安易に世の正義と相容れてはいけないのである。そのための鍵となるのが、紫織の存在となってくるわけか。
彼を復讐しか考えない修羅の生き方から血の通った人間へと戻るための要だった存在が、彼を見守る者となっていた紫織だったのだけれど、彼女が再び「悪魔憑き」として世の中から排斥される存在になったとき、それも自分を庇って日常から、自分の前から消え去ろうとした時、彼が寄って立つ側はどちらなのか。
ヒーロー見参。しかし、それは正義のヒーローではなく、ただ一人のための英雄に。離れ行く彼女を引き止めるために、紫織の腕をつかみとる。あのラストシーンはなかなかに叙情的で、静かに盛り上がるシーンでした。いい具合に佳境に入ってきたんじゃないですかね。

シリーズ感想

魔法少女育成計画 ACES4   

魔法少女育成計画 ACES (このライトノベルがすごい!文庫)

【魔法少女育成計画 ACES】 遠藤浅蜊/マルイノ このライトノベルがすごい!文庫

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盟友リップルの行方を探しながら、「魔法少女狩り」としての活動を続けるスノーホワイトに、「魔法の国」の国の中枢たる「三賢人」の一人から呼び出しがかかる。指定された屋敷に赴いたスノーホワイトを待ち受けていたのは、高貴そうな雰囲気を身に纏った、幼い外見の少女だった。少女はスノーホワイトに、とある魔法少女の護衛を依頼するが――。
話題沸騰のマジカルサスペンスバトル、ますます絶好調!
ついにこの作品もアニメ化かー。特に一巻はああ無情、ああ無情という惨劇の数々に未読の人が阿鼻叫喚となるのが想像できて、ゾクゾクしますねw
久々のスノーホワイトさん主役回。これまでちょくちょく再登場していたものの、どちらかというと助っ人枠であり物語の主体となるグループは別に居たのだけれど、今回はほぼメインに座っての進行である。もう、貫禄がパないのね。歴戦の戦闘のプロ、という雰囲気がひしひしと伝わってくる。孤高でありながらディスコミュニケーションではなく、けっこう同行するメンバーに対する気配り、心配りもきっちりしているので、この物凄い頼りになる感がパナイのー。強さと優しさが併存している、まさに主人公たる魔法少女。しかし、だからこそこの作品はそうした主人公に苦行を強いていくことに労を惜しまない。
それでも、今回の話を見ていると、ある程度選抜というか整理は終わって、メンバーが整った、という感じがするんですよね。これまで、一話ごとに発生していた魔法少女たちの殺戮劇を勝ち残り生き残ったサバイバーたち。身も心もボロボロになりながらも、それでも生命を使命を祈りを願いを託され、生き残った魔法少女たち。まさに厳選された彼女たちによって、この魔法の国の一番奥底でうごめいているおぞましい核心に至る物語が動き出したように見える。
ここからは、流石にこれまでのようにザクザクと人死は出ない気がするんだけれど、それでも新規参入キャラは容赦なくこぼれ落ちていく可能性は高いので、要注意ではあるのだが。
ぶっちゃけ、かろうじて生き残った面々がこの期に及んで無残に脱落されると、こっちのダメージがもう立ち直れないレベルに達してしまいそうで、いろいろたまらんのですよね。それでも、物語上必要があるなら死は免れない展開もあるのでしょうけれど、このあたりの取り扱いは難しいですぜえ。
そこ、逆を取って生きてさえいればいいんでしょう、と言わんばかりのむしろ生き地獄、を嬉々と味わわせようとしてくる、なんてえげつない真似をしてきたりもするので、油断は禁物である。スノーホワイトとリップルは地獄行だよなあ、これ。敢えて自ら復讐のために地獄の道を行こうとするプリンセス・デリュージみたいな子もいるし、プフレを守るためにドツボにはまりつつあるシャドウゲールみたいな子もいるし。生き残ってなお、過酷すぎる魔法少女業を続けている子たちである。もうこれ、プフレに頼るしかないのか。彼女は悪人だし外道の類なんだけれど、それでも筋は通すし味方として動いてくれるならこれほど頼もしい人もいないので、表のスノーホワイト、裏のプフレという風に構えれば、かなり安心出来るんだけれど……。なにしろ、相手があらゆる意味で腐りきった連中だもんなあ。魔法の国って、もう根本からブラックすぎやしませんか!? 旧ソ連もびっくりですよ。
エピソードとしては、この一巻で前哨戦。ある意味プロローグでしかなかったのか。読んでるこっちも陽動に振り回され、まさかあっちが本命とは夢にも思わず。これは、荒れるぞ。

シリーズ感想

魔剣の軍師と虹の兵団(アルクス・レギオン) 3 4   

魔剣の軍師と虹の兵団(アルクス・レギオン) (3) (MF文庫J)

【魔剣の軍師と虹の兵団(アルクス・レギオン) 3】 壱日千次/おりょう MF文庫J

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ダンテ将軍との決戦に勝利し、ついにトレントの地から敵勢力を駆逐した「魔剣の軍師」ジュリオとアウトな仲間たち。だが、敵国ロンバルディアの弱体化は、新たな脅威を招くことに。南の強国ホルムの内乱の勝利者となった簒奪王アレクサンドルが、教皇国の力を借りて、ロンバルディアへの侵略を画策。その野望の標的に自国トレントが含まれることを看破したジュリオは、クリスティーナや仲間たちの助言を受け、幽閉されたロンバルディアの不屈王子ことカンパネルラ擁立のため、救出に乗り出す。伝説と虚飾に彩られたジュリオたちの戦いの舞台は、ついに祖国を飛び出す!?――見た目はまとも、頭脳はおバカ。戦記業界戦慄のおバカ系ファンタジー戦記、第3弾!

今度の新キャラも酷いな! でも、酷いキャラを出すにしても、それぞれ他に類を見ない変態質を出さなきゃならないわけで、これってなかなか難しいですよね。単なるドMならすでにエスメラルダが歴史を横断する被虐志向という特筆に値するドMなわけで、単に虐げられることに興奮してしまうキャラなら被っちゃうところなんだけれど、不屈王子のそれは特殊すぎて、もうあかん、笑ってしまう。いや、その特殊性癖に目覚めたからこそ発狂しかねない境遇を乗り越えられたのだから、それはそれで凄いんだけれど、もうなんちゅうか笑ってしまう。第一巻の強敵だった公爵令嬢クリスティーナが死んだ魚みたいな目になってるのが可哀想で可哀想で。いっそ、彼女も目覚めてしまえばいいのに、踏みつけるのに目覚めてしまえばいいのに、なまじ真人間なだけにエライ目にあっちゃってるのが笑えて仕方ない。これだけ有能とマトモが両立してる人って、この作品では稀有なんだけれどなあ。彼女以外、ほぼ有能にして残念、というキャラばかりだし。いやダンテ将軍の部下の二人はまだ変な性癖発露してないので、まとも組の方に入るのか。つまり、酷い目あいそうw
というわけで、トレントの地をロンバルディアから取り戻したところでどう動くのかと思っていたら、半島国家である両国のさらに南、大陸側の大国からの脅威迫る、という展開になってきたか。そもそも、ロンバルディアを逆制圧する、という発想や国力はなかったようでロンバルディアという国を動かす人材をごっそり入れ替える寸法に。
ちゃんと、国土を犯され虐げられてきた側と虐げてきた側の相克を描きつつ、目の前の脅威を前に未来の為に手を携える展開を真面目に描いたりするところも、相変わらず緩みっぱなしではなく締めるところはシリアスに締めるこの作品の良い所。こういうところを疎かにしないのが、これだけお馬鹿な話にしつつ、緊張感を失わしめていない部分なんでしょう。
そして、どれだけ残念なキャラクターでありながらも、人格人品まで残念ではない、ちゃんと尊敬できる一廉の人物であるのだ、というのを見せてくれたのが、今回のトリスタンのエピソードなのでしょう。自分の義理の娘(幼女)に恋しちゃい愛欲を抱いてしまい、その為に祖国をぽいぽい裏切ってしまったトリスタン。それだけ娘命、娘のためならなんでもやっちゃう、という残念大将が、娘の幸せの為に自分の欲望も愛も願いも押し殺し、永遠に封印して戦おうというその姿は、いっそ神々しいくらいに尊いものでした。うん、普段が筆舌しがたい酷さなので、その対比で、対比で。
いやでも、彼の娘への愛情はガチもガチなんですけれど、だからこそ本気なんでわりと応援してるんですよね。ルーナの方は、トリスタンのことを父親として尊敬し慕って愛しているけれど勿論異性としてはまるで意識していないのですが、犯罪臭がするとしても、うまいこといってほしいなあ、と思うばかりなのであります。
敵サイドに一神教、という排外者の要素が出てきましたけれど、本来なら一神教と多神教の宗教対立みたいな空気が流れそうなところなのに、自己顕示欲が高まりすぎて自分が神の宗教まで立ち上げようとしているロスヴァイセがたった一人で対立軸の一方を担いそうなのが笑えます。一神教VSロスヴァイセになんかなりかけてるw
どうも、ジュリオが住んでいた村に何か秘密があり、ジュリオの幼馴染の姉ちゃんが一連の戦乱の引き金を引いてしまった、という歴史の影に隠れていた大きなうねり、みたいなものが垣間見えてきて、スケールの大きな話になってきた? とりあえず、このまま長期シリーズに乗りそうなのが嬉しいところ。ついに3巻の山を越えましたがな!

シリーズ感想

異世界ラ皇の探求者 1.精霊王女はツルツルです3   

異世界ラ皇の探求者 (GA文庫)

【異世界ラ皇の探求者 1.精霊王女はツルツルです】 西表洋/モレ GA文庫

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「ひゃう!? 兄上様、こ、これは」
メイがまるで死刑の宣告を受けた罪人のように震え、ドンブリを前に泣き出しそうな瞳でチャーを見た。
「大丈夫だ。のびるから早く食え」
「本当に大丈夫なのでしょうか……」
現世でラーメン屋を26店開店し、そのすべてを半年以内に潰してきた主人公・チャー。
そんな彼が記憶を残したままで生まれ変わったのは、なんとファンタジーの世界だった!?

ライバル不在のこの世界で、一番美味と聞いたドラゴンの肉のチャーシューを作り、
ラーメン道を極めようとするチャーの野望は叶うのか!?
第6回GA文庫大賞奨励賞受賞のラーメンよりヒロイン推しな異世界ラーメンマシマシラブコメディ!
これこそ本当の飯テロなんじゃないだろうか。正確にはメシマズテロ。読むまで、ちゃんと美味しいラーメンを作る話だと思ってたのに、思ってたのに!
少なくともラーメン作りに関しては、この主人公根本的にアカンです。致命的に終わってます。そりゃ、どれだけ店出しても潰すよ、潰れますよ。ラーメンがマズイ、という以前にこの人、お客に美味しいラーメンを食べさせたい、という基本がまったく頭にありませんからね。自分の思い描く究極のラーメンを作り出すことに終始していて、というか「ぼくのかんがえたさいきょうのラーメン」を作ろうとしているだけなんですよね。あくまでラーメンを完成させるまでの、自身が考えに考え工夫をこらし素材を選出し腕をふるった素晴らしい工程こそが大事で、結果であるラーメンの味というのは眼中にない。なにしろ、究極にして最強の工程によって出来たラーメンは絶対に美味しいから。味見してないけれど、絶対に美味しいから。客の反応が微妙を通り越してバイオテロの被害者となっていても、それは美味しいから、と疑いの余地なく思い込んでいる。
これまで開店したラーメン屋のうち、保健所から営業停止くらったのって全体の何割くらいなんだろう……。こと、ラーメンに関しては現実を見ない、真実を振り返らない、聞く耳持たない。自分が満足すればそれでいい、という姿勢は、正直実際味が向上したとしても、あんまり食べに行きたくはならないなあ。
味についてちゃんと教えてあげるのも友情ですし愛情ですよ? このヒロインたち、甘やかしすぎじゃないですか? まあこのヒロインたちも総じて頭おかしい系だからなあ。
ラーメン作りに関しては壊滅的な腕の持ち主のチャーですが、鍼灸の腕前については天才的。何気に鍼使いって、あんまり記憶に無い主人公のスキルなんですけれど、本来医療サイドの技能にも関わらず、戦闘にも使えるとか、どんな現代の仕事人ですか。その上、鍼を刺すことで魔力の拡張を行えるということで、合法的にヒロインを裸に剥いて全身くまなく触りたおすこと度々。いや、女性陣も恥ずかしがりながらも、嫌がらずに自分たちからほいほい脱いじゃうのは正直どうなの、恥辱心はどこへ? と思わないでもないのだけれど。多少は嫌がってみせるほうが、そそりますよ?


