書籍感想2017

2017年12月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:50冊 うち漫画:26冊

年末は漫画のセールが多いので、ついつい買い込んでしまいました。あと、FGOをプレイしている時に同時進行で電子書籍で漫画も読んでいる、というケースも多かったので、はい。

バビロンはねー、もう衝撃が強すぎて心が死にそう。ここまで劇薬な作品はちょっとお目にかかれない。
とびっきりだったのが、やのゆいさんの【皇女の騎士】。この人の作品、凄い波長が遭うんですよね。これまでの作品とは全然ジャンルが違ったんだけれど、すこぶる面白かった。


★★★★★(五ツ星) 0冊




★★★★☆彡(四ツ星Dash) 4冊

皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園】 やのゆい/mmu ファミ通文庫
ロード・エルメロイII世の事件簿 1.case.剥離城アドラ】 三田誠/坂本みねぢ TYPE-MOON BOOKS
バビロン 3.―終―】 野崎まど 講談社タイガ
ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット】 渡瀬草一郎/ぎん太 電撃文庫

【皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園】 やのゆい/mmu ファミ通文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
これはみんなで作り上げた居場所を護る物語。そのために、あらゆる境遇も立場も世界も宇宙も存在も未来も絶望もふっ飛ばし飛び回り乗り越えて、そして最初のあるべき場所へと戻ってくる物語。


【ロード・エルメロイII世の事件簿 1.case.剥離城アドラ】 三田誠/坂本みねぢ TYPE-MOON BOOKS

Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
かつて未熟な少年にすぎなかった彼が、今ロードと呼ばれるほどの魔術師となって帰ってきた。魔術師たちの織りなすクローズドサークルにおける殺人事件。人の枠をはみ出した人でなしの魔術師たちによる、あまりにも人間らしい在り方を示す物語。


【バビロン 3.―終―】 野崎まど 講談社タイガ

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
読め、読んでしまえ、そうして絶望するのだ。そして気づくといい。気づいてしまえばいい。
その絶望こそが、愉悦である。


【ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット】 渡瀬草一郎/ぎん太 電撃文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
SAO事件によって残された大きな傷跡と、それを発端として生まれた未来への可能性の種。希望か、絶望か。その交錯を、見事なまでに情感たっぷりに描いた傑作である。

★★★★(四ツ星) 9冊

ーインフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム】 海道左近/ タイキ HJ文庫
ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン】 瀬尾つかさ/ kakao 角川スニーカー文庫
誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫
この素晴らしい世界に祝福を! 13.リッチーへの挑戦状】 暁なつめ/三嶋 くろね 角川スニーカー文庫
異世界迷宮の最深部を目指そう 9】 割内タリサ/鵜飼沙樹 オーバーラップ文庫
ディヴィジョン・マニューバ ―英雄転生―】 妹尾 尻尾/ Nidy-2D-  講談社ラノベ文庫
主君 井伊の赤鬼・直政伝】 高殿円 文藝春秋
カンピオーネ! XXI 最後の戦い】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫
図書迷宮】 十字静/しらび MF文庫J


【ーインフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム】 海道左近/ タイキ HJ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン】 瀬尾つかさ/ kakao 角川スニーカー文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【この素晴らしい世界に祝福を! 13.リッチーへの挑戦状】 暁なつめ/三嶋 くろね 角川スニーカー文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【異世界迷宮の最深部を目指そう 9】 割内タリサ/鵜飼沙樹 オーバーラップ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【ディヴィジョン・マニューバ ―英雄転生―】 妹尾 尻尾/ Nidy-2D-  講談社ラノベ文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【主君 井伊の赤鬼・直政伝】 高殿円 文藝春秋

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【カンピオーネ! XXI 最後の戦い】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【図書迷宮】 十字静/しらび MF文庫J

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


今月のピックアップ・キャラクター

ルーク (インフィニット・デンドログラム)
アルス (皇女の騎士 )
エルメロイII世 (ロード・エルメロイII世の事件簿)
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト (ロード・エルメロイII世の事件簿)
御神楽零 (誉められて神軍)
アレクサンダー・W・ウッド (バビロン)
メイ (カンスト勇者の超魔教導)
カタリナ (乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった)
鈴鹿花火 (ディヴィジョン・マニューバ )
ナユタ (ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット)




以下に、読書メーター読録と一言感想。


続きを読む

図書迷宮 ★★★★   

図書迷宮 (MF文庫J)

【図書迷宮】 十字静/しらび MF文庫J

Amazon
Kindle B☆W

足掻いてください、あなたが人間足りうるために。

あなたは思い出さなければなりません。心的外傷の奥に潜む父の仇を探し出し、奪われた名誉と失った魔法を取り戻すのです。吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)の少女、アルテリアと共に。そのために図書館都市を訪れ、ありとあらゆる本が存在する図書迷宮に足を踏み入れたのですから。あなたには一つの大きな障害があります。あなたの記憶は八時間しか保ちません。ですが、方法はあります。確かにあるのです。
足掻いてください、あなたが人間足りうるために。全ての記憶を取り返すために。
第十回MF文庫Jライトノベル新人賞、三次選考通過の問題作、ここに刊行―――。

二人称小説!!? いや、まさかまさかの二人称小説ですよ。自分も数作しか読んだことがない。そもそも滅多にお目にかかれない形式である。
二人称小説って、なかなか読みにくい代物なんですが、いや本作に関しては全く読みづらさを感じなかったですね。この辺のバランス感非常に難しかったと思うのですけれど、よくぞまあ仕上げたなあ、と。後半の叙述トリック満載の展開も合わせて、書く側の難易度本当に凄まじかったんじゃないだろうか、これ。それでいながら、読み手の方には殆ど難解という不可を掛けない構造や書き方になってるんですよね、これは正直凄いと言わざるをえない。絶妙のバランス感覚ですよ。よっぽど微細な調整を繰り返さないと、なかなかこの綱渡りなラインに載せることは難しい。
本作って、第十回の新人賞の投稿作品ということで、現在第十四回の投稿が募集されているのを鑑みると、三年近く改稿を繰り返していたそうなんですよね。それだけ根気よく完成品へと辿り着いた作者も然ることながら、編集部もよく粘り強く付き合ったものです。それだけ作品を見込んだ、というのもあるんでしょうけれど、昨今の作っては投げ作っては投げ、という出版事情を思えば、この編集部の姿勢は嬉しい限りですよ、ほんと。
それにしても、目次のあの記憶喪失まで※※ページ、という表記には面食らうと同時に引っ張り込まれたものですけれど、初っ端からのつかみとしては強烈な代物でしたし、その事情が明らかになっての緊迫感もぎゅと引き締まるもので、最初のアルテリアを背負って逃げる主人公の見開き挿絵からして物語の開幕としては素晴らしいもので、この段階的に事実や謎が明らかになるだけではなくて、読み手側の感情の盛り上げ方も計算しつくされたような作り方には感嘆しきりでした。
完成度の高い作品によくある忙しなさ、ある種の物語としての「一拍の間」。余裕がないのも確かなんですけれど、あと一匙キャラクター間の関係の醸成が進んでたら完璧に近かったんだけどなあ、という些細なところに思いをはせてしまうのは、それだけ良い作品だったからこそあとちょっと、もうちょっとという欲が出てきてしまうからなんでしょうね。
聖堂についても、明確にぶん殴れる相手として出てこなかった分、黒幕をぶん殴ってすっきりするカタルシスが得られにくかった、という点もちともったいなかったなあ、という気分ではあるんですけれど、そこを押しのけても純粋な二人のラブストーリーとして遂げたかったのもわかるだけに、これは仕方ないか。
続きが出るなら、これだけかっちりと設定や世界観、キャラの土台を固めただけに、あとはもっと自由に動かせるんじゃないだろうか、という期待も湧き上がってくる。怒涛の展開に急き立てられるのではなく、ここで立ったキャラクターたちが自分で考え歩き道なき道を切り開いていく展開を。自身の奥へと掘り下げていく物語を。可能性が溢れかえってて、実に楽しみである。

カンピオーネ! XXI 最後の戦い ★★★★   

カンピオーネ!  XXI 最後の戦い (ダッシュエックス文庫)

【カンピオーネ! XXI 最後の戦い】 丈月城/シコルスキー ダッシュエックス文庫

Amazon
Kindle B☆W

カンピオーネ7人によるバトルロイヤルは辛くも護堂の勝利で幕を閉じた。だが息つく間もなく、別時空から帰還したハヌマーン&ラクシュマナが立ちふさがり、エリカたちを追い詰めてしまう! 一方、アストラル界にて女神パンドラから神殺し生誕の秘密にまつわる真実を知った護堂は、ラーマとの決戦を前に、パンドラとある「取引」をするのだった。ついに決戦をむかえる護堂と最後の王ラーマ。熾烈を極める戦いの中、護堂は予想もできない行動に出るが……!? 神と神殺しをめぐる世界の真相がすべて明らかになる時、最後のカンピオーネ・護堂は「運命」のその先をつかめるのか……!? 超人気ファンタジー、ついに決着!!

まあそうだよなあ。数々の時間跳躍モノ作品において無敵無双を誇った「歴史の修正力」さんですらけちょんけちょんに踏みにじったカンピオーネである。たかが運命ごとき、敵ではないわな。とかく強いられる事を嫌うのが神殺しの本能である。本作における神殺しって、この最終巻で描かれたプロメテウス、エピメテウス、パンドラの兄弟夫婦による神殺し誕生のエピソードからもわかるように、神殺しの能力を人間が与えられるのではなく、神を自力で殺した人間に対して祝福、恩寵、報酬としてカンピオーネの力を与えるというものであって、そう端から運命に打ち勝った人間の可能性の権化がカンピオーネなんですよね。
他の作品に出て来る神殺しの多くが生来のものだったり運命によって役割付けられた能力だったりするのと比べれば、その在り方は正反対のものであったと言えましょう。
だから、カンピオーネが神を殺すのは、決して運命でも宿命でもない。ただ、好きでやってるだけなのだ。だからこそ余計に始末に悪い、とも言えるのだけれど、だからこそ神を殺すも殺さないも結局好き好きなんですよね。カンピオーネの自由なのである。パンドラ義母さまは力を与えてくれるだけで、なんかしろ、これしろあれしろ、あれを倒せとかは絶対言わないし。そう考えると、パンドラ含めて、プロメテウスとエピメテウスの兄弟は真の意味で人間の味方だったんだなあ。手取り足取り人間を導くのではなく、ただ火という可能性を与えてくれただけ、神に打ち勝つほどの人間にはそれに相応しい力を与えるだけ、という人間側の自主に任せてくれたという意味でも。
まあ、おかげさまで人間界には魔王なんて存在が乱立するはめになり、今回の魔王内乱では別の平行世界にまでこの迷惑千万な魔王たちを撒き散らしてしまったわけですけれど。それはそれ、これはこれ。自主独立には自己責任が伴うのである。
とまれ、神を殺すも殺さないもカンピオーネの自由、護堂の自由ともなれば、最後の王ラーマチャンドラとの決着がこうなった、というのはよくわかるんですよね。
もう十分やったもんなあ。
作中でも本人たちが語っているけれど、都合四回にも渡ってすでに鉾を交えているんですよね。そして、最後は強いられた戦いではなく、最後の王としての責務でもなく、運命によって縛られたものではなく、ラーマ本人も存分に心から護堂というライバルと戦いたいという欲求に基づいての戦いでしたから。ある意味これは、護堂が最初に出会った神、ウルスラグナとの間に成したかった決着だったんでしょうね。それを思えば、ラーマとの決着をこういう風につけられた、というのは護堂にとっても万感だったんじゃないでしょうか。護堂って同じカンピオーネの男とは凄まじく仲悪いけれど、何故か神様相手だと仲良くなっちゃってましたし。ってか、護堂って同じカンピオーネ以外だったら男の親しい友人、歳の上下関係なくかなり多いのよね。あれで、同性からも好かれる性格してるもんなあ。
ともあれ、神との決着も振り返ってみれば第一巻で叶わなかった復仇を果たしたとも言えますし、これはこれで最後の戦いに相応しいものだったんじゃないでしょうか。ボスラッシュはあんまりいらなかったような気もしますけど、結構中途半端でしたし。だいたい呼び出された相手、みんなやれと言われてやりたがるような連中一人も居ないですし。その意味では真のラスボスさん、無駄な足掻きだったな、と。
女性関係もついに決着。チーム草薙の四人娘たちを無事娶ることになって、ってか法律的にはあれなのでこれ内縁の妻扱いですか? 個人的には護堂が寄り切られてしまう決定的シーンを見たかった、という気持ちもありますけれど。
平行世界にぶん投げた他の魔王たちも……別に回収せんで良かったんじゃないですか? と思わないでないですが、放っておくと他の世界への迷惑が途方もないことになってしまってそうでしたし、ってか手遅れか、護堂が回収に向かった段階で既に半数が次元渡りが出来るようになって自力で飛び回ってる、とか聞いて正直怖いw
その能力獲得していなかったプルートーとドニも、飛ばされた現地で遊ぶのに夢中であっただけでその気になったら次元渡るくらい平気で出来そうだもんなあ。実際、ドニとか戻ってきてから次元渡りの能力獲得しようとはしゃいでるみたいだし。ハチャメチャすぎるw

21巻という長期に渡るシリーズになりましたけれど、ふつうとは違うアプローチというか、カンピオーネたちの他に類を見ないキャラクター性、精神性、無茶苦茶っぷりが本当の面白いというか楽しいというか、乾いた笑いが浮かんでくるというか、なんとも凄くて味わい深いものでした。刺激物としてはトビッキリでした、ともいえますか。
それでも、こうして見事に決着してくれて良かったです。感慨深いというかなんというか。なにはともあれ、おつかれさまでした。次回作も早速スタートしているようで、またぞろ楽しみ♪

シリーズ感想

主君 井伊の赤鬼・直政伝 ★★★★   

主君 井伊の赤鬼・直政伝

【主君 井伊の赤鬼・直政伝】 高殿円 文藝春秋

Amazon
Kindle B☆W

2017年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で話題沸騰!
井伊直虎を描いた『剣と紅』に続き、井伊家第17代当主・井伊直政と家臣木俣守勝の歴史ドラマ。

