書籍感想2018

ミリオン・クラウン 3 ★★★☆  



【ミリオン・クラウン 3】  竜ノ湖 太郎/焦茶 角川スニーカー文庫

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『お前の、思う様にやってみろ』。万感の思いが込められたメッセージと共に、母・東雲不知夜から託された鍵。東雲一真は、その真相の究明と大和民族統一の為に九州総連へと赴くのだが、彼らを迎えたのは予想外の敵だった。
仕掛けられた策略を辛くもくぐり抜けた一真達は、辿り着いた九州総連にて、上級自己進化型有機AI・「アマクニ」、そして呰上三四という少女と出会う。三四に対する周囲の歪な対応に憤る中、徐々に明かされていく真実。その真実に到達したとき、退廃の時代を支配する怪物が目を覚ます!!
竜ノ湖太郎が放つ新シリーズ、波乱の第三幕!!

まさに退廃の時代だ。いや、全盛期ですらこの世の悪を極めたような行状が行われていた、それも享楽や欲望の為だけに行われていた事を思えば、人類が生き残るために成される悪は必定なのか。
それとも、生き残るために悪を成さねばならない人類は、やはり滅びなければならないのか。でも、少なくとも「命」の価値を知らない怪物に蹂躙されるのだけは我慢ならない。それだけは、必ずだ。
しかし、図らずも……じゃなくて図っての事なんだろうけれど【ラストエンブリオ】の方と問われる原罪が重なってしまったわけだけれど、人類史の終焉のターニングポイントであり人類史を救済するための罪として設定されたあちらの「それ」と、この未来の世界で行われている「これ」はほぼ同一にして非なるものなんですよね。未来における破滅を避けるための罪であるあちらに対して、こちらはリアルタイム、現在進行系。当事者の切迫感、危機感は果たしてどちらが高いだろうか、と言えば決まっているのである。それに、あちらは箱庭世界での出来事。問題に直面する者たちは英雄神仏の類であって、人類史を担う存在ではあっても人類史の只中で生きている只人ではない。
一方で、こちらで「罪」に直面しているのはまさにその退廃の時代とかした未来の只中で必死に生き残ろうとしている只人たちなのである。
この点に関して、一真は未だに当事者になりきれていないと言える。彼の価値観はどれほど特別であっても平和だった21世紀が基準であり、来訪者の軛から逃れられたわけではない。
ならばこそ、その罪を受け入れるか拒絶するかを問われるのは一真よりも、この時代で生まれ生きてきた者たちになる。双子たちは、厳しい選択を迫られることになるなあ。幼いながらも、戦士としての覚悟を持って生きている、そして弱き者たちを護り抜く決意を持っている彼女たちを子供扱いするのは間違っているのだろうけれど、彼女たちの善良さを幼さが支えているのならやはり酷と言わざるを得ない。
しかし、一真くん、いい加減入手した情報を誰にも明かさず、共有する相手を慎重に選別しているの、ちょっと巧遅が過ぎるんじゃないかと思ってたし、アウルゲルミルのアマクニに伝えて、という遺言を聞いていながらまたぞろ情報の受け渡しを渋ったのについてはさらに「むー」と顔をしかめたものだったのですけれど……うん、それはちょっと予想していなかった。
ジャバウォック、悪辣すぎるだろう。
死体を利用したトラップが効果を発揮する、ということは死に対する厳かな考え方があるからこそ、であって、それを褒めるような輩にはそもそもそういうトラップは通じない、効果を発揮しない、というのをこの怪物はわかっていないのだろうか。どちらにしても、これを王冠種というには「虫酸が走る」。人類史の存続を問い争う相手として、これを選ぶのはなんというか嫌だなあ。
こういう輩こそ、盛大にぶっ飛ばして欲しいものであるが、果たして新しいミリオンクラウンはそれを見事に成し遂げて、ハッピーエンドを引き寄せてくれるのだろうか。

シリーズ感想

ヒマワリ:unUtopial World 7 ★★★☆   



【ヒマワリ:unUtopial World 7】 林 トモアキ/ マニャ子 角川スニーカー文庫

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謎に包まれたゼネフの正体が明らかに!? シリーズ最終章突入――!!

川村ヒデオと共に神殺しの巫女・名古屋河睡蓮の脅威を退け、決勝ステージへと駒を進めたヒマワリとミサキのペア。
鈴蘭率いる魔殺商会とゼネフを擁するマッケンリーグループの全面対決が囁かれる中、
ヒデオと手を組むことを決めたヒマワリ達は、すべてを見通し、無数に策を張り巡らせるゼネフに勝負を挑む!
「この私を倒すことは不可能です」「マスター、わかったのです……ゼネフの居場所が!ゼネフの正体は……!」
ベールに包まれたゼネフの正体が明らかになる時、世界はその在り様を問われることに――!?
第二回聖魔杯、ルール・オブ・ルーラー。誰もが予想だにしなかった終幕が訪れる――!

流石は視姦魔人。億千万の目マリーチである。どのシリーズでも、全部見通しちゃっている彼女が出張ってくるとそこがターニングポイントになるんですよね。それだけ、彼女が動かなくちゃいけない事態そのものが、えらいことの象徴なんでしょうが。
でも、この時代ではマリーチ完全に眠っちゃってると思っていただけに、ここで中身が出てくるとは思わんかったなあ。あの表の人格、大人しいくせにミスマルカでもそうだったけど、わりと本性に引きずられている節あるよなあ。引きずられているというか、自分で中身叩き起こすことに躊躇しないというか。怖い怖いと言いながら、怖いもの好きだろうこの平和マリーチ。
ついに明らかになったゼネフの正体だけど……おいおい、ウィル子と被ってませんかそれ!? 電脳存在としてウィル子の方を完全上位と思い込んでたんで、ゼネフの正体については結局最後まで考えが及ばなかった。いやだってそれ、まんまウィル子が請け負うものだったんじゃないの!? と、思うんだけどノアレと違ってウィル子って考えてみると、今の少女の姿がまんま本体でもあるんですよね。ようやく出てきた少女の姿を素体と言い切ってしまっていたゼネフの方が、主体が重くなってしまうのもこれは当然なのか。
スケール感では、人類史を担ってきたとも言える「金」の概念を象徴化した、カミ化したマッケンリーも全く負けていないはずなんだけれど、やっぱり「本体」が実体としてあるのと、概念よりも実際に存在しつつ物理的には存在しないモノとしてあるゼネフとでは、全然難易度が異なってくるのか、なるほど。
ゼネフを倒すには人類の文明そのものを倒さなくてはならない。でも、それって一介のテロリストで賄えるものなんだろうか。それこそ、核戦争でも起きなければ文明なんて滅びないと思うのだけれど、ゼネフからすればあのラストの展開を見ると人類を滅ぼしてもゼネフは滅びないという確信があるようだし。ヒマワリ個人に、果たしてどれだけ担えるのか。しかも、彼女に残された寿命は……。
あの復活の決断で見せたマリーチやミーコの異質さこそが「カミ」らしさであり、アウターの恐ろしさであるはずなんだけれど、だからこそもう少し彼女らには「外なるもの」として手の届かない存在で居てほしかった感がある。「お・り・が・み」の頃のアウターはもっと途方もないものだったのになあ。なんともインフレと逆のデフレが定着してしまっていて、そのあたりのカタルシスが物足りなくあるのも確かな話。その意味でも鈴蘭には、そろそろ悪の組織の総帥としてではなく「魔王」としても頑張ってほしかったところでもあるのだけれど、いい加減負け癖ついちゃってるよ、聖魔王さま!? (あと、リップルラップルも!)。
ヒデオがヒーローであり続ける信頼は揺るがず、絶体絶命のピンチからウィル子の願いに応えるのは間違いないのだけれど、やはりヒマワリの存在がこの際キーポイントであり迷いどころでもあるんでしょうね。一体、一人の兵士にこの期に及んで何が出来るのか。
そんな疑念をキレイに吹き飛ばしたのが、かつての引きこもりヒデオだったのですが、はたしてそれがヒマワリに出来るのか。その答えを最終回で待っている。

シリーズ感想

継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない ★★★★★  



【継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない】 紙城 境介/たかやKi 角川スニーカー文庫

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ある中学校である男女が恋人となり、イチャイチャして、些細なことですれ違い、ときめくことより苛立つことのほうが多くなって……卒業を機に別れた。
そして高校入学を目前に二人は――伊理戸水斗と綾井結女は、思いがけない形で再会する。
「僕が兄に決まってるだろ」「私が姉に決まってるでしょ?」
親の再婚相手の連れ子が、別れたばかりの元恋人だった!?
両親に気を遣った元カップルは、『異性と意識したら負け』という“きょうだいルール”を取り決めるが――
お風呂上がりの遭遇に、二人っきりの登下校……あの頃の思い出と一つ屋根の下という状況から、どうしてもお互いを意識してしまい!?

もう好きーーーー!!

完全にどストライクでありました。これって、未練を残したままの恋愛のやり直し、とはまた少し違うんですよね。一度は確かに終わった恋愛なのである。気持ちは冷めて、感情は沈静し、相手の何もかもを好意的に感じられていた時間は遠ざかって、相手の言動の何もかもが癇に障る。
初めての恋愛で舞い上がっていた心が、地面に降りてきてしまった。そうなると、むしろ想いは反転してベクトルは逆へと向かい、冷静とはまた違う逆立った視点で相手を見るようになってしまう。
それもまた感情的であるからこそ、拒絶へと繋がってしまうんでしょうね。
未練を引きずっていたわけではない。まだ実は好きだった、なんてことはない。この二人、水斗と結女の恋愛は、完全に終わったそれであったのです。
だから、この二人の二度目の義兄弟としての再会は、家族としてはじまった二度目の関係は、延長戦ではなく、ニューゲームなのだ。ただし、前回の感情の記憶を残した二週目の、ただ甘いばかりだった前回とは異なる、お互いの嫌な部分も私生活も何もかも曝け出した上での、リスタートなのである。
二人の回想から語られる中学時代の恋人時代の思い出は、中学生らしいというべきか、実に初々しく恋愛という事象に浮かれきった実に甘酸っぱいエピソードばかりで……まあ当人たちからすると思い出すだけでSAN値がガリガリ減っていく黒歴史でありました。曰く、狂気の沙汰、愚かの極み、今になって冷静に振り返ると頭がおかしくなっていたに違いない、花畑が咲き誇っていたという表現で過去の自分を罵り、恥辱に七転八倒する水斗と結女。まあ確かに、他人事で見ていても微笑ましくもこっ恥ずかしすぎて、直視し難い思い出ばかりである。これも年月過ぎて大人になったあとに振り返れば、苦笑とともに飲み込めるのかもしれないけれど、未だ記憶が薄れる前にその当事者と毎日自宅で顔を突き合わせるはめになってしまったのである。まさに、黒歴史と暮らす生活である。
面白いのは、彼らが付き合ってた事については、家族どころか友達も全然知らない、まさに二人だけの秘密、なところなんですよね。だから、周囲には過去に付き合っていた素振りなんかを見せられないし、図らずも秘密を共有して、秘密がバレないように協力する共犯者、という立場も維持しなければならない。
そんな新しい家族で共犯者で秘密の元カレ元カノ同士、という複雑な関係は、お互い好きというふわふわとした綿菓子みたいな関係性だけで完結していた中学時代の恋人時代とは、全く次元の異なる距離感を彼らに突きつけてくる。
そんな距離感から育まれていく関係というものは、お互いへの幻想だけを積み上げるだけで維持していたものとは違うものでありました。より深く踏み込んで、より深く相手の心を覗き込んで、より強く相手の意志を、感情を感じてしまう、浴びてしまう距離感。嫌いという感情ともしっかり向き合わなくてはならない関係。そこから生まれてくる淡い想いというものは、中学時代のそれとは全然別物の、でも想い出を引き継いだ、二重に補強されたものになるのである。
中学時代の恋愛が最後まで続くなんて、まさに夢物語。そんな当たり前の現実に則って終わってしまった二人の恋は、今度こそ現実に負けないものになるのかもしれない。

このラブコメの素晴らしいところの一つが、水斗の一方的な視点からの物語ではなく、水斗と結女の視点からのエピソードが交互に描かれるところでありましょう。これ、二人が主人公で二人がヒロインなんですよね。軽快でテンポのよい語り口で描かれる二人の日常は、実にエキセントリックな友人たちの登場と介入でどんどんとポップアップされていく。普段から落ち着いている水斗と比べて、根は大人しいのに調子に乗ると後先考えずにハシゴを登って、自分でハシゴを蹴っ飛ばして外してしまい高いところから降りられなくなって狼狽えまくる結女が、かなりポンコツ娘で最高に可愛いんですよね。盛大にやらかすもんなあ。
コミュニケーション強者なんだけれど、中学時代は大人しい文学少女だった頃の対人能力の低さが突然顔を覗かせてけったいな事になることも度々ですし、ポンコツ可愛い。水斗とのデート回なんて、変なスイッチ入りすぎて酷い有様でしたし、この娘は〜〜〜ww
でもニヤニヤがひたすら止まらないんですよー。イチャイチャするって、ベタベタするのとは違うんですよ。お互いのことすき〜すき〜って撫であうばかりがイチャイチャじゃないんですよ。
お互いそっぽを向き合っていても、憎まれ口を叩いても、誰も間に入れないくらい通じ合うものが垣間見えた時、そこに二人だけの時空間が誕生してしまっていれば、それはもう果てしないイチャイチャなのであります! いや、反発してるだけじゃあやっぱりだめなんですけどね。不意打ちまがいに訳のわからないレベルの超ゼロ距離の距離感を差し込んでくるのが凄まじい効果を発揮しているわけで。作者の紙城さんはこの手の、いやこのたぐいに限らず多種多様のイチャイチャ感の描き方で至極の域に達している方だと自分なんかは思っているわけですが、その中でも純粋なラブコメとして描かれた本作はちょっとそのへん極まってしまってるんじゃないでしょうか。
控えめに言っても、最高すぎる。これぞ、ラブコメ!! ラブコメですヨ!!

紙城 境介作品感想

2018年11月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:39冊 うち漫画:16冊

今月は冊数は前月とほぼ変わらないものの、内実はマンガ増えているので小説の方はだいぶ減。
ただ、結構選り好みして読んだので四つ星モノはだいぶ増えた。
歴戦の長期シリーズの安定感は今更語るに及ばずで、感想記事の方でどうぞ。注目作品は二巻目になってもなおその特異な存在感を示す【常敗将軍、また敗れる】と【死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱く】の両作品でしょう。双方とも、戦記物であるのが自分の好みを指している気もしますが、どちらも良質な戦場と戦場に至るまでの大事な部分を描く物語であります。
アニメ化が控えるガーリー・エアフォースですが、SF色が濃くなってきてから俄然面白くなっていてます、これ。まあ、アニメで描かれる範囲ではそこまで行かないでしょうけど。
SF作品といえば、仮想戦記やSF畑で活躍している林譲治先生の新作が、かなりの大作感あってかなり期待含みです。


★★★★★(五ツ星) 0冊


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 4冊

はたらく魔王さま! 19】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫(2018/9/7)
常敗将軍、また敗れる 2】  北条新九郎/伊藤宗一 HJ文庫(2018/10/31)
この素晴らしい世界に祝福を! 15.邪教シンドローム】 暁なつめ/三嶋 くろね 角川スニーカー文庫(2018/11/1)
ゴブリンスレイヤー 6】 蝸牛くも/神奈月 昇 GA文庫(2017/9/14)

【はたらく魔王さま! 19】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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一般人にも関わらず、千穂ちゃんの無双とどまる所を知らず。この娘、ほんと開き直るとどスゴいわ。しかし、実のところヒロインとしては鈴乃の方を応援してあげたい! 今回、完全に勢いだけど、よくやったベル!

