書籍感想2021

転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3 ★★★★★   



【転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件 3】  雲雀湯/シソ 角川スニーカー文庫

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待望の夏休みが到来し、隼人と春希はバイトに遊びに忙しい日々がスタートした。月野瀬の幼馴染・沙紀が隼人に恋心を抱いていると気づいた春希は、胸がざわざわとして落ち着かなくなって……。

ああ、いいなあ! もう、素晴らしくいいなあ! 今回、ほんとに隼人がめちゃくちゃ春希の事大切にしてるんですよ。もちろん、今までも再会した幼馴染に対して隼人はこれ以上なく大切に扱い、宝物のように接してはいたんです。彼女のことを本当に大事にしていた。
でもそこには大切にしていたからこそ踏み込まないようにしていた部分があったんですよね。春希の気持ちを慮って、彼女のセンシティブな部分には触れないようにしていた。
それはさながら、箱の中にしまい込んだ宝物、とでも言うのでしょうか。
でも、再会してからこっち、春希も隼人も相手に新しい顔を見つけるようになった。成長して、高校生になって、男と女になって、どうしても過去と同じでは居られない部分が目につくようになった。
過去のままでは居られない。同時に、過去と同じままで居られる部分もある。そうした過去と現在、そして周囲との関係も含めて、隼人と春希の幼馴染関係は次の段階へと進みはじめていたわけです。
それは、触れても壊れない関係になったと言ってもいい。隼人は宝箱の中から、大事な大事な宝物を取り出して、その手の内に包み込んだのでした。
それは「掌中の珠」と呼ぶのが相応しいでしょう。
いやもう、隼人くん大事にしすぎだろう!? と、思わず唸ってしまうくらい、春希のことメチャクチャ大切にしてるんですよね。もうギュッと包み込んで一瞬たりとも離さないようにしているかのように。春希が、壊れてしまわないように。見失ってしまわないように。
もうその様子が、尊い。エモい。
こんなに大切に扱われるヒロインも中々いないんじゃないだろうか、というくらい。お姫様のようにじゃない、本当に宝物のように、大切に大切に。
春希は、そんな隼人にどれだけ安心を、安らぎを与えられているのだろう。今、とても大きな不安を抱えている彼女である。未だ癒えない傷に苛まれている春希である。そんな怯えを、凍えるような不安を抱え込んでいる春希にとって、隼人のそれはどれほど温かいものなんだろう。
彼が許してくれるのは、春希の全てなんですよね。過去も現在も、その生まれも何もかもを受け入れてくれている。男だろうと女だろうと関係なく、春希であろうとハルキであろうと区別なく、過去も現在もそしてこれからの未来ですらも彼は受け入れてくれようとしてくれている。それどころか、宝物みたいに大切にしてくれている、傷つけまいと壊すまいと包み込んでくれている。
この彼女の安堵感を、感じている温もりを、その掛け替えのなさを、文章の行間からどれほど感じ取れるだろうか。それこそ、目一杯伝わってくる。春希の、溢れ出す想いがこれ以上無く伝わってくる!
彼女がそこに、恋を重ねたい、愛を注ぎたいと思うことは当然で自然のことだろう。欲張りなんかじゃないよ、当たり前の感情だ。とても尊い恋のはじまりだ。
隼人の方も、幼馴染を大切に思う感情の中に、異性を意識してしまうことは当然のことで、なんら否定されるものではない。たとえ恋がなくても、お互いのことは唯一無二の大切な宝物で、でもそこにさらに恋や愛が加わり育まれていくならばそれはとても素敵なことなのでしょう。
とても素敵な、恋物語なのです。
甘やかという以上に、甘酸っぱいという以上に、眠気を誘うほどの温かで安らぎを感じさせてくれる幼馴染同士の恋。
一巻一巻、進むごとに恋模様が昇華していくのが本当に素晴らしい。心情描写から伝わってくる色彩が、感情の色鮮やかさが、豊潤さが、どんどん輝きを増しているかのようです。
これは本当に素晴らしい作品になりそう。

不穏と言えば、春希に「演技」の才能が誰の予想する以上に開花しはじめていることでしょう。母絡みの因縁から芸能界に嫌悪以上に生理的な拒否感を抱えている春希にとって、それは不安要素でしかないのだけれど、母との因縁に決着をつけるためには逃れられない障害なのか。

また、良いエッセンスとなっているのが隼人の妹の姫子なんですよね。彼女独りでどれだけのシーンで登場人物の感情を救ってくれたか。本人は自然体で振る舞ってるだけなのに、それが癒やしとなってるんですよね。その影響を一番受けたのが、人との距離感を見失って苦しんでいる、救いを求めていた一輝だった、というのが面白いところ。
そして、何も考えていない天然であるからこそ空気を変えてくれる存在だ、と見せていた姫子が不意に見せた失恋を乗り越えた大人びた顔。
姫子の存在って、単なるサブキャラじゃなくて作品の雰囲気そのものを一変させ、また下支えするほどの存在感を見せてると思うんですよね。色んな局面で主役の二人に匹敵するほどの重要なキャラとなっているような気がします。
そして、春希と隼人にとって先達というか見習うべき相手というか、参考書代わりになっている友人でありもうひとつの幼馴染カップル、それも正式にちゃんと彼氏彼女として付き合いだしている伊織と恵麻の二人も今回は非常に重要な役回りだったと同時に、彼ら自身とても初々しい幼馴染カップルでこっちこそ甘酸っぺー!の鑑でしたよ。

一輝の元カノにして芸能人でもある愛梨、彼女もまた一筋縄ではいかないキャラクターで単純なレッテルを貼ることの出来ない掘り下げ甲斐のありそうな人物の登場は、春希、隼人、一輝のこれからに深く関わってきそうで、今からハラハラしてしまっています。
でもまずはその前に、春希にとっての久々の田舎帰り。自分の居場所になれなかった故郷への帰郷、そして姫子を通じて友人となり、そして恋敵である少女沙紀との対面。それは春希にとって自分の中に芽生えた恋という感情に向き合う覚悟でもあり……
次巻もまた盛り沢山の内容になりそうで、うん絶対面白いなこれ。



乙女ゲームのハードモードで生きています 1 ★★★   



【乙女ゲームのハードモードで生きています 1】  赤野 用介/芝石 ひらめ 星海社FICTIONS

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西暦3737年ーー星間国家を誕生させた人類は、宇宙を舞台に4つの勢力に分かれていた。

ディーテ王国・王立魔法学院の生徒である男爵家令息ハルト・ヒイラギは、祖父の家でプレイした1700年前の日本の乙女ゲーム『銀河の王子様』と今の現実世界が酷似していることに気付く。

乙女ゲームと現実との繋がりを確かめるために、公爵家が未来に起こす事件に介入したハルトは、9万を超える破格の魔力値を得てしまう。

魔力値の高さが星間国家の国防能力に直結し、貴族階級をも決定づけるがゆえに起こる「貴族政治の陰謀」と「星間戦争による首星壊滅ルート」を避けるため、ハルトは魔法学院(乙女ゲームの舞台)から抜けだし、王国軍士官学校へ入学する。

だがそこでハルトを待ち受けていたのは、本来であれば魔法学院にいるはずの3人の貴族令嬢(ヒロイン)だったーー

乙女ゲームの知識で、貴族政治と宇宙戦争に勝利せよ!
ゲーム世界に転生、とかじゃなくて現地主人公のはずなんだけど、このハルトくん完全に人生ゲーム感覚ですよね、というくらいなんかゲーム実況でもしているみたいに、どこか第三者的感覚で物事や他人を見ているように見えます。
それは、いわゆるヒロインであるところの侯爵令嬢フィリーネ、メインヒロイン枠のユーナ、そしてメインヒロインの友人枠のコレットの三人に対してもどこか同じなんですよね。
彼女たちに対して果たして情はあるのだろうか。まあ情くらいは感じているんだろうけれど、どこかゲームのヒロインだから、という目線は常にあるような気がします。
そもそも、これ乙女ゲームなんですよね? どう見ても普通にギャルゲーみたいに見えるんですが。乙女ゲームってのは確か主人公である女の子がイケメンたちを攻略していくゲームのはずなのですが、面白いくらいきっぱりさっぱりとそのイケメンたち登場すらしませんからね。
そもそも、ゲームの舞台となる魔法学院に通わずに士官学校の方に進学してそこにヒロインたちがついてきてしまったのですから、そりゃ登場もなにもないでしょうけれど。
しかしてハルトは自分の出世と地位の安定と戦争敗北による破滅回避のために、ゲーム知識を利用してのし上がっていくのである。おまけに、悪役令嬢とその一家が仕掛けていた企みを逆に則って、魔力を横取りした結果、国家的戦略兵器として遇されるようになった、というだけでまあまあ将来の優位は勝ち取ったようなものだったのですが、ただ個人の力が強いだけだとイイように利用されるだけだと考えて、経済的バックグラウンドと政治的後ろ盾を求めるのですが、その一貫として外道妹との当主争いをしている侯爵令嬢フィリーネと、お互いに利益となる婚約話を結ぶわけだ。
完全に個人で政略結婚仕掛けてますなあ。
そこで恋愛感情が生まれるならそれはそれで王道のラブストーリーになるのでしょうけれど、フィリーネとの間で将来の主導権争いをしている時点で、愛情らしきものはそこには存在していないんですよね。ゲーム知識を生かして国家の戦略的重要物資の供給を握って経済的主導権を握ったハルトが完全に上から殴る形でフィリーネから主導権を握って、ぐぬぬさせる様子は自分が侯爵家に利用さず囲われて自由を失うのを嫌ったから、とは言えまあなんともはや。
ただ、フィリーネとハルトの場合そうやって駆け引きやっているのも恋愛のうちなのかもしれませんが。少なくともお互いに嫌いとか無関心ではないようなので。でも、自分のほうが主導権握って頭抑えたいから、好き勝手したいからで綱引きしているのはなんともねえ。
メインヒロイン枠であるユーナの方に声をかける、或いは粉掛けるのもこれ好きだから、というよりも選択肢にあがったから必然的に、という感じでまあやっぱりルート入っとくかー的ゲーム感覚っぽいんですよね。昔からの友人ゆえの情はあるんでしょうけれど。表向き男爵令嬢なユーナも、乙女ゲームの主人公らしく実は高貴な身、という裏事情もあるので、こっちもこれ政略狙いでもあるんだよなあ。
むしろ、いつもその所業に対して怒られてるコレット相手にしているときが一番人間相手にしてる感覚に見えてきてしまいます。

さて、肝心の星間戦争はその有り余る魔力を動力源に、イゼルローン要塞みたいな巨大宇宙要塞を動かすことになるハルトたち。移動要塞って、ぶっちゃけ天体級宇宙戦艦じゃないの、これ?
並の艦船では小舟を蹴散らすような戦力差。同じ移動要塞相手でも、超弩級戦艦と前弩級戦艦くらい差があるんじゃなかろうか、というくらいハルトの魔力で動かせる要塞の巨大さ、起動できる兵器の質と量は途方もなく、敵味方両軍が正面衝突しているなかを、ハルトの要塞が敵軍を真横にぶち抜いていき端から艦隊を一つ一つ壊滅させて戦域の端から端まで突っ切っていくシーンは、すげえスケールなのだけれど相手からしたら溜まったもんじゃないよな、これ。
本来なら、これだけ敵の主力艦隊壊滅させたらそれだけで戦争勝ったようなもののはずなのに、この最後の決戦はハルト個人としては戦術的にわけのわからない勝ち方をしているにも関わらず、戦略的には大敗北してしまうんですよね。戦争の行方は霧の向こう、ハルトも最大の武器を喪って、なるほど依然ハードモードである。

2021年10月読了ライトノベル系書籍からのお勧め  

読んだ本の数:33冊 うち漫画:14冊

積み上がっていたマンガの方を幾分か崩していきました。ライトノベルの方も先月読めなかった分と、さらに前々から積んでいたのを読んでいたので、今月新刊はあまり手を出せなかったかなあ。
【転生魔王の大誤算】は巻が進むほどにあわむらさんの手練手管が切れ味増してきて、どんどん面白くなってきてますねえ。
積んでた中では、【逆行の英雄】と【軍人少女】が非常に面白く、続きをぜひぜひ読みたいと前のめりになったのですが、どちらもまだ続き出てないんですねえ。軍人少女の方は12月に出るみたいなので、かなり楽しみにしています。


★★★★★(五ツ星) 0冊


★★★★☆彡(四ツ星Dash) 0冊



★★★★(四ツ星) 7冊

駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2】  書店ゾンビ/ユズハ オーバーラップ文庫(2021/9/25)
逆行の英雄 ~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~ 1】 虎馬チキン/山椒魚 MFブックス(2021/8/25)
亡びの国の征服者 4~魔王は世界を征服するようです~】  不手折家/toi8 オーバーラップノベルス(2021/9/25)
サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと】  依空 まつり/藤実 なんな カドカワBOOKS(2021/10/8)
薬屋のひとりごと 9】 日向 夏/しのとうこ ヒーロー文庫(2020/2/28)
転生魔王の大誤算 4 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート】  あわむら赤光/kakao GA文庫(2021/10/14)
軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜】  冬瀬/タムラ ヨウ 一迅社ノベルス(2021/3/2)


【駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2】  書店ゾンビ/ユズハ オーバーラップ文庫

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【逆行の英雄 ~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~ 1】 虎馬チキン/山椒魚 MFブックス

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【亡びの国の征服者 4~魔王は世界を征服するようです~】  不手折家/toi8 オーバーラップノベルス

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【サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと】  依空 まつり/藤実 なんな カドカワBOOKS

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【薬屋のひとりごと 9】 日向 夏/しのとうこ ヒーロー文庫

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【転生魔王の大誤算 4 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート】  あわむら赤光/kakao GA文庫

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【軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜】  冬瀬/タムラ ヨウ 一迅社ノベルス

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以下に、読書メーター読録と一言感想




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軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜 ★★★★   



【軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。〜乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?〜】  冬瀬/タムラ ヨウ 一迅社ノベルス

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貴族、令嬢たちとの華麗な学園生活でありますか!?
潜入 護衛 破滅回避
舞台はバトルファンタジー強めの乙女ゲーム!? チート軍人ラゼの異世界転生ラブコメ!


前世の記憶を駆使し、15歳にしてシアン皇国のエリート軍人として名を馳せるラゼ。
上司である鬼畜宰相閣下に命じられた次なる任務は、
セントリオール皇立魔法学園に生徒として潜入し、
お偉い様のご子息ご子女の未来を見守ること⁉
軍での生活とは一変、ご子息ご息女とのキラキラな学園生活に戸惑いながらもなじんでいくラゼだが、
突然友人のカーナが、「ここは乙女ゲームの世界、そして自分は悪役令嬢」と言い出した!
しかも、最悪のシナリオを回避しなければ、ラゼももろとも破滅する!?
その日からラゼは陰に日向に? イベントを攻略していくが、次々とゲームにはない未知のフラグが発生して――!?

前世知識と軍人として培った技能をフル活用して、このミッションを必ず成功してみせる!

【フルメタル・パニック】などに代表されるように、それまで普通の子供の平和な生活に縁のなかった物心ついたときから軍人や傭兵として生きてきた子が、突然普通の学生として学校に通うことになる、というストーリーの作品は往々にして、普通の学生生活に馴染めない主人公が常識はずれの突拍子もない行動を起こして、周りを混乱の渦に叩き落とすドタバタコメディになるのが定番といえば定番でしょう。
ましてやラゼが通う事になったセントリオール皇立魔法学園は王族や貴族の子女が通う選ばれしもののための学校。そこに平民のしかも成績優秀の特待生として過ごすことになるのですから、果たしてどんなシッチャカメッチャカなことになるのか、と色んな意味でドキドキしていたのですが……。

……このラゼって娘、めちゃくちゃ優秀じゃないか!
いやもちろん、ラゼも幼少時からずっと軍で生きてきただけに、周りに同世代の子供もおらず、そもそもこんな沢山の同じ年くらいの子供達と過ごすことじたいが初めてだから、戸惑いっぱなしではあるんですけれど、あくまで突然貴族の学校に通うことになった優秀な平民が、慣れない環境に戸惑っている、という範疇に収まってるんですよね。
幼い頃、戦乱と魔物の大量発生によって両親と幼い弟を喪ったときから、志願して軍に入りそれからずっと軍人として生きてきたラゼ。個人の能力のみならず、指揮官としての才覚も開花させ、わずか15歳で魔物討伐数で軍のエースオブエースとして名をあげ、国内有数の特殊部隊の隊長として戦果武功をあげまくっているエリート軍人。というと、軍の世界、戦うことしか知らない娘になってそうなのですけれど、元々転生者として前世の記憶を持っていることと、謀略畑にも足を突っ込んでいて社会の中に一般人として紛れ込む訓練も受けているものだから、容易にボロは出さないんですよ。
その優秀さ故に、どうしてもこの特待生すげえ! という形で文武で目立ってしまってはいるんですけれど、あくまで特待生として凄い! であって、そこに彼女の軍人としての正体がバレるような、それを連想させるような言動は一切見せていないので、少なくとも現状では彼女の正体に疑念を抱いているような人物は存在していない。
これ、潜入と護衛という任務からすると、相当に優秀なんじゃないだろうか。
もっとも、宰相や学園の理事長である王弟陛下など、ラゼに任務を与えた大人たちの思惑は純粋にラゼに年相応の平和な生活を送らせてあげたい、という好意であって、任務はあくまでお題目なんですよね。
ラゼの優秀さ故に、どうしても彼女のことを便利使いしてしまっていたけれど、彼女がまだ本来なら自分たちの子供達と同じく友人たちと学校に通っているような子供である、というのを彼らは忘れていなかったし、まだ幼かった彼女を軍に採用した人達も含めて、みんなずっと罪悪感を抱えていたんだなあ、と。
ラゼはあくまで、なにか裏の思惑があるんじゃ、とえらく曖昧な任務内容を勘ぐっていますけれど。
でも一方で、任務にかこつけてせっかくの機会だから、ちゃんと学生生活楽しんじゃおう、という柔軟な考え方も出来るんですよね、この娘って。もちろん、軍人として任務を忘れていないのですけれど、そうやってスイッチのオンオフをちゃんと出来るのも、ラゼの優れているところなんですよね。
そもそも、ラゼの頭の良さとか入学試験でトップの成績叩き出したのって、前世の記憶があるからとか全然関係ないんだよなあ。自己評価あんまり高くないけれど、チートとかじゃなくシンプルにラゼ本人が優秀極まりないんですよねえ。15歳で中佐にまで出世したのって、絶対彼女の素の能力ですし。
ともあれ、ラゼがちゃんと同い年のクラスメイトたちと仲良くなり、年頃の女の子らしくキャッキャウフフとはしゃいでいたり、興味ある生物学の学術研究にハマっていったり、と宰相たちの思惑通りにちゃんとキャンパスライフを楽しんでいる様子にはほっこりしてしまいました。
一方で軍人としての本分も忘れず、自分の任務の範疇と思い込んでいる国の有力者の子女たちの動向をきちんとチェックしつつ、仲良くなった公爵令嬢のカーナ(この娘もメチャクチャいい子なんだ)が自分と同じ転生者だと知ると同時に、この世界が乙女ゲームの世界だと知ったことから、悪役令嬢役となってるカーナの破滅を防ぐため、同じく友達となったこのゲーム世界のメインヒロインであるフォリアもちゃんと幸せになれるように、乙女ゲームのシナリオを覆すために駆け回り始めるのである。友達のため、将来国を支えることになる彼女たちの破滅が、国家の危機につながるからこそ、国防のために。
こっそりと次々起こるトラブルを解決して回るラゼの姿は、さながら影のヒーローという感じでこれはこれでカッコいいんですよ。
ラゼ当人はとても常識的で、ヒロインたちの悩みを聞く相談役にもなっているし、いざというときはささっと動いてスマートにトラブル片付けるし、堅苦しくなく柔軟に物事に対処するので、見ていて安定感が半端なくて安心感があるんですよね。それでいて、愛嬌たっぷりの年頃の女の子としての顔も失いませんし、上司の息子の顔色伺ったりと俗っぽさもあり、自然体のその物腰は可愛げもあってマスコット的なところもありますし、その有り余る才覚を発揮する姿は痛快ですらあり、とかく見ていて楽しい娘でもあるんですよね。
こういう主人公は、魅力タップリでほんと好きですわー。
これは早く続きが読みたくなる作品でした。面白かった!!


聖剣学院の魔剣使い 8 ★★★☆   



【聖剣学院の魔剣使い 8】  志瑞祐/遠坂あさぎ MF文庫J

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10歳児に転生した最強魔王とお姉さん達の学園ソードファンタジー第8弾!

