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書籍感想2021

転生王女と天才令嬢の魔法革命 3 ★★★★☆   



【転生王女と天才令嬢の魔法革命 3】  鴉 ぴえろ/きさらぎ ゆり 富士見ファンタジア文庫

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転生王女と天才令嬢は今、二人の未来のために向かい合う。

アニスフィアが王になる。姉弟喧嘩から狂いだした歯車。疲弊していく王女を隣で見続けたユフィリアは、彼女のため一つの決意をする。だが、それこそがアニスフィアにとって譲れない一線で――

前回、アルくんに言って聞かせて全部空回りしてしまった説得が、今度アニスが次期国王となってしまった事でそのまま返ってきてしまった感がある。彼女は弟に諭しこう語った。人生を楽しめばよかったのだと。
でも今、王にならんとするアニスはそれを楽しめただろうか。
彼女が身体を張って止めようとしたアルによる既存の社会の破壊。それを彼女は自分が王になることによって、自ら行うことになってしまった。それは魔法を使えない身と貴族の存在を無にする革新たる魔学を伴う以上、逃れられない必然だ。アニス自身が既存の社会の在り方を破壊する存在である以上、彼女が王となるということは既存の社会の否定になってしまう。しかし、王の成りてが他にいない以上、選択肢は存在しない。父たる国王は緩やかな変革を諦め、アニスは覚悟を決めた。
アルが叫んでいたじゃないか。魔法は呪いだ、と。国王となることは生贄になることだ、と。
今、アニスが王になるということは、アルとは形が違うとは言え国の生贄になるということ。彼女の自由が失われてしまうということ。彼女が憧れ追い求め続けた魔法は、きっとアニスにとっての呪いになるだろう。
アニスは立派な王になるだろう。反発から多くの血が流れ破壊が伴い国の在り方は変わり、しかし彼女はやり遂げるだろう。
でも、そこにアニスの笑顔はない。アニスの幸せはない。
人生を楽しめ? かつてアニスがアルに語った言葉だ。それを今、彼女は自分に告げることが出来るだろうか。言われて、それを受け入れられるだろうか。きっと、絶望に嗤うに違いない。

この巻では、弟に替わって王座を継ぐことになったアニスの心情が深く深く語られている。
彼女がいかに自分を殺し、王になる覚悟を決めたのかを。
そして、そんな無理を重ねて本当の自分を仮面で塗り固めていくアニスを目の当たりにして、打ちのめされていくユフィの無力感を。
ユフィは、アニスとアルの姉と弟の衝突に際して、結局大したことは何も出来ないままだったんですよね。傍観者とまでは言わないまでも、彼女としては何も出来ないままだった、と思う所は強かったでしょう。アルがああいう結末を迎えてしまった理由の一旦は自分にある、という自責も募っていた。
そこに、アニスがアルと同じ繰り返しになろうとしている、二の舞になろうとしているのを前にして、再び突きつけられるのである。正しい貴族としては、そんなアニスを支持して支えなければならない、という事実に。国のため、アニスには立派な王になってもらわなければならない、と彼女が受けた教育が物語っている。でもそんな正しさが、アルを潰してしまった。アニスを傷つけてきた。今更に、あの太陽のような姫の輝きが失われようとしている。アニス女王が国を照らす代わりに、アニス自身の輝きは曇り果ててしまうだろう確信がある。それを再び傍観しようというのか。
葛藤する、苦悩する、現実は揺るぎもせず選択肢の無さを突きつけてくる。
ここでユフィもアニスも、自分の本心と、感情とこれでもかというくらいとことん向き合うことになるんですね。義務や責務、仕方ないという諦めの向こうに押し殺した本当の気持ちと。
これ、本当に作者である書き手が登場人物たるアニスやユフィの心情と本気で向き合った結果だと思うんですよ。複雑で時に矛盾していて相克しているもどかしいくらい揺れる剥き出しの感情が、ぶちまけるように書き殴られていくのである。それは、アニスとユフィが本音でぶつかり合うことで、さらに加速していく。衝突してぶつかってぶつかって、気持ちをぶつけ合うことでその更に奥の思いを暴き出し、掻き出して、掘り出して、剥き出しにしていくのである。
それは、書き手側から与えられた、被せられた、着せられたものではあり得ない生々しい感情なんですよね。キャラクターに問いかけて問いかけて、様々な方向からアプローチして探って確かめて返ってくる反応を拾って、かき集めて、そうして形にしていったもの。
どうして? どうしてそんな風に思うの? どうしてそんな風に行動していたの? なんでそんな事を言ったの? なんでその人にそんな素振りを見せたの? そうやって問いかけて問い詰めて、心のウチを確かめていく作業。断片を分析し、そのキャラクターそのものをバラバラにして解体して、明らかにしていく作業。曖昧模糊として形にならないものを、丁寧に磨いて磨いて、言葉にしていく作業。文章にしていく作業。それは深い深い水の底に息を止めて潜っていくような、苦しくて辛くて、気が遠くなるような作業だ。でもそれによって聞こえてくるのは、そのキャラクターの生の声。与えられたセリフではない、そのキャラの境遇、性格、歩んできた人生、積み重ねてきた経験、周りの人達との人間関係。そういった複雑で重厚に入り組んだ構成の奥底で育まれたものを汲み出した、本物のそのキャラの声だ。叫びだ。
アニスの悲鳴も、ユフィの祈りも、王妃の涙も、確かのその人の心からの声なのだ。
よくぞここまで、と思えるほどの心情描写でした。生の声だからこそ、ダイレクトに心を叩いてくる。こんなにガンガン叩かれたら、痛いですよ、熱いですよ。辛さも苦しさも悲しさももどかしさも、全部ダイレクトに伝わってくる。
よくぞ、ここまで描いたものです。キャラクターに向き合ったものです。剥き出しになるまで、掘り下げて掘り起こしたものです。
凄かった。
いやもう、アニスにしてもユフィにしても、気持ちが器を満たしきってしまって、ダバダバと溢れかえってしまったのは嫌というほどわかってしまったので、ユフィがアニスに対してああなってしまったのも、なんかもう仕方ないと言うか当然というか必然に思えてしまいました。あそこまで感情を注いでしまったら、もう性別とか関係ないですよね。ユフィの方、なんかこう染まってしまったというか、塗り替わってしまったというか。決め込んでしまった分、食らう側になってしまった感がありますが。これ、攻守完全に交代しちゃってますよね。

話的にはここで最終回でもおかしくないくらいだったのですが、一部終了という形で二部以降も続けていくつもりみたいなんですが……そうなったらなったで、何を見せられることになるんだろう。
それが怖くもあり楽しみでもあり……。


魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿 ★★★★   



【魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿】  紫 大悟/クレタ 富士見ファンタジア文庫

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統合暦2099年――新宿市。究極の発展を遂げた未来都市に、伝説の魔王・ベルトールは再臨した。巨大都市国家の輝かしい繁栄と……その裏に隠された凄惨な“闇”。新たな世界を支配すべく、魔王は未来を躍動する!

これはまた、やりたい事ごた混ぜにしてやってやったぜー!感があって好きだなあ。
伝統的魔王と勇者の戦いに破れ、滅び去った魔王ベルトールが500年の時を経て復活してみれば、そこは見慣れたファンタジー世界アルネスではなかった。かと言って、単純に文明文化が発展して技術水準が上がった「現代系異世界」でもなく、異なる次元の魔法のない科学文明世界「地球(アース)」でもない。
そこは、別次元同士の衝突によって生じた魔法文明惑星アルネスと機械文明惑星アースが融合した世界。異文明の衝突によって起こった大戦争によって、神も国家も秩序も滅び崩壊し、魔法と科学の文明が融合して発展して80年の月日が流れた未来世界。
ファンタジーも現代も通り越して、魔導と電脳が支配するオカルトサイバーパンクと化した世界。人間も魔物もすべてがファミリアと呼ばれる電脳具を体内に装着してネットワークに繋がった電子都市・新宿。
そんな見知らぬどころじゃない、見たこともない考えたこともない想像すら出来なかったわけのわからない世界に放り出された旧世界の魔王の明日や如何に。

不死の魔王として数千年に渡って君臨し続けた魔王ベルトールは当然一般ピープルに紛れるような言動は出来ないわけで、尊大にして傲岸……シンプルにいうとどこのお大尽かというような偉そうな物言いしか出来ないのですけれど、別に物事の道理がわかってなかったり現状についていけない、というような周りが見えてない人ではないんですよね。
世界征服の志こそ失わなかったものの、この新宿という場所が自分の想像もつかないロジックで成り立っている世界で、自分がまったくそれについていけていない事もちゃんとすぐ理解しますし、いくら魔王と名乗っても誰も相手にしてくれない事も勿論わかっている。
そもそも彼ベルトールは、魔王と言っても邪悪の化身というわけではなく、不死人と呼ばれる様々な要因で不死者に至った者たちの王、という立場であって、世界征服も自分の野心や欲望という以上に理念のため、という人物なのである。
だから、王としても崇められて当然、奉仕されて当然、というような傲慢な意識は持っていなくて、忠節に対してはちゃんとそれに相応しい報いを与えてやらなくてはいけない、という部下に対しての責任感も感謝や情も持ってるんですよね。また、直接自分に関係ない相手でも自分を助けてくれたり、何かを与えてくれたら、この魔王素直にお礼言えるんですよね。
多分、道を訪ねて教えてくれてもちゃんとありがとうと言うだろうし、道すがら落とし物をした時拾ってもらっても「ありがとう助かった」と言える人物なんですよね。こういう人として当たり前の側面を備えているのは、何気に大事なところだったように思います。
かつて魔王全盛期だった頃は、権力者特有の酷薄さや残酷さを持っていたようですけれど、そういう当たり前の部分は新宿に復活して苦労してから身につけたものではなく、そもそも備え持っていたものなんじゃないかな。
だからこそ、500年ずっと待ち続けて自分の復活を助けてくれたかつての側近、マキナが魔王軍の崩壊や「現想融合」と呼ばれる次元融合事件や世界大戦を経て、長きに渡って苦労し、今や小さなプレハブ規模のアパートメントの一室に居を構え、日銭を稼いで糊口をしのぐような生活を送っているのを目の当たりにした時。
魔王たる自分を迎えるのにこんな惨めたらしい環境しか用意できないのか、みたいな不満や哀れみを覚えるのではなく、こんな苦労をしてまで自分を復活させてくれたことに深い感謝と、こんな辛い日々を可愛い部下に送らせてしまったことに感極まって謝罪と労りを込めてマキナのこと、ギューッと抱きしめるんですね。
その直前、ベルトール自身、かつての臣下に裏切られ、自分が時代遅れの存在だと突きつけられ、誇りも矜持も打ち砕かれて惨めな思いに打ちのめされていたのも大きかったのでしょう。自分が今味わっている惨めさ、屈辱に倍するものを、この少女然とした腹心は500年に渡って味わい続けた、辛酸を舐め続けた。その上でなお、自分の復活を待ち続けてくれた。激動の時代を生き続けたマキナは、きっとベルトールが復活したとしてもかつてのように魔王として君臨する事も復権する事も難しいかもしれない、とわかっていただろう。それでも、魔王としての価値を喪っているだろうベルトールを、迎えてくれた。かつてと変わらぬ忠義を、親愛を、捧げてくれた。その価値を、重さを、掛け替えのなさを、ちゃんとこの魔王様は十全理解し感じ取ってくれたんですよね。マキナも、これほど報われたと思えることはなかったでしょう。ベルトールのこういう人間味の在るキャラが好ましくてねえ。
ここでマキナに衣食住全部任せて、お前が働いて養え! と魔王ならぬヒモにならず、速攻でとりま生活のために働くぞ! となるところ、ベルトール偉いと思うし何気に適応力高いですよね。
マキナとしては、ワンルームに魔王様とたった二人きりの睦まじい生活、というだけで満たされていたみたいですけど。むしろ、ヒモになってほしかったんじゃw
まあ案の定、面接で片っ端から落とされて存在全否定された就活生みたいになってしまうのですが。就職活動、あれほど自分の存在価値を見失ってしまうものないもんなあ。イオナズン・ネタをここで見ることになるとは思わなかったが。

でも、攻殻機動隊の電脳化に代表されるようなサイバーパンクの定番とも言える脊髄に装着する情報端末、ここではファミリアと名付けられた魔導機器となっていますけど、こういうネットワークに接続していないと身分保障も仕事も得られない、というのはディストピア感がありますよね。
そして、スラムにたむろする身体の違法改造を施した半機械のアウトローたち。この中に、オークやゴブリンといった魔物たちが当たり前のように混ざり、電脳ハッカーが情報屋としてビルの一角に棲家をこしらえて潜んでいたり。やっぱりこういうサイバーでオカルトな世界観、好きですわー。
そして、そんな世界のネットワークで、ユーチューバーとして生計をたてはじめる魔王様w
人気配信者になってるし。魔王のカリスマをそんなところで発揮していいのか、おい。

ただ、魔王としての力を取り戻すには信仰度という認知が必要らしく、ポジティブでもネガティブでも認識され強い感情を向けられることで、それぞれ正と負の信仰の力を得られるという寸法なので、ネットワーク上で知名度をあげる、というのは見事に時代に適応している、と言えるのかもしれない。
そして、幾ら技術的にいくら時代遅れになろうと、彼が魔導師として天才を越えた存在であることは変わりなく。時代遅れ、なんてのは過去に固執さえしていなければ、時間さえあればいくらでも更新していけるんですよね。ベルトールの場合、一々発展史を丁寧に辿らずとも、理論さえ理解すれば容易にブレイクスルーしてしまえる、どころか新たな理論に到達できる、というあたりやはり本物の化け物なんだよなあ。

この時代まで生き延びて、目的も見失って流浪していた勇者との再会や、魔王としての在り方の変化など、新たな時代に復活して自分の価値を見失い辛酸を舐めたからこそ、かつての魔王としての自分とは違う、新しく見出したもの、ベルトールとして大事に思えるものが出来る、というあたりこそ、物語の主題だったようにも思うのですけれど、ちょっとそのあたり突き詰めきれずに物語の進行の流れに任せてしまったかな、と思う部分もありました。
マキナとの二人きりの狭い部屋での生活、ちゃぶ台囲んで過ごす日々の様子、もうちょっと見てみたかった気もしますし。
まだ未登場で行方不明の六魔侯たちも、ただ不死狩りから身を隠している、という風でもないですし、裏切った臣下もずっと秘めていた野心を開放した、というだけではない何らかの事情もあったようですし、むしろここからさらに世界観も広げていく余地もありそうで楽しみ。
ベルトールさまのキャラが本当に良かったので、サイバーパンクな世界観を発射台に、主人公をはじめとしたキャラの魅力を推進力に、ここからグイグイと面白くなって欲しいものです。期待したい♪

ウマ娘 シンデレラグレイ 1 ★★★★   



【ウマ娘 シンデレラグレイ 1】  久住 太陽 / 杉浦 理史/伊藤 隼之介 ヤングジャンプコミックス

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寂れたカサマツの地に現れた、ひとりの灰被りの少女。後に“怪物”と呼ばれるその少女は、どこを目指して疾るのか──。地方から中央の伝説へ。青春“駆ける”シンデレラストーリー、出走!!


【芦毛の怪物】、そう呼ばれた馬がいる。
その馬は地方競馬の笠松競馬で無敵を誇り、やがて中央競馬に移籍して、並み居るエリート馬たちを蹴散らしていくことになる。
その馬の名はオグリキャップ。
これはその怪物の名と魂を受け継いだウマ娘の、灰色の髪のシンデレラの物語だ。

今現在、二期を放映している【ウマ娘 プリティーダービー】にて大食いキャラとして人気を博す彼女。ただ彼女の活躍の場は主に食堂であって、オグリが走る姿をアニメで見ることは殆どない。一期が98年から99年代のスペシャルウィーク、二期が91年以降に走るトウカイテイオーを主人公としているため、1988年から91年にかけて活躍したオグリは世代がもう少し前になってしまうため、どうしてもレースシーンからは離れてしまう。
オグリキャップの走る姿を見れるのは、このシンデレラグレイだけ。そう思えば、なんだかワクワクしてくるじゃないですか。
そしてこの漫画のウマ娘たちが走る姿の描写はスピード感と迫力の相俟った、ゾクゾクするような存在感が味わえる。オグリの怪物伝説のはじまりが、ここに在る。
華やかな中央のウマ娘たちの育成学校と違い、このカサマツはどこかしなびていて施設も古くうらぶれた空気を醸し出している。そんな中に新入生として現れたオグリキャップは、他のウマ娘たちと比べても見すぼらしい格好で、薄汚れたジャージとボロボロのシューズ、泥だらけの身なりで悠然と現れる。その姿はまさに灰かぶり。しかしその堂々とした姿には怖じた気配はどこにもない。
鈍いくらいのぼんやりした性格は、闘争心すら感じさせない。ただ走ることが楽しい。レースの意義も何も知らない彼女は、最初それだけで満足だったのかもしれない。
でも、オグリの走りに星の輝きを見出したトレーナーによって、レースの醍醐味を教えられ、そしてカサマツ競馬においてのライバル、フジマサマーチとのレースでの敗北によりはじめて負ける悔しさを知り、マーチによって競い走る楽しさを知った彼女は、目指すべき頂きを知った彼女は。
フジマサマーチに宣戦布告を叩きつける。
ポーカーフェイスのオグリが見せる、静かながら獰猛な笑みと闘争心。
それはきっと、オグリがはじめて勝ちを望んだ瞬間であり、怪物伝説のはじまりだったのだ。

そのはじまりに呼応するように、カサマツの地にカノジョが現れる。
やがて、オグリの前に最初に立ちふさがる壁となる最強のライバル。
故郷を失い、自身今はまだ敗戦を繰り返し底辺で燻り続けるもう一人の芦毛のシンデレラ。
やがて彼女はこう呼ばれることになる。