【常敗将軍、また敗れる 2】  北条新九郎/伊藤宗一 HJ文庫

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【この素晴らしい世界に祝福を! 15.邪教シンドローム】 暁なつめ/三嶋 くろね 角川スニーカー文庫

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【ゴブリンスレイヤー 6】 蝸牛くも/神奈月 昇 GA文庫

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★★★★(四ツ星) 8冊


ラストエンブリオ 4.王の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫(2017/4/1)
星系出雲の兵站 1】 林 譲治 ハヤカワ文庫JA(2018/8/21)
浅草鬼嫁日記 五 あやかし夫婦は眷属たちに愛を歌う。】 友麻碧/あやとき 富士見L文庫(2018/8/10)
ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫(2018/6/1)
はたらく魔王さま! 18】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫(2018/1/10)
死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱く 2】 彩峰舞人/シエラ オーバーラップ文庫(2018/11/21)
ガーリー・エアフォース 】 夏海 公司/遠坂 あさぎ 電撃文庫(2018/6/9)
ナイツ&マジック 9】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫(2018/10/31)


【ラストエンブリオ 4.王の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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【星系出雲の兵站 1】 林 譲治 ハヤカワ文庫JA

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【浅草鬼嫁日記 五 あやかし夫婦は眷属たちに愛を歌う。】 友麻碧/あやとき 富士見L文庫 

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【ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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【はたらく魔王さま! 18】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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【死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱く 2】 彩峰舞人/シエラ オーバーラップ文庫

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【ガーリー・エアフォース 宗曄_導 公司/遠坂 あさぎ 電撃文庫

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【ナイツ&マジック 9】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

セレナ (この素晴らしい世界に祝福を!)
霞目吹雪 (アルビレオ・スクランブル)
茨木真紀 (浅草鬼嫁日記)
十六夜 (ラストエンブリオ)
ファントム (ガーリー・エアフォース)
ジュラーブリク (ガーリー・エアフォース)
クリスティア・ベル (はたらく魔王さま!)
佐々木千穂 (はたらく魔王さま!)
アーキッド (ナイツ&マジック 9)




以下に、読書メーター読録と一言感想。
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ラストラウンド・アーサーズ 2.聖女アーサーと赤の幼女騎士 ★★★☆  



【ラストラウンド・アーサーズ 2.聖女アーサーと赤の幼女騎士】 羊太郎/はいむら きよたか 富士見ファンタジア文庫

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「5000万あったんだぞ、どうしてそれが0になってんの!?」
“アーサー王継承戦”に備え、一緒に住む提案をした凛太朗に、瑠奈はあろうことか凛太朗の全財産を使い込み屋敷を買うという相変わらずのロクでなしっぷりを発揮する。そして出会う次なるアーサー王候補は―
「師匠!お久しぶりです」
凛太朗がかつて戦い方を教えた弟子のエマ=ミシェーレ。エマに仕える“騎士”ラモラック卿の圧倒的な実力に劣勢を強いられる瑠奈は
「貴方、凛太朗の身請けにいくら出す!?」
まさかの保身と金儲けに走り始め!?納得できないエマは瑠奈と凛太朗を賭けて、王としての器を勝負することになり―。
ガウェイン、掛け値なしのクズじゃねえか!! これが本作ではなく、原作のトマス・マロリー版アーサー王伝説のエピソードなんですよね。
騎士とは!? 騎士とは!? ただのチンピラの所業じゃないですか。これ、モードレッドが加わっているのはともかくとして、さり気なくアグラヴェインまで参加してるのがこやつ……って感じで。
ってか、ガウェイン兄弟こうしてみるとみんなろくでもないな!!
とまあ、ここのマーリンこと凛太郎に敵視され、生前の所業からラモラック卿に八つ裂きにされても飽き足らないほど敵視されちゃっているガウェイン卿だけど……どんまい!
今世ではヘタレな部分もあれこれ見せていますが、なんだかんだ頑張ってますし、頑張ってますよね!? 今回、マスターのフェリシアと小物というかオマケ扱いを終始されながら、何気に美味しいところをたくさん持ってったこの主従コンビ、結構好きです。ってあ、フェリシアってラモラック卿とかからもまったく眼中にない扱いをされてたのに、すげえいい仕事してたじゃねえですか……。
本格的に何もしていなかったケイ姉ちゃんが、メンタルやばくなるくらいにw

それはそれとして、ラモラック卿である。ガウェインがやらかしたせいで知名度超低い、という話で実際自分も全然知らんかったです。昨今超有名なFGOは勿論として、それ以外の円卓騎士団をネタでもなんでも取り扱った作品の中でもちょっと覚えてないんですよね。
しかし、その実力はランスロット卿と伍する騎士団最強の騎士でもあったということ。そうなのかー。
まあ、最強にも関わらずあんな殺され方されたらなあ。
はいむらー氏の描くラモラック卿は、なんというか表紙見たら一発でどんなキャラかわかるような見事なデザインてか佇まいで、ちょっとおっぴろげすぎじゃないですかね!? 体型的には確かに幼女かもしれないけれど、あの態度と言い妖艶さといい雰囲気的には幼女っぽさ欠片もないんですよねえ。
実際、あの倒錯した性格は幼女という特質を完全に塗りつぶしていますし。まあ、幼女だからこそアレさが引き立つのかもしれませんが。

ガウェインの強烈すぎるエピソードと、ラモラック卿の強烈すぎるキャラクターにエマの強烈すぎる境遇を目の当たりにすると、凛太郎と瑠奈って全然外道でもゲスでもないよなあ、と思ってしまいます。というか、普通にいい奴らなんですよねえ……アホだけど。特に瑠奈、アホだけど!
瑠奈は瑠奈なりにアホなりに、凛太郎振り回している方がやっぱり似合います。凛太郎の方の言動に瑠奈が振り回される方になるとなあ……アホが際立ってしまって、なんかもうこの娘誰か介護してあげて! と言いたくなってしまいます。ケイ姉ちゃんだと全く役に立たないし、フェリシアもこういう場合完全に賑やかしも良いところなので、やはり凛太郎にその御鉢を受け取ってもらわないと格好つかないや。でも、だからこそこの二人のコンビは様になるのでしょう。
エマは、素材としては良いところついていたのかもしれませんけれど、なんせ境遇からくる性質が完全にぶっ壊れちゃってましたからね、まずもって土俵に上がれてなかった、というべきなのかもしれません。それを理解していた凛太郎と、アホなので全くわかってなくて独り相撲していた瑠奈とで、まあ見事にすれ違ってしまったのですが。
むしろここからリハビリして立て直したら、エマの出番は周回遅れであろうと回ってくる可能性はなきにしもあらず、と期待したところ。ほんと、素地はピカイチなだけに。

しかし、いきなり円卓一位のランスロットとここで二位のラモラック卿をだしてしまって、後の騎士は実力的に大丈夫なのか!? と言いたいところだけれど、何しろ多士済々なのが円卓騎士団。強い云々は置いておいてもアレなのがまだまだ居るだけに、むしろこれから一筋縄ではいかなくなるかしら。

一巻感想

ナイツ&マジック 9 ★★★★   



【ナイツ&マジック 9】 天酒之瓢/黒銀 ヒーロー文庫

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ボキューズ大森海での騒乱を終え、銀鳳騎士団は巨人族と共に王都に帰還する。巨人族、そしてエルネスティを襲ったという第一次森伐遠征軍の末裔の存在は、フレメヴィーラ王国にとってまさに寝耳に水。突如もたらされた途方もない話に、もはや既存の価値観は通じず、王国は新たな時代へと踏み出していくことになる。そして銀鳳騎士団にもまた、巣立ちの時が迫っていた。此度の事件で銀鳳騎士団の影響力を重く見た国王リオタムスは、エドガー、ディートリヒ、ヘルヴィらが率いる各中隊を新たな騎士団として独立させるよう告げる。エルネスティの下に残る者、騎士団長としての道へ踏み出す者、新たに入団を目指す者―それぞれの想いを受けて銀鳳騎士団は形を変え、新たな飛翔の時が訪れる。

リオタムス王がご苦労さますぎる! 破天荒な先代と比べて地味というか堅実な現王さまだけれど、エルくんが持ち込んでくるトラブルは先代の頃よりも更にスケールアップしてるんで、大変極まるのである。今回なんて、大陸の歴史そのものを確実に変えてしまう案件ですものなあ。それを思えば、これだけの大業を堅実に受け止めて前に進めているリオタムス王はまこと名君なのでしょう。
……よりにもよってエルくんから「自重してください!」と説教される先代と比べるのがまあ間違っているのかもしれません。
でも、巨人族なんて存在にパニックにならずになんだかんだと受け止めるフレメヴィーラ王国の人々は、国ごとエルくんに毒されてる気がしないでもないですが。
これほど異なる種族と、初遭遇でこうやって友好を結び、将来の展望を語り合いつなぎ合う、という展開はなんとも眩しい限りです。こういう未知との遭遇はどうやったって衝突から始まってしまうもので、巨人族の戦士的好戦的な在り方からすれはそれは必定であったでしょうに。
エルくんがアディを連れてたとはいえほぼ単身で接触したのが、これ幸いになってしまったのか。

その意味では、後半の方ではキッドがエルくん以上に真っ当に主人公してるんですよね。久々に登場したと思ったら、いきなり主人公やりだしたからびっくりしたよ!
エルくんの一番弟子らしい破天荒さと、エルくんや妹と比べるとまだ落ち着いている常識人なところがうまいことブレンドされて、派手にやらかすけれど真っ当なところに収めるという良い主人公に収まってるんじゃないでしょうか。派手にやらかして派手に拡大させて着地すらさせずにそこから更に大気圏外に打ち出してしまうエルくんと比べるとまあ穏当である。
でも、いいのかキッド。なんか勝手に自分のヒロイン増やしちゃってるけど! エレオノーラ女王陛下はどうするのさ! 既に飛び出してった現状で激おこなのですが。
こうしてみるとキッドはかなり真っ当な部類なので、モテるのはわかるんですよねえ。それに比べてエルくんと来たらとてもついていける人間がいないだけにアディの独壇場ではあったのですが、この度ようやくアディがエルくんの捕食に成功して、結婚と相成ったわけですが……ぶっちゃけ何が変わったんだろうというくらい何も変わらんな、この二人は。それでもまあ、収まるところに収まったのはめでたい話です。

巨人族との友好宣言に森を開拓していく何世代にも渡って続いていくだろう大事業の始まり、という時代の転換点とも取れるイベントにワクワクをつのらせていたら、一方で畳み掛けるように浮遊大陸とそこで暮らすハルピュイアというまたぞろ新しい人種との遭遇、という冒険心を擽るイベントが巻き起こり、大航空時代の名にふさわしい大空を駆け巡る飛空艇同士の空戦まで勃発して、この一巻で盛りだくさんも良いところ。
巨人族の方、落ち着いたとは言え終わってなくて一緒に連れたまま浮遊大陸編まで突入してしまうあたりのごった煮感、正直大好きです。

しかし、ヘルヴィはちゃっかりうまいことエドガーの隣に収まったなあ。いやもう、アディが結婚するくらいなんだから、こっちの二人もくっついちゃっていいと思うんですけどねえ。エドガーの甲斐性次第か、こっちは。

シリーズ感想

はたらく魔王さま! 19 ★★★★☆  



【はたらく魔王さま! 19】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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フリーター魔王さまの庶民派ファンタジー、真奥が男気を見せる!?第19巻

マグロナルドを辞めて受験に専念する千穂のもとに、鈴乃から一本の電話が。なんでも、大法神教会の最高意思決定機関である、六人の大神官の一人に選ばれてしまったとのこと。しかも聖征総司令官に任命され、魔王軍率いる芦屋と激突することになり、重圧と先々の事を考え意気消沈の様子。日本に戻ってきた鈴乃を、千穂や恵美はうどん屋で慰めることに。
そんな中、異世界の危機に何も関与できない魔王は、このままでいいのかと自問自答していた。新たに同居するリヴィクォッコとバイトに励んでいると、アシエスに謎の体調不良!?が発生してしまう。対応に追われる中、鈴乃と千穂は魔王に対する想いを再認識し、まさかの恋愛模様に異変が発生!?
全然男気見せれてねえ!!
いや、千穂ちゃんがやっぱりすげえわ。この娘が大前提をちゃぶ台返しするのって何度目だろう。状況が二進も三進もいかなくなった時にいつもこの娘が行き詰まっている現況に対する認識そのものをひっくり返すんですよね。
今の真奥や恵美たちは、決して頭が固いわけでも柔軟な発想が出来ないわけではないのだけれど、どうしてもこうあるべきという固定概念に捕われていて、それを千穂ちゃんが根底からひっくり返してくれるのである。この場合、千穂ちゃんを褒めるしかないよなあ。普通はこういう発想の転換は出来ないもの。みんな、自分の手の届く範囲の限界まで精一杯手を伸ばして頑張っている。その尽力は並々ならぬものだし、状況内で出来うるあらゆる方策が検討され、導き出されている。これらは、並の頭脳じゃ出来ない処理でしょう。
ところが千穂ちゃんのこれは、手の届く距離を伸ばそうという努力じゃなくて、手を届かそうとしている先を、向こうから届くところまで来てもらうように盤面をひっくり返すようなものだったんですよね、これ。
断絶していた日本側の日常と、エンテ・イスラ側の事情とを見事に連結させてしまったわけだ。真奥たちが忌避していた日本側を無理やり巻き込んでしまう、という形とはまた違う形である。
結局、多大な無理が生じていたのは日本側の日常に影響を及ぼさないようにしながらエンテ・イスラ側の問題に対処しようとしていたことが一番大きかったのを思えば、これはまさに発想の転換なんですよねえ。勿論、巻き込む形になった人たちが協力してくれる、という純粋な信頼がなければ成り立たない部分ではありますけれど。
千穂ちゃん個人としても、エンテ・イスラサイドと日本サイドの断裂が将来への展望に行き詰まりを生じさせていたとも言えるので、この連結は千穂ちゃんの将来どうしたいかという希望と現状における彼女がやりたい事を橋渡しすることにもなったわけで、一気にこの娘の活躍できる範囲を広げることになったのである。
まー、この娘が肝据えて開き直ると、ほんと凄いわ。みんなが一目置くどころか、こぞって頼りにするのも無理からぬ所である。

さて、受験に際して活動を休止するどころか八面六臂の活躍をするはめになった千穂ちゃん。もうヒロインというより主人公並の駆けずり回り方でありますが、今回一番ヒロインしていたのはやはり鈴乃の方なんでしょう。
ほとんどテンパってただけのような気もしますが、テンパってイッパイイッパイになることで深刻な乙女モードになるあたりが、ベルらしいというかなんというか。色んな意味でわかりやすすぎるんですよね、彼女って。それでいて自分のことはあんまり良くわかってないし。
まさか一足飛びに告白までこぎつけてしまうとは予想だにしませんでしたけれど。
予想外といえば、真奥のヘタレっぷりもまあ予想外極まりましたが。それはあかんやろう!!
千穂ちゃんの時はまあ状況が状況でしたし、後々のタイミングというものがありましたから、仕方ない部分があるような気がしないでもなかったですけれど、今回は反論の余地なく完全にアウトでした。
恋愛偏差値が中学生以下なんじゃないだろうか、この魔王陛下。
乙女力の低さが鈴乃や千穂ちゃんと比べて目を覆わんばかりの恵美と、ある意味真奥さん。お似合いというか釣り合ってるような気がしてきました。勇者、傘ごときで一人で煩悶してる場合じゃないからね、ホントに!! 他の娘ら、そういうレベルでもうどうこうしてないですからね!

個人的には、リヴィクォッコがかなり速攻で日本の生活に適応してしまったのも予想外でしたけれど。バイトの方もそつなく熟しているのは千穂ちゃんたちの指導の賜物なんでしょうけれど、アパート生活の所帯じみたあれこれまで速攻で馴染むとは。粗暴で扱い難しそうだったリヴィクォッコでこれなら、魔族の適応力ってかなり大したものなのかもしれない。

それにしても、今回一番えらい巻き添え食ったのって、岩城新店長ですよね。木崎さんや他のバイトの同僚は相応に関係深かったり長かったりで下地はありましたけれど、新店長いきなりすぎる巻き込まれである。何気にこの人も大人物な気がしてきた。
あと、これで木崎さん魔王軍大宰相ルートの可能性ワンチャンあり?

シリーズ感想

ガーリー・エアフォース  ★★★★   



【ガーリー・エアフォース 宗曄_導 公司/遠坂 あさぎ 電撃文庫

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対ザイ戦線異常あり! 日露アニマ共闘の美少女×戦闘機ストーリー第9弾!

圧倒的な戦闘力を持つ謎の飛翔体・ザイと、美少女の姿をした兵器・アニマを擁する人との戦いは、グリペンの中に眠っていた「記憶」の解明をきっかけに新たな局面を迎えようとしていた。
しかし次なる作戦地、ベトナムで慧とグリペンを待ち受けていたのは、かつて死闘を繰り広げたロシアのアニマ、Su-27のジュラーブリクたち。共同で作戦を遂行する計画だというが、因縁ありまくりの両陣営はたちまち一触即発の雰囲気に。日露アニマの呉越同舟ですんなりミッションコンプリートといくはずもなく!?
世界規模の戦いに向かう、美少女×戦闘機ストーリー第9弾!

さり気なくハイパーゼロ、取り返しのつかないことしてませんか!? 明華にちゃんと謝って怒られてた方がマシだったんじゃないかこれ!?
グリペンの記憶が開放され、世界の真実が明らかになった前巻まで。絶望に囚われた慧もなんとか持ち直したとはいえ、結局解決に至る方策は何一つ見つかってないんですよね。
それでも、何度も世界を繰り返しているグリペンの記憶を元にして、反攻作戦に打って出る独飛。でも、この勝利の連続も局地的な勝利に過ぎず、最終的には物量に押しつぶされてしまうとシミュレーションによって答えは出ているわけで、勝利を続けても焦燥は募るばかり。
だったのだけれど、このグリペンの記憶というファクターはザイ側からすると関知しえない要素なだけに、なるほどあちらはあちらで危機感を過剰に膨らませてしまったのか。
ここまで来るとSF的な要素が凄まじい勢いで積み重ねられていって、詳しい内容についてはちゃんと腰を据えて一つ一つ読み込んでいかないと理解が難しそうな難易度になってきた。ですが、説明は丁寧かつ起こっている現象やその対処方法についての表現がわかりやすく端的なので理解が及ばなくても物語を読み進める上で十分な把握はできるんですよね。ビジュアルでイメージがしっかりと出来るように解説してくれているので、どんな理屈でこういう現象が起こっているのかはちゃんと頭使わないとわからないけれど、何が起こっていてそれによってどういう危機が巻き起こり、それをどうやって攻略するか、についてはパッと見でちゃんとわかるようになっている、というんでしょうか。

この期に及んで国単位での利害調整とか、人類そのものが滅びかかっているのにそんなんしている場合じゃないだろう、という所なんですけれど、そう簡単にはいかないものなんですよね。世界の繰り返しという真実にたどり着いてしまった慧たちからすれば、もどかしいことこの上ないのでしょうけれど。それでも組織の一員としてはそこに縛られてしまうし、真実を明かせない以上危機感は決して共有できるものではない。じゃあ明かしてしまえば、って明かしたら明かしたでそこからまた利害が発生するしその破滅的な内容からは感情に基づく混乱が発生してしまって、余計に酷いことになる、という冷静な分析はまあ全く事実なのでしょう。
だからこそ、ロシアのSu-27M、ジュラーブリクとこの真実が共有できたのは、今回の一見での最上の功績だったんじゃないでしょうか。ってか、あれを知ったからと言ってどういう反応を示すかわかったものではなかったのですが、ジュラーブリク姐御は極寒のロシア美少女とは思えない熱血漢なんですよねえ。
もともと、姉妹に対する熱い情愛からして身内に対しては本当に情深い娘であるのはわかってましたけれど、あのグリペンへの宣誓はちょっと泣きそうになってしまうほど真摯で情熱的で、そりゃ姉妹たちが慕うどころか信仰に近いものを彼女に抱いているのもわかる一幕でした。
まあそのために、グリペンや慧まで身内扱いしだしたお姉ちゃんに嫉妬して、ラーストチュカが暴走してしまうのですが。この娘、クール系に見えてヤんでるタイプだったのか! 見た目ちっちゃいジュラーブリクより、ラーストチェカの方が圧倒的にシャープで格好いい系お姉さんなのにな!