ヴェイラと共闘し、〈海王〉を倒したレオニスの前に現れたのは、死んだはずのリーセリアの父、クリスタリア公爵だった。レオニスは彼を追い詰めるが〈天空城〉の次元転移に巻き込まれ、リヴァイズ、ヴェイラと共に異世界へ飛ばされてしまう。一方、帝都に残るリーセリアは鬼教官シャーリのもと〈聖剣剣舞祭〉に向けて特訓するのだった。「レオ君はこんなに厳しくなかったわ」「あの御方はあなたに甘すぎるのです!」そしてレオニス不在の中、陰謀渦巻く聖剣士の祭典が始まる――!

シャーリ、普通に見つかって正体バレましたな!!
今までこっそり隠密していた(ちらちら目撃はされてましたが)のがあっという間にパーである。いや、シャーリの存在がバレるにしてももうちょっと劇的だったりドラマチックだったり状況的に仕方なくだったり、というまあそれなりに格好の良い、或いは格好のつく正体バレになるのかな、と思っていたのですが、本当に普通にドアを開けたらばったり、というどうしようもない理由でバレちゃったんですが。
さすがシャーリ、ある意味期待を裏切らないw
まあレオニスの影武者でセリアさんには存在自体は知られていたので、仕方ないと言えば仕方ないのですが。
話の方は、レオニスとヴェイラ、リヴァイズという魔王が揃ったサイドと、聖剣剣舞祭に向けてのセリアたちの学園サイドの2局面での分割進行となっていましたが、ヴォイドや女神の秘密がわかりそうでわからない微妙なラインをずっとせめてくるなあ。
ヴォイドの誕生には女神が絡んでいるみたいなんだけれど、その女神の正体が果たしてレオニスの主君たるあの人なのかは、まだはっきりしないんですよね。ただ、はっきりと関係ない別人、とかじゃないのは、女神の使徒として暗躍している連中がどうも魔王の1柱だったり、レオニス含めた魔王たちの配下だったりする以上は、無関係ではないのだろうけれど。
とりあえず、クリスタリア公爵当人が黒幕だった、という展開ではなさそうなのでセリアさんの気持ち的にはちょっと安心した。これで父親がすべての黒幕だった、とかだったら救いようないですもんね。
しかし、レオニスのショタ化は他の魔王からしてもなかなか衝撃的だったのか。なんか感情が薄そうなリヴァイズですら、ショタコンの卦を見せてたもんなあw

実際、レオニスを直で見ても敵側の連中は彼を不死の魔王とは気づいていないわけですし。レオニスの正体に関する情報が敵側には完全に伏せられている、というのはやはり大きいアドバンテージですよ。未だ、不死の魔王は眠りについている、というのが相手の現状認識なわけですし。

そう考えると、レオニスの眷属でありながら今目立つ表舞台に立っているリーセリアはレオニスの秘密がバレる要因にもなるのか。実際、今現在女神の使徒として暗躍していたかつてのレオニスの部下であるイリスと交戦状態に陥って、レオニスから送られた戦闘衣装である真紅のドレスから何らかのレオニスとの関わりがある、と察知されてしまっているわけですしね。
でも、レオニスってかつての魔王時代の部下、みんなこう普通に悪そうな奴ばっかりだねw 
シャーリの中に封印されていた第3の眷属も大概アレな人みたいですし。ってかあれって、シャーリの別人格、ってわけじゃないのか。あくまでシャーリは肉体の器であり封印器であって、ラクシャーサと呼ばれる魔神の魂とは別の存在なのね。別人格、というのもシャーリ実はツヨツヨ、という感じで面白かったかもしれないですが。

さて、そのシャーリにスパルタで鍛えられまくっていたセリアさん。せっかく、修行強化がなされたのですから、やっぱりその成果を見せてくれないと。あの聖剣剣舞祭の対戦相手であるシャトレス姫も、同じ不死者として相対することに成ったイリスも、どうもセリアさんの事ナメくさって見くびっていらっしゃるようなので、ここはバシッと一発食らわせて目にもの見せてやらないと。
という場面で颯爽と現れてセリアさんを助けてしまうレオニスくん。君、ちょっと過保護すぎじゃないですか? そこはもうセリアさんに任せて自力でケリつけるのを見守るところですよー。
次回でちゃんと、セリアさんに決着任せてくれるかもしれませんが。


信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 8.光の勇者と人魔戦争 ★★★☆   



【信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 8.光の勇者と人魔戦争】  大崎アイル/Tam-U オーバーラップ文庫

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六国連合軍vs魔王軍――人魔戦争ここに開戦!

軍事国家・火の国と協力関係を深めた高月マコト。
これで六国連合軍による「北征計画」の準備が整った。
北の大陸で勢いづく魔王軍との開戦に備え、集結する各国勇者たち。
水の国の勇者としてマコトも作戦会議に参加するが、連合盟主である太陽の国の教皇に邪神の信者だと見抜かれ、いきなりピンチを迎え!?
そして、ついに魔王軍の主力「獣の王」と「海魔の王」が侵攻を開始。
ノアより授かった神気を駆使し、戦いを優位に進めるマコトだったが、凶報が届く。
「……このままでは『光の勇者』が命を落とします」
――それは人類最高戦力のクラスメイトを失う最悪の未来で……?
今ここに人魔戦争の幕が明ける。
桜井くんって、何気にヒロイン感強いんだよなあ。
同じ親友枠のふじやんは、独立独歩という感じでちゃんともう一人の主人公していて、特にマコトと関係なく一人で地盤固めていける印象があるのですけれど、桜井くんって完璧超人なのに、いや完璧超人だからこそ周りに頼れる人が居なくて、彼自身自分がやらないとと気を張っている所がある気がします。そんな桜井くんが唯一、自分の弱い所を曝け出してしまえるのが幼馴染のマコトなわけだ。
みんなのヒーローである桜井くんにとっての、ただ一人の自分にとってのヒーロー。いつも自分が困った時、どうしようもなく追い詰められた時颯爽と現れて助けてくれるヒーロー。それがマコトなんですよね。
マコトに対しての桜井くんのメンタルって、だから絶対にヒロインだってこれ。
マコトの方も桜井くんの事絶対的に信頼はしているんだけれど、同時にいつも心配していて気にかけているんですよね。この二人のお互いへ抱いている特別感は、なんかキュンキュンさせられてしまいます。
幼馴染なのにベタベタした関係じゃなくて、お互い呼び捨てとか渾名呼びじゃなくて、名字の君付けで呼んでいるのって、微妙に距離感があるんですけれどその距離感が不思議と特別な関係という雰囲気を醸し出してるんですよねえ、面白い。

さて、連合の大会議で各国の代表が集まっているという場で、ノアの使徒、つまり邪神の信者だという事が暴露されてしまったマコト。最初の頃は邪神の信者だとバレたら問答無用で異端審問で処刑ですよね、という話でかなり気をつけて秘密にしないといけない極秘事項、という話だったのですけれど。
狂乱しているのは教皇だけで、他の国の首脳部や勇者たちは、別にいいんじゃね? というOKOKな話に簡単になってしまっていたのには、なんか笑ってしまった。
いやそれだけ、マコトが各国を巡る間に交流を深めて、親交を広げていたという事なのでしょうし、何気に神々がノア様の事別に敵視も何もしていなくて、水の女神のエイル様みたいに親しくしてくれている神様もいるくらい、というのも大きかったのでしょうけれど。主神の太陽神から、別にノアの信者だからって何の問題もありませんよ、というご神託まで授かってたんじゃ、むしろ敵視している教皇の方がおかしく見えてしまいますよね。
それでも、いざとなったらマコトの側に立つよ? あん? やるの!? やったるの?
という感じで、桜井くんは当然としても各国の勇者たちが当然のようにマコトの側に立ってくれるのは、わかっていても嬉しいものです。
教皇という不穏分子はあるものの、概ね各国纏まってきているんじゃないだろうか、これ。前回の火の国での活躍で、強国である火の国が全面支持になってくれたのは大きかったんだなあ。太陽の国の勇者の桜井くんと姫が支持強めてくれているのも助かってるし。ソフィア様、水の国存在感薄いですよw
オマケに、今回の一件で運命の女神のイラ様が盛大にやらかしてしまったのを助けてもらったことで、マコトたちに頭あがらなくなったのは、微苦笑ものですけれど彼女の予言や巫女の権威など助けになることも多いだけにありがたいことこの上なし。
それにしても、イラ様ってばポンコツ可愛かったなあ。いや、気持ちはすごくわかるんだけれど、やり方が場当たり的すぎて、結局大ぽかやらかしてしまうのはポンコツと言われても仕方ないでしょうこれ。

今回は桜井くんがメインヒロイン枠だったようなものですけれど、一方で本来のヒロイン枠としてはついにフリアエ様がマコトにグラグラしはじめて。
って、もう既にとっくの昔に桜井くんへの恋心には決着つけて、マコトの方に惹かれはじめていた、と思っていたけれど全然当人の自覚なかったのか。マコトがモテてる様子にサバサバした態度なのも、そういうキャラクターだからだと思っていたのだけれど。
段々と、他の女の子とイチャツイているマコトの姿に穏やかならざる気持ちになってきて、モヤモヤが募っていくあたりは恋の始まりを感じさせて、によによさせてくれるものでした。
なんだかんだと、主と騎士の関係であるマコトとフリアエって一緒にいることが多くて、一番フリアエが占有率高いと思うんですよね。そりゃ、フリアエが本気になったら一番有利になりますわ。サーさんとルーシーが危機感覚えるのも仕方ないですわ。ちなみに、ソフィアさま……頑張れ、あんまり会えなくても頑張ってw



悪役令嬢の兄に転生しました ★★★☆   



【悪役令嬢の兄に転生しました】  内河弘児/キャナリーヌ TOブックス

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「おにーたま?」
乙女ゲームの攻略対象キャラに転生したカインは、妹・ディアーナの愛らしさに悲鳴を上げた。この天使が、数多の破滅エンドを迎える悪役令嬢になるなんて信じられない——いや、そんな未来があっていいわけがない! 強く拳を握ると、妹を優しい淑女へと育て上げつつ、ヒロインに成り代わって、他の攻略対象キャラたちの抱える闇を次々と払拭【ふっしょく】していく。頼りは前世のゲーム知識と孤児の侍従。全ては愛する妹のため——兄の挑戦が今はじまる!
「おにーたま、ディ、にんじんもたべたのです!」
「えらい! ディアーナは何て素晴らしいんだ!!!」
今日も兄が妹を溺愛する、 破滅回避のフルラブ・ファンタジー!
自分には子供はいないのですけれど、親戚の子なんかと触れ合っていると丁度立ち上がって歩き出す頃から4、5歳頃が一番可愛いんですよね。ほんともう、ただただひたすら可愛い。何から何まで何しててもかわいい。
笑顔も愛くるしさも、無邪気さも何もかもが愛おしくなってくる。
もちろん、これは一時的に遊んであげたりしているだけの人間からの感想であって、四六時中一緒に居て面倒を見なくてはいけない親からすると、可愛いだけではやっていけないのでしょうけれど、それでも幼児の可愛さって原動力になると思うんですよね。
カインは、そんな妹の可愛さによってエンジンがフルスロットルに入ったままギアチェンジできなくなってしまった妹狂いである。自身もまだ幼児のくせに、妹の可愛さに顔が崩れて身内から顔が気持ち悪いと言われてしまうほど相好を崩してしまうヤバいやつである。
まあ、気持ちはわかる。ディアーナの愛くるしさ、カインを慕って懐いてくる様子の可愛さは限界突破してるもんなあ。この作者さんって、幼児のあの無垢で心をくすぐる特有の仕草とか言動の描写が実に堂に入っていている。カインの前世は、幼児の知育玩具関連の仕事についていたらしいけれど、作者も何らかの小さい子関係の仕事についているんだろうか、と思うくらい描写にリアリティを感じるんですよねえ。
可愛らしさだけじゃなくて、あの歳の子供の親に対する愛情の求め方とか、寂しさや不安を抱えている時の振る舞い、どうしたらいいかわからなくて途方に暮れている面を内側に秘めながら我慢している様子とか。
両親含めて作中の大人たちもカインについては誤解していたのだけれど、彼って妹のディアーナしか眼中にないし、あらゆる事がディアーナ中心に回っているのかと思っていたのだけれどそんなことはなくて、結構周りにもちゃんと目を配っているんですよね。
だから、最初の出会いの時についついディアーナに乱暴を働いてしまって、カインが敵認定してしまった王太子のアルンディラーノが抱えていた親からの愛情を求めて途方に暮れている様子にもすぐに気づいているわけである。王子殿下、最初の印象悪かったのだけれど、ちゃんと謝るし端々の言動からとても素直でイイ子である事が伝わってきたのですけれど、それ以上にこの子が抱え込んでいた寂しさや不安にすぐに気づいて、それを放っておけなくなって親身になって面倒を見出すカインが、もうこの子根っからのお兄ちゃんだ、ってなるのですよ。
悪役令嬢の兄に転生しました、なんてタイトルだけれど、これ実際は自分よりも年下の子供達全員のお兄ちゃんになりました、ですよ。
この物語における親たちは、みんな自分の子供達への愛情は普通以上に抱いているはずなんですけれど、王族や貴族という立場や慣例、仕事の忙しさや価値観からか、その愛情を子供に伝えることに盛大に失敗しているケースばかりでした。親たちの愛情が、子供達に届いていなくて、子供達は親からの愛情に餓えたままどこか歪みを生じさせていってしまう。その結果が、乙女ゲームのスタート地点で登場人物の大半が欠落や精神の歪みを抱えてしまっている、という状態だったわけです。
それを、まだ初期段階でカインがそれぞれ気づいていくわけですね。前世で幼児の知育玩具の営業なんかで幼児と触れ合うことの多かった彼は、そのあたりの知見に富んでいたのですね。そして知識以上に、幼い子供達への慈しみ、この年頃の子供たちに対して惜しみなく愛情を注ぐことを厭わない大人の感性が、彼の中には最初からあったわけです。
カインから、目いっぱいの愛情を惜しみなく注がれて、ようやく乾きや餓えから逃れられる幼児たち。そして、子供との接し方に失敗している親たちに意見したり環境を上手く整えたりして、彼らの愛情がちゃんと子供達に届くように、子供達が理解できるように、鎹として働くカイン。
そんなカインだから、子供達からはお兄ちゃんとして慕われ、大人たちからも絶大な信頼を寄せられることになるのです。
でも、誰もが忘れているのですけれど、カインだってディアーナやアル殿下たちとそんなに歳が変わらない幼い子供なんですよね。前世の記憶があるからといって、幾ら大人びているからといって、カインが子供である事実は消えないのです。
彼だって、どこかで愛情を求めていたのでしょう。そもそも、本来ゲームでも攻略対象であるカインは、親からの愛情を感じられなかったことで心に虚を生じさせてしまい、それが主人公となるヒロインによって解消されることでルートに突入するという展開が待っていたわけですから。
カインの両親も、カインの愛情の注ぎ方を見て、というかカインとディアーナの取り合いをしながらも、ちゃんとカインの事も慈しんであげなければ、と蔑ろにしないように心がけていたりしていたものの、与えるばかりのカインの燃料が切れてしまう場面が訪れるのは必定だったのかもしれません。
そんな時、カインと同年代の、カインが助けて従者として側に置くことになった暗殺者となるはずだった少年イルヴァレーノ。唯一カインがお兄ちゃんとして、年上として、愛情を注ぐ相手として接する必要のない、対等な存在。身分の差はあれど、主従の関係ではあれど、お互いに抱えていた孤独や痛みを理解し分け合える存在として、いつしか友達として、親友として、理解者として、傍らに立つようになった彼の支えのおかげで、カインの頑張りって一方的なものではなくなった気がするんですよね。
その意味でも、イルの存在ってカインにとって大きいどころじゃない、無二のものになったんじゃないかなあ。二人の最初は馴れ合わない、でも徐々にお互いにかけがえのない存在になっていく男同士の友情のお話としても、すごく心に刺さるものがあるストーリーでした。
妹のことを溺愛しているカインですけれど、その愛情はあくまで兄としてのものですから、然るべき相手が、妹をちゃんと幸せにしてくれる相手なら別にディアーナの事束縛したりしないと思うのですが。
アル殿下はダメみたいですけど。アル殿下がどうこうじゃなく、ゲームのシナリオ的にあまり幸せになれそうにない、という理由からで、アル殿下ほんとにいい子なのでこのままだとカインも反対拒絶しなくなりそうだけれど……でも、カイン的にはイルが一番いいんじゃないだろうか。今はまだそんな話、欠片も持ち上がっていないけれど。でも、ディアーナもイルのこと兄様と呼んでカイン以外では一番慕ってるしなあ。まあまだまだ遠い将来の話である。
なんにせよ、幼女のみならず男の子女の子関係なく、一番可愛い盛りの幼児たちの愛らしさを目一杯堪能できる実にこう癒やされる作品でした。カインの全方位お兄ちゃんっぷりが、なんとも痛快でもありました。こんないいお兄ちゃんが居てくれたらなあ。






未実装のラスボス達が仲間になりました。★★★   



【未実装のラスボス達が仲間になりました。】  ながワサビ64/かわく エンターブレイン

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新型VRMMO“eternity”の第2陣テスターとして選ばれた修太郎。ランダムスキルで“ダンジョン生成”を得た彼は、さっそくスキル発動する―時同じく、mother AIの暴走によりプレイヤー達はゲーム内に閉じ込められ、ゲームの死=現実の死、となるデスゲーム世界になってしまった。デスゲーム開始と同時にスキルを発動した修太郎は、座標バグにより実装予定の最終エリア“ロス・マオラ城”にいた。そこにいたのは、世界を統べる予定だった六人の魔王。スキルによって魔王並みに強いスライムを誕生させたり、モンスターの城下町を楽しく発展させたりする修太郎に、六人の魔王たちは徐々に惹かれていく。そうして魔王たちの加護を得た修太郎は、当初の目的である冒険を始めようと始まりの街に戻るのだけれど―。魔王達と楽しくデスゲーム世界を切り拓く、ある少年の成長冒険譚開幕!7話+書き下ろし「死族の魔王」。
未実装って、まだ実装していない待機状態なのか、それとも実装する予定がないままお蔵入りしていたのか、どっちなんだろう。
いずれにしても、固有の意識があるにも関わらず、ラストダンジョンに閉じ込められたままだった、というのは牢獄みたいなもんですよね。
でも、ラスボスが6人もいるというのはどうなんだろう。というか、ラスボスって比喩なだけで別にゲームのトリを飾るボスキャラではないみたいだけれど。強いて言うなら裏ボス? 或いは野生の野良ラスボス。そういうのって、自分の世代だとまず「神竜」と「オメガ」のイメージになってしまうのですが。
ともあれ、そんな彼ら魔王たちを眷属にしてしまった修太郎くん。彼の情報、ほとんどないまま話が進みだしてしまったのでわからなかったのですが、彼って中学生らしいのだけれどどうも中学生は中学生でも成り立て。まだ一学期かくらいのちょっと前まで小学生だった年齢みたいなんですよね。
どうにも言動が幼いというか純朴というか。最近のこの界隈の小説は、小学生だろうと幼稚園児くらいの年齢だろうと関係なく大人仕様の言動をするのが普通みたいになっているので、普通の小学生ってどんなだっただろう、とわかんなくなってるのですが、だいたいこのくらいの年齢の子供というと、同時にあれこれと並列的に考える事よりも取り敢えず目の前のことに夢中になっちゃいますよね。
修太郎くんも、最初はデスゲームがはじまってしまった事に怯えていたものの、次にわけのわからない魔王たちを眷属にしてしまって途方に暮れて、次に色々と与えられてしまった報酬やスキルを使ってあれこれ試してみることに夢中になって、と取り敢えず目の前のことに頭がいっぱいになってしまうところや、ラスボスたち相手にも不器用に仲良くなろうとするところなど、微笑ましい子供っぽさが随所に見られて、なんだかほっこりしてしまいました。
絶対戦力とも言えるラスボスたちを眷属にしたことで、如何用にも彼らを利用して利益を得たり、名声を掴んだり、果ては好き勝手なんでもすることが出来るだろうに、そういう恣意的な発想がそもそも生まれずに、街づくりなどゲーム的な要素を夢中になって遊んで……本人感覚ではこれゲームで遊んでる感覚なんだろうな。まあそういう姿は純粋に楽しそうで、ラスボスたちもあんまり不埒なことは考えてなくてなんだかんだと修太郎に従う気満々なので、随分と平和な空気感になっている。
こちらは、死者の女王たるバンピーが実質ヒロイン的な立ち位置なのかしら。

一方で、他の一般プレイヤーたちはというと、こちらはこちらで真面目に純粋にデスゲームに巻き込まれ阿鼻叫喚の真っ最中。いや、なんか随分真っ当にデスゲームに立ち向かってるなー、と逆に感心してしまった。これだけ真面目にデスゲームしてくれると、運営の方もやった甲斐あったんじゃないだろうか。
有力ギルドのリーダーから、巻き込まれたプレイヤーたち全体のまとめ役として立ち上がったワタルを中心に、なんとか生き残り戦略を建てていくプレイヤーたち。
でも、一致団結して対処しようという姿勢に背を向けて、個々に先のフィールドに進んでいってしまうプレイヤーたちもいれば、戦闘に参加せずに引きこもるプレイヤーもあり、とまあ案の定立ち位置からなどの揉め事が増えていってしまうわけだ。
それでも、最初からほぼ滅私奉公的にプレイヤー全体を助け生き残らせようというワタルを中心としたギルドの献身的な働きは、なんとかセーフティーネットとして機能して、士気の瓦解、パニックの拡大を防ぐことに成功してるんですよね。これは控えめに言ってもよくやったよなあ、と感心してしまいます。
それでも、体制が安定する前に安全フィールドのはずの街自体を崩壊に追い込むイベントを早々に盛り込んでくるあたり、運営の殺意相当高いんじゃないだろうか、これ。
これ、修太郎君というイレギュラーがなかったら、かなり高い可能性でギルドの首脳部壊滅していたわけですから、早々に安全なはずのフィールドがなくなり、プレイヤーたち壊滅状態に陥って一部の戦闘職しか生き残れなかったんじゃないだろうか。
この運営、ゲームバランスとか考えてないな、さてはw

ゲーム初心者ながら、今回のイベントの攻略の鍵となったミサキの、無力でありながらみんなの為に戦おうとする意思が、修太郎との出会いを生んで壊滅の危機を救ったように、あっちこっちで一人ひとりが生き残るために必死に戦う様子が描かれている、あとがきでも書いていたけれど群像劇なんですねえ、これって。
でも、修太郎以外のプレイヤーってほんとにギリギリで必死に戦っているので、空気としては悲壮感すら漂う切羽詰まったものなわけです。
修太郎サイドのあの修太郎の気質も相まってほのぼのとしているのんびりとした平和な空気感とは、寒暖差がありすぎるんですけれど、これって修太郎の戦力が極まりすぎてて彼が手助けしたらあっという間にデスゲーム崩壊してしまうんですよね。何気にこっちもゲームバランスがヤバいことになっているのだけれど、果たして修太郎サイドと一般プレイヤーサイド、どう絡めていくんだろう。
あんまり修太郎が前に出てきてしまうと、ほんとにバランス崩れてしまいますし。そのあたりのお話の進め方は気になるところですねえ。


剣と魔法の税金対策 4 ★★★☆   



【剣と魔法の税金対策 4】  SOW/三弥 カズトモ ガガガ文庫

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「税天使」ゼオスが絶体絶命のピンチ?

