徒然雑記

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書籍感想2016

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 異世界で、王太子妃はじめました。 ★★★★   

なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 異世界で、王太子妃はじめました。 (ビーズログ文庫)

【なんちゃってシンデレラ 王宮陰謀編 異世界で、王太子妃はじめました。】 汐邑雛/武村ゆみこ ビーズログ文庫

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おでんのからしを買いに出た和泉麻耶(33歳職業パティシエ)は、そこで事故に遭い--次に目覚めたとき、12歳のお姫様に転生していた!!
しかも彼女には、年上の旦那(しかも王太子)までいる。
命を狙われたところに転生したらしいと悟った麻耶は、身を守るためにも夫と仲良くしようと決めるが!?
お菓子職人の名に懸けて、夫を餌付けしながら胃袋と犯人つかみます!!

思ってたよりアルティリエがイラストで見るとデカイなあ。年齢が12歳なのだからこのくらいと言えばこのくらいなのだけれど、ナディル殿下に持ち運びされるサイズとなるとちょっとでかい気がする。って、まだそこまで進行していないんですけれどね。
ウェブ版はArcadia版のときから読んでいて好きだったんですよねえ。イラストだとかなりキラキラした感じですけれど、実際の作品の雰囲気は非常に落ち着いていて上品な物静かさに満ち満ちている。これは静寂を好むナディル殿下のそれもあるんだろうけれど、何より主人公にしてヒロインたるアルティリエの中身が落ち着いた聡明な大人の女性だからなのでしょう。むしろ性格としては楽観主義者で物怖じせず行動的ですらあるのですけれど、浮ついたところがなく無茶と無謀の境界線を心得ているせいか危なっかしいところもないですからねえ。
大人びていながら庇護欲を掻き立てる絶妙なバランスの取れたキャラクター。それが、和泉麻耶が中身に入ったアルティリエという少女なのですけれど、今のこのアルティリエが形成されるには和泉麻耶だけでもアルティリエだけでもいけなかったんですよね。両者の要素がお互いに不可分になるまでに混ざり切る、そのために二人の人格というものについて徹底的に掘り下げているのである。人形姫と呼ばれ特殊な立ち位置にいたアルティリエ姫のこれまで歩んできた人生と、和泉麻耶という女性が歩いてきた人生を丁寧にすり合わせることによって、今のアルティリエ姫に揺るぎのない土台を与えているのである。
転生モノって前世の人間の知識や技能ばかりを武器にして扱っていて、その前世の人生については案外蔑ろにしがちなものも少なくないのですけれど、本作に関しては麻耶のパティシエとしての知識や技術やあくまでツールなんですよね。大事なのは、パティシエとして歩んできた和泉麻耶の人生そのもの。彼女がその人生をどうやって歩き、何を選んで、何を意欲的に取り込み、どんな展望を持って生きていたか、何を得て、何に充実を感じ、結果としてどんな人格を形成していっていたのか。その積み重ねがあってこそ、今のアルティリエという存在が成り立ち、これからどのように生きていくかを選び取るに至る実が生じるのである。その実あってこそ、彼女のパティシエや料理人としての知識が活かされるのである。
ナディル殿下がアルティリエという少女の沼にハマってしまったのは、彼女のわかりやすい聡明さではないのでしょう。和泉麻耶という成熟した人格が、人形姫アルティリエという少女の幼くも過酷で、しかし決意と誇りに満ちた人生を理解し飲み込んだ上で「彼女」となったその強い意思にこそ魅入られたのでしょう。
餌付けされる、というのはその発露に過ぎない。もちろん、ご飯は大事なのですけれどね。そして、潤いでもある。
ナディル殿下の歩んできた人生もまた、とても乾いたものであった以上、その潤いというものは誰もが想像している以上にかけがえのないものなのである。その重要さを、アルティリエ妃殿下はちゃんとわかった上でやろうとしているんだから大した女性なのであり、その理解度と実行性の難易度と希少性がわかる人はみんな彼女に頭を垂れるわけだ。

にしても、凄まじきは後宮モノに相応しきドロドロの情念が渦巻く人間ドラマである。面白いのは、アルティリエはその当事者であり中心に存在しながら、あくまでそれは引き継いだもの。実際に起こった悲劇と情念の絡まりは彼女たちの上の世代、親の世代における血脈のゴタゴタなんですよね。アルティリエもナディル殿下も、その煽りを真正面から受けることになってしまっている。ある種の尻拭いを、子の世代が押し付けられた結果になっている。過去の愛憎によって生じた負の情念によって、アルティリエは命すら狙われており、彼女の周りには死が敷き詰められたような有様にすらなっている。アルティリエが人形姫と呼ばれるほどに感情を表に出さなくなった根源でもあり、アルティリエの中に和泉麻耶が入り込む原因ともなったわけだけれど、場合によっては親世代からの引き継ぎではなく、さらに塗り重ねるようにアルティリエの世代でまた負の情念が生じてより深いドロドロの惨劇が生まれかねない情勢だったんですよね。
それを打開するきっかけとして、麻耶と混ざった今のアルティリエの決意があるわけで、ただただ胸を押しつぶされそうな重苦しい雰囲気になりそうな世界が、清々しさと凛とした落ち着いた空気へと整えられているのはひとえにアルティリエに尽きるんだなあ、と。

ナディル殿下がズブズブにアルティリエ沼にハマるには後編をまたなくてはならないので、それを楽しみに来月を待ちましょう。殆ど前後編構成と言ってもいいので、二ヶ月連続刊行は英断だったかと。


新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 ★★★★☆  

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 (電撃文庫)

【新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙】 支倉凍砂/文倉十 電撃文庫

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聖職者を志す青年コルは、恩人のロレンスが営む湯屋『狼と香辛料亭』を旅立つ。ウィンフィール王国の王子に誘われ、教会の不正を正す手伝いをするのだ。そんなコルの荷物には、狼の耳と尻尾を持つ美しい娘ミューリが潜んでおり―!?かつて賢狼ホロと行商人ロレンスの旅路に同行した放浪少年コルは青年となり、二人の娘ミューリと兄妹のように暮らしていた。そしてコルの旅立ちを知ったお転婆なミューリは、こっそり荷物に紛れ込んで家出を企てたのだ。『狼と香辛料』待望の新シリーズは、ホロとロレンスの娘ミューリが主人公。いつの日にか世界を変える、『狼』と『羊皮紙』の旅が始まる―!
まさか続編が出るなんてなあ。嬉しい、嬉しいよ。主役はホロとロレンスの旅に同行し、ロレンスの実質的な弟子として、或いは二人の子供のようだったあのコル。見違えるような立派な青年に成長したコル、それこそホロと出会った頃のロレンスと変わらない年齢になってたのか。
聖職者を目指すという夢は変わらないまま、ロレンスとホロの湯屋でずっと働いてたのね。彼のこの素直なままの成長具合を見ると、どれほどホロとロレンスに可愛がられて育ったのかがよくわかって、思わず微笑んでしまった。でも、妙に堅物に育ってしまった、特に女性に対して免疫なさそうな育ち方してしまったのはこれ、多分ホロのせいだよなあ。よっぽど過保護に構ってたんだぜ、きっと。旅の間のコルへの接し方を思い出すと、容易に想像できてしまう。ある意味娘のミューリよりも過保護にしてたんじゃないだろうか。でないと、湯屋
で働いていて相応に女性に接する機会、それも水商売系統の女性とまみえる機会も珍しくなかっただろう境遇であの免疫の無さはないでしょう。ミューリ対応にリソース全振りしてるっぽいもんなあw
そのミューリである。いやあお転婆だ。これぞおてんば娘という天真爛漫さで、容姿こそホロにそっくりだけれど性格はけっこう違いますよね。でもあの強かさと抜け目の無さはさすがホロとロレンスの娘だ、という強者っぷりで、兄貴分のコルを振り回すのですけれど……ホロのように尻に敷くのではなく、結構この娘コルのこと立てるのよねえ。ある意味ホロと違った甘え上手ではあるのですけれど。
そして、ホロとはまた違った意味で拠り所を一人の男性に得ているんですよねえ。ホロの場合は長い長い有給の旅路の中での安息をロレンスに求めたわけだけれど、まだ見た目通りの少女であるミューリは人間と狼のハーフであるという自身の存在の立脚点をコルに得ているのである。人間ではない周りと違う存在である、本性を秘密にし続けなくてはならない自分が、この世界に居て良いのだという許しを、彼女はコルによって得ているのだ。自身の存在の肯定、ミューリをミューリ足らしめたものこそ、コルの絶対味方宣言なんですよね。今のミューリを形作ったものの根源こそは、コルなんですよね。そりゃあ、ミューリにとってコルは唯一無二だわ。
生まれたときから側にいたから自然に、という曖昧な流れではなく、ミューリとしては絶対的な意思と必然によってコルでなければならなかったわけなんですよね。そりゃあ、どこまでもどこまでも、住み慣れた街をあとにしても、愛する両親に別れを告げてもコルと離れられなかったのも理解できる。
時系列が同じロレンスたちが主役の方の番外編で、ミューリの出奔が家出でも物見遊山でもなく「駆け落ち」と認識されてしまっていたのも、これは無理からぬ話だなあ。だって、当事者であるコルと無駄な抵抗をしているロレンスを除けば、誰からどう見てもそして事実として駆け落ちそのものだもんなあw

しかしだ、今のコルは夢追い人。コルを追いかけついてきたミューリだけれど、兄様の視線はいつだって遠くを見つめていて、なかなか自分の方を見てくれない。寂しい思いをすることもしばしばで、このあたりの構い方はまだまだミューリはホロには敵わないなあ、と。いやミューリの場合はコルに対して遠慮と言うか配慮がたっぷりあるうえに、ホロみたいにグイグイと絶妙な押し引きがまだ経験不足で出来ないのだから仕方ないのだけれど。それに、コルってばあれだけいつも夢の方に熱中しているくせにミューリのことは頭の片隅においていて絶対に忘れてないんですよね。ちゃんと、見るべき時にはミューリの方を振り返って彼女のことを見てくれる。
ほんと、出来た青年である。そりゃあね、このちょっと頼りない兄様のためなら、なんでもなんでもしてあげよう、という気になっちゃうわなあ。淡い思いに一杯一杯になってるミューリの可愛いこと可愛いこと。子供っぽいといえばそうなのかもしれないけれど、幼いながらに自分の想いに本当に一途で一心不乱で、この一生懸命さは愛しくなります。
コルの方も、さすがはロレンスの薫陶を受けて育っただけあって、ただ世間知らずの堅物の学者もどきではなく、此処ぞというときには商人視点の視野の奥深さや、純粋さのなかに駆け引きを駆使するクレバーさも持ち合わせていて、まだまだミューリが自分がいないと駄目だなあなんて思ってしまう頼り無さや青臭さだけではなく、決めるときは決める頼もしさも備えていて、ほんと良い青年に育ちましたよ。
さいごの、王子がずっと抱えていた秘密に関してはちょっと反則ですよね。あれはコルが気がつかないのも仕方ないですよ。なんでミューリがあれだけピリピリしていたのかも納得できて、思わず微苦笑。コルさんや、この妹さんまじ可愛いですよ、もう。

シリーズ感想

このライトノベルがすごい! 2017  


このライトノベルがすごい! 2017

今回は順位結果のところ、モザイクでうまいこと消しているようで。前回までは白塗りで塗りつぶされてて変な感じでしたもんね。

というわけで、本年度も協力者枠でアンケートに参加させていただきました、お声掛けくださりありがたく存じます。
今年から「文庫部門」と「単行本・ノベルス部門」という2つの系統にランキングが分かれるという驚きの出来事が。単行本という部門を別に分けられるほどにシェアを広げている、ということなのでしょうか。
かくいう自分はというと、電子書籍にだいぶ比重を傾けてきたお陰でスペースを取るという問題については解消されたのですが、やはり値段の関係上早々気楽には買い漁れないのは相変わらず……と言っても、まあそこは学生じゃあないんで融通きくので実質買い漁っているのですが、それでも文庫と比べたらやっぱり軽々とはいかない面がありますねえ。

で、本年度のランキングでありますが……先に私の投票内容の方を晒しておきますか。


文庫部門
1位「筺底のエルピス」 オキシタケヒコ(ガガガ文庫)
2位「東京レイヴンズ」 あざの耕平(富士見ファンタジア文庫)
3位「竜は神代の導標となるか」 エドワード・スミス(電撃文庫)
4位「ふあゆ」 今慈ムジナ(ガガガ文庫)
5位「疾走れ、撃て!」 神野オキナ(MF文庫J)

