書籍感想2019

やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい ★★★★   



【やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい】 芝村 裕吏/ 片桐 雛太 MF文庫J

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これは無能の烙印を押された、大軍師となる少年のヒロイック・ファンタジー

人類が圧倒的な銃の力でファンタジー種族を滅ぼしゆく時代──エルフの村で育った人間の少年、ガーディは、村の掟を破ったことで追放され、金貨姫フローリンが治めるイントラシア領に身を寄せる。剣も槍もロクに扱えず、秘められし権能すらも“究極のお人好し”という戦乱の世ではどうしようもない有様のガーディ。けれど、エルフの村でバカにされながらも培った知恵と経験、そして誰もが呆れた彼の“優しさ”が、過酷な戦争の中で空前絶後の伝説を生み出していく──のちの世で大軍師として語り継がれる少年の異端の英雄譚、登場!

芝村作品として期待はしていたけれど、いやいやこれ本気で面白いぞ!?
作者の芝村裕吏さんと言えば、ガンパレード・マーチの世界観デザインで知られ、小説家としても現在【マージナル・オペレーション】シリーズで真っ向から現代戦の紛争を描いている歴戦の作家さんです。マジオペは、電書化してないので最初の方しか読んでないのだけれど、早く電書化してくれないですかね? と思いつつ待ってたら第二期にまで突入しちゃって……。
ともあれ、戦争ものを描かせたら逸品の人ではあるのですけれどその分戦争描写が本格的、という事でもあり主人公の印象もどちらかというと悲観主義的だったりネガティブだったり陰気でダウナー系なイメージが強かったので、本作の主人公もその系統だと想像してたんですよね。
でも全然違ったんだなあ、これ。知性冴え渡る切れ者というよりも、むしろぼんやりホワホワしているような感じの少年で、あんまり深く物事を考えずにインスピレーションで捉えてるような雰囲気の子なんだよなあ。でも、決して考えなしというわけじゃなく、むしろ非常に観察眼に優れていて物事や事情、人物に対する見方なんかもとても鋭く、本質を読み取る力に長けている。
金貨姫なんか、王族として態度を厳格に取り繕っていて本来ならその人柄とか読みにくいタイプのキャラだと思うのだけれど、ガーディってば容易に彼女の被った仮面の奥を読み取るのでその人となりも手に取るように伝わってくるし、ガーディを通して色んな登場人物の人物像がより鮮やかに描かれて、とても魅力的に映るようになっている。直属の上司となるナロルヴァ女史なんか、フローリン姫とは逆に表裏なく感情を垂れ流しにしちゃうタイプなのだけれど、ガーディの目を通して見るとそのあからさまな感情表現の奥にも、どうしてそんな風に感情が動くのか、という理屈が見えてくるのが面白い。
こうしてみると、ガーディがかなりロジカルに物事や人物を観て分析しているのだけれど、そうやって得られた客観的・合理的な結論をこの子は冷徹に処理するのではなく、素朴な優しさ、お人好しな考え方でクルッと包んでしまって対処するのが、凡百の軍師とは違うところなのだろう。しかも彼の場合それを無理してやっているのではなく、天然無垢にやっていて自分のお人好し加減についても悩んでないし、それは良いものだとむしろニコニコと受け入れてるんですよね。それが何とも興味深い人物造形になっている。フローリン姫を始めとして、彼と関わることになった主要人物たちはみんな善人の傾向にある人たちなので、相性もいいんだろうなあ。
一方で戦場描写の方は期待通りの硬派であり、戦国系のファンタジーらしいダイナミックさもあり読み応えもタップリ。ガーディは当初、エルフ譲りのその弓術をもってフローリン姫を助ける事になるのだけれど、同時に戦術家としての見地も戦いながら深めていくんですね。とは言え、彼のスタイルって軍師と書いて想像されるそれとちょっとズレてて……あのピクシーたちの使い方といい、近代通り越して現代戦的な考え方じゃないの、それ。戦闘支援システムを独自に構築しようとしてません? こっちの主人公も「イヌワシ」になりそうな勢いである。
当面の好敵手となりそうなグランドラ王も、曲者食わせ者でとにかく癖の強いキャラで面白いんですよね。妙に憎めないキャラにもなっているし、それでいて極めて有能な戦争屋という。尤も、戦国日本を基礎ベースにしているらしいので、乱世らしく彼ばかり相手にしている事にはならない雰囲気もありますけど。

しかしガーディくん、エルフの少女に拾われて育てられたエルフの村の異端という扱いなんだけど、そのガーディを育てたエルフのお母さんが、彼から母として慕われているのだけれどどう見ても幼女w
いや、見た目もそうなんだけど中身もあれホントに子供ですよね、それも小学生の低学年くらいじゃないのかもしかして。年齢的には60になるらしいのだけれど、エルフの中でも童女と明言されているので間違いなく……。
二人が一緒にいるシーン、殆どないのですけれど保護者完全にガーディの方だったよな、あれ。それでいてガーディは本心から彼女を母と慕っているので、妙にこう倒錯した感じがw 年上だけど年下の母! 幼女に育てられる、という新感覚!
今後、このエルフ幼女お母さんに本格的な出番があるのだろうか。わたし、気になります。

芝村裕吏作品感想

エクスタス・オンライン 08.それはまだ見ぬ、仮想と現実の彼方 ★★★☆   



【エクスタス・オンライン 08.それはまだ見ぬ、仮想と現実の彼方】 久慈 マサムネ/平つくね 角川スニーカー文庫

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必死に現実世界への帰還を模索する堂巡。その鍵を握るのは、この世界を支配する神エグゾディアだった。神と魔王の最終決戦に臨むヘルシャフト、しかし謎の黒幕は更なる罠を仕掛けてきて!?そしてついに、堂巡は2Aギルドに正体を明かすこととなり―。“堂巡=ヘルシャフト”を2Aギルドは理解してくれるのか。この世界に愛着が湧いてしまった堂巡は、現実世界と仮想世界のどちらを選ぶのか。哀川愁子と朝霧凛々子、堂巡を中心とした三角関係の行方は…。究極の選択に、最後の魔王ポエムが響き渡る!
終わってみると、2Aのクラスメイトたちがどうしてゲームの世界に閉じ込められる事になったのか、堂巡に一部記憶がない理由。朝霧の怪しさなど、真相へと至る謎の数々はちゃんと紐付けされた理由があり、よく出来てたんですよね。哀川さんはどう考えてもトバッチリな気もするのですけれど、紆余曲折の末に若いツバメをゲット出来たと思えば、これ幸いと思えばいいのでしょう。
ってか、哀川さんルートかよ!
いやでも、最初の最初から堂巡くんがヘルシャフトやっている事を知っていて、彼の弱い部分をずっと見続けていたのは哀川さんだったんだよなあ。色々とコンプレックスを抱えていた堂巡くんが、果たして誰にも頼れず誰にも自分の秘密を抱えたまま魔王とクラスの底辺の二足のわらじを両立する事に頑張ることが出来ただろうか、と考えると哀川さんの存在がなければ壊れていたんじゃないだろうか。
まあこの人、ギャーギャー不満を喚き散らしてばかりだったんですけどね、最初は。それでも事情を知ってる自分よりも大人の人が居てくれて全部さらけ出してしまえる、信じられる相手がいるというのは大きかったと思いますよ。途中からは完全に哀川さんの所が帰る家みたいな感じになっていた所ありますし。
哀川さんの方からしても、奴隷として魔王軍に囚われの身になってる状態で生殺与奪権を魔族たちに握られて、生きた心地しない中で頼れる相手はバイトくんな堂巡くんだけという状態の中で、何だかんだとずっと面倒見てくれてる彼に縋って行くのも分かる話である。でも、現実に戻れば相手は高校生の子供で、自分は成人した大人。年の差以上に、将来ある子供の彼を大人な自分がどうこうしていいのか、という罪悪感を抱えながらそれでも本気で好きになってしまいつつある葛藤に苛まれる姿は、何かと唆るものがありましたし。あの今だけ、今だけはこのゲームの中でだけはこの子の側に、という切ない思いが垣間見えてねえ、うん良かったんですよね、哀川さん。
なので、最終的に本命哀川さんルートに乗ったのは、ちょっと嬉しく思ったり。まあ朝霧も一歩も引いてないご様子なので、ガチ修羅場になりそうですが。哀川さんも朝霧も、刺すとなったら躊躇わず刺すタイプだぞ、大丈夫か堂巡くん。
クラスメイトでギルドの仲間たちである2Aの皆を助けようと駆け回りながら、一方で魔王軍として自分に従ってくれる魔物たちに愛着を覚え、彼らにも心を寄せてしまう描写はシリーズの最初の方からありましたけれど、四天王にそこまで入れ込むとは思わなかった。ほんとなら、もう少しだけでも彼ら個々の個別エピソードを重ねてくれたら最後の決断にもう少し共感を覚えたかもしれないんですけどね。もうちょい、それぞれの掘り下げが自分的には欲しかったかなあ。
その点、一番がっつり堂巡くんと噛み合わさったのは赤上壮馬だったんじゃないだろうか。最終決戦で、封印した彼を召喚する流れはなかなか燃えるものがあった。いや、必要だったの壮馬が持っていた剣だったんだけどさ。
2Aギルドのリーダーだった一之宮との、何だかんだと信頼し合った関係もそうだけど、男キャラとの関係もいい味出していたのがまた良かったんですよね。
ラストまでキレイに纏まった、振り返れば完成度も高かったシリーズでした、エロ面白かった。

魔王学園の反逆者 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜 ★★★☆   



【魔王学園の反逆者 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜】 久慈 マサムネ/kakao 角川スニーカー文庫

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魔族にとって人間は奴隷でしかない──。
次期魔王候補に選ばれた普通の男子高校生・盛岡雄斗は、転入した悪魔の学校『銀星学園』で蔑まれる。「──あなたを魔王にしてみせる。だから私を……眷属にして」魔族の美少女・姫神リゼルとの出逢いが、雄斗の人生と世界を変えていく。どんな魔法も一瞬で身に付け、眷属の少女と肌を重ねることで魔力を無限に吸収する。それは魔族にはない、人間の雄斗にだけ許された特別な力。魔王候補となった人間が、正義の魔王となるべく、最強の悪魔たちに戦いを挑む!
爽快にして妖艶。成り上がり学園魔術ファンタジー、開幕!

久慈さんの描く主人公は相変わらず、等身大に女の子にドキドキする男の子だ。ハーレムもの、特にエッチ度が高いものだと主人公はやたらと達観して淡々としてる系かむやみに肉食系でガツガツしてるか、というタイプのが多いのだけれど、本作の主人公は程よく年頃の男の子らしい初心なところと女性に興味津々なところが合わさってる子なんですよね。こういう子はヒロインのえっちい場面に良い反応を示してくれるので、個人的にはその手の場面の盛り上がりによく寄与すると思うんですよね。
ただこのユート、突然魔王候補なんて立場に立たされ、人間の身にも関わらず悪魔の学校なんかに通う事になって、実に小市民らしくワタワタと落ち着かない素振りに終始していたし、大事にならないよう巻き込まれないように無難な対応にかまけてるあたり、庶民感たっぷりなんですよね。けど、何気に適応能力があるのか肝が据わっているのか、それとも開き直ったのかあれこれと慌てながらも、根本の所で鷹揚になるようになるさ、みたいな感じで受け止めてる節があるんですよね。また、土壇場に追い詰められるとむしろあっけらかんとした感じになるあたり、わりと「なるようになるさ」なタイプなのかもしれない。最初に絡んできて、両親まで侮辱してきて相当に怒り心頭になっていた相手のゲルドくんへのその後の対応を見ていると、ねちっこさのないさっぱりした性格な所もあるみたいだし。
ヒロインの三人娘は、最初からえらい好感度高めではあるんですけれど、その好意の質も最初はただの期待感のようなものだったのが、ユートの姿勢から中身が伴っていく感じになっていましたね。まあチョロい事には変わりないのではありますが。
それにしても、三人ともそれぞれの方向性を煮詰めたような濃い属性の持ち主で、ハーレムものとしてはヒロインには相応以上の色気みたいなものがあって然るべきだとは思うのですけれど、これはまた極めてきたなあ、と。イラストのkakaoさんのデザインがさらにエロさに拍車を掛けまくってるというかなんというか。れいなとか、まだ中学生で未成熟な貧乳タイプにも関わらず未成熟ゆえのエロスというものをあれだけぶっこんでしまって、大丈夫なのかと心配になるレベル。いや本気で大丈夫かあれ。一方で雅なんかは見るからにエロいギャル系の陽キャラをベースにしながら、どこかリゼル先輩を上回る上品さを秘めているような素振りを垣間見せるのが、ポテンシャルの高さを感じさせてヤバいです、ヤバい。

しかし、そんなヒロイン衆に匹敵する勢いでチョロさを見せてくれるのが、初っ端に突っかかってきて速攻主人公の力を見せるための噛ませ犬として派手にぶち倒されてくれたゲルトくんですよ。典型的なチンピラ雑魚キャラだったにも関わらず、無様に負けた責任を負ってリンチされ粛清されそうになってた所をユートに助けられた事をきっかけに、まさかのツンデレ系親友キャラに変身ですがな。あっさりと鞍替えして媚びてくるのではなく、助けられた後に友だちになろうぜと言われたのをド直球に受け止めて、ユートがヤバい状況に追い込まれた時に自分の立場を顧みずにしかしつんつんした態度のまま何気に重要な手助けをしてくれるんですよね。
「ダチ……なんだろ? 俺たちはよ」
チョロい! チョロすぎるよ、ゲルトちゃん!! なんだよそのデレ方、完全にツンデレヒロインの王道そのままじゃないですか。それのそのまま男の友情バージョンになってしまってますよ。このハーレムヒロインに負けず劣らずの筋金入りのチョロさ。このまま親友キャラとして、ヒロイン三人に追随してくるつもりなんだろうか。レギュラーキャラとして出世していくつもりなんだろうか。そうなったらなったで、ちょっと楽しいぞw
そんなゲルトくんに比べて、第一巻の記念すべき中ボスは、というとこれこそが噛ませ犬本命というような見事なやられ役で。高貴さを気取っているような俺様王様キャラな魔王候補でしたけれど、部下連中がみんなチンピラというかヒャッハー系の品性乏しい輩ばっかりの時点でお里が知れるんですよねえ。というか、その王様スタイルでなんで部下連中こんなのばっかり揃えようと思ったのか。
能力自体は一巻のボスとしては破格に近い強力なものだったようにも見えたのですが。これってわりとラスボス、もしくは裏ボス級あたりが使ってきてもおかしくなさそうな能力に見えるんですけどねえw

聖なる騎士の暗黒道 2 ★★★★   



【聖なる騎士の暗黒道 2】 坂石遊作 /へいろー HJ文庫

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学園に入学して一月、闇魔法を使いこなせないまま「暗黒騎士になる」と繰り返すセインは、周りから『暗黒馬鹿』と呼ばれ、教師にも見放される。
そんな折、闇魔法を得意とするダークエルフの美少女・マーニと出会ったセイン。
「どうか俺を弟子にしてくれないだろうか!?」と、教えを乞うが、人嫌いなマーニに冷たく断られてしまう。
それでも、諦める気のないセイン。その本気で暗黒騎士を目指す姿に次第にマーニも絆されていき……
コミカライズ開始で絶好調なアクションコメディ、第2弾!!

