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★★★★☆

転生王女と天才令嬢の魔法革命 3 ★★★★☆   



【転生王女と天才令嬢の魔法革命 3】  鴉 ぴえろ/きさらぎ ゆり 富士見ファンタジア文庫

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転生王女と天才令嬢は今、二人の未来のために向かい合う。

アニスフィアが王になる。姉弟喧嘩から狂いだした歯車。疲弊していく王女を隣で見続けたユフィリアは、彼女のため一つの決意をする。だが、それこそがアニスフィアにとって譲れない一線で――

前回、アルくんに言って聞かせて全部空回りしてしまった説得が、今度アニスが次期国王となってしまった事でそのまま返ってきてしまった感がある。彼女は弟に諭しこう語った。人生を楽しめばよかったのだと。
でも今、王にならんとするアニスはそれを楽しめただろうか。
彼女が身体を張って止めようとしたアルによる既存の社会の破壊。それを彼女は自分が王になることによって、自ら行うことになってしまった。それは魔法を使えない身と貴族の存在を無にする革新たる魔学を伴う以上、逃れられない必然だ。アニス自身が既存の社会の在り方を破壊する存在である以上、彼女が王となるということは既存の社会の否定になってしまう。しかし、王の成りてが他にいない以上、選択肢は存在しない。父たる国王は緩やかな変革を諦め、アニスは覚悟を決めた。
アルが叫んでいたじゃないか。魔法は呪いだ、と。国王となることは生贄になることだ、と。
今、アニスが王になるということは、アルとは形が違うとは言え国の生贄になるということ。彼女の自由が失われてしまうということ。彼女が憧れ追い求め続けた魔法は、きっとアニスにとっての呪いになるだろう。
アニスは立派な王になるだろう。反発から多くの血が流れ破壊が伴い国の在り方は変わり、しかし彼女はやり遂げるだろう。
でも、そこにアニスの笑顔はない。アニスの幸せはない。
人生を楽しめ? かつてアニスがアルに語った言葉だ。それを今、彼女は自分に告げることが出来るだろうか。言われて、それを受け入れられるだろうか。きっと、絶望に嗤うに違いない。

この巻では、弟に替わって王座を継ぐことになったアニスの心情が深く深く語られている。
彼女がいかに自分を殺し、王になる覚悟を決めたのかを。
そして、そんな無理を重ねて本当の自分を仮面で塗り固めていくアニスを目の当たりにして、打ちのめされていくユフィの無力感を。
ユフィは、アニスとアルの姉と弟の衝突に際して、結局大したことは何も出来ないままだったんですよね。傍観者とまでは言わないまでも、彼女としては何も出来ないままだった、と思う所は強かったでしょう。アルがああいう結末を迎えてしまった理由の一旦は自分にある、という自責も募っていた。
そこに、アニスがアルと同じ繰り返しになろうとしている、二の舞になろうとしているのを前にして、再び突きつけられるのである。正しい貴族としては、そんなアニスを支持して支えなければならない、という事実に。国のため、アニスには立派な王になってもらわなければならない、と彼女が受けた教育が物語っている。でもそんな正しさが、アルを潰してしまった。アニスを傷つけてきた。今更に、あの太陽のような姫の輝きが失われようとしている。アニス女王が国を照らす代わりに、アニス自身の輝きは曇り果ててしまうだろう確信がある。それを再び傍観しようというのか。
葛藤する、苦悩する、現実は揺るぎもせず選択肢の無さを突きつけてくる。
ここでユフィもアニスも、自分の本心と、感情とこれでもかというくらいとことん向き合うことになるんですね。義務や責務、仕方ないという諦めの向こうに押し殺した本当の気持ちと。
これ、本当に作者である書き手が登場人物たるアニスやユフィの心情と本気で向き合った結果だと思うんですよ。複雑で時に矛盾していて相克しているもどかしいくらい揺れる剥き出しの感情が、ぶちまけるように書き殴られていくのである。それは、アニスとユフィが本音でぶつかり合うことで、さらに加速していく。衝突してぶつかってぶつかって、気持ちをぶつけ合うことでその更に奥の思いを暴き出し、掻き出して、掘り出して、剥き出しにしていくのである。
それは、書き手側から与えられた、被せられた、着せられたものではあり得ない生々しい感情なんですよね。キャラクターに問いかけて問いかけて、様々な方向からアプローチして探って確かめて返ってくる反応を拾って、かき集めて、そうして形にしていったもの。
どうして? どうしてそんな風に思うの? どうしてそんな風に行動していたの? なんでそんな事を言ったの? なんでその人にそんな素振りを見せたの? そうやって問いかけて問い詰めて、心のウチを確かめていく作業。断片を分析し、そのキャラクターそのものをバラバラにして解体して、明らかにしていく作業。曖昧模糊として形にならないものを、丁寧に磨いて磨いて、言葉にしていく作業。文章にしていく作業。それは深い深い水の底に息を止めて潜っていくような、苦しくて辛くて、気が遠くなるような作業だ。でもそれによって聞こえてくるのは、そのキャラクターの生の声。与えられたセリフではない、そのキャラの境遇、性格、歩んできた人生、積み重ねてきた経験、周りの人達との人間関係。そういった複雑で重厚に入り組んだ構成の奥底で育まれたものを汲み出した、本物のそのキャラの声だ。叫びだ。
アニスの悲鳴も、ユフィの祈りも、王妃の涙も、確かのその人の心からの声なのだ。
よくぞここまで、と思えるほどの心情描写でした。生の声だからこそ、ダイレクトに心を叩いてくる。こんなにガンガン叩かれたら、痛いですよ、熱いですよ。辛さも苦しさも悲しさももどかしさも、全部ダイレクトに伝わってくる。
よくぞ、ここまで描いたものです。キャラクターに向き合ったものです。剥き出しになるまで、掘り下げて掘り起こしたものです。
凄かった。
いやもう、アニスにしてもユフィにしても、気持ちが器を満たしきってしまって、ダバダバと溢れかえってしまったのは嫌というほどわかってしまったので、ユフィがアニスに対してああなってしまったのも、なんかもう仕方ないと言うか当然というか必然に思えてしまいました。あそこまで感情を注いでしまったら、もう性別とか関係ないですよね。ユフィの方、なんかこう染まってしまったというか、塗り替わってしまったというか。決め込んでしまった分、食らう側になってしまった感がありますが。これ、攻守完全に交代しちゃってますよね。

話的にはここで最終回でもおかしくないくらいだったのですが、一部終了という形で二部以降も続けていくつもりみたいなんですが……そうなったらなったで、何を見せられることになるんだろう。
それが怖くもあり楽しみでもあり……。


川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 2 ★★★★☆  



【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 2】  川上稔/さとやす(TENKY) 電撃文庫

Kindle BOOK☆WALKER

・『総統閣下の塔』
 「ヘロー ヘロー 少年達、少女達、今日も悪いおじさんが抵抗の曲を聴かせよう」僕達の町には総統閣下の像と呼ばれる通信塔がある。戦争が終わり塔が取り壊されると知った僕が、その塔を昇ろうと衝動的に挑んだ処から始まる、これは、誰も彼もに聴かせる物語。

・『天使の解釈違い』
 「ちょっと旅行行ってくる」結婚して二十数年の熟年天使夫婦。ある日、夫が二週間家を空けたと思ったら若返って帰ってきた? しかも手土産まで持って。妙に親切になった夫に違和感を感じた妻は、調査を開始する。

・『黄金周環』
 「──この日、この夜、時間がチョイと狂うんです」連休中も仕事に追われ疲れていた僕は、帰宅のためタクシーに乗り込んだ。『ちょっと、遠回りしてみませんか』「いいよ、どのくらい?」『そうですね、“どのくらい”、戻ってみたいですか』ゴールデンウィークの夜を走る取り返しの物語。

・書き下ろし短編『幸いの人』
 「君を神の下に導くよ」突然の姉の失踪とともに目の前に現れた彼。白の服を着た青年は私の問いかけに、見たことのない表情で頷いた。不幸な女と言われる私と、彼の距離感。「それを信じない私じゃないわ」

・『禁書区画で待ってる』
 「手紙を送る! ──そして、必ず会おう!」東の大図書館には幽霊の司書がいる。本当の話だ。戦後200年、政治的にも“物理的にも”東西真っ二つに分けられた国が併合するとき、廃止となる禁書区画で願う、彼女の区切りの物語。

 川上稔が贈る、最高に尊くて卒倒する珠玉のラブコメ短編集! 書き下ろし含む5本の他に、BONUS TRACK『ライブ“黒死無双”』を収録!


『禁書区画で待ってる』の200年後に届いた手紙と司書さんが会話しながら読み進めていくシーン、なんど読んでもボロボロと泣けてくる。
ずっとずっと一緒に居た。でも、ずっとずっと待っていた。そして今、約束は果たされる。必ず会おうと、交わした約束が。
「――ずっと一緒に居たけれど、これから私達、会えるのね」

これもうちょっと尊すぎて、あかんですよー!! もう無理、なんか自分でも訳わかんないくらい、胸に突き刺さってしまいました。パブロフの犬みたいに、条件反射で泣けてくる。
哀しい物語じゃないんです。これは、再会の物語。祝福を、祝福を。

はぁーーーー………。この2巻は1巻よりも寄り染み入る尊さだった気がします。同じラブストーリーでも、芽生え育まれていくものではなく、既にそこに在ったものをより深く深く掘り下げていくような。
最初の『総統閣下の塔』に至ってはラブストーリーではないですもんね。いや、幼馴染の再会の話ではあるんですけれど、それ以上に一人の頂点に立った男の、たった一人の抵抗運動であり、友情の話だったんですよね。これもまた、尊いッ!!

二話目の『天使の解釈違い』なんて、既に夫婦になってる熟年の男女の話であり、倦怠期に入った天使な奥さんが……これ、なんて言えばいいんでしょうね。なんか、何言っても無粋な気がしてきた。それも、解釈の違いですか? 愛を思い出す? ときめきを確信する? 運命を信じる? 幸せを自覚する? すべてがそうであるようで、まあそれもまた人それぞれの解釈だ。
ただ一つ間違いないのは……この夫婦、尊いぃぃ!!

『黄金周環』。ゴールデンウィークは連休長ければ長いほどイイ! ということですね、わかります。まさか、連休の長さで時空加速が増すとは知らなかった。
SFである。なんかこう、今まで読んだ時間旅行の設定の中で一番イカしてる時間の戻り方だと思う。タクシーの運ちゃん、すげえなあ。
十年を経てようやくはじまる二人の時間。よいゴールデンウィークを。とても素敵なハッピーエンド。

『幸いの人』
龍が飛ぶのを釜揚げうどんに例える人ははじめてみた。不幸な、と呼ばれた女の話。ヒーローだよね、この人。あらゆる他者の不幸をはねのけた人。じゃあ、幸いの人というのは? 幸福を運ぶ人。自分以外の人を幸せに出来る人。そんな二人の、距離感のお話。

そして最後の『禁書区画で待ってる』。胸を締め付けるような、でも温かくなる噛みしめるような尊さでした。
こうも見事に尊さを揃えられると、もう頭を垂れるしかありません。尊みが、体中に染み渡るぅぅ。


川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 1 ★★★★☆   



【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 1】  川上稔/さとやす(TENKY) 電撃文庫

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WEB限定!! 『境界線上のホライゾン』の川上稔が贈る珠玉のラブコメ短編集・第3弾、今回は「尊い」編!
・『君が手を離さない』
 「憶えてる?」「憶えてない」洞窟の中で目を覚ました男女。記憶を消された二人に対し、外の世界は終わってるのかと思えばそうでもなく。では何故、という疑問に、君と僕の不慣れな生活がやがて小さな答えを導いていく。

・『化け物のはなし』
 「あなたは 誰?」あるところに化け物として怖れられている少年がいた。そんな彼の下に届いた一枚の手紙。「ごめんなさい」――少年はその言葉が嫌いだった。そこから始まる化け物と天使の話。雪の降らない海辺の町で起きた、これは誇りの物語。

・『最後に見るもの』
 「見えてますの?」二級傭兵として各地を転々としていた僕の前に現れた美人のゴースト。彼女は司祭である僕の姉に頼まれて、僕を連れ戻しに来たらしい。帰路に着いた二人が明かすお互いの秘密。極端な選択はいけないと思います……!

・『ひめたるもの』
 「貴様を下選と呼んで良いのは、私だけだ」ある王国に偉大で聡明な王がいた。しかし王の側にいる少女の秘書官は、王の言行に一度も首を縦に振ったことがなかったという。読後にタイトル確認必須の、不遜な王と、いい性格した秘書官の物語。

・書き下ろし短編『空と海を結ぶもの』
 「ねえ、傍に行っていいかしら」狭い海を挟んで対立している二つの国。それぞれの国に住む、接点の無い筈の二人が、ある夜に出会ってしまった。その逢瀬の果てにもたらされる結末とは?

 川上稔が贈る、最高にハッピーで尊い珠玉のラブコメ短編集! 書き下ろし含む5本の他に、BONUS TRACK『コガレ』を収録!

今回に関しては前回の短編集と違って、厳密にはラブコメではない作品が多めだと思う。もっと直球にラブストーリーしてる印象がある。
愛の、物語になってるんですね。
それが、尊い! 今回のテーマは「パワーワードの尊い話」なわけですけれど、本当にもう「尊い!」と、読み終えた後に拳握り込んで「尊いぃぃ!」と声を絞り出してしまう程には尊い!


個人的には最初の『君が手を離さない』もいきなりガツンと来るラブストーリーでめっさ好きなのですけれど、最後の書き下ろしの『空と海を結ぶもの』がちょっと最高すぎて、キュン死してしまいました。
『君が手を離さない』は、目を覚ました時記憶を喪っていた男女二人のお話。目覚めた時、自分に関する記憶の全てが消えてしまっていたのだけれど、二人は手を握り合っていました。強く握って握り返していたのでした。
何もかもを喪っていた二人ですけれど、まっさらな再起動の中でその「手を握り合っていた」という事実が何も残されていない彼らの、唯一確かなものになっていた事が、その後彼らのゆったりと流れていく穏やかな日々の中で定まっていくんですね。
徐々に、世界が置かれていた状況が明らかになっていき、おおよそこの二人の男女の立場がどういうものであったかも見えてくるのですけれど、当人達はそんな世界の情勢などは無くなった記憶とともに遠くに置き去りにして、迎え入れてくれた開拓村の中で日々を過ごし、仲を深めていくのでした。そんな二人の最初からあった絆こそ、離さなかった手。記憶を無くす前の彼らが、まっさらになって始める自分たちに託した最後の贈り物。そして今、その手は握られ離れない。
ハッピーエンドぉぉぉ!! と、思わず悶絶してしまうほどの、完膚無きまでの美しいハッピーエンド。そうだよ、これこそが額縁に入れて飾りたいハッピーエンドなんだよぉぉ!!

『空と海を結ぶもの』がまた最高で、最高なんですよね。
戦争のさなか、敵同士でありながら巡り合ってしまった男女、と聞くと戦争モノの一つの定番なのですけれど、本作の珠玉なところが、その男女が人間ではなく片や無人機のAI。片や無人戦略潜水艦のAIという、両者ともが自我を持ってしまった機械知性というところなんですよ。
機械と人間のラブストーリーというのはこれまた定番としてあるものですけれど、AIとAIのラブストーリーですよ。もうなんじゃこりゃーー! てなもんじゃないですか。
戦闘不能に陥って着水した無人機を見つけた潜水艦が思わず助けて、それをきっかけにはじまるラブストーリー。そんな一機と一隻が戦闘の合間に指揮所誤魔化してランデブーして、逢瀬を重ねるわけですよ。潜水艦の方が海底ケーブルから配信データを拝借して、音楽や映画一緒に聞いたり見たり。マニュピレーターで機体をさわさわしてイチャイチャしたり、直接機体連結してデータ復旧して助けたときのことを人工呼吸とかキスとか言って照れ照れしたり。お互い示し合わせてデートの待ち合わせしたり、こっそりネットワーク介して無人機の基地に忍び込んで無人機の待機状態(寝顔)盗み見たり。
恋人かっ! というくらい、イチャイチャしてるですよ、この一機と一隻。
交戦する2つの国で、双方で唯一自我を持つAI。その二人、敢えて二人と書きますが、この二人の正体もまた無人機にまつわる真相が明らかになることで察せられるのですけれど、わかったらわかったでこれがまた運命的なんですよね。この二人のAIが戦場で出会ったことそのことがまた運命的でドラマティックで。尊い!!
戦争が終わろうというそのときに、終戦によって全てを喪ってしまう一部勢力が死なば諸共と起動してしまった破滅へのカウントダウン。それを止めるために行われる最後の戦闘。そして、彼女のもとに駆けつける彼。最後のダイブ、そして愛の言葉と抱擁のシーン。もう映画化していいんじゃないですか、これ。あのシーンの美しさが極まりすぎてて、尊すぎて、このシーン見直すたびに泣けてきてしまうのです。
そして、ちゃんとハッピーエンド! ハッピーエンドなんだよぉぉ!!

『最後に見るもの』とか、これ川上さんらしい作品と言えるのかもしれませんね。ゴースト、幽霊をあの世のものとかこの現世には居てはいけないものではなく、そこに在る存在として描く一方でそれが自分の死を通り抜けてきた者である所を忘れていない所なんぞ。
『化け物のはなし』など、実験作の色が濃かったですし、『ひめたるもの』も多くを物語らず行間から感じ取ってほしい、というような感じのする話で、なかなかじっくりと読み込み、自分のなかで消化する必要を感じる話の多い、と思える短編集でもありました。その意味では、また前作のラブコメ短編とはまた色合いが違ってきてるんですよね。色々と挑戦してくるなあ、川上先生は。大ベテランもイイ所なのに。

でも、総じて尊かった。尊みをこれでもかと味わえる短編集でした。これが、これが尊いってことだよぉ!!
いやもう本当に『空と海を結ぶもの』はAI萌えとしてもちょっと最高すぎて、好きすぎましたわ。



戦姫アリシア物語 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし ★★★★☆  



【戦姫アリシア物語 婚約破棄してきた王太子に渾身の右ストレート叩き込んだ公爵令嬢のはなし】  長門佳祐/葉山えいし アース・スターノベル

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「アリシア・ランズデール! 貴様との婚約を破棄し、反逆罪で……へぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!」
王太子に会心の右ストレートを放つとともに国外へ脱出した公爵令嬢アリシア。元帥号をもつ将校かつ、戦の天才でもある彼女を助けたのは、敵国の第一王子で、しかも理由は「嫁にしたいから」だった!?
帝国軍にアリシアを迎えることで、長く続いた王国VS帝国の戦は、最終局面に突入。反逆罪ものの大事件の行く末は? ほのぼの優しくてくすくす笑える、ドタバタ戦乱コメディ。

超大ウケ!!
やばい、なんだこれ、めっちゃ面白かったんですけど!?
あらすじの「ドタバタ戦乱ラブコメ」ってなんだよ? と思う所なんですが、読むとドタバタ戦乱ラブコメなんですよ、確かに。しかも「ほのぼの優しくてくすくす笑える」、てのもその通り。
何しろ、登場人物の殆どがアリシアを筆頭に愉快な愛すべき馬鹿ばっかり。戦記物でシリアスな場面も血腥い場面も確かにあるのだけれど、基本的に敵も味方も憎めないやつらばかりなのである。
優しい世界、なのだ。
王太子をぶん殴る、という言い逃れできない大逆罪をやらかしてしまったアリシア、なのだけれどそれまでずっと王太子からパワハラを受け続けていたのをグッと我慢してきたので、むしろ周りは「よくやった!」と拍手喝采。しかも、アリシアは帝国との戦いでは軍事強国相手に見事に国境を守り続け、北の蛮族の大侵攻には逆に大侵撃をかましてぐうの音も出ないほど叩きのめした大英雄。個人的武勇でも軍略でも天才の名を恣にする軍神である。軍部は東西南北の諸侯軍から本来王族を守るべき近衛軍に至るまで、アリシアの支持者を通り越して信奉者。ちなみに、敵である帝国軍も彼女の熱烈なファンである。筆頭が、会戦にて出会い頭にぶっ殺されかけた経験者の帝国皇太子である。部下たちからは、あれはキモいと称されるほどのもうべた惚れ。ちなみに、お前らも相当にキモい同類だからな、帝国軍諸氏諸君よw
とまれ、アリシアが我慢の限界ぶっちキレてやらかしてしまった殴打事件を引き金に、反アリシア派の王妃派閥が王族権限で近衛軍を動かしてアリシアの捕縛、謀殺に動いたために、アリシアは王都を脱出せざるを得なくなったわけだけれど、もう初っ端からドタバタお祭り騒ぎなんですよね。
アリシアの脱出を支援するのは、アリシアの影響で血の味を覚えてしまった宮廷の淑女軍団。いや、お嬢様方、なんでそんな血に飢えた狼みたいな人種なんですか!? 統制された餓狼の群れのように迫りくる近衛軍(士気どん底)を蹴散らして王宮への逆撃をかまそうとする淑女たち。
淑女とは!? あまりの凶暴さに、アリシアもドン引きである。
というか、アリシアの支持層めちゃくちゃ分厚いのに、何がどうして帝国に亡命するなんて事になってしまったのか、よくわかりませんよ!? 軍部だけでなく、平民宰相のシーモアおじさんも味方サイドですし、何気に王太子エドワードの取り巻きである近衛軍司令官の息子のアランも、宰相の息子のレナードも、幼い頃からのアリシアの馴染みで仲良いんですよね。とどめに、ゲームで言うところのゲームの主人公である所のアンヌもまた、幼馴染の腐れ縁。マブダチと言っていいんじゃないかしら。
ちなみに、アリシアの亡命劇をプロデュースしたのは彼女アンヌである。王妃のアリシア粛清謀殺の動きを察知したアンヌの王国と帝国を巻き込んだ大謀略、というのが真相だ。
おかげで、理は完全にアリシアの側にあると理解し心情的にもアリシア支持なんだけど、エドワードを見捨てられないレナードとアランが、えらい苦労するハメになるんですよね。
国力差から絶対敗北を避けられない帝国との戦争を軟着陸させつつ、王妃派の粛清劇を逆手にとってのアリシアを女王に奉るクーデター、というのが真相というべきなのか、これ。アリシア自身は、帝国に勝てない事を悟りつつうまく双方に被害も遺恨もなるべく少なく負ける事は企図していたものの、自身が登極することはまったく考えていなかったので、誰かの明確な意図あってのことではなかったみたいなんですよね。ただ、王妃が引き金を引いてしまったことで、愛想を尽かした皆が逆の方向に怒涛のように流れ込んで走ってしまったわけだ。
実際、諸侯軍根こそぎアリシアに寝返るし。
そして、亡命してきたアリシアに、帝国皇太子ジークハルト率いる対王国侵攻軍総員大はしゃぎ。君たちちょっと喜びすぎw
この帝国軍の面々がまた面白い連中で、やたらテンション高い愉快な馬鹿たちなんですよね。ジークハルトの事は慕いながらも全く遠慮なく罵倒しますし、からかうし雑に扱いますし、皇太子への不敬罪とかないんですか、ほんと!? 
ノリが体育会系というよりもいつも全力で大騒ぎしている文化系クラブのノリなんですよね。騎士道なんぞくそくらえの歴戦の戦争屋で実に楽しそうに戦争をピクニックする連中であるはずなんだけど、アリシアが帝国軍の指揮も取ると決まったのに反対するどころか大はしゃぎだし、軍議は酔っ払いどもの酒盛りかというくらいテンションあげあげで、アリシアの立てる作戦に大盛りあがりで、挙げ句じゃんけんで配置決めだすのはさすがにヤメレ。これでも世界最強の軍隊である。
これだからこそ、なのかもしれないが。
決戦前のアリシアの演説に、アリシア麾下に入った諸侯軍と一緒に「王国万歳ー!」とテンションマックスになって叫んでる帝国諸卿、控えめにいってもバカばっかりで大好きであるw
もちろん、皇太子のジークハルトもまたそのバカどもの筆頭で、でも同時に何だかんだとカッコいいんですよね。色んな意味で隙だらけではあるんですけれど、周りのバカたちに弄り回され、自由奔放なアリシアに振り回され、でもそれ以上のノリの良さでうまいことウケながら、アリシアラブを貫く姿は気持ち悪いけどイケメンw
アリシアの方も自分のことを大事にしつつアプローチを欠かさない彼のことは満更でもなく、なんだかんだとイチャイチャしてるのが微笑ましいんですよね。いいじゃない、ラブラブカップルじゃない。