単行本部門
1位「異世界から帰ったら江戸なのである」 左高例(エンターブレイン)
2位「その無限の先へ」 二ツ樹五輪(MFブックス)
3位「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」 CHIROLU(HJノベルス)
4位「火輪を抱いた少女」 七沢またり(エンターブレイン)
5位「さようなら竜生、こんにちは人生」 永島ひろあき(アルファポリス)

女性キャラ
1位「ラティナ」(うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。)
2位「乾叶」(筺底のエルピス)
3位「キリカ」(天空監獄の魔術画廊)

男性キャラ
1位「石動迅」(聖剣使いの禁呪詠唱)
2位「サージェス」(その無限の先へ)
3位「トリスタン」(魔剣の軍師と虹の兵団)


イラストレーター  ue/八坂ミナト/柴乃櫂人

こんな感じになってます。うん、ご覧いただければわかるとおり、文庫部門の一位に投票した「筺底のエルピス」が20位に入ってくれたくらいで、他はさっぱりランキング50位内のどこにも見当たりませんでした、あはは。
毎度といえば毎度のことなんですけどね。自分のスタンスといたしましては、もうあくまでアンケートの質問に応じて何も考えずに「期間内で自分が読んで面白かったもの、好きなもの」をうんうん唸って選んでいるだけで、全体の傾向とかこれから人気出そうな作品とかまるで考えてませんですからねえ。
だからこそ自信を持って、自分が読んだ中でこれが面白かったんだッ、と言い切れるしオススメできます。
悩むべきは、読めてない作品がやはり増えていることですか。読んでなかったら面白いもなにもないもんなあ。
アンケート1位をとった将棋作品に関しては、最新刊まだ読めていないのがいろいろな意味で痛恨です。いやもう納得なんですけどね、納得以上にこれが一位というのは驚きだし嬉しいなあ。

単行本部門の方は自分が選んだ作品もわりとどれもランキング内に入ってて、良かったというかなんというか。単行本部門が出来て一番ありがたかったのは、「江戸〜〜」がランキング載ってくれたことですね。
これ、前年では部門分かれてなかったですけれど一位で投票して、案の定ランキングのどこにも入ってなくて「あうあうやっぱり」とため息をついてたものですから。

しかし今年のランキング、このすばこと「この素晴らしい世界に祝福を」が自分はもっと上位に入るかと思ってたんですが、ランクアップしているとはいえ9位というのは意外でした。協力者枠のポイント少なかったのか。かくいう自分も入れてないんですけれど、最後まで悩んだ作品の一つであったんですよね。巻によってべらぼうに面白い時と普通に面白い、くらいの波があった分だけ、他の右肩上がりっぱなしな作品の方に傾いてしまったのですが。
去年のこのラノの記事でもちと触れたんですが、今年も思ってたより小説家になろう出身の作品のランキング入りはそれほどフルってないんですよねえ。いや、今年は猛威を振るうと予想していたのですが。ゴブリンスレイヤーなどが上位に入っているとは言え、リゼロなどの以前からの人気作品を除くと新規が殆ど見当たらないのが意外と言えば意外。
その分、単行本部門の方がそちらの受け皿になっている、とも言えるのでしょうけれど。
【戦国小町苦労譚】、こんなにランキング上の方なんだ。生産系では一番好きな作品だったけれど、そんなにウケるタイプじゃないよなあ、と思っていただけにこれは嬉しい。


文庫部門

前略、英雄候補は強くなるためにセンセイと××します。2 ★★★☆  

前略、英雄候補は強くなるためにセンセイと××します。2 (MF文庫J)

【前略、英雄候補は強くなるためにセンセイと××します。2】 葉村哲/たかしな浅妃 MF文庫J

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七十年に一度、一人の英雄と六の霊魔が世界の命運を賭して闘争する霊魔大戦。不完全な英雄候補アリスとエミリアが次に相対するは第二の零魔、水の悪姫ウンディーネ。ウンディーネとの戦いの地・ポセイドンへ向かう準備を行うグレイブたち一行の前に、「好きだよ、具体的には、一緒にお風呂に入っても良いかなってぐらい」グレイブの喪われた過去を知る三十路のボクっ娘殺し屋少女―メメントが現れる。さらに、エミリアの父『道化王』ビフロがエミリアに縁談の話を持ち込み、ウンディーネ退治の旅は大混乱に陥る。そんな中、エミリアの胸には謎の感情が生まれだしていて―。先生(元英雄)×少女(英雄候補)の世界救済ラブコメディ第二弾!

今度はエミリアのターン、と見せかけてアリスは間断なくイチャイチャし続けてるんですけれど。夫婦漫才じゃないんだけれど、アリスがもう一巻で難しいこと振り切ってクーデレに徹しているので、息を吸うかの如くグレイブといちゃつくんですよね。アリス自身、熱量高くなくえらいクールなまんまイケイケなのがまた独特なんだよなあ。対するグレイブ先生の方も何を考えているのかわからないおっさんで、アリスのアプローチに対して照れも慌てもせずに打てば響くようにヘラヘラと笑いながら合わせるもんだから、必然的にエミリアがツッコミに回らざるをえない、と。
しかし、今回エミリアの方も初恋の甘酸っぱい思い出に侵食されてしまってきているので、アリスとグレイブのイチャイチャに対して以前のようなトリオ漫才のような掛け合いに徹することができずにフガフガ地団駄を踏んでしまって、しかし素直になれずにガシガシとスネを蹴っ飛ばすしかできずに悶々とするエミリアがまたこれはこれで可愛いのよね。
個人的には葉村作品には糖度過多なほどの甘やかな恋模様と、自ら破滅を指向する狂気が渦を巻いていく終末的ラブストーリーをどうしても期待してしまうので、今回ちょっと狂気分が足りなかったかなあ。
一巻でグレイブ先生が完全にいい具合に出来上がっている破滅型救世主、というのが明らかになっていただけに。まあ、ここでエミリアの方もドツボにハマってもらわないと前提条件が満たされないだけに、エミリア優先というのは仕方なかったのだけれど。
初恋に蹴りを付け、同じ相手に改めて恋をはじめよう。何も知らない幼い恋の芽生えから解き放たれ、穢れて傷つき痛みを知ってなお甘やかな幸福となる恋をはじめよう。
その先が、破滅と知ってなお恋い焦がれる、そんな最期をはじめよう。

あと、とりあえず三十路僕っ子は辛いです(笑
ロリ系僕っ子は十代まで、そこから跳んで七十代以降でないと辛いよなあ。三十代は生々しすぎるw
しかし、あえてそこを踏み抜いてくるメメントさん、その無謀な病み方はなにげに大好きですww

1巻感想

はたらく魔王さま! 16 ★★★★★   

はたらく魔王さま! (16) (電撃文庫)

【はたらく魔王さま! 16】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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魔王さま、義理チョコを貰う!?
異世界で始まった大魔王の遺産捜索の裏で庶民派バレンタインが開幕の、第16弾!

『大魔王サタンの遺産』捜索のため、六畳一間の魔王城からは、生活用品一式が異世界エンテ・イスラへと移されていた。通勤時間の問題により、魔王はそんなからっぽのヴィラ・ローザ笹塚201号室で寝泊まりをすることに。独り身の生活に寂しさを感じながらも、正社員登用研修に参加する魔王。そんな中、研修で一緒になったゆるふわ女子に思いがけず義理チョコを貰ってしまう。アシエスの食い意地によりその情報が知れ渡った時、女性陣に動揺が広がるのだった――!
一方エンテ・イスラでは、大魔王の遺産の一つ『アドラメレキヌスの魔槍』を手に入れるため、鈴乃、ライラ、アルバート、ルーマックが北大陸に旅立っていた。日本のジンギスカン屋そっくりの店では、「囲いの長」と呼ばれる北大陸の代表が待ち受けており……? 庶民派ファンタジー第16弾!

千穂ちゃん、まじすげえ。この娘のくそ度胸と聡明さには何度度肝を抜かれれば済むのか。悪魔大元帥の称号は決して名誉職のそれじゃないのだ。称号にふさわしい働きを、常にこの娘は示している。だからこそ、何の力も持たない女子高生という点は最初から殆ど変わらないのに、彼女の名望はヴィラ・ローザ笹塚の小さなコミュニティに留まらず、魔王軍の幹部たちも人類諸国の名立たる者たちに広がっていくのも当然だろう。
事態がエンテ・イスラを中心に動くことになって、千穂ちゃんが蚊帳の外になってしまうんじゃ、という危惧なんてどこへやら。むしろ、真奥と恵美の方が大っぴらにエンテ・イスラで動くわけにはいかないから蚊帳の外になってるくらいじゃないか。
その清々しいまでの威風堂々とした振る舞いと、意思の強さによって、今は亡き前魔王軍大元帥アドラメレクの遺産、いや彼の魂の後見を得た佐々木千穂。もはや、名実ともに誰もが認める、魔王軍大元帥筆頭である。
今回の一連の話を鑑みると、この16巻の表紙絵は白眉なんじゃなかろうか。千穂ちゃんの凛々しい姿に、奮闘しながらもすっ転ぶベル、そして完全に乙女の表情になってしまっている恵美。三者のヒロインのこの巻における動向を、一発で表してしまっているのだから。
それにしても、真奥さんはもっとしっかりしなさいよねえ。芦屋たちがエンテ・イスラの方に生活の比重を置いてしまったが故に、逆単身赴任みたくなって部屋に一人取り残されてしまった真奥。ベルもエンテ・イスラの方で忙しく、千穂ちゃんは男の一人住まい状態になってしまった201号室には簡単に足を運べなくなってしまったせいで、孤独感に打ち震える真奥のメンタルがマッハで消耗してしまっているんですが、飯事情が寂しくなって、おまけに人恋しくてみるみる元気がなくなっていく魔王さまって、どんだけだよww
まさかここまで真奥が軟弱だとは、そりゃあ芦屋やっつけてたら魔王軍勝手に自壊してたんじゃないか、というベルたちのコメントは的を射すぎてて笑えない。
一方のベルも、エンテ・イスラの政治的なバタバタ騒ぎでも十分大変なのに、そこに真奥のハッキリしなささが原因で千穂や恵美、その他もろもろの女性関係のもやもやした状態に神経をすり減らすことに。自分では傍観者というか中立の立場で居るつもり、でいるのが余計に拍車をかけているような気がするなあ、彼女は。ベルも当事者なんですよね、それを認めていないから余計に真奥の考えが足りない言動に過剰反応して感情を滾らせることになる。この点、ひたすら自分と戦っている恵美がひたすら内圧を高め続けているのとは裏腹に、活火山並みに小規模噴火を繰り返しているのは、まだマシと考えるべきなんだろうか。
ただ、真奥へのイライラが色んな側面でベルに踏ん切りをつかせてしまっているのは何とも面白い状況で、ベルの場合は冷静にさせるよりもむしろ暴走させる方がガンガン閉塞を打開していくんですよねえ。その意味では、彼女も魔王軍大元帥として派手に思い切って振る舞った方がいいんでしょうなあ。でも、人魔共同戦線の陣中でも教会の幹部ではなく、本気で魔王軍の立場で物言いしてるのは笑ってしまいましたけれど。あれは八つ当たりみたいな状態だった、としても。
あと、チビカマはストライクすぎて、もうこれ絶対定着して離れなくなったぞ。
いずれにせよ、今回の一件は魔王も勇者もそっちのけで、悪魔でも天使とのハーフでもなく、ただの人間でありながら魔王軍大元帥の看板背負った二人の少女の活躍で、様々な行き詰まりやらしがらみやらをふっ飛ばしてくれたのは、痛快の一言でした。
梨香さんもここにきて、ベルの企みにも一枚噛んでエンテ・イスラにも出入りしていたように、完全に仲間入りしてきた上に、芦屋に対しても一歩も引かない姿勢を見せてきて、肝を据えた女性陣はほんと気持ちいいですわ。芦屋も、タジタジなんだけれど彼の場合は実のところ既に心中かなり傾いてるからなあ。
そして、完全に内面は乙女とかしてしまっていて、口に出して言っている言葉が本当に建前だけになってしまっている恵美。彼女、マジでどうするんだろう。うちに篭めてる熱量がどんどん凄いことになってるんだけれど。

シリーズ感想

恋愛ラボ 12 ★★★★★   

恋愛ラボ(12) (まんがタイムコミックス)

【恋愛ラボ 12】 宮原るり まんがタイムコミックス

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ナギに想いを告げたリコ、正面切っての真っ向アプローチにタジタジのナギ!?
マキはついにヤンへの恋心を認めるが…
恋愛研究サンプル外の男子の気持ちに大混乱??