 【白い稲妻】タマモクロス





薬屋のひとりごと 7 ★★★☆   



【薬屋のひとりごと 7】 日向 夏/しの とうこ ヒーロー文庫

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里樹妃との一件が片付いたのもつかの間、
猫猫の元に高順が厄介ごとを持ってやってくる。
どんな用事かと言えば、猫猫に女官試験を受けないかというものだった。
猫猫は、半ば強制的に試験を受ける羽目になる。
新しく医官専属の女官となった猫猫の前に現れるのは、
面倒くさい変人軍師に厳しい上司の医官たち、それと同僚たる同じ女官たちだが――。
猫猫は同僚たちにお約束の通り嫌がらせを受ける。
特に、女官の首領である姚(ヤオ)は猫猫に対して突っかかってくるのだった。
出てったと思ったら、また戻ってきて、と後宮の人たちもなんだこの女、て感じでしょうね、猫猫に対して。
しかも、今度は医官付き女官。結婚までの腰掛けではなかなか出来ない専門職である。最初は攫われてきて、下女からだったのに。
とはいえ、ここで同僚になった姚と燕燕はこれまで仲良くなった女官たちよりも縁が深くなりそうなんですよね。これまで猫猫って、所属きっちり固定されずにあっちこっちにフラフラとたらい回しにされたり、引っ張ってこられたり、と落ち着いて同じ所で一緒に仕事する仲間というのが出来にくかったんですよね。相手の立場が上だったりすることもあったし、仲良くなっても違う場所で働いていたり。一時的に一緒になっても、猫猫がすぐ違うところに行くので縁は続いていてもそんなに頻繁に顔を合わせられなくなったり。
まあ猫猫がそもそも愛想良くなくて仲良くなってもそっけないままだから、よほど懐っこい子相手でなければ縁も続かなかった、というのもあるのだけれど。
ただ、今回の場合は姚も燕燕も医官専属女官として同じ職場でそれなりに専門的な仕事に携わるし、薬関係は猫猫の本職ということもあって、彼女もわりと腰を据えて掛かっていることもあって、彼女たちとのやり取りがかなり多かったんですよね。
向こうが、というよりも姚が、ですが。猫猫に突っかかってきていましたけれど、元々裏表のないお嬢様なので、猫猫もけっこう好感抱いていたみたいですし。
猫猫ってこういうパリッとした子好きですよね。男女問わず、パリッとしているというかシャキッとしてる人相手だと、結構面倒くさいような相手でも好感を持ちやすいような気がします。高順とかオヤジとか、この手の人たちも穏やかだけどシャキッとしてるというか、グジグジしないせいか、敬意を持って接してますし。
逆にねちっこいというか鬱陶しい系は対応が塩。軍師さまとか、わりと壬氏もねちっこいところある気がする。
ただ、猫猫はほんと考えてること、というか特に対人関係なんだけれど、相手のことどう思ってるのかわかんないんですよね。塩対応がデフォルト、というのもあるんだけれど、喜楽の感情がにじみ出るのって薬とか毒関係のことでご満悦になってるときくらいだもんなあ。
ただ、他人に興味が全然なかったり、何も感じていないというわけじゃなくて、過去に親しい人を亡くした件については今も時々思い出して物思いにふけってるし、好感を抱いている人が理不尽な目にあったら珍しいぐらいに怒ってましたもんね、今回なんぞ。
でも、こと女の感情、異性に対しての感性に関しては元々が変人極まっているせいか、どうも常人とはズレている節があるし。子供は一度産んでみたい、と思ってるけれど、それも妊娠出産というものへの興味好奇心が主であって、その相手に対してはまったく関心抱いてないみたいだもんなあ。
壬氏のことどう思ってるのか。嫌いとか鬱陶しいとかはさすがに思ってない……いや、めんどいとか鬱陶しい、とかはかなり思ってる感じだけれど、毛嫌いはしていないはず。ただ、猫猫が壬氏のこと好きか、と問われると……この女が好きとか恋とか愛とか感じる生物なんだろうか、と真剣に首を傾げてしまうところがありますし。実は、密かに、というのもちょっと想像つかないもんなあ。
だから、幾つか疲労やら苛立ちやらタイミングが重なり精神的にキレてしまった、にしてもあの猫猫が、グチグチ遠回しにばかり言ってないでちゃんとハッキリ告白しろ! という趣旨の言葉を壬氏に叩きつけたのは意外も意外で。たまたま神経に触ることを言われたからって、キレて皮肉やら毒舌やら批判をぶつける方が彼女らしいわけで、それが「ハッキリしろよ、おい!」ですもんね。
そんなん言ったら、ずっと自重していた壬氏を煽った意外のなにものでもなく。そりゃ、壬氏さまも渡りに船ですよ。言いたくても言わないでずっと我慢してたのを、向こうから言えって言ってきたら、そりゃ言いますがな。
それでも、ついにですからねえ。壬氏さま、ついに言いやがった! コクったーー!! やっはー! プロポーズだ、ひゃっほーい!
それで、やっべえ、と顔を赤くするのではなく青ざめさせるのが猫猫なのですが。にしても、ほんと珍しく感情的になったなあ。感情的になったとしても、ここまで墓穴堀ったのは初めてじゃないだろうか。
で、どうなんだよ、プロポーズだぞ。嬉しくないのか、と聞きたいところだけれど、当人からすると「死刑宣告」なのだそうです。いやうん、この娘の性格からしてそう捉えるのもわかる、凄くわかるのだけれど……本当にこれっぽっちも「乙女心」関連は稼働しないのだろうか。そもそも、存在しないとか言われても、そうなのかー、となりそうなのが怖いのだけれど。
まあ、壬氏さまもこれまでの経験の積み重ねから、この女がこういう人間だというのは嫌というほどわかった上で、ずっと粘ってきて苦労してきたわけですからね。今更どういう態度取られても気にしないだろうけど、いやこっそり気にしながらも堪えきるんだろうけど、それにしても趣味変わってるよなあ、この人は。

突如、後宮入りした愛凛妃の目的と、突如外交訪問してきた愛凛妃の故国の政治的象徴たる巫女の来訪と合わせて起こった事件。
猫猫としては、違和感と気づきそうで思い当たらないもどかしさが色んな場面で介在していて、今回はすっきりと真相にたどり着けなくて、けっこうもやもやしたんじゃないだろうか。
結果として事件が起こってしまって、姚が大変な目にあってしまう、という猫猫としても痛恨の事態になってしまったわけですし。真相としてはかなりびっくりする展開ではありましたけれど。宦官が当たり前にいる環境であるからこそ、その視点はけっこう死角だった気もするんですよね。あと、そんな簡単に、いや簡単じゃなく長年の積み重ねあってのことかもしれませんけれど……豊胸って出来るのか。
……燕燕、これガチで姚は儂が育てた、ってやつなんですか、あなたw
使用人というか従者にも関わらず、主人を弄って愉悦に浸る、でもぞっこん愛している、というドS系百合のやばいヤツじゃないですかー。ただ、男にもイケメンにもまったく興味なし、ということも相まって、顔の良さのおかげで災難が日常的に降り掛かってくる壬氏に目をつけられたのは、ご愁傷様でした。自分にまったく興味を示さない燕燕に、おまけに女色の卦ありと知った途端に、身の回りの世話をする女官として「採用!!」と食い気味に叫ぶ壬氏さま、相変わらずこう顔の良さと裏腹の残念さというか、毎日苦労してるんだなあ、と同情したくなる所がまた見れて、なんかもう貴方はそのままで居てください。

このシリーズ、ウェブ版の方ずっと追いかけていて、書籍版の方は積んだままだったのですけれど、いい加減シリーズ長期化してしまって最初から書籍版読んで追いかけるの大変になっちゃったんですよね。なので、もう途中からでいいから読み始めよう、と七巻から途中乗車しました。
ウェブ版の方、ちょうどこの7巻分のところまで読んで、そのさきは書籍版で追いかけるつもりでしばらく前から読むの止めているので、この先は何も知らないまっさら。というわけで、次巻すでに出てますけれど、遠からず続き読みたいところ。楽しみ楽しみ。


日向夏・作品感想

剣と魔法の税金対策 ★★★★   



【剣と魔法の税金対策】  SOW /三弥 カズトモ ガガガ文庫

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勇者と魔王、税金対策のために偽装結婚!?

「我が配下となれば世界の半分をくれてやろう!」「え、マジ! わかった!」
とある“奇妙な法則”が支配する世界。勇者と魔王が手を取り合いかけたとき、現れたのは「贈与税がかかります」絶対なる税金徴収者である天使。
そう、この世界の“奇妙な法則”とは、神への“税金”であった。“世界の半分”という莫大な資産にかかる超高額の贈与税に焦った勇者は税金逃れのために魔王と偽装結婚をする!
そんな二人を助けるのは『ゼイリシ』の少女?
お人好し魔王と銭ゲバ女勇者の財産分与と偽装結婚からはじまる、異世界税制コメディ!

国とか魔王軍が、神様に税金払わないといけないの!? しかも、お金で。
いやそれって国民とかからすると、二重課税って事にならないの!? と、思ってしまったのだけれど、話を読んでいくうちに作中の国家や魔王軍は「国」じゃなくて「企業」と捉えるべきなんだな、と理解した。法人税は!? とも思ったけれど、それはそれでちょっと棚上げしておいて、はい。
細けーところはいいんだよ、てなもんである。
つまるところこれ、税制とは単なる理不尽な富の収奪ではなく、社会が叡智を集めて築き上げた誰もが幸せになるためのシステム。徴収と分配の機構なんだ、ということがわかってくる。
ただし消費税、テメーはダメだ!w 
あと、人類の叡智を結集しすぎていて、常人にはまったく理解できない難物になっているので、素人では対処できません。ちゃんと専門家、税理士に頼りましょう、という話にもなっている。
先日、支配というのは本来「配って支える」ことなんだよー、という言説を目にする機会があって、なるほどなあ、と思った所だったのですが、こうしてみると税制というのもまた、再分配にまつわるものなんですよね。単純に税を集めてそれを徴収した人たちに還元する、というところに留まらず。
税天使による税務調査によって発生した魔王軍の未納の税金の追徴課税を解消するために、納税控除が可能になる項目を、税理士の女の子とともに辿っていくことになるんだけれど、その控除内容って大半が経費計上から福利厚生、超過勤務手当といったもので、言わば税金を経ずに直接企業の財産を還元してるから、わざわざ税金を減る必要ないよね、というものなんですよね。これもまた、分配。
途中から、これ税理士の範疇じゃないよね、という国家規模の財務の話にもなってくるのだけれど、ってかゼイリシのクゥ・ジョちゃん、それ財務大臣のお仕事じゃないですか!? というくらいのすさまじい財政出動をやりはじめるのですけれど、彼女の目的こそは「誰もが幸せになれる状況」の構築だという。あくまで「状況」の構築であって、手ずから幸せを配るわけじゃないのですけれど、ある意味「ゼイセイ」と同じ分配のための状況の構築なんですよね。これもまた、言わば「支配体制」の構築なわけだ。
翻ってみると、銭ゲバ勇者メイが漠然と抱いていた大目標ってのは、最底辺の環境で一方的に搾取されていた幼い頃の自分のような人間を減らすために、富がかつての自分のような者にも行き渡るような再分配を行えるような立場を手に入れたい、というものでした。
そんな彼女にとって、魔王による世界の半分上げるよ、というお誘いはある意味渡りに船だったのでしょう。彼女が世界の半分の「支配」にあれだけ拘って、贈与税をかわすために魔王と偽装結婚してでもしがみついて確保しようとしたのは、まあ一度手に入れたものは離したくない銭ゲバ根性もあったのでしょうけれど、それ以上に彼女メイの最終目標にダイレクトに近づけるのが、世界の半分の支配だったからなのでしょう。
もっとも、その支配のやり方を彼女は何も知らなくて、だからクゥや魔王ブルーと一緒に追徴課税の解消のために駆け回るなかで、税理士クゥが教えてくれる税制の実態を通じて、具体的に富を分配するというのはどういう事なのか、というのを体験していくわけですなあ。

その過程で、一緒に駆け回ることで魔王ブルーと親密になっていき、彼の人となりを隣で実感し、また彼と自分が同じ方向を向いて走っていることがわかってきて、と偽装夫婦が段々と偽装じゃなく成っていくラブコメ成分もまた濃厚で素晴らしかったんですよね。
魔王よりも魔王らしいと魔王から太鼓判を押された苛烈過激なワンオペ勇者メイ。彼女もまた、幸せの再分配の当事者だった、というのもお話の妙でありました。
敵の黒幕達の陰謀を打破するきっかけが、魔王ブルーがお忍びで配り歩いていた「不幸をせき止める幸い」のおかげだったんですよね。これも、魔王の支配、の一つだったと思えば面白く。そのブルーの分配が回り回って、みんなの幸せへと還元されていく。メイも、そのサイクルの中に入っていた一人で、魔王が配った幸いのおかげで志を得て、勇者になって、その結果ブルーの元に幸せを運び一緒に受け取る人になる、というのはなんともこう、微笑ましいというか素敵なお話じゃあないですか。

実際の税制がそんな有徳なシステムになっているかというと、まあそこは人間社会の限界とか不具合とか理不尽が相まって、どうしたって機能不全を起こしていて、不満がたまるものになっているのですけれど。現実は厳しい、辛辣。でも理念、そう理念として税制とは、支配のシステム、幸せの分配機構として在るのだと、それを感じることが出来ただけでも、なんか読んで良かったなー、と思える作品でした。
いやほんとにこの理念的なもの、財務省各位には是非とも身に沁みてほしいなあ。

ツボったのが、勇者専用装備が個人専用のために市場価値がまったくなし、資産価値ゼロ! と評価され、芸術品、歴史的遺物としての価値を問われても、人類共有財産なので、つまり勇者へ貸与、レンタル品だから、税の徴収対象には当たりません! と味方のはずのクゥちゃんに無茶苦茶言われてて、メイがへこむシーンでした。いやこれ、ドラクエなどのRPGで専用装備が店で売れないの、そう理由だったからなのか! と、めっちゃ納得した。そりゃ、リース品だったら売っちゃダメだよね!


董白伝~魔王令嬢から始める三国志~3 ★★★★   



【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~3】  伊崎 喬助/ カンザリン ガガガ文庫

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“神算の軍師”、きたる!

長安に都を移し、いよいよ“新・三国志経済圏”の構築に乗り出す董白。
必要なものは、塩、そして銀。

そんな折、曹操に仕えた軍師、荀攸が近くに逗留していることを知る。
経済のアドバイザーとしても是非とも味方に引き入れたい董白だったが、荀攸は想像以上の変わり者で――。

涼州、そして益州からの使者団。都周辺で暗躍する“鈴鳴り”の賊。そして、暴走の気配を強める舌の悪癖。
山積する懸案のなか、つながる点が導く真実とは――?

新たなる史を目撃せよ! 打擲幼女の覇道ファンタジー、第3幕!

全部放り出して西域にとんずらする計画もポシャってしまい、本格的にこの三国志世界で漢王朝の相国として生き残りを図らなくてはならなくなった董白ちゃん。
長安を基盤に経済圏を構築して生存圏を確保する、という目標を立ててようやく腰を据えて領地の統治に勤しみだす。一端の乱世における君主としてのデビューと言っては過言であろうか。
ただこれ、文官内政官のたぐいが董白ちゃんの部下には全然いないんですよね。周りは李傕や馬超をはじめとして武官ばかり……言葉を繕わなければ脳筋ばかり。漢王朝の重臣たち、王允をはじめとする連中は獅子身中の虫である以前に名家と儒者ばかりなので、董白ちゃんが推し進めたい経済政策に対しては無知を通り越して穢らわしいものとして認識しているので、役立たず、どころか影に日向に邪魔してくる可能性すらある。
軍師が、軍師がいない! いや、まじでいねえ。三国志といえば、いっそ軍師たちが主役と言っていいくらい百花繚乱の軍師たちが並居っているはずなのに、董白ちゃんの周辺には頭を使える人たちが一人もいないものだから、董白ちゃんが全部一人でやらなきゃならなくなっている。敷いて言えば蔡琰ちゃんが文官として極めて優秀で、実務は彼女で回っている節があるのだけれど、逆に言うと実務以上の政策立案や長期の国家戦略、企画についての相談まではちょっとむずかしい感じなんですよね。軍略に至っては門外漢でしょうし。
軍師が、やはり軍師が足りない!
そんな切実に頭脳担当の配下を欲する董白ちゃんのもとにひょいと現れたのが、自分の暗殺を図って投獄されているという荀攸。いや、キャラ濃すぎないですか、この荀攸。わりと温厚というキャラ付けがされがちな軍師ですけれど、確かに董卓暗殺を図ったりとバリバリの行動派でもあったんですね、この人。ただ烈士というべき姿勢で董白ちゃんの姿勢を詰めてくる彼ですけれど、彼女が真面目に長安周辺の慰撫に努めているのを見て、助言をくれるようになる。
おおっ、ついに軍師参入か!?

ただ、董白ちゃん。あの追い詰められると豹変して自分でも止められない勢いで相手を口撃して叩き潰してしまう、という悪癖がさらに悪化して魔性の女になってしまう、という作用が出てきてしまったために、貂蝉に頼って呪術によって豹変そのものを封印してもらうことになる。
これ、ヤバい時にあの暴走状態によって危地を強引に突破してきた董白ちゃんにとって、切り札を封印する、という意味でもあったんですよね。自分でコントロールできない、というのは確かに怖いし、さらに女を武器にしだした上になんか自分の人格そのものが乗っ取られたみたいな感覚に襲われたら、そりゃもう二度と発動させたくない、と思うのも仕方ないのだけれど、あれこそが今の董白ちゃんを形作ったとも言えたんですよね。彼女が魔王の後継として畏怖されるのは、あの状態の董白ちゃんが暴虐を尽くしたからとも言えるわけで。
あれがなくなってしまうと、どうしても心許なくなってしまう。追い詰められても激高せずにブチ切れもせずに、穏やかに理性的に対処しようとする董白ちゃんは、何をしでかすかわからないヤバさこそなくなったものの、逆にスケールが小さくなったとも言えるんですよね。壁を打破できない惰弱さが垣間見えてしまった、とも言える。おかげで、麾下の兵士たちを含めて交渉相手にも段々となめられだす董白ちゃん。ままならないものである。

ままならなさに苦労しているのは、前回董白ちゃんにスカウトされて部下になった趙雲くんも同様で。
陰キャな彼は念願の将軍候補として董白ちゃんに指名されて、部下も与えられるも、こちらもその陰気さとやる気のなさが部下たちに舐められてしまって、統制もままならずに、はたして自分は将軍の器じゃないんじゃないか、と悩む羽目になる。
そもそも、自分が将軍になりたい、という夢を抱いたのも師匠に言われたからという受動的なものであって、自分が心から欲したものはなにもないんじゃないか、とどんどん後ろ向きになっちゃんですね。元から前向いてたことがないじゃないか、という陰気キャラだったのだけれど、それでも将軍になる、という目標があったのでそれを目指すことが出来ていたんですけどね。
それも、雑に董白ちゃんに叶えられてしまって、当面の目標も見失ってしまって、さらに鬱々と……という負のスパイラル。
ただ、実際には趙雲くん、董白ちゃんからはえらい頼られてて、今長安周辺を混乱に陥れ、彼女の経済政策の障害となり、また彼女を取り巻く陰謀の要ともなってる鈴を鳴らす盗賊団の調査、追跡に重宝することになるんですね。
趙雲くんって、董白ちゃんにとっては初めて得た直臣なんですよね。李傕はあれ、董白ちゃんに幻想抱いていて、董白ちゃんからすれば自分の実態をわかって心酔してくれているかわからない部分があって怖いだろうし。馬超も、どちらかというとあれ董白ちゃんが可愛い女の子だからべた惚れしてる、守護らねば、と思っている感じで、主君として仕えてくれているかというと微妙なところがある。所属としても、涼州サイドとの二足のわらじで、いざとなればどちらにつくかわからない部分があるし。その点、董白ちゃんが自らスカウトした趙雲は、掛け値なしに相国・董白の臣なんですよね。
もっとも、趙雲はそこまで別に思い入れていたわけではなく、自分を評価してくれたから仕えてみた、というくらいの軽さだったわけだけれど……。
件の盗賊、甘寧を追撃していく上で自分の将としての未熟さを痛感し、また自分の夢や志の実際の空虚さを実際に部下を率いて働くことで実感したあとで、それでも頑張ろうと陰キャな彼が思えたのは、董白ちゃんの期待と信頼ゆえだったのです。あの自分を認めてくれる主君を助けるために、自分なんかでも出来ることがあるみたいだし、頑張ろうと、あの後ろ向きな趙雲が思うようになるんですね。
武の才能もなく、内功という気の総量が生来乏しい趙雲は、まさに凡夫。でも、諦めず黙々と努力し続け叩き上げで技を鍛え上げ、超一流の武人に立ち向かえるだけの実力を鍛え上げた彼は、これもうもう一方の主人公と言ってもいい活躍だったんじゃないでしょうか。
溢れんばかりの才能を傍若無人に振り回す甘寧との、ヒリヒリするような殺し合い、真剣勝負。圧倒的に上回る才を、丹念に丹念に折りたたむよに捻り潰していく趙雲の、凡人ゆえの凄みある戦い。
今回は、彼の見せ場たっぷりで、大満足でした。
そんな彼こそが、董白ちゃんを色目で見ず、勝手に飾り立てて信奉するわけでもなく、暴走状態の彼女に魅入られたわけでもなく、等身大で素の董白ちゃんを主君として認め、彼女のために頑張ろうと思って仕えてくれた初めての臣、だったんじゃないでしょうか、これ。

そして、一連の董白ちゃんを狙い撃ちにした謀略の黒幕。これは、さすがにまさかそこか!? と、かなりギリギリまで気が付きませんでした。さすがにこれは予想外だよ!!
いや、これ気づく董白ちゃん、普通に凄いですよ。
あと、馬超ちゃん。もしかして、馬超じゃない可能性あるのか、これ?



