徒然雑記

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書籍感想2020

2020年11月読了ライトノベルのおすすめ  

読んだ本の数:29冊 うち漫画:1冊

なんか今月はひたすらに現代ラブコメばっかり読んでいた気がするぞ。
ただ実際に数を数えてみると、6冊だけだったので気の所為だったのか。ただ、読んだ作品がそれだけみんな良質のお話で印象深かった、という事なのかもしれない。
それに、複数のヒロインが登場するものよりも、確かに一対一のものばかりなんですよねえ。今の隆盛はまさにそれなのか。

11月の注目はやはり涼宮ハルヒの新刊でした。でも、言うほど話題にはなっていなかったような気もする。
個人的には【限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない】が良質の冒険ファンタジーしていて、期待のシリーズになっています。
【友人キャラは大変ですか?】は10巻で無事完結。これも実に良いキレキレのコメディでした。このノリは作者独特の武器だよなあ。新作も楽しみです。


★★★★★(五ツ星) 0冊



★★★★☆彡(四ツ星Dash) 1冊

天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~】 鳥羽徹/ファルまろ GA文庫(2020/11/12)

【天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~】 鳥羽徹/ファルまろ GA文庫

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周りの顔色を伺い、おべっかを使っていい顔を振りまいて自分の立場を曖昧にして利を掠め取っていくコウモリと呼ばれる立ち振舞い方は、本来蔑まれ見下されるようなやり方にも関わらず。
なぜウェイン王子はあらゆる陣営から畏怖し慄かれるのか。こんなコウモリがいるかー! と言わんばかりに、妖怪怪物傑物揃いの会議で主導権を握り続け翻弄するウェイン王子、大暴れの回であります。

★★★★(四ツ星) 10冊

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#09】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫(2020/11/1)
俺、ツインテールになります。 16】 水沢 夢/ 春日歩 ガガガ文庫(2018/10/18)
やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫(2020/11/12)
信長の庶子 三 織田家の逆襲】 壬生一郎/土田健太 ヒストリアノベルズ(2019/12/5)
友人キャラは大変ですか? 10】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫(2020/11/18)
限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない 1 -オーバーリミット・スキルホルダー-】 三上 康明/大槍 葦人 富士見ファンタジア文庫(2020/11/20)
世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い】 青季 ふゆ/Aちき 富士見ファンタジア文庫(2020/11/20)
涼宮ハルヒの直観】 谷川 流/いとう のいぢ 角川スニーカー文庫(2020/11/25)
魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 6】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫(2020/7/22)
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを 5】 風見鶏/u介 富士見ファンタジア文庫(2019/2/20)



【終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#09】 枯野 瑛/ue 角川スニーカー文庫

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【俺、ツインテールになります。 16】 水沢 夢/ 春日歩 ガガガ文庫

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【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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【信長の庶子 三 織田家の逆襲】 壬生一郎/土田健太 ヒストリアノベルズ

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【友人キャラは大変ですか? 10】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫

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【限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない 1 -オーバーリミット・スキルホルダー-】 三上 康明/大槍 葦人 富士見ファンタジア文庫

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【世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い】 青季 ふゆ/Aちき 富士見ファンタジア文庫

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【涼宮ハルヒの直観】 谷川 流/いとう のいぢ 角川スニーカー文庫

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【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 6】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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【放課後は、異世界喫茶でコーヒーを 5】 風見鶏/u介 富士見ファンタジア文庫

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以下に、読書メーター読録と一言感想

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剣とティアラとハイヒール〜公爵令嬢には英雄の魂が宿る〜 ★★★☆   



【剣とティアラとハイヒール〜公爵令嬢には英雄の魂が宿る〜】 三上テンセイ/希望 つばめ 富士見ファンタジア文庫

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魔物と争い続ける王国の英雄・オルトゥス(♂)は、生涯をかけ国を守る約束を果たせず戦死した。
――はずが目を覚ますと、公爵令嬢・セレティナ(♀)へ転生していた!
可愛らしい美少女でも変わらず、今世も国を護る騎士になろうと決意する。
しかし、病弱な身体な上に、過酷な淑女の宿命も立ちはだかる。
恐ろしい鬼母のマナー教育、したくもない男との結婚と難題ばかりで騎士への道は遠ざかっていく……。
その折、王城へ向かう道中、魔物の襲撃で誰も知らない彼女の真の力が明らかになる!
魔族を一刀両断する強さ、社交界でも踊りぬく可憐さで
人々を瞬く間に魅了する新ヒロイン誕生――?
見た目は可憐、中身は大胆不敵!
病弱令嬢の騎士道ヒロイック・ファンタジー開幕!


TS転生モノ。それも異世界じゃなくて、同じ世界に生まれ変わる形なので年代ギャップはあるものの、前世からの知り合いが沢山いる、という形になる。
TS転生(男→女)の難しい所は前世は男であったにも関わらず生まれ変わったら女だった、という肉体と魂の性差によって生じるブレをどう表現するか、という所にあると思うんですよね。
肉体こそ女であるものの意識としては男としての意識が非常に高いパターンから、肉体の方に魂の方が馴染んでいって女性としての自認が高まっていくパターンまで色々あると思うのです。この濃度に関しては個々人の好みにもよるのでしょう。なかにはTSしてる意味あるの?というものもあるし、やけに男を忌避してしまってラブコメ要素を自ら消し去ってしまっているものもあるので、塩梅にも難しいものがあるのでしょう。
個人的には女に染まってしまうパターンが好きです、はい!

本作はというと、前世の記憶が戻った当初は英雄オルトゥスの意識が強いものの、段々とセレティナとしての自分に馴染んでいっていて、オルトゥスとしての記憶や志ははっきりと残ってはいるものの、今世で家族となったアルデライト公爵家の人たちへと注ぐ愛情は、娘セレティナとしてのものであるようなんですよね。
幼い頃から厳しく母メリアに躾けられた淑女教育のおかげで、所作振る舞いは完全完璧に意識せずとも貴族令嬢のものとなっていますし、感情の高ぶり方や窮地に立っての勇ましさも、男の英雄としての雄々しさではなく、女性としての凛々しい麗しさ、といった風情なのでもうその在り方はほぼ女性に寄っていると見ていいのでしょう。何より物腰や思考の柔和さが、多少お転婆な所も含めて完全に少女のものなんですよね。
正しく、生まれ変わった別人であると言っていいのかも。
ただ、その国王陛下への強烈な忠誠心であり、王室への敬愛も変わらず、オルトゥス時代の知人友人への意識や捉え方は前世から変わっていないので、年上の人たちに幼い少女らしからぬ目線となっているのがまた妙に面白いんですよね。それも男目線じゃなくて、女性的な感覚になっている所なんぞが特に。オルトゥス時代にはまだ生まれるか生まれていないかくらいだった王子たちへの目線は、どこか親友の子供を見るかのようなものなんですが、王子からすると年上のように感じつつそれは雄々しき英雄からの如きものじゃなくて、母親のような慈母のごとき包容力を感じているわけで、その辺りからもオルトゥスではなく女性であるセレティナの方が本質になっている感じがあるんですよね。
さながら別人でもあり同一人物でもある。この融合の塩梅がなかなか絶妙な具合なんですよ。

また転生ものは、新たな家族を得る物語でもあります。本作においては当初は公爵家の家族たちは騎士を目指すセレティナの障害となる存在のように見えていました。厳しく貴族令嬢としてのマナー教育を躾けてくる母は、女性は女性らしくという凝り固まった思想にしがみつく旧来の貴族の夫人の典型のようでしたし、父である公爵や兄もまさに貴族らしい貴族、という感じに見えていたんですね。
しかし、それはセレティナが騎士になるという、守旧貴族の価値観からすれば異端とも異常とも言える夢を、本心を打ち明けたその時から一変する。
今まで教え込んできた貴族令嬢としての常識、淑女としてのマナー、女としての在り方を蹴り飛ばすようなセレティナの夢に激怒して、初めて反抗するセレティナに思わず手を上げてしまう母メリア。
でもそれは、型にはまった公爵家という枠組みの中に自らをはめ込んでいた彼らを、アルデライト家という家族に戻すきっかけになる一発でもあったんですね。
今まで人形のように母の指導に言いなりに従ってきた妹の初めての反抗に感心して、妹の勇気に寄り添って彼女を外の世界に連れ出した兄に、娘を叩いた手のひらの痛みに今まで自分がどれだけ頑なになっていたかに気づき、自分の原点を思い出した母メリア。
セレティナとなって生まれてはじめて剣を握って命のやり取りをすることになる事件を通じて、彼らは心から通じ合った、お互いへの愛情を十全に感じて信じられる家族となるのである。
オルトゥスの時代、孤児であった彼は王への敬愛や戦友たちとの友情こそ交わしたものの、家族の愛情だけは縁がなかったんですね。それを、今世では初めて無償の愛というものを両親や兄から与えられ、また自らも惜しみなく家族へ愛を捧げることの出来ることの幸せを知るのである。
かつて、国王陛下への強烈な忠誠心と、ともに戦う戦友たちとの共感が英雄オルトゥスの強さの源だったとしたら、今世のセレティナはそこに愛すべき人守るべき人のために戦う、というさらに強力な動機、戦う理由、命を懸けて全身全霊を振り絞るに十分な原動力を手に入れたと言えるのでしょう。
肉体的には非力な少女となり、その上生来の病弱さでどう鍛えても体力がつかないという前世と比べれば大きすぎるハンデを背負ったセレティナですけれど、ある意味彼女は前世よりもさらに強くなるファクターを手にしたのではないでしょうか。
愛する人達のために戦う時、人はもっとも強くなれる。
ありきたりだけれど、決して色褪せることのない強さの源だ。セレティナの戦う姿には、儚い姿で血に塗れながら凄絶に舞う美しさと同時に、気圧されるような迫力が感じられる。全身に漲る強い意志には、それに足る戦う理由が乗っている。これぞ、オルトゥスのときとはまた違う、新たな英雄像であるのでしょう。やっぱり、背負うもの強く希うものがあるほど、盛り上がるんですよね。
まあオルトゥスの時代も、彼が狂信的なほど忠誠を誓っていた国王陛下が、それに相応しいこの人のためなら死ねる! という人物だったんで、それはそれでオルトゥスが気合い入りまくってるのも当然だったんですけどね。啓蒙君主的な人であり、情に厚く孤児だったオルトゥスに身分に寄らず手を差し伸べ、彼の成長を見守り続けた王様なんですよね。激烈に支持を受ける層と、激烈に反発する層を生みそうな人物でもあるのですが、カリスマであることは疑いようがないよなあ。政治家として甘い所もありそうなんですけど。でも、王妃を失いながら子供たちを実に真っ当に育て上げたのを見ると人の親としても立派この上ない人ですし。
セレティナが、王様好きすぎて後添えになります、とか言い出さないか心配になるくらいなんだが。
王子たちや姫のことも、同世代というよりもどこか親世代な目線で見てる所あるし。

作中、一番度肝を抜かれたのはやっぱりメリア母様でしょう。いや、事情がわかれば彼女がどうしてあれだけ峻厳に子供たちに貴族教育を施していたのか大いに理解できるのですが、その来歴が明らかにされたときはまじかー!となりましたよ、うん。
まさか、この人が作中でも屈指の存在感を示すキャラになるとは、予想もしていなかった。でも、このお母様がセレティナに注ぐ愛情の強さ、深さがこれでもかと伝わってきて、うん終わってみれば本当に好きなキャラになっていました。
パパである公爵も娘のことを溺愛してるんですけれど、それだけではなくて嫡男であるお兄ちゃんののシーンがあれ、好きなんですよね。父と息子の交流であり、輝く妹姫のかげに隠れがちだけれどしっかりと次期公爵として努力し、同時に妹の事も兄として守っている息子をしっかりと認めて可愛がる、父親の鑑みたいなやり取りで。一方的にセレティナが愛されるだけの関係じゃなくて家族四人が深い絆と愛情で結ばれているのがわかるシーンでもあったんですよねえ。

黒幕である魔女と、オルトゥスの関係がまだ明らかになっていなかったり、裏で何が動き出しているのかまだまだ不鮮明だったりと、話はまだはじまったばかりの感はありますが、それだけにこれからどんどんとスケール大きな話になっていきそうで、実に楽しみです。
てか、ヒロインはエリアノール姫とウェリアス王子二人なのかこれ。なんぞ、兄妹でヒロイン競争はじめそう。実は魔女が真打ちっぽいけれど。

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを 5 ★★★★   



【放課後は、異世界喫茶でコーヒーを 5】 風見鶏/u介 富士見ファンタジア文庫

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「小市民さん、そのナイトを誰にも渡さないでいただけませんか」

冬がすぐそこまで迫る頃。昼間営業に戻ったユウの店は実に穏やかだった。気がかりなのは、治療魔術師になるための勉強で忙しいリナリアとの空いた距離。そんな折、次々とユウにチェスの勝負をしかけてくる輩が現れ?

暖炉に火が灯る。
しんと痺れるような冷気を、炎の揺らめきがじんわりと温めていく。
冬の到来を感じさせると同時に、ドアをくぐればぬくもりと静けさとコーヒーの香りが迎えてくれる、そんなユウの喫茶店の雰囲気を味わい深く伝えてくれる、そんな冒頭の情景描写でありました。
前巻から長らく積んでしまって間が空いたのですが、一気に雰囲気に持っていかれた、そんな感じです。そういえば、前巻は歌姫の到来もあって随分とにぎやかなことになっていましたが、そんなお祭り騒ぎから一区切りついて、落ち着きが戻った静かな空気感を印象づける意味もあったのでしょう。
季節がかわり、冬が来て、どこかより人恋しさを感じさせる空気の冷たさが、感傷を強めていく。

リナリアが街を出る。

夢を追うために、治療魔術師になるために、受験の準備に忙しいリナリアはもう滅多に店に顔を出すことはない。それが、ユウの感傷を強めたことは否めないだろう。
突然異世界に放り出され、元の世界を恋しく思いながら故郷にしがみつくように「喫茶店」という形で拠り所を求めたユウ。やがてその店は、様々な客たちの居場所になりユウはマスターとしてそんな訪れる客たちの人生に触れていく。
時に客と店主の領分を越えて踏み込み、彼らの人生に関わっていく。そうして、ユウはこの世界、そして人との繋がりを深めていった。その一つ一つの出会いやエピソードは元の世界に未練を持ち、頑なにこの世界と深く関わることを拒絶して店に籠もっていたユウの心を解きほぐしていく。
いつしか、店の外に出て街を見渡すことが増え、覚えようとしなかったこの世界の文字についても、歌姫から送られてきた手紙の返事を書くために、ついに常連客のアイナに家庭教師を頼んで覚えていくことを決断する。それが、元の世界への未練に区切りをつけ、この世界に自分を刻みつける一因になるとわかっていても。
この世界に馴染んでいく。この世界の人々に愛着と親愛を抱いていく。そんな実感はユウの心に暖かな火を灯す。さながら、冬の暖炉のぬくもりのように。
でも、寂しさは不思議と募って消えることはない。この世界に馴染めば馴染むほど、元の世界との繋がりが断たれていくような感覚を得て。望郷の念は消えない。
チェス、という元の世界でもよく遊び、祖父に学び、結構本格的に研鑽を積んだ趣味。今回の話では、とある名職人の作による駒にまつわるチェス勝負に巻き込まれるユウだが、そこで拠り所になったのは元の世界での研鑽だった。彼の強さの担保は、元の世界での積み重ねだ。
しかし、その経験がチェス勝負の重要な武器となり、ひいてはアイナの結婚話に深く足を踏み入れることになる。或いは、アイナが目指す夢にまつわる話、というべきか。
無理やり意図せずこの世界に送り込まれたユウ。強制された未来、という意味ではアイナの望まぬ結婚話というのは、ユウにとっても見過ごせないものだっただろう。かと言って、客と店主の関係でそこまで無造作に踏み込むことはできない。それでも客としてではなく友人として、チェス勝負はまさにできる範囲のことだった。
そうして、ユウはこの世界に出来た友人の人生に、将来に、自ら進む道に手を貸すことが出来た。
彼の喫茶店は、そしてそこでカップを磨きながら客たちを迎えるマスターの存在は、幾多の人々の居場所となっている。翼を休める止り木として、掛け替えのない場所になっている。彼に背中を押され、自分の人生を選んで歩いていく人たちがいる。
そうやって、客たちの休める場所を提供し、彼らを送り出し、そうしてユウはふと寂寥に襲われるのだ。それは1人で故郷を恋しがりながら閉じ籠もっていた頃とはまた違う、親しく思う人たちが多く出来たからこその、世界と繋がったからこその、孤独。
誰かの居場所になれた自分を顧みて、しかし自分自身の帰る場所はここにあるのだろうか、という疑問。自分の人生を見つけて、旅立っていく親しくなった人たち。いっときここに留まったとしても、いずれ離れていく人たち。送り出す立場が、より彼の孤独感を深めていく。
リナリアの旅立ちが近づいているのも、ユウの心に大きな空隙をうみはじめているのでしょう。彼女の未来を応援しながら、しかし彼女の追いかける世界はこの店に居続けるユウにははるか遠いものである。日々がすぎるごとに、彼女は自分から離れる準備を進めていく。
コルレオーネ氏の、過去にまつわるお話が挟まれたのも、大いに意味のある構成なのでしょう。あれもまた、離れがたく思いながら人生を別かたれた物語だ。
彼女が街から居なくなる日が近づいている。別れは近い。

暖炉の前で丸くなってるノルトリが、完全に猫で癒やされました。てかこの娘、客じゃなくてもうただの飼い猫だろう、これ。


好きで鈍器は持ちません! ~鍛冶と建築を極めた少女は、デカいハンマーで成り上がる~ ★★★   



【好きで鈍器は持ちません! ~鍛冶と建築を極めた少女は、デカいハンマーで成り上がる~】 山田 どんき/希望 つばめ 富士見ファンタジア文庫

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一撃必殺の冒険譚! 鈍器少女の圧勝劇!!

万年落ちこぼれの少女ハンナが冒険者学園を追放されたある日、目覚めたのは鈍器の才能! 竜を倒したり、店を建てたり、国を救ったり――憧れの剣姫レイニーに追いつくため、今日も元気にハンマーで成り上がる!