これ、書籍版はウェブ版から結構中身変わっていて、アンヌやアラン、レナードと言ったゲームの主人公と取り巻き連中、雑にフェイドアウトしてるんですよね。自分ウェブ版は冒頭あたりだけ読んだのですが、断罪イベントで完全にアリシアの敵に回っていて、物語上からもキレイに排除されてしまっていたのが、アランとレナードは書籍版では王国側の主人公と言っていいくらい頑張って、自体の収拾とソフトランディングに努めていて、大活躍してるんですよね。活躍というよりも、作中でもっとも苦労しているというべきか。アリシアとエドワード、王国の要人としての立場の板挟みに合いながら、筋を通し義理を果たし友情を捨てず誠実であろうとし、道理に合わせようと頑張った、というべきか。もうおバカのノリでイケイケドンドンな連中ばかりの中でほんとようやったよ。王妃派閥の無能無知無見識の暴走を可能な限り抑え込みながら、でしたからね。
彼らのお陰で、王国サイドにも気持ちを割きながら読めましたし。この大幅な改変は実によいものだったんじゃないでしょうか。噛めば噛むほど味のあるキャラがメインに増えて悪いことはないですし。
元凶であるエドワードですら、ある程度汚名返上する機会がありましたしね。これも最後まで見捨てなかったレナードたちの尽力のお陰なのですが。追放後に備えて農業スキルをあげる、という某野猿系悪役令嬢の考えは間違いじゃなかった、と何気にエドワードくん証明しとるがなw
楽しそうに戦争するやつら、というと血と硝煙を背景に血走った目と凄惨な笑みで彩られた戦争狂どもの話になりそうなのだけれど、これは本当にこいつら楽しそうだなー、と思わず微笑ましくなってしまうような、愛すべきバカどもによるドタバタ馬鹿騒ぎ。
ひたすら、愉快痛快、笑ってちょっと胸があったかくなる、なんだかんだとみんなに優しい楽しいお祭りでした。
この調子、このノリで、帝国の学園編、やってくれたら嬉しいです。あー、面白かった。ウケたウケた。

Landreaall 36 ★★★★☆   



【Landreaall 36】  おがきちか ZERO-SUMコミックス

Amazon Kindle BOOK☆WALKER

ダンジョン脱出を目指して進むDX達は、上層へと進む中モンスターの共喰い跡を見つける。遭遇したのは同じく外から来た野生種・夜嵐蟻だった…! 一方、DX救出のためやってきたイオン達は、ものすごいスピードでダンジョンを走破していて――!?


自分以外の五人、フィルとリドとティティとライナス、ルーティでもう一人DXになれれば生き残れるかー。相手がフィルだからかわからないのだけれど、DXがはっきりと自分がこの中では一番強くて、フィルたち五人でようやく自分一人分。と明言するのは普段のDXからするとやはり珍しいと思われる。普段なら、そういう事曖昧に濁して口にはしないものね。それをここで明言するということはそれが必要、意識付けが必要と考えたからか。それだけ、このダンジョン脱出行切羽詰まってきている、と言えるのかも知れない。最初からDXは別に楽観はしてなかったか。遭難して最初期からライナスをはじめとして、全員を研磨しようとしていましたし。
ほぼ万能に全方向に高い能力を有しているDXは一人でならこのダンジョンを生きて脱出できる。ならば、他の五人の得意分野をそれぞれ伸ばして、五人合わせて自分と同じにしてもう一人のDXを作り上げてしまえば、ほら生き残れる、という発想がまあすごいというかなんというか。

しかし、ダンジョン深層から上に登っていけばそれだけ難易度も下がってくるかと思うのだけれど、単純にそうは行かないのな。食料に関してはダンジョンで発生するモンスターは栄養素を内包していない事から、モンスター食で食いつなぐ、というわけには行かないだけに、途中で補給できたにしても時間が経つほどに切り詰めていかなくてはいかなくなる。そうなれば、身体能力やメンタルのパフォーマンスも下がっていくわけで。
幸い、実は死地だったらしい31層のゴリランドールは回避できましたけど。あれはほんと、DXの危機管理の賜物ですよね。サバイバル能力、生存するのために必要な発想力がほんと化け物じみている。……いや、どう考えても五人鍛えてもDXにはならないですよね! 能力的には近似になれても、あの頭の中身はどうやっても無理だわ。
ダンジョン外から紛れ込んできた蟻のモンスターの危険種が巣を作っている所に遭遇しても、飢えているモンスターの大群に襲われて食われる! と考えるんじゃなくて、外来の野生種だからダンジョン産の食っても腹が膨れないモンスターと違って、「食える!」と考えるその発想。
「食われるかどうかじゃない。食えるかどうかだ」

さすがに蟻に食べれるような身はなかったわけだけれど。フィル、蟻食べたらジュン!ってする、て知ってるというのはモンスターじゃないけど蟻食ったことあるのか!
というわけで、兵隊アリたちに襲われないように倒したアリの甲殻を被って移動するDXたち。ゴリランドールに引き続いて、アリのキグルミ着てるみたいなDXたちがコミカルなんだけど、これ絵柄違ったらアリを解体して中身掻き出して殻を被る、ってそうとうグロい絵面だったと思うんですけど!?
アンちゃんの「実に自由奔放に攻略してますね!?」という発言に思わず深く首肯w
でも、本当に切羽詰まってきてるんですよね。決して楽に攻略しているわけじゃなく、どんどん追い詰められてきている。
食料に関しても、もう危機的状況だし。携帯食料の分配、DXとティティこっそり自分削ってたのか。これは他の面々が一般人と留学生という立場だからか。DXたちは王位継承権者であってもそれ以前に騎士候補生だというのを踏まえて、か。それに気づいてたフィルが、二人きりになったときに咎めずに、自分の分を半分返して自分も従騎士だからそっち側、と言ってのける所とか、同じ仲間友人の信頼関係の中でもそれぞれちょっとずつ関係というか立ち位置が違うの面白いなあ。
トリクシーの側がさすがに限界で、ティティとの交信ももう持たない。つまり、地上との連絡が途切れてしまう、ということで。食料的にも限界、通信もできなくなる、近場にはアリの大群がコロニーを作ってる、とかなりヤバい状況。
これは救援を待つ、という指針を立てるのも仕方ないか。幸いにして、イオンを含むニンジャ隊が尋常でない速度で救援部隊先行隊として攻略を進めているわけで。これも、地上と連絡取れてなかったら得られていない情報だから、他にもトリクシー通じての情報が何度もこのパーティーを救い、守ってきたのを鑑みると、連絡が途切れるのは本当に怖い。
その急進しているイオンたちも、なんか様子がおかしいの? ハイになってる? 後から合流した傭兵騎士団所属のニンジャ君が、呪いと言ってたけど、どこでそんな呪い掛かったの!?

と、ラストでえらいことに。え、なんでそんな事になってるの!?
合流、と思いきやピンチ?に陥っているイオンを目撃したDX、即座にブチ切れ。このシスコンっわーー!!



竜歌の巫女と二度目の誓い ★★★★☆   



【竜歌の巫女と二度目の誓い】  アマサカナタ/ KeG GA文庫

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大切な誓いはね。
違えた時に“呪い"になるの。

これは果たされなかった誓いを巡る
再会と約束の物語。


「私を守ってくださいますか」?
かつて幼き騎士ギルバートと誓った約束は呪いへと変わり、竜歌の巫女は名もなき少女となり再びこの地に生を受けた。
少年に裏切られ、全てを呪いながら生涯を終えたこの世界。十二年の月日が経ち、生まれ変わった少女は奴隷として売られそうになっているところ、青年となった騎士ギルバートに拾われる……それは彼女にとって望まぬ再会。ルゼという名前を与えられ、やがて始まった彼の屋敷でのメイド生活。新鮮な日々、暖かい人たちとの触れ合いと久々に訪れた優しい時間は止まっていたルゼの時間をゆっくりと動かし――。
世界を呪った少女と英雄となった騎士。誓い合った二人が、輪廻を超えて再び巡り合う再会と約束の物語。

傑作。
これだけ、登場人物の心の内側を掘り下げてくれると読み応えがあるなんてものじゃなかった。それに内面と言っても、単純に直滑降に掘り下げてそこから見えない感情を汲み出していくものではなくて、矛盾……そう、相反する矛盾した想いを抱えたまま二度目の生を生きる主人公である少女の心の行方を描ききった傑作でした。
竜たちと通じる一族として繁栄しながら、圧政を敷き悪徳を振りまいた領主一族が、ついに蜂起した民衆によって族滅の憂き目にあったその中に、彼女は居た。
竜歌の巫女。領主の末娘であり、竜たちと交感する能力を継いだ巫女として隔離され、孤独に過ごしていた少女は、革命の折に領主一族の血を引いている事から囚われ、一年の牢獄に閉じ込められた後に断罪の場に引き出され、領主の血を引くという罪によって処刑される事になった。
一族からは遠ざけられ、人里離れた館に隔離されて生きてきた彼女は圧政について何も知らず何も関わりなく、ただ悪徳の一族の血を引いているというだけで、民衆から責められ詰られ罵声を浴びせられ、咎人として殺されることになった。何もしていないのに、何の恩恵も受けていなかったのに。
そして、彼女を捕らえ彼女を殺すのは、館で暮らしていた穏やかな日々に彼女の元を訪れ、親しくなり、やがて誓いを交わす間柄になった少年でした。何があっても絶対に守ると、世界中が敵になろうと自分だけは味方になると、そう騎士の誓いを交わした少年は、革命の立役者たる英雄の弟として、断罪者として処刑台の上で彼女の前に立ったのです。
幼い少女の無垢な思いを、淡い思慕を、踏みにじる裏切りでした。彼女にとって紛れもない理不尽であり、何もかもを信じられなくなる絶望でした。優しく穏やかだった少女の心に、憎しみが宿ることに何の憚りがありましょうか。自分の預かり知らぬ理由で人としての尊厳を踏みにじられ、石を投げられ、言葉で傷つけられて、どうして怒りを抑えられるでしょうか。
呪いあれ、呪いあれ。真っ黒な感情に塗りつぶされながら、彼女は少年を、自分を殺そうという民衆を、こんな末路を負わせた世界を憎みながら、呪いながら、壮絶な自死を選ぶのです。
魔法で、自らの首を切り落とすという凄まじい死に様を、少年に見せつけながら。

さながら、魔王でも生み出してしまいそうな一つの結末からの、生まれ変わり。
記憶はすべて前から引き継がれ、しかし竜と意思を疎通する竜歌の巫女としての力は喪われ、目覚めた場所は自分が死んだ街のスラム。そこで一人、這いずるように孤児として生きながらえながら、彼女は自分の血族によって荒廃し人々が死んだように生きていた灰色の街が、みるみると力を取り戻し、人々の顔に笑顔が浮かび、活気があふれ色彩をおびていく街の姿を、新たな生の中で見続けるのです。再生の、恩恵が殆ど受けられない底辺の世界から、見上げるように見続けたのです。

怒りも憎しみも、消えては居ない。でも、革命はきっと正しかったのだ、という納得が彼女の中に生まれていきました。人々の間に笑顔が戻っていく様子を見て、自分はどうしても死ななくてはならなかったのだ、という理解が得心が、彼女の中に根ざしていきます。
裏切りは悲しく辛く、悔しく、どうしたって許せない。でも、彼の行動はきっと正しかった。人々は彼の行いによって救われた。自分には、確かに罪はあったのだ、と。
ならば、生まれ変わってしまった自分は何なのか、という疑問が彼女の中でずっと渦巻くのです。
存在自体が罪として裁かれたのが正しいのなら、この身に生きる価値はあるのだろうか。
疑問を抱え、生まれ変わってしまった事に迷い苦しみ、何も選べず何も決められず彷徨うように生きていた彼女は、12年の時を経てついに再会してしまうのです。
かつて少年だった、そして今、青年となった、この街を統治する身となった彼に。

憎しみの対象であり思慕の対象であった彼、ギルバートとの再会から、彼に引き取られて彼のもとで従者として暮らすようになってからの、彼女の中で生じる葛藤の複雑さ、その懊悩を丁寧に紐解いていく描写は、凄まじいものがありました。
ギルバートのことをどう捉えればいいのか、ルゼと名付けられた彼女自身、自分の心が分からず彼の姿に、言葉に、揺さぶられ揺れ動く様子の迫真たるや。
そうなんですよね。人の心とは決して単純ではないのです。自分でも全くわからないくらい、幾つもの側面を重ね持っている。同時に並列的に矛盾した感情が併存している。混在している。それは相反する気持ちかもしれないけれど、あるんだから、確かにそこにあるんだから、どうやったって否定できない。
時として吹き上がりそうになる怒り。ふとした瞬間に過去に帰り、胸を締め付けるかつてと同じ淡い情動。場合によっては、その相反する2つの気持ちが、同時に湧き上がってくる。それどころか、言い表せない不定形の感情としてルゼの心を締め付け、急き立てるのである。

そして同時に、そうした懊悩は彼女だけのものではなく、登場人物の殆どが抱えているものだったのですね。あの革命が、竜歌の巫女の壮絶な自死が遺したものは、悪夢の時代が過ぎ去り希望の時代が訪れている真っ最中のこの街にも根強く残っていて、人々の中にしこりとしてこびりついている。
革命の当事者たちなら、尚更だ。
そこにあるのは、後悔。多くの後悔だ。それを、皆が抱えている。
ルゼは、ギルとの再会でそれまで知らずにいた事を多く知ることで、さらに新たな後悔を得ることになる。抱えきれないほどの、後悔を抱くことになる。
こんなにも辛い思いをするために、彼女は生まれ変わったのか、と思ってしまうほどに、彼女は後悔を積み重ねていくのである。
それでも、これは奇跡だったのでしょう。彼女の再誕は、無数の後悔に縛られて囚われて、その重さに辛さに虚しさに耐えられなくなって潰えるはずだった悲劇を、回避する唯一の道だったのです。
ルゼの後悔こそが、皆の後悔という呪いを祓うために必要な鍵だったのではないでしょうか。そして、それこそがルゼ自身の清算へと繋がる橋だったのです。
あの日、わからないまま突き放されたギルバートの心の在り処を知ることで、今度こそ嘘偽り無く心から語り合うことで、怒りも憎しみも後悔も抱えたまま、それでもケリをつけることができた。
許すことを、選べた。許されたいと、望むことが出来た。
竜歌の巫女ではなく、ただのルゼとして生きることを選ぶことが出来た。
そして、彼女を本当の意味で救ったのは、この街の過去と関係ない、革命とは関係ない新しい時代に生まれ、今この時を生きている若者たち。同じメイドのリンナと人の世界に交わるようになった若い竜たちだったのでしょう。何の縛りも過去の後悔もなく、ただ純粋に心からルゼのことを守ると言ってくれたリンネ。そんな彼女と連れ添ってルゼの元を訪れた青の兄弟竜。これはきっと、タイトルにある二度目の誓い、ギルと交わした二度目の誓いに勝るとも劣らない、ルゼにとっての祝福のような守るという誓いだったのではないでしょうか。
人の心の激しさ、繊細さ、奥深さに直接触れるような一作でした。
心に触ると、心が震えるのがよく分かる傑作でした。


こわれたせかいの むこうがわ 〜少女たちのディストピア生存術〜 ★★★★☆   



【こわれたせかいの むこうがわ 〜少女たちのディストピア生存術〜】 陸道 烈夏/カーミン@よどみない 電撃文庫

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飛び出そう、この世界を。知恵、勇気そして大切なともだちの想いとともに。

《フウ》――最下層の孤独少女。
友は小鳥のアサと、ジャンク屋の片隅で見つけた、古いラジオのみ。
《カザクラ》――マイペースな腹ぺこガール。
出会った瞬間からフウを「お兄ちゃん」と慕い、陽気な笑顔でつきまとってくる。
そんな二人が出会ったここは、世界にただ一つ残るヒトの国。異形の怪物たちが支配する果てなき砂漠の真ん中で、ヒトビトは日々の貧苦を喜びとし、神の使いたる王のために生きねばならない――。
だが、彼女たちが知る世界は、全部大ウソだった。
たくさんの知恵と一握りの勇気を胸に。今、《世界一ヘヴィな脱出劇》が始まる。
第26回電撃小説大賞《銀賞》受賞作。
風の名を持つ、二人の少女の物語。

【このライトノベルがすごい2020】のランキング内に名前があがっていたのをきっかけに手にとった作品だったのですが、これがまたもうすげえすげえ作品でした。こういうきっかけがなかったらなかなか読む優先順位をあげることはなかったでしょうから、このラノをはじめとした多くの人がこれは面白いんだ!と好きな作品を持ち寄る企画は得難い出会いのチャンスなんだなあ、と実感しました。
チオウと呼ばれる砂漠の国。その最下層で暮らす少女フウは、自分の無知故に病気の母を死なせてしまう。苦しむ母のため死地をくぐり抜けて薬を貰って帰ってきた彼女を待っていたのは、母の死。でもそれは、病による死ではなく脱水症状によるものでした。母に必要だったのは薬ではなく水だったのです。でもフウはダッスイショウジョウなんて言葉を知らず、人が水と塩を必要とする生き物だということを知らず、生きるために最低限の知識すらも有していない無知で無学な子供でしかありませんでした。
それでも、母に教えられたチオウのシステムの元、ただ生きるための方法に従うことで日々を乗り越えていた彼女は、ある日なけなしの水と食料を配給してもらうための金券で、亡き母が口ずさんでいた歌と同じ歌詞のメロディが流れる「ラジオ」という機械を衝動的に買ってしまいます。
遠い過去に滅びた旧世紀のラジオ音源を、物好きな誰かが電波に乗せて放送しているのだというその古びたラジオは、ただ漠然と生きるために生きるフウの慰めとなります。
でも、それはただ心地よい音楽を流すだけのものではありませんでした。はるか遠い昔にもういなくなったラジオの中の人たちが、様々な学問の先生とともにかつて人類が持っていた多種多様な知識を丁寧な解説と説明とともに送る教育番組チャンネルだったのです。
基本的な科学知識も物理現象も社会のシステムについても、本当に何も知らなかったフウは、最初ラジオの中の先生たちが何を話しているかも理解できませんでした。意味不明な単語を積み重ねてわけのわからない理屈を組み上げていく彼らの話を、しかし彼女は飽きること無く聞き続けます。やがて、繰り返し繰り返し聞くことで一つ一つの言葉に、単語に理解が及んでいき、連鎖的に話の内容へと理解が及んでいきます。そうして、ゆっくりとゆっくりと、フウの中に知が蓄積していくのです。
彼女の中に、知識と智慧が息づいていくのです。
この世界の成り立ちを、この大地と空が織りなす世界の仕組みを、それは物理学であり地面を形作る土と砂と岩の意味を語る地学であり大気の組成であり、自分たち人間の体、人体の仕組みや医療という概念であり、心理学などに基づく人同士のコミュニケーションの方法であり、人が集まって形成される社会という存在の構造であり、人が集まることで生まれる経済という概念であり、経済活動の中で起こる様々な人間行動学であり、お金のやり取りの考え方からはじまる商売の仕組みであり、交渉や取引といった行動であり、機械や流通や金融、心の問題社会の問題肉体運動の問題。
そうした、人類という種が長い歴史の中で積み重ね学び取っていった知識を、智慧を、フウは身につけていくのです。独学で、いやラジオの中の先生たちの教えによって。彼女は貪るように知識を欲して、蓄えていったのです。
そうして、人が生きるには水と塩が必要という事すら知らなかった少女は、いつしか王都の商人たちとしたたかに駆け引きをして多大な金銭を左右するまでになってました。ラジオの電池を手に入れる僅かなお金を手に入れるのにも体中傷だらけになって必死に走り回っていた彼女が、社会を知り人間関係の機微を知り商取引の通念を身に着け、経済活動の真理を頭に叩き込み、王都の商売人たちの間でも知る人ぞ知る存在になっていったのです。

何も知らない何の知識も持たない何の智慧もない、無知で無学で無教養だった子供が。
何も知らないが故に、何も出来なかった娘が、学ぶことでここまで何でも出来るようになる。
これを「叡智」というんじゃないでしょうか。
これこそが「人類の叡智」の証明なんじゃないでしょうか。
かつての人類の繁栄が遠い過去となり、人という種族が大地の隅っこの砂漠の上にへばりつくように生きる世界になってしまったからこそ。人間社会の恩恵を何も受けず、獣同然に生きてきた娘が対象だったからこそ。
その喪われた遠い過去から届けられた人類がこれまで積み上げてきた「知」を受け取って、賢人となるフウのような娘の存在はまさに「人類の叡智」の体現者に思えたのです。叡智の結晶であり、人類の歴史の証明に見えたのです。

この感動たるや!!