おお魔王、死んでしまうとは何事か ~小役人、魔王復活の旅に出る~ ★★★☆   



【おお魔王、死んでしまうとは何事か ~小役人、魔王復活の旅に出る~】  榊一郎/ 鶴崎 貴大 講談社ラノベ文庫

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二つある心臓のうちの一つを〈勇者〉に捧げ、人類との講和を求めた女の〈魔王〉が、戦争の継続を望む魔族に殺害されてしまったという話を上司から聞かされたクレトは、魔王復活の任務に就くように命じられる。吹けば飛ぶような木っ端役人に、選択の余地などない。人類と魔族の戦争に終止符を打つためにクレトは〈魔王〉の側近である犬耳しっぽの魔族の少女や、〈魔王〉復活に必要な心臓を持つ人類最強の〈勇者〉たちと共に、魔族領域へと向かうことに。そこで待つトラブルを解決するのは……役人特有の小賢しさ!?『アウトブレイク・カンパニー』の著者と『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』のイラストレーターが贈る、新作ファンタジー開幕!!

これホントに、魔王さんなんで死んじゃってるんですか!? て話だなあ。
人魔講和の鍵となる魔王の死によって、講和ムードから一転戦争継続へと世間の空気が変わる中で、一縷の望みを託して魔王復活のために魔族領域に送り込まれることになった小役人クレト。
……こんなショタ坊やにこんな重大事を任せる時点で、もう諦めムードもイイ所なのですが。未だ戦争が続いている中で、魔族領域から魔王を復活させるのを手伝って欲しい、なんて個人で偲んできた魔族なんか信用し難い、というのはよくわかるし、リスクを減らすために損なっても惜しくない人材を派遣するという手段も理解できるのだけれど、そんな中途半端してどうするんだ、とも思うわけで。
クレトは、別に秘めたる実力とか来歴が在るわけではなく、特別優秀というわけでもない孤児上がりの別に将来性もあるわけじゃない非エリート階層。そりゃ捨て駒にして惜しくはないだろうけど。
実際、勇者から魔王復活の鍵となる魔王の心臓の回収からして、そんな期待されてた様子もないんですよね。おそらく、そこで頓挫するんじゃないかとすら思われたんじゃなかろうか。
それがどうしてか、勇者がクレトのその場のノリの誤魔化しに乗ってしまい、一緒に魔族領域まで同行、というよりもクレトの行く所ならどこでもどこまでもついていく、という風になってしまったので勇者という最大戦力が加わるという望外のことがあったわけだけれど。

クレトには志も理念も野心もなにもない。役人になったのも、食いっぱぐれないためだ。孤児として辛酸を嘗めてきた彼にとって、公務員というのはそれこそ望みうる最高の食い扶持だっただろう。
逆に言うと、食い扶持でしかないんですよね。彼は保身的ではあるけれど、役人としてありがちな組織内での立場を守る或いは立身出世を目指した保身とは縁がない。孤児で天涯孤独、というのもある意味しがらみのなさとも言えて、実際この出張任務を任されてから逃亡を幾度も図っている。
小心者で心身ともに身の丈の小さい人間だけれど、だからこそあんまり「小役人」という感じでもないんですよね。
組織内での立場に拘りがないからこそ、そこに足を取られずに自由に振る舞うことが出来、後先をあんまり考えずに現場判断で大胆に行動できるとも言える。
官僚の中にも稀にいるんですよね。破天荒と言っていいくらい、官民巻き込み政財界を引きずり回して大胆不敵に大仕事をやってのけるような特異点が。
彼がその類かというと、小役人ならずとも性格的に小人物であることは間違いないはずなんだけれど……視点もそんなに広く高いわけではなく、目の前に突きつけられる戦争の現実、魔族と人間との解消できない民族対立、貧富の問題や治安や倫理の低下による人心の荒廃、そこから芽生える悪心や俗欲、それによって傷つけられた人々の憎悪の連鎖。
利害と感情の問題が複雑に絡み合って、此処まで来るともう利を説いても人の善心に訴えても紐解けないくらい、社会全体の問題は複雑深化していると言っていいでしょう。
人魔の戦争の終結は、それらを解決するための最初に一歩であり、大前提であると言えます。そのために、魔王を復活させる、というのは目指すべき大目標でしょう。それを達成するためには、結局目の前に立ちふさがるトラブルを一つ一つ片付けていくしかない。
正しい理念や信念、正義の志という大上段から振り下ろす刃では、容易に切り崩せない茨の道です。だからこそ、小役人の出番なのかもしれません。クレトのような子は、結局目の前のことしかわからないから、そこから一歩一歩切り崩していくしかない。組織の人間は、前例やら組織の利益に囚われて目の前の事よりも後ろのこと上のこと先のことに引っ掛けられて、動けなくなる事が多いのだけれど、クレトくんの場合は彼に保身にはそういうの関係ないですし、彼自身の守りは勇者ちゃんが完全に担ってもらえるので、ある意味怖いものなし、とも言えるんですよね。
だからといって、あの発想の自由さ、大胆さ、やれそうだからやってしまおう、というスタンス。現場感覚で目の前の人たちを口車に乗せ、空手形じゃなく実務的にも説得力のある結果を導き出す、という手腕は、ちょっとおかしいくらいなんですけどね。小役人じゃないよなあ、これ。

だいたい、このクレトくんショタすぎでしょう。仮にも役人やってたにしては、ちびっこすぎる。ショタコンが湧くじゃないですか。本人は魔族に忌避感を持たないどころか、ケモミミ尻尾属性というちびっこのくせに業が深すぎるところがあるのですけれど、魔族領から逃れてきた人魔ハーフのミユリからして、かなりヤバいショタ属性の持ち主なので相性は良いのかもしれませんけど。
というか、お互い属性を目の前にすると正気を失うレベル、というのはやはり業が深すぎる。ひとつ間違えるとズブズブになりそう。
そもそも、この魔王復活を目指すパーティー、全然仲間意識ないんですよね。完全に仕事上の付き合い。同行者という以上のものはなく、護衛の騎士さんは任務と割り切って交友深める気ないですし、エルフさんはこれまた講和そのものに対してもやる気なさそう。勇者ちゃんはというと、元が名前も与えられていない幼児の頃から無機質な作業で創り上げられた暗殺者というほかなく……よくこの娘、魔王の説得に聞く耳持ったなあ。
兵器として作られながら、なんだかんだと自分で考える事がこの時から出来ていた、とも言えるのだろうけれど。それでも、クレトにくっついてきたのはいびつな価値観と刷り込みに近いものがあるわけで。
病んでる様子がないのが幸いか。野生動物とロボットの間の子みたいな無感情だけど、これで理性的で理知的な面も見受けられるので、懐いている様子はある意味本当の意味で感情と理性に則ったうえで懐いている感じがするので、信頼できるのではないだろうか。

ともあれ、小役人というには大胆すぎる大仕事をやってのけたクレト。これ、寄り道トラブルと言えるので本道はこれからなんだけれど、巻き込まれ系でありながら最終的に全部手のひらの上で転がしているという軍師タイプの主人公となりそうで、かなり殺伐とした世界観だからこそ映えてきそう。
続くのなら、なかなか先が楽しみなシリーズの始まりでした。


妹さえいればいい。10 ★★★☆   



【妹さえいればいい。10】  平坂 読/カントク ガガガ文庫

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妹がいる生活、はじめました。

ついに千尋の抱えていた大きな秘密が、伊月たちの知るところとなってしまった。千尋から事情を聞かされ、表向きはそれを喜んで受け容れた伊月は、これまでどおり那由多とイチャイチャしたり、千尋を可愛がったりして、妹がいる生活を満喫する。『妹すべ』のアニメも好評を博し、招待された台湾のイベントでちやほやされるなど、売れっ子作家としても満たされた日々を送る伊月だったが……? 一方、重荷から解放された千尋にも、新たな物語が始まろうとしていた――。大人気青春ラブコメ群像劇、運命の第10弾登場!!

ウチの弟が妹だった件について。
改めて伊月のお父さんが奥さんを喪い傷心しながら幼い息子のために一心不乱に働く中で、今の新しい奥さんに出会うまでの回想を見せられたのだけれど、伊月パパも、千尋のお母さんである義母も真面目な人なので、千尋の性別を誤魔化すなんて非常識なこと余程のことがないと一蹴してただろう事がよくわかる。
それだけ、伊月のデビュー作の衝撃がよほどの事だったのだろう。まあ、性別を偽るのは伊月に対してだけで、学校など公共の所では普通に女の子として過ごしているのだから、書類を偽装したりという危険な行為に手を染める必要はなかったので、親側のハードルは低かったのだろう。
ただ、千尋は学校に通う制服はともかく、普段は外出する時なんかでもユニセックスな服装を心がけてただろうから、結構大変だったんだろうな。まあそれが日常と化していたから、はじめのころはともかくいい加減慣れてはいたのだろうけれど。
しかし、パパの回想を見ると伊月との断絶はかなり厳しいものになってますね。新しい奥さんとの出会いを中心に描いているので、息子に向ける気持ちなんかはあまり描かれていないから、なのかもしれませんけれど、パパの方には伊月を放置していたという自覚は殆どないようでしたし。

さて、千尋の性別がバレた、じゃなくてあれは千尋が我慢しきれずにバラしてしまった、が正しいか。ともあれ、ついに千尋が弟ではなく妹だと発覚する……この作品が【妹さえいればいい。】というタイトルであることの意味を思えば、妹バレというのはこのシリーズはじまった当初から最大の山場であり最大の修羅場、と目していたものでした。
ただシリーズはじまった序盤の頃の狂的な妹属性だった伊月と違って、今の彼は小説家として幾つもの経験を経て、ついにアニメ化という目標まで達成するに至り、自分の中の妹狂いをある程度飼い慣らして小説にアウトプットする事が出来るようになっているかに見受けられていました。
さらに、私的にもカニ公と正式に交際をはじめ、恋愛感情も健全に進捗させ、彼女への愛情に小説家としてのコンプレックスも自分の中に呑み込んでおけるだけの制御が叶うようになっているようでした。
さらに、千尋との関係は年単位で密接に積み上げられ、再婚の連れ子同士という関係は今や父と疎遠になっている以上、唯一の大切な家族、という認識に至るまで育つものになっていました。
千尋が、自分が弟ではなく妹なのだと我慢しきれずに暴露してしまったのも、家族ゆえの距離感だったのでしょう。彼女なりの親愛であり、兄への我儘で甘えでもあったわけだ。それが出来るほどの距離感になっていた、とも言えます。
伊月の人格的にも、千尋との関係としても、この上なく安定を見ていたのが現状でした。
ここまで安定していると、とてもじゃないけれど弟が妹だったという事実を突きつけられたからといって、そうそう揺らぐものではないんですよね。今更、修羅場になりようがなかった、とも言えます。
だから、千尋の暴露が大した騒ぎにならず、知らなかった面々を仰天はさせたものの、ある意味伊月たちを驚かせただけで終わったのでした。拍子抜けなくらい、そうだったのかー、で終わっちゃったんですね。
これまでのシリーズの積み重ねて、前述した安定性について実感していた読者側の身としても、そのあっさりとした特に波乱もないまま終わってしまった展開は、まあそうなるな、という妥当と感じる反応で得心のいく結果だったと思います。
むしろ、変に拗れずに安堵した、と言ってもいいかもしれない。
だから、ラストの展開には「そう来たかー!」と思わずのけぞってしまいました。うん、そっちは不覚にも想定していなかった。
なるほど、これは「安定」していたからこそ、千尋の性別告白が伊月が致命傷になってしまったのか。小説家としての伊月が安定してはいけなかった部分まで、見事に真っ当に安定してしまったのか。それは、千尋が本物の大切な家族になっていたからこそ、でもあるのか。
これはちょっと……どうしようもないんじゃないか? 現実の妹と願望の妹はまったくの別物、と頭じゃなくハートと下半身で感じることが出来るようにならないと、もう無理でしょう。
というか、これはもう性癖を推進力にして感性を変換器にして書いていたがゆえの躓きか。
原因が明らかなのに、対処の方法がまったく見当たらない、というのがこれは辛いなあ。伊月も八つ当たりなんか出来ないだろうし。カニとの関係も順調だったのに。
取り戻すのか、それとも一から全く別物になるか、それとも潰れるのか。小説家としての岐路に立たされた伊月の明日やいかに。

ちょっと驚きだったのだけど、千尋……気になってるのまさかその人なの!? これも全然想定してなかったんだけど。
そしてえっらい実感の篭もってる台湾レポート。これ、実質ノンフィクションじゃないんですか?
前にもラノベ作家が主人公の作品で海外のイベントに招待される話見ましたけれど、ほんとにVIP扱いで大歓迎されるんですなあ。


悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。2 ★★★☆   



【悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。2】  翅田 大介/珠梨 やすゆき 電撃の新文芸

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ケジメを付けろ!? 型破り悪役令嬢の破滅フラグ粉砕ストーリー、第二弾

「……ちっ。胸クソが悪くなるね」
『悪役令嬢』に転生した元ヤクザのキリハだったが、持ち前の度胸で婚約破棄も乗り越え、周囲からの評価を高めていた。これを疎ましく思ったもう一人の転生者ユリアナは、キリハを破滅させるため陰謀を巡らせる。暗殺に反乱画策、更には戦争まで!?より大きくなった破滅フラグを打ち破る、痛快活劇ファンタジー、第二弾!
この女、ユリアナ、ここまでやっておいて自分がクズという自覚が一切なかったのか。それはそれで凄いな。自分のやっている人を陥れて相手の取り分を奪って他人の尊厳を踏み躙って、高みから優越に浸る、なんて事はみんながやっている事。
そんな風に思っていたのか。
この女にとって、世界はどんな風に見えていたのだろう。
クズは決して幸せになれない。ユリアナと一時的に組んでいた暗殺ギルドの頭目が、彼女に語った一言は、その内実とともに深くうなずかされるものでした。因果応報、とは言い切れない話なんですよね。別に善が報われ、悪もまた報いを受ける、って話でもない。いや、本質においてはそういう事なのか。
クズはどれだけ穏やかな幸せを手に入れても、それに決して満足できない。自らの幸せをも炎に焚べて、他人の不幸に酔い知れるからこそクズなのであって、決して自分の幸せに満たされない存在なのだと。
その暗殺ギルドのクズは自らをよく理解していた。だから、彼は幸せにはならなくても、不幸にはならなかったし、破滅もしなかった。
ユリアナは、自らをクズだとはまったく思っていなかったからこそ、破滅へと一直線に滑落していってしまったのか。
相手が悪かった、とも言える。ユリアナという毒婦は、その毒のあまりの強さ故に自らの破滅に周りすべてを巻き込むほどだった。国王陛下は強かな政治家として、国主として、ユリアナの毒を利用して国内を掃除するつもりだったみたいだけれど、これ結果として大失敗してるんですよね。
この毒は発見次第、患部ごと切除しなくては全身に回る毒だったのに、その判断を間違えてしまった。もし、キリハが居なければこれもうエラいことになっていたわけですから。
逆に言うと、国王陛下が目論んでいた形とは違うことになりましたけれど、キリハという毒を持ってユリアナが撒き散らした毒ごと国内の不良債権を一掃出来た、とも言えるわけだ。けれど、キリハに便宜図ったというほど支援もしてなくて、ほぼキリハが勝手にやった事だもんなあ。
まあいずれにしても、ユリアナとは役者が違いすぎた。
これがキリハがただのヤクザの組長の娘、とかだったらともかく、ヤクザの女大親分として表では企業群を仕切り、裏では全国津々浦々支配下に収めるような器だったわけですから、経験値が違いすぎる。
……そりゃ、こっちの世界でも裏社会には首突っ込みますよね。キリハにとって自分のフィールドというのは貴族世界や冒険者稼業よりも、裏稼業を仕切るマフィアの方なのですから。本業ですし。
むしろ、やり方、筋の通り方に関しては表稼業よりも通じてるわけで。前世でヤクザものたちを心から心酔させたその心意気は、そりゃあ任侠者ならこれ以上なく琴線に触れるものだったでしょう。
姐御呼びが、レイハには一番似合うよな。

一番面白かったのは、ユリアナの謀略によって正式に公爵家を引き継いだ上で、継承した途端に荒廃しすぎて革命が起こり反乱軍によって支配された領地を取り戻さなくてはならなくなったパートでしたけれど。
どうやっても詰み。あまりにも盤面に乗り込んだ時期が遅すぎて、挽回の目が完全に失せている、というゲームオーバーの状況で彼女が取った、盤そのものをクルリとひっくり返す手管が面白すぎました。これ、ここのパートは一冊くらいかけてじっくりやってくれても良かったのに、と思えるほどで、ダイジェスト展開みたいになっていたのはちょっともったいなかった気すらします。革命軍のリーダーも、もう少しちゃんと相手してほしかったでしょうし。
これは本作全般に言えるところかもしれませんけれど、ちょっと全体に急ぎ足でバタバタとストーリーを進めてるきらいがあったんですよね。それぞれのエピソード、もうちょっとじっくりと足を止めて当事者となるキャラたちを掘り下げつつ話を広げてくれてたら、もっと良かったんじゃないかな、と。話のスピード感は痛快でしたけれど、豪勢で味わい深いだろう品の良い料理を、早食いみたくガーッと掻き込んで食べてしまったような、もったいなさがありました。
この1巻で話を終わらせないといけない、という所もあったのでしょうけど。話を巻いていた、というほど性急さがあったわけではなく、ヤクザ令嬢一代記の「ざまぁ」キメるまでの物語としてはしっかり以上にガツンと威力たっぷりに書かれていたとは思うのですが。
キャラクターにしても、物語にしても、2巻で終わらせるには内包してるポテンシャルが凄く高かったのでしょう。まあ相手があのユリアナだと、あんまりじっくり腰を据えてやるには格が足りなかったのもあるでしょうけれど。彼女は毒が強いと言っても格としては小物であったのも確かですから、そう長いシリーズ続けて持つほどの悪役ではありませんでしたからねえ。
ともあれ、粋な気っ風と心意気が痛快な女任侠一代記であり、これ以上無くクズを踏み潰し切って捨てる見事な「ざまぁ」でありました。