人はなんのために人に仕えるのか。
家康に寵愛され、
「赤鬼」と呼ばれた井伊直政の生き様とは――
というわけで、大河ドラマ『おんな城主 直虎』が終わったタイミングで、井伊直政が主人公……ではなく、その直政の家老職を務めた木俣守勝を主人公とし、彼の目から見た井伊直政という戦国武将の生き様を描いたのが本作である。
ちなみに、木俣さん、大河ドラマの方でもちらっと出ていて、最終回に家康から派遣された新たな家臣団の一人として紹介されていた人で、小牧・長久手の戦いの戦いで「兜寄越せぇぇ!」と直政に自分の兜取られて、大将のくせに一番槍で突っ込んでいってしまった直政に、慌てて井伊勢に突撃を命じていたあのひとである。
ちなみに、この本の本編でも概ねそんな感じであるのが笑えるというか、大河ドラマでの直政とまんまキャラ被るので、大河ドラマその後、として見るのにも十分耐えられるんですよね。
いや、こっちの直政の方がもっと酷いかもしれないけれど。戦場の分別とか、大河の万千代の方がついてそう……ってこともないか、あの小牧・長久手の戦いの様子を見てると。
これは物語の重要なポイントにもなるのですけれど、この木俣さん、正式に井伊直政の家臣、というわけではありません。元々徳川四天王の榊原康政や本多忠勝らと近い世代で小姓として一緒に働いていた人であり、一族内の内紛に絡んで一度徳川家を出て明智家に仕え、本能寺の変を前に徳川家に出戻ったという経歴の人であり、衰退した国衆の一族である直政には仕える累代の家臣が少なく、身代が大きくなった際に二進も三進も行かなくなるがために、家康が井伊谷周辺の国衆や自分の直臣を出向という形で派遣した中にいたのが、かの木俣さんなんですね。なので、直政とともに行動しながらもあくまで家康の直臣であるという体裁を取り続けるのであります。
これら出向家臣たちと井伊直政との関係は、長年彼のもとで戦い続け、また内治も任された結果自然と井伊家の名実ともに家臣という形になっていくのですが、その中でも木俣さんだけは直政の親族である嫁さんを貰ったりもしながらも、あくまで自分は井伊家から禄を貰っているのではない、徳川本家の家臣である、という立場を揺るがさずに時代を経ていくのである。
それは、彼のプライドの問題であると同時に、井伊直政という武辺の苛烈過ぎる凄まじい生き様を掣肘するのに、主家の直臣という立場が大きくものを言った、という理由もあったのですが、それでも井伊家の軍の指揮権を任されたり家老職を忠実に務めることで井伊家の発展に尽力していく中で、木俣さんは自分が一体誰に仕えているのか、誰に忠義を尽くしているのか、そもそも忠義とは、仕える主君とは、という疑問が、疑念が織々積み重なっていくその果てに、答えを見出すまでの人生が物語として語られている、というのが本作の主題とも言えるのだ。だからこそ、タイトルが「主君」なのであろう。
それはそれとして、やっぱり井伊直政のキャラクターがとんでもないんですよね。普段は理知的で外交面でも取次なんかを務めて活躍する能吏としての姿を見せながら、戦場では常に軍勢の指揮をほっぽりだして突撃していってしまうバーサーカー。お陰で、軍配を預かるというか押し付けられた木俣さんは毎回毎回赫怒しながら「殿はどこじゃーー、どこいった万千代ぉぉ!!」といった感じで叫び狂いながら駆けずり回って軍勢をまとめる日々である、可哀想。
直政のバーサーカーっぷりは戦場のみならず、ふとした瞬間にその凶暴性を剥き出しにするわけで、臣下に異常に厳しく、ちょっとした失敗で部下を斬って捨てたこと数知れず。付いた字名が「人斬り兵部」。おかげで、井伊兵部のもとでだけは働きたくない、と就職先として避けられ、家臣の中からも逃げ出すもの多数。大河ドラマのあの近藤さんの子供たちも、あまりの厳しさに耐えられなくなって直政のもとから飛び出していってしまってますしね。
そして、自他共認める「秀吉絶対殺すマン!」で、事あるごとにあいつ殺す、秀吉殺す、とりあえず殺そう、殺っちゃえべいびー! と天下人を殺そうとするので、木俣さんの胃がえらいことに。
それでなくても、徳川を出奔して太閤秀吉の家臣となっていた石川数正をぶっ殺そうとして、必死で木俣さんが止める羽目に。
「清左衛門……」
「挑発に乗ってはなりませぬ!」
「斬りたい」
「堪えてくだされ。駿府に戻れば石川めによく似た案山子を用意いたしまする!」
こんなやり取りまで繰り広げられてまあw
そんなハチャメチャすぎる直政についていけないと思いながらも云十年。家康には万千代を頼むと懇願され、直政からも何だかんだと小狡い手管まで使われて引き止められて、井伊家の身代がどんどん大きくなる様に付き合っているうちに、ついにあの関が原を迎えてしまうんですね。
鮮烈なまでに生き急ぎ続けた直政。その行動原理をついに理解できぬまま、振り回され引きずり回され、いつの間にか直政のお守役として徳川家内のみならず諸国にも知れ渡ってしまう中で、嫌悪と、そして憧憬にもにた目で仮の主君を見守り続けた木俣清右衛門守勝の人生が晩年を迎えるのである。

いったい、自分は誰に仕え続けてきた人生なのか。誰に忠義を尽くしてきたのか。関が原の戦傷を悪化させ、急速にその生命の灯火が消え失せようとしている直政に、彼は最後までその答えを見いだせぬままそのときに辿り着いてしまうのである。
そして、その後に知った井伊直政という男の死生観、生き様の真実。彼の在り方と、徳川家康という男の特別な関係。
最後のそれは、ちょっとわかりにくい部分もあるのだけれど、捉えるべきは捉えたのではないかと。
なんにせよ、井伊直政という一代の武将とその風雲児に振り回され続けた一人の苦労人の一代記として、非常に読み応えある面白い作品でした。今年の大河を見た人にはなおさらおすすめ。

高殿円作品感想

ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット ★★★★☆  

ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット (電撃文庫)

【ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット】 渡瀬草一郎/ぎん太 電撃文庫

Amazon
Kindle B☆W

《アスカ・エンパイア》。
茅場晶彦によるVR制作プログラム《ザ・シード》から開発された和風VRMMOである。《スリーピング・ナイツ》のユウキとラン、メリダが遊んでいたこのゲームにも、秘められたエピソードがあった――。

戦巫女のナユタと忍者のコヨミ。《アスカ・エンパイア》で出会い仲良くなった二人の少女は、ゲーム内で不思議な法師ヤナギと出会う。
その老僧侶は、とあるクエストの《謎解き》を《探偵》に依頼したいという。しかもその報酬は一〇〇万円。
法外すぎる値段に驚く少女二人だが、その奇妙な依頼を受ける《探偵》も負けず劣らず奇妙な青年だった。ステータスボーナスは《運》に《全振り》――つまりバトルは最弱、しかしレアアイテムドロップ率最強のトリッキーなプレイヤーで……。
最先端VRMMOの世界で、少女二人を引き連れた《胡散臭い探偵》による《謎解き》が始まる。

時雨沢恵一さんによるSAOスピンオフ作品【ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン】に続く、もう一つのスピンオフ作品がこれ、【クローバーズ・リグレット】である。
先のガンゲイルが仮想世界故に好きなだけ銃撃ちまくって楽しく遊んでやるぜー、な話だったのに対して、本作はよりソードアート・オンラインという世界においての、フルダイブ型VRMMOとは、そしてあの「SAO事件」が遺したものについて深く踏み込んだ話になっている。
4千人ものプレイヤーが「殺害」されることとなってしまったSAO事件。それが社会に及ぼした影響というものはそれこそとてつもないものだったのだろうけれど、マクロな視点のみならず、その亡くなった一人ひとりに焦点を当ててみても、そこには想像を絶するだろう悲劇が付随してくる。
ゲーム内で生死をかけて戦い続けていたプレイヤー本人の恐怖もさることながら、ゲーム内部の状況もわからないまま、ひたすら目覚めないまま横たわる自分の家族が、友人が、愛する人が、いつ脳を焼き切られて死ぬかわからないまま見守り続けないといけない人たちの抱き続けた恐怖は、如何程のものだったのだろう。
そして、その時が訪れた時の絶望は。

この物語は、そのすべてが過ぎ去ったあとに訪れる、荒涼とした草木も生えないモノクロの大地を見るような心象風景を秘めた登場人物たちの巡るその先の話である。
それでいて、彼らが事件を通じて目の当たりにしていくものは、フルダイブ型VRMMOのもたらす確かな可能性であり、希望の未来であり、優しさによって作り出される明日なのだ。
なんという皮肉なのだろう。それとこ、これこそが救いなのだろうか。誰よりも絶望に打ちひしがれていた彼らが、そんな希望を目のあたりにするのがよりにもよって自分たちを絶望のどん底に追いやったフルダイブ型VRMMOとそれを取り巻く新たな環境なのである。しかも、そのまま日の目を見ず、闇に葬られそうだった、そのまま誰にも気づかれずに消え失せてしまいそうだったそれを、幾多の謎と不幸な偶然と無慈悲な現実の間から見つけ出し、掬い上げたものたちこそ、彼ら自身だったのですから。
でも、この事実によって、彼らの絶望や諦観が癒やされたり救われたりしたわけじゃないんですよね。でも、それを成した想いは確かに存在し、その温もりを彼らはしっかりと感じ取った。そこに、意味が無いはずがない。
今なお、フルダイブ型VRMMOを続けているということは、歩むことをやめていないということ。託された想いを、バトンを、受け取ったということなのだ。
だからこそ、それを自覚し、前を向いた彼女に、家族は言葉を送れたのだろう。その背を送り出せたのだろう。その奇跡もまた、受け継がれた種の可能性である。

それにしても、あのコヨミちゃんも一つの奇跡そのものだよなあ、振り返ってみれば。あの「一緒に住もうぜー」という感じの何気ないセリフからして、その時は全くなんの意味もない雑談の中の一言に過ぎないように見えたものだったけれど、後々考えてみると凄まじいまでにナユタにとってピンポイントついてるんですよね。いったいナユタにとって、どれほどコヨミの存在が巨大なものかというのが透けて見えてくるわけです。その出会いは本当に偶然の、たまたまの、なんでもないものであったがゆえに、よくぞよくぞ、出会えたものだと思うのです。これこそ奇跡であり、運命だよなあ。
あと、間違いなくコヨミの衣装はエロ衣装ですね! ってか、半脱ぎじゃん! あれ、インナーなかったらどういう見た目の装備なんだ!? ってか、インナーモロ出しってだけでも凄いんですけど!

渡瀬草一郎作品感想

ディヴィジョン・マニューバ ―英雄転生― ★★★★   

ディヴィジョン・マニューバ ―英雄転生― (講談社ラノベ文庫)

【ディヴィジョン・マニューバ ―英雄転生―】 妹尾 尻尾/ Nidy-2D-  講談社ラノベ文庫

Amazon
Kindle B☆W

人を襲う人類の天敵・ジェイヴが現れて十数年。人類の領域は狭くなりながらも、何とか拮抗を保っていた。戦闘兵器ディヴィジョン・マニューバが、ジェイヴへの対抗手段として有効だったからだ。最低レベルの魔力―ディヴィジョン1でありながら、魔装騎士を目指すための学園、上弦魔装学園へと入学した桶川九遠。だが九遠は最低魔力でも起動できる特注の機体を操り、入学早々に行われる模擬戦で9人抜きを成し遂げる。そんな九遠の前に現れたのは、学園最強の戦士にして最高レベル―ディヴィジョン5の少女、鈴鹿花火。接戦を繰り広げる二人の心は通じ合い、花火のチームへと誘われる九遠。だが、九遠と花火には、過去の因縁があり―!第6回講談社ラノベ文庫新人賞“優秀賞”受賞作!
ぐあああ、熱い!! うん、うん。これは書き方の具合だよなあ。ストーリー展開はオーソドックスと言っていいものだと思うのだけれど、それを輝ける王道へと昇華せしめているのは筆者の文章の転がし方、言葉の演出であり表現の妙なんですよね。
それも、ここぞという時だけではなく、何気ないシーンでもピピッと釣りでの竿先を引くような書き方、文章の置き方というんだろうか、そういうのが散りばめてあってギュイギュイと作中へと読んでいるこっちを引き込んでいく。文章のリズム感もさることながら、あんまり見たことのないというか使い方が難しい文の並べ方をしてるんですよね。これは結構特徴的でもあり……そうだなあ、全然違うけれど方向性として似ているのは古典の名作である【楽園の魔女たち】(コバルト文庫)の樹川さとみさんのそれを思い出してしまった。もちろん、作風とかは全然違うのだけれど、文章を追う読者の目を躱すようにフッと死角やワンテンポ置いた後方から、こちらの感覚を時に微細に、時に激烈に揺るがす一言や一列の文章を差し込んでくるこのタイミングは、なんとなく似てるんですよね。
そして、これがまた凶悪なんだ。
それがもっとも炸裂するのが、当然のごとくクライマックス、絶体絶命のピンチのシーンである。この差し込みを絶妙のタイミングで次々に繰り込んでくるものだから、テンションが落ちる余裕を与えられること無く、さながら多段式ロケットのごとく上がる上がる、際限なく上がり続けた上でのクライマックスである。
これもう、盛り上げ方というものをわかり尽くした、筆そのものに、タイピングする指先に火が乗っているかのようなシーン演出なんですよねえ。
素晴らしい!!
ちょっとそこまで一直線に進みすぎて、実は学園生活とかチームのメンバー以外にももっとキャラクターを描いていく範囲を広げたい様子が見受けられつつ、結局書けないまま後ろへと押し流されていったっぽいところが見受けられるけれど、ほぼ富士チームと師匠に絞った、そして先輩と九遠に絞りつくしたキャラクター描写は、よそ見をせずに焦点をアテ尽くしたことでほぼ書き抜けた感があって、これはこれで正解だったんだろうという爽快感がありました。英雄としての在り方、というテーマも先輩との関係の醸成や師匠の二度目の指導を通して、刷新されていく様子もきっちり書けてましたし。
なにより、なんだかんだと見事な「おねしょた」ものになってて、いや主人公が「可愛い」系でヒロインがお姉さんで、それが極まったラブラブだったりなんかすると、もうそれだけで満たされる気分です、はい。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 1 ★★★☆   

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…1 (一迅社文庫アイリス)