人類の終末後、ポストアポカリプスのその果て。それ以上行く先のない閉塞の終着点としてのディストピア。それが、フウたちの生きる街「チオウ」の姿に見えました。
真実を覆い隠され、ウソの言葉に事実を塗り固められ、必要以上の知識を得ることを害悪として罪として定められ制限され断罪されるディストピア「チオウ」。ただ生きていくにはきっと充分で、しかし人類の可能性の行き止まり。そんな閉ざされた発展性の乏しい世界で、それでもここが自分の生きる場所だと生きてきたフウの前に、もう一人の少女が現れたのでした。
カザクラというその娘は、いつの間にかフウの生存圏の中に入り込みいつしか無くてはならない人生のパートナーとなっていきます。
どれほど賢くなろうとも、ただ自分のために生きる事は寂しいと感じるものでした。ラジオから送られる言葉によって日々賢くなっていく事は楽しみでありましたが、それでもその楽しさを共有する相手がいないことは孤独でした。
人は、誰かと共に有りたい。それもまた、人の可能性を広げるための原動力なのでしょう。
知恵と勇気と欲する心が合わされば、人は立ち止まり続けることは出来ません。チオウという街は、二人にとって真の意味で「生きる」には狭すぎる世界になっていきました。そして、チオウの側も自分たちの世界を逸脱する者の存在は、許容出来ない以上に絶対的に否定しなくてはいけない存在だったのです。
何より、カザクラには時間があまりありませんでした。今ある叡智では、彼女がこの先もフウと一緒にあり続けるためには足りなかったのです。
そこに留まっていては、可能性は途切れてしまう。あらゆる意味で、彼女たちは走り出さなければならなかったのです。
でも、果たしてこの閉ざされた世界から飛び出して、その先に望むべき世界はあるのか。喪われた過去から送り込まれてくる叡智は、既に喪われたものである以上いつかはすべてを吐き出し尽くして途切れてしまうのでしょう。果たして、外に飛び出しても可能性は続いているのか。
「人類の叡智」は終末のその先にもまた、羽ばたいていけるのか。

フウたちを全否定して追いかけてくるチオウの社会を維持するための部隊に追われ、カザクラ自身の時間も限界に近づき、絶望がひたひたと迫る中、それでも足掻き外の世界が存在する証拠を見つけ、外に飛び出すための資金を稼ぐために大企業との大勝負のプレゼンテーションに打って出るなかでさりげなくチオウの中にも発展の芽を植えながら、フウがある可能性に気づいた時。
そして、その可能性に希望を込めて、相棒の一人ならぬ一羽であるオオブンチョウのアサに託したものが、「あそこ」に届いたあのシーンは、もう言葉にならない湧き上がる感情に胸が一杯になっていました。
映画のクライマックスシーンのように、生き残るために必死に逃げながら戦うフウたちの姿を背景に、遠い遠いかの場所から、ラジオの中からフウたちに送り届けられるいくつもの声。希望の声援。閉塞を打破した先にある可能性の証明。そんな言葉を、声を背に、本当の今を生きるための疾走をするフウたち。

そしてたどり着くゴールと、そこを終点とするつもりなんて毛頭ないフウたちの輝く笑顔が胸に焼き付く。何も知らず孤独に死ぬはずだった少女が、智慧を得て知識を得て家族を得て友を得て、まだ見ぬ果てを自ら望んで歩いていく。
ここから先が、「壊れた世界の、向こう側」だ。

胸躍る、心をガンガン弾ませてくれる、凄い作品でした。とんでもねーとびっきりの物語でした。
やー、もう良かったよー!!


天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~ ★★★★☆   



【天才王子の赤字国家再生術 8 ~そうだ、売国しよう~】 鳥羽徹/ファルまろ GA文庫

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選聖会議。大陸西側の有力者が一堂に会する舞台に、ウェインは再び
招待を受けた。それが帝国との手切れを迫るための罠だと知りつつ、西へ
向かうウェインの方針は――
「全力で蝙蝠を貫いてみせる! 」
これであった。
グリュエールをはじめ実力者たちと前哨戦を繰り広げつつ、選聖会議
の舞台・古都ルシャンへと乗り込むウェイン。だが着いて早々、選聖侯
殺害の犯人という、無実の罪を着せられてしまい!?
策動する選聖侯や帝国の実力者たち、そして外交で存在感を増していくフラーニャ、天才王子の謀才が大陸全土を巻き込み始める第八弾!

大陸の東側を占める帝国と、西側諸国の間でずっと綱渡りを強いられてきたナトラ王国。ウェイン王子の活躍の元、領土も増えて景気も活況を迎え、数々の戦争での勝利と外交交渉で見せた存在感は既にナトラ王国を小国と侮るものは大陸全土に存在しない。ましてや、それを手動してきたウェイン王子を況や。
前回名を成し始めた際におまけで呼ばれた選帝会議と違って、今回のそれはナトラを、ウェイン王子を狙い撃ちにした彼を追い詰めるための招待である。これを断れば、ナトラ王国は帝国側に味方したとして西側全土を敵に回し、しかし会議に出席すればどうやっても帝国との手切れを迫られ西側諸国の尖兵として帝国との敵対を強要される。
まー、どうやったって詰んでる状況なのだこれ。
それを顔色を無くして絶望感に苛まれながら西に向かう馬車の中で鬱屈する、なんて事もなく「コウモリ外交を貫いてやるぜー!」とテンション高々なウェイン王子。いや、どうやったらそんな意気揚々と会議に赴けるのか。まあ、もはや頭の抱えようもなくて開き直ってる、とも彼のキャラクターからは言えるのだろうけれど。本当なら頭抱えてのたうちまわってても不思議じゃないもんなあ。
ただ、今回わりと余裕ありそうだったのは、それだけ想定して会議を乗り切る自信があったからだろう。まあ、いつものように想定外に全部台無しにされてひっくり返されるのだが。

ただ、今回彼を狙い撃ちにした謀略は、ある意味明確な悪意と企図によるものだったんですよね。何気にこれまでウェインを追い詰めてきたどんでん返しって、誰の意図というものではなく偶然の産物だったり関係者の思惑を超えた事態だったり、馬鹿がバカバカしいにも限りある事をひょいっと越えてやらかしてしまったり、複数の意図が絡み合った挙げ句に訳わからんことになってしまったり、と本当に誰にとっても予想外想定外、という事が多かったわけです。
そういう事態って、人の思惑が入っていない分もう道理も何もあったもんじゃないからマトモに対処のしようがないケースだったんですよね。それを人智を超えたリカバリー能力で対処しきった上に逆に利益引っ剥がしてきたのがウェイン王子の凄まじい才覚であったわけです。
今回のある意味ストレートなウェイン王子を狙い撃ちにした謀略って、むしろ思惑が分かっている分彼にとっては対応が容易だったのでは? とすら思えるんですよね。それくらい、どう転がってもウェイン王子が詰んでいるはずの状況が、片っ端からひっくり返されていく様は鮮やかなものでした。
相手の思惑、狙いを読みきった上でそこから仕掛けられているだろうさらなる謀略、そして起こり得る展開を予想し読み切り、対処するどころかそれを利用して逆に全部自分以外の会議参加者に有無を言わせぬ決着へと持っていく。
今回の会議参加者は一人残らず凡人無能はおらず、将来を嘱望された辣腕の政治巧者であり、それ以上の怪人怪物魑魅魍魎たちが揃っていたにも関わらず、である。いや、ある意味全員が無能ではなく有能である、というのはそれだけ彼らの思考を読みやすい、という意味でウェインにとってはやりやすくすらあったのか?
参加者の中でも特に怪物たる一人であるグリュエール王は、もう主導的にウェインにちょっかいを掛けるつもりはなく、変に肩入れはしないものの、ウェインに自由にさせて彼のやらかす事を楽しむ方に好奇心が寄っているようですし、隙を見せれば食いついてくるとは言え大きく見れば味方側と言えなくもないですし、そうなるとやはり相手はカルドメリアとシュテイル、そして聖王シルヴェリオとなるのか。この三人はある意味わかりやすい現世利益や権力とは違った所に重きをなしている節があって、ウェインとは価値観が違っている所がある分、思惑が読みきれないところがありますし。
今回の謀略は、言わば西側諸国、教会としての真っ当な、というとあれですけれど、政治家として順当な価値観に基づく動きであった、というのもウェインが掌の上に乗せやすい状況であったとも言えるのでしょう。
言わば、ウェインの土俵の上だったんだよなあ。
既にウェインの手、というのは帝国中枢や大陸外縁にまで及んでいて、会議に影響を及ぼすためにロワに遠方で動いてもらったり、先に深く関わることになったパトゥーラのフェリテ首長やミールタース市長のコジモにも協力を求めたり、とその手は長く大陸全土に及ぶようになっている。
どうやら今回の会議の結果として、大陸西側の奥地の方にもツテは広がりそうだし。

ウェイン王子の思惑が、帝国側にも西側諸国にも河岸を預けることなく、その間でフラフラと行き来して利益を甘受する事にある、と会議参加者の誰もがわかっている、どころかウェインも堂々と表明、まではしていないもののその思惑を隠しもせずに胸を張っている。
にも関わらず、彼を糾弾しきることも出来ず、彼に旗幟を鮮明にすることを強いることも出来ない。本来なら2大勢力の間に存在する小国なんて、食い物にされ良いように利用されるのがイイ所なのに、主導権を握っているのは明らかにナトラ王国であり、ウェイン王子なのだ。
彼のコウモリ外交を、誰も非難できない、指摘すらし切れない。有無をも言えず、首根っこを押さえられ、彼の思惑に振り回される。何をやっても、その手のひらの上から逃れられないと思い知らされる。
これほど堂々と立場を曖昧にして立つ蝙蝠がいただろうか。
並み居る猛獣猛禽どもに、心底恐れられ戦慄される蝙蝠がいただろうか。
こんな凄まじい暴威を振るうコウモリ外交があっただろうか。
会議は踊るよグダグダに。
何も決まらず進行もせず時間ばかりが無為に流れていくばかりのグダグダ会議。普通なら、誰も目的を果たせない無駄で無能の結果、のようにしか見えないグダグダ会議が、これほど明確な意図を持って引きずりこまれた結果だと、これほど凄味を感じさせられるモノになるんだなあ、と感嘆してしまいました。

とまあ、西側諸国とウェインとの会議における壮絶な綱引き、駆け引きを中心に描かれた本編ですけれど、冒頭では拡大するナトラ王国の中で大陸全土で被差別民であるフラム人がどう影響力を及ぼしていくかでフラム人たちの間で意識の変化があったり、妹姫であるフラーニャが順調に成長することでナトラ王国内でフラーニャ派閥というものが生まれ始めていたり、とナトラの拡大のお陰でまた別の問題が起こり出していることが描かれているのだけれど……。
うーむ。
どうにもね、このあたりってウェイン王子には想定済み、な節があるんですよね。それどころじゃなくて、大陸全土を股にかけてナトラ王国の影響力を拡大させていっているウェイン王子の活動、これってスケール的にマクロに思えるんだけれど……ウェイン王子的には今やってることってマクロじゃなくてミクロな事じゃないのか、と思える所があるんですよね。
彼って、ウェイン王子って、ナトラのために動いてるんだろうか。もう随分昔のことで忘れてしまいそうになりますけど、最初ウェイン王子、この国派手に売っぱらおうとしてたんですぜ? タイトル「そうだ、売国しよう!」なんですぜ?
実のところ、この初志、王子は忘れてない気がするんだよなあ。
そもそも、ウェインはびっくりすることに「王子」であって「王」でないのだ。もうやってることは王様以外の何者でもない権限と責任を振るって負っているにも関わらず。
ここに来てのフラーニャの躍進は、そして彼女がウェイン王子に遺恨ある他国の追放された宰相を参謀に迎え入れたのも、それをウェインが許可したもの、そしてかの宰相がフラーニャを担ぎ上げるつもりであるつもりなのも。こうなってくると、ねえ。
そこに一番重要になってくるのが、なるほどフラム人に秘められた、ニニム個人に秘められているはずの秘密、となっていそうなんですよね。
そもそも、ウェインの初志って一貫して、そう、ニニムについてなんだもんなあ。
会議は踊る、の裏側でこのシリーズの根底に関わるものがついに動き出した気がするぞ。

しかし、馬車で移動してる時、ウェインが眠り込んでいるときのニニムがこっそり甘え尽くしている姿、可愛いなんてもんじゃなかったなあ。ダダ甘えじゃあないですか。
一方で、ニニムの髪染めしてるときの二人のイチャイチャは、二人の中ではイチャイチャにカウントされないという、妹たちに見られても何もおかしいと思っていない、あの甘々な雰囲気。フラーニャがこりゃあ邪魔しちゃいけねえや、と赤面しながら逃亡するのも無理からぬ特別感。
昔からこんなの見せられてたら、そりゃあ妹姫も兄にはニニムしか居ないし許さん、とニニム贔屓になるのも当たり前だよなあ、うん。


ホラー女優が天才子役に転生しました 〜今度こそハリウッドを目指します!〜 ★★★★☆   



【ホラー女優が天才子役に転生しました 〜今度こそハリウッドを目指します!〜】 鉄箱/きのこ姫 ガガガ文庫

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ホラー女優が碧眼ハーフの天才子役に転生!

貧乏育ちの苦労人ホラー女優の鶫(30歳。努力の甲斐あって演技力はピカイチ)が、自動車事故で即死。
転生した先は碧眼ハーフの超美少女つぐみ(5歳)で、ドのつくお金持ち令嬢だった!!
つぐみの両親はつぐみに「注入された」演技の才能をすぐさま見抜き、テレビドラマの子役オーディションへ飛び入り参加させる。
天使そのもののつぐみの身体を得た実力派ホラー女優鶫は、その奇跡に感謝し、そして誓った。

「今度こそハリウッドを目指します!」

3人の仲良し子役美少女、凛、珠里阿、美海と出会い、幼女の友情を育む。信じられない演技力でドラマの監督、脚本家、大ベテラン俳優を、驚愕させる。
妖艶すぎる5歳の演技で、大の男を骨抜きに。
世界がひれ伏す大天才女優(5歳)がここに誕生!!
おおおっ、面白かった! これは滅茶苦茶面白かっったッ!
面白すぎて、途中で止められずに寝る時間削りまくってしまった。おかげで今日は死にそうになってたわけですけれど。もう若くないんだから。
しかしてこちらは若すぎる肉体に転生してしまったホラー女優の桐王鶫さんである。
あまりに怖すぎる演技から、観客視聴者のみならず共演者たちをすら阿鼻叫喚へと叩き込んだ稀代のホラー女優、恐怖の申し子。
その彼女が事故死のあと20年後に生まれ変わって、もう一度俳優の世界を目指すお話。いや、目指すというよりも、蹂躙するというべきか、或いは降臨するというべきか。
はまり役ということでホラー映画やドラマなどを中心に活躍していた鶫だけれど、それが不本意というわけではなく、元々ホラー好きだし好んでホラー女優やってたんですね。
ホラー作品にばかり呼ばれる事に不満を感じていたり、不自由を感じていてもっと違う役をやりたい、なんて思っていて生まれ変わったのを期に本当にやりたかった主役ヒロインを演じるのだ、なんて事は毛頭考えていなかったわけだ。
それどころか、忌避される悪役を、そんなおもしろそうな役、やらないなんてもったいない、と嬉々として挑む、或いはかぶりつく演じるという事を何よりも好み、飢え餓えた役者だった。
そんな彼女だからこそ、生まれ変わっても望んで役者の世界に飛び込んでいく。何よりも、演じることに魅入られているから。まさに文字通り、彼女は生まれながらの女優だったのだ。
彼女の中には、前世で培われた経験がある、感性がある。並々ならぬ努力で身につけたそれは、才能というのだろう。彼女が生まれながらに持っていた才は、叩き上げで最低の環境から這い上がり積み上げてきた鍛造の才能だ。演じることの出来る喜びを知る才能だ。その場に立つまでの困難を知る才能だ。苦労を知らぬ挫折を知らぬ脆いガラスの才能とはわけが違う。
そうして培われた人造の天才だ。人々の心を恐怖で震え上がらせ、同じ役者たちの、ドラマ映画に本気で関わる人間たちの魂を鷲掴みにした、人造にして本物へと至った天才女優のそれである。
そして、死んでも治らなかった女優魂の塊だ。

尋常ならざる天才子役の出現、その演技を目撃した、或いは実際に演じてみて彼女の「世界」に飲み込まれた現役の役者たちに衝撃を与え、その衝撃は波紋となって界隈へと音速で広がっていく。
ここに出てくる名優と呼ばれる人たちは「本物」である。役者という職業に人生を賭け、生き様として刻んでいる人たちだ。ドラマの番組プロデューサーも、監督も、より良い作品を作らんと気を吐く「本物」だ。だからこそ、彼女の、つぐみの存在に衝撃を受け、刺激を与えられ、彼女が紛れもない本物で、なおかつ「怪物」である事を否応なく肌で感じ取り、歓喜する。
役に入り込んだつぐみの演技は、まさに「世界の降臨」である。ただの練習でも、オーディションでも演技テストでも、その場限りの即興劇ですら、相手の共演者まで現実と演技の境目を見失って自分の役へと没入してしまう。まさに魔性の演技、と言わんばかりの演出に、背筋がゾクゾクしてしまった。さらに外側に居る読者であるはずの自分まで魅入られてしまうような、圧巻の存在感。一瞬にして塗り替わる世界。
いやあ、すごかった。

一方でつぐみという子はプロ魂こそキマっているものの、かつてホラー女優であったと言っても性格は温厚で孤高というわけでもなく、共演者や制作スタッフにもよく気を遣って結構親しまれ、尊敬されていたようなんですよね。
両親から半ば捨てられたような家庭環境で、下積み時代には極まった貧乏生活に耐えながら役者を志し、底辺から這い上がってきた苦労人。だからこそ、人にも優しく出来る、というタイプの人だったのだろう。
それは今世にも引き継がれていて、オーディションを通じて知り合い友達になった同じ世代の子役たちとも、前世の分の経験があるからと上から目線にならず、あくまで役者仲間として対等の視点で見ているようなんですよね。逆に言うと年長だろうと先輩だろうと、役者として対等に、尊重はしても譲りはしない、という穏やかながらプロらしいふてぶてしさを兼ね備えているのですが。
この前世で事故死してから二十年後に生まれ変わった、という二十年という年月が結構重要なキーポイントでもあるようで。
二十年、って充分知り合いが亡くなったりせず業界で現役で居続けているけれど、立場やなんかがそれぞれ変わっていたりする年月なんですよね。かつて自分よりも年下の子役だった人たちも、それなりの年齢になっていたりする。かつての役者仲間たちの現在に思いを馳せ、思わぬ再会が待っていたり、という展開もあり、また新たな世代が台頭してきていたり、と。
そんな中で二十年前に夭折した天才ホラー女優の存在感は、今業界の重鎮となっているかつての同世代の仲間たちの中でしっかりと根づいていて、だからこそ余計にその天才女優の面影を演技から彷彿とさせる新たな天才の出現に、誰も彼もが平静で居られなかったのでしょう。
とまあ、二十年のギャップというのは他にも色々あって。うん、二十年前にはスマホなんて想像しなかったよね。あんなん、二十年前だとSFのアイテムですもん。まさかパソコンと同等の機能を持つ機材が携帯電話の中に集約されるとか、100年後の世界の超科学アイテムでしたもんね。
VHSもビデオデッキ連結して一生懸命ダビングして。うんうん、わかるわかる、わかってしまう。
まだ連続して時代の変化の中にいたからこそついていけてるけど(ついていけてるか?)、二十年の空白があって現代に降り立ったら、ちょっと技術レベルのギャップは訳わからんことになってるよなあ。
というわけで、5歳にしてなんかおばさんくさい、と同世代の幼女に評されるつぐみちゃんでありました。
ってか、今どきって5,6歳の小学生にあがるかという子にまでスマホ持たせてるの珍しくないんですよねえ。
早速両親から与えて貰ったスマホを扱いきれてないつぐみちゃん。それ、5歳の幼児だからではなくて、おばさんだから謎機械にあっぷあっぷ、なんですよね、つぐみさん。スマホを買い与えた際のうちの母(70)の反応とよく似ているぞ、つぐみさんw

とまあ、この時代に生まれ変わったつぐみちゃんは、頼めばスマホを買ってもらえる、どころか演じる事が好きだと知ればすぐにオーディションに参加させてくれたり、付き人も自前で用意してくれたり、というか所属事務所まで自分たちの会社で立ち上げたり、と超お金持ちの家で美男美女、パパの方は外国人という両親にこの上なく愛情を注がれる、衣食住全てに満たされている幸せ一杯の環境にある。望めば、すべて与えて貰える環境だ。
それは、前世の何も持ち得なくて自分ですべて掴み取っていった環境とは真反対の、恵まれたとしか言いようがない環境。光だけに包まれた世界だ。
それが、つぐみの中でわずかに齟齬をうみだしている。
これに気づいているのが、同じ天才子役と謳われている夜旗虹、というのがまた面白い。この生意気兄ちゃんもまた、本物の天才なのか。
同じ天才だからこそ気づいた、つぐみの中のちぐはぐさ。ハングリー精神など全く必要とされない現在の環境と、つぐみの中で息づいている鶫の時代から培われた役者魂のあの獰猛なほどの情熱は、どこかで噛み合っていないのだという。
愛を知らず、だからこそ恋い焦がれるように狂的に愛を演じる事ができた前世と違って、今のつぐみは本当の愛を与えられている。だからこそ、今の自分がどうやって愛に甘えるやり方が分からない。今の自分が鶫のように演じることが出来るのか。鶫のように演じるのが正しいのか。
まだ、彼女の演技は未完成、なのだろう。
今の段階でなお、未完成なのだ。ということは、さらにこの上があるということ。これよりももっと高みが、彼女の前には存在しているということなのだ。
その事実に気づいた時、残念どころかゾクゾクしてしまった。背筋がブルブルと震えてしまった。これより凄いものを見れる可能性がある、という事実に恍惚となってしまったじゃないですか。
この子にはまだ先がある、まだ上がある! 
それに、まだドラマははじまったばかり。彼女の舞台はまだ一度たりとも幕を上げていない。本番ははじまっていないのだ。まだこの段階で前座の前座でしかない。
これはもう本当に、楽しみで仕方ない。続きを読みたくて仕方ない。またぞろ、とんでもねー作品が出てきましたよッ!


あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね ★★★★☆   



【あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね】 藍月 要/Aちき ファミ通文庫

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なんて――「好き」って言えるわけないじゃない!!!

「好きな男の子の心拍に合わせてスマホが震えるの最高」
全国模試1位、高校生ながらその腕で荒稼ぎしている凄腕プログラマー。けど人間嫌いで誰とも喋らない久城紅は、隣の席の宮代空也が大好きだった。初めての感情に戸惑う紅は、その高い技術で空也の情報を集めることが趣味になっていた。集めた情報をもとに十日に一回、空也に話しかけるせつない日々。しかし空也は“人の感情が色で見える”という特殊能力の持ち主で、紅のひそかな好意に気づいており――! 気持ちが言えないハイスぺ女子×恋に不信な特殊能力男子のすれ違いラブコメ!

これは、タイトルにうまいこと視点を誘導されたなあ。久城紅という明確な見せ札とタイトルによって完全に意識の死角を作られてしまった。途中からあからさまに怪しい動きをはじめていて、それが偶然ではなく意図的なものであるのは明白でわかってはいたのだけれど、それを直接タイトルとつなげて考えることが出来なかったんですよね。意識の死角に入り込んでいたから。タイトルが物語っているのは久城紅のことだと思いこんでいたから。
それは狂的な妄愛に囚われた女性たちの物語。
これ、ヒロインって紅や翠香じゃなくて空也の方なんですよね、どう見ても。
天才的な絵描きとして既に全国に知られる宮代空也は、その鮮烈な見る人の心を捕らえて離さない魔性とも神聖とも言える人外の領域の絵をこの世に描き出す代償のように、そうその生命を絵に塗り込めているかのように病弱で繊細で儚い。
精神的に弱いとかではないのだけれど、肉体的に明らかに薄弱でなにかあるとすぐに倒れてしまう。それはそこか生命そのものが細く薄いかのように。薄命、そう言う他ないふとした瞬間に消えてしまいそうな儚さを身に纏っているのだ。一方で、彼が描き出す絵は絵画に興味がない人にも、ただの高校生たちが見ても心奪われて仕方ない強烈な存在感をまとっている。
絵に対する具体的な描写はないのだけれど、代わりに絵を見た人たちの凄まじい衝撃と感動、揺れ動く情動を生々しいほど激しく描き出すことで、絵を見た彼らの口から飛び出す心からの感想、熱量、放心とも夢中とも取れる言葉を語らせることで、空也の絵が持つ凄味、ただの絵ではないという異次元さを引き立たせているんですね。
同時にこうも思わせるわけだ。こんな絵を描く人物は、果たしてどれほどの代償を絵に注ぎ込んでいるのだろう。一体、その身の、その魂の何を削り出して絵に塗り込めているのだろう、と。
特に、久城紅がはじめて空也の絵に遭遇してしまった時のあの衝撃は、世界が変わり果ててしまった様子は、壮烈ですらあった。
他人を必要としない、孤高であることに充足していた紅が自分もまた人間であるという事実に引きずり落とされてしまうほどに、自分そのものをグチャグチャにされてしまった、えぐり出されてしまったショック。あの彼女の狂乱は、憎悪は迫真であり、だからこそそれをこの世に生み出した空也に強烈な感情を抱かざるを得ず、それがどうしようもない恋へと昇華、いやそれとも朽ち果てていったというべきか。いずれにせよ、自分でも制御できないほどの感情を空也に抱かざるを得なくなる、その過程としては充分ほどに納得させられるものでした。
その挙げ句が、新世代電子ネットワーク型ストーカーの爆誕である。
これだけ強烈な愛情を自分の中で飼ってしまいながら、そのコミュ障さ故にそれを解き放つことが出来ず、明後日の方向で自分の才能を爆発させてそっち側で大いに解き放ちすぎてしまった、うんダメ人間ですね。
凡百のストーカーやヤンデレと違うのは、彼女・紅が自分のストーカー行為について凄まじい罪悪感を抱いているということか。いささかも、自分の行為に正当性を感じていないんですよね、彼女。自分のそれがどう言い繕っても犯罪以外のなにものでもないと認識しているし、それを自虐し恥じ入っている。それをやめることの出来ない自分の異常性を自覚していて、それを嫌悪している。
分かっちゃいるけど止められない、という言葉はどの時代のどんな人間にも相通じる一つの真理である。
だから、彼女は紛れもなく正気だ。正気のまま逸脱してしまっている。そうさせるほどに、彼女の飼っている愛は深い。
そして、それはそのまま裏返しでもう一人の彼女、吾道翠香にも当てはまる。いや、彼女の愛の深さはより一層常軌を逸している。
人を、人間の領域を、踏み外していると言っていいほどの逸脱だ。
そして、その逸脱した全てを彼女は宮代空也という人として半壊した少年を庇護するために費やしていた。愛は与えるものだとするのなら、彼女は自分の全てを捧げていたと言っていい。
翠香も、そして紅もストーカーという自分本位で我欲を抑えきれずに逆らえずに暴走させた行為に自分自身引きずり回されながら、しかし究極自分の幸せよりも空也の幸せをこそ優先する娘たちだったのだ。
宮代空也という人間は、人間として半壊している。物語の最初の方では身体こそ弱いものの精神は健全でちゃんとした真っ当な人間に見える。しかし、後半に差し掛かり、空也の才能と彼が体験してきた破滅が彼という人間を徹底的に壊してしまっていた事が明らかになってくる。
彼は半ば、彼岸に足を突っ込んでいる人間だ。まともに生きているのが不思議になるほど、彼の心はボロボロでナニカに取り憑かれたように絵に自分自身を刻み込んでいる。いつ、現実世界から消えてしまっても不思議でないほど、朧で空虚でふわりと浮かんで大気の中に溶け込んでしまいそうな希薄な存在だった。
そんな彼を現世にとどめていたのは、間違いなく翠香の存在だろう。いや、存在そのものではなく、彼女の献身が、形振り構わず自分自身を決定的に不可逆に、ただ空也の為にだけ生きる存在に自己改造し、自己鍛造して支えたからこそ、彼は生きてこられた。辛うじて。
このままなら、いずれ遠からずこの翠香でも支えきれなく消えゆく彼を掴めなくなっていただろう。破綻は、崩壊は、時間の問題だった。
母親に愛情を踏みじられてそれを因果として父親を文字通り喪った空也は、愛を喪った。愛情に恐怖するようになった、愛を感じ取れなくなった、愛情を虚しいものとしか認識できなくなった彼にとって、世界はもう温度のない冷たい棺でしかなかった。それでも世界を、周りの人たちを愛していた彼は、絵を通して自分自身を焚べることで、自分の生命を切り取って与えること愛の価値を証明する他なかったのだ。
こうしてみるとよく分かる。宮代空也という人間にとって、並の愛ではまるで足りなかったのだ。
人の身で抱えきれないほどの、人ならざるものにならないと抱えきれないほどの、深い深い奈落のような愛。底のない深淵のような愛でなければ、到底彼を繋ぎ止める事も守ることも出来なかったのだろう。そして、彼には奪い取れるようなものは何も残っていなかった、空っぽだった。だから、注ぎ込まなければならなかった、奪うよりも与えなければならなかった。自分たちの異常性をも燃料として焚べて、熱を与えなければ凍ってしまうほどに、彼はもう限界だったのだ。
そして、彼女達ほどの昏く消せない質量のある炎のような愛情でなければ、劇薬めいたショックを与える事は出来なかっただろう。
そうした愛情の発露が、むき出しの人間性の描写が、こみ上げて身体からも心からも溢れ出してしまった感情の表現が、ビリビリと痺れるほどに生々しく鮮烈な物語でした。妄執の愛というべき、女達の情動。泣きじゃくる紅の姿は、心は、みっともない程無様でありながら、これ以上無く綺麗に見えた光景でした。
ああ、良いものを観た。
素晴らしく心奪われ、引き込まれるラブストーリーで、愛の讃歌でありました。面白かった!



Babel II 魔法大国からの断罪 ★★★★☆   



【Babel II 魔法大国からの断罪】 古宮 九時/ 森沢 晴行 電撃の新文芸

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魔法大国ファルサスへ到着。しかしそこで知る衝撃の真実とは――。

幾度となく命の危険に遭いながらも、雫のひたむきな前向き思考と魔法士エリクの機転によって切り抜けてきた長い旅路。カンデラ城での禁呪事件を経た後も、行く先々で何故か騒動に巻き込まれながら、遂に二人は当初の目的地であった魔法大国ファルサスへと到着する。
日本帰還への糸口を求めて、ファルサス王ラルスとの謁見が実現するが……。

「──立ち去るがよい、外部者よ」

雫の存在を“ありえない異質”と断じ、冷徹な意志を持って王剣を突きつけるラルス。処断を逃れるため、自分が人間であることを証明するために雫が取った行動とは。そしてファルサス城の中で知ることになる、エリクの過去とは。
やがて解明されていく世界の謎。異なる世界の言語を教え合う中で少しずつ降り積もっていった違和感は、衝撃的な事実として雫たちの前に立ち現れる。

それ、その人!! リースフェンを迎えに来た人ーー!! イラスト付くとあからさますぎてちょっと笑ってしまった。これ、現在進行系でのみ電撃の新文芸から出ている古宮さんの作品を追いかけている人はどういう反応になるんだろう。ちょっと気になるなあ。
というわけで、ついにファルサス編に突入であります。その前にリースフェンというどこぞのお姫様みたいな逃亡者と遭遇したり、偽装結婚の替え玉にされそうになったり、と相応のでっかいトラブルには巻き込まれているのですが。いや、結構な頻度で巻き込まれてますよね。自分から首突っ込んでいるわけでもないのに。
とは言え、一つ一つはまったく関係ないような事件に見えるのだけれど、これが「言葉」にまつわる物語であるという根底でしっかりと繋がってもいるんですね。偽装結婚の話では、この世界の大陸の成り立ちにまつわる神話に基づいた結婚式が行われるのだけれど、その神話の内容、特に花嫁を迎えるエピソードに関しては、ラストで明らかになった言葉にまつわる認識の齟齬。雫の住んでいた地球と、この世界における言語についての成り立ち? いや発端? そもそも根本的に違う部分について発覚するのだけれど、神話で確かにそれを示唆するような内容が含まれているんですよね。
それはそれとして、偽装結婚の事件の当事者となる人たちについても言葉が重要な意味を持っていました。言葉によって傷つけられ、言葉によって満たされる。伝わらないと思い込んで言葉を費やさなかったことは、彼らに決定的な断絶と孤独をもたらし、でも最後の最後に彼と彼女はもう一度、今度こそは本当に伝え合うことが出来た。心重なることが出来た。それが、悲劇の後の終幕でしかなかったとしても。破滅は時として美しい。それが幸福に満たされての破滅なら、なおさらに。
ただ、雫には似合わない。
この娘はいつだって直球勝負だもんなあ。直球というのも違うか。無神経にズカズカ踏み込んだりとかしないわりに、理不尽さには憤るし背を向けて逃げたりしない。行きずりで出会ったばかりのリースフェンの境遇に怒り、彼女の自由を取り上げようとするものに向かっていったあれは、勇気とか正義感とかじゃあないんですよね。なんだろう、これを負けず嫌いとでも言うのだろうか。それとも正しい怒り? いずれにしても、彼女には譲れないものがあるし、それを踏みにじろうとするものには徹底的に反抗する。エリクは雫を頑固と評するけれど、頑固どころじゃないですよね。硬骨漢か! 
ただそれが権力者だったりしても、譲らないんですよね、この娘は。
ファルサス王ラルスに突然言いがかりめいた見に覚えのない理由で断罪されようとした時、エリクに身を挺して逃されて、それで一目散に一旦王城から飛び出しておきながらそのままの勢いで戻ってきて、アレですよ。
いやそれはおかしい。一般人は絶対、そこまで出来ないから。そんな一線を持っていないから。
でもそれは体を張ったとはいえ、会話を交わそうとしない相手に対して言葉を届かせる手段ではあったんですよね。無理やりグリグリと押し付けて飲み込ませるようなやり方でも、此方の言葉を聞かず一方的に自分だけが理解する理由で相手の意思を無視して結果を押し付けようとする行為に対して、ただ反抗するのではなく、それは間違いだと突きつける行為。
エリク、怒るよそれ。
でも、結果としてラルスと一応とはいえ交渉可能になった。いびってイジメてくるけれど、言葉は交わせるようになった。言葉をちゃんと聞いてくれるようになった。
そういう状態になっておきながら、わざわざラルスの土俵に乗って言葉以外のところで張り合って彼のイビりに真正面から付き合って、負けるかおらー、ってやってたのはやっぱり負けず嫌いなんじゃないのかな。
ともあれ、この娘は、雫はとにかく言葉を惜しむことだけはしない。自分だけで溜め込まずに、ちゃんとコミュニケーションを取ろうとする。思えば、異世界に飛ばされて身一つで見知らぬ土地に放り出され、そうでもなんやかんやと辺境の街で生活基盤を築き上げてしまったのも、彼女のそういう意思疎通を惜しまないところだったのだろう。
エリクは、その辺決してうまい方ではないと思うんですよね。でも、自分からなかなか見せようという能動性に欠けるだけで、問われれば問われた以上を返してくるし、押せばそれなり以上に押し返してくる。待ってたら、あんまり反応してくれなくなるけれど、そうじゃなかったら、この人はきちんと以上に対応してくれる、考えてくれて、慮ってくれて、実行してくれる。
その意味では雫とは相性ピッタリなんだろうなあ。
そして、彼の……エリクの過去は。ファルサスで彼が得てしまった喪失は、意思疎通の齟齬と欠如に基づいてしまっている。かの人の正体を思えば、最初からこれは行き場のない物語だったのかもしれないけれど、行き着く所はそこ以外になったのかもしれないけれど。
それでも、エリクにとっては清算の済んでいない傷だったのだ。でも、それを雫に話したことでなにかほどけたものはあったのかもしれない。自分のことを話すことは、許すことに繋がるのだろうか。
いずれにしても、伝える、という事の意味の深さをこの物語は常に意識しているように思える。

だからこそ、尚更に。ラストで明らかになった言葉にまつわる雫とこの世界の齟齬の大きさ、認識そのものをひっくり返すような事実にはドキドキしてしまう。心揺さぶられてしまう。言葉で意思を疎通する、という事そのものが、自分の中から生み出してきたものではなく、誰か大きな存在によって手を加えられてきたのではないか、という疑問のその恐ろしさに。
そもそも、生得言語なんて雫や、彼女の側に属する読み手にとっては発想すらないものですもんね。気づくわけがない。雫にとって、最初意味がわからなかったのも当然であるし、彼女と誰よりも言葉を交わし、彼女から異世界の言語を習ってきたエリクですら全く気付かなかったのも無理はない。
そんな両者の齟齬を暴くことになった、今子どもたちの間で流行りだしているという言語障害の病。それが病気ではない、という事実を理解できるのは雫と彼女との齟齬を正確に認識したエリクだけ。果たして、今この世界に何が起ころうとしているのか。ものすごく得体のしれない方向から忍び寄ってきた不気味な世界そのものを揺るがそうとしている変容に、これからどうなるのか。雫とエリクはどうするのか、と思った所でさらなる急展開である。
ああ、電撃文庫版ではここで打ち止めになっちゃったんですよね。ここまでやっておいてからに、そこで打ち止めって。いや、こうしてちゃんとカットなしでの再スタートを行ってくれたわけですから、むしろありがたいというべきなのか。
今度こそついに、ついに本作の真ヒロイン、というか雫にとってのヒロイン?の登場ですよ。もう顔見せはしてるけど。ある意味、ラルスのイビリは予行演習みたいなものですからな。王様相手だろうと一歩も退かずに張り合ってみせた雫である。耐性はついてるついてる、うんうん。



カノジョの妹とキスをした。2 ★★★★☆  



【カノジョの妹とキスをした。2】 海空りく/ さばみぞれ GA文庫

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初めての恋人・晴香と付き合って一ヵ月。親が再婚し恋人とそっくりな義妹が出来た。名前は時雨。晴香の生き別れの妹だ。
俺はそんな義妹とキスをした。重ねられた時雨の唇の感触が忘れられない。晴香とキスはそれに塗り潰されて思い出せないのに。時雨を異性として意識する時間が増える。
でもそんなのは晴香に対する裏切りだ。俺は晴香との仲をもっと深め、時雨と距離を置こうとする。
だが俺がそう決意した日、時雨が高熱を出して倒れてしまい……?
彼女の双子の妹からの告白。高2の夏休み。お泊りデート。動き始める“不”純愛ラブコメ、『堕落』の第二巻!
これは、とんでもねーなあ。いや、これはもう博道に同情してしまう。
てっきり、悪いと思いながら裏切りと知りながら、徐々に時雨の愛に蕩かされていく、堕ちていく背徳一直線の不倫モノになるのかと思ってたんですよね。
ところが、博道は想像以上に誠実で晴香に対して一途でした。自分が信じた愛に初々しいほど一途だったのです。時雨の誘惑をはねのけて、晴香から目を逸らさなかったのです。時雨とキスしてしまった罪悪感が、余計に彼を一心不乱にしてしまったのかもしれません。時雨の愛の深さ、愛情の激しさをその身に体感したことによって、より晴香への愛情の深度を高めてしまったのかもしれません。
それが、自分を追い詰めていくとも知らずに。
これ読んでいると、博道が晴香を裏切って後ろめたいことをしているというよりも、博道が精神的に追い詰められていく中で時雨の存在がどうしようもない救いに見えてくるんですよね。博道は悪くない、これは仕方のないことなのだと思えてくる。彼の晴香への愛情は本物で彼は一途に晴香に愛を捧げているのに、それを一方的に否定し踏み躙ったのは晴香のように見えてくる。
あのシーンあの瞬間、繊細で純真だった少年の心が、ズタズタに傷つけられたのは間違いないんですよね。センシティブな問題が絡んでいるとは言え、彼の愛はその相手から一方的に否定されたのである。汚らわしいものとして嫌悪されたのである。
それは、価値観とか恋愛観、愛情の在り方の相違であってそれだけならどちらが悪い、というものではなかったと思うんですよね。本来なら、それは話し合いや対話、コミュニケーションの積み重ねによって擦り合わせていくべきものなのでしょう。しかし、晴香は過去の家族崩壊に関するトラウマや父親からの刷り込みなんかで自分の恋愛観に疑い一つ抱いていなくて、それが絶対正しいものだと考えているようなんですよね。一方で博道の方は時雨との事での罪悪感も後押ししたのでしょう、自分が悪いと決めつけ思い込もうとしながら、晴香の恋愛観の方に無理やり自分を合わせようと四苦八苦しながら、晴香への愛情の深さ故に自分の中からこみ上げてきた自然な想いを否定する事は出来ずにいた。晴香の恋愛観を肯定してあの時の行動を間違っていたとするのは、そのまま自分の感情を想いを否定すること、晴香への愛情そのものが間違いだ、ということになってしまう。
晴香に対して誠実であろうとする、彼女の愛情の在り方に寄り添おうとすることが、自分の晴香への愛情を否定することになってしまう矛盾。そして、自分が信じてきた愛情が、否定どころか嫌悪されて踏みにじられた事への痛み。愛をただの肉欲と貶されてしまった悲しみ。それが、少年を苦しめ疲弊させていくのである。一緒に過ごすことが幸せだったはずなのに、恋人と過ごす時間が徐々に苦痛へと、恐怖へと変わっていく。
この変転には、もうなんかゾクゾクしてしまいました。愛している事は何も変わっていない、愛が薄れていっているわけではないのに、心の距離がどんどんと離れていく、幸せが辛いに変わっていく光景は、衝撃ですらありました。
そして、気のおけない義妹である時雨と過ごす時間の方が癒やしになっていく、追い詰められ精神的に崖っぷちに立たされるほどに疲れ果てた博道の救いに、時雨の存在が成っていく。ここで時雨は別に疲弊する博道につけ込んで、博道の愛情を独り占めして奪い取ろうという積極的な行動に出てるわけじゃないんですよね。ただ、博道を否定せずに受け止めているに過ぎない。むしろ、彼の晴香への愛情の在り方を肯定しているとすら言えるんですよね。あれほどの甘い毒を注ぎ込みながら、時雨は博道に何かを求めたりしなかったのです。そんな自然な、自分の価値観を強いしてこない、自分の欲求は伝えてきても、そのために自分に合わせる事を求めてこない、そんな時雨の存在こそが彼の救済になっていくのである。
これ、時雨の存在がなくても晴香とは早晩うまくいかなくなってたんじゃないだろうか。それとも、時雨によって注がれた甘い毒が、博道から晴香と接する際の余裕を失わしめていたから、罪悪感が晴香と正面から意見をぶつけ合う自信を削り取ってしまっていたから、こんな有様になってしまったのだろうか。
晴香も本当に博道を愛しているからこそ、彼にも同等のそれを求めたんだろうけれど、それが彼をどれだけ傷つけたかを想像もしていない以上は、無理解と言われても仕方ないよなあ。
晴香のプラトニックラブの考え方に対する時雨の肉の喜びありきの考え方も結構極端寄りだとは思うのだけれど、博道への理解という点ではこの時点では確かに時雨の方が正確に捉えていると思うし、だからこそ時雨が姉に抱いてしまった憎悪に正当性を感じてしまうのである。
なんか、いつの間にか読者である自分の方にまで毒が回っているじゃないか。時雨の方を選ぶほうが正しいと思えてしまうように作り変えられてしまっているじゃないか。
ラスト、感情に任せて決定的な一歩を踏み出してしまった時雨。前巻のラストも時雨が感情に任せて決定的な一歩を踏み出してしまった事ですべてが始まってしまったわけですけれど、今回もまさに二度と元に戻れない関係になってしまうのか。どう転んでも泥沼は必定、修羅場必至、一瞬たりとも気が抜けないこのお話のどこに「ラブコメ」のコメがあるんですか!?
いやほんとにとんでもねー作品だこれ。


いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら ★★★★☆   



【いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら】 永菜 葉一/なび  MF文庫J

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青春の全てを捧げた、小説の世界は――戦場だった。

柊海人の日常は全てが灰色だった。可愛い妹と何かと気に入らないことがあればすぐに激昂してしまう父。アンバランスな家庭を守るため、アルバイトに明け暮れ、将来のことなんて考えられなかった。
天谷浩太の日常は全てが虹色だった。幼いころから欲しいものは何でも与えられ、何をしたって上手くいった。そんな二人に文芸部部長・神楽坂朱音は小説の世界の素晴らしさを説いた。そして、囁く
「君たちのどちらかがプロデビューして、私を奪って欲しい――」
いびつな関係の3人が小説という名の戦場に出揃うとき、物語は動き出す。小説に魅せられた少年少女が贈る、本物の青春創作活劇!
ああ、珠玉を見た。
これには「小説を書く」という行為にまつわるあらゆるものが詰まっている。
小説を書いた事のある人は、まず最初に自分の中からこみ上げてくる「物語」を文字にして打ち出そうとする行為そのものに、とてつもない大きな壁を感じ、恥ずかしさに躊躇い、清水の舞台から飛び降りるような心境を抱いた事があるのではないだろうか。
あの書いてみたいという欲求と、書くという分不相応とも思える行為への抵抗感のせめぎ合い。かつて二次創作という分野ではあるが、物語を書くという経験がある身としては、朱音に促されて海人が初めて自分の文章を書きはじめるまでの躊躇う姿に、随分と懐かしい思いを抱いてしまった。
あの越えた瞬間から、筆が走りはじめた時の開放感のような、未知の世界に踏み入った高揚感は未だに克明に思い出すことが出来る。
そんなふうにして、この海人ともうひとりの主人公、浩太の作家として歩んでいく二人の姿を見ていると気付かされるのだ。これは、思い出だ。経験であり、体験であり、過去から今に至るまで抱き続けた感情であり、モノを書くという事への理解であり、認識であり、未だ結論に至らない道程で振り返り、足元を見て、空を見上げて、これから征く道の先へと目を凝らす。そんな、作家としての有り様、在り方を一つ一つ腑分けして、分け与え、魂を吹き込んだのがこの作品の登場人物たちなのだ。
だから、彼らの叫びは生の叫びだ。青臭かろうと、演出過多に見えようと、ディフォルメされていようと関係ない。それは余分なものを飛び越えて、直截に此処に届く、響いてくる。
そこには、小説を書くことへの一切が詰まっている。書く喜び、書くことの楽しさ、苦しさ、辛さ、恐怖があり、高揚があり、喜悦があり、絶望があり、迷いがあり、達成がある。何故書くのか、何故書きたいのか、どうして書き続けるのか、書かなければならないのか。理性の産物であり、本能からの欲求ともなる執筆という行為。その根源を、ここに現れる登場人物たる彼らはすべて曝け出してくれている。
その中でも、彼ら主人公の海人と浩太はその体現者だ。そして二人はそれぞれ、小説を書くという行為に対しての人生における位置づけが異なっている。それは光と闇という表現で区別され、二人はまったく別のスタンスで小説を書くことに人生を賭している。
その対比が重要なのだろう。主人公が二人いて、二人それぞれの視点で小説を書くという行為に向き合うことが、視野や焦点を狭めることなく、たった一つの答えではない幾つもの作家としての在り方を肯定することに繋がっている。ひいては、文学部の先輩達それぞれの作家としてのスタンスの違いもまた、小説を書くという事への向き合い方への多様性を肯定していると言えよう。どれもが間違いではなく、尊重され、肯定されるに相応しい立ち方なのだ。
それは、浩太と海人にも該当する。生い立ちも、その人生の歩みも正反対のように異なる二人は、作品への向き合い方も、小説を書くという行為に対する在り方もまったく異なっている。しかし、彼らはお互いを否定はしない。むしろ、相手の在り方にこそ憧れている、と言っていい。そして同時に、自分の在り方に確かなものを見出している。もちろん、迷いが生じるときもある。反発が生まれるときもある。しかし、誰よりも相手を認め、尊敬し、だからこそライバルとして鍔迫り合い、時としてその選択を許せずに己の信念をぶつけることになる。
そうやって際立っていくのだ。相反するかのように見えた光と闇の、作家としての在り方はどちらもまた本物なのだ、と。その両方が、きっと彼の人、この作品を手掛ける永菜さんの中に内包されていて、両立しているのだと。それを描き出すのには、主人公はどちらか一人では足りなかったのだ。海人と浩太の二人であったからこそ、相乗させ全部引き出せた、描き出せた、と思えるのだ。
だからこそ本作は論ではなく、談である。
これほど自分自身を腑分けして直接それらを叩きつけながらひとり語りになるのではなく、登場人物たち一人ひとりの「人生=生きる事=書く事」への全力を描き出した青春物語と成しえて見事に完成させた事に、感嘆を禁じえない。
一読者として、心揺さぶられる作品でした。心に沁み入る作品でした。

ラストシーン、海人くんの現況は色々とご自身のそれが投影されてる感じもありますが、打ち切りなんかにゃ負けん欲しいです。わたしゃ、永菜さんの作品、どれもこれも大好きですよぉ。てか、なんでどれもこれも一巻だけなんだよ、どれもべらぼうに面白いのに!! 納得いかーん!!


永菜葉一・作品感想

TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 2 ~ヘンダーソン氏の福音を~ ★★★★☆   



【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 2 ~ヘンダーソン氏の福音を~】 Schuld/ランサネ オーバーラップ文庫

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この出会いは致命的(ファンブル)!?

魔導師アグリッピナに窮地を救われたデータマンチ転生者のエーリヒ。彼はアグリッピナから、妹のエリザが「半妖精」であると告げられる。
そして「半妖精」の悲惨な運命を避ける唯一の道として、契約を結ばないか、と――。
契約により、エリザは弟子として、エーリヒは丁稚としてアグリッピナと帝都の魔導院へ行くことに。
故郷を離れるエーリヒは、マルギットに一つの誓いを捧げるのだった。
一路帝都へ向かう旅路の中、エーリヒの前に現れた妖精。
彼女がもたらす新たな物語の行方は、どうしようもなく致命的……!?
ヘンダーソンスケール行方不明のデータマンチ冒険譚、待望の第2幕!


わりとこれ、アグリッピナとの出会いをきっかけにしての、故郷との離別は「ヘンダーソンスケール1.0(致命的な脱線によりエンディングに到達が不可能になる)」に該当するようにも見えるんだけれど、そうはならないという当たりにエーリヒの冒険者になるという夢が行き詰まったわけではなく、またマルギットとの約束が不履行となるわけでもないことが、示唆されていると思われる。
まあエーリヒのやりたいようにやるのだ、という生き方の中には愛する末妹のエリザの良き兄として彼女を守る、という事も多分に含まれているので、エリザが半妖精として生まれていた以上は、アグリッピナ師の提案は、エリザの行く末を思うなら唯一無二の道ではあったんですよね。
それでも、将来の展望、力を蓄えてある年齢に達したら冒険者となり村を出て、思うがままの旅に出る、そこには幼馴染の少女の姿も隣、というか背中にあって、という確かなそれなりに細かく予定を敷き詰めた計画が建ててあったにも関わらず、それらを全部放り捨てて、故郷を出るはめになってしまったわけですからね。人生うまくいかないものである、特にTRPGプレイヤーなら尚更にここぞという時にファンブルかますのは必然とすら言えるのである。
とはいえ、溜まったもんじゃないのは家族であり、人生を共にする約束をしていたマルギットなんですよねえ。アグリッピナ師の提案は、まあ自分の都合優先、引き篭もり欲求を叶えるためにエリザを弟子として招く、というのは大変に自分に利のある事ではあるんだけれど、この人にしてはエーリヒやエリザたちにも配慮しまくってくれてる取引ではあるんですよね。
それでも、普通ならばエーリヒの丁稚契約というのは要求される金の単位からして永久雇用である。辺境の農民が左右できる金額と、魔導師の弟子となるエリザが必要となる金銭の桁は文字通り、2つ3つ異なってくるわけで、それを稼がないといけないエーリヒは当然雇用主であるアグリッピナ師にそれだけ奉仕し続けないといけない。
本来なら、これはもう二度と故郷には帰ってこれない、と思われても仕方のない旅立ちなんですよね。マルギットも、エーリヒに会いに来た時の悲愴さからしてそのあたり、覚悟はともかく理解はしていたんじゃなかろうか。でもこの少年と来たら「5年かそこらで上がれたらいいなあ」である。
しかし、5年ですら今14歳のマルギットからすると待つには長過ぎる年月。そもそも5年で年季明けるかどうかすら、普通に考えたら一生涯借金地獄から逃れられない金額を思えば怪しい所。
でも、信じるわけですよ、この娘は。行き遅れになっても、冒険者になると誓った幼馴染をここで待っている、と約束するのである。もうなんか、敵わないよね。
子供同士の拙い約束ではないのは、マルギットとエーリヒの間で交わされた誓いの儀式でまた明瞭なのである。ただの子供の約束で、あんなふうに重く妖しく神聖な「交換」は成せないですよ。
ある意味、どれほど時間が流れても、どれほど距離が離れても、彼女マルギットこそがその定位置を据え定めた、と言える一幕でありました。
でもしばらく、この幼馴染とは残念ながらお別れ、となってしまうんだよなあ。うん、大丈夫、彼女これでフェイドアウトということはないので。その場所は譲らんのでありますよ。

この別れのシーンでもうひとつ印象的だったのが、親父さんとのシーンなんですよね。秘められた父親の過去がその口から語られ、末妹を守って旅立つ我が子に己の過去の夢の残滓と拠り所を託して送り出す。それが、息子が夢を叶えるための旅立ちならば、大いに祝福してのことなのだろうけれど、誰の意にも沿わぬ苦しい別れとなるのなら、そこに託す思いの痛切さはいかばかりか。
しかし、愛娘を託せるに足る男に育ったという末息子への信頼もあり、忸怩たる思いを抱きながらも安心がある。父から子へ、家族の一幕としてはこう染み入るシーンだったんですよねえ。
本作はこういう何気なくもじんわりと染み入る交流のシーンが多くて、なんか熟成が進んで出汁でも溢れ出てきそう。それくらい、味わい深い情緒があるんですなあ。

そして、そういう情緒をさっぱりと理解しないし出来ないアグリッピナ師みたいな、人間とは根本的に異なる価値観の元に生きている長命種、みたいなのがどんどん出てくるのが、種の坩堝となる帝都なのですが……おおう、そこまでたどり着かないのか、お話。
まあアグリッピナ師みたいなの、早々居ないんですけどね。居てたまるか、というくらいなのですけど。長命種というのがどれほどイケててイカレた種族なのかは、実にしみじみと作中でも語り尽くされるのですけれど、その中でもとびっきりの変人極まっているのがこのアグリッピナ師であり、変人=魔導師という基本方程式の中ですら「アグリッピナ」という特別枠で括られそうな人なのである。
まあエーリヒの方も「エーリヒ」という特別枠で括らないとアレすぎる人種なんですけどね。魔導師の丁稚なんてものにならなきゃならなくなり、故郷も出て、まだ7歳の分別もつかない妹の面倒もいなくちゃいけなくて、人生オワタ、みたいな境遇に陥ったにも関わらず、後ろをまるで振り返らずにグジグジと思い悩まず、至極前向きに現在の境遇でバリバリビルド鍛え上げるぞー、とワクワクしているあたり、何気にどんな人生歩んでても幸せになれる奴なんだろうなあ、と実感する次第。
実際、ヘンダーソンスケール1.0が発生して、IFルートに突入する際もどんな境遇立場に陥ってても、ほぼほぼ人生満喫してるもんなあ、こいつ。
しかし、そういう前向きの権化のような人物でも、耐え難い試練というものはあるもので。
実質初陣となる戦いで、そのラスボスがこれ、というのは厳しいにもほどがあるでしょう、居るのならばGMさん。ゲームバランスとして反則、というのではなく精神を摩耗させるという意味で。
というか既に戦闘に関しては、この段階で意味分からんレベルなんですよね、エーリヒって。比べる対象が殆ど現れない上に、居てもアグリッピナ師みたいな超絶存在だったりするのでエーリヒも自分の現在の立ち位置把握しきれてないようだけれど、現段階でちょっとおかしいですもんね。
それに、アグリッピナ師によって魔法のロックが外されて、魔法が使えるようになったという所で、覚えた魔法がアレである。炎とか氷、とか定番のそれではないというのは、フワフワとした魔法使い像に引っ張られるTRPGプレイヤーではないのですよ、と言わんばかりで。というか、よっぽどキャラビルドについて日頃から練りに練って思い巡らせてなかったら、こんな発想そうそう出てこないでしょうしねえ。いやまあ、人生そのものを費やしてビルドに勤しんでいる人物なので、それこそ息を吸い息を吐くようにビルド練ってるんでしょうけれど。
でも、この発想は面白いよなあ。後々までエーリヒの戦闘面のみならずあらゆる場面に置いて得難い効力を発揮し続ける「見えざる手」とのファーストコンタクトである。いや、能力にコンタクトというのも変だけれど、ある意味彼の相棒みたいな能力になりますからなあ。
しかして、初期段階から既にわけのわからないレベルの汎用性を見せてるんですよね。どんだけ便利で応用範囲が広いんだか。ここらへん、プログラムの組まれたゲームではなくTRPGというGMとの駆け引きでどのようなケースにも対応できるゲームのプレイヤーならではの発想の自由さと、それをシステムに組み込んで、はめ殺しを図る応用力か。

ヘルガ編については、書籍用の書き下ろしでウェブ版にはなかった展開なのですけれど、エーリヒにとってはきつい試練でありました。あのラストシーンもさることながら、そのあとの「Tips」の語りがまたここでは凄く優しいんですよね。ただの説明文のはずなのに、ヘルガの想いを伝えてくれているようで。
ここに限らず「Tips」は時にウィットに富んでいたり、アイロニーをきかせていたり、と実に表情豊かで、話の余韻を際立てせてくれる。この作品の色彩の鮮やかさを担う特徴の一つでもあるんですよねえ。

さて、次こそはようやく魔都たる帝都を舞台にシティーアドベンチャー! まではいかないか。それでも、この世界の不可思議で魅力的で怪しげな設定群の精髄が詰まったような都市であり、その情景描写、街を歩き人と出会うシーンだけでも凄まじい情報量が飛び込んできてワクワクしてしまうような舞台がここからはじまるわけです。いやあ、ここまでで楽しかったという余韻に浸るまもなく、ついつい次回に思いを馳せてしまいます、ワクワク。


魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 11 ★★★★☆   



【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 11】 手島史詞/COMTA HJ文庫

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夢の中で理想のデートを!?

温泉の恩返しにリリスは、ザガンとネフィのデートを自らの能力で夢の中で行えばいいと提案をする。
しかし想像力の低さゆえ結局いつも通りになり、ザガンは懊悩してしまう。
そんな時訪ねてきたのは<魔王>ナベリウス。
彼の依頼は消息不明の<魔王>を夢の中に捜しに行くことで――。
大人気ファンタジーラブコメディ第11巻!

先輩後輩なザガンとネフィもいいんだけど、カラー口絵で膝枕されてる二人の後ろでラブコメしてるシャスティルとバルバロスがまたいいんですよね。バルバロスが典型的な不良っぽい男の子で、パン咥えてるシャスティルは委員長っぽくて、どれだけ王道のラブコメしてるんだ、とw
そして、本編冒頭10ページかからず凄まじい糖度のイチャイチャっぷりを見せつけるザガンとネフィにゴメリおばあちゃんも満願成就の出血死である。
最近、愛で甲斐のあるカップルの甘酸っぱいムーヴが各所でひっきりなしに起こるために、さすがのゴメリおばあちゃんも全部カバーしきれなくて、遠方で発生しているラブラブに地団駄を踏むばかりなんですよね。そのうち、おばあちゃん分身分裂の術とか憶えてしまうんじゃないだろうか、と心配にすらなる。
これでこのおばあちゃん、【妖婦】ゴメリとして自分の左腕とザガンが呼ぶほどの魔術師なんですよねえ。右腕として絶大な信頼を置いているのが【黒刃】キメリエス。んで、背中合わせというか背中を任せるという感じなのがバルバロスか。これに元最強の聖騎士団長ラーファエルが執事として控え、義娘のフォルは実力ではもう魔王級。これに今居候として魔王オリアスことネフィ母ちゃんと、吸血鬼の始祖である天使狩りのアルシエラがいるわけで、ザガン一党の戦力の充実っぷりとキたら見た目の厳つさと合わせても、もう魔王軍と呼んでもいいんじゃないだろうか、という偉容なんですよねえ。
そんな連中が顔を突き合わせてなにをやっているかというと……。

シアカーンとビフロンスという魔王同士の同盟がちょっかいをかけてきている状況に、さらに魔族、そしてアザゼルという謎の世界外からの侵略者の影が忍び寄り、世界そのものの危機が迫っているという結構切迫しているような現状で、ザガン一党の最高幹部と言っていい面々が深刻な顔をしてザガンに進言するために集まってきた日には、ついに一党全体で動き出さざるを得ない重大事件が起こったのか! と、読んでるこっちも緊張に手に汗握ったのに。
ラーファエルにオリアスにアルシエラにキメリエス、そしてバルバロスまで揃って何の話かと思えば……フォルに彼氏の影が疑惑である。
知り合いに恋バナを聞いて回るフォルの様子に、まさかの男が、それとも恋愛についに興味を抱くような年頃に、という疑惑が生まれてしまったのだけれど。
全員、ガチで真剣なんですけどw
いや、親バカなザガンはわかるんですけど、シャスティルに突撃されて巻き添えくらったバルバロスはともかくとして、他の四人もザガンに負けず劣らず本気で深刻な様子で顔を突き合わせて話し合ってるわけで。いや、あんたら過保護すぎやしませんか!?
直前に、娘と孫娘が可愛すぎてちょっと精神的に耐えられないから家に帰ります、とか言い出してるネフィ母ちゃん、あんたそんなキャラでしたっけ。そうでしたっけ。そうでしたか、そうか。
……平和だなあ、としみじみ思ってしまった。
いや、彼らにとって世界の危機も家族の危機もまったく同列だと思えば、アザゼルやシアカーンたちの思惑について真剣に話し合うのも、フォルのおかしな行動に焦燥しながら喧々諤々論じ合うのもそりゃ同等で変わらないことなんですよね。だから、同じ調子で同じ意識で同じように話し合える、と。
それだけ、かれらにとって仲間や家族、身内のことが大切で大事、というのがこういう風に伝わってくるのは、それはそれでキュンキュンしてしまうんですよね。
大幹部会議の面々は年長者も多いので、思わぬ所でフォルの恋バナ探求の煽りで彼らのいろんな話も聞けたのだけれど……ラーファエルさん、黒花とはホントに血は繋がってないんですよね? だとすると、黒花は想い人だった女性の忘れ形見という事になるのか。実の娘同然に可愛がっていた、というけれどそれでは済まない思い入れだわなあ。そりゃ、黒花にまとわりついてくる虫には過剰反応してしまうわ。シャックスくん、超頑張れ。いや、超頑張ってるのは黒花の方なんですけどね。
あんまりにも察しが悪いものだから、最初の頃はまだ淡い想いを自覚するかしないかあたりで持て余しているような塩梅だったのに、シャックスの反応があまりにも鈍いわりに、そりゃもう丁寧に大切に大事に扱われるものだから、黒花の方に完全に火がついてしまっている状態で。
黒花の不運体質がこの際、ラッキースケベ的な効果を発していて、思わぬ強烈なアプローチになってしまっているのが面白い。さすがのシャックスですらも、気づかずにはいられない強烈さで、これ何気に一番進展しかけてるんじゃないだろうか。
そのシャックス、何気にザガンからの評価も滅茶苦茶高いんですよねえ。魔術師としての実力は、そりゃバルバロスやゴメリ、キメリエスなんかとは比べ物にならないくらい並なんですけど、それでもザガンが魔王継承候補に名前を上げるくらいなんだから、凄い評価してるのなあ。

とまあ、いつものように甘酸っぱいカップルたちのキャッキャウフフに蕩けていたら、思わぬところから「アザゼル」の正体に急接近することに。何気にアルシエラの恋バナのほうにも紐付けがしてあって、やはりアルシエラの存在そのものが鍵だったのか。
彼女の語る銀眼の王。それがザガンの父親でもあり、なんかリリスにも重要な関わりがありそうなんだけど……これって、話聞いてるとおりに受け止めると、アルシエラがリリスとザガンの……という可能性もあるのか、もしかして?
わりと当たり前の顔して、パパとかママとか出てくるお話だしなあ、これ。オリアスとか、オリアスとか。
ここで一気にアルシエラ退場か、と焦ったけれどリリスよく頑張った、偉い! いや実際、アルシエラの過去はまだまだ不明な点も多いし、ザガンたちとの本当の関係なんかも知れてないし、そこには絶対ゴメリおばあちゃんが悶死しそうな愛で力が眠っているはずなので、まだまだ掘り出せるはずなんですよね、退場は早い!
その頑張ったリリスの方にまで新たな彼氏候補が! また新たなカップル誕生ですか!? いや、まだリリスの方はピンとキてないようですけど、いきなり告白とお付き合いを求めだしたあたり、これだけ積極果敢な男性サイドはいなかっただけに、ニュースタイルのカップルになりそうで、ゴメリおばあちゃんこっちですよ!!

