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あやめゆう

ヴァリアント・エクスペリメント 3   

ヴァリアント・エクスペリメント (C・NOVELSファンタジア)

【ヴァリアント・エクスペリメント】 あやめゆう/ マニャ子 C・NOVELSファンタジア

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被験者諸君、異能実験へようこそ。ルールは簡単。渡されたカードを奪い合え。ゴール地点でのカードの数に応じて賞金が出る―孤島に集められた異能者たち。携帯情報端末に示される位置情報と使い魔の異能感知能力のみを頼りに、命懸けのバトルが始まった!初めて出会う同類との戦いに快感を覚えるマコトは…。ノンストップ・バトルアクション!
こういうバトルロワイヤルな舞台設定ってコンテンツとしてやりやすい類のものだと思うんだけれど、意外と少ない気がするなあ。単発モノとしてはともかく、シリーズものだと第一作目で一旦終了してしまうと続編ではまたバトルロワイヤル、とはいかないからだろうか。東出祐一郎さんの【ケモノガリ】なんかでも、二作目からはその辺変わってきましたしね。
本作が面白いのは、これ主人公が追われる側ではなく終始食い散らかす側に立っていたことだろうか。異能者同士によるバトルロワイヤル、ということで参加者の誰もが力と武器を持っている状態である。いわゆる一方的に追われる弱者が居ないとはいわないけれど、非常に少ない舞台設定なんですよね。ヒロインである芦屋悠里からして、抗う牙は持ち合わせている。
でも、異能者揃い、バケモノが揃ったバトルロワイヤルでありながら、この異能者たち、こと戦うことに関しては本当のド素人ばかりなのである。身を持ち崩して裏社会に身を投じていたりアングラに転がりおちていたりする者は居て、いわゆる喧嘩慣れ、殺し慣れしている者たちは居るものの、その彼らですら自分の持つ異能をなるべく隠し、人間社会の中でひっそりと生きてきた、という経歴の持ち主ばかりで、自分の異能の扱い方に長けているわけではなく、本当の意味で「戦う」という経験は持ちあわせていないものばかり。
なので、異能を駆使したバトルロワイヤル、という様相ではなく、異能を持った素人たちが初めてその能力を好きに使える状況にテンション上がりすぎて、狂躁状態のまま行き当たりばったりの出会い頭に殺しあう、そんななかなかに目も当てられない状況になってしまっているのだ。これは主催側も予想外だったようで、もうちょっと生き残るため勝ち残るための駆け引きや戦略、策略や謀なんかが張り巡らされる、と思っていた節もあったようで、まさか総員「ガンガン行こうぜ」になるとは思ってなかったんだろうなあ。異能を使わないように密かに生きてきた鬱憤の強さや、ド素人の状況の見通しのなさを完全に見誤っていたようで、このあたりの誤算については素直に言及されている。
と、そんな中で「ガンガン行こうぜ」という方針は変わらないものの、他の参加者とどうも根本からパーソナリティが変わっていたのが、主人公である式条丹女史である。もちろん、彼女がプロのコマンダーだった、なんてわけではない。普段の彼女はなんでも屋という探偵というにはいささか肉体労働が多そうな仕事をしている姉ちゃんに過ぎず、決して荒事の経験が多いわけではない。
にも関わらず、異能者という名の「一般人」ばかりの参加者の中で、彼女は突出して異常なんですよね。メンタリティがイカレている。能力のあるなしなど関係なく、このバトルロワイヤルにおける数少ない本物の「バケモノ」、捕食者であるのが彼女、マコトなのである。主人公にも関わらず。
このあたりのキャラクターの描き方は、あやめゆうさん特有の、つかみ所のないイカレ具合で、この人の描くキャラが好きな人はまずストライクであろう。倫理観や自分の中のルールというのが、完全に他人や社会から独立しているのが特徴、というべきか。傍から見ていると、いっそエグいと言っていいくらいの為さりようで、暴君とも傲岸不遜とも取れるんだけれど、決して非情ではないんですよね。最初の方のなさりようはさすがにこれは酷いよなあ、とドン引きしたもんだけれど、その件については最後に見事にひっくり返してくれて、「そうだったのか!」とサプライズくらって、ちょっと安心いただきました。マコト姐さん、容赦の欠片もないひとだけれど、無情でも非情でもないんですよね。割り切りキツイけど、トータルでみたらわりと優しい情があるタイプに見える。
しかし、それでも彼女こそ肉食獣であり、捕食者なのである。このゲームの参加者は哀れな駒であり、愚かな生贄であり、どうしようもない実験動物に過ぎないはずだったにも関わらず、最初から最後まで彼女だけは完全に自由であり、食われる側ではなく食い散らかす側であり、全部見通した上で悠々と敷かれたレールの上を闊歩した挙句に、軽やかにレールから外れて安全地帯に設定されていたはずの領域に飛び乗って、あの不敵な笑みで睥睨してみせてくれるのだからたまらない。
まったく、心の底から好き勝手してくれちゃって、楽しそうで幸いである。

ブレイブレイド 4.神葬の魔剣4   

ブレイブレイド4 - 神葬の魔剣 (C・NOVELSファンタジア)