【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 1】 山口悟/ひだか なみ 一迅社文庫アイリス

Amazon
Kindle B☆W


頭をぶつけて前世の記憶を取り戻したら、公爵令嬢に生まれ変わっていた私。え、待って!ここって前世でプレイした乙女ゲームの世界じゃない?しかも、私、ヒロインの邪魔をする悪役令嬢カタリナなんですけど!?結末は国外追放か死亡の二択のみ!?破滅エンドを回避しようと、まずは王子様との円満婚約解消をめざすことにしたけれど…。悪役令嬢、美形だらけの逆ハーレムルートに突入する!?恋愛フラグ立てまくりの破滅回避ラブコメディ★

悪役令嬢モノって、大雑把に分類すると頭脳明晰な才媛タイプとポンコツ天然タイプに分かれると思うのだけれど、この作品のカタリナさんは圧倒的に後者のタイプ。前世の記憶にある乙女ゲームの攻略情報はちゃんと記憶に残っているのだけれど、それをまったく活かせていないというか途中からこれ忘れてるよね、フラグとか。なので、その言動には計算などは欠片も乗っていなくて、ひたすらノリと勢いで突き進んでいくので、ゲーム正史の展開とかもう完全に吹っ飛んでしまっている。こうなると、前世の記憶とかまるで頼りにならなくなるのだけれど本人もうそのへんの難しいことは忘れてしまっているうえにそもそも殆ど感性だけで動いているうえに大雑把な性格なので、いいんですよね? 
貴族のお姫様らしくない振る舞いがどうの、というよりもカタリナのそれは貴族だの平民だの関係ないスットコドッコイなのだけれど、不思議とそれが人に好かれるのはその裏表のなさと明け透けさ、として見てて放っておけないポンコツっぷりからなのでしょう。まあ、単純に見ていて面白い娘である以上に、遠くで見ていたいタイプじゃなくて一緒に近いところにいた方が楽しいタイプの娘なんですよね。だからか、周りに人が集まる。人誑し、という意味ではむしろ同じ女性陣の方から人望が集まっているのが面白い。ってか、本来ライバルキャラの貴族令嬢から対象の王子様を奪うどころか、その令嬢メアリのフラグを自分が奪っちゃって百合百合ルートを我知らず引っ張ってきてしまうのはどうなんだ、とw
そもそも、本来のゲームの主役の娘が未だ登場していない段階で、攻略対象の男性陣の抱えている闇をほぼ全部カタリナ自覚なく払っちゃってるのはどうなんだよ、というかどうするんだよ、というところなんですよね。
主役登場しても、もうすることないじゃん!
土系魔法に熟達するためには土と会話するのが一番、と考えて農業はじめてしまった挙句に、実際土いじりしても土魔法の熟達とは全く関係ありません、というのがわかっても既に畑仕事が趣味になってしまった公爵令嬢のカタリナさん。あのホッカムリ姿の似合いっぷりはイラストの妙だよなあ。
腹黒王子のジオルド、正式な婚約者なんだから迂遠な真似して義弟牽制してほくそ笑んでないで、もっとガンガン直截で行けばいいのに。ってか、実力行使既成事実を積み重ねないとあのポンコツ令嬢、まるで察しないぞ。

異世界迷宮の最深部を目指そう 9 ★★★★   

異世界迷宮の最深部を目指そう 9 (オーバーラップ文庫)

【異世界迷宮の最深部を目指そう 9】 割内タリサ/鵜飼沙樹 オーバーラップ文庫

Amazon
Kindle B☆W

――騙り得ぬ沈黙。

ついにパリンクロンを倒したカナミだったが、迷宮・六十六層の裏で目覚めを果たす。
【五十守護者】ティティーと出会い、一年という空白期間を認識したカナミは、ともに落ちたライナーと迷宮を脱出するべく「地上」を目指すことに。
六十層まで到達したふたりが出会ったのは、『光の理を盗むもの』ノスフィー。
「――あ、あぁっ!! わたくしを迎えに来てくれたのですね! 」
未練を残す守護者がふたり。
語るたびに騙られ、諦観が未練を呼び、誰も彼もが意味をはき違えていく。
その果てにも届かぬ手を伸ばした先に――彼女の『試練』が訪れる。
カナミ・メンタルヘルスケア!
というわけで、悩める守護者さまのこの世の未練を晴らしていく、という精神介護か地縛霊の除霊みたいになってきた迷宮攻略戦。いや、何気に今までもずっと守護者の未練を晴らすという目的は一貫していたのだけれど、何しろ登場人物全員が精神を病んでいるという考えてみると凄まじい状況だった挙句に、肝心の主人公のカナミが一番やべえ状態だったのが長く続いていたので、病める主人公が病める周りの登場人物たちの精神を癒やしていく、というのはぶっちゃけ無茶無理無謀の類で、お互いに足を引っ張ってドボドボと縺れて溺死しまくるという有り様だったんですよねえ、懐かしい。
それがなんやかんやと、ついにカナミンがそのあたりを見事に克服したおかげで、ようやく周りの人たちのこともある程度的確にすくい上げることが出来るようになってきたのが昨今の話。それでも、嫁候補たちが揃って修羅場っているお陰で、カナミン一歩どころか一言間違えるだけで即死惨殺完全犯罪被害者の回の適格者になってしまいそうな勢いで、これまでとは違う意味で精神がゴリゴリ削れて病みはじめていただけに、それらから開放されて自由を! 自由を得たカナミは実は今までで一番精神的に開放された状態なんじゃないだろうか。さらに、ライナーというかつては突っかかってきたものの、今では一番忠実で健気で暴走せずちゃんと人の話も聞いてくれて、男同士色んな共感を得ている親友にして弟分にして最良の癒し系という、今まで出てきた登場人物の中で唯一にしてぶっちぎりのマトモな頼りになる相方の登場によって、もうカナミン最高潮である。
つまり、完全に余裕を持って他人のことを、守護者たちのことを考えてあげられる状態なんですよね。
経験に基づくデッドラインの見極めと危機の感知が、さすがこれまでありとあらゆるやらかしを経験してきただけのことはある、という冴えっぷりで、結構ヤバイ感じアリアリな二人の守護者のこともなんとか落ち着かせて、宥めて、時折散布される地雷や機雷も丁寧に掃除して安定を保ちつつ、二人の未練を解こうとしていたけれど、まあ結局ラインを割ってしまうんだなあ、これが。
とはいえ、「やっちまったー」という失敗ややらかしの結果ではなく、なるべくしてなった、という感じでもあり、カナミは決して選択肢ミスったり地雷踏み抜いたりもせずやれるだけはやった、というカンジがするので、これまでで一番頑張ったんじゃないだろうか。いや、頑張ったというか間違わ無かったというか。それでもこうなってしまうのは、結局始祖カナミの因果であり負債であり、既にもうやらかし尽くしたあとの後始末の段階である以上、穏当に終わるはずがないというカナミとしては実のところもうどうしようもない、はじまった時点で終わっている話でもあるんだよなあ、これ。
結局はそれを清算しないといけないのが、カナミという青年のもう宿命なのだ、と言わざるをえないのか、これ。
つまるところ、ご愁傷様です。
今のところ、ティティーの方がメインで進行しているようなのだけれど、今回拍子はノスフィーだしキャラ人気的にもノスフィーの方がなにやら突出しているようで、これから元嫁の出番アリアリなのか。それはそれで楽しみというべきなのか、既に火がついている爆弾を焚き火に投げ入れるようなものなのか、修羅場的に。
とりあえず良い所というか、肝心の場面で終わってしまったので続きハヨゥ。
それにしても、今回は異世界迷宮の階層を上にあがろう、になっててなんか徹底してタイトルの「異世界迷宮の最深部を目指そう」とポカポカ殴り合う内容ですなあ、本作って。

シリーズ感想

カンスト勇者の超魔教導<オーバーレイズ> ~将来有望な魔王と姫を弟子にしてみた~ ★★★☆  

カンスト勇者の超魔教導<オーバーレイズ> ~将来有望な魔王と姫を弟子にしてみた~ (HJ文庫)

【カンスト勇者の超魔教導<オーバーレイズ> ~将来有望な魔王と姫を弟子にしてみた~】 はむばね/青乃純尾 HJ文庫

Amazon
Kindle B☆W

慎重すぎて異世界で三百年もの修行の末、デタラメすぎる強さを身に付けてしまった召喚勇者キリ。彼はとある目的から「魔王の娘」たる天真爛漫少女・エイムを弟子にし、超絶育成することに。そこに訳ありの美剣姫・メイも加わって、「どんな魔物もワンパン!」の、最強師弟らの無双旅が始まる!食事を美味しくするためだけに第二百階以上の超高等魔法を使ったり、誰もが恐れる巨大な魔物を瞬殺したり、やりたい放題の師弟コンビが大暴走!一行で唯一の常識人・メイのツッコミも追いつかない、破天荒な旅の行く末は!?HJ文庫大賞「銀賞」受賞作!

んんん? 新人賞? はむばねさんって結構ベテランの作家さんだったと思うんだけれど、改めて新人賞に応募し直したのか。
あらすじでは唯一の常識人なんて書かれてる姫様のメイだけれど、うん確かに一般常識を一顧だにしないキリとエイム師弟に比べたら姫様ちゃんと常識人ではあるんだけれど、一方でキリとエイム側のぶっ飛んだ常識の方にもちゃんと適応してるんですよね。必要以上に驚かないし、そういうもんか、とわりとあっさりと受け入れてしまっている。何気に適応力に関してはこの姫様半端ないんじゃないだろうか。あれだけ無茶苦茶しまくる二人に対して、振り回されるどころかかなり上手く立ち回って美味しいところ摘んでいる場面けっこうありましたし、暴走しがちな二人をうまいこと誘導したり落ち着かせたり引き止めたり、と案外制御しきってるんですよね。
キリの三百年前の仲間だった王子とメイ姫、よく似ているという話だけれど見た目や性格以上にこの懐の広さというか鷹揚さが実はそっくりだったんじゃないだろうか。主導権を握っていたのはキリだったかもしれないけれど、それでも彼のメイ姫への接し方というのはかなり気を遣っているというか、その意向を気にしている素振りがあって、元々このキリという勇者、自分でグイグイ引っ張るよりもかつて王子にくっついていってたみたいに、誰かに方向性を示してもらうほうがあってたんじゃなかろうか。三百年間ひたすら修行していたってのも、かつての事情から人間不信に陥っていたにしても迷走しすぎであるわけですし。そんな意味でも、押し付けがましくなくサラッとフォローしてくれて、自分たちの在り方を否定しないまま往くべき道を指し示してくれるような、メイ姫のあの柔らかくも何気にタフで堪える様子を見せない前向きな受容は、キリにとっては心地よかったんでしょうなあ。
エイムも魔王の娘らしく大物っちゃ大物なんだけれど、この娘は放っておくとどうしようもなくなるある意味師匠似の弟子なだけに、この師弟もうメイがいないとどうしようもないんじゃないだろうか。お母さんと呼びなさい、ってなもんである。
というわけで、色んな意味でヒロインがキープレイヤーとして意味をなしている、重点を彼女に置いて見ているとなかなかおもしろい作品でした。

この素晴らしい世界に祝福を! 13.リッチーへの挑戦状 ★★★★   

この素晴らしい世界に祝福を!13 リッチーへの挑戦状 (角川スニーカー文庫)

【この素晴らしい世界に祝福を! 13.リッチーへの挑戦状】 暁なつめ/三嶋 くろね 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W

「ストーカーが現れました!」―逃げ惑い朝帰りをかましたウィズが、バニルやカズマに相談を持ちかけてきた。相手はウィズのことなら何でも知っている!と豪語しており、会って話がしたいと手紙まで送ってくる。対して「襲撃してやる」と、珍しく盛るバニル。その言葉で気持ちに整理がついたのか、ウィズは会うことを決心するのだが…。当日、着飾り、照れくさそうに話す彼女の姿が!?ストーカーに恋?大いなる勘違いが始まる!

あれ? 宝島エピソードって初期の方にやらんかったっけ!? と思ったら、ウェブ版ではやったけれど書籍版では書かれてなかったエピソードなのか。あれ、街中の冒険者たちがみんな小金持ちになってしまってたら全然盛り上がらないイベントだっただけに、ここまで入れるタイミングがなかったと思えばそうだよなあ、となる。先の税金イベントで冒険者たちが持ち金持って行かれたのはこれ以上ないタイミングだったかもしれませんけれど、一度みんな懐が豊かになっているだけにガツガツ感には若干欠けるんですよね。これはもっと最初の方にやっておくべきイベントだったんじゃないかと。だいたい肝心のカズマたちからして屋敷持ちでお金に困ってないだけに。

さて、かつての仲間たちが自分がリッチー化してなんやかんやしているうちに身内同士で結婚してしまってたりして、何気に秘めたる結婚願望があるんじゃないかというウィズ。見事に自分から愛人路線へと爆走しているダクネスに比べると、ウィズの方が健全な気もするのですが何しろ相手がなー。
そもそもリッチーになった経緯から、ウィズ主役の過去編などを見てると彼女がバニルのこと凄く意識しているのは間違いないんですよね。バニルは自分には性別がない、と前々からのたまってますけれど、それを言ったらウィズだってもうアンデットなんだからあんまりそういうこと関係ないんですよねえ。今回の一件でも、熱烈に迫られて満更でもない様子を見せながら、ほらほらぼやぼやしていると私持ってかれちゃいますよ、とウィズがバニルに必死にアピールしているのがなんともはや。いやうん、気持ちはわかるがバニルにその手のアピールは完全に無駄じゃないかなあ。
実際、無駄ではあるんだけれどそれでもバニルの方がウィズの必死さに絆されちゃってるんですよねえ。あの対応見てると、バニルってウィズには何だかんだと超甘いよなあ、と思わざるをえない。なんだかんだと、良いコンビである。
一方で別の意味で初期よりも良いコンビになるつつあるのが、カズマとダクネス。
ダメ人間、クズ人間っぷりに拍車がかかるカズマに対して、その手のろくでなしがドストライクなダクネス。何気に相性としては最初の頃よりもむしろぴったりになってきちゃってるんですよねえ。正妻としてめぐみんがちゃんといるおかげで、ダクネス好みのダメな関係に着実にステップアップしてきちゃってますし。もう完全に性欲モンスターじゃないか、この貴族娘。色んな意味でもう時間の問題だよなあこれ。
あと、最近エリスさまが超やべえ感じになってきていて、かつての「真ヒロイン」像が段々と遠ざかっていっているような……w

シリーズ感想

バビロン 3.―終― ★★★★☆   

バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)