前巻でも散々褒め称えたけれど、主人公のセインくんが素敵な男の子すぎてもうキュンキュンしてしまう。
誠実さ、とは彼のような在り方をいうんでしょうね。ダークエルフのマーニに対して師匠になってくれ、と何度もお願いしにいくのですけれど、つきまとうような真似はしていないのですよ。自分の都合を押し付けて強要するような真似は決してせず、あくまで常識の範囲内でのアプローチであったのでマーニが心変わりしたのは、押し切られたのではなくセインの普段からの直向きさを度々目にしたからなのである。
どうしてもうまく使えない闇魔法を使いこなすために、不断の努力を続けて汗に塗れる姿からは彼がどれだけ闇魔法に対して本気で取り組んでいるのか、どれだけ真剣にそれを習得したいと考えているかが伝わってくる。信頼というものは簡単に得られるものではなく、だからこそセインから見えてくる日々欠かさない積み重ねが、滲み出てくる誠実さがマーニを動かしたのでありましょう。
そうやって培われた信頼というものは、簡単に揺らぐものではないんですよね。耳障りの良い言葉やちょっとした行動で動かされてしまった心は、ちょっとした不信であっさりと揺らいでしまう。
あれだけダークエルフに対する人種差別に傷つき、自分と親しくする事で敵意や害意が周りにも及ぶことを恐れて他人を遠ざける優しさを兼ね備えていたマーニが、他者を受け入れるというのは決して生半可な意志ではなかったはず。それだけの決断を促させるだけのものがセインにはあった、ということなんですよね。
またセインの正体がマーニにバレて、一瞬疑われかけた時も、すぐにセインの説明をちゃんと聞いてそれを信じてくれたのも、それだけしっかりとした信頼があったからこそ。彼の普段からの言動にはそれだけの重みと説得力があるのだ。
まだ12,3歳の若人にも関わらずこれだけの人間力を備えているのだから、ほんと大したものである。それだけ、聖騎士として働いてきた時に酸いも甘いも噛み分けなければならない修羅場をくぐり続けてきたという事なんだろうけど、面白いことにそれだけ実戦経験豊富で実際対応力は非常に優れているにも関わらず、聖騎士としての力が関係ない部分だと確かに戦闘の「技術」に関しては基礎的な所が培われていなくて、力任せな部分が垣間見えるんですよね。聖騎士の力を借り物だ、と常々セインくんが力説していた理由がようやくわかってきた。
でも、彼の努力家な一面はその基礎的な未熟さなどあっという間に克服してしまいそうな勢いでもあるんですよね。聖騎士としての力を封印し、一から修行しなおしているような状態の現在、もしかしたら聖騎士としても今、大幅な底上げが行われている真っ最中なのかもしれない。素の状態で歴代聖騎士でも最強と謳われてるのに、ね。
そんな努力は決して彼を裏切らず、聖騎士としての力が使えない場面でしっかりと彼を助けることになるのである。
しかし、ようやく彼が聖騎士をやめて暗黒騎士になろうとしている理由が明かされたのだけれど……うん、凄くセインくんらしい理由ではあるんだけれど、それって何気に従者となった娘さんたちに対してはなかなか厳しい選択になってしまうんじゃないだろうか。アリシアとか地味に告白までしているのに、納得しているんだろうか。それとも、セインくんの目的が叶えられるのって暗黒騎士になって年季が明けて寿命を迎えてから、みたいな時間の猶予あり、なんだろうか。まだ、細かい部分は定かではないので、なんとも言えないけど。
それに、セインくんのあの性格からして、断罪者的な役割を与えられている暗黒騎士が果たして務まるのだろうか、とちょっと心配になってしまう。現役暗黒騎士さんのコメントからすると、相当に汚れ仕事みたいだし。まあセインくん、なってしまえば自分なりに業務改革してしまえばいいのかもしれないけど。



2019年11月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:25冊 うち漫画:3冊

11月は完全に燃料切れ。仕事から帰ってバタンキューとなる日が続いてしまい、休日も大して読めなかったんですよね。先月から激減という形で読了数が出てしまいました。
年末に向けて一気に積ん読本片付けていきたかったのにーー。
今月はほんと余裕なかったなあ。

さて、そんな中でも良きシリーズ完結編を手に取ることが出来ました。ロード・エルメロイII世の事件簿は何とか12月までに読み終えたかったので読めてよかった。内容的にも大満足の逸品でした。そして【戦うパン屋と機械じかけの看板娘】。機械らしからぬ感情豊かなロボット娘と厳ついパン屋の店主の冒険譚でありロマンスも無事完結。読み終わって時間が経ってから余計に余韻が染み渡る良作でした。
新作では【疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?】がこぢんまりとした所に収まらない意欲作かつ良質の幼馴染ラブコメで、今後にも期待大ですよ。


★★★★★(五ツ星) 0冊



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 3冊

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#08】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫(2019/11/1)
戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10】 SOW/ザザ HJ文庫(2019/10/31)
ロード・エルメロイII世の事件簿 10「case.冠位決議(下)」】 三田 誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS(2019/5/17)

【終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#08】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫

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帰ってきたヴィレムの状態が残酷すぎて、地獄風味この上なし。それでも、帰ってきてくれたこと自体が救いになる子が多すぎて、それがなんだか泣けてくる。アイセアも、ネフレンも、もうとっくに幼い妖精ではなくなっているのだけれど、それでもヴィレムの前では彼女たちはもう一度あの頃に帰れるのだ。


【戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10】 SOW/ザザ HJ文庫

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改めて振り返って見ると、ほんとに良い終幕だったので星評価一つ増やしてこちらに。世界の危機の渦中にありながら、あくまでパン屋の店主と看板娘の物語として駆け抜けた本作。やるべきことやりたい事をしっかりやり通して、登場人物たちの人生を描ききった物語の結末はただただ感慨深さに浸るものでありました。よいお話でした、それに尽きます。


【ロード・エルメロイII世の事件簿 10「case.冠位決議(下)」】 三田 誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS

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ずっとずっと、ウェイバー・ベルベットのその言葉が聞きたかった。イスカンダルへと告げたるそれを聞きたかった。だから、それが聞けただけで満ち足りている。
少年が大人になったその後の物語、それをこれほど奥深く世界と人とを掘り下げる形で現出させてみせた三田誠先生の手腕には敬服の念を抱くしかありません。

★★★★(四ツ星) 3冊

疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?】 語部 マサユキ/胡麻乃 りお 角川スニーカー文庫(2019/11/1)
落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 17】 海空りく/をん GA文庫(2019/11/14)
友人キャラは大変ですか? 8】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫(2019/11/19)

【疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?】 語部 マサユキ/胡麻乃 りお 角川スニーカー文庫

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【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 17】 海空りく/をん GA文庫

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【友人キャラは大変ですか? 8】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫

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以下に、読書メーター読録と一言感想続きを読む

学園最強の異能ハッカー、異世界魔術をも支配する ★★★☆  



【学園最強の異能ハッカー、異世界魔術をも支配する】 真野真央/ファルまろ MF文庫J

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「私を──殺してください!」
異世界からやってきたという儚げな少女は出会って早々、俺にそんな言葉を吐きやがった。
なんでも、異世界とこちらをつなぐための大規模魔術の“生贄”から逃げてきたらしい。
その儀式を止めるために、こちらの世界で死にたいのだとか……。
「改竄」という力を使い、異能力を開発するこの学園都市で消化試合のような生活をしていた俺だが、「異世界転生」への手掛かりとなるコイツは何としても助けなくてはならない。
「世界の命運なんて知ったこちゃないが、俺の目的のためにお前のことを守ってやるよ」
電子と魔術、二つの力の邂逅が紡ぐ、運命を改竄する学園バトルファンタジー開幕!

異世界魔術と現代科学をベースにした異能力とのバトルもの。異世界側が一方的に侵攻してくる側になっているので、戦う理由には事欠かないようになっている。その戦端を開く鍵となるのがサクリファイスと呼ばれる生贄の少女なわけだけれど、彼女が生贄として正規に機能するまでは異世界側から同時に送り込まれる人数が限定されている、というのがバトルものとしての舞台設定がうまいこと整えられているんですよね。
なぜ、異世界側がこちらに侵攻してくるのか、という理由にもどうやらちゃんとしたこの物語の根幹に関わるものがあるようですし、何気に設定周りはしっかりしてるんですよね。
ただその分、魔術と異能力の区分について全く異なるルールによって成り立つもの、となり得なかったのは正直惜しいな、と思う部分なのだけれど、異世界側が異能力についてまったく無知であり、完全に未知の力として捉えているので異種格闘技戦的なアプローチとしては十分とも言える。
やっぱり文化圏文明圏から異なる、戦闘法や魔法魔術による異種戦闘ものは燃えるものがありますからねえ。
ただ主人公の能力である「改竄」がタイトルにあるようなハッカー的な要素を存分に発揮できていたかというとかなり微妙ではあるんですよね。彼の能力的にはほんと、何でも出来る予想もできない方向からの絡め手とか、相手に何もさせない完封劇も色んな形で出来たと思うのですが、なぜ同じ方法が何度も通じると思ったしか。そのへん工夫がなさすぎて、学園都市で勇名を成したにしては老練さが足りないなあ、と思ったり。ほんと、その能力に関しては自由度がやたら高いだけに使い方が実に勿体ない。
一方で、決死の思いで異世界から逃れてきたサクリファイスというヒロインに対してのアプローチは満点に近いんですよね、この男。
諦観と絶望と一片の希望を胸にようやくたどり着いたこの世界で、初めて見る科学文明の光景に目をキラキラさせて生気を取り戻して、キャッキャとはしゃぐサクリファイスの姿の尊いことと言ったら。
妹を亡くした一件ですっかりやる気を失ってた在真がようやく手に入れた妹に繋がる異世界という情報源に発奮するのは当然なのですが、向こうから生贄を連れ戻すために現れるだろう異世界の刺客たちの囮としてサクリファイスをぞんざいに扱うのではなく、かと言ってただの庇護対象として守るだけの存在にせず、彼女の生きる意思を沸き立たせ、自ら戦う意志を尊重してあれこれと手を尽くす姿は、ただ優しいだけではない甲斐性が見えてくるんですよね。最後、サクリファイスに対して追手として現れた兄貴に言いたいことを言ってやれ、とお膳立てするあたりとかねえ。
サクリファイスのお陰で、彼自身立ち上がる気力が湧いてきたというのもあるのでしょうけれど、お互いに良い影響を与え合うという意味で、実に良い主人公ヒロインカップルなんですよね。
しかし、サクリファイス以外の女性陣が色んな意味で病んでる、病んでるw
幼馴染もヤバいけど、何気にうまいこと扱ってる在真くん。ヤンデレの操縦法がよくわかってると言えるのかもしれないけど、でも幼馴染への気遣いもちゃんとしているのが大した人物なんだよなあ。
まあ、それ以上にヤバかった妹のおかげで鍛えられたのかもしれないが。いやもう、あれはあかんやろう、というレベルだよね、妹ちゃん。普通、目の前で自殺とかされたらお兄ちゃんトラウマになって当然ですから。
そしてサクリファイスの兄ですよ、こいつ。サクリファイスことリファが自分でも罵ってますけど、生贄で死んじゃう妹に将来のこと嬉しそうに語るとか、自分好きな人が出来て両思いになれたから、そいつと幸せになるんでお前は使命に準じて立派に死ねよな、とか言われ続けたら、レイプ目にもなりますがな、どんな鬼畜やねん。本人、妹を揶揄したり見下したりしてるのではなく、真剣真面目に言ってるあたりがまた救いがないというのが。
在真くんが、こいつ殴る、と物理に偏ってしまったのもわかってしまいますがな。
次はもう少し、改竄という能力をうまいこと使った展開を持ってきてほしくあります。キャラ同士の関係の情勢は丁寧ですらあるので、このままメインを掘り下げていってくれたらなあ、と。

真野真央作品感想

アキトはカードを引くようです ★★★   



【アキトはカードを引くようです】 川田 両悟/よう太 MF文庫J

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女神が人類に与えたカードの力で全てが決まる時代―労働者・高槻アキトは、いつの日か世界の覇権を争うカードマスターの一人として、世界中の強力なバトルカードを手に戦う途方もない野望を抱いていた。そして迎えた人生を賭けた運命の“重労働ガチャ”―大量のガチャチケットと共に人生の夢も希望も溶けていく極限の運試しの末、アキトは一枚のカードを引き当てる。「いやっほう、マスター!私こそは、金銭特化秘書にして、秘書カードの中の秘書カード!キャロルちゃんでーす☆」ここに、世界中の強者達を震撼させる、とあるカードジャンキーと強欲な秘書による最強のバトルアクションが幕を開ける!
原作は「やる夫はカードを引くようです」というAA(アスキーアート)を駆使して描かれた「やる夫スレ」の一作。これを小説という形に組み直したのが本作なのであります。
このアスキーアートというのが色んなアニメとか漫画とかゲームとかライトノベル作品のキャラクターを引っ張ってきて、使っているのですが勿論書籍化にあたっては元キャラをそのまま使えるわけがなく、まったく新規のキャラとして仕立て直さなくてはいけないのです。
そうなると、元のキャラであるがゆえに使えていたネタやキャラクターの特性も使えなくなったりおとなしくさせたりしなくちゃいけないんですよね。そして、元ネタを知っているが故に読者が共有できていたキャラへの共通認識が失われてしまう。登場した瞬間から、このキャラはこんなんだから、という前提がなくなっちゃうんですよね。
これらが、単に掲示板でのAAを使った形式の話を小説に仕立て直す、というだけでは済まない大幅な改変を必要としてしまう所なのである。殆ど、一から作り直し、と言っていいのではないだろうか。
先人たるゴブリンスレイヤーがどれだけ秀逸なのか、改めて実感させられてしまう。

私自身はこの原作である「やる夫はカードを引くようです」は読んでいないのだけれど、一からキャラを生み出してキャラ立ちさせないといけないという部分で、冒頭からかなり試行錯誤している感触はなんとなく伝わってくるんですよね。特に主人公であるアキトは元がやる夫ですからねえ。相棒であるキャロルが登場してくるまでは非常に手探り感が強い。
このガチャに支配された世界観の説明にも多くの手間を取らされて、やはり本番のカードバトルが始まるまではテンポがどうしても悪い感じが残る。まだまだ出会ったばかりのアキトと秘書カードのキャロルもお互いをよくわかっていなくて、相棒感も薄いですしね。
だからこそ、本番となるのはキャロルがツッコミキャラとして大いに機能し始めるナイト・ロメオが現れてから、になるのでしょう。
やたらと個性の強いナイト・ロメオのしっちゃかめっちゃかな言動にキャロルが我慢できずにツッコミを入れる、という形式の完成によって段々と元がAAスレだった時らしいノリとテンポが戻ってくるんですね。カードバトルシーンも本格化する事によってここらへんから、感触も掴んだのか作品全体的に地に足がついた軽快さが増してくるのである。
とはいえ今の所、まだ新たにチームを組んだメリッサとナツメもキャラがよく掴めないし、他の連中が使うカード類もイマイチ印象に残らなくて、どういうカードなのか伝わってこないのが辛いところ。原作を知ってたら、あのカードは元キャラがあれだから、という風にわかるんだろうか。
一応、読み終わってから原作のウィキなどを見て、元ネタ調べたりしているのだけれどやはりちゃんとスレ見ないと頭に入ってこないものですねえ。
元キャラに基づくネタなんかも、随分とスポイルせざるを得なかったのでしょうし、なかなか手探りの難しい構築となるでしょうけれど、段々と熟れていく感触は伝わってくるので次の巻ではもっと面白さが加速していけばよいのですが。


王女殿下はお怒りのようです 3.暗躍せし影 ★★★☆   



【王女殿下はお怒りのようです 3.暗躍せし影】 八ツ橋皓/凪白みと オーバーラップ文庫

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フィリアレギス公爵家との縁を切り、自由を謳歌するレティシエルの元に、公爵家の長女・サリーニャが訪れる。
公爵家の忌み子である『ドロッセル』を嫌っていたサリーニャの思惑が読めず困惑するレティシエル。
その裏では、クリスタがレティシエルの学友・ジークへと近づいており……?
違和感を拭えないまま始まった学園の課外授業の真っ最中、人々を誘拐する謎の集団にジークとヒルメスが捕まってしまう。
友人を狙われ怒るレティシエルは集団を制圧するも、敵の未知の力は不穏な匂いを感じさせ……?
レティシエルを取り巻き暗躍する影と、蘇り始める『ドロッセル』の記憶。転生した王女殿下を待ち受ける新たな謎とは――!