飽くなき欲の秘蹟(サクラメント) 3   

飽くなき欲の秘蹟(サクラメント) (ガガガ文庫)

【飽くなき欲の秘蹟(サクラメント)】 小山恭平/ぺらぐら ガガガ文庫

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僕――世杉見識は目を放すとすぐサボる、意識の低いアルバイトである。自慢することではない。
バイト開始当初は、「能転売業なんてうさんくさ過ぎる、すぐに逃げよう」なんて思っていたけど、異能関係者は変わっている人が多くて、ちょっと楽しいと感じている。
異能というのは――超能力とか秘蹟とか、そんな呼ばれ方をする、とにかく不思議な力のことだ。それは人の願いと共に現れ、いつのまにか消えていく、一時の奇跡である。
そう稀少なものでもないが、誰もが自由に手にできるわけではない。
だから、持たない者は皆こう言う――自分も欲しい。
欲しいと思う人がいるのなら、そこにビジネスチャンスは生まれる。
異能を売りたい人と、異能が欲しい人を結ぶお仕事――異能転売業はこうして成立した。
僕の働く秘蹟商会もそんな異能転売業社の一つである。
店舗は埼玉の片隅にある古い建物。働いているのは店長とアルバイトの僕二人だけ。まだまだ規模は小さいが、明日の成功を夢見て僕らは日夜奮闘している。

「さてと・・・・・・
ポンコツかわいい店長のために、異能力保有者を捜しに行きますか」
第9回小学館ライトノベル大賞審査員賞受賞作。
ガガガ文庫らしい作品だなあ。そして新人作品らしい作品でもある。プロット自体はきちんと最初から最後まで決めていたんだろうけれど、筋立てとは別に序盤は物語が漠然としてるんですよね。描きたいことをどう書くかを手探りで手繰り寄せようとしてる感が伺える。それが、後半に行けばいくほど集束していき密度が濃くなり、鮮明化していく。面白い。
やはり特筆すべきは主人公の見識だろう。事故によって、脳の欲を生み出す機能を損壊してしまい、生存能力を喪失してしまった彼は、「欲」を制御できる外部機関たる「杖」を与えられたことによって、人らしさを保っている。しかし、杖によって自由に欲のあるなし、強弱をコントロール出来る彼は人格も自在に変化させることが出来、それが器だけの中身の無い空っぽな人間の残骸である、というアイデンティティーの欠落というコンプレックスを抱いている。そのせいか、彼の言動はどこかふわふわとしていて芯がない。同時に、何か取り縋るものを求めるようにいつもどこか切実さを内包している。
異能とは、その人が強く求めたものが結実したもの。ある意味、欲の結晶と言っていい。転売目的とはいえ、他人の欲の結晶を買い求めて回る彼の姿は、飄々としていてこだわりなくビジネスライクに見えるのだけれど、ふと異能を持つ人の事情に踏み込んでしまった時、無視できないままその人の欲の果てへと手を伸ばしてしまう。欲、と言うと卑俗な感情、とレッテルを張りガチだけれど、それは人間が生きる上での根源的な欲求であると同時に、人が人間らしく生きるための心を保つための光でもある。時に、欲は祈りに似ているのだ。だから、異能を求めてその人の事情へと踏み込んでいった時、話は異能云々を脇において、その人の心の在りように対することになる。
そこにあるのは悪意であり打算であり、醜い人の有様だ。どうしようもなくクズでゲスでしかない人間が確かに存在することを思い知らされる。そういった人間たちによって、際限なく傷つけられていく人達がいる。
しかし、そんなゴミの山のような人の在り方の中からも、キラキラと煌く宝石のような価値のあるものが生じる時がある。
そうして、欲を無くした主人公は残骸の中で光り輝く欲の結晶を見つけ出し、その過程で壊れ果てた自分の中にも同じ光があることを教えられ、自分と関わった人たちの中にそれぞれ「世杉見識」という人間の心が産み落とされている事を知り、それらを照らし合わせることで己が欲を見つけていく。
祈りであり願いである「欲」を見つけ、それを満たした時、彼はようやく「人間」に戻ることが出来るのだ。それは、自分とは違う形で「器」でしかない事を強いられた女性との間に巡りであった運命であり秘蹟なのだろう。
偽物の中に本物を見出す物語。欲にこそ、正しき人間の姿を求める、人であろうとする、つまりはそんなお話。

天壌穿つ神魔の剣 3 3   

天壌穿つ神魔の剣 3 (GA文庫)

【天壌穿つ神魔の剣 3】 高木幸一/狐印 GA文庫

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【残りの欠片がすべて、こちらに向かってきています】
深夜、喋る剣ルガイアからもたらされた情報に驚いたアークだったが、その背後にある国家レベルの組織の暗躍にも気づくことができた。そして欠片を身に宿したリリアを守るため、アークはある決意をする。

やがて、ルガイアの失われた過去の記憶が明らかになる中、アークは黒髪の女性と出会う。
「お前は……」
「ありがとうございました。アーク・リガード。……さよなら」

ルガイアを巡る世界の危機と対峙する時、神魔の剣が今、目覚める!
高木幸一×狐印が贈る王道ロマンティック・ファンタジー第3弾!
わははは、全部オマエが持ってくんかーい!
元々現代を舞台に青春恋愛小説をメインに書いてきた作者だけあって、ファンタジーでありながら年頃の男女らしい恋愛色を強く感じさせる作品だったのだけれど、最後の最後でこれ、挑戦的な設定で挑んできましたよね。このルガイアの境遇って恋愛小説ならどんと来い、なポディションなんですけれど、ハーレムものに親しんだ読者によっては拒否反応を示すものなのかもしれません。私は、非常にそそられましたけれどね。ガンガン攻めたアークは、肝の据わったいい男ですよ。ごちゃごちゃ抜かさず、惚れた女を振り向かせるために一心不乱に突き進める男というのは、やっぱりイイです。その代わり、と言いましょうか割を食ったのがリリアたち三人娘でもあるんですが。
紆余曲折あって、ついに男のために命賭けれるくらい惚れぬいてしまった自分を認め、それを踏まえてよしやったるぜー、と気合を入れなおしていたら、その男に突然大本命登場である。これってなかなか大ショックですよ。自分たちが夢中になってる男が、突然現れた女に夢中になってるわけですからね。しかも、若干振られ気味だしw
なんじゃそりゃー、となるところを状況の緊迫化と合わせて、ガンガン行こうぜ、と猪突して勢い良く前進していけるあたりが、リリアたちの良い所なのか、恋する乙女の恐ろしいところなのか、まあ明るい前向きさは気持ち的にも助かります。アークも後ろから足を引っ張られずに、むしろ背中を蹴飛ばされた感もあり、背後を気にせずルガイアの元に行けたのは幸いでもあり、これが青春恋愛小説ではなく冒険ファンタジーであった証左なのかもしれません。恋愛小説だと、もうちょっとドロドロ縺れた気もしますし。
しかし、この巻まで剣のシルエットと音声のみで人型を表さなかったルガイアがメインヒロイン掻っ攫っていくとはさすがに思わなかったなあ。話の流れ的に、心臓にかけらを埋め込まれたリリアがそれっぽかったですし、ルガイアは女性人格ということはわかっていたものの、打ち解けてるとは必ずしも言いがたかったですし、相棒でありながら呪いをかけてきた相手、という事でどこか警戒を置かなければならない相手、という印象がつきまとっていましたし。
まさか、アークの方がこれだけベタぼれだったとは思わなんだ。
そして、頑なだったルガイアがついに振り向いた途端、尋常でないくらい甘い雰囲気になってしまったのにはどっひゃーってなもんでした。あかん、つれない女性が全力で甘えだしたときの凶悪さはやはり並々ならぬものがあった!
一番の大問題だったリリアの心臓問題が拍子抜けするほどあっさり解決してしまったことからも、おそらく内容をかなり捲いて完結まで持って行ったのでしょうけれど、このくらいでまとめるのでよかったのかなあ。
ぶっちゃけ、ファンタジー要素は置いておいて、このキャラたちで真っ当に駆け引きしながら恋愛小説してくれたら、それはそれで読みたくもあるのですけれど。やはり、この作者さんはそっちの話で読みたいなあ。

シリーズ感想

ザ・ブレイカー 3.虚ろの神は人世を狂わす3   

ザ・ブレイカー (3) 虚ろの神は人世を狂わす (電撃文庫)

【ザ・ブレイカー 3.虚ろの神は人世を狂わす】 兎月山羊/ニリツ  電撃文庫

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神を名乗る謎の教祖にカナタとリセが拉致され――!?

林間学校を楽しむ葉台高校の生徒たち150名以上が、まとめて拉致される事件が起こる。犯人は、武装した大勢の信徒を率いる、狐面をかぶった少女。
「我が名は“生虚神”。ヒトの未来を担う神でございます」
そう名乗る狐面の彼女こそ、凶悪なテロ計画を密かに進める謎多きカルト教団・黒陽宗の教祖。
拉致された学生、そしてその中にいるカナタやリセも、否応なく、テロへの荷担を強制されるのだった……。
人気サスペンスシリーズ、第3弾!!
また捕まってる!! 1巻からこの3巻まで、皆勤で敵犯罪集団に拘束される主人公とヒロイン。いや、一巻ではカナタは刑務所から招聘されたので少し違うのだけれど、リセについては、捕まってない時間のほうが少ないんじゃないか、というくらいの頻度で拘束されてます。そのせいか、若干対応に慣れが見えてきた感すらあるのがなんとも。
ともかく、またも拉致され拘束されてしまったせいで、カナタの行動には極端な制限がつけられてしまうのですけれど、史上最悪の犯罪者という触れ込みのカナタの能力がこの場合、殆ど対処療法に費やされちゃってるんですよね。事が起こってしまってからそれをリカバーする事にリソースが費やされてしまっているのが、何とも勿体ないというか、いつも後手に回りすぎじゃないか、と思わないでもない。
今回なんか、結局CIROごと出し抜かれた形となり、学校の同級生たちまで巻き込んでしまったわけですからね。最初から捨て駒にするつもりで、釣餌として級友たちを利用する、くらいの極悪非道な心づもりだったならともかく、犠牲については諦める、くらいの強度だったからなあ。悪を為して悪を討つにしろ、偽悪を持って人を救うにしろ、ちょいと中途半端というか天才のわりに実はあんまり結果出せてないんじゃないかなあ、カナタって。今回なんて、教祖さまが最初から意図的に付け入る隙を与えてくれるずさんな計画を立てていたので収まるところに収まりましたけれど、本当に徹底してやる気だったらまずアウトだったんじゃないだろうか、この一件。
実のところ、犠牲はけっこう出ているにも関わらず、物語としてもやや中途半端なんですよね。洗脳やら生徒たちを使ったテロリズムにしろ、触りだけで済ませているので肩透かしだったくらい。特に洗脳の一件なんて、生徒間でもっと地獄絵図な対立が起こるくらい徹底してやるかと思ってたんで、あれだと思想誘導やマインドコントロールにも届いていないんじゃないだろうか。リセが頑張って洗脳を防ぐ、みたいな事もなかったし。
イーグルアイも、あれ本気で言っていたのか、とガクッとなってしまった。いや、同級生連れてCIRO本部に現れるってあからさまに変じゃないですか。それも、ちょうど黒陽宗の本拠地に査察に向かったタイミングで、ですよ。プロなら察しなさいよ、と嘆いてしまいました。あまりな反応に、そうかカナタの意図を組んで演技してるのか、とも考えたんですけどね。メンバーの個々の能力は凄いんだろうけれど、CIROってこれ対テロ組織としては大丈夫なのか、と心配になってしまいました。
一応、黒幕というかすべてに裏で糸を引いていたフィクサーが登場してきましたけれど、とてつもない大物感、とはあんまり縁がなさそうだなあ、という印象。手の届く範囲に降りてきちゃったら、それはもう倒せる敵ですからねえ。

シリーズ感想

はたらく魔王さま! 13 5   

はたらく魔王さま! (13) (電撃文庫)

【はたらく魔王さま! 13】 和ヶ原聡司/ 029 電撃文庫

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天使と勇者の母娘喧嘩は落ち着いたものの、依然仲が悪いままの恵美とライラ。二人の関係にうんざり気味の真奥に、ライラから異世界を救うための“お仕事”の内容が伝えられる。しかしそれに不信感を抱いた真奥は、ライラに自宅を見せろと提案。全力で拒否するライラを尻目に、皆で練馬の自宅へ行くことを決める。
一方千穂は、恵美のために動く真奥を見て落ち込んでいた。二人が仲良くなることを望んでいたはずなのに、ヤキモチを焼いてしまったのだ。しかも二人が異世界に帰ってしまうのではないかと、授業も手につかない。その日の夜、思いがけず梨香から声をかけられた千穂。芦屋と食事に出掛けていたという梨香と、「悪魔に恋する乙女達の女子会」をすることになって――!?
女子会の行方は、そしてライラの自宅で真奥が目にしたものとは!? 庶民派ファンタジー、異世界の真実に迫る第13巻!