タイトルの「好きで鈍器は持ちません!」って、鈍器なんか持ちたくない!って意味じゃないのこれ? いいのか?
ちなみにハンナ自身は、鈍器に目覚めたのは冒険者学園を追い出された後ではあるのですけれど、鈍器に偏見や嫌悪があるわけではなく、行き倒れ寸前だった彼女を助けて仕事を与えてくれた大工職人たちへの恩義や親愛もあって、鈍器を振るう事にちゃんと誇りを持っていますし、鈍器に対して偏見を持つ世間に対して憤りを感じているほどなので、タイトルちと中身とハズレてるよなあ。
そもそも、鈍器スキルに目覚めた以上大工としてなら幾らでも栄達を目指せそうなハンナが冒険者を再び目指したのは、育ての母で世界最強の冒険者であるエルフのレイニーを助けるため、というこれまでの目標以外に、世間にはびこる鈍器への偏見、ひいてはハンマーなどの鈍器を扱う職業の人たち、大工や鍛冶職人といった人たちへの見る目を変えるため、人々から蔑まれ差別される彼らの立場を向上させるため、自分が鈍器を振るって英雄となり鈍器の地位そのものを上げるため、なんですよね。
崇高な志である。
まあ、鈍器を司る神が邪神扱いで、魔物たちを操る存在の大元であり、今現在世界の討伐対象真っ盛り、というあたりが世間の風当たりの強さに繋がっているのですが。
いや、人々の生活に根ざしている社会に必須な建築や道具の作成に携わる職人たちが、被差別階級というのはなかなか無理がありそうなんですけどね。建物や道具を作る人が犯罪者があてがわれたり、といった人たちなら、幾ら経っても技術レベルも向上しないだろうし、これらの技術が上がらないと生活レベルそのものが酷いものになってしまうんじゃないだろうか。社会にそんな扱いをされたら、職人たちも向上心なんて持てないだろうし、どれだけ頑張っても報われないどころか虐げられるばかり、となると、ねえ。

現在進行系の世界の危機にまつわる邪神絡み、というのもまたマズい。直接的な危害を食らっているわけですし、脅威を感じているわけですしね。鈍器を扱う人たちには直接関係ないとはいえ、この偏見や差別は相当に根深いものになっている。これを果たしてどうやって覆していけるのか。
統治者階級や、英雄だった人が一番熱心に差別を推進し、正義を謳ってこれらの人々を虐げることに勤しんでいるのですから、権力や権威がそのまま敵に回っているのですしねえ。
しかも、相当に悪辣なやり方で。尊厳を踏みにじり、相手を全否定する形で。
ハンナは楽天家、というかいい意味でも悪い意味でも鈍感で前向きな娘であり、気っ風の良いカラッとした娘なのですが、それは自分がやられた事をさっぱり忘れられる、というのとはまた違うんですよね。虐げられ踏みにじられた者は、それをした側と違ってずっとその屈辱を、悔しさを、怒りを忘れられない。それは、ハンナのような娘ですら変わらない。
学園で自分をいじめていたローザを、謝ってきたからといって容易に許さずにいる所なんぞは深くうなずいてしまう。ローザは謝ったと言っても、仁義通してないもんなあ。とはいえ、本人は本当にハンナと仲良くしたいという気持ちを持っているのは確かなので、微妙にハンナが絆されているのもわかるんですよね。
でも、セシルはだめだ。その父親の学園の理事長はもっと度し難い。当人達は正義をなしているつもりで、実際は傲慢で自分の価値観以外を認めないし許さないという狭量さ、そして他人を貶め尊厳を踏み躙って正しいことをしていると胸をはる悍ましさ。自分の卑しさ、醜さに気づきもせず、理解する気もない厚顔さ。
これを、どう矯正しようというのだろう。いっそ、ハンマーで叩き潰してしまった方がスッキリするんじゃないだろうか。叩いて治るもんじゃないだろうし、もし叩いたくらいで治ってしまうのなら、改心してしまうのならそれはそれで興醒めってやつである。
こういう連中こそ「ざまぁ」を食らわせてやらないと、スッキリしないです。というか、もういいから有無を言わせずぶん殴って叩き潰した方がスッキリしそう。心入れ替えられたら逆にもやもやしそうです。
全体的に大雑把というか雑というか、世界観適当風味なんですけれど、主題として偏見差別に立ち向かう、というちょっと気合入ったお話にしている以上、雑に改心しましためでたしめでたし、とはしてほしくないなあ。
いいからぶちのめせよ、とは言わないから改心するにしても、安易にせずしっかり納得できる形でケリをつけて欲しいものです。

魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 6 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア) 6】 川口 士/美弥月 いつか ダッシュエックス文庫

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ブリューヌ王国に激震が走った。自らを王の落胤であると名のる青年が現れたのだ。彼の名はバシュラル。厳重な調査の末にバシュラルは認められ、正式に王子となった。
そして、大貴族であるガヌロン公爵が彼の後見役となった。
ガヌロンの支援を得たバシュラルは各地を転戦して武勲を重ね、諸侯の支持を得ていく。ごくわずかな期間で、彼は次代のブリューヌ王となるレグナス王子に対抗しうる存在となった。
冬の終わりのある日、バシュラルはついにある行動を起こす。だが、そこに計算外の要素が現れた。
黒騎士ロランの守るナヴァール城砦から火の手があがったという知らせを聞いて急ぎ駆けつけたティグルとミラたち、そしてレグナス王子の腹心のひとりリュディエーヌである。
リュディエーヌと出会ったティグルは、ブリューヌの歴史を大きく変えるであろう出来事に自ら関わっていく。
人気シリーズ、急展開の第6弾。

セカンド幼馴染きたーー! あ、いや、ファースト幼馴染はティッタだから、サード幼馴染になるのか。
というわけで、サイドテールが眩しい公爵令嬢騎士リュディエーヌ・ベルジュラックの参戦である。前シリーズでは登場しなかった完全新キャラ。サイドテールと書いたけれど、これ結構複雑な結い方した髪型だぞ?
なんか既視感あるなー、と思いながら見ていたキャラデザインなのだけれど、そうか、リリカルなのはのヴィヴィオに似てるのか。スッキリした。
いやこの期に及んで新キャラ、しかも幼馴染って、と思ったけれどこれが遅れてきた最終兵器の様相を呈する強キャラでした。幼馴染と言っても、ずっと一緒に居たタイプじゃなくて毎年ある季節に遊びに来ていた来訪型なんですが、ティグルと一緒に山の中を駆け回っていたという意味ではミラと負けず劣らずで、色んな意味でミラの最大のライバル出現、なんですよね。
何よりキャラクターがいい。性格は明るく活発で前向き。ちょっとドジっ子な所もあるのは愛嬌で、
気性は素直で女の粘っこい所が全然ないんですよね。同性相手にも嫌味がなくて、ミラに対しても無邪気なくらい当たりが良くて、裏表がないものだから、ティグルに幼馴染全開で身近に親しく接するリュディにミラもモヤモヤするものの、どうしても敵意や対抗心を持てないという感じになってしまってるんですね。
戦士としての技量も相当のもので、竜具やそれに匹敵する伝説の武器こそ持たないものの技量に関してはミラも自分と同等以上、エレンと比べても引けは取らないのでは、と評価する強者で、女性キャラとしては最強格なんですよね。だから、ミラも同じ女性の身の上で自身を鍛え上げたリュディを騎士としてこの上なく認めている。おまけに自分の紅茶の趣味でも結構話が合って話題も尽きないし、ティグルとの距離感の近さもミラに見せつけようとするものではなくて、二人の世界を作らず自然にミラの方へも距離感詰めてきて気の置けない様子で接してくるのである。それも気を遣ってとか気を回してみたいな意識的なものではないんですよね。
ミラって、オルガにも入れ込んでたようにこういう純真で直向きで悪意とかまったくないタイプって弱いですよね。ミラ自身面倒見が良いタイプというのもあるんだろうけど。
リュディの方はこうしてみると、人間関係引っ掻き回しているようで、ミラがあれだけティグルと眼の前でイチャつかれているにも関わらず絆されてしまっているように、これ誰とでも仲良くなれるっぽいタイプなんですよね。グイグイと懐に飛び込んで、自分とだけじゃなくて周り同士を繋いでしまうような。何気にハーレムなんかだとヒロインたちのまとめ役みたいになりそうなポディションだぞ。
この物語においても、リュディってこうしてみるとティグルとあらゆる意味で相性ピッタリなんですよね。山に放つと帰ってこないティグルと一緒に山野を駆け回れる活動派だし、お姉さん風吹かせつつドジっ子要素でティグルも目を離せずにいてしまうタイプでお互い変に気を使わずそのままで過ごせる距離感ですし、同じブリューヌ国民であり、公爵令嬢として嫁にすればティグルの国内での躍進に寄与する立ち位置ですし。彼女の実家であるベルジュラック家というのはちょっと特殊な立ち位置の公爵家で、血を取り込むことに積極的であまり身分差とかはこだわらない所らしいんで、ヴォルン伯家でも結婚相手としては何の問題もないようなんですよね。
他国の貴人として、ティグルとは身分差だけではなく国の違いというものが大きく横たわっているミラとは、ハードルが全然違ってくるんだな、これが。ティグルが国を捨てずにブリューヌの貴族として生きていくなら、リュディエーヌこそが最上のパートナー足り得るわけで。
ミラとしては、リュディエーヌの登場はかなりショックなことだったんですね。
今回のブリューヌの内乱で自分がブリューヌの人間であることを強く意識しだしたティグル。これまで他国をめぐり、そこで自分の国を立て直そうという人たちと一緒に戦ってきた事も大きいのでしょう。外国で過ごすことで、自分の出自や故国をより強く意識するようになるケースはよくあるようですが、ティグルも今改めて自分の国について自分がよく見ようとしてこなかった事に気づき、自分がアルサスという自分の故郷だけではなく、ブリューヌという国自体に帰属意識を持っていることを自覚しだしているのである。
ミラと結ばれるため、という最大目標の他に、この故国ブリューヌという国を自分の手で変えていく、という事をこの内乱とリュディエーヌの誘いをきっかけに考え始めるんですね。
それは、ミラにとってある種のパラダイムシフトでもあったわけだ。これまではティグルが自分を射止めるために、武功を上げて立場を獲得して自分のいる所まで駆け上がってくるのを、期待して手助けして待ちわびていたのだけれど、リュディエーヌは公爵令嬢というティグルよりも立場が上の人間であるのだけれど、待つのではなく彼の隣に自分が駆け寄ることに躊躇する事がないのを知って、自分が彼の隣に立とうと自分から動こうとした事がないこと。今回ティグルが他国との内通を疑われたように、自分と仲良くすることによってティグルが被るデメリットがあったように、リュディと違って自分が彼に与えてあげられるものが、どれほどあるのか、という疑念。
こういう形でミラがティグルと自分の将来について、不安と心もとなさを抱いたのは初めてだったんじゃないだろうか。それは、ティグルがいずれ自分に矢を届かせてくれるという信頼と期待と愛情とは関係ない、ミラが自分自身に抱いたティグルと結ばれるに足る資質と資格への疑念だったわけですから。
即座に解消、とまでは行かないもののミラの憂いを晴らしてみせるあたりが、さすがティグル、といった所なのですけれど、今回のことはミラにとってもティグルとの関係を進める上で意識を変えるものがあったんじゃないでしょうか。
ティグルは、ミラに一途なんですけどねえ。

さて、今回のブリューヌの内乱には新たに庶子として王族にたったバシュラル王子という新キャラの登場があったのですが、ガヌロンを後ろ盾に表舞台に立った、という時点でこいつ傀儡かそれとも魔物の擬態か? と一旦は疑ったのですけれど、どうやら純粋な人間であり本当に王子であり、ガヌロンとは利用し合う関係以上のものではなく、彼個人としてはガヌロンのヤバい部分には気づいていて、いずれ袂を分かつつもりはあるようなんですよね。
それ以上に、元傭兵であり彼個人がロラン級の戦士というのが何ともはや。いやいや、ロランと互角以上ってこの世界で実質最強格ってことじゃないですかー。ミラたち戦姫よりも確実に上、複数人掛かりでも勝てず、って魔物じゃない人間相手だと初めてなんじゃなかろうか。
おまけに、アスヴァールから流れてきたタラードが仕官していて、弓の腕ではティグルに匹敵する上に指揮官としても最上級のこの男がロラン級の戦士にして指揮官であるバシュラル王子と組んでいる、ってちょっとヤバくないですか?
実際、ティグルはミラとリュディエーヌと共に戦って、最初は何とか逃亡。諸侯や騎士団をリュディが糾合して軍勢として戦った次の戦いでは、敗走の憂き目にあったわけで。
ミラが自軍を率いていなかったのと、ティグルが一勢を率いるだけの権限を持てずに指揮権を持てなかった、という点が大きいにしても、完全にバシュラル・タラードのコンビに敗北を味わわされる結果に終わったんですよね。このバシュラルの強敵感よ。
これ、こっちも早くロランと合流してのロラン・ティグルの最強コンビを組まないと対抗出来ないぞ。
このバシュラルも、ガヌロンから与えられたという形とはいえ、オートクレールという伝説の武器を携えているわけで、また伝説の武器持ちの英雄が現れたということなんですよね。
各国それぞれにレジェンド級の武具を携えた英雄たちが降り立ち、割拠するというなんか群雄伝の様相を呈してきて、前シリーズよりも戦記寄りのダイナミックな展開になってきたなあ。

しかしロラン卿、今回だけで二度も「ロラン暁に死す!」になりそうな死亡フラグ全開の展開を切り抜けたんですよねえ。ほんと、ロラン卿しぶとい!

そして、ソフィーに拾われたエリザヴェータが、記憶喪失のお陰で外面を全部引っ剥がされて根っこの部分の正義感たっぷりの優しいイイ子な所が思いっきり曝け出されてしまい、おかげさまでソフィーが思いっきりリーザに情が移ってしまって肩入れしてしまうことに。
記憶ないとここまで人懐っこいのかリーザってば。まさかここで、ソフィーとリーザがここまで親密なコンビになってしまうとは。記憶の方は早晩戻りそうな気配があるのだけれど、その前にエレンとも会っておいてほしいなあ。エレンの反応が面白いことになりそう。或いは、エレンの方からリーザに気づくことも可能になりそうだし、今のリーザなら。


殺したガールと他殺志願者 ★★★   



【殺したガールと他殺志願者】 森林 梢/はくり MF文庫J

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思わず殺されたくなる甘くて歪なラブコメ。第16回新人賞《優秀賞》受賞!

『最愛の人に殺されたい』と願う高校生・淀川水面は、死神を名乗る女から一人の少女を紹介される。
「貴方が殺されたい人ですか?」出会い頭にそんなことを尋ねる少女。名前は浦見みぎり。『最愛の人を殺したい』という願望を持つ少女だった。
互いの望みを叶えるために、二人は協力関係を結ぶ。水面はみぎりに愛されるため。みぎりは水面を愛するため。
「貴方には、私の理想の男性になってもらいます」「……分かった」「殺したくなるくらい魅力的な男性にしてあげますから、覚悟して下さい」
こうして始まった、歪な二人の歪な恋路。病的で猟奇的で不器用な少年少女が最高のデッドエンドを手に入れる物語、開幕。

登場人物、みんなある種の歪んだ願望に囚われた在り方をしている人たちばかりなのですけれど、印象としては裏表のない素直な人たちだなあ、というものでした。歪んで捩じれて捻くれているような人たちなのですけれど、よくよく見ると自分の願望という枠組みにピッタリ収まった、付与された設定?属性?どういうべきなのかちょっと悩みどころなのですけれど、定められた在り方に対して純粋で真っ直ぐなんですよね。
何て言うべきか。
彼らは自分の願望を叶えるために苦悩し、現実との間に苦慮し、自分たちが願望を叶えることによって起こる弊害に心軋ませるわけですけれど、自分の願望そのものについては一切疑わないし迷わないのである。それについては一切ブレない。自分の根幹については揺るぎがない。
それは前提であると同時に定義付けでもあるのか。
その定義づけに沿って、物語は展開していく。それは定規で線を引くようにゴールまで一直線に見えるのだ。トラブルも、迷いも寄り道も、分岐ではなく撓みですらない。二人の抱える在り方からすれば、その二人が結ばれようとするならば在って然るべき展開である。
教科書どおり、というのとはまた違うんですよね。未知数を解いていく方程式、というべきか。投入された数字が同じなら、ぴったり同じ答えが出るような。ただ、その中でも複雑な計算を要する方程式ではなく、平易でシンプルな式に基づいているようなそんな方程式だ。
そのぶん、性急で遊びがなく迷いがなく予想が外れる余地がなく変数の幅が狭く見えている範囲が限られていて、見えない部分の奥行きが乏しい。
そこに書かれているものですべて、と言う感じだろうか。
淀川水面がなぜ、最愛の人に殺されたい、という願望に囚われているのか。
浦見みぎりがなぜ、最愛の人を殺したい、という願望に囚われているのか。
それもまあ、書いてある。語るまでもなく。推理や考察の余地がないくらい。右から左だ。
むしろ、これに関してはなぜその願望を抱くに至ったかを当人に語って欲しいくらいだったのだけれど。自問し自答もしてませんでしたよね。なぜ、という考察が当人にはなかったように記憶する。
あるが前提、なのだ。ないと、始まらない。
人間関係、水面とみぎりの間に生じる感情、好きという気持ちについても、遊び無く直線的にはじまって成り立ってしまう。ないと、はじまらないから、というのは過言だろうか。
二人の間で出る結論まで一直線だ。
水面の持つ願望なら、こう悩むだろうな。それがみぎりの願望と掛け合わさったらこういう反応になるだろうな。と、いう既定路線をテクテクと歩んでいく。まったくもって、ブレがない。
分かれ道、分岐のない舗装された道路を躓くこともなにかに引っかかることもなく、バリアフリーでゴールまで歩いていくような読感でありました。
そういう意味で、全体的に構造的にもストーリー的にも登場人物的にも素直で覗き込む部分があんまりなかったんですよね。
面白いと言うか興味深かったのは、底が浅いとか中身がないとかそういう感じじゃないみたいだった、という所かなあ。登場人物、水面やみぎりは生き急いでいるのか何なのか、余裕がないのか、前ばっかり見てる感じなんですよね。自分を見ていない、前ばっかり見ていて顧みていない。でも、視線がそっちに向かないだけで、置いてけぼりにしているだけで、なんか感触というか奥を覗いていけばごっそり掘り起こせそうなものがありそうなんですよねえ。ただ、それを勢いよく無視して放置してしまっているような。キャラの造形段階でそういう余地が既にあるような構造になってるっぽいのになあ。でも、覗けないんだよなあ。見えてる部分しか見えてこないんだよなあ。表層しか捉えられない。
なんかうん、もどかしい。

水面の抱えている爆弾は、みぎりが知る事で彼女の中で劇的な化学反応が生じておかしくない代物だけに、二巻があるのならもっとこう、二人の中を覗き込んで中から色々と摘み上げて並べて舐め回すようにイジれるだけのグチャグチャしたものが見たいなあ。透明度低めの。

涼宮ハルヒの直観 ★★★★   



【涼宮ハルヒの直観】 谷川 流/いとう のいぢ 角川スニーカー文庫

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おかえり、ハルヒ! 超待望の最新刊、ここに登場!

初詣で市内の寺と神社を全制覇するだとか、ありもしない北高の七不思議だとか、涼宮ハルヒの突然の思いつきは2年に進級しても健在だが、日々麻の苗木を飛び越える忍者の如き成長を見せる俺がただ振り回されるばかりだと思うなよ。
だがそんな俺の小手先なぞまるでお構い無しに、鶴屋さんから突如謎のメールが送られてきた。
ハイソな世界の旅の思い出話から、俺たちは一体何を読み解けばいいんだ?
天下無双の大人気シリーズ第12巻!


2011年6月に出た【涼宮ハルヒの驚愕(後)】以来の新作となる【涼宮ハルヒの直観】。
挿絵のいとうのいぢさんの画集に掲載された特典小説に、今はなき小説雑誌ザ・スニーカーの特別復活号での掲載作品、そして書き下ろしとなる【鶴屋さんの挑戦】の三編からなる一冊である。
タイトルの「直観」ってあんまり見ない言葉だなあ、と調べてみたら「推理をせずに、論理に寄らず、パッと感覚的に本質を捉えること」みたいな事が書いてありました。
推理しないんだって。
ちなみに【鶴屋さんの挑戦】は鶴屋さんが送ってきた謎を、SOS団が顔を突き合わせて謎解きする話である。ハルヒもちゃんと推理に参加している。
さても、それでタイトルを涼宮ハルヒの推理などにせずに直観と敢えて対極に近い単語を配置したのはどういう意図なんだろう。
すべての謎が解き終わったあとにキョンと古泉くんが総括的に今回の一件を話している際に、またぞろハルヒの願望による世界の改変について言及されているのだが、そこで仮説としてハルヒの無意識が推理の答えを、物語の展開を直感的に変容させる可能性について語られている。
物語の内部の人間にも関わらず、だ。
ここが着地点なんですよね。
冒頭から古泉くんとミス研のTさんによるミステリー小説談義。その中で語られるミステリーという題材に向けたメタ的な取り組み方、後期クイーン問題とか読者への挑戦状とかですね。あれはミステリーという題材にどう取り組んでいくかの入門みたいなものであると同時に、直後に送られてきた鶴屋さんからの謎解きの取っ掛かりでもあり手がかりでもありヒントにもなっている。伏線と言ってもいいか。
それは直接的な謎を解くための手掛かりにもなっていると同時に、謎解き問題の内容だけではなくそれが鶴屋さんによってなぜSOS団に送られてきたのか、というもうひとつ大きな括りとなる部分をも示唆していた。お話の複層的な構造を事前に最初のミステリー談義の中で提示していた、とも言えるのか、これ。それにとどまらず、さらに大きな枠である「涼宮ハルヒ」という存在の特性、世界を改変する能力が今回の一件にどのような作用を起こしていたかの可能性についての言及という形で、さらにこの話の複層性を印象づけることになっている。
……でも、「読者への挑戦」はなかったんですよね。古泉が談義の中で触れていた「読者への挑戦」に関する話の引用からすると、「それ以前の解決が総て偽りである」という可能性の排除。つまり改変はなかったことを意味しているとも……いや、なんかわけわからんくなってきた。
ともあれ、今回の話はストレートに謎解きの過程と解答編を楽しむと同時に、謎解きを行うに至った背景をさらに踏み込んで解いていく話を堪能するのが一番わかりやすい所なんだろう。やたらと長い冒頭のミステリー談義については、あれ捉え方に寄って幾らでも多義的に見ることが出来るとも思うので、存分に穿ってあれこれと先の展開と照らし合わせつつ、当てはめたり関連付けたり意味を解釈したりしてみると面白いんでないだろうか。
論理的に整理して推理していくのもいいし、漠然と全体を捉えて直観的に感じてみるのもいい。ミルフィーユみたいに幾つもの層を重ねて出来ているような話ではあるけれど、まとめて一個の話として捉えるのもありなわけだ。食べてみればどちらも一口。
元々谷川流先生は【涼宮ハルヒ】シリーズじゃない方のもう一つのシリーズ【学校へ行こう】ではSFミステリーともいうべき作品を手掛けているので、こういう日常ミステリー系で攻めてこられても違和感を感じないどころか、むしろやりたい事詰め込んできたなあ、と感じた次第。と思ったらあとがきでもそう書いてあるしw
ちなみに、私の直観はエピソード2の温泉のシーンで登場人物については「あれ? この人じゃね?」と感じ取っていた。いや、エピ2の中の台詞とこの【鶴屋さんの挑戦】のキャラ配置から感じ取ったものだけに、小説というジャンルのメタ的に推理した、ということになるのだろうか。直観とは違うのだろうか。
わからん!
ともあれ、この幾つもの層を重ねたような話の構造は、感覚的にそそられるものがあってそういう方面的にも面白かったなあ。そういえば最近、がっつりとしたミステリーはあんまり読んでなかったなあ、と振り返ってみたり。【探偵くんと鋭い山田さん】くらいじゃなかろうか。あれも日常ミステリーだけど。