「我が配下となれば世界の半分をくれてやろう!」
「え、マジ?わかった!」
魔王♂と勇者♀が交渉成立!と思ったら、天から「贈与税がかかります」の声。
絶対なる税金徴収者である「税天使」が現れた!え、神様に税金とられるの!?
“世界の半分”という莫大な資産にかかる超高額の贈与税に焦った勇者♀は税金逃れのために魔王♂と偽装結婚!そして、そんな二人を助ける『ゼイリシ』の少女も登場!
みんなでいろいろ頑張って、超赤字経営のトンネルの先の光が見えてきた!と思いきや、なぜか、城の設備が次々と「テキタイテキバイシュウ」され始めた!
そんなことをするやつは…え!!魔王たちに恨みを抱く、元魔族宰相のセンタラルバルド!?
こんな時にはこわーい税天使ゼオスが味方になってくれる!ゼオス召喚!…ところがなぜか、ゼオスが現れない。ゼオスに一体何が起こった??
こうしている間にもどんどん「テキタイテキバイシュウ」は進んでいく…!「異世界初の異世界税制コメディ」、グイグイきてる第四弾!

敵対的買収ってのは、本来は目的の企業の株式を買い集めることなんですが、魔王軍って株式上場してたっけ? と思ったら、なんか直接魔王城の施設を勝手に値段つけて所有者に無断で買収しはじめて、何じゃそれー!?となったんですが。
いやそれはさすがにルール無用すぎるでしょう。税悪魔きたない! そりゃ邪法だよ、なんでもありじゃないか、それ。
ここまで無法を押し通せる税悪魔に対して、法の執行者として非常に厳密な中立性を強いられる税天使とでは税悪魔の方が有利すぎないだろうか、これ。実際、前回クゥたちに立場で許されない以上の肩入れをしてしまったためにゼオスは罰せられてしまい、封印刑に処せられてしまったわけですし。
もちろん、恣意的な運用を法の執行者が出来ないように、その振る舞いが厳しく監視されるのは当然なのですけれど、法の悪用をこれほど大仰にやってしまっている税悪魔に対して、マルサのような積極的能動的に違反者を摘発して回る税天使はいないのだろうか。
ゼオスがその権限も持っている税天使なのかもしれないけれど。

さて、今回はそのゼオスの過去がメインとなってくる。数百年前、まだ彼女が人間だった頃の昔の話。敵対的買収という現代の経済活動と、徴税人という近代には消滅した過去の税法の徒花が同じ巻で語られるというのは面白い構成ではあるんだけれど、過去の戦乱の時代に徴税人という制度を廃止したザイ・オーの先進的な思想をより引き立てさせるためにも、現代パートではもっと徴税人制度などと対比させる形での現代の税法を見せてほしかったかなあ、とちょっと思った。今回は現代パート、ちょっと税法とは関係ないかなりハチャメチャな邪法がまかり通っていましたし、あんまり税法の勉強にはならない展開でしたしね。
しかし、ゼオスの過去があんなだったとは。今のクールで融通の聞きにくい堅物天使とは、人間時代はキャラが違っていた、みたいな話は前からありましたけれど、キャラが違うどころじゃなくてもう別人じゃないですか。
これはブルーやメイが気づかなかったのも無理はない。ってか、完全にメイ互換の考えるより手が出る方が早い脳筋キャラじゃないですかー。これがどうやったら今のゼオスになるんだ? その変遷が想像できなさすぎる。
それだけ、彼女が税天使になるに至った後悔が大きく、人格を変えるほどのものだったのか。まあそりゃそうだろうね。彼女が自ら語った過去からすれば。
メイも、ブルーを喪ってそのきっかけに自分の判断があったとしたら、ゼオスみたいになる可能性もあるんだろうか。
いや、それよりも「手段を選べないときほど手段を選ばなければならない」というゼオスの後悔。それに反する形でかつてのザイと同じように、手段を選べないほどの大ピンチの中で手段を選ばなかったクゥ。その判断がどう影響してくるのか。これって、大きなターニングポイントだったんだろうか。

ところであの赤毛繋がりなど共通性の高さは、メイとゼオスに何らかの血縁関係とかあるんだろうかねえ。ゼオスとザイが実際どういう関係になったか、についてはゼオスは語ってくれませんでしたしね。それこそ無二というほど親しく近しい関係だったことは間違いないのですが。
で、過去の世界ではブルーたち魔王の一族の始祖となった少年タスクと、その兄貴分であり盟友でもあったザイ・オーという魔界統一の立役者であり改革者、と将来になる若者たちと出会うのだけれど……、これってモデルは徳川家康と織田信長ですよね。エンド国って思いっきり尾張だし、トライセン国って三河じゃまいかーw



魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1・2 ★★★★  



【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1】  ツクモイスオ/三田誠 BLADEコミックス

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これは、世界に色彩をもたらす為の物語。

舞台は仏国、巴里。
孤児であり外国人である少年・青の元に現れたのは、“影の茨"と並び立つ力を持つヒト為らざる魔法使い。
その身に秘めた力を見初められ、『妻』として娶られた少年は、世界における様々な色を識ってゆく――。




【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 2】  ツクモイスオ/三田誠 BLADEコミックス

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色を従え、色を揮え。全ては、私を殺す為に。

突然娶られ、地上での生活が始まり混乱する青。
しかし、ジゼルに助けられながら自らの力を理解していく中で、
意志の力が芽吹き始める。自身の名を冠する色を配下に置き、
人として生き始めた中で青は、不思議な男・アルベールに出会う。
飄々とした態度で人助けを行う彼に好感を持つ青であったが――……。

ヤマザキコレ先生の【魔法使いの嫁】と同じ世界観の中で描かれるもう一つの物語。そのスピンオフは人外×少年。その脚本を手掛けるのは【レンタルマギカ】や【ロード・エルメロイII世の事件簿】という魔術師たちの物語を描き続ける三田誠さん、とくればまず読まずにはいられません。
三田さんというと、古今の魔術大系を描かせればその深奥を垣間見せ、魔に魅入られ傾倒する魔術師という人種の異質さを見せつけてくれる作家さんであると同時に、そんな人からハズレていくはずの魔術師という人々のどうしようもないくらい人らしさ、どれほど踏み外しても彼らは心を持つ人間である、という人間性をこの上なく描き出してくれる人なんですよね。

魔法使いの嫁、の世界においても魔術師は人から外れるほどに誉れとされる。姿形が異形と化すことこそが尊ばれる。そしてそもそも生まれからして人ならざる人外たちは、魔の深奥に佇む尊き存在だ。そんな人外の魔法使い、ジゼルと巡り合い望まれ夫となった孤児のアオ。本来魔術的契約に過ぎない結婚の儀式によって結ばれた二人は、しかし少年アオの純粋さゆえに人と人として、向き合うことになっていく。人ならざる者であるはずのジゼルが、アオの直向きなまっすぐさにただ一人の人としての自分を突きつけられていくのである。
アオくん、かなりしんどい幼少期を送ってきて、さらに異邦人の孤児として疎まれ虐げられてきたにも関わらず、どうしてこうまで裏表なく素直で淀みなく育ったのか不思議なくらいイイ子なんですよね。
でも、それはどこか没頭の狂気が根底にあるような、画家としてのそれも資質か。真っ白なキャンバスに色を塗り込める絵師の自身に色があってはならぬ、と言わんばかりのフラットさ。
でも他人の心を受け止め絵にできる豊かな感受性もあり、決して空虚ではない。その直向きさは、一生懸命さは空っぽとは真逆ですらある。
そんな彼が、本当に裏表なくジゼルの姿形も生き方もあり方も、素直に褒めるんですよね。彼女のことを綺麗だと言ってはばからない。心から美しいと思って、それを言葉にすることをためらわない。だって彼にとってそれは自明のことだから。
でも、ジゼルからするとそれってかなりの殺し文句なもんだから、ひっきりなしにグサグサとクリティカルに刺さってしまう。惹かれてしまう、心を縫い留められてしまう。かなり早い段階で、アオに対して夢中になってますよね、この魔法使い。でも自覚はないんだろうなあ、どうにも彼女はずっと終わることばかりを考えて生きてきたようだから。
本作は人外×少年という以前に年上の女性と幼気な少年という構図にもなっているものだから、そういう年の差関係特有のあれこれがあるかと思っていたんですよね。ほら、お姉さんキャラが小さな男の子をからかって少年の方が顔を赤くしながらお姉さんの自由さに振り回されてしまうみたいな。
でも実際は逆だ、逆じゃないですか。ジゼルの方が余裕ぶった姉めいた振る舞いでアオを翻弄するのかと思ったら、むしろアオの方がジゼルを翻弄しているのである。
アオのその本質を見る目で捉えたものを率直に口にするところが炸裂してしまっていて、概ねジゼルのことをナチュラルに褒め口説く様相になってるんですよね。アオは思ってることを口にしているだけで口説いてるつもりなんか毛頭ないんだろうけれど、完全にこれ口説いてますって。
おかげでジゼルの方が照れ照れして狼狽しているわけです。威厳を保とうとしながら顔を赤らめているところなど、微笑ましい限りで。そういうところ、普通に可愛らしい女の人、になってるんですよね。
こういう繊細な表情を、しっかり描いてくれている漫画家さんがまた素晴らしい。明らかに人外の容姿、そもそも顔の作りからして獣のそれで人間の女性の美人とは程遠い造作にも関わらず、ジゼルって確かにすっごい美人だと感じるんですよ。めちゃくちゃキレイな女の人、となんでかひと目で見てわかる。
それにパンツルックはやたらとシュッとしてカッコいいし、中華服なんかこれはこれでやたらと色気とスタイリッシュさがあってカッコいい美人になってるし。
アクションもメリハリあって動きが力強く、面白い。これは良い絵師さんとのコンビによるスピンオフになったなあ。

欧州は巴里を舞台とした物語ではあるものの、巴里にある魔術師たちの共同体はルーン魔術の騎士団、エジプト魔術のウジャト図書館、そして中華に源流がある四象會という組織によって形成されている。これだけ多種多様の魔術大系が話に中枢を担っているのは、さすが三田さんというべきで、物語としてもそれぞれの魔術大系がしっかりと存在感を示していて、見える景色が多彩ですごく面白いんですよね。
ジゼルとアオの夫婦という関係にも、アルベールというジゼルの前の弟子にして妻だった男の登場によってグイグイと踏み込むきっかけが出てきましたし、これは本編の【魔法使いの嫁】に負けず劣らず惹かれるシリーズになりそうです。

変人のサラダボウル ★★★☆   



【変人のサラダボウル】  平坂読/カントク ガガガ文庫

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異界の麒麟児、混迷の時代に笑顔をお届け!

貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。

なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。
一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。

前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。

平坂読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々登場!

国が滅びた際に「門」を通って逃げてきた帝国の姫サラがたどり着いたのは、現代日本の岐阜であった。どこだよ岐阜って。と言われれば、美濃ですと返します。少なくとも、関西者としては関東圏に比べればまだ良くわかる。歴史ものでも信長主役となると、一番最初に濃厚に描写されるところですもんね。
でも、信長って尾張出身だからね! 美濃は斎藤さん家じゃないですか。まあ岐阜城築いて拠点としたのだから、信長の本拠というのは間違いじゃないけれど。
いやでも、あんな堂々と黄金の織田信長像を駅前に建ててるのってなんか凄いですよね。あれ、実際にあるのか。存在するのか。凄えな。凄えな。色んな意味で凄いとしか言いようがない。
ああでも、サラがどうして岐阜に現れたのかはちゃんと理由があったのか。

さても、異世界から現代日本に異世界の姫と女騎士が現れて、となると現代日本と異世界とのギャップによって生じるドタバタ劇が、と言いたい所だけれど、この姫サラと騎士リヴィアと来たら速攻で現代に馴染み、或いはサラに至ってはおっさんの領域に足突っ込んでいる探偵鏑矢惣助よりもよほど現代のツールに通じてしまうくらい、まあ毒されてしまうので、あまり異世界の少女達、という風情ではない。魔法とか使えるけどね。
リヴィアに至ってはなんでか練達のホームレスへと馴染んでしまい、たくましく現代日本の一番底らへんの世界を生きている。いや、異世界人にしても元はエリートだった騎士なのに、どうしてホームレスなんて生き方に慣れ親しんでしまったんだろう。素質があったらしいのだが、ホームレスの素質才能って……。
ともあれ、サラは貧乏探偵の居候兼助手として事務所に潜り込み、リヴィアも一度はサラと再会したものの鏑矢の元に転がり込むには鏑矢の稼ぎでは二人を養うことは出来なかったので、早々に事務所を出て再びホームレス生活に勤しむことに。いやさ、わりとハマったんだろうかホームレス生活。
まあ戸籍もなければ外国人としてのビザもない者としては、定住も難しいしまともな職につくのも難しいので仕方ないのだが。
というわけで、リヴィアの元には胡乱な仕事やちょっと法律に引っかかりそうなヤバいあれこれ、さらにはカルトの勧誘など、東京みたいな大都会じゃないけれど、地方都市でもありえるアングラな仄暗い事案が次々と飛び込んだり巻き込まれたりすることになる。
ホームレスに馴染んだとは言え、リヴィアはある意味現代社会とは隔絶した世界で生きてきた人間だ。適応力は十分にあるが、現代社会の闇を見るにはその視点はまだまだフラットだと言える。そんな彼女から見た、仄暗い真っ当ではない生き方をせざるを得ない人々の姿、そんな彼らへのリヴィアの好悪のない率直な感想はなかなか来るものがあるし、彼らからみたリヴィアという馴染みながらも染まらない得意な目立つ存在は色んな意味で注目を引いていくのである。

一方でサラの方はというと、案外マトモに鏑矢の探偵業の手伝いをしてるんですよね。食っちゃ寝してばかり、なんてことはなくなんだかんだと生意気言いながらもお手伝いに勤しんでいる。好奇心の為せるところだろうけれど、それなりに働き者とも言えるじゃないか。むしろ探偵の方が、あんまり教育に良くない探偵のお仕事にまだ子供のサラを連れ歩いていらんものを見せるのを忌避している。
いやしかし、探偵がメインの話で浮気調査や民事トラブル解決など現実の探偵らしい探偵業にひたすら勤しんでいる探偵って、何気に珍しいんじゃないだろうか。
事件を解決したり謎を解いたりする探偵こそフィクションの存在、というのは周知の事実だけれども、創作物に出てくる探偵ってのはまさにそっちの探偵ばかりだから、むしろ現実の探偵業の地道な仕事っぷりが描かれる本作は新鮮でもあり、探偵業務のあれこれが相応にちゃんと描かれているので、知らなかった事を知れるのは面白いなあ。
しかし、アラサーのおっさん予備軍が、名探偵コナンのコナンくんに憧れて探偵を目指してしまった、という話にはちょっとじゃない衝撃を受けてしまった。
え? もうコナンくんに憧れるような子供がおっさんになるような時代なの!? コナンくんって、はじまったのまあまあ前だとは思ってたけれど、まあまあ以前どころかもう大昔なの? いやそりゃもう100巻達しちゃってますけれど。
……そうかー(ショック

サラ姫は御年13歳。対して人生にうらぶれている探偵鏑矢は29歳。まだまだ若いよ! しかし、もう子供が居てもおかしくはない年齢でも有り、でもまだ13歳の子供がいるには若すぎる。
生意気で偉そうで、でも何だかんだと懐いてくれているサラに対して、探偵が抱くのは慈しみの感情であり、自分の子供を見守るような父性、とまあ本人は思っているようだけれど、さてその真実はいずれにあるのか。まあ少なくとも女性を見る目ではないわなあ。若いお父さん的な感情と言えばそうとも言えるし、でも年齢差からいうと兄妹でもおかしくはないんですよね……かなり年齢差あるか。
16歳差、というのは何とも絶妙な塩梅ですよね。サラの13歳という何とも言えない年齢も相まって。
丁度主だった登場人物が出揃ったようなところなので、本格的に話が動き出すのは次回からなのか。
それとも、ずっとこんな調子で日常が続いていくのか。いずれにしても、ついつい目で追いかけてしまいそうな、地方都市に生きる人々のあるがままの日々である。


SPY×FAMILY 1 ★★★★☆   



【SPY×FAMILY 1】  遠藤 達哉 ジャンプコミックス

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名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!