レティシエルが取り憑く事になったドロッセルという少女は、いったい何者だったのか。どういう人生を歩み、どういう考えを胸に秘めて、そして壊れていったのか。
生まれ変わって「ドロッセル」になった時、自分の新たな家族関係も含めてまったく周囲に対して無関心のまま新たな人生を歩みだしたレティシエル。でも、今にして、今更にして彼女は自分が成り代わったドロッセルという少女に興味以上の関心を抱きだしている。
魔力を持たず、魔法を使えず無能で役立たずとされていた公爵家令嬢。性格的にも荒れ果てて厄介者として家の者たちからも突き放され、だからこそレティシエルへと中身が入れ替わっても誰にも気づかれず関心も持たれなかった、そんなこの世界から見捨てられたようなどうでもいい存在。最初はそんな風な風聞だったにも関わらず。
徐々に徐々に、ドロッセルにまつわる不可思議な話が漏れ聞こえてくるようになったのである。それは最初、彼女に使えていた執事のルヴィクから。やがて、交友が広まっていくにつれてドロッセルがある時期まで魔法が使えないまでも非常に聡明で理知的な少女として知られていた事がわかってくる。だからこそ、中身がレティシエルに変わっても昔に戻ったのでは、と勝手に勘違いされる程度で済んでいたのだけれど。そんな話を聞きつつも、レティはさほどドロッセルに関心を持っていなかったのだけれど、やがて彼女の記憶と思しきものが徐々に蘇ってくると同時に、ドロッセル自身に何やらただならぬ秘密があったらしいこと。何より、ドロッセルという少女が掻き毟るように残した強い想いの残滓が垣間見えてくることによって、あれだけ無関心であったレティシエルが新たな自分ドロッセルという存在自体に惹きつけられていくのである。
ここらへんの、レティシエルの心の変化がなかなかに興味深い。
そもそも、実家であるフィリアレギス公爵家がただのクズどもの集まり、というだけでない胡散臭さというか後ろ暗さを醸し出してきて、こいつらホントに国の癌だったんじゃないのか、と思えてきた。辣腕の悪役令嬢です、とばかりに登場してレティシエルにプレッシャー掛けてきて彼女の友人たちにちょっかいかけてきた公爵家長女のサリーニャも、なんか蓋を開けてみると上っ面ばかりやり手で謀に長けた悪辣な才女というのはガワだけで、さすがはフィリアレギス公爵家と言わんばかりの噛ませ犬でしたし。そのくせ、後ろ暗いところがありすぎてこいつら突かれたらホントやばいんじゃないだろうか。
一方、第2王子のロシュフォールが目も当てられないろくでなしだった王家だけれど、国王陛下がレティの真価を見抜いて公爵家から引き抜いたのみならず、どうやら第2王子を除く第一、第三王子は辣腕以上に食わせ者のようで、特に第三王子とかこいつ王族の枠に留まらない曲者じゃないですか。
てっきり、ジークがレティにとってのヒロインかと思ったら、第三王子の方もこれ見過ごせなくなってきたなあ。
しかし、レティが転生したように前世の彼女の連れ合いだった男性も、身近な登場人物の誰か、特にジークあたりに転生していて、今はまだ記憶を取り戻していない、みたいな想像をしていたのだけれど、一概にそうとは言えなくなってきたのか、これ。
敵側も王家側も背後で暗躍し何事かの企みを図る中で、その中心はドロッセル、そしてレティシエルが要になってきているわけで。ドロッセルの真実とレティシエルという正体バレが物語の核心へと組み込まれた感じになって、大きく話が動き出してきた感がある。続きが楽しみな展開だ。

1巻 2巻感想

信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 3.冷血なる氷の彫刻姫 ★★★☆  



【信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 3.冷血なる氷の彫刻姫】 大崎アイル/Tam-U オーバーラップ文庫

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クラスメイトと共に“忌まわしき竜"を討伐したゲーム中毒者(ジャンキー)の高校生・高月マコト。
討伐の功績で水の国(ローゼス)の王都に招かれたマコトは、かつてマコトを利用価値なしと切り捨てた王女ソフィアと再会する。
王都滞在中もソフィアに冷遇されるが、その折に突如無数の魔物が強襲。
王都滅亡の瀬戸際で危機に瀕したマコトに、女神ノアより思わぬ神託が下される――
「マコト……ソフィア王女を使いなさい」
窮地を切り抜けるには確執を超えたソフィアの助力が必要で……!?
クラスメイト最弱がマイナー女神と最強へ至る異世界攻略ファンタジー、第3巻!
――そして、ノアが囚われし『海底神殿』への道が開く。
イラストのローゼスの第一王子のレオナートが見た目完全に女の子なんですがw
衣装もそれ、ドレスじゃないの? 絵師への指示をお姫様と間違えたんじゃないか、というくらい女の子な見た目なのですが、性格も素直で純粋に慕ってきてくれて実に可愛い男の子なのである。うん、こういう性格が可愛い子は女の子よりも男の子の方がいいよね、だって可愛いんだもの。
まあこれだけ可愛い弟が将来継ぐだろう国を守るためには、姉姫さまとしては肩肘張らなきゃならないよなあ、と理解できなくもない。実際、彼女が使っていた精神系スキル。マコトの明鏡止水に似たものだったんだけれど、それは普通に使っていたらそりゃ誤解もされるだろうし人望も無くしちゃうだろうなあ。そのスキルのマイナスを補うだけのカリスマ性がどうしても足りていないのだから。
前回、マコトを侮辱してきてえらい顰蹙をかってしまった騎士のおっさんも、腰を据えてちゃんと付き合ってみると裏表のないいいおっさんだったんですよね。わりと酷い降格のされ方をしたにも関わらず、忠誠心なんかも全然落ちてなかったしねえ。愚直さと頑なさの悪い面を見てしまうとろくでもなく見えてしまったけれど、偏見や誤解をお互いに解いて付き合ってみると相手の真っ直ぐさが実に気持ちいい人物なのでした。マコト、あれ騎士のおっちゃんの事なんだかんだと好きになってるよね。
こうしてみると、水の国の人たちが何だかんだと性格が純粋で善良な人が多いことがわかってくる。世界的にも人種差別が少なくいろんなものを受け入れる器がある、というのもそういうお国柄というものなんだろう。ただ、それを国同士の付き合いとしてみるとお人好しなのはやっぱり不利なんですよね。そんな弊害をなんとかしようと規律を必要以上に正し、それぞれが無理をしてきたひずみが、あの上層部のギスギス感に出てしまっていたのではないでしょうか。
それも、マコトとふじやんが水の国に定着した事で何とか余裕が出てきた、と思いたい所。一息つけて周りを見渡す余裕が出てくれば、結構全然違ってくるものですし。少なくとも、ソフィア姫に関しては覿面に効果があったみたいですし。
しかし、親友たるふじやんがまた頼もしいったらありゃしないなあ、これ。商人系、あるいは生産型の物語の主人公を間違いなく張れるだけのポテンシャルの持ち主であるだけに、表の商売のみならず、裏で他国が伸ばしてきている謀略のたぐいをこっそり片っ端から叩き潰している様子とか、やり手にも程があるんですが。これで気遣いも上手ですし女性への優しさの質も紳士的で、そりゃモテるって。
まさかの、マコトよりも早くの女性陣の合従軍によって年貢を納めることになるとは思いませんでしたが。そのあたり、ルーシーとアヤの方が積極的だったし、まさか仲の悪かったニナとクリスがあそこまで意気投合してしまうとは。
マコトと言えば、なぜかレオナート王子と同衾してるしw 8歳くらいの可愛い男の子と朝チュンw

さて、ここで一足早く最終目的である女神ノアが封印されている深海神殿への初挑戦に。ってか、ダンジョンのスケールがまたとんでもないことに。そもそも、肝心の神殿にたどり着くまでが難易度高すぎません、これ?
でも、先に一度最終目的地を偵察という形ではあっても一見させてくれる、というのは面白いアプローチだなあ。難易度がたしかにこれだとひと目でわかる。果たして、どうやってこれを攻略するのか、マコトが悩むのを追うのにも楽しみが増すというものであります。


1巻 2巻感想

探偵はもう、死んでいる。 ★★★   



【探偵はもう、死んでいる。】 二語十/うみぼうず MF文庫J

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君、私の助手になってよ」
四年前、地上一万メートルの空の上で聞いた台詞から、俺と彼女の物語は始まり――終わった。

俺・君塚君彦は完全無欠に巻き込まれ体質で、謎の黒服に謎のアタッシュケースを持たされたあげく、ハイジャックされた飛行機の中で、天使のように美しい探偵・シエスタの助手となった。
それから――
「いい? 助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」
「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」
俺たちは、世界中を旅しながら秘密組織と戦う、目も眩むような冒険劇を繰り広げ――

やがて死に別れた。

一人生き残った俺は高校生になり、再び日常というぬるま湯に浸っている。
なに、それでいいのかって?
いいさ、誰に迷惑をかけているわけでもない。
だってそうだろ?
探偵はもう、死んでいる。

これ、タイトルに凄く惹かれたんですよね。
「探偵は、もう死んでいる」ではなく「探偵はもう、死んでいる」。このニュアンスの違いですよ。
そこに句読点を打つことで、探偵の死をすでに過去のものとして処理してしまえているのではなく、今もまだ探偵の死に心引きずられ、振り返ったまま懐旧にむせんでいる。そんな感情が伝わってくるタイトルなのだ。
君くんの心は、遠くに去ってしまったかの探偵についていってしまって帰ってこない。迷子の子犬のように本体から転げ落ちて、くっついていてしまった君くんの心を前にシエスタはずいぶん困り果てたのではないだろうか。
いや、彼女は探偵だ。なにしろ名探偵だ。そんな事は死ぬ前から全部まるっとお見通しだったに違いない。そんな風に彼を仕立て上げてしまったのも彼女自身だ。マッチポンプも良い所だろう。
だから彼女は帰ってきたのだ。死してなお、迷子の君くんの心を元の宿主の元に連れて帰るために無理を押して帰ってきたのである。
助手にしかなれないように仕立て上げたあの少年に、新たな名探偵と出会わせるために。
だから、これはそういう話なのだ。出会いと、再会と、ちゃんとした別れの物語なのである。
そういう眩いばかりの素材によって彩られた物語、のはずなんですよね……。
うーん。
折角の素材に対する調理と味付けが、個人的には薄味だし出汁が抜けてるしとっ散らかっててどうにも食べた気がしない、というのが正直な所でありました。
冒頭からの名探偵とその助手の冒険に、人造人間を有する謎の組織との攻防とか、懐かしくも西尾維新さんを想起させてくれるようなメフィスト系の新伝奇ミステリーっぽさを感じさせてくれてワクワクしてたのですけれど、そこから広がっていかないというか踏み込んでいかないというか。
最初の心臓の話からして、えっそこで話決着しちゃうの? 登場人物たち、それであっさり納得しちゃうの? とえらく簡単に話が纏まってしまって、次のエピソードにという展開にふわふわと地に足がつかないままベルトコンベアーで次章に流されていくような感覚だったんですよね。
キャラ同士の軽快な丁々発止の掛け合いはそれ事態は普通におもしろいと思ったのですけれど、うーん、彼らの言葉の力強さや行動に込められたものに、物語そのものを推し進めるような、或いは登場人物の心を動かしたり熱を帯びさせるだけの「中身」をどうしても実感として感じ取れなかったものですから、そこで戸惑い、物語そのものから距離感を感じたまま、流れていくそれを見送るしかなかったのです。他の読者の評判は良いようなので、どうにも「合わない」作品だったのかなあ、といささか残念に思う所でありました。

ロード・エルメロイII世の事件簿 10「case.冠位決議(下)」 ★★★★☆   



【ロード・エルメロイII世の事件簿 10「case.冠位決議(下)」】 三田 誠/坂本 みねぢ TYPE-MOON BOOKS

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衝撃の真実と向き合う覚悟を決めて、エルメロイII世は仲間たちとともに霊墓アルビオンへと乗り込む。ロンドン地下に広がる大迷宮は、
神秘を操る魔術師ですら想像を絶する、もうひとつの世界であった。
同時に、ライネスもまた、II世の代わりに冠位決議(グランド・ロール)へ出席することとなる。
複雑に絡み合う、迷宮探索と陰謀劇。
そして、迷宮の最奥にて儀式を進めるハートレスの謎とは。

幾多の神秘に彩られた『ロード・エルメロイII世の事件簿』、その結末を今ここに。
ああ……私はきっと、ウェイバー・ベルベットのその言葉をこそ聞きたかったのだ。
第四次聖杯戦争の際、Fate/zeroで描かれたウェイバーとイスカンダルの別れのシーンで二人の関係の集大成として少年が征服王に投げかけたのは臣下の誓いであった。でもね、私はどうしてもそれに納得がいってなかったんですよね。あそこで、ウェイバーに臣下にしてほしいと願われて果たしてイスカンダルは嬉しく思ったのだろうか、と。そこに至るまでに少年と征服王が二人で過ごした時間は、果たしてそこに帰結するものだったのだろうか、と。
あの自分に食って掛かる未熟な少年を可愛がりながら、腹の底から笑っていたあの巨漢の王が彼との間に感じていた心地よさは、主従の関係に収束してしまうようなものだったのだろうかと。
私は、あの王がウェイバー・ベルベットとの対等な関係をこそ楽しんでいたのではないかと、思っている。
でも、ウェイバーはどう思っていたのだろう。あの時、彼にとってイスカンダルに付き従いたいと願った事こそ魂から欲した願いだったのかもしれない。彼が得た強烈な体験は、目の当たりにした本物の英雄は、彼の魂を揺さぶりに揺さぶり、その後の少年の人生を一変させるに至る。少年は青年となり、身の程を超えた役割をその身に背負い、しかし膝を屈することなく走り続けることになる。
どうやって、あの背中に追いつくべきかわからないまま、右往左往しながらも、霧中をゆくが如き不安を抱えながらも。
そうやって大人になって、それでも物分りよく諦めたりせず足掻きながら、彼はずっとイスカンダルを追い求め、彼のことを考え続けた。
そんなロード・エルメロイII世となったウェイバー・ベルベットは、考えなかったのだろうか。あの時、あの王にかけるべき言葉が果たしてあれだけで良かったのだろうか、と。
あの聖杯戦争で過ごした時間が自分たちの間に育んだものがあったのではないか、と。誰よりも王の事を考え、王の心中を思い描く時間があった彼だからこそ、そう思い巡らす可能性はあったんじゃないだろうか。
思えば、フェイカーの登場に伴いイスカンダルを語ることも増えた。直接征服王を知る本物の臣下を前に、王への悪態をつくこともあった。そこにあったのは忠誠でも尊崇でも憧憬だけでもない、一緒にゲーム機を前に大騒ぎしていた大男への親愛だったじゃないか。
10年掛かって、あの時ウェイバーが言えなかった言葉が言えた。それを聞けた。それで満足である。


ハートレスの正体についてはライナスが会議にて言及した所までは想像できていて、それはほぼ確信に近いものがあっただけに、真っ向から否定されてしまった時には正直マジで驚いてしまった。
その正体についてはまさかまさかの一言で、だからこそ彼が負っていた絶望の深さを思い知る。どちらか一方だけでも立ち上がれない裏切りだ、それを2度も二重に渡って味わわされた時の喪失感はいったい如何許のものだったか。
彼にとって青春そのものであり人生そのものであった、過去であり現在であり未来ですらあったものからの裏切り。まさに全否定であり、絶対的な孤独であったからこそ、彼が最期に求めたのはずっと自分に寄り添い続けてくれたフェイカーだったのだろう。
惜しむらくは、ハートレスにとってフェイカーでなければならなかった理由、フェイカーにとってハートレスでなければならなかった理由がなかったところか。でも、そんな理由がなくても二人は出会い、通じ会えた。それで十分なのかもしれない。
……フリューの師匠であるあの老人もまた、すべてに裏切られたという意味では同じなのかもしれないけれど、彼の場合大切にしていたものには裏切られはしなかったんですよね。弟子たちは皆殺しにされたとはいえ、彼を慕い続けたわけだし。そしてフリューに至っては汚名を背負っても師を救い守ってくれた。そして、ロード・エルメロイII世によって彼の怨念は報われた。対比というのも違うかも知れないけれど、余計にハートレスの孤独が浮き彫りになったような気がするのです。
いや、本当に対比すべきはやはりウェイバーの方なのでしょうね。ハートレスの正体からしても、妹がいるなんて話も出てきちゃったわけですし。あらゆる意味で対称的、になる。

……ウェイバーは、幸せものなんだろうな。弟子が居て、生徒たちが居て、義妹が居て、友もいる。困難を前に、彼に手を差し伸べてくれる人がこんなにも居た。
イスカンダルの背中を追い続けたウェイバー・ベルベットの人生は、だが孤独などではなくその歩みにはこうしてこんなにも多くの人たちが寄り添ってくれている。図らずもそれは、彼が追う征服王とその同志達の姿と重なる、というと言いすぎだろうか。先頭を突っ走る征服王と違って、この男の場合は息を切らせながら後ろをヨタヨタついていくのを、皆がワイワイと騒ぎながら周りで急き立てていたり背中を押したりしているのが関の山なんだろうけれど。
でも、孤独ではない。それだけは確かだ。