ほぼ十年以上ぶりとなる久々の涼宮ハルヒとしては、違和感なく読めたけれど、以前と変わりなくと言えるのかというと前の読感とかそこまではっきり覚えてないからなあ。
古泉くんが、結構感触違っていたかもしれない。この人、結構お喋りであるのだけれど、自分の感情や考えている事はその口で語るばかりで、外側からはあんまり伝わってこない印象だったんですよね。必要以上は前に出ず、黒子に徹して胡散臭い愛想笑いに終始している。その意味では、【七不思議オーバータイム】の彼なんかはイメージそのままの古泉くんでした。
でも、【鶴屋さんの挑戦】だとキョン視点ではあるんだけれど、口以上に表情や態度が雄弁に見えたんですよね。思ってることが意外と顔に出てたような、態度から透けてみえたような。ミステリー談義もあれ、わりと本気で語っていたように見えましたし。ほんとに好きだろう、ミステリー。
長門の方も今回はかなり反応が顕著で、能弁だったように思う。
それに、いつも強引にみんなを引っ張り回すハルヒだけれど、今回は鶴屋さんからの挑戦を受けて、みんなで考え考察する、という構図だったせいか、えらい受け身だったんですよね。そのせいか、ハルヒが引っ張る後をみんながその背を見ながらついていく、という形ではなく、みんなで卓を囲んで顔を突き合わせて、意見を交わし合いながら、というものだったせいか、なんかどっしり落ち着いていたなー、と。
これも、ある種の年輪というか、年季が入った、という類なんですかね。ハルヒが落ち着いた、ってわけじゃないのですけれど。話そのものが落ち着いた、というような。まあ、題材が題材だったというのもあるわけですから、何とも言えないのですが。
何気に、今後についてもキョンが色々と考えているようなので、一応シリーズ続きというか締め方は考えていて取り組む気はある、という事なのかしら。
……佐々木さん、全然まったくこれっぽっちも出てこなかったよぅ。
みくるちゃんは、何年経ってもみくるちゃんでした。揺るぎない癒やし系だなあ、この人わ。








世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い ★★★★  



【世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い】 青季 ふゆ/Aちき 富士見ファンタジア文庫

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してみますか? ハグでも。……幼馴染ですから。

ネットから小説家を目指す高校生・米倉透。優等生の浅倉凛に片想い中だが、幼馴染という距離感が邪魔して告白できずにいた。
ある日透は、小説を投稿した後SNSに思いを発信する。

『俺は幼馴染が超超超大好きなんだああああーー!!!!』

以来、クールな凛の態度が変わりはじめて……。
手料理を振る舞ってくれたり、映画デートに誘ってくれたり、「私とハグ…してみますか?」とのお誘いも!?
「勘違いしないでください。あくまでも、疲労回復のためです」
「……(その割には準備万端だな)」
あと一歩素直になれない幼馴染たちの純度100%青春ラブコメ!


幼馴染というだけで幸せなら、そこからもう一歩進んだ関係になったらもっと幸せになるんじゃない?
と、思って幼馴染から恋人にジョブチェンジしてみると、なんかぎくしゃくしてしまって、というパターンの話があったりするけれど、本作の透と凛の二人についてはそれは絶対ないんだろうな、という確信がある。
それだけ、彼らは幼馴染から恋人に至るまでの過程を丁寧に歩んでいったから。幼馴染の恋を、しっかりと育んでいたから。
幼馴染キャラとの関係の利点というのは幾つもあると思うのだけれど、そのうちの一つが「理解」だ。ときに、幼馴染は家族を越えた理解者だったりする。熟年夫婦なんて言われることもあるけれど、透と凛の場合は空気のように馴染んだ関係、とはまた一味違う関係だ。
お互いがお互いの事をずっと見続けた関係だ。この歳にして、今までの人生の大半を相手と寄り添って生きてきた関係だ。相手のこと、幼馴染なのにわかっていなかった、と悔やむ場面が二人共にあるけれど、そんな事はない。誰よりも、幼馴染のことをわかっていて、考えていて、ちょっとした変化にも気持ちの上下にも気づくくらい、相手のことばかり考えていた二人だ。決して、致命は見逃さなかった。ピンチに陥ったとき、いつも急いで駆けつけてきて助けてくれたし、手を握ってくれたし、叱咤し声援を送ってくれた。
それは、お互いに抱きしめ合うように支え合う関係だった。
素晴らしいのは、それがお互いに依存になっていない所なんですよね。二人の中で完結もしていない。幼馴染のために生きていながら、同時に自分のために生きている。ちゃんと夢を持っていて、それに邁進している。そして、夢に向かって生きている事が、そのまま幼馴染の人生に寄り添うことになっている。今までも、これからも。
挫折しかけた透を、凛が励まし叱咤しあなたなら出来るともう一度立たせたあのシーン。下手をすれば一方的な期待の押しつけになっていた場面だった。出来るか出来ないかわからないことに人生を賭させる無責任な後押しになりかねないシーンだった。でも、凛は無責任に勝手に期待して勝手に理想を押し付けたわけじゃなかったんですね。幼馴染として、透の中にくすぶるものがあることを見抜いていたから。どれほど泣き言を言って諦めを口にしても、どうしても振り切れないものを抱えていることが分かったから。幼馴染だからこそ伝わる透の本音を受け止めたからこそ、引っ張ったのではない、透の本心を後押ししたシーンだったのだ。
甘やかすも、甘やかさないのも幼馴染の自由自在。これこそ、最大の理解者としての幼馴染のアドバンテージだ。そして、どうなっても人生を共に歩むと決めた、自分の根源に刻み込んだ幼、馴染の覚悟の強さだ。
そして、それは一方的ではなく幼馴染同士であるがゆえに、透の方からも還ってくる想いなのである。
くるくると永遠にお互いを循環し続ける無限の愛情。まさに幼馴染の恋は無敵だ。それを、余すこと無くまさにそこに焦点をあてて描いてみせた本作は、幼馴染ものの純粋結晶と言えるのでしょう。

嗚呼、素晴らしき哉幼馴染――。
堪能させていただきました。

余談ですが、読者視点からすると、ただ巧い作品よりも熱い気持ちのこもった作品の方が読んでて楽しいのは間違いないです。不思議と、書きたくてたまらないものを叩き込んだ作品ってわかる、伝わる、気がするんですよね。そういうのを読むと、なんかねーなんでかねー、嬉しくなるんです。
ああ、読んだー!という気持ちにしてもらえる、そういう喜びがあることをわかってほしい。
本作も、そんな作品の一つでした。でしたよ。

このライトノベルがすごい! 2021   





【このライトノベルがすごい! 2021】 『このライトノベルがすごい!』編集部 宝島社

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今年から協力者枠を新たに募集し、枠を拡大。さらに、アンケート回答者も一万人を突破して、と大幅に増えたようでランキングに変動が、そして新作の大量ランキング入りと、例年にもまして大きな動きを見せたのが本年の【このライトノベルがすごい!2021】だったように思います。
特に文庫の方のランキングは20代までの年齢が約70%を占めたということで、ライトノベル読者の高齢化がささやかれる昨今ですけれど、なかなかそうでもないという事なんでしょうかね。

ってか、ランキング入りした作品、全然読めてねーー!!
文庫版ランキングだと40シリーズ中22作。うち、新作26作のうち15作を読んでるということで、ようやっと半分くらいじゃないですかー。
上位10作品中でも6作品。ただ、トップの【千歳くんはラムネ瓶のなか】は読んでなかったんですよね。評判は聞いていたのですが、何となく手にとってなくて積んだまま。いや、本作や【弱キャラ友崎くん】などの青春ものって、読むのに気力と体力がいるタイプの作品なんですよ。真剣に青春してる、本気でフルパワーで日常に、学校生活に、友達との関係に挑んでいる子たちの物語って、こちらもがっつり構えて応じないと、となるので生半可に手を出すことが出来なくて、「よし!読むぞ!」と気力体力十分で時間もたっぷりに充填した時でないと、なかなか手に取れないんですよね。
これはもう、読む前から面白いに違いないと分かっている作品ほど、満を持してを心得てしまって、その満を持する時が忙しいやらしんどいやらで中々巡ってこない、というのが進んでいくうちにシリーズの方が既刊溜まっていってしまうという悪循環。
歳取るとこうなるのよ、ほんとにw 痛感します。

その意味でも、【このライトノベルがすごい!】はきっかけ、或いはタイミングになってくれて、ありがたいのなんの。
いやそれにしても、読んでないのがこれだけずらりと並ぶと、「おおぅ」となりますなあ。あらかた買って手元にはあるだけに、これだけ後回しにしてたのか、と。
杉井光さんの【楽園ノイズ】に関してはあの名作【さよならピアノソナタ】をもう一度、という作品だったみたいで、これ読んでなかったのは自分の中でも痛恨でした。
今月はさほど新刊本に追われていないので、なんとか崩していってみよう。
作者インタビューもなかなか面白かったのですが、「ちラムネ」の作者さん、こっちの道に入ったの院生の頃、しかも友人にやらされたエロゲの【パルフェ】って、オタク経歴がすごいなあ。
【パルフェ】が初体験ってそれはまた。個人的には、まっさらな人にこの手のを布教する人は本当に尊敬します。

しかし、ランキング見てもファンタジーものは確かに本当に少ない。オーソドックスな異世界転生モノに至っては皆無に近い。そんな中で【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す〜ヘンダーソン氏に福音を〜】が33位に入っているのは大したもんなんじゃないだろうか。
てかこれ、もっとニッチな作品だと思ってましたわ。
いえ、自分もこれ投票させていただいたんですけどね!

今回から協力者枠で参加した人は、それぞれ何に投票したのか個別に掲載していただけるようになりまして、自分の項目もバッチリ発表されてしまっていますw
それぞれ、期間内に刊行された作品の中から最高評価の五つ星バーンと叩きつけたものから頭悩ませて抽出した、自身を持ってこいつはとびっきりに面白すぎてヤバかった、というものをあげました。
去年は10作品だったのに、今回は5作品だけでしたからね。【りゅうおうのおしごと!】が殿堂入りだったのはこうなると助かりました。

ちなみに、私の投票内容はこんなでした。リンク先は私の感想記事となっております。


1位【継母の連れ子が元カノだった】 紙城 境介/ たかやKi 角川スニーカー文庫(総合6位)
2位【探偵くんと鋭い山田さん】 玩具堂/悠理 なゆた MF文庫J(総合66位)
3位【数字で救う!弱小国家】 長田 信織/紅緒 電撃文庫(ランク外)
4位【異世界拷問姫】 綾里 けいし/ 鵜飼 沙樹 MF文庫J(ランク外)
5位【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す〜ヘンダーソン氏に福音を〜】 Schuld/ランサネ  オーバーラップ文庫(総合37位)

毎年のようにランキング外に投票している気がするぞ。しかし、ライトノベルで稀に見る「戦争芸術」を描いてみせた【数字で救う!弱小国家】の5巻に、【異世界拷問姫】の最終巻のあのラノベ史上に残る悍ましさと美しさを見事に織り交ぜたファンタジーの極には、逆らえませんでした。
面白いものはどうやったって面白いと言わざるを得ないのです。


男性キャラ投票
・ウェイン 【天才王子の赤字国家再生術】
・ガーディ 【やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい】
・姫宮春一 【お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。】

春一とウェインは去年に引き続き、でした。去年の見て決めたわけじゃなくて、投票してから見返して「お!?」となったのですけど。


女性キャラ投票

・エリザベート・レ・ファニュ (異世界拷問姫)
・空銀子 (りゅうおうのおしごと!)
・鷹月唯李(隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた)


イラストレーター
・つなこ(デート・ア・ライブ)
・しらび(りゅうおうのおしごと!)
・鵜飼沙樹(異世界拷問姫)



単行本・ノベルズランキングの方は、文庫と比べると去年と同じタイトルが比較的多く見受けられます。そんな中で飛び込んできた【異修羅】と【Babel】。
異修羅、これも読んでなかったなあ。登場人物が何人か登場したところまでチラ見したのですが、面白くなるところまではまだ読んでないまま、置いてる状態でした。
【Babel】は投票時はまだはじまったばかりですので、むしろストーリー的にも本番となる来年以降、まだここから躍進してくるんじゃないでしょうか、これ。
はじまったばかり、という意味では【滅びの国の征服者】も、まだ助走の段階でランキング入りしているのは非常に楽しみです。

さて、おかげさまでエネルギー結構充填できました。読むぞーという意欲も溜まってきた。今年もあと一ヶ月ほどですが、それまでにもガンガン読むぞー(目標



幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら 2.怖かった幼馴染が可愛い ★★★☆  



【幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら 2.怖かった幼馴染が可愛い】 すかいふぁーむ/ 葛坊 煽 富士見ファンタジア文庫

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じれったくも甘々な幼馴染への「好き」という想い
妹の家庭教師をきっかけに、親密な関係へと近づいていく幼馴染の愛沙と康貴。壊れてしまうなら今のままでいたいという想い、だけど抑えきれない好きという気持ちを抱え、二人は花火デートへ出かけることに。
思春期の男女の性差や同性の友達同士の付き合いもあってすっかり疎遠になっていた幼馴染同士。それを、愛沙の妹のまなみが一生懸命縁を繋いでくれて、色々と機会を作ってくれて、ぎこちない二人の間を取り持ってくれて、なんとか昔みたいな気のおけない幼馴染に戻れたかなー、というくらいの関係になった愛沙と康貴。
ところが二人共、疎遠になっていた時期のダメージが大きいのか、元の幼馴染っぽい所まで関係が戻ったことに大方満足してしまってたんですよね。もう一度、あの頃みたいに戻れたことが嬉しくて、前みたいなやり取りが出来ることが楽しくて、長らく手放してしまっていたものを、しばしじっくりと味わいたい、と言わんばかりに現状に浸ってしまう二人。
ところが、それを許さないのが妹のまなみである。姉と兄貴分の仲が昔に近いものになった!? だからどうした! と言わんばかりに休みもせず間髪入れず、プッシュプッシュ倍プッシュ!!てな勢いでさらに二人を急き立てていくまなみ。家庭教師抜きにして理由を作って康貴を家に招いて姉と一緒に過ごさせるわ、一緒に買い物をさせるわ、デートまで企画して準備してアドバイスしてメンタルサポートまで健気にこなして、至れり尽くせりのサポート三昧。
本来なら夏休みというのは、毎日通う学校と違って強制的に顔を合わせない分、どうしても会う回数も減るし一緒にいる時間も減ってしまうはずなんだけれど、まなみの尽力によってむしろ学校に通っている時よりも密度濃く一緒に過ごす機会が増えちゃってるんですよね。そこに家族ぐるみでの付き合いや愛沙たちの母親の影の支援もあって、お互いの家に入り浸ることになるし、学校の友人達も何だかんだと二人のことを見守って応援してくれるものだから、二人をくっつけるためのあれこれとイベントを用意し誘ってくれて、と本当に機会に関してはこれでもかというくらいの物量作戦だったんですよね。
さすがにそうまでされては、昔から康貴の事が好きなまま此処まできている愛沙だけじゃなく、康貴の方だって意識してしまいます。疎遠になっていた時期は嫌われていると思っていた事もあって無意識にか心理的な距離を置いていたところのある康貴ですけれど、元の幼馴染づきあいが再びスタートしたことで、段々と昔みたいに彼女の考えている事がわかるようになってきて、彼女の怖い顔も刺々しい言動もそのとおりに受け取るんじゃなく、その表に出せない意図を汲むことが出来るようになってきたんですね。そうなってくると、昔抱いていた彼女への好意が再び頭をもたげてくる。
そうなってくると、まなみの目論見通りなわけですわ。
普通に考えたら、ゆっくりゆっくりと進展していっただろう康貴と愛沙の関係ですが、手押し台車に乗せてダッシュしたかのように早送りでこの夏休み中でカタがついてしまったのでした。
いやもう、ここまで畳み掛けられると愛沙たちもテンション戻らないままだったでしょう。普通なら振幅があるはずの気持ちの盛り上がりも、ひたすら冷めないまま上がり続けたんじゃないでしょうか。それだけ、まなみが彼らに冷静になる余裕を当てなかった作戦勝ち、と言ったところかもしれません。まさに電撃作戦、指揮系統をズタズタにする一気呵成の侵攻でした。
あまりに捲くりすぎたせいか、作戦を主導したまなみの心もすらテンション上がったまま色々と自分の気持ちなど整理してる間も無く、最後まで行き着いてしまったのが、まなみ的にも誤算だったのかもしれません。或いは、彼女自身冷静になってしまうことで立ち止まって動けなくなってしまう前に一気呵成にやってしまわなければ、と心のどこかで思っていたのかもしれないんですよね。
だって、まなみも康貴の事が好きだったんだから。この子、姉の好きな人を自分も好きだったんだよ。にも関わらず、姉のことが大好きだから、頑張ったのだ。自分の好きな二人が一緒にいるのが好きだから、頑張ったのだ。
そんな二人と一緒に自分も居られる事が幸せだから。でも、二人が本当に付き合いだしたら、自分はいったいどうなってしまうのか。どんな距離感で、二人と過ごせばいいのか。自分のこの兄代わりの彼が好きな気持ちはどうしたらいいのか。
そんな様々な思いをちゃんと考える暇もないまま、どうやって整理して決着つければいいか考える余裕もないまま、この子は姉と兄と自分を追い立てて本当に疎遠だった二人を結ばせてしまったわけだ。
大したものである。
いやほんとに、もう康貴も愛沙もこの子には一生頭あがんないですよ。どれだけ彼女におんぶに抱っこだったかは、嫌というほど理解しているみたいだし痛感しているみたいだし。まなみが間にいなければ、まともにコミュニケーション取れるかも怪しい所だったんだから。
ちゃんとそれをわかって、まなみに対してこの上ない感謝と恐縮と申し訳無さをちゃんと二人が感じていたことには安心した。そこ、無神経だといただけないですものね。
まあ痛感しているからこそ、まなみの事はもう放っておけないでしょう。その意味では、この妹ちゃんは見事に二人の間に自分の居場所を作ってみせたわけだ。なにをどうしても邪魔者扱いされないし出来ないポディションを、築いてみせたわけだ。
別に企んでたわけじゃなあないのだろうけれど、策士である。愛沙としては、まなみにこれ以上はダメ、というラインをもう引けなくなったんじゃないだろうか、これ。まあ無理押しするような子では妹ちゃんないだろうけど。

さて、兎にも角にも幼馴染に戻った二人はさらにもう一歩先に進んで正式に恋人になれたわけですし、その間に堂々と妹ちゃんも居座ることが出来て、ある意味ゴールテープを切ったようにも見えるのですけれど、ここからさらにもうひとり幼馴染参戦するの? さすがにここから延長線は難しくない?
この高難易度になるだろう続きの展開、どう進めていくのかは非常に興味あります。もう一度、愛沙と康貴の関係を差し戻しで拗れさせるのもどうかと思うだけに、さて果たして新たなキャラの参戦をどう転がしていくのやら。


デート・ア・ライブ フラグメント デート・ア・バレット 7 ★★★☆  



【デート・ア・ライブ フラグメント デート・ア・バレット 7】 東出 祐一郎/ NOCO 富士見ファンタジア文庫

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さあ――わたくしたちの決戦を始めましょう

白の女王によって攫われた響。そして白の女王の正体――。絶望的な状況を前に狂三たちは、第二領域にて白の女王率いる軍勢との最終決戦に臨む。響、奪還の鍵は「わたくし、婚約した覚えはないのですが」悪役令嬢!?