話題の、と言うには随分と周回遅れになってしまっているけれど、人気漫画の一巻を読んだのですが、これは評判になるだけありますわー。めちゃくちゃおもしろかった。一巻だけでこのメリハリと充実っぷりは瞠目に値する。
てっきり、最初から家族を形成していて、でも家族間で仕事の内容とか能力を持っているとか秘密にしている、という話だと思ってたんですよね。古くからあるスパイ家族ものって映画とかでもそういう展開が多かったですから。
でも、本作は最初は見ず知らずの他人から。若き精鋭スパイの黄昏が任務のために家族という設定を、子供が必要になったために孤児院から適当に頭の良さそうな子を見繕うところからはじまるのである。
最初は冷徹な打算によってはじまった家族関係。これの面白いところは、唯一小さな幼女のアーニャだけが、そのエスパーとしての能力の一つ、読心で父の正体もあとで母となる人の仕事も知っている、というところでしょう。彼女だけが家族のすべてを把握していて、でも黙っている。
この子も最初は打算なんですよね。もう捨てられないように、独りになりたくないから、読心で相手の心を読んで父の意に沿おうと、気に入られようと頑張るのである。
でもアーニャって健気、というふうでもなくわりとたくましいというか、楽観的というか。幼いがゆえにいつまでも深刻になっていられないのでしょうか。ついつい遊んでしまうところが微笑ましく、でも読心できるからこそ父となった人、母となった人の心の内側をみて、どんどん大好きになっていくんですよね。
父黄昏も、最初は任務のためと割り切って付き合うつもりだったアーニャにいつの間にか心を傾けてしまっている。元々、スパイとして心を押し殺して普通の幸せなど背を向けて生きてきた彼だけれど、彼がどうしてこの業界に入ったかといえば、その境遇故に世界に平和をもたらすため。理不尽に泣いている子供がいなくなる世界を作りたいから、という夢が根底にあるからなのである。
彼の初心は、正義のスパイ、だったのですから。
アーニャをして「かっこいいうそつき」と言わしめるカッコいいお父さん。
任務のためと子供を切り捨てるのではなく、任務に支障をきたしてもアーニャのために理不尽を切って捨てる、その姿勢はどう見たって愛する娘のために怒るパパなんですよね。
そして、母役を演じることになるヨル。職業、暗殺者。
スパイ家族ものとしては、母親役はこれはこれで食わせ者か駆け引き上手の曲者になるかと思ってたのですが、このヨルという女性はむしろピュア、純真で世渡りベタという感じなんですよね。本当の家族、弟にも自分の仕事は隠していて、ただ人付き合いは不器用の一言。殺しの技だけが冴え渡っている、という風で黄昏と仮初の夫婦となるのも、偽装結婚が弟や周りの人間に色々と隠すのに都合が良かったから、で打算であるわけです。お互いに利益があるから。
でも、お互いの事情も正体も知らないながらも、この人となら助け合える、この人なら受け入れてくれる、という信頼が芽生えたからこその、偽装結婚プロポーズだったんですよね。
ただ利益のため、というには黄昏の行動はかっこよすぎたし、ヨルへの思いやりに溢れすぎていて、ある種心が停滞している風でもあるヨルの感情にも響くほど。
そうしてはじまった疑似家族。嘘と都合と打算にまみれた家族だけれど、でもそこには確かに絆が生まれている。名門イーデン校の受験で見せた、アーニャの今の父と母と一緒にいたい、という願いと、幼いアーニャを侮辱する面接官の一人に見せた黄昏・ロイドとヨルの娘を泣かせた相手への本気の怒りは、父と母というにはまだ何も始まっていない関係かもしれないけれど、でも間違いなく自分の家族を侮辱されたものの怒りだったのでした。
細かいコメディの軽快なテンポや思惑が交錯する心情描写、そしてスピーディーなアクションと、色んな意味で縦横無尽。うーん、これは本当に面白かった。早速続きを入手して読んでいきたいと思います。


賢者の弟子を名乗る賢者 3 ★★★☆   



【賢者の弟子を名乗る賢者 3】  りゅうせんひろつぐ/藤ちょこ GCノベルズ

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九賢者の1人ソウルハウルの捜索は、若干の手がかりを残しつつも空振りに終わった。
残された資料を持ってルナティックレイクに帰還したミラは、盟友ソロモンに資料の解析を任せる。
しかし資料の解析は難航する。
その資料を読み解くには、アルカイト王国の地下に存在する、『愚者の脅威の部屋(フール・ザ・ヴンダーカンマー)』を攻略する必要があったからだ。
ミラを中心にして物事が動く中、当の本人にも超えなければならない試練が近づきつつあった……。

ミラさんミラさん、貴女早いところ自分が契約している召喚獣の皆さん、全員喚び出して面会しておいた方がいいんじゃないだろうか。喚ばれた召喚獣、みんながみんなあまりにも長い間喚ばれないものだからメチャメチャ寂しがってるじゃないですか。
30年間一切の音沙汰なし、敬愛するマスターから完全放置。これ、多かれ少なかれみんなメンタルダメージ負ってますよ? いやそれだけ慕われている、ということなんでしょうし、30年間喚べなかったのは不可抗力でもあるのだから仕方ないのですけれど、今は取り敢えず時間もあるし自由だしいくらでも喚べるんだから、一通り召喚してあげて再会してあげた方がいいんじゃないだろうか。
今の所、必要になったら召喚するという行程になっていて、これ特に喚び出される状況がなくて後回しにされている子たちが可哀想すぎるんですが。召喚獣の間で横のつながりがあって、マスターが復活しましたみたいな情報が共有されたり、という事もなさそうですし。

さても暫し暇が出来たのを幸いに、ソロモンのお膝元の王都をぶらぶらして観光しよう、という事にあいなったミラさん。マジで暇にかこつけて街を散策、食べ歩きしたり観光名所を回って見物したりウィンドウショッピングしたり、と紛うことなき観光三昧なんだけれど、これが不思議と読んでても楽しいんですよね。
たまに旅行漫画とかあるけれど、あれも人が旅行先をブラブラしているのを眺めているだけなのになんかこう楽しかったりするのだけれど、本作もただ街並みをブラブラと目的もなく歩く様子を、さりげない情景描写やミラのウキウキと楽しそうに左右に向けられる視線や、ちょこまかとちっちゃい女の子特有の動作で店先を覗いたり美味しいものに舌鼓を打ったり、という様子が容易に浮かんでくる人物描写なんかがイイ感じで描かれてるんですよね。
特にこれといったイベントがなくても、ミラの様子を追っているだけでなんだかわりと楽しそう。

とはいえ、お話としては山もあれば谷もあるようにしないといけないので、ミラさん散策の途中でみかけた学園をちょっと覗くことになりました。
そこで目撃したのは、落ち目で他の学科から馬鹿にされながらも頑張る召喚術の若き先生の奮闘だったのです。
この世界にいない30年間の間に人気が衰え技術も衰退してしまった召喚術を、奨励してもっと盛り上げようと目論んでいるミラさんとしては、今頑張って召喚術を支えてくれている若人たちをこのままにしておけるはずもなく、賢者ダンブルフの弟子として大いに指導力をふるい、若き召喚術師の卵たちのまばゆい目標となるのでした。
ミラ様すごーい、で終わらずに生徒たちがあんなふうに召喚術を使ってみたい、という憧れになり、同時に途方も無い力を示しながらもそれが決して手の届かないものではなく、誰もが頑張って鍛えていけばたどり着けるものだ、というのを実感させて、誰もがわれもわれもと目をキラキラさせて研鑽に向かい出す様子というのは、傍から見ていても眩しいものです。ミラの見せる力って絶望とか断絶を与えるものじゃなくて、希望とか勇気を与えてくれるものなんですよねえ。

そして、後半はその若き召喚術の先生であるヒナタさんと、クレオスとともに必要な資料を求めて、図書館迷宮へ。図書館のダンジョンというのは、ダンジョンの種類は古今東西いろいろありますけれどやっぱり一番夢がありますよねえ。
ただ力任せに吹っ飛ばすだけでは済まない、知恵やセンスを要求されるダンジョンに、実力としては隔絶しているミラやクレオスが苦戦するなか、ヒナタ先生の持つ特技や知恵が遺憾無く発揮されて、次々と謎解きに成功していく様子は、ミラやクレオスが手放しで称賛するのも加味して、なんとも微笑ましく痛快でありました。ミラさんは他人を褒めることへの労を厭わないんですよねえ。別にわざわざいいとこ探しみたいな露骨な真似はしていないはずなのですけれど、ほんと自然に相手の良いところ、成功、達成、才能などを見つけて間髪入れず褒めるし感心するし、言われた人からすると嬉しいんですよね。本心から言ってくれてるのが伝わるから。
彼女の冒険は、同行者の素敵な面を引き立たせてくれるので、見ていて実に楽しいです。

そして、わりと毎回行われるミラのファッションショー、着せ替え、衣替え、新衣装発表ターンも、華やかで楽しい限りであります。毎回挿絵挟んでくれてもよろしいのにw



キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 Secret File 2 ★★★   



【キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 Secret File 2】  細音 啓/猫鍋蒼 富士見ファンタジア文庫

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アリスと燐の帝国潜入……という名のコスプレ大会!?――『波乱の仮装大会』 ニューイヤーレターを巡って使徒聖たちが大暴れ!!――『天帝直属、最上位戦闘員』など珠玉の短編集第二弾!


「キミと僕の最後の戦場、あるいは炎の芸術家」
部隊予算の使い方が雑すぎる! ってか、仮にも年間予算なんだからお小遣いみたいに使ったらだめでしょう! 事前に使う予定を決めてから予算案だして、実際の予算額引っ張ってくるんじゃないの? 決算ではちゃんと予算何に使ったのか詳細な報告書とか出さないといけないんじゃないの!?
なんか、話だけ聞いていると何に使うか確かめずに一定額を各部隊に与えて何に使うかはお好きにどうぞ、ってなってるように見えるんだけど!?
凄いな帝国軍!
そして、予算が足りなくなったら自弁で稼いでもいいよ、という副業可という内務規定。すげえな、予算使い込んだら自分で稼いで補填したりしてもいいんだ!
元々福利厚生の充実っぷりに瞠目させられていた帝国軍ですけれど、この場合の副業OKという規定はどう考えたらいいんだろう。足りなかったら自分たちで稼げ、というのは闇にも聞こえるけれど、自由に何でも出来るとも取れるんですよね。
まあ、軍隊としては自弁できるってのはヤバいなんてもんじゃないんですけれど。でも、その稼ぎ方が普通にアルバイトだもんなあw


「キミと僕の最後の戦場、あるいは試練の裏切り計画(スパイミッション)」
一部の部隊を敵側と設定しての、施設の防衛訓練。ある意味まっとうな訓練なんだけれど、だから自費で勝手に装備とか増強しないで! 自前の武器を自費で購入、とかは普通にあると思うけれど、高が訓練に金持ちな実家の財産を注ぎ込んで無敵要塞にしてしまうピーリエ隊長。
ミスミス隊長もそうだけれど、帝国の部隊長の選定ってポンコツじゃないとダメ! という原理原則でもあるんだろうか。


「キミと僕の最後の戦場、あるいは波乱の仮装大会(ハロウィンパーティー)」
わりと本編でもイジラレ役な事が多い燐ちゃん、当然短編集でもアリスに無茶振りされて半泣きになりながら恥ずかしい目にあうのでした。仮装はともかく、下着に包帯ぐるぐる巻き、というのは相当にエロいんじゃないだろうか。当初その衣装を着る予定だったアリスは、その豊満すぎる肉体からして完全に見た目でアウトなので、燐くらいでギリギリセーフ。ってそれを舞台上で晒し者にされた挙げ句に包帯までほどけてしまって、という目に遭う燐ちゃん。これはこれで美味しい役どころである。


「キミと僕の最後の戦場、あるいは完全無敵のお姉さま」
なんでか観衆の前でお姫様としての品格対決をすることになったアリス、シスベル、そしてイリーティアのロア家三姉妹。いやいやいやいや、あんたらそんな面と向かって張り合うような仲じゃなかったでしょうが。そもそも、アリスとシスベルに至ってはお互いの猜疑心からまともに会話すらもなく、避けていたでしょうに。短編特有の謎時空だろうか。
ともあれ、ここのイリーティアが加わったことで、妹二人から姉がどんな風に見られているのかが知れたのは良かったかも知れない。こと、異能力以外のすべて、美貌にしてもスタイルにしても教養にしても品格にしても、イリーティアってアリスもシスベルも尻尾を巻いて逃げたくなるほど完璧で完全無欠だったのか。まあ、品格なんぞに関しては、イリーティアがどうこうじゃなく、アリスもシスベルもまあ……なんだ、頑張れ……というくらいのレベルだしなあ。二人が手を結んで共闘したからと言って0.5に0.5をかけても1になるどころか0.25になるんですよ?という話である。
いやでも、半分喧嘩でも普段からこれくらい三姉妹でコミュニケーション取ってたら、もっと普通の姉妹仲になっていたんじゃないだろうか。こんな拗れることなかったんじゃないだろうか。アリスにしてもシスベルにしても、イリーティア姉様のことそれだけ一目も二目も置いていて自分たちではかなわないと痛感していたのですから。


天帝直属、最上位戦闘員
だから、アルバイトで予算を稼がないでw
ついに部隊ごとどころか、軍団ごとでアルバイトしはじめたぞ、この帝国軍。それも、年賀状の配達である。ミスミスたちのいる璃洒のところならまだしも、冥の機構校佞縫諭璽爛譽垢竜々渋茘沙佞泙撚辰錣辰討離縫紂璽ぅ筺爾らの雪の帝都を部隊にしたドタバタ劇。いや、雪降る帝都というシチュエーションなら、政変とか革命とかそういう雰囲気ある展開にならないものでしょうか。
璃洒ならともかく、ネームレスまでこんな話に乗ってくるとは思わなかったw
その挙げ句に大爆発オチである。そりゃ、面白いこと好きの天帝さまでも普通にお説教ですわ。


あるいは世界が知らない予言
イスカとジンと音々がクロスウェル師匠のもとで修行していた頃の話。のちの小隊結成の前日譚にあたるのか。頭が悪い、と名指しされていたイスカ。だが、その愚ゆえに弟子としてすべてを叩き込まれ、ジンや音々は賢いが故にストッパー役として支える役としての役割を与えられていたのか。
本来ならそんな彼らをまとめてくれる大人のリーダーが求められていたにも関わらず、なぜか彼らの隊長になってしまったのはミスミス隊長……いや、なんで本気でこの人どっから湧いて出てきたんだろうw



転生魔王の大誤算 4 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート ★★★★   



【転生魔王の大誤算 4 ~有能魔王軍の世界征服最短ルート】  あわむら赤光/kakao GA文庫

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憤怒の魔将が挑む、絶対に怒ってはいけない侵略作戦!?

魔将たちの心を見事にまとめ上げ、魔王としての器にさらに磨きがかかるケンゴー。
次なる作戦にサ藤、マモ代、ベル原を指名、三カ国を同時に無血攻略させるゲームを立案する。
マモ代やベル原が自信ありげなのとは対照的に、難題に苦悩するサ藤。
「バカな……殺すだけで減点だと!?」
憤怒の魔将だけどキレるの禁止!
存在意義を真っ向否定されるルールに、七転八倒するサ藤を見かねて、ケンゴーが差し伸べたとある救済策とは――サ藤のことを見てるだけ!?
「はい、ありがたき幸せです!!」
わずかなきっかけで劇的な急成長をさせる嬉しい誤算が止まらない!
愛する部下を熱く育てる最強名君の爽快サクセスストーリー第4弾!!
こういう勘違いで主人公が過剰に持ち上げられるように見える作品って、その勘違いや誤解ってなかなか解消されないんですよね。場合によってはすれ違ったまま最後まで行ってしまう。
相互理解が致命的に破綻したまま、主人公の本当の気持ちや価値観、素の顔なんて知らないまま、見向きもしないまま、理想を押し付けることで主人公は他人からの理想を演じるハメになる。
或いは、主人公が成長してそうした一方的な理想に追いついていく、という展開もあるのだけれど、本質的にそういった立場に立たされている主人公って孤独なんですよね。
その点、本作においては幼馴染のルシ子がケンゴーの最大の理解者で、彼が本当はヘタレチキンだと知った上で支えてくれている、ヘタレチキンだけれど彼の一番芯の部分にある強さや勇気や、履き違えていない優しさの持ち主だというのをちゃんとわかってくれている人が側にいるだけで、最初から随分と違ってはいたんですよ。
最初から、ケンゴーは孤独ではなかったわけだ。
それどころか、前巻では嫉妬の魔将レヴィ山くんが、ケンゴーのヘタレチキンのことはよくわかっていないものの、ケンゴー自身がよくわかっていないケンゴーの良いところ、長所、優れた所、残虐な魔王らしくないけれど魔王という支配者にして統治者として相応しい要素、ある意味ケンゴーの本質的なところを、もしかしたらルシ子よりもわかってるんじゃないか、という理解者だったというのが明らかになった話でもあったんですよね。
ルシ子にしてもレヴィ山にしても、ケンゴーのこと大好きなの、上辺とか見た目とか勘違いじゃなくて、ケンゴーの本質を理解した上で大好きでいてくれるし、ケンゴーの方も七大魔将たちのこと強大な魔族としてビビってるし反逆されないかいつも恐れてるし、過剰な評価や期待を押し付けてくるのに疲れているんだけれど、それ以上にケンゴーの方も彼らのこと何だかんだと大好きなんですよね。
マモ代をはじめとした他の魔将の面々も何となくケンゴーの素の方との距離感縮まってきた感もありましたし。
すれ違ってお互いのこと見えてなくて砂上の楼閣みたいないつ崩れてもおかしくないいびつな関係に見えていた魔王ケンゴーと七大魔将たちの関係、どんどん気心の知れた身内みたいな、主君と部下というよりも遊び仲間みたいな、すごくよい関係になってきていたんですね。

ただ、そんな七大魔将の中で、サ藤君は特にケンゴーとすれ違い食い違っている人物のように見えていました。冷酷にして残虐、怒りに任せての殺戮を厭わないキレ易い若者代表、憤怒の魔将サ藤くん。その在り方や思想は誰もが思い描く悪魔そのもので、穏健路線で人間とも出来れば戦争したくないし血を見るようなことは避けてほしい、という方針のケンゴーとは全く真逆なのである。
ところが、サ藤はケンゴーの事を崇拝と言っていいほど敬愛して、ケンゴーこそは魔族の中の魔族、冷酷非情なる魔王に相応しい人と思い込んで、自分の理想を当てはめているのである。
ある意味、魔将の中で一番ケンゴーの事を慕いながら、ケンゴーを理解していない人物でもあったわけだ。理解しようとすらせず、理解する気もなく、一方的な崇拝を押し付けていたのである。
ケンゴーの方も、彼の前では従順で大人しくて健気な少年という顔しか見せないサ藤の事を可愛い弟分として甘い顔ばかり見せている一方で、サ藤の残虐で恐ろしい性格の方はなるべく見ないようにしていた節があるんですよね。
そうした二人の乖離は途方もなく広がっていて、これいつか破綻して破滅的なことになるんじゃないか、と思ってしまうほどに、相互理解が壊れていたのでした。
こういう思い込みの激しく頑なで、ある意味純粋ですらある子って、ほとんど変わることがないから、もう彼に関してはずっと勘違いさせたまま、誤解させたままで行くのだろうか、とも考えていたのですが。

そうかー、この物語はケンゴーの方だけじゃなく、部下たちの方も成長させてくれる物語なのか。幼い固定観念を打ち壊して、すくすくと健やかに伸ばす機会が訪れる物語でもあったのか。
お互いに、成長していける話だったんですねえ。

契機は、サ藤が人を殺したりとかあんまり酷いことをしないで国を征服せよ、という課題のために離島しようとした魔王軍への降伏派に属していた幼き才媛リモーネ王女との出会いだったのです。
言われてみると、サ藤もまだ魔族としては若者どころか、少年と言ってもいい歳頃だったんですねえ。
聡明なる知性と勇気と天真爛漫さを兼ね備えた小さな姫は、頑迷な古くからの魔族の固定観念に縛られていた幼き魔族の、まさに蒙を啓いていくのである。そうして、サ藤の思い込みを解きほぐし、彼とケンゴーの間にあった錯誤をすり合わせていってくれるのである。
それも、サ藤の信じるケンゴー陛下の素晴らしい魔王としての姿を全肯定したまま、ケンゴーの魔王としての事績、その統治思想や考え方を説いていくわけである。
同時に、サ藤がゴミクズとしか思っていなかった人間という存在を、リモーネ自身がひっくり返しながら。
最初はお互いになんだこいつは!? と面食らいドン引きしながら、でも衝突を繰り返していくうちにお互いの存在に惹かれ合っていく幼い少年少女の育まれていく関係がまたいいんですよ。
いけ好かない小僧だったサ藤が、リモーネに言い負かされ諭され、いつしか我慢を覚えて、ときに自分の中の固定観念を壊されて幼い年相応の顔を見せ、そんなみるみると成長していくサ藤を、リモーネが憧憬とも慈しみともつかない表情で見守るという、このボーイ・ミーツ・ガールはこれがまた微笑ましくてねえ。
ついには、自分がボロボロになりながらも、足手まといのリモーネを決して見捨てず身を挺してかばい続ける、まるで騎士のように耐え続けるサ藤の、今までの彼からするとありえない姿を見せられた時は、なんかもう感動を通り越してしまいそうでしたよ。
この弟分の成長を、ケンゴー陛下が喜ばないはずがなく、そしてその弟分がゴミクズのように痛めつけられる事を許せるはずがなく。
ヘタレチキンが怒るとほんと怖いんやでえ。
かわいいかわいい身内が痛めつけられた際の、魔王陛下の憤怒は留まる所を知らぬのである。こういう時、もう誰も文句が言えないくらいカッコいい姿見せてくれるんだから、七大魔将たちの敬愛も尊敬も、何も勘違いでも過剰評価でもないんですよね。最近は、その辺がっちり噛み合ってきてすらいるし。
ってか、ケンゴーってば最後おっさん仲人みたいになってるじゃないですか。いやもう、手をつないでギュッと握り合うサ藤とリモーネの小さなカップルが尊すぎて気持ちはわかる!