スパイ教室 03 《忘我》のアネット ★★★★   



【スパイ教室 03 《忘我》のアネット】  竹町/トマリ 富士見ファンタジア文庫

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失踪した4人の少女。最悪の結末は――。

暗殺者《屍》の任務後、選抜組の少女たちが出会ったのは、記憶喪失で出自不明の少女――アネットの母。感動の再会に盛り上がる一同だが、それはチームを分断する残酷な運命のはじまりだった。

表紙はアネット。アネット? またアネット? 2巻でいや誰だよこれ、という2巻では出番がない忘我の人が二人も表紙を飾っていて、混乱に陥れられたものでした。なんでこの娘なの?
と、思ってたら3巻もこの娘である。何しろこの作品、読者を騙し尽くすことを見せ場にしている物語である。わざわざ本編と関係ないキャラで表紙を飾らせることから、なにか仕掛けてきてるんじゃ、と疑心暗鬼になるのも仕方ないじゃないですか。
普通、8人いるスパイ娘を一人ずつ描いていくものじゃないですか。それをわずか2巻目からいきなり常道からドロップアウトするものですから、もうワケワカランかったんですよね。2巻読んでも、なんでグレーテがアネットの格好しているのかわからないままでしたし。よほどの謎があるか、アネットが実は裏の主人公だったのか。
まあ色々と考えました。穿ちました。この3巻のあとがきであっさり暴露されてたんですけどね。
……人気投票の結果かよーー!! いや、ストーリーの関係上、3巻はどうしたってアネットがメインにならざるを得ない中で、2巻の表紙を飾ることを目玉にした人気投票でアネットが一位を獲得してしまった、という事態に苦心した結果がこれだった、というのはよくわかったのですが、そんな企画全然知らなかった身としては、この真相にはさすがにがっくりしてしまいました。
なんかこう、遠大なミスリードとかが絡んでたとかじゃなかったのかー

というわけで、この3巻はアネットが中心となって起こった事件。4人のチームの失踪のお話となります。と言っても、アネットは事態の中心であっても、どちらかというと据えものであって、物語の牽引はチームのリーダー的な立場に在るティアと、独立独歩を行こうとするモニカとの対立を中心軸に進んでいくわけですが。
先の2巻の主役となった4人が協調性を高く持つメンバーだったのに対して、こちらの屍迎撃チームに配された4人は実力こそ秀でているものの、協調性に大いに問題ありのメンバーだったのです、ティアは除く。
実質的にリーダー的な立ち回りをしていたティアに求められたのは、この問題児たちの取りまとめ、ではなかったみたいで、対立し続けることが真のチームワークへと繋がるという、前身の「焔」からのクラウスの方針によるものだったわけですけれど、終わってみてもそれよく意味わかんなかったですよ?
つまり、妥協して自分を押し殺すな、ということでもあったのでしょうか。肝心の「屍」迎撃作戦の方はモニカの能力のゴリ押しで無事済んだようなもので、実際彼女らのチームワークが問われることになるのは、作戦終了後に彼女らに許されたバカンスの地で巻き込まれた事件でした。これ、クラウスが仕込んだことではなくて、完全に偶然の産物だったんですよね。この事件がなかったら、果たしてティアは他の三人に認められたのか。ティアは他の三人のことを理解できたのか。アネットの資質は見極められたのか。
灯火というチームは完成したのか。
たまたま巻き込まれた、というには重大な転換点でありました。運命というのは凡そ、そうやって何食わぬ顔をして訪れるものなのかもしれませんが。

こうしてみると、2巻のメインメンバーたちって本当に普通に人付き合い出来る娘たちだったんですねえ。あれはあれで癖が強くて面倒なところのある困ったちゃんたち、に見えたものですが、モニカ、エルナ、アネットの三人に比べてばどうしてどうして。
特にモニカは自分の能力に強い自負がある分、周りを邪魔者とみなして独断専行するチームとしては一番厄介なタイプ。必然的に、ティアと衝突を繰り返す、いやちゃんとした衝突にもならず、勝手するモニカをティアが引き止められずにすれ違うことになる。
まず、ちゃんと対立することも出来なかった。ティアは相手にもされなかったわけだ。
女の武器を駆使して渡り合うティアという少女、女スパイのある意味王道を行くのだけれど、その割には世間も人間もなめてたり利用する相手と割り切っているのではなく、すごく真面目なんですよね。相手に対しても真剣で、まあ引っ掛けた男に対して本気になるわけじゃないのだけれど、身内に対してはとても情深く、チームに対しても仲間という以上に家族のように接するんですよね。
そりゃ、スパイという稼業について割り切って考えているモニカにとって、ティアの在り方というのはスパイらしく無く、危惧に値するものだったのでしょう。ティアのみならず、リリィたちも人並み以上に優しい娘たちでしたからね。
だからこそ、自分が、と肩肘張っているところもあったのかもしれません。そういうところ、モニカ自身も情深い、と言える所だったんですけれどね。
ティアの目指す所は、実のところ任務優先の冷酷非情なスパイ、ではなく、弱い人困ってる人を助けられるようなヒーロー。それは、スパイなんかよりもよほど難しい高みなのかもしれません。ティア自身、自分の志と裏腹に低すぎる能力、未熟すぎる在り方に悩み苦しみ続けて、それは解消されることはありません。
でも、その考え方、立ち位置って、やっぱり他の娘たちよりも高いんですよね。クラウスと同じところにある、と言ってもいいかもしれない。ティアの憧れが、かつての焔のリーダーであり、彼女のようになることがティアの目標、という所もよりクラウスに近い所にあるのではないでしょうか。ティアへのクラウスの期待は、他の娘らとまたちょっと違うところにあるような気がするなあ。

そして、モニカの懸念を打ち消すようにクラウスが配した、灯火の最終兵器。なるほど、そういう立ち位置だったのか、アネット。いや、この娘の扱い、ほんとに爆弾な気がするのだけれど。
地雷がどこに埋まってるか、全然わからない。彼女と一緒にいるというのは、地雷原でタップダンスしてるようなものじゃないんですか、これ。あの女が地雷踏み抜いたポイントが、普通に想像できる部分と全然違いすぎたんですけど。これ、ティアも相当危ない橋渡ったんじゃないですか? 本人知らないところで。一つ間違えれば……。
そう考えると、一番の最難関を乗り越えたのって、結構早い段階だったのかもしれない。

ともあれ、これで灯火というチームは8人のスパイ少女たちのもとに完成。クラウスが自分の役割を託せるほどに、なったわけで。ようやく、8人全員で本格的な任務に挑めることになった彼女たちは、ついに「蛇」との対決に挑むことになる。
……って、4巻はティアがサブタイトル? メインなの? 今回も充分メインだった気がするんだけど!?


転生魔王の大誤算 2~有能魔王軍の世界征服最短ルート ★★★   



【転生魔王の大誤算 2~有能魔王軍の世界征服最短ルート】  あわむら赤光/kakao GA文庫

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臣下達の重すぎる忠義と愛に後押しされ、しぶしぶ世界征服を続けるケンゴー。
ベクター王国を一瞬で攻め落とすと、統治体制を確立するため民心獲得政策を打ち出す。
金と物をバラ撒き、魔王の体面を保ちながら、どれだけ民に媚びることができるか、ヘタレチキン魔王の政治《たたかい》が始まる!
意外にも臣下達も協力的で、むしろ有能すぎてケンゴーもほくほく顔。
「これはうれしい誤算だな! 」
だが、魔族と人族の融和を望まぬ者達が暗躍。
まさかアイツまでもが謀略の糸を張り巡らせ、ケンゴーの優しさ溢れる占領政策を妨害する!?
魔王の自覚が芽生え始め、臣下達の愛もますます深まる、誤算だらけのサクセスストーリー第2弾!!

媚びる媚びる、これでもかとゴマをすって媚びまくる。
これが誰かに仕える立場なら佞臣路線一直線なのだけれど、ケンゴー君は一番偉い魔王なのである。それが偉そうな顔をしながら、幹部である魔将たちに媚を売り、征服した人間の都市の市民たちに媚を売り、と大安売りもイイ所なんですよね。
自分の意図が伝わって無くて、独自解釈で盛大にやらかしてドヤ顔の魔将たちを叱責したり罰を与えたり、なんて小心者の彼に出来るはずもなく、まず褒めて褒めてその上で自分の思ってたのとちょっと違うなあ、というのを伝えつつこれはこれで素晴らしい結果を出していると褒め称え、その有能さと忠誠心を褒め称え、君たちは間違ってはいないしよくやってくれたけれど、ちょっとだけ方向修正するからね、悪く思わないでね。という趣旨の話をふんぞり返って尊大な物言いで覆い隠しながら、実質低姿勢で全力で媚びを売りまくる魔王ケンゴー。
いや、ここまで偉そうにおもねることが出来るのって、それはそれで才能かもしれない。いやいや、ちゃんと話聞いてたら無茶苦茶言ってるなあ、というのが露骨にわかるので別に全然上手いこと言ってるわけじゃないんですよね。凄まじくボロボロとボロを出しまくっていると言える。
それでも魔将たちが褒められたと喜び、超好意的に解釈してくれて、尊敬を深めてくれるのはそれだけ普段も最初からちゃんと話聞いてくれてない、という証左でもあるのかもしれない。
今回は、間違ってぶっかけられた魔法薬によって、冷静さを保てなくなると内面の凶暴さが表に出てしまうという副作用によって、魔将たちが思いえがく理想の魔王様像を何度も実演してみせてしまったのが、思い込みを助長させる結果になってしまっていたのかもしれないが。
いやでも、この副作用状態のケンゴー、ただの性癖全開の中二病に掛かった変態、でしかなかったような。これ、ただのエロ魔王ですよね。
おかげで、ケンゴーの正体を知り小心者としての彼をフォローし守ろうとしてくれているルシ子が、火消しに苦労するはめになるのですが。傲慢を司る彼女があくせくとケンゴーのやらかしをフォローしケアして回ってるというのは何とも皮肉な姿でもあるのですが、彼女の場合傲慢ってのはただのツンデレだから別にいいのか。むしろ、実体は健気で献身的、と言ったところですもんね。自分だけが本当のケンゴーを知っている、という優越感も持っているみたいだし。ある意味、彼を独占しているとも言えますからね。なので、自分だけに弱音を吐いてくるケンゴーに対して、つんつんしているようでこの娘だだ甘で、やたらと甘やかしてやがりますし。ケンゴーも、ルシ子にベタベタなものだから、二人きりになると途端にイチャイチャしてばかりなんだよなあ。

ただ、そのルシ子の優越感もいつまで保てるか。
ケンゴーの中身を理解せず、勝手に自分の理想像を彼に被せてファンか信者のように盛り上がっているように見える魔将たち。実際、ケンゴーはその幻想を裏切らないために四苦八苦しているわけですけれど、本当に一から十まで全部誤解と思い込みで、魔将たちの忠誠心と信仰が成り立っているかというと、彼らは見事に能力はともかく見る目はなくてぼんくらもイイ所ですけれど、完全に何も見ていないし話も聞かない、というわけじゃあないんですよね。
少なくとも、ケンゴーが本当にカッコいい魔王様だというのはわかっている。
小心者で臆病者だけれど、ケンゴーは卑怯者とは程遠い男である。平和主義者で本心ではまず話し合い優先で戦う事は怖いし嫌だし面白いとも思っていないけれど、引いてはいけない場面では決して退かない。理不尽に対して心から怒り、自分を困らせてばかりの部下たちだけれど、その忠臣には本当に感謝して有能さには尊敬すらしている。いざ、彼らがピンチになった時に自ら身体を張って守り助けることに何らの躊躇も抱かない。
魔将たちがオーディエンスと化して、魔王様かっけぇぇぇ! とやんや喝采してる時は本当にちゃんとカッコいいんですよね、魔王ケンゴー。いやそれにしても、ひたすらテンションマックスで大騒ぎしてアゲアゲで居続けるのって、疲れないかな、と思ってしまうのだけれど、推しに夢中な連中というのはこういうものなのかもしれない。
ってか、魔将たちって忠誠心というよりもこれファン心理ですよね。推しのアイドルを一心不乱に応援するドルオタのようなメンタルである。
果たしてそんなファンと理想像と推しの実像には乖離があることは不思議ではないのですけれど……こうして見てるとその乖離は徐々に埋まっていっているような気もするんですよね。徐々に、魔将たちはケンゴーの本質を、実像を理解しつつあるように見える。誤解や思い込みと実像の乖離が埋まりだしてなお、彼らのケンゴーへの敬愛が薄れないとしたら。
ルシ子も、いつまでも自分だけが彼を知ってるのだ、みたいな優越感に浸ってはいられないんじゃないだろうか。既に、アス美あたりはケンゴーの中身について察しはじめているようなきらいもありますし、マモ代は別の意味で盲目的にケンゴーのカッコいい側面に夢中になりはじめているし、レヴィ山くんもあれ、結構ケンゴーのことわかってるんじゃないだろうか。
そんな風に、いつの間にか魔将たちとの距離感詰まってるような感じがあり、面白くなってきた。
しかし、天使サイドはこれ完全に悪役なのか。聖女さまも、見事に狂信者ですし、ケンゴーの怒りに触れる理不尽には事欠かなさそう。





2021年1月下半期 新刊ライトノベル注目作品ピックアップ  




前回、1月前半に発売される作品のピックアップ記事です。


1月後半。富士見ファンタジア文庫が新人賞作品を繰り出してくる睦月でもあります。
試し読みも出来るのでちらっと読んでみたのですが、【魔王2099】、これはかなり面白そう♪


【剣と魔法の税金対策】 SOW(ガガガ文庫)

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税金対策、大事です、大事。サラリーマンには関係ないけどね。
しかして勇者は個人事業主なのであった。場合によっては国の紐付き、非常勤国家公務員、という可能性もなきにしもあらずなのだけれど、本作の場合は個人営業だった模様で。
っていうか、勇者女の子なのか。銭ゲバ女勇者が目論む、神に支払う税金への対策とは。なんか、キャラ的に脱税上等! って感じもするのだけれど、あくまで合法狙いなのか。偽装結婚の時点ですでにアウトっぽい気がするんですけれど!?


【魔王2099 1. 電子荒廃都市・新宿】 紫 大悟(富士見ファンタジア文庫)

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勇者に破れた魔王が500年ぶりに復活してみれば、元居たオーソドックスな神と魔法によって構成されたファンタジー世界は地球との融合によって滅び去り、異世界間戦争を経て融合した世界は荒廃しながらも、魔導と科学の合わさったサイバーパンクの世界へと変貌していた。
異世界との融合、異世界間戦争、魔導と科学の合体。既存の社会体制の崩壊に神の死、都市国家の乱立、ディストピア的サイバーパンク世界の到来。という、それだけでも設定、物語のネタとして盛りだくさんに積み上げたところに、さらに旧世界の魔王復活という劇薬を放り込んだ、贅沢というべきか混沌というべきか、ファンタジア文庫新人賞大賞受賞作という看板、掲げるに値するやりたい放題詰め込んだ大作だ、こりゃ。


【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 3 〜ヘンダーソン氏の福音を〜】 Schuld(オーバーラップ文庫)

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ついに世界の魔導の秘奥が飛び交い、上から下まで「マッド」が揃った狂魔導師の巣窟である魔導院。そして、世界の中心である帝都という魔都に足を踏み入れたケーニヒ。
辺境の村からは見えなかった世界のありようが、彼の前に広がっていく。そう、TRPG定番のシティ・アドベンチャーの時間だ!


【Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 03】 之 貫紀(エンターブレイン)

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ダンジョンの攻略よりも、ダンジョンで行った検証によって得た情報やスキルオーブなどによって、世界をひっきりなしに大混乱に陥れているDパワーズ。権力と武力を振りかざす世界中の国家を引っ掻き回して振り回す個人、という構図がまた痛快なのですが、ダンジョン攻略の方も下層にいたり劇的な進展もあるようで。たとえ神様が相手でも検証してみせる、てな感じなのですかこれ?


俺とコイツの推しはサイコーにカワイイ ★★★   



【俺とコイツの推しはサイコーにカワイイ】  りんごかげき/DSマイル GA文庫

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「お前ッ!! いつからギンガちゃんの正体に気づいてた!?」
俺こと、南アズマは電脳アイドル『∞ギンガちゃん』の激推しフォロワー。そんなギンガちゃんの中の人は幼馴染の星夜アゲハなのだが――。

「お前じゃない!……西条院ロコよ」
もう一人の幼馴染・ロコもギンガちゃん推しと判明し、俺たち二人でこっそり応援しようと結託するが??

「ふふ……心から、愛しあっている」
なぜかアゲハちゃんは俺×ロコが【恋人同士】と勘ちがいしちゃう!?

すれ違う幼馴染たちは本当の友達になり、ギンガちゃんをメジャーにできるのか?
これはネットと現実が交差する、ぼっち三人組の交信録。
第12回GA文庫大賞<銀賞>作品。

こ、これって幼馴染なのか? 馴染んでないぞ? 全然馴染んでませんよ!?
正直、これだけ疎遠……昔は仲良かったけど大きくなって疎遠になりました、じゃなくてはじめから今までずっと疎遠! 仲良くないどころか、ろくに話したこともない、というのは果たして幼馴染と言えるのだろうか、と最初真剣に首を傾げてしまいました。
とは言え、小さい頃から同じ学校同じクラスだった三人。アズマとロコとアゲハは、生来のボッチ気質ということもあり、友達同士でグループ作ってー! というアレ、あれをやられると見事に毎度余ってしまう屈指の三人だったがために、幼い頃からなにかと三人一緒にまとめられ、一緒に行動していた、という三人でした。
それなのに疎遠て。ほとんど喋ったことがないて。……逆にもう、すごいな!
あらすじなどから、この作品って仲の良い幼馴染三人組が、一人がこっそり電脳アイドルデビューをしたのをきっかけに、残りの二人もこっそりファン活動をはじめて、それがラブコメに繋がっていくみたいなのを想像していたので、まさか全然仲の良くない幼馴染同士、というシチュエーションはまったく予想していませんでしたぜ。
本来、幼馴染というのはそれだけ人間関係が「完成」されている関係でもあります。ラブコメにおいては、その揺るぎない完成度を楽しむ関係でもあり、その完成された関係を揺るがすような爆弾を投下することで起こる関係の距離感の撹拌を楽しむものでもありました、幼馴染というのは。
ところが、この三人は完成されるどころかまるで始まってもいなかったわけで、アゲハの電脳アイドルデビューをきっかけにして始まったそれは、三人にとって全部が初体験だったわけです。
電脳アイドルデビューしたものの、まったくフォロワーが集まらずに、元からそれがアゲハだと知っていて追いかけたアズマとロコ以外ファンがいない、という閉じたサークルでもあったわけです。
そこで、唯一のアゲハ……ギンガちゃんフォロワー同士ということで交流することになったアズマとロコが、相手の正体を知ってしまった上で協力して推し活動をはじめるわけですが……、ギンガちゃんのファン活動とは別に、ずっと気にしていた幼馴染の一人と仮にも打ち解けて、一緒に行動することになって、という方にアズマもロコも完全にウカレてしまってるんですよね、これ。
もう距離感もむちゃくちゃ。突き放せばいいのか、ベタベタすればいいのか、さっぱり判断できずにテンパったように時につたなく、時に前のめりに交流する様子は、幼馴染の完成度なんてどこにもなく、不器用で初々しいばかりなんですよね。
孤高でいながら、実はアズマとロコのことずっと気にしてずっと見守ってきたアゲハが、二人のこと付き合いだした、と勘違いしたのこれ無理ありませんよ。街でなんかおしゃれして一緒に歩いている二人とバッタリ会ってしまった、というのが決定打ではありますけれど、以前は視線も合わせなかったのがあれだけ露骨に意識しあっている様子を学校でも見せてたわけですから、そりゃなんかあったなー、と思いますし、それだけじゃなくなんかいい雰囲気になってる、と見えてしまうのも仕方ないですよ。
実際、いい雰囲気になってたわけですし。