でも、この少年、アルシエラに初恋して彼女を探すうちに拗らせて歪んで魔王にまでなっちゃったわけですから、記憶をなくしたとは言え「彼女」を探すことへの執着は相当だったはず。そのアルシエラの面影を、リリスに見出したということはそれだけ重なる部分も多かったということですし。そう言えば、アルシエラが初登場した時、リリスと共通点が多いみたいな事も言ってたんですよね。名前もリリスって本当はリリシエラですし。
リリス、登場した時はそこまで重要キャラとは思わなかったんだけど、これはこれは……。

あと、もうひとりの初登場の魔王ナベリウス。だけど、これナベリウスだからナベにしたんじゃないでしょうね、もしかしてw


七つの魔剣が支配する VI ★★★★☆   



【七つの魔剣が支配する VI】 宇野 朴人/ミユキ ルリア  電撃文庫

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運命の魔剣を巡る魔法バトルファンタジー、待望の第6弾!

エンリコの失踪はキンバリーに衝撃をもたらした。二年連続の異常事態に教師陣も犯人捜しへと動き始め、ついには学校長自らの尋問が生徒へと及ぶことに。
不穏な情勢下で近付く統括選挙の時期。後継者を決めあぐねるゴッドフレイ陣営の前に、因縁の対抗勢力が立ち塞がる。
そんな中、人生を懸けて箒競技のタイム更新に挑むアシュベリーは、大きな壁にぶつかり苦しんでいた。彼女の助けになろうとするナナオだが、ふたりの華々しい活躍は選挙と無縁でいられず──。
一方でオリバーたちの前には、転校生の少年・ユーリィが現れる。軽いノリとは裏腹に高い戦闘能力を持ち、楽しげに校内を探って回る彼の目的とは──。


あの3巻でのオフィーリアとカルロスの美しい破滅を目の当たりにして以来、未だにどう整理していいのかわからない感情の行所が、またぞろこの巻を読んで胸の中に渦巻いている。
わからない。悲しいのか感動しているのか、当たり前の喜怒哀楽では表現しきれないどう捕らえて良いのかわからない複雑な想いが、激しく胸をかき乱す。
彼ら魔法使いたちの価値観は、この物語で描かれる登場人物たちの価値観は大きく一般的なものとは異なっている。それが常識として描かれることに、どうしても混乱が生じてしまう。置いてけぼりにされるのならそれはまったく違い世界の出来事として分けて捉える事ができるだろう。でも、この物語は凄まじい勢いで読んでいるコチラの気持ちを引きずり込んでいく。共感にも似た網でこちらを捕らえて、彼らが感じたであろう想いを共有しようとしてくる。読んでいるこちらの価値観では理解しきれないはずのものが、感覚的に同期されていく。だから、わけがわからなくなるのだ。この情動を表現する言葉がなくて、混乱する。でも、確かにそれを、感じている。それがどうにももどかしい。

彼ら魔法使いは、その在り方からして人外の存在だ。自らが見出した命題にそれこそ魂から殉じて捧げ尽くす理外の存在だ。しかし、同時に凄まじいほどの深い情を持つ者たちでもある。これは年齢の上下に関わらず、学年の上下も関係なく、教師たちもまた同様に、きっと普通よりももっともっと情によって形成されている存在なのだ。狂うほどに、愛に生きている。魔道の追求のためにすべてを捧げているようでいて、きっと彼らは愛のためにすべてを投げ売って在る存在なのだろう。今までずっと彼らの在り方を見てきて、そう思う。そう思うようになった。
だからこそ、道を踏み外す。だからこそ、憎悪に呑まれる。オリバー一党が復讐に狂奔することも、またその原因となったオリバーの母の死も、魔法使いたちのあの想像を絶するほど深い情愛こそが根底にあるじゃないか。
オリバーたち剣花団の関係を見てみるといい。あれが、ただの友情、ただの親愛で結ばれた関係だろうか。あのオリバーが自分の弱さを泣きじゃくるという幼い子供みたいな姿で曝け出してしまえるほど深く繋がった関係。それを見て取り乱すようにしてオリバーのもとに寄り添う面々。
あんな、深い深い情愛で重なり合った友情が、一対一ではなく6人のグループで結ばれ合う、いや溶け合うというほどになっているものを、自分は見たことがない。親友や一心同体どころじゃない。
でもきっと、彼ら剣花団ほどの関係はこの世界でも貴重ではあっても特別ではないのだろう。この作品で描かれた魔法使い同士の人間関係は、繋がりは、どれもが勝るとも劣らない深度の情で紡がれている。
元生徒会長のあのゴッドフレイへの敵対と執着ですらそうだ。いやあれは、勘弁して欲しいほどヤベえんだけれど、あの元生徒会長があの執着を剥き出しにさらけ出しながら、どちらの陣営も異常に思っていないあたり、あれですらも決して珍しくはない魔法使いの在り方なのかもしれない。

そんな彼ら魔法使いの、情を燃料として焚べるように駆け抜ける人生において、だからこそ「死」もまた無慈悲な悲劇、ではないのだろう。
魔法使いにとって、きっと死ぬことそのものは忌避するではないのだ。それは受け入れるべき結末の一つであり、それが自分の魔法使いとしての人生、在り方の完結としての死であるなら、寿ぐべき祝福ですらあるのだろう。哀しく寂しくとも、それは良き旅立ちなのだ。
だから当人たちにとって満ち足りた幕引きならば、見送る者たちはそれを黙して受け止める。それが連れ添う者の居る孤独ではない旅立ちなら尚更に。
死という完結は、完成は、だから神聖ですら在る。
なればこそ、その神聖を穢すことへの呪いは如何ばかりか。寿がれるべき死を、無残な形で台無しにし、そこにいたる魔法使いの人生そのものを踏みにじった事への憎悪はどれほどのものになるのだろう。
オリバー一党のあの妄執とも狂奔ともいうべき憎悪の所以が、少しわかった気がする。そして、オリバーを愛する従兄姉たちが、どうしてあれほどオリバーの苦しむ姿に魂を引き裂かれながらこの復讐を止めないのかも。
それがもう、オリバーにとっての魔法使いとしての命題となっているから。
それを輔けることこそが、従兄姉たちの魔法使いの人生となっているのだ。

でも、いつかオリバーはその歩むべき人生を引き裂かれるような気がする。情愛の深さこそが魔法使いの業ならば、剣花団の中での日々はオリバーの中に新たな命題を産み始めているのではなかろうか。それは、ナナオとはじめて剣で相対した日をはじまりにして。
それとも、この物語における魔法使いたちの価値観は、在り方は、オリバーの復讐と友情を、両立して果てさせる事が叶うだけのものを内包しているのだろうか。

ただ一途に魔法使いとしての生きて生きて、駆け抜けたアシュベリーの姿に、魔法使いの在り方の結晶を見た。その結末は、きっと満ち足りたもので幸福だったのだろう。きっとあれこそが、ナナオの思い描き目指すべき魔法使いの完結だ。
果たして、ナナオはあのように生きて、死ねるのか。
命を文字通り圧縮して、生き急ぐオリバーはそんなナナオに応える事が出来るのだろうか。二人は、剣花団の6人は、あのオフィーリアとカルロスのように、アシュベリーとモーガンのように、あの先輩たちのように存分に生きて、思い残すことなく共に逝ける相手を見出すことが出来るのだろうか。
アシュベリーとモーガンの最期の挿絵は、本当に幸せそうであのシーンの印象を決定づけてくれたように思う。
……ああもう、どんな最良の結末でも彼らが生きて幕引かれる姿が思い描けない。そして、それが哀しくともハッピーエンドなのだろうと感じてしまう時点で、この物語に随分と毒されてしまっている。
どうか彼らに幸せな良き結末を。ただただそう願うばかりだ。

シリーズ感想

ロクでなし魔術講師と禁忌教典 17 ★★★★☆   



【ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード) 17】 羊太郎/三嶋 くろね 富士見ファンタジア文庫

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公爵家イグナイトの裏切り。クーデター『炎の一刻半』

魔術祭典決勝を襲った最大級の悲劇と天の智慧研究会の最高指導者、大導師フェロード=ベリフの登場――歴史の大いなる転換点で、アルザーノ帝国女王府国軍大臣・アゼル=ル=イグナイトもついに動き出す――。

イグナイト卿、クズ野郎、クズ・オブ・クズだとは思ってたけど、そこまでやるか。そこまでやってたのか。「彼女」の言葉じゃないですけど、「ははは、笑えねえ。死ねよマジで」ですよ。
うん、いっそここまでクソ外道だと清々しいですわ。同情の余地が一切なく、理解の必要がまったくない。ただただ己の野心のみに固執してそれ以外の価値を認めないクソ野郎。自分の子供を道具としか考えていない、という毒親キャラは珍しくないですけど、ここまで完全に道具扱いした奴は見たことないですよ。
これでまだ、その野心に見合うだけの才覚の持ち主。自分こそが帝国を率いるに相応しい存在であるという自負に見合うだけの力の持ち主であったのなら、世界の敵、国家の敵として十分だったのでしょうけれど。
権力の握り方も力尽くで凄まじい恨みと憎しみを買いまくってるし、決して権力闘争に長けているという風でもなく、作戦立案能力も消耗戦前提の力押しで、戦闘も火力馬鹿。人の操り方だけ、呪詛を使って小賢しく無理矢理に従わせるのがうまい、というだけのまあ自己評価の高さとは裏腹の人物なんですよね。
イヴからは、冷静に小物と切って捨てられていますし。
でも、そんな無能な小物だからこそ、そんな輩に帝国が食い物にされ、過去からこのクーデターに至るまで無数の兵士たちが無為に死ぬ羽目になり、そして何よりイグナイトの娘たちが無為にその人生を潰されることになった。父親と違って、本物の天才だった三人共が踏みにじられ、苦しみのたうちまわり、その輝かしい道を歩むはずだった人生を泥に塗れさせられた。
怒りもある、憎しみもある、悔しさもある、でもその原因がこの父親だったという、この小物に過ぎない男であるという事実に、虚しさを感じるのである。あまりに、その死が、人生の歩みが徒労すぎて、こんな男に消費させられて、報われなさすぎる。

今回の一件は、イグナイト家を、そして帝国そのものを覆っていた一人の男の醜い野心の呪縛を、それに苦しまされ続けた末娘が、ついに打ち破る話でありました。
「炎の一刻半」と銘打たれた歴史的軍事作戦の指揮を取る、イヴ・ディストーレの慟哭と決別の三時間。
限定された時間内での怒涛の展開だっただけに、まさに凝縮された密度の濃い、そしてスピード感に乗りに乗ったまるまる一巻でした。これ、本番の前哨戦に過ぎないんですけどね。
ジャティスの謀略による天の智慧の首魁の正体の世界への露見からはじまる、世界の終わり。まさにその端緒であり、色んな意味で誰もが躓いたイグナイトの乱。ほんと、他者の足どころか人生そのものを無為に引っ張るという意味で最大級の余計モノでした、イグナイト卿。そのぶん、ちゃんと相応しい末路を辿ってくれて良かったですけれど。
……にしても、イヴにしてもアリエルにしても、目的を達するために進んだ道が迂遠すぎるのはイグナイトの血筋なんだろうか。イヴなんざ、それで一時は目的見失ってるし。
ともあれ、最大のネックでもあったセラの殉職の件も、イヴはむしろ積極的に動こうとしていたのにイグナイト卿に邪魔された結果だった、というのがグレンにも伝わって、二人の間のハードルほぼ取り除かれちゃったんじゃないだろうか。
かつて白猫が、何度も何度も精神的にフルボッコされ、愛情たっぷりの棍棒で滅多打ちにされ、そこから這い上がってきてヒロインとして一枚も二枚も格を上げて覿面に飛躍してきた事を思い返せば、イヴもまた登場時から大転落して、何度もボコボコにされ続けた末にここでトドメとばかりの猛襲を受けてのた打ち回って苦しみぬいての、過去と呪縛からの脱出であり打破の集大成だったんですよね。これまさにまさに遅れてやってきた最強のヒロイン、ワンチャンありですよ。

しかしこれ、イリヤとイヴ、同じリディア姉に救われた妹でありんがらこれだけ歩む道が変わってしまったの、理由は色々あるのだろうけれどグレンと出会っていたかというのは大きな要因だったんでしょうね。たった一人で復讐にひた走ったイリヤに、リディアに代わって真のイグナイトを目指したイヴの違いとも言えるのでしょうし、リディアの末路を知ったか知らなかったかの差でもあるのかもしれませんが。

さて、高笑いしながら次元の向こうに飛ばされていったジャティスですけど、こいつ絶対これで退場とかないよなあ。余裕ヅラの黒幕さんに、ばっ馬鹿な!と愕然顔で言わせてくれそうなの、グレンたちよりも圧倒的に煽り属性持ってるジャティスの方なので復活が楽しみですらある。



Landreaall 35 ★★★★☆   



【Landreaall 35】 おがきちか   ZERO-SUMコミックス

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騎士団の大哨戒中、転送門のトラブルが原因で遭難したDXたち。生還を目指してダンジョンを突き進む一行の前に、危険種(モンスター)が立ちはだかった! 何とか危機を脱するも、力を使い果たしたDXは倒れてしまい――!?


突然みんなゴリラになってゴリランドリオールがはじまった時には何が起こったんだー!? となりましたがなw
ライナスがニンジャの隠形術を使ったDXにおまえ何を目指してるんだ、と突っ込んでるけどホントDXって多芸すぎてどこに行こうとしているのか。ただこのタンジョン編で特に顕著になってきているのが、彼の生存能力なんですよね。咄嗟の判断力や行動力もさることながら、生存率を高めるためにこの脱出行を通じてパーティーメンバーがスキルアップするように上手いこと調整なんかもしてたりするんですよ。また、地道に各階層のスライムが溜め込んでいたスライム水を味見することで、フロアの安全を確認してたりもするし、万が一に備えて奥の手なんかも用意している周到さもある。
とかく、生き残るための能力のみならず、それを扱うための考え方がちょっと並の人間と違うんですよね。まあ彼の思考が一般的から外れているどころか、他に類を見ない独自のものなのはこの長いシリーズを通じてわかっていることでしたが。妹のイオンも結構似たような傾向だったりするので育ちによるものなんだろうか。二人の両親もそれぞれ独特の他に類を見ないタイプの傑物なんだけど、それでもDXとイオンとは種類が違うようにも見えるしなあ。でも親子らしく似た部分も多分にあるんですけどねえ。
さても、母親譲りの傭兵としての戦い方生存戦略考え方をベースに、幼い頃から学んでいたニンジャの術を駆使して生きてきたDXが、学園編になってから騎士としての在り方を学び同世代の様々なタイプの友人たちと行動することで、新しい価値観、新しいDX像を獲得してきたわけですけれど、このダンジョン編では久々にDXの本能というか根幹全開、でありつつ一番親しい友人たちとの冒険行という事もあって一人で全部解決するのではなく、仲間たちと協力して全力で、というパターンが見られてやっぱり楽しいですなあ、こういうのは。
にしても、DXが色んな意味でキレキレなのですが。
とはいえ、ティティが妹トリクシーとの共感を通じて外と連絡を取れて、メイアンティアたちが深層の情報をひっくり返してバックアップしてくれてるからこそ、生き残れているわけで、ティ・ティが居なかったらと思うとホントゾッとするよなあ。まあ、このメンバー誰が欠けてもやばかっただろうけど。で、おそらくDXは一人ならここでも生き残れる、と。
ティ・ティとフィルの一蓮托生は、良かったなあ。下町出身のガラの悪い従騎士候補と王位継承権もある貴族との、今更だけれどずっと続いている友情をもう一度おさらいするみたいな感じで。今更、命預け合うなんてどうってことないんですよね。ほんと、今更なんだ。

イオンちゃん、一旦救出した他のパーティーと脱出したと思ったら、今度はさらにちゃんと装備整えて六甲と五十四さんと一緒にもう一度潜るのかー! なんちゅうタフな娘さんだ。ニンジャ適正はもしかしたらDXよりもイオンの方が高そうではあるんだけど。
ってか、イオンの実力知らなくてただのお転婆な小娘だと思ってるの、もうライナスだけなのか。他はあらカタみんな知っちゃってるんですね。今回の一件を通じて、他の生徒たちにもだいぶ知れ渡っただろうし。そんな中でどうして未だにライナスだけ知らない人枠のままなんだろう。なにか理由があるんだろうか。いや、面白いからいいんだけど。


Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙 ★★★★☆   



【Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙】 古宮 九時/ chibi 電撃の新文芸

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「お前が欲しい。だから結婚を申しこんでいる」「…は?」
オスカーの呪いを解いたティナーシャは自国に戻り、魔法大国・トゥルダールの女王として即位した。別々の道を歩み始めた二人の決意とは―。そして、呪いの元凶たる『沈黙の魔女』がついに二人の前に現れる。明かされる呪いの真実、過去へ時を巻き戻す魔法球の存在。名もなき物語に無二の思いが刻まれる第五巻。
うははは、いいなあやっぱりイイ。オスカーはやっぱりグイグイと強引なくらいに押してこないとオスカーじゃないよ。そんなオスカーにぐいぐいと攻められて色んな顔を見せてくれティナーシャがいいんだよ。このカップルはやはりこの形が一番しっくり来る。
この歴史上では、お互いに王族として自分の国に対して責任を果たさないといけない立場である以上、決して結ばれない関係であった。からにはオスカーもずっと自重してティナーシャに対して一線を画した接し方をしていたのだけれど……。
そうかー、女王に即位する上でまさかあんな形で自身の王としての立場に決着をつけるとは。ずっと知らされてなかったオスカーからしたら、こいつめー、てなもんだろうけど、そりゃ国の機密なら喋れんわねえ。
ティナーシャとしては後の反応からしても、この件に関してはオスカーと絡めてはなんにも考えてなかったっぽいんですよね。あくまで、女王としてトゥルダールの国の未来のために。
数百年の眠りを経て目覚めた過去の人間である自分が、今更という事もあったのでしょうし。また過去の人間であるからこそやれることもあり、自分の残した国にケリをつけるという意味でもあったのでしょうか。
いずれにしても大胆な行為である。この場合、ティナーシャよりもレジス王子を中心としたトゥルダールの次世代グループこそが大胆不敵、とも言えるのでしょうけれど。現王はティナーシャの魔女殺しの女王としての力を持って、トゥルダールをさらに発展させ強国とさせるつもりで彼女を女王へと祭り上げようとしたのでしょうけれど、レジスはそれを先のない発展だとしてむしろティナーシャの圧倒的な力を借りることでトゥルダールという国の在り方そのものを変革し、未来への足がかりにしようという腹づもりで。よほどティナーシャとよく話し合ったとしてもそれほどまだ月日経っていないのだから、元々レジス王子にもティナーシャが復活する以前から国のあり方について思う所があったのかもしれませんが、それにしてもこの人も有能というか……傑物だよなあ。
そんで、ティナーシャに惹かれているにも関わらず、ティナーシャの思いを邪魔する事なくオスカーと結ばれることを応援してくれてるなんて、出来すぎの人物じゃないですか。
この王子が居たからこそティナーシャもこれだけ大胆な改革に踏み切れたとも言えるので、オスカーにとっても恩人ですよ、恩人。

というわけで、前の歴史では顔を合わせるたびに結婚しようぜ、と挨拶代わりにプロポーズしていたオスカーの、まるで王子様がするような力強い本気の求婚でありました。窓から颯爽と現れて熱烈にプロポーズして去っていくとか、どこの王子様だよ。すでに王様なんだぜ、こいつ。しかもわりとゴリラのくせにw

それよりもティナーシャの反応ですよ。なにこのかわいい生き物。図らずも自分たちのあいだにあった絶対的なハードルが自分の行いで取り除かれ、それまでそっけない態度だった愛しい人が突然態度を翻していきなりどんどん積極的に迫ってきた挙げ句にプロポーズである。
ティナーシャさん、とろっとろなんですけど。思い出し笑いしてくねくねしてるとか、どんだけ嬉しかったんですかー。もう反応がスレてた魔女の頃と違って、ほんとに年相応なんですよね。年相応よりも若いんじゃないだろうか。一応肉体年齢二十歳だというので大人は大人のはずなんですけど、見事に十代半ばの少女のような初々しい姿である。恋する乙女そのものである。好きな王子様に求婚された夢見るお姫様そのものである。
幸せオーラが出過ぎてて、その絶世の美貌が緩みきって可愛い系に変貌してしまってるし。
なんかもう女の子しすぎてて、こういうティナーシャは新鮮だなあ。昔の数百年の眠りにつくまえ、前の歴史のオスカーに守られていた時期の幼いティナーシャに戻ったかのようで、思わずキュンキュンしてしまいます。
しかし魔女であったティナーシャと、ちゃんと同一人物として描かれながらこれだけ在り方を違うように描きわけられるというのも改めて凄いなあ、と。

で、正式に婚約者となったのを免罪符にして、トゥルダールに戻ったはずなのにしょっちゅうひょいひょいとオスカーの元に現れるティナーシャさん。転移が使えるからほんと気軽なのはわかるんだけれど、気軽すぎてこれなんか、隣の家同士の幼馴染が窓越しに勝手に部屋に出入りするかのような我が家感覚である。隣家どころか国隔ててるはずなのにねー。ティナーシャだけでなく、オスカーもわりと簡単にティナーシャの所まで来ちゃう事も珍しくないので、距離の概念あんまり皆無。そして何の抵抗もなく、とりあえず自分の膝の上にティナーシャを座らせるオスカーに、何の気兼ねなく当たり前にオスカーの膝の上に座っちゃう女王さま。距離感!距離感の概念!