いや、悪役令嬢要素は殆ど一つまみ程度もなかったぞ!
狂三のキャラクター的に昨今の悪役令嬢像ならノリノリにやったら結構はまり役になってもおかしくはなかったのでしょうけれど、さすがに白の女王との最終決戦ということであんまり遊んでも居られなかったか。カラー口絵の花魁狂三はそんな中でも僅かでもサービスを、という熱意を感じられて好き。
貴族令嬢のドレスは、むしろ普段のゴスロリよりも大人しく見えてしまう不思議。
さて、響が狂三の弱点として狙われるのを逆手にとって、響とともに練り上げた埋伏の毒の作戦。これを立てる時点で響が自分にとっての弱点、喪われる事でダメージを受けてしまう大事な相手である、というのを狂三自身がもう言い逃れできないくらい認めてしまっている、ということで響が調子に乗るのも仕方ないよね。
そして、白の女王の正体。ズバリストレートに、というわけじゃなく複雑な要素が絡み合った結果の存在であり、素直に狂三の反転体でもなく、山打紗和の亡霊というわけでもなく、という所だったのですけれど、あの紗和さんの声と姿は決して偽物、というわけではなかったのか。
その時点で、これは親友との対決であり自分の罪との対面でもあったわけだ。もっとも、狂三は分身体で本体ではなく、紗和さんも決して当人と言い切れない存在で、という写し身同士の相克というあたりが本作の悲哀を表しているようにも見える。この隣界という世界自体がまほろばのような場所であり、死んだ少女たちの魂が集ったような儚い幻のような世界。
でも、分身体であろうと狂三は狂三当人であり、この隣界で生きる準精霊の少女たちもまた、本物だ。かつて死んだのだろうと、今ここで生きている少女たちなのだ。
だから彼女達が今この世界で胸に抱いている如何なる想いもまた本物だ。ここで育まれた想いも気持ちも本物なのだ。
だから、時崎狂三がここで出会った緋衣響という少女とともに歩んだ旅も、二人の間に芽生えて育っていった「友情」という想いもまた、確かなものなのである。
思えば、時崎狂三という悪夢の精霊の在り方は恋に生きる少女であるという以上に、親友のために世界を敵に回すというまさに友情に殉じたものでした。
様々な思いを基に精霊となった少女たちの中で、一際「少女同士の友情」という根源を秘めていたのが時崎狂三だったのです。
そんな彼女が旅してきた隣界で出会った準精霊たち。各領域を治める支配者(ドミニオン)たちがそれぞれ胸にかかえていたもの、戦う理由として掲げていたもの、命をかけるに相応しい命題として携えていたものもまた、様々な形であったとはいえ同じ少女同士の友情でありました。時として生命を奪い合う結果となっても、後を託すことになったとしても、そこには彼女達が身命を賭すに能うだけの友情があったのです。
そして、今狂三たちとともに隣界の命運を担う第二領域を守るべく、その秘密を守り続けていたハカラ、真夜、アリアドネたちもまた、友情によって結ばれた三人だった。第二領域の秘密を三人で抱えることで、出し抜かれることを恐れて距離を起き、相手がいつ裏切るかを疑い、実際他の二人を出し抜く策を企んだ三人は、しかしついに疑い続けた末に……誰も裏切ること無く今白の女王という侵略者を前に立ちふさがるべくここに集った。
疑うということは、裏切ってほしいからじゃない。それだけ信じたいと願っているから。
「疑って疑って、それでもお互いが裏切らなければ。そこにあるのは『信じたい』っていう気持ちだけなんだと、わたしは思うなあ」
好きだから、信じたいから、だから疑ってしまう。
彼女達は、確かに友達だったのだ。そして、それを貫いてみせた。自分の中の、友達のことが好きだという気持ちをこそ、裏切らなかった。
友情に殉じたのだ。
それ以前も、これまで狂三と響が旅してきた隣界の領域を巡る物語は、そこで生きる準精霊たちが、まさに自身の友情に殉じる物語だったのではなかったか。
だからこそ、今この白の女王との決戦に、皆が駆けつけようとしている。自分たちの友情の行く末を、結末を、そのさきを、看取って見守って導いてくれた狂三たちを助けるために。
いやそうではない。それだけじゃない。そうじゃなくて、そんな余計な理由なく。

ただ、友達の助けを求める声に応えるために。

このシリーズは、この物語は、このお話は、だからきっと友情の物語だったのだ。
少女同士の睦まじい、儚くも力強い、キラキラと輝く友情を描いた物語だったのだ。

だから、狂三と決する相手は親友であるが相応しい。立ちふさがるのは、相対するのは、何よりも時崎狂三という精霊の根幹を為す山打紗和であるが相応しいのだろう。
最後の敵は、唯一無二の親友であるべきなのだ。
そして、だからこそ、狂三と最後まで、最初のはじまりから寄り添い続ける者もまた、唯一無二の親友であるべきなのだ。
最初から最後まで、狂三と紗和の二人一緒でありながらどうしようもなく一人であった白の女王と違って、狂三を絶対に1人にしなかった親友として。
緋衣響は、きっとそこに辿り着こうとしている。最初から、彼女にはその資格があったんじゃないだろうか。
もう一度時崎狂三にとって一番の友人になる。
そんな決意を胸に、その緋色の衣の下で全開で狂三への好きという思いを響かせている者、めくった奥にさらなる正体は存在するのか。
次回、最終巻。少女たちの世界のフィナーレがどんな形になるのか。楽しみで、少し怖くて、少し寂しい。

シリーズ感想

限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない 1 -オーバーリミット・スキルホルダー- ★★★★   



【限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない 1 -オーバーリミット・スキルホルダー-】 三上 康明/大槍 葦人 富士見ファンタジア文庫

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全てを司る森羅万象者として立ち塞る敵を滅し仲間・世界を救え!

レイジと少女・ラルクは人に能力を付与する天賦珠玉の発掘を行っていた。ある日最高レアリティの珠玉を見つけたレイジ。それは森羅万象を理解するもので、鉱山で別れてしまったラルクを探すため彼の冒険が始動する。
ウェブ版読了済み。現在ほぼ毎日連載中で、欠かさず追っている次第です。ベテラン作家ながら小説家になろうなどでの連載作も幾つも持っている方ですけれど、個人的には本作が一番面白いですわー。
あらすじからすると、まるで万能全知のスキルを手に入れたように語られるレイジですけれど、その森羅万象のスキルは決して万能無双なものではなく、便利は便利ではあるんですけれど使う人次第、なんですよね。まだ身体は10歳の子供に過ぎない、いや鉱山奴隷として劣悪な環境で育ったレイジくんは実年齢よりも発育不良の肉体で、得たスキルを使いこなせているかというと全然そんな事なくて。むしろ、自分の未熟を痛感することばかり。そして自分が分不相応のとてつもない天賦珠玉を手にしてしまった自覚もある。度々、天賦珠玉を外す機会があってその際に自分の中からごっそりと力が抜ける感覚を思い知っているので、それが自分の努力で身につけたものではない借り物の力だという恐れと自覚をちゃんと感じ取って、戒めてるんですね。
だからか、万能の力を振りかざすというよりレイジくんのスタイルはコツコツと自分の中に取り込んだスキルを努力して鍛え上げていく、センスよりも地道な叩き上げの熟練者という風情になっていくのである。もっとも、この段階ではまだまだ子供に過ぎず庇護される存在、自分が取り込んでしまった森羅万象の天賦珠玉の使い方を模索しつつ、周りに助けて貰いながら戦う術を身に着けていっている段階。といっても、そうは言ってられない局面へと、クライマックスにはなっていくのですが。

とまあ、こんな風に主人公のレイジくんの性質って、兎に角イイ子なのである。それも無差別の善良さや薄っぺらな正義の持ち主とかじゃなくて、人の心に寄り添える、相手の心を感じて、相手の思いを汲んで、それを力に変えることのできる子。素朴な勇気を振り絞れる子。懸命で献身的な子なのである。だから、そんな子の頑張りを間近で見て感じてしまった人たちは、この子のために何かをしてあげないと、という気持ちになる。こいつを守ってやらないと、と思ってしまう。この子が向けてくれる好意や善意を倍返しにして与えたくなる。そんな子なんですね。
利益だの恩義に報いるだの、そういう理屈抜きに、このレイジくんという子は咄嗟に人のために動ける子なのである。思わず、動いてしまう子なのである。森をさまよっているときに、たまたま見かけた冒険者パーティー、銀の天秤のメンバー。その彼らが気づかぬまま危地に陥りそうになったのを、自分の置かれた状況や立場も忘れて、思わず咄嗟に頭で考えるよりも早く、声を掛けてしまった場面が彼の本質を象徴しているのではないだろうか。
鉱山を逃げ出すときに、余命幾許もないヒンガ老人を陽の光の元へと連れて行こうとした行為に、打算などがあっただろうか。
そんな彼の行動、思いに応えるように、彼と知り合った人たちは目一杯の善意や信頼をレイジへと向けてくれる、与えてくれる。そんな時、少年の小さな胸の内は喜びや誇らしさで一杯になるのだ。優しく頼もしく尊敬できる人たちの在り方に、打ち震えるのだ。そんな彼らもまた、この小さな子どもの勇気と健気さに満ちた姿に胸打たれ、感動し、勇気をもらい、なんとしてでもこの優しい子のために、という思いを抱いているのと同様に。
そんな温かくも力強い思いが、両者の間を行き交っていく様子には思わず読んでいるこっちもグッとくるんですよね。
あの頼もしくとてつもなく大きなダンテスさんが、子供に過ぎないレイジを信頼して何も聞かず何も問わず、レイジに任せて預けてくれる姿も。
荒れ狂う嵐を心の奥に秘めたライキラさんが、いつしか生意気なガキなレイジを弟のように慈しみ、レイジの方も最初は刺々しい態度を取るばかりだったライキナに兄のように懐く姿も。
そこからより、相手の心のうちに踏み込んだ時。揺るぎない生き様を目の当たりにした時、決して余人には明かさないだろう自身の深い部分を曝け出すのを受け取ったレイジが強くも切ない想いを溢れ出させる時、心が激しく揺さぶられるままに叫んだ時。
ほんとに、胸に来たんですよねえ。グッと締め付けられるような、温かく擦られるような。ダイレクトに心に響く感触に、思わずこみ上げるものがあったのでした。
そして、折ある度にレイジが胸の内で反芻する姉・ラルクとの思い出。彼にとっての人格形成が、価値観が、その優しい在り方そのものがラルクとの思い出を根幹にしているのが伝わってくる。彼にとって、姉がどれだけ大事な人なのかが伝わってくる切ない想い。彼女を探してもう一度会うことが、レイジにとって人生の目標なのだというのがよく分かるんですよね。
これはレイジという少年の成長譚であり、広い広い世界をめぐる旅の話であり、彼を導き慈しみ様々なものを与え示し教えて注いでくれる素晴らしき人たちとの出会いを語る物語なのだ。

汝、隣人を愛せよ

ふと、そんな言葉を思い浮かべて噛みしめる機会を得る事の出来た作品であり、登場人物たちでありました。この次の巻にあたる第二章は、この作品でも最も好きなエピソードなだけに、是非続刊して欲しいです、いやほんとに。

友人キャラは大変ですか? 10 ★★★★   



【友人キャラは大変ですか? 10】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫

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友人キャラよ、永遠なれ。

最終決戦目前。
ソロモンと化した阿義斗によって、龍牙が能力を封じられちまった!

やむなく俺は「代理主人公」をつとめることになるのだが……きたぜパワーアップイベント!

お袋いわく、鬼には秘められた能力があるらしい。
それは、口づけした相手から異能を借り受ける力で、人呼んで「窃吻」――っておいコラ、なんだそのトラブルの予感しかない能力は!

龍牙と四神ヒロインズ、あと三姫まで俺を睨んでるから!
これ、ハーレムラブコメ主人公しか許されないやつだから!

――最後まで、笑って泣いて、熱くなれる最強助演コメディ。ここに堂々完結!!

結局、シリーズ通して真面目に敵キャラやってたのって、ほんとに阿義斗だけだったじゃないか。本人はどちらかというと主人公のつもりの節もあったので、それ故の真面目さでもあったのでしょうけれど。
小林少年もいざ主人公キャラやろうとすると、遊び無しで兎に角敵を倒して終了、という行動になってしまうと自分でも認識していたけれど、阿義斗も彼視点からすると殆ど無駄なことはせずに目的を達成するために必要なことを選んでやってたんだなあ、と。
ほんと、彼だけである。他の連中ときたら、片っ端から無駄なことしかしてねー。
キュウキはその意味ではわりとマメに物語を盛り上げるために敵のときも味方になってからも頑張ってくれてたのを見ると、小林少年の相棒として一番ぴったりだったのってキュウキだったな、と。
テッちゃん? 彼はもうなんというか、漫才コンビの相方でしょう、ボケ担当の。
というか本当にボケキャラしかいない敵キャラたちでした。使徒たち、まともに敵として立ち回ってくれたやつって殆どいなかったんじゃないだろうか。一応バトルモノ、と小林少年は定義していたみたいだけど、ちゃんとバトルやってたことってあったっけ? 使徒連中ろくに敵対もしないままなし崩しに全員味方になっていっちゃてたじゃないですか。
敵としてはポンコツなのに、味方になると使徒連中みんなわりと頼もしかったり頼りになったりちゃんと有能だったりするあたりが、なんか小憎たらしいw
結局、使徒たちの親玉だった四凶の魔神たちと来たら、片っ端から小林少年にさっさと取り付いてホームコメディの仲間入りしてましたしねえ。
挙げ句に最後の黒幕たるソロモンまで、あれでしたもの。ソロモンが一番適当で酷いんじゃないですかこれ!?
一応、テッちゃんとコントンのおっさんが洗脳されて敵に回る、という展開は早々に味方キャラになってたボスキャラが敵味方入れ替わり、今度はトッコとキュウキが味方側として相対するという展開になってたのはなんか面白かったです。テッちゃんとコントンってほんと相応に身内になってボケ倒すばかりのキャラになってたんで、ボスの貫禄全然ないし部下である三姫たちにも家庭内序列で下に置かれて、最強キャラの一角だというの完全に忘れ去られていたのですが、いざ敵キャラとなるとほんとに強かった。いや、外見は完全に機能停止仕掛けのポンコツロボなのですが。洗脳が、洗脳が雑すぎるw
まー、何にせよ龍牙たちの力が封じられたため、阿義斗と決着をつけるために今度こそ自分の意志で主人公キャラとして彼と対決する決意を固める小林少年。今までもずっとなし崩しに友人キャラを逸脱してどんどんと主人公の位置に押しやられていくのを無駄な抵抗し続けていた小林少年が、ついに自分から、というのはやはり最終回ならでは、なのか。
でも、主人公キャラ慣れてないから、いざ自主的にやろうとするとなんかぎこちなかったのは仕方ないのか、これ。むしろ、龍牙の方がナチュラルに友人キャラの役をこなしてたぞ。自然に解説を挟み込むとか、実はセンスあるだろう。
それよりも、完璧な友人キャラをやってのけてたのが、阿義斗の親友であるバアルだったわけですけれど。ちょっとこの人文句のつけようのない友情に殉じる友人キャラだったじゃないですか。彼のパーフェクトな掛け替えのない友人であるからこそ、彼を裏切り友のために友の敗北を願い、しかし最後まで友と行動を友にする、という友人キャラの鑑みたいなムーブしちゃってまあ。
彼と比べると、小林少年は友人キャラ芸人に見えてくる不思議w あかん、友人キャラとして小林少年、形無しやん。
友人キャラとしてはやりきれず、バトル主人公としても慣れない事に戸惑うばかりで、何を十全やれてたかというと、これハーレム主人公じゃないですかね、小林くんw
見事なまでに龍牙に四神ヒロインズに三姫と添い遂げることになりそうなどう言い繕ってもハーレム主人公一直線な小林少年でありました。亀さんだけは完全に場の勢いだよねこれ。小林くんからすると、ほかはともかく亀は勘弁、じゃないのかこれw
と、ヒロインはこれで打ち止めかと思いきや、まさかの遅れてきた真打ち、人妻属性未亡人属性の麗斐堕の参戦である。小林少年を父と慕うシズマの実の母なわけですから、夫婦になってもおかしくないのか? 何気にイラストで一番気合入ってた疑惑が湧くんですけど、麗斐堕さん。超絶美人で清楚な色気の塊という、何この儚げな人妻美人はw
女子高生嫁として若くてハツラツとして家庭的、というパーフェクトさで圧倒的正妻感を出していた魅怨に真っ向から太刀打ちできる逸材でありました。
いやでも、やっぱり個人的にメインヒロインは魅怨だったなあ。
BookWalkerの限定書き下ろしでは、後日談の使徒たちの大将軍決定トーナメント(なんでか四神ヒロインたちも参戦)の模様と、ヒロインの誰かを選んだら、という夢という形ですが未来絵図を見せてくれる短編……7万字もあるのを短編と呼んで良いのかわかりませんけど、ってか殆ど本編並にないですか、この分量w 少なくとも本編の半分くらいのページ数はあるぞw
まあこれで見ても、魅怨が一番家庭的で平和な家族作れそうなんですよね。まあ、なんでか魅怨選ぶと他の使徒もついてくる模様ですけど。それなら、龍牙たちも一緒でええやない、となってしまいそうなんですけどw
他の娘も嫁として地雷っぽい所があるのが雪宮さんくらいで、他の娘らは普通に幸せな家庭築けそうなのがなんともはや。いや、黒亀はもちろん除く。あれはこう、駄目だろうw
まー、最初から最後までどんちゃん騒ぎのお祭りみたいな作品でしたけど、テンション最後まで落ちずにどのキャラも暴れっぱなしで、いやはやお疲れさまでした、と思わず言ってしまいたくなります。
こうしてみると、やはりテッちゃんことトウテツのボケキャラっぷりが際立っていて、彼と小林少年のコンビがなんだかんだとこのシリーズを愉快に牽引していたなあ、と思う所。
実に気持ちよく笑い倒せるコメディ作品でありました。あー、面白かった。

伊達康・作品感想

信長の庶子 三 織田家の逆襲 ★★★★   



【信長の庶子 三 織田家の逆襲】 壬生一郎/土田健太 ヒストリアノベルズ

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織田信正、通称帯刀。織田信長の庶子とされ、ごくわずかな史料にのみ名を残す彼は、一般的にはその存在を認められていない、“幻の長男”である。帯刀は、その知力と、母から与えられる謎の知識で、織田家の勢力拡大を後押しし、信長の上洛を“一年早めた”。そして朝倉家、仏教勢力との戦端が相次いで開かれる。彼は織田家に待ち受ける運命を変えられるのか―?