【バビロン 3.―終―】 野崎まど 講談社タイガ

Amazon
Kindle B☆W

日本の“新域”で発令された、自死の権利を認める「自殺法」。
その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される!人類の命運を握る会議に忍び寄る“最悪の女”曲世の影。彼女の前に正崎が立ちはだかるとき、世界の終わりを告げる銃声が響く。超才が描く予測不可能な未来。
「終」って、そういう意味だったのか! そんな意味だったのか!!!
単にこのシリーズが終わるという意味での「終」であるとしか想像していなかっただけに、この巻がシリーズ完結ではない、と聞いたときは「?」が浮かぶばかりだったのですが、そういうことだったのか。振り返ってみると、このバビロンのサブタイトルはどれも一文字でありながら、強烈なほどにその巻において語られるべきすべてを集約した一文字になってるんですよね。

「―終―」

まさに、シリーズの行方を決するかのような一文字である。

そもそも、いきなり冒頭から舞台が日本ではなくアメリカ合衆国へと飛んでしまって、いったい何が始まったのかと面食らわされたところからグイグイと引っ張り込まれてたんですよね。
まず最初のサプライズ。「うぇ!?」と本気で混乱したそれは、まさに意表を突かれたという他ない驚きでした。
本巻の主人公は、アメリカ合衆国大統領。うん、これまで様々な媒体で様々な「プレジデント」を見てきましたが、この大統領はちょっと今まで見たことがない人だった。
そして何より、「凄い」人だった。アメリカの大統領がこんな人だとは、というよりも人類における政治媒体の指導者として、こういう人が選ばれたというのは途方もないことなんじゃないだろうか。
最強でも最高でもない大統領で、側近からも政治家として完全に失格、とまで言われる人であり、自他共認める凡人なのだけれど、ともかくこの人が指導者だというのは本当に凄い。この人が指導者として機能しているという時点で、アメリカという国家機構の凄まじさに敬服してしまう。これだけの人を国家元首として活かせるって、このヒトが国家元首として力を発揮できる人材とシステムがある、というのはちょっと憧れてしまうくらいに凄い。
でもなにより、この大統領が凄い。どうやったって、アメリカの大統領って東海岸の上流階級とかマッチョイズムの権化とかその方向なんだけれど、この大統領は既存の大統領像を根底から覆しているにも関わらず、非常にアメリカ的とも言える人物なんですよね。インテリジェンス、或いは思慮深さか。アメリカという大国における象徴ともいうべき「力」ではなく、フロンティアスピリッツという前に進む意思や性急さでもなく、成功を掴むアメリカンドリームという上昇志向でもなく……。
新しい国であるが故のしがらみの無さ。大きな国であるが故の懐の広さ。寛容さ。思慮深さ。最善を選択しようとする貪欲さ。そう、人は考える葦である、といったのはパスカルでしたか。最大にして最新の人造国家であるアメリカの頂点である大統領が、まさに考える葦である、というのは実になんというか、まさにアメリカの一面を体現しているようじゃないですか。
そして「考える人」と呼ばれる大統領は、一連の「自殺」が法的に権利として認められる世界的な流れに対して、まったく違う側面からアプローチすることによって、恐らく人類の中でも最も、今起こりつつ在るパラダイムシフトの本質へと近づいたはずなのである。
人としても、素晴らしい人だった。ほぼ闇落ちしかけていた正崎を人へと戻したのは間違いなくこの人の言葉であり思慮であり心である。どう考えても、この人が政治家であるということが信じられないくらいなんだけれど、この人を大統領に選んだ、というだけでこの世界におけるアメリカ合衆国は信じがたい奇跡を成した傑出した国家として人類史に語り継がれるだろう。
彼は、考える人は、人類文明の可能性そのものだった。

なぜだ!? 何を見た!? 何を知った? なぜ、そこに至ったんだ? わからないわからないわからない。その思慮の果てがその答えなのか? 人の可能性は、人間が人間である根源が、敗北したということなのか?
わからない。理由は、原因は、意味はあるはずなのだ。ただの理不尽なんかじゃない、確かな因果があるはずなのだ。
一つ一つ、紐解かれていく。なにが善くてで、なにが悪いか。その一つの定義があがった。だからこそ、蛇よ。バビロンの大淫婦よ。智慧の実の味を、その甘美さとは何なのかを、次でこそ語ってくれ。
でなければ、これほどの「悪」を許せるものか。終わって、たまるものかよ……。

野崎まど作品感想

誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ ★★★★  

誉められて神軍3 尾張名古屋は零で持つ (講談社ラノベ文庫)

【誉められて神軍 3.尾張名古屋は零で持つ】 竹井10日/CUTEG 講談社ラノベ文庫

Amazon
Kindle B☆W

一夜にしてファンタジー世界へと変貌した現代日本―各地に様々な勢力が割拠するなか、新宿市国軍中将・御神楽零は“誉めて伸ばす能力”を駆使し連戦連勝。着実に権力中枢へと昇りつつあった。そして近隣の有力国家“富士帝国”の宣戦布告を受け、零率いる新宿市国軍は雷帝こと十四代しおり子率いる富士帝国軍と交戦開始。激しい攻防を経て零としおり子は相討ちとなり富士山火口へ消えた…だが直後零が目覚めた場所は、よく知る現代日本の“舞姫道場”だった。高校生として旧知の仲間に再会した零は、世界の危機を回避するため、密かに動き出す。やがて知る日本ファンタジー化の真実とは!?さらに事態は急転直下、竹井10日が放つ独創ファンタジー戦記第3巻!
現実世界に戻ったあたりから、突然なんか話の回転が早くなってきたのでこれまさか、と思ったら3巻打ち切り、俺たちの戦いはこれからだー!じゃないですか!? うわぁ、なんでだぁ。
この零くんの面白堅いキャラクターや誉めて伸ばす能力、というものが竹井作品の中でもかなり面白い部類だっただけに、勿体無いもどかしいヨミ足りない!! このファンタジー化した日本のアリスソフト的な世界観もめちゃくちゃおもしろかったんだけれどなあ。
以前の「がをられ」シリーズが重層的な謎によって構築された世界観が、紐解かれていくことによってその壮大にして想像を絶するスケールを明らかにしていったように、本作もファンタジー化した世界の謎、それに関わる零くんの両親という因果など、現実世界に戻ったことで幾つもの謎を解く鍵が見つかると同時に、同じく現実世界の記憶を持っていた同士ともいうべきしおり子との合流、そして現実世界にてさらに積み重なっていく謎。とどめに、戻ったはずの現実世界がファンタジー世界に徐々に侵食されていくという危機的展開。同時に、零たちが居なくなった、というか元から居なかったように改変されたファンタジー世界の方でも、零のことを覚えている人たちを中心に動きが起こり、と物凄えいいところで終わってるんですよね。これ生殺しだ、生殺しだぁ。
零ちゃんの能力、誉めて伸ばすという能力はいわゆるドーピング、というよりもバフの類いなんだけれど、単純にステータスをあげるようなものじゃなくて、かなり柔軟性があって発想次第で効果の発揮のさせ方が幾らでもある、という代物で、さらに人物相手限定じゃなくて無機物にまで効果があるというもので、これやりたい放題というよりも本当に発想の勝負という感じでその使われ方、毎度面白かったんですよね。一応使用回数も決まっていて使い所も考えないといけないし。
題材もキャラクターもストーリー展開もネタも世界観も全部好みで楽しかっただけに、ここで強制終了というのは本当に残念です。残念です。

シリーズ感想

ロード・エルメロイII世の事件簿 1.case.剥離城アドラ ★★★★☆  

ロード・エルメロイII世の事件簿 1 「case.剥離城アドラ」 (TYPE-MOON BOOKS)

【ロード・エルメロイII世の事件簿 1.case.剥離城アドラ】 三田誠/坂本みねぢ TYPE-MOON BOOKS

>Kindle
B☆W

第四次聖杯戦争から十年後、少年は君主(ロード)となった―――。Fateシリーズに連なる魔術ミステリー、ここに開幕!!

『時計塔』。それは魔術世界の中心。貴い神秘を蔵する魔術協会の総本山。この『時計塔』において現代魔術科の君主(ロード)であるエルメロイII世は、とある事情から剥離城アドラでの遺産相続に巻き込まれる。城中に鏤められた数多の天使、そして招待者たちそれぞれに与えられた〈天使名〉の謎を解いた者だけが、剥離城アドラの『遺産』を引き継げるというのだ。だが、それはけして単なる謎解きではなく、『時計塔』に所属する高位の魔術師たちにとってすら、あまりにも幻想的で悲愴な事件のはじまりであった──。魔術と神秘、幻想と謎が交錯する『ロード・エルメロイII世の事件簿』、いざ開幕。
かつて、征服王と呼ばれた英霊とともに第四次聖杯戦争を駆け抜けた少年が居た。7柱の英霊と7人のマスターによる人知を超えた戦争を生き残った魔術の才能を持たぬ彼は、十年の時を経た今、「ロード」を引き継ぐ者として、「時計塔」の地にあった。
人呼んで、ロード・エルメロイ鏡ぁ
これはかつて何も持たざる少年だった男の物語である。
それを手がけるのは三田誠氏。【レンタルマギカ】をはじめとした古今の魔術を題材とした作品を手がけてきたかの人である。三田さんの描く濃密で深淵と闇に親しく、しかして人の業揺蕩う魔術世界は、タイプムーンのそれと親和性が非常に高いと前々から思っていましたが……これほどか!
事件簿のタイトル通り、常識的な物理法則が通じない魔術界の話でありながら、クローズドサークルにて発生していく連続殺人事件を取り扱ったミステリー小説としての皮をかぶっているのだけれど、これがまたこれでもか、というくらいにタイプムーン世界の魔術界としての物語なんですよね、これ。
「根源の渦」と呼ばれる真理にたどり着くことこそがすべての魔術師たちの存在理由。その為に、ありとあらゆる犠牲を許容し、倫理を投げ打ち、未来すらをも消費する。純粋な魔術師であればあるほど、人の枠を踏み外し魔術師という別の生き物へと成り果てていく。そんな魔術師としての闇、魔術師としての業、その深さ、その闇、その陰惨さこそがかの世界の根底を担う色彩なのである。
そんな魔術師としての真理、魔術に溺れた者の業はロード・エルメロイ鏡い鬚呂犬瓩箸靴薪仂貎擁たちにも色濃く根付いている。それは、他作品ではほぼ全部に渡ってコメディ・リリーフとして活躍するルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト嬢ですら変わらない。
というか、本作に登場するルヴィア嬢は恐らく唯一と言っていいほど希少なシリアス一辺倒の彼女であり、純粋な魔術師として描かれる彼女であろう。魔術師としての歴史も、伝統も、闇も、業もおぞましさも醜悪さすらも毅然と抱え込んだ、強大にして恐ろしく、そして美しい美貌の魔女。
であると同時に、彼女の清廉にして高潔、純粋な人となりが些かも損なわれず描かれているのは見事という他ない。見惚れるような格好の良い女性として、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトは描かれている。
人として踏み外した人の皮をかぶった怪物である魔術師たち。彼らが望む頂へとたどり着くには、人としての在りようはむしろ邪魔でしか無く、魔術の高みへと登れば登るほどにそれは人から外れていく。それが、魔術師というもののはずなのに。
真理の探求、混沌の渦への到達に至るための一助を得るために剥離城アドラに集った魔術師たち。彼らを襲った事件、そしてそれに伴って彼らが蠢き、暗躍し、跋扈した結果生み出された謎、闇、惨劇と妄執を、一つ一つ丁寧に取り払い、時として吹き飛ばして、消され伏され隠された先から取り上げた時、そこに浮かび上がったのは。
あまりにも人間らしい、人らしい、心の在りようであり、業であったというのはあまりにも皮肉な話であり、そしてそれこそがタイプムーンが綴ってきた物語らしい姿だったのである。
どれほど人の道を踏み外しても、人の枠を逸脱しても、どこまでいっても魔術師は……「人間」なのだと。
苦しみも安らぎも、妬みも憧れも、優しさも怒りも、愛も憎しみも、あまりにも人間らしい感情であり、たとえどれほど高みを目指そうと、魔術師はそんな感情を持つ人間であることから逃れられない。
これは純粋な魔術師たちの物語であると同時に、どうしようもないほどに「人間」たちの物語であった。登場人物の一人ひとりが、生粋の魔術師として在りながら、見事なまでに一人の「人間」として描かれていた作品だった。
そして誰よりも主人公である彼が、誰よりも魔術を愛し、高みに焦がれ、それでありながら才の欠片もなく底辺を這いずるしかなかった少年は、才の無さこそそのままに、その魔術師らしくない在りように大人の体を伴って、今もこうして手の届かない天を仰ぎ見ながら歩いている。
ウェイバー・ベルベット。彼のその有り様が、成長した姿が、なんとももどかしく、懐かしく、格好良い。
彼の背を見て、その歩みの後ろをとぼとぼとついていく弟子の少女。グレイこそ、未だ魔術師ではなく人間ですらない存在なのだろう。そんな希薄な彼女の目に、じっと逸らさず見つめ続けている師の姿がどう映っているかは、本編をご覧じていただきたい。ただ、彼が彼女に指し示しているのが魔術の道か、それとも全く異なるモノなのかは、さて大人の体を成しながらまだどこにも辿り着いていないだろう若きロードにもわかっていないのだろう。革新的であり新世代の寵児として時計塔でも注目の的となっている名物講師は、ただもがいてかき集めたものを形に整え直しているだけで、何かの確信を持って指導を行っているというわけではないのだろうから。導くではなく彷徨っているというに相応しい師の姿に、弟子が何を見出すのか。
少年から大人になった彼の物語は、まだまだ道半ばである。ああそれこそ、ワクワクする面白さだ。

三田誠作品感想

皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園 ★★★★☆   

皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園 (ファミ通文庫)

【皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園】 やのゆい/mmu ファミ通文庫

Amazon
Kindle B☆W

蛮族との戦の功績により、竜王国の騎士隊長へ成り上がった竜騎士アルス。将来を期待されていた彼だったが、ある日、空から飛来した謎の巨大軍船を駆る皇国によって国を滅ぼされ、流浪の身となってしまう。すべてを失ったアルスが唯一求めるのは、祖国や友を奪った皇女ハルノミヤの首。しかしその復讐の旅の最中、敵国の娘サファイアと出会い、なぜか旅館経営を手伝うことになり―。仕える国を失ったエリート騎士の再生ファンタジー、開幕!
面白かった! すんげえ面白かったよぉ。やのゆいさんと言えば、現代を舞台にしたポップでコメディちっくな青春譚をこれまで手がけてきて、そのどれもがどストライクだったのですけれど、波長が合うのかな。完全にジャンルの異なる今回の作品も、なんかもうべらぼうに好きだわこれ。
亡国の騎士の復讐譚としてはじまったかと思えば、主人公のアルスと、その旅路の中で出会ったサファイアとリョウという二人の少女たちが立つ舞台はそこからジェットコースターのように目まぐるしく変転していく。それこそ、世界観から二転三転していくのだからとんでもない。作品のジャンルそのものすらピョンピョン飛び跳ねていったんじゃないだろうか。最終的に到達した地点から最初のスタート地点を振り返ってみた時、その余りにも遠くなりはてた出発点の姿にめまいすら起こしそうになる。それでいて、実はどこにも行っていない。最初に辿り着いたところが終着点であって、そこに居続けるために、そこを護るために舞台も世界観もジャンルすらも飛び越えて、ソラを翔ける物語なんですよね、これ。
そして、これほど目まぐるしく取り巻く世界が激流に翻弄される中で、読んでいる読者側が位置を見失わなかったのは、まさに渦中にあって一番翻弄され続けた主人公のアルスが、それでもなお愚直に自分の生き方を貫き通していたからなのだろう。
どれほど立っている世界が有り様を変えていこうとも、アルスが基準点として毅然と立ち続けたからこそこの物語は一本芯の通った真っ直ぐな物語として成立しているのだ。
そして、このアルスの愚直さとは、頑なさや意固地とはまた全く別の在りようなんですよね。騎士でありながら戦うことしか知らないような不器用な人間ではなく結構なんでもこなせる器用な人間であり、凄まじい堅物で頑固者にも関わらず認めがたい真実も、受け入れがたい事実も、理解できない未知のことすらも柔軟に受け止めることの出来る柔らかさを持つ男なのだ。そんでもって誠実で、七歳の幼女相手にも子供だからと適当な相手をせず、子供リョウの聡明さを認めた上で一個の人格として丁寧に扱い、それでいて大人として保護者として子供が子供らしくいられるように守り育てる姿勢をみせているわけで。殆ど理想的な子供に対する接し方なんだよなあ、これ。
途中明らかになる真実によって、彼がそれまで見ていた世界そのものが崩壊し、かつて彼が仲間たちと抱いた野望・大望、純粋なる夢がすべて矮小化してしまい、価値観そのものがひっくり返り、世界観は未知のものへと変転し、縋っていた復讐の念ですら意味をなさないどころか行き場のないものになってしまった時、彼は二度と立ち上がれないのではないか、というほどに打ちのめされ……乗り越えるんですよね、この男は。
理不尽を飲み込み、自分の非力さを飲み込み、理解の追い付かない無茶苦茶さを飲み込み、その上で騎士としての在り方にすがるのではなく、改めて自分の騎士としての在り方を見出して、護るべきものを見つめ直し、復讐者としてではなく騎士として、幼子の養親として、大事な人たちの居場所となった旅館の親父として、戦い抜くことを選ぶのである。
復讐は何も産まない、なんて言葉の上っ面だけをさらった綺麗事を思うつもりはない。時として、復讐は正しい権利として機能し、果たすべきものとして成り立ち、次へと進むための必要な踏み台となるものだ。
それを認めた上でなお、復讐を止めた彼の決断は尊いものであると思うのだ。仲間たちの死に様を思えば、彼らの無念を思えば、それはどれほど辛い決断だっただろう。心引き裂かれそうなものだっただろう。それでも、彼の復讐が誰も救わないどころか破滅をもたらすものだと理解した時、いやそんな公のことだけではなく、私人としてもその渦巻く感情を飲み込んで折り合いをつけてみせたんですよね。
どこまでも人間らしい懊悩の果てに、のたうち回って苦しんで泣きわめいて自失し果てた末に、自らを奮い立たせて選んだ「それから」。
格好いいですわ。愚直なまでにオトコの生き様というやつですわ。騎士の鑑とはこういうのを言うんですわ、きっと。
そういう彼だからこそ、絶望のどん底に追い込まれていただろう少女たち。リョウも、そしてサファイアも、潰えたはずの未来の先に希望の光を見出すのである。新たな夢を得るのである。やっと手に入れた「居場所」を護るために、どこまでも飛べるだけの勇気を得たのである。

ブンブンと振り回され、吹き飛ぶような嵐のごとき展開に翻弄され、しかしそれがあまりにも痛快で、痛切で、見ている景色がどんどん後ろに吹っ飛んでいき、速度があがり、スケールが加速度的に広がって、いつしか宇宙の彼方まで。そして、いつでもあの小さな、ちょっと改装して大きくなった旅館に戻ってこれるとんでもなくでっかいものとこじんまりと掌に乗るようなものを併存させたような、しっちゃかめっちゃかで愚直なまでに一本筋の通った、実に楽しく切なく、そして何より面白い、面白い!お話でした。
けっこう、これ一巻で話片付いちゃってるのですけれど、ここから続くのであればそれはそれでどうなるのか想像つかない部分があってワクワクするんだよなあ。出ませんかね?

やのゆい作品感想

ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン ★★★★  

ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン (角川スニーカー文庫)

【ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン】 瀬尾つかさ/ kakao 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W

ダメかわいいニートの少女と、同居生活はじめました。

MMOを愛するサラリーマン・石破真一(27)の部屋には、ニートの少女・瑞薙水那(17)が居候している。金髪美少女JKと同棲、といえば聞こえはいいが、「お腹空いた」と起こしにくるし、風呂上がりにタオル一枚でうろつくし、ネトゲのレベル上げバイトはサボるし……「真一っ、大好きだぞ! 愛してる!」「おだててもダメだ。給料は昨日やっただろクソニート!」社畜ゲーマーがネトゲに社会復帰に、ダメかわいいニートの少女を育成《レベル上げ》!?
またえらくエキセントリックなタイトルである。内容の方も、普段の瀬尾さんのそれとは随分と毛色が違う独特の……と、思ったんだけれど、ふーむ。
以前から口ずさんでいた事なんだけれど、瀬尾つかさという人の作品って、これはデビューしたての頃がその傾向強かったですけれど、主人公がヒロインたちに置いていかれる物語でした。遥か遠く遠くまで脇目も振らず駆け抜けていく彼女たちの背中を、あるところまでは支え背中を押していた主人公が、いつしかその腕の中からヒロインたちが飛び出し、もう主人公の力を必要としなくなった先で、その場に彼を置き去りにしてそのまま先へ先へと行ってしまう。それをどこか淋しげにしかし満足そうに見送り、見上げ、遠く手の届かないところへ行ってしまった彼女たちを眺め続ける。
特に最初期の【クジラのソラ】が顕著だったんですけれど、それ以外の作品にも色んな形であってもこの感じは常に敷かれ続けてたんですよね。
近年になって、主人公は佇んだままではなくなって、たとえ届かなくても追いかけるようになり、その手が届くケースも増えて来たのですけれど、この「置いていかれる」という要素はなかなか根強く散見されるのであります。
本作もまさにそれ、なんですよね。
初っ端から8年後のシーンからはじまり、彼女は既に遠く遠く違う世界に在るのを彼は地上から見上げている。
面白いのは、そこに至るまでの物語、つまり「現在」として描かれる本編が「激動の渦中」ではなくどちらかというと「モラトリアム」として描かれている、というところでしょうか。
これは、今現在ニートやっているニー子のことのみならず、既に28歳でバリバリのサラリーマンとして働いている社会人の石破真一についても、描かれるこの期間はどこか「猶予期間」なんですよね。それはこの物語の舞台となる2005年前。かの頃には全盛期でありながら現在プレイ人口が減りつつあるというMMORPGの現況とともに、8年前である本編時には社会人でありながら廃ゲーマーとして勇躍していながら、その熱中度が嘘のように今はかつてのゲームから離れている真一の姿にも、その隣に大人になった大家の娘の姿があるのもまた、モラトリアムというものを見てしまう理由なのかもしれない。
どこか懐かしく、振り返れば胸の奥を詰め先でひっかくような痛みと心地よさを感じる過去の情景。そして、もう二度と帰ることの出来ない想い出の時間。なんて表現するにはあまりにもバカバカしく、ダレ果てた日常。でも楽しかったかけがえのないあの頃。
それが、ここで描かれるニートな少女とそれを取り巻く騒がしい友人知人たちとの何気なくも懸命でいい加減だった、今はもう無いあのアパートの日々なのである。

瀬尾つかさ作品感想

<Infinit Dendorogram>ーインフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム ★★★★   

<Infinit Dendorogram>ーインフィニット・デンドログラム-4.フランクリンのゲーム (HJ文庫)

ーインフィニット・デンドログラム- 4.フランクリンのゲーム】 海道左近/ タイキ HJ文庫

Amazon
Kindle B☆W

ギデオンで行われた“超級激突”。その決着の瞬間に現れた白衣の男・“大教授”フランクリンは、アルター王国をも揺るがすゲームの開始を宣言した。町中に溢れだした大量のモンスター、闘技場に閉じ込められた上級プレイヤーたち。王国滅亡に王手のかかったこの状況を打開すべく、プレイヤーたちは国を、誇りを護るために動き出す。レイ、マリー、ルークたちはそれぞれの戦場で、フランクリンの配置した強敵と激突する―!!超人気VRMMOファンタジー、圧倒的熱量の第4巻!!
ルークくんのリアルがゲームなんかより遥かにぶっ飛んでるんですけど! ある意味、コナンくんよりサラブレッドハイブリッドなんじゃない、これ? それがどうして女衒なんて職業に行ってしまったのか。
ただこの自由度が読み物としてもゲームとしても面白いものなんですよね。この手の系統図は数が少ないとどうしてもスケールや発展性の自由度が矮小化してしまいますから、先がどうなるかわからない、という点においてこのの広さは「ワクワク」させてくれる類いなのである。もっとも、その設定の自由度を扱い切れれば、という但し書きがつくのだけれど、本作は主人公のレイくんのみならず、彼の周りのキャラクターにも十分以上のバックグラウンドを敷いた上で群像劇的に話を広げていっているので、その土台としてバッチリこの世界観は活かされつつあると言えるのでしょう。
レイとマリー、そしてルークがそれぞれ市街において決戦を繰り広げることになる今回の展開ですけれど、いわゆる主人公格の彼らのみではなく、さらっと新人枠の三人娘がなかなか渋い活躍してたりして、うまいこと裾野を広げてってるんですよね。主人公の見えている範囲の狭い世界ではない、このフランクリン・ゲームを頑張って打破しようとしている意思が、きっと見えないところでも動いているのだというのが感じられるわけですよ。闘技場から出られなかったベテランプレイヤーたちが、新人プレイヤーたちにありったけの支援魔法やらを託したのもそう。そうした無数の強い意思がそれぞれに動いていてこそ、世界が大きく動いている瞬間を実感できる。それが、スケール感を感じさせてくれることになるんですよねえ。いやあ、面白かった。
前回からずっと疑問だった、ユーリーが……あのレイに近しいメンタリティの持ち主であるあの子がどうして非道なるフランクリンに味方するのか。実はもっと複雑でややこしい事情を抱えているのかと想像していたのですが、事実は思いの外シンプル、単純なものでした。いやでもシンプルだからこそ、やっかいではあるんですよねえ、これ。シンプルであってもリアルの事情に深く絡むそれは、早々簡単に片付くものでもなく、ある意味一生絡むことだけにその解決は容易ではない。あくまでゲーム上のことであるこっちで、果たしてそんな事情に噛むことが出来るのか。
ユーリーがレイと同じ、ゲーム内のことでも現実と区別しないタイプであることが、何気に意味深でもあるのだろうか。フランクリン氏に関しては結構意外ではあったんですよね。この手のタイプの人がフランクリンみたいなロールプレイしてるのはかなり珍しいですし。いったい、どこまで捻れちゃっているのか。
それはそれとして、前回からグイグイ前面に押し出されてきて、今回も八面六臂の活躍を見せてるマリーさん。作者さん、この人すごい好きでしょう、というのがわかる描かれ方の粋の良さw
いやわかる、すごいわかる。ルークとは別の意味でまるっきり主人公枠だもんなあ。
なかなか良いところで終わってしまったので、早速続きへと……。

1巻 2巻 3巻感想

2017年11月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:48冊 うち漫画:18冊


【りゅうおうのおしごと!】は軽いノリに見せかけて、こと将棋と絡んだ人生に対する姿勢は極めて厳しい。将棋界というものが煉獄であり、そこに生きる人々は地獄の業火に焼かれることを自ら臨んだ修羅たちだ、というのを冴え冴えと描いているのを今回の一冊は如実に示している。すげえ作品だ。
逆にハッピーライフというものを描ききっているのが【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?】で、幸せで楽しい学園生活、ネトゲ生活、友達との生活、恋人との生活というのを尋常でない完成度で描ききってるんですよね。読んでるこっちまで幸せな気分に浸らせるほどにレベルで。すげえわ。
完結成ったのが【クロニクル・レギオン】と【魔弾の王と戦姫】。特に魔弾の方は多作な川口士先生の手がけた作品の中でも、文字通り「代表作」となったんじゃないでしょうか。名作でした。
一方で新作も登場していて、このすばの暁なつめさんの【戦闘員、派遣します!】や、嬉野秋彦さんの【いつかのレクイエム】は順調な滑り出し。特に【いつかのレクイエム】は嬉野さんの名著である【ハルマゲドンバスターズ】【シャイニング・ウィザード】シリーズの正統後継的な現代を舞台にしたアンダーグラウンドと魔術が絡んだ世界観で、個人的にすっごい好き。大好き。
注目作は映画【GODZILLA 怪獣惑星】の前日譚となる【GODZILLA 怪獣黙示録】。これ、映画見に行く気がない人でもぜひ読んでほしい。関係なく無茶苦茶面白い。もしかしたら、映画本編より面白いかもしれん、というくらい。


★★★★★(五ツ星) 0冊




★★★★☆彡(四ツ星Dash) 2冊

りゅうおうのおしごと! 6】 白鳥士郎/しらび GA文庫
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.15】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫


【りゅうおうのおしごと! 6】 白鳥士郎/しらび GA文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
空銀子の将棋道。それは愛に殉じる修羅の道。それは、屍の這いずる奈落道。その無残さを、ただ口をつぐんで見守るしか無い、苦しみ多き一冊である。