それにしても、ここしばらくのファントムのキャラの弾け方は素晴らしいです。ジュラーブリクとの喧々諤々の喧嘩といい、慧へのなんか定まらないツンデレっぷりといい、この娘こそ最初のクールで突き放したような醒めたキャラはどこに行ったんだ、と。まあ分身のトゥエルブの再登場、ファントムの黒歴史再び、というあたりでファントムのメンタル休まるところ最近全くなかったところにトドメきた、みたいな感じでしたしね。なんか、グリペンと慧の関係が完全に収束したのを目の当たりにして、若干やさぐれてる風でもありますし。

で、今回のMVPはなんといっても八代通さんでしょう。この人、天才科学者という以上に組織の運営者としての凄まじいパワーショベルのような行動力が何よりもデタラメなんじゃないでしょうか。
普通、たった数日でこんな大規模ミッションを実現可能なところまで持ってけませんよ。なんでそんな短期間で必要な機材手配して現地に持って来させるの間に合わせられるの!?
化け物か!! 化け物か!!
ロシア側の担当の中佐が唖然とするのも無理ないですわ。
世界最大離陸重量を誇るAn-225 ムリーヤの登場には胸熱でした。ってかこれ、世界に一機しかない機体なんですよ。最大離陸重量が600t! 600トン!! ドスゲエ。

さて、世界崩壊待ったなしの大ピンチの難局を至上の結果で乗り越えた慧たち。しかし、ここでまたありえべからざる矛盾点が浮き上がってくるんですよね。忘れてた! わけでもないのですけれど、それが現実の現在に現物として存在していることについて、そう言えばグリペンの記憶では説明つかないことでした。
そう、あれは一体どうしてそこに現れたんだ!?
これが、完全に詰んでいるこの世界の危機を、グリペンに押し付けられる定められた運命を覆す転換点となり得るのか。面白くなってきた!!

シリーズ感想

死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱く 2 ★★★★   



【死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱く 2】 彩峰舞人/シエラ オーバーラップ文庫

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死神から授かった漆黒の剣を手に戦場を駆け、ファーネスト王国の南方戦線へと勝利をもたらした銀髪の少女・オリビア。
久方ぶりの勝利に浮かれる王国だったが、間を置かずして舞い込んだのは、北方戦線を維持していた第三軍、第四軍が壊滅したとの報だった。
状況を打破すべく、オリビアを有する第七軍は制圧された地域奪還の命を受け、北方戦線へと進軍を開始する。
一方、帝国軍の指揮を執るのは、帝国三将が一人にして紅の騎士団を率いるローゼンマリー。
濃霧が覆う渓谷で、戦いの火蓋が切られようとしていた――!
王国軍“最強の駒"として、常識知らずの無垢な少女が戦場を駆ける、第二幕!

おお、敵味方の個性的な将帥に第三国の動きも明確になってきて、さらに戦記物らしくなってきた。
そして相変わらず第七軍のお爺ちゃん将軍と参謀諸氏がオリビアのことうまく使うんですよね。はっきり言って軍に馴染まないだろう異端を、能力を制限することなくかと言って完全の野放しにするでもなく、統制下に入れながらも自由にやらせていて、ほぼほぼ全力を出し切らせているんですよね。
この手の異端となる才能はどうしたって上からも横からも下からも掣肘や足の引っ張りが入ってきてフルスペック活用出来なかったりするものなんですけど。
その上、単体でどれだけ強くてもそれだけでは戦局に寄与しきれないのを、ちゃんと戦場での効果的あるいは決定的な打撃力として運用出来ているわけで、そりゃ強いですよ第七軍。
そのようにオリビアを動かせるのも、彼女の傍らに軍師参謀たるアシュトンと副官のクラウディアがついているから、とも言えるのですけれど。あれでオリビアってちゃんと人の言うことはちゃんと聞く子なので……伝わりにくいきらいはありますけど、結構素直になんでも聞いてくれるので意外と扱いが面倒な子ではないんですよね。
敵を殺すことに関して忌避感とか全然持たない化け物と呼ばれても仕方のないようなところはあるにしても、無邪気で無知で育ちの関係上社会的通念とか常識倫理観に乏しいところはあるにしても、オリビアって別に人間として壊れているというタイプでもないんですよ。面倒になったらとりあえずぶっ殺して問題をなかったことにしてしまおう、みたいな物騒な鎌倉武士マインドもありませんし。オットー副官の毎回のごときお説教も、うへーとなりながらもわりとちゃんと言うこと聞いてますしね。
何より、アシュトンやクラウディアへの懐きっぷりを見ると小動物的な愛らしさすらあるわけです。
クラウディアなんか、そういうオリビアの可愛らしいところにメロメロになってる感もあるんじゃないでしょうか。戦士として指揮官として至上この上ない上官への敬愛、みたいなものを通り越して、オリビア好き好き、になってるところありますし。
しかし、何気にアシュトンくんがオリビアとクラウディアで両手に花状態で羨ましいことになってるぞ。主人公でもないくせにw オリビアには無邪気に懐かれてますし、クラウディアともなんか距離感近くなってますし。まあこのまま、もうひとりの主人公格となってもおかしくない活躍はしてるんですけどね、アシュトンくん。
ほぼ今回の戦い、主導権を握っていたのはアシュトンでしたし。敵の紅騎士団、痛恨の一撃を二度三度と直接ぶん殴ってみせたのはオリビアですけれど、こと一連の会戦、そこに至るまでの作戦的な勝利をローゼンマリーから常にもぎ取り続けたのはアシュトンでしたからね。
まああれ、ローゼンマリーが作戦上下手打ったというのもあるんでしょうけれど。ちょっと私情に拘りすぎて、要らない小細工を弄しすぎた部分もありますし。ただ、この時代の乏しい情報の収集状況から、敵軍の意図や戦域の全体像を把握して敵を戦略的に切り崩していく策をどちらかというと感覚的に導き出すアシュトンは、これもちょっとした異能なんでしょうね。
でも、これ結論を導き出す過程が決してロジカルではないっぽいので、何気に他者に納得させがたいところがあるのも確かな話で。そこらへん、アシュトンって大きな商家の出らしいのに営業というかプレゼンテーション力はもっと磨いておこうよ、と思うところでもありました。これ、第七軍の首脳部でないと聞く耳持ってくれなかったでしょうし。まあこの軍でなければ、一兵卒だった彼が准尉でオリビアの側近みたいな立場まで出世させてくれることもなかったのですけれど。
その辺の士官として軍師参謀としての立ち居振る舞いに関しては、ここからの勉強と成長ですなあ。実際、ローゼンマリー軍との決戦ではアシュトンの作戦が使われてハマったわけですし。

しかしまー、オリビアの強いこと強いこと。彼女と彼女の率いる精鋭となった部隊が遊軍として戦場を駆け回って、ぶち当たった一勢を片っ端から叩き潰していくのですから、相手からしたらたまったもんじゃないですよ。こういう相手は遊兵にできればいいのですけれど、見事に痛いとこついてくるわ、本陣へとツッコんでくるわで。いやまあ、今回はローゼンマリーが本陣囮になんかしてこれ見よがしに届くところに置いちゃうのが尚更悪いっちゃ悪かったのでしょうけれど。
個人的武勇でも欠片も負けると思わずに図に乗ってる連中を片っ端からずんばらりんと片付けていくオリビアの快進撃は、まあ痛快の一言でありました。ローゼンマリーは最初から偉そうに格上風を出しまくってたわりに、作戦家としてはアシュトンにイイようにねじ伏せられ、個人的な武勇ではオリビアに一方的にけちょんけちょんにされて、何気に良いところなしだったんじゃないでしょうか。このまま退場でも良かったような気がしないでもないですけど。
なんとか亡国一直線の敗勢を食い止めたところで、ゼットとは違う死神らしい怪しい存在の蠢動や第三国である神国メキアも動き出し、また国内でも第6軍の姫将軍や第二軍の曲者っぽい将軍とか出てきて、舞台のスケールも広がってきた感もあり、さらに面白くなってきそうなワクワク感が増してきました。
これは期待の一作となりそうです。面白かった!

1巻感想

このライトノベルがすごい!2019  



【このライトノベルがすごい!2019】 


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おおぅ、今年はまたキレイに表紙から内容が推察できるだろう項目が消えてるなあ。
昔は雑コラみたいに白塗りしてあったのが、モザイクがかかるようになり、ランキング内容が露骨にバレちゃう部分だけ消してたり、と年々巧妙になっていくのがうかがえます。

さて、本年度もわたくし八岐は協力者枠で参加させていただきました。毎年ながらお声がけくださり、ありがたいかぎりです。

本年度の一位となった【錆喰いビスコ】に関しては、あれが登場した時に界隈を走った激震ともいうべき衝撃を振り返れば上位に食い込んでくるのは予想していましたが、まさか一位掻っ攫うまでにいたるとは流石に思っていませんでした。協力者枠では凶悪に票ゲットするだろうな、とは思ってたんですけどね。思いの外、HPでもポイントとってたんですよね。HPだけでも9位。4位くらいまでとはポイント差もあんまりないことを考えると、それだけ全方位に走った激震だったのかもしれません。
ただ、世代差で見ると見事に高い年齢層に偏っているようですが。
【ひげを剃る。そして女子高生を拾う】なんかはまた好みが分かれそうな作品だと思いましたけれど、想像以上に協力者枠でポイント入ってましたね、なるほど。
【弱キャラ友崎くん】はこれだけ順調に年々順位を上げていってるというのは注目に値すると思います。三位に入ってきているのは驚異的。【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】に続く新たな青春モノのトップランナーになってきていますね。

ちょっと虚を突かれたのが【三角の距離は限りないゼロ】。これはまったくノーマークでした。岬 鷺宮さんは甘くも切ないどこか落ち着いた感じの青春恋愛モノの旗手として、既に多くの作品を手がけてきた人だけに、ある意味新作によほどのインパクトがないとここまでググっといきなりあがってくるとは思えなかったんですよね。一応購入はしていたものの、本作はまだ未読。これはチェックミスでした。
注目の新作としては14位にランクインした【天才王子の赤字国家再生術〜そうだ売国しよう〜】でしょう。実際、中身もかなりアグレッシブで面白く引きも強い良作で登場当初から話題にあがっていた作品でした。私も大好物です。とは言え、来年ここからあがってくるようなタイプかどうかはちと微妙かもしれませんが。人気爆発するような展開があったらいいのですけれど。

さてさて、私の投票内容ですが、このような感じでした。


文庫部門
1位【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?】 手島史詞/COMTA  HJ文庫(ランキング外)
2位【りゅうおうのおしごと!】 白鳥士郎/しらび GA文庫(ランキング2位)
3位【ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? 】 聴猫芝居/Hisasi 電撃文庫(ランキング外)
4位【好きって言えない彼女じゃダメですか? 帆影さんはライトノベルを合理的に読みすぎる】 玩具堂/イセ川 ヤスタカ 角川スニーカー文庫(46位)
5位【皇女の騎士 壊れた世界と姫君の楽園】 やのゆい/mmu ファミ通文庫(ランキング外)


単行本部門
1位【ロード・エルメロイII世の事件簿】(36位)
2位【野生のラスボスが現れた!】(ランク外)
3位【はぐるまどらいぶ。】(11位)
4位【冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた】(ランク外)
5位【さようなら竜生、こんにちは人生】(ランク外)


女性キャラ
ナユタ (クローバーズ・リグレット)
セラ (もう異世界に懲りたので破壊して少女だけ救いたい)
相原璃子 (オタギャルの相原さんは誰にでも優しい)

男性キャラ
石動 迅 (聖剣使いの禁呪詠唱)
ギュネイ (叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 )
ザガン(魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?)

イラストレーター
しらび(りゅうおうのおしごと!)
鵜飼沙樹(異世界拷問姫)
ぶーた(七星のスバル)

毎度ながら圏外の嵐! とは言え、一位の【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?】がランク外なのはちょっと衝撃でした。まじかー。いやもうめっちゃ自分が好きなのはともかくとして、結構人気ある作品だとも認識してたんで。辛うじて【帆影さん】が50位以内に入っていたのが嬉しい。
単行本の方はこれ難しいよなあ。【野生のラスボスが現れた!】は今一番面白い展開に差し掛かっているところでもあり、あの大前提のちゃぶ台返しが見事なんですよね。
キャラ部門は、まあ毎年ながらランクインしたことがありませんw ここは上位作品の主要キャラが圧倒的に強いですからねえ。

その他、アンケート内容では電子書籍の利用割合が興味深かったです。ってか、まだこれくらいの利用頻度なのか。自分はもう部屋に本置くスペースが皆無を通り越して絶無になってる状態で、数年前からほぼほぼ完全に電子書籍に移行しております。例外は以前から書い続けているシリーズもの、境界線上のホライゾンみたいな電子化していない作品を買うときのみですね。あと、小説以外の新書とか。
ぶっちゃけ、そういう例外を除けば電子書籍化されてなかったら、買うの諦めてます。使い始める前は色々ためらいましたし悩みましたけれど、使い始めてみるとやっぱり極めて便利でねえ、これが。
ふと読みなおしたい、自分なんか感想記事書くのに読み返したい時が頻繁にあるので、そんな時にあっという間に引っ張り出せる電子書籍の便利さは筆舌に尽くし難いものがあります。外でも自由に読めますしねえ。というわけで、自分は重宝しています。



ゴブリンスレイヤー 6 ★★★★☆  



【ゴブリンスレイヤー 6】 蝸牛くも/神奈月 昇 GA文庫

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「ゴブリンを退治したい、それ以外はしたくない、と言っていて……」
「一党は?」
「ないみたいです」
「馬鹿げている」
新たな冒険者希望者の集まる春。ゴブリン退治だけを希望する魔術師の少年が受付嬢を困らせていた。
一方、辺境の街から少し離れた場所に、冒険者訓練場が建設中。そこには、かつて村があったことを、ゴブリンスレイヤーは知っていた――。
「ゴブリンをぶっ殺すんだ! 」
少年魔術師らと一党を組むことになったゴブリンスレイヤーたちはゴブリンの跋扈する陵墓へと向かう。
蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第6弾!
ゴブスレさんが男連中と飲みに行くなんて時代が来るとはなあ。あのゴブリンゴブリンしか口にしないしそれ以外何も考えていない、考えられない破綻者だった男が。そう思うと、感慨深いなんてものじゃないですよ。
槍使いと重戦士の二人もまあ、ゴブスレさんを飲みに誘うとかいい連中なんですよね。なんというか、タイミングが素晴らしいというべきか、誘うべき時を弁えていたというべきか。男同士、腹割って自分の苦い部分や遠くなった夢を打ち明け合うとか、渋い飲み方じゃあないですか。ゴブスレさんんなんか、一緒に呑む相手としちゃあ面白くも何ともない人間だと思うんですけれど、こういう風に分かち合う呑み方は「戦友」というものを感じさせてくれて、噛みしめるものがありました。
鉱人道士や蜥蜴僧侶も粋な男たちだけれど、辺境のトップ冒険者たちはみんなこう粋で気持ちの良い連中なのがいいよなあ。
冒険者訓練所なんか、あれ引退した冒険者が指導のメインを努めているようだけれど、現役連中も積極的に手伝ってるんですよね。普通ならそんなん知らんわー、なんだけれど。槍使いの兄ちゃんは訓練所できる以前から初心者連中によくかまってましたし、その意味でも面倒見いい人達多いんだよなあ。
それだけ、周りを見ることが出来て周りに手を差し伸べることの出来る余裕のある人だけが、生き残ってトッププレイヤーになれるのだ、と言えるのかもしれませんけれど。
その意味では、ゴブスレさんもゴブリンだけではなく自分を支えてくれる人たちを認識できるようになり、その上でゴブリンを殺すだけではなく自分もまた誰かを支えられる人間であるというのを無意識ではなく、ちゃんと意識して考えられるようになった、という時点で本当の意味で銀級に至ったのではないでしょうか。以前から言葉足らずとは言え、周りに気遣う優しい人であったのは間違いなく、だからこそ受付嬢はじめあれだけおかしくなっていたゴブスレさんを見守っていたのではありますけれど、意図して女神官のリーダーデビューを手伝ったり、自分と同じゴブリンを殺すだけの人生を突き進もうとしていた少年を、違う道へと導いたりなど積極的に人と関わり合いになりだしたのは、まさにこの一年の女神官たちをはじめとする仲間たちと冒険……「冒険」をするようになってからの変化であったのでしょう。
そうなんですよねえ。ゴブスレさんもちゃんと「冒険者」になれたんですねえ。
自分の代わりに夢を追う旅に出た少年を見送るゴブスレが、声を上げて笑ったシーンは、なんか胸が震えるものがありました。
しかし、若い連中もなんというか……若いなあ、というか青春してるなあ、というか。新人は新人らしく拙いながらも懸命に頑張っている姿が、なんとも尊いです。
ってか、カップル率が凄いな、新人ども! まあ、ゴブスレさんにもあいつの嫁かと聞かれて即答で「そうだよ」とか言っちゃう幼馴染がいる時点でアレなんですけどね。アレなんですけどね!