この三人、これだけ今まで疎遠だったのに。ろくに話もしなかったくせに。まともに視線も合わせられなかったくせに。三人とも、実はお互いの事よく知ってるんですよね。ずっと、相手のこと気にして見続けていたから、相手がどんな人かすごくわかっちゃってるんだ。
だからこそ、アゲハが電脳アイドルはじめたのも速攻気づく、というかその前身であるブログからずっとチェックしていたわけですが。アズマもアゲハもロコのやたらと攻撃的な理由も、その本質が臆病でメンタル弱々な所もちゃんと知ってるし、ロコもアゲハもアズマがどういう男の子かちゃんと知っている。もちろん、アズマとロコは自分たちが推しまくってるギンガちゃんの中の娘がどういう娘か知っているから、あの娘が大好きで応援しているわけだ。
でも、三人ともお互いが自分のことを知っている、見ている、気にしているなんて微塵も思っていなかった。お互いを見つめ合う勇気を持てなかったからこそ、今までずっと疎遠なままだった。
それが、アゲハが自分を変えたいとはじけた電脳アイドル活動をきっかけに、それを追いかけた残る二人が勢い余ってぶつかって、お互いが相手のことをどう思っていたのか、知ることになるのである。
自分のことをわかってくれている、と知ることは、勇気の後押しになるんだなあ。

個人的に、どうしてもあの主人公アズマの茶化したような口語の一人称、合わなかったんですよね。真面目なシーンでも本人は真剣なのかもしれないけれど、茶化したようなふざけたような軽薄なノリと口調で浮ついたように語っていくので、なかなか話にも入り込めなくて、正直読みづらくはありました。
電脳アイドル……Vチューバーのことなんでしょう。これも、さっぱりわからなくて、ギンガちゃんの動画面白いのかどうか全然わかんないし、推しコメントのほうも面白味があってノリのよいというものではなくて、正直何が推しポイントなのか本当にわかんなかったんで、これに関してはわかりませんでした、としか言いようがなく……。
ただ、幼馴染とはとても言えない昔から一緒にいる機会の多かった顔見知りが、本当の意味で幼馴染となり、友達になり、とてもとても固い絆で結ばれるお話としては読み込ませられるものがあったと思うのです。
唯一二人だけ、はじめた時からずっと見ていてくれて、応援してくれていて、ずっと支えてきてくれたファンが、ずっと気にしていつか仲良くなれたらと思っていた幼馴染二人だった、と知ったときのアゲハの想い。あの、ギュッと抱き竦める抱擁がすごく伝えてくれるんですよね。あれは本当に良かった。良きよ、良き。

俺、ツインテールになります。17 ★★★☆   



【俺、ツインテールになります。17】  水沢 夢/春日歩 ガガガ文庫

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危うしレッド!最強最後のエレメリアンたち

トゥアールが奇跡の復活を果たして誕生した戦士・テイルホワイトの活躍で、長きにわたりツインテイルズを苦しめてきた最凶の敵・エンジェルギルディはついに完全消滅した。そして訪れたしばしの休息。愛香はホワイトとの手合わせを熱望するも、あと何回変身できるか保証がないトゥアールはそれを拒否。代わりに、新たな装備の開発に着手することに。ともあれ総二たちは、久方ぶりの穏やかな日々を満喫する。そしてやってきたバレンタインデーをチャンスとばかりに、愛香たちは大暴走。それぞれが、あらためて総二への思いを募らせていく。
一方アルティメギルには、続々と神の力を持つエレメリアンが合流していく。中でも組織一のイケメンであり成功率100%を誇るナンパ師だと自称するポセイドンギルディが、部隊の怨敵テイルブルーをメロメロにして仲間に引き入れると豪語。だが、思わぬところからテイルレッドの正体へと近づいていってしまう。果たして、秘密を探られ始めたテイルレッドの運命は……!?
最強最後のエレメリアンたちが、アルティメギル首領の名の下に侵攻を開始する。決戦の時は近い――今こそ結集せよ、ツインテイルズ! ツインテール最終章へ!
満を持してのテイルホワイト、表紙を飾るの巻。こうしてみるとちゃんと美人なんだよなあ。まるで普段が美人じゃないみたいな言い方だが。
ともあれ、トゥアールが精神的にも復調して元の調子を取り戻してくれて本当に良かった。なんだかんだと彼女がツインテイルズのムードメーカーであったのは間違いなかったわけで、トゥアールが空元気だったり落ち込んでいたりすると、本当にお話の雰囲気から暗くなってしまいましたからね。
一番露骨に影響を受けてしまうのが愛香でしたし。一番うるさい二人が元気ないと、どうしようもありませんでしたし。
おかげで、トゥアールの復活でむしろ愛香の方が元気マシマシになっていたのが微笑ましい。いつの間に、こんな親友ムーブかますようになったですかね。わりと最近までゴキブリを踏み潰す勢いで本気で殺しに掛かってた気がするのですが。むしろ、総二相手よりもトゥアールと愛香でイチャイチャしてる場面のほうが増えてたもんなあ。
トゥアールに関しては、もとに戻ったという感じなんだけれど、愛香はさらに復調と同時になんかピュア度があがってる気がするんですよね。精神的に素直になったというか、建前に拘泥しなくなったというか。思いの丈を恥ずかしがらずにストレートに出すようになった気がします。特にトゥアールに対して。
……ピュア度が増すほどに、女の子らしくなるより蛮族色がむしろ濃くなるのはあれですか。愛香の根源が蛮族そのものということなんですか? 純粋無垢なキラキラした目で、全力で殺り合いたいの、とか言い出しやがってますよ、この神をも覆せぬ貧乳は。
全身にチョコを塗りたくって板チョコ! は、不覚にも笑ってしまったw

と、トゥアールと愛香の話ベースに今回は進むのかと思いきや、後半に入ってスポットがあたるのはまさかの尊先生。齢29歳の崖っぷちで婚姻届を無差別にばら撒いて婚活に勤しんでいたのも今は昔。そう言えば、最近はとんとあのどぎつい婚活は鳴りを潜めていたんですよね。焦りも見せなくなって、むしろ落ち着きある大人な態度で慧理那に侍りつつも、総二にも品の良い女性らしい態度で接してくれるから、癒やし担当なんじゃないかと思えるくらいになっていたのでした。
ツインテイルズのメンバーはみんな少女であると同時に変態だし、大人なお母さん連中はさらに輪をかけた騒がしい変態たちなものだから、尊先生っていつの間にかメガ・ネと並んで良識枠になってたんですよね。
彼女をあの無差別の婚活に走らせていた焦りって、そうか単純に年齢によるものじゃなかったのか。自分自身のためではなく、慧理那を慮ってのことだったのですね。だから、慧理那が総二との仲を深めていき、新堂家としても総二の婿入りを諸手を挙げて歓迎し始めたおかげで焦る必要はなくなったのか。
そうなってくると、彼女の中の結婚願望は余計な要素がなくなって、より自分自身の中の純粋な思いに磨き上げられていったのですね。最近はもう婚姻届は、総二にしか渡してない、ってもうそこに気持ちが現れてるじゃないですか。それに、渡すだけで初期のように署名させようという素振りはないんですよね。ただ、受け取って貰えたらそれでいい、という控えめなものになっていたし、回数も減っていた。一回一回に、楚々とした淡い想いが篭もっていたんですね。それでいて、慧理那の幸せを思い自分の気持ちが叶うことは望んでいなかった、と。
色んな意味で欲望がほとばしりすぎている、ツインテイルズの面々と違って尊先生の淡い恋心がむしろ少女性というか乙女度が凄いことになっていて、ここにきてヒロイン株があがりまくってしまったんですけど!?
いやもうこれ、まず最初に尊さんと結婚するべきじゃないんですか、総二くんは。来年三十になるわけですし、本人はもう焦っていないとはいえ、あんなに可愛らしく控えめに恋を打ち明けられてしまうと、先生を優先させてあげてください、と言いたくなる。とりあえず、童貞だけでも譲ってください、と喚いている変態と比べてしまうと、比べてしまうとw
あの愛香がストレートに直球でプロポーズまでしてきたのにはちょっと驚かされましたけれど、それでもここは尊先生に。尊さんなら、優しく母性で包んでくれそうじゃないですか。今の総二でもうまく受け入れてくれそう。まだ他の娘たちは、小娘すぎてなんともはや。

さて、敵サイドも神のエレメリアン、ポセイドンとゼウス、ハデス、アポロの四人が揃い踏みとなり、今度こそ最後の幹部エレメリアンとなりそう。まさか、ゼウスギルディが女性人格エレメリアンというのは予想外でしたけど。マーメイドギルディが最後の女性エレメリアンではなかったのか。
ついに、向こうもレッドの正体に近づいてきて、とうとう禁断の秘密がエレメリアンたちに明らかになってしまう時が近づいているのか。
そして、歴代テールブルー三人の揃い踏みという戦隊モノの劇場版的花形展開はやっぱり燃えますなあ。

水沢夢・作品感想

川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 2 ★★★★☆  



【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 2】  川上稔/さとやす(TENKY) 電撃文庫

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・『総統閣下の塔』
 「ヘロー ヘロー 少年達、少女達、今日も悪いおじさんが抵抗の曲を聴かせよう」僕達の町には総統閣下の像と呼ばれる通信塔がある。戦争が終わり塔が取り壊されると知った僕が、その塔を昇ろうと衝動的に挑んだ処から始まる、これは、誰も彼もに聴かせる物語。

・『天使の解釈違い』
 「ちょっと旅行行ってくる」結婚して二十数年の熟年天使夫婦。ある日、夫が二週間家を空けたと思ったら若返って帰ってきた? しかも手土産まで持って。妙に親切になった夫に違和感を感じた妻は、調査を開始する。

・『黄金周環』
 「──この日、この夜、時間がチョイと狂うんです」連休中も仕事に追われ疲れていた僕は、帰宅のためタクシーに乗り込んだ。『ちょっと、遠回りしてみませんか』「いいよ、どのくらい?」『そうですね、“どのくらい”、戻ってみたいですか』ゴールデンウィークの夜を走る取り返しの物語。

・書き下ろし短編『幸いの人』
 「君を神の下に導くよ」突然の姉の失踪とともに目の前に現れた彼。白の服を着た青年は私の問いかけに、見たことのない表情で頷いた。不幸な女と言われる私と、彼の距離感。「それを信じない私じゃないわ」

・『禁書区画で待ってる』
 「手紙を送る! ──そして、必ず会おう!」東の大図書館には幽霊の司書がいる。本当の話だ。戦後200年、政治的にも“物理的にも”東西真っ二つに分けられた国が併合するとき、廃止となる禁書区画で願う、彼女の区切りの物語。

 川上稔が贈る、最高に尊くて卒倒する珠玉のラブコメ短編集! 書き下ろし含む5本の他に、BONUS TRACK『ライブ“黒死無双”』を収録!


『禁書区画で待ってる』の200年後に届いた手紙と司書さんが会話しながら読み進めていくシーン、なんど読んでもボロボロと泣けてくる。
ずっとずっと一緒に居た。でも、ずっとずっと待っていた。そして今、約束は果たされる。必ず会おうと、交わした約束が。
「――ずっと一緒に居たけれど、これから私達、会えるのね」

これもうちょっと尊すぎて、あかんですよー!! もう無理、なんか自分でも訳わかんないくらい、胸に突き刺さってしまいました。パブロフの犬みたいに、条件反射で泣けてくる。
哀しい物語じゃないんです。これは、再会の物語。祝福を、祝福を。

はぁーーーー………。この2巻は1巻よりも寄り染み入る尊さだった気がします。同じラブストーリーでも、芽生え育まれていくものではなく、既にそこに在ったものをより深く深く掘り下げていくような。
最初の『総統閣下の塔』に至ってはラブストーリーではないですもんね。いや、幼馴染の再会の話ではあるんですけれど、それ以上に一人の頂点に立った男の、たった一人の抵抗運動であり、友情の話だったんですよね。これもまた、尊いッ!!

二話目の『天使の解釈違い』なんて、既に夫婦になってる熟年の男女の話であり、倦怠期に入った天使な奥さんが……これ、なんて言えばいいんでしょうね。なんか、何言っても無粋な気がしてきた。それも、解釈の違いですか? 愛を思い出す? ときめきを確信する? 運命を信じる? 幸せを自覚する? すべてがそうであるようで、まあそれもまた人それぞれの解釈だ。
ただ一つ間違いないのは……この夫婦、尊いぃぃ!!

『黄金周環』。ゴールデンウィークは連休長ければ長いほどイイ! ということですね、わかります。まさか、連休の長さで時空加速が増すとは知らなかった。
SFである。なんかこう、今まで読んだ時間旅行の設定の中で一番イカしてる時間の戻り方だと思う。タクシーの運ちゃん、すげえなあ。
十年を経てようやくはじまる二人の時間。よいゴールデンウィークを。とても素敵なハッピーエンド。

『幸いの人』
龍が飛ぶのを釜揚げうどんに例える人ははじめてみた。不幸な、と呼ばれた女の話。ヒーローだよね、この人。あらゆる他者の不幸をはねのけた人。じゃあ、幸いの人というのは? 幸福を運ぶ人。自分以外の人を幸せに出来る人。そんな二人の、距離感のお話。

そして最後の『禁書区画で待ってる』。胸を締め付けるような、でも温かくなる噛みしめるような尊さでした。
こうも見事に尊さを揃えられると、もう頭を垂れるしかありません。尊みが、体中に染み渡るぅぅ。


川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 1 ★★★★☆   



【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 1】  川上稔/さとやす(TENKY) 電撃文庫

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WEB限定!! 『境界線上のホライゾン』の川上稔が贈る珠玉のラブコメ短編集・第3弾、今回は「尊い」編!
・『君が手を離さない』
 「憶えてる?」「憶えてない」洞窟の中で目を覚ました男女。記憶を消された二人に対し、外の世界は終わってるのかと思えばそうでもなく。では何故、という疑問に、君と僕の不慣れな生活がやがて小さな答えを導いていく。

・『化け物のはなし』
 「あなたは 誰?」あるところに化け物として怖れられている少年がいた。そんな彼の下に届いた一枚の手紙。「ごめんなさい」――少年はその言葉が嫌いだった。そこから始まる化け物と天使の話。雪の降らない海辺の町で起きた、これは誇りの物語。

・『最後に見るもの』
 「見えてますの?」二級傭兵として各地を転々としていた僕の前に現れた美人のゴースト。彼女は司祭である僕の姉に頼まれて、僕を連れ戻しに来たらしい。帰路に着いた二人が明かすお互いの秘密。極端な選択はいけないと思います……!

・『ひめたるもの』
 「貴様を下選と呼んで良いのは、私だけだ」ある王国に偉大で聡明な王がいた。しかし王の側にいる少女の秘書官は、王の言行に一度も首を縦に振ったことがなかったという。読後にタイトル確認必須の、不遜な王と、いい性格した秘書官の物語。

・書き下ろし短編『空と海を結ぶもの』
 「ねえ、傍に行っていいかしら」狭い海を挟んで対立している二つの国。それぞれの国に住む、接点の無い筈の二人が、ある夜に出会ってしまった。その逢瀬の果てにもたらされる結末とは?

 川上稔が贈る、最高にハッピーで尊い珠玉のラブコメ短編集! 書き下ろし含む5本の他に、BONUS TRACK『コガレ』を収録!

今回に関しては前回の短編集と違って、厳密にはラブコメではない作品が多めだと思う。もっと直球にラブストーリーしてる印象がある。
愛の、物語になってるんですね。
それが、尊い! 今回のテーマは「パワーワードの尊い話」なわけですけれど、本当にもう「尊い!」と、読み終えた後に拳握り込んで「尊いぃぃ!」と声を絞り出してしまう程には尊い!


個人的には最初の『君が手を離さない』もいきなりガツンと来るラブストーリーでめっさ好きなのですけれど、最後の書き下ろしの『空と海を結ぶもの』がちょっと最高すぎて、キュン死してしまいました。
『君が手を離さない』は、目を覚ました時記憶を喪っていた男女二人のお話。目覚めた時、自分に関する記憶の全てが消えてしまっていたのだけれど、二人は手を握り合っていました。強く握って握り返していたのでした。
何もかもを喪っていた二人ですけれど、まっさらな再起動の中でその「手を握り合っていた」という事実が何も残されていない彼らの、唯一確かなものになっていた事が、その後彼らのゆったりと流れていく穏やかな日々の中で定まっていくんですね。
徐々に、世界が置かれていた状況が明らかになっていき、おおよそこの二人の男女の立場がどういうものであったかも見えてくるのですけれど、当人達はそんな世界の情勢などは無くなった記憶とともに遠くに置き去りにして、迎え入れてくれた開拓村の中で日々を過ごし、仲を深めていくのでした。そんな二人の最初からあった絆こそ、離さなかった手。記憶を無くす前の彼らが、まっさらになって始める自分たちに託した最後の贈り物。そして今、その手は握られ離れない。
ハッピーエンドぉぉぉ!! と、思わず悶絶してしまうほどの、完膚無きまでの美しいハッピーエンド。そうだよ、これこそが額縁に入れて飾りたいハッピーエンドなんだよぉぉ!!

『空と海を結ぶもの』がまた最高で、最高なんですよね。
戦争のさなか、敵同士でありながら巡り合ってしまった男女、と聞くと戦争モノの一つの定番なのですけれど、本作の珠玉なところが、その男女が人間ではなく片や無人機のAI。片や無人戦略潜水艦のAIという、両者ともが自我を持ってしまった機械知性というところなんですよ。
機械と人間のラブストーリーというのはこれまた定番としてあるものですけれど、AIとAIのラブストーリーですよ。もうなんじゃこりゃーー! てなもんじゃないですか。
戦闘不能に陥って着水した無人機を見つけた潜水艦が思わず助けて、それをきっかけにはじまるラブストーリー。そんな一機と一隻が戦闘の合間に指揮所誤魔化してランデブーして、逢瀬を重ねるわけですよ。潜水艦の方が海底ケーブルから配信データを拝借して、音楽や映画一緒に聞いたり見たり。マニュピレーターで機体をさわさわしてイチャイチャしたり、直接機体連結してデータ復旧して助けたときのことを人工呼吸とかキスとか言って照れ照れしたり。お互い示し合わせてデートの待ち合わせしたり、こっそりネットワーク介して無人機の基地に忍び込んで無人機の待機状態(寝顔)盗み見たり。
恋人かっ! というくらい、イチャイチャしてるですよ、この一機と一隻。
交戦する2つの国で、双方で唯一自我を持つAI。その二人、敢えて二人と書きますが、この二人の正体もまた無人機にまつわる真相が明らかになることで察せられるのですけれど、わかったらわかったでこれがまた運命的なんですよね。この二人のAIが戦場で出会ったことそのことがまた運命的でドラマティックで。尊い!!
戦争が終わろうというそのときに、終戦によって全てを喪ってしまう一部勢力が死なば諸共と起動してしまった破滅へのカウントダウン。それを止めるために行われる最後の戦闘。そして、彼女のもとに駆けつける彼。最後のダイブ、そして愛の言葉と抱擁のシーン。もう映画化していいんじゃないですか、これ。あのシーンの美しさが極まりすぎてて、尊すぎて、このシーン見直すたびに泣けてきてしまうのです。
そして、ちゃんとハッピーエンド! ハッピーエンドなんだよぉぉ!!