薬屋のひとりごと 9 ★★★★   



【薬屋のひとりごと 9】 日向 夏/しのとうこ ヒーロー文庫

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壬氏の一世一代の行動の結果、とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。
折しも後宮は年末年始の休暇に入る時期。実家に帰りたくない姚は、猫猫の家に泊まりたいと言い出した。とはいえお嬢様を花街に連れていくわけにもいかず、姚と燕燕は紹介された羅半の家に泊まることになる。
一方、口外できない怪我を負った壬氏のために、猫猫は秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなかった。
できる範囲で治療を施していくが、
医官付き官女という曖昧な立場に悩まされる。壬氏が今後さらに怪我を負わないとも限らないが、医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。
そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだが――。

そう言えば、前回って結構なとんでもない引きで終わったんだった。自らに焼印を押す、という自傷行為によって自分を後継者にという陛下の思惑を引き剥がし、ついでにこの秘密を守るために同席していた猫猫しか治療出来ないようにした……ついでというか、こっちが本命?
つまるところ、猫猫を逃げられないように囲い込んだわけですが。
猫猫からすると、自分は薬師であって医師ではないし医術をちゃんと学んでいるわけじゃないのだから、いきなり自分一人で壬氏の火傷の治療を、とか言われても応急処置しか出来んがな! と、わりと真っ当なお冠状態なのである。それに、火傷に限らず今度壬氏の病気や怪我などを自分が見ないといけない、となると正式に医術を学ばないと、となってしまったわけですね。
さらに、数カ月後に壬氏が玉葉妃の故郷である西都に使節団の長として派遣されることになり、もちろん猫猫もこれについていなかくてはならなくなる。つまり、早急にとりあえずでも通り一辺倒の医術を修めないといけなくなってしまったわけだ。
ここで、知らんがな! と放り出さずに養父の羅門に頼んで女官の身でありながらも医術を教えてもらおうとするあたり、猫猫ここでもう自分が壬氏を看ないといけないと受け入れてはいるんですよね。壬氏が自傷行為に走ったことにはもう怒り心頭ですし、この一件でてんやわんやで医術を修めないといけなくなった件についても愚痴は出てくるのですけれど、不思議とこれからずっと自分が壬氏のことを診続けないといけない、という件に関してはあまり文句らしい文句は出てこなかったのです。
もう猫猫なりに、覚悟は出来たのかな。
相変わらず、猫猫には壬氏に対しての熱量とでもいうのか。恋する乙女のエネルギーみたいな迸りは皆無に等しく、好きなんですけどー好きなんですけどーと鬱陶しい感じでチラチラ構ってくる残念イケメンに対してのあの塩対応、なんだこいつ、みたいな態度は変わらないのですけれど、ついになんというか……。
……仕方ないなあ。的な受け入れ体制に入ってしまったような、そろそろ本気で絆されてきてやしませんか、猫猫さん。
いや、これまでの塩対応を通り越したナメクジ見るみたいな視線であしらってた頃と比べて、壬氏さまドM疑惑が生じてしまうほどの塩っけだったのと比べると、なんか猫猫の対応甘いですよ。壬氏さまに対してダダ甘じゃないですか?
……もちろん、一般的な視点からではなくあくまで当社比です。普通に見たら普通に塩対応に見えるかもしれませんが、当社比! 当社比的にはダダ甘!

なんかちょうど、真横にすんげえ夫婦が現れてしまったのも、これと比べると甘酸っぱい雰囲気じゃね?と感じてしまう原因かもしれませんが。
いやなんですか、あの馬良と雀の夫婦関係。愛がない夫婦というのは全然珍しくないはずなんですけど、それを通り越してなんか変ですよ、この夫婦!?
雀さんのキャラが濃すぎるというか、ぶっ飛びすぎているのが最大の原因なんですが。人妻子持ちのキャラとしてはパラッパラッパーすぎやしませんかね、雀さん!
ここまでのフリーダムファイターはシリーズ始まって以来ですよ。羅漢の変人がある意味真っ当な変人に見えてしまうくらい。だいたいの事ならスルーしてしまえる猫猫が唖然として一方的に振り回されてるくらいですからね。
この雀さんと馬良の意味不明な夫婦関係を目の当たりにさせられると、わりと壬氏と猫猫の関係ですらもまともに見えてきてしまう不思議!

しかし、壬氏さまの身の上については、全然想像していなかったんで結構マジで驚いたんですが。普通に皇弟だと思いこんでた。言われてみると、なんで皇帝陛下がそんなに弟のことを気遣うというか、跡を継がせたいみたいな事を考えるのか不思議ではあったんですよね。
ただ一方で猫猫の言う通り、この人は国のトップには向いてない雰囲気はあるんですよね。確かに苦労性ですし、何かと仕事抱え込むわ気苦労は耐えないわ、全然わがままに振る舞えない人なんだよなあ。
老若男女を問わず籠絡してしまう絶世の美貌の持ち主でそれを利用してネゴシエーション出来る才覚を持ちながら、その顔を利用して自分の都合の良いよう、自分の利益や楽するためのツールとしては全然使わないんですよね。あくまで仕事上のツール。
彼の中身はというと、ヘタレだしジメッとしてるしドMだし自分から地雷を踏みに行くタイプだし、概ね残念イケメンなんだよなあ。そんでもって、傲慢さとか自信過剰な面が全然なくて、自ら貧乏くじを引いていくタイプ。自分から苦労を背負ってしまうタイプ。そして何より、冷酷に切り捨てることが出来ないタイプ。
今回、猫猫を西都につれてきたのも、彼の我儘という体裁を取ろうとしているけれど、羅漢の身内である彼女に危険が及ぶ可能性があったから、側に置いて目に見えるところで守ろうとしていた、なんて話が出てくると、なんてこの人迂遠なんだろうと思えてくる。猫猫だけじゃなく、ほんと色々と権力闘争のとばっちりで被害があちこちに及ばないように手を回して気配りしたおして、結局自分の方にツケが回るようにしてるんですよね。
そういうのがわかってしまうのが猫猫の聡さなんですよねえ。そして、わかってしまえば彼女としても、あかんこの人は自分が見ておかないと、と感じてしまうのもなんかわかるんですよね。
猫猫が、養父の羅門を尊敬している一方で彼の自分から貧乏くじを引くところ、そうした人生を歩み続けてきた果てで今擦り切れたみたいな在り方になっている事はどうしても受け入れがたい、納得がいかないと思っていたわけで。
そんな養父によく似ている、似てしまっている壬氏を目の当たりにして、猫猫が何を思ったか。何を感じたか。
まあ最後のシーンは壬氏さまには過ぎたご褒美だった気がしますが。めっちゃ喜んでるじゃん、あのドMw

にしても、壬氏さまの火傷の肉が焼けた匂いを嗅いで、焼き肉とか食べたいなあ、とか思ってしまう猫猫は、多分医者には向いてる、うん向いてる。この娘のメンタルもやっぱり凄えよな。




悪役一家の奥方、死に戻りして心を入れ替える。1 ★★★☆  



【悪役一家の奥方、死に戻りして心を入れ替える。1】  丘野 優/TEDDY エンターブレイン

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「心を入れ替えて生き直そう」ーーそして始まる貴婦人無双!!!

国家転覆を企てるほど悪逆を尽くした公爵夫人エレインは自らの娘によって命を奪われた。
死の間際、大罪を後悔するも時すでに遅し。公爵家は滅び、その悪名は時間と共に忘れられるはずだったーーしかし、気がつけばエレインは出産中で!? なんと長男を出産した30年前に時間が巻き戻っていたのだ。
嘘と暴虐に塗れた人生を改めるため、
我が子に親殺しをさせないため、
前世の経験と知識を総動員したエレインの快進撃が始まる!!
人妻! 主人公、夫のある人妻である。しかも子持ち! 奥様、子持ちの人妻にも関わらず、そのボディスーツはちょっと攻めすぎじゃないでしょうか、大変結構!
国家転覆企てて王家に反逆したけれども大失敗したので、死に戻った今回はもっと上手くやろう。じゃなくて、反省して後悔して今度はもっと穏やかに家族を愛して生きよう、となるのか。
いや、わりと盛大に心変わりしすぎじゃないだろうか。かなりの悪逆非道で政敵を排し、障害となる者たちを謀略で抹殺し、と相当な悪役ムーブを貫いた人生を送っているにも関わらず、今際の際にまるで憑き物が取れたかのようにそうした自分の人生を悔いているんですよね。
それだけ、自分の娘に親殺しをさせてしまった事がショックだったのか。それとも本当にナニカに憑かれていたのか。
新たな人生でも、エレインは大逆罪の自分を討ち果たす役目を負わされた末娘リリィに殺されないようにと、史上に残る天才大魔導師だったリリィに対抗できるようにと、未来の技術と経験を生かして自分を鍛え上げていくのです。……いや、これ真っ当に生きてたら普通娘と殺し合いにはならないんじゃないだろうか。何気に、いつか殺し合いになるかもしれない、という前提がエレインのどこかにあるみたいなのですけど。
なにか、運命の収束みたいなものがあると感じ取っているのだろうか。
でも、死に戻ったエレインの行動によって歴史は前回から大幅に変わっていってるんですよね。本来なら死んでいるはずの人が生きていたり、敵対していた者同士が仲良くなっていたり、エレイン自身も前回は疎遠だったり敵対することになった相手と交友を持つことになったり、と。
今の所、そこに改変された歴史の揺り戻しみたいなものは見えないのだけれど、エレインは油断せずに自身の研鑽を怠らないし、魔導具の開発や事業の拡大など周りの環境の強化に勤しみ続けるのである。
……全然、大人しくなってないどころか別の意味で突っ走りまくっている気がするんだが、二度目の人生。
ただエレイン自身、二度目の人生を見ていると冷静で他人の心情も察することの出来る深い人格の持ち主で、情にも厚く何より家族への愛情に満ち溢れた人物なんですよね。野心家だったり権力志向だったり、という素振りもなく、なんで前回の人生ではあんな大逆罪に走り、家族をも利用して、他人を陥れることも厭わない人物になったのか、ちょっとわからないんですよね。
前回も家族への愛情は変わらなかったけれど、その愛情の扱い方を取り違えてた、とはエレイン自身が自戒しているところだけれど。
だいたい、彼女の周りに居た人達。友人知人、旦那の交友関係やファーレンス公爵家の臣下たちなど、有能である以上にまず人格者であり、心からエレインの事を心配してくれるような人達ばかりなんですよね。
特に親友のセリーヌなんかは、エレインの暴走を案じて彼女の野心の最大の障害として立ちふさがりながらも、最期まで親友としてエレインを諌め彼女を止めようとしてくれたほどの人で。
エレイン当人も旦那のクレマンも、周りの人達もこんなにマトモなのに、本当になんでエレインが大逆を犯すに至ったのか、そんな野心を抱くに至ったのかわからないんですよね。
エレイン当人が、なんであんな事をしてしまったんだろう、と考えているくらいですから、ちょっと異常ですらある。これって、何か外的な要因があったんだろうか。それこそ洗脳とか思考誘導とか、何者かの意思に取り憑かれたとか。
だからこそ、エレインも無意識に警戒か危惧が残っていて、この二度目の周回で自身を含めた周囲の強化に勤しんでいるとか。未来予知能力者であるセリーヌに、死に戻りや前回の自分の所業なんかを打ち明けているのも、セリーヌが誰よりも信頼できる人物だからというだけでなく、自分以外の外の視点があった方が良い、という考えもありそうですし。
幾らなんでも、娘リリィに殺されないように、というだけでは頑張りすぎなんですよね、エレイン。
……いや、単に社畜気質というか、働き出すと止まらないタイプ、という可能性もあるのですが。
なんやかんや、働きすぎで家庭を疎かにしだして、ついに旦那のクレマンにちょっと君まとまった休み取りましょうよ、と強引に長期休暇とらされたくらいですしね。まだ幼い長男もほったらかし気味でしたし……だいたい、まだあと三人子供産む予定なのにこの奥さん、働きすぎで家帰ってこないものだから子作りとか全然してないじゃん! 大丈夫!? 予定通り二男二女産めるの? そもそも末娘のリリィはちゃんと生まれてきてくれるの!?
奥さんとラブラブのはずだし実際ラブラブなんだけれど、なんでかあんまり構ってもらえない旦那さんがちょっと不憫である。まあ、前回の人生ではお互い愛し合っているにも関わらずだいぶすれ違ってしまって、ちゃんと表立って愛情を向けて貰えなかったらしいので、それに比べれば大変仲睦まじい夫婦関係になっているはずなんですけど、旦那としてはもうちょっとイチャイチャしたいだろうなあ、これ。
ただ、結婚当初から長男出産まではなんでかエレインはやさぐれていたらしく、前回の人生ではどうやらそのあたりから夫婦関係すれ違ったまま、エレインの野心の暴走がはじまってしまったみたいなんだけれど、なんでエレインがやさぐれていたかについてはなんかエレイン語ってくれないんですよね。
しきりと、その頃のことは反省しているにも関わらず。いったい、彼女に何があったんだろう。どうやらそこが重要なポイントの一つではあるみたいなんだけれど。

ともあれ、前回の色々と踏み外してしまった人生を後悔して、新しい人生ではできるだけ周辺との関係を良好に保ちながら、特に権力など求めず、でもわりとガンガンと自分と公爵家の強化に勤しみ続けるエレインの快進撃。かつての人生では袂を分かった人々ともより親交を厚くしながら、大体においてWin-Winの形で進んでいくので、実に痛快な物語となっている。
果たして、今のエレインに立ち塞がることの出来るナニカは存在するのだろうか。
珍しい子持ち人妻主人公でありましたが、なかなかに派手に立ち回ってくれる面白い作品でありました。続きが楽しみ♪

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと ★★★★   



【サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと】  依空 まつり/藤実 なんな カドカワBOOKS

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魔力測定&恩師の赴任――最強の魔女、正体バレの危機に思わず失神!?

〈沈黙の魔女〉モニカは第二王子を狙う敵を極秘裏に“処理”。生徒会会計にも抜擢され、護衛任務は順調……かに思えた。
しかし正体バレの危機が次々襲来!? かつての恩師が赴任してきたり、七賢人になるほどの魔力量なのに魔力測定に巻き込まれたり、普通の学園生活に最強の魔女は失神寸前!
皆には簡単な社交ダンスやお茶会だって、モニカには精いっぱい。それなのに、第二王子にも次なる危機が迫り――?
無詠唱の魔女の極秘任務、メンタルが試される第二幕!

一学生として学園に通うようになったモニカ。オマケに生徒会会計という役員としての仕事もあり、授業に生徒会の仕事に同級生たちとの交流に、とてんてこ舞いのモニカ。慣れないどころかこれまでずっと忌避してきた人付き合いにヒーヒー言いながらも、それでも不器用なりに臆病なりにだんだんと自分に出来ることをしようと頑張りはじめる。
こうして、普通の学生として過ごすモニカを見ていると、ほんとこの娘は中身はコミュ障なだけのあまりにもメンタル弱々の普通の年頃の女の子なんですよねえ。
七賢人として特別な側面があるのか、というと……能力的には素晴らしく優れているものの、精神面では特別な所は何一つないんだよなあ。これは一巻の感想でもちょこっと触れていたけれど、別に非常時になったらカチっと人格が切り替わったり、魔法を使う時だけキリっとなったり、という事もないんですよね。
頭の回転自体は素晴らしく速いから、正体バレを防ぎつつ目の前で起こる突発的なトラブルや事故の回避なんかもなんとかこなしているけれど、決して冷静沈着に片付けているわけでもなく、かなりあたふたしながらバタバタとやっている感じで……いや、これだけ慌てながら対処出来てしまうこと自体が凄いのですけれど、完全にスペックで乗り越えてるって感じなんだよなあ。
彼女の様子が豹変するのは数字関係に向き合ったとき、そしてパズル的な要素、思考実験的なものにハマった時。そういう時は周りの事が頭から消え去り、取り組む問題にだけ意識が向いてしまう。非常に尖った集中力を発揮するのだけれど、わりと学者肌の天才には見られる傾向でもあるわけで、それ自体は特別な才能の一つだろうけれど、それを七賢人と繋げて考えるのは難しいだろう。沈黙の魔女の偉業と、モニカのこの集中力とはあんまり関連付けられないものだろうし。
ともあれ、中身は本当に普通の女の子の過ぎないモニカ。
でも、彼女は幼いときから家庭の環境によって他人と距離を起き、誰とも関わらないようにして生きてきた。でも、この学生生活ではじめて他者と密接に関わるようになり、お互いの心のウチまで踏み込むような関係を築くことになる。さらには、集団生活を送る中で生徒会役員という立場に立ち、周りの人に助けられたりしながら、自分の仕事をするようになるんですね。
そうした経験が、幼いまま閉じこもってしまっていたモニカの精神を刺激して、少しずつ顔をあげ周りを見回し、人の顔色を伺うのではなく相手の想いを察するようになっていく。他人との関わりの中で、自分の得ている立場への責任感を感じるようになっていくのだ。
七賢人としては、今まで責任感なんか感じたことがなかったモニカ。ただ無理やり押し付けられ、七賢人としての仕事もやれと言われたからイヤイヤやっている事だったのに、生徒会役員としての仕事は最初は同じように仕方なくだったのに、段々とちゃんとやらないとと自分の意思でやり遂げようとしはじめるんですね。
また、初めて出来た友達との交流は、相手から向けられる優しさや好意が初めての体験で心地よく、嬉しくて、同じものを同じように、或いはもっと多くのものを返したくなってくる。そして、この嬉しさを、感謝の気持ちを伝えようと必死に努力しはじめるんですね。
人前で喋りたくなくて、無詠唱魔法なんて人類史上初めての魔法を生み出してしまったほど、言葉を発することを恐れていた子が、ただ「ありがとう」という気持ちを伝えるために、つっかえつっかえ、どもりながらも、それでも逃げ出さずに黙ってしまわずに、彼女は沈黙を破るのである。
一番最初に友達になったラナという子も、不器用も不器用で素直に気持ちを言葉に出来なくていつもひねくれた物言いや高飛車で高慢な言葉遣いをしてしまう、彼女も言葉をうまく使えない子なのだけれど、そんな二人がお互いに本当の自分の気持ちを相手に伝えようと四苦八苦しながら、でもちゃんと伝わっていく交流の数々は、なんかもう微笑ましくて尊くて、実にイイんですよ。
ラナ以外にも、ケイシーやクローディア。グレンなどといった個性的な面々と親しくなっていくわけですが、彼女たちは一癖も二癖もある人物でモニカに対して決して優しいわけじゃないんですよ。場合によっては強烈ですらあり、それでもモニカは逃げ出してしまわずにあたふたと狼狽えながらも彼女らと接していくうちに、友達という存在が自分の中でかけがえのないものになっていく事に気づいていくのである。

なんか、ものすごくまっとうというか正統派というか、微笑ましい健やかな成長の形をモニカが見せてくれるものだから、もしかしてルイス氏はこれを見越してモニカを学生としてこの任務に派遣した、という要素もあるのかしら! と、ルイス氏株が大幅にアップしそうだったのですが。
……この男、人間的に成長しはじめているモニカを見て、彼女は人間不信極まってるからこの任務に相応しかったのに、これじゃあ任務に支障が出てしまうじゃないか、とか真顔で考えてるんですけど。
あかん、このルイス氏……鬼畜だ。ただの鬼畜だ。わかってたけど! うん、わかってたけどな!