シリーズ感想

空飛ぶ卵の右舷砲 ★★★☆  



【空飛ぶ卵の右舷砲】 喜多川 信/こずみっく ガガガ文庫

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人造の豊穣神・ユグドラシルによって繁栄を極めた近未来。人類は植物を自在に操り、時にはビルさえ"育てていた"。そんな文明絶頂期の中で、『大崩壊』は起きた。世界人口の半数以上が死に絶え、各地ではあらゆるシステムが麻痺。さらに突如現れた樹獣、樹竜と呼ばれる異形の怪物たちによって、人類はあっという間に地上から追放され、その拠点を人工の浮島・海上都市へと移した。
『大崩壊』から数十年。小型ヘリ<静かなる女王号>を操り、樹竜狩りを生業とするヤブサメ。彼は妹が患う奇病を治すため、師であり相棒でもあるモズとともに仕事をこなしながら、日本各地を飛び回っていた。そんな中、二人は東京第一空団副長セキレイの窮地を救い、その腕を買われて旧都市・新宿での大規模探索作戦への同行を依頼される。彼らを必要とするセキレイはヤブサメにこう囁きかけた。
「この作戦の成功は、キミの妹の病を治す事に繋がるかもしれない」
しかし新宿は「帰還不可能」とも噂される、Sクラスの危険地帯。割に合わないと、モズは難色を示すのだが――
これは鋼の翼と意志で空を駆り、樹竜を狩る者たちの物語。第12回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作。
作者がすごくすごくヘリコプター大好き! というのがよく分かる一作でありました。
だって、ヘリ大活躍ですもの。主人公たちが乗る<静かなる女王号>だけならともかく、いわゆるモブに当たるだろう他のヘリ。東京第一空団のヘリとそのパイロットたちも縦横無尽でしたもの。ヘリの機動力、攻撃力もさることながら、なかなか落ちないそのしぶとさ、タフネスさ、万が一被弾しても簡単には墜落しないその生存性。通常なら救援に迎えないような場所でも果敢に要救護者を助けに行けるどこにでも降りれる汎用性。ヘリって凄い、強い、なんでもできる格好いい! というのが伝わってくるんですよね。そのヘリを操るパイロットたちの粘り強さ、技術力の高さ、まさに凄腕たちという感じがまたビシビシ来るんですよね。
ラストの大規模探索作戦なんぞ、激戦も激戦。樹獣や樹竜という怪物の大群相手にあらゆるヘリが獅子奮迅、神がかりとも言っていい機動戦闘を見せてくれるわけです。どのヘリも簡単には墜ちないどころか、思わずブルっとくるような神業や最後まで諦めないプロフェッショナル仕事を駆使するのである。結局、墜落した機体はあってもどの無名キャラでも機体を制御しきって不時着まで粘って持ち込んでましたしねえ。
ヘリは死なぬ! ヘリは死んでも自分に乗る搭乗員は死なせぬ! と主張するようなヘリ三昧でありました。何気に機種も、地上から追いやられて海上都市に生存し、かつての文明を失った人類が運用しているにはびっくりするくらい多種多様の機体が出てきますしねえ。
樹獣や樹竜の素材がヘリ含めて様々な高度な機械にも使える、という要素はあるにしても、まあ大したものである。主人公たちが駆るOH-6Dは観測用の小型ヘリにあたるんだけれど、D型って自衛隊仕様らしいんですよね。相性は幾つかあって、そのうちの一つがフライングエッグ。空飛ぶ卵、すなわちタイトルのそれにあたるわけですね。いや、言われなきゃわかんないよ、このタイトル。
ヒロインにしてボスにして船長たるモズさんは、控えめに言ってもダメ人間であります。ヤブサメくん、どう考えてもとっととこの人見限って、別に就職したほうがいいと思うんだけれど。自堕落とかならまだいいんだけれど、稼いだ金根こそぎギャンブルやら酒やらで速攻使い果たしてしまうとか、完全に離婚案件、昭和のクズ親父である。昭和とは限らんか。古来よりクズと呼称されるダメ人間の典型である。どれだけ機上では有能であってもなあ、生活費も給料も使い込むようなのははっきりアカンでしょう。
ヤブサメくん、腕は確かだし空団からもスカウトされてるんだから、目的があるにしてもこの人の元だとちゃんと情報も入手できるのかどうか。
別にモズさんにベタぼれ、というわけでもなさそうなので、そのうち普通に以前のモズさんの相棒のように見限って離れてっても不思議ではないぞ。
結局、ヤブサメくんが目的としている妹の治療にまつわるあれこれに関しては、ヤブサメくんがそれを抱えている、という話が出ただけで、探索作戦の方にかかりっきりで触れることすらなく終わってしまったので、なんだろうこの一巻はキャラの関係の掘り下げや抱えている事情の解決というところは一切置いておいて、ひたすらヘリアクション! という勢いだったのかもしれない。
セキレイさんの政治的な立場と野心とか、ヒタキとの和解と親睦についても、後回しとか勢いでなんか解決、みたいな感じでしたし。
まあ「ヘリコプター!」という主題については、これでもかというくらい存分に叩きつけた感もあるし、実際ヘリアクションは手に汗握る熱いもので、読み応えありましたし、これはこれで満足度としては十分なのじゃないでしょうか。
変にごちゃごちゃ足止めて個々を掘り下げるよりもこちらのほうがいいのかも。
文明崩壊後の、それでもある程度の技術を維持して果敢に生きようとしている世界観も雰囲気のある良質で味のあるものでしたし。良作良作。

はたらく魔王さま! 18 ★★★★   



【はたらく魔王さま! 18】 和ヶ原聡司/029 電撃文庫

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マグロナルド幡ヶ谷駅前店に新店長がやってきた。年度の変わり目でベテランクルーたちの退店も相次ぎ、さらには受験に専念するため、千穂も店を去ることになってしまう。
新体制にバタつく中、魔王はペット禁止のヴィラ・ローザ笹塚でトカゲ姿の悪魔キナンナを飼育し、部屋をボロボロにしたことが大家にばれ、大問題に。退去は免れたが、修繕費として多額の請求書が届けられてしまい!?
一方異世界では、天界の危機に対処する準備として、五大陸各国の調整に芦屋や鈴乃が奔走していた。人間と悪魔の共存を目指す魔王は、マグロナルドの人手不足と合わせて解決する方策を考えるが──。
ひぃぃぃ! ちょっとこれ、想像するだに寒気しかしない状況なんですけど、マグロナルド。そうだよなあ、一番キツイのってこの場合、出ていく木崎店長じゃなくてむしろ新店長として木崎さんの後釜に座ることになる岩城店長なんですよね。
既に現状、考えうる限りの最高峰のもはや異次元ともいえる業績を挙げている店舗。木崎店長の辣腕もさることながら、彼女によって集められて鍛え上げられたスタッフたち。ここにあとから飛び込むのって、もう撤退戦なんですよね。ここからさらに業績アップさせてやるぜ、なんて自信満々でいられる人なんて早々居ないでしょう。
実質、どれだけ業績が落ちるのを食い止められるか、という話なんですよね。それでも、これだけのスタッフが揃っていたらなんとかなりそうなものなんですけれど、千穂ちゃんに辞められたらヤバイなんてもんじゃないんですよね。彼女のみならず、話を聞いてたら学生のみならずこの人抜けたらあかんやろう、という人まで抜けるうえに単純にやめる人数がヤバい。
木崎店長居なくなるタイミングで、これはキツイなんてもんじゃないですよ。おまけに、数カ月後には魔界の方の大作戦で真奥と恵美も一ヶ月丸々シフトから外れる予定が組まれてる、って。
岩城店長が引き継ぎ直後から血の気引いてるのもわかりますわー。いやマジで。質が伴った量がごっそり抜けた後のカバーって、ちょっと取り返しがつかない部分がありますし。
だいたい、バイトに限らず使える人材集めるのって何気に至難なんですよね。あれって、宝くじめいたものがありますし。面接で人となりや使えるかどうか把握するって、多分特殊スキルなんじゃないでしょうか。自分も面接する側にまわることもあるのですが、あれは本当にわからん!
しばらく仕事してみないと、わかんないですよ。その人がどういう人だとかなんて。
まあ、「あ、この人やばいわ」というのが露骨に見える人もいるのですけどね。逆に、この人当たりだ!と一発でわかってしまう人も中にはいるのですけれど。
それに選り好みしてられない状況というのもありますしね。求人って、広告出すの何気にけっこうお金掛かるんですよ、あれ。マグロナルドみたいな大手なら、そのへん予算問題ないんでしょうけれど。ってか、ドタキャンするやつが昨今多すぎる!!
って、話が変な方向行ってしまいましたが、木崎さんみたいな見極め方なんか出来る人は早々いないと思いますよ、うん。まあバイトくらいなら普通にしてれば、だいたい受かると思うんですけどね。
……普通にデキる人って、実は思いの外少なかったりしますし、うん。

とまあ、うん、読んでて黄金の貧乏くじを引かされた岩城新店長の方に思いっきり感情移入してしまったのですが、辞める方の千穂ちゃんの方も大変なんですよね。ってか、作品的にはこっちが主軸の大変さなんでしょうけれど。受験を前にして、周りの友達が真剣かつ具体的に進路について考えている中で、自分はまだ曖昧模糊にしか受験を捉えておらず、一方でエンテ=イスラの方の作戦や地球サイドの安全保障にも関わってくるだろう国際情勢の緊迫化に直面して、果たして喫緊なにに集中すればいいのか、若干混乱状態に追い込まれてる千穂ちゃんの現状、受験生としてはキツイものがあるのも確かな話で。でも、ちゃんとここで一人で抱え込まずに近い境遇にある梨香や、社会人である木崎さんに相談しているあたり、しっかりしているなあ、と感心してしまいます。何気に、大人に相談するのって、高校生くらいだと壁があって難しいものだし、具体的に自分が抱えているものを言葉にして問いかけるのってめちゃくちゃ難易度高いですしね。
……でも、そんな相談にこうもしっかりアドバイスを返せる梨香や木崎さんがまた半端ねえと思っちゃうんですよね。こんなん相談されても、自分だったらまともに助言らしい助言とか出来ませんて。通り一辺倒の一般論以外に実のある言葉が紡ぐことが出来るだろうか、と自問してしまいます。

一方でエンテ・イスラの方でも芦屋がえらい頑張ってるというか活躍しているというか。もう真奥関係なく、というわけじゃないけれど、腹心とか参謀とかではなく完全に独立して独自の判断で外交交渉をつなげて、同盟や協力者の輪を広げてますもんね。真奥とか魔王軍という看板ではなく、アリシエルという個人を信用して、協力してくれている、という感じですし、魔界の住人の移民問題にしても魔王軍首脳部による政策ではありますけれど、完全に芦屋が主導してるもんなあ。
いい意味で、今までべったりだった真奥と芦屋が離れて個人個人で動けているのが、なんとも頼もしいというべきかなんというか……これだけ一人でやれてるなら、芦屋さん……梨香のこともちゃんとしてあげたほうがいいですよ、ほんとに。

色々とエンテ・イスラ側でも地球……というか日常サイドでも激動と言っていいくらい状況が動いているようで、未だ準備期間ではあるというなんとも錯綜した状態なのですが、魔界の住人の未来という点に関しては、真奥や芦屋たちが着実に将来の展望というか戦略に基づいて動いているので、そこだけは何とも安心感みたいなものがあります。まさか、リヴィクォッコが人化して地球サイドに来て、働く魔族さまやるとは思いませんでしたけど。ってか、よりにもよってこいつかよ! 強面すぎるでしょうに。
てか、その強面外国人をビシバシと現場でうまく教育してのける千穂ちゃんが、やっぱりすごすぎる。ある意味、エンテ・イスラ側で魔族たちに元帥としてうまく統制していたのを見たよりも、こっちのほうがインパクトありますわー。木崎さんからも岩城さんからも高校生としては破格、ってか高校生にしてはなんていう前置きは取り除いて、超出来まくるスーパーアルバイター的な評価を受けている千穂ちゃんですけれど、本人は不安ばかり抱いているようですけれど、この娘ならホントどこに行っても全然問題なしにやれるに違いないでしょうね。
木崎さん、ちくっと迷走しかけてた彼女に厳しいこと言ってましたけれど、逃避の結果だろうとなんだろうと来てくるなら絶対に確保、捕獲、ゲットしておくべき人材だよなあ。ってか、真奥にサリエルの二人を独立の際に抱え込むつもりって、無茶苦茶贅沢なんですよね。どれだけ確実に勝ちに来てるんだろう。

しかし、梨香に千穂ちゃんが相談してるときに、真奥との恋愛話に発展してましたけれど……梨香から、恵美はない、と断言が出るとはちょっと驚いた。一番親しい友人の一人である梨香から、そう見えてるのか。ただ、現状の恵美の内面描写を見ると、これはなかなか、ねえ。千穂ちゃんの勘は外れてないと思うんだけどなあ。ただ、鈴乃に関してはどうだろう。最近、鈴乃本人が自重している節もあるんだけれど、確かに千穂ちゃんが最初の方に危機感を感じてたのは鈴乃の方だったんですよね。
次回あたり、鈴乃がメインになりそうですし、最近ちょっとそっち関係ベルは大人しかったんで、どう動くか楽しみなところであります。

シリーズ感想

落第騎士の英雄譚<キャバルリィ>14 ★★★☆  



【落第騎士の英雄譚<キャバルリィ>14】 海空りく/をん GA文庫

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「《夜叉姫》、テメェはオレの同類 だ。人間の皮を被ったバケモノよ! 」
一輝やステラがそれぞれの戦いを優位に進める中、《夜叉姫》西京寧音と《砂漠の死神》ナジーム、二人
の《魔人》による戦いもまた激しさを増しつつあった。互いの力量を認め、かつそれをねじ伏せるために全
力を尽くす強者同士の戦い。その最中で寧音は、かつてKOKリーグで鎬を削った最高の好敵手《世界時計》
滝沢黒乃との出会いを思い出す。
一方《傀儡王》をその射程に捉えたステラたちの戦いもまた、新たな局面を迎えようとしていた。
明らかになるそれぞれの過去と想い。騎士としての決意と覚悟が試される、死線の上の第14弾!
寧音さんこの人絶対ジジ専だろ! 
西京先生の過去は、ちょっと不良でしたでは済まないダークサイドに半分のめり込んだような有様で、これタイミング次第では完全にナジームとかあっち側になってておかしくない人間だったわけで。ナジームが同類呼ばわりするのも納得なんですよね。
ただ、やりたい放題やってる時期に一晩付き合えよー、みたいなこと言ってた相手が若いイケメン兄ちゃんじゃなくて、禿げたおっさんなんですよね。おっさんなんですよね!
おっさんがいいのか!!
寧音さん、多分筋金入りだ、うん。南郷先生にツンデレしてるのってわりとガチなんじゃないだろうか。
しかし、ナジームは寧音さんのこと自分と同類の化け物と評価しながらも一方で公式のリーグ戦なんかで戦ってるだけの生っちょろいヤツ、と舐めてもいるわけで。いや、化け物ならどこに生息していようと化け物でしょうに。
先のイタリアのカンピオーネが同じリーグの選手出身で、あの体たらくだったというのが影響していたのでしょうけれど、同類と察したなら最後まで同類として立ち会えばよかったのに。
まああそこで、寧音さんが一歩引いて化け物のステージから降りたように見えたのが一番の要因だったんだろうけれど。ほんと、寧音さんのところだけ世界観が違いますよね。魔人云々の話が出てきて、ああ寧音さんと黒乃さんのあのマンガ違うだろう、なバトルはそっちの領域の話だったんだな、と思ったんだけれど……なんか周辺魔人がたくさん出てくるようになってもやっぱり寧音さんと黒乃さんのあの能力バトルだけ別格なんですけど。世界観違うんですけどw
自分のそれまでの生き方を捻じ曲げ、その後の生き様をも決定づけ、願いが叶わなくなってなおも諦められずに追い続ける。寧音さんの黒乃校長への憧れという名を借りたベタボレっぷりは、なんかここまで来るとときめきすら感じるなあ。
好きすぎる、と言えば多々良ちゃんのステラ大好きは、微笑ましすぎてなんかたまらんですよ。不安要素のある黒騎士を事前に闇討ちしようとしていた、とかステラのこと心配しすぎでしょうに。
黒騎士の裏切りは「え? なにそれ!?」としか言えない展開なんだけれど、オルゴールの方はこれ本当に想定していなかったんだろうか。想定していなかったら、わりと為す術なくあのままだと負けてたような気もするのだけれど。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開! ★★★★   



【ラストエンブリオ 5.集結の時、暴走再開!】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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「私は久遠飛鳥。箱庭に召還された異邦人の一人です」
アトランティス大陸の謎に挑んでいた鈴華は、その道中で久遠飛鳥、アルマテイアと出会う。意気投合する3人の前に、今度は「ラミア」と名乗る吸血鬼の少女が現れて!?
一方、十六夜の前には、春日部耀、そして飛鳥達が現れ、遂に「問題児たち」が集結する。しかし、懐かしむ間もなく、クリシュナと更なる怪物が彼らを襲撃し――
「極相の星剣、原典候補者、生命の大樹……そういう事か! 貴様らが、ミリオン・クラウンというわけか!!」
十六夜が親友について語る短編も同時収録。過去と現在が交錯する第5巻!!