実父信長、義父の村井貞勝、そしてもう一人の義父の織田信広、と三人の親父が同じ説諭を帯刀に諭そうとして、あとに行くほどその話はもう聞きましたから、と扱いぞんざいになっていくの、彼が三人の父親とほんと仲良いの伝わってきて好きだわー。ってか、最後の信広パパが全部言わせて貰えなくてちょっと可哀想なんですけど。聞いてやれよ、帯刀w
というわけで、この三巻では戦国の信長モノの中でも歴史の特異点として描かれることの多い宇佐山城の戦いが幕を開ける。
畿内で戦う信長たちの本軍と本国尾張美濃との連絡線を断つため南下する朝倉浅井連合軍を、交通の要衝たる近江宇佐山城に籠もる森可成以下数千の寡兵で迎え撃った戦い。
ここが落とされれば、本国との連絡が断たれて織田本軍が挟撃を受ける事になり壊滅しかねない危機的状況だったわけで、ある意味金ケ崎撤退戦よりも織田家の未来を左右する戦いだったかもしれない。
ここで史実で討ち死にする森可成は、信長股肱の臣として活躍していた人物で、ここで死ななければ或いは秀吉や明智光秀に匹敵する立場に立っていてもおかしくない人でした。
なので、織田信長を軸として描かれる戦国モノでは、この宇佐山城の戦いは重要なターニングポイントとして描かれる事が多いわけです。それでも、それぞれの作品の主人公となる人物がこの宇佐山城の戦いに直接参加することは稀なのですが、織田帯刀信正はここで初めての死地を経験し、手ずから敵を殺す体験と身内や家臣の死を経験する事になるのである。
本作の特徴として、他の作品ではスルーされガチな末端の織田一族についても詳しく触れることが挙げられるんですよね。信長の兄弟・子供は多いのですけれど、登場するのはせいぜい子供は信雄・信孝くらいまでで秀勝は秀吉の養子となる事から度々名前があがるくらいか。弟に至っては信勝以外では信包か後の有楽斎くらいなのですけれど、本作では庶兄である信広が重要人物として描かれているのに加えて、他の帯刀から見ると叔父になる人たちや従兄弟たちにも言及してるんですよね。
実際、信長の兄弟はそれぞれそれなりに戦場に立っていて、激戦の中で討ち死にしている人物も結構目立つんですよ。この宇佐山城の戦いでも、叔父である織田九郎信治が壮絶な最期を迎え、介錯した帯刀に大きな影響を遺すことになるのである。
このあと、文章博士の官位を信長パパが貰ってくれるように、平仮名の導入や滑稽本の執筆などどちらかというと文治で名を挙げていた帯刀でしたが、宇佐山で修羅場を潜って以降、武将としても戦線の一角を担っていくようになっていく。冒頭で父親三人に言われたのは、死地をくぐり抜けて顔つきが変わったという変化でしたが、実際言動もどこか引き締まって大人びていった感じがあるんですよね。
同時期に、名前を義父の村井貞勝から名字を貰って村井重勝と変えることで、名実ともに臣籍降下して信長の息子ではあっても織田一族の臣下となるという立場を表明したことで、色々と帯刀自身も振る舞いを変えていった、というのもあるのですが。
まー、けっこう不評が飛び交っていた気もするのですけれどw
尊敬する兄から二人きりでも家臣として接せられて、親父みたいに拗ねる奇妙丸とか。同輩となることで羽柴殿と畏まった態度を取られて前みたいに気軽に斉天大聖と呼んでくれなくなった事に残念がる秀吉とかw
可愛い弟に拗ねられて、困った顔をしながらちょっとだけ兄らしい態度を見えてあげる帯刀くん、そういう所ですよ、弟妹たちから懐かれ慕われるのは。

一方で、宇佐山城での戦いは浅井朝倉連合軍との戦いであったと同時に、介入してきた延暦寺の僧兵たちの増援が叔父たちの死の要因でもあったために、叔父信治が死に際に坊主たちへの呪詛を吐きながら帯刀に介錯されたのも相まって、自分たちの利益のために俗世に武力介入してくる仏門に帯刀は不信感、嫌悪感を募らせていく。
総じてこの三巻は伊勢長島の一向宗や延暦寺との争いが頻発する仏門との争い、という感も強かった気がします。まだ、大坂本願寺との戦いは本格化する以前なんですけどね。
しかし、堕落した延暦寺などの仏門への怒りを募らせる帯刀に対して、村井の爺様は母直子はそれぞれの言葉で彼の凝り固まろうとしている感情を諭していく。決して彼の怒りを否定するものではないのだけれど、視野を狭め思考を固めず判断を預けず自分の頭で考えろ、という趣旨の言葉は帯刀の中にこれもまた積み重なっていくんですね。
母・直子が彼女独特の価値観で帯刀の思想に一定の方向性を示唆していくのも面白いのですけれど、親父三人衆の中で村井貞勝の爺様は、武士のあらっぽいそれとも違う教示をくれることが多くて、帯刀の人格形成に大きな役割を果たしているように見えるんですよね。
こうしてみると、帯刀の父親である信長、義父の信広、村井貞勝はそれぞれ、違うタイプの父親として帯刀を教え導いていることがわかって、彼に三人もの父親がいるというのは結構作品としても大きいものだったんだなあ、としみじみしたり。

一方で、親兄弟とも友人とも先達とも部下とも違う、不思議な関係なのが竹中半兵衛なんですよねえ。
元々、彼の智をひけらかす性格を毛嫌いしていた所に親友であった森可隆の死を貶されて以来、嫌い抜いている相手なんだけれど、嫌い嫌いというわりには無視できなくていつもその動向を気にしているあたり、帯刀と半兵衛の関係はこれなんと言えばいいんでしょうかね。
今回、可隆の死を匹夫の勇と貶されたのを逆手にとって、半兵衛の私生活での不摂生にキツイ一言を食らわせてぐうの音も出ない一撃を与えた帯刀ですけれど、それってやり込めたと同時に半兵衛の生活態度への忠告にもなっていて、実際半兵衛は生活を改めて早死フラグを断つことになるわけで、本当にただ嫌っているなら、そういう絡み方しないはず。
素直な性格に見えて、帯刀って相手によってはやたらと素直じゃないというかツンデレかます所がまた可愛いというか複雑なキャラクターをしているというか。
延暦寺焼き討ちの際に出会った僧・随風に対しても、妙にひねた態度を示し続けてるんですよね。こちらは半兵衛相手ほどには刺々しい態度は取らないのですけど、若干デレてるようなツンツンして甘えているみたいな態度なんですよねえ。毎回、論議をふっかけて言い負かされるのに凝りずに突っかかっていって、見事に返り討ちにされるところとか。いつか言い負かしてやる、と負けん気募らせている一方でなんか言い負かされるのを楽しんでいるようなところもありましたし。
カチンと来る言い方をする半兵衛と違って、随風の物言いは柔らかくて鋭い指摘なんかをされても思わず納得してしまうような深い思慮が感じられる、というのもあるのでしょうけれど。
ちなみに、この三巻の書き下ろしは随風が主人公の彼の放浪の旅、出家した彼がその旅の中で様々な出来事に行き合い、その過程で五戒を破っていく姿を描いたものでした。
僧侶として破ってはいけない5つの戒め。それを、彼は自らの信じる道を歩むために一つひとつ破っていく。彼が作中で語るこの時代の仏門の在り方への憂い。それに対して自分がどう振る舞えばいいのかの悩み。旅のさなかに巡り合った人たちとの出会い。と、これが実に面白かった。
当時の仏門がどうして武力を持つに至ったのか。その客観的事実、正当性と避難されるべき在り方を僧の視点から、組織に属さないものの自由な視点から語られるそれは、非常に興味深かった。
そんでもって、随風なる僧の正体についても。これ、ウェブ版ではどこまで触れられていましたっけ。直子が随風の名前から、後に彼がどういう名を名乗るかについては察していたようですけれど、彼の俗世での名前については幾つも風聞があるわけで、直子も詳しい正体については知らなかったでしょうし。
さて、件の帯刀の母こと直子ですけど、ますます怪しさが増しましているといいますか、彼女の正体を知らないと本当に化生かなにかじゃないのか、と思えてしまうような妖しさ、得体の知れなさがその発言や態度から漂ってくるんですよね。
これ、本当に一巻の書き下ろしで全部バラしちゃったの勿体なかったんじゃないのかなあ。
いやでも、このお母様の全部見透かしたような物言いといい、知識量といい、尋常でなさすぎてあの書き下ろしの話、どこまで本当かよ、と思ってしまう所ありますよねえ。伝聞で、あそこまでの知識とその未来の知識に対する感じ方、価値観を習得できるものだろうか、と。
メンズブラへのハマりっぷりとか、おかしいから絶対w

そして、もう一人の作中屈指の怪人物である大剣豪・疋田豊五郎景兼がついに登場。この人に関しては、取り敢えず現状では戦国最強の剣士という認識でOKなんだろうけど、精神面がとにかく振り切っちゃってる人でもあるんですよね。その様子はまだチラリとしか垣間見えていないのですけれど、作中屈指のやべえ人であることは間違いなく……。
松永弾正のお茶目っぷりも大好きなんですけど、帯刀のスカウトの仕方、欲深爺転がし極めていたほんと好きですわーw
あと、月歩(ムーンウォーク)で去っていく茶筅丸(信雄)のイメージが面白すぎて、頭に焼き付いてしまったんですが、どうしてくれるw
各所でバカ殿扱いされる信雄ですけど、本作ではおバカは馬鹿なのですけど、愛される馬鹿になっているのはイイなあと思うんですよねえ。



やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2 ★★★★   



【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2】 ふか田さめたろう/ふーみ GA文庫

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お互いの「好き」という気持ちを確かめあい、小雪に告白した直哉だったが、小雪が素直な気持ちを伝えられるようになるまで返事は「保留」になった。
直哉とのやり取りを繰り返す中で、直哉以外との付き合い方も少しずつ柔らかくなっていく小雪。クラスメイトに直哉とのデートをそそのかされたり、思わぬ恋のライバルが登場したりと、周囲も騒がしくなっていく。そんな中、小雪の「毒舌」を決定づけた過去も、また身近にあったのだった……。
WEB小説発。ハッピーエンドが約束された、すれ違いゼロの甘々ラブコメディ、第2弾。


あっまーーーい! いやもうね、甘いなんてもんじゃないですよ。ひたすらイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャ。
正式に恋人、彼氏彼女の関係になってないだけで実質自他共認める恋人同士だし、もうこれ事実婚の恋人バージョンでいいんじゃないですか? 
恋人未満、な関係だと恋人同士じゃないという事実を盾にしてフリーだというのを前提にして、他の男女が横槍を入れて割って入ってくる、挑戦してくるケースは珍しくはないのですけれど、この直哉と小雪の場合はそれがほぼ不可能なんですよね。本契約こそしていないものの、仮契約的なお互いの意思の確認は済ませていますし、それも周りに周知されている。割って入る余地がどこにもないんですよ。両片思いなんてもんじゃなく、まさに両思いですし。直哉は既に告白済み。小雪もそれを受けていて、ただ素直に好きと返事できていないから保留にしているだけで、直接の言葉以外では直哉を好きという感情は一切隠しもしていないし、本人に直接言葉で伝える以外のあらゆる手段でほぼ伝えているも同然ですし、それを友人達にも親兄弟にも表明していて、周りの人たちもそれを理解して受け入れている。
……事実婚じゃないですか。内縁関係じゃないですか。実質的に恋人同然じゃないですか。
実際、それからの二人がやっている事と言ったら、なりたての恋人と何が違うんだ、って言うくらい仲睦まじくお互いに好き好き光線を撒き散らしながらイチャイチャイチャイチャ。
照れ隠しに毒舌吐いても、もうすぐに折れて撤回してほんとの気持ち言っちゃうようになったし。ってか、ほぼ好きって言っちゃってるよね? どう解釈しても好きとしか言ってないようなこと言いまくってるよね? ちょっと好きすぎてどうしようもないです、というくらいにはのぼせて浮かれてますよね、小雪さん。
もはや、隠そうという意識すら微塵もないw じゃなくて、小雪も自分の気持ちを直哉に知られているのは、彼の察しの良さもあって分かった上で色々とやってるわけですし、友達にも伝わっているのはもう理解しているわけで自分が何を言っても照れ隠しだとバレてるのも分かってるから、完全にオープンマインドだ。
というわけで、友達のアドバイスも素直に聞いて、積極的に直哉のことをデートに誘ったり、直哉がグイグイと来るのに負けないようにグイグイ押し返そうとしたり、といやもう一体何を見せられているんだろう、これw
こんなズブズブの恋人未満関係はあんまり見たことないぞ。これを恋人未満、と言ってしまうと「恋人とは!?」と概念への疑問が生じてしまいそうである。
小雪の対人スキルが未熟でついつい直哉相手にやらかしてしまう場合でも、直哉がもはや察し良いどころじゃなくお前「サトリ」だろう、という読心能力で片っ端からフォローして気持ちも汲んで拾ってすくい上げてくれるので、ある意味完全安心しようである。直哉に誤解される恐れがまったくない、という事実は小雪にこの場合勇気を与えてくれている、というのは面白いなあ。
それだけ、小雪が彼に対する好きという気持ちに自分でも疑う余地がなく、気持ちがぐいぐい伝わっていく事に何の不安も抱いていない、という事でもあるんでしょうなあ。
この気持ちが伝わるという経験は、小雪にとって直哉と交流する以外にもコミュニケーションのリハビリになってるんですなあ。どうしても対応に刺々しいものが含まれてしまい失敗しがちだったクラスメイトなどとの会話も、どんどんと自分の本当の素直な気持ちを出せるようになってきて、周囲との関係も目に見えて軟化していく。
いや、元々クラスの人たち、うまく対応できない小雪に対して温かく見守ってきてくれていた節があるので、彼女の対応の変化にも不器用な子の成長を喜ぶ年長者的な生暖かい眼差しが多分にあったような気が……w
とはいえ、心根の気持ちのよい連中なのも確かなわけで。その中でも筆頭が委員長だったのですけれど、さすがに小雪と直接過去に因縁ある人物だったとは予想外だった。
彼女を猛毒の白雪姫にしてしまった幼い頃のトラウマ。小雪が本当に成長し、素直になれない自分を脱却するにはどうしたってこのトラウマを克服する必要があったのでしょう。直哉たちに支えられてちょっとずつ自分を変えていけたとしても、心の奥底でシコリはずっと消えないまま残ってしまう。
人間、多かれ少なかれそうやって心の傷痕をどこかに遺したまま成長していくものだけれど、解消できるものなら解消できた方がいいですもんね。
妹や幼馴染たちが温かく見守り、また大いに囃し立て盛り上げてくれる中で、順調に仲睦まじく事実恋人関係を深めていく小雪と直哉。さらに重ねてどんどんとお互いを好きな気持が高まっていき、ちょっと双方とも好きすぎてテンション上がって酔っ払ってるんじゃ、というくらいにまで盛り上がっちゃってるけれど、大丈夫か? 取り敢えずもう先に結婚して生活が落ち着いてから告白の返事してもいいんじゃないですか? その辺、もう前後しても問題ないでしょうw

しかし、直哉の察しの良さはもう超能力の域に達してるんじゃないの? 完全に読心かサトリみたくなっていて小雪に本気で怖がられてるぞw 
この主人公なら、ミステリーで犯罪が起こった途端に犯人から完全犯罪のトリックから関係者の因縁から皆の顔見ただけで見通してしまいそう。いや、それ以上にどんな名探偵にも出来ないだろう、犯罪が起こる前に実行者から被害者から犯罪トリックから動機から全部暴いて事件の発生事態を阻止してしまう離れ業すら平然とやってしまいそう。怖っ!!




天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~ ★★★★☆   



【天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~】 鳥羽徹/ファルまろ GA文庫

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選聖会議。大陸西側の有力者が一堂に会する舞台に、ウェインは再び
招待を受けた。それが帝国との手切れを迫るための罠だと知りつつ、西へ
向かうウェインの方針は――
「全力で蝙蝠を貫いてみせる! 」
これであった。
グリュエールをはじめ実力者たちと前哨戦を繰り広げつつ、選聖会議
の舞台・古都ルシャンへと乗り込むウェイン。だが着いて早々、選聖侯
殺害の犯人という、無実の罪を着せられてしまい!?
策動する選聖侯や帝国の実力者たち、そして外交で存在感を増していくフラーニャ、天才王子の謀才が大陸全土を巻き込み始める第八弾!

大陸の東側を占める帝国と、西側諸国の間でずっと綱渡りを強いられてきたナトラ王国。ウェイン王子の活躍の元、領土も増えて景気も活況を迎え、数々の戦争での勝利と外交交渉で見せた存在感は既にナトラ王国を小国と侮るものは大陸全土に存在しない。ましてや、それを手動してきたウェイン王子を況や。
前回名を成し始めた際におまけで呼ばれた選帝会議と違って、今回のそれはナトラを、ウェイン王子を狙い撃ちにした彼を追い詰めるための招待である。これを断れば、ナトラ王国は帝国側に味方したとして西側全土を敵に回し、しかし会議に出席すればどうやっても帝国との手切れを迫られ西側諸国の尖兵として帝国との敵対を強要される。
まー、どうやったって詰んでる状況なのだこれ。
それを顔色を無くして絶望感に苛まれながら西に向かう馬車の中で鬱屈する、なんて事もなく「コウモリ外交を貫いてやるぜー!」とテンション高々なウェイン王子。いや、どうやったらそんな意気揚々と会議に赴けるのか。まあ、もはや頭の抱えようもなくて開き直ってる、とも彼のキャラクターからは言えるのだろうけれど。本当なら頭抱えてのたうちまわってても不思議じゃないもんなあ。
ただ、今回わりと余裕ありそうだったのは、それだけ想定して会議を乗り切る自信があったからだろう。まあ、いつものように想定外に全部台無しにされてひっくり返されるのだが。

ただ、今回彼を狙い撃ちにした謀略は、ある意味明確な悪意と企図によるものだったんですよね。何気にこれまでウェインを追い詰めてきたどんでん返しって、誰の意図というものではなく偶然の産物だったり関係者の思惑を超えた事態だったり、馬鹿がバカバカしいにも限りある事をひょいっと越えてやらかしてしまったり、複数の意図が絡み合った挙げ句に訳わからんことになってしまったり、と本当に誰にとっても予想外想定外、という事が多かったわけです。
そういう事態って、人の思惑が入っていない分もう道理も何もあったもんじゃないからマトモに対処のしようがないケースだったんですよね。それを人智を超えたリカバリー能力で対処しきった上に逆に利益引っ剥がしてきたのがウェイン王子の凄まじい才覚であったわけです。
今回のある意味ストレートなウェイン王子を狙い撃ちにした謀略って、むしろ思惑が分かっている分彼にとっては対応が容易だったのでは? とすら思えるんですよね。それくらい、どう転がってもウェイン王子が詰んでいるはずの状況が、片っ端からひっくり返されていく様は鮮やかなものでした。
相手の思惑、狙いを読みきった上でそこから仕掛けられているだろうさらなる謀略、そして起こり得る展開を予想し読み切り、対処するどころかそれを利用して逆に全部自分以外の会議参加者に有無を言わせぬ決着へと持っていく。
今回の会議参加者は一人残らず凡人無能はおらず、将来を嘱望された辣腕の政治巧者であり、それ以上の怪人怪物魑魅魍魎たちが揃っていたにも関わらず、である。いや、ある意味全員が無能ではなく有能である、というのはそれだけ彼らの思考を読みやすい、という意味でウェインにとってはやりやすくすらあったのか?
参加者の中でも特に怪物たる一人であるグリュエール王は、もう主導的にウェインにちょっかいを掛けるつもりはなく、変に肩入れはしないものの、ウェインに自由にさせて彼のやらかす事を楽しむ方に好奇心が寄っているようですし、隙を見せれば食いついてくるとは言え大きく見れば味方側と言えなくもないですし、そうなるとやはり相手はカルドメリアとシュテイル、そして聖王シルヴェリオとなるのか。この三人はある意味わかりやすい現世利益や権力とは違った所に重きをなしている節があって、ウェインとは価値観が違っている所がある分、思惑が読みきれないところがありますし。
今回の謀略は、言わば西側諸国、教会としての真っ当な、というとあれですけれど、政治家として順当な価値観に基づく動きであった、というのもウェインが掌の上に乗せやすい状況であったとも言えるのでしょう。
言わば、ウェインの土俵の上だったんだよなあ。
既にウェインの手、というのは帝国中枢や大陸外縁にまで及んでいて、会議に影響を及ぼすためにロワに遠方で動いてもらったり、先に深く関わることになったパトゥーラのフェリテ首長やミールタース市長のコジモにも協力を求めたり、とその手は長く大陸全土に及ぶようになっている。
どうやら今回の会議の結果として、大陸西側の奥地の方にもツテは広がりそうだし。

ウェイン王子の思惑が、帝国側にも西側諸国にも河岸を預けることなく、その間でフラフラと行き来して利益を甘受する事にある、と会議参加者の誰もがわかっている、どころかウェインも堂々と表明、まではしていないもののその思惑を隠しもせずに胸を張っている。
にも関わらず、彼を糾弾しきることも出来ず、彼に旗幟を鮮明にすることを強いることも出来ない。本来なら2大勢力の間に存在する小国なんて、食い物にされ良いように利用されるのがイイ所なのに、主導権を握っているのは明らかにナトラ王国であり、ウェイン王子なのだ。
彼のコウモリ外交を、誰も非難できない、指摘すらし切れない。有無をも言えず、首根っこを押さえられ、彼の思惑に振り回される。何をやっても、その手のひらの上から逃れられないと思い知らされる。
これほど堂々と立場を曖昧にして立つ蝙蝠がいただろうか。
並み居る猛獣猛禽どもに、心底恐れられ戦慄される蝙蝠がいただろうか。
こんな凄まじい暴威を振るうコウモリ外交があっただろうか。
会議は踊るよグダグダに。
何も決まらず進行もせず時間ばかりが無為に流れていくばかりのグダグダ会議。普通なら、誰も目的を果たせない無駄で無能の結果、のようにしか見えないグダグダ会議が、これほど明確な意図を持って引きずりこまれた結果だと、これほど凄味を感じさせられるモノになるんだなあ、と感嘆してしまいました。

とまあ、西側諸国とウェインとの会議における壮絶な綱引き、駆け引きを中心に描かれた本編ですけれど、冒頭では拡大するナトラ王国の中で大陸全土で被差別民であるフラム人がどう影響力を及ぼしていくかでフラム人たちの間で意識の変化があったり、妹姫であるフラーニャが順調に成長することでナトラ王国内でフラーニャ派閥というものが生まれ始めていたり、とナトラの拡大のお陰でまた別の問題が起こり出していることが描かれているのだけれど……。
うーむ。
どうにもね、このあたりってウェイン王子には想定済み、な節があるんですよね。それどころじゃなくて、大陸全土を股にかけてナトラ王国の影響力を拡大させていっているウェイン王子の活動、これってスケール的にマクロに思えるんだけれど……ウェイン王子的には今やってることってマクロじゃなくてミクロな事じゃないのか、と思える所があるんですよね。
彼って、ウェイン王子って、ナトラのために動いてるんだろうか。もう随分昔のことで忘れてしまいそうになりますけど、最初ウェイン王子、この国派手に売っぱらおうとしてたんですぜ? タイトル「そうだ、売国しよう!」なんですぜ?
実のところ、この初志、王子は忘れてない気がするんだよなあ。
そもそも、ウェインはびっくりすることに「王子」であって「王」でないのだ。もうやってることは王様以外の何者でもない権限と責任を振るって負っているにも関わらず。
ここに来てのフラーニャの躍進は、そして彼女がウェイン王子に遺恨ある他国の追放された宰相を参謀に迎え入れたのも、それをウェインが許可したもの、そしてかの宰相がフラーニャを担ぎ上げるつもりであるつもりなのも。こうなってくると、ねえ。
そこに一番重要になってくるのが、なるほどフラム人に秘められた、ニニム個人に秘められているはずの秘密、となっていそうなんですよね。
そもそも、ウェインの初志って一貫して、そう、ニニムについてなんだもんなあ。
会議は踊る、の裏側でこのシリーズの根底に関わるものがついに動き出した気がするぞ。