……面白いなあ。いや、なんだろう。今回いつもにもまして本当に面白く感じたんだが、なんでなんだろう。なんちゅうかね、千穂にしても恵美にしても梨香もベルも、女性陣の自分でも制御できない感情の揺さぶられ方がねー、生々しいというかダイレクトなんですよね。迫真、というべきか。元々、気持ちの動き方や感情表現、心理描写など細やかで丁寧なものがあったからこそ、この作品の肝ともいうべき「生活感」に、登場人物たちが溶け込んで生きている生っぽさがあったのだけれど、ついにそこに「恋愛」という要素が女性陣のサイドから怒涛のごとく押し寄せてきたわけだ。二桁の巻数を費やした上での満を持しての大攻勢である。それだけの積み重ねと下地をこしらえた上での、発現であり一線を越えて踏み越えてきたわけだ。そりゃあ、面白くないわけがない。まさに、盛り上がりどころ、ですもんねえ。
それもね、これまでずっと仲良くなって親身になって付き合ってきた女性陣が、そのまま仲良しこよしのままじゃなくどうしようもなくお互いの存在を刺激しあうものになってきたわけですよ。勿論、これまで築き上げてきた仲間とか親友とかを通り越した、一種の家族みたいな関係は崩れていなくて、お互い好意と敬意を抱いたままなんだけれど、ただ一点、同じ人を好きになってしまった、ということが彼女ら自身の感情をどうしようもなく刺激して波打たせてしまっている。相手をどうこう、じゃなくて自分に対して大きく意識を持って行かれているあたりが、彼女たちらしいところなんですが。
このあたり、真奥は男として非常に難しい舵取りを強いられる場面なんですけれど、確かに千穂ちゃんに対してかなり一方的に負担を押し付けていたのは間違いないんだよなあ。周りから寄ってたかって叱られるのも無理からぬところなんだけれど、じゃあどうすればよかったのか、というと首をひねらざるをえないところもあって。まあ、お叱りを受けた内容が千穂に対するフォローが足りない、という部分だったので、これはもう真奥当人も納得済みの不徳。
で、あるのだけれど、このへんの恵美の方の感情も面白くてねえ。もう、めちゃくちゃ面白くてねえ。真奥とライラの話を立ち聞きしてしまっている恵美の、あのシーンの心の動きは本当に面白かった。
あの後の、ベルに恵美が吐露した気持ちの形容は、あれは表現としては絶賛に値すると思う。ものすごく具体的なんですよね。持って回った言い回しでありながら、あれだけ生々しく恵美が今現在抱いている真奥への気持ちを表現したものは、なかなかないんじゃないだろうか。あれ、変にダイレクトに言うよりもよっぽど気持ち伝わってきた。伝わってきたからこそ、それを聞かされたベルはベルで、あの瞬間どれほどいろんなことを考えたかを想像してしまって、それがまたゾクゾクするわけですよ。

さて、それぞれの恋愛模様が加速し始めている状況で、だからこそ再びスポットがアテられつつあるのが、ただの人間と、それ以外の悪魔や天使たちといった人外の存在との種族差である。今、真剣に自分たちの関係の先を考えるようになった時に、どうしてもこの人種差という厳然とした壁の存在が突きつけられてきたわけですね。一方で、ライラと恵美パパの人種を超えた夫婦の存在、というものも、彼らの登場によって実例を伴って現れてきたわけで。
面白いのは、同時に明らかになりつつある世界の真実の内容が、悪魔と天使が元々「人間」と同じ存在だった、というところだったりするんですよね。一つのテーマに対して、様々な方向から提議が集束していくんですよね。面白い。

しかし、今回色々と激動にして驚愕の真実が明らかになりましたけれど、やっぱりライラが一番度肝抜かれたですよ。うん、びっくりした。
真奥たちが彼女に抱いていた不信感のひとつはよくわかるもので、つまるところ彼女にだけ地に足の着いた生活感がなかったんですよね。ちゃんと、この地球に生活基盤を築いている節が感じられなかった。仕事して収入を得て、衣食住を手に入れて、生活している気配が感じられなかった。これがないものだから、彼女は真奥たちが守ろうとしている生活というものに対して、根本的に理解が及んでないんじゃないかと、不信感を持ってたんですね。ところがどっこい、彼女は彼女でちゃんとこの日本で住むところと収入を得るための仕事を持っていたわけです。思っていた以上にちゃんとした。もう凄いわ。この作品、凄いわw
ライラみたいな存在ですら、ちゃんと生活実態を持たせているとか、すごいわw
これはもう、有無を言わせず真奥も恵美も納得したんじゃないだろうか。一発で不信感の大半は吹っ飛んだ気がする。とりあえず、話をちゃんと聞くくらいの聞く耳を持つ納得は得たんじゃないだろうか。

それから、今回ジャケットで大いに自己主張している梨香さん。ついに芦屋との関係に自ら踏み込んでいった彼女ですけれど、なんちゅうかこの人、姉御やねー。想像していた以上に、根性あるわ。正直、芦屋との関係は難しいんじゃないかな、と思ってたんだけれど、今回彼女が見せてくれた色んな顔は、凄く良かったんですよね。なんか、凄く好きになったわ、この人。決して千穂ちゃんに見劣ってないと思う。敬語とかすっ飛ばした、あの素の表情は、思ってたよりも芦屋とお似合いな気がするんだよなあ。
うん、見る限りではこれ、十分脈ありな気がします。当人、もう完全に斬り捨てられたつもりみたいですけれど、むしろあれ、逆にあそこで芦屋の方、撃ちぬかれた可能性すらあるんじゃないか?
なんか、芦屋は芦屋で妙な動きしているっぽいですけれど。千穂が気づかなかったら、読んでるこっちはさっぱり違和感感じなかったレベルですけれど。これって、先日芦屋がさらわれてエンテ・イスラに連れて行かれた件、けっこう重要な伏線になってくるんだろうか。

シリーズ感想

路地裏バトルプリンセス 3 4   

路地裏バトルプリンセス 3 (GA文庫)

【路地裏バトルプリンセス 3】 空上タツタ/平つくね GA文庫

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「デートなさい。恋愛は先手必勝の戦いじゃなくって?」
日月と來未の師弟関係に危機感を募らせていた小町に対して、ある日囁かれる親友・茜からの悪魔の囁き。(…そ、そうよね。來未さんにオトされちゃうかもしれないし)こうして一大決心した小町は、茜のアドバイスのまま“身体”を使って大胆アプローチ!? 一方路地裏で再開した“血闘”は早くも大盛り上がり。注目ルーキー“二代目魔王少女”の次戦はもちろん、近々トップランカー同士の下極上戦があるようで―。恋もバトルも一撃必殺!白熱の路上バトルアクション第3弾!!

なるほどなあ。この帯の「認めてもらいたい」というのはわりと重要なこの作品のコンセプトなんですよね。この作品において、闘うということは自己認証であり、自己証明であるわけだ。決して、強さを証明したいわけではなく、勝ち負けにこだわるのではなく、闘うことを通じて自分の今の在り方を必死に証しだてようとする者たちが、血闘者と自らを名乗っている。それ以外の、ただ力を示そうという行為、欲望を押し付けようとすること、意思なき力は往々暴力として忌避され、否定される。それはふるうべき力ではない、と制止される。
この境界線上というのは、非常に曖昧で関係者以外には、いや当事者である血闘者たちですらなかなか理解しきれていないのだけれど、その境目をきっちりと区切りわけてそれを跨ぎ越えようとするのを止めようとし、或いは背を向けようとする人に理解を促すのが、小町であり來未であり、自らの今現在を、自分が今ここまで至ったのだ、というのを証明する為に闘っている者たちの、プライドでありひいては証明の場である“血闘”の意義を守るための守ろうとしているものなのだ。これは、実のところ最初の巻から一貫しているのだけれど、まさか恋する自分を証明するためにその相手と殴りあう、というところにまで至るとは思っていなかった。殴りあって友情が芽生えるのはまあ昔からよくあることなのかもしれないけれど、自分たちが恋しあっている事を認め合い向き合うために、その男女がガチでボコり合う、というのはさすがにちょっとどうかと思ったんだけれど、こればっかりは人それぞれですしなあ。あくまでそのカップルの向き合い方であって、さすがに小町や來未は恋の証明を血闘で示そうという女の子ではない……と、思いたい。來未に関しては、弟子として成長を示すために師匠と拳交えます、とか言い出してもおかしくはない子なんですけど。
でも、こうして見ている限りでは、來未はあくまで弟子なんですね。小町はかなり恋敵として警戒していますけれど、あの無邪気さに下心は見えないからなあ。尊敬が思慕に変わることは容易にあると思うけれど、今の段階ではまだ、と言えるでしょう。その意味では、小町の恋する少女としての魅力はあふれんばかりで、多少自爆したり自分で設置した地雷を踏んづけて死亡したりもしていますが、それも可愛げの中に含まれていて、圧倒的に可愛いのですよ。
日明は相手からの感情には鈍感かもしれませんけれど、でも自分の感情に対しては鈍感ではないはず。そんな素振りをあちらこちらで見せていますし。小町は気持ちを伝えるということに関しては空回りしっぱなしでしたけれど、決して失敗ではなくて、想いは伝わらなくても魅力はきっちり伝わっていたんじゃないかな。
と、思っていたところに最後の最後で小町、ばっちり決めてくれましたけれど。この娘は凄く乙女だけれど、決めるときは決めるカッコイイ女性だなあ、こういうところ。

1巻 2巻感想

セブンスターズの印刻使い 1 3   

セブンスターズの印刻使い 1 (HJ文庫)

【セブンスターズの印刻使い 1】 涼暮皐/四季童子 HJ文庫

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伝説の冒険者集団《七星旅団》の六番目にして、魔力を制限する呪いにより絶賛開店休業中の魔術師アスタ=セイエル。
彼は解呪手段を求め入学した魔術学院で選抜者試験に巻き込まれたのを切っ掛けに、再び戦いの表舞台に立つことを決意する。
――最強の一角と謳われた印刻使い《紫煙の記述師》が紡ぐダンジョン系王道ファンタジー、ここに開幕!
ウェブ版は既読。文庫になると、一巻ではここで終わってしまうのか。ぶっちゃけ、この巻で進行した分ってほぼ序章くらいのものなんですよね。実はキャラ紹介にも至ってないんじゃないだろうか。何しろ、主人公のアスタを含めて全員、「何も見せてない」に等しいわけで。いやでも、先々を知らない人にとってはこれでいいのか。現時点で彼ら彼女らの見せ札は、「このくらい」で適当なのでしょう。考えてみれば、適時適量見せるべき時に伏せていた事自体伏せていた札を開いてみせるタイミングの良さこそが、演出のハッタリを映えさせるものですしねえ。
私がこの作品で好きなのは、まさにそのハッタリの効かせ方なわけでありまして、最初から無造作に垂れ流ししてしまっていたら、そりゃあイカンわなあ。だから、最初はアスタにしても、他の四人の学生たち、シャルにしても、レヴィにしても、ピトスやウェリウスにしても、この段階ではこの認識で良いわけだ。このくらい、と思っていたそのキャラの目分量を、どんどんひっくり返されていくからこそ、痛快感がもたらされるものなんですよね。実際、この学生四人のうちの二人に関しては、最初の印象を二度三度と盛大にひっくり返されて、まんまと絡め取られましたし。

さて、肝心のアスタはというと、最盛期の力を失っているわけですけれど、彼の強さの面白いところはステータス的な強さとは全然違う、一般的なルールの範疇外のところにあるんですよね。上ではなく、外、というべきか。これは盤上で戦っている人にはまったく認識できないというか意味がわからない土俵上のことで、それこそ「何をやってるかわけがわからない」のである。これは恐ろしい。何しろ、意味がわからなかったらどう対処したらいいかわからないし、そもそも何をされているかわからなければ、対応しようと思うことから出来ない可能性すらある。
この作品の面白いところは、凄ければ凄くなるほど、理解できない意味不明さ、になっていくところか。起こる現象は理解できても、何をどうやってどうすればそうなるのか、さっぱりわからない、という風になっていく。わからない、理解できない、意味不明、ということはすなわち、「底が知れない」という事に繋がるわけで、やはり底知れ無さというのはシンプルにキャラクターの格に対するハッタリに効果的なんですよね。こういうハッタリを、主人公だけではなく、わりと満遍なく色んなキャラクターに散りばめているので、目線を引っ張られるキャラがそれこそ多様にいるのである。
一方で、能力的には底知れなくても、内面的には過去に苦しみ、現状に悩み、先を見て迷い、一歩一歩進んでいたり、実は立ち止まったままだったり、がむしゃらに足掻くばかりだったり、と地に足をつけて、というのはまた違うんだけれど、色々と思い悩む若者たちでもある。勿論、何を考えているかわからない得体のしれない部分をそれぞれ持っているんだけれども、そんな余人にはうかがい知れないモノを抱え持っている、という不透明さもまたキャラの魅力というもの。
魅力的なキャラがたくさんいる、というのはそれだけで作品そのものの武器になり、アドバンテージになりますしね。

とりあえず、今回は盤上に幾つかの駒を箱から出して転がした、くらいの段階で駒の配置すら済んでいない状態なので、話が話として動き出すのは次回以降となるでしょう。とりあえずは、ピトスの本領発揮待ちかなあ。

2015年8月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

月末発売のファミ通文庫、スニーカー文庫、コバルト文庫、HJ文庫、ビーンズ文庫などは来月送り。


読んだ本の数:46冊 うち漫画:12冊


気が付かなかったのだけれど、8月中にどうやら読書メーターに登録していた読了本が一万冊を超えた模様。
自分が所有していた本と確実に読んだ記憶がある本しか登録してないので、厳密には正確でないのですが、はたしてこれを多いと見るべきか、自分の年令からしてこれだけと思うべきか……。
最近よく思うようになったのだけれど、ただ本を読む、という一事に関してさえ人間の寿命は短すぎる。全然足りない。よくファンタジーとかで長命の種がやることなくなって生きる事に飽いてしまう、とか言ってるキャラを見るけれど、その度に探せばやることなんざなんぼでもあるだろうに、と思ってしまう。

先月も書いたのだけれど、新刊の消化率が減少し、積み本の崩し分が増えてきている。追っつかないのよね。お陰で、積み本の中にも面白いの確実、という作品が山となってきているから、読む本読む本期待値に至るかそれを上回るものばかりで、ご覧のように四つ星級がザックザクという状態だ。
と、そんな中でも超おすすめが、この下のこれ、【筺底のエルピス】。第一巻も瞠目に値する名作の気配プンプンさせてた作品なんだけれど、2巻になったらさらにブースト掛かって、もうどう見ても超大作。2巻にして恐ろしいまでの貫目がでてきてる。これは凄い。

新作の中で特に期待しているのは瀬尾さんの【横浜ダンジョン】。ちょうど富士見でシリーズ展開していた【スカイワールド】が完結したところだし、ぜひあれを上回る代表作を目指してほしいシリーズであります。



★★★★★(五ツ星) 1冊

筺底のエルピス 2.夏の終わり】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

【筺底のエルピス 2.夏の終わり】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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こいつは大作だっ! 2巻にして圧巻の展開すぎる。まだ2巻だよ!? 