ひゃあああ! ひいやぁぁ! うひょーーーー!!!
とまあ、リアルで奇声をあげてしまったぜ。思わずジタバタゴロゴロ悶え転がってしまったじゃあないか!!

やー、もー、いひひひ、ひゃーー!! 甘酸っぺぇ! なにこれもう、甘酸っぱさが天元突破だよ。どうするよこれ、反則だろう、ずるいずるいこんな告白劇見せられたら、ひょあああっってなもんだよ。テンションあがるし体温あがるし顔面赤くなるし、もう……もう……たまらん。
しかし、ついに、ついにかーー。ついにリコがナギに告白ですよ、告白。誤解しようのない物凄いのかましやがった。これまでの恋愛研究はなんだったんだ、と天を仰ぎたくなるようなしっちゃかめっちゃかの末の雰囲気とかガン無視の、そりゃもう恋に恋する年頃の乙女の告白としては残念極まる告白だったんだけれどさ。
それでも、最高の告白だった。至上にして最上の告白だった。
一生黒歴史として封印したくなるような、しかし思いっきりマキに見られてて抹消できない悲惨な代物だったけれども……それは女の子の立場から見たもので、ナギからするともう青天の霹靂だったわけで、一生忘れらんないすんげえ告白だったんだよ。
まあ、なぜあそこまで男女の立場ひっくり返った告白になってしまったかには、首を傾げざるをえないというか、リコならまあ仕方ないというか当然と言うか、男前だなあと遠い目になるしかないのだけれど。
そして、何故か告白されたあとの「……まじかよ」と真っ赤になった顔を抱え込んでうずくまるナギが一番この巻で可愛かった、というのもまあ仕方ないんだよ、うん。
すげえなあ、中学生。

マキもついにヤンへの認めたくない恋心を認めざるを得なくなって、観念したわいいけれど、どこをどうひっくり返しても自分が理想としていた恋愛像に従ってくれないヤンの在り方に頭を抱える日々。惚れたら負け、というのを地で行ってるなあ、マキは。それでも、ヤンに変な理想を投影せずにちゃんとヤンの人となりを率直に把握して受け入れて、その上でこの不器用な青年を好きだと自覚したわけで、その意味では変な理想を押し付けて拗れることにはならないだろう、という安心感がある。何より、ナギを除けばマキこそがヤンという人間をもしかしたらヤン自身よりも素直に、言動に騙されずに見通しているわけで。これまでヤンの歩く道というのはナギが切り開いてきたようなものだったけれど、今はマキが捻くれて斜に構えて自分から道を逸れようとしてしまうヤンに道を指し示している。繕わない素の、恥ずかしく歪んで無様な己をお互いに一番最初に見てしまったからこその、不思議な距離感、という面白い関係なのである。

逆に、思わず飾ってしまった自分に囚われて進展しなかったのがエノで、それが今回の文化祭で本性というか、あの気の強い負けず嫌いの性格を会長に曝け出してしまったことで、一気に関係が進展してしまうんですよね。こっちも面白いアプローチなんだよなあ。これらの関係が一気に結実したこの第12巻、いやまじ凄かった。
凄かったといえば、普段の黒縁メガネじゃなくて、縁無しのメガネかけたサヨの凄まじいメガネ美人さには度肝を抜かれましたがな。いや、別人じゃね? メガネをとったら美人、という類ではなかったんですよね、サヨって。いやまあ普通にきれいな顔なんだけれど、あの縁の目立たないシャープなメガネをかけたサヨときたら……マジでメガネこっちにしようよ。

ついに、告白という一大イベントを乗り越えてしまったリコとナギ。まだもう付き合うとか付き合わないとかどころじゃなくお互いテンパっちゃってるんだけれど、すれ違っていた気持ちが伝わってしまった以上はこのままでは済まないわけで……うわぁうわぁうわぁ、もうどうすんのこれ!? また次の巻出るまで1年待つの!? 
まじかー、一年かー!

シリーズ感想

超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 4 ★★★   

超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!  4 (GA文庫)

【超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 4】 海空りく/さくらねこ GA文庫

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北部四領を帝国の圧政から解放し、民主国家“エルム共和国”の樹立を宣言した超人高校生たち。人々が新たな時代の到来に歓喜する中、帝国から休戦の申し入れが届いた。図らずも訪れた平和な時間。リルルと林檎の恋の直接対決が勃発したりしつつも、超人高校生たちは国家としての体裁を急速に整えていく。そんなエルムの大きな柱となるのが独自通貨の発行。勝人はエルクらとともに経済の安定のため、周辺国家との通商会議に臨むが―!?「ここから先は俺の流儀でやらせてもらう」地球最高の実業家がついに本気を見せる!?異世界革命物語第4弾!

いや、この場合ルー子の思考パターンは国益を賭けて交渉する立場の人間としては真っ当ですらある、と言ってしまうとさすがにブラックなんだけれど、それが当たり前な世界だからなあ。その意味では新国家エルム共和国の政府中枢たる大臣・官僚となっていくだろうエルクたちは、才能や資質はあってもまだ経験が全くなく純朴でありすぎるんですよね。それでは、生き馬の目を抜く世界ではやっていけない。その意味では、早いうちに自分たちがフォローできる段階で痛い目を見ておけ、という司や勝人たちの方針は正しいといえるのでしょう。少なくとも、このピンチによってルー子の濁な意見を飲むだけの見識を得たわけですしね。それでも、まだまだ圧倒的に足りなかったわけですから。
でも、勝人はこれだけ他人に任せられない性格だとあんまり人を育てられるタイプじゃないんだろうなあ。それでも、ルー子みたいな子をちゃんと拾って鍛えることは出来ているんだけれど、いざとなると自分が出張って自分で全部解決してしまいたいワンマン気質だと、周りがもし育ってもそれが頭角を現しだすと決定的なところで対立しだす気がするんですよね。ワンマン社長が一代で大きくした会社の少なくない数が、次代との衝突で躓く過程を辿ったように。特にルー子は逸材であり勝人と似たタイプなだけに育った時に勝人と共存できる気がしないのよねえ。
他に類を見ない化物揃いの超人高校生たちだけれど、こうしてみると完璧超人とは言えない結構な粗も内包してるんですよね。葵なんか、戦闘担当なのに弘法筆を選びまくる、が如く使える武器が限定されていて、それが使用不能になると戦力半減って、ちょっと能力がピーキーしやすぎませんかね!? 戦闘超人なら、笹の葉でも真剣と同じようにスパスパ切りまくれる、くらいの強さだと思ってたのに。
帝国側に、自分たちと同じく異世界から来た人間が国家の最高幹部クラスに居座っている、ということが発覚して、余裕余裕とか言ってられなくなってきましたし、むしろ国を作ったことで足かせも増えてきて、なかなか難しいことになってきたなあ。
ぶっちゃけ、帝国を潰す、ということが目的なら今回の勝人の仕掛た経済戦で帝国、息の根止めることも出来たかもしれないんですよね。結果として、帝国の貨幣経済が壊滅して経済的な焼け野原が現出する阿鼻叫喚の地獄絵図になったとしても、ですけれど。
いや、そこまでやらかしてしまうと、エルム共和国だって波及効果でただで済むとは思えないのですが。その意味では、勝人は無茶やらかしたよなあ。事前に、司にセーフティネットになるように頼んでいた、というあたりは冷静なのかもしれませんけれど、彼のこの気質は商売人とか経済人とはまた異なるような気もするんだけどなあ。
明確に、いずれ司とは袂を分かつ素振りを見せている勝人ですけれど、彼に限らず実のところ他の高校生ズからして司の掲げているエルム共和国の理念に諸手を挙げて賛同しているか、というと微妙なところではあるんですよね。あくまで司への個人的友誼とエルムの人達に対する信義と好意からで、共和国の理念に対してはあんまり関心ないんじゃないか、という態度が結構見え隠れするわけで。まあそこは、政治家かそうじゃないか、という立場と視点の違いもあるでしょうし難しいところか。でも、歩む道が別となる理由としては十分でもあるだけに、今後どう取りまとめていくかには興味が尽きぬところであります。

シリーズ感想

世界の終わりの世界録<アンコール> 8.慟哭の神霊 ★★★   

世界の終わりの世界録<アンコール>8 慟哭の神霊 (MF文庫J)

【世界の終わりの世界録<アンコール> 8.慟哭の神霊】 細音啓/ ふゆの春秋 MF文庫J

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伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録」。その在り処での衝突から世界が終わり始めた時代―竜の秘境でキリシェと再会を果たしたレンは、残る仲間の手がかりを求めつつ、この世界の真実の究明に乗り出す。そうして彼らが向かったのは、聖地カナン。世界崩壊後もエリエスが治める彼の地もまた深刻な状況に陥り、レンは思いがけぬ再会を果たした魔王ヴェルサレムとルルと共通の目的から行動を共にすることになる。神代の怪物の復活や神性都市の謎が終わりの夜想曲を奏でる世界で、偽英勇は、自らの進むべき確かな道を見据え続ける。「ようやくアンタの旅の先が見えてきた気がするよ」―いま、最も王道を行くファンタジー、世界の深淵へと続く第8弾!

今回の表紙絵を飾るのは魔王城のメイド長、氷の魔将ルルさん。表紙を飾るだけあって、今回はルルさん無双。無双と言っても戦闘力的な意味ではなく、まあ無茶苦茶強い人ではあるんだけれど、今回の無双っぷりはというとそのフリーダムっぷりにスポットがあたるわけで、色んな意味でヤンチャすぎる、この初代魔王w
悪魔の連中は誰もがだいたい変というか愉快系の連中ばかりだった中で、ルルさんだけはその秘された経歴といい現職のメイド長としての立場といい氷の魔将としての冷静沈着さといい、非常にしっかりとした貫目のある人という印象だったのだけれど、この人も所詮悪魔だった。エリーゼと同類だよ、ってかさらに質が悪いかもしれない。冷静沈着に愉快犯じゃないかw
前回は天使たちの長である女神と、この変わってしまった世界を旅することになったのだけれど、今回は魔王と一緒にダンジョン攻略、という相変わらずパーティーメンバーがいい具合にカオスってます。とりあえず、悪魔とダンジョン攻略なんて知力と計画と繊細さが必要な冒険はしちゃいけませんね。なんかもうしっちゃかめっちゃかになっちゃうというかされてしまうというか、エリーゼって振り返ってみると凄い気を使ってバランス取ってくれてたんだなあ、と遠い目になってしまった。キリシェといいフィアといい、三姫たちあれでホント思慮深く動いてくれてたんだなあ、と今更のように納得できてしまった。

ともあれ、今回の遺跡探索で竜・天使・悪魔たちの伝承からも失われていた古代文明期に何が起こったか、そこに精霊たちがどう関わっていたのか、という謎も徐々に紐解かれてきたわけで。精霊たちについても、これまでレンが使えてきた精霊の力というものがほんの一端に過ぎなかったというのがわかってきて、サラマンダーやノームたちの力も、ともすればもっと凄いものを引き出せるようになるわけか。
しかし、同時にまたぞろ強大な壁となりそうな相手の存在も明らかになったわけで、ってか竜・天使・悪魔にも始祖となる一番強いのが控えてるのかー。これはキルシェたちの担当になりそうな気もするけれど。
ともかく、今まではエルレインの旅の足跡をなぞってきたレンだけれど、世界録を見つけて以来、エルレインがたどり着けなかった旅の先へと踏み出している、という実感がエルレインが経験しなかった大冒険を突破することで、レンに焼き付けられていく。名実ともに、レンが英勇を超えつつあるわけだ。

そのレンの最大のライバルとなるだろう騎士王ゼルブライトだけれど……この人、なんか凄い思わせぶりに独りごちてるけれど、ぶっちゃけ今起こりつつある出来事の数々から完全に出遅れてしまってるだけな気がするんですけれど。みんな出て行っちゃって空っぽの場所に戻ってきて、アレ誰も居ないぞ?もう行っちゃったのか?と言ってるだけじゃないのか、あれw

シリーズ感想

その無限の先へ OVER THE INFINITE 5 ★★★★  

その無限の先へ 5 (MFブックス)

【その無限の先へ OVER THE INFINITE 5】 二ツ樹五輪/ 赤井てら MFブックス

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特殊イベント<鮮血の城>攻略戦。さぁ、次の試練の始まりだ!