ただの普通の女の子のように、閉じこもっていた殻から顔を覗かせて成長しようとしていたモニカ。でも、彼女には「沈黙の魔女」として成さねばならない仕事が待っていた。
どれほど中身がただの少女であろうと、彼女には力があり、任務が有り、果たさねばならぬ義務がある。何より、自らの持つ力でこそ、守れるものがあり……今の彼女には自ら守りたいと思えるものが出来ていた。
でも、その想いを引き裂く現実が彼女の前には待っていて、それでも挫けずにやり遂げられたのは、友達を助けたいという思いと、七賢人としても責任感を抱き始めていた、ということなのかもしれない。モニカにとってはつらい現実すぎたけれど、本当の最悪をモニカは自分の力と成長分で覆せたのだ、と思いたい。

しかし、第二王子の闇は深そうだなあ。彼の過去についても徐々にチラチラと見えてきたけれど、彼自身の思惑も含めて、まだ何が動いているのか見えないのがまた不気味だ。
フェリクス王子、思いの外モニカに共感というか、自分の過去の姿を垣間見ていて感情移入しているみたいだけれど、同じ生徒会メンバーでもシリルとエリオットも、何だかんだとモニカに対して情が湧き出しているみたいで。あとはブリジットだけれど、この娘も内面が窺えない謎が深いキャラなんだよなあ。
というか、今の段階だとフェリクス王子よりも、シリルの方がモニカに近い気がするんだけれど、シリルの方が物語的にはモニカの本命になっていくんだろうか。
あと、ニールは絶対裏表が激しいキャラだと思ってたんだが、なんか普通に素直でイイ子みたいだなあ。ドエス系とか邪悪系の裏の顔があるとばかり思ってたのにw
そして、イザベラ嬢が見事な悪役令嬢っぷりで。年下下級生にも関わらず、あの貫禄、あの威厳、あの立ち居振る舞いはそんじょそこらの木っ端悪役令嬢など物ともしない威風で、いやはや格好良かったです。いつまで、悪役令嬢役で遊んでるんだろう、この人w


クロの戦記 7 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです ★★★☆   



【クロの戦記 7 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです】  サイトウアユム/むつみまさと HJ文庫

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南辺境での蛮族討伐編、開幕!!
ちょっと過激な王道戦記、美女を引き連れ、いざ帰郷!!

タウルからの依頼で南辺境へと向かったクロノ。久々の帰郷に感慨を覚えつつ部下と蛮族討伐の準備を進めていたクロノだったが、何故か駐屯軍と自警団が対立し、一触即発の事態に。
クロノは蛮族討伐前に味方の仲裁に入ることになって―― さらに、ここにきてクロノとフェイの仲が急接近!?

「さて、フェイに背中を流してもらおうかな」

第二の故郷である南辺境を舞台に、クロノは新たな戦いと美少女に挑む!! エロティック王道戦記、蛮族討伐編開幕の第7弾!!
うおお、腹筋バキバキだ。
さすが、騎兵として鍛えまくって脳まで筋肉と化した三下系女騎士である。こういう色気の欠片もない子もいける口、というのクロノってストライクゾーンが広いとうより見境いないですよねえ。
さて、久々に名目上とはいえ故郷の南辺境へと帰ってきたクロノ。クロノの素性と、どうしてクロフォード家の嫡男となったのかの事情が語られたのって、はじめてだったっけ。
クロフォード男爵のおっちゃんとは血は繋がっていないし、異世界から迷い込んできてクロフォード家に拾われてから、ここに居たのは一年だけだったのか。
でも、養父とはそれこそ本当の親子のように絆があるんですよね。それは、養父にとっては死する妻の無念を救ってくれた恩であるし、恩という以上にあのクロノの義母への言葉は本当の家族であるからこそ出た思いやりの言葉であり、愛情が吐き出させた嘘だったんですよね。
ならば、もうクロフォード男爵にとってクロノは恩人である以上に、かけがえのない息子になっていたのだろう。この二人、面白いほどに他人行儀さがないんですよね。遠慮もなんにもないし、臆面のなさはよく似ている。知らない人が見たら、親子以外のなにものでもないでしょう。
実際、クロノの方ももう心の根っこの部分で、義父のことを実の父と変わらないように思っているし、もう元の世界の家族の面影や思いは薄れてすらいるのですから。
名実ともに、クロフォード男爵の息子として、この世界に骨を埋めるつもりでいる。今は、さらに叙爵され自分の領地をもらい、部下も愛人も居る身の上。守るものは随分と増えた。でも、クロノにとっては南辺境こそが故郷なのだろう。

さて、帰郷の目的でもあるタウル将軍の息子であるガウルとの交渉は、元々クロノの事を尊敬する父親がやたら評価することからも面白く思っていなかったところもあり、さらに武勲を求めて視野狭窄に陥っている節もあったので、随分と面倒くさいことになる……と、読んでいるこっちもクロノの方も思っていたのですが。
なんなら、ガウル自身も派遣されてきたクロノに対して同じようなことを思っていたはずなのですが……。
いや、面白いことにこの二人、実際に会って話してみるとお互いに身構えた部分が全部肩透かしになってしまって、あれこいつ、思ってたのと全然違うぞ? となってるんですよね。
以前のベティス隊長なんかもそうでしたけれど、事前に色々と聞いていて思い巡らせていた人物像と、実際に会って話してみた際の相手の姿って、結構違っていたりするんですよね。
いや、聞き及んでいる様々な話が間違っているわけじゃなく、それはそれで正しい情報なんですよ。ベティス隊長にしてもガウルにしても、クロノの耳に届いていたネガティブな情報、こいつろくでもない人間なんじゃないだろうか、と思っても仕方ないような悪質さ、短慮さ、俗物さ、視野の狭さ、というのは一面として間違いじゃないんですよ。
ただ、決して人間というのは悪い部分だけじゃない。ある側面から見ると悪い部分でも、違う方向から見るとむしろ長所だったり、好感を持ててしまう要素だったりもする。
クロノだって、悪い評判だけ見ていたら、そりゃあとんでもないろくでなしだし、邪悪な行いを幾つもしているヤバい人間なんですけれど、その中身はというと素朴で善良で人を見捨てられないいい意味での小心者であり、勇気の塊みたいな人物である。そういう人の善し悪しって、まあ相性もありますし、実際会ってみないとわかんない部分があるんですよね。
クロノとガウルの面会も、むしろ相手の悪い面ばかり話に聞いていたからか、まともな面、理知的で感情任せじゃない論理的な面、部下の扱い方や人の意見をちゃんと聞くところ。悪いと思えば、相手が誰だろうとどんな身分だろうとちゃんと謝罪できる誠実さ、など良い面が目立って目についてた節があるんですよね。
その直前に、セシルという感情任せで差別的で人格的にひん曲がってる人物と遭遇した、というのもあるのでしょうけれど。クロノにしてもガウルにしても、話してみるとちゃんと道理は通じるし、相手の意見も聞いた上で配慮もしてくれる。反対意見や問題提起にしても一方的に押し付けてくるものではなく、ちゃんと論理的に納得できる内容である上にちゃんと自分の意見も聞いた上での考慮もある。ちゃんと話が通じる相手、ってそれだけで相手のこと見直しちゃう部分あるんですよねえ。

別に魂に訴えかけるような特別な説得とか、相手の目を覚まさせる鋭い一言、なんて大仰な展開、会談なんてなく、本当にただ事務的に顔合わせして打ち合わせして、礼儀に則って応対しただけなのに、クロノもガウルもお互いの印象一変させて、好感どころか信頼感すら芽生えさせていたのは、なんか面白かったなあ。
人間関係って、やたらこんがらがって難しいこともあるけれど、こんな風にえらく簡単にうまくいくこともある、というのがそれだけでもなんか面白い。
それだけ、人間って単純じゃないんですよね。いろんな側面があって、色んな噛み合い方もある。ベティス隊長の最初小悪党の俗物に見えたけれど、中間管理職の苦労を背負いながらちゃんと責任背負ってクロノを含めて立場の弱い人達にもちゃんと心配りしてくれるキャラクターとか、今となってはすごく好きなキャラクターなんですけれど、本作はこんな風に自分の中の悪の部分、人としての弱い部分に振り回されながらも、それに負けずに自分を保とうとする人、責任を果たそうとする人、そういう弱さに負けてしまう人、そんな色んな人物像が見られるのが好ましいんですよねえ。好きだなあ、と思える部分。
主人公のクロノこそ、その代表的な人物なんですよねえ。
据え膳食わぬは男の恥、とばかりに食べられるだけ食べてしまう頭の悪いワンコみたいな性欲も含めて。


しかし、女将ことシェーラの素性もウェブ版だとここまで詳しく描いてましたっけか。彼女が辺境とはいえ貴族の出とは、全然記憶になかったのですが。ましてや、家族とか。
シェーラを愛人にしてるのって、思いの外後々政治的な意味合いが出てくるんじゃないだろうか、これ。


腹ペコ聖女とまんぷく魔女の異世界スローライフ! ★★★   



【腹ペコ聖女とまんぷく魔女の異世界スローライフ!】  蛙田アメコ/KeG ドラゴンノベルス

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ごはんを食べたら聖女パワー全開! 聖女と魔女の異世界ほっこりライフ!

常に腹ペコの聖女見習い・エミリアは修道院を追放されてしまう。
彼女を救ったのは魔女のアビゲイル。
実はエミリアの空腹は膨大な魔力が原因で、さらに女神の生まれ変わりだった!?
アビゲイルの手料理で心もお腹もぽかぽか。
ごはんで得た聖女の力でケガを癒やしたり、伝説のフェンリルを従えたりと大活躍!
聖女と魔女コンビのほっこり生活、開始!
美味しいご飯をお腹いっぱい食べる、というのは一番根本的な幸せだと思うし、お腹をすかせている子供にお腹いっぱいに食べさせてあげる、というのは最も素朴で尊い善行の一つなんじゃないだろうか。
なんなら、そのお腹空かせている子供が本当に美味しそうにご飯食べてくれるのを見るのは、食べさせてあげるのは最高の幸せの一つなんじゃあないだろうか。
相手が子供に限らず、ペットとか動物なんかでもついつい際限なく、パクパク食べてるところに次もこれも、と食べ物を与えてしまうのは、こういう麻薬的な幸福感によるものなんじゃないだろうか。あと、単純に楽しい!
世の中のお祖父ちゃんお婆ちゃんが、孫とかにあれもこれもと食べてせてしまうのは、こういう心理もあるんだろうなあ。
と、思わず食べさせ語りをしてしまいましたが、このエミリアもまた本当に美味しそうに食べる子なので、アビゲイルとしても食べさせ甲斐があるんですなあ。エミリアの聖女としての力だなんだ、というのは、口実以外のなにものでもないのでしょう。ただただ、彼女が食べてくれるのを見るのが楽しいのだ。ご飯与えて美味しいっと笑顔になるのが嬉しいのだ。
まあ、エミリアのことを幼女と思っていたら、まさかの一歳違いの同年代だったというのが発覚してしまったのですが。
いくらなんでも発育不良すぎるだろう。修道院での過酷な毎日は眉をひそめざるを得ないものでしたけれど、いったいどれだけの虐待だったんだろう。これだけ食べることを好きな子が、まともにご飯食べることが出来なかった。お菓子どころか甘いものも口にしたことがなかった、とか可哀想すぎるじゃないですか。
どう見ても修道院、聖職者を育成するための場所じゃなくて、負の感情を育てるための場所になっているんですよね。本来そこまで性質が邪じゃない人も、ここで暮らしていたら歪んでしまうんじゃないだろうか。衣食足りて礼節を知る、とイイますけれど、エミリアへの仕打ちは特に酷いものの全体的にも食事に関しては極めて制限かけてるみたいでしたし、空腹は精神をヤスリにかけますからなあ。イライラやギスギスが常態的になっていてもおかしくない環境でしょう、これ。
こんな中で性格が一切歪まずに純真無垢な善人として育ったエミリアは……ある意味これも歪んだ結果なのかもしれません。むしろ研ぎ澄まされた純粋無垢、穢れのなさすぎる善へと濾過されてしまったんじゃないでしょうか。
己が飢え死にしそうな状態で、持ち合わせのなけなしの食べ物をお腹をすかせた子供に与えてしまったり、途方も無い借金を抱えた人の肩代わりをしてしまったり。困っている人を助けたい、というエミリアの想いは、これ半分狂気の領域に足を踏み入れたかのような善の衝動へと駆られているんですよね。自分を一切顧みない救済。
でもその救済は、与えられた食べ物を食べてしまえば、またすぐお腹をすかせてしまうだろう姉弟を果たして救えたのでしょうか。借金を肩代わりしてもらった娘ですが、でも無計画に借金を雪だるま式に増やした挙げ句に彼女を借金のかたにした父親は何の反省もペナルティーもなく借金がチャラになったわけですから、さて娘の運命やいかに、てなもので実際は何も解決していない。
エミリアの底なしの優しさに意味はないことはないでしょう。目の前で困っている人が助けられたのは確かで、でも目の前の出来事しか救えておらず、そしてそのために負った困難や負債を彼女は自力で解決できず、今度は周りの人の助けの手を必要としてしまっている。
それは果たして、手放しで褒められるべき善行なのか。
エミリアが確実に行えた救済は、ある意味アビゲイルの孤独と傷心をそばに寄り添うことで癒やした、その一点だけじゃないんだろうか。その一点で十分とも思えるのだけれど、それは彼女の困っている人を助けなければ、という一方的なそれによるものではなく、アビゲイルとお互いにお互いの温もりを必要とした、その結果なんじゃないだろうか。
最後の、自分を追いかけてきたココナたちに、お腹がすいたから一緒にごはんをたべよう、と誘って結果としてココナの心を縛り付けていた戒めを解き放ったのは、エミリアなりの成長と思いたい。
一方的な救済を押し付けるのではなく、自分が幸せに感じたことを共有することで幸せを分け与えること。自分が我慢して相手にだけ救いを与えるんじゃなくて、「私、とてもお腹が減ったので!」と自分の欲求を正直に告げて、一緒に幸福感を享受しようというその姿勢は。
最初のどこか破滅的ですらあったエミリアの聖女としての姿よりも、どこか人としてのぬくもりのある優しさが垣間見えた気がしました。
そう考えると、アビゲイルと出会ったことはエミリアにとって、救いである以上に大切なことだったのかもしれませんね。
まあでも、難しいことを考えなくても、人はお腹いっぱいになることで幸せになれる、という単純な真理こそが大切、ということで。



亡びの国の征服者 4~魔王は世界を征服するようです~ ★★★★   



【亡びの国の征服者 4~魔王は世界を征服するようです~】  不手折家/toi8 オーバーラップノベルス

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安全なはずの旅路。
“戦争”が少年達に牙を剥く――

家族の愛を知らぬまま死に、二つの人類が生存競争を繰り広げる世界で新たな生を受けた少年ユーリ。
彼は騎士院で学ぶかたわらでホウ社の事業を拡大し、いずれ来たる祖国の亡びを見越して“新大陸”の発見を目指していた。
そんな中、隣国のキルヒナ王国と“もう一つの人類”であるクラ人の遠征軍――“十字軍”との戦争がついに始まろうとしていた。
そしてユーリは女王の要請により、王女キャロルをはじめとした学生からなる観戦隊を率いて、前線を視察しに行くことに。
隊長として初めて隊を率いるユーリは、単身で下見も行い、万一のことが無いよう万全を期していた。
前線とはいえ、王鷲による上空からの視察。
この旅路には本来、大きな危険など無いはずだったが……!?
のちに「魔王」と呼ばれる男が、初めて戦場を目の当たりにしようとしていた――。
「小説家になろう」で話題の超本格戦記譚、戦争の恐怖を知る第4幕!
さすがはまだ少年と言ってイイ年齢にも関わらず、事業を立ち上げ会社を率いる経営者としても辣腕を振るうだけあって、ユーリのプロジェクトの実行力って並外れてるんですよね。
観戦隊の人選から隊の組織構築のための事前準備から、現地調査に行動計画の立案から精査まで、さらに必要物資の調達から現地の拠点の設営準備など、観戦隊派遣作戦の策定は緻密さと不測の事態を見越した柔軟さを兼ね備えた、非常に弾力性のあるものに見えました。
一人の未帰還者も出さないように慎重に、極力危険を排除するように、甘い見通しを残さないように策定されたもので、もうコレ以上万端の事前準備は出来ないだろう、というものだったんですよね。

それでも、想定外の出来事が起こるのが現実なのである。
現地の拠点の一つとするつもりだった村の宿の主が、前金だけ受け取って夜逃げしていた、なんて事態はまだ序の口。
真の想定外は、予想外は、不測の事態は、戦場でこそ起こり得る。最前線とはいえ、王鷲という空を飛行する存在に攻撃を加えることの出来る武器も兵器も、敵には存在しないはずだった。そのあたりの情報収集も、中立国経由での情報や実際に密輸入なんかで実物を手に入れて、確認はしてるんですよね。火砲や鉄砲など、火器の射撃による攻撃も有効射程距離をちゃんと把握した上できちんと安全高度を保ちさえすれば、危険はほぼない。
そのはずだったのに。
さすがに、あれはユーリでも予想なんて出来んわなあ。そこまで想定しろ、というのならそもそも前線への観戦隊なんてやるべきではない、って事になるだろうし。

ともあれ、そのどうしようもない予想外、想定外によって危険性のない安全な、いやユーリがほぼ安全と保障できるまでに計画を煮詰めた観戦隊による前線視察は、他の隊員たちこそ無事に逃がすことに成功するものの、本来なら他の隊員全員を犠牲にしても護らなければならなかった王女キャロルとユーリの二人が王鷲ごと撃墜され、敵中に取り残されることになる。

決戦は味方の大敗。味方の軍勢は四散し、敵は一気呵成に追撃戦を行うなかで、ユーリたち二人は敵軍が今まさに占領と略奪のために侵略してくる大地の只中に放り出されてしまったのだ。
しかも、キャロルが脚を負傷して自力で歩くことの出来ないというハンデを背負ったままで。
助かる見込みなどどこにもない、絶望の逃避行。
相棒として長年連れ添った王鷲は、墜落の際に負った怪我で再起不能となり、ユーリは手ずから親友を送ることになる。さらに、追い詰められたキャロルを救うために彼は生まれて初めて自らの手で人を殺したのだ。
体以上に心が傷ついた状態で、しかしなおもキャロルを守るために傾いた心を立て直し、味方がいる地まで敵から隠れ潜みながら、ユーリは逃亡を開始する。
どう考えても助からない、せめてキャロルの脚さえ健常だったなら、という塗りつぶすような黒が心を覆っていくのだけれど、しかしユーリの中には一欠片もキャロルを置いていこう、という考えは芽生えないんですね。キャロル自身はそれを主張するのだけれど、ユーリは一顧だにしない。
いつもユーリって地の文でも内心を語る際は、斜に構えててネガティブというか皮肉屋というか偽悪家なところがあり、実のところユーリ本人は自分のことをそういう人間だと思ってる節があるのですが……。
本作の場合、この主人公ユーリの内心の言葉は、本心とか本音だと思わないほうがいいんだろうな、と思いながら読んでいます。いや、ユーリとしては本音のつもりなんでしょうけどね。多分、心で思ってることと彼の本当の心は乖離しているところがあるんじゃないでしょうか。ユーリ・ホウは自分で思ってるほど、ろくでもない人間じゃあない、ということで。
だからこそ、彼に信頼や親愛を預ける人間は少なくないのである。過大評価じゃないのだ、それは各々から見たユーリへの正当な評価であり、素直な感情なのである。

この逃避行は、ユーリにとっても極限状態でした。絶望は常に心を蝕み、諦めが背中に剣をついてくる。それでも諦めることを良しとしなかったのは、隣に絶対に守るべき人がいたから。
キャロルが居たから。
もし、敵勢に追いつかれれば、それはもう絶対に助からないということ。二人共その時が来たら、自らを処す、自決する覚悟をもう胸に収めてるんですね。穏やかなくらい、覚悟を決めている。
一度、偵察から戻ってきたユーリの態度に追いつかれたとキャロルが誤解したシーンがあったのですが、騒ぐことも怯えることもなく、スッと静かに終わりを受け入れる姿を見せたのでした。
それを見た時、どれほどキャロルが極限状態に居て、その極限を覚悟を持って受け止めているのかが伝わってくるシーンだったのです。
そんな極限状態だからこそ、虚飾は引き剥がされるのです。その心は剥き出しになる。
そうして、二人きりである今に向き直った時、キャロルとユーリ、お互いを見つめ直した時に、さらけ出された自分の心を知るのである。
ユーリにとっては、王族だのなんだのと関係ない、キャロルという女の、幼馴染の存在が自分にとってどういう意味を持っていたのかを、理解するのだ。
この女が居なければ、自分はもう生きる意味がない、と自然に思えるほどの感情を。
それはキャロルも同じ。彼も彼女も、自分が何のために生きて何のために死ぬのかを、理解したのだろう。彼のために彼女のために、生き。そして、アナタの為に死ぬのだ。そして今は、共に生き、それが叶わぬなら共に死ぬ。お互いが無二、それを彼らは知ったのだ。自分よりも価値があるものを。自分なんかよりももっと大切なものの存在を。

それを知ることは理解することは、自分の存在がただその人のためにあるのだと受け入れたことは、ユーリとキャロルの、二人の命運を定めた、と言えるのかも知れない。
ユーリ・ホウとキャロル・フル・シャルトル、この二人はこの時知ってしまった在り方に、文字通り殉じることとなる。
彼が魔王と呼ばれることになるその歩みは、いちばん大切なものがある事を受け入れた、きっとこの時にはじまったのだろう。


逆行の英雄 ~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~ 1 ★★★★   



【逆行の英雄 ~加護なき少年は絶技をもって女勇者の隣に立つ~ 1】 虎馬チキン/山椒魚 MFブックス

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逆行した加護なき少年は、今度こそ幼馴染の女勇者を救う――!
とある田舎の村に住む少年アランは、勇者と呼ばれる少女ステラの幼馴染だった。
ステラは人々の希望として奮闘し、魔王討伐まであと一歩という所まで迫っていたが、最後の戦いに敗れ、人類は再び絶望の底へと落とされてしまう。
幼馴染を奪われたアランは加護なき無才の身でありながら、比類なき努力で格上殺しの秘剣を編み出し、遂には魔王と刺し違える事で復讐を果たすのだった。
しかし仇を討っても彼女は帰って来ない。悲しみと喪失感の中でアランは命を落とし――気づけば幼馴染が勇者となる前の時間へと逆行していた!
絶望の未来を知っているアランは誓う。
「今度こそ二人で生きて魔王を倒して、ハッピーエンドで終わってみせる」
絶技をもって大切な幼馴染を守り抜く、王道剣戟バトルファンタジー開幕!!