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 3冊

不戦無敵の影殺師(ヴァージンナイフ)5】 森田季節/にぃと ガガガ文庫
となりの魔王 襲来編】 雪乃下ナチ/ちほ ビーズログ文庫アリス
いつか世界を救うために クオリディア・コード】 橘公司/はいむらきよたか 富士見ファンタジア文庫

【不戦無敵の影殺師(ヴァージンナイフ)5】 森田季節/にぃと ガガガ文庫

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大切な人を喪った時、取り残された者はどう生きるのか。それを迫真とともに描いたシリーズでも屈指の傑作回でした。


【となりの魔王 襲来編】 雪乃下ナチ/ちほ ビーズログ文庫アリス

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ヒロインのキレッキレなツッコミと地の文が冴え渡る爆笑日常コメディ第二弾。この作者さんの言い回しは本当にセンスがあって面白いのよ。


【いつか世界を救うために クオリディア・コード】 橘公司/はいむらきよたか 富士見ファンタジア文庫

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クソ真面目にアホなことを貫徹させることに関しては、この橘さんはちょっと極まってる部分すらあるなあ。


★★★★(四ツ星) 14冊

戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 2】 SOW/ザザ  HJ文庫
異世界食堂 2】 犬塚惇平/エナミカツミ ヒーロー文庫
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 4】 羊太郎/三嶋くろね 富士見ファンタジア文庫
埼玉県神統系譜】 中村智紀/shimano ガガガ文庫
コップクラフト 5】 賀東招二/村田蓮爾 ガガガ文庫
東京侵域:クローズドエデン 01.Enemy of Mankind (上) 】 岩井恭平/ しらび 角川スニーカー文庫
絶深海のソラリス 】  らきるち/あさぎり MF文庫J
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 12】 川口士/片桐雛太 MF文庫J
ストライク・ザ・ブラッド 13.タルタロスの薔薇】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫
横浜ダンジョン 大魔術師の記憶】 瀬尾つかさ/やむ茶 角川スニーカー文庫
仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》】 すえばしけん/マニャ子 GA文庫
聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13】 あわむら赤光/refeia GA文庫
アルバート家の令嬢は没落をご所望です 2】 さき/双葉はづき 角川ビーンズ文庫
リーングラードの学び舎より 2】 いえこけい/天之有 オーバーラップ文庫


【戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉 2】 SOW/ザザ  HJ文庫

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【異世界食堂 2】 犬塚惇平/エナミカツミ ヒーロー文庫

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【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 4】 羊太郎/三嶋くろね 富士見ファンタジア文庫

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【埼玉県神統系譜】 中村智紀/shimano ガガガ文庫

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【コップクラフト 5】 賀東招二/村田蓮爾 ガガガ文庫

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【東京侵域:クローズドエデン 01.Enemy of Mankind (上) 】 岩井恭平/ しらび 角川スニーカー文庫

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【絶深海のソラリス 供曄 らきるち/あさぎり MF文庫J

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【魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 12】 川口士/片桐雛太 MF文庫J

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【ストライク・ザ・ブラッド 13.タルタロスの薔薇】 三雲岳斗/マニャ子 電撃文庫

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【横浜ダンジョン 大魔術師の記憶】 瀬尾つかさ/やむ茶 角川スニーカー文庫

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【仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》】 すえばしけん/マニャ子 GA文庫

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【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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【アルバート家の令嬢は没落をご所望です 2】 さき/双葉はづき 角川ビーンズ文庫

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【リーングラードの学び舎より 2】 いえこけい/天之有 オーバーラップ文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

スヴェン (戦うパン屋と機械じかけの看板娘)
立花孝介 (埼玉県神統系譜)
冬川朱雀 (不戦無敵の影殺師)
瀬野夏織 (となりの魔王)
アイシュ (絶深海のソラリス)
坂霧彩 (横浜ダンジョン)
真藤冬音 (横浜ダンジョン)
真藤春菜 (横浜ダンジョン)
黒鉄響 (横浜ダンジョン)
紫乃宮晶 (いつか世界を救うために)
阿由葉秋輔 (仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》)
メアリ・アルバート (アルバート家の令嬢は没落をご所望です)
ヨシュアン (リーングラードの学び舎より)



以下に、読書メーター読録と一言感想。

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リーングラードの学び舎より 2 4   

リーングラードの学び舎より 2 (オーバーラップ文庫)

【リーングラードの学び舎より 2】 いえこけい/天之有 オーバーラップ文庫

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「節制?」「はい。掲示板に節制の協力を求める告知がありました」
前代未聞の計画「義務教育」を進めるリーングラード学園で、意外な問題が浮上した。
それはまさかの『予算不足』。
外部との取引に何者かの妨害工作が行われ、このままでは学園の経営も危ぶまれる事態に。
ヨシュアンは自分の生徒たちが独自に金儲けを企み始めるのを的確にオシオキしつつ、学園全体を巻き込んで対策を検討し始める。
それは「生徒たちの自主性も活かしつつ、学園の経済活動を活発化させる」という秘策で――!?
破天荒な教師と生徒たちがファンタジー学園物語、二時間目の授業スタート!

うむむ、思わず唸ってしまった。思っていたよりも遥かに真剣に「教育」という主題に向き合ってる作品だったんですねえ、これ。資金不足とか貴族勢力の横槍とか主人公の過去、という普通は本題になりそうなものこそお囃子であって、あくまで「義務教育」という未知の概念を叩き上げていくと同時に、主人公も教師とは何なのか、生徒にものを教えるということはどういうことなのか、というのを実地で学んでいく話でもあるわけか。一巻よりもさらに「教育」がテーマとなるエピソードが掘り下げられていっているような感がある。これは、ヨシュアンが本気で教師という生業に取り組みだしたからか。一巻では自分なりのやり方でグイグイと突き進んでいたものの、本気で教師として教育に取り組みだすと所々でつまづきが生じだしてしまうわけである。
これ、わかりやすい失敗、とかではないんですね。どれも、気にせずに無視すれば、そのまま進めてしまうような事なんでしょう。でも、生徒たちをどう成長させていくか、に真剣に向き合った時に蔑ろにしてはいけない大事な部分でもあったわけです。同僚の先生とのディスカッションで送られたアドバイスは、なかなか耳に痛いものが多く、読んでいるこっちもなるほどなあ、と頷いたり首を傾げたり。
でも、生徒ひとりひとりどう考え、どう受け止めて、どんな事を思い描いているのかを、きちんと観察し解釈しどう導いてあげるのか。果たして、本職の教師のどれほどがこれほど生徒個人個人に取り組めているのか。先生の生徒の受け持ち人数、少人数が良いというのはこういうのを見る限り、大いに納得できるんですけどね。
自分の知っている何かを教えるのは、簡単……とはイカないか。それはそれでスキルや何やが必要で難しいことなんだろうけれど、まっさらな白紙の状態である子供たちに施す「義務教育」で求められているものは、きっともっと違うものなんだろうね。教えるだけじゃなくて、一緒に考える、一緒に探す。決められた答えなんかなくて、一人ひとり違う過程をたどり、違う答えへと続いている。それをいちいち見つけ出すのは、どれほど大変なことか想像もつかないけれど、彼らがやろうとしていることはそういうことだ。
教師たちが迷い、頭を悩ませ、失敗を反省し、手探りでより良き在り方を探り出そうとしている。この二巻は生徒じゃなくて、先生たちのお話で、それが何ともむしゃぶりつきたくなるくらい面白かった。なかなか、先生サイドのこういうアプローチはないですからねえ。年齢的にも先生たちに共感しちゃうなあ。

1巻感想

筺底のエルピス 2.夏の終わり5   

筺底のエルピス 2 -夏の終わり- (ガガガ文庫)

【筺底のエルピス 2.夏の終わり】 オキシタケヒコ/toi8 ガガガ文庫

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新たなる棺使いたち。《門部》最大の危機。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。

人類の世界にこれまで六度、虐殺と大戦争をもたらしてきたという白い鬼。その七体目の憑依者を巡るバチカンとの戦いを経て、ひとりの少女を保護することになった《門部》だったが、流星群が天を薙ぐ真夏の一幕の裏で、世界の運命は大きく狂いだそうとしていた。

謎に包まれた第三の鬼狩り組織の襲来。情報統制を敷く《門部》式務。そして、それに抗おうとする離反者たち。様々な思惑が交錯する中、恐るべき柩使いと青鬼の出現によって、平和な夏が切り刻まれていく。
第三勢力《THE EYE》とはいかなる組織なのか。式務が隠し通そうとする秘密とは何なのか。そして《白鬼》を守るべく戦う封伐員・百刈圭たち待ち受ける、恐るべき運命とは――。

人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、激動の第二章。
『波の手紙が響くとき』でも好評を博す、オキシタケヒコが手がけるSF異能バトルアクションシリーズ第二弾。
イラストは各方面で活躍中のtoi8が担当。
……うはー(呆然
これ、とんでもないスケールの超大作じゃないですか。圧巻過ぎて、読み終えてからしばらく呆けてしまいました。うむむ、凄い。この作品って、一巻では登場人物たちの内面を丹念に掘り下げて、それぞれが抱え持っていた心の問題、過去の因縁を由縁とする歪みや感情の縺れなどを一つ一つ解きほぐし、人としての成長を促していくタイプの作品であり、その方向においてもかなりの名作の気配を漂わせていたのですよ。ストーリーテリングと物語の構造が美しいと思える巧さがある上に、丁寧な積み重ねから描き出されたキャラクターの人物像が魅力的に映しだされるタイプの、ね。
だから、2巻も基本路線はそれを踏襲すると思ってたんですよ。物語の背景には人類が絶滅する未来、という巨大なものがそびえ立ってはいても、あくまで構成要素以上のものではなく、基本的には同じ路線を、ね。
ところがどうして、一巻の個々人に焦点を置くスタイルは蔑ろにしないまま、そこにSF要素をこれでもか、とかぶせてきたんですよね。
一巻の段階で圭や叶がそれぞれ抱えてきた問題が調律され、メンタル面が安定したのを踏まえた上で、個人の問題ではなく、世界規模の、人類の未来に関する問題を突きつけてきたわけですよ。元々、人類の存亡、すでに決まってしまっていた人類が滅ぶ未来を覆すために絶望的な戦いを続けてきた《門部》の一員として、すでに圭たちは渦中にあったわけですけれど、それだけでは足りない、とばかりにすでに整えられていた舞台そのものをひっくり返す大業に打って出てきたわけです。正直、2巻の段階でここまで劇的に物語を動かしてくるとは思いませんでした。これ、よっぽど登場人物が仕上がってないと、ついていけないレベルの激動の展開ですよ。しかし、それだけ圭と叶、結たちが仕上がった、という手応えがあったんだろうなあ。恐るべきは、この巻が実質の初登場である新キャラたちも、物語が激流に流されだす後半までに立てきってるところなんですよね。運命を共にする、一蓮托生の仲間たちを見事に成り立たせたわけである。前半の日常パートが、拗れてしまった人間関係を修復することを目的としてみんなが動いていたことも、この作品の特徴なんですよね。圭と妹の拗れてしまった関係が、叶が抱え込み人格を曲げてしまっていた闇が、手を差し伸べ合うことで解きほぐされていったように、丹念にそれぞれの人物を掘り下げていくことで、上手いことキャラの魅力を立たせている。
個々人のミクロなスケールと、人類や世界を対象としたマクロなスケールが絶妙に両立してるんですよね。これが、物語の、作品そのもののスケール感をずっしりとした中身付きで感じさせることに成功している。読み終わった時に、これは大作だ、と大きく息をついてしまうほどに。
どんでん返しが起こった実に良い所で終わっているだけに、前のめりになったところでおあずけくらったようなものだけれど、これは釣り上げられても仕方ないですよ。

前回に引き続き、或いはそれを上回る勢いで、バトルシーンの緊迫感と精妙さも面白さがパワーアップしていました。圧倒的超越者相手に、絶対に敵わないと思い知られる能力差。そんな相手にどう立ち回るのか。まさにインテリジェンスを炸裂させた戦闘シーンには大満足でした。
2巻でこの盛り上がりは反則とすら思うけれど、文句なしに面白かった。これはオススメです。

にしても、ダークサイドから立ち直った叶ちゃんは、良いヒロインにパワーアップしましたねー。結構フラグも立ち出しましたし、恋愛パートが本格化したら相当可愛いことになりそう。そのへんも大いに期待。

1巻感想

幻葬神話のドレッドノート 3   

幻葬神話のドレッドノート (GA文庫)