アーシェリアと激闘を繰り広げた新人戦は、迷宮都市に大きな波紋をもたらし幕を下ろした。様々な期待を背負いつつ、綱たちは中級ランク昇格を目指し冒険者活動を続ける。
「えーと……唐突ですが、渡辺さんは運命って信じますか?」
「急な話だな。そういう謎の力が働いているんじゃないかって思う事はあるぞ」
吸血鬼の少女リーゼロッテとの運命的な邂逅は、次なる<五つの試練>の始まりを告げる。
彼女が主を務めるという<鮮血の城>で行われる特殊イベントを攻略する為、メンバーを集める綱たち。フィロスたちに加え、姫騎士(志望)・ティリア、期待のノーマル枠・摩耶という新メンバーを加えた一行は試練に向けた訓練を開始する。
しかし、そこで待っていたのは負けず嫌いの連鎖。罰ゲームを賭けた、無限に続くかのような地獄の特訓だった!?
一癖も二癖もあるパーティだから面白い! 無限に挑むバトルコメディ第五弾!!

特訓の内容が地獄……ではなくて、そのあとの罰ゲームが地獄(笑
一回一回罰ゲームが変わるのではなく、前回の罰ゲームは継続でさらに新しい罰ゲームを、という累積型にしてしまったのが運の尽き。人間としての尊厳をグリグリと踵で踏みにじってみんなで指差して笑うような罰ゲームの数々に、加速度的に目がマジを通り越して血走りだす参加者たち。これでよく人間関係壊れないよなあ、とも思うんですけれど、罰ゲーム自体は「あれ」でも訓練成績自体は自分が頑張るほかないんですよね。他人の足を引っ張るような真似が出来ないだけに、成績は全部自分の出す結果に基づいているわけで自分を責めるしかないわけで、その意味ではよく出来てしまった訓練だなあ、と思うんだけれどそれにしても罰ゲームの数々がひどすぎる(笑
みんながみんな負けず嫌いなものだから、本来なら訓練のハードさに音を上げてもおかしくない結構えげつない難易度に回数を重ねるごとに上がっていくにも関わらず、ひたすらに罰ゲーム回避のために決死の思いで無茶苦茶やりまくる、という強くなるという基本目的忘れてるんじゃないだろうか、というくらいの熱中ぶりだったもんなあ。
というわけで、ダンマスから提示された2つめの試練は、特殊イベント<鮮血の城>の攻略。しかし攻略には最低8人のパーティメンバーを揃えなくてはならない、という条件が出てしまい、今いる綱、ユキ、サージェス以外に5人新しいメンバーを集めなくてはいけなくなった綱たちは、慌ててメンバー集めに奔走し……。
新たな変態枠を回収してしまうのであるw
カラー口絵に、今回のパーティメンバー全員登場してますねー。基本的にだいたいみんなイメージ通りでしたが、摩耶が思った以上に夜戦忍者だったw
流石に、サージェス級の変態はもう迷宮都市にもまずまず存在しないんですけれど、人並み外れた変態はそこそこ揃ってるんですよね。その中でも白眉な、「オークに陵辱されたい願望」の持ち主のティリアが初参戦。いやこの子、オーク絡まなかったらわりと普通な分、全然サージェスよりマシなんですけどね。
考えてみると、今回会って誼を通じることになったトップクランの5人のクランマスターたちの方がよっぽど頭おかしかったよなあ。と言ってもシリアスな方に頭がおかしいんじゃなくて、愉快な方に頭がおかしいのはこの作品の常なのですけれど。トップクランの人でも、みんな緩いもんなあ。トップに限らず、中堅から下の方まで出てきたの概ね変なのばっかりだったような気もするけれど。
まあ、綱、ユキ、サージェスからして、トップクラスの頭のおかしさなのでそのへんはバランス取れているのかもしれない。その意味では、摩耶はかなり普通ですよねえ。期待の普通枠という期待を今のところ裏切ってない……徐々に普通のまま染まってってる気がしないでもないですが、先々の話ですが。

それでも、この頃の八人を見るとわりとベーシックなメンバーなんですよねえ。後にこの綱たちのクラン(予定)はもっとメンバー増えてくるんですけれど、カオスも良いところなメンツになるからなあ(笑

さて、今回のイベントの舞台となる鮮血の城。そこでボスモンスターを務めるのが表紙にもなっている吸血姫のリーゼロッテである。この娘がなかなかポンコツ可愛くてねえw
迷宮都市って、少なくとも無限回廊の100階層まではダンマスが創造したモンスターたちが戦闘要員務めていて、その中でも知性を持ってるタイプやモンスター同士から生まれた二世モンスターなんかは普通に意思疎通ができる、という以上に仕事で迷宮のモンスターやってるようなもんで、オフには普通に暮らしてたりするんですよねえ。
綱、初心者イベントのダンジョンボスで激闘を繰り広げたブリーフタウロスさんと、あとで焼肉一緒に食いに行ってたりしましたしねえ……なんでこの迷宮都市のモンスターたちは積極的に共食いするんだw
面白いことに、モンスターや動物でも条件をクリアするとモンスター業やペット業を廃業して、冒険者に転職できたりするんですよね。あとでクローシェがそれでえらい追い詰められることになったりもするのですが。
ともあれ、ユニークモンスターは用事があれば冒険者たちが暮らす地区にも普通に訪れてきたりもするわけで、そこで綱は次のイベントで戦うことになるボスキャラ……リーゼロッテと偶然に遭遇するのである。
って、それが一度だけだったら、お互いに決め台詞なんか交換しつつ、次に会うのは戦場です、なんてカッコいい別れ方も出来たりするのですが……。
いやあ、恥ずかしさに耐えられずに走って逃げてしまうロッテちゃん、可愛いっすw

また、ようやくこの四巻で前世からの友人、というか同じ部の仲間だったトマトちゃんとついに運命の再会を期することに……って、前世からの再会という劇的イベントをここまで思いっきりナチュラルに知らない人の振りしてスルーしてしまう外道は初めて見たよ(笑
トマトちゃん、素で人違いだと思いこんで謝って行っちゃったじゃないかw ガチでひどいw
しかし、ウェブ版読んだ当時は綱の前世の死因についてトマトが言葉を濁していたの、あんまり気にならなかったんだけれど、改めて見ると物凄い不穏なこと漏らしてたんですねえ。綱やトマトたちの前世での出来事、この時点ではそこまで深刻に考えてなかった、というのもあるんだろうけれど。

ともあれ、イベント本番は次回、ということで準備回ではあったんですけれど、罰ゲームが大いに盛り上がりすぎて、準備ドコロじゃなかったし、ボスのはずのロッテがあっちゃこっちゃで登場するもんだから、いい意味で賑やかな準備回でした。
クローシェは同じクランにはならなそうだけれど、自己評価低すぎるのは納得だし、ちょっときっかけがあったら飛躍しそうなんだけれどなあ。彼女も、この罰ゲーム参加してたらまた全然違った気がするのだけれど。


シリーズ感想

ひょうたん のっぺら巻之二 ★★★★   

ひょうたん のっぺら巻之二(仮) (廣済堂モノノケ文庫)

【ひょうたん のっぺら巻之二】 霜島ケイ 廣済堂モノノケ文庫

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江戸の人々は言う、「江戸で人気ののっぺらぼう同心を見て驚くなんざ、とんだ江戸っ子の名折れよ」と。情に篤く正義感の強い柏木千太郎のことだ。しかし、江戸っ子たちにも、のっぺらぼうだからこそ気になることがある。柏木の旦那はどうやって飯を食べている?
―実は、腰から下げたひょうたんに、胃の代わりに食べさせるのだが、そのひょうたんがなくなったから一大事!他に使いようもないのに、いったい誰が盗んだのか。同僚の片桐正悟と下っ引きの伊助が江戸中を探し回り…。のっぺらぼう同心の心優しい捕物帳、大好評第二弾!

千さん、胃だけ外部端末なの!!? 昔、何かで見たのっぺらぼうは、食べるときだけ口の部分がぽっかり空洞が空いて、という感じだったので千太郎さんもその類いだと思っていただけに、携えているひょうたんに食べさせる、という発想はなかった! でも、それってなくしたら大変じゃないの!? と思ったら、案の定ひょうたんを誰かに取られてしまってさあ大変、という話に。
このひょうたん、千太郎さん自身が食べ物を入れないと千さんが食べた、ということにはならないのね。千さん、「あーん」という風に食べさせてもらえることは出来ないのかー。いやまあ、武士がそんな食べさせ方させてもらうというのはアリえないのだけれど、夫婦仲の良さと千さんの人柄を思うとないこともないような気がしないでもないので、微妙に勿体無い。
この「ひょうたん」がまたじんわりと心温まる人情はなしでねえ。人間とあやかしは違う存在でありながら、この江戸では寄り添うようにして一緒の時間、一緒に空間で生きていることを実感させてくれる話でもありました。ひょうたんを無くして食事を取れなくなって弱っていく千さんを心配して奔走するのは、人間の同心である正悟と伊助。話を聞きつけた江戸の人たちも、これがそうじゃないかとみんなしてひょうたんを持ち寄ってきてくれて、それこそ山になるくらいひょうたんが集まってくるんですね。そして、ひょうたんを盗んだ天邪鬼の子も、イタズラで盗んだのではなく、彼なりに必死の思いで食べ物を食べるひょうたんを盗ってきたわけで、その理由がまた泣けるのですよ。彼の行く末も含めて、人と妖怪の変わらぬ優しさが染み入る話でした。

一方で続く「丑の刻参り」は逆に人と妖怪、双方の怨念が渦巻く、それこそおどろおどろしい怪談になっているわけですが、それに一人の町娘の、自身の許嫁である岡っ引き見習いの伊助への複雑な思いが本物の愛情へと変わっていく恋物語にもなっていて、にんともかんとも(笑
元々幼馴染同士でもある二人であるが故に、成り行きというか自然の流れでそのうち夫婦になることも受け入れてはいるのだけれど、お互いよく知るもの同士であるが故に熱量みたいなものは存在しなかったんですよね。それが、この恐ろしい事件に巻き込まれたことで自分がどれほどこの幼馴染を心の拠り所にしていたか、そして相手が見栄っ張りで頑固者な自分の内面をちゃんと理解してくれていたことがわかって、その上で彼が体を張って自分を守ってくれることや岡っ引きの仕事や千さんを助けることをどれほど誇りに思って大事にしているか、彼の大切なものを飲み込むことが出来て、彼に対する想いがはっきりと形になり、熱が灯るのである。
いい話、なんですよ。
対比として、あやかしを産む怨念へとすら変わってしまう恐ろしい情念と対決する話でもあるだけに、なおさらに引き立つんですねえ。相変わらず、伊助が千太郎のこと好きすぎて、嫁さんとなる由良も色々大変だなあとも思うですがw

しかし、千太郎の母親でも有る妖狐の艶さんが実に頼もしい。格好の良い女の人の代表みたいな感じで、千太郎の親父さんとの若い頃世代の話なんかもみたくなるくらい、この両親も魅力的なんですよねえ。

1巻感想

セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~ ★★★★   

セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~ (ダッシュエックス文庫)

【セーブ&ロードのできる宿屋さん ~カンスト転生者が宿屋で新人育成を始めたようです~】 稲荷竜/加藤いつわ ダッシュエックス文庫

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『死なない宿屋』
冒険者垂涎のそんな都市伝説をもつ宿屋があった。少女ロレッタはある目的のため、駄目元でその宿屋にたどり着く。そこで知った『死なない宿屋』の秘密とは。
「セーブポイントです」