とはいえ万事順調に二人が結ばれてハッピーエンド、という流れにはなかなかならないんですよね。
そもそも、今の歴史がとてつもない改竄の上に成り立っている事を忘れてはならない、とばかりに歴史を遡行する魔法球の詳細を知り、それを狙う存在がついに表へと浮上してくる。しかし、まだその目的は不明なんですけどね。
そして、オスカーに沈黙の魔女がかけた呪い。その原因にこの歴史の改竄という問題が大いに関わっていることが明らかになる、先の歴史からなぜオスカーに呪いがかけられたのか、の真実が明らかになるんですね。
また、徐々に垣間見えてくる、この世界の法則から外れた存在。世界外という概念。段々と重要なキーワードが出揃ってきた、という感じ。
それに合わせて、というわけじゃないだろうけれど、ここにきてティナーシャがどんどんパワーアップしてるんですよね。幾つかの事件で規格外の魔力を取り込むことになって、かつての青き月の魔女としての経験値こそないのだろうけれど、魔力だけならもう魔女時代と同レベルになってるんじゃないでしょうか。
でも相変わらず、何かあると血塗れになってるティナーシャ。ほんと血塗れ頻度高すぎませんかね!? ちょっと目を離すと血塗れですよ、傷だらけですよ。オスカーがほっとけ無いとなるのわかりますよ。子供か!というような下手な言い訳で誤魔化そうとしますし、子供か!というような都合の悪いことは叱られるから黙っとこうというあとで余計に叱られる雑な誤魔化し方しますし。
子供か!!

子供と言えば、今回の事件はちょっと結末がキツかったですね。手遅れだった子供たちは仕方ないにしても、最後の二人は手の届く範囲だったわけですし。しかし、過去に戻れるという可能性が目の前にあるなら、こんな簡単に頼ってしまうのか、ティナーシャですら。いや、わりとメンタル強くないと評判の女王様だからなのかもしれませんが。
あと、赤ん坊事件が完全にホラーなんですけど。ちゃんと他に預けて世話させてても、ふと気がつけばポツンとそばに置かれていて、泣いている赤ん坊とか普通に怖いですから。

今回ちょっと残念だったのが、ようやく本格登場となったトラヴィスとオーレリアのカップルの、特にオーレリアのイラストが無かったんですよね。そのぶん、オスカーとティナーシャの二人がたくさん描かれていたのでそれはそれで満足だったのですが、やっぱりオーレリアはどんなデザインなのか見てみたかった。この二人って別枠で主人公担えるほど完成度高いカップルだと思うんですよね。特に女性として人として孤独で弱く脆く、しかしそれ以上に強靭でタフでひたむきで一途なオーレリア。そんな彼女に惹かれ、人として愛するようになるトラヴィスというこのカップル。トラヴィスの方が庇護者で確かに彼の存在を拠り所にしているはずなのに、なんだかんだとオーレリアの方がトラヴィスの事を尻にしいてたり、トラヴィスのご乱行をオーレリアが代わりに謝ってまわったり、とどちらが保護者かわからんようなところもある普段の関係もイイんですし、それ以上にお互いが唯一無二という関係がほんとに好きでねえ。もしかしたらオスカーとティナーシャのカップル並に好きかもしれないカップルがこのオーレリアとトラヴィスの二人なので、またぞろ出番あるといいなあ。挿絵付きで。

さても第二部も半ばをこえて、いよいよ次がクライマックス。はたして今度こそ、或いはもう一度ハッピーエンドを迎えることが叶うのか。襟を正して結末を待て。

シリーズ感想

サンタクロースを殺した。そして、キスをした。 ★★★★☆   



【サンタクロースを殺した。そして、キスをした。】 犬君 雀/つくぐ ガガガ文庫

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クリスマスを消すため僕は少女の恋人になる。

聖夜を間近に控え、街も浮き立つ12月初旬。
先輩にフラれた僕は、美しく輝く駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。
クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに……。
そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。

「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」

彼女の持つノートは、『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。
ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。だから――

「私と、疑似的な恋人になってください」

第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作品。
これは、僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。


寂しいってなんだ? 人恋しいってなんだ?
心を絞め殺されるように、この物語の登場人物は、主人公や女子高生は寂しさや人恋しさに打ち震えている。水に沈められて、息ができず、溺れかかるように自分以外の誰かとの繋がりを求めている。
そんなに必死に、それがなければ死んでしまいそうなほどのたうち回って、心掻きむしる感情だったのか。寂しいってことは。人恋しいって思いは。
知らなかった。それが寂しいという事だというのなら、それが人恋しいという事なのだとしたら、自分はそれらを多分、本当は知らないまま生きてきた。
だからきっと、自分は彼らにはどうしたって共感を抱けないだろう。かと言って彼らが遠くに望んでいる幸せいっぱいな人たち、という存在もまた自分にとっても遠い存在だ。
どうにも、この世界において幸福と不幸は概ね人と人との関係の間に成立しているもののようだ。他者との関係の中に完結している。人と関わることが嫌いだろうと煩わしかろうと上手く出来なかろうと、しかし前提として当たり前としてまず人と関わり触れ合う事が人の在りようとして成立している世界だ。
概して他人に対する関心が薄いように思える自分のようなタイプの人間は、この世界の中には存在していない、或いは成立していない。ここにあるのは、価値観の断絶した自分にとって向こう側の世界だ。
でもそんな断絶した隔てられた向こう側に居ても、伝わってくるものがある。感じ入るものがある。それだけ訴えてくる強さ、いや必死さのある物語だ、これは。共感できなくても、美しいと……食い入るように見つめてしまうものがある作品だ。
小説というツールは凄い、とふと感激すらしてしまった。作者は、小説という形を持って、本来なら届かない伝えられないだろうほどに理解も価値観も隔てられた向こう側に、コチラ側に確かにわからないはずのナニカを、その片鱗だけかもしれないけれどあるがままそのままに、届かせてきた。
受け取ってしまった。

好きか嫌いかでいうと、多分自分はこの作品をあまり好きとは言えないのだろう。正直、好みじゃあない。
だが、今自分はかつてない程衝動にかられている。受け取ったものを、吐き出して刻んでおかないと、という切迫感に。
こうなると好き嫌いじゃないのだ。共感もできず理解も遠い、だからこそこの作品はきっと自分の中には何も残らず忘れて落ちて消えていく。
だからこそ、今のうちにこの感じた、届いた、なにかがあったという事実だけでも書き残しておかないと。

彼らは、主人公である大学生の青年やヒロインである女子高生の少女は、うまくいきることの出来ない人間だ。生きることそのものが下手くそだ、と言っていいかもしれない。泳げないくせに、水の中で生きていて、いつだって溺れていて、いつか力尽きて水面に顔を上げて息も吸えなくなって沈んでいくのを待っているかのような人間だ。
溺れる者は藁をも掴む、という言葉のように彼らは掴める藁たる誰かを求め続けている。人とうまく接することが出来ず、人と人との繋がりの中で自分を確立できず、いつだって辛い思いをしているのに、そうやって誰かを求めている。そうしないと、寂しくて生きていけないのだ。
掴んでいた藁である「先輩」から別れを告げられ、溺れて半分死んでいた状態から辛うじて死んでいない状態に戻れていた彼は、少女に出会った。
出会うべくして出会ったのか、それとも本当に奇跡の賜物だったのか。いずれにしても、それは運命でもあったのだろう。
上手く生きることの出来ない二人。でも、それはそれだけ真面目に「生きる」事に向き合っているからなんじゃないだろうか。適当に生きてたら、漠然と生きていたら、果たしてこんなに苦しいと思うだろうか。悲しく感じるだろうか。必死だからこそ、一生懸命だからこそ、本気だからこそ、それが上手く出来ないことに失望してしまう、絶望してしまう、ぽっかりと穴があいてしまうんじゃないだろうか。そうやって真面目に向き合ってしまうこともまた、生きることそのものが下手くそだという一要素なのかもしれない。
寂しい、苦しい、哀しい。惨めで歯がゆく、幸せが憎く、自分たちを苛む生き辛さを内側に押し込むことが出来ない。それを主人公と少女は二人で共有し、寄り添う事で耐え忍ぼうとしている。
一緒に寂しくなりましょう。そう言って、お互いにボロボロに欠けた部分を嵌めあわせて溺れないように繕おうとする。
不幸と不幸をかけ合わせて重ね合わせて、彼らは幸せになれたんだろうか。かつてあった幸せを、取り戻せたんだろうか。それは、凍えて遠ざかる意識の端でマッチの火に照らし出された幻だったのだろうか。
寂しいまま寂しくなくなる。悲しいまま笑うことが出来る。何もかもがどうしようもなく不幸なまま、幸福になる。相矛盾するそれらは、確かに彼らの間に在った、気がする。
そんな風に、描けるんだ。

これだけゆらゆらと不安定に揺れる精神のもとで、心の中身を剥き出しにしたように情動を吐き出して、描かれる物語なのに不思議とこの作品は理性的だ。視点は読者を置き去りにせず、むしろ苦しみもがく彼らを突き放したように淡々とそのもがきようを描写していく。感情のままに語られれ吐き出される言葉は、支離滅裂のようでどこか整理されていて平易にその奥底にある心情を伝えてきてくれる。
吐き出すがままに描かれた物語は本来もっと主観的で、勢いや感情の強さ激しさ痛切さで押し切ろうとするものが多い。しかし、本作はそういうものを本質的に忌避したのだろう。だからこそ、共感のない自分のようなものにまで届き得たのだ。小説として、この作品は整え切られている。読まれるものとして、見事なまでに理路整然と描かれている。このセンシティブで脆く儚い作品は、物語としての美しさ以上に、小説という枠組みとして美しい。

 
1月26日
【Dジェネシス ダンジョンが出来て3年 03】
之 貫紀
(エンターブレイン)

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【影の英雄の日常譚 3 勇者の裏で暗躍していた最強のエージェント。組織が解体されたので、正体隠して人並みの日常を謳歌する。】
坂石 遊
(エンターブレイン)

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【Fate/Grand Order ‐Epic of Remnant‐ 亜種特異点I 悪性隔絶魔境 新宿 新宿幻霊事件 2】
佐々木少年
(角川コミックス・エース)

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【衛宮さんちの今日のごはん 6】
TAa/只野まこと
(角川コミックス・エース)

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【衛宮さんちの今日のごはん 6 レシピ本付特装版】
TAa/只野まこと
(角川コミックス・エース)

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【影の英雄の日常譚 1 勇者の裏で暗躍していた最強のエージェント。組織が解体されたので、正体隠して人並みの日常を謳歌する。】
kanco/坂石遊作
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダムMSV‐Rジョニー・ライデンの帰還 21】
Ark Performance
(角川コミックス・エース)

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【異邦人、ダンジョンに潜る。2】
麻美ヒナギ/クレタ
(角川コミックス・エース)

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【元・世界1位のサブキャラ育成日記 ~廃プレイヤー、異世界を攻略中!~ 3】
前田理想/沢村治太郎
(角川コミックス・エース)

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【女神寮の寮母くん。6】
日野行望
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー 9】
たいち庸/千葉智宏
(角川コミックス・エース)

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【はじめてのギャル 12】
植野メグル
(角川コミックス・エース)

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【プランダラ 17】
水無月 すう
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダム ジオン軍事技術の系譜 ジオン軍の遺産 U.C.0079‐0096】
岡嶋 裕史
(角川コミックス・エース)

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【機動戦士ガンダム ジオン軍事技術の系譜 ジオン軍の失敗 U.C.0079】
岡嶋 裕史
(角川コミックス・エース)

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【イン・ザ・ダスト】
長沢 樹
(ハヤカワ文庫JA)

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【アクティベイター】
冲方 丁
(集英社)

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1月25日
【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…6】
ひだかなみ/山口悟
(ZERO-SUMコミックス)

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【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 絶体絶命!破滅寸前編 2】
nishi/山口悟
(ZERO-SUMコミックス)

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【TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す 3 〜ヘンダーソン氏の福音を〜】
Schuld
(オーバーラップ文庫)

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【灰と幻想のグリムガル level.17 いつか戦いの日にさらばと告げよう】
十文字 青
(オーバーラップ文庫)

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【異世界迷宮の最深部を目指そう 15】
割内タリサ
(オーバーラップ文庫)

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【ひとりぼっちの異世界攻略 life.6 御土産屋孤児院支店の王都奪還】
五示正司
(オーバーラップ文庫)

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【星詠みの魔法使い 1. 魔導書作家になれますか?】
六海刻羽
(オーバーラップ文庫)

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【Re:RE リ:アールイー 1 転生者を殺す者】
中島リュウ
(オーバーラップ文庫)

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【今日から彼女ですけど、なにか? 1. 一緒にいるのは義務なんです。】
満屋ランド
(オーバーラップ文庫)

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【ワールド・ティーチャー 異世界式教育エージェント 14】
ネコ光一
(オーバーラップ文庫)

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【友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 4】
世界一
(オーバーラップ文庫)

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【聖剣学院の魔剣使い 6】
志瑞祐
(MF文庫J)

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【義妹生活】
三河ごーすと
(MF文庫J)

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【裏社会最強の男、終末異世界を愉しむ。終幕に捧ぐ反逆転劇〈リベリオン〉】
水城 水城
(MF文庫J)

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【お嫁さんにしたいコンテスト1位の後輩に弱みを握られた】
岩波零
(MF文庫J)

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【神は遊戯(ゲーム)に飢えている。 1 〜神々に挑む少年の究極頭脳戦〜】
細音 啓
(MF文庫J)

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【きゅうそ、ねこに恋をする】
三月みどり
(MF文庫J)

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【可愛ければ変態でも好きになってくれますか? 12】
花間燈
(MF文庫J)

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【カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ 2】
丈月城
(ダッシュエックス文庫)

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【雷帝の軌跡 〜俺だけ使える【雷魔術】で異世界最強に!〜 1】
平成オワリ
(MFブックス)

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【呪いの魔剣で高負荷トレーニング!? 〜知られちゃいけない仮面の冒険者〜 2】
こげ丸
(MFブックス)

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【引きこもり賢者、一念発起のスローライフ 聖竜の力でらくらく魔境開拓!2】
みなかみしょう
(MFブックス)

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【ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた 10】
桂 かすが
(MFブックス)

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【佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件 ~魔法少女がアップを始めたようです~】
ぶんころり
(MF文庫J単行本)

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【レイの世界 ―Re:I― 1 Another World Tour】
時雨沢 恵一
(IIV)

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【鬼の御伽】
板倉 俊之
(IIV)

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【普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。9】
小杉光太郎
(4コマKINGSぱれっとコミックス)

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【白の魔法の売り子さん〜異世界の女の子と仲良くなる方法〜 1】
伊織 ハル
(4コマKINGSぱれっとコミックス)

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【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-妄言録-18】
渡航/佳月玲茅
(ビッグガンガンコミックス)

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【異世界迷宮の最深部を目指そう 3】
左藤圭右/割内タリサ
(ガルドコミックス)

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【俺の死亡フラグが留まるところを知らない 2】
乙須ミツヤ/泉
(マンガボックス)

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【月刊ビッグガンガン 2021年Vol.02】

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【月刊アクション 2021年3月号】

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【アフタヌーン 2021年3月号】

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1月23日
【槍使いと、黒猫。13】
健康
(HJ NOVELS)

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【VRMMOはウサギマフラーとともに。4】
冬原パトラ
(HJ NOVELS)

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1月22日
【咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 7】
小林立/五十嵐あぐり
(ガンガンコミックス)

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【ご主人様のしかばね 3】
藤近小梅
(ガンガンコミックスJOKER)

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【最近雇ったメイドが怪しい 3】
昆布わかめ
(ガンガンコミックスJOKER)

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【ラグナクリムゾン 8】
小林大樹
(ガンガンコミックスJOKER)

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【咲-Saki- re:KING’S TILE DRAW 1】
小林立/極楽院櫻子
(ガンガンコミックスONLINE)

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【咲-Saki- 21】
小林立
(ヤングガンガンコミックス)

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【染谷まこの雀荘メシ 1】
小林立/めきめき
(ヤングガンガンコミックス)

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【怜-Toki- 7】
小林立/めきめき
(ビッグガンガンコミックス)

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【シノハユ the dawn of age 13】
小林立/五十嵐あぐり
(ビッグガンガンコミックス)

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【月刊ガンガンJOKER 2021年2月号】

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【まんが4コマぱれっと 2021年3月号】

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【人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 3】
川上真樹/富士伸太
(MFC)

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【八男って、それはないでしょう! 9】
楠本弘樹/Y.A
(MFC)

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【便利屋斎藤さん、異世界に行く 4】
一智和智
(MFC)

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【無職転生 ~ロキシーだって本気です~ 7】
石見翔子/理不尽な孫の手
(MFC)

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【D・N・ANGEL New Edition I】
杉崎ゆきる
(あすかコミックスDX)

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【D・N・ANGEL New Edition II】
杉崎ゆきる
(あすかコミックスDX)

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【彼女は僕の「顔」を知らない。】
古宮 九時
(メディアワークス文庫)

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【オルコスの慈雨 天使と死神の魔法香】
染井 由乃
(メディアワークス文庫)

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【おとなりの晴明さん 第八集〜陰陽師は金の烏と遊ぶ〜】
仲町六絵
(メディアワークス文庫)

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【声が出なくなったので、会社を辞めて二人暮らし始めました。】
神戸遥真
(メディアワークス文庫)

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【転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う】
三川 みり
(角川文庫)

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【作ってあげたい小江戸ごはん 3.ほくほく里芋ごはんと父の見合い】
高橋 由太
(角川文庫)

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【茶寮かみくらの偽花嫁】
あさば みゆき
(角川文庫)

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1月21日
【数字で救う! 弱小国家 3 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。】
えかきびと/紅緒
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【夜縛◆夜明曲 7】
RAN
(MFコミックス アライブシリーズ)

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【対ありでした。〜お嬢さまは格闘ゲームなんてしない〜 2】
江島絵理
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【無職転生~異世界行ったら本気だす~ 14】
フジカワユカ/理不尽な孫の手
(MFコミックス フラッパーシリーズ)

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【ブルーピリオド 9】
山口つばさ
(アフタヌーンKC)

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【大砲とスタンプ 9】
速水螺旋人
(モーニングKC)

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【天地創造デザイン部 6】
蛇蔵/鈴木ツタ/たら子
(モーニングKC)

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【ボールパークでつかまえて! 1】
須賀 達郎
(モーニングKC)

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【エゴに捧げるトリック】
矢庭 優日
(ハヤカワ文庫JA)

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【追い出された万能職に新しい人生が始まりました 4】
東堂大稀
(アルファポリス)

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【装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます 7】
tera
(アルファポリス)

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【異世界に飛ばされたおっさんは何処へ行く? 10】
シ・ガレット
(アルファポリス)

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【勘違いの工房主 6〜英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話〜】
時野洋輔
(アルファポリス)

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【大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ 5】
さとう
(アルファポリス)

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【神スキル『アイテム使用』で異世界を自由に過ごします 3】
雪月花
(アルファポリス)

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1月20日
【魔王2099 1. 電子荒廃都市・新宿】
紫 大悟
(富士見ファンタジア文庫)

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【魔女と始める神への逆襲 道化の魔女と裏切られた少年】
水原 みずき
(富士見ファンタジア文庫)

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【母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ せめて息子のラブコメにまざらないでください】
夏色 青空
(富士見ファンタジア文庫)

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【転生王女と天才令嬢の魔法革命 3】
鴉 ぴえろ
(富士見ファンタジア文庫)

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【シェアハウスで再会した元カノが迫ってくる】
くろい
(富士見ファンタジア文庫)

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【織田信奈の学園】
春日 みかげ
(富士見ファンタジア文庫)

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【魔術士オーフェンはぐれ旅 ハーティアズ・チョイス】
秋田禎信
(TOブックス)

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【白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます IV】
やしろ
(TOブックス)

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【ガリ勉地味萌え令嬢は、腹黒王子などお呼びでない】
鶏冠勇真
(TOブックス)

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【氷の侯爵様に甘やかされたいっ!〜シリアス展開しかない幼女に転生してしまった私の奮闘記〜】
もちだもちこ
(TOブックス)

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【成り行きで婚約を申し込んだ弱気貧乏令嬢ですが、何故か次期公爵様に溺愛されて囚われています】
琴子
(TOブックス)

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【異世界からの企業進出!? 3 ~元社畜が異世界転職して成り上がる! 勇者が攻略できない迷宮を作り上げろ~】
七士七海/鵜山はじめ
(ヤンマガKCスペシャル)