『最後に見るもの』とか、これ川上さんらしい作品と言えるのかもしれませんね。ゴースト、幽霊をあの世のものとかこの現世には居てはいけないものではなく、そこに在る存在として描く一方でそれが自分の死を通り抜けてきた者である所を忘れていない所なんぞ。
『化け物のはなし』など、実験作の色が濃かったですし、『ひめたるもの』も多くを物語らず行間から感じ取ってほしい、というような感じのする話で、なかなかじっくりと読み込み、自分のなかで消化する必要を感じる話の多い、と思える短編集でもありました。その意味では、また前作のラブコメ短編とはまた色合いが違ってきてるんですよね。色々と挑戦してくるなあ、川上先生は。大ベテランもイイ所なのに。

でも、総じて尊かった。尊みをこれでもかと味わえる短編集でした。これが、これが尊いってことだよぉ!!
いやもう本当に『空と海を結ぶもの』はAI萌えとしてもちょっと最高すぎて、好きすぎましたわ。



隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 3 ★★★☆   



【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 3】  荒三水/さばみぞれ モンスター文庫

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悠己と唯李、隣の席じゃない2人の、夏休みが始まる――。

漫才のような会話劇が面白いネット発ラブコメ、思いが絡まる第三弾!
雑ーー! 扱いが雑ーー!!! かつて、これほど主人公に雑に扱われるヒロインが居ただろうか。
これで主人公がヒロインのことを鬱陶しがっているとか邪険に思ってるとかなら、雑に扱われるのも宜なるかな、という所なのだけれど、別に悠己って唯李のこと邪険にしてるわけじゃないんですよね。ちゃんと友達だと思ってるし、妹の瑞奈とも仲良くして貰っててイイ子だし面白い娘だなあ、と思ってる。
じゃあなんであんなにあしらい方が雑なのか、というと「素」としか言いようがない。というかこの男、わりと誰に対しても扱い雑だよね! 友人である慶太郎に対しても普段から対応雑だし。
ただ嫌がられている訳じゃないのは伝わるので、雑な扱いにキレながらもそんなに機嫌は損ねたりしない唯李や慶太郎なのであった。
特に唯李さん、あんまり構って貰えずにかなり雑、かなり適当にあしらわれて発言が若干チンピラみたくなってるんですが、それはそれとして微妙に嬉しそうだったりするんですよね。

……Mかよ!!

それでいいのか、この女。隣の席キラーなどと噂されて美少女然とした顔を卒のない対応でもって男の子を翻弄してきた唯李だけど、その実コミュ力あんまりないんですよね。むしろポンコツ。元々小さい頃は内向的だった娘なので、本質的なところでジメッとしたところが見受けられるんだよなあ。
なので、行動力があるようで肝心の所ではヘタレるし、夏休みになって心機一転悠己との距離を縮めるのだ、などと思い立ちながら「隣の席キラー」改め「夏キラー」などとほざいているばかりで、ちょっと悠己に会うチャンスがあれば、それだけでゲヘゲヘと満足しちゃっているような娘なのである。
お姉ちゃんがお節介焼こうとするのもまあわかる。
でもこの姉ちゃんも、方向性としては妹と同じポンコツ風味なんだよなあ。

さて、ここで思わぬ形で悠己と唯李の関係に介入してくるのが、友人速水慶太郎とその妹である小夜の兄妹である。今もベタベタな悠己・瑞奈兄妹と違って、今やすれ違いお互い疎遠になってしまっているこの兄妹。元々は悠己たちと同じように仲の良い兄妹だったのが、こうも拗れてしまった原因こそが兄のキャラ変とその盛大な失敗であり、彼がそのような陽キャラになろうとしてすっ転ぶことになったきっかけこそが、唯李への慶太郎の告白であり、討ち死にであったのです。
そして、隣の席キラーなんて言葉で彼が告白の失敗を糊塗しようとしたことが、大好きだった兄を変えてしまった、男を弄ぶ悪魔のような女として、唯李を目に敵にする小夜という少女を生み出すことになってしまったのでした。
謂れのない理由で憎まれる羽目になってしまった唯李こそ、いい迷惑なのですが、ともあれこの小夜が唯李につっかかりつつ、友達のいなかった瑞奈と仲良くなっていくことで、悠己と唯李の関係に刺激を与えることに……なったんだろうか、これ。
凛央が唯李だけじゃなく、一緒にグループで遊ぶことで慶太郎なんかと喋るようになったり、唯李のお姉ちゃんに気に入られたり、瑞奈を通じて小夜とも知り合ったり。
瑞奈が人見知りを強発動して迷走したものの、同じボッチ同士小夜と段々と共感して仲良くなっていったり。長年拗らせていた速水兄妹の仲が、唯李に小夜が突っかかったことをきっかけに元に戻ったり、といろいろと周辺の人間関係には変化や進展が訪れていたものの、悠己と唯李の関係に焦点を当てるとあんまり周りの騒ぎ関係ないんですよね。
概ね、悠己のあの飄々として周りの空気読まない泰然としたマイペースさに起因するのでしょうけれど、そのマイペースさ、空気の読まなさ、肝心な時に突き放さずに自然体で居させてくれる包容力が、「みんな」の中に入っていけない人付き合いの下手くそさを内包している唯李や慶太郎にとって救いになってるんでしょうね。
そっけないようで、いつも受け入れてくれる安心感。その居心地の良さに拘泥したくなって現状維持に逃げてしまいそうになる唯李の気持ちもよく分かる。でも、好きという感情はいつまでも燻ぶらせていられるものでもないですし、ふとした瞬間に恋心を刺激する、ズキュンと来るような言動をしてくる悠己に、果たして唯李はいつまでヘタレていられるか。
周りに事情を察して応援する面々がどんどんと増えてるからなあ。そして、悠己の方も確実に心境の変化が生まれている。唯李のおかげで、停滞していた自分と妹の生活に新たな風が吹き込んでいることは事実で、何より引きこもりだった瑞奈の周りの環境はどんどんと変わってきている。瑞奈自身も勇気を出して、前向きに一つ一つ壁を克服していけるようになった。そしていつしか、自分もまた彼女の楽しい言動を追いかけてしまっている。自分の中に何かが芽生えようとしていることに、彼もまた気がつきはじめている。ラブコメとして、どんどんと山場に差し掛かってきた感があるのでした。
にしても、女の子をああやって雑に扱ってむしろ喜ばれるって、才能ですよね。いや、普通なら怒って離れてっちゃうのが当たり前だろうから、やっぱり唯李の方の性癖の方がアレなのか……。


戦姫アリシア物語 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし ★★★★☆  



【戦姫アリシア物語 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし】  長門佳祐/葉山えいし アース・スターノベル

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「アリシア・ランズデール! 貴様との婚約を破棄し、反逆罪で……へぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!」
王太子に会心の右ストレートを放つとともに国外へ脱出した公爵令嬢アリシア。元帥号をもつ将校かつ、戦の天才でもある彼女を助けたのは、敵国の第一王子で、しかも理由は「嫁にしたいから」だった!?
帝国軍にアリシアを迎えることで、長く続いた王国VS帝国の戦は、最終局面に突入。反逆罪ものの大事件の行く末は? ほのぼの優しくてくすくす笑える、ドタバタ戦乱コメディ。

超大ウケ!!
やばい、なんだこれ、めっちゃ面白かったんですけど!?
あらすじの「ドタバタ戦乱ラブコメ」ってなんだよ? と思う所なんですが、読むとドタバタ戦乱ラブコメなんですよ、確かに。しかも「ほのぼの優しくてくすくす笑える」、てのもその通り。
何しろ、登場人物の殆どがアリシアを筆頭に愉快な愛すべき馬鹿ばっかり。戦記物でシリアスな場面も血腥い場面も確かにあるのだけれど、基本的に敵も味方も憎めないやつらばかりなのである。
優しい世界、なのだ。
王太子をぶん殴る、という言い逃れできない大逆罪をやらかしてしまったアリシア、なのだけれどそれまでずっと王太子からパワハラを受け続けていたのをグッと我慢してきたので、むしろ周りは「よくやった!」と拍手喝采。しかも、アリシアは帝国との戦いでは軍事強国相手に見事に国境を守り続け、北の蛮族の大侵攻には逆に大侵撃をかましてぐうの音も出ないほど叩きのめした大英雄。個人的武勇でも軍略でも天才の名を恣にする軍神である。軍部は東西南北の諸侯軍から本来王族を守るべき近衛軍に至るまで、アリシアの支持者を通り越して信奉者。ちなみに、敵である帝国軍も彼女の熱烈なファンである。筆頭が、会戦にて出会い頭にぶっ殺されかけた経験者の帝国皇太子である。部下たちからは、あれはキモいと称されるほどのもうべた惚れ。ちなみに、お前らも相当にキモい同類だからな、帝国軍諸氏諸君よw
とまれ、アリシアが我慢の限界ぶっちキレてやらかしてしまった殴打事件を引き金に、反アリシア派の王妃派閥が王族権限で近衛軍を動かしてアリシアの捕縛、謀殺に動いたために、アリシアは王都を脱出せざるを得なくなったわけだけれど、もう初っ端からドタバタお祭り騒ぎなんですよね。
アリシアの脱出を支援するのは、アリシアの影響で血の味を覚えてしまった宮廷の淑女軍団。いや、お嬢様方、なんでそんな血に飢えた狼みたいな人種なんですか!? 統制された餓狼の群れのように迫りくる近衛軍(士気どん底)を蹴散らして王宮への逆撃をかまそうとする淑女たち。
淑女とは!? あまりの凶暴さに、アリシアもドン引きである。
というか、アリシアの支持層めちゃくちゃ分厚いのに、何がどうして帝国に亡命するなんて事になってしまったのか、よくわかりませんよ!? 軍部だけでなく、平民宰相のシーモアおじさんも味方サイドですし、何気に王太子エドワードの取り巻きである近衛軍司令官の息子のアランも、宰相の息子のレナードも、幼い頃からのアリシアの馴染みで仲良いんですよね。とどめに、ゲームで言うところのゲームの主人公である所のアンヌもまた、幼馴染の腐れ縁。マブダチと言っていいんじゃないかしら。
ちなみに、アリシアの亡命劇をプロデュースしたのは彼女アンヌである。王妃のアリシア粛清謀殺の動きを察知したアンヌの王国と帝国を巻き込んだ大謀略、というのが真相だ。
おかげで、理は完全にアリシアの側にあると理解し心情的にもアリシア支持なんだけど、エドワードを見捨てられないレナードとアランが、えらい苦労するハメになるんですよね。
国力差から絶対敗北を避けられない帝国との戦争を軟着陸させつつ、王妃派の粛清劇を逆手にとってのアリシアを女王に奉るクーデター、というのが真相というべきなのか、これ。アリシア自身は、帝国に勝てない事を悟りつつうまく双方に被害も遺恨もなるべく少なく負ける事は企図していたものの、自身が登極することはまったく考えていなかったので、誰かの明確な意図あってのことではなかったみたいなんですよね。ただ、王妃が引き金を引いてしまったことで、愛想を尽かした皆が逆の方向に怒涛のように流れ込んで走ってしまったわけだ。
実際、諸侯軍根こそぎアリシアに寝返るし。
そして、亡命してきたアリシアに、帝国皇太子ジークハルト率いる対王国侵攻軍総員大はしゃぎ。君たちちょっと喜びすぎw
この帝国軍の面々がまた面白い連中で、やたらテンション高い愉快な馬鹿たちなんですよね。ジークハルトの事は慕いながらも全く遠慮なく罵倒しますし、からかうし雑に扱いますし、皇太子への不敬罪とかないんですか、ほんと!? 
ノリが体育会系というよりもいつも全力で大騒ぎしている文化系クラブのノリなんですよね。騎士道なんぞくそくらえの歴戦の戦争屋で実に楽しそうに戦争をピクニックする連中であるはずなんだけど、アリシアが帝国軍の指揮も取ると決まったのに反対するどころか大はしゃぎだし、軍議は酔っ払いどもの酒盛りかというくらいテンションあげあげで、アリシアの立てる作戦に大盛りあがりで、挙げ句じゃんけんで配置決めだすのはさすがにヤメレ。これでも世界最強の軍隊である。
これだからこそ、なのかもしれないが。
決戦前のアリシアの演説に、アリシア麾下に入った諸侯軍と一緒に「王国万歳ー!」とテンションマックスになって叫んでる帝国諸卿、控えめにいってもバカばっかりで大好きであるw
もちろん、皇太子のジークハルトもまたそのバカどもの筆頭で、でも同時に何だかんだとカッコいいんですよね。色んな意味で隙だらけではあるんですけれど、周りのバカたちに弄り回され、自由奔放なアリシアに振り回され、でもそれ以上のノリの良さでうまいことウケながら、アリシアラブを貫く姿は気持ち悪いけどイケメンw
アリシアの方も自分のことを大事にしつつアプローチを欠かさない彼のことは満更でもなく、なんだかんだとイチャイチャしてるのが微笑ましいんですよね。いいじゃない、ラブラブカップルじゃない。

これ、書籍版はウェブ版から結構中身変わっていて、アンヌやアラン、レナードと言ったゲームの主人公と取り巻き連中、雑にフェイドアウトしてるんですよね。自分ウェブ版は冒頭あたりだけ読んだのですが、断罪イベントで完全にアリシアの敵に回っていて、物語上からもキレイに排除されてしまっていたのが、アランとレナードは書籍版では王国側の主人公と言っていいくらい頑張って、自体の収拾とソフトランディングに努めていて、大活躍してるんですよね。活躍というよりも、作中でもっとも苦労しているというべきか。アリシアとエドワード、王国の要人としての立場の板挟みに合いながら、筋を通し義理を果たし友情を捨てず誠実であろうとし、道理に合わせようと頑張った、というべきか。もうおバカのノリでイケイケドンドンな連中ばかりの中でほんとようやったよ。王妃派閥の無能無知無見識の暴走を可能な限り抑え込みながら、でしたからね。
彼らのお陰で、王国サイドにも気持ちを割きながら読めましたし。この大幅な改変は実によいものだったんじゃないでしょうか。噛めば噛むほど味のあるキャラがメインに増えて悪いことはないですし。
元凶であるエドワードですら、ある程度汚名返上する機会がありましたしね。これも最後まで見捨てなかったレナードたちの尽力のお陰なのですが。追放後に備えて農業スキルをあげる、という某野猿系悪役令嬢の考えは間違いじゃなかった、と何気にエドワードくん証明しとるがなw
楽しそうに戦争するやつら、というと血と硝煙を背景に血走った目と凄惨な笑みで彩られた戦争狂どもの話になりそうなのだけれど、これは本当にこいつら楽しそうだなー、と思わず微笑ましくなってしまうような、愛すべきバカどもによるドタバタ馬鹿騒ぎ。
ひたすら、愉快痛快、笑ってちょっと胸があったかくなる、なんだかんだとみんなに優しい楽しいお祭りでした。
この調子、このノリで、帝国の学園編、やってくれたら嬉しいです。あー、面白かった。ウケたウケた。

物理的に孤立している俺の高校生活 3 ★★★☆   



【物理的に孤立している俺の高校生活 3】  森田 季節/shirakaba ガガガ文庫

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残念系異能力者でも友達と文化祭回りたい!

波久礼業平には友達がいない……わけでもない。むしろ、あわやぼっちで過ごすと思われた夏休みを人研メンバーとともに無事乗り越え、本人はなんとなく成長した気さえしていた。
しかし、業平の持つ異能力「ドレイン」はもちろん健在で、オン・オフができるようになったわけでもなんでもない。やっぱり学校レベルで物理的に孤立している。せつない。
それでも、これなら二学期の文化祭も乗り切れると安心していた中、同じく不遇な異能力に悩む高鷲えんじゅから脈絡もなく連絡が来る。
「男友達作り、早くしないとまずいことになるわよ。うちの高校って修学旅行が二年生の二学期途中にあるから」
いやいや、そんなこと言ったってお前も人研メンバー以外の友達いないじゃんと思う業平だったが、高鷲の言葉は確かに事実。蘇る中学時代のトラウマ。現状、限りなくぼっちな二人は、売り言葉に買い言葉で「文化祭が終わるまでに友達を作れるか」勝負をすることになってしまう。
お互いこいつにだけは絶対負けないよなと思うのだが……あれ、そもそも友達ってどうやって作るんだ!?
残念系異能力者たちだって友達と文化祭を回りたい! 大人気青春未満ラブコメ第3弾!!