【幻葬神話のドレッドノート】 鳥羽徹/赤井てら GA文庫

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剣と魔術を駆使して幻獣と戦う人類の守護者・戦技魔装士。その養成校に入学した御霊志雄と御霊日輪は、早々に新婚であることを発表したり、公衆の面前で盛大に惚気たりとお騒がせ気味。だが二人が伝説級幻獣をたやすく討伐してしまったことで、周囲からの好奇の目は畏怖と尊敬へと変わり始める。そんな彼らの目標はかつて地上を蹂躙し尽くした七柱の神話級幻獣を滅ぼすことだった!異端の天才(夫)×無双の戦姫(妻)、旧き神話に幕を引く、夫婦の伝説が始まる!比翼連理のデュアル・ヒロイックファンタジー開幕!!!
うわぁ、何年ぶりだろう。【オキアヌス】や【ボーイ・ミーツ・ハート!】の鳥羽徹さんが久々に新作引っさげて復活ですよ。特に【ボーイ・ミーツ・ハート!】は抜群に面白かったシリーズだけに、2巻が出て以来パタリと音沙汰なくなってしまって、寂しい想いをしたものでした。
しかし、話がスタートした時点で既婚とは、なかなか意欲的じゃあないですか。完全にメインヒロイン固定ってことですしね。内容を見ても、夫婦仲に暗雲が、というふうな展開を持ってくるような雰囲気の話でもありませんし。出来上がっちゃってますもんねえ。まず結婚ありき、の仲ではなくておもいっきり恋愛結婚ですし、信頼と絆が覚悟と執着によって完成してますからね。これは心が離れようのない、離れたら即座に死ぬタイプのカップルですやん。比翼連理とはまさにまさに。
しかし、同時にこの二人で戦力的にも物語の核としても完結してしまっているので、色んな意味で余人が入る余地がないのも確かなんですよね。普通に、仲の良い友達も出来るのですけれど、果たして彼女らが彼らの物語の中に主要人物として食い込んでこれるのか。今回に関しては、どうしても「外側」から入ってこれませんでしたからねえ。彼らに絡む事のできるのは、今のところ「敵」だけであって、夫婦と七柱の幻獣という強固なライン一筋だけなんですよね。ここから、物語をこのライン以外に発展させていける余地があるのか。まあ、その必要がない、という考え方もあるのでしょうけれど。
夫婦であることを秘密にするわけでもなく、最初からぶちまけてしまうあたりは度肝を抜かれましたけれど、もうちょっとイチャイチャしても良かったんじゃよ?
重い陰を背負った主人公の志雄に、自分という重石を乗っけるだけの偉業をやり遂げた日輪は実際大したものだと思うのだけれど、ここはそれ以上の戦果を求めたくなるじゃあないですか。覚悟を据えてしまっている志雄のそれに、堂々と付き添うその雄々しさはちょいと惚れぼれするくらいなのですが、甘え方もけっこう上手でわりと二人で過ごすときはベタベタしてるのですが、この男の子はもう少し堕落させてあげてもいいんじゃないか、と思えてくる。彼の真面目さに対して、わりと甘いんですよねえ。甘えてる一方で、けっこう旦那を甘やかしてますよ、この奥さん。恋人とか婚約の段階じゃなくて、既婚なんですからやることはやっちゃえばいいのに。まあ、子供が出来てしまったら大変なので節制が求められる部分なのかもしれませんけれど。

しかし、GA文庫は【落第騎士の英雄譚】もそうですけれど、ヒロインを一人に固定するケースに寛容というのは、今の御時世に挑戦的じゃないですか。って、落第騎士の英雄譚しか他に見当たらないので、レーベルでくくる件ではないのかもしれませんけれど。でも、ぜんぶ右に倣えじゃなくて、多様性がないと先細りになってしまう、というのはどんな分野方面でも良く言われることですし、もっと試みてもいいと思うんだけれど。その意味では、【落第騎士の英雄譚】は良き先駆となった、と見るべきか。

個人的にはこの一巻では志雄の掘り下げの方に重点を置いていて、日輪は彼を支え補う役割を果たしている面に焦点があたっていて、若干日輪という女の子のキャラの魅力を映えさせる場面について物足りない部分があったので、次回はもうちょっと日輪の方にフォーカスをあててほしいなあ、と思う次第。ちょっと、夫婦としての、という点に比重が傾いていたかなあ、という感じで。微妙な感覚なんですけどね。
鳥羽さんは、これまでの作品見ても女の子の描き方は抜群におもしろ愉快に可愛らしく描ける作家さんだっただけに、日輪という娘のポテンシャルはまだまだこんなもんじゃないぞー、という期待含みで。

鳥羽徹作品感想

アルバート家の令嬢は没落をご所望です 2 4   

アルバート家の令嬢は没落をご所望です (2) (角川ビーンズ文庫)

【アルバート家の令嬢は没落をご所望です 2】 さき/双葉はづき 角川ビーンズ文庫

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表向きは才色兼備の大貴族の令嬢、本性はコロッケ好きで変わり者のメアリ・アルバート。従者のアディは唯一の理解者で、いつも一緒だった。実はアディはメアリにずっと片想いしているけれど、メアリはまったく気づかない。そんな中、メアリがアディを置いて留学することになって!?「どうか俺だけを、一人の男として隣に置いてください」長年のアディの想いは実るか否か!?爆笑胸キュンラブコメ、見逃し厳禁の第二巻!!
どうも、このデザインのアディは慣れんなあ。こんな余裕たっぷりのイケメン男子じゃありませんからねえ。あのすっとぼけて結構三枚目で、メアリをからかう一方で散々引っ掻き回されて涙目なってるのが良く似合う、親しみやすい兄ちゃんだからこそ、好きなわけですから。
ともあれ、悪役令嬢ものとしてゲームのクライマックスを目指すコメディものは前回第一巻でたどり着いた本作、ゲームシナリオ的には終了して、筋書きのないその後のお話となった今回は、ラブ増強のラブコメ仕様となっております。それでも、単純にだだ甘の当分高めのラブラブものにならず、相変わらず常識を踏み外したメアリお嬢様の暴走コメディとして笑い混じりに恋愛調が高まっていくのは、読んでいても楽しかったです。
アディが必死の思いで執事としての分を踏み越えて、メアリの傍らに寄り添う資格を手に入れようと決意した途端、メアリがやらかしたあのシーン。あれは笑った笑った。
アディ、あれ目的を達するための手段としてそれを要求したにも関わらず、メアリってば手段としてのそれを与えるために、アディの最終目的であるそれをぽんと与えちゃうんですから。
その手段を得ることだけでもかなり一杯一杯の思いで告げたにも関わらず、手段よりも先に目的を手に入れてしまったアディの唖然呆然っぷりは、もう色々酷いです。肝心のメアリときたら、自分が何をやらかしたか、さっぱりわかってなかったわけですしね。アディ、かわいそうなのかおめでとうなのか、あのわけの分からなさっぷりは素晴らしかった。
一方で、ここから眼の色変えて躍動し始めるのがパトリックである。彼の食い付きっぷりから、八面六臂の勢いで怒涛のごとく動き出す彼の辣腕、豪腕っぷりは、それまでのスマートなイメージを覆す迫力で、キャラ変わってませんか、これ?w
ただ、ここからさらにパトリックという、メアリの元婚約者である青年のキャラクターが魅力たっぷりになっていくのも確かなんですよね。恋によって結ばれなかったものの、幼馴染として、親友の恋人として、最高の友人となるパトリック。アディとの男同士の気心の知れた悪友という感じの付き合いかたも、すごく感じよくて、メアリとアディ、パトリックとアリシアのダブルカップル、四人が一緒にいるシーンのしっくり感は、見ればみるほど笑みが浮かんでくる光景で、いいんですよねえ。
ダンスパーティーで、アシリアがメアリを捕まえて離さなくて、アディ涙目、とかアリシアのダンプカーっぷりはずっと健在なのですけれど。考えてみると、アリシアとパトリックのこのパワフルすぎる行動力カップルは、本来主人公ヒロインカップルとして見ると、盛大に外れてますよねえw

この巻で一番好きなシーンはやはり、メアリがようやくアディの気持ちと自分の気持ちに気づいて、それをふわふわしたままみんなに告げて回るシーンでしょう。あそこのメアリは、うん、めちゃくちゃかわいかった。あそこまで女の子に幸せな顔をさせたアディは、よくやったと言いつつ蹴飛ばすべきでしょうね。実際、この後全方面からいじられまくったみたいですし、アディくん。


留学先のエピソードや、そこで仲良くなってしまった泣くのがデフォのパルフェットたちとの話もけっこう好きなのだけれど、ここらへんはちょくちょく削られた部分も多いか。あのカリーナさんの超ドS系令嬢化がなくなってしまっていたのは、かなり残念なんですけどね。あのカリーナはキャラ立ってたんだけれどなあ(笑

大いに笑い、大いに和み、大いにニマニマ出来る、素晴らしいラブコメでした。あー、楽しかった。

1巻感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13 4   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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亜鐘学園にも卒業式の日が訪れた。
実戦部隊の次期隊長も決まり、敬愛する先輩たちが旅立っていく朝に諸葉が思い出す記憶とは――

「大人しく性欲の餌食になれぃ!」
斎子と真夏のセクハラ海水浴!

「モロハ、遠慮なく揉むのデース」
ソフィの大胆すぎる勘違い?

「兄様、もう脱げないよぉ……」
「諸葉の全裸は私が守る」
女子寮騒然の脱衣ポーカー大会開催で諸葉の貞操が大ピンチ!!

心拍数ドキドキの肌色シチュエーション満載な嬉しすぎる大騒動♪

一方、遠くロシアの地にも勇気ある別れの星が瞬いた。

めくるめく展開に興奮必至の学園ソード&ソーサリィ、危険な第13弾!!
久々に見たなあ、こんな酷い表紙絵(苦笑 いや、男の尻が揉まれてるジャケットデザインとか見たこと無いから久々どころじゃないかもしれない。

というわけで、石動先輩たち三年生の卒業に合わせていくつかのエピソードを盛り込んだ短篇集。12巻と次の巻を繋ぐ幕間回でもあります。石動隊長たち三年生が抜けることで、実戦部隊も新体制を迎えることになるのだけれど、Aランクの石動隊長を始めとして実力を持つメンバーの多くが三年生に偏っていたために、彼らがごっそり抜けるのはかなり不安だったんですよね。静乃とサツキ、そして春鹿先輩を除くとCランクすら殆どいない本当に心もとないメンバーだけに、諸葉に頼り切りになってしまうのではないか、と。
そこの懸念は三年生諸氏も共有していたようで、石動隊長の後任となる新隊長の人選は、ある意味すごく納得でした。思えば、登場当初から人の上に立つべき資質は折々に触れて示してましたもんね。あれだけお調子者でやかましく鬱陶しい人間にも関わらず、メンタルのブレの無さはもしかしたら石動隊長よりも頑強かもしれないし、周りのこともよく見ているし、諸葉に対しても一切特別扱いせずに最初から先輩風吹かしてましたからねえ。諸葉に対して一貫して色眼鏡で見ないで、ちゃんと後輩として接してたのって実はこの人くらいなんじゃないだろうか。あれだけ突出していた諸葉が、あっさり実戦部隊に馴染んだのってこの人のお陰、という面は間違いなくある、と思われ。
普段は馬鹿ばっかりして迷惑かけまくるだろう人だけれど、肝心なときにはすごく頼もしいんじゃないだろうか。石動隊長みたいに全力で引っ張るタイプじゃないけれど、むしろこういう支えなきゃ、こっちがちゃんとしないと何やらかすかわからねえ、というアホな隊長の方が今の弱小メンバーは奮起しそう。
さつきは、まあ確かにもう一年。ちゃんと最上級生になってからだなあ。この娘も上にたったら良いリーダーになりそうだけれど。


「鬼副長の甘いワナ」
なんで、こんな女として終わってるというかエロオヤジをこじらせているような人が、見てくれは美人なんだろう。というわけで、斎子副長の鬼畜さを諸葉、これでもかと味わうの回。いったい何をどう育てたら、こんな酷いセクハラ親父に成長してしまうのか深刻に首を傾げたくなる。母親の方はわりと厳格でまともな人っぽいのに。やはり、セイバーらしく前世の影響なんだろうか。かわいそうに。
まあ、これに目をつけられて絡まれる諸葉の方が明らかにかわいそうなんですけれど。こんな中身ゲス親父な女性の生肉に思わず興奮してしまった諸葉の敗北感は想像するに余りある。


「アメリカ娘のミステイク」
ソフィア先輩の場合、ほぼ天然百%なのが恐ろしい。この人も最初の方はもっと色々と含みをもたせた怪しげな一面を持ったキャラクターだと思ってたんだけれどなあ。むしろ逆に、これ以上なくあけっぴろげな人過ぎて、うんこれは幾らなんでも無防備すぎる。
今回の短篇集は、諸葉も年頃の男の子なのだよ、というシャイというか初心な一面がけっこう垣間見えてよかったんですねえ。まあ、彼の場合このたぐいの主人公としては珍しいくらい、一貫して親しみやすいキャラなんですけれど。


「春鹿と斎子の放課後クッキング勝負」
……春鹿先輩、ちょっと追い込みすごすぎじゃないですか? 周回遅れ呼ばわりされたこの人ですけれど、ひたすら脳筋方向に突っ走っているさつきに、もったいぶりすぎて押しどころを見失ってる静乃、ある種の沼にハマってしまって遠いところに行ってしまったエレーナ、とヒロインとしてはなぜか残念な方向に迷走している他のヒロイン衆に対して、春鹿だけは着実に女子力あげてヒロインとしての徳を積み重ねてるんですよね。今回なんか、ついに諸葉の胃袋を掴んじゃいましたよ。もはや周回遅れどころか、追い越してないかこれ?