しかし、馬車で移動してる時、ウェインが眠り込んでいるときのニニムがこっそり甘え尽くしている姿、可愛いなんてもんじゃなかったなあ。ダダ甘えじゃあないですか。
一方で、ニニムの髪染めしてるときの二人のイチャイチャは、二人の中ではイチャイチャにカウントされないという、妹たちに見られても何もおかしいと思っていない、あの甘々な雰囲気。フラーニャがこりゃあ邪魔しちゃいけねえや、と赤面しながら逃亡するのも無理からぬ特別感。
昔からこんなの見せられてたら、そりゃあ妹姫も兄にはニニムしか居ないし許さん、とニニム贔屓になるのも当たり前だよなあ、うん。


ゴブリンスレイヤー外伝 2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》(中) ★★★☆   



【ゴブリンスレイヤー外伝 2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》(中)】 蝸牛くも/ lack GAノベル

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「――強いか弱いかしか興味ないヤツって、たぶんもう、冒険者じゃないよね」
怪物と成り果てた「初心者狩り」を打倒した君の一党はさらなる迷宮の深淵に挑む。そこには、未知の怪物との邂逅と、ある一党との出会いがあった――。
女司教と因縁のある一党と、彼女を賭け、迷宮探険競技をすることになった君は、暗黒領域《ダークゾーン》へと一党とともに挑む。
「小鬼になぞに、関わっている暇はないのです! 何故ならわたくしが……わたくしたちが、世界を救うのですから!」
「ゴブリンスレイヤー」の10年前を描く外伝第2弾。これは、蝸牛くもの描く、灰と青春の物語。

「――強いか弱いかしか興味ないヤツって、たぶんもう、冒険者じゃないよね」
これって何気にゴブスレ本編の方のシリーズ通じても重要なポイントになるんだろうなあ。これを語っているのが自身冒険者ではない「女情報屋」であることも相まって。
「冒険者(アドヴェンチャラー)」であるという事は、生きていく上での指針としてもきっと大事な事なのだ。作中、迷子の女の子を保護者を探して連れて行く、というイベントをこのダンジョン都市でも一位と二位のパーティーの強者たちが当たり前の事として真面目に取り組むシーンがあるんですね。人として当たり前、というのもあるんだろうけれど、それを彼らは「冒険者」として当然、と宣うわけだ。ダンジョンを探索するのも、迷子の姉を探索するのも、クエストとして変わらない。冒険であり依頼の達成であり、そいつこそ冒険者のお仕事であり醍醐味であり矜持なのである。
「冒険者にまかせとけ」。頼もしい台詞じゃないですか。
義務でもなく使命でもなく。
そう考えると、本編の方のあの妖精弓手の「冒険に行こう」というお誘いはほんと大事なことなんですよねえ。勇者ちゃんたちはちゃんと「冒険」出来ているんだろうか。
此度は、そんな「冒険者」足ることを考えさせられるお話でもありました。それは、ダンジョンの第4階層で、そこより奥に行く道が見つからずに探索が行き詰まり、ダンジョンに潜ることが未知を探索するのではなくただモンスターを倒して富を収奪するのみの行いになってしまうのではないか、という現実を前にしての困惑と苦悩であり。
ひたすら強くなることで世界を救おうとするパーティー、かつて女司教を置いていった彼女の友人たちのパーティーとの相対であったり。
「冒険者」とは? と、問うときに大事になってくるのが冒険者としてパーティーを組む仲間たち。ということで、より仲間たちとの関係に踏み込んでいく話にもなっていました。
主人公の「君」が、強敵を前に人事不省の重傷を負ってしまい、リーダー不在絶体絶命の危機に陥ってしまう展開も、まさにそれだったのでしょう。それまで不和らしい不和もないままだったパーティーが、いざ追い詰められた時明らかになる考え方の違いによる対立。それをまとめるべきリーダーの不在が、じっくり話し合う余裕のない危地がより顕著に浮き彫りになっていく。
ここで動揺して感情的になってしまい冷静さを失うのが女戦士で、逆にいつも大人しいのに判断を間違えずに動揺を抑え込む女司祭。そして普段のポワポワさが嘘のように、弟が死にかけているのに冷静沈着に臨時のリーダーを務め、短絡的に主人公を回復させずに撤退の指揮を執る従姉。
女性陣のメンタル強度が引き立つエピソードでもありました。
ゴブリン相手にはトラウマでグダグダになってしまう女司教ですけれど、それさえ関わらなければおどおどしているようでほんと判断は的確で情に流されないんですよね、この人。言うべきことはしっかり言いますし。従姉に至っては、見直した以上にゾクゾクする頼もしさでした。この人、本来これだけ出来るのに、普段ムードメーカー的にほわほわしてるのってそれだけ弟くんに任せっきりにしてるというか、それだけ信頼もして色々と預けきってるんだろうなあ、というのが今更ながら伝わってきたり。
一方で、女戦士の方は思ってた以上にメンタル弱々だったなあ、と。そもそも、前の巻からそういう側面は隠すこと無くわりと率直に見せていましたけれど、思った以上に折れやすかったな、と。このあともたびたび戦闘中にメンタルやられてグダグダになってしまう事がありましたし。
ただみんな、彼女がそういうキャラだというのはもう分かっているので、あんまりごちゃごちゃ言わないし、「君」に至ってはフォローうまいんですよね。それとなく励ましてテキパキと彼女のグダったメンタル立て直すんだよなあ。
普段は自分に自信がなくて弱気や迷いも多い女司教に対しても、的確にフォローし励まし勇気と自信を与えるリーダー。従姉は彼に関して女性の扱いがなっちゃいない、と苦言を呈していますけど、いやそんな事全然ないんじゃない!?
いやまあ、それは仲間に対しての扱いであって女性に対しての扱いはまた別なのかもしれないですけど、探索が行き詰まって落ち込んでいる所を元気づけるために買い物に誘ってくれた女司教に、ちゃんとその意図を汲んでしっかりとエスコートまでこなしたり、とわりと女性に対しての扱いもベスト尽くしていると思うけどなあ。
一巻ではデビューしたてでまさに初心者、というぎこちなさがあった君たちのパーティーだけれど、いつの間にかどんどんと最前線に追いついて、気がつけば探索深度に関しても稼ぎに関しても、一位に追いすがる二位の所まで来ているという上達っぷり。
ってか、普通にドラゴン倒せるほどになってるんですけど!? ゴブスレさんたちでは追い返すのが精一杯だったドラゴン。まさに冒険の象徴たるドラゴン退治をさらっとこなすまでに至っていたのか。
一度は死にかけてエラいことになったとはいえ、君のリーダーシップも胴に入っていてほんと一線級の冒険者パーティーになったんだなあ、と。
そして、挑むは視界の聞かぬ闇に包まれた暗黒領域。マップも何も見えないダークゾーン、というのはダンジョン探索RPGでは定番も定番ですけど、実際挑むとなるとやべえてなもんじゃないですよね。マップも見えない現在地もわからない何も見えない、って普通に死ぬじゃないですか。落とし穴など無くても、スペランカーよろしく段差で死ぬw
こうなってくると視力にあんまり頼らない女司教の重要性が段違いになってきます。ってか、マッパーとしても鑑定師としても優秀、奇跡だけじゃなくて魔法も使えます、ってどんだけ有能なんですか、というキャラなんですよね、女司教。そんな子がいらない子なわけないじゃないですか。これでもまだ自信を持ちきれない、というあたりに彼女の闇が伺えるわけですけど、キレイに闇を払うんだよなあ、この侍。
ってか、今回の話見ていると完全に女司教がメインヒロインの如く也けり、なんですけど、それでもあくまでサムライくんとは仲間としての信頼関係親愛関係なのか。10年後、ゴブリン絶対殺すマンなゴブスレさんがヒーローでメロメロになっちゃってるわけですしねえ。

女司教の元の仲間たちに関しては、再会の仕方があまりにもおかしかったので違和感どころじゃなく確信に近いものがあったのですけれど、むしろアンデットか精神攻撃かなにかなんじゃないのかと思ったんですよね。でも、街中で堂々と現れてるので実体はあるようだし、表に出て大丈夫で周りからも違和感持たれていない以上アンデットでもないようだし、さて露骨に描写される装身具も合わせてどういう仕組なんだろうとは疑問に思っていたわけですけれど。
いやこれ、最後のところまで「生きてた」のならそれはそれで残酷なんてものじゃないですよ。邪悪だー。
女司教への試練が厳しすぎるなあ。幾らメンタル強くても、さすがにねじ曲がりそう。まがった結果が、ゴブスレ本編のあの結構面倒くさくて重たそうな剣の乙女様なのか。まー、元々こんなん、とも言えるのかもしれませんが。



週4で部屋に遊びにくる小悪魔ガールはくびったけ! ★★★☆   



【週4で部屋に遊びにくる小悪魔ガールはくびったけ!】 九曜/小林ちさと GA文庫

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転校してきた無気力な高校生の比良坂聖也。その彼にやけにかまってくる女の子がいる。黒江美沙――マンションのお隣りさんの彼女は中学生ながらスタイルもよく、大人びていて、聖也をからかうのが得意。それも体を使って。
彼女は聖也のことを気に入り、週4のペースで部屋に遊びにくるように――。プロをも目指したバスケをあきらめ、無気力な『余生』を過ごす聖也は、戸惑いつつも彼女と日常を過ごしはじめる。
小悪魔ヒロインによるおしかけ系ラブコメディー、開幕です。

いくら何でも初対面でこの好感度、このぐいぐい来る姿勢はおかしいぞ、とは思ったんですよね。本当に初対面から好感度MAXなんてラブコメ、よっぽどですからね、よっぽど。
むしろ、やたら最初から構ってくる年下の美少女を、鬱陶しく思ったり面倒に感じたり、という感触は持っているにも関わらずさして「疑問」を抱かない時点で、聖也くんアレなんですよ。
これを疑問に思わなくても差し支えない環境に適応した人類なんですよっ。自分を陰キャと主張する聖也に転校先で親しくなったクラスメイトが「お前が陰キャかよ」と嘯くのも、当然ですよ、当然。
なんちゅーか、青いなあ、としみじみ思ったり。彼、そういうキャラとして描かれてるんだろうか、それとも作者さんの素で意識されずにそういうキャラになってるんだろうか。
利き腕の怪我でこれまで人生そのものを費やしてきたバスケを辞めるという挫折真っ最中の聖也。
打ちひしがれ絶望し、何もかもを失って、これからも得られる事はないのだと諦めきってしまっている彼は、心機一転という心づもりもなく、自らを抜け殻と評し、あとはもう余生を過ごすだけ、と自認している。そのくせ、未練がましく町中で見つけたバスケコートに度々足を運び、もうコートを見ても動揺なんてしないんだぜ、と自己確認しながら落ちてるボールを見つけると、ついつい手にとってしまう。選手時代は絶対にしなかった足でボールを扱う、なんて冒涜的な真似をしてみたりしつつ。
あーおーいー! なにこの子、なんかもう色々と突き抜けすぎて青臭さが可愛らしさに見えてきてしまうんですけど。
いやいやいや、彼は本気なのである。若者の絶望感を、今が全てという在り方を年寄りが後ろからどうこう言うのはナンセンスなのはわかるんですよ。それは傲慢てもんだ。って、理解を示してみる事すら傲慢のうちなんでしょう。若者にとって、本当に今現在こそが全てで未来とか実感のないものなのだ。これからもずっと長い長い時間が君には待っている、なんて訳知り顔で言った所でその実感は決して伝わらない。彼らの絶望感を、年寄が思い出せないように。
それを加味しても、加味しても、ちょっとこの子ナルシー入ってるよね!?って言いたくなっちゃうんですよね。現状に、陶酔してるよね!?って言いたくなっちゃう! ごめんね!? ほんっとごめんね? でも、抜け殻云々、余生云々、全部自認なんですよね。空っぽだってのも自分で言ってる。別に、周りの人からお前はもう抜け殻みたいだ、とか指摘されたわけでもなく。
繰り返すけど、彼は本気でそう思ってるし、本気で絶望して、人生を諦めて気力を失って自棄にもなってる。本心で純粋にそう感じて、重くて黒くて苦いものを噛み締めながら足を引きずって俯いて歩いている。その絶望感は恥ずかしいものじゃない。若者の特権、なんて若者括りにしてしまうのもあれだなあ、上から目線だよなあ。うん、難しいなあ。
バスケを捨てたと言いつつ、試合に参加すれば本気出しちゃったり、その癖過去をつつかれると激高しちゃって心にもない事言っちゃったり、昔の仲間に後ろ足で砂をかけるたり。まあ、昔のチームメイトに対しては、彼らのやった事の酷さとそれを謝って勝手にスッキリされたくない、という聖也の心情は「然るべき」だと思ったので、それはそれでいいと思うのだけれど。
ともあれ斜に構えて偽悪振るというあたりも青臭いなあ、と。若いなあ、と。未成熟のある種の一途さなんですよね。迷走しているようで、青々しい一途さという点できっと選手全盛期と一貫しているのではないだろうか。
美学、なんだろうか。バスケ選手としての理想の自己像というのがあって、それに自己を重ねられなくなったから選手としてまだやれるのに辞めてしまったという所があったわけで。それは同時に、挫折した自分の理想像、というものも彼の中にあったんじゃなかろうか。挫折してバスケをできなくなった自分のあるべき姿。それは若くして全てを喪った抜け殻でないといけないし、残りの長い人生をだらだらと余生として過ごすだけの存在でないといけない。バスケを捨てたようで、バスケに未練を感じ続けて、しかし遠くから斜に構えて眺めているだけでないといけない、みたいな。
バスケ、本当に好きで、大事だったんだな。大事だからこそ、バスケを忘れてなかった心機一転新しく生きる聖也、じゃなくてバスケを失ってその欠落を埋められなくてずっともだえ続ける自分でなければならなかった。それだけ自分にとってバスケが大事だったと証明できるから、と。
そんな風に考えると、なにげに自己陶酔してませんか。とかちょっとナルシスト入ってね? と感じちゃった部分は少し違ってくるかもしれない。
すべてを持っていようとも全てを失おうとも、彼にとってバスケこそが基軸で基準だったのだ。

黒江美沙という存在は、そんな聖也にとって初めて現れた「バスケ」以外だったのかもしれない。
一方で、彼女と自分を繋いだのもまたバスケであり、かつての自分のバスケ選手としての雄姿だ。まったく関係ない所から飛び込んできた異物ではない。
それが許容の理由、というには美沙が聖也を知っていた事を告白するシーンは随分とあとなので、異なってはいるのだろうけれど。彼女の存在を最終的に自分の価値観の中に受け入れることにおいて、決して意味がなかったとは思わない。
バスケ馬鹿、なんだよなあ。青春かよ。うん、青春だ。青々とした青春だ。ただ、やっぱり陰キャとかとは程遠いぞ、美沙ちゃんも含めて。
だいたい美沙ちゃん、この娘中学生って主張するのもう犯罪じゃね? というくらい育っちゃってるんですが。ファッションも含めて、なにこの娘へそ出しコーデを当たり前みたいに着こなしてるんですけど。
中学生って、まだ子供だよ? というのが通じない人種が存在するからなあ。まぢで同じ中学生か? その辺通学してる子ら、ほんとただの子供だよ?
ちなみに、彼女の方が抱えていた悩みに関してはあんまり掘り下げず。よくある話、以上には踏み込まないまま、表層の所で片付けちゃったんですよね。
そのあと、彼女のお母さんが件のことについてはあっさり撤回しちゃった事からも、黒江美沙というキャラクターを描くにおいてその問題は重きを為す部分ではなかったのでしょう。彼女については、聖也との関係を通じて描いていくという事か。
ってか、そういう理由で撤回しちゃうって事は、美沙のお母さんかなり認識が甘かったんじゃないだろうか。どう転がってもしち面倒くさいことになってたと思うぞ。
ともあれ、今回の一件が美沙の意識をひと味変えてしまったのも間違いなく。憧れが恋に、ってやつだろうか。まあそれに相応の事を彼女にしたわけですしねえ。
そして、自分ひとりで完結していた所で黒江美沙という少女に引っ掻き回された末に、自分自身で彼女の存在を自分の世界の中に受け入れることを選んだことで、いつまでも自分の世界に酔っ払ってるわけにはいかない、と思ったのかそうでないのか。ともかく彼女と自分をさらけ出して本音で話すことで、色々と整理ついたのかな。母親と二人で支え合って暮らしていく、お母さんの事についても思う事があったのかもしれない。自分の内側にだけかまけてたら、母親に対する意識も薄れてしまいますしね。もう一度改めて、母親の事を考える機会にもなったのかもしれない。
美沙に対して年上ぶって偉そうなことを言った手前、ひねてるわけにはいかない。なんて、襟を正そうと思う所がまた、青いんですよねえ。一途で真っ直ぐな良い青さ。涼やかな青なのである。こういう青臭さは、ほんと可愛らしいと思ってしまう。こういうイケメン系の青年に対して可愛いなんて褒め言葉じゃないのでしょうけどね。ただ、それもまあ年寄りの特権ってやつなのですよ、きっと。

九曜・作品感想

パワー・アントワネット ★★★   



【パワー・アントワネット】 西山暁之亮/ 伊藤未生 GA文庫

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「言ったでしょう、パンが無いなら己を鍛えなさいと!」
パリの革命広場に王妃の咆哮が響く。
宮殿を追われ、処刑台に送られたマリー・アントワネットは革命の陶酔に浸る国民に怒りを爆発させた。自分が愛すべき民はもういない。
バキバキのバルクを誇る筋肉(フランス)へと変貌したマリーは、処刑台を破壊し、奪ったギロチンを振るって革命軍に立ち向かう!
「私はフランス。たった一人のフランス」
これは再生の物語。筋肉は壊してからこそ作り直すもの。
その身一つでフランス革命を逆転させる、最強の王妃の物語がいま始まる――!!
大人気WEB小説が早くも書籍化!