友達ってどうやって作るんですか?
いや、真面目な話、学生時代友達どうやって作ったか、とか覚えてないですよ。何となく喋ってたら一緒に遊んでいたらいつの間にか友達になってた、て感じですよね。友達になってください、友達になってよ、みたいに直接言葉にして「友達」という関係になった事はなかった気がする。
でも彼ら、業平と高鷲にとっては友達という関係はそんなに簡単でも軽いものでもなかったのだ。これまで友達という存在が出来なかったコンプレックスもあるのだろう。でも、それ以上に友達という存在に対して真面目なのだ。真剣なのだ。何となくいつの間にかなっているものではなかったのだろう。それこそ、彼氏彼女の関係に勝るとも劣らない、人生における重大事だったのだ、友達を作るという事は。
もっとも、彼氏彼女の関係ですら人種によっては気軽にホイホイとくっついたり離れたり何となくで始めたり終わらせたりしてしまうものなのだけれど。
人間関係というものは本当に人それぞれで同じ名称の関係ですら中身は、いや中身ではなく受け止め方、というべきだろうか、受け止め方が全然異なってきてしまうものなんだなあ。
文化祭の折に、人研部以外の友達をどちらが先に作るか、という勝負をはじめてしまう業平と高鷲。それからのこの二人のノリはというと、完全に男女交際の相手をゲットするつもりみたいな本気度、真剣さなんですよね。形は違えど、仲の良い友達とどっちが先に恋人を作るかの勝負をガチではじめてしまった、みたいな感じになってるんですよね。
そう、冗談ではなくガチで。だから、勝負しているはずなのに、業平ときたら高鷲がクラスの女の子となんだかうまくいきそう、性格に大変問題のある高鷲でも何とか友達になれそうな雰囲気、というのを見て取った途端、内心で応援し始めてしまうのですよ、こいつ。
勝負を忘れているわけじゃないんだけれど、高鷲に感情移入してうまく行ってほしいと本気で祈り始め、便宜だって図り始めてしまう。
イイ奴なのだ。拗らせているけれどこの男、いいヤツなのだ。
その業平も、生徒会から応援できてくれた大福という男の子と、これまでになく自然に気負いなく会話できることで、これ友達になれるんじゃないか、と浮かれだしてしまう。いや、いいんですよ。友達になれそう、と思うことになんの悪しきもない。
実際この大福、いいヤツなんですよ。1メートル以内に近づいた他人の生気を吸い取ってしまうという「ドレイン」の異能を持つがために、タイトル通り物理的に孤立してきた主人公。物理的のみならず、やっぱり近くとヤバいということで心理的にも距離を置かれ、場合によっては拒絶されてきた業平くん。でも大福はもちろんちゃんと距離には気をつけているけれど、業平がドレインという異能を持つ事に対しては常にフラットな対応で、同情も嫌悪もなく、自然とそういうものとして捉えた上で自然に付き合ってくれる人だったんですね。
別に内心で違うことを考えていたりとか、なにか企んでいたり、とかいうこともなく、本当にただいいヤツだったのです。
ただ、彼はそういう業平みたいな人間とも何の偏見もなく付き合える人だからこそ、他人との距離感が軽い人でもあったんですね。人と人が繋がることに、深い意味も重たい価値も特に見いださない、普通に仲良くなって簡単に恋人という関係を作ることの出来る人種だったわけである。
業平とは、どこか価値観が異なっている相手。
軽々に、あの娘なら付き合えそう。別に好きじゃなくても告白されたら、相手が可愛いなら付き合うよ、という大福に違和感を感じてしまう業平。相手に対して、それは真剣じゃないんじゃないか。真摯じゃないんじゃないか、と考えてしまうわけだ。
でも、それはちょっとした価値観の違いなんですよね。どちらが悪いとか間違いだとかいうわけじゃない。はじまりのきっかけや態度が軽いものでも、友達として恋人として付き合いだしたら何かが変わってくるのかもしれない。そもそも、軽い関係ってのが悪いかどうかって話もある。軽くて、なにがダメなんだ? そういう関係も、あっていいじゃないですか。
そういう事は、業平もちゃんとわかってると思うんですよね。彼が、嫌な思いを感じてしまったのは、実は大福に対してじゃないんですよね。好みの問題というのを踏まえた上で、そういう人との接し方が好きではない、と業平は感じたその時に、彼は自分を省みるのである。
あれ? 大福のそういう人との接し方に嫌悪を感じている自分は、大福のことを友達になれるようn相手か「品定め」していなかったか? と。大福が、あの娘なら付き合えるんじゃないか、と思っているのと同じように、こいつなら友達になれるんじゃないか、と打算で考えていなかったか、と。自分のことしか考えずに、友達を作りたいと大福をはじめとする周りの人間たちを選別の目線で見ていなかったか、と。

ちなみに大福くん、業平がどもりながらもそういう見方はよくないんじゃないか、相手に対して失礼じゃないか、という言葉にちょっと驚きながらも真剣に受け止めて、確かに自分も親しい人をそんな風な見方で言われたらあんまりいい気分じゃないよね、と反省してくれるんですよね。
特に何の気もなしに軽く雑談めいて喋っていた内容に、そんな真面目なトーンで反駁されたとして、反発したりドン引きしたりするのは論外としても、曖昧に流してしまったりなんか悪いこと言っちゃったかなと取り敢えず謝ったり、というくらいの対応は珍しくないと思うんですよね。
彼のように、本気でちゃんと考えて、良くなかったと謝ってくれる人は決して多くないと思う。大福くん、マジでいいヤツなんだよなあ。
でもあそこで、迷いどもりながらも、ちゃんと苦言を呈することの出来る業平もまた、大した人だと思うんですよね。それも、大福のことをそれはダメだろうと否定的に思いながら、じゃないんですよね。あそこで彼は、自分を省みて、自分もまた大福以上に失礼な事を考えながら彼に近づこうとしていた、と恥じ入りながら、その大福に対して苦言を呈するという事に何様だとさらに恥じ入りながら、それでも告げているのである。
あの違和感から嫌な気分を感じてしまった場面で、一方的に相手の上位に立った気になってしまうのではなく、そこで自分を省みる業平が。恥じ入りながら、それを自分の中に押し込めてしまうのではなく、相手に告げることの出来た彼が、本当にえらいと思うのですよ。
敬意を抱く。

そして、高鷲もまた、無意識に友だちになろうとしていた娘にマウントを取ろうとしていた事に気がついて、咄嗟に身を引いてしまうんですね。彼女の場合は、ココロオープンという目を合わせると自分が心のなかで思っている事が全部テロップに出てしまうという異能のせいで、相手との関係が決定的に壊れてしまう事を怖れてしまった、というのもあるのだけれど。
業平にしても高鷲にしても、本当に友達という関係に対して真剣だからこそ、真面目だからこそ、その関係に対して真摯すぎるほどに誠実足らんとしてるんですよね。異能のせい、というのも大きいでしょう、適当にこなせない不器用さ、というのもあるのでしょう。性格がこじれてたり捩じれてるのもまあ致命的ですよね。
でも、この誠実さは、真面目さは敬したい。これはたしかに意識高い系の範疇なのかもしれないけれど、胸を張って意識高い!と言ってもいいんじゃないかしら。
それでも、二人はこれまで、ずっと人間関係に惨めな思いをしてきた。異能によってハンデを負って、寂しい思いをしてきた。こうしてみると、誰よりも相手のことを理解しわかっている二人なんですよね、高鷲と業平は。だからこそ、勝負しているのに相手を応援してしまう。挫けそうになっている高鷲を、一生懸命フォローして自分たちは同盟者じゃないか、と背中を押す業平はお世辞抜きにカッコいい……いや、カッコいいというのとは違うかもしれないけれど、高鷲にとっては彼の必死さは胸が一杯になるものだったんじゃなかろうか。

お互いに支え合って、友達作りという一歩を踏み出せた業平と高鷲。そこで友達作りの勝負をなかった事にしないあたりがさすが高鷲えんじゅ、と思う所だけれど……。この勝者の権利を保留にしたの、あとあとに大きな影響をもたらしそう。業平への命令権。この文化祭の中で生まれた二人の間の「空気」の様子に、本当に「ここぞ」という場面が巡ってきそうで、ちょっとワクワクしてしまうラストでした。


裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル ★★★★  



【裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル】  宮澤 伊織/shirakaba ハヤカワ文庫JA

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ネット怪談×異世界探険
「検索してはいけないもの」を探しにいこう。

仁科鳥子と出逢ったのは〈裏側〉で爐△"を目にして死にかけていたときだった――その日を境に、くたびれた女子大生・紙越空魚の人生は一変する。「くねくね」や「八尺様」など実話怪談として語られる危険な存在が出現する、この現実と隣合わせで謎だらけの裏世界。研究とお金稼ぎ、そして大切な人を探すため、鳥子と空魚は非日常へと足を踏み入れる――気鋭のエンタメSF作家が贈る、女子ふたり怪異探検サバイバル!

怖ぇぇぇ! なにこれ、何がピクニックですか! 散歩気分で行くところじゃないでしょうこれ!?
昨今氾濫している「異世界」じゃなくて「裏世界」ってなんだろう、とタイトル見る度に思っていたのですけれど、これは確かにファンタジーとしての異世界じゃないですわ。
オカルトだ、オカルトだよこれは。

確かに行ったきり帰って来られない一方通行の世界と違い、裏世界は条件は色々あるものの、行き来は出来るし、扉となっている場所はどうやらあちこちにあるらしい。
かと言って、気楽にピクニック!とばかりに遊びに行くような場所では断じて無い。そこにうごめいているのは、本物の怪異たち。都市伝説やネット怪談で語られたこの世ならざるものたちだ。
ということは、裏世界ってもうあの世とこの世の狭間というような世界なのか。それにしては世界の有り様は生々しく異質であり頭がおかしくなりそうな狂気がべったりと張り付いたような世界だ。
とても好んで自分から飛び込むような世界ではない。どんな理由があるにしても、だ。
それを、この二人の女性は自らの意思で飛び込んでいく。片や、そこで行方不明になった親友を探すため、片やそんな彼女を見捨てられないために。
それだけ見るなら、真っ当な理由に見えるんですけどね。
怖くても恐ろしくても、大事な人のために勇気を振り絞って、悍ましい異形の世界に挑んでいく。
そう聞くと、まともに聞こえるんですけどね。
果たして、本当に彼女たちは真っ当なのか、まともなのか……正気なのか。まだ人間なのか。
この裏世界を知る人はみんな言うのですよ。その世界に関わっていたら、マトモじゃなくなっていく。段々と、人間を逸脱していってしまう。頭がおかしくなる。
そして二人は、初めて出会ったそのときに、もうベッタリとこの裏世界の洗礼を受けてしまうのである。身体に、痕跡が残ってしまうほどに。
それは、裏世界の要素が身体の中に残ってしまったということ。あの世界と、チャンネルが合わさってしまったということ。
それ以降彼女たち、空魚と鳥子は別に裏世界に行こうとしていない時でもふとした拍子にあちらの世界に迷い込んでしまったり、それどころか現実世界の方にあの世界が侵食してくるような、そんな現象に苛まれることになる。現実世界にいるはずなのに、じわじわと常軌が逸していく感覚。狂気に見ている景色が塗りつぶされ、ぐるりと世界が反転してしまうかのような……。

いや怖いから、これ本当に怖いから。
なんかメインの二人の女性がタフなのか精神的に壊れているのか、わかりやすくキャーキャーと怯えずにビビりながらもずいずいと突き進んでいくタイプなために、無為に登場人物を恐怖のどん底に陥れてパニックを誘発させ、恐ろしさを煽るような描写にはなっていないものの、起こっていることだけ見ててもそれだけで怖いから。
てか、もっと怖がれよ、空魚と鳥子も! こっちが泣きそうだよ!
一見まともに見える二人なんですけど、鳥子は危険を感じる感覚がぶっ壊れているのか、何も考えずに突っ込んでいくし、空魚もこの娘はこの娘で唐突に爆弾持ちだというのを暴露してきやがるんですよ。本人、まったくわかってない、自分がどれほど異常なことを平然と口にしているのか自覚してないのが、もうヤバいのなんのって。あれはゾッとした。それまでは本当に感性に関しては普通に見えていただけに、余計に「静かに狂っている」感が伝わってきて、絶句してしまった。
これ、空魚が鳥子のブレーキ役になっているように見えるけれど、もしかしたら鳥子の方がストッパーというか錨になっているんじゃないの? と思えてくるほどのインパクトだった。
空魚がどうしても鳥子を見捨てられず、突っ走っていってしまう彼女を追いかけ引き止めるのは、鳥子の存在が自分にとって「あっち側」に行ってしまいそうな自分を引き止めてくれる存在になる、と無自覚に察しているからなんじゃないだろうか。
その担保となるのが特別な友情、というある意味人同士の絆、繋がりとしては真っ当以外のナニモノでもないものでもあるのですが。いや、だからこそ、か。

ともあれ、正気と狂気の天秤がジェットコースターにでも搭載されているかのように激しく上下して振り回されるような展開の悍ましさ、気色悪さ、恐ろしさは正直マジ怖いです。
裏世界に行くエレベーター、毎回毎回ある特定階で向こうから走って乗ってこようとする女がいるけど、絶対に乗せてはいけない、とか普通に怖くないですか? ちょっと閉ボタン押し損ねたらタイミング的に乗ってくるんですよ、そいつ!? というか、そうでなくても、毎回閉じていくエレベーターの扉の隙間からこっちに走ってどんどん近づいてくる女の姿が見えるとか、怖すぎてもうそのエレベーター絶対乗れないですって!
なんでこの空魚と鳥子の二人、平然としてんの? 絶対恐怖心とか頭の中ぶっ壊れてるってばww
裏世界の方も、まあ当たり前みたいにデストラップやらどう戦っていいかすらわからない怪異がわんさかといて、普通に人が死にまくります。出入り口が世界中にあるからか、迷い込んでくる人も自分から飛び込んでしまう人もけっこう居るみたいで。
これ、異世界のダンジョンとかだったら、脱出さえすればもう安全なんでしょうけれど、この裏世界の場合、現実に戻れても安心できないというのが冗談じゃねーですよ。

うう、ホラーというほど恐怖を煽る内容じゃないのですけれど、都市伝説もの特有の不気味さというか得体のしれなさ、ヤバいところに手を突っ込んでしまったようなゾワゾワする感覚を味わえてしまう作品でした。

 
1月25日
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【白の魔法の売り子さん〜異世界の女の子と仲良くなる方法〜 1】
伊織 ハル
(4コマKINGSぱれっとコミックス)

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【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-妄言録-18】
渡航/佳月玲茅
(ビッグガンガンコミックス)

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【異世界迷宮の最深部を目指そう 3】
左藤圭右/割内タリサ
(ガルドコミックス)

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【俺の死亡フラグが留まるところを知らない 2】
乙須ミツヤ/泉
(マンガボックス)

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【月刊ビッグガンガン 2021年Vol.02】

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【月刊アクション 2021年3月号】

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【アフタヌーン 2021年3月号】

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1月23日
【槍使いと、黒猫。13】
健康
(HJ NOVELS)

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【VRMMOはウサギマフラーとともに。4】
冬原パトラ
(HJ NOVELS)

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1月22日
【咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 7】
小林立/五十嵐あぐり
(ガンガンコミックス)

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【ご主人様のしかばね 3】
藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)

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【最近雇ったメイドが怪しい 3】
昆布わかめ
(ガンガンコミックスJOKER)

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【ラグナクリムゾン 8】
小林大樹
(ガンガンコミックスJOKER)

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【咲-Saki- re:KING’S TILE DRAW 1】
小林立/極楽院櫻子
(ガンガンコミックスONLINE)

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【咲-Saki- 21】
小林立
(ヤングガンガンコミックス)

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【染谷まこの雀荘メシ 1】
小林立/めきめき
(ヤングガンガンコミックス)

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【怜-Toki- 7】
小林立/めきめき
(ビッグガンガンコミックス)

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【シノハユ the dawn of age 13】
小林立/五十嵐あぐり
(ビッグガンガンコミックス)

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【月刊ガンガンJOKER 2021年2月号】

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【まんが4コマぱれっと 2021年3月号】

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【人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 3】
川上真樹/富士伸太
(MFC)

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【八男って、それはないでしょう! 9】
楠本弘樹/Y.A
(MFC)

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【便利屋斎藤さん、異世界に行く 4】
一智和智
(MFC)

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【無職転生 ~ロキシーだって本気です~ 7】
石見翔子/理不尽な孫の手
(MFC)

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【D・N・ANGEL New Edition I】
杉崎ゆきる
(あすかコミックスDX)

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【D・N・ANGEL New Edition II】
杉崎ゆきる
(あすかコミックスDX)

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【彼女は僕の「顔」を知らない。】
古宮 九時
(メディアワークス文庫)

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【オルコスの慈雨 天使と死神の魔法香】
染井 由乃
(メディアワークス文庫)

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【おとなりの晴明さん 第八集〜陰陽師は金の烏と遊ぶ〜】
仲町六絵
(メディアワークス文庫)

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【声が出なくなったので、会社を辞めて二人暮らし始めました。】
神戸遥真
(メディアワークス文庫)

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【転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う】
三川 みり
(角川文庫)

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【作ってあげたい小江戸ごはん 3.ほくほく里芋ごはんと父の見合い】
高橋 由太
(角川文庫)

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【茶寮かみくらの偽花嫁】
あさば みゆき
(角川文庫)

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1月21日
【数字で救う! 弱小国家 3 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。】
えかきびと/紅緒
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【夜縛◆夜明曲 7】
RAN
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【対ありでした。〜お嬢さまは格闘ゲームなんてしない〜 2】
江島絵理
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【無職転生~異世界行ったら本気だす~ 14】
フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【ブルーピリオド 9】
山口つばさ
(アフタヌーンKC)

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【大砲とスタンプ 9】
速水螺旋人
(モーニングKC)

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【天地創造デザイン部 6】
蛇蔵/鈴木ツタ/たら子
(モーニングKC)

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【ボールパークでつかまえて! 1】
須賀 達郎
(モーニングKC)

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【エゴに捧げるトリック】
矢庭 優日
(ハヤカワ文庫JA)

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【追い出された万能職に新しい人生が始まりました 4】
東堂大稀
(アルファポリス)

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【装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます 7】
tera
(アルファポリス)

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【異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く? 10】
シ・ガレット
(アルファポリス)

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【勘違いの工房主 6〜英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話〜】
時野洋輔
(アルファポリス)

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【大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ 5】
さとう
(アルファポリス)

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【神スキル『アイテム使用』で異世界を自由に過ごします 3】
雪月花
(アルファポリス)

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1月20日
【魔王2099 1. 電子荒廃都市・新宿】
紫 大悟
(富士見ファンタジア文庫)

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【魔女と始める神への逆襲 道化の魔女と裏切られた少年】
水原 みずき
(富士見ファンタジア文庫)

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【母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ せめて息子のラブコメにまざらないでください】
夏色 青空
(富士見ファンタジア文庫)

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【転生王女と天才令嬢の魔法革命 3】
鴉 ぴえろ
(富士見ファンタジア文庫)

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【シェアハウスで再会した元カノが迫ってくる】
くろい
(富士見ファンタジア文庫)

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【織田信奈の学園】
春日 みかげ
(富士見ファンタジア文庫)

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【魔術士オーフェンはぐれ旅 ハーティアズ・チョイス】
秋田禎信
(TOブックス)

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【白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます IV】
やしろ
(TOブックス)

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【ガリ勉地味萌え令嬢は、腹黒王子などお呼びでない】
鶏冠勇真
(TOブックス)

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【氷の侯爵様に甘やかされたいっ!〜シリアス展開しかない幼女に転生してしまった私の奮闘記〜】
もちだもちこ
(TOブックス)

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【成り行きで婚約を申し込んだ弱気貧乏令嬢ですが、何故か次期公爵様に溺愛されて囚われています】
琴子
(TOブックス)

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【異世界からの企業進出!? 3 ~元社畜が異世界転職して成り上がる! 勇者が攻略できない迷宮を作り上げろ~】
七士七海/鵜山はじめ
(ヤンマガKCスペシャル)

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【少年マガジンR 2021年2月号】

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1月19日
【ウマ娘 シンデレラグレイ 1】
久住太陽/杉浦理史
(ヤングジャンプコミックス)

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【アサシンズプライド 7】
天城ケイ/ニノモトニノ
(ヤングジャンプコミックス)

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【ふたりぼっちのオタサーの姫 1】
クール教信者
(ヤングジャンプコミックス)

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【メイド・イン・ひっこみゅ~ず 6】
サンカクヘッド
(ヤングジャンプコミックス)

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【メイド・イン・ひっこみゅ~ず 7】
サンカクヘッド
(ヤングジャンプコミックス)

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【もののがたり 12】
オニグンソウ
(ヤングジャンプコミックス)

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【電波的な彼女 1】
片山憲太郎/平岡滉史
(ヤングジャンプコミックス)

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【電波的な彼女 2】
片山憲太郎/平岡滉史
(ヤングジャンプコミックス)

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【EX-ARM Another Code エクスアーム アナザーコード 2】
久麻當郎/古味慎也
(ヤングジャンプコミックス)

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【漆黒のジギィ 3】
やまむらはじめ
(サンデーGXコミックス)

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【ダンベル何キロ持てる? 11】
MAAM/サンドロビッチ・ヤバ子
(裏少年サンデーコミックス)

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【月刊サンデーGX 2021年2月号】

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【月刊ヤングキングアワーズGH 2021年3月号】

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【まんがタイムきららMAX 2021年2月号】

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【ウルトラジャンプ 2021年2月号】

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【育ちざかりの教え子がやけにエモい 3】
鈴木大輔
(ガガガ文庫)

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【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 3】
伊崎 喬助
(ガガガ文庫)

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【双血の墓碑銘 3】
昏式 龍也
(ガガガ文庫)

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【剣と魔法の税金対策】
SOW
(ガガガ文庫)

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【弱キャラ友崎くん Lv.9】
屋久ユウキ
(ガガガ文庫)