そこの宿屋は、異世界から来たという、『セーブポイント設置能力』をもったカンスト冒険者の経営する店だった。
冒険者を引退して宿屋を経営、しかも冒険初心者に修行までつけているらしい。強くならなければならないロレッタは宿屋主人アレクに修行をつけてもらうことになるのだが……
死んだってロードすれば平気! な引退冒険者の新人育成プラスαな宿屋ライフストーリー。
ウェブ版は既読済み。しかし、何度読んでも……酷いッ!! いやもう、本当に酷い(爆笑
本作って、主人公は宿屋の主であるアレクじゃなくて、それぞれの章でアレクの修行を受ける女の子たちなんですよね、これ。んでもって、これは彼女たちがえらい目に遭う話なのである。
ドエライ目に遭ってしまう話なのである。
おろし金でゴリゴリと大根を削り落としていくかの如く、彼女たちの正気とか人格とか精神とかが摩り下ろされていく話なのである。
いやもう、笑った笑った。笑うしかないというくらいには笑ったさ。
セーブポイントを作り出し、それに記録した人はたとえ死んでもロードで生き返らせることが出来る能力を持ったアレク。彼はその能力を利用して、冒険者の育成をサポートする副業をやっているのだけれどその修業というのが……死ぬ前提なんですよね。ゲームなら、トライアル・アンド・エラーは常套手段ですよ? でも、これは異世界とはいえ現実なのである。世間様には死んでも生き返るなんて常識はなく、普通は死んだら死ぬのである。なので、普通は死ぬのには相当の覚悟が入りますし、死ぬというのは凄まじい精神の負担があり、恐怖を伴い、精神にも大きな傷が刻まれることになるのです。
でも、死ぬ気でやれば人間なんでも出来るの考え方で、じゃあ死ぬ気どころか死ぬくらい頑張れば、大抵の困難は克服できるんじゃね? という考え方を突き詰めきってしまったのが、アレクの修行法なんですね。
だから……死にそうになるまでやる。じゃなくて、ガチで死ぬまでやります。やります。やってしまいますww
でも、アレク自身は別に悪意とか嗜虐心があるわけじゃなく、凄く丁寧に真摯にアタリマエのことを当たり前にやってるだけのつもりなのである。特別なことなど何もしていなくて、誰でも出来ることを出来るようにやらせているだけ、のつもりなんですね。
なので、話が通じない。
いや、会話は普通に交わせますし、意思の疎通も普通にできます。だけど、話は通じない。

言っていることの意味はわかるが、言っていることの意味がわからない!

この言葉自体が意味わからんのですが、まさにこんな感じなんですよね。理屈としては言っていることの意味は理解できるが、理性と正気が意味を理解するのを拒むのである。
そして、思わずぽろりとこぼれ出る言葉が

「たすけて」

しかし、宿屋主人からは逃れられない(笑

彼の修行を受けることになる女性たちには、それぞれになんとか修行を受けて目的を達成しないといけない、という理由があるので、逃げ出すことなくこの修行の名を冠した拷問とか地獄とか阿鼻叫喚なそれに挑んで、実際死にまくることになるのですが、アレクの容赦なくにこやかに「ポキッ」とココロ折ってくる言動がほんとうにもうひどくて、ひどくて……笑うしかないんですよね、アハハ、アハハ。
まあこのアレクも、ウェブ版で先の方まで読んでいるので、元からこういう壊れた人ではなかった、というのは知っているのですけれど、彼もまあ被害者なんですよねえ。セーブ能力は持っていても元々は普通の感性の持ち主だった、というのは今更信じられないのが今のアレクなんですけれど。
人間、やりすぎると人格はこのように改造されますw

これで、ちゃんと奥さん居るんだから、世の不思議極まれリ、である。わりと奥さんの方はまともなんですけどね。アレクと彼女、元々は兄妹として育った二人が如何にして今に至ったか、には現在進行形で裏で動いていることがあるのですが、これに関しては第二話でさらりと出自であるクランの話が関わったくらいで、まだ本格的には踏み込んではいないのですが。
しかし、これだけ酷いことをされながら、一話のロレッタや二話のモーリンともにアレクのことを恨むどころか、どんどん信頼を深めていくのは、別に洗脳されているからじゃないですからね? 若干、その嫌いもないではないかもしれませんけれど、アレクは万事誠実に修行の内容については全部説明して、ちゃんと相手が納得してから実行に移し、ちゃんと目に見える結果を出しているので、嘘や誤魔化しなく様々なサポートに関しても行き届いていますから、恨みようがないと言えばないんですよねえ。しかも、ロレッタたちは境遇的に追い詰められたり酷い目に合わされたりしてきた娘たちなので、アレクの真摯さや誠実な対応はやっぱり信頼感を抱いてしまうのでしょう。同じくらい、その異常性や話の通じ無さに恐れおののいてもいるのですが、修行過程でどんどん精神的にヤバイ領域に突入していくので、そのうち気にならなくなる……というこの傍から見ると地獄絵図たるやww
頭おかしい修行の数々は、そのエグさ云々よりも内容を聞かされた時の挑戦者たちの反応がやっぱり最高にイカしてるんですよねえ。あのかけあいの絶妙さは、なかなか類を見ない切れ味だけに、一瞥の価値ありです。いやもう、本当に酷いから(笑

高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない 2 ★★★★   

高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない2 (一迅社文庫)

【高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない 2】 瀬尾つかさ/kakao 一迅社文庫

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書き換わった歴史の中、最善を尽くしつつ現代への帰還を目指すダナン魔導学院の生徒たち。古代文明の遺産を利用した積層都市アルフェで開催される西部都市の魔族軍対策会議にダナンからも人員を派遣するのだが、洞窟都市グリンデのハルメス・ザルダート議長はケーネの姿を見て驚愕する。「あなたこそ、今代の星の神子!」一方、エルドは歴史上の重要人物、魔族軍と苛烈に戦い最後のひとりまで殺し尽くした女将軍シルテシア・アルフェミティと出会う。しかし、エルドの前に現れたシルテシアは、まだ争いとは無縁の優しい母親でしかなかった。星の神子に祀り上げられたケーネの運命、後世に虐殺者として知られるシルテシアの真実、そして積層都市アルフェで蠢く陰謀の影とは―。

難しいところだよなあ。目の前で起ころうとしている悲劇を回避するために力を貸してしまうと、それがそのまま人間サイドの戦力を強化してしまいかねない。人魔大戦と呼ばれた大戦争に対するダナン学院のスタンスは、歴史の改変はもう仕方ないものとして、とにかく人も魔族も被害を少なくしたい、というものである以上、一方の必要以上の強化はより被害を拡大させかねないわけで。かと言って、手の届く範囲で多くの人が死のうとしているのを見過ごす、なんて割り切りが出来るほど学生たちは達観していないわけだし。
これは図らずも魔族側に入り込むことになってしまったガゼットも同じくで、とにかく出来ることをやって酷い有様の現状を改善していたら、著しく麾下の魔族軍が強化されちゃってるわけですし。でも、ガゼットってただのナンパなチャラ男かと思ってたら、どこのチート転生者かと思うくらい様々なジャンルに万能なんですけど、こいつ。全部、付き合ってた女の子から教えてもらったり、話を合わせるために習得したり、というあたりすげえとしか言いようがないんですが。
もしかして、戦闘特化型のエルドより主人公力高いんじゃなかろうかw 伊達に学園から離れてたった一人で魔族側に入り込むことになってしまっただけあるよなあ。助け得られないんですし。
それでも、使い魔を通じてある程度連絡は取れるだけマシなのか。エルドとガゼットの、立場も何もかも離れきってなお、あのお互いに信頼しきった親友関係はいいなあ、と思うんですよねえ。自分の命を預けるどころじゃない、自分の大切な人の命を預けられる、って大変なことだと思いますよ。
ダークエルフ姉妹の全幅の信頼を得ているとはいえ、秘密を抱えて一人奮闘しなくてはならないガゼットと違って、エルドたちはまだだいぶマシではあるんですよね。何よりも、この時代の人間でありながらダナン学園の秘密を知ってなお、味方になってくれたスピカ。時代に埋もれて後世には名前も残っていない彼女ですけれど、政治・智謀99はあって不思議じゃないんですよね。それが、ダナンのために全面的に力になってくれているわけで、この頼もしさたるや。何しろ、この時代の人間であり権力者サイドに立っていた娘ですから、各都市の上層部にも顔が通じてますし、何より国家間の事情や情報に明るい。ダナンの風紀委員長であるケーネも、末端とはいえ後世の統一帝国の皇族の一員であり、彼女も十分政治お化け、謀略妖怪の類いなんですけれど、政治力ってイコール人脈でもあるのでやっぱりスピカの存在は大きいんですよねえ。
まあ、そのケーネもまさかの「星の神子」認定によって、ただの政治交渉能力どころか、宗教系の影響力まで保持してしまったので、こちらはこちらで別方向から政治無双を発揮しだすのですが。
その星の神子認定も、どうやら帝国の血筋に関わりがあるようで、人魔大戦後の人類史においてケーネの帝国って相当裏で色々やってるみたいなんだよなあ。その原点が、丁度この人魔大戦まで遡ることを考えると、歴史上ではこの大戦当時では動きがなかったはずの冥神の使徒が暗躍している件も含めて、まだまだダナンがこの時代に来てしまった理由も絡んで、裏で大きな策謀が蠢いてるっぽいのよねえ。
ある意味、冥神の連中がダナンと同じステージに立っていることがわかった、ということそのものがこれから本番、という雰囲気を醸し出しているのですが……シリーズは一旦ここで一区切りのようで。
でも、また違う形で続き出します、と明言されているので、担当編集の移籍が要因だそうですけれど、これ一迅社文庫そのものの再編が絡んできそうだなあ。一迅社が講談社の子会社になった一件が、一迅社文庫に何の関わりもないまま、ということもあるわけないですし。

しかし、今回ひたすらスピカ推しだったですねえ。スピカのお兄さん登場によって、普段の賢さ爆発している余裕たっぷりの姿とは裏腹の年相応の感情を制御できずにプンスカしている可愛い面も見られましたし。
ケーネさん、ケーネさん、頑張らんとガチ婚約者にぜんぶ持ってかれますよ。当のスピカに全面支援してもらってるのになあ。とかそうこうしている間に、NEW婚約者になりそうな娘まで出てきてしまいましたし。続きが出るなら、ちゃんと巻き返していかないとw

1巻感想

アンデッドガール・マーダーファルス 1 ★★★☆  

アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)

【アンデッドガール・マーダーファルス 1】 青崎有吾/大暮維人 講談社タイガ

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吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。
異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された……!? 解決のために呼ばれたのは、人が忌避する"怪物事件"専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥籠を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。
謎に満ちた悪夢のような笑劇(ファルス)……ここに開幕!
たとえ、容疑者や被害者が人間じゃない人外の怪物だったとしても、その怪物が人間にはなし得ない力を持っていたとしても、きちんとしたルールが提示さえされていればミステリーは成り立つのだ。
その点を考え見ると、なぜ最初の事件において吸血鬼という怪物が犠牲者となり、また容疑者として取り上げられることになったのかも容易に理解できるのです。吸血鬼ほどその能力と制約が知り尽くされた怪物も他にいないですからね、怪物が対象のミステリーの最初の題材としてとりあげるに、これほど基本的で便利で紹介しやすいものもない。また、その制限の多さ、厳密さについてもファジーさを許さないものがありますし、導入編としてこれほど扱いやすいものもない。
事件の真相も、使われたトリックもミステリーとしては非常に古典的というかオーソドックスなものである。あまりに有名すぎて、実際にこの手法が使われたミステリーって何気にはじめて読んだ気がするんだが(あったかもしれないけど覚えてない)、それに吸血鬼の特性と制限という要素を加えることでミステリーの古典の良さと怪物が跋扈する怪奇譚としての雰囲気が見事にブレンドされているのである。
ところが、だ。面白いのが、この雰囲気を劇薬のようにして引っ掻き回しているのが、主人公である輪堂鴉夜と真打津軽という怪しさ極まる東洋人コンビなんですよねえ。彼らにメイドの静句を含めた三人は一応日本人なんだけれど、もう胡散臭さが極まってるんですよね。十九世紀末のヨーロッパという舞台に、異形や名探偵に怪盗紳士が活躍する世界観に対して、ガチで喧嘩を売るかのようなこのトリオの存在感。ノックスの十戒の中国人を意識しているんじゃないか、というこの東の最果てから来た奇妙にして最も怪しく胡散臭い謎の異邦人たちがよりにもよって探偵役として事件を解決していくのだ。
これこそ笑劇(ファルス)ってなもんだろう。
ともあれ、これほど強烈で劇薬のような存在感を示す三人を主人公にした理由は大いにあるんですよね。それが垣間見えるのが、フランケンシュタインの怪物の系譜に連なる人造人間、彼に纏わる殺人事件である。
この作品の特徴にして魅力にして売り、というのは実のところ女探偵・輪堂鴉夜の奇天烈さでも、吸血鬼や人造人間という怪物たちが跋扈しているところでもなく、第二話のこれなんでしょう。
名探偵VS名探偵!!
この殺人事件を担当することになったベルギーのとあるキレ者の髭がオシャレな警部との丁々発止。作中でもちゃんと名前が出てこなくて愛称で呼ばれる彼こそ、誰もが知る……あの人なのである。
そうだよなあ、世界的な超有名人を相手にするなら、生半可な存在感ではたとえ主人公だろうとあっさり見せ場を駆逐されかねない以上、そりゃもう劇薬みたいなものをぶっ込まないと。
なにしろ、かのシャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンの名前も普通に飛び交っている世界である。そんな世界に我が物顔で乗り込んでいく東洋の怪しい探偵コンビ「鳥籠使い」。その謎解きは実に正統派なミステリーにも関わらず、なんともゲテモノ感があり、このごった煮感満載の世界観にはどうしたってワクワクしてしまうじゃないですか。
まー、ラストの黒幕というか悪役集団の名乗りには、いや盛りすぎじゃね? と笑ってしまいました。これはあれですよねえ、映画の「リーグ・オブ・レジェンド」みたいなものなのか。こういうクロスオーヴァーは基本大好物なんですけどね。