16世陛下、処刑されちゃってるんですけど!?
力こそパワー、筋肉こそフランス。おー、筋肉万歳(ヴィヴ・ラ・フランス)。
そう、究極にまで鍛え上げられた筋肉には美が宿る。
王族として民の声に殉じてギロチン台の露と消えるつもりだったマリー・アントワネットは、己の子供たちをも虐げ貶めようとする民衆の声に憤激し、ついに立ち上がる。
その太首を切り落とすはずだったギロチンブレードを逆に武器として握りしめ、いきり立つ革命の歌声にそのバルク(筋肉量)のみで立ち向かう。
目指すは王政復古。なぜならば我が筋肉こそがフランス、我こそがただ一人のフランスだから。

うん、ある意味一発ネタですね。ヨーロッパ各国の宮廷はどんな虎の穴揃いなんだこれ? 王家とはあれか? 連綿と武を伝える筋肉戦士の血族なのか? ロイヤル・ファミリー=コナン・ザ・グレートなのか? ハプスブルク家とか、そんな武門の家系とは程遠いはずなのに完全に世紀末覇王の家系じゃないですかー。
まー、わりと最初から最後まで同じノリの連続ではあるんですよね。最初のインパクトで最後まで押し通すパターンの作品であるので、さすがに慣れてくると言いますか。
それに、ラスボスの革命軍が完全にヤラレ役のゲス野郎というのも、いささか盛り上がりに欠けたかもしれません。
最高潮は、同じ宮廷武闘の体現者であるデュ・バリー夫人との頂上対決。
あれこそは、女として至高の地位に立とうというデュ・バリー夫人の気高き闘争心に対して、マリー・アントワネットという女性が何を心に戦い、筋肉をバキバキにしているかを突き詰める戦いでもありました。
彼女が死を拒絶し立ち上がった理由、我が子テレーズとシャルルを守るという母親としての決意。そして愛する我が子に国を引き継がせるため、愛するフランスという国を守り導くためという王妃としての矜持。女を貫く女と国母となった女とのプライド決戦。あれこそ誇りをもってお互いを高め合った至高の戦いであり舞踏であり、マッスルファイトでありました。
それに比べて共和制の共和筋肉は、筋肉に対するスタンスが曖昧で、単に筋肉と名乗ってるだけの肉なんですよね。肉になにも宿っていない。意思も魂もなにも宿っていない。
高潔なる筋肉義務(ノブレス・オブリージュ)がどこにもない。中途半端で貧相なものでしかなかった。あれでは少々、役者として足りない。
民衆の掌返しも、あんな程度の説得で転向するんだったら市民、ただのアホじゃんw 
というわけで、クライマックスはちとお粗末だったかな。スタートダッシュの勢いがラストまで持たなかった、とも言えるのかもしれませんが。おー、シャンゼリゼ(ゴリ押し)。
ローズ・ベルタンやシュヴァリエ・デオン、フェルセン伯爵、デュ・バリー夫人など革命当時の著名人が色んな意味で活躍してたのは、まあ歴史モノの醍醐味でありますなあ。
しかし、処刑人サンソンがこの場合ヒロイン枠なのか? 実際デオンよりもまっとうに男の娘してましたし。
出色だったのがイラストで、カラーはちょっと濃ゆくて自分的には「おおうっ」ってなったのですが、挿絵の方はマリーの女性としてのスタイルと鍛え上げられた筋肉のラインの調和がなかなかに美しくて思わず唸ってしまいました。
デュ・バリー夫人との決闘舞踏のシーンは二人揃ってるシーンで見てみたかったなあ。というか、デュ・バリー夫人のイラストなかったし。
ともあれ本作、このひたすら筋肉なノリが面白ければ、楽しめるのではないかと。

俺、ツインテールになります。 16 ★★★★   



【俺、ツインテールになります。 16】 水沢 夢/ 春日歩 ガガガ文庫

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トゥアールの復讐の旅――ここに終着。

女神ソーラの力を借り、イビルツインテイルズを撃破した総二たち。しかしその戦いの最中にアルティメギル最高科学者マーメイドギルディは、究極の最終闘体・エンジェルギルディへと進化。トゥアールに衝撃の事実を告げる。「あなたはもうすぐ死ぬ」――属性力を自ら捨てた反動で、自覚のないまま生命を削り続けてきたのだと。
トゥアールの心を強く持たせるため、総二はテイルレッドの姿で要求に応え、愛香も発明品で擬似的に幼くなることを渋々了承。仲間たちの献身で元気になったように見えたトゥアールだったが、彼女はすでに、自分が手遅れであることを自覚していた。一方、強大な力を手にしたことで増長したエンジェルギルディは、アルティメギルの意志から外れて己が欲望の赴くままに暴走。自ら作り上げた要塞へとトゥアールを連れ去る。テイルギアの力が通用しない「テイルギアそのもののエレメリアン」を相手に、ツインテイルズに勝機はあるのか!? そして、トゥアールが下した決断とは!?
ツインテールを愛し、孤独に戦い、守り……全てを失った。
悲しみの果てに仲間を得て、恋を知った。
運命に翻弄され続けた少女――トゥアールの復讐の旅が、ここに終着を迎える。

そうか、これがトゥアールの旅の終わり、終着点だったんだ。
自分の世界で最初のツインテイルズとして独り戦い続け、そして破れてツインテール属性を喪ったトゥアール。自分から、そして自分たちの世界からツインテールを奪い去ったエレメリアンに復習するため、自身のツインテール属性を込めたテイルギアを手に、この世界を訪れて総二たちにツインテイルズとして戦う手段を与えてくれた彼女。以来、総二たちの頭脳として軍師として博士としてずっとサポートし続けてくれた。仲間として、ツインテイルズにこそなれないものの一緒に戦ってくれていたトゥアール。
でも、彼女の旅はずっと今まで続いていたのか。彼女にとって、ここは帰るべきホームではなかったのか。エレメリアンと戦うために訪れた異邦の地だったのだ。
普段、その人類の域を遥かに超えた頭脳を反転させたようなバカ極まる言動で、シモネタで、エレメリアンをすら上回る変態性で、場を盛り上げ続けてくれていたトゥアールが、この巻ではほとんどいつものような元気を出せずに、辛さを表に出さないように笑顔で心を隠して空元気で振る舞う姿は痛々しいばかりで、この作品の陽気さというのはホントにトゥアールに支えられていたんだなあ、と痛感させられた。
一方のエレメリアンも、今までは変態ながらも矜持と誇りを持ち尊敬でき親しむとが出来、そのおバカさと健気さに愛おしさを感じるばかりだった歴代のボスキャラたちと違って、マーメイドギルディ改めエンジェルギルディは、正真正銘のゲス野郎。魔道に堕ちたツインテール。友情も愛情もエレメリアンたちを成り立たせる属性への想いも踏みにじる、敬することの出来ない敵。ただの敵。
これが思いの外辛かった。まさに、この作品のもう一方の主役であり主人公は、エレメリアンたちでありましたからね。そして、話をギャグでもコメディでもシリアスでも熱さでも盛り上げてくれたのが、彼らでありましたから。
片や味方のトゥアールと、片や敵側のエンジェルギルディ双方ともがこんな調子だと、話そのものが重苦しくなるばかりでしたから。

トゥアールの、本当の意味でツインテイルズと一緒に戦えない悔しさ、どれだけ望んでも自分の中から喪われたツインテールは取り戻せず、自分の髪を2つに結えない苦しさは度々描写されてきましたけれど、そのどうしようもな事実がどれほど彼女を傷つけてきたか。
それどころか、今度はその自分の中からツインテール属性を抽出してしまった事が、自身の生命を文字通り縮めてしまってたこと。そして寿命が今間近に潰えようとしている事実を前に、怯え苦しむ彼女。どれほど覚悟していたからと言って、怖くないわけがない。未練がなくなるわけじゃない。どれほど絶望的だろうと諦めずに自分を救おうとしてくれている仲間たちへの愛情が、そのまま離れがたい気持ちとなって余計に未練を募らせていく、もっともっとこの人たちと一緒に居たいという乞い願う想いの強まりを加速させ、だからこそ余計にトゥアールを苦しめていく。ここの彼女の苦悩はそのままダイレクトに伝わってきて、本当に辛かった。
彼女を勇気づけるために、「幼女喫茶!」とかみんなで幼女になってトゥアールを饗そう、とか、「並々ならぬ幼さを漲らせ」とか「よし、幼い!」とか、人類言語として本来なら存在していない領域の文章が当たり前に文脈の中に混入しているあたりは、毎度の本作らしくて相変わらずだなあ、と菩薩の如きほほ笑みを浮かべながら遠い目になったものですが。
まだ早い、人類にはまだ早い。
しかし、燃え盛るツインテールはどれほど遠くに追いやられようとも容易に追いついてくる。
今回はほんと、あの変態性こそがアイデンティティで、もう存在自体が下ネタヨゴレ芸人で「ヒロイン枠」ではなく、蛮族系ヒロインに毎回壁のシミにされるボコられ役の座をほしいままにしていたあのトゥアールが、あのトゥアールが、あのトゥアールが、三回言いました、あのトゥアールが、最初から最後までまさかの正統派ヒロインとして振る舞い踊り通してみせた奇跡の回でありました。
そしてついに、ついに、シリーズ16巻目にしてついに今まで見ることのできなかったトゥアールのツインテイルズとしての姿が、バトルフォームが、2つに結ばれた神の型のお披露目となったのでした。
トゥアールのくせに、トゥアールのくせに、ちくしょう、うつくしい……。
本当にこれまでどうやってもツインテールを結べなかった彼女。16巻もの積み重ねです。重く長く本当に遠かった。絶対不可能を可能とするものこと愛と友情とツインテールの奇跡であることは間違いない事なのでしょうけれど、それが仲間たちツインテイルズの、ライバルであり掛け替えのない親友である愛香の、誰よりも愛した総二のそれだけではなく、スワンギルディの侠気であり、そして誰よりもトゥアールを認め励ました帝王ティラノギルディの遺し託したツインテール属性だった、敵であるエレメリアンたちの後押しだった、というのはこの【俺、ツインテールになります。】という作品らしくて、本当に好き、もう大好き。
何よりもエレメリアンたちが尊び求めたツインテール属性ですら、道具へと貶めてしまったエンジェルギルディ。まさにツインテールでありながら、ツインテールの闇を内包してしまった魔道に堕ちたツインテール。
そんな彼女と相対することで、エンジェルギルディに追い詰められ、絶望を突きつけられ、誘惑の手を差し伸べられたトゥアール。この世の何よりもツインテールを愛する総二にとって、ツインテールを結べない自分の価値はどうなのか。あのエンジェルギルディのツインテールに目を奪われる総二の姿に、どうしようもなくツインテールでない自分を突きつけられ、それをエンジェルギルディに煽られ、心揺らがされたトゥアール。
自分にとってツインテールとは何なのか。自分のツインテールを喪っても、エレメリアンに復讐しようと世界を渡った根本の理由とは何なのか。自分の根源を振り返り、そしてこの世界に来て出会った総二たち、そして戦いの果てに心通じ合わせたエレメリアンたちの事を思い出した時、トゥアールはついに答えにたどり着く。
自分にとってのツインテールの真理を、掴み取る。自分が戦う本当の理由、本当に成したかったものを見つけるのだ。

<愛>のツインテール戦士・テイルホワイト爆誕!!

彼女の復讐の旅は、ここに終わりを迎えた。
彼女は、帰るべきホームを本当の意味で今、手に入れたのだ。

水沢夢・作品感想

 
12月4日
【呪禁師は陰陽師が嫌い 平安の都・妖異呪詛事件考】
黒崎 リク
(宝島社文庫)

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【異世界転生して生産スキルのカンスト目指します! 4】
渡 琉兎
(ドラゴンノベルス)

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【神猫ミーちゃんと猫用品召喚師の異世界奮闘記 4】
にゃんたろう
(ドラゴンノベルス)

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【転生したら小魚だったけど龍になれるらしいので頑張ります】
真打
(ドラゴンノベルス)

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【幼馴染のS級パーティーから追放された聖獣使い。万能支援魔法と仲間を増やして最強へ!】
かなりつ
(ドラゴンノベルス)

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【厄災の申し子と聖女の迷宮 1】
ひるのあかり
(ドラゴンノベルス)

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【主人公じゃない! 1】
ウスパー
(エンターブレイン)

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【おっさんはうぜぇぇぇんだよ!ってギルドから追放したくせに、後から復帰要請を出されても遅い。最高の仲間と出会った俺はこっちで最強を目指す!】
おうすけ
(BKブックス)

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【俺だけ作れる魔道具でポンコツパーティーを最強に! 〜ハズレスキル【鑑定眼】、実は最強でした〜】
塩分不足
(BKブックス)

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12月2日
【アレクサンダー英雄戦記 ~最強の土魔術士~】
なんじゃもんじゃ
(一迅社ノベルス)

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【天才最弱魔物使いは帰還したい 〜最強の従者と引き離されて、見知らぬ地に飛ばされました〜】
槻影
(一迅社ノベルス)

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12月1日
【戦翼のシグルドリーヴァ Sakura (下)】
長月達平
(角川スニーカー文庫)

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【真の仲間 Episode.0 今だけ最強の走竜騎士は、いずれ無双の妹勇者を守り抜く】
ざっぽん
(角川スニーカー文庫)

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【お見合いしたくなかったので、無理難題な条件をつけたら同級生が来た件について】
桜木桜
(角川スニーカー文庫)

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【元スパイ、家政夫に転職する】
秋原タク
(角川スニーカー文庫)

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【クロの戦記 5 世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】
サイトウアユム
(HJ文庫)

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【魔界帰りの劣等能力者 5.謀略の呪術師】
たすろう
(HJ文庫)

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【夢見る男子は現実主義者 3】
おけまる
(HJ文庫)

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【精霊幻想記 18. 大地の獣】
北山結莉
(HJ文庫)

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【アルバート家の令嬢は没落をご所望です 8】
さき
(角川ビーンズ文庫)

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【王太子妃パドマの転生医療 「戦場の天使」は救国の夢を見る】
さくら 青嵐
(角川ビーンズ文庫)

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【英雄の娘として生まれ変わった英雄は再び英雄を目指す 4】
言寺あまね/鏑木 ハルカ
(MFC)

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【アルバート家の令嬢は没落をご所望です 3】
彩月 つかさ/さき
(B's-LOG COMICS)

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【メニューをどうぞ ~異世界レストランに転職しました~ 2】
黒野 ユウ/汐邑 雛
(B's-LOG COMICS)

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【1/10の花嫁 4】
ゆきの
(サンデーうぇぶりSSC)

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11月30日
【賢者の弟子を名乗る賢者 14】
りゅうせんひろつぐ
(GCノベルズ)

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【聖者無双 〜サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道〜 8】
ブロッコリーライオン
(GCノベルズ)

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【異世界転移したら愛犬が最強になりました 〜シルバーフェンリルと俺が異世界暮らしを始めたら〜 1】
龍央
(GCノベルズ)

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【むすぶと本。『嵐が丘』を継ぐ者】
野村美月
(ファミ通文庫)

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【俺だけレベルが上がる世界で悪徳領主になっていた】
わるいおとこ
(ファミ通文庫)

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【未実装のラスボス達が仲間になりました。】
ながワサビ64
(エンターブレイン)

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【魔法使いで引きこもり? 8 ~モフモフと駆ける雪山の決戦~】
小鳥屋エム
(エンターブレイン)

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【おお魔王、死んでしまうとは何事か 〜小役人、魔王復活の旅に出る〜】
榊 一郎
(講談社ラノベ文庫)

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【剣帝学院の魔眼賢者】
ツカサ
(講談社ラノベ文庫)

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【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 2】
謙虚なサークル
(講談社ラノベ文庫)

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【雪の名前はカレンシリーズ】
鏡 征爾
(講談社ラノベ文庫)

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【精霊の友として】
北杜
(Kラノベブックス)

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【俺だけ入れる隠しダンジョン 6 〜こっそり鍛えて世界最強〜】
瀬戸 メグル
(Kラノベブックス)

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【Free Life Fantasy Online 〜人外姫様、始めました〜5】
子日 あきすず
(Kラノベブックス)

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【コミックライド2020年12月号】

Kindle B☆W

11月28日
【まんがタイムきららキャラット 2020年12月号】

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11月27日
【ガヴリールドロップアウト 10】
うかみ
(電撃コミックスNEXT)

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【ガンフェスタ 2】
芝村裕吏/ku−ba
(電撃コミックスNEXT)

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【まったく最近の探偵ときたら 8】
五十嵐正邦
(電撃コミックスNEXT)

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【航宙軍士官、冒険者になる 3】
たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)

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【魔法使いの印刷所 5】
もちんち/深山靖宙
(電撃コミックスNEXT)

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【JKからやり直すシルバープラン 3】
李惠成/林達永
(ヴァルキリーコミックス)

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【ポンコツ女神の異世界創世録 4】
金光鉉/林達永
(ヴァルキリーコミックス)

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【転生したらスライムだった件 16】
川上泰樹/伏瀬
(シリウスKC)

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【Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます 5】
東雲太郎/銀翼のぞみ
(ヤングアニマルコミックス)

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【常敗将軍、また敗れる 3】
渡辺つよし/北条新九郎
(HJコミックス)

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【電撃マオウ 2021年1月号】

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【月刊コミックアライブ 2021年1月号】

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【月刊コミック 電撃大王 2021年1月号】

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【コミック電撃だいおうじ VOL.87】

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【Comic REX 2021年1月号】

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【神眼の勇者 11】
ファースト
(モンスター文庫)

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【村人転生 最強のスローライフ 13】
タカハシあん
(Mノベルス)

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【のんべんだらりな転生者 〜貧乏農家を満喫す〜】
咲く桜
(Mノベルス)

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【異世界で 上前はねて 生きていく 3〜再生魔法使いのゆるふわ人材派遣生活〜】
岸若まみず
(Mノベルス)

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【勇者パーティーを追放された白魔導師、Sランク冒険者に拾われる 〜この白魔導師が規格外すぎる~】
水月 穹
(Mノベルス)

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【冒険者ギルドの万能アドバイザー 〜勇者パーティを追放されたけど、愛弟子達が代わりに魔王討伐してくれるそうです〜】
虎戸 リア
(Mノベルス)

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11月26日
【少年エース 2021年1月号】

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【コンプエース 2021年1月号】

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【月刊少年シリウス 2021年1月号】

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11月25日
【涼宮ハルヒの直観】
谷川流(角川スニーカー文庫)

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【殺したガールと他殺志願者】
森林梢
(MF文庫J)

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【同い年の先輩が好きな俺は、同じクラスの後輩に懐かれています】
凪乃彼方
(MF文庫J)

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【ハイスクール・フリート あらいばるっ】
姫ノ木あく
(MF文庫J)

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【探偵はもう、死んでいる。4】
二語十
(MF文庫J)

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【ライアー・ライアー 6.嘘つき転校生は正義の味方に疑われています。】
久追遥希
(MF文庫J)

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【ぼくたちのリメイク 8.橋場恭也】
木緒なち
(MF文庫J)

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【絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 14】
鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)

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【ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 6】
篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)

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【本能寺から始める信長との天下統一 4】
常陸之介寛浩
(オーバーラップ文庫)

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【底辺領主の勘違い英雄譚 2 〜平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件〜】
馬路まんじ
(オーバーラップ文庫)

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【Sランク冒険者である俺の娘たちは重度のファザコンでした 2】
友橋かめつ
(オーバーラップ文庫)

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【ブレイドスキル・オンライン 1 〜ゴミ職業で最弱武器でクソステータスの俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります!〜】
馬路まんじ
(オーバーラップ文庫)

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【黒鳶の聖者 1 〜追放された回復術士は、有り余る魔力で闇魔法を極める〜】
まさみティー
(オーバーラップ文庫)

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【望まぬ不死の冒険者 8】
丘野 優
(オーバーラップノベルス)

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【異世界で土地を買って農場を作ろう 8】
岡沢六十四
(オーバーラップノベルス)

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【俺の前世の知識で底辺職テイマーが上級職になってしまいそうな件 2】
可換 環
(オーバーラップノベルス)

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【太宰治、異世界転生して勇者になる 〜チートの多い生涯を送って来ました〜】
高橋 弘
(オーバーラップノベルス)

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【社畜ですが、種族進化して最強へと至ります】
力水
(ダッシュエックス文庫)

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【影使いの最強暗殺者 ~勇者パーティを追放されたあと、人里離れた森で魔物狩りしてたら、なぜか村人達の守り神になっていた~】
茨木野
(ダッシュエックス文庫)

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【進路希望調査に『主夫希望』と書いたら、担任のバツイチ子持ち教師に拾われた件】
yui/サウスのサウス
(ダッシュエックス文庫)

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【元勇者は静かに暮らしたい 3】
こうじ
(ダッシュエックス文庫)

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【八男って、それはないでしょう! 21】
Y.A
(MFブックス)

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【二度追放された魔術師は魔術創造〈ユニークメイカー〉で最強に 2】
ailes
(MFブックス)

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【ほのぼの異世界転生デイズ 〜レベルカンスト、アイテム持ち越し! 私は最強幼女です〜 1】
しっぽタヌキ
(MFブックス)

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【異世界帰りのパラディンは、最強の除霊師となる 1】
Y.A
(MFブックス)

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【Missing 3 首くくりの物語(上)】
甲田学人
(メディアワークス文庫)

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【Missing 4 首くくりの物語(下)】
甲田学人
(メディアワークス文庫)

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【おにぎり処のごちそう三角 家族を結ぶ思い出の食卓】
つるみ犬丸
(メディアワークス文庫)

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【それでも、医者は甦る -研修医志葉一樹の手術カルテ-】
午鳥志季
(メディアワークス文庫)

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【レッドスワンの死闘 赤羽高校サッカー部】
綾崎隼
(メディアワークス文庫)

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【後宮双妃の救国伝 ふたりの妃は喧嘩しながら国を救う】
柳なつき
(メディアワークス文庫)

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【レベル1の最強賢者 4 呪いで最下級魔法しか使えないけど、神の勘違いで無限の魔力を手に入れ最強に】
木塚麻弥
(ブレイブ文庫)

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【すべての人類を破壊する。それらは再生できない。6】
横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)

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【武装少女マキャヴェリズム 11】
黒神遊夜/神崎かるな
(角川コミックス・エース)

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【真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 5】
池野雅博/ざっぽん
(角川コミックス・エース)

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【コードギアス 反逆のルルーシュ外伝 白の騎士 紅の夜叉 4】
曽我篤士/高橋びすい
(角川コミックス・エース)

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【コードギアス 復活のルルーシュ 1】
曽我篤士/高橋びすい
(角川コミックス・エース)

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【ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 4】
しめさば/ぶーた
(角川コミックス・エース)

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【家庭教師のルルーシュさん 4】
漆魂
(角川コミックス・エース)

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【もし、恋が見えたなら 1】
七路ゆうき/みかみてれん
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダム ジオンの再興 レムナント・ワン 1】
近藤和久
(角川コミックス・エース)

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【屍刀 シカバネガタナ 1】
瀬川はじめ
(角川コミックス・エース)

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【田舎のホームセンター男の自由な異世界生活 5】
うさぴょん/古来歩
(角川コミックス・エース)

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【氷菓 13】
タスクオーナ/米澤穂信
(角川コミックス・エース)

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【薬屋のひとりごと 7】
日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)

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【ナイツ&マジック 13】
天酒之瓢/加藤拓弐
(ヤングガンガンコミックス)