「宗谷真奈子の好き嫌い」
うわー、すごく面倒くさいタイプの女性にも関わらず、むしろそれがいい、というところまで至っちゃってる丈弦先輩、ガチでべた惚れじゃあないですか。この先輩、スマートな人柄だけにこっそり付き合ってるといっても、もっと余裕あるのかと思ってたんだけれど、デートの様子なんか見てたらいっぱいいっぱいにも程がある。ちょっと好きすぎだろう(笑
それにしても、デートでばったり、というシチュは一緒にも関わらず、諸葉の痒いところにまで行き届いたフォロー含みの可愛い後輩っぷりと、悪魔の様なさつきの所業の格差には笑ってしまった。いや、本当に無邪気に酷いな、さつき。これは殴りたいww


「サツキと斎子の女子寮ポーカー勝負」
これ、最後までサツキが負けてたら諸葉、斎子先輩にいったいどこまでされてたんだろう。鬼畜系エロゲの陵辱もかくや、というレベルにまで至ってたんじゃないだろうか。なにそれみたいw
ともあれ、無事人生終了していたのは間違いなし。サツキの豪運なのにポーカーフェイスが一切出来ない、という凄まじい弱さはちょっとおもしろすぎるでしょう。これで自分が弱い、という自覚があるならまだしも、あれだけ負け続けているにも関わらず、まったく揺らがないあの自信はどこから来るのか。この娘のアホさ加減も留まるところを知らないなあ。そこが可愛くもあるんだけれど、そこにヒロインとして、という冠がつくかどうかは微妙。
しかし、これビジュアル的にみたら凄まじい展開ですよね。作者、なんかネジ外れた?


「血戦 エカテリンブルグ」
12巻の衝撃のラストからどうなったのか、に合わせて雷帝が諸葉に敗れたあと、どうなっていたかについてもこの話で語られるのですが……そうだよなあ。雷帝がこれまでやってきた事がチャラになるわけじゃないんですよね。彼女の心を挫いたところでそのまま放置、というのは雷帝当人とロシアの人たちにとってそれはそれで厳しい処置だったと思うんですよね。自分たちで、これまでのことの精算と今後のことについて考えやってかなければいけなかったわけですから。
その中で、カティアはよくやっていたしこのまま行けば、ある程度は成果と安定は掴んでいたんだろうとは思うんだけれど、ヴァシリーサについてはどこまで助けられていただろうか。
彼女のへこみっぷりはちょっと予想外でしたけれどね。思うところはあったんだろうけれど、むしろだからこそ余計に立ち直れなかったんだろうなあ。自分だけのことなら、折れたものを鍛え直すことも出来たかもしれないけれど、彼女は前世も今世も王として在り、彼女なりに責任感を以って統治を行っていただけに、取り返しのつかないものに関してちゃんと理解し、受け止めていたわけだ。本当にただの暴君だったなら、あっさりと心いれかえられたのかもしれないけれど。
それこそやり直すには、もう一度生まれ変わらなければならないのかもしれない。


「エピローグ」
なるほど、そう来たか、と頷くばかりのラスト。そうだよなあ、この作品の主人公の一人である石動隊長を、このまま卒業、異動という形で物語の最前線から離すのはありえないですよねえ。
幸いにして、前任者が図らずも居なくなってしまったこともあり、この配置は大いにあり、かと。いや、本当に三年生全部抜けてそのままだったら、さすがにヤバかったもんなあ。


シリーズ感想

クロニクル・レギオン 3.皇国の志士たち3   

クロニクル・レギオン  3 (ダッシュエックス文庫)

【クロニクル・レギオン 3.皇国の志士たち】 丈月城/ BUNBUN ダッシュエックス文庫

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獅子心王リチャード一世の襲撃から辛くも駿河を守り切った征継たち。だが息つく暇もなく、大英帝英軍が東海道地方の州都・名古屋を陥落させてしまう!壊滅状態の東海道州を立て直すため、東海道総督の座を立夏が継承し、駿河を臨時州都とした新東海道将家が成立。さらに皇女志緒理は歴史の表舞台に立つため、東方ローマ帝国の大元帥カエサルをも巻き込んだ大胆な賭けに出る!ついに軍の中心に躍り出た志緒理。腹心の将として、新東海道軍特務騎士団「新撰組」の副長に就任した征継。そしてローマが呼び寄せた謎めいた新たな復活者…。大英帝国軍指揮官・黒王子エドワードが本陣を講える箱根にて、ついに両陣営が全面衝突する!
征継の正体、ついに発覚! というのは正確ではなくて、竜胆先生の啓示と志緒理の推測に基づくヒントから、なんだけれど、あそこまで書いたらわかるよ!!
しかし、これはまた意外なところ突いてきたなあ。これ、その方面の歴史について調べてる人でないと、まず一般的な知名度は無いに等しいんじゃなかろうか。ちなみに、私は知りませんでした。ただ、戦歴をみると尋常じゃないですね、この人。英傑のお歴々に全く引けをとっておりません。というか、これ冗談じゃなく史上もっとも世界の広範囲で戦った将軍なんじゃないでしょうか。パッと思い返しても、これに比肩するのって東はノモンハンで関東軍いわして、西でドイツ軍相手にドンパチやってたソ連のジューコフ将軍くらいしか思い浮かばないんですけど。
航空機が存在する近現代ならまだしも、馬しか移動手段がない時代でユーラシア大陸の東西でこれだけ戦って勝ちまくった、というのは史実でなかったら盛りすぎじゃないか、と疑いたくなるような戦歴じゃあないですか。
これだけ縦横無尽に大陸を駆けまくった、途方もなくだだっ広い戦争をやっていた人が、極東の島国の、それも東海道の狭っ苦しいところでチマチマと戦っている、というのも何だか違和感を催すところなんですけどね。
それをいうと、騎馬民族相手に大遠征した衛青にしても、十字軍で中東まで攻め入ったリチャード一世にしても、はるばるガリア征伐を行ったカエサルにしても、とにかく戦域がワールドワイド、なイメージがある英傑ばかりなので、ちょーっちこの戦場のスケールは狭っ苦しい感じはなきにしもあらず。
ただ、その限定されたフィールド、制限された駒の数、それ以外にも戦争のルールが定められているなど、様々な制約がある状態でありながら、各人ともにその制約をむしろ楽しみながら伸び伸びと楽しく戦争をやっているなあ、という感もあり、あまりエドワードも征継も戦争狂のリチャード一世を笑えないんじゃないだろうか、これ。征継なんか、この内戦と文化祭のミスコンを同列に置いて楽しんでいる節もあるし。楽しんでいる、と言ったらおかしいのかもしれないけれど、責任感や義務感、或いは野心で戦っているのとは違うっぽいですし。天衣無縫というか、何事にも囚われない自由さ、というか。好きにやってるなあ、という風なんですよね。強いていうなら、女の為、皇女志緒理の望みを叶えるため、というのがらしいのかも。
この辺の粋さ、については土方歳三とはまたひと味ちがうんですよね。しかし、日本の復活者って真田信繁とか楠木正成か、これに土方歳三を加えても、なんでこう、滅びの美を飾った人たちばかりなのかしら。日本人、こういう人ら、好きだから仕方ないのかもしれませんけれど。考えてみたら、九郎判官もそうだわなあ。

しかし、征継がやはりこれだけ楽しそうに見えるのも、三人もの美少女を侍らしているからなんでしょうなあ。姫や妹に加えて、颯爽とした武人である立夏さんまでお手つきにしてしまって。それは手段として必要だから、という建前があるはずなんですが、この主人公建前なんかあまり気にせずに、かなり素直に女の子の素肌をぺたぺた触るのを楽しんでるんですもん。男の欲望に正直、というかなんというか。変に繕ったり誤魔化したりしないあたり、女慣れしているなあ、というのが良く伝わるのです。一方で、ガツガツしない余裕もあるから、女性陣に無理は強いませんし、愛でている、というのが一番ふさわしい表現でしょうか。
戦いにおける生と死の瀬戸際を悠々と綱渡り、強敵と槍を交わし策をぶつけあう楽に興じ、その合間に可愛い女を愛で、ついでに学生としての日々を堪能する、と。
……人生、謳歌してますなあ、征継さん。うん、補給は大切大切。これは絶対に疎かにしてはいけません。

シリーズ感想

仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》4   

仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》 (GA文庫)

【仮面魔女の解放戦記《レジスタンス》】 すえばしけん/マニャ子 GA文庫

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「力を貸してください、秋輔様!」
異世界から飛ばされてきた魔術師の少年、阿由葉秋輔は、帝国に追われるエテイル王国の姫カティアと出会う。
カティアに請われた秋輔は、魔術で村に駐屯する軍勢を退けるが、帝国の再侵攻と村の包囲という最悪の状況を招いてしまう。絶望するカティア。だが、秋輔はそんな彼女に真逆の提案をする!
「『村一つ護れればいい』では、村一つも護れないんだよ。帝国そのものを消滅させなきゃね」
秋輔はカティアに常識を覆す意外な策を授け、共に戦うことを約束する。
「秋輔様が支えてくれるなら……、本物の護り手になれるかもしれない」
異世界から来た最恐魔術師と弱小解放軍の進撃譚、ここに開幕!!

現代から異世界への転移となると、そもそも持っていけるものは知識くらいのものでこれを実際に役立たせようとすると、相当の年月と基盤が必要になってくる。武器や道具の類は補給が続かなければすぐに消耗してしまいますから、継続的に使用できるものというのは必然的に限定されてしまう。異世界転移もので、現地に到着してからそこでチート能力を獲得する、というパターンはこうして考えてみると理に適っているのかもしれません。
ところが、昨今チラホラと見受けられるようになったパターンの一つがあって、これが現代からの持ち込みで徒手空拳にも関わらず、即座かつ継続的に身を守る武器にもなり、立場を得るための手段ともなり得るのが、異世界における魔術魔法の類とは術式大系を異にする、或いは世代が数百から千年単位で先進している最新魔術・異能を習得している魔術師・異能力者が異世界に転移してしまう、というケースである。
いわゆる、現代舐めるなファンタジーではなく、現代異能舐めるなファンタジー、とでも言うべきか。
転移する異世界が、おおよそ中近世時代が多いこともあってか、科学知識や社会の成熟度の差を以って現代人としてのアドバンテージを得ているのを踏まえるのなら、魔術魔法の類だって数百から千年の研鑽の差があるのなら、或いは現代科学とのコラボレーションなどから、それこそ魔術理論なども格段の差が出来ているのもありだろう、という考え方からくる設定様式だけれど、それこそ「魔術は古い方が強くて深く鮮明である」という世界観でもなければ、決して突飛な考え方ではないだろう。
でも、そういう魔術の捉え方は、魔術というものを単なる技術の一つとして捉えているだけとも言えるし、魔術師は技術者に過ぎない、と考えているとも言える。
では本作はどうなのか、というと……むふふふ。
いや、うん、面白いね。最初は、魔術師という存在を憎み、呪っている人たちが語る非人間的な魔術師という存在の在り方と、主人公の魔術師である秋輔が語り、その言動で指し示す魔術師の姿とは全然違っていて、彼ら魔術師を憎むものたちが考えている魔術師像は、彼らが目の当たりにした一部の極端、或いは過激な人倫から外れた魔術師像を、すべての魔術師がそうだと誤解し思い込んでいるものなのだ、と思ったんですよね。思うよね、ここらへん。

ところがですよ、途中から段々と「あれ?」となってくるんですね。
秋輔くんは、すえばしさんの作品の主人公としては珍しいくらい素朴で善良。しかし、意思は強く、柔らかい性質とは裏腹にさすがは巨大な組織の長へと担ぎ出されただけあって、度胸も肝も据わっていて頼もしい、いわゆる真っ当な方向に芯が通った主人公、に見えたんですね。
おそらく、彼に助けられ彼を師事するようになったカティア、そしてはからずも異世界で同行することになってしまった魔術師殺しのテロリストである少女も魔術師への不信感から警戒は解いていないものの、さてどこまで違和感に気づいているか。いずれにしても、彼の、秋輔という魔術師の性質を見た目通りにしかまだ認識していないっぽい。
だけれど、なんかね、変なんですよね。見ていると、段々肌が粟立ってくるわけです。言っていることも、やっていることも一貫していて何も変わってないんですよ? 一切、ブレてないし、最初に宣言したとおりに彼はとてもやさしい笑顔を、きっと内面も優しい気持ちで満たしながら、カティアの背中を支え、見守っているのですけれど、それを見ている読者のこっちからすると、当初と最後では場に流れている空気感が、その冷たさが全然違うわけですよ。
いつからだろう、こんなに「ゾッ」と寒気を感じていたのは。
そして、最初に魔術師喰らいの雪火が語っていた、いささか憎しみ余って思い込みが強すぎて、秋輔のような魔術師を見ていると、滑稽にしか聞こえなかった非人間的な魔術師像が、段々と色彩を帯び、肖像を結んでそこにいる温厚そうな少年の姿に重なっていったのは、いつからだろう。
いや、雪火の語るような邪悪で利己的で欲深なわかりやすい悪いやつ、というのが魔術師というものの在りようだというのなら、むしろ安心できただろう。
彼女らは、自分たちが憎み恨み許すまじと怒り狂っている対象が、どんなものなのかを本当にわかっているのだろうか。それとも、あまりにも彼が異端すぎるのか。少なくとも、彼の周囲にいた彼の仲間たちは、話を聞く限りでは「同類」の匂いがプンプンするのだけれど。