これはFateシリーズの中でも屈指の「魔術師」の在り方を描き出した物語だろう。でも人でなしと言われる魔術師という在り方に、こんなにも「人間」そのものを見出したのがこのシリーズでした。

一旦、このシリーズはここで幕引きとなりますけれど……いや、絶対これ装いを新たにしてもう一度再会するよなあ、するよね、してよね!!
グレイのアーサー王との同調に関してもまだ解決していないどころか、侵食が酷くなっているわけだし。ってかこれ、フェイト・ステイナイトのルート次第ではアーサー王本人が来ちゃうんですけど、その場合グレイ大変どころじゃないじゃないかw
ともあれ、次あるとすれば聖杯解体にまつわるエピソード。聖杯解体戦争になるのだろうか。でも、あれって第五次聖杯戦争のさらに十年後らしいので、グレイもライネスもみんな妙齢の女性になっちゃってるんですよね。それはそれで見てみたくもありますが。

シリーズ感想

このライトノベルがすごい!2020  



【このライトノベルがすごい!2020】 


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今年はちょーっとびっくりでしたよ。各所ですでにランキングの内容については明らかになっているようですが、文庫部門では宇野朴人さんの【七つの魔剣が支配する】が。単行本部門では古宮九時さんの【Unnamed Memory】が一位に。
【七つの魔剣が支配する】は十位圏内には食い込んできて然るべきとは思っていたものの、まさか堂々一位を飾るまでに確固とした人気を獲得していたとは、ちょっと予想外でした。
単行本部門の方も【本好きの下剋上】がしばらくは不動なんじゃないか、と予想していたのでこれを【UM】が上回っての一位というのは、昔からのファンからするとちとテンションあがってしまいましたよ。

本年度も協力者枠で参加させていただいたわけですが、新作として特に推しだった【七つの魔剣が支配する】、【Unnamed Memory】に加えて文庫部門7位、新作部門では3位に【継母の連れ子が元カノだった】が入ってくれて、何とも嬉しい限り。例年、あまりランキング上位に寄与しない投票が多かったのですけれど、今年は妙に噛み合ってたなあ。

しかしこれ【Unnamed Memory】ですけど、投票時点では三巻は対象外でしたからね、これ! ランキングの発表ページではさらっと3巻の表紙で紹介してますけど。一応3巻の発売が9月17日で投票期間は9月3日から9月23日の午後6時までだったので6日だけ被ってはいるのですけど、どれほど影響あったんでしょうね。3巻が対象外と言いつつ、あれ読んじゃうとなあ、絶対無視できないですよ。
ちなみに、自分は3巻読んだのが10月に入ってからだったので3巻は考慮外でした。もし範疇に入ってたらもっと上位で投票せざるを得なかったでしょうね。
……まあ、来年分に回せるのですけどっ! 3巻のあの怒涛の展開の分を来年に持ち越せるのですけど!



ちなみに、私の投票内容はこんなでした。リンク先は私の感想記事となっております。

1位【筺底のエルピス 6.四百億の昼と夜】 オキシ タケヒコ/toi8  ガガガ文庫(総合57位)
2位【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 5】 佐藤 真登/ 霜月えいと  ヒーロー文庫(ランキング外)
3位【継母の連れ子が元カノだった 2.たとえ恋人じゃなくたって】 紙城 境介/たかやKi  角川スニーカー文庫(総合9位)
4位【りゅうおうのおしごと! 11】 白鳥士郎/ しらび  GA文庫(総合2位)
5位【七つの魔剣が支配する 3】 宇野 朴人/ミユキ ルリア  電撃文庫(総合1位)
6位【東京レイヴンズ 16.[RE]incarnation】あざの耕平/すみ兵 富士見ファンタジア文庫(総合40位)
7位【Unnamed Memory II 玉座に無き女王】 古宮 九時/chibi  電撃の新文芸(総合7位)
8位【昔勇者で今は骨 4.わたしからあなたへ】  佐伯 庸介/白狼  電撃文庫(総合60位)
9位【幼なじみが絶対に負けないラブコメ】 二丸 修一/しぐれうい  電撃文庫(総合5位)
10位【天才王子の赤字国家再生術 4~そうだ、売国しよう~】 鳥羽 徹/ファルまろ  GA文庫(総合68位)

【筺底のエルピス】、こんなに低いのかー。ランキング外でないだけ良いのかもしれませんけど、自分的には人生観ぶん殴られるほどのすさまじい傑作だったのですよ。
個人的に【天才王子の赤字国家再生術】は去年よりあがってくるかと思っていたので、去年の14位から急落するとは予想外でした。ぶっちゃけ、内容の面白さに関しては落ちるどころかヒートアップしているだけに、尚更に。



女性キャラ
エリザベート・レ・ファニュ (異世界拷問姫)
ネフィ(魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?)
綾井結女 (継母の連れ子が元カノだった)

男性キャラ
クルック・ルーパー (嘘つき戦姫)
姫宮春一 (お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。)
ウェイン (天才王子の赤字国家再生術)

イラストレーター
COMTA (魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?)
しらび (りゅうおうのおしごと!)
ue (終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?)


キャラクター部門の投票についてはお察し。
今年の結果ですけれど、文庫部門の10位以内はトップの【七つの魔剣が支配する】を除いて全部現代劇なんですよね、ですよね? いわゆる異世界転生モノの系統はなく、一位の「ななつま」ですら純正ファンタジーなんですよね。これ40位まで広げてみてもいわゆる「なろう系」に類別される転生モノは【この素晴らしい世界に祝福を】と【Re:ゼロから始める異世界生活】という大作2つしか見当たらないという結果に。
その代わり、単行本部門ではランキングに乗った15作品中10作品がそっち系統なのですよね。
むしろ単行本の方にこそ「転生モノ」の比重が傾いているという事なのだろうか。

前年まで文庫部門5作品、単行本部門5作品という投票だったのが今年から区別なく10作品に投票できる形になり、正直助かりました。どうしても単行本の方は読んでいる点数が少なくて限定されてしまい、投票したかった文庫部門のほうを削らないといけなかったですからね。5作はあまりに少なかった。なので、今年は存分に好きな作品に投票できたと思います。それでも、悩みに悩んで削って削って、とせざるを得なかったのですけれど。
まだ読んでない作品も上位に散見されるので、これを機会に手にとっていきたいとも思っております。

クラスメイトが使い魔になりまして 2 ★★★☆   



【クラスメイトが使い魔になりまして 2】 鶴城 東/なたーしゃ ガガガ文庫

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スキなんて嘘――キライも、たぶん嘘。

落ちこぼれの俺、芦屋想太には藤原千影という分不相応な使い魔がいる。紆余曲折はあったが一応主従関係は継続中。そんななか、藤原本家に呼び出された俺は、売り言葉に買い言葉で千影との婚約を認めることに。おまけに俺たちが婚前交渉しないか、監視役まで付くときた。いや、全裸で懇願されたってしねーよ……一方で、『新魔術』を狙う連中に対抗するため、俺は師匠に特訓を申し込む。
だけどまずは千影と信頼関係を結べ?
なんでこのゴリラ女と、ってうそ暴力はやめ――ごふっ。
喧嘩ップル好きに贈る、険悪主従ラブコメ第2弾!

前回まではソフィアという強烈な魔神が千影に憑依していたが故にその存在感に振り回されて落ち着く暇がなかったのだが、改めて改まって想太と千影、向き合うとなるとここまですれ違っていたのか。
二人とも頑なで意固地なくせに繊細すぎる。
この二人で居てもどうにも落ち着かない空気感って、千影の方じゃなくて想太が原因だったのでしょう。本気で千景に対して心を許していなかったんですよね、これ。彼女に対してだけ他の女性と比べても態度が辛辣でキツイ、というのは決して千影の思い込みではなかったように思う。いや、藤原分家の麗のアプローチに対しても完全拒絶してたけど、あれは藤原家という強圧的な存在そのものへの拒否感みたいなものであったのに対して、千影に対しては彼女本人に思う所あってきつく当たっていた、という感じでしたし。
紐解いて見ると、彼の千影への不信感もわからなくはないんですよ。前回で初めて知った、自分の記憶の封印。それ以前の想太と今の想太は完全に断絶していて、今の想太からすると別人、他人の話にしか思えない。しかし千影が傾倒しているのはその自分の知らない他人の想太なのである。これを果たして面白くない、と思っていたのかどうか。そこまで行くと嫉妬まじり、になるのだけれどそこまで行っているのかどうかはちと微妙に感じられるわけですが、それでも今の自分の方を一顧だにせず自分を消して過去の想太を取り戻そうとしている千影にある種の不信感を抱くのもシチュエーションとしてはわからなくもないんですよね。だからといって、ああいう態度をとってしまうのは意固地もいい所だと思うのですが。
一方の千影は、実のところ今の想太に対しても決してちゃんと見ていないわけではなくて、今の想太と過ごしてきた最近の時間に対しても素直に楽しかったと思うこともあったし、今の想太を気にしている部分もあったわけですけれど、肝心の彼がどんどん自分に対してだけ突き放したような冷たい態度をとってくるわけで、彼女も頑なな性格ですからやっぱり前の優しかった想太が良かった、とどんどん前の想太の方に傾倒していってしまうのも無理からぬこと。
そりゃ、信頼関係なんか結べませんよね、こんな状態じゃ。
お互いに素直になれない、なんて表層のすれ違いではなく、わりと深刻な悪循環だったわけです。ラブコメってる状態じゃないよな、これ。
おまけに、千影の実家の藤原本家への印象は最悪も良い所だし。夢では過去の記憶封印前の幼い頃の自分なんていうどう見ても別人な子が出てきてしまって、余計に過去と今との自身の断絶を実感してしまう、という状況ですし。
そんな今の状態を二人とも自覚さえ出来ていれば解決の緒はあったのかもしれませんけれど、二人ともまるで自覚がなかった。それどころか、信頼関係が結べていないという事実ですら認識していなかったのですから、お師匠の言う通り話にならない段階だったんだなあ。

あの師匠の試練によってようやく二人が現場を認識した上で、本音を突きつけあえたわけですけれど、今回は千影の方が勇気出してて想太の方はずっと受け身で燻っていた気がするなあ。本音ぶつけ合えたのも千影がちゃんと自分の有様に気づいて、踏み込んできたからだし。なので千影えらい。
それでも、ようやくマイナスが解消されてスタート地点じゃないの?という段階に思えるわけだけれど、千影からすると今までずっとスカスカだった手応えがちゃんとした感触として戻ってくるようになったわけだから、大きな進展になるのかな。
しかし、今回は二人の関係をスタート地点に戻すという一歩下がって一歩半進むみたいな話に終始していて、結局前回のソフィア憑依に至った工作の黒幕の話も殆ど進展しなかったんだよなあ。あのまつろわぬ者たちの背後で誰かが動いているというのが明らかになったくらいで。
それどころじゃないくらい、ソフィア再び、のインパクトが大きかったわけですし。あそこまで激烈に酷い振り方をしてヤリ捨てたみたいな形になったソフィアさんですよ。戻ってきたら八つ裂き上等じゃないですか、想太は覚悟したらいいと思うよ。
麗の方もなんか中途半端というか、彼女のポディションが良くわからん。どういう立ち位置を意識しているのだ、この娘。

1巻感想

ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ ★★★☆   



【ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~】 餅月望 /Gilse TOブックス

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崩壊したティアムーン帝国で、わがまま姫と蔑まれた皇女ミーアは処刑された――はずが、目覚めた彼女は12歳に逆戻り?? 第二の人生でギロチンを回避するため、帝政の建て直しを決意する。手始めに忠義に厚い下っ端メイドと、左遷されたが優秀な文官を味方につけ、失敗した過去をやり直す日々が始まった。けれど、ミーアの本音は「我が身の安全第一」。仇敵を遠ざけ、人脈作りに励むうちに、なぜか周囲の忖度で次々と奇跡が実現! やがて、身勝手なはずの行動は大陸全土の未来を大きく変えていくのだった……。「こ、これぐらいわたくしにかかれば簡単ですわ! 」​保身上等! 自己中最強! 小心者の元(?)ポンコツ姫が前世の記憶を使って運命に抗う、一世一代の歴史改変ファンタジー!
いや、ほんとにポンコツで性根が小物なお姫様だな! 
帝国の崩壊に伴い逃亡したものの敢え無く捕まり、三年以上を地下牢で過ごした挙げ句にギロチンにて処刑されてしまったミーア姫。ところが何がどうしてか、首が切り落とされた瞬間に子供時代に逆戻り。地下牢での悲惨な体験、処刑というあの恐怖の最期を回避するために色々と頑張ろうとする姫様なのだけれど、根が小物なものだからヤることなすことみみっちいんですよね。大胆な改革とか全然出来ないし思いつかないし、基本自分ファースト最優先なので世のため人のためとか自分を犠牲にして、とかは出来ない娘なのである。
でもダメな娘ではあっても嫌な子でも悪い子でもないんですよね、ミーア姫。それどころか、根本的な所でとても素朴な善良さを備えている娘なのである。小物すぎて、悪いこと出来ない暴君として振る舞えない、というのもあるのだけれど、人間性がとても素直で善良なのですよ。だからミーア姫が自分ファーストー!と吠えながらあれこれ自分に都合の良い事をしようとしても、どうしても自分だけが得をする、という方法は取れないんですよね、小物だし。
あんまり考えなしにあれこれやってしまった事も、良いように受け止められ勘違いされ誤解され、挙げ句に帝国の叡智なんて呼ばれるようになってしまうわけですけれど、そういう風に捉えられてしまうのってみんなが想像しているような深慮遠謀では全然ないのだけれど、でも彼女の善良さから転がりでたものだからこそ、良いように捉える事ができるとも言えるんですよね。
それにこのミーア姫、アホの娘だし頭もあまり良くないのは確かなんだけれど……何気にすごく勤勉なんですよね。前世で最後まで彼女の味方として働いてくれていた文官のルードヴィッヒに散々叱られて教え込まれた、というのもあるんだけれど、わからないことややりたいと思った事があるとそのままにしないで自分からすごく勉強するんですよ。理解力に長けているわけじゃないから、なかなか身につかないしそこから新しい発想が出たり、という冴えがあるわけじゃないのだけれど、基本的なところはしっかりと押さえて間違えないので、ボロが出ないのである。下地、ほんとしっかりしているのである。それに、言われた事は素直にちゃんとマメにやるんですよね。
そして、自分の立場に胡座をかかない。自分が帝国の一番エライ姫様だからといって、調子には乗るのだけれどそこで周りを見下したりとかも元々あんまりしない娘だったんだよなあ。あんまり偏見もないんですよね。地位の低い相手に対しても、フラットな対応をしてるのである。あれ、打算じゃないくて素っぽいんですよね。
酷い滅び方をした前世の帝国でも、なかなかうまく行かなかったけれどミーア姫、ルードヴィッヒと一緒にあれこれ何とかしようとちゃんと動いてもいるのです。決して、生まれ変わってから心いれかえた、というわけではなくて元々あった資質だったのでしょう。彼女に与えられていたずさんな教育が、無知をもたらし彼女を悪女にしてしまった。
まあ堪え性ない所も多分にあったようなのですけれど、数年に渡る地下牢生活が、今世では姫様に王族とは思えないバイタリティを付与してしまったようですが。貧民ですら味わわないような最下層の生活を何年も続けりゃ、そりゃ価値観もある程度変わっちゃいますわなあ。
とはいえ、トントンと姫様の都合の良いように展開していくのも事実なのですが、それを語る地の文がえらい辛辣というかキレキレのツッコミを入れてくれるわ、毒舌で姫様や勝手に勘違いする面々を斬って捨ててくれるので、読んだ時の感触としてバランスが取れてるんですよね。姫様のアホさと小物っぷりがより強調されるというか印象づけられるというか。
でも、それをバカにする気持ちにはならなくて、ひたすら微笑ましいんですよ。ミーア姫のアホさはただただ可愛らしい。その善良さと愛嬌が彼女を愚か者ではなく、愛おしい人にしてくれるのである。
彼女のことを叡智ともてはやす面々もね、ほんとに仲良くなっていく過程で知らず知らず彼女の英邁さや凄さではなく、そのアホ可愛い人となりに惹かれていってるのがなんとなく伝わるんですよね。
侍女のアンヌやルードヴィッヒが前世で結局最後まで彼女を見捨てられなかったのも、そういう所だったんでしょうし。
愛され系ポンコツ小物姫の奮闘記、是非にご笑覧あれ。

友人キャラは大変ですか? 8 ★★★★  



【友人キャラは大変ですか? 8】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫

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最後の【四凶】キュウキを討ち果たし、ついに名実ともに「歴代最高の主人公」になった火乃森龍牙。

俺こと小林一郎が友人キャラを務めるこの異能バトルストーリーも、いよいよグランドフィナーレか……なんて感慨深く思っていたのだが、そうは問屋がおろさなかった。

キュウキの器・天涼院阿義斗が、謎の軍勢を率いて異界へと攻め込んできたのだ!
【ソロモンの後継者】などというよく分からない設定をひっさげて。

なにより問題なのは、四神ヒロインズのひとり、黒亀さんがなぜか敵将のひとりとなっていることだ。元気で陽気な拳法少女は、裏切りなんて言葉からは一番遠そうなのだが……。

なんだかなし崩し的に新章がはじまっちまったが、俺の役割りは変わらねぇ。
主人公・龍牙を友人として支えるだけだ!