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【現実主義勇者の王国再建記 6】
上田悟司/どぜう丸
(ガルドコミックス)

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【最果てのパラディン 6】
奥橋睦/柳野かなた
(ガルドコミックス)

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【望まぬ不死の冒険者 6】
中曽根ハイジ/丘野優
(ガルドコミックス)

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【月刊ビッグガンガン 2020 Vol.12】

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【月刊アクション2021年1月号】

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【アフタヌーン 2021年1月号】

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11月24日
【このライトノベルがすごい! 2021】
『このライトノベルがすごい!』編集部
(宝島社)

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11月21日
【じいさんばあさん若返る 2】
新挑限
(MFC)

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【はいふり 7】
阿部かなり/AAS
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【戦翼のシグルドリーヴァ ノンスクランブル 1】
阿部かなり
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 5】
fujy/合田拍子
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【ガールズ&パンツァー リボンの武者 15】
野上武志/鈴木貴昭
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【盾の勇者の成り上がり 17】
藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【死神様に最期のお願いをRE 4】
山口ミコト/古代甲
(ガンガンコミックスJOKER)

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【六畳一間の魔女ライフ 2】
秋タカ
(ガンガンコミックスJOKER)

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【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア 17】
大森藤ノ/矢樹貴
(ガンガンコミックスJOKER)

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【月刊ガンガンJOKER 2020年12月号】

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【まんが4コマぱれっと 2021年1月号】

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【リビティウム皇国のブタクサ姫 12】
佐崎 一路
(モーニングスターブックス)

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【ウォルテニア戦記 XVII】
保利亮太
(HJ NOVELS)

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【TOKYO異世界不動産 3軒め】
すずきあきら
(HJ NOVELS)

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【魔眼と弾丸を使って異世界をぶち抜く! 9】
かたなかじ
(HJ NOVELS)

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【食い詰め傭兵の幻想奇譚 15】
まいん
(HJ NOVELS)

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【ロード・エルメロイII世の事件簿 9 「case.冠位決議 (中)」】
三田 誠
(角川文庫)

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【友達以上探偵未満】
麻耶 雄嵩
(角川文庫)

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【遺跡発掘師は笑わない あの時代に続く空】
桑原 水菜
(角川文庫)

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【准教授・高槻彰良の推察 5.生者は語り死者は踊る】
澤村御影
(角川文庫)

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11月20日
【限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない ―オーバーリミット・スキルホルダ― 1】
三上康明
(富士見ファンタジア文庫)

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【デート・ア・バレット 7 デート・ア・ライブ フラグメント】
東出祐一郎
(富士見ファンタジア文庫)

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【公女殿下の家庭教師 7.先導の聖女と北方決戦】
七野りく
(富士見ファンタジア文庫)

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【幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら 2.怖かった幼馴染が可愛い】
すかいふぁーむ
(富士見ファンタジア文庫)

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【世界一かわいい俺の幼馴染が、今日も可愛い】
青季ふゆ
(富士見ファンタジア文庫)

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【君は彼方】
瀬名快伸
(富士見ファンタジア文庫)

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【豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 10】
合田拍子
(富士見ファンタジア文庫)

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【幼馴染をフッたら180度キャラがズレた】
はむばね
(富士見ファンタジア文庫)

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【好きすぎるから彼女以上の、妹として愛してください。5】
滝沢慧
(富士見ファンタジア文庫)

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【史上最強の大魔王、村人Aに転生する 7.外なる神のピエロ】
下等妙人
(富士見ファンタジア文庫)

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【Only Sense Online 19 ―オンリーセンス・オンライン―】
アロハ座長
(富士見ファンタジア文庫)

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【淡海乃海 水面が揺れる時 〜三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲〜 九】
イスラーフィール
(TOブックス)

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【没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた 4】
三木なずな
(TOブックス)

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【異世界創造のすゝめ 2 〜スマホアプリで惑星を創ってしまった俺は神となり世界を巡る〜】
たまごかけキャンディー
(TOブックス)

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【悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる 2】
稲井田そう
(TOブックス)

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【ざまぁの後の王子様とわたし】
家具付
(TOブックス)

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【それをAIと呼ぶのは無理がある】
支倉 凍砂
(中央公論新社)

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【ぐらんぶる 16】
井上堅二/吉岡公威
(アフタヌーンKC)

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【てんぷる 4】
吉岡公威
(アフタヌーンKC)

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【グラゼニ〜パ・リーグ編〜 10】
足立金太郎/森高夕次
(モーニングKC)

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【この会社に好きな人がいます 5】
榎本あかまる
(モーニングKC)

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【ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 15】
泰三子
(モーニングKC)

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【マリアージュ〜神の雫 最終章〜 25】
オキモト・シュウ/亜樹直
(モーニングKC)

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【刷ったもんだ! 2】
染谷みのる
(モーニングKC)

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【半沢直樹 4】
池井戸潤/フジモトシゲキ
(モーニングKC)

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【神呪のネクタール 10】
吉野弘幸/佐藤健悦
(チャンピオンREDコミックス)

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【少年マガジンR 2020年12号】

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11月19日
【ゲート SEASON2 5. 回天編 自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり】
柳内たくみ
(アルファポリス)

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【無限のスキルゲッター! 〜毎月レアスキルと大量経験値を貰っている僕は、異次元の強さで無双する〜】
まるずし
(アルファポリス)

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【とあるおっさんのVRMMO活動記 22】
椎名ほわほわ
(アルファポリス)

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【いずれ最強の錬金術師? 8】
小狐丸
(アルファポリス)

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【異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。 4 〜この世界は俺にとってイージーモードでした〜】
WING
(アルファポリス)

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【神に愛された子 5】
鈴木カタル
(アルファポリス)

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【間違い召喚! 2 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活】
カムイイムカ
(アルファポリス)

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【超越者となったおっさんはマイペースに異世界を散策する 7】
神尾優
(アルファポリス)

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【変わり者と呼ばれた貴族は、辺境で自由に生きていきます 3】
塩分不足
(アルファポリス)

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【のんびりVRMMO記 10】
まぐろ猫@恢猫
(アルファポリス)

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【ゲート SEASON2 1.抜錨編 (上)自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり】
柳内たくみ
(アルファライト文庫)

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【ゲート SEASON2 1.抜錨編 (下)自衛隊 彼の海にて、斯く戦えり】
柳内たくみ
(アルファライト文庫)

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【かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜20】
赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)

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【リアル 15】
井上雄彦
(ヤングジャンプコミックス)

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【亜人ちゃんは語りたい 9】
ペトス
(ヤンマガKCスペシャル)

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【オカルトちゃんは語れない 4】
ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)

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【グレイプニル 9】
武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)

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【サバゲっぱなし 7】
坂崎ふれでぃ
(サンデーGXコミックス)

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【ディオサの首 2】
伊藤明弘
(サンデーGXコミックス)

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【任侠転生-異世界のヤクザ姫- 3】
宮下裕樹/夏原武
(サンデーGXコミックス)

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【煩悩☆西遊記 1】
クリスタルな洋介
(サンデーGXコミックス)

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【まんがタイムきららMAX 2020年12月号】

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【月刊サンデーGX 2020年12月号】

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11月18日
【友人キャラは大変ですか? 10】
伊達 康
(ガガガ文庫)

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【結婚が前提のラブコメ 3】
栗ノ原草介
(ガガガ文庫)

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【ハル遠カラジ 4】
遍 柳一
(ガガガ文庫)

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【史上最強オークさんの楽しい種付けハーレムづくり 4】
月夜 涙
(ガガガ文庫)

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【100人の英雄を育てた最強予言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます 3】
あまうい白一
(ガガガブックス)

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【北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた 3】
ジュピタースタジオ
(ガガガブックス)

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【ロメリア戦記 〜魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した〜 2】
有山リョウ
(ガガガブックス)

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【君は008 11】
松江名俊
(少年サンデーコミックス)

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【名探偵コナン 警察学校編(上)】
青山剛昌/新井隆広
(少年サンデーコミックス)

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【天野めぐみはスキだらけ! 22】
ねこぐち
(少年サンデーコミックス)

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【ウルトラジャンプ 2020年12月号】

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11月17日
【化物語 11】
西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)

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【化物語 11 特装版】
西尾維新/大暮維人
(KCデラックス)

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【カッコウの許嫁 4】
吉河美希
(講談社コミックス)

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【カノジョも彼女 3】
ヒロユキ
(講談社コミックス)

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【ダイヤのA act2 24】
寺嶋裕二
(講談社コミックス)

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【炎炎ノ消防隊 26】
大久保篤
(講談社コミックス)

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【彼女、お借りします 18】
宮島礼吏
(講談社コミックス)

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【獣の六番 1】
永椎晃平
(講談社コミックス)

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【少年マガジンエッジ 2020年12月号】

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【リアリスト魔王による聖域なき異世界改革 IV】
羽田遼亮
(電撃の新文芸)

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【その色の帽子を取れ -Hackers' Ulster Cycle-】
梧桐 彰
(電撃の新文芸)

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【外面だけは完璧なコミュ障冒険者、Sランクパーティーでリーダーになる(上)】
とまとすぱげてぃ
(電撃の新文芸)

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11月16日
【ヘルモード 〜やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する〜 2】
ハム男
(アース・スターノベル)

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【追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜 2】
すかいふぁーむ
(アース・スターノベル)

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【戦姫アリシア 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし】
mery
(アース・スターノベル)

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【冒険者ギルドのチート経営改革 魔神に育てられた事務青年、無自覚支援で大繁盛 1】
ハーーナ殿下
(アース・スターノベル)

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【マージナル・オペレーション改 10】
芝村 裕吏
(星海社FICTIONS)

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【2020年のゲーム・キッズ →その先の未来】
渡辺 浩弐
(星海社FICTIONS)

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【ぼんくら陰陽師の鬼嫁 1】
秋田みやび/遠野由来子
(ボニータ・コミックス)

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【異世界狙撃手は女戦士のモフモフ愛玩動物 2】
光永康則/いのまる
(YKコミックス)

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【月刊ヤングキングアワーズGH 2021年1月号】

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11月14日
【おいしいベランダ。 あの家に行くまでの9ヶ月】
竹岡 葉月
(富士見L文庫)

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【探偵はサウナで謎をととのえる】
吉岡 梅
(富士見L文庫)

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【菓匠風月 〜深夜霊時の夢菓房〜】
真鍋 卓
(富士見L文庫)

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【ジギタリスの女王に忠誠を 修道院の王位継承者】
仲村 つばき
(富士見L文庫)

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11月13日
【ダンジョンおじさん 1】
広路なゆる
(サーガフォレスト)

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【宮廷魔法師クビになったんで、田舎に帰って魔法科の先生になります 3】
世界るい
(サーガフォレスト)

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11月12日
【天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~】
鳥羽徹
(GA文庫)

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【やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく 2】
ふか田さめたろう
(GA文庫)

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【邪神官に、ちょろい天使が堕とされる日々 2】
千羽十訊
(GA文庫)

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【週4で部屋に遊びにくる小悪魔ガールはくびったけ!】
九曜
(GA文庫)

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【パワー・アントワネット】
西山暁之亮
(GA文庫)

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【尽くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?】
斧名田マニマニ
(GA文庫)

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【ゴブリンスレイヤー外伝 2 鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》 中】
蝸牛くも
(GAノベル)

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【転生賢者の異世界ライフ 7 〜第二の職業を得て、世界最強になりました〜】
進行諸島
(GAノベル)

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【結婚するって、本当ですか 2】
若木民喜
(ビッグコミックス)

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【舞妓さんちのまかないさん 15】
小山愛子
(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

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【ピーター・グリルと賢者の時間 7】
檜山大輔
(アクションコミックス)

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【巴マミの平凡な日常 8】
あらたまい
(まんがタイムKRコミックス)

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【月刊少年ガンガン 2020年12月号】

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【まんがタイムきららフォワード 2020年12月号】

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【ゲッサン 2020年12月号】

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11月10日
【艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス 1】
柚木 ガオ
(角川コミックス・エース)

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【創約 とある魔術の禁書目録 3】
鎌池和馬
(電撃文庫)

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【キノの旅 XXIII the Beautiful World】
時雨沢恵一
(電撃文庫)

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【三角の距離は限りないゼロ 6】
岬 鷺宮
(電撃文庫)

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【日和ちゃんのお願いは絶対 2】
岬 鷺宮
(電撃文庫)

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【声優ラジオのウラオモテ #03 夕陽とやすみは突き抜けたい?】
二月 公
(電撃文庫)

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【ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい 2】
五十嵐雄策
(電撃文庫)

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【吸血鬼に天国はない 4】
周藤 蓮
(電撃文庫)

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【少女願うに、この世界は壊すべき 2】
小林湖底
(電撃文庫)

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【桃瀬さん家の百鬼目録】
日日日/ゆずはらとしゆき/SOW/森崎亮人
(電撃文庫)

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【となりの彼女と夜ふかしごはん 〜腹ペコJDとお疲れサラリーマンの半同棲生活〜】
猿渡かざみ
(電撃文庫)

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【百合に挟まれてる女って、罪ですか?】
みかみてれん
(電撃文庫)

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【妹の好きなVtuberが実は俺だなんて言えない】
芦屋六月
(電撃文庫)

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【エージェントが甘えたそうに君を見ている。】
殻半ひよこ
(電撃文庫)

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【白百合さんかく語りき。】
今田ひよこ
(電撃文庫)

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【オールラウンダーズ!! 転生したら幼女でした。家に居づらいのでおっさんと冒険に出ます】
サエトミユウ
(カドカワBOOKS)

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【悪役令嬢は今日も華麗に暗躍する 追放後も推しのために悪党として支援します!】
道草 家守
(カドカワBOOKS)

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【無敵の万能要塞で快適スローライフをおくります 3 ~フォートレス・ライフ~】
鈴木 竜一
(カドカワBOOKS)

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【実質大賢者 ゲーム知識とDIYスキルで辺境スローライフを送っていたら、いつの間にか伝説の大賢者と勘違いされていた件】
謙虚なサークル
(カドカワBOOKS)

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【君は死ねない灰かぶりの魔女 II】
ハイヌミ
(カドカワBOOKS)

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【勇者?賢者?いえ、はじまりの街の《見習い》です 3 なぜか仲間はチート級】
伏(龍)
(カドカワBOOKS)

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【最強の鑑定士って誰のこと? 11 〜満腹ごはんで異世界生活〜】
港瀬つかさ
(カドカワBOOKS)

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【デスマーチからはじまる異世界狂想曲 21】
愛七ひろ
(カドカワBOOKS)

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【本好きの下剋上ふぁんぶっく 5】
香月美夜
(TOブックス)

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【異世界に転移したら山の中だった。反動で強さよりも快適さを選びました。2】
じゃがバター
(ツギクルブックス)

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【王妃になる予定でしたが、偽聖女の汚名を着せられたので逃亡したら、皇太子に溺愛されました。そちらもどうぞお幸せに。】 糸加
(ツギクルブックス)

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【身体は児童、中身はおっさんの成り上がり冒険記3】
力水
(ツギクルブックス)

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11月9日
【ネガくんとポジちゃん 2】
森田俊平
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【きょうも黒咲さんのターン! 2】
あゆか
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【双穹の支配者 1 この世の半分を支配する! ハズレチートで異世界を救え!!】
赤衣丸歩郎
(KCデラックス)

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【転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 1】
石澤庸介/謙虚なサークル
(KCデラックス)

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【目黒さんは初めてじゃない 5】
9℃
(KCデラックス)

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【オレと邪神と魔法使いの女の子 3】
小原ヨシツグ
(シリウスKC)

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【よくわからないけれど異世界に転生していたようです 3】
内々けやき/あし
(シリウスKC)

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【嫁いできた嫁が愛想笑いばかりしてる 1】
マツモトケンゴ
(シリウスKC)

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【今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いする漫画 6】
マツモトケンゴ
(シリウスKC)

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【人外姫様、始めました 〜Free Life Fantasy Online〜 2】
園原アオ/割田コマ
(シリウスKC)

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【UQ HOLDER! 24】
赤松健
(講談社コミックス)

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【イジらないで、長瀞さん 9 特装版】
ナナシ
(講談社コミックス)

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【イジらないで、長瀞さん 9】
ナナシ
(講談社コミックス)

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【ヒロインは絶望しました。5】
千田大輔
(講談社コミックス)

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【別冊少年マガジン 2020年12月号】

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【まんがタイムきらら 2020年11月号】

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【月刊コミックフラッパー 2020年12月号】

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【ドラゴンエイジ 2020年12月号】

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11月7日
【うちの奴隷が明るすぎる 2】
ぶしやま
(ガンガンコミックスUP!)

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【そうだ、売国しよう〜天才王子の赤字国家再生術〜2】
鳥羽徹/えむだ
(ガンガンコミックスUP!)

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【友達の妹が俺にだけウザい 2】
三河ごーすと/トマリ
(ガンガンコミックスUP!)

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【good!アフタヌーン 2020年12号】

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11月6日
【デスティニーラバーズ 2】
智弘カイ/カズタカ
(KCデラックス)

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【サタノファニ 15】
山田恵庸
(ヤンマガKCスペシャル)

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【なんでここに先生が!? 11】
蘇募ロウ
(ヤンマガKCスペシャル)

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【パラレルパラダイス 12】
岡本倫
(ヤンマガKCスペシャル)

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【女神のスプリンター 5】
原田重光/かろちー
(ヤンマガKCスペシャル)

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【うららのパンツは店長を困らせる 1】
saku
(まんがタイムコミックス)

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【大家さんは思春期! 13】
水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)

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【ヤングマガジン サード 2020年 Vol.12】

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【大正野球娘。3.帝都たこ焼き娘。】
神楽坂 淳
(小学館文庫)

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11月5日
【ダイブ・イントゥ・ゲームズ 2 電子の海で出会った仲間たち】
佐嘉 二一
(レジェンドノベルス)

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【斥候が主人公でいいんですか? 失敗しらずの迷宮攻略】
神門 忌月
(レジェンドノベルス)

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【もぐら少女のダンジョン攻略記】
黒喪 ぐら
(レジェンドノベルス)

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【不死鳥への転生 3 ドラゴン倒せるって普通の鳥じゃないよね?】
shiryu
(ドラゴンノベルス)

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【ダンジョンだらけの異世界に転生したけど僕の恩恵が最難関ダンジョンだった件】
まるせい
(ドラゴンノベルス)

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【黒檻の探索者 『吸収/成長』の魔剣と死の巫女の謎】
迷井豆腐
(ドラゴンノベルス)

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【絵筆の召喚術師 2 〜神絵師が描いたら何でも具現化できました〜】
真波 潜
(ドラゴンノベルス)

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【世界に復讐を誓った少年 〜ある暗黒魔術師の聖戦記〜】
やま
(BKブックス)

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【悪徳領主の息子に転生!? 〜楽しく魔法を学んでいたら、汚名を返上してました〜】
米津
(BKブックス)

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【トランスヒューマンガンマ線バースト童話集】
三方 行成
(ハヤカワ文庫JA)

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【万博聖戦】
牧野 修
(ハヤカワ文庫JA)

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【ヤングキングアワーズ 2020年12月号】

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11月4日
【瀧夜叉姫 陰陽師絵草子 一】
伊藤勢/夢枕獏
(ヒューコミックス)

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【であいもん 10】
浅野りん
(角川コミックス・エース)

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【ヒーロー探偵ニック 1】
座紀 光倫
(角川コミックス・エース)

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【君は死ねない灰かぶりの魔女 1】
楓月誠/ハイヌミ
(角川コミックス・エース)

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【地獄くらやみ花もなき 2】
路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)

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【反抗できない!いばらちゃん 1】
藤原 あおい
(角川コミックス・エース)

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【夫婦以上、恋人未満。5】
金丸祐基
(角川コミックス・エース)

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【理想のヒモ生活 10】
日月ネコ/渡辺恒彦
(角川コミックス・エース)

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【ひぐらしのなく頃に 業 1】
竜騎士07/07th Expansion/赤瀬とまと
(角川コミックス・エース)

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【Dr.STONE 18】
稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)

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【Z/X Code reunion 3】
浦畑達彦/藤真拓哉
(ジャンプコミックス)

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【チェンソーマン 9】
藤本タツキ
(ジャンプコミックス)

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【ド級編隊エグゼロス 11】
きただりょうま
(ジャンプコミックス)

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【ボーンコレクション 2】
雲母坂盾
(ジャンプコミックス)

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【ボクとキミの二重探偵 2】
辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)

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【怪物事変 12】
藍本松
(ジャンプコミックス)

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【灼熱のニライカナイ 1】
田村隆平
(ジャンプコミックス)

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【双星の陰陽師 23】
助野嘉昭
(ジャンプコミックス)

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【憂国のモリアーティ 13】
竹内良輔/三好輝
(ジャンプコミックス)

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【ヤングエース 2020年12月号】

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【ジャンプSQ. 2020年12月号】

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【村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない 03】
昼熊
(エンターブレイン)

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