【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.15】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら
日常ものとしては、もう他に類を見ないくらい完成度の高い作品になってるんじゃないだろうか。とにかく読んでて多幸感がすごい。読んでてむちゃくちゃ楽しい。これに尽きる。これぞ最高の学園生活じゃなかろうか。

★★★★(四ツ星) 8冊

戦闘員、派遣します!】 暁なつめ/カカオ・ランタン 角川スニーカー文庫
ヒマワリ:unUtopial World 5】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫
我が驍勇にふるえよ天地 5 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫
クロニクル・レギオン 7.過去と未来と】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫
GODZILLA 怪獣黙示録】 大樹連司 角川文庫
いつかのレクイエム case.1 少女陰陽師とサウル王の箱】 嬉野秋彦/ POKImari GA文庫
始まりの魔法使い 2.言葉の時代】 石之宮カント/ファルまろ 富士見ファンタジア文庫
魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18】 川口士/片桐 雛太 MF文庫J


【戦闘員、派遣します!】 暁なつめ/カカオ・ランタン 角川スニーカー文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら



【ヒマワリ:unUtopial World 5】 林トモアキ/マニャ子 角川スニーカー文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【我が驍勇にふるえよ天地 5 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【クロニクル・レギオン 7.過去と未来と】 丈月城/BUNBUN ダッシュエックス文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【GODZILLA 怪獣黙示録】 大樹連司 角川文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【いつかのレクイエム case.1 少女陰陽師とサウル王の箱】 嬉野秋彦/ POKImari GA文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【始まりの魔法使い 2.言葉の時代】 石之宮カント/ファルまろ 富士見ファンタジア文庫

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら


【魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18】 川口士/片桐 雛太 MF文庫J

Amazon Kindle BOOK☆WALKER
感想はこちら




今月のピックアップ・キャラクター

戦闘員六号 (戦闘員、派遣します!)
空銀子 (りゅうおうのおしごと!)
赤峰光 (東京ダンジョンスフィア)
ルシアン (ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?)
友利叶 (ワキヤくんの主役理論 )
鷺沼ひより (いつかのレクイエム)
レイジ (いつかのレクイエム)
カズキ (魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。)
ヴァレンティナ=グリンカ=エステス (魔弾の王と戦姫)
上総 (東京ダンジョンマスター)




以下に、読書メーター読録と一言感想。


続きを読む

ガチャにゆだねる異世界廃人生活 ★★★   

ガチャにゆだねる異世界廃人生活 (ファンタジア文庫)

【ガチャにゆだねる異世界廃人生活】 時野洋輔/紅緒 富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle B☆W

ソシャゲガチャをこよなく愛する俺、来宮廻はスキルやアイテムが当たるガチャ能力を手に、異世界への転生を果たした。レアアイテムでの悠々自適ライフを期待していたんだけど、出るのは「たこ焼き1ヶ月分」や「土下座スキル」みたいなハズレばっかりで…こんなの異世界で役に立つワケないだろぉ!!しかも「町まで案内しなさい!お金は払うからお願いします!」迷子のポンコツ盗賊少女と出会ったことから、伝説の魔物退治やら、次々と面倒事に巻き込まれて!?―でも信じてる。全力でガチャりまくれば、いつかはSSRで理想の生活が出来るってな。ガチャ運任せの異世界物語、回転開始!
一番役に立っているスキル、土下座かよ! 昨今、土下座の威力に対する各業界の認識が軒並みうなぎ登りで、目を見張らんばかりである。こうなってくると、普通の土下座では個性が足りずに存在感として物足りなくなってくるんですよね。もっと中二病的な要素は攻撃の必殺技とか字名とかだけではなく、いかに凄まじい土下座を決めるかの方に発揮されてくれはしないだろうか、と思う今日このごろである。
単に効果の数字的ステータスがあがってるだけじゃあ、どうも絵面としてあまりインパクトがないのよねえ。
ひたすらポンコツでヒロインとしてどうなんだろう、というヒロイン力が非常に残念だけれどネタキャラ要員としては非常に優秀な仲間たちを引き連れての、これまた特に能力もないけれどノリと勢いでなんとなく突き進む、「このすば」型と言ったら最近では一番わかりやすいか、というタイプの作品である。その手の作品としては、軽快さが実に心地よくてこのサクサク読める感は意外と簡単そうでも、軽すぎて歯ごたえがなかったり色々と滑ってたりと決して簡単ではないんですよね。その点、この作品はキャラクターのポンコツ具合が実にボケボケしていて、ノリのテンポもよく面白い。キャラの濃さの方はまだ出たてだからこそ印象として焼き付いていないけれど、シリーズが続いていけば厚みが増してくるものなので最初はこんなもんなんじゃないかと。
ただ肝心のガチャがねえ。
なんか、わりとポンポンと有用で展開上必要だったりするものが都合良く出てきてしまうので、完全運任せのガチャ感があんまりないんですよね。出てくるものを作者がストーリー展開に合わせて出している、という感じがしてしまって。
いっそ、本当に「ガチャ」して出るものを選ぶようにしてしまえば、迷走感も出て面白そうだったのに、と言ってしまうのは過酷に過ぎるだろうか。話作る難易度が半端なくなってしまうだけに。
あと、生涯お付き合いするガチャだろうに、枠が1000しかないというのは一年経たずに飽きるかコンプしてしまうんじゃなかろうか。あのペースだと。そのへんはアップデートでどうにかするんだろうけれど。

東京ダンジョンマスター ~社畜勇者(28)は休めない~ ★★★☆  

東京ダンジョンマスター ~社畜勇者(28)は休めない~ (ファミ通文庫)

【東京ダンジョンマスター ~社畜勇者(28)は休めない~】 三島 千廣/荻pote ファミ通文庫

Amazon
Kindle B☆W

おっさん勇者と愉快な仲間たちの、異世界ダンジョン攻略記!!

かつて異世界を救った勇者の上総も、現代に戻った今は一人の企業戦士。今日も残業を終えて帰宅すると、そこに現れたのは、異世界の仲間である王女リリアーヌとメイドのクリスだった。彼女らを六畳一間の自室で養うことになった上総は、その後秋葉原駅で出会ったJK巫女の紅に弱みを握られ、彼女や同居人たちと共に異世界の魔物が跋扈するダンジョンに足を踏み入れることになる――。サラリーマンと愉快な仲間たちのダンジョン攻略記、開始!
28歳はおっさんと違うわー!! と、アラフォー熱く絶叫する。
いやマジで。ほんとにマジで、28歳ってのは若者ですから。肉体年齢的に!
十代の学生からすると28も38も変わらないようにみえるかもしれませんけれど、絶望的に違いますから。
でもおっさん呼ばわりされて笑ってられずに本当にショックを受けるのは、自身でおっさん化している自覚がある場合なので、上総は精神年齢的にちょっと老成というか草臥れているところがあったので、余計にガツンと来たのかもしれないなあ。気が若けりゃあ、子供におっさん呼ばわりされても笑っていなせるものでしょうし……いやでもわりとこの年代の方がおっさん言われるとショックな記憶も無きにしも非ず。

異世界から戻っても、何の保証も余録も社会的特典もなく、もちろん大学進学への補助も推薦入学もなく、ただ行方不明だったわけですからそりゃ帰ってきてからが辛いです。それでも、高校中退からちゃんと就職してのけた上総は偉いと思うのだけれど、異世界勇者生活がハードすぎてブラック企業で働いててもそれほど疑問にも感じない、というのはなんかもう世知辛い!!
ただ、まんま勇者の頃の身体能力とか残っているならそれを利用した職につけたら有利に働いただろうに、と考えたところでそう言えばこの鬼畜な労働環境を体も壊さず乗り切れてるのって人並み外れた身体能力のお陰か、と思えばちゃんと有効利用していると言えるのか。
あまりにもあまりにも、だけれど。
そんな社畜と化し、ひたすら働くために生きている、みたいな有り様と成り果て、かつての勇者の栄光どこへやら、という格好になってしまっている上総ですけれど、そんな環境にも関わらず彼の精神というのは勇者の頃から何一つ変わっていない、というのは立派ですわ、ほんと。異世界から彼のもとに。ただただ、彼と生きるために元の世界を後にしてこの世界へと飛び込んできたリリアーヌとクリスが、今の上総と再会してなお失望も幻滅もせずに居られたことこそが証左でありましょう。違う世界で生きる覚悟を決めてきた姫様たちの肝の据わり方も確かにあるのでしょうけれど、かつてと変わらぬ上総の人となりが、再会してみれば一回りも年上の男性となっていてなお、何も変わっていなかったことこそが彼女たちに大きな安心を与えたと思えば、立派な大人になってるじゃあないですか社畜なのはともかくとして。
なによりこの上総という勇者の在りようというのは、頼まれたら断れない、困っている人が居たら見捨てない、という性格で、それはもちろん優しいとかお人好しとかに分類されるのかもしれないですけれど、それよりも強く感じたのが「侠気」というやつなんですよね。
仁をもって義をなす。
義によって仁を尽くす。
或いは、義を見てせざるは勇無きなり、とも言うべきか。
彼の行動を見ていると、その優しさや人を助ける行為に対して無責任な甘さがなく、ごくごく自然に自分の行いに対して責任を負う覚悟を持ってやってるところがあるんですよね。それはバッサリとした割り切りとも少し違うようで、これは頼りがいがある漢だよなあ、と感じてしまうわけですよ。
普段の情けない言動とは裏腹の、その懐の深さと背中の頼もしさは、この手のお人好し系主人公にはなかなか見られない、ピリッとした侠客的な味わいをかんじて、なるほどさすがまだ未熟な未成年勇者とは違う、おっさん呼ばわりされてもいいんじゃないかな、という大人の風格でありました。

異世界のダンジョンが現代社会に現れて、という作品は昨今だいぶ見かけるようになってきましたけれど、そこに現代側の魔術サイドが絡んでくるのはともかくとして、それ以上に突如都市部に降って湧いていた「災害」という側面を、一般人の被害状況も含めて如実に描いている展開は、物語の迫真性や緊迫感に勢いと重心をもたらしていて、このタイプの話としてはかなり歯ごたえがありました。読んでて面白かったですね。
ヒロインの一角の紅が、さすがに狷介に過ぎていて、対人不信と色々拗らせまくってる原因があるので、仕方無いっちゃ仕方ないですし、やっとこ心許してくるラストあたりはちゃんと可愛くなるんですけれど、管狐くんが取りなしてくれなかったらさすがに途中でしんどくなってたでしょうね。いや、あの管狐の取りなしって、上総は全然気にしてなかったのを考えると完全に読者に対して向けられてたよなあ、と思わないでもない。その意味ではちゃんと効果的ではあったんじゃなかろうか。紅の抱えているものの説明としても大切でありましたし。
しかし、ここまで日本の術者側の実力が太刀打ちできない格差がある、というのは辛いものがあるなあ。

赫光の護法枢機卿(カルディナーレ) ★★★☆   

赫光の護法枢機卿 (ファミ通文庫)

【赫光の護法枢機卿(カルディナーレ)】 嬉野秋彦/新堂 アラタ ファミ通文庫

Amazon
Kindle B☆W

神の法に逆らうことなかれ――神の武器プレロマを手に、悪神を殲滅せよ!!

悪神【マラーク】に抗う唯一の神の武器【プレロマ】を授けられ、めでたく護法枢機卿【カルディナ―レ】となったアルゾラ。だが初陣を無事に切り抜けた彼女に与えられた聖務は、輿入れの最中に行方不明となった法王の妹君の救出。しかし一緒に聖務にあたるキュリアロスは、人の心を解さない超合理主義の失礼な少年だった。過激にも思える彼の発言にヒヤヒヤするアルゾラだったが、実は彼は最強の枢機卿と言われる“黒の巡礼者”で――神に愛を捧げる枢機卿達の苛烈なファンタジーアクション!
また凄え主人公来たなあ。嬉野さんの主人公の多くは正論でぶん殴ってくるタイプなのだけれど、このキュリアロスは合理性という意味ではこれ以上なく正しいのだけれど、人間倫理や社会規範、基本的な善悪基準など人間が人間であるための最低限のルールや社会性、或いは生物としての欲ですら放棄しているような、完全にぶっ壊れているタイプなんですよね。
ただ、過酷な戦場においては彼の人心を無視した合理性というのが案外無視できない「正解」であることが侭あって、簡単に切って捨てられないのである。何より、そのべらぼうな強さが、無私さが強烈な存在感となってそそり立っている。ヒロインのアルゾラは、それこそ成り立ての護法枢機卿でありしかも、長年修行してきて護法枢機卿になった類いではなく、突然プレロマに選ばれて急遽護法枢機卿に就任した「素人」さんなので、ただでさえ足を引っ張る方なのでキュリアロスに何か言えるもんじゃないんですよね。
それでも、言ってしまうところが彼女の図太さであり、魅力なのでしょう。
キュリアロスだけじゃなく、他の護法枢機卿たちも一癖も二癖もありそうな人たちばかりの中で、アルゾラは……まあこの娘も癖のあるタイプですわね。ただ、いい意味でも悪い意味でも感性が普通であり、だからこそ実家と軋轢を催して家を飛び出したわけで、なにかとズケズケとした物言いをしてしまうあたりも大したもんなんですよね。それに、わりと身の程は理解している方でオカシイと思ったことはちゃんと言うけれど、わからんこと出来ないことについては聞き分けが良いどころかむしろ自分から聞いていくような積極性もあるし。このガンガン行く属性は面白いなあ。
そんな彼女だからこそ、誰もが触れることも関わることも避けるキュリアロスに対しても、結構ズケズケと言っちゃうんですよね。彼にそれが届いている様子は残念ながらさっぱり見当たらないのですけれど、彼の異常性というのは後天的なものではなく、幼少期に故郷を家族ごとマラークに殺戮され、その際にプレロマに見出されて、まともな見識が形成される前の幼少の頃から戦い続けた、或いはそう育てられた弊害みたいなものなんですよね。あとから歪んでしまったものを治すのってかなり難しいのですけれど、まだ大人ではない年齢のキュリアロスくん。今なら横からワイワイうるさく言ってくる新たな雑音が、彼の在り方に影響を与えていく可能性というのは無きにしもあらず、なんですよね。
ラストにアルゾラが目撃してしまったモノが、果たしてアルゾラの意識に何を働かせるのか。ここで無視できないのが彼女っぽいので、恐らく積極的に関わっていくことになるだろうキュリアロスとのコンビがどう変化していくのか。嬉野さんの作品の主人公・ヒロインカップルのあの性格の不一致からの関係の変化は毎回楽しみですので、この二人もどうなっていくのか非常に楽しみ。