2016年10月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:74冊 うち漫画:45冊

うははは、先月壊滅的に読めてなかったので今月は三倍近く読んでやったぜ、と読破数を見てドヤ顔だったんですが、数えてみたら漫画が半数以上を占めてました。ははは……うんまあそうだよね。今月はセール満載だったもんなあ。ともあれ、完全にへたばってた先月よりはしっかり崩せたかなあ、と。
10月の注目、というよりも発見というべきか。秋田みやびさんの富士見L文庫から出してた二作品。主にTRPG界隈の人で小説もソード・ワールドシリーズのノベライズ、という方だったんですけれど、現代のお仕事モノ(怪異付き)という【三宮ワケあり不動産調査簿】【ぼんくら陰陽師の鬼嫁】、両方共人情味と登場人物間の丁丁発止が非常に面白くて、心に染み入るあったかさがあって、今後も最優先で追っかけていきたいです。
そして、再始動となった【狼と香辛料】が全然勢いというかいちゃつき度が衰えてなくて、いい意味で熟成されてしまったなあ、と。まだ読んでない娘が主人公の方も楽しみです。
キャラクターのインパクトがぶっちぎりだったのが【シャチになりましたオルカナティブ】のオル子。いやもうアホでアホでアホ極まって可愛いのなんの。近年まれに見るアホ可愛さのキャラなのですよ、全力で愛でよ!


★★★★★(五ツ星) 0冊



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 1冊

狼と香辛料 18.Spring Log】 支倉凍砂/文倉十 電撃文庫

【狼と香辛料 18.Spring Log】 支倉凍砂/文倉十 電撃文庫

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ちょっと待ってーー! まだあがってる、糖度があがってる、イチャイチャ度が俄然上がってるんですけど!?
あの最高のハッピーエンドからのアフターアフター。結婚から十余年、湯屋の主人と女将となり、娘も出来て落ち着いても良い頃なのに、むしろ旅してた頃よりももっとラブラブになってるのって、どうなんですかぁ!?
ホロとロレンスは、あれからもずっとずっと幸せです。

★★★★(四ツ星) 8冊

異世界とわたし、どっちが好きなの?】 暁雪/へるるん MF文庫J
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 15】 川口士/片桐雛太 MF文庫J
マグダラで眠れ 8】 支倉凍砂/鍋島テツヒロ 電撃文庫
三宮ワケあり不動産調査簿 賃貸マンション、怪談つき】 秋田みやび/高田桂 富士見L文庫
シャチになりましたオルカナティブ】 にゃお/松うに 角川スニーカー文庫
我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫
ぼんくら陰陽師の鬼嫁】 秋田みやび/しのとうこ 富士見L文庫
英雄教室 6 特装版】 新木伸/森沢晴行 ダッシュエックス文庫

【異世界とわたし、どっちが好きなの?】 暁雪/へるるん MF文庫J

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【魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 15】 川口士/片桐雛太 MF文庫J

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【マグダラで眠れ 8】 支倉凍砂/鍋島テツヒロ 電撃文庫

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【三宮ワケあり不動産調査簿 賃貸マンション、怪談つき】 秋田みやび/高田桂 富士見L文庫

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【シャチになりましたオルカナティブ】 にゃお/松うに 角川スニーカー文庫

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【我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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【ぼんくら陰陽師の鬼嫁】 秋田みやび/しのとうこ 富士見L文庫

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【英雄教室 6 特装版】 新木伸/森沢晴行 ダッシュエックス文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

大連寺鈴鹿 (東京レイヴンズ)
大友陣 (東京レイヴンズ)
クースラ (マグダラで眠れ)
高比良茅夏 (三宮ワケあり不動産調査簿)
志水颯 (三宮ワケあり不動産調査簿)
御前尊 (三宮ワケあり不動産調査簿)
オル子 (シャチになりましたオルカナティブ)
シェーラ (我が驍勇にふるえよ天地)
トラーメ (我が驍勇にふるえよ天地)
野崎芹 (ぼんくら陰陽師の鬼嫁)
北御門皇臥 (ぼんくら陰陽師の鬼嫁)
まもり (ぼんくら陰陽師の鬼嫁)
レーシャ (聖剣使いの禁呪詠唱)
アンジェラ・ジョンソン (聖剣使いの禁呪詠唱)
ユーリ・オグレビッチ (聖剣使いの禁呪詠唱)
アーネスト (英雄教室)
ホロ (狼と香辛料)
ロレンス (狼と香辛料)


以下に、読書メーター読録と一言感想。
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狼と香辛料 18.Spring Log ★★★★☆  

狼と香辛料 (18) Spring Log (電撃文庫)

【狼と香辛料 18.Spring Log】 支倉凍砂/文倉十 電撃文庫

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賢狼ホロと、湯屋の主人になったロレンスの"旅の続きの物語"が、ついに文庫で登場。
ホロとロレンスが、温泉地ニョッヒラに湯屋『狼と香辛料亭』を開いてから十数年。二人はスヴェルネルで開催される祭りの手伝いのため、山を降りることになる。だがロレンスにはもう一つ目的があった。それは、ニョッヒラの近くにできるという新しい温泉街の情報を得ることで――?
電撃文庫MAGAZINEに掲載され好評を博した短編3本に加え、書き下ろし中編『狼と泥まみれの送り狼』を収録!
ホロとロレンスの"幸せであり続ける"物語を、ぜひその目でお確かめください。
こ、コルくんてば、ずっとこんなダダ甘夫婦の傍らにいたのか!? 教育に悪すぎる気がするんですが。
いやね、ホロとロレンス、夫婦になって落ち着いたのかと思ったら、こいつら旅してる頃よりも明らかにいちゃつき度が上がってるんですけれど!! 上昇してるんですけれど! 加熱してるんですけれど!!
旅してた頃は、まだこうなんというか、二人の間で駆け引きみたいなのが成立していて、恋の押し引きを楽しんでたんですよね。ところが、夫婦となった今となっては、ロレンスはホロの甘えを全部全部ガバッと両手広げて受け止めちゃってるし、ホロもロレンスを試すようなことはしないで全力で甘えるわ、甲斐甲斐しく世話をしてあげるわ、と新婚か!! もう娘があれだけ大きくなってるのに、まだ新婚気分か!! あかん、想像以上に夫婦生活がうまく行き過ぎてる。お互い、ちょっと相手のこと好きすぎやしませんかね?
ああ、考えてみたらこの本の時期って、もう一冊の娘ミューリとコルが主人公と時系列的におんなじで、つまり息子と娘が家を出て久々に夫婦二人きりになった時期でもあるんですよね。そりゃ、開放感に任せて普段にもましてイチャイチャするかー……いやでも、ニョッヒラの人たちの反応からして、あんまり普段と変わってなさそうだけれど。一応、ホロは殆ど家から出ずに村の人にも姿を見せないようにしているみたいだけれど。
それにしても、それにしてもなあ、まさか若い頃よりイチャイチャしてるとは思わんかったわ。そんな両親見て育ったミューリがどんな娘に育ってしまったのか……。まだ、あっちは読んでないんですけれど、読み切りの方で少しニョッヒラに居る頃のミューリとコルが描かれてるんですけれど、なんかすげえ娘に育ってるなあミューリ。コル、絶対太刀打ちできないじゃん、これw 既に手玉に取られまくってるんですが。
いずれにしても、夫婦として想像以上に完成していたホロとロレンス。特にホロは、賢狼ホロとしてよりも、ただ一人の男を愛する女としてのスタンスを確立して、本当に幸せそうで良かったなあ、と思っていたのですが……そんな彼女を揺さぶる大きな事件がラストに起こってくるわけです。
こういう時、ちゃんとロレンスが頼りになるんだよなあ。力づくではどうやったって解決できないようなことを、ロレンスは何の力もない商人としての立場から、見事に打開していってしまう。ホロはロレンスは自分が育てた、なんて言ってますけれど、ニョッヒラに至るまでの事件もそうだけれど、育てた以上に育ってしまって、もうベタ惚れせざるを得なかったよねえ、これ。改めて惚れ直すはめになっちゃって、羨ましいことであります。
まあ、その代わりというわけじゃないのですが、若いメスを囲うことになってしまって、ホロさんぶーたれてますがw
ニョッヒラの湯宿の主人として、同じニョッヒラの村の人たちにも十年以上経ってようやく仲間と認められはじめ、ベタ惚れの嫁さんとイチャイチャし通りの充実した毎日を送るロレンス。まさに、人生謳歌してるなあ。
それに比べたら娘が駆け落ちしてしまった、なんて些細な事ですよ、うん。……やっぱり、傍目にはあれは駆け落ちなんだよなあ。いいじゃん、相手は可愛いコルなんだから、と割り切れないロレンスの父親としての葛藤が、「おかわいいこと」なのですが。
いつかコルが戻ってきて、宿を継いでくれてしかも娘も貰ってくれるとか、将来設計としても最高のはずなんですけどねえ、理屈じゃないんだなあ、これ(苦笑


シリーズ感想

英雄教室 6 特装版 ★★★★   

英雄教室 6 画集+キャラクター事典収録 豪華80P小冊子付き特装版 (ダッシュエックス文庫)

【英雄教室 6 特装版】 新木伸/森沢晴行 ダッシュエックス文庫

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清純派ヒロイン、クレアがイライザの発明品で巨大化!?さしもの超生物ブレイドもついに敗北か!?『クレア・マウンテン』。イオナとイケメン剣士・クレイが密室で急接近!意外なカップル誕生か!?『賢者クレイ』。転校生・ルナリアが学園に馴染もうと、クーに弟子入り!?天才少女にもトモダチたくさんできるかな?『ルナリアの悩み』。アーネストが炎の魔人になる度に素っ裸に!脱「怪人赤マント」を目指して、魔王となにやら特訓開始!?『脱怪人赤マント』。ローズウッド学園には個性的な生徒たちがいっぱい!英雄を目指す生徒たちの、明るく楽しい規格外の日常が盛りだくさん!エピソード満載のシリーズ第6巻!!