ともあれ、秋輔にとって魔術師として誓ったものは、その存在意義そのものである。それはきっと、自己満足ではあっても善意に近しいものなのだろう。だが、それは果たして善悪の括りの中に則っているものなのか? 人倫というものを介しているのか?
彼をして魔術師の代表と見るのは、やはり間違っているのかもしれない。その真の在り方を見て脳裏に思い浮かんだのは、魔術師などではなかった。

それは正しく<悪魔>の在りようというものだよ、秋輔くん。

幸いなるは、その悪魔と契約を結んでしまったのが、哀れな贄などではなく、強き意思と信念を持ち、自ら考える力を持つ「王」であったことか。
すえばし作品の特徴の一つとして、主人公こそがラスボスであり、生徒たる少女は教師であるその主人公を上回り乗り越えて、逆にその人が抱え持つ破綻や虚無から救い出す、というのがあるんですよね。その意味においても、カティアはライトスタッフの持ち主であろう片鱗を随所に見せている。いつ、秋輔がラスボス化するかはまだ予断を許さないけれど、それがそう遠くない未来だとしても十分間に合いそうな成長の気配を見せているのが頼もしい。

いずれにしても、本作はすえばしさんの物語りの髄の部分をしゃぶりつくせそうな匂いがプンプンしている作品なので、期待大でありますよ。

すえばしけん作品感想

デート・ア・ライブ 12.五河ディザスター3   

デート・ア・ライブ (12) 五河ディザスター (富士見ファンタジア文庫)

【デート・ア・ライブ 12.五河ディザスター】 橘公司/つなこ 富士見ファンタジア文庫

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天宮市に本格的な寒さが到来した一二月一日。五河士道は、何の前触れもなく暴走した―。体力測定で次々と世界記録を塗り替え、さらには触れただけで窓ガラスや壁を破壊してしまう。人外の力―それはまるで精霊のようで。これまで封印してきた精霊の力がオーバーヒートし、暴走状態となってしまった士道。最悪の事態である『もしものとき』を回避するため、動き出す琴里たちだが…。「―さあ、俺を、デレさせてみな」十香たちのよく知る士道とは様子が違い。精霊たちを救ってきた少年を救うため、デートして、全員でデレさせろ!?

このジゴロ士道って、別人格とかじゃなくて彼の内面にあったものが本音みたく飛び出しちゃったようなものなんですよね。ということは、士道の中身には間違いなくこういう一面もあったのかー。いや、うーん、普通にかっこよくて女の子の扱いが上手い、という感じじゃなくて女の子慣れしてない中学生が抉らせて妄想したイケメンジゴロ(ホスト風)なのが、士道らしいといえば士道らしいというべきなのかもしれない。
でも、普段の士道の方が普通にカッコイイと思うんだけれどなあ。女性陣は、こういうイケイケの士道も偶にはいいのかなあ。
個人的には、やはり一番真正面からヒロインしているのは、琴里だと思うのよねえ。この娘の、士道好きって悲壮感も背負っているせいか、結構目一杯なんで弱い部分を見せるときは思いっきり可愛いんですよねえ。
ちょっとやそっとでは、なかなかこの妹ちゃんには敵わないと思うよ、他の娘らは。実際問題、みんな琴里には一目置いてるもんなあ。
そんな中で、恥じらいと良識を手に入れることで女子力を高めてきた折紙。これで? とか言うなかれ。ぶっちゃけ、変態折紙にまともな折紙の方が殆ど食われちゃっているのだけれど、ギリギリのところで良識が粘ってくれるので、意外といい塩梅になっている不思議。
一方、肝心のメインヒロインであるところの十香は、ついにというべきか、自分から士道をデレさせる展開に至ってようやく「恋」を知ることになる。純粋無垢であるが故に、幼さが前に立ちどうしても女性としての存在感が足りなかった十香が、これでようやくヒロインとして立脚したんじゃなかろうか。

さて、今回の一件を通じて、精霊を封じる力をなぜ士道が持っているか、の謎が彼の実妹である真耶と共に失ってしまっている過去の記憶とともについにランディングアプローチに入ったっぽい。囚われの第二精霊が、思いの外関連してくるのか。囚われじゃなくなってしまったみたいだけれど。

シリーズ感想

いつか世界を救うために クオリディア・コード 4   

いつか世界を救うために -クオリディア・コード- (富士見ファンタジア文庫)

【いつか世界を救うために クオリディア・コード】 橘公司/はいむらきよたか 富士見ファンタジア文庫

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西暦二〇四九年。世界は終わるかと思ったが、終わらなかった。突如として現れた正体不明の『敵』―“アンノウン”と戦争を続ける人類。防衛都市のひとつ神奈川の学園に転校してきた紫乃宮晶。彼の目的は『神奈川序列第一位・天河舞姫を暗殺すること』。しかし『最強』の称号を有し、人類の希望である少女の強さはあまりにも規格外で…。
「のぞきではない。監視だ」
「今は胸を調べている」
「無論、尾行だ」
「変態ではない、調査だ」
「秘密裏に行う家宅捜索だ」
舞姫の全てを知るための観察が始まった!?新世代ボーイ・ストーキング・ガール!!
こ、この人はー。橘さんという人は、【蒼穹のカルマ】がそうだったんだけれど、真剣にろくでもないことをさせるとやっぱり抜群にうまいわ〜。久々にこの作家さんの真髄を味わったような満足感であります。
主人公の紫乃宮晶は実に生真面目な男で余計な邪念など入る余地もなく任務を達成するために真剣に標的である舞姫の観察・調査を行うのであるが、やってることはどこからどう見てもストーカー、盗撮、痴漢行為という見事な犯罪行為! 完璧なまでのアウト! なのだけれど、本人本当に邪な気持ちないんですよね。欲望にかまけているわけではないのである……ないよね?? ないんだよね? 傍目から見てると本当に真剣なので、無いように見えるんだけれど、見えるんだけれど、それにしてもやることなすこと……w
それに、彼の能力って戦闘的にも凄まじすぎるんだけれど、ストーカー的にもさらにすごすぎるんですよね。見えてさえいれば触れるって、何この超々長距離狙撃ならぬ、スーパーロングレンジお触りとか。エロ漫画でも早々お目にかかれない優れた能力なんじゃないだろうか。
これが鼻の下を伸ばしながらやらかしてたら「この野郎!」なんだけれど、真面目なんだ。真剣なんだよ。このスットボケっぷりは、あの【フルメタル・パニック】の相良宗介のコメディのそれに近似するものなんだけれど、橘さんはこういう真剣に馬鹿をやるときは、それこそ手加減抜きに底抜けに馬鹿で「変態!」の方に全力疾走し出すので、たいてい目を覆わんばかりに酷いことになるのである。
でも【デート・ア・ライブ】の主人公の五河士道ってちょっとそのパターンにそぐわないキャラクターなんで、あのシリーズは作者得意のギャグパターンがなかなか機能してないのが、ちと残念なんだよなあ。まだ読んでいない本編最新刊では彼のキャラがかなり変貌するらしいので、期待しているのだが。
と、話は逸れたが、本作においても目を覆わんばかりに残念なのは残念ながら紫乃宮ことシノだけではない。というか、オールマイティーに変態行為をマスターしているシノではあるが、残る連中はガチで変態である。さすが、と言わんばかりの変態揃いである。舞姫の下に集った歴戦たる能力者たち四人の「四天王」。
近年稀にみる四天王である。これに匹敵するのは、さすがに【のうりん】の四天農くらいしか思いつかないw
いや、普通に強かったり有能だったりするからこその四天王なんだけどね。うん、それが基準と思う時代が本作にもありました。違うのね、違うんです。違ったんです。うん、強さが基準ではないのね。
でも、もうどちらにしてもシノはあまりにも適格者すぎて、笑っちゃうくらいハマりすぎてしまう基準でもあるわけです。誰がどう似てもあなたが文句なしにナンバー2ですww

しかし、ヒロインの舞姫は、天真爛漫さが素晴らしいですね。天使ちゃんですね。まさにみんなの舞姫すぎて、可愛すぎる。最強キャラなのに、基本的に初な小娘らしいキャラキャラした甘やかさが眩しいかぎり。これは、みんなのアイドルになるのもわかるなあ。こういう底抜けに陽性のヒロインというのは、どうにも太刀打ち出来ないカリスマ性があって、真面目なキャラほどズドンされてしまうのかもしれない。
一方で、こういうキラキラした娘にこそ、対比として光あるところ陰あり、な娘が並び立てるわけで。シノの本来のパートナーである彼女。もうあからさまに謎と陰謀と後ろ暗い思念を抱え込んでいて、これはこれで実に素晴らしい。
シェアワールドということで、この作品自体長引かずに次の巻あたりで完結するらしいですけれど、長期で楽しめないのが勿体ないくらい期待に違わぬ面白さでした。

 

10月4日

冬瀬
(一迅社ノベルス)
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中村 颯希
(一迅社ノベルス)
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遠藤達哉
(ジャンプコミックス)
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眞藤雅興
(ジャンプコミックス)
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藤本タツキ
(ジャンプコミックス)
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春原ロビンソン/ひらけい
(ジャンプコミックス)
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浅倉秋成/小畑健
(ジャンプコミックス)
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那波歩才
(ジャンプコミックス)
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三浦糀
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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堀越耕平
(ジャンプコミックス)
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あきやま陽光/堀越耕平
(ジャンプコミックス)
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城戸みつる
(ジャンプコミックス)
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有馬あるま/フカヤマますく
(ジャンプコミックス)
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鏡貴也/山本ヤマト
(ジャンプコミックス)
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星野桂
(ジャンプコミックス)
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龍幸伸
(ジャンプコミックス)
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オオヒラ航多
(ジャンプコミックス)
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住吉九
(ジャンプコミックス)
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阿賀沢紅茶
(ジャンプコミックス)
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水あさと
(ジャンプコミックス)
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平方昌宏
(ジャンプコミックス)
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馬渕朝子/安藤コウヘイ
(ジャンプコミックス)
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夜諏河樹
(ジャンプコミックス)
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橋本悠
(ジャンプコミックス)
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神海英雄
(ジャンプコミックス)
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竜騎士07/赤瀬とまと
(角川コミックス・エース)
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染野静也/gulu
(角川コミックス・エース)
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Nykken/Toy(e)
(角川コミックス・エース)
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金丸祐基
(角川コミックス・エース)
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小神 トイ
(角川コミックス・エース)
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10月3日

暁社 夕帆
(講談社ラノベ文庫)
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御子柴 奈々
(講談社ラノベ文庫)
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日日綴郎
(講談社ラノベ文庫)
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深津/はーみっと
(コロナ・コミックス)
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櫛灘ゐるゑ/魔石の硬さ
(コロナ・コミックス)
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梅渡飛鳥/もちもち物質
(コロナ・コミックス)
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9月30日

南野海風
(HJ文庫)
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神無フム
(HJ文庫)
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サイトウアユム
(HJ文庫)
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軽井広
(HJ文庫)
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東條功一
(HJ文庫)
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海翔
(HJ文庫)
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紺野千昭
(HJ文庫)
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健速
(HJ文庫)
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綾里けいし
(角川スニーカー文庫)
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慶野由志
(角川スニーカー文庫)
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三上こた
(角川スニーカー文庫)
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ヤマモトタケシ
(角川スニーカー文庫)
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桜目禅斗
(角川スニーカー文庫)
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タンバ
(角川スニーカー文庫)
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伏瀬
(GCノベルズ)
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棚架ユウ
(GCノベルズ)
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アロハ座長
(GCノベルズ)
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万野みずき
(GCノベルズ)
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支援BIS
(エンターブレイン)
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ぺもぺもさん
(エンターブレイン)
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とくめい
(エンターブレイン)
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飯田 栄静
(エンターブレイン)
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竹井 10日
(ファミ通文庫)
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小鈴危一
(モンスター文庫)
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川井 昂
(ヒーロー文庫)
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アネコ ユサギ
(ヒーロー文庫)
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朱雀 伸吾
(ヒーロー文庫)
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岩船 晶
(ヒーロー文庫)
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陽山 純樹
(ヒーロー文庫)
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ひだかなみ/山口悟
(ZERO-SUMコミックス)
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おだやか/クレハ
(B's-LOG COMICS)
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藤丸豆ノ介/友麻碧
(B's-LOG COMICS)
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一メルカ/深海亮
(B's-LOG COMICS)
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太田垣康男/矢立肇
(ビッグコミックス スペシャル)
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万乗大智
(少年サンデーコミックス スペシャル)
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9月29日

いのうえひなこ/棚架ユウ
(ライドコミックス)
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餅田むぅ/新山サホ
(ライドコミックス)
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八木ゆかり/保利亮太
(HJコミックス)
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青乃下/まきしま鈴木
(HJコミックス)
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表野まつり/柊遊馬
(HJコミックス)
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9月28日

三雲岳斗/Mika Pikazo
(新潮文庫nex)
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吉上亮/Mika Pikazo
(新潮文庫nex)
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9月27日

異識
(まんがタイムKRコミックス)
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ひさまくまこ
(まんがタイムKRコミックス)
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Koi
(まんがタイムKRコミックス)
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相崎うたう
(まんがタイムKRコミックス)
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セトユーキ
(まんがタイムKRコミックス)
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こめつぶ
(まんがタイムKRコミックス)
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福きつね
(まんがタイムKRコミックス)
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メイス
(まんがタイムKRコミックス)
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9月26日