嬉野秋彦作品感想

魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18 ★★★★   

魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18 (MF文庫J)

【魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>18】 川口士/片桐 雛太 MF文庫J

Amazon
Kindle B☆W

ティル=ナ=ファを喰らったガヌロンを、ティグルたちは死闘の末に討ち果たした。だが、その代償としてエレンたちの竜具は力を失った。その場にいなかったヴァレンティナのみが竜具を保持し、ソフィーは彼女の凶刃の餌食となる。玉座まであと一歩というところに迫ったヴァレンティナと戦うべく、ティグルは残された戦姫たちと連合軍を結成。ジスタート史上最悪の混乱を鎮めるべく、周囲の後押しも受けて、ついに王となることを決意する。国の枠を超えて、仲間たちの想いを背負って挑む決戦。辺境の小貴族からはじまった弓使いの若者は「魔弾の王」の新たなる伝説を打ち立てることができるのか―大ヒット最強美少女ファンタジー戦記、堂々完結の第18弾!
タヌキー!!
いやもううん、信じた。信じちゃったよ。狐というイメージはさらさらないので、この場合はタヌキだよなあ。タヌキ。
最終巻はある意味、ヴァレンティナの物語でした。最後の敵役であった彼女。面白いことに、というとアレなんだけれど、彼女ってこのシリーズの幕引きを担う相手ではあったんですけれど、黒幕とは足り得なかったんですよね。あれこれと陰謀・謀略・暗謀を張り巡らせてたんですけれど、実際の所彼女の画策したことって何かと上手くいかなかったり、思惑通りにことが運ばなかったり、思ってたのと違う結果が伴ってきたり、と想定外が重なってしまっていて、黒幕というには状況・情勢をコントロール出来ていたかというとかなり怪しいのである。
というか、ダイス目でいうとファンブルばっかりだったんじゃないだろうか、これ。もちろん、彼女自身の判断ミスというケースも多かったのだけれど、運がなかった場面も決して少なくなかったのである。
これをして、ヴァレンティナをすべての展開の黒幕、物語のラスボスと呼ぶのは少々難があると思える。

でもね。
逆に言うと、彼女は黒幕やラスボスなんていう舞台装置にはならなかったとも言えるんじゃないだろうか。

これだけ、想定通りに事が運ばない展開を経ながらも、彼女はそこで立ち止まることも臆することも俯くこともせず、ひたすら楽しげに彼女に降りかかる難局を臨機応変に乗り越えながら、なんだかんだと夢であり野心の賜であった自身の王への登極へのルートをこじ開け、その路線に情勢の軌道を乗せていくのである。
魔弾の王の歩む王道とはまた違う、彼女自身の目指す王への道を、着々と登っていく。
そこに居たのは敵である。
ラスボスでも黒幕でもない、言わば競争相手とも言えるもう一人の主人公であったのだ。
走り始めたその時から、最後の瞬間まで彼女ヴァレンティナは、大仰な黒幕にもならず、さりとて卑小な小物や小悪党にも堕さず、歪まずブレず、最初から最後までその在り方は善でも悪でもないただのヴァレンティナ=グリンカ=エステスで在り通した。
最初から最後まで、彼女はただただヴァレンティナ以上の何者でもなく、以下の何者でもないままに走り抜けたのだ。
その意味においては、実に見事な生き様であったのではないだろうか。
野望潰えながらも、その終端をまんざらでもない様子で迎えられた彼女は、この最終巻においてその魅力を増しましていたように思う。なぜ彼女の竜具「エザンディス」が最期まで彼女を見捨てなかったのか。むしろ名残惜しむかのように寄り添い続けたのか。その理由がわかったような気がする。異端ではあっても、彼女もまた戦姫であったのだ。

さて、エレンを含む戦姫たちとの恋模様や、ジスタート王国の内紛を他国人であるティグルがどう収めることになるのか。どういう形で決着をつけることになるのかとやきもきしていたのだけれど、そうかー、そういう形で来たか。
王家の血筋を持たないどころか、自国の人間ですら無い者が王になる、というのは日本の超血統主義や絶対王政以降の欧州の王政を見てると違和感を感じるのですけれど、もっと古い時代となると決して不思議でも珍しいものでもないんですよね。王権というものがもっと緩いというか、ファジーな時代というものが確かにあり、この世界の時代はまだそのあたりだったのでしょう。
実際、ヨーロッパなんかでも二カ国の王を両者統合させないまま並列で統治する形で就任した例はけっこうあったと思うし、そもそもこのジスタート王国自体、内部に戦姫という血筋による継承ではない形で続く公国が7つも存在する国家だけに、不安定であると同時にそれだけ他国の人間が王位についても許されるような揺らぎを許容できる下地というか土台のある国であったんだなあ、と。
まあどう考えてもティグル、過労死レベルで働かないといけないわけですけれど。実際、エピローグでの超働きっぷりを見ると、大変だなあ、ですまないレベルで働きまくってますし。
とても、ハーレム楽しんでる余裕ないよなあ。嫁さんとなる人たちの殆どが、自分の領地やブリューヌ王国での実務でお忙しい、というのはティグルの体力的にもだいぶ助かる話なんじゃないだろうか。
その分、明らかに側仕えのリムが一番大勝利なんですけれど。まさか、ティッタも傍に侍れずブリューヌ詰めになるとは思ってなかったので、ほとんどリムが公私のパートナーみたいな形になってるし。まさか、正式に戦姫になってよ、と現れたバルグレンに、今忙しいので改めて、と振っちゃうとまでは思わなかったけれど。そりゃ、バルグレン正式に継承したら戦姫として領地も引き受けなきゃいけなくなって、ティグルの側近を辞さなきゃならなくなるだろうし、今宮廷内に味方の少ないティグルの傍をリムがハズレるの相当厳しいという理屈はわかるけれど、あそこまで見事に蹴っ飛ばすとは。実務面だけじゃなくて、嫁としても離れん!というその気概が素晴らしいというか、さすがリム先生である。
前にあった時よりもちょっと沢山話せましたー、とその程度のことでメッチャテンションあがりながら傍役の人に報告して満足してたエリザヴェータさまは、ちゃんとこのリム先生の姿勢とか見習えてるんだろうかw
他の戦姫がなんだかんだとみんな積極的に告白してきたなかで、もっぱらこの調子だったリーザさん。リーザさんところの筆頭家老であるナウムさんが、こっそりティグルにウチの姫さんなんとか貰ってやってくれよ、とお父さん役の人にここまで言わせてしまうアレっぷりが、なんかもう可愛いなあww
そう言えばティグル、女性陣に対してはみんなにちゃんと愛情を持って接してたのは間違いないことなのですけれど、こう「好き好きオーラ」っていうの? もう君たち大好きだなあ、的な気持ち全面に出してたのって……わりと男キャラ相手ばっかりだったような。
いやもちろん友情的な意味で、ではあるんですけれど。このナウムさん相手にしてもそうでしたし、男相手にしている時の方がわりと無邪気に楽しそうだったんですよねえ。ユージェン卿救出作戦の時の男所帯の旅のときとかえらいはしゃいでましたし、何気にルスラン王子との交流やアスヴァール王国のタラードとも、いつ背中を刺されるかわからない関係でありながら、そういう立場とか野心とか抜きにした個人個人の関係だとほんと仲いいですし。
もともと女っ気のない朴訥な性格なので、気遣いしなくていい男との付き合いは気の置けないものなんだろうかねえ、ティグルの場合。その御蔭か、これだけハーレム展開にも関わらず、立場抜きにした男友達が国関係無く広く沢山いる珍しい主人公になってましたねえ。
まあそんな朴訥な男が、これだけ嫁抱えることになるんだから、面白いものである。新しい「エザンディス」の継承者である新戦姫が、初お目見得の際に自分も戦姫になったからには王に抱かれないといけないのでしょうか、と真面目に訪ねてきたシーンは笑ってしまいましたが。そりゃ、現状の戦姫が全員王様の恋人だったら、戦姫になったら王と関係持たないといけないのか、と思っても仕方ないわなねえ。この娘は変に生真面目そうで、面白そうなキャラクターだけに短編なんかあったらみたいものですけれど。イラストの人が出した画集に、ちょっと短編ついているのかしら。そっちも読みたいなあ。

なかなか長期シリーズが出てこない中で、戦記物として18巻を数えた本作。弓を得物とする主人公、というのもまた珍しかったのですけれど、この弓の使い方の描写がまた図抜けて格好良くてねえ。弓矢という武具も、見せ方によってこれほど迫力と見栄えが出るものなのか、と興奮したものです。面白かった。そして、見事な完結でありました。ほんと、お疲れ様ですよ。
また、作者の新しいシリーズ、楽しみに待ちたいと思います。

シリーズ感想

魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。 ★★★☆   

魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。 (GA文庫)

【魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。】 手島 史詞/玖条イチソ GA文庫

Amazon
Kindle B☆W

魔王軍の騎士のカズキは、魔王の娘アストリッドのコミュ障を治すため、二人で田舎暮らしすることに。カズキは護衛に徹するが、アストリッドは新生活にノリノリ。かいがいしく世話を焼き、可愛い仕草でカズキを無自覚に誘惑!?過ちを犯せば死罪だが、理性はもう限界に…。そんななか、カズキの宿敵、勇者と神官が現れる。所構わずイチャつく二人のバカップル振りにあてられ、アストリッドの行動は大胆に―。カズキ!絶対に結ばれてはいけない(?)、二人暮らしを死守せよ!!
これ魔王さまわざとだよね!?
いや、本気なのか? 本気だとすると天然すぎるし、カズキのこと信頼しすぎて拗らせてるw 娘のアストリッドへの偏愛と同じくらいカズキのこと息子として愛情を注いでるって事だろうに、その両方を連結して考えられてないあたり、親ばかの拗らせっぷりが本当に酷くてなんともはや。
タイトルからして、もっと深刻でお互いに愛し合いながらも決して結ばれてはならない残酷な事情があるシリアスな話なのかと勘違してたんですけれど、これって障害らしい障害って魔王さまの親バカさだけじゃないのさ。それも、魔王さまむしろカズキのこと凄い可愛がっているので、もうあとはボタンを掛け直せばいいだけじゃない、くらいの安牌にも見えるんだけれど。まあ、次期魔王になるはずの娘を愛しすぎて籠の鳥にした挙句にコミュ障にしてしまった魔王さまの偏愛っぷりは、矯正するのハードル相当高そうなので、最初から義理の息子の好感度マックス、くらいないとなんともならないのかもしれない。
それにしても、何故か一緒に行動することになってしまった好敵手である勇者カップルの方がまた良いイチャイチャっぷりで。こっちはこっちで幼馴染特有の無自覚な熟年夫婦なんだけれど、これは見てたらアテられるわなあ。度々殺気を漏らしてしまうカズキのそれを神官の姉ちゃんが怪しむ場面があるんだけれど、あれ敵である勇者への殺意なのかそれとも変な縛り入れられてる自分たちと違って野放図にイチャイチャしまくるリア充への殺意なのか、わりとカズキ本人もわかってないよね、あれ。
目の前でイチャつきまくる勇者カップルに「おのれー」となってるカズキだけれど、読んでるこっちからするとアンタたちも大概だよ、とは言いたくなるよね、これ。むしろベタベタ甘酸っぱいやりとりはカズキ・アストリッド組の方が濃いくらいで、貴様ら魔王さまの釘刺し絶対忘れてるだろう、覚えててももう無視しに掛かっちゃってるだろう、と言いたくなってしまった。
まあでもね、兄妹じゃなくて夫婦設定にしたの魔王さまなので、どう考えても魔王さまが悪いよね。わざとにしても天然にしても意地悪すぎるのか、むしろ後押ししているのか本気でわからん!!
どうやら魔族と人間との対立構図は、単純な聖と邪の争いなどではなく、勇者と魔王の関係。それに幼い頃から魔王の元で育てられたカズキの出自も含めて一筋縄ではいかないことになっていそうで、でもこれ色んな意味で優しい世界よね。


手島 史詞作品感想

始まりの魔法使い 2.言葉の時代 ★★★★   

始まりの魔法使い2 言葉の時代 (ファンタジア文庫)

【始まりの魔法使い 2.言葉の時代】 石之宮カント/ファルまろ 富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle B☆W