「バレてる?」

さすがに、そろそろ気づいてる人も出てきてるのかー。アーネストは論外としても、ロンロン論外としても。
ルナリアはこのやり取りの中で気づいたのね。イェシカがあれだけ誘導してたら気づかないほうがおかしいか。
ブレイドの判別法、あれ何気に的確でしたよね。単純だけれど、わかりやすく気づいてるか気づいてないか判断しやすい。それが通じない女の子が幾人かいましたが。

「クレア・マウンテン」

そりゃあ、勇者が自分より巨大な相手に苦戦するはずないよなあ。世界観として、個体戦闘力がデカイ小さい無関係にふっ飛ばせるものですし。巨人化した程度で苦労してたら、ドラゴン程度でも相手に出来ないだろうし。
それよりもですよ、いまさらも今更なんですが、この娘ら全くもって裸に対して抵抗なくなってきてるよなあ。クレアなんか、巨大化してしまって見られちゃいけないところ思いっきり見られてるのに頓着してないし。

「ルナリアの悩み」

このルナリアの孤高の女王というポディションって、本来アーネストのものだったんですよねえ。それが、炎の女帝さまはあのようなこのような有様になってしまわれて。アーネストはどこへ行こうとしているのか。
まあルナリアの登場からして、アーネストがあれだけキャラ変わらなかったら出番なかっただろうから、それはそれなんだろうけれど。しかし、ぼっち決め込んでるルナリアを気にして本音出させようとしているあたり、ブレイドの精神年齢は順調に成長してるんだなあ、と感慨にふけってしまう。


「普通人の生活」

ちゃっかり幼馴染ポディションをゲットしているアーネストに微苦笑を誘われる。こういうイベントをみんなで一致団結してやれてしまうのが、優しい世界だよなあ。それにしても、アーネストなりきり過ぎてちょっとはまってるだろう、これ。普段やれないことをやりまくってたの、彼女なんじゃないだろうか。


「マッサージ師ブレイド」

エロい。ってか繰り返しになるけれど、全裸で全身マッサージされるのをちょっと恥ずかしい、くらいで収まっちゃってる裸族化は、もうなんというかもっとやれ。
アーネスト、性的に開発されるの巻。というか、クラスメイト男女問わず全員、性的に開発されるの巻ww

「賢者クレイ」

クレイがひたすら可愛そうなんですけれど。ってか、イェシカが好きって設定どうなったんだろう。彼女の方には全然脈なさそうなんだが。
ブレイドが「嫉妬」という感情を覚える回。対象がイオナというのは、ブレイド当人としては非常に納得し難いものがあるんだろうが。


「脱怪人赤マント」

いやもう、炎の魔人化したら全裸になってしまうというの、恥ずかしがるの今更じゃね? と思うんだが、浴場で混浴してるのと、外で裸になるのはそれなりに違うらしい。みんなに見られるというのは変わらないのにねえ。
まあ、裸が恥ずかしいというよりも赤マント呼ばわりされるのが屈辱、っぽいのがアーネストらしいのだが。
しかし、なんで人間には絶対ムリな上位魔族化を、ただマテリアライズで服を形成したいというだけで、根性で成し遂げてしまうのか。アーネストはどこへ行こうとしてるんだろうw


「デートのお手本」

処女ビッチ疑惑の有るイェシカによる、女性陣に訓ずる普通のデート編。普通にデートしてるし!! 単なる耳年増ではなく、ちゃんと実践できる応用力が有るあたり、イェシカ経験豊富と言われても仕方ないよなあ。
そして、普通にデートすればするほど、以前のクレアとの違いが浮き彫りになり、女子力の違いががががが。
ブレイドがメンタル幼い分、楽しい楽しくないが素直に表に出てしまうので、イェシカの相手を楽しませるデートと自分ばっかり楽しいクレアのデートの違いが浮き彫りになって、哀れw


「美女と魔獣」

いやいやいや、さすがにもう「ヴァルツァーの紋章」はみんな知らんでしょう、さすがに。魔獣の設定が作者のデビュー作にもとづいている、なんてのは言われてもわからん。読んだけどね、昔読んだけどね。20年以上前じゃないの、あれ? 電撃文庫の黎明期、創刊直後の作品ですぜ。
ともあれ、魔獣に構うアーネストに、ブレイドが嫉妬しまくる話。いやもう以前のイオナの時どころじゃなく、ブレイドが機嫌損ねまくってるのがまた可愛いのう。やっぱりアーネストが一番なのねえ。そんでもって、嫉妬してもらってると知って、めっちゃ喜んで心がぴょんぴょんなって調子乗ってるアーネストが、まあ彼女である。


小冊子の方はイラストと漫画、それにメインのキャラクターほぼ全員の掌編。見てると、クレイがまあ残念なことで。こいつ、普通に持てるのになあ。それ以上に拗らせてるのがレナードですが。アーネストがあれだけキャラ激変してるにも関わらず、一貫しているのは実に偉いと思うのだけれど、その方向性は思いっきり間違ってる、うん間違ってるw こいつも、どこへ行こうとしているのだろう。
あと、王様。本気でブレイドのこと可愛いのねえ。あの仮想現実編の時にパパさん役やれて、実はかなりご満悦だったんじゃないだろうか。

新木伸作品感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 17 ★★★☆  

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 17 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 17】 あわむら赤光/ refeia GA文庫

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ランクSの知られざる一面、解禁!?

「見境なくフラグ立てる兄様ね! 」
お好み焼き屋の娘を襲う非道な借金取りを通力無しで撃退せよ!?

「おいたわしや……エドワード様」
作曲に悩むエドを救う、AJの献身的過ぎる職権濫用は吉と出る?

「私はアメリカ支部長に頼みがある」
日本に馴染みはじめたレーシャがアーリンに頼んだ武装がヤバい!

そして、諸葉が過ごす普通だけど普通じゃない『特別な一日』の最後に待つものとは――!?

《白騎士機関》各国代表が力の限りに日常を謳歌する、秘密と油断のオフショットが目白押し!!
さあ、語られざる物語を紐解け!
新たな魅力が満載の超王道・学園ソード&ソーサリー第17弾!!


「お好み焼きソースは危険の香り」

そう言えば本作では一般人の人ってあんまり出てこないので、セイバーたちの認知度っていまいちわからなかったのだけれど、思った以上に伏せられているのね。まあ、ヤクザ如きが相手になるわけでもなく。ってか、野良セイバーなんてものが居るのか。ヤクザの用心棒やってる時点で程度が知れるけれど。


「サー・エドワードのスランプ」

あれ? 白騎士エドワードって本業で作曲家なんてプロフィールあったんだっけ? 話題には出てたかもしれないけれど、全然覚えてなかった。まあイギリス編は基本的にAJさんの暴走を楽しむのが主だわねえ。それなりにイギリス支部もキャラは揃っているはずなんだけれど、アンジェラさんが毎度毎度強烈過ぎて他の人が完全に存在感消え失せてしまってる。それくらい、アンジェラさんが面白強烈すぎるんですけれど。ってか、エドワード絡みの時のAJって、ヤバイどころじゃなくブチギレすぎでしょうw この狂犬に仕切られてるイギリス支部って同情に値する。そんでもって、この狂犬とじゃれ合って遊ぶのが大好きな諸葉は十分おかしいw


パリ半妖夜譚

副支部長を失って一番荒れまくってた頃のシャルルさん……普段とあんまり変わってないような! 基本的に傍若無人で人の話を全く聞かない唯我独尊だもんなあ。ただ、このシャルルさんの場合、無茶苦茶な言いようにハイハイと応じているよりも、激しくツッコミ入れていた方がレスポンスがいい気がするんですよね。対応はそっちの方がいいんじゃないだろうか、と諸葉や今回のリゼットという女学生の言わずにはいられないツッコミの応酬を見ているとそう思うわけで。口は悪いけれど、本当に度し難いほど悪いんだけれど、しかも無自覚で融通無碍なんだけれど、それでもいい人なんだよなあ、シャルル。絶対関わり合いたくないタイプではあるけれど。突っ込み入れるのも大変だししんどいんだぜぇ、と諸葉の疲労度を見ているとよく分かる。その意味では、ガンガン文句言えるこのリゼットは有望株なんだがなあw


「暗殺魔法少女」

作者、ほんとレーシャが好きというか、使いやすいんだろうなあ、というのがよく分かる話である。確かにこのわりとネガティブな割にマイペースで天然なママ押しが強いレーシャって、誰を絡ませても自分ペースで引っ掻き回せるので、何気に日常コメディパートでは万能選手なのよねえ。いや、もう本当に相手選ばないので。あの奇人極まるアメリカ支部長と絡ませても、お互いに化学反応起こしてえらいことになってるしw ツッコミがないまま際限なくどこまでも行ける組み合わせだw


「ユーリ・オグレビッチの謎(性別的な意味で)」

ちょっ、えーーー!? 現状ロシア支部の最大戦力でカティアの唯一無二の相棒、というポディションのユーリ。大人しめの女の子キャラだと普通に思ってたんだけれど、え? なに? 性別不明キャラだったの!? まさかの男の子疑惑!! どころか、自分の性別をどちらにも見せて真実を見せずにほくそ笑んでるあたり、思いっきり魔性キャラなんですけれど。こんなにかわいい子が女の子のはずはない!?


「アンジェラ・ジョンソンは吠え面をかかせたい」

今思い返しても、諸葉とAJの二人のロシア行はシリーズ屈指の面白さだったと思うんだけれど、あれだけ凶暴極まるアンジェラさんが、あれだけやりたい方だ諸葉に振り回されるのは、見てて愉快極まる! アババババ、とか言ってるアンジェラさん大好きよ?
振り返ってみても、諸葉がこれだけ遠慮なしに甘えるのってアンジェラさんくらいなんですよねえ。もう好き勝手弄ってるし。どれだけアンジェラさんのこと大好きなんだよ、というくらい。これで、二人ともお互いに恋愛感情はこれっぽっちもないのだけれど、だからこそ気の置けないやり取りが出来るんでしょうねえ。


「灰村諸葉の特別ではない一日?」

ハッピーバースデー。こうしてみると、諸葉くんの生活と言い人間関係といい、充実してますなあ、楽しそうですなあ。女の子だけじゃなく、同年代の友人たちや先輩にも恵まれて、突出した存在にも関わらずまったく孤立せずに同じ輪の中にいるというのは、諸葉の性格も然ることながら周りの連中もイイやつらなんだよなあ。


最近出番なかったアンジェラさんや、ユーリの新境地が見られたり、とこういう短編集もシリーズ長くなってくるとありがたいものです。

シリーズ感想

ぼんくら陰陽師の鬼嫁 ★★★★   

ぼんくら陰陽師の鬼嫁 (富士見L文庫)

【ぼんくら陰陽師の鬼嫁】 秋田みやび/しのとうこ 富士見L文庫

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京都は左京区、哲学の道にほど近い公園で。何かと不幸な体質の野崎芹は、やむなき事情で住処をなくして途方に暮れていた。そんな彼女に手を差し伸べたのは、通りすがりの陰陽師・北御門皇臥。なんと彼の式神が視えた芹を、嫁に迎えたいということで…!?破格の条件につられ仮嫁契約を交わす芹。ところが皇臥は式神以外の能力がない、ぼんくら陰陽師だった!怪奇事件にも逃げ腰で、悠々自適の生活のはずが家計がピンチ。ここに芹はプロの嫁として、立ち上がることを決意するのだった―退魔お仕事嫁物語、開幕!
あ、これ同じ作者の富士見L文庫から出てる【三宮ワケあり不動産調査簿】と世界観一緒なのか。あちらが神戸でこちらが京都と。作中で明言されてはいないのだけれど、どうやらあちらで登場してた人らしき人物の話がチラリと語られてたし。こういう世界観を広げる作品跨いだシステムは好きなので大いにやって
欲しい。
本作、一見してジャケットデザインやあらすじから時代背景がわからなかったのだけれど、ガッツリ現代なのね。現代で通りすがりに陰陽師が歩いているあたり、さすがは京都である、パない。
その陰陽師の北御門皇臥くん。思いっきりタイトルでぼんくら呼ばわりされてますけれど……いや、ぼんくらは言いすぎじゃないですか? 確かに超一流とは程遠いみたいですけれど、全然陰陽師としてダメってわけじゃないし、仕事に対して意欲がない訳じゃなくむしろ真面目な方だし。そりゃ、いささか頼りないなあ、と思う所はあるけどさ、ぼんくらとまでは……。何気に優秀でも無能でもないって中途半端ですね! でも、普通や平凡って感じでもないんですよね。単に得意分野に偏りがあって、苦手分野に対しては及び腰ってだけで。
でも、仕事を選り好みできるほど現代の陰陽師は悠々自適ではないわけで。そうだよね、自営業だもんね、陰陽師。しかも、料金システムがちゃんとしているような職種ではないので、何気に現物払いが少なくない、というのはちょっと笑ってしまった。物によっては現金よりもありがたいケースも有るので、一概に悪いとは言えないんだけれど。
そんな苦手分野を選り好みしてしまっていた旦那に、いつまでもそんなことじゃこの先やってけないでしょう! と尻を叩く羽目になったのが、新妻芹ちゃんなのである。
偽装結婚じゃなくて、一応ガチの婚姻なのかー!! 幾ら住むところも手持ちのお金もないという切羽詰まった状況だったとはいえ、思い切ったよなあ。一応書類上は正式な婚姻を結ぶと言っても、生活実態はあくまで名目上であって、いわゆる雇われ嫁なのだけれど……恋愛が介在しないだけで嫁としての役割は子作り以外はほぼ満了でこなしているあたり、なるほどプロ嫁である。
しかも、お姑さんの相手までw
いやこれ、気持ち的に仕事と割り切れる芹ちゃんよりも、お姑さんの方が複雑ですよ。一応、これが息子が親戚筋の圧力を躱すために契約した偽装嫁という事実を知っちゃってるわけですから、どう対応したらいいかそりゃわかんないですよ。わかんないなりに、なんか腹立つので地味に嫌がらせしてしまうあたりは苦笑モノだし、その内容が嫌がらせというには人が良すぎるものなのが、まったく微苦笑モノなのですけれど。そして、結局息子と同様にプロ嫁に餌付けされてしまってるし。何このお姑さん、チョロいww
だいたい芹ちゃんも、これが契約婚姻ならもっとビジネスライクにやりゃあいいのに、色んな意味でやる気満々なのが微笑ましい。皇臥と知り合ったきっかけが、本来他人には見えない彼の式神であるまもりちゃんに懐かれてしまった、というところから始まって、健気で愛らしい幼女なまもりに随分と思い入れてしまっている、というのも北御門家にビジネスじゃなく親身になってしまっている理由なんだろうけれど、皇臥に対してもさっそく尻に敷いているあたりは、もう完全に嫁してるんだよなあ。しっかり者で人情家の嫁とか、よく捕まえたもんである、皇臥くん。何気に大昔に唾つけてたことも発覚するんだけれど、新参の嫁に発破かけられてやる気になったり喜んでるあたり、こ、こいつはぁ……と思わないでもない。芹ちゃんみたいな性格だと、こういう頼りなさそうで意外とたちが悪いというか、手癖が悪いと言うか裏で手綱を引くのがうまいタイプにはハマりやすいのかなあ。叩けば叩くほど発奮するし、いざという時しっかり守ってくれる旦那というのは、しっかり者の嫁としたら気持ちいいでしょうし。