ああ、やっぱりこの三人が揃うとイイなあ。十六夜にとって仲間や対等な存在、同格に近い協力者というのは今となってはたくさんいるんだけれど、その中で耀と飛鳥はまたなんか違う、特別なんですよね。なんなんでしょうね、この三人の関係って。まるっとひっくるめて「家族」と囲ってみてもいいのですけれど、家族扱いなら他にもいるでしょうし。同志にして好敵手、兄弟……とはまた違うか。それぞれにまた姉妹・兄弟はいますからね。
男女の仲を越えた本当に何とも表現し難く、しかし揺るがし難い不抜の絆で結ばれた三人。この三人が揃うとやっぱり雰囲気からガラッと変わります。一人でも果てしなく強い十六夜だけれど、でも彼だけだとどこからしくなかった、とも言えるんですよね。ほんとうの意味で背中を預けられる相手が、耀と飛鳥であるのかしら。
どこか燻っていた十六夜と違って、階層支配者としてメキメキと力とリーダーとしての諸々を備え始めている耀に、コミュニティの長としてこちらも成長を遂げていた飛鳥。飛鳥の方は何をしていたんかわからんけれど、あっちこっちでまた途方もない人脈を築いていたようで。なんか帰ってきたら超抜的な武器持ってるんですけど。RPGでいうと宝箱とかイベントでしか入手できない最強武具をどこかでもらってきたみたいな。
決して身体能力が超人化しているというわけではなく、肝心の武具を扱う腕前が他所様から「ぼ、凡庸」と呆れられてしまうのですから、そこらへんは飛鳥さまらしいというかなんというか。ただ、彼女の強みはその直接的な力とかじゃないのは、当初からわかっていたことですから、存分に自分の長所を伸ばしている、とも言えるんですよね。その凡庸な刀術で問題なく試練をくぐり抜けているのですから。
クリシュナの方はその正体を含めて引っ張るのかと思いましたけれど、思いの外早くというか取って返す勢いで再戦が行われて、彼の正体が引き出されることに。
またぞろ、ごっついのが出てきたけれど、逆に言うと正体見たりということで露見してしまえばどうとでも出来るんですよね。未知こそが恐ろしく、ぶん殴れるならなんともでなるとも言える。少なくとも、人類最終試練たるアジ・ダハーカ様のあの絶望感に比べれば。
それはそれとして、彩鳥ですよ。飛鳥の気配察知するやコソコソと逃げちゃって。これがあのフェイスレスだったかと想うとなんとも情けないというか。ラストエンブリオに入ってからいいとこなしだなあ。

印象的だったのは、やはり後半の番外編ふたつ。金糸雀とレティシアの出会いであり、吸血鬼一族が迎えた地獄の顛末の模様であり、十六夜とその親友となったIshiとの出会いと別れ。十六夜が世界の素晴らしさを教えてもらったエピソードである。
そのどちらにも金糸雀が絡んでいる。絶望の閉塞世界を突破して現れたかの少女は、正しく世界の救世主だったのだろう。ディストピアを打ち破った英雄は、その後も絶望する人々に打ち克つ希望を当て続けたのだ、と思えばその偉業には心打たれるものがある。
さらっと語られた斉天大聖孫悟空に生まれながらに与えられた運命と、その運命に異を唱え天に逆らったかの盟友たちの戦争についても、なかなか衝撃的な話でありました。ってか、孫悟空ってそんな破滅の運命背負ってたのか。生まれながらに存在が許されぬが故に監禁した天帝の意図も、決して意味のないものではなかった、というのもわかるんだけれど、それでも悟空……彼女の尊厳を守るために立ち上がった魔王たち、というのがやっぱり格好いいですわ。七天魔王のうち中華系が三人しかいなかった、というのも驚きだけれど。そういえば迦陵ちゃんの迦楼羅ってばインド系になるのか。
しかし、斉天大聖がこれだけキーパーソンだった、となると彼女の沈黙とちらっと登場した時の意味深な発言にもいろいろと思惑が生じてくる。
ともあれ、酔っ払ったとはいえ十六夜の膝枕でだらしなく眠る耀と飛鳥の甘えっぷりにほんわかする一幕でもありました。これ、彼女ら二人肩肘張って十六夜に追いつこうとしている頃だったらこんな風に出来なかったんじゃないかな、と思えばこうやって彼に甘えることができてるというのは二人の成長と自信の現れなんだな、とも考えられるんですよねえ。
次回は、本格的に彼女ら二人の本領発揮を見たいところであります。

シリーズ感想

浅草鬼嫁日記 五 あやかし夫婦は眷属たちに愛を歌う。 ★★★★   



【浅草鬼嫁日記 五 あやかし夫婦は眷属たちに愛を歌う。】 友麻碧/あやとき 富士見L文庫 

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人とあやかしが共に生きる町、浅草で暮らす茨木真紀は、前世で鬼の姫“茨木童子”だった記憶を持つ女子高生。鬼的には節分の、女子的にはバレンタインの季節を迎え、元“酒呑童子”の天酒馨や、前世で眷属だったあやかしの水連や深影たちのため、恒例のチョコ作りに奮闘する!深影のお使いや、水連の薬開発、熊虎姉弟の漫画を手伝いながら、今世でも家族のように助け合う真紀たち。そんな折、浅草を守る七福神に異変が起きたようで…?「最強の鬼嫁夫婦」と眷属たちの輝かしい日々がここに!

劇的な展開なく、お付き合いをはじめてしまったご夫婦。いやうん、本人たちも傍から見ている周りの人たちも読んでるこっちも既に「夫婦」という認識しかないカップルだけに、凄まじいまでの今更感……いや、今更というよりもなんなんでしょうね、これ。
実際に結婚しているわけではない以上、真紀ちゃんと馨の関係は彼らのことをよく知らない人たちからするとどういう関係なの?と聞かれるとどうにも名前のつけられない関係ではあったんですよね。夫婦です、なんて言えるもんでもないですし。
しかし、今更恋人です、というのも気恥ずかしいというわけでもないんだけれど、なんか違うのである。違和感があるわけじゃないんですよね。夫婦から恋人に「後戻り」しているというわけでもない。ただ、そぐわないというかなんというか。
でも、まだ夫婦じゃない以上、その前の関係というのを改めて今世では嗜んでみましょう、という二人の気持ちもよくわかるんだなあ。そのために劇的な展開があるわけじゃなく、自然に付き合おうぜという風に馴染むのも自然体な二人らしいし、恋人になったからといって無理して特別なことをするわけでもなく、今までどおりの距離感にちょっとした甘酸っぱさを添えつけたような幸せのエッセンスが、本当に二人らしくてなんとも素敵なんである。
生まれ変わって再び巡り合った運命の二人は、今人として生きて、一方でアヤカシたちも見守るかつての大妖怪としての振る舞いも忘れず、つまりは今彼らは幸せなんである。
悲劇的な結末を迎えた二人が、今幸せな時間を二人で過ごしている。それを見守っている彼らの眷属たちの感慨はいかばかりなんだろう。
再び転生するかもわからない主をずっと待ち続けた虚ろの日々。それは眷属たちの心を少なからず傷つけて、その傷は未だ癒えきったわけではないのは、スイをはじめとした眷属たちのどこか必死さが垣間見える主人たちとの接し方を見ても伺えるんですよね。
でも、一方で今世の幸せな主夫婦の姿に、そしてかつて以上に自分たちを慈しんでくれる彼らの愛情に、今眷属たちはこの上なく報われているのでしょう。凛音は悲劇で終わった過去に未だこだわっているけれど、その過去にしがみついて今の真紀ちゃんたちの幸せを壊してしまおうなんて不出来な真似は絶対にもうしないでしょうし。
奇跡のような再会がなった茨姫と酒呑童子。そんな二人に再び寄り添えた眷属たち。でも、生まれ変わった鬼夫婦は今は人間で、だからそう遠くない未来に彼らは再び老いて眷属たちの前から去っていく。それを、スイたちは忘れていなくて、時折胸をかきむしるような切なさに苛まれている。今が幸せだからこそ、未来を想うことが苦しい。
でも、同時にそれを受け入れてもいるんですよね、彼らは。いや、未だ子供な深影なんかは難しいのかもしれないけれど、スイなんかはそれをちゃんと受け入れている。悲劇で終わってしまったかつての別れは、後悔と痛みと苦しみばかりが残されたものだったかもしれないけれど、真紀ちゃんたちが今度はずっと幸せなままその第二の人生を終えることが出来たなら。
眷属たちにとって、今度の別れはどれほど寂しくても微笑んで送ることが出来るだろうか。身を引き裂かれるような痛みではなく、温かい思いで去っていった人たちを振り返ることが出来るようになるだろうか。
スイがずっと味わってきたという、真紀ちゃんたちと再会するまでの時間を想うと、切に考えてしまうんですよね。真紀ちゃんたちの幸せが、彼ら眷属を終まで幸せを抱くための大切な記憶に、思い出になってくれるように、と。
だから、残されたまだ出会ってない眷属の木羅々ちゃんと真紀ちゃんをちゃんと再会させてあげたいし、このまま真紀ちゃんと馨には幸せになってほしい。彼らの幸せは、彼らだけの幸せには留まらないんだ、というのをじんわりと実感できる、二人の夫婦を取り巻く「家族」のお話でした。

新たに清明の式神に新入社員よろしく加入した由里があっちはあっちで大変そうですけど。大変というか、向こうの古くからの式神である四神たちとの距離感をどうとろう、とお互い戸惑って微妙な空気になってる感が、なんともかんとも……微苦笑が浮かんできてしまう。
ラインかなんかわからないけど、メッセージアプリで式神同士やりとりしてるのが現代的であるけど、先生全員に携帯もたせてるのか、甲斐性あるなあ。ってか、術とかじゃなくて、普通に携帯で連絡取り合ってるのね、あの主従w

しかし、狩人側に出てきた「ライ」というのは誰なんでしょうね。雷獣かなんかかと思ったら、なにやら妖ではないみたいだし、かと言って人間でもないみたい、となると真紀ちゃんたちみたいな?
大和組長もなにやら抱えているようですし。ってか、組長実は凄い力を秘めてるというか封印されてる系の人だったのか。この人も何気に1シリーズの主人公張れそうなポテンシャルの持ち主なんだよなあ。

シリーズ感想

星系出雲の兵站 1 ★★★★   



【星系出雲の兵站 1】 林 譲治 ハヤカワ文庫JA

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人類の播種船により植民された五星系文明。辺境の壱岐星系で人類外の産物らしき無人衛星が発見された。非常事態に出雲星系を根拠地とするコンソーシアム艦隊は、参謀本部の水神魁吾、軍務局の火伏礼二両大佐の壱岐派遣を決定、内政介入を企図する。壱岐政府筆頭執政官のタオ迫水はそれに対抗し、主権確保に奔走する。双方の政治的・軍事的思惑が入り乱れるなか、衛星の正体が判明する―新ミリタリーSFシリーズ開幕。
異星人そう来たかー! 徹底して異星人側が人類サイドに情報を漏らさないように立ち回っている段階から、幾つかのパターン想定はしていたんですよね。
舞台となる五星系文明が地球からの播種船(厳密には移民船とは異なっている)によって植民され、故郷である地球はもはや伝説の彼方にあり、時間的にも数千年隔たっていることからも、ね。最初に発見された人類外の制作物であるだろう無人衛星の構造や材質が、人類が解析でき理解できる範疇であった、というのも大きな要素の一つでしたし。

「英雄の誕生は、兵站の失敗に過ぎない」

このキャッチコピーやそもそもタイトルからして【星系出雲の兵站】である。異星人との宇宙間戦争巨編という本格ミリタリーSFでありながら、そのアプローチは「兵站(Logistics)」というあたりが、林譲治先生の面目躍如というべきか。
そもそも兵站とはなんぞや、というところから大方の人は戸惑ってしまうでしょうし、その定義づけにしても実のところ統一された見解というのは定まっていないんじゃないだろうか。どこまでを兵站の範疇に含めるのか。単純に輸送供給の問題じゃないんですよね。ことは生産体制の確立といったところまで及んでしまう。作中におけるコンソーシアム艦隊による壱岐星系への内政介入もまた、権力争いという俗な話ではなく、徹底した兵站の確保にあるんですよね。異星人……ここではガイナスと名付けられた未知の人類外存在の浸透侵攻に対抗するための確固として万全たる体制の確保のためには、統制された兵站計画が必要になり、そのためには壱岐政府の政体制と協議を進めながらそれを整えていくのは非合理ですらある。のだけれど、それを艦隊側で軍事的圧力でどうこうしたら政治的混乱がとてつもないことになって、結局生産体制の方はむちゃくちゃになるし、そもそも五星系間での政経のことを考えるとただただ合理的な計画で物事を進めるわけにはいかないし、壱岐政府側からすると異星人ガイナスもコンソーシアム艦隊も混乱をもたらす侵略者という意味ではイコールになってしまう。壱岐政府側も超有能なタオ執政官という逸材の辣腕によって、政治的アドバンテージを離さない。
幸いにして、有能な政治家や軍官僚の駆け引きや交渉はただの足の引っ張り合いの泥沼な状況を引き起こすものではなく、お互いに必要なもの、最低限譲れないものを尊重した上で共有できる価値観や欲するべき成果、結果、目的をすり合わせていって妥協点や落とし所を見事に作り上げていくものなんですよね。
艦隊側の鍵を握ることになる兵站監の火伏にしても、タオ迫水にしても非常にロジカルで私欲のない人物なので、事実上政治的には敵対している一方でしっかり意思の疎通、目的の共有みたいなものは出来ているので、その意味では安心できる。
いきなり壱岐の大規模な生産工場に降下猟兵投入して制圧した際はどうなることかと思ったけれど、それすらもお互いの能力の確認と意図の探り合い、妥協点やお互いに掴んでいる情報のすり合わせのキーポイントになっているわけで、この一事だけ見ても兵站の確立という直接的な面への成果のみならず、今後の壱岐の政体の行方を決定するターニングポイントにもなってるんですよね。
単に生産工場を乗っ取ったのではなく、非合理な運営で生産能力を50%も発揮できていない工場の能力を、体制の改善で生産力を確保するように展開してるあたりが、この作者さんらしいというべきか。
ガイナスとの直接戦闘、そしてその正体が明らかになってく降下猟兵による強襲威力偵察の戦闘シーンも面白かったのだけれど、白眉たるのはやはりキャッチコピーである「英雄の誕生は兵站の失敗に過ぎない」この言葉を、その意味とともに痛烈に語る火伏兵站監のシーンでしょう。
この人、決して英雄そのものを否定してるわけでもないんですよね。一連の戦闘で活躍した降下猟兵の隊長や隊員の能力や判断、決断、冷静な戦闘後の分析、その特筆すべき資質を絶賛すらしている。
だからこそ、彼らを英雄にしてしまったことへの回り回って訪れるであろうしっぺ返しの予測が、耳に痛いんですよね。それをちゃんと聞く水神司令官とは、確かにいいコンビでありお互い認める通りの親友なんだと思いますよ、これ。
相変わらずの、ちょっとクスッとなるような登場人物同士のやり取りが良いエッセンスにもなっているんじゃないでしょうか。精鋭たる降下猟兵たちの締めるところは締めつつ、どこかとぼけたところのある掛け合いも好きでした。シャロン中隊長、マッチョな女隊長ってだけじゃない可愛らしいところあって、いいですよね。ってか、マイア兵曹長、それはラムだけじゃなくてこっちも聞きたいです。で、どうだったんだ?

とかまあ、ほんわかしたところで、火伏と水神とのあの暗澹たる会話があり、トドメにラストのあれである。そう来たかー、と最後の最後に強烈なのを喰らいましたよ。ガイナスの姿が実際に描写されたことで思考の方向が一定方向に固定されたところでもあっただけに、尚更に。
まだことは始まったばかり。二巻がどう転がっていくのか、楽しみにならざるを得ない引きでありました。久々に、林先生としてはSFでの大作になりそうで、ほんと楽しみです。

林譲治作品感想

僕は君に爆弾を仕掛けたい。 ★★★☆  



【僕は君に爆弾を仕掛けたい。】  高木 敦史/ 遠坂 あさぎ  角川スニーカー文庫

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小手毬さんはとても可愛い。でもそれは見た目だけ。本性は身勝手で強引で偉そうで、ホントにろくでもない。僕の敵、だったのに。よりにもよって彼女が僕の仕掛けた爆弾を見つけるものだから、さぁ困った。きっとものすごく面倒くさいことを言い出すぞ。「犯人を引きずり出せるかどうか、賭けをしない?私が勝ったら笹子くん、キミ私の下僕になること!」…ほらね。そのまま二人仲良く、文化祭を控えた学内で起こる怪事件に次々巻き込まれるハメに―。かまってほしい彼女と彼の、学園謎解きラブコメディ。

全裸男だけ特に意味わからんかったんだけれど、あいついったいなんなのー!? 正体不明のままスルーされてしまって、すごい気になるんだけれど。あんなのが深夜に徘徊している中学校って、かなり怖いんですけど!
まあその人は特別にアレだったのだけれど、その他の人々も相当にアレというかそれ越えちゃダメよ、というラインを越えてしまってる気がするんですよね。大丈夫なの、これ!?
少なくとも、これ高校生になってやってたらアウトだよね、という行状がチラホラと。いや、中学生でもやっぱりアウトだと思わないでもないのだけれど、「やらかし」に対するハードルの低さというか自覚のなさ?というものがどうにも中学生らしくて、一旦途中で「あれ? これ高校が舞台じゃなくて中学が舞台なんだよね?」と見返して、頷いてみたりしたのであります。わざわざ中学生たちを主人公にしたのも納得というかなんというか。
……若干名、大人のくせに何やらかしてんだ、という人もいますけれど。あんたそれ、普通に警察沙汰ですからね!? まあ中学生でも子供でもそれはあかんやろう、というのも幾つかあるんですけれど、一方で学校自体が問題を積極的に隠蔽しますよ、という体質になっちゃっているのを子供たちもかなり確信的なのか具体的に把握しているので、それを見越してラインひょいひょい超えちゃってる部分もあるんですよね。
この学校、なんかもう相当にひどいことになってるんじゃないだろうか。だろうか、って疑問形にするまでもなく、最後の小手毬の盛大な暴露の内容を見ると疑いの余地もないのですけれど。
これを、ただ笹子くんを見返してマウント取るためだけにやらかしてしまう小手毬は、もう本当にアホだろう! この子、あれだけ簡単にあれこれの事件の真相をパッと見抜くんだから地頭は相当に良いはずなんだけれど、その頭の良さの可動範囲が狭すぎて考えなしの領域が逆に広すぎるんですよね。おまけに咄嗟の機転もきかないし、予想外のことが起こるとフリーズするし、そもそも対人能力皆無だし、そのくせ性格悪いし面倒くさいし……ダメっ子極まる!!
まあ彼女に限らず、主人公の笹子くんだって小手毬に負けず劣らず頭良いのは、最後の爆弾予告の真実を見抜いたように明らかなんだけれど、開幕冒頭でなにやってんだー!と言いたくなるような考えなしの思春期の暴走、をやらかしてるのを見ると大概だし、丸瀬の酷い自爆を見せられると、頭が良いこととバカなことは反比例しないんだよなあ、としみじみと思ってしまいました。ただ、彼らの視野の狭さや思慮の浅さ、短絡さというものは、なんかこう中学生っぽいんですよね。これ、中学生に対する偏見だろうか。でも、高校生くらいにまでなると、こういうことはダメなんだ、リスクが高くてやってられない、というセーブが効く気がするんですよね。
まあ、大人のくせにまったく自制のきいてない輩もいるのですけれど。あれは本当にダメですよ、もう。
小手毬ちゃんに関しても、この子が大きくなって自制が効く姿も想像できないんですけどね。大きくなってもダメっ子はダメっ子、トラブルメーカー以外にはなり難いのです、きっと。でも、この果てしない駄目さが可愛らしくもあり、直接関わるのは極めて鬱陶しくもあり、目をつけられ絡みつかれた笹子くんはもうずっと面倒見るしかないんじゃないですかね。お世話係、お世話係。

高木 敦史作品感想

君死にたもう流星群 ★★★  



【君死にたもう流星群】 松山 剛/珈琲貴族 MF文庫J

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二〇二二年十二月十一日。それは僕が決して忘れられぬ日。その日、軌道上の全ての人工衛星が落下し、大気圏で光の粒となり消えていった。『世界一美しいテロ』と呼ばれたこの現象にはたった一人、犠牲者がいて…!引きこもりの少女・天野河星乃を救うため、高校生の平野大地は運命に抗う。「まさか読み終わる頃に自分が泣いているなんて考えもしませんでした」「切なさ、絶望、一縷の望みと試行錯誤の日々、さわりだけ読むはずが先が気になってもう止まりませんでした」「この作品を読んで僕も夢を諦めたくなくなりました」発売前から多くの人を感動に巻き込んだ『宇宙』と『夢』がテーマの感動巨編スタート!