くわーーっ、こいつはカッコいいなあ。願いに向かって脇目も振らず一心不乱。前世というべきか一周目というべきか、かつての人生で勇者として覚醒し旅立っていった幼馴染を無為に見送り、ただその惨死を伝え聞くしかなかった全身を掻き毟るような後悔や無念を糧に、もう一度幼い頃から送ることになった二度目の人生を、今度こそ幼馴染のステラを守るために費やさんと努力し続けるアラン。
まさに王道で、正道の地べたから這いずり上がる英雄譚なんだけれど、アランの心根心意気が本当に真っ直ぐで、ステラを守る!で一貫してブレがないから、ほんと気持ちいいんですよね。
その一途な想いも、悲痛なまでの後悔や絶望を背景に打ち立てたものだから決して軽々しいものではなく、二度とあんな思いを味わいたくないという必死さ以上に、かつて孤独だっただろう前世のステラの寂しさや痛み孤独絶望感なんかを思いやりながら、自分以上にステラにそんな想いを二度と味わわせるものか、という懸命さに彩られたものだから、もうまっすぐというか健やかなんですよ。
自分のことだけに内向きになっていたら、かつて復讐鬼として無才にも関わらず魔王を倒すまでに至った狂気、或いは負の感情みたいなものに引っ張られて、もっと危ういピーキーな感じになっていたんじゃないだろうか、とも思うのだけれど、とにかくステラのために一途だからその真っ直ぐさに危うさは感じられず、むしろ分厚い柱を感じさせるどっしりとした目的意識で安定感すら感じさせてくれるんですよね。
ステラを守るということに一途なわりに、ステラに盲目的というわけじゃなく、勇者としてハチャメチャに強くなっていくステラに対して上から目線になれるはずもなく、必死に対等な立場として隣に立ってやる、という負けん気を発揮し続けていたのも良かったのでしょう。ステラは守るべき存在じゃなく、追いかける存在だったから。
それでも、前世の記憶を元に自分を鍛え上げまくって、幼いときからステラに対して勝ち越しし続けてきた、というのは男の子だなあ、と微笑ましくなる向こう意気じゃないですか。お互い、負けるかこらーと切磋琢磨し合う幼馴染関係というのも、お互いへの信頼感が振り切っててニマニマしてしまうんですよねえ。
ステラからすれば、ちっちゃいときからメチャクチャ一途な気持ちぶつけられ続けて、オマケに宣言通りどんどん強くなって、カッコよくなっていくアランにはもうひゃわわわわ〜、てなもんですよ。
それで大人しく護られるお姫様にはならずに、彼が追いかけてくるに相応しい勇者になろうとするの、この娘はこの娘で実に勇者らしいカッコいい娘なんですよね。一方で内心いつかもっと強くなって隣に立ってくれるのを、守りにきてくれるのを信じ切って待っている、というのもまた実に乙女らしい恋する少女してるのも可愛かったなあ。
本来なら加護を持つ人間と、それを与えられなかった人間とでは身体能力から何から別次元の差が生まれてしまう。それを敢えて乗り越えようとせず、弱い自分を認めた上で弱いまま格上を倒す技法を復讐の果てに編み出し、ついに幼馴染を殺した魔王を相打ちで倒すまでに至ったアランの格上殺しの殺法。
ステラが勇者として目覚め王都へと旅立つ日、加護を持つ聖騎士の頂点たる老剣聖と戦って敗れた日、アランはもう一度自分を追い詰めるだけ追い詰めボロボロになるまで努力と鍛錬を積み重ね、かつて習得した格上殺しの技法殺法をマスターするため、彼もまた一人冒険者として旅立つのである。
あのイラストの、二本差しにズタボロの羽織を羽織った流離いの浪人みたいなスタイルが、雰囲気でそんな格好してたわけじゃなく、ちゃんと強くなるために積み上げ手に入れていったものの果てに出来上がった彼の生き様で形作られたスタイル、というのが彼の成長譚の中でしっかり描かれていたのは嬉しい所。
無才の少年が、ただ幼馴染を守るために加護持ちたちすら圧倒し、最強の剣豪すらも打ち破ってその強さを証明する、という誰にも文句言わせないどころか、きっと世間受けするだろう物語を、勇者ステラの出陣式に現れて、公衆の面前でやってのける、というのはかっこよかったなあ。
英雄譚というよりも完全にロマンスの類ですもの。おまけに、実質公開告白でしたし、一世一代のラブロマンス、そりゃあ周りも世論も盛り上がりますわ。
戦闘シーンも柔よく剛を制すを念頭に、ケレン味のあるスピード感を感じさせるアクションであり、剣戟であり、読み応えある面白いものでした。
まずもって、勇者ステラと並び立つ資格を、パーティーの一員として戦うことの出来る立場を手に入れたアラン。とはいえ、勇者の旅はまだこれから。今度はステラと、もう二人いる勇者パーティーの面々と一緒に旅になるわけで。
……いやこれ、実質ラブラブ幼馴染夫婦な二人についていくことになる、あとの二人色んな意味で大変なんじゃなかろうかw
まあどんな旅になるのか、是非想い叶い想い遂げるだろうアランとステラの旅の続きを見てみたいです。

見える子ちゃん 1 ★★★★   



【見える子ちゃん 1】 泉 朝樹 MFC

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異形な“ヤバいやつ”との遭遇を全てシカトで凌ぐ。新感覚ホラーコメディ!

ある日突然、普通の人には見えない異形な存在が見えるようになってしまった「みこ」。彼女は彼らから逃げるでもなく、立ち向かうでもなく…精一杯シカトしつづける事に。怖いようで怖くない、新感覚ホラーコメディ!

こちらから見えるということは、向こうからも見えるということ。
見えていると気づかれたら、果たしてどうなってしまうのか。
以前からウェブ連載の方は読んでいたのだけれど、アニメ化ということで改めて単行本を手にとってみました。
あらすじにある通り、ある時から他の人には見えていない異形、霊の姿が見えるようになってしまった「みこ」。その異形たちは、亡霊なのか何なのか。人に気づかれないまま、でも人にまとわりつくように彷徨っているのである。中にはなんか全然違うのもいるけれど。
でもその多くが、見えていると気づくと近寄ってくるんですね。見えてる?見えてる?とつぶやきながら。

本作のとびきり素晴らしいところは、やはりその亡霊たちのデザインでしょう。もう見るからにヤバい。グロテスクでおどろおどろしく、たとえ人の形をしていても人の理性を欠片も残していないのがひと目で見て取れるヤバさ。気色悪いし怖いし人を冒涜してるような有様だし。とにかく、とてもじゃないけど意思の疎通が図れるわけがない見てくれなんですね。コミュニケーションなんて以ての外。
そんな見ただけで絶対に悲鳴を上げるか白目剥きそうな化け物が目の前に突然現れても、声一つあげないのがこの子「みこ」なのである。
怖がっていないわけじゃない。そりゃもう、漏らしそうなほどビビり倒して内心半泣きになっているにも関わらず、そうした心のパニックを押し殺して見えてないふり、素知らぬふりを貫き通すのである。思わず反応してしまったときも、まるで別のことに反応したかのように独り言をつぶやいてみたり、目にゴミが入ったかのような仕草でごまかしたり、とたゆまぬ努力でスルーしつづける。
そんな少女の必死な、必死過ぎる……ある意味、一つ間違えれば死ぬよりヤバいことになりそうなシチュエーションなだけに、必死を通り越してもう決死の思いでのシカトっぷりを堪能するのが、本作なのである。なるほどホラーコメディだ。
いやもう絶対怖いって。まだ遠くから見えていて心構えが出来てるならマシだけれど、ロッカーあけたらいきなり中に居たり、振り返ったら鼻触れ合いそうなところにそびえ立ってたりとか、相手が亡霊とか怨霊じゃなくても声上げるわ! ビビるわ! それをこの子は、声一つあげずに耐えきるのだから、すげえメンタルである。
外で歩いている時だけならまだしも、学校の中や風呂入っている途中、挙げ句に自分の部屋の中にまで脈絡なく現れるのだから、頭おかしくなりそうなのに。
耐える、耐える、耐える。耐えてスルー、耐えてシカト。誤魔化し下手な演技も交えながらなんとかやり過ごす。ほんま、ようやっとる!

いや、あまりにも見事に耐えきるものだから、てっきり幼い頃からこういう異形が見えていて、耐性が出来ているのだと最初読みだしたときは思ってたんですよ。ところが、実際は見えるようになったのはごく最近。霊感があるわけじゃなく、こんな化け物なんて今まで見たことも気配を感じたこともなかったにも関わらず、よくまあ見ないふり、知らんぷりなんて、何気に難易度高い対処法を選んで貫き通しているものである。
考えても見てくださいよ。夜寝ている時に、なにか変な気配がしたら……見るじゃん。確認するでしょう。なにか居るのに、見ないふりなんて出来ない。絶対見る。見ても怖いけど、見ないほうがもっと怖いもの。
そう考えると、怖がりながらビビリながらもなお意思を貫き通せるこの子は繰り返しになりますが、メンタルすげえです。

アニメの方はまだ見ていないのですが、これはもうあの化け物たちのデザイン次第だろうなあ。ちょっとでもマイルドになってしまってたら、全然面白さも違ってきてしまうんじゃないだろうか。

猫の話や、お父さんの話などちょっとほんわかしたり、切なさを抱いたりという話もあって、普段の当たり前の生活の中にも死というのはいろんな形で寄り添っているんだなあ、というのがふわりと伝わるエピソードでありました。
でも、亡霊同士共食いしてたりとか、あれ死んだ霊にとってはこの世相当ヤバいところなんじゃないだろうか。早く成仏してあの世にいった方がいいんじゃないだろうか。あの世とかあるのか、成仏なんて概念あるのかすら定かではないけれど。

田中家、転生する。3 ★★★☆   



【田中家、転生する。3】 猪口/kaworu ドラゴンノベルス

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平凡一家、世界へ羽ばたく!? 和食ゲットのため、一家で外交はじめます!

エマの参加した夜会で、まさか通じた皇国語(がいこくご)。
今度は外交問題に巻き込まれるのだが、一家の関心は皇国産の日本食。
お味噌にお米、鰹節!
念願の食材を手にすべく、メルサは単身皇国へ。
一方、歯止め役の消えた王都では、学園で事件が起きたり、漁師やスラムを救ったり、果てはエマが聖女になったり――イベント多すぎ!?
波瀾の王都編、続きます!
え!? 皇国語ってそもそも認識すらできないの!?
単に言語体系が違いすぎて、習得が難しいだけなのかと思ったら王国民を含めた殆どの地域の人間が、皇国語を聞き取ることも文字を読むこともできないのだという。頭が理解を拒み、認識記憶することすら難しいのだという。これ、言語を覚える覚えないの問題じゃないのか。
あとあと、皇国語(日本語)を聞いた際のヨシュアなんかの反応を見ていると、確かに言語が理解できないというよりも、認識が阻害されているみたいな感じなんですよね。ジャミングされているような、突然ピー音が入って邪魔されるような。
なるほど、異世界でないと存在しない事情だなあ。
そりゃ、エマが皇国語使えたことに王様以下みんなが仰天するわけだ。
でも、そこまで意思疎通が難しい相手と皇国も王国も、なんでそんな必死になって交流しようとしているかがまた不思議だったのですが、両方とも亡国がかかった死活問題が関わっているということで、そりゃエマの確保に必死になるわ。国の存亡が関わっているのだから。
むしろ、エマ個人を気遣って無理をさせないように配慮してくれる王様が有情すぎるくらいで。
同時にスチュワート家が今や王国の浮沈の要となっていて、彼らの機嫌を損ねることが皇国との交流を上回る勢いで死活問題になっちゃってる、という冷静な判断もあるんだろうけれど。
スチュワート家を敵に回してはならない、というのは今や王家であっても肝を据えて掛からなければならない案件なわけだ。でも、そういうの抜きにして、本心からエマのこと心配しているからこそ、この王様いい人なイケオジなんだけど。

しかし、こうしてみると平和に見えてこの世界、人類の生存圏がヤバすぎますね。ちょっとしたきっかけでホントに国の一つくらい簡単に滅びてしまうくらい、崖っぷちに立たされているのか。
王国もこれ、座していれば早晩滅びる、というのがわかってしまったのはちょっとゾッとしないですよ。現在進行系でもうアカン状態の皇国に比べるとまだマシなんでしょうけれど。
いや王国ってば、この状態で辺境地域よくまああんな状態で放ったらかしにしてるよなあ。魔物の侵入を防いでいる辺境貴族がこのまま財政問題でバタバタ倒れていったら、完全にアウトじゃないですか。スチュワート家が自前で財政立て直したから良かったものの、王国側からはこのあたりの辺境への優遇策は何一つ改善していないわけで、実際幾つもの家が財政破綻して消えちゃってるのを見ると、ちょっとどうしようもないところがあるなあ。
スラム問題もその片鱗の一つだろうし。王様、政治的に決して無能ではなく見識も有り自己評価も冷静でフットワークは軽く手腕にも長けているだろうけれど、それでも手が届いていない場所が多いというのはそれだけ問題が山積してるんだろうなあ。王権もそこまで強いわけではないようだし。

ともあれ、皇国との外交問題にガッツリと噛むことになったスチュワート家。そりゃ、一家全員喋れますからねえ、皇国語。しかし、一家見渡してみてもマトモな交渉ができる人が……お母様しかいないw
さすが、一家の大黒柱というべきか。辛うじて常識人枠、というべきか。まあ、メルサお母さんも所詮はスチュワート家なのですが。
メルサお母さんとレオナルドパパとのイチャイチャに、子供達がチベットスナギツネ顔になってるのはイラスト付きで笑ってしまいましたw
子供らからしたら、前世では一度還暦までいってた両親ですからねえ。イチャイチャされたらたまらんよなあ。でも、お父さんもお母さんも一度生まれ変わって心身ともに若返っている影響なんでしょうねえ。というよりも、前世思い出すより前に再び巡り合って結婚して、なんて運命的な人生歩んでいるわけですから、未だ熱も冷めてないんだろうなあ。

でも、メルサお母さんが皇国に直接赴いてしまうと、残されるのはレオナルドパパと子供達のみ。やらかすよなあ、これやらかすよなあ。
いや、一概にエマが悪いんじゃないと思いますよ。この子らに後を任さざるを得なかった状況が悪かったとしか言いようがなく。
どんどんと起こってしまうあれこれに、必死に取り繕い場を収めようとすればするほど、なぜか聖女として持ち上げられるエマ。それを阻止できない兄と弟に、火に油を注いでしまうお父さん。
はい、ご愁傷さまです。まあ同情の余地はあるよ、うん。
褒賞の件は、むしろスラムゲットは上手くやったほうですし。あれは王家としてもなんとしてでもスチュワート家の功績に報いなければならなかったところですから、受け取らないという結論はなかったわけですしね。

しかし、エドワード王子はちょっとエマに幻想を抱きすぎているというか、変に美化してしまっているというか。エマの実情とはかけ離れたイメージをエマに抱いて恋してしまっているけれど、大丈夫なんだろうか、これ。つまるところ、エマの事をなんにも理解していない、とも言えるわけですしねえ。
まだ、エマの素を知っているにも関わらず狂信的にハマっているヨシュアの方が錯誤が少ないという意味ではまだマシなのかもしれない。エマのお相手ってエドワード王子なのかと思ってたけれど、これだけ現実と理想がかけ離れてしまっていると、ちょっと心配になってきたな。



駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2 ★★★★   



【駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。2】  書店ゾンビ/ユズハ オーバーラップ文庫

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芽生えた想いは抑えきれない――

独身リーマン・陽史、女子大生・詩織、女子高生・彩乃。
ひょんなことから始まった同居生活にも慣れ、3人はいつもと同じ日常を過ごしていた。
いつまでもこの生活が続きますように――
そんな思いとは裏腹に、とある出来事をきっかけに動き始めた3人の関係。
さらに、弁護士で陽史の元彼女でもある千里が現れたことで、いよいよ同居生活は崩壊の危機に見舞われることになり……?
「好きな人に好きになってほしい。それは……イケナイことなの? 」
「待ってくれた、話を聞いてくれた。そんな陽史さんが大好きだから」
サラリーマンとJD、JKが1DKから始めるホームラブコメディ、第2幕。
色んな同居モノのシリーズがあって、その中には甘酸っぱいもの、ドタバタと騒がしくていつも明るい雰囲気なもの、様々な形の家族の肖像があったけれど、本作の陽史と詩織、そして彩乃の三人の生活空間は他と比べても一番、リラックスして安らげる場所だったように感じている。
もうずっと何年もそうだったように、自然に三人は同じ部屋でくつろいでいる。誰かがテレビを見ていて、誰かが台所に立ってご飯を作っている。でかけていた誰かがただいまーと帰ってきて、それを他の二人が一瞥して、でもそれまで続けていたことの手を止めないまま、おかえりー、と声をかける。
彩乃がバイトをはじめたときも、日曜日の朝に彼女がいってきま〜す、とでかけていくのを、まだちょっと眠そうにしつつ、並んでソファーに座ったまま朝の特撮番組を見ていた陽史と詩織が、何気ないやり取りの末に二人していってらっしゃい、と送り出すシーン。
あそこはホントに何気ないシーンなんですけれど、特にこの三人の間の空気感、距離感、日常を感じさせてくれるシーンで好きだったんですよね。
彩乃のバイト終わりに、彼女の勤める喫茶店に陽史が顔を出して、雨に降られてずぶ濡れになってじ彩乃にじゃれつかれながら帰ってきたのを、呆れ混じりに詩織が迎え入れるまでを含めて。
このとき、彩乃は陽史がバイト先まで来てくれたら喜びますよ、って送り出してくれたの、詩織なんですよね。一方で彩乃もここぞというタイミングで詩織と陽史が二人きりになれるように取り計らってる。それは、恋敵に塩を送る、みたいな大げさなものでもなく……。
彩乃も詩織も、もしこの時陽史が来てくれたら、一緒に居てくれたら、/彩乃ちゃんは/しぃちゃんは/嬉しいだろうなあ、喜ぶだろうな。そう、考えて自然に陽史の背中を押してるんですよね、二人とも。
無心で、ただただ本来なら恋敵にあたるだろう相手を想ってる。多分、陽史のことと同じくらい大切な人だと感じながら。
二人の関係は、家族のようで姉妹のようで、でも事情に踏み込みすぎない遠慮があって、でもそんな遠回りの気遣い以上の親愛を以て触れ合っている。元々他人だからこそなれる家族みたいな関係って、あるんですねえ。それはきっと親友という関係でもあるのだろう。歳に差がある同性特有の、不思議な親友関係。
彩乃と詩織の想い合う関係は、もしかしたら陽史という要の存在がなかったとしても、女性二人の同居生活という形で一つ、物語ができたかもしれない密接で温かいつながりだ。そしてその温かさは、陽史を間に挟んでも断ち切られない。
陽史が学生時代に撮った映像サークルの映画作品。そこに、当時彼が付き合っていた元カノが映っていて、映像からは陽史が彼女に夢中な様子が伝わってきた時、二人は無言で両側から陽史の腕にしがみついて、無言のままギューギューと両側から陽史のことを押し込んでくるシーン。あくまで何も言わず、でもあからさまに抗議を示しながらギューギューと圧してくる様子は、ほんと可愛らしくて微笑ましいシーンだったんだけれど、コレは同時に彩乃と詩織の共同作業でもあるんですよね。二人からの抗議なのだ。それが、どうしようもなく微笑ましくて、彼女たちの関係に癒やしを感じてしまうのでした。