竜歴509年。将来の食糧危機を見据え、“私”は新たに農耕と牧畜を始めることを決めた。とはいえ、異世界の動植物に知見がない“私”は、その方法を他種族から学ぶべく、人魚や半人半狼、蜥蜴人の留学生を迎えることに。しかし、価値観の異なる生徒たちとの授業は困難の連続だった!そして、“私”が留学生を世界中から集めたもう一つの理由、それは魔法学校を有名にすることだった。いつか、“彼女”がこの場所に迷わずに戻れるように。―「でも、今はいないじゃない」剣部の一族の少女・ユウキの赤い瞳が真っ直ぐに“私”を映し出す。これは、すべての“始まり”を創った竜の魔法使いの物語。
全部覚えてる。ずっと覚えてる。それはとっても辛くて、とっても幸いなことなのだろう。薄れぬ記憶は、そこに在る人をずっと寄り添わせてくれるから。覚えてさえいれば、その人はずっとそこに居る。
去っていく人も嬉しいだろう。自分のことを覚えてくれている人が、ずっとずっと生きていてくれている、というのは、SFなんかのジャンルではよく語られることなのだけれど、それは一種の至高の希望なのだ。
でも、それじゃあ我慢できない子もいる。耐えられない娘もいる。もっと具体的に、傍に居続けたいと思うこともまた、間違いではないのだろう。アイはいつか還ってくると約束したけれど、ユウキは変転を続けながら傍に居続けることを選んだのだ。それは、彼女が先生の心を掴んだやり方であり、だからこそそれを貫こうとしている。
ユウキであり続ける、その後の子供たちはまたどういう思いを抱くのかは複雑なのだけれど。彼女たちはユウキであって、そうではない。その矛盾をどう処理していくのか。
心がつながっていても、同じにはなかなかなれないもんである。
言葉ならば、尚更だ。
人魚や人狼、リザードマンなど他種族の子供たちを留学生として招いて、本格的な学校を開始した先生とニーナ。他文化交流は、問題はあれど概ね上手くいっていた、と言っていいのだろう。言葉が通じるということは、意思が通じるということ。心も通じるということ。ならば、言葉が通じるのなら、価値観も共有できるはずだ。
という友好的な進化進展は、しかし言葉が通じるのに意思も想いも価値観も、何もかもが通じず繋がらず理解できない相手との遭遇によって徹底的に破綻させられる。
時に心しなければならない。
違う存在は、どうやったって違うのだ。
それは竜と人、それ以外の生き物とも通じること。人と竜との寿命の違いは自明なことであったけれど、今回長命種であった人魚の、そうかつて少女だったあの娘との永き別れを通じて、竜は自身の悠久の存在たることが、他とあまりにも隔絶していることを改めて思い知ることになる。そんな彼に寄り添い続けるニーナは、果たしてどこまで行けるのだろう。それは序章に描かれた未来の姿によってある程度確定していることとはいえ、エルフと竜ともまた違うことを忘れてはいけないような気がする。今はまだ、エルフのみんなは数百年経てもなお何も変わらず元気だけれど。
それでも、竜の先生が見守り支え、一緒に作り上げながら時代は進んでいく。今はまだ、時代は竜を置き去りにしていない。竜歴と名付けられた歴史の名前通りに、時代は竜と共に進んでいく。
いつ、世界が竜から巣立つのか。時代は新石器時代から鉄の時代へと移行しようとしている。農耕や放牧が未知なるモンスター、あのネズミに象徴される理解を越えた存在によって果たして成立が「地球」のものよりも或いはかなり困難で、自然発生的に広まるか悩ましい難易度になっているけれど、さてどうなることやら。鉄の時代は、どれほどの速さでやってくるのだろう。
個の寿命は短くても、種として確かに代を重ねるごとに技術も経験も着実に積み重ねていく人間は、果たしてどこまでたどり着けるのだろう。この人間たちも、あの剣部の一族の異様なまでの研鑽度合いをみると、生中な存在じゃないんだよなあ。あれやこれやであんな存在になってしまったユウキみたいなのもいるのだから、当然なのかもしれないけれど。
しかし、この時代って後代からみるとまだ神代に掛かってるんだろうから、シグとかルカ、リン、紫といった学校に関わった子供たちは、みんな未来では神様の一柱的に語られてそうだなあ。それはそれで想像が羽ばたくものじゃないですか。

1巻感想

このライトノベルがすごい! 2018  

このライトノベルがすごい! 2018

今年も協力者枠で参加させていただきました。毎年毎年、自分の投票先ってランキングにほとんど寄与してないのにいいのかなあ、と思いつつも、そういうマイペースな人が居てもいいじゃない、というくらいの気持ちの持ちように至っております。
あ、でもでも、今年は一位で投票した【りゅうおうのおしごと!】が見事に総合ランキングでも一位になってるじゃないですか。いや、本作に関してはもうこれしかないだろう、というくらいの想いで投票したので、この結果は嬉しい限りです。
まともにランキングに寄与したのって、一昨年の「すかすか」以来だなあ。そして、それ以外上位に入った作品に投票したことがないのですけど! 2014年の東京レイブンズと天鏡のアルデラミンく
らいでしょうか。

今年も、自分の投票先はこんな感じで。

文庫部門
1位「りゅうおうのおしごと!」 白鳥士郎(GA文庫) ランキング1位
2位「筺底のエルピス」 オキシタケヒコ(ガガガ文庫) ランキング17位
3位「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」 聴猫芝居(電撃文庫) 圏外
4位「かくりよの宿飯」 友麻碧(富士見L文庫) 圏外
5位「霊感少女は箱の中」 甲田学人(電撃文庫) 圏外

単行本部門
1位「その無限の先へ」 二ツ樹五輪(MFブックス) 29位
2位「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」 CHIROLU(HJノベルス) 10位
3位「ブラック・トゥ・ザ・フューチャー 坂上田村麻呂伝」 左高例(エンターブレイン) 圏外
4位「さようなら竜生、こんにちは人生」 永島ひろあき(アルファポリス)圏外
5位「戦国小町苦労譚」 夾竹桃(アース・スターノベル) 32位

女性キャラ
1位「静滝桂香」 (りゅうおうのおしごと!)
2位「フェリ」 (幻獣調査員)
3位「時崎狂三」 (デート・ア・ライブ)

男性キャラ
1位「朝生雪人」(カロリーは引いてください)
2位「アレクサンダー」 (セーブ&ロードのできる宿屋さん)
3位「渡辺綱」 (その無限の先へ)


イラストレーター  しらび/春日歩/柴乃櫂人
圏外多いです。キャラ投票は毎度、全部圏外です。キャラ投票でランキング入ったキャラに投票できたととないんじゃないかな。
ネトゲ嫁はこの間アニメなりましたし、「かくりよの宿飯」は今度アニメ化するそうで(びっくりしましたけれど)、決してドマイナーな作品ではないと思うのですけれど、思いっきり圏外でしたね。
単行本の方はどうしても読んでいる点数が少ないので、その中からということになってしまって、もうちょい他にも手を広げたいと思ってるんですけど、ただでさえ積み本が凄まじいことになっているだけに厳しい。
アンケートでも協力者枠の60%の人が、刊行点数多すぎると思っているという結果が出ているようですけれど、たくさん冊数読む人の方がそれでも追いつけないくらい大量のラノベが刊行されていて、どれだけ読んでも追いつかない、という現実を実感させられるのでしょうか。

軍師/詐欺師は紙一重 ★★★   

軍師/詐欺師は紙一重 (講談社ラノベ文庫)

【軍師/詐欺師は紙一重】 神野オキナ/智弘 カイ 講談社ラノベ文庫

Amazon
Kindle B☆W

父親が亡くなり家を失うことになった語利カタル。最後に住み慣れた家の中で見つけた謎の抜け道を通ると―ファンタジー世界のような場所に出た。そこにやってきたのはドワーフとミノタウロス!さらに竜を駆る少女までやってきた。戸惑うカタルに少女は言う。「お前、軍師の血族か。ならさっさと来い、女王陛下と国難がお待ちだ」と。連れて行かれた先で聞かされたのはこの国は危難を迎えると「軍師の館」が現れ、そして驚いたことに、詐欺師だと言われていたカタルの祖父はこの世界では軍師だったらしい!カタルは決意する、祖父の後を継いで軍師として活躍することを!祖父の残した詐欺の道具と知略で国の危機を救えるか!?
メインヒロインの子、空賊みたいな姿で格好いいなあと思いつつも、どちらかというと国と敵対しているか距離を置いてそうな雰囲気の子だなあ、と思ってたんだけれど、あれ竜騎士の装束だったのか! いや、防寒対策にゴーグルにとレシプロ時代以前の航空機パイロットの服装っぽい格好は確かに竜騎士のユニフォームとしては最適なのか。
でも、このアグレッシブな格好で身分は女公爵とかなかなか新鮮である。
それはそれとして、主人公のカタル。もう名前からして現世日本では名うての詐欺師としてブイブイ言わせていた来歴なのかと思ったら、むしろ親の急死にかこつけられて親族から全財産むしり取られてしまった、という詐欺じゃないけれどとにかく被害者側じゃないか! ということで、別に「凄い詐欺の技術」で異世界の連中を騙しまくる、というたぐいの話ではないのですね。伝説の軍師だった、という祖父も別に詐欺師ではなかったみたいだし。
話聞いている限りでは、祖父の異世界での活動も別に詐欺を働いていた様子もなく、これってシンプルに優秀なネゴシエーターのお仕事ですよねえ。そりゃもちろん、ハッタリと錯誤を利用した騙しや誤魔化しなんかは入ってますけれど、人間心理を巧妙に就く精緻な詐欺の技術かというと。まあ、祖父にしても、カタリにしても口先だけで自分も他人も集団もコントロールするようなタイプではなく、覚悟と信念と自己犠牲で事実も真実もぶっこ抜いて結論を押し通す、みたいなわりと力技っぽいタイプなので、詐欺師とも軍師ともあんまり合ってない感じなんですよね。
実際の所、詐欺師にしても謀略家にしても、歴史上の著名なそれらは胡散臭い人間どころかむしろ誠実で他人から信頼を寄せられるタイプだった、という話をよく聞きますけれど、そういうのともちょっと違いますし。
カタリの場合は祖父の遺産が残っていた、という意味で多少の幸運はあったんだろうけれど、逆に考えると軍師の伝説があるとはいえ、ゼロからこれだけのものを遺していた爺様は雷名に相応しい人物だったんだろう。あとはどれだけ、この祖父の雷名を利用して今のうちに自分の名前をはったりに使えるだけ高めるか、なんだろうけれど。自分の程度をあまり高く見積もっていないからか、カタリのやり方って自分を削るのをまったく厭わないんですよね。詐欺師や軍師のスマートさとは程遠い泥臭さ。それが当人のスタイルなのだから、詐欺師や軍師や云々外野から言われても煩わしいだけだろうけれど、肩入れしちゃったラウラがこれ傍にいて心配も尽きないだろうししんどそうなのがちと可哀想である。

神野オキナ作品感想
 

6月28日

Amazon Kindle B☆W DMM

6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


幌田
(まんがタイムKRコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W

6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


寺王
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨川水海
(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


江口 連
(オーバーラップノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W DMM


KK
(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


志瑞祐
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


長月 達平
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


長月 達平
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


月見 秋水
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


三月みどり
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


花間燈
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


衣笠彰梧
(MF文庫J)
Amazon Kindle B☆W DMM


常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


甘岸久弥
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


yokuu
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


天ノ瀬
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ラチム
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


櫻井 みこと
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


御手々 ぽんた
(MFブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


支援BIS
(KADOKAWA)
Kindle B☆W DMM


藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
Amazon Kindle B☆W DMM


ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W


横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


水無月すう
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


人生負組
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM

6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


優風
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
Amazon Kindle B☆W DMM


クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


泰三子
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


ハナツカシオリ
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


瀬下猛
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
Amazon Kindle B☆W DMM


殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM

6月20日

風間レイ
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ほのぼのる500
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


楢山幕府
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


リッキー
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


こりんさん
(GCN文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Kindle B☆W DMM

6月19日

Amazon Kindle B☆W DMM

6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


双龍
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


松江名俊
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


福井セイ
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


安西信行
(少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM


日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


寺嶋裕二
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ヒロユキ
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


綾里けいし
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊崎喬助
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


平坂 読
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


緒二葉
(ガガガ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


川上 稔
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM


美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM


草薙 刃
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM


時田 唯
(電撃の新文芸)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


松岡健太
(マガジンエッジKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


あだちとか
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫田パナ(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐々木禎子(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


仲町鹿乃子(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


竹岡葉月(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


竹岡葉月(富士見L文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鍋敷(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


LA軍(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


天然水珈琲
(アース・スターノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


西尾維新(講談社文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


葛城阿高(ビーズログ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


小田ヒロ(ビーズログ文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


綾河ららら
(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


バッド(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


真安一(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


カヤ(サーガフォレスト)
Amazon Kindle B☆W


コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


星奏なつめ(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


冬坂右折(GA文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


白石定規(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


星崎崑(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


えぞぎんぎつね
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


三木なずな
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


カイシャイン36
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


よっしゃあっ!
(GAノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


6月13日


Amazon Kindle B☆W DMM

6月12日

Amazon Kindle B☆W DMM

6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


リムコロ
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


春花あや
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
Amazon Kindle B☆W DMM


ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W DMM


こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W DMM


白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
Amazon Kindle B☆W DMM


オジロマコト
(ビッグ コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


田村由美
(フラワーCアルファ)
Amazon Kindle B☆W DMM


もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
Amazon


東崎惟子(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三雲岳斗(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


三雲岳斗(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


和ヶ原聡司(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


白金透(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
Amazon B☆W


佐島勤(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


二月公(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


鏡遊(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


真代屋秀晃(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


周藤蓮(電撃文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


壁首領大公
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


KK(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM


うみ(カドカワBOOKS)
Amazon Kindle B☆W DMM

ふか田 さめたろう
(宝島社)
Amazon Kindle B☆W DMM


魔石の硬さ
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


地雷酒(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


サンボン
(TOブックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


蒼月海里(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


椹野道流(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


桑原水菜(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


仁木英之(角川文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


奈良一平
(講談社コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


小玉有起
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


横田卓馬
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


高田裕三
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


冬葉つがる
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


光永康則
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


一二三
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


がしたに/MITA
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


うかみ
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


桜野みねね
(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


森野きこり
(BLADEコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM

6月8日

かみはら(早川書房)
Amazon Kindle B☆W DMM


西尾維新(講談社)
Amazon Kindle B☆W DMM


ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐藤二葉
(星海社COMICS)
Amazon Kindle B☆W DMM


山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


TNSK
(アフタヌーンKC)
Amazon Kindle B☆W DMM


水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
Amazon Kindle B☆W DMM


枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
Amazon Kindle B☆W DMM


琴子
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


猫子
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


平成オワリ
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


榛名丼
(SQEXノベル)
Amazon Kindle B☆W DMM


蝉川夏哉
(宝島社文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM


貴戸湊太
(宝島社文庫)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月6日

智弘カイ/カズタカ
(KCデラックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ippatu
(ヤンマガKCスペシャル)
Amazon Kindle B☆W DMM

6月5日

Kindle B☆W DMM

6月3日

いつきみずほ
(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


夢・風魔
(ドラゴンノベルス)
Amazon Kindle B☆W DMM


Amazon Kindle B☆W DMM


矢吹健太朗
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


助野嘉昭
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


松井優征
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


伊科田海
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


権平ひつじ
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


鏡貴也/山本ヤマト
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


水あさと
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


篠原健太
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


針川智也
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


時田時雨
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


猗笠怜司
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐々木尚
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


賀来ゆうじ
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


大須賀玄
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


バブル製作委員会/肘原えるぼ
(ジャンプコミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


三部けい
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


長岡太一
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


佐茂すけ/竹村優希
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


関崎俊三
(角川コミックス・エース)
Amazon Kindle B☆W DMM


封宝/富樫聖夜
(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


此匙/浜千鳥
(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


神栖みか/シロヒ
(フロース コミック)
Amazon Kindle B☆W DMM


武シノブ/江本マシメサ
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


柳矢真呂/ぷにちゃん
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


深山キリ/もり
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM


さーもにずむ
(PASH!コミックス)
Amazon Kindle B☆W DMM

Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索