――最強助演ラブコメ、新展開の第8弾!
亀さん亀さん黒亀さん、表紙まで飾っているのに今までと遜色ないくらい……出番ないじゃないですかー! これまで能天気で何も考えていないアーパーにしか見えなかった黒亀里菜という少女が誰にも、幼馴染のリュウガにも語ることが出来ずにずっと抱え込み、そして仲間を裏切りソロモンの使徒とならざるを得なかった深遠なる事情が明らかになって、里菜をメインにした物語がはじまるのだ、と思っていた頃の純粋な私に謝って!
いやまじでこいつ、何も考えてないじゃん! なんの事情も背景もないじゃん! ただ名字に黒がついてたから巻き込まれで操られてるだけじゃん! このカメはーっ。そして何気に宮本千鶴さんの方が出番も活躍もある、という始末。
しかし、ソロモンの72柱の悪魔たちって全員名字に黒がついてるみたいなんだけど、72種類も黒がつく名前あるの!? というかなんで白望義塾という学校にはそんな黒がついてる名前の人ばっかり集まってたの!?
そして全員の名前考えるのめんどい、とばかりに雑に片付けられていくソロモンの悪魔憑きたち。ほんとに第二期スタートのはずなのに、新たな敵勢力が雑魚すぎる件についてw
前シーズンの敵だった奈落の使徒たちにまるで太刀打ち出来てないし。ってか奈落の使徒たちってこうしてみるとちゃんと強いのね。あっちもこれまで結構雑にやっつけていたフシがあったのだけれどちゃんとやると強いのねー。そしていつの間にか奈落の使徒たちを率いてソロモンの悪魔たちをぶちのめしている雪宮さん。なんかナチュラルに我が軍とか言ってるぞこの娘。異界の城の玉座にナチュラルに座ってふんぞり返ってるぞこの娘。その身にトッコこと魔神トウコツを宿しているので資格はある、と言えばあるんだろうけどノリノリなの雪宮さん自身でトッコ全然表出てきてないじゃんw
まあ異界の奈落の使徒たちの城が攻められたと聞いた時に、激高してテンションあげあげで異界に戻っていった奈落の使徒たちと全く同じテンションで異界に乗り込んでいく蒼ヶ崎、雪宮、エルミーラの四神のお三方がおかしいんですけどね。あんたら直接関係ないのに、なんで奈落の使徒たちと一緒になって突撃していくんですかw

まあお陰で、というのもなんですがわりと久々に現世側では一郎と龍牙が二人きりに。と思ったらまさかのキュウキ復活、ってかこいつまで一郎くんの中の人になっちゃうんですか!? あれだけがっつり敵役悪役ムーブカマして派手に散った、という状況だったのでさすがに他のアホ魔神たちよろしく一郎の中に棲み着くのはあわないだろうな、と思ったらまさかのマスコットポジを確保するという。しかも、同じ裏で画策するストーリープランナー同士でなんだかんだと馬が合うというか性が合うというか、意気投合してますよこいつら? 兄弟めいたテッちゃんとはまた別の意味でようやく意見と価値観があう相棒が出来たような、小動物的な可愛さを全面に出したマスコットキャラが登場してしまったというか、何気に侮れない存在感だぞキュウキたん。こいつ、男だからショタなんだよなあ。でも確かに可愛い。

しかし、同じストーリープランナーなキュウキと話が盛り上がったお陰で、というのもなんだけどソロモンの後継者たちとの戦いという第二シーズンがはじまってしまって、一郎の新たなストーリープランが語られてたけど……やっぱり一郎の目指すヒーロー物の脚本ってどうも古臭いというか目新しさがないというか展開に新鮮さがないというか、お約束を踏襲しすぎててそれだと読者だか視聴者飽き飽きしちゃうんじゃないか、という手堅さなんですよね。水戸黄門ばりにかっちりしているというか。
だからうまく行かないんじゃないの?
ともあれ、現実は一郎くんの立てたプランのようにはいかず、ことごとくうまく行かないわけですけれど、一郎プランはいわゆるテンプレに沿った流れなだけにそれがうまく行かなくて破綻した、となるとことごとくテンプレから外れた、というか吹っ飛んだ展開になってしまう、というのがこのシリーズの特徴でもあり……。
ヴァッサーゴ戦の酷さ(いい意味で)は近年でも極まってましたよこれw いやヴァッサーゴ黒村くんが敵幹部クラスのくせに小物極めすぎてたのも悪いんですけどね! 一郎くんを上回る膀胱のゆるさ! でも一般人な宮本さんにこてんぱんにされてしまうまではまだあれだけど、あそこまでガチに人質放置な展開は初めて見たよw

どれだけ一郎が頑張っても真面目な雰囲気にならない中で、ひとりだけひたすらシリアスを貫いている第二期のラスボスとなったアギト。まあどれだけ格好つけていても龍牙にまったく相手にされていない、という点では一貫してるんだけどなあ。
とか敵側、ソロモンサイドとかもうどうでもよくなるくらいなラストのびっくりどっきり展開である。いや出てない奈落の使徒大幹部な八傑の二人。ほんとにただ忘れられてたのかと思ってたら、これはさすがに驚いたよ。ついに一郎自身の秘密が明らかになってしまうのか。なんも背景も事情もなかった黒亀さんじゃなくて、一郎の背景が明らかになってしまうのか。もうどうやったって友人キャラとか無理になってきたじゃないかw

そんな一郎が友人キャラを目指すようになった幼い頃の体験が、BOOK☆WALKERの電子書籍版購入特典な書き下ろしで描かれてたんですが、よくある2,3ページのSSと違って結構がっつり分量あったぞこれ。シズマも幼児のくせにやたらと大人びてるけれど、一郎も幼児だった頃おまえ何歳やねんとツッコミ入れたくなる七歳児だったんだな。あながちシズマとその辺似ているのも、ラストの展開からすると意味があるのかも知れないが。

さらっと語られてた、夜這いに来ようとして勇気でなくて毎回部屋の前で引き返しちゃう魅怨が可愛らしくて、やっぱり正妻ポジなヒロインがっつり掴んでますよねえ、これ。

シリーズ感想

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 15 ★★★☆   



【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 15】 羊太郎 /三嶋くろね 富士見ファンタジア文庫

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「なんで!俺が!こいつらの総監督を務めにゃならんのよ!?」
帝国代表選抜会を終え、いよいよ迫る魔術祭典。何の因果か、総監督を務めることになったグレン。メイン・ウィザードを勝ち取ったシスティーナと訪れたのは自由都市ミラーノ!平和の祭典に相応しい地に足を踏み入れた帝国代表は、かつてない大舞台で各国代表と激突する!一方、この祭典を台無しにし、戦争をもたらそうとする刺客に気付いたグレンは、教え子たちの思いを守るため、自身も戦いに乗り出して…
「へっ!裏魔術祭典・大開催!ってわけだな」
天使と吸血鬼。芸術の都に高らかに悲劇の歌声は響く―。

ついに世界大会、というわけでなんか中東っぽい所とか日本っぽい所などからもゾクゾクと強豪が登場するのだけれど、本作の文明レベルってどれくらいでしたっけ? 飛行機でもないと、あんまり遠い国からは遠すぎて自国から目的地まで数ヶ月とか半年とか掛かっちゃいそうなんだけど、とどうでもいい所が心配になってしまった。いやこの世界の地理とかよくわかんないんですけどね、一応みんな北セルフォード大陸に存在する国になるのかしら。それなら、距離的にはそこまで離れていない? 密林国家とか砂漠の国とか日輪の国とかこれだけ環境や文化が異なっている国が各所に成り立っているというのは面白いものですけれど。
しかし、これだけ強力なメンツが各国に揃っているとなると、システィと同レベルの術士がもうひとりくらい居ても良かったんじゃないか、と思えてくる。具体的には、エレンの能力リセットしなくても良かったんじゃね? というくらいのレベルの高さで。ナンバー2のレヴィンがもうちょっとでも強かったらなあ。というか、通常彼くらいの力量でも学生レベルでは突出しているはずなんですけどね。あまりにシスティが強くなりすぎちゃってるんだよなあ。学生レベルどころか、実戦レベル、魔導士の一流という枠をすら逸脱しはじめている。
システィがもう現段階で特務分室のナンバーズに加入しても大丈夫なんじゃね? というレベルになっちゃってる件について。これが単なる才能ではなく、システィの不断の努力によるものだというのをこの長いシリーズを通じて、読んでいるこっちもよくわかっているだけになんかもう彼女がバリバリに活躍するたびに感慨深く感じてしまうんですよね。
とはいえ、なんの柵もなくシスティ自身が憧れていた魔術祭典に挑戦できれば御の字なんだけれど、政治的な思惑が介在し余計な妨害が色々と入り込むことに。帝国の代表選考会でも余計な茶々が入り続けていたこともありますから、ほんとシスティには思いっきりなんの憂いもなく試合に挑める環境を与えてやってほしいものですけれど、なかなかそうもいかないんだろうなあ。
それでも、何とかその願いを叶えるため、生徒たちを守るために裏で頑張るグレン先生とイヴ先生。こういう時にルミアが一緒に連れ回せるくらいに頼もしくなった、というのはこれまた彼女は彼女でシスティに負けずに成長してるのだなあ、と実感させられる。システィのように華々しい表舞台には立てない身の上ですけれど、献身的にグレンをサポートし続けるその姿はまさに内助の功。かつて、ただ守られるだけのお姫様だった頃と比べれば、その能力もさることながら荒事に一緒に連れて行ってもらえるくらいにはグレンから信頼もされているんですよねえ。
それにもまして、頼りになるイヴ先生。この人、ほんと実家のくびきから解き放たれて自由になった今、性格的にも能力的にも頼もしいなんてもんじゃなくなってまあ。グレンが度々、前のイヴと同一人物かこいつ? と真剣に首を傾げるくらいには化けてしまっているわけで。いやー、一年生のマリアいわくシスティはグレンの相棒みたいな、とか言ってましたけれど、現状だとイヴが相棒枠にどんと鎮座して不動の安定感なんだよなあ、これ。ここに割って入るのは結構厳しいぞ、システィ。
さて、長年帝国と敵対関係にあった宗教国家レザリア王国。一方的に敵、というわけではなく、その内側では帝国との融和派と敵対派が激しくしのぎを削っている様子で、むしろ意見が纏まっていない現状が先の展開を予想しづらくしてるんですよね。マリアがどうやら重要なポディションにいるみたいなんだけれど、それがどういう意味合いを持っているのか今の所まだ明らかになっていませんし。
そんでもって、例の正義の人も暗躍しているみたいだし、帝国も国内でイグナイト家が蠢動しているみたいだし、結構同時多発的にいろんな思惑があちらこちらで暗躍しているものだから、一筋縄ではいかない錯綜具合にもなっているんだなあ、これ。

帝国代表の生徒たち、なかなか個性的な面々が揃ったものでこれはこれでほんと面白いメンバーになってるんだけれど、ギイブルくんが実にクレバーな活躍をしていてこいつなかなか美味しいポディション確保してますな。

シリーズ感想

ラストラウンド・アーサーズ 4.最弱の騎士と最も優れた騎士 ★★★☆   



【ラストラウンド・アーサーズ 4.最弱の騎士と最も優れた騎士】 羊太郎 / はいむら きよたか 富士見ファンタジア文庫

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「ごめんね…凛太朗君…私…約束…守れなかった…」
魔人の力を引き出し覚醒したことで、瑠奈に振り回される賑やかで騒がしくもどこか心地よい日常を取り戻した凛太朗だったが、その代償によって那雪は世界から消失してしまったことを知る。彼女を救い出す唯一の方法は聖杯を手にすること。しかし伝説時代のアーサー王すら手に入らなかった聖杯の探索は、凛太朗たちの想像も超えた困難なもので―。
「私が、貴方を家臣にするのに相応しい、世界一の王になれるってこと…貴方に証明するわ」
聖杯を巡りすれ違う想いはアーサー王とマーリンの命を懸けた決闘にまで発展してしまい!!
もう開き直ってやけくそでビキニ水着営業をノリノリでやってるケイ卿、そんな貴女が大好きです。もう嫌がるのも恥ずかしがるのも擦り切れて摩耗しちゃってるあたり、最高ですよね?
こんなのしてくれる騎士とか居ないからなあ。なので瑠奈の王道にはやはりケイ卿は必須なのである。
……あれ、何気にガラハッド卿もやってくれそうな気がしてきたぞ、それもノリノリで。飄々として超然としたパーフェクト騎士なガラハッドでしたけど、彼女の浮世離れした部分って瑠奈の無茶振りもわりと楽しそうにやっちゃいそうな気配があるんですよね。恥ずかしがったり騎士らしくないとか嫌がったりする姿があんまり浮かばない、どころか面白そうと楽しそうにやってる姿が結構簡単に思い浮かんでしまう。あかん、ケイ卿アンデンティティのピンチじゃないのか、これ。
本来ならケイ卿パワーアップイベントでもあった今回の話ですけど、実際これまで見事なまでの戦闘では役立たずだったケイ卿がガラハッド卿から貰った剣によって限定条件下ではありますけれど大いに活躍できそうな余地ができたわけですけれど、なんだかんだと美味しいところはガラハッド卿に取られちゃってて、クライマックスの方でも目立てていたかというと……やっぱりガラハッドが持ってっちゃってた気がするぞ。しかも、最後瑠奈がやらかしてくれちゃいましたし。あの瑠奈の空気読まねえやらかしで、見事にガラハッド卿にも隙というかギャグもコメディも出来ますよー、という要素がエンチャントされてしまいましたしね。犬神家までやっちゃったら大概なんでもできますよ? 一方でナチュラルにケイ卿にはマウントとっているようにケイちゃんみたいなイジラレ属性ではなく、むしろ瑠奈と一緒にケイ卿の事弄る側であることがすでに発覚していますし、これはケイ卿さらなる受難の時代のはじまりなんじゃないだろうか。

さて、ここまで引っ張ってきた那雪の正体がいつ凛太郎にバレるか、というテーマは那雪を見舞った受難によって一気にシャッフルされることに。正直、那雪の正体であるニニムとマーリンの関係は凛太郎が知ったときにはどうやったって一波乱起こるしかなかったんですよね。凛太郎ってなんだかんだとさらっと水に流せるような爽やかな性格していないし、たとえ許せていたとしてもグジグジと引っ張って拗らせてしまうのは必定だったのです。那雪の方は罪悪感で押しつぶされる寸前で、グジグジする凛太郎をスカッと押し倒せる立ち位置じゃありませんでしたし。色んな意味で状況を吹っ飛ばせる性格の瑠奈が、二人の間を結果として取り持つのかと思ってたのですが。
那雪の置かれた状況が凛太郎をウジウジグダグダしている余裕を一切なくしてしまったわけで。凛太郎って超有能すぎて何もかもが退屈すぎるぜー、というスタンスでこの戦いに首突っ込んできたくせに、わりといつも余裕なくて必死だよなあ、と思うところがあったのですけれどここに来て必死さがカンスト到達してしまったわけで。一切の余裕なく、那雪を救うために達成不可能の試練に突っ込んでいくことに。なんだかんだと、いつもサポートに回って一杯一杯な凛太郎を助けてる気がするぞ、瑠奈王さま。王様なのに。
ここで瑠奈と凛太郎が実は幼馴染で、瑠奈が王様目指したのも凛太郎が自分の能力を鍛え伸ばしてきたのも、根底に二人の出会いと約束があったのだ、というわりと二人にとって重要な過去の出来事をこの段階で凛太郎に気づかせるとはこれも思わなかったわけで。結構急ぎ足じゃないですか? もっとじっくりここぞという場面でもってくるネタだと考えていたのですが。いや、聖杯探索の罠にはまってにっちもさっちもいかなくなった凛太郎、最大の不覚という場面なのでここぞといえばここぞとも言えるのでしょうけれど。
那雪の正体と凛太郎のぼやけた記憶にある大事な幼馴染との約束。これを同時に持ってきたということは、扱いに差を与えたくなかったということなのか。正直、ニニムとマーリンの愛憎塗れの関係を思うと、那雪とニニムはまた別人でマーリンと凛太郎も違う人間だから、那雪は大切な仲間だけれど恋愛感情はない、という凛太郎の態度はええーってな感じなんですけどね。いやそんな割り切れるもんかいな、てなもんじゃないですか。だいたい、いうほどマーリンと凛太郎別人扱い自身がしてないじゃん。めっちゃマーリンじゃん。
さて、そこから瑠奈がどれだけ巻き返せるのか。那雪の献身に全然負けないくらい瑠奈も何だかんだと凛太郎のこと助けまくってますからね、現世では決して引けをとってなくて互角だと思うのですが。