別に立派な人物でなくても、自分を省みることの出来ない人間でも、他者の人生を良い意味で変えることは出来る。沈んでしまって身動きがとれなくなった想いを掬い上げることは出来るのだろう。
平野大地は、たとえ偶然の産物だろうと、一切の成長なく歳を重ねてしまったとしても、天野河星乃を星空の上へと導いたのは間違いない事実だったのだから。
彼女は彼によって救われて、もう一度夢を見ることが出来た。夢を叶えることが出来た。それだけは、ゆるぎのない事実なのだろう。
でも、所詮それは偶然の産物だから、二度目を意図して繰り返しても同じようには転がらない。人生に二番煎じは通じないのである。
私なんぞは人生の半分近くまで生きてしまった中年だけれど、正直もう一度人生をやり直せるとなっても、とてもじゃないけれど今より上手くやれるかなんて自信はないし、ぶっちゃけもう一度やり直すとか面倒くさくて勘弁してほしいくらいだ。
あのとき、あの選択をしたのは大失敗だったな、というのは幾つか思い浮かぶけどね。それを回避したところで、果たして思う通りに転がったかというと、ちょっとどうなんでしょうね。
結局の所、自分はさほど現状に不満を懐いていないというのも大きいのでしょう。痛烈な後悔を抱えている人は、その後悔のターニングポイントを覆すためには、なんだって出来るのかもしれない。やってのけるのかもしれない。
未来をひっくり返す、人の人生を覆すというのは簡単じゃない、とてつもない大業なのだ。それを、この大地はどうにもわかっていない。まるでわかってない、というべきか。あれほどの後悔を、痛みを、絶望を抱えながら、自分のあり方を、これまでの自分を、過去を省みることをしてこなかった、というのはほんとどういう人生なんだろう。どうして、そんなに自分の生き方に疑いを持たずに生きて行けたんだろう。彼が抱えていた悲嘆とは、なんだったんだろう。彼の悲しみは、夢半ばで潰えた星乃のためのものではなく、星乃を失った自分を憐れむものだったのではないか、とすら思えてしまう。
大地が過去に戻ったときの、あのぞっとするような無邪気さから、そんな想起が沸き起こってしまった。
人生にコスパの概念は大事だよ。それは多分、必須になるものだ。どこかで、それを意識しないと確かに踏み外してしまう危険はある。でもね、それは天秤にかけるもののはずなのだ。どこかで諦めるにしろ、妥協するにしろ、受け入れるにしろ、最初からコスパを計算して生きる人生なんて……いや、もし本当に徹底して自己管理してコストパフォーマンスを組み込んで人生設計立てるなら、それはそれで立派な生き方なんだと思う。それを貫くというのは多大な意志を必要とするだろうし、余分なことに目を向けない必死さが必要になる。それは、大変な生き様なのだ。覚悟した生き方だ。
でも、彼の場合はコスパを言い訳にしているだけで、なんらコストパフォーマンスなんて考えていない。なにもしようとしないなら、そう自負すればいい。そういいう生き方だってあるだろう。
楽に生きる、楽な道を選ぶというのは、間違っちゃいないと思う。それもまた、きっと人間らしい生き方だ。場合によっちゃあ素晴らしい生き方になり得るケースだってあるだろう。
でも、コスパを名目にして自分も他人もごまかして、自分が正しく立派で生き方をしていると振りかざし、そんな自分を疑いもせず、他者を見下すその在り方は、正直虫唾が走った。
なんてコストパフォーマンスの悪い、ろくでもない生き方をしているんだろう。
でも、そんな生き方をしていた大地に、救われた人が何人も居たのもまた事実なのである。星乃だけじゃない。クズと化した大地と最後まで友達で居てくれた二人。真里亞と葉月の母子。彼らにもまた、その人生の中で大地との交流によってより素晴らしい道へと踏み出すきっかけがあったのである。
自分はこの大地のこと、どうしても好きになれなかったのだけれど、一度は自分の残された交友関係、寄せられた想いすら切り捨てて、過去へと戻ってしまったのだけれど、それでも自分との関係を大切に思ってくれた人たちのために、必死に頑張ろうとしたところだけは認めたい。こんな男のために力を尽くし真摯に向き合ってくれる伊万里たちの人格にこそ敬意を評したいところだけれど、まあ過去の学生時代の段階では大地の存在は彼らにとって、とても大事で慕うに足るものがあったわけだからなあ。遅まきながらとはいえ、そんな彼らの信頼に気づくことが出来たというだけでも、悪くない、悪くはないんだ、うん。
正直、好いた相手の断末魔の生中継を、リアルタイムじゃなくあの人生行き詰まった段階で見せつけられた大地の精神状態には同情を禁じ得ないのだけれど。
ぶっちゃけ本番はここから、になるんだろうけれど、個人的には伊万里どうするんだよ、というところなんですよね。色々あったとはいえ、彼女たちは幸せになってたんでしょうし。それをひっくり返しちゃったんだもんなあ。ケジメはつけれるんだろうか。ケジメといえば、葉月のことも。

松山剛作品感想

ラストエンブリオ 4.王の帰還 ★★★★   



【ラストエンブリオ 4.王の帰還】 竜ノ湖太郎/ももこ 角川スニーカー文庫

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人類の未来に“退廃の風”が吹き始める――。シリーズ待望の最新刊!!

いよいよアトランティス大陸に到着した焔たち。白夜王と黒ウサギによって新たなゲームルールが説明されるが、彩鳥はかつてのように戦えない自分の不甲斐なさに不安を隠しきれなかった。一方、廃滅者パラシュラーマとの死闘の果てに、十六夜は再び箱庭に帰還する。どうにか焔と合流する十六夜だったが、そこに“ウロボロス”の刺客が現れ!? やがて告げられる衝撃の事実。焔と十六夜の運命が決する時、再び“絶対悪”の御旗が揺れる!
これは無理ー! 人類史消滅のお知らせー! これはあかんわ、人理焼却とかポールシフトよりもこう、ダイレクトにダメかも知らん地球。むしろ、ここから地球を守る手段があることの方が信じられない。まさに神の配剤である。実際には、神はそういう関与の仕方はしていないのだけれど。むしろ、既にあった材料を無理矢理にでも手繰り寄せて実現させようとしてるんだよなあ、これ。
そうか、それが「理由」だったのか。
ウロボロス側のなんか、人材というか所属している人たちの思想や属性というのがものの見事に雑多でまとまりがないに等しいにも関わらず、肝心の「目的」に関してはどうにも一致団結というわけじゃないけれど、ブレなく目指しているっぽい様子がどうにも不思議だったんですよね。どう考えても、かつてのカナリアや今の十六夜たちを裏切って向こうにつくとは思えない人たちまで加わっていたわけですしね。ジン・ラッセルくらいだとなんやかんやと思惑抱えて動いてそうなんだけれど、そういう裏表のなさそうな人たちまであっちに居るケースもあったもんなあ。

でも、これが「理由」だとしたら、どれほど後悔し苦しむことになろうと、大事な人たちを裏切ってでも、その選択をしようという人たちも出てくるわなあ。
でもそれは「悪」なのである。
許されざる悪なのだ。それを選択することは、人類が悪そのものへと染め上げられることになる。再び人類は現在を抱えることになる。
それを人類が選択しようとしているのを、そりゃ人類の正義を誰よりも信じているからこそ「絶対悪」の御旗を掲げたあの方がそれを許せるはずがないわなあ。
しかしそうかー、焔がその対象だったというのも、閣下の在りようと焔が行うはずだった未来の罪を説明されたらなるほど、と思わざるを得ないんですよね。まさにその在りようは重なっているのか。
どうもウロボロスの側でも、なんか妙な動きをしている連中がいるようで、世界の危機を救うためというお題目とは別の目的で動いているっぽいんだよなあ。ってか、露骨に退廃の風とか匂わせてるんだけどそのままなのもしかして? 
ともあれ、世界を救う手段そのものは提示されたものの、どう見てもそれって無理ゲーなわけで、なにをどうやったらこれ実現できるんだ? 少なくとも、現在の十六夜と焔の持っている能力と伝手だけじゃ絶対無理なんだよなあ。箱庭世界に来たことじゃなく、そこで出会う人たち、違う時間軸の人たちとの出会いこそが重要だったのか?
なんかさらっと、今まで伏せられ続けていたノーネームの前身である滅びたコミュニティーの真名までさらっと明らかにされちゃいましたし。あれって、名前が喪われたことが本当に重要で、だからこそ今の今まで絶対に誰もその名前を口にしなかったのに……その名前を言っちゃったってもしかして本当にヤバイことなんじゃないだろうか。
十六夜の原点、生涯の親友との出会いと別れの話によって、このぶっ飛んだ男の類まれなる理性と価値観の根源を目の当たりにしたわけですけれど……やっぱり凄い男だよなあ、こいつ。アジ・ダハーカ閣下の目は決して曇ってはいないと思う。力を振るうその方向性が実に極まって格好いいんですよね。その意味では、かの大英傑ヘラクレスもまた見事な格好良さで、もう思い描くべき英雄ってこういうのですよね。
世界を救うための大きな正義ではなく、か弱い助けを求める声に応えるその姿にこそ、震えるような熱さを感じるのである。打ち勝つべき困難とは、きっと理不尽というものなのだ。十六夜は、まさにその理不尽と戦うために、そこに宿った力を奮っていた。その極限が今ここに試されている。
色々とバックグラウンドが明らかになって、ようやくすっきりとしてきた。一方で障害となるあれこれの高さが成層圏貫いていて、これほんとどうすんの!?という有様なのだけれど、いい加減十六夜くんだけではイッパイイッパイになってきたので、次で他の問題児たちとも合流するんですよね? やはり三人揃ってないと、こういう絶対無理の壁はダイナミックにぶっ壊せない気がするのであるが故に。

シリーズ感想

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 ★★★☆  



【ひげを剃る。そして女子高生を拾う。】 しめさば/ぶーた 角川スニーカー文庫

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5年片想いした相手にバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道、路上に蹲る女子高生を見つけて――「ヤらせてあげるから泊めて」「そういうことを冗談でも言うんじゃねえ」「じゃあ、タダで泊めて」なし崩し的に始まった、少女・沙優との同居生活。『おはよう』『味噌汁美味しい?』『遅ぉいぃぃぃぃぃ』『元気出た?』『一緒に寝よ』『……早く帰って来て』家出JKと26歳サラリーマン。微妙な距離の二人が紡ぐ、日常ラブコメディ。
むぉう、こういう話だったのか。もっと甘酸っぱくて擽られるようなラブストーリーかと思ってたんだけれど、そういうのじゃなくて……なんだろうね、一種の切実さを感じさせるものだった。
これは沙優だけじゃなくて、吉田くんも後輩の三島ちゃんも居場所を持たない人たちなんだろう。だからといって、自分の居ていい場所を探し求めている、というわけじゃなかったんだろうけれど、巡り合ってしまえば自分の中にあった虚を感じずに居られないのだ。それを埋めてくれる存在に気づいてしまったなら、寂しさを自覚することになってしまう。
吉田くんなんてあれ、ホームを持たない人だったんですよね。自宅なんて、帰って寝るだけの場所でパーソナル……私的な空間を持たないというか必要としないというか。だからこそ、あんな風に沙優を拾えて自分の生活空間の中に放り込んでも何の息苦しさも感じなかったんだろうし、自分の空間の中に、パーソナルスペースに他人が存在するようになって、はじめて帰るべきホームを意識するようになったというかなんというか。
沙優が家出少女だけれど、決して自分勝手な娘ではなく、真面目で働き者な娘だった、というのも大きいのだろうけれど。存在自体が不快をもたらすものなら、いくら他者の存在に揺るがされないとしても我慢できなくなるだろうし。我慢どころか、ただ居てくれるだけで安らぎを感じるようになった、というのはそれだけ自覚なき寂しさを内包していたのか、私的空間を必要としていなかったくせに人恋しいタイプだったのか。
いやうーん、ちょっと吉田くんが沙優との生活に安らぎとか居てくれるとなんか嬉しい、みたいな感情を抱くことに唐突感というか、いつの間にかいきなりそうなってたことに「んん?」と感じる部分があったのも確かなんですけどね。自然とそういう感情や感覚が芽生えていった、というよりも事前に用意されていた脚本通りに進んでいる、という人工的な感触がしたというかなんというか。
ラスト近辺で三島ちゃんが唐突に初対面の少女に語り始めたときもそうだったんだけれど、なんか微妙にキャラクターの心持ちに任せた話の流れじゃなくて、作者の操作によって促された感のある行動や発言に感じる場面がたびたびあって、よく出来た話だなあと楽しみつつものめり込むには至らなかった、というべきか。
ただ、沙優の切羽詰まった心持ちから吉田くんという存在に救われてようやく自分の居ていい場所、自分を守ってくれる人に出会って、だからこそその人と何の繋がりも持っていなくて、彼の厚意だけがよすがであり、彼の意志ひとつでそれが喪われてしまう、という恐怖感を抱くまでの感情の動きなんかは、自然と湧き上がった情動としてのみずみずしさが感じられて、迫真でもあり、やはり彼女の存在こそがこの作品の肝なんだなあ、と思ったり。
吉田くんと出会うまで、見知らぬ男の家を渡り歩いていた際に実際に体を売っていた、というあたりなんか逃げずに攻めたバックグラウンドを敷いてきたな、と感心もしました。沙優のような本来なら品行方正に生きていただろう娘が、こういう生き方、逃げ方をしなければならないほどに追い詰められ、自棄になり、逃げ出さないといけなかった状況がよほどのものだったと伺えますし、そんな生活で彼女がどれほど傷ついていたのか、それがこの吉田くんとの生活でどれほど救われたか、それがより迫真を以って伝わってくる要素になってるんですよね。だからこそ、それが喪われる想像が生まれ、可能性が見えた時に沙優が取り乱したのもよくわかるんです。彼女の、切実さがとても伝わってくる。
吉田くんが本当に年配のおっさんではなく、二十代後半の若者だったというのも面白い要素だったんだろうなあ。いや、おっさんと女子高生でもそれはそれで面白い話になるんだろうけれど、多分物語のコンセプトというか方向性がまた違ったものになってたでしょうし、吉田くんが大人ではあってもどこか子供っぽさというか向こう見ずさというか、良い意味での物分りの悪さというか、そういうものをまだ持っている若者であったからこそ、天秤が釣り合った部分があると思うんですよね、少女である沙優と。そういう意味での面白さがあったんだなあ、と。
しかし、沙優は普段どういうふうに時間潰してるんだろう。なんか、沙優と出会うまえの吉田くんの生活空間もなにしてたんだろう、という場所と時間だったし、こういう何もしない時間、何もない空間というものに馴染みがない人間なんで、いまいち想像できなかった部分でも在りました。だから、人恋しくなるんですかねえ。


アルビレオ・スクランブル ★★★☆   



【アルビレオ・スクランブル】 宇枝 聖/白兎うゆ 電撃文庫

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そうして世界は救われた。だが友よ、君の戦いはまだ、終わっていない―。
人類とは相容れぬ極限環境に生じた、現生生物全ての天敵=「極限生物」との「戦役」を脱した世界。人類の英雄たる元・少年パイロット、若松疾風は…戦後あっさり引退して、対極限生物機関の食堂付き料理人に収まっていた。乗り越え切れぬ傷を抱え、それでも笑顔を取り戻した彼を、しかし世界は放ってはおかない。再来する新種の「極限生物」。新たな才能を示す、まだポンコツのパイロット候補生たち。そして何より、彼の引退を笑って見送り、最前線で戦い続ける愛すべき人。すべての状況が、彼の帰還を、待っている。傷を抱えた英雄がそれでも立ち上がるとき、全ての戦況は覆る―!?それは、伝説の続きを描くロボット・アクション。

大人の関係だー!
若松疾風と霞目吹雪の関係はもう何年も続いている恋人のもので、二人とも既にいい大人なものですから普通に同棲していらっしゃる。彼らが恋人になるまでの紆余曲折はいわゆる先の大戦までであらかた済んでいるようで、恋愛関係としてこれもうほぼ完成してるんですよね。今更揺らぐような不協和音はどこにも見当たらないし、成熟はしていても停滞はしていないのでなんていうんだろう、しっとりとした甘やかさで安定しているとでもいうのか。
こうなると、ぶっちゃけ余計な茶々が入る余地もないですね。垂井一美と刈巣まりえというなかなか愉快なポンコツパイロット候補者コンビと、疾風は関わることになるのですが見事なくらい教官役と生徒たちの関係に終始していて、これこの娘たちヒロインではないよなあ。
むしろ、このポンコツコンビは話の中ではもうひとりの主人公コンビ、という感じで作中の芯を担ってるんですよね。先の大戦の英雄であった吹雪と疾風は、吹雪の方は現役で現在もトップパイロットなんだけれど、どちらかというと話の外郭から大事なところを支えているような感じで、作品の中心というにはちと微妙なんだよなあ。
それは、ほぼほぼメインの視点で進むポンコツコンビも同様で、飛躍的にスキルアップはしているのだけれど、彼女らが所詮パイロット「候補生」というのは変わらず、ラスト近辺のかなり切羽詰った状況になっても、アル意味そんな戦力化できてない戦力を……投入せざるをえないことになっているだけで泥縄ではあるんだけれど、彼女らがメインになっていないという意味においては健全でも在り、話の盛り上がりの中心を担えてないという意味においては、主役としては少々役者不足でもある。
肝心の疾風は、英雄の復活、という要素はあるものの……うん、肝心の疾風の現役時代、吹雪たちが決戦に挑んだ先の大戦の情報がちょっと必要量足りてない感じなんですよね。だから、過去の英雄として今の人たちが色々な表情で語ってくれはするものの、いまいち実像が見えてこないせいか実感が伴わないんだよなあ。情報がつまみ食い状態になってて、抜けもたくさんあるものだから、過去の英雄の復活という盛り上がり要素に対する「溜め」が足りなくなってしまってて、ちょっとうーん、というところ。原型機云々の話も乏しいし、そこで喪われたものに対する疾風たちの感情についても概容ばかりが語られて、ツッコんだ部分が少ないから、彼らの想いというものがなかなか表層部分しか見えてこない。それらがいささかもったいなかった。
キャラクターの描き方や関係の描写、世界観や極限生物の設定、軍の即応体制の描き方とか現用兵器を扱う現役軍人たちの活躍など、一つ一つの要素は非常に味があって面白く、引き込まれるものがあたんだけれど、それらを総合的に一つの物語へと組み立てていくことに焦点みたいなものが生じなかったせいか、どこか全体的にふんわりととっ散らかって印象が薄らいでしまった感があります。
整理してキュッと絞って艶出ししたら見違えそうなんだけれどなあ。
なんか、ついつい問題点ばかり挙げてしまったんですが、そういう部分がついつい気になってしまうほどに「面白かった」んですよ。正直、あとちょっと噛み合わせがよかったらめちゃくちゃ面白くなりそうな気配というか雰囲気というか、感触がどこを見てもどこを読んでも敷き詰められていたようなものでして、あとこういうとっ散らかったところって書き続けていくと自然と整っていくところでもあるだけに、次回への期待感はかなりのものなんですよね。
二巻では、そのあたり真価を期待したいところであります。

この素晴らしい世界に祝福を! 15.邪教シンドローム ★★★★☆   



【この素晴らしい世界に祝福を! 15.邪教シンドローム】 暁なつめ/三嶋 くろね 角川スニーカー文庫

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正体とこれからやる事を口外しない。と、魔王軍幹部セレナから身の安全と引き換えに取引をしてしまったカズマ。これがきっかけでアクセルの街は大きく変化する。ギルドの酒を水に変えてしまい、屋敷でアクアが謹慎している間、プリーストとして街の冒険者達を癒しまくったセレナ。おかげでアクアがいなくても街が回るようになり―。
「…私、この街にいらない女神ですか?」
物事を深く考えず、悩みと無縁のムードメーカー。これまで一番付き合いが長かったアクアからの衝撃の一言。持ち前の悪知恵と意地で、女神もアクセルも救い出せ!