事件の内容は、陰陽師というセラピスト、みたいなものではなく、わりとガチの心霊案件。同時に、家族間の関係がお婆ちゃんの死によって微妙に拗れてしまった、というか要であったお婆ちゃんが居なくなったことでギスギスしたものが露呈してしまってきている、という状態か。それを、この怪奇案件をきっかけに事件の真相をミステリーのように解き明かすことで同時に家族の内実、思い込みを取っ払った本当の姿、心の在り処というものを詳らかにしていくことになるんだけれど、これがまた悪意がある一方で思わず心温まる愛情のお話でもあって、夫婦っていいなあ、いいですよ、どうよ? と契約夫婦の二人に見せつける話にもなっていて、いやはやごちそうさまでした。
二人とも満更でもない、というか既に皇臥くんの方はガッツイてる感すらあるので、いやむしろお前が一歩引かないと芹ちゃん思わず後ずさりするしかないじゃない? と言いたくなる二人なのですけれど、雰囲気自体はいいだけに、このまま既成事実にすり合わせる感じで距離縮まっていってほしいものです。その過程をつぶさにシリーズ化してほしいものです、はい。
あと麺つゆは許しましょう。許しましょう。あれは万能ですけぇ、お姑さんも恥ずかしがらずw
にしても、ぼんくらも誇張だと思うけれど、鬼嫁も言い過ぎだわなあ。芹ちゃん、全然鬼じゃないですよ。叱られる旦那の方が反省スべしw 式神たち、みんな嫁派になっちゃってる件についてよく考えなさい。

秋田みやび作品感想

我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地2 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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ボロロロスでの激戦を制し、吸血皇子の呼び名を名誉あるものへと変えつつあるアレクシス候レオナート。時を同じくして、大陸南部より憎き四公家の一角・グレンキースが挙兵したとの報せが届く。その大軍は名だたるブレアデト“教導”傭兵団に鍛え抜かれ、まさしく精強無比。レオ達はこの強敵を迎え討つべく南征を決意するが、その先で出会ったのは、四公家の手から逃れてきた幼い姫と白銀の騎士。二人がレオに求めた、唯一つの願いとは―?集えよ!誇れよ!レオナートの御旗と共にある栄光を!痛快にして本格なるファンタジー戦記、英雄女傑入り乱れる第2弾!!
やっぱり軍師がムードメーカーというのは新鮮だなあ。陰気とは言わずともその堅苦しさから決して陽気とは言えないレオナート。彼って生真面目である分、結構内向きに考え込む傾向があると思うんですよね。そんなレオナートに常に寄り添うシェーラはフォークロアという合言葉を用いながら、レオナーとの思考を外側に引っ張り続けてる。加えて、首脳陣の雰囲気が重苦しくなったら率先して場を盛り上げて空気を軽くするんですよね。そうして場が和んだのを見計らって、決定打となる策を食後のデザートみたいにポンと提示して見せるのだから堪らない。これだけ場を掌握し続けているにも関わらず、シェーラは常に主導権そのものはレオナートに任せ続けて、彼女の存在感というのは見事にレオナート軍のマスコットみたいなポディションに収まっているのである。レオナート軍の幹部連中も、シェーラに対しては一目置きながらもどうしてもマスコット的振る舞いやムードメーカー的な言動が強く印象に残っているのか、彼女に対する接し方に自分よりも遥かに頭の良い人間に対する気後れや敬意の類が殆ど見当たらないんですよね。それでいて、ある意味ただの軍師などより言葉が届きやすい心の距離感にとどまっている。
軍師シェーラのこれはレオナート軍の外部の方が徹底しているかもしれない。レオナート軍以外の人間にはシェーラという軍師の存在はほぼ知られてないんですよね。レオナートという恒星が眩すぎて、敵対した相手はついついレオナートにばかり目を奪われて、それ以外に意識が行ってないところが見受けられる。
これに関しては、レオナート以外の諸将に関しても同じかもしれない。ちょっと二巻の段階でこんなにたくさん居ていいの!? というくらい、綺羅星のごとく色んなタイプの将星が集まってるんですよね、レオナート軍。攻勢に強いタイプばかりじゃなく、アレン君なんか今回ちょっと渋すぎないかい!? と思うくらい通好みの用兵見せていましたし、あれアレンくんみたいな若造がやるような指揮じゃないでしょう、地味なのが逆にめっちゃカッコいいんですが。また、前回降伏した中から売り込んできて新しく軍に加わったトラーメ。これがまた、食わせものである分、いい仕事するんですよね。まともに戦っても実に粘り強い戦い方をするし。レオナートとその直属部隊が呂布みたいな無茶苦茶な攻撃力と機動力を持っている分、見た目の派手さは全部レオナートが持っていくんだけれど、他にレオナートに伍する将であるエイナムもどんと構えているわけで、これだけ土台のしっかりした指揮官と部隊が数揃ってたら、そりゃ強いしレオナートを自由自在に遊軍みたいに動かせるわ。シェーラも、これだけレオナート好き勝手動かせたら楽しいだろうなあ。
神出鬼没、いつでもどこにでも現れるレオナート作戦、あれは敵からしたらひでえ悪夢だわ。いやでも、直属部隊は最初から分散して配置しておいて、レオナートだけあっちこっち派遣して、という作戦は各個撃破の一番難点である最適な場面での戦力の集中というのをレオナートと騎馬のザンザスだけに頼れるわけだから、そりゃバンバン決まるってなもんである。トドメに、獣使いティキの鷹によってリアルタイムで敵の動きを把握できてるんだから、シェーラやりたい放題である。
やっぱり戦記モノというのは個人の無双ではなく、群像劇として主人公以外にも推すことの出来るキャラが居たほうが、それもたくさんいた方が盛り上がるんですよね。
グレンキースの係累となるレオナートの妹姫や、彼女の脱出行を助けることになり彼女の騎士となるクルスという、実にこう堪能しがいのある味方勢力も出てきましたし。ってか、姫様可愛いなあ。あの公爵からどうしてこんな孫娘が、という聡明さと行動力を備えた賢姫なんだけれど、クルス相手にだけ恋するポンコツ姫になっちゃって、もう可愛い可愛い。

1巻感想

機甲狩竜のファンタジア ★★★   

機甲狩竜のファンタジア (ファンタジア文庫)

【機甲狩竜のファンタジア】 内田弘樹/比村奇石 富士見ファンタジア文庫

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人類の敵『竜』を討つ『狩竜師』になるため、狩竜師養成学校・アーネンエルベに入学した少年・トウヤ。しかし、彼が目指すのは剣や魔法で戦う“普通の”狩竜師ではなく、旧文明の遺物『戦車』を扱う伝説上の存在『機甲狩竜師』だった。編入先の最下級クラスで仲間を探すトウヤだったが、戦車の力を疑う元エリート女騎士・シェルツェと口論の末に―「決闘をしろということか?私と、この男の操る戦車で」女騎士VS戦車―異色の対決が始まろうとしていた。V号戦車パンターを駆る少年少女が戦術を尽くし、絆を紡いで竜に挑む機甲幻想戦記、ここに堂々開幕!
たわわ、たわわ。ヒロイン衆がみんなたわわすぎるんですけれど、これだけたわわだと幾らパンターでも車内の空間密度が厳しいんじゃないかと心配になってしまう。ただし、クッションは十分だ。
戦車で竜やモンスターを狩る、という発想は面白いんだけれど現状だとやっぱり色物の類いなんだよなあ。
戦車の本体だけ残っていて、戦い方が失伝してしまっていて「戦車砲」の砲という概念すらなかった段階から、となるとまず戦車の戦い方を発見するところから、その戦車でどうやって「竜」と戦うかの戦術論を彼ら自身が手探りで構築していかなければならないわけで、今の段階だと他の徒歩の狩竜師との共同とか不可能だしなあ。少なくとも戦車の戦い方が周知されないと、危なくて一緒に戦えないし。実際、かなり危ない場面があったわけで、あれは怒られる。
戦車の故障とその修理や、砲弾の補充に関してもかなり大雑把なんですよね。ドワーフならなんとかしてくれる、ってそれでいいんだろうか。戦車というと、移動故障修理のサイクルで回ってる印象があるので、自走で街から街まで移動しているのを見るとハラハラドキドキしてしまって(苦笑
いっそ、固定化魔法とかの力で外的な要因で破壊される以外は部品とか損耗故障しない、というのなら安心して見ていられたんだけれど、普通に故障してたもんなあ。ドワーフさんが直してくれるって、やっぱり大雑把すぎるよw
とにかく、戦車が実戦稼働できる環境が全く整ってなくて、パンター一台だけがポツンとオーパーツ的に存在しているのって、なんとも居心地が悪い。パンターと主人公たちは実際、強大な竜と互角以上に戦える強力な戦力として機能するのですけれど、表現するのが難しいんですけれどここでのパンターってオンリーワンの「伝説の武器」であって、6000両近く生産された量産兵器じゃないんですよねえ。それがどうした、と言われればそれまでなんだけれど、パンターはパンターとして、ただただ戦車は戦車として扱ってくれた方が見ていても楽しかった気がするなあ、と思ったわけで。自分の思い描いていた、ファンタジーの世界で戦車が大暴れ、というイメージと微妙に齟齬があった感があったんですなあ。
ちゃんと、パンター戦車大暴れしてるんですけどね、巨大な竜相手にガチンコの殴り合いをやっててビジュアル的にはかなりドハデで燃える展開でちゃんと盛り上がってるので、これはこれでアリなのですけれど。
でもそうだなあ、あの古代にあったという、戦闘妖精ミハエル・ヴィットマンとか、旧時代の召喚された戦車と戦車乗りたちの戦いの方がファンタジー世界における戦車無双をじっくり堪能できたんじゃなかろうか、と指を咥えてしまいました。
ただ、シェルツェの自称ライバルのお嬢様に、何となく別の戦車ゲットフラグが立ってたようなので、このまま戦車の数が増えてきたら、期待しているような戦車の連携による機甲戦も見れないだろうか。


それにしても、パンターの砲塔ぶん回して生身の女騎士をぶん殴るって、出来るんかい!? と思ったんだけれど、パンターって種類によっては一周15秒から30秒でぶん回せると知って度肝を抜かれたり。いや予想以上に早くね!? いやでも、そのくらいなら普通に見て避けれる気もするけれど。

内田弘樹作品感想
 
12月2日

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11月30日

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11月29日

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11月28日

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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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11月22日

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11月20日

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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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11月12日

(GA文庫)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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11月10日

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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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11月6日

(角川書店単行本)
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(SQEXノベル)
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11月5日

エンターブレイン
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