前回3月前半の記事です。
以降は今月3月の下半期に発売のライトノベルから、注目作品をピックアップしていきたいと思います。
【東京レイヴンズ 17 REsiSTANCE】 あざの 耕平(富士見ファンタジア文庫)

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かつてない霊災のなか、当代最強の「炎魔」が立ちはだかる!ふおおお、【東京レイヴンズ】続刊出た! 出るんだ! 前巻からおよそ6年半ぶりですよ。小学校卒業したくらいの子が大学生くらいになってる年月ですよ。久々だなあ、久々すぎて、前巻どんな話だったかほとんど覚えてないんですけど。いや、夜光にスポットを当てた過去編だったというのは覚えてるんですけれど。さすがにこれは一度再読しとくべきだなあ。
時を遡り、飛車丸と魂の融合を果たした夏目。春虎の願いが叶った一方で東京は激しい霊災に見舞われていた。これをおさめるべく「神扇」天海のもとに春虎や陣などかつての仲間が集い、多軌子たちとの決戦に挑む!
いずれにしても、このシリーズの続きを読めるのは本当に嬉しい。
【ロクでなし魔術講師と福音後記】 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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これは、どこかにあるかもしれない幸せな後日譚――完全に終わったと思われた【ロクでなし魔術講師】シリーズだけれど、これもうファンディスクな内容ですね。あらすじでもうIFと銘打ってますし。ただ、世界観からして単純なIFのお話を並べただけ、各ヒロインルートを描いただけかというと穿って見てしまうところがあるのですが。
《無垢なる闇》、そして禁忌教典をめぐる戦いを乗り越えて皆の下に帰ってきたグレン=レーダス。
彼がその後どんな未来を歩むことになったのか――
ナムルスと共に無限の世界を渡り歩く未来、帝国軍の大元帥となったイヴに寄り添う未来、リィエルと一緒に“人”として生きていく未来、ルミアと婚約を交わした未来、魔導考古学者となる夢を叶えたシスティーナと道を共にする未来、セリカについに想いを告げる未来……そして――
そんな様々な可能性に分岐する“IF”の未来が今、語られる。
これは、どこかにあるかもしれない後日譚。
あと、なんかカクヨムでイヴが主人公のスピンオフも連載してるんですね。こっちも書籍化あるんだろうか。イヴ主人公の先生ものってかなり読みたいんですけど。書籍化するなら読むの我慢しようかと思ってるんだが。
【ゲームマスター獄木七笑に試される 〜きみの人生逆転ショー、配信で見せつけちゃお?〜】 広沢サカキ(MF文庫J)

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ようこそ、運命をぶっ壊したい不届き者の皆様え? え? 広沢サカキさんってなんか名前に覚えがあるよ? 似たような名前の作家さんもなんぼかいるから勘違いかもしれないけど、ん? ん?
【運命のゲーム】それは人生を賭けて運命を勝ち取る劇場型リアリティショー。
傷一つない人生も、超のつく億万長者も、このゲームに勝利すればぜ~んぶ思いのまま。すごいでしょ。
わたし、獄木七笑はそんな舞台のゲームマスター(ま、バイトだけどね) 。
学校終わったら週5で地下劇場に向かって、運命変えたいヤバい女の子たちと真剣勝負。
実際だいぶ変なバイトしてるな~って自分でも思う。
でも、わたしの作るゲームにはけっこう自信あるし。
何より常識をぶち破ってくれる最高のプレイヤーに出会いたいんだ。
だから今夜も配信アシスタントの纐纈まりあと一緒に、挑戦者を舞台に迎えてこう言うの。
「──さあ、運命が始まるよ」
やっぱり、やっぱり【アイドライジング】の人じゃん! うわー、懐かしい。アイドル同士が戦って頂点を目指す、これ実質スポ根ものでしたよね。巻を重ねるごとにキャラの魅力がうなぎのぼりで、どんどん続きが楽しみになっていったシリーズだったんですけれど、4巻まで出たところでパタリと音沙汰なくなっちゃったのでした。あれから月日は流れ十数年。このシリーズ、2012年とかそのくらいに出てた作品なんで、13,4年くらいになるんですか。長い月日を経て新作引っ提げ戻ってきてくれたんですね。これはテンション上がるなあ。
【非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか? 2】 色付きカルテ(ファミ通文庫)

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「――――非科学的な力を用いた犯罪事件は存在します」やあああっと、やーーーっと、やっっと本当に出版されるんだ。いやもう、発売日まで決定してたはずが一度ならず二度三度と何回も何回も発売が延期されてやきもきさせられましたが、ようやく二巻登場ですよ。
『連続児童誘拐事件』の解決から日を置かずして発生した惨殺事件。これは連続殺人事件の一端に過ぎなかった。図らずも事件の目撃者となった燐香は『氷室区無差別連続殺人及び死体損壊事件』の捜査に協力しようとするが、神楽坂は事件から燐香を遠ざけたいようで。納得いかない燐香は独り捜査を始めることに。そんな燐香には事件とは別に誰にも相談できない悩みもあるようで……? さらに神楽坂の身近に潜んでいた異能者もついに動き出す――! ときどきポンコツな女子高生と正義にあつい警察官が挑む異能ミステリー、第2弾!
【このライトノベルがすごい!】のアンケートで一位に推した、最推しの一作です。一巻では明らかになってなかった佐取燐香という少女が過去いったい何をしでかしてしまったのかが明らかになる、元ラスボス系主人公燐香ちゃんのポンコツ具合と圧巻のラスボス味が味わえる二巻ですよ。
【全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。 II】 雨糸雀(エンターブレイン)

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原作キャラの聖女たちとまさかの邂逅!?病んじゃったのパーティーの娘だけじゃないじゃん!
片目と片足を代償に、絶体絶命の全滅エンドから仲間たちを救ったウォルカ。旅先から聖都へ帰る道すがら、あるパーティが協力を持ちかけてきた護衛の依頼は、『原作』の悪辣なエピソードを彷彿とさせるものだった。ここが“クソッタレ”なダークファンタジー漫画の世界だと再認識したウォルカは、バッドエンドを否定せんがために再び剣を抜き放つ。
そんな己の姿が、仲間たちに更なる激重感情を抱かせてしまうと知らぬまま――
「ウォルカがずっと一緒にいてくれないとね、生きていけないの」
「これからもずっと、ずーっと、いつまでもお傍にいますからねっ」
「この体も、魂も……ボクのぜんぶ、キミの好きにしてね?」
一方聖都では、『原作キャラ』の聖女たちがウォルカの存在に目をつけており……!?
ハッピーエンド至上主義な転生者の【曇らせ】異世界譚、第2幕!
こっちは二巻順調に出てくれましたねえ。ウォルカくん、再起不能かという怪我を負いながらも自身はわりとあっけらかんとしていて凄く前向きな子なんですよねえ。実際、むしろ剣の腕に関しては死闘を経たことで、死線を超えたことで一段次元の違う高みに至った実感を得ていますし。
でも、そうした怪我を気にしていないという振る舞いが、余計に周囲のメンタルを追い込んでいってしまうという、どないせいっちゅうねん案件でもあるわけで。パーティーメンバーに限らず、彼に激重の感情を抱いてしまう人達(男女問わず)の気持ちというか心情が、これまたなんとなく共感できてしまう過程を辿ってるんで、すごく理解できてしまうのがまた、誰も悪くないだけに、どないしたらええねんw てな事になってるのが、面白いのよねえ。