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【僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場 2】
赤城大空
(ガガガ文庫)

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1月18日
【BE BLUES!~青になれ~ 42】
田中モトユキ
(少年サンデーコミックス)

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【よふかしのうた 6】
コトヤマ
(少年サンデーコミックス)

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【MAO 7】
高橋留美子
(少年サンデーコミックス)

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【絶対可憐チルドレン 60】
椎名高志
(少年サンデーコミックス)

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【双亡亭壊すべし 20】
藤田和日郎
(少年サンデーコミックス)

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【天野めぐみはスキだらけ! 23】
ねこぐち
(少年サンデーコミックス)

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【switch 11】
波切敦
(少年サンデーコミックス)

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【ポンコツちゃん検証中 7】
福地翼
(少年サンデーコミックス)

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【麗の世界で有栖川 4】
安西信行
(少年サンデーコミックス)

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1月16日
【クラス最安値で売られた俺は、実は最強パラメーター】
RYOMA
(電撃の新文芸)

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【悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。2】
翅田大介
(電撃の新文芸)

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【東方Project二次創作シリーズ 妖世刃弔華 わか思ふ地は ありやなしやと】
草薙 刃/東方Project
(電撃の新文芸)

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【ばいばい、アース 1】
冲方丁/麻日隆
(YKコミックス)

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【ばいばい、アース 2】
冲方丁/麻日隆
(YKコミックス)

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【少年マガジンエッジ 2021年2月号】

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1月15日
【それでも歩は寄せてくる 6】
山本崇一朗
(KCデラックス)

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【左手のための二重奏 3】
松岡健太
(マガジンエッジKC)

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【カノジョも彼女 4】
ヒロユキ
(講談社コミックス)

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【カッコウの許嫁 5】
吉河美希
(講談社コミックス)

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【ネクロマンス 5】
堂本裕貴
(講談社コミックス)

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【獣の六番 2】
永椎 晃平
(講談社コミックス)

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【なれの果ての僕ら 5】
内海八重
(講談社コミックス)

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【魔女に捧げるトリック 2】
渡辺静
(講談社コミックス)

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 【俺の死亡フラグが留まるところを知らない 1】
乙須ミツヤ/泉
(このマンガがすごい!comics)

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【ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド エイジ オブ スカーレット オーダー 6】
環望
(コロナ・コミックス)

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【星斬りの剣士】
アルト
(アース・スターノベル)

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【姉に言われるがままに特訓をしていたら、とんでもない強さになっていた弟 〜やがて最強の姉を超える〜】
吉田 杏
(アース・スターノベル)

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【わがまま王女に仕えた万能執事、隣の帝国で最強の軍人に成り上がり無双する】
すかいふぁーむ
(アース・スターノベル)

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【花街の用心棒 二 雪が宮廷の闇を照らす】
深海 亮
(富士見L文庫)

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【江戸の花魁と入れ替わったので、花街の頂点を目指してみる】
七沢 ゆきの
(富士見L文庫)

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【氷室教授のあやかし講義は月夜にて】
古河 樹
(富士見L文庫)

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【附子の弁舌】
沼矛 トモ
(富士見L文庫)

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【瑠璃宮の花守り人 一輪末々を知る】
伊藤 たつき
(富士見L文庫)

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【女神「異世界転生何になりたいですか」 俺「勇者の肋骨で」】
安泰
(宝島社)

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【吾輩は歌って踊れる猫である】
芹沢 政信
(講談社タイガ)

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【あくまでも探偵は】
如月 新一
(講談社タイガ)

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1月14日
【転生魔王の大誤算 2 〜有能魔王軍の世界征服最短ルート】
あわむら赤光
(GA文庫)

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【忘れえぬ魔女の物語】
宇佐楢春
(GA文庫)

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【貴サークルは"救世主"に配置されました】
小田一文
(GA文庫)

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【カンスト村のご隠居デーモンさん 〜辺境の大鍛冶師〜】
西山暁之亮
(GA文庫)

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【俺とコイツの推しがサイコーにカワイイ】
りんごかげき
(GA文庫)

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【ひきこまり吸血姫の悶々 4】
小林湖底
(GA文庫)

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【たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語 11】
サトウとシオ
(GA文庫)

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【スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 15】
森田季節
(GAノベル)

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【変な竜と元勇者パーティー雑用係、新大陸でのんびりスローライフ】
えぞぎんぎつね
(GAノベル)

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【異世界賢者の転生無双 7〜ゲームの知識で異世界最強〜】
進行諸島
(GAノベル)

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【ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。6】
えぞぎんぎつね
(GAノベル)

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【未来職安】
柞刈湯葉
(双葉文庫)

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【後宮の花は偽りに惑う】
天城智尋
(双葉文庫)

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【あやかしよろず相談承ります】
伽古屋圭市
(双葉文庫)

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1月13日
【ログ・ホライズン 外伝 新たなる冒険の大地】
池梟 リョーマ/木村 航
(エンターブレイン)

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【メイドさんは食べるだけ 2】
前屋進
(イブニングKC)

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【未熟なふたりでございますが 8】
カワハラ恋
(モーニング KC)

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【パリピ孔明 4】
四葉夕卜/小川亮
(ヤンマガKCスペシャル)

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1月12日
【カワセミさんの釣りごはん 3】
匡乃下キヨマサ
(アクションコミックス)

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【弧を描く 3】
木下 聡志/岩井 良樹
(アクションコミックス)

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【乙女戦争外伝供_个魴僂絢圓燭繊幣紂法
大西巷一
(アクションコミックス)

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【おとなの防具屋さん 3】
斐宮ふみ
(アース・スター コミックス)

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【俺んちに来た女騎士と田舎暮らしすることになった件 6】
秋乃かかし/裂田
(アース・スター コミックス)

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【きららファンタジアイラストレーションズ 2】
きららファンタジア製作委員会
(まんがタイムKRコミックス)

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【スローループ 4】
うちのまいこ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)

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【月刊少年ガンガン 2021年2月号】

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【まんがタイムきららフォワード 2021年 02 月号】

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【ゲッサン 2021年2月号】

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1月10日
【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 1】
川上稔
(電撃文庫BORN DIGITAL)

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【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 2】
川上稔
(電撃文庫BORN DIGITAL)

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【新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち】
佐島 勤
(電撃文庫)

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【娘じゃなくて私(ママ)が好きなの!? 4】
望 公太
(電撃文庫)

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【神角技巧と11人の破壊者(上) 破壊の章】
鎌池和馬
(電撃文庫)

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【わたし以外とのラブコメは許さないんだからね 2】
羽場楽人
(電撃文庫)

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【ダークエルフの森となれ 2―現代転生戦争―】
水瀬葉月
(電撃文庫)

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【つるぎのかなた 4】
渋谷瑞也
(電撃文庫)

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【Re:スタート!転生新選組 3】
春日みかげ
(電撃文庫)

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【絶対にデレてはいけないツンデレ】
神田夏生
(電撃文庫)

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【先輩、わたしと勝負しましょう。ときめいたら負けです! イヤし系幼女後輩VS武人系先輩】
西塔 鼎
(電撃文庫)

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【来タル最強ノ復讐者 〜救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する〜】
哀歌
(電撃文庫)

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【男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?】
七菜なな
(電撃文庫)

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【犯罪迷宮アンヘルの難題騎士】
川石折夫
(電撃文庫)

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【役立たずと言われたので、わたしの家は独立します! 〜伝説の竜を目覚めさせたら、なぜか最強の国になっていました〜】
遠野 九重
(カドカワBOOKS)

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【捨てられ白魔法使いの紅茶生活 2】
瀬尾 優梨
(カドカワBOOKS)

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【スライム召喚無双 2 〜ゲーム技術は異世界でも最強なようです〜】
可換 環
(カドカワBOOKS)

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【百花宮のお掃除係 3 転生した新米宮女、後宮のお悩み解決します。】
黒辺 あゆみ
(カドカワBOOKS)

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【悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です! 5】
明。
(カドカワBOOKS)

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【魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする 10】
流優
(カドカワBOOKS)

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【痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。11】
夕蜜柑
(カドカワBOOKS)

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【蜘蛛ですが、なにか? 14】
馬場 翁
(カドカワBOOKS)

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【ティアムーン帝国物語 VI 〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜】
餅月望
(TOブックス)

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【特級ギルドへようこそ! 6 〜看板娘の愛されエルフはみんなの心を和ませる〜】
阿井りいあ
(TOブックス)

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【レア・クラスチェンジ! VII 〜魔物使いちゃんとレア従魔の異世界ゆる旅〜】
黒杉くろん
(TOブックス)

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【打撃系鬼っ娘が征く配信道! 3】
箱入蛇猫
(TOブックス)

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【ヤングキングアワーズ 2021年 02 月号】

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1月9日
【最果てのソルテ 1】
水上悟志
(BLADEコミックス)

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【魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~3】
住川惠/甘岸久弥
(BLADEコミックス)

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【シネマこんぷれっくす! 6】
ビリー
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【さまよえる転生者たちのリライブゲーム 3】
サイトウケンジ/火野遥人
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【魔術師たちの混乱 1】
奇仙
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 2】
天海雪乃/タンバ
(角川コミックス・エース)

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【合鍵くんと幸せごはん 1】
黒麦はぢめ
(角川コミックス・エース)

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【蜘蛛ですが、なにか? 蜘蛛子四姉妹の日常 3】
馬場翁/グラタン鳥
(角川コミックス・エース)

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【東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 7】
柴田ヨクサル
(ヒーローズコミックス)

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【まんがタイムきらら 2021年 01 月号】

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【コミックフラッパー 2021年2月号】

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【ドラゴンエイジ 2021年2月号】

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【別冊少年マガジン 2021年2月号】

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1月8日
【可愛いだけじゃない式守さん 7】
真木蛍五
(KCデラックス)

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【メイドの岸さん 2】
柏木香乃
(KCデラックス)

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【幼女とスコップと魔眼王 1】
茅田丸/丁々発止
(シリウスKC)

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【よくわからないけれど異世界に転生していたようです 4】
内々けやき/あし
(シリウスKC)

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【ラストオーダー 1】
松葉サトル/浜松春日
(シリウスKC)

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【時間停止勇者 4】
光永康則
(シリウスKC)

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【お嬢様の僕 8】
田口ホシノ
(シリウスKC)

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【この世界は不完全すぎる 2】
左藤真通
(モーニング KC)

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【進撃の巨人 33】
諫山創
(講談社コミックス)

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【赫のグリモア 5】
A−10
(講談社コミックス)

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【我間乱−修羅−14】
中丸洋介
(講談社コミックス)

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【アサルトリリィ League of Gardens -full bloom- 1】
月並甲介/阿羅本景
(KADOKAWA)

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【ヤングエース 2021年2月号】

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【スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 心をつなぐスープカレー】
友井 羊
(宝島社文庫)

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【毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理】
塔山 郁
(宝島社文庫)

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【ゴールデンタイムの消費期限】
斜線堂有紀
(祥伝社)

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1月7日
【ゆるキャン△ 11】
あfろ
(まんがタイムKRコミックス/フォワードシリーズ)

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【若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! 6】
森田季節/出水高軌
(ガンガンコミックスUP!)

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【冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 6】
斧名田マニマニ/唯浦史
(ガンガンコミックスUP!)

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【good!アフタヌーン 2021年2号】

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【私、能力は平均値でって言ったよね! 14】
FUNA
(SQEXノベル)

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【万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ 〜村ですが何か?〜】
九頭七尾
(SQEXノベル)

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【転生したらドラゴンの卵だった 〜最強以外目指さねぇ〜 13】
猫子
(SQEXノベル)

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【勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖女、お前に追って来られては困るのだが?】
初枝れんげ
(SQEXノベル)

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【大日本帝国の銀河 1】
林 譲治
(ハヤカワ文庫JA)

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【そいねドリーマー】
宮澤 伊織
(ハヤカワ文庫JA)

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1月6日
【1日外出録ハンチョウ 10】
上原求/新井和也
(ヤンマガKCスペシャル)

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【アダマスの魔女たち 5】
今井ユウ
(ヤンマガKCスペシャル)

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【ヤングマガジン サード 2021年Vol.2】

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1月5日
【願いを叶えてもらおうと悪魔を召喚したけど、可愛かったので結婚しました】
shiryu
(ドラゴンノベルス)

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【田中家、転生する。2】
猪口
(ドラゴンノベルス)

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【虐げられし令嬢は、世界樹の主になりました 2 〜もふもふな精霊たちにかこまれて、私、聖女になります〜】
桜井 悠
(ドラゴンノベルス)

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【最強錬金術師の異世界開拓記】
猫子
(ドラゴンノベルス)

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1月4日
【国防特行班E510】
神野オキナ
(小学館文庫)

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【呪術廻戦 14】
芥見下々
(ジャンプコミックス)

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【Dr.STONE 19】
稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)

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【チェンソーマン 10】
藤本タツキ
(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 20】
筒井大志
(ジャンプコミックス)

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【ワンパンマン 23】
ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)

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【ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS- 11】
古橋秀之/別天荒人
(ジャンプコミックス)

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【すいとーと! 3】
沖野ユイ
(ジャンプコミックス)

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【第9砂漠 3】
出口景
(ジャンプコミックス)

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【姫様“拷問”の時間です 5】
春原ロビンソン/ひらけい
(ジャンプコミックス)

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【ぼくらの血盟 1】
かかずかず
(ジャンプコミックス)

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【夜桜さんちの大作戦 6】
権平ひつじ
(ジャンプコミックス)

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【終末のハーレム ファンタジア 6】
LINK/SAVAN
(ヤングジャンプコミックス)

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1月1日
【嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい漫画】
40原
(ナンバーナイン)

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12月28日
【SPY×FAMILY 6】
遠藤達哉
(ジャンプコミックス)

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【SHOW BY ROCK!! 1】
邪武丸
(角川コミックス・エース)

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【スーパーのお兄さん 2】
河田雄志/行徒
(角川コミックス・エース)

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【高校事変 2】
松岡圭祐/オオイシヒロト
(角川コミックス・エース)

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【どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。1】
釜田/六つ花 えいこ
(フロース コミック)

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【まんがタイムきららキャラット 2021年01月号】

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【コミックライド 2021年1月号】

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【元勇者の公務員はゆっくり暮らしたい 1.帰還勇者、身分を隠してたのに新人冒険者の世話をすることになりました】
すえばしけん
(HJ文庫)

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【聖剣士さまの魔剣ちゃん 2 〜孤独で健気な魔剣の主になったので全力で愛でていこうと思います〜】
藤木わしろ
(HJ文庫)

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【最弱無能が玉座へ至る 2 〜人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる〜】
坂石遊作
(HJ文庫)

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【お知らせ:最強魔王はダンジョン経営で荒稼ぎを始めます! 2】
坂本一馬
(HJ文庫)

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【異世界迷宮でハーレムを 11】
蘇我捨恥
(ヒーロー文庫)

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【ワールドオーダー 5】
河和時久
(ヒーロー文庫)

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【落ちこぼれ竜騎士、神竜少女(バハムート)に一目惚れされる 2】
深山鈴
(ヒーロー文庫)

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【ファントム オブ キル 死の国の守り人】
櫂末高彰
(ファミ通文庫)

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【彼女できたけど、幼馴染みヒロインと同居してます】
桐山なると
(ファミ通文庫)

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【異世界のんびり農家 09】
内藤 騎之介
(エンターブレイン)

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【人類滅亡して最後の1人になったら?】
三河 ごーすと/フェルミ研究所
(エンターブレイン)

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【幼女信長の異世界統一】
舞阪洸
(エンターブレイン)

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【転生七女ではじめる異世界ライフ 〜万能魔力があれば貴族社会も余裕で生きられると聞いたのですが?!〜】
四葉 夕ト
(エンターブレイン)

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【ラピスの心臓 3.深紅の狂鬼】
羽二重銀太郎
(エンターブレイン)

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12月26日
【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 3】
荒三水
(モンスター文庫)

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【初級魔術マジックアローを極限まで鍛えたら】
ぺもぺもさん
(モンスター文庫)

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【冒険者をクビになったので、錬金術師として出直します! 〜辺境開拓?よし、俺に任せとけ! 5】
佐々木さざめき
(Mノベルス)

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【白衣の英雄 2】
九重十造
(Mノベルス)

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【最強陰陽師の異世界転生記 4 〜下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが〜】
小鈴危一
(Mノベルス)

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【幼女戦記 20】
東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)

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【幼女戦記 20 限定版 】
東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)

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【フェイト/エクストラ CCC FoxTail 9】
たけのこ星人
(角川コミックス・エース)

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【シャバの「普通」は難しい 4】
ばたこ/中村颯希
(角川コミックス・エース)

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【戦争は女の顔をしていない 2】
小梅けいと/スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
(KADOKAWA)

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【ざつ旅 ―That’s Journey―4】
石坂ケンタ
(電撃コミックスNEXT)

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【この美術部には問題がある! 13】
いみぎむる
(電撃コミックスNEXT)

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【タプリスシュガーステップ 3】
ばふぁこ/うかみ
(電撃コミックスNEXT)

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【姉なるもの 5】
飯田ぽち。
(電撃コミックスNEXT)

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【スーパーロボット大戦OG ―ジ・インスペクター― Record of ATX(7)BAD BEAT BUNKER】
八房龍之助
(電撃コミックスNEXT)

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【外道魔術師の憑依譚 2 〜最強剣士を乗っ取ったら、自分の身体を探すことになった〜】
羽鳥ぴよこ/新嶋紀陽
(電撃コミックスNEXT)

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【無職転生〜4コマになっても本気だす〜 3】
野際かえで/理不尽な孫の手
(電撃コミックスNEXT)

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【東方Project二次創作シリーズ 人間たちの幻想郷(前)】
芦山
(電撃コミックスEX)

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【魔王様、リトライ! R 2】
身ノ丈あまる/神埼 黒音
(モンスターコミックス)

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【農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。 6】
樽戸アキ/しょぼんぬ
(モンスターコミックス)

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【ムダヅモ無き改革 プリンセスオブジパング 9】
大和田秀樹
(近代麻雀コミックス)

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【桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 10】
ぽんとごたんだ
(アクションコミックス)

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【少年エース 2021年2月号】

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【コンプエース 2021年2月号】

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【月刊少年シリウス 2021年2月号】

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【電撃マオウ 2021年2月号】

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【月刊コミックアライブ 2021年2月号】

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【月刊コミック 電撃大王 2021年2月号】

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【コミック電撃だいおうじ VOL.88】

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【Comic REX 2021年2月号】

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【最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 5 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する】
タンバ
(角川スニーカー文庫)

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【『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。】
凪木エコ
(角川スニーカー文庫)

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【恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる】
夏乃実
(角川スニーカー文庫)

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【強気なお嬢様が俺の料理で甘々に】
雨宮 むぎ
(角川スニーカー文庫)

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【元カノと今カノが俺の愛を勝ち取ろうとしてくる。】
はむばね
(角川スニーカー文庫)

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【ひげを剃る。そして女子高生を拾う。5】
しめさば
(角川スニーカー文庫)

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【悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします 3】
浜千鳥
(角川ビーンズ文庫)

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【グランドール王国再生録 破滅の悪役王女ですが救国エンドをお望みです】
麻木 琴加
(角川ビーンズ文庫)

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12月25日
【ロード・エルメロイII世の冒険 1.「神を喰らった男」】
三田誠
(TYPE-MOONBOOKS)

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