それにしても、冒頭は面白かったなあ。よく、大いなる戦いを前に今まで通りの日常を過ごすことで「こんな事をしてる場合なのだろうか?」と主人公が葛藤したり悩んだり燻ったりしてるシーンは珍しくないですけれど、そうやって穏やかに日常を過ごすのは大事なことで、それを無駄に感じてしまう主人公が焦っていたり考え違いをしていたり、という方向にあるものなのですが。
本作の冒頭での凛太郎の場合はあれですもんね。選挙ポスターの瑠奈の水着写真のおぱーいの部分を画像修正ソフトを使って偽りの大きさに増やすために、黙々とPCに向かいマウスカチカチ鳴らして、ふと我に返り「俺は一体、何をやってるんだーーーー!!」と魂から絶叫。
ほんとそれな! 
いやここまで本当に何をやってるんだ、とこんな事やってる場合じゃねえってな主人公に共感同意できるシーンははじめてだったぞぃw

シリーズ感想

落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 17 ★★★★   



【落第騎士の英雄譚(キャバルリィ) 17】 海空りく/をん GA文庫

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「――ならば倒すしかないのです! 貴女が! この私を! ! 」
刀華の魂に輝きを見出した天童は、九州全土を巻き込む災害級の伐刀絶技を発動した。その目的はただ一つ、自分を打倒せざるを得ない状況に刀華を追い込み、彼女を「祝福」――すなわち《覚醒》に導くこと! 大勢の命が人質にとられた状況で、自らの限界を超えるため足掻く刀華。だが、その心は天童の圧倒的な強さに完全に敗北していて――
一方、首都東京では海の向こうから迫る新たな脅威を察知。これに対応すべく、騎士連盟は戦力の総動員を開始する! かつて《落第騎士》と鎬を削ったものたち、その真価が試される激闘の第17巻!
そうかー、そうだよなあ。一般市民や親しい人たちの命を人質にとった天童を倒すために、自らの運命を突き破り限界を超えて覚醒して「魔人(デスペラード)」となる。これはそのまま天童の目的を叶える事になり、彼の思想を肯定することになってしまうんですよね。覚醒のための生贄として無辜の人々の犠牲を肯定してしまう事になる。
刀華たちが大切な人たちを守るために魔人化したとしても決して彼女たちが悪いわけじゃないのだけれど、天童の思惑通りになってしまい、彼の言う神の試練が或いは魔人を増やすために積極的に導入されてしまう恐れすらある。
その意味でも、刀華たちは一輝やステラたち主人公が選び掴み取った道とは全く違うアプローチから強さと守るべき力の在り方を証明してみせたわけだ。
てっきり、かつての一輝たちの戦友たち。若き学生騎士たちも次々と覚醒して一輝たちと同じステージに立って、みたいな展開を予想していたのだけれど、そうかー、そうなんですよね。
「正解」は決してひとつではないのだ。
自己(エゴ)を突き詰め人の枠を突き破り、運命の鎖を引きちぎり限界を超えて覚醒して魔人(デスペラード)とある。それは強くなる道として一つの究極であり、一輝やステラたちが血反吐を吐いて勝ち取った道でもある。
でもそれだけが、強さではないと刀華たちは立派にここに証明してくれたのだ。物語としても、魔人化しなければインフレバトルについていけずに脱落していく、みたいな形ではなく、人として人のまま騎士として、魔人を打ち破ることで作品そのもののスケールの先細りを見事に否定してくれた、とも言える。いやあ、雷切も諸星さんも蔵人もガチでカッコよかったですわー。特に蔵人くん、こいつ魔人化とかしていないはずなのに滅茶苦茶強くないですかぃ? よくまあ一輝勝てたよなあ、こいつに。あの頃より蔵人がべらぼうにまた強くなっているにしても。いや、諸星がこいつとのタイマンで負けたのも納得ですわ。
そして、それ以上に勝利に対するクレバーさを見せてくれた諸星の大将。黒鉄のお父さんも絶賛してましたけれど、今回ほんとに諸星って選択ミスを一切せずに最後まで詰めてみせたんですよねこれ。この兄ちゃん、正々堂々の一騎打ちを好むオトコマエなんだけれど実際には何でもありのガチの命の取り合い、或いは真性の戦争の方がよっぽど適正あるんじゃないのか?
そして雷切こと刀華さん。必殺技のミドルレンジ絶対無敵な抜刀術「雷切」ばかりが目立つ彼女ですけれど、以前合宿所を襲撃された時に遥か遠隔地に居た敵さんを魔術線遡らせて電撃で打倒したり、今回のヤシマ作戦ばりの九州中の電力集めてぶっ放したりとか、近接戦よりも雷使いとしての柔軟性応用力スケールの大きさの方が化け物じみた人なんじゃないだろうか、この人。
今回はメンタル面での弱さもピックアップされた刀華さん。でも、その弱さを克服して打ち消すのではなく、弱さを肯定することで個人として超越した力を得るのとはまた根本的に違う、弱さから生まれた強さを示すことで、強さに対する価値観の多様性を作品の中で示してくれたのは、ほんとに物語としての広がりを作ってくれたと思うんですよね。その意味でも、ただ懐かしい面々の活躍の場、というだけではない話になったように思います。ある意味これ、「魔人化」を拒否して人の親となった黒乃理事長の歩みの肯定者であり、後継者でもあるんだよなあ、きっと。

そしてあの一巻で一輝にフルボッコにされ、アニメでは「じゃんけんで決めよう!」で有名になった桐原くんが再登場してめっちゃ戦争で大活躍していたのには笑ったけど。いや前々から実戦ではこいつの能力尋常じゃなく強力じゃね? という話は持ち上がっていましたけれど、ガチでむちゃくちゃ
強いじゃないか、桐原くん! あの痛いのはイヤ、危ないのもイヤ、という姿勢が一貫して変わっていなかったのはむしろ褒めるべきところなんだろうなあ。その信念があるからこそ、努力と研鑽を欠かさずどんどん能力を強め研ぎ澄ませているわけですから。それもまた、プロフェッショナルとしての在り方だよなあ。

シリーズ感想

七代勇者は謝れない ★★★☆   



【七代勇者は謝れない】 串木野 たんぼ/かれい GA文庫

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聖剣を抜いたのに、神々に勇者と認められなかった勇者志望の少年ジオ。
横で見ていただけなのに、なぜか七代目勇者にされた天才少女イリア。
一度すれ違った二人の運命は、イリアが魔王に敗北を喫し、戻ってきたことで再び交錯する。

「勇者代われイリアァァァ!!」
「だめ、私がもう一度やる」

勃発するは、勇者の資格争奪戦。代われ代わらぬ喧々囂々。いがみ合つつも、七代目(元)と八代目(仮)の2人の勇者候補はそれぞれの想いを胸に、ともに旅立つことになるのだが――?
真の勇者はどっちだ!? なんとかやり直したい元勇者と早く勇者になりたい少年による勇者力争奪ファンタジー、出立!

聖剣実際抜いたのに、本人じゃなくて近くで見てた娘が勇者認定されるって、抜く意味ねー!!
誰もが讃え称賛する天才少女イリヤ。その評判に違わず、本人は人外無双の人類最強。いきなり勇者指名されたにも関わらず、わりとノリノリで引き受けちゃう。一方、努力し求め続けた勇者としての称号を横から掻っ攫われて、仕方ないと諦めずに非常に見苦しく抵抗するジオ。
これ、超然とした完璧超人の天才少女に身の程を弁えない少年が絡み続けるタイプのコメディかと思ったら……魔王と戦って負けて帰ってきたイリヤが非常に見苦しい言い訳をはじめてごまかしだしたお陰で、途端に同レベルにして低レベルの見苦しい勇者権の奪い合いに発展してしまって、草生えた!
おまけに、勇者認定を下す神々の裁定がめっちゃ軽い! おまえらアイドルの推し変じゃないんだから、という具合の尻軽さで軽々とやっぱイリヤ、いやいやこれはジオでしょう、という具合に勇者であることを示す紋章がぴょんぴょんと二人の間を行き来するわけですよ。
そのどれだけ勇者に相応しいか、という勇者力というのがまた単純な能力や実績ではなくて、世間様の評判、一般市民からの人気や期待値というのが作用するんですね。おかげで、お互い勇者としての見せ場を食い合う事態に。単なる活躍のみならず、どれだけ人気が上がるかを見計らったような宣伝工作、ド派手な口上、と自己演出に終止することに。なにやってんだこいつらw
とはいえ、お互い嫌い合ってたり本気で相手を蹴落とそうとしていたり、というわけじゃないんですよね。ジオには勇者になって吟遊詩人である妹に自分の勲を唄ってもらうという夢があり勇者になる事を譲れないという事情があり、イリヤはイリヤで人の期待に答えなければならない、という自縄自縛となっている歪みがあり、また万人が自分を崇め奉るなかで一人突っかかってくるジオに対してかなり歪んだ感情を抱くに至ってしまい、その結果として見苦しいくらい張り合う有様になっているのである。二人とも、アホらしいように見えて非常に重たい背景を抱えているからこその歪みっぷりでもあるんですね。ただ、あの意地の張り合いは別の意味で拗らせちゃってるんですね。
加えて、張り合いながらもあれで相手を貶めて、という直接的なネガティブキャンペーンははってないんですよ……いや、ジオくんめっちゃネガキャン貼ってたような気もしますけれど、誰にも真面目に受け取ってもらえずそういうキャラとしてみんなに微笑ましく見られてしまう、というなぜか好感度アップしているあたりに彼の人柄の良さが滲み出てしまっている気がしますが。
なんだかんだと、お互いちゃんと認めあっているんですね。実際、天才少女完璧超人なイリヤのみならず、ジオの方も聖剣のキリちゃんが絶賛するように歴代勇者と比べても上位にあげられるような実力者でイリヤがいなかったら間違いなく文句無しで勇者になれてた逸材なんですよね。ってか聖剣実際抜いたのは伊達じゃあないのだ。
なので、お互い実力に対しては疑いようはないし、イリヤなんかは実際はジオに一緒に来てほしくて仕方ない。いやこの子、ほんとに拗らせちゃってるなあ。ジオに対してだけは嫌われ続けないと自分に構ってくれない、と信じ込んでいるあたり対人スキルが誤っちゃってるのがよくわかる。
それもこれも、彼女に対して誰もが期待し信仰するような環境が悪いと言えば悪いのですけれど。

でも、所々で全力で見苦しかったり卑しかったりするあたり、根っこの所でアレな部分は間違いなくあるぞ、この七代目。そしてあまりにもボッチ属性を拗らせてしまっているイリヤの本性に気づいてしまったジオは、これまた拗らせてしまっていた勇者パーティーの一人である聖女との関係改善にあれこれ小細工をはじめてしまうのである。いやもう、こういうの見過ごせないあたり何だかんだとイイ子すぎるジオくん。神々がポンポンとイリヤから彼に紋章を移行させちゃったり、イリヤに比肩するくらい彼の人気が民衆の間であがってしまうのもわからなくもないんですよね。
実はイリヤがベタぼれしてしまっているのも無理ないかっこよさ。勇者になるという決意と覚悟も、ほんとはすごく重たい事情を抱えているのに、それについてはひっそりと胸の奥にしまっていた奥ゆかしさ。いい男なんですよ、ほんと。なのになんで、時々あれだけ人間が小さくなるのかw
まあこの二人以上に、この二人の間を取り持つ聖剣がいいヤツすぎるんですけどね。年長者としてまだ幼い部分を多分に持つイリヤとジオをあたたかく見守り、また助言を与える保護者みたいな振る舞いをしてくれますし。それ以上に二人や状況に振り回されて苦労するわけですけれど。

なかなかにシッチャカメッチャカな展開で、勢いに任せた分文章の中で状況とかわかりにくい所とかもあって読みにくい、と思う所もけっこうあったのだけれど、それでもイリヤとジオが本当に可愛らしくて楽しいお話でした。
わりとそっちのけにされていた肝心の魔王の方にも重要な伏線が敷かれているみたいだし、続きが楽しみ。


暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり ★★★☆   



【暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり】 笹木 さくま/乾 和音(artumph) ファミ通文庫

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「アルバよ、ワシの恋人になってくれ」―暗黒騎士一行は迷宮の第三階層まで進んだはいいものの、新種や突然変異のモンスターが出現したため攻略難易度が跳ね上がり、先行きに不安を募らせていた。そんな時のガーネットの告白に盛大に動揺するアルバとルーファ。なんでも彼女に冒険者を辞めさせるため結婚話が持ち上がったという。大事な仲間の危機に、アルバは上手く恋人役を務められるのか―!?暗雲渦巻く伝説の暗黒騎士の新たな伝説、第三幕!

ガーネット、殆ど喋らないアルバとなんであんなにも意思疎通できるのかと思ったら、ガーネットパパが同じく極めて無口なタイプだったのか。ちゃんと根拠というか理由があったのね。てっきり、特に理由もなく以心伝心なんだぜ、なのかと思ってた。ガーネットがしっかり者の気遣い上手というキャラ付だけで多少読心が出来ても変じゃないよね、と思わせてくれる人徳の持ち主でもあっただけに。
だからこそ、アルバみたいな迂闊者というか世間知らずというか色々と鈍い青年にはガーネットみたいなしっかり者がお似合いだと思うんですよね。時代は常に姉さん女房が至上なんですよ。
ただガーネットの場合本気でアルバに対しては恋愛感情はないっぽいんですよね。好意は多分にある、それこそ仲間に対する信頼以上に大きな親愛を抱いているのは確か。多分だけど、何らかの理由でアルバと結婚しなくてはいけなくなったとしても、なんの文句もなくそれを受けるだろうしきっと円満な夫婦生活を送れるだろう、というくらいには好意を抱いていると思うんですよね。いつか自然と愛情へと変わるだけの好意が。でも、それは恋ではないんですよね。
自分はだから、こんなガーネットだからこそ、本気で恋をしてしまう、恋に落ちてしまう姿が見てみたくもあったのです。ただ残念ながら、婚約者候補との顔合わせで色々とトラブル騒動はあったにも関わらず、終わってみたらガーネットもう平常運転で、特にドキドキしている様子もなかったのでそれがなんとももったいなく。いや、軽々と浮つかないのがガーネットらしさなだけにそれでこそ、ではあるんですけれど。その彼女を揺るがすだけの何かが今の段階ではまだ無い、というのがいささかもどかしくもあるのです。

さて、ルーファとガーネットがアルバとともにダンジョンの最下層を目指す原因であった災厄の目覚めの前兆がどんどん顕著となっていき、現状維持のためにルーファの妨害を続けていた皇帝が自ら出馬してアルバたちの前に立ちふさがる事態に。
ルーファが語っていたような現実を無視して既得権益にしがみつき、それを邪魔する輩を排除しようとする害悪、というわけではなくちゃんと皇帝陛下は陛下で状況を正確に把握し、娘であるルーファを気遣っていた、というのはわかってよかったんだけれど……。
いやでも結局、対処を諦めて安楽死上等みたいな諦観に落ち着いたってるのって、やっぱりアウトじゃないんですかね!? この人も為政者として決して無能ではないんだろうけど、割り切り方がシビアすぎる上にそこに情が深く絡んじゃってるあたり、国家元首とか向いてないんじゃないかい!?
完全に権力に対して倦んでる傾向があるし!
ダンジョンを抱える国家を統べる責任者として、個人としても強くないと皇帝継げない、というシステムがなにげに脳筋すぎてダメだったんじゃないのか、これ?
いやまあ一番強い人でも、どうしようもない事態になってもじたばた最後まであがき続ける、というスタイルの人もいるだろうし、一概に国で一番偉いやつになるにはパワー重視! じゃダメってわけじゃないんだろうけどさ。
皇帝位の継承についての宣言、グダグダやっているよりはよっぽどマシではあるんだけれど、自分自身で大鉈奮って国家体制を一纏めにする選択を見事に放り投げて後は任せた、になっているあたりわりとなんともはや、な感じである。まあ、自分では出来ないという自覚あってのことだろうし、最有力候補なルーファをあえて指名してしまえば、彼女が文字通り親族姉妹を粛清しまくる血塗られた道を歩む羽目になってしまうだけに、それを選べなかったというのがあるんだろうけど。
まあそういう難しい問題関係ないアルバからすれば、最下層まで到達して真実を確かめる、というシンプルな目標に邁進すればいいだけなので、ただ頑張ればいいんでしょうけどね。それで取り返しのつかない立場に追いやられても、どうせ彼には何も出来ないんですし。ただルーファにもあんまり期待できないだけに、色々と面倒はフォローはやっぱりガーネット頼りになってしまう気がするぞ。

シリーズ感想

第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 3 ★★★   



【第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 3】 翠川 稜/赤井 てら ヒーロー文庫

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温泉、プール、娼館経営…。キュートで聡明なお姫様が、コワモテ騎士とともに辺境開拓で大活躍!じれじれラブコメ第3弾!