なんだかんだと、カズマさんはアクアに甘いねえ。この話はウェブ版でも大変面白かったので覚えているのだけれど、あっちだとアクアもっと追い詰められてたんですよね。かなりガチでいらない子扱いされちゃってたんだよなあ、そう言えば。だからこそ、「私いらない女神ですか?」というセリフがアクアなのにズシンと響いて、カズマさんが本気になっちゃったわけですけれど、こっちだとアクアさんそこまでいらない子扱いされてないんですよね。ちょっと邪険にされたくらいじゃないかな。むしろ、普段の方が自業自得だけれど酷い扱いされてワンワン泣いちゃってたような気もするのだけれど。
だからか、ちょっとアクアが虐められただけでカズマさんが「おうおうウチの駄女神になにしてくれとんじゃ!」となってしまった感があって、カズマさんどれだけアクアにダダ甘なんだ、という体にw
まあカズマさん、アクアに限らず身内がシリアス方面でちょっとでも危うい局面に立たされると即座に動き出してしまうので、アクアに対してのみならず概ねダダ甘やかすタイプな気がします。
それにしても、このセレナさん。今までの魔王軍幹部も大概ひどい目にあってきましたけれど、彼女頭一つ抜けて悲惨なことになっちゃったんじゃないでしょうか。いや本当に酷いw
彼女も彼女で人間なのに魔王軍幹部やっている、という背景からして色々とその人生には物語があるはずなんだけれど、そのへん一切触れられることなく、ひたすらカズマさんの被害者担当に。徹底的に被害にあってます。これまでの人たち、なんだかんだと途中で相手が退避したり公権力が制止したり金銭面でストップが掛かったり、めぐみんやダクネスに止められて、このくらいにしてやろう、で終わったのにセレナの場合止める人が全然居なかったものだから、本当に本当に酷いことになってしまって、いやもう可哀想に……と思わず真剣につぶやいてしまったり。
いやもう本当に可哀想に。
カズマさんてあれなんですよね、敵に回すとタチが悪く味方にするとやっぱりタチが悪い、というそもそも関わること自体が悪手、という疫病神なんだよなあ。それこそ、自身が厄神的な存在でないと釣り合いが取れなくて、一方的に厄が降りかかり続けてしまうような相手といいますか。アクアもめぐみんもダクネスも、余人が関わるとほぼほぼエライ目にあってしまう厄神型ですし。
考えてみると、彼ら相手に大して迷惑らしい迷惑被ってないアイリスって、マジで凄い人材なんじゃないだろうか。エリス様ですら、度々えらい目にあってるのに。
ともあれ、カズマさんを敵に回してしまい、チクチクと嫌がらせ受けてる段階でセレナ、もう大概な目にあってたのに、本番はむしろカズマさんの洗脳に成功して味方にしてしまったときから始まってしまった、というこの顛末。いやもう何度も何度も繰り返しになってしまいますが、これは本当にもう「酷い!」。
マジ泣きしながら逃げ出さなかっただけ、セレナさん根性ありまくります。むしろ逃げてれば良かったのに、と思わないでもない。
その点、王都のクレアとレインは徹底してカズマから逃げ惑い、どうしても逃げられない時は土下座も辞さないあの徹底した態度はこうしてみるとむしろ大変賢い! わりと早い段階でその対応を選んでいるあたり、魑魅魍魎が跋扈する宮廷で仕事しているのも伊達ではないのかもしれない。
セレナの自信の根拠の一つは、あの即死魔法だったんだろうけれど……それ、一番カズマさんに効かんやつや! ってか、めっちゃ効くけれど、すぐ帰ってくるから意味ないやつや!

なんだかんだと、初心者の街に居座り続けてはや15巻。時々他の街に遊びに行ったりもしたけれど、基本的に居を移さず引きこもり続けているにも関わらず、なんだかんだと魔王軍の幹部を何人も倒したりもしてしまってるわけだけれど、いい加減知らんぷりもできなくなってきたんですよね。ってか、世界のマジピンチである。原因→カズマさん。となれば、この男、やる気はないけれど責任感なのか小心者だからなのか、こういうケースでは知らんぷりも出来ないんですよね。おまけに、アクアが勝手に動き出したとなると、結局保護者役からは目を背けられないので……背中を蹴飛ばされるようについに最終局面へと突入になるのでしょうか、これ。

シリーズ感想

常敗将軍、また敗れる 2 ★★★★☆  



【常敗将軍、また敗れる 2】  北条新九郎/伊藤宗一 HJ文庫

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「あ、やっぱりティナじゃない」
突然そう声を掛けてきたのはティナと同じフードを被った小柄な人物。ティナだけはその声に聞き覚えがあった「初めまして。私はリィス・ヴァサームント。ティナの姉です」
姫将軍であるシャルナ、傭兵団長アイザッシュと共に常敗将軍ダーカスに付き従っていたティナだったが正に最悪の人物と出会ってしまった。
同じヴァサームント一族のリィス。生まれてから一度も勝ったことの無い腹違いの姉である。『常敗将軍』ダーカスを中心に繰り広げられる一大ファンタジー戦記第2弾!

ううー、これはやはり面白いぞー。
常に敗北し続ける傭兵将軍がなぜこうも名高く、伝説のごとく扱われ、多くの信頼を寄せられているのか。前回とはまた違う形で伝説の傭兵の在り方を見せつけられる物語でありました。
前回は十年近くかけた仕込みを駆使しての大どんでん返しで事前の準備は大事というのを思い知らされる内容ではあったのだけれど、今回はそういう仕込みは一切なく、急遽頼られて駆けつけた戦だけに数少ない手札を駆使して臨機応変に対応していくことになる。
当然、状況は想定外の連続であり、予定通りに進むことは非常に少ない。ダーカスにくっついてきたティナたちは、先の戦で初陣を飾ったもののまだまだ精神面は子供のまま。ダーカスは実質子供の引率をしながら、大規模な内乱における重要な戦線を最前線の移動から担うことになってしまった一都市の防衛を任されることになってしまったわけですけれど、相変わらずというかそもそもが勝てる戦ではないんですよね。戦力差は圧倒的、そもそもダーカスがいる場所は広がっている戦線の一部に過ぎず、そこの陥落は本来なら味方の側の軍の作戦に組み込まれてしまっているのである。
もはや、勝敗は度外視。最重要視すべきは、勝ち負けではない場所なのである。だからこそ、ダーカスという男にお鉢が回ってくるのですが。
面白いのは、前回もそうだったんですけれど、ダーカスは決してわざと負けるような真似はしてないんですよね。与えられた手札を駆使して、最善を尽くそうとしている。その最善の中には「勝利」はちゃんと存在しているのである。勝つに越したことはないんですよね。もちろん、勝ってしまうとまずい場合というのも状況いかんによってはあるのかもしれないけれど、ダーカスって意外とそういうリスクの高い真似はあんまり選択してないようなんだなあ。負けるにしても、味方の被害は最小限。犠牲や被害も計算のウチ、なんていう小賢しい真似はしていないのである。許容しなくてはならないと弁えながらも、それを良しとしてはおらず、全力を尽くしているのだ。
それでも、儘ならないのだけれど。
今回なんぞはかなり裁量を任されてはいたけれど、それでもティナの暴走や領主の怖じ気などで手足を縛られたような形での戦を強いられる羽目になりましたしね。
驚くべきは、これほど苦しい状況でありながらもダーカスが、連れていた子供たちに対して「教育」を欠かさないところなのでしょう。今も活躍している高名な傭兵の中には彼の直弟子、教え子というべき者も少なからずいる、というのも納得の指導で、身内からもおそらく若死にするだろうと目されていたティナが見識を得るに至ったのも、まだまだ未熟だったアイザッシュが指揮官として一皮剥けるお膳立てを丁寧に仕立てていたのを見ると、人を育てるのが上手い人なんだなあ、と。
彼の最大の武器というのが人脈だというのは前回から伝わってきていたところなんだけれど、彼の場合有名所にツテをつくるというよりも、無名だったりまだ若かったり埋没してたりしている人物を後押ししたり支えたり育てたりすることで、そういう人材を各界の一線に立てるように後押ししてるって感じなんですよねえ。そして、請われれば助けることを惜しまないから、ダーカスに対する信頼は絶対的なものになる。ある意味素晴らしく真っ当な、そして感嘆すべき人脈作りなんだよなあ。
今回の戦いも、振り返ってみれば見事なくらいに全戦全敗。片っ端から負けまくり。どれも予定通りに行かずに思わぬ要素によって敗戦を余儀なくされる展開。全部がダーカスの手のひらの上、なんてことは全然なくて、ひたすらダーカスは負けの対処を余儀なくされるのである。
にも関わらず、終わってみれば全部負けたにも関わらず、ダーカスが最初に依頼された内容はきっちりと達成しているのである。
終わってみれば、戦争そのものがひっくり返っている。
なにこれ、どうなってるの? と、全部つぶさに見てきたにも関わらず、魔法にかけられたかのような不思議な有様に。いや、一つ一つ事象を追っていくと何も不思議なことなどないんですよね。起こるべくして起こった顛末となっている。
だからこそ、まさにマジック。これこそが、常敗将軍の伝説なのである。ダーカス自身、決して突出した英雄的なキャラクターではなく、実直で優秀だけれど飛び抜けたところのない、結構俗っぽいおっさん、的な風情なのもなんかえ?なんでこうなったの? という感覚に拍車をかけてるんでしょうねえ。
戦略的目的を達成するのに、必ずしも戦場における勝敗は絶対的な意味を持っているわけではない。勝利自体が目的なのではなく、勝利によってもたらされる内容が重要なのだ。だから、その目的達成のために勝敗以外の要素が用いられるのなら、勝利は必須ではない。敗北しようと、目的が達成されるならそれで十分なのだ、というのがとても良くわかる物語でした。
ただ、繰り返しになるけれど、そのためにダーカスはわざと敗北しているわけではないし、犠牲を最初から計算しているわけでもない。自ら最前線に立って傷だらけになり、味方の死なせず被害を出さないようにすることを身を挺して証明し続けてもいるわけだ。だからこそ、どれだけ敗北を重ねようと一緒に戦った味方の信頼は揺るがないし、部下や兵卒からは慕われる。
軍師ではなく、将軍である所以がこのへんなんでしょうなあ。うんうん、面白かった。これはどんどん続けば続くほどうなぎのぼりに面白くなりそうな期待のシリーズであります。

一巻感想

2018年10月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:40冊 うち漫画:7冊

読んだ冊数は微減なんだけれど、マンガ分が減っているので読んだラノベは増えてるヨ。
そろそろ年末なんで、今のうちから今年分のツンじゃってる傑作・名作のたぐいは今から読んでおきたいのだけれど、さてどれだけ崩していけるのか。
10月の目玉はなんといっても18年ぶりに復活のスレイヤーズ本編続きでしょう。正直黎明期の作品ですし、あれから界隈も多種多様化して年季も経ましたしどうしても古い作品になってしまったかな、面白かった記憶もおじさん特有の若い頃ゆえの美化されたものだったかな、なんて予防線を張っていたのですが、どうしてどうして、正直そんな構えていたことをごめんなさいしたくなるくらい抜群に、キレキレに面白かったです。スレイヤーズは名作!間違いない。
と、ちょうどこれに被ってしまいましたが、東京レイヴンズの方も約一年ぶりに新刊登場。一番懸念していた展開の部分を、震えるくらいガツンと見事に合致させてくれたところには感動すら覚えました。こっからまさにクライマックス。この勢いは失わないでどんどん続き出てきてほしいところです。


★★★★★(五ツ星) 1冊

東京レイヴンズ 16.[RE]incarnation】あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫(2018/10/20)

【東京レイヴンズ 16.[RE]incarnation】あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫

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前世からの運命ではなく、彼らは来世からの運命だったんだよなあ。未来から過去へと旅立った円環は今、はじまりの時へ。夜光と飛車丸の閃光のような生き様の、その先へ……繋がった!


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 2冊

スレイヤーズ 16.アテッサの邂逅】 神坂一/あらいずみるい 富士見ファンタジア文庫(2018/10/20)

【スレイヤーズ 16.アテッサの邂逅】 神坂一/あらいずみるい 富士見ファンタジア文庫

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伝説の作品が大復活。時代遅れの古臭さなど微塵も感じさせぬド級の面白さ。過去の思い出が美化されていたわけじゃなかったんだ! 懐かしのキャラ大集合で、読んでるこっちもお祭り騒ぎだったです。


★★★★(四ツ星) 7冊

魔術の流儀の血風録(ノワール・ルージュ)】 北元あきの/POKImari 講談社ラノベ文庫(2018/10/2)
インフィニット・デンドログラム 7.奇跡の盾】 海道左近/ タイキ HJ文庫(2018/5/31)
昔勇者で今は骨 3.勇者と聖邪】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫(2018/10/10)
ロード・エルメロイII世の事件簿 6.case.アトラスの契約(上)】 三田誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS(2017/10/18)
ロード・エルメロイII世の事件簿 7.case.アトラスの契約(下)】 三田 誠/坂本 みねぢ  TYPE-MOON BOOKS(2017/12/31)
女神の勇者を倒すゲスな方法 5.「そして日常へ……」】 笹木 さくま/遠坂 あさぎ ファミ通文庫(2018/7/30) 
我が驍勇にふるえよ天地 8 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫(2018/8/9)

【魔術の流儀の血風録(ノワール・ルージュ)】 北元あきの/POKImari 講談社ラノベ文庫

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【インフィニット・デンドログラム 7.奇跡の盾】 海道左近/ タイキ HJ文庫

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【昔勇者で今は骨 3.勇者と聖邪】 佐伯 庸介/白狼 電撃文庫

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 6.case.アトラスの契約(上)】 三田誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 7.case.アトラスの契約(下)】 三田 誠/坂本 みねぢ  TYPE-MOON BOOKS

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【女神の勇者を倒すゲスな方法 5.「そして日常へ……」】 笹木 さくま/遠坂 あさぎ ファミ通文庫 

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【我が驍勇にふるえよ天地 8 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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今月のピックアップ・キャラクター

有坂穂積 (魔術の流儀の血風録)
綾瀬覚馬 (魔術の流儀の血風録)
帯刀翔子 (勇者のセガレ)
ラグナル (セプテムレックス)
女神官 (ゴブリンスレイヤー)
多々良幽衣 (落第騎士の英雄譚)
レーヴェンディア (齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定)
レーコ (齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定)
ガウリィ・ガブリエフ (スレイヤーズ)
リナ=インバース (スレイヤーズ)
滝川詠見 (六道先生の原稿は順調に遅れています)
蒼宮藍葉 (恋愛至上都市の双騎士)
ネフィリア (俺のお嬢様と天使と悪魔が生徒会で修羅場ってる!)
ズェピア (ロード・エルメロイII世の事件簿)
相馬佐月 (東京レイヴンズ)
飛車丸 (東京レイヴンズ)
土御門夜光 (東京レイヴンズ)
真一 (女神の勇者を倒すゲスな方法)
凛堂鳴 (縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!!)
小野友永 (縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!!)