えすのサカエ/宇野朴人
(角川コミックス・エース)
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相野仁/市倉とかげ
(角川コミックス・エース)
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平未夜/之貫紀
(角川コミックス・エース)
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大和田秀樹/矢立肇
(角川コミックス・エース)
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今ノ夜きよし/イノノブヨシ
(角川コミックス・エース)
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Ark Performance
(角川コミックス・エース)
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石田あきら/東出祐一郎
(角川コミックス・エース)
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前田理想/沢村治太郎
(角川コミックス・エース)
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鏡/丘野優
(角川コミックス・エース)
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東方Project/芦山
(電撃コミックスEX)
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笹倉綾人
(電撃コミックスNEXT)
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苗川采
(電撃コミックスNEXT)
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Dormicum
(電撃コミックスNEXT)
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山路新
(電撃コミックスNEXT)
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宝乃あいらんど/震電みひろ
(電撃コミックスNEXT)
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小早川ハルヨシ/金斬児狐
(アルファポリスCOMICS)
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くろの/永島ひろあき
(アルファポリスCOMICS)
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9月25日

涼樹悠樹
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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友橋かめつ
(オーバーラップ文庫)
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ネコクロ
(オーバーラップ文庫)
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ネコ光一
(オーバーラップ文庫)
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白米 良
(オーバーラップ文庫)
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白米 良
(オーバーラップ文庫)
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でんすけ
(MFブックス)
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出井 啓
(MFブックス)
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一分 咲
(MFブックス)
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筧千里
(MFブックス)
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カヤ
(MFブックス)
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波多ヒロ/あまなっとう
(ガルドコミックス)
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やもりちゃん/じゃき
(ガルドコミックス)
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もちろんさん/猫子
(ガルドコミックス)
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吉川英朗/月夜涙
(ガルドコミックス)
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吉乃そら/ネコ光一
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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卯乃米/桜あげは
(ガルドコミックス)
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綾北まご/冬月光輝
(ガルドコミックス)
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9月24日

棚架ユウ/丸山朝ヲ
(バーズコミックス)
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天乃咲哉
(バーズコミックス)
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洋介犬
(バーズコミックス)
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かくろう/石神一威
(バーズコミックス)
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小林立/五十嵐あぐり
(ガンガンコミックス)
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小林立/五十嵐あぐり
(ビッグガンガンコミックス)
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小林立/めきめき
(ビッグガンガンコミックス)
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長田悠幸/町田一八
(ビッグガンガンコミックス)
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小林立
(ヤングガンガンコミックス)
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小林立/めきめき
(ヤングガンガンコミックス)
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福田晋一
(ヤングガンガンコミックス)
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田尾典丈/三雲ジョージ
(ヤングガンガンコミックス)
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戌森四朗
(ヤングガンガンコミックス)
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六本順
(ヤングガンガンコミックス)
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田澤裕/友井太郎
(ヤングガンガンコミックス)
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9月22日

十文字 青/原作・プロデュース:Eve
(MF文庫J)
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総夜ムカイ/原作・監修:みきとP
(MF文庫J)
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両生類 かえる
(MF文庫J)
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木緒 なち
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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川口士
(ダッシュエックス文庫)
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川口士
(ダッシュエックス文庫DIGITAL)
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川口士
(ダッシュエックス文庫DIGITAL)
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赤金武蔵
(ダッシュエックス文庫)
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河本ほむら/尚村透
(ガンガンコミックスJOKER)
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河本ほむら/斎木桂
(ガンガンコミックスJOKER)
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昆布わかめ
(ガンガンコミックスJOKER)
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サラ イネス
(イブニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニング KC)
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江口夏実
(モーニング KC)
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瀧下信英/津田彷徨
(モーニング KC)
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藤本正二/Juan Albarran
(モーニング KC)
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千嶌オワリ/津田彷徨
(モーニング KC)
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森高夕次/足立金太郎
(モーニング KC)
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一乃ゆゆ/佐島勤
(MFコミックス アライブシリーズ)
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杉井光/篠アキサト
(MFコミックス アライブシリーズ)
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ぐう/水無瀬
(MFC)
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柏木郁乃
(MFC)
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倭ヒナ/ぷにちゃん
(MFC)
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9月21日

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9月20日

大和田秀樹
(ヤングチャンピオン・コミックス)
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クール教信者
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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いとうえい
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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小宮地千々
(GCN文庫)
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一色一凛
(GCN文庫)
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風間レイ
(TOブックス)
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やしろ
(TOブックス)
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もちもち物質
(TOブックス)
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夕立悠理
(TOブックス)
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鳴沢明人
(HJ NOVELS)
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はぐれメタボ
(HJ NOVELS)
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9月19日

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9月16日

橘 公司
(富士見ファンタジア文庫)
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長岡 マキ子
(富士見ファンタジア文庫)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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七斗 七
(富士見ファンタジア文庫)
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いつきみずほ
(富士見ファンタジア文庫)
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ラマンおいどん
(富士見ファンタジア文庫)
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ラチム
(富士見ファンタジア文庫)
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紫大悟
(富士見ファンタジア文庫)
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朝陽千早
(富士見ファンタジア文庫)
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コイル
(電撃の新文芸)
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相原あきら
(電撃の新文芸)
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イダタツヒコ/広江礼威
(サンデーGXコミックス)
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やまむらはじめ/広江礼威
(サンデーGXコミックス)
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坂崎ふれでぃ
(サンデーGXコミックス)
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了子
(裏少年サンデーコミックス)
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神内アキラ
(裏少年サンデーコミックス)
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柊一葉/じろあるば
(裏少年サンデーコミックス)
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内藤マーシー
(講談社コミックス)
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宮島礼吏
(講談社コミックス)
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久世蘭
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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裏那圭/晏童秀吉
(講談社コミックス)
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むちまろ
(KCデラックス)
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硬梨菜/不二涼介
(KCデラックス)
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さゆこ
(フロース コミック)
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あるてぃ/染井由乃
(フロース コミック)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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雪森寧々
(ヤングジャンプコミックス)
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小瀬木麻美/宮田ダム
(ヤングジャンプコミックス)
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キナミブンタ
(ヤングジャンプコミックス)
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大河原遁
(ヤングジャンプコミックス)
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武田綾乃/むっしゅ
(ヤングジャンプコミックス)
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子新唯一
(ヤングジャンプコミックス)
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グレゴリウス山田
(ヤングジャンプコミックス)
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ヤマザキマリ
(ヤングジャンプコミックス)
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スガワラエスコ
(ヤングジャンプコミックス)
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スガワラエスコ
(ヤングジャンプコミックス)
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瀬尾つかさ/bomi
(ヤングジャンプコミックス)
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川口士/的良みらん
(ヤングジャンプコミックス)
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9月15日

コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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福地翼
(少年サンデーコミックス)
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青山剛昌
(少年サンデーコミックス)
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青山剛昌/阿部ゆたか
(少年サンデーコミックス)
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かんばまゆこ/青山剛昌
(少年サンデーコミックス)
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田中現兎
(マガジンエッジKC)
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川田暁生
(マガジンエッジKC)
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ひな姫/猫又ぬこ
(マガジンエッジKC)
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水森崇史
(講談社コミックス)
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ひととせひるね
(講談社コミックス月刊マガジン)
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杜乃ミズ/餅月望
(コロナ・コミックス)
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中島鯛/ほのぼのる500
(コロナ・コミックス)
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まいたけ/生咲日月
(コロナ・コミックス)
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わかさこばと/春の日びより
(コロナ・コミックス)
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羽尻伊織/鉄人じゅす
(コロナ・コミックス)
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ハム男
(アース・スターノベル)
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友麻碧
(富士見L文庫)
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柚原 テイル
(富士見L文庫)
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七沢 ゆきの
(富士見L文庫)
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9月14日

鳥羽徹
(GA文庫)
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神田暁一郎
(GA文庫)
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佐伯さん
(GA文庫)
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佐伯さん
(GA文庫)
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海空りく
(GA文庫)
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海月くらげ
(GA文庫)
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柚本悠斗
(GA文庫)
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白石定規
(GAノベル)
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白石定規
(GAノベル)
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守雨
(GAノベル)
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金明豪×KJ
(アフタヌーンKC)
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こだまはつみ
(モーニング KC)
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9月13日

横島日記
(リュウコミックス)
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わらいなく
(リュウコミックス)
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9月12日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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河添太一
(ガンガンコミックス)
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宮澤伊織/水野英多
(ガンガンコミックス)
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南海遊/村山なちよ
(ガンガンコミックス)
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高津カリノ
(ガンガンコミックス)
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オジロマコト
(ビッグコミックス)
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ゆうきまさみ
(ビッグコミックス)
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田岡りき
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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源素水
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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七尾ナナキ
(裏少年サンデーコミックス)
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空谷玲奈/昴カズサ
(ガンガンコミックスONLINE)
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高野裕也
(ガンガンコミックスONLINE)
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礼島れいあ
(ガンガンコミックスONLINE)
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長岡マキ子/カルパッチョ野山
(ガンガンコミックスONLINE)
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森貴夕貴
(アース・スター コミックス)
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咲メギコ/師裏剣
(アース・スター コミックス)
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瑚澄遊智/漂月
(アース・スター コミックス)
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しろ
(アース・スター コミックス)
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檜山大輔
(アクションコミックス)
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浜田よしかづ
(アクションコミックス)
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ピロヤ
(メテオCOMICS)
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火曜
(まんがタイムKRコミックス)
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カエルDX
(まんがタイムKRコミックス)
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霜月絹鯊
(まんがタイムKRコミックス)
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そめちめ
(まんがタイムKRコミックス)
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9月10日

餅月望
(TOブックス)
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もちだもちこ
(TOブックス)
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岡崎マサムネ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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榛名丼
(TOブックス)
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9月9日

アサウラ/Spider Lily
(電撃文庫)
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アサウラ
(電撃文庫)
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佐伯庸介
(電撃文庫)
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西 条陽
(電撃文庫)
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宇野朴人
(電撃文庫)
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三河ごーすと
(電撃文庫)
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佐島 勤
(電撃文庫)
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鎌池和馬
(電撃文庫)
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駒居未鳥
(電撃文庫)
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逢縁奇演
(電撃文庫)
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ミサキナギ
(電撃文庫)
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丸深まろやか
(電撃文庫)
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岬 鷺宮
(電撃文庫)
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夏 みのる
(カドカワBOOKS)
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遠野 九重
(カドカワBOOKS)
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明。
(カドカワBOOKS)
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流優
(カドカワBOOKS)
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愛七 ひろ
(カドカワBOOKS)
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ヤマザキコレ
(BLADEコミックス)
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ツクモイスオ/三田誠
(BLADEコミックス)
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住川惠/甘岸久弥
(BLADEコミックス)
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yoruhashi
(BLADEコミックス)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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横山コウヂ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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福原蓮士/つちせ八十八
(ドラゴンコミックスエイジ)
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稲葉白
(ドラゴンコミックスエイジ)
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二式恭介
(ドラゴンコミックスエイジ)
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遠野ノオト/流優
(ドラゴンコミックスエイジ)
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はっとりまさき
(ドラゴンコミックスエイジ)
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神谷ユウ/桜木桜
(角川コミックス・エース)
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吉岡剛/菊池政治
(角川コミックス・エース)
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唐澤和希/藤本れもち
(角川コミックス・エース)
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皇ハマオ/月夜涙
(角川コミックス・エース)
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緒原博綺
(角川コミックス・エース)
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げしゅまろ
(角川コミックス・エース)
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ヨシラギ
(角川コミックス・エース)
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RYOMA/カンブリア爆発太郎
(角川コミックス・エース)
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レフトハンド/伽藍堂
(角川コミックス・エース)
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窪茶/涼暮皐
(角川コミックス・エース)
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ゼロキ/雪村ゆに
(角川コミックス・エース)
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蟹丹/トネ・コーケン
(角川コミックス・エース)
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TYPE−MOON/中谷
(角川コミックス・エース)
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Team RWBY Project/スエカネクミコ
(電撃コミックスNEXT)
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コトバノリアキ
(KCデラックス)
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吉村英明/木嶋隆太
(KCデラックス)
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金田陽介
(講談社コミックス)
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大森藤ノ/青井聖
(講談社コミックス)
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中丸洋介
(講談社コミックス)
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9月8日

エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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ヤチモト/resn
(KCデラックス)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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茅田丸/丁々発止
(シリウスKC)
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内々けやき/あし
(シリウスKC)
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マツモトケンゴ
(シリウスKC)
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くうねりん
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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芳橋アツシ/延野正行
(シリウスKC)
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亜希乃千紗
(シリウスKC)
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9月7日

赤堀君
(アフタヌーンKC)
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伊口紺/保志レンジ
(アフタヌーンKC)
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LEN[Aー7]
(アフタヌーンKC)
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深山鈴/茂村モト
(ガンガンコミックスUP!)
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森田季節/出水高軌
(ガンガンコミックスUP!)
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ケンノジ/松浦はこ
(ガンガンコミックスUP!)
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羽柴実里/zinbei
(ガンガンコミックスUP!)
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常磐くじら/桃山ひなせ
(ガンガンコミックスUP!)
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串木野たんぼ/ぽんこつわーくす
(ガンガンコミックスUP!)
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鈴木竜一
(SQEXノベル)
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初枝れんげ
(SQEXノベル)
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十夜
(SQEXノベル)
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9月6日

西尾 維新
(講談社)
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