その元カノである海野千里と、陽史は別れて以来久々に再会するのだけれど……。
大人な関係だよなあ。
あくまで、終わった関係なんですよね、もう。そのへん、二人共割り切っていて、だからこそ友達として気安く付き合いなおせたわけだ。陽史が詩織と彩乃との生活を経てある種心の余裕みたいなものを得ていた事も大きいのでしょう。千里と別れざるを得なかった原因は、陽史の方にあるようだったのですが、彼が迎えた良い変化は彼らが別れる原因となる部分を解消していたんですねえ。
彼の危うさ、というのは彩乃の家庭の事情を巡る話の中で一瞬垣間見えているのですが……こうしてみると詩織が彼のそうした一面を押し留め、彩乃が吐き出させているんですよね。
二人が居てこそ、陽史のともすれば凝り固まってしまいそうな部分が解きほぐされ明るい光に灯されている、というのがよくわかったお話でもありました。
ほんとこの生活空間、優しくてほんわかと明るくてリラックスできてあんまりにも居心地良いものだからか、千里がなんとなく入り浸りだしてしまったのも、なんとなくわかるなー。
いまさら陽史にちょっかいかける気は毛頭ないんだろうけれど、思わずここでゴロゴロしたくなる。普段弁護士として休む暇なく働いて、結構疲れている様子も伺えるので、リラクゼーション空間というか癒やし空間、欲しくなるよねえ。美味しいご飯も食べさせてくれるし。

いつまでもこのままでは居られない。学生である彼女たちはいずれ、卒業してそれぞれの道に進まなくてはいけないし、そうでなくても他人同士の三人が一緒に暮らしている今の状況は無理を重ねている。変化の訪れは、必然だ。
でも今の幸せが変わってしまってなくなってしまう事を恐れる彩乃を、陽史は自分自身も迷走しながら、でも彩乃と詩織こそが教えてくれた変化もまた愛しい日常になっていくことを、改めてこの寂しがり屋の女子高生に伝えるのである。
どれだけ変化してしまっても、陽史も詩織も彩乃と一緒にいると、寂しがらせることだけはしないとと約束するのである。
いつか、どちらかの恋が実っても、それが残る一人を孤独にはしないと、信じることが出来そうです。


 

7月4日

松本直也
(ジャンプコミックス)
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稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)
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藤本タツキ
(ジャンプコミックス)
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阿賀沢紅茶
(ジャンプコミックス)
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マポロ3号
(ジャンプコミックス)
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yatoyato
(ジャンプコミックス)
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土田健太
(ジャンプコミックス)
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橋本悠
(ジャンプコミックス)
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辺天使/津田穂波
(ジャンプコミックス)
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伊藤砂務
(ジャンプコミックス)
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三条陸/芝田優作
(ジャンプコミックス)
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稲岡和佐
(ジャンプコミックス)
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有馬あるま/フカヤマますく
(ジャンプコミックス)
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田中靖規
(ジャンプコミックス)
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岩田雪花/青木裕
(ジャンプコミックス)
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堀越耕平
(ジャンプコミックス)
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古橋秀之/別天荒人
(ジャンプコミックス)
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神江ちず
(角川コミックス・エース)
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路生よる/藤堂流風
(角川コミックス・エース)
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蝉川夏哉/ヴァージニア二等兵
(角川コミックス・エース)
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三上康明/田中インサイダー
(角川コミックス・エース)
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7月1日

紙城 境介
(角川スニーカー文庫)
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メソポ・たみあ
(角川スニーカー文庫)
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ナナシまる
(角川スニーカー文庫)
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shiryu
(角川スニーカー文庫)
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あまさきみりと
(角川スニーカー文庫)
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ミヤ
(角川スニーカー文庫)
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榊一郎
(HJ文庫)
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たすろう
(HJ文庫)
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シクラメン
(HJ文庫)
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かみや
(HJ文庫)
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ぎんもく
(FUZコミックス)
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晩野
(FUZコミックス)
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明地雫/霜月緋色
(HJコミックス)
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森山ゆっこ/はむばね
(HJコミックス)
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黒野ユウ/遠野九重
(B’s-LOG COMICS)
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大和田秀樹
(近代麻雀コミックス)
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6月30日

之 貫紀
(エンターブレイン)
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kawa.kei
(エンターブレイン)
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槻影
(エンターブレイン)
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白水 廉
(エンターブレイン)
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丸山 くがね
(エンターブレイン)
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鹿角フェフ
(GCノベルズ)
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力水
(モンスター文庫)
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蒼井美紗
(Mノベルス)
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よねちょ
(Mノベルス)
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あきさけ
(Mノベルス)
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唐澤 和希
(ヒーロー文庫)
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中野 在太
(ヒーロー文庫)
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新城一/海月崎まつり
(KCx)
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キダニエル/四葉夕卜
(KCx)
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6月29日

榊 一郎
(講談社ラノベ文庫)
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弥生 志郎
(講談社ラノベ文庫)
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雨宮 和希
(講談社ラノベ文庫)
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虎走 かける
(講談社ラノベ文庫)
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謙虚なサークル
(講談社ラノベ文庫)
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深山 鈴
(Kラノベブックス)
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右薙 光介
(Kラノベブックス)
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火事屋/蛙田アメコ
(ライドコミックス)
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真鍋譲治/すかいふぁーむ
(ライドコミックス)
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伊吹 亜門
(星海社FICTIONS)
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柴田 勝家
(星海社FICTIONS)
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6月28日

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6月27日

浦上ユウ
(電撃コミックスNEXT)
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猫夜叉/亀小屋サト
(電撃コミックスNEXT)
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たくま朋正/伊藤暖彦
(電撃コミックスNEXT)
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綾村切人/ナフセ
(電撃コミックスNEXT)
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結城鹿介/髭乃慎士
(電撃コミックスNEXT)
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幌田
(まんがタイムKRコミックス)
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6月25日

十文字青
(オーバーラップ文庫)
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鬼影スパナ
(オーバーラップ文庫)
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迷井豆腐
(オーバーラップ文庫)
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篠崎 芳
(オーバーラップ文庫)
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寺王
(オーバーラップ文庫)
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御鷹穂積
(オーバーラップ文庫)
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メグリくくる
(オーバーラップ文庫)
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雨川水海
(オーバーラップノベルス)
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江口 連
(オーバーラップノベルス)
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和島 逆
(オーバーラップノベルスf)
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KK
(オーバーラップノベルスf)
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雨川透子
(オーバーラップノベルスf)
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6月24日

芝村 裕吏
(MF文庫J)
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志瑞祐
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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長月 達平
(MF文庫J)
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月見 秋水
(MF文庫J)
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三月みどり
(MF文庫J)
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花間燈
(MF文庫J)
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衣笠彰梧
(MF文庫J)
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常世田健人
(ダッシュエックス文庫)
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ジルコ
(ダッシュエックス文庫)
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疎陀陽
(ダッシュエックス文庫)
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九十九弐式/すかいふぁーむ
(ダッシュエックス文庫)
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甘岸久弥
(MFブックス)
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yokuu
(MFブックス)
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天ノ瀬
(MFブックス)
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ラチム
(MFブックス)
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櫻井 みこと
(MFブックス)
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御手々 ぽんた
(MFブックス)
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支援BIS
(KADOKAWA)
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藤也卓巳
(あすかコミックスDX)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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ひろやまひろし
(角川コミックス・エース)
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横田卓馬/伊瀬勝良
(角川コミックス・エース)
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ぶんころり/プレジ和尚
(角川コミックス・エース)
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蛍幻飛鳥/志瑞祐
(角川コミックス・エース)
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水無月すう
(角川コミックス・エース)
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鈴見敦/八又ナガト
(角川コミックス・エース)
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御宮ゆう/香澤陽平
(角川コミックス・エース)
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人生負組
(角川コミックス・エース)
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ZUN/水炊き
(角川単行本コミックス)
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神地あたる/白米良
(ガルドコミックス)
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黒杞よるの/雨川水海
(ガルドコミックス)
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村光/ベニガシラ
(ガルドコミックス)
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七六/鬼影スパナ
(ガルドコミックス)
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天羽銀/迷井豆腐
(ガルドコミックス)
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白砂/麻希くるみ
(ガルドコミックス)
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木乃ひのき/雨川透子
(ガルドコミックス)
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6月23日

日向夏/ねこクラゲ
(ビッグガンガンコミックス)
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押切蓮介
(ビッグガンガンコミックス)
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小林湖底/りいちゅ
(ビッグガンガンコミックス)
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深見真/真じろう
(ビッグガンガンコミックス)
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金田一蓮十郎
(ヤングガンガンコミックス)
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佐藤真登/三ツ谷亮
(ヤングガンガンコミックス)
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萱島雄太
(ヤングガンガンコミックス)
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優風
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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栗井茶
(ヤングガンガンコミックス)
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6月22日

浅草九十九/和ヶ原聡司
(MFコミックス アライブシリーズ) Amazon Kindle B☆W DMM


安里アサト/シンジョウタクヤ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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中山幸
(MFコミックス アライブシリーズ)
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三ツ矢だいふく
(MFコミックス アライブシリーズ)
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内藤隆/榎宮祐
(MFコミックス アライブシリーズ)
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花鶏ハルノ/相川有
(MFコミックス アライブシリーズ)
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久真やすひさ
(MFコミックス アライブシリーズ)
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衣笠彰/紗々音シア
(MFコミックス アライブシリーズ)
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フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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藍屋球/アネコユサギ
(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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クマガエ/宮澤ひしを
(イブニングKC)
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カルロ・ゼン/石田点
(モーニングKC)
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泰三子
(モーニングKC)
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ハナツカシオリ
(モーニングKC)
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瀬下猛
(モーニングKC)
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NICOMICHIHIRO
(モーニングKC)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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鍵空とみやき
(ガンガンコミックスJOKER)
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藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)
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田代哲也
(ガンガンコミックスJOKER)
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柊裕一
(ガンガンコミックスJOKER)
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村田真哉/速水時貞
(ガンガンコミックスJOKER)
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都月景/いふじシンセン
(ガンガンコミックスJOKER)
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殿ヶ谷美由記
(ガンガンコミックスpixiv)
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6月20日

風間レイ
(TOブックス)
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ほのぼのる500
(TOブックス)
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楢山幕府
(TOブックス)
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リッキー
(TOブックス)
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こりんさん
(GCN文庫)
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武田すん
(ヤンマガKCスペシャル)
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ペトス/橋本カヱ
(ヤンマガKCスペシャル)
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千田大輔
(ヤンマガKCスペシャル)
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Cuvie
(チャンピオンREDコミックス)
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小坂泰之
(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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6月19日

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6月17日

上遠野浩平/カラスマタスク
(ジャンプコミックス)
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野田サトル
(ヤングジャンプコミックス)
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二宮裕次
(ヤングジャンプコミックス)
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原泰久
(ヤングジャンプコミックス)
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双龍
(ヤングジャンプコミックス)
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深川可純/広報広聴課ゾンビ係
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ/横槍メンゴ
(ヤングジャンプコミックス)
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赤坂アカ
(ヤングジャンプコミックス)
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中山敦支
(ヤングジャンプコミックス)
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光永康則/入鹿良光
(ヤングジャンプコミックス)
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ソウマトウ
(ヤングジャンプコミックス)
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中村力斗/野澤ゆき子
(ヤングジャンプコミックス)
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峰浪りょう
(ヤングジャンプコミックス)
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畑健二郎
(少年サンデーコミックス)
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山田鐘人/アベツカサ
(少年サンデーコミックス)
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コトヤマ
(少年サンデーコミックス)
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松江名俊
(少年サンデーコミックス)
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熊之股鍵次
(少年サンデーコミックス)
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栗山ミヅキ
(少年サンデーコミックス)
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高橋留美子
(少年サンデーコミックス)
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草場道輝/高谷智裕
(少年サンデーコミックス)
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福井セイ
(少年サンデーコミックス)
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安西信行
(少年サンデーコミックス)
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新井隆広/青山剛昌
(少年サンデーコミックススペシャル)
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日向夏/倉田三ノ路
(サンデーGXコミックス)
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麻生羽呂/高田康太郎
(サンデーGXコミックス)
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池澤真/津留崎優
(裏少年サンデーコミックス)
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山田 リツ
(裏少年サンデーコミックス)
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寺嶋裕二
(講談社コミックス)
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三宮宏太/西田征史
(講談社コミックス)
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ヒロユキ
(講談社コミックス)
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福留しゅん/天城望
(フロースコミック)
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伊吹有/葉山湊月
(フロースコミック)
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羊太郎
(富士見ファンタジア文庫)
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三河 ごーすと
(富士見ファンタジア文庫)
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桜生 懐
(富士見ファンタジア文庫)
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陸奥 こはる
(富士見ファンタジア文庫)
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高橋 びすい
(富士見ファンタジア文庫)
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恵比須 清司
(富士見ファンタジア文庫)
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三原 みつき
(富士見ファンタジア文庫)
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あボーン
(富士見ファンタジア文庫)
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白井 ムク
(富士見ファンタジア文庫)
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綾里けいし
(ガガガ文庫)
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カミツキレイニー
(ガガガ文庫)
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伊崎喬助
(ガガガ文庫)
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平坂 読
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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猿渡かざみ
(ガガガ文庫)
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緒二葉
(ガガガ文庫)
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川上 稔
(電撃の新文芸)
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美浜ヨシヒコ
(電撃の新文芸)
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草薙 刃
(電撃の新文芸)
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時田 唯
(電撃の新文芸)
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6月16日

樋口彰彦
(マガジンエッジKC)
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松岡健太
(マガジンエッジKC)
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さとうふみや/天樹征丸
(講談社コミックス)
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あだちとか
(講談社コミックス)
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和武はざの
(講談社コミックス月刊マガジン)
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6月15日

石田リンネ(富士見L文庫)
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猫田パナ(富士見L文庫)
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佐々木禎子(富士見L文庫)
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仲町鹿乃子(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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竹岡葉月(富士見L文庫)
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鍋敷(アース・スターノベル)
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LA軍(アース・スターノベル)
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天然水珈琲
(アース・スターノベル)
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西尾維新(講談社文庫)
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葛城阿高(ビーズログ文庫)
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ぷにちゃん(ビーズログ文庫)
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小田ヒロ(ビーズログ文庫)
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綾河ららら
(サーガフォレスト)
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バッド(サーガフォレスト)
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真安一(サーガフォレスト)
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カヤ(サーガフォレスト)
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コイシ/緑黄色野菜
(コロナ・コミックス)
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よこわけ/やしろ
(コロナ・コミックス)
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わかば/白露雪音
(コロナ・コミックス)
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小田山るすけ/たつきめいこ
(コロナ・コミックス)
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6月14日
ふか田さめたろう
(GA文庫)
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星奏なつめ(GA文庫)
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冬坂右折(GA文庫)
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白石定規(GAノベル)
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星崎崑(GAノベル)
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えぞぎんぎつね
(GAノベル)
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三木なずな
(GAノベル)
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カイシャイン36
(GAノベル)
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よっしゃあっ!
(GAノベル)
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6月13日


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6月12日

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6月10日

荒川弘
(ガンガンコミックス)
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天那光汰/梅津葉子
(ガンガンコミックス)
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おーしおゆたか
(角川コミックス・エース)
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猫田ゆかり
(角川コミックス・エース)
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リムコロ
(角川コミックス・エース)
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冥茶/萩鵜アキ
(角川コミックス・エース)
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浅野りん/ヤングエース編集部
(角川コミックス・エース)
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春花あや
(角川コミックス・エース)
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経験値/TYPE−MOON
(単行本コミックス)
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佐島勤/おだまさる
(電撃コミックスNEXT)
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古宮九時/越水ナオキ
(電撃コミックスNEXT)
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ベキオ/ていか小鳩
(ガンガンコミックスONLINE)
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森田季節/シバユウスケ
(ガンガンコミックスONLINE)
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顎木あくみ/みまわがお
(ガンガンコミックスONLINE)
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加藤衣緒
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/夏海ケイ
(ガンガンコミックスONLINE)
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竜騎士07/刻夜セイゴ
(ビッグガンガンコミックス)
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飯島浩介/汐里
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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イノウエ
(サンデーうぇぶりSSC)
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こじまたけし
(サンデーうぇぶりSSC)
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白井もも吉
(サンデーうぇぶりSSC)
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オジロマコト
(ビッグ コミックス)
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サンドロビッチ・ヤバ子/だろめおん
(裏少年サンデーコミックス)
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田村由美
(フラワーCアルファ)
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もこやま仁
(裏少年サンデーコミックス)
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影崎由那/川獺右端
(アース・スターコミックス)
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相模映/吉田杏
(アース・スターコミックス)
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となりける/shiryu
(アース・スターコミックス)
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ユンボ/風楼
(アース・スターコミックス)
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秋乃かかし/裂田
(アース・スターコミックス)
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東崎惟子(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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三雲岳斗(電撃文庫)
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和ヶ原聡司(電撃文庫)
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白金透(電撃文庫)
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鎌池和馬/冬川基
(電撃文庫)
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佐島勤(電撃文庫)
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二月公(電撃文庫)
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鏡遊(電撃文庫)
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真代屋秀晃(電撃文庫)
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周藤蓮(電撃文庫)
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瀧岡 くるじ
(カドカワBOOKS)
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小田 ヒロ
(カドカワBOOKS)
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壁首領大公
(カドカワBOOKS)
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七夕 さとり
(カドカワBOOKS)
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KK(カドカワBOOKS)
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うみ(カドカワBOOKS)
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ふか田 さめたろう
(宝島社)
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魔石の硬さ
(TOブックス)
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ニシキギ・カエデ
(TOブックス)
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地雷酒(TOブックス)
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サンボン
(TOブックス)
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蒼月海里(角川文庫)
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椹野道流(角川文庫)
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森見登美彦/原案:上田誠
(角川文庫)
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桑原水菜(角川文庫)
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仁木英之(角川文庫)
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6月9日

石塚千尋
(講談社コミックス)
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荒川弘/田中芳樹
(講談社コミックス)
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奈良一平
(講談社コミックス)
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小玉有起
(KCデラックス)
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横田卓馬
(シリウスKC)
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高田裕三
(シリウスKC)
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長谷川三時/七烏未奏
(シリウスKC)
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ヤスダスズヒト
(シリウスKC)
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村上よしゆき/茨木野
(シリウスKC)
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K9/小林裕和/支援BIS
(シリウスKC)
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冬葉つがる
(シリウスKC)
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樋野友行/瀬戸メグル
(シリウスKC)
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刀坂アキラ/加茂セイ
(シリウスKC)
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光永康則
(シリウスKC)
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西田拓矢/海空りく
(シリウスKC)
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松琴エア/はにゅう
(シリウスKC)
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原口鳳汰/カラユミ
(KCデラックス)
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山本やみー/門馬司
(KCデラックス)
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一二三
(KCデラックス)
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がしたに/MITA
(KCデラックス)
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うかみ
(KCデラックス)
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エターナル14歳/御子柴奈々
(KCデラックス)
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桜野みねね
(BLADEコミックス)
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森野きこり
(BLADEコミックス)
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6月8日

かみはら(早川書房)
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西尾維新(講談社)
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ちんねん/能一ニェ
(BRIDGE COMICS)
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佐藤二葉
(星海社COMICS)
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山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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稲葉光史/山本崇一朗
(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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6月7日

泉光
(アフタヌーンKC)
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TNSK
(アフタヌーンKC)
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水瀬るるう
(まんがタイムコミックス)
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琴子/TCB
(ガンガンコミックスONLINE)
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枢呂紅/優月祥
(ガンガンコミックスUP!)
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雨後一陽/とちぼり木
(ガンガンコミックスUP!)
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西島ふみかる/白縫餡
(ガンガンコミックスUP!)
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雨沢もっけ
(ガンガンコミックスUP!)
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ふか田さめたろう/松元こみかん
(ガンガンコミックスUP!)
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えぞぎんぎつね/春夏冬アタル
(ガンガンコミックスUP!)
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リキタケ/三木なずな
(ガンガンコミックスUP!)
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琴子
(SQEXノベル)
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猫子
(SQEXノベル)
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平成オワリ
(SQEXノベル)
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榛名丼
(SQEXノベル)
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蝉川夏哉
(宝島社文庫)
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貴戸湊太
(宝島社文庫)
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