ウィンター・ローゼに到着した第六皇女ヴィクトリアは、魔術を存分に使って温泉掘削をしたり、次々に新しいアイデアを出したりと、辺境開拓を進めていた。このまま順調に計画が進むかと思われたが、残酷な事件が起きてしまう。
その事件の真相を知ったヴィクトリアは、街を観光業で発展させるためには娼館も必要なのではないか、と思い至り、アレクシスには内緒で娼館設立のために動き始める。
しかし、ヴィクトリア本人が帝都の娼館街に出かけたことを知ったアレクシスは、危険なことをしないでくれとヴィクトリアに怒ってしまう。
二人は初めて衝突してしまうのだが――。

ヴィクトリア皇女殿下、御年十六歳なんだけど魔力の作用の影響なのか成長に乏しく見た目が幼女、なのを本人も大いに気にしていらっしゃるのですけれど……ちびっ子なのって見た目だけじゃないですよね、これ。
これまでも元気いっぱいなお嬢さんだったのですけれど、この巻でのヴィクトリアはひたすらテンションマックスのままアクセル全開まで踏み込んだ状態で駆け回ってる感じなんですよね。アイデアを思いついてははしゃぎ回って周りの人たちに語って聞かせる、現場に出れば全力全開で魔術をぶっ放して開拓作業に従事し、あっちこっちに突撃し思いつくまま声を張り上げて喋り倒し、ともう何をするにも全力なんですよね。
これって、幼い頃の全力で遊び回りはしゃぎ周り走り回って、大人もついていけないくらいどこにエネルギーが詰まってるのか、と思ってしまうくらいエネルギッシュなちびっ子たちそのままなんじゃないでしょうか。幼稚園とか小学生の低学年の頃の子供って、ほんともう信じられないくらい最初から最後までアクセルベタ踏みでしょ。そんで、突然パタンとスイッチが切れたみたいに止まっちゃってすやすやとおやすみモードに入っちゃうの。マックスからオフの間が全然無いのよね。
ヴィクトリア皇女も、今回は似たようなものでいきなりパタンとお休みになってしまうケースが見受けられて、なんか既視感があるなあと思ったらちびっ子の生態そのままなんじゃね、と思い至って思わず「ふふっ」と微苦笑してしまうのでした。
いやでも、今回は特にテンション高くなかったですかね、皇女殿下。お膳立てもすんで、あとはひたすらやりたいことをやりたいだけやり倒す、という段階に入ってしまったのでよっぽど浮かれてしまったのかもしれませんけど、さすがにずっとこれだと疲れないのかしらと心配になった所でさすがにお疲れモードに入る場面がありましたけど、黒騎士さまがお出かけに誘ってくれただけで疲れが吹き飛んでしまうのですから、回復力が若い、若い。
ただまあこれ、やっぱりどれだけ叡智を感じさせる行動結果だとしても、傍から見ているとお子様が元気いっぱいはしゃぎ回っているようにしか見えないので、乙女力とか女子力的にはどうかというものだった気もするんですよね。バリバリ仕事する姿に惹きつけられるというよりも、子供頑張ってるなあと微笑ましくなるような感じでしたし。
ただ、肝心の黒騎士さまはというとそんな姫様に純粋に敬意を抱き、同時にちゃんとレディに対する接し方をしていたあたり、主君への対応云々だけではなく子供に対する庇護者としての振る舞いでもなく、ちゃんと女性扱いしてたように見えるんですよね。
でも、今回の姫様の様子を見てその対応はむしろルーカスじゃないけれど、ロリコンか?とちょっと言いたくなるぞw
ただ、黒騎士さまの場合はどうにも姫様にどういう立ち位置で接したらいいか未だに定まらないが故に迷走している所もあるんですよね。自分に言い聞かせる建前と内実の変化がそろそろ明確に食い違ってきた、と言えるのかも知れません。この期に及んで、未だ自分の建前を信じているがゆえに自分の中から湧き上がってくる感情を持て余し、適切に処理できないまま見ないふりをして曖昧に対処してしまったが故の、今回の姫様との喧嘩でありますけれど……姫様もまだまだその対応はお子様ですよね、あっさりムキになってしまって。なにげにまだまだレディには遠いぞ、それじゃあ。
むしろ、姉姫のエリザベート殿下とハルトマン伯爵の何かがはじまりそうな関係の方が興味をそそられます。ヴィクトリアがめっちゃ煽ってましたけれど、確かに今の情勢だとエリザベートが選べばそこに異を唱えるのって難しいのだから好きに選んじゃえばいいんですよね。それがワガママになるかどうかは相手次第。その点、ハルトマン伯爵は王配としては文句なしに最適の人材ですしねえ。
このカップルの顛末がどうなるかは非常に楽しみです。
しかし、変なところに転生者が散らばってるなあ。アメリアとルーカスの凸凹コンビは結構好きなんですけど、それにしてもデジカメはさすがにオーパーツすぎません?

1巻 2巻感想

帝国の勇者 世界より少女を守りたい、と“まがいもの"は叫んだ   



【帝国の勇者 世界より少女を守りたい、と“まがいもの"は叫んだ】 有澤 有/なのたろ GA文庫

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「〈勇者殺し〉はどこだぁぁぁぁ!!」
ベルカ帝国が誇る無敵の異能兵士、【帝国の勇者】が反乱軍に殺害された!? 事態を重視した帝国は、勇者カイムを報復のため派遣するが……。
「……まるで、死んだシオンに……」
カイムの前に現れた標的は<勇者殺し>に殺された仲間のシオンだった!!
しかも、古の英雄が振るった伝説の聖剣を掲げ、帝国の殲滅を宣言!?
「俺はすべてを捧げて、お前を救う」
聖剣に支配されたシオンを救うため、カイムは〈勇者殺し〉こと、蘇った英雄に挑むが苦戦。力量差を覆そうと、最後の切り札を使う――。
「――ゆくぞ〈リンドブルム〉!」
第11回GA文庫大賞奨励賞。英雄の理想と少年の誓い、勝ち残るは!?

シオンシオン言い過ぎ!! カイムくん、あんまりにもシオンシオンしか言ってなくて、それしか頭にないのか、と。いや勿論、カイムがシオンを一番大事にしている、帝国よりも世界よりもシオンが大切、というのがカイムという人物の根幹であり何より物語の肝となる部分というのはわかるのですけれど、それにしてもシオンシオンばっかりで他に何も考えてなさそうに見えてしまうのが主人公として大いに辛かった。実際は軍務についても真面目にこなしていましたし、仲間たちの事も気遣っているので何も考えていないというわけではないのですけれど、何かあるとそれらを全部放り出してシオンシオン言い出すので、やっぱりシオン以外何も考えてないようにしか見えないんですよ!
掛け替えのない大切な人、自分にとって命にも魂にも等しい無二の人物というのを表現する方法は色々とあると思うのですけれど、カイムのそれはシオンの事となると知能が下がってるんじゃないか、という風に見えてしまうので表現方法としては稚拙に見えてしまうんですよね。これじゃあ、ただのアホの子じゃないか。いっそ、狂気の領域までシオンという存在に執着し囚われているように見えればいいのですけれど、シオンシオン、勇者殺しはどこだーっ、と状況も踏まえずただ叫んでいるばかりでただ頭が足りない、視野が狭いようにしか見えなかったのです。
視野が狭いと言えば、相手のレオンもわりと極端な視野の狭さなんですよね。自分の考えに凝り固まって、周りの考えも状況もそもそも理解するつもりもなく、現状と自分の考えが食い違えば理解を示す素振りを見せつつも実際は現状のほうが間違えているのだ、と固執する。あれは暗殺されますよ。そして死んでもまったく治ってない。よほど暴君になりかかってたんじゃなかろうか、あれ。
勇者と名乗りながらただ独りの幼馴染に固執するカイムと、勇者として個を一顧だにせず全体の最良を優先するレオン、と勇者の在り方を鏡合わせのように対比させたかったようにも見えますけど、カイムのそれは恋だの愛だのを突き詰めて世界の行く末を振り切って一人の女にこだわる、という体では全然なく、そもそも世界とか国とか端から頭になく天秤に乗せる要素ですらなく、しかしシオンへの執着は愛情にまで昇華されていなくて、ただの子供が自分の宝物を掴んで離さずキャンキャン鳴いてるようなものに見えるんですよね。対するレオンも全体を考えて、とか言いつつあれ完全に自分の思想勇者像に酔っているような感じがして、そこに大切なものを引き換えにする悲哀や信念の尊さが見えてこない。全体のためを謳いながら個の我執に見えてしまう。在り方を代表して対峙するには両者ともなんかもう塩っぱい。

これなら、カイムもシオンも私のもんじゃー、と言い切ってるミーナさんの方がいい意味で振り切っていて、良い歪み方してるんですよね。
エリーゼも敗戦国の王族として、責任の取り方に悩んでたり将来国をどう動かしていくか希望と絶望を綯い交ぜにしながら、歯を食いしばって掴み取っていこうという根性を見せてたり、セエレくんの大切な仲間を失った喪失感に耐えながら今一緒に戦っている仲間たちを守るべく立ち回る健気さとか、カイムたちの部隊の隊長の少数民族出身の複雑な背景と裏腹の姉御肌なところとか、脇を固めるキャラクターたちの方がむしろ豊かな側面を見せていて、作品を底支えしてるんだよなあこれ。
ってかあそこまでシオンシオン言い続けておきながら、彼女に対する感情への自覚が全然足りないってカイムくんどうなの? それってどうなの? 
死んだ殺されたと思っていた家族同然の大切な女性が、実は……という展開は非常に美味しいシチュエーションのはずなんですけど、その当事者であるカイムとレオンがどうにもこうにも自分にとってはどうにも中途半端でしっくりこなかったのでした。ってか決着もつかないのかよ!
シオンの出自とか伏線もあるみたいなんだけど、カイムがもうちょっとなんとかならんと辛いかなあ。

地獄に祈れ。天に堕ちろ。 ★★★☆  



【地獄に祈れ。天に堕ちろ。】 九岡 望/ 東西 電撃文庫

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イカしたDJが今回のお話を大紹介ダ!
ミソギ、死者。嫌いなものは聖職者。犯罪亡者をぶっ飛ばし、地獄の閻魔に引き渡す荒事屋にして……シスコン(妹)!
アッシュ、聖職者。嫌いなものは死者。聖なる銃をぶっ放し、死者を殺しまくる某機関の最終兵器にして……シスコン(姉)!!
こんなチョイとオカしな二人が、何の因果か亡者の街『東凶』で、「魂」に効くヤバーいおくすりを大捜索! 聖職者嫌いの死者と死者嫌いの神父が!? ハッ、まったく上手くいく気がしてこないね!
しっかーし! 困ったことにこいつら実力は折り紙付き。おいおい頼むから『東凶』を壊滅させちまったりすんなよ!? 電撃小説大賞《大賞》受賞作家・九岡望が贈る、ダークヒーロー・アクション!

イカレた二人のバディアクション、という触れ込みだったのでよっぽど頭がおかしいか人間的に破綻している輩のピカレスクロマンの類かと思いきや、少なくとも亡者であるミソギの方はかなりマトモ、を通り越して文句なしに好漢ですよ、こいつ!?
世界規模の幽界現象と呼ばれる地獄の底だか天井だかが抜けてしまう大災厄によって、死者が現世に戻ってきてしまうようになった末世において、まだ生きてる妹を守るために地獄の閻魔様(♀)に直談判して、直属の賞金稼ぎとして現世に舞い戻り犯罪亡者を狩るハンターとして東凶を駆ける人呼んで死神ミソギ。こいつがまた見てくれと行状は完全に危ない人なんだけれど、中身はほぼヒーロー気質なんですよね。そもそも、妹を守るために現世まで這い上がってきたその根性、そして妹を安全な生者の街まで送り届けたあとも、閻魔様から授けられた「借金」を返すためとはいえ危ない犯罪亡者どもを狩っているのは、少しでも妹が生きているこの世界を安全にするためという心意気。そんでもって、年下の女の子を見ると妹を連想してついつい助けちゃうあたりなんかも、ロリコンとか言ってはいけない。ってかもう妹ちゃん普通に23歳と大人になっちゃってるじゃないかい。
まあこちらの死者ミソギが比較的真っ当な人間しているのに対して、完全にイカレてしまっているのが聖職者たるアッシュの方である。こっちのシスコンの方は笑い話に出来ないくらいのダークサイド。正気も殆ど残っていなくて、復讐心と狂気を「姉」への依存心でなんとか外からコントロールしているような危うい状態なものだから、彼の担当となった仮の「姉」であるフィリスがえらい苦労するはめに。基本的に「姉」の言うことは何でも聞くものの、少し目を離すと途端に狂気のままに行動しだす上に言うことは聞くけれど話は聞かないので、言い聞かせるのがそもそも大変!
わりとイカれたエクソシスト組織の一員でありながら、フィリスさんてばまともな人すぎるので、これこのままだったら早晩胃に穴があいてたんじゃなかろうか。
ただ、このアッシュの方が殆ど正気残っていない、というのがバディものとしてはちとネックだったんですよね。反発しあいぶつかり合いながらも、どこかで相通じるものを感じ取り衝突しながらも息のあったコンビになっていく、というのがバディものとしての醍醐味だと思うのですけれど、それが片方頭おかしくなっているものだから、どこか噛み合わないまま進んでしまうのです。ちゃんと対立も意気投合も出来ないまま進展してしまうんですね。なにしろ、アッシュが相手であるミソギの事をちゃんを見ていない。それ以前に過去に魂を囚われていて現在そのものを正確に認識していないのですから、どうしたって対等になれず対面で向き合えず、肩をいかれせぶつけ合うことすら出来ない。
なので、ド派手にアクションどんどんぶちかまして、キャラクター敵味方問わずにイケイケドンドンで喋りも行動も大いに花火を打ち上げて、リズムよくポンポン弾けていくにも関わらず、どうしても乗り切れないところがあったんですよね。
それが解消されるのが終盤も終盤。アッシュが正気に返って過去に囚われた魂が檻から解き放たれてから。目を覚まし、ちゃんと現在を受け止めて、周りの人たちのこともちゃんと自分で考え一人ひとりをちゃんと認めることで、ようやくここで生きてるキャラクターになったのです。
ミソギと、対等に殴り合い怒鳴り合い、認めあえる個人になったのです。そうなると、アッシュに引っ張られるにしろ引っ張ろうとするにしろ、彼に振り回されるか引きずられるしかなかったフィリスも、彼から手を放して一人で動き回れるヒロインになれたんですよね。そうなると、温厚なふりしてやたら度胸があったり肝が据わって覚悟極まってたりとフィリス個人としての魅力が湧き出てくるのです。アッシュとミソギのバディアクションも、俄然勢いを増して盛り上がってくる。
ちょうど、ラスボスの素性やら目的やら仕出かそうとしている大事件の全容も明らかになり、終盤はほんとに全部見事に噛み合ってフルスロットルなノリノリの大盛りあがりになってたんじゃないでしょうか。こういうの書きたかったんだろうな、というのが全部積み上げられてるようなド派手なアクション大暴れ。
これをもっと序盤中盤から点火出来ていれば、盛り上がり具合もうなぎ登りだったのかもしれませんが、そういう意味ではスロースターターな作品だったようにも思うんですよね。
なので、次回があるなら最初から全員重たいものは振り切っているでしょうし、初っ端から最高速度で突っ走ってくれるんじゃないか、と期待してしまうところです。
しかし、閻魔様ブラックに見えてあれかなりイケメンな性格をした頼りになる上司ですよね。人情派で結構マメだし。ただし、借金は減らないのは真理真理。

九岡望作品感想

アヤカシ・ヴァリエイション ★★★   



【アヤカシ・ヴァリエイション】 三雲岳斗/沙汰 LINE文庫

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美貌の青年、真継晴の周囲で繰り返し起きる悲惨な事故。
それは晴の祖父、座倉統十郎が持つ骨董品「匣」の相続を争う、親族たちの謀略だった。
命を狙われた晴の護衛として雇われたのは、横浜山手に店を構えるという、骨董品店「杠屋(あかなしや)」の面々。
彼らは、いわくつきの古道具「特殊骨董」の始末を請け負う特殊骨董処理業者であり、彼ら自身もまた特殊骨董の化身――付喪神なのだという。
呪われた「匣」の秘密と晴の過去を知るために、座倉家に乗りこんだ晴と杠屋の妖かしたち。

そこで彼らが出会った真実とは――?