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【少年マガジンR 2021年2月号】

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1月19日
【ウマ娘 シンデレラグレイ 1】
久住太陽/杉浦理史
(ヤングジャンプコミックス)

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【アサシンズプライド 7】
天城ケイ/ニノモトニノ
(ヤングジャンプコミックス)

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【ふたりぼっちのオタサーの姫 1】
クール教信者
(ヤングジャンプコミックス)

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【メイド・イン・ひっこみゅ~ず 6】
サンカクヘッド
(ヤングジャンプコミックス)

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【メイド・イン・ひっこみゅ~ず 7】
サンカクヘッド
(ヤングジャンプコミックス)

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【もののがたり 12】
オニグンソウ
(ヤングジャンプコミックス)

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【電波的な彼女 1】
片山憲太郎/平岡滉史
(ヤングジャンプコミックス)

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【電波的な彼女 2】
片山憲太郎/平岡滉史
(ヤングジャンプコミックス)

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【EX-ARM Another Code エクスアーム アナザーコード 2】
久麻當郎/古味慎也
(ヤングジャンプコミックス)

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【漆黒のジギィ 3】
やまむらはじめ
(サンデーGXコミックス)

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【ダンベル何キロ持てる? 11】
MAAM/サンドロビッチ・ヤバ子
(裏少年サンデーコミックス)

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【月刊サンデーGX 2021年2月号】

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【月刊ヤングキングアワーズGH 2021年3月号】

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【まんがタイムきららMAX 2021年2月号】

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【ウルトラジャンプ 2021年2月号】

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【育ちざかりの教え子がやけにエモい 3】
鈴木大輔
(ガガガ文庫)

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【董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ 3】
伊崎 喬助
(ガガガ文庫)

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【双血の墓碑銘 3】
昏式 龍也
(ガガガ文庫)

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【剣と魔法の税金対策】
SOW
(ガガガ文庫)

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【弱キャラ友崎くん Lv.9】
屋久ユウキ
(ガガガ文庫)

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【僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場 2】
赤城大空
(ガガガ文庫)

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1月18日
【BE BLUES!~青になれ~ 42】
田中モトユキ
(少年サンデーコミックス)

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【よふかしのうた 6】
コトヤマ
(少年サンデーコミックス)

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【MAO 7】
高橋留美子
(少年サンデーコミックス)

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【絶対可憐チルドレン 60】
椎名高志
(少年サンデーコミックス)

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【双亡亭壊すべし 20】
藤田和日郎
(少年サンデーコミックス)

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【天野めぐみはスキだらけ! 23】
ねこぐち
(少年サンデーコミックス)

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【switch 11】
波切敦
(少年サンデーコミックス)

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【ポンコツちゃん検証中 7】
福地翼
(少年サンデーコミックス)

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【麗の世界で有栖川 4】
安西信行
(少年サンデーコミックス)

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1月16日
【クラス最安値で売られた俺は、実は最強パラメーター】
RYOMA
(電撃の新文芸)

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【悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。2】
翅田大介
(電撃の新文芸)

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【東方Project二次創作シリーズ 妖世刃弔華 わか思ふ地は ありやなしやと】
草薙 刃/東方Project
(電撃の新文芸)

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【ばいばい、アース 1】
冲方丁/麻日隆
(YKコミックス)

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【ばいばい、アース 2】
冲方丁/麻日隆
(YKコミックス)

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【少年マガジンエッジ 2021年2月号】

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1月15日
【それでも歩は寄せてくる 6】
山本崇一朗
(KCデラックス)

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【左手のための二重奏 3】
松岡健太
(マガジンエッジKC)

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【カノジョも彼女 4】
ヒロユキ
(講談社コミックス)

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【カッコウの許嫁 5】
吉河美希
(講談社コミックス)

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【ネクロマンス 5】
堂本裕貴
(講談社コミックス)

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【獣の六番 2】
永椎 晃平
(講談社コミックス)

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【なれの果ての僕ら 5】
内海八重
(講談社コミックス)

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【魔女に捧げるトリック 2】
渡辺静
(講談社コミックス)

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 【俺の死亡フラグが留まるところを知らない 1】
乙須ミツヤ/泉
(このマンガがすごい!comics)

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【ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド エイジ オブ スカーレット オーダー 6】
環望
(コロナ・コミックス)

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【星斬りの剣士】
アルト
(アース・スターノベル)

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【姉に言われるがままに特訓をしていたら、とんでもない強さになっていた弟 〜やがて最強の姉を超える〜】
吉田 杏
(アース・スターノベル)

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【わがまま王女に仕えた万能執事、隣の帝国で最強の軍人に成り上がり無双する】
すかいふぁーむ
(アース・スターノベル)

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【花街の用心棒 二 雪が宮廷の闇を照らす】
深海 亮
(富士見L文庫)

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【江戸の花魁と入れ替わったので、花街の頂点を目指してみる】
七沢 ゆきの
(富士見L文庫)

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【氷室教授のあやかし講義は月夜にて】
古河 樹
(富士見L文庫)

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【附子の弁舌】
沼矛 トモ
(富士見L文庫)

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【瑠璃宮の花守り人 一輪末々を知る】
伊藤 たつき
(富士見L文庫)

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【女神「異世界転生何になりたいですか」 俺「勇者の肋骨で」】
安泰
(宝島社)

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【吾輩は歌って踊れる猫である】
芹沢 政信
(講談社タイガ)

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【あくまでも探偵は】
如月 新一
(講談社タイガ)

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1月14日
【転生魔王の大誤算 2 〜有能魔王軍の世界征服最短ルート】
あわむら赤光
(GA文庫)

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【忘れえぬ魔女の物語】
宇佐楢春
(GA文庫)

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【貴サークルは"救世主"に配置されました】
小田一文
(GA文庫)

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【カンスト村のご隠居デーモンさん 〜辺境の大鍛冶師〜】
西山暁之亮
(GA文庫)

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【俺とコイツの推しがサイコーにカワイイ】
りんごかげき
(GA文庫)

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【ひきこまり吸血姫の悶々 4】
小林湖底
(GA文庫)

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【たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語 11】
サトウとシオ
(GA文庫)

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【スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 15】
森田季節
(GAノベル)

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【変な竜と元勇者パーティー雑用係、新大陸でのんびりスローライフ】
えぞぎんぎつね
(GAノベル)

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【異世界賢者の転生無双 7〜ゲームの知識で異世界最強〜】
進行諸島
(GAノベル)

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【ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。6】
えぞぎんぎつね
(GAノベル)

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【未来職安】
柞刈湯葉
(双葉文庫)

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【後宮の花は偽りに惑う】
天城智尋
(双葉文庫)

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【あやかしよろず相談承ります】
伽古屋圭市
(双葉文庫)

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1月13日
【ログ・ホライズン 外伝 新たなる冒険の大地】
池梟 リョーマ/木村 航
(エンターブレイン)

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【メイドさんは食べるだけ 2】
前屋進
(イブニングKC)

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【未熟なふたりでございますが 8】
カワハラ恋
(モーニング KC)

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【パリピ孔明 4】
四葉夕卜/小川亮
(ヤンマガKCスペシャル)

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1月12日
【カワセミさんの釣りごはん 3】
匡乃下キヨマサ
(アクションコミックス)

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【弧を描く 3】
木下 聡志/岩井 良樹
(アクションコミックス)

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【乙女戦争外伝供_个魴僂絢圓燭繊幣紂法
大西巷一
(アクションコミックス)

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【おとなの防具屋さん 3】
斐宮ふみ
(アース・スター コミックス)

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【俺んちに来た女騎士と田舎暮らしすることになった件 6】
秋乃かかし/裂田
(アース・スター コミックス)

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【きららファンタジアイラストレーションズ 2】
きららファンタジア製作委員会
(まんがタイムKRコミックス)

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【スローループ 4】
うちのまいこ
(まんがタイムKR フォワードコミックス)

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【月刊少年ガンガン 2021年2月号】

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【まんがタイムきららフォワード 2021年 02 月号】

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【ゲッサン 2021年2月号】

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1月10日
【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 1】
川上稔
(電撃文庫BORN DIGITAL)

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【川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り 2】
川上稔
(電撃文庫BORN DIGITAL)

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【新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち】
佐島 勤
(電撃文庫)

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【娘じゃなくて私(ママ)が好きなの!? 4】
望 公太
(電撃文庫)

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【神角技巧と11人の破壊者(上) 破壊の章】
鎌池和馬
(電撃文庫)

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【わたし以外とのラブコメは許さないんだからね 2】
羽場楽人
(電撃文庫)

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【ダークエルフの森となれ 2―現代転生戦争―】
水瀬葉月
(電撃文庫)

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【つるぎのかなた 4】
渋谷瑞也
(電撃文庫)

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【Re:スタート!転生新選組 3】
春日みかげ
(電撃文庫)

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【絶対にデレてはいけないツンデレ】
神田夏生
(電撃文庫)

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【先輩、わたしと勝負しましょう。ときめいたら負けです! イヤし系幼女後輩VS武人系先輩】
西塔 鼎
(電撃文庫)

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【来タル最強ノ復讐者 〜救いなき監獄都市で絶望を容赦なく破壊する〜】
哀歌
(電撃文庫)

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【男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?】
七菜なな
(電撃文庫)

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【犯罪迷宮アンヘルの難題騎士】
川石折夫
(電撃文庫)

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【役立たずと言われたので、わたしの家は独立します! 〜伝説の竜を目覚めさせたら、なぜか最強の国になっていました〜】
遠野 九重
(カドカワBOOKS)

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【捨てられ白魔法使いの紅茶生活 2】
瀬尾 優梨
(カドカワBOOKS)

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【スライム召喚無双 2 〜ゲーム技術は異世界でも最強なようです〜】
可換 環
(カドカワBOOKS)

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【百花宮のお掃除係 3 転生した新米宮女、後宮のお悩み解決します。】
黒辺 あゆみ
(カドカワBOOKS)

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【悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です! 5】
明。
(カドカワBOOKS)

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【魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする 10】
流優
(カドカワBOOKS)

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【痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。11】
夕蜜柑
(カドカワBOOKS)

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【蜘蛛ですが、なにか? 14】
馬場 翁
(カドカワBOOKS)

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【ティアムーン帝国物語 VI 〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜】
餅月望
(TOブックス)

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【特級ギルドへようこそ! 6 〜看板娘の愛されエルフはみんなの心を和ませる〜】
阿井りいあ
(TOブックス)

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【レア・クラスチェンジ! VII 〜魔物使いちゃんとレア従魔の異世界ゆる旅〜】
黒杉くろん
(TOブックス)

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【打撃系鬼っ娘が征く配信道! 3】
箱入蛇猫
(TOブックス)

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【ヤングキングアワーズ 2021年 02 月号】

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1月9日
【最果てのソルテ 1】
水上悟志
(BLADEコミックス)

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【魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~3】
住川惠/甘岸久弥
(BLADEコミックス)

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【シネマこんぷれっくす! 6】
ビリー
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【さまよえる転生者たちのリライブゲーム 3】
サイトウケンジ/火野遥人
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【魔術師たちの混乱 1】
奇仙
(ドラゴンコミックスエイジ)

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【最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 2】
天海雪乃/タンバ
(角川コミックス・エース)

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【合鍵くんと幸せごはん 1】
黒麦はぢめ
(角川コミックス・エース)

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【蜘蛛ですが、なにか? 蜘蛛子四姉妹の日常 3】
馬場翁/グラタン鳥
(角川コミックス・エース)

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【東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 7】
柴田ヨクサル
(ヒーローズコミックス)

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【まんがタイムきらら 2021年 01 月号】

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【コミックフラッパー 2021年2月号】

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【ドラゴンエイジ 2021年2月号】

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【別冊少年マガジン 2021年2月号】

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1月8日
【可愛いだけじゃない式守さん 7】
真木蛍五
(KCデラックス)

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【メイドの岸さん 2】
柏木香乃
(KCデラックス)

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【幼女とスコップと魔眼王 1】
茅田丸/丁々発止
(シリウスKC)

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【よくわからないけれど異世界に転生していたようです 4】
内々けやき/あし
(シリウスKC)

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【ラストオーダー 1】
松葉サトル/浜松春日
(シリウスKC)

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【時間停止勇者 4】
光永康則
(シリウスKC)

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【お嬢様の僕 8】
田口ホシノ
(シリウスKC)

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【この世界は不完全すぎる 2】
左藤真通
(モーニング KC)

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【進撃の巨人 33】
諫山創
(講談社コミックス)

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【赫のグリモア 5】
A−10
(講談社コミックス)

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【我間乱−修羅−14】
中丸洋介
(講談社コミックス)

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【アサルトリリィ League of Gardens -full bloom- 1】
月並甲介/阿羅本景
(KADOKAWA)

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【ヤングエース 2021年2月号】

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【スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 心をつなぐスープカレー】
友井 羊
(宝島社文庫)

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【毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理】
塔山 郁
(宝島社文庫)

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【ゴールデンタイムの消費期限】
斜線堂有紀
(祥伝社)

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1月7日
【ゆるキャン△ 11】
あfろ
(まんがタイムKRコミックス/フォワードシリーズ)

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【若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! 6】
森田季節/出水高軌
(ガンガンコミックスUP!)

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【冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する 6】
斧名田マニマニ/唯浦史
(ガンガンコミックスUP!)

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【good!アフタヌーン 2021年2号】

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【私、能力は平均値でって言ったよね! 14】
FUNA
(SQEXノベル)

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【万能「村づくり」チートでお手軽スローライフ 〜村ですが何か?〜】
九頭七尾
(SQEXノベル)

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【転生したらドラゴンの卵だった 〜最強以外目指さねぇ〜 13】
猫子
(SQEXノベル)

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【勇者パーティーを追放された俺だが、俺から巣立ってくれたようで嬉しい。……なので大聖女、お前に追って来られては困るのだが?】
初枝れんげ
(SQEXノベル)

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【大日本帝国の銀河 1】
林 譲治
(ハヤカワ文庫JA)

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【そいねドリーマー】
宮澤 伊織
(ハヤカワ文庫JA)

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1月6日
【1日外出録ハンチョウ 10】
上原求/新井和也
(ヤンマガKCスペシャル)

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【アダマスの魔女たち 5】
今井ユウ
(ヤンマガKCスペシャル)

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【ヤングマガジン サード 2021年Vol.2】

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1月5日
【願いを叶えてもらおうと悪魔を召喚したけど、可愛かったので結婚しました】
shiryu
(ドラゴンノベルス)

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【田中家、転生する。2】
猪口
(ドラゴンノベルス)

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【虐げられし令嬢は、世界樹の主になりました 2 〜もふもふな精霊たちにかこまれて、私、聖女になります〜】
桜井 悠
(ドラゴンノベルス)

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【最強錬金術師の異世界開拓記】
猫子
(ドラゴンノベルス)

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1月4日
【国防特行班E510】
神野オキナ
(小学館文庫)

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【呪術廻戦 14】
芥見下々
(ジャンプコミックス)

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【Dr.STONE 19】
稲垣理一郎/Boichi
(ジャンプコミックス)

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【チェンソーマン 10】
藤本タツキ
(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 20】
筒井大志
(ジャンプコミックス)

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【ワンパンマン 23】
ONE/村田雄介
(ジャンプコミックス)

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【ヴィジランテ-僕のヒーローアカデミアILLEGALS- 11】
古橋秀之/別天荒人
(ジャンプコミックス)

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【すいとーと! 3】
沖野ユイ
(ジャンプコミックス)

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【第9砂漠 3】
出口景
(ジャンプコミックス)

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【姫様“拷問”の時間です 5】
春原ロビンソン/ひらけい
(ジャンプコミックス)

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【ぼくらの血盟 1】
かかずかず
(ジャンプコミックス)

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【夜桜さんちの大作戦 6】
権平ひつじ
(ジャンプコミックス)

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【終末のハーレム ファンタジア 6】
LINK/SAVAN
(ヤングジャンプコミックス)

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1月1日
【嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい漫画】
40原
(ナンバーナイン)

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12月28日
【SPY×FAMILY 6】
遠藤達哉
(ジャンプコミックス)

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【SHOW BY ROCK!! 1】
邪武丸
(角川コミックス・エース)

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【スーパーのお兄さん 2】
河田雄志/行徒
(角川コミックス・エース)

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【高校事変 2】
松岡圭祐/オオイシヒロト
(角川コミックス・エース)

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【どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。1】
釜田/六つ花 えいこ
(フロース コミック)

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【まんがタイムきららキャラット 2021年01月号】

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【コミックライド 2021年1月号】

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【元勇者の公務員はゆっくり暮らしたい 1.帰還勇者、身分を隠してたのに新人冒険者の世話をすることになりました】
すえばしけん
(HJ文庫)

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【聖剣士さまの魔剣ちゃん 2 〜孤独で健気な魔剣の主になったので全力で愛でていこうと思います〜】
藤木わしろ
(HJ文庫)

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【最弱無能が玉座へ至る 2 〜人間社会の落ちこぼれ、亜人の眷属になって成り上がる〜】
坂石遊作
(HJ文庫)

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【お知らせ:最強魔王はダンジョン経営で荒稼ぎを始めます! 2】
坂本一馬
(HJ文庫)

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【異世界迷宮でハーレムを 11】
蘇我捨恥
(ヒーロー文庫)

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【ワールドオーダー 5】
河和時久
(ヒーロー文庫)

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【落ちこぼれ竜騎士、神竜少女(バハムート)に一目惚れされる 2】
深山鈴
(ヒーロー文庫)

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【ファントム オブ キル 死の国の守り人】
櫂末高彰
(ファミ通文庫)

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【彼女できたけど、幼馴染みヒロインと同居してます】
桐山なると
(ファミ通文庫)

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【異世界のんびり農家 09】
内藤 騎之介
(エンターブレイン)

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【人類滅亡して最後の1人になったら?】
三河 ごーすと/フェルミ研究所
(エンターブレイン)

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【幼女信長の異世界統一】
舞阪洸
(エンターブレイン)

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【転生七女ではじめる異世界ライフ 〜万能魔力があれば貴族社会も余裕で生きられると聞いたのですが?!〜】
四葉 夕ト
(エンターブレイン)

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【ラピスの心臓 3.深紅の狂鬼】
羽二重銀太郎
(エンターブレイン)

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12月26日
【隣の席になった美少女が惚れさせようとからかってくるがいつの間にか返り討ちにしていた 3】
荒三水
(モンスター文庫)

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【初級魔術マジックアローを極限まで鍛えたら】
ぺもぺもさん
(モンスター文庫)

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【冒険者をクビになったので、錬金術師として出直します! 〜辺境開拓?よし、俺に任せとけ! 5】
佐々木さざめき
(Mノベルス)

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【白衣の英雄 2】
九重十造
(Mノベルス)

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【最強陰陽師の異世界転生記 4 〜下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが〜】
小鈴危一
(Mノベルス)

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【幼女戦記 20】
東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)

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【幼女戦記 20 限定版 】
東條チカ/カルロ・ゼン
(角川コミックス・エース)

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【フェイト/エクストラ CCC FoxTail 9】
たけのこ星人
(角川コミックス・エース)

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【シャバの「普通」は難しい 4】
ばたこ/中村颯希
(角川コミックス・エース)

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【戦争は女の顔をしていない 2】
小梅けいと/スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
(KADOKAWA)

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【ざつ旅 ―That’s Journey―4】
石坂ケンタ
(電撃コミックスNEXT)

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【この美術部には問題がある! 13】
いみぎむる
(電撃コミックスNEXT)

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【タプリスシュガーステップ 3】
ばふぁこ/うかみ
(電撃コミックスNEXT)

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【姉なるもの 5】
飯田ぽち。
(電撃コミックスNEXT)

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【スーパーロボット大戦OG ―ジ・インスペクター― Record of ATX(7)BAD BEAT BUNKER】
八房龍之助
(電撃コミックスNEXT)

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【外道魔術師の憑依譚 2 〜最強剣士を乗っ取ったら、自分の身体を探すことになった〜】
羽鳥ぴよこ/新嶋紀陽
(電撃コミックスNEXT)

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【無職転生〜4コマになっても本気だす〜 3】
野際かえで/理不尽な孫の手
(電撃コミックスNEXT)

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【東方Project二次創作シリーズ 人間たちの幻想郷(前)】
芦山
(電撃コミックスEX)

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【魔王様、リトライ! R 2】
身ノ丈あまる/神埼 黒音
(モンスターコミックス)

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【農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。 6】
樽戸アキ/しょぼんぬ
(モンスターコミックス)

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【ムダヅモ無き改革 プリンセスオブジパング 9】
大和田秀樹
(近代麻雀コミックス)

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【桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 10】
ぽんとごたんだ
(アクションコミックス)

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【少年エース 2021年2月号】

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【コンプエース 2021年2月号】

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【月刊少年シリウス 2021年2月号】

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【電撃マオウ 2021年2月号】

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【月刊コミックアライブ 2021年2月号】

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【月刊コミック 電撃大王 2021年2月号】

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【コミック電撃だいおうじ VOL.88】

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【Comic REX 2021年2月号】

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【最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 5 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する】
タンバ
(角川スニーカー文庫)

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【『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。】
凪木エコ
(角川スニーカー文庫)

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【恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる】
夏乃実
(角川スニーカー文庫)

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【強気なお嬢様が俺の料理で甘々に】
雨宮 むぎ
(角川スニーカー文庫)

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【元カノと今カノが俺の愛を勝ち取ろうとしてくる。】
はむばね
(角川スニーカー文庫)

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【ひげを剃る。そして女子高生を拾う。5】
しめさば
(角川スニーカー文庫)

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【悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします 3】
浜千鳥
(角川ビーンズ文庫)

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【グランドール王国再生録 破滅の悪役王女ですが救国エンドをお望みです】
麻木 琴加
(角川ビーンズ文庫)

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12月25日
【ロード・エルメロイII世の冒険 1.「神を喰らった男」】
三田誠
(TYPE-MOONBOOKS)

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