以下に、読書メーター読録と一言感想。続きを読む
 

8月10日

九井諒子
(ハルタコミックス)
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青木潤太朗/森山慎
(単行本コミックス)
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月夜涙/長尾件
(角川コミックス・エース)
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たかた/吉野宗助
(角川コミックス・エース)
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岡沢六十四/倉橋ユウス
(角川コミックス・エース)
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雪仁/かがちさく
(角川コミックス・エース)
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studio HEADLINE
(角川コミックス・エース)
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かたやままこと
(角川コミックス・エース)
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さわむらリョウ
(角川コミックス・エース)
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島本和彦
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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七尾ナナキ
(裏少年サンデーコミックス)
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武者サブ
(裏少年サンデーコミックス)
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丸戸史明/武者サブ
(裏少年サンデーコミックス)
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朝倉亮介
(ガンガンコミックス)
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新木伸/岸田こあら
(ガンガンコミックス)
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日之影ソラ/明日かかん
(ガンガンコミックス)
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天野ハザマ/月島さと
(ガンガンコミックスONLINE)
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椿いづみ
(ガンガンコミックスONLINE)
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丸美甘
(ガンガンコミックスONLINE)
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わるいおとこ/彭傑&奈栩
(ガンガンコミックスUP!)
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浜田よしかづ
(アクションコミックス)
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Magica Quartet/富士フジノ
(まんがタイムKRコミックス)
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牛木義隆
(まんがタイムKRコミックス)
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一七八ハチ
(ハルタコミックス)
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namo
(ハルタコミックス)
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宮本伶美
(ハルタコミックス)
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大上明久利
(ハルタコミックス)
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竹澤香介
(アース・スター コミックス)
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目黒三吉/一色孝太郎
(アース・スター コミックス)
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幾夜大黒堂/天然水珈琲
(アース・スター コミックス)
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鉄田猿児/ハム男
(アース・スター コミックス)
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咲良/ちょきんぎょ。
(アース・スター コミックス)
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深山じお/花波薫歩
(アース・スター コミックス)
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木虎こん/みわかず
(アース・スター コミックス)
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8月9日

佐藤ショウジ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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石田彩/CK
(ドラゴンコミックスエイジ)
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つむみ/愛七ひろ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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いつむ
(ドラゴンコミックスエイジ)
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奇仙
(ドラゴンコミックスエイジ)
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Bcoca/保住圭
(ドラゴンコミックスエイジ)
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山口ミコト/D.P
(ドラゴンコミックスエイジ)
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三簾真也
(KCデラックス)
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門司雪/アルト
(KCデラックス)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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石沢庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)
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シンジョウタクヤ
(KCデラックス)
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井上菜摘/未来人A
(KCデラックス)
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大前貴史/明鏡シスイ
(KCデラックス)
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外ノ/秋
(KCデラックス)
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筒井テツ/菅原こゆび
(モーニングKC)
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井上まち
(モーニングKC)
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白井三二朗
(モーニングKC)
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栗田あぐり
(モーニングKC)
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カワグチタケシ
(講談社コミックス)
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中村なん
(講談社コミックス)
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ナナシ
(講談社コミックス)
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西岡知三/鏑木カヅキ
(BLADEコミックス)
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穂高歩/しゅうきち
(BLADEコミックス)
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朱子すず/日之影ソラ
(BLADEコミックス)
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8月8日

中島豊
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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モトエ恵介/FUNA
(シリウスKC)
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加古山寿/朱月十話
(シリウスKC)
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町田とし子
(シリウスKC)
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タイジロウ/青山有
(シリウスKC)
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蒼井万里
(ワイドKC)
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品佳直/カルロ・ゼン
(バンチコミックス)
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たかとうすずのすけ/花果唯
(メテオCOMICS)
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ねこ末端
(メテオCOMICS)
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水崎弘明
(メテオCOMICS)
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8月5日

しげ・フォン・ニーダーサイタマ
(ドラゴンノベルス)
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藤浪 保
(ドラゴンノベルス)
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かずなし のなめ
(ドラゴンノベルス)
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音無砂月
(PASH!ブックス)
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月夜乃古狸
(PASH!ブックス)
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下城米雪
(PASH!ブックス)
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櫓刃鉄火
(アフタヌーンKC)
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井上堅二/吉岡公威
(アフタヌーンKC)
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吉岡公威
(アフタヌーンKC)
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イシイ渡
(アフタヌーンKC)
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新井春巻
(ヤンマガKCスペシャル)
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山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)
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藤本ケンシ/井出圭亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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植野メグル
(ヤンマガKCスペシャル)
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南勝久
(ヤンマガKCスペシャル)
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筧千里/堂島ノリオ
(ガンガンコミックスUP!)
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秋澤えで/桐野壱
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/ニシカワ醇
(ガンガンコミックスUP!)
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quiet/ムロコウイチ
(ガンガンコミックスUP!)
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こおりあめ/ひだかなみ
(フロース コミック)
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杉町のこ/柚原テイル
(フロース コミック)
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RINO/YUNSUL
(フロース コミック)
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鳥生ちのり/なまくら
(フロース コミック)
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SUOL/ Gwon Gyeoeul
(フロース コミック)
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8月4日

西出ケンゴロー
(角川コミックス・エース)
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芥見下々
(ジャンプコミックス)
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内藤泰弘
(ジャンプコミックス)
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尾田栄一郎
(ジャンプコミックス)
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Boichi/石山諒
(ジャンプコミックス)
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Boichi/石山諒
(ジャンプコミックス)
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鈴木祐斗
(ジャンプコミックス)
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三浦糀
(ジャンプコミックス)
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末永裕樹/馬上鷹将
(ジャンプコミックス)
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神海英雄
(ジャンプコミックス)
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附田祐斗/佐伯俊
(ジャンプコミックス)
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松井優征
(ジャンプコミックス)
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賀来ゆうじ
(ジャンプコミックス)
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近藤憲一
(ジャンプコミックス)
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天野明
(ジャンプコミックス)
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龍幸伸
(ジャンプコミックス)
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かっぴー/nifuni
(ジャンプコミックス)
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高口楊
(ジャンプコミックス)
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静脈/依田瑞稀
(ジャンプコミックス)
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河本ほむら/羽田豊隆
(ジャンプコミックス)
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鳥山明/とよたろう
(ジャンプコミックス)
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篠原健太
(ジャンプコミックス)
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ちると
(ジャンプコミックス)
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8月2日

裕時 悠示
(講談社ラノベ文庫)
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歩く魚
(講談社ラノベ文庫)
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FUNA
(Kラノベブックス)
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FUNA
(Kラノベブックス)
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鬱沢色素
(Kラノベブックスf)
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琴子
(Kラノベブックスf)
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水仙あきら
(Kラノベブックスf)
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8月1日

逆木ルミヲ/恵ノ島すず
(B’s-LOG COMICS)
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比村奇石
(プレミアムKC)
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比村奇石
(ヤンマガKCスペシャル)
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森小太郎
(HJコミックス)
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あび/上村夏樹
(HJコミックス)
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佐々木マサヒト/綿涙粉緒
(HJコミックス)
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文ノ梛/水城正太郎
(HJコミックス)
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羊思尚生
(HJ文庫)
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軽井広
(HJ文庫)
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農民ヤズー
(HJ文庫)
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叶田キズ
(HJ文庫)
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おけまる
(HJ文庫)
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ハヤケン
(HJ文庫)
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北山結莉
(HJ文庫)
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北山結莉
(HJ文庫)
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7月29日

雲雀湯
(角川スニーカー文庫)
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燦々SUN
(角川スニーカー文庫)
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斎藤ニコ
(角川スニーカー文庫)
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たかた
(角川スニーカー文庫)
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はむばね
(角川スニーカー文庫)
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月夜涙
(角川スニーカー文庫)
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日向夏
(ヒーロー文庫)
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百黒 雅
(エンターブレイン)
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木の芽
(エンターブレイン)
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矢御 あやせ
(エンターブレイン)
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日之影 ソラ
(エンターブレイン)
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gulu
(エンターブレイン)
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小鳥屋エム
(エンターブレイン)
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櫂末高彰
(ファミ通文庫)
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棚架ユウ
(GCノベルズ)
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ジャジャ丸
(GCノベルズ)
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小鈴危一
(モンスター文庫)
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どまどま
(モンスター文庫)
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水月穹
(Mノベルス)
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ふつうのにーちゃん
(Mノベルス)
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赤金武蔵
(Mノベルス)
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つたの葉/Project シンフォギアXV
(バンブーコミックス)
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藤川よつ葉/あづま笙子
(バンブーコミックス)
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ミト
(バンブーコミックス)
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つくしあきひと
(バンブーコミックス)
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佐藤夕子/三嶋イソ
(バンブーコミックス)
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重野なおき
(バンブーコミックス)
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鳴見なる
(バンブーコミックス)
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さぬいゆう/伊丹澄一
(バンブーコミックス)
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重野なおき
(ヤングアニマルコミックス)
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7月28日

SASAYUKi/リュート
(ライドコミックス)
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一花ハナ/龍央
(ライドコミックス)
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7月27日

英貴
(REXコミックス)
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フライ/竹岡葉月
(REXコミックス)
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中田ゆみ
(REXコミックス)
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久慈 マサムネ/Mika Pikazo(REXコミックス) Amazon


空地大乃/黒山メッキ
(REXコミックス)
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長野文三郎/結城心一
(REXコミックス)
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上海散爆網絡科技有限公司/Ling
(REXコミックス)
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あずまあや
(電撃コミックスEX)
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五十嵐正邦
(電撃コミックスNEXT)
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秋奈つかこ/鴨志田一
(電撃コミックスNEXT)
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みなみ/逆井卓馬
(電撃コミックスNEXT)
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〇線(まるせん)
(電撃コミックスNEXT)
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リーフィ
(電撃コミックスNEXT)
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藤松盟
(電撃コミックスNEXT)
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加藤陽一/スメラギ
(電撃コミックスNEXT)
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ノッツ
(電撃コミックスNEXT)
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野人/小林嵩人
(電撃コミックスNEXT)
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松風水蓮/彩峰舞人
(電撃コミックスNEXT)
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戦上まい子
(電撃コミックスNEXT)
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夏川そぞろ/御鷹穂積
(電撃コミックスNEXT)
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隆原ヒロタ/青山有
(電撃コミックスNEXT)
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ちくわ。
(電撃コミックスNEXT)
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宇崎うそ
(まんがタイムKRコミックス)
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かきふらい
(まんがタイムKRコミックス)
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みくるん
(まんがタイムKRコミックス)
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むらさき*
(まんがタイムKRコミックス)
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カヅホ
(まんがタイムKRコミックス)
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7月26日

円城 塔
(ジャンプジェイブックス)
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TYPE-MOON(TYPE-MOON BOOKS)
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TYPE-MOON
(TYPE-MOON BOOKS)
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東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)
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池野雅博/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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東大路 ムツキ/ざっぽん
(角川コミックス・エース)
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植野メグル
(角川コミックス・エース)
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草下シンヤ/マルヤマ
(角川コミックス・エース)
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そと/冬原パトラ
(角川コミックス・エース)
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kanco/坂石遊作
(角川コミックス・エース)
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内田健/鈴羅木かりん
(角川コミックス・エース)
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矢野トシノリ
(角川コミックス・エース)
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高木秀栄/矢立肇
(角川コミックス・エース)
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浅川 圭司/花黒子
(角川コミックス・エース)
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7月25日

おがきちか
(ZERO-SUMコミックス)
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おがきちか
(ZERO-SUMコミックス)
Amazon


サワノアキラ/秤猿鬼
(ガルドコミックス)
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合鴨ひろゆき/赤井まつり
(ガルドコミックス)
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蒼和伸/篠崎冬馬
(ガルドコミックス)
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かせい/猫子
(ガルドコミックス)
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長頼/シゲ
(ガルドコミックス)
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ばう/小野崎えいじ
(ガルドコミックス)
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七浦なりな/桜あげは
(ガルドコミックス)
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藤谷一帆/瀬尾優梨
(ガルドコミックス)
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くずしろ
(ヤングガンガンコミックス)
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山崎夏軌
(ヤングガンガンコミックス)
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水城水城/Ko-dai
(ヤングガンガンコミックス)
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実倉なる
(ヤングガンガンコミックス)
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星河だんぱ
(ヤングガンガンコミックス)
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鮭no.マリネ/日本サぱ協会
(ヤングガンガンコミックス)
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咲竹ちひろ
(ビッグガンガンコミックス)
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Schuld
(オーバーラップ文庫)
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どぜう丸
(オーバーラップ文庫)
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みわもひ
(オーバーラップ文庫)
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甘木智彬
(オーバーラップ文庫)
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常陸之介寛浩
(オーバーラップ文庫)
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岸本和葉
(オーバーラップ文庫)
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鬼ノ城ミヤ
(オーバーラップノベルス)
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シゲ
(オーバーラップノベルス)
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上野夕陽
(オーバーラップノベルス)
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桜あげは
(オーバーラップノベルスf)
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日之影ソラ
(オーバーラップノベルスf)
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涼暮 皐
(MF文庫J)
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森林 梢
(MF文庫J)
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城崎/かいりきベア
(MF文庫J)
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マリパラ
(MF文庫J)
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壱日千次/Plott、biki
(MF文庫J)
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久追遥希
(MF文庫J)
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守雨
(MFブックス)
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新巻 へもん
(MFブックス)
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福寿草 真
(MFブックス)
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虎戸 リア
(MFブックス)
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7月23日

むらかわみちお/才谷屋龍一
(MFC)
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石見翔子/理不尽な孫の手
(MFC)
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村市/千月さかき
(MFC)
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松井俊壱/リュート
(MFC)
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Usonan/Wookjakga
(MFC)
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一智和智/桝田省治
(MFC)
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盧恩&雪笠/早秋
(MFC)
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牛乳のみお
(MFコミックス アライブシリーズ)
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雨水龍/細音啓
(MFコミックス アライブシリーズ)
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森野カスミ/暁なつめ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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かわせみまきこ/駱駝
(MFコミックス アライブシリーズ)
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浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ)
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えかきびと/長田信織
(MFコミックス アライブシリーズ)
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甲田 学人
(メディアワークス文庫)
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仲町 六絵
(メディアワークス文庫)
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7月22日

ネコクロ
(ダッシュエックス文庫)
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持崎湯葉
(ダッシュエックス文庫)
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新木伸
(ダッシュエックス文庫)
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磨伸映一郎
(REXコミックス)
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はるまれ/世界一
(4コマKINGSぱれっとコミックス)
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赤人義一
(ブシロードコミックス)
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藤近小梅/漆原雪人
(ブシロードコミックス)
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つるまいかだ
(アフタヌーンKC)
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出端祐大
(イブニングKC)
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華鳥ジロー
(イブニングKC)
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藤田和日郎
(モーニングKC)
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須賀達郎
(モーニングKC)
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蛇蔵/鈴木ツタ
(モーニングKC)
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ツジトモ/綱本将也
(モーニングKC)
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山田芳裕
(モーニングKC)
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中村光
(モーニングKC)
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大森藤ノ/矢樹貴
(ガンガンコミックスJOKER)
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嶋水えけ
(ガンガンコミックスJOKER)
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大森藤ノ/桃山ひなせ
(ガンガンコミックスUP!)
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大森藤ノ/汐村友
(ガンガンコミックスUP!)
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7月21日

伊達 康
(ガガガブックス)
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春間 タツキ
(角川文庫)
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7月20日

竹町
(富士見ファンタジア文庫)
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木の芽
(富士見ファンタジア文庫)
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サンボン
(富士見ファンタジア文庫)
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神里 大和
(富士見ファンタジア文庫)
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平成オワリ
(富士見ファンタジア文庫)
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小狐 ミナト
(富士見ファンタジア文庫)
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七野りく
(富士見ファンタジア文庫)
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七野りく
(富士見ファンタジア文庫)
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なめこ印
(富士見ファンタジア文庫)
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四季大雅
(ガガガ文庫)
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新馬場 新
(ガガガ文庫)
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初鹿野 創
(ガガガ文庫)
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鶴城 東
(ガガガ文庫)
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真白ゆに
(ガガガ文庫)
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ハマカズシ
(ガガガ文庫)
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手代木正太郎
(ガガガ文庫)
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イスラーフィール
(TOブックス)
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華宮ルキ
(TOブックス)
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春の日びより
(TOブックス)
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木嶋隆太
(TOブックス)
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星畑旭
(TOブックス)
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林譲治
(ハヤカワ文庫JA)
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八神鏡
(GCN文庫)
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竹林七草
(集英社文庫)
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せうかなめ/竹町
(MFコミックス アライブシリーズ)
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甜米らくれ
(ヤンマガKCスペシャル)
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御池慧/桂あいり
(ヤンマガKCスペシャル)
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鳴見なる
(ヤンマガKCスペシャル)
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7月19日

Sin Guilty
(HJ NOVELS)
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かたなかじ
(HJ NOVELS)
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保利亮太
(HJ NOVELS)
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あずまたま
(ヤングジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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奥浩哉/花月仁
(ヤングジャンプコミックス)
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松原利光
(ヤングジャンプコミックス)
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稲葉みのり
(ヤングジャンプコミックス)
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朝倉亮介
(ヤングジャンプコミックス)
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茶菓山しん太
(ヤングジャンプコミックス)
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川西ノブヒロ
(ヤングジャンプコミックス)
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椎橋寛
(ヤングジャンプコミックス)
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まめおじたん/Qruppo
(ヤングジャンプコミックス)
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妹尾尻尾/そら蒼
(ヤングジャンプコミックス)
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高橋慶太郎
(サンデーGXコミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/MAAM
(裏少年サンデーコミックス)
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7月15日

川上 稔
(電撃の新文芸)
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珪素
(電撃の新文芸)
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茨木野
(電撃の新文芸)
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Y.A
(電撃の新文芸)
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しまねこ
(アース・スターノベル)
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虎戸リア
(アース・スターノベル)
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長野文三郎
(アース・スターノベル)
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一色孝太郎
(アース・スターノベル)
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十夜
(アース・スターノベル)
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三上康明
(アース・スターノベル)
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顎木 あくみ
(富士見L文庫)
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sora/柚原テイル
(フロースコミック)
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硬梨菜/不二涼介
(KCデラックス)
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山本崇一朗
(KCデラックス)
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内藤マーシー
(講談社コミックス)
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宮島礼吏
(講談社コミックス)
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久世蘭
(講談社コミックス)
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金城宗幸/ノ村優介
(講談社コミックス)
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吉河美希
(講談社コミックス)
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ひらかわあや
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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西森博之
(少年サンデーコミックス スペシャル)
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百地/岬
(コロナ・コミックス)
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いづみやおとは/玉梨ネコ
(コロナ・コミックス)
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藤屋いずこ/古波萩子
(コロナ・コミックス)
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こばみそ/岸若まみず
(モンスターコミックス)
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身ノ丈あまる/神埼黒音
(モンスターコミックス)
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宮島 礼吏
(ヤングアニマルコミックス)
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7月14日

秋田みやび/遠野由来子
(ボニータ・コミックス)
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大間九郎/ワタナベタカシ
(マガジンエッジKC)
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スズモトコウ
(講談社コミックス)
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森下真
(講談社コミックス月刊マガジン)
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加藤元浩
(講談社コミックス月刊マガジン)
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関口太郎
(講談社コミックス月刊マガジン)
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蝸牛くも
(GA文庫)
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伊尾微
(GA文庫)
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ジャジャ丸
(GA文庫)
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有丈ほえる
(GA文庫)
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羽場楽人
(GA文庫)
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三萩せんや
(GA文庫)
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サトウとシオ
(GA文庫)
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モンチ02
(GAノベル)
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菱川さかく
(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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進行諸島
(GAノベル)
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7月13日

赤野 用介
(星海社FICTIONS)
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