サークルクラッシャー男版、という来歴を持つ主人公。いや、本人ふとした瞬間に消えてしまいそうな儚げな白皙の美人さんなんで、主体的に女性を誘い誘惑して、なんていうキャラではないのだけれど、女性遍歴の噂からして来るものは拒まず、というスタイルだったんだろうか。もしくは、拒めなかったのか。どうもテンプテーション並に女性の理性を飛ばしてしまうかんばせみたいだし。
性格も社交的とは程遠い内向的なものですから、そりゃ友だちとかも出来なかっただろうし、そもそも周りに不幸があまりにも多い人生は彼自身の事を慮り心配してくれる知人ですらいなかったのでしょう。
何気に、彼を拾ってくれた骨董店の老店主とか人情を持って接してくれる人は結構居たようにも見えますけど。ただまあ、晴自身自分の人生に後ろ向きすぎてそういう周りに目を配る余裕もなかったんだろうなあ。
だからこそ、晴の生まれから何故こんなにも繰り返し不幸が起こるのか、そして何が晴を守っているのか、彼の疑問をすべて解き明かしてくれることになる「杠屋(あかなしや)」の面々との出会いは、まさに彼の内面を変えるターニングポイントでもあったのでしょう。
理不尽であっても理由があったのなら、それを克服することが出来る。それはまさしく希望でしょう。
そんな彼に希望をもたらした「杠屋(あかなしや)」の面々ですけれど、若き女性社長の真緒さんを差し置いて、どう見てもメインヒロインはガタイのいいゴツい強面の兄ちゃんな和泉なんですよね。見た目怖いし豪快そうで、言動もやや荒っぽく威圧的という雑に見えるタイプなのにこの男、内面はやたら繊細だし実は料理上手だったり乙女か!
いやもうほんとに、自分の来歴である血腥い過去をズルズルと引きずって克服できないまま持て余して、それでいて他人に触れられたくないと警戒する猫みたいに尖って、と繊細さ加減が並じゃないんですよね。敵対勢力の狩野さんてば、和泉のこと狙ってるみたいだけど性格あまりにもあわなさすぎて手に入れても毛が抜けるじゃないけど、ストレスで錆びるんじゃないのか?
ただこれだけ繊細な和泉が、どうして晴に関しては受け入れたのか、そのあたりの理由がはっきりしなかったはちともやもや。晴の特異体質ゆえなのか、それとも過去に傷ついているモノ同士の共感なり共鳴だったのか。
肝心の和泉が過去にどこに忌避感を感じているのか、具体的な回想云々はまったくなかっただけに、和泉の原点に対しての取っ掛かりが全然なかったんですよね。
対して、晴の方ももう一つはっきりとした意志を最後の方まで感じさせず、なんとなく流されるように終盤まで行ってしまったので、和泉が晴を受け入れてコンビを組む展開もなあなあでそこに行き着いたという感じでイマイチ盛り上がりというかハッタリみたいなものが効いていなくて、インパクトも薄かった気がします。晴の主人公としての存在感がなあ。
これに関しては「杠屋」の他の面々も掘り下げという意味ではあまり手が回っていなくて、真緒にしてももう一人の重要人物である水之江にしても、ずっと出ずっぱりだったわりに表面的なキャラとしてはともかく、どういう人物なのかと踏み込んで焦点を当てると思ったよりも見えてこないんですよね。舞台設定や状況説明、晴のこれまでの出来事や座倉家の事情というあたりに手が取られてしまって、というあたりなのかもしれません。第一巻でよく見る形ではあるのですけれど。
なので、全体的に薄味気味だったかなあ、という印象でした。シリーズが続いて登場人物が掘り下げられていったりキャラ同士の関係が深まっていけばまた違ってくるのかも知れませんが。

三雲岳斗作品感想

戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10 ★★★★☆   



【戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10】 SOW/ザザ HJ文庫

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皆に祝福され、結婚式を挙げたルートとスヴェン。しかし、人と機械では生きる時間が違いすぎた。だから、スヴェンは人間になることを決意し、人化の方法を知るマイッツァーを探すのだが、彼は保安部の手によって誘拐された後だった。マイッツァーの救出に動いたルートたちは、否応にも聖女が画策する次なる大戦の火種に飛び込むことになり――今はもう英雄でもなく兵器でもない、普通のパン屋店主と看板娘が贈る街角パン屋繁盛記、感動のフィナーレ!!

エピローグまでしっかりやってのやるべきをやり尽くしての終演でした。これからも続いていく登場人物たちの人生を見送る形の終わりではなく、その行く末を見届けてのエンディングは満足感に浸れると同時にひどく寂しさも感じるんですよね。読み終えたあと、しばし感慨を噛みしめる。そうしないといけないくらいには、この作品のキャラクターたちには愛着を感じていました。
思えば登場当初から機械人形らしからぬ感情豊かさ、我の強さがロボ子の定型からは随分と外れていて、それがスヴェンというヒロインの魅力だったのを覚えています。そんなスヴェンですけれど、当初は機械的、というよりもマスター至上主義な所があってそれ以外に関しては酷く冷徹な所もあったんですよね。でも、パン屋の看板娘として多くの人と関わるうちに、ルートを経由するのではなくスヴェンが一人の個人として大切に思う人、関係が生まれてきてますます人間らしくなっていったんですよね。
そんなスヴェンですが、幾ら心を持とうと身体は機械。人間であるルートとの時間の流れの差は、結婚という関係の刷新を行ったからこそ尚更に彼女自身に現実を突きつけることになりました。
だから、マイッツァーを助けに渦中へと赴いたのは世界の危機を救うためではなく、ルートにとっては義父に会うため。スヴェンにとっては円滑な結婚生活のため、というあくまで個人的な理由によるもの、という建前で。
いやでも、実際建前でもないんですよね。
この物語、個々のキャラクターに焦点を合わせてみるとそれぞれ概ねみんな幸せを掴むに至っています。でも視点をマクロに広げて世界的な観点から見ると、ルートをはじめとするみんなの行動は聖女という悪意を退け、大きな意味での人類の行く末の破滅を防ぐことは出来ましたし、直接的な大被害をなくすことは出来ましたけれど、世界の危機そのものを回避することは叶わなかったんですよね。
これがもし、世界を救うための旅や戦いの物語だったとしたらこの結末はバッドエンドとすら言っていいかもしれない。でも、パン屋の新婚夫婦の物語としてみたら、苦労も多く背負うことになったかもしれないけれど、多くの別れを経たかもしれないけれど、でも大切な人たちの間では殆ど不幸を得ることがなかった、とても幸せなハッピーエンドだったと断言できるでしょう。
だから、これは間違いなくただのパン屋の店主と看板娘のお話だったのです。
まったく、ただのパン屋が幸せになるために潜らなきゃならない鉄火場のレベルじゃなかったんですけどね、一連のあれやこれやは。
結果的にですけれど、多分多くの友人たちとは二度と会えない形になってしまったと思いますし。ミリィが一番苦労したんじゃないかな、いきなりだっただろうし。
レベッカはあれ、人間になれたんでしょうか。レベッカとリーリエに関してはスヴェンが人間になる方法を用いることで、つまりスヴェン次第でなれてもおかしくないんですよね。二人とも、ズヴェンと同じく大切な人と一緒にいたいと願うでしょうし。挿絵ではレベッカ、少女然としたままでしたけど。
でもって、一番ままならなかったのはこれソフィア姐さんなんだろうなあ。多分、本人たちはこれで満足なのかもしれないし、報われていないとは露ほども思わないのだけれど、ただでさえルートの件で恋破れてしまったソフィアさんが、次の恋も傍らに置いておけなかったというのは胸に来るものがあります。でもあれ、ちゃんと恋人にはなったんですよね、ダイアンと。
あの結末はむしろダイアンの方が寂しがっていそうですけれど。それに、もっと後年になって戦後も遠くになりにけり、というくらいに戦争が過去のことになったら、また会える機会も一緒に過ごすことも叶わなくはない、と思えば……。
そのダイアン博士。この人もまた随分と定型から外れたキャラクターでした。いや登場当初って絶対に黒幕ですし、ラスボスかエクストラボスだろうというキャラだったじゃないですか。それがいつ裏切るか、いつ本性を現すか、と戦々恐々としていたら怪しげな素振りは欠かさないままズルズルとソフィアから離れないまま終盤まで来てしまい、終わってみれば全編通して味方側の黒幕として常に痒い所に手が届く働きをさり気なくやってくれてた上に、肝心なときにはいつも重要なポイントを解放して先に進めるようにしていてくれて、挙げ句に絶体絶命のピンチを覆す大どんでん返しまでそつなくやってくれていて、とシリーズ通して間違いなくMVPはこの人だったよなあ。
人格的には破綻していても、人間的には情深く愛を知る人であり、その出自からして人を愛することの素晴らしさを誰よりも感じる形で育てられた人だった、という事で随分と見方も変わった黒幕さんでしたし。軽薄な胡散臭さはついぞ変わりませんでしたけど。ソフィア姐さんとは本当に良いコンビでした。
最後のルートとスヴェンが写った写真のイラストは珠玉で、エンディングを飾るに相応しいこの物語の結末の形を描き尽くした素晴らしいものでした。
二人の新しいパン屋での生活に関しては、チラッと電子書籍版の描き下ろし短編で描かれているのですが、異国の地での生活は本当に苦労したようで、でもそこでの新しい営みがスヴェンの独白から伺い知れて、彼女が幸せですと語る言葉が胸に沁み入るものでした。スヴェン、ルートのこと「あなた」と呼んで慈しんでいるんですよね。長年連れ添った夫婦という雰囲気が伝わってきて、良かったなあ。
終わるのがほんとに寂しい、良い作品でした。次回作も同じくらい長く楽しませてもらえるものになってほしいものです。

シリーズ感想
 

7月8日

南野 海風
(カドカワBOOKS)
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神無月 紅
(カドカワBOOKS)
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千月さかき
(カドカワBOOKS)
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アルト
(カドカワBOOKS)
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神山 りお
(カドカワBOOKS)
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港瀬 つかさ
(カドカワBOOKS)
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7月7日

ゆずチリ
(KCデラックス)
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桑原太矩
(アフタヌーンKC)
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光城ノマメ/しまな央
(アフタヌーンKC)
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SNK/あずま京太郎
(シリウスKC)
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福田直叶/むらさきゆきや
(シリウスKC)
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やつき/澄守彩
(シリウスKC)
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内々けやき/あし
(シリウスKC)
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石口十
(シリウスKC)
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田口ホシノ
(シリウスKC)
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川上泰樹/伏瀬
(シリウスKC)
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伏瀬/柴
(シリウスKC)
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園原アオ/割田コマ
(シリウスKC)
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錬金王/五色安未
(シリウスKC)
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鳥羽徹/えむだ
(ガンガンコミックスUP!)
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瘤久保慎司/夏星創
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古森きり/水口十
(ガンガンコミックスUP!)
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三河ごーすと/平岡平
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/阿倍野ちゃこ
(ガンガンコミックスUP!)
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斧名田マニマニ/唯浦史
(ガンガンコミックスUP!)
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蒼乃暁/BARZ
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佐伯さん/はねこと
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西山暁之亮/縞
(ガンガンコミックスUP!)
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FUNA
(SQEXノベル)
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佐賀崎しげる
(SQEXノベル)
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葉月秋水
(SQEXノベル)
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ももよ万葉
(SQEXノベル)
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7月6日

四葉夕卜/小川亮
(ヤンマガKCスペシャル)
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朝賀庵
(ヤンマガKCスペシャル)
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岡本倫
(ヤンマガKCスペシャル)
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細川忠孝/山村竜也
(ヤンマガKCスペシャル)
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硯昨真
(宝島社文庫)
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7月5日

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にゃんたろう
(ドラゴンノベルス)
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八華
(ドラゴンノベルス)
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二八乃端月
(ドラゴンノベルス)
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7月4日

レオナールD
(一迅社ノベルス)
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松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)
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藤本タツキ
(ジャンプコミックス)
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阿賀沢紅茶
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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yatoyato
(ジャンプコミックス)
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土田健太
(ジャンプコミックス)
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橋本悠
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
(ジャンプコミックス)
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三条陸/芝田優作
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稲岡和佐
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有馬あるま/フカヤマますく
(ジャンプコミックス)
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田中靖規
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
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堀越耕平
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古橋秀之/別天荒人
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神江ちず
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)
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蝉川夏哉/ヴァージニア二等兵
(角川コミックス・エース)
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三上康明/田中インサイダー
(角川コミックス・エース)
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7月1日

紙城 境介
(角川スニーカー文庫)
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メソポ・たみあ
(角川スニーカー文庫)
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ナナシまる
(角川スニーカー文庫)
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shiryu
(角川スニーカー文庫)
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あまさきみりと
(角川スニーカー文庫)
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ミヤ
(角川スニーカー文庫)
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榊一郎
(HJ文庫)
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たすろう
(HJ文庫)
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シクラメン
(HJ文庫)
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かみや
(HJ文庫)
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ぎんもく
(FUZコミックス)
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晩野
(FUZコミックス)
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明地雫/霜月緋色
(HJコミックス)
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森山ゆっこ/はむばね
(HJコミックス)
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黒野ユウ/遠野九重
(B’s-LOG COMICS)
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大和田秀樹
(近代麻雀コミックス)
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6月30日

之 貫紀
(エンターブレイン)
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kawa.kei
(エンターブレイン)
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槻影
(エンターブレイン)
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白水 廉
(エンターブレイン)
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丸山 くがね
(エンターブレイン)
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鹿角フェフ
(GCノベルズ)
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力水
(モンスター文庫)
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蒼井美紗
(Mノベルス)
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よねちょ
(Mノベルス)
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あきさけ
(Mノベルス)
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唐澤 和希
(ヒーロー文庫)
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中野 在太
(ヒーロー文庫)
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新城一/海月崎まつり
(KCx)
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キダニエル/四葉夕卜
(KCx)
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6月29日

榊 一郎
(講談社ラノベ文庫)
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弥生 志郎
(講談社ラノベ文庫)
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雨宮 和希
(講談社ラノベ文庫)
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虎走 かける
(講談社ラノベ文庫)
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謙虚なサークル
(講談社ラノベ文庫)
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深山 鈴
(Kラノベブックス)
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右薙 光介
(Kラノベブックス)
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火事屋/蛙田アメコ
(ライドコミックス)
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真鍋譲治/すかいふぁーむ
(ライドコミックス)
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伊吹 亜門
(星海社FICTIONS)
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柴田 勝家
(星海社FICTIONS)
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6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
Amazon


東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
Amazon B☆W


佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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