【ブレイブレイド 4.神葬の魔剣】 あやめゆう/しばの番茶 C・NOVELSファンタジア

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殺戮と破壊をくりかえす『虚工物』をばらまき、帝都を百年戦争以来の恐慌に陥れて飛び去ったウィル。勇者として覚醒したローズは、力ずくでも彼を止めることを決意し、アニスとユスティンも従う。いっぽう、ジンもまたウィルのあとを追うが、「友達」に対し、どうしたいのかわからないまま。そんな彼に父は言う。「これが終われば―ジン、おまえが『英雄』だ。世界を救って来い」と。百年戦争の英雄の言葉にジンは!?シリーズ堂々完結!
いやあ、参った。ジンは最後まで凄まじい主人公だった。何しろ、最後の最後まで敵か味方かわからなかったもんなあ。
ジンという少年が定めている基準・ルールというものは、実際はすこぶるシンプルなもののはずなんですよ。これまでの彼の言動や彼を評する周囲の人達の解釈からしても、単純明快というのは間違っていないと思う。一本線を引いて、そのラインを超えるか超えないか、ただそれだけの基準のはず。なのですが、そのラインがどうしても他の人間には理解できない。いや、理解できないわけではないのか、感覚として捉えられないんですよね。これは、読んでいる側のこちらも同様で、彼の考え方は全く複雑でもなんでもなく、一本筋の通った明快なものであるはずなのに、どうしてもよく分からない。あまりにも想像の上を行き過ぎてて、認識し切れなかった、というのが正しいか。
お陰で、ジンという人物はとにかく何を仕出かすかわからない得体のしれないとんでもない人間、という認識になってしまう。これは、ジンという人間のあり様を十全理解している人たちにとっては、なんでこんなわかりやすいのに分からないんだ? と首を傾げてしまうところなんでしょう。ウィルやマキナなんかはこの類で、エリスなんかは自分ではわかっているけれど、他人には説明できない感覚的な理解、といったところか。
面白いことに、ジンの在り様というのは理解する=同調してしまう、という傾向があるらしく、ローズを筆頭に彼の生き様がどんなものか認識してしまった人たちは、それを嫌悪するか興味を抱くか無関心かの区別なく、それぞれがくびきを脱して自分に正直になっていく。それはしがらみや他人からの干渉を無視するということであり、結果として好き勝手に動き出すという事になる。ただ、そうやって自由になった人たちは同時にその束縛から脱した自由に対して責任を積極的に負おうとするので、みなが片っ端から好き勝手しだしたわりには悲惨なことにはなってないんですよね。ひどいことにはなっているけれど(苦笑
でも、その中でもジンはやっぱり特別というか逸脱していて……こいつ、ほんとに自分の設定したルールに対して妥協とかしないんだよなあ。そこには例外がまるでなく、相手が神様だろうが自分であろうが容赦がない。
彼を評する言葉は色々尽くされていたけれど、一番興味深かったのが、彼は死ぬほど我慢できないことは絶対に我慢しないけれど、死ぬほど我慢できないことでなければ概ね我慢してしまう、という感じの誰が言ったか忘れてしまったけれど、こんなセリフがあったんですよね。
そうなんだよなあ、一度行動を始めたあとのジンのあまりにも苛烈で容赦のない激動に目を奪われがちでついつい触れると爆発する危険人物みたいな印象があるけれど、むしろジンって尋常じゃなく我慢強い人物なんですよね。常軌を逸しているほど、自分を殺せるといっていいくらい。撃発するまでの安全性という意味では、そこらの人間よりもよほど安全なのかもしれない。ただ、一度火がついてしまったあとの不可逆性が筆舌しがたいというだけで。
そんな意味でも、ほんとシンプルなはずなのです。その単純明快さを明瞭に見極めていたのが、今回の騒動を引き起こしたウィルだったわけですね。彼の真意については、終わってみるまでほんとさっぱりわからなかったんですけれど、一旦全部ことが終わってから、イルマの指摘通りに彼のやったこととその結果を見ると、思わず呻いてしまうほど巧妙で、しかし明快だったわけです。
いやほんとに、ジンといいウィルといい、こんなにわかりにくい明快さという矛盾には心地よさすら感じるわけで。やっぱりこいつらが捻くれてるからですよね!!
だから、マキナのストレートな感情表現は、実にまっすぐで清涼ですらありました。あれを真っ直ぐとかストレートとか感じる時点で相当に感覚が歪められているような気がしないでもないですが、少なくともこの娘のカクカクと角ばった乙女心はちょっとマシーナリー掛かってるけれど、むしろそれが良いという、ちゃんとわかりやすく乙女心していて、ある種の癒やしでありました。普通に読んでると、どうも超悪そうな薄ら笑いしか浮かんでこないもんなあ、これ。

勧善懲悪モノとは一線を画した、かといってピカレスクロマンともまた違う、「みんな」ではなく「自分」に従った善悪の軛を脱したルールに基づくダークヒーローの、常識を吹き飛ばす痛快さを、どこか怖気じみたものと共に味わえる、なんとも凄い物語でした。
これで、ちゃんと爽やかなハッピーエンドで終わるんだから、大したものです。
最初のシリーズといい、この二番目のシリーズといい、他とはひと味もふた味も違う独特の感覚を味わえました。こりゃ、次の新作も期待せざるを得ないですなあ。あー、面白かった!

1巻 2巻 3巻感想

ブレイブレイド 3.惨下の都3   

ブレイブレイド3 - 惨下の都 (C・NOVELSファンタジア)

【ブレイブレイド 3.惨下の都】 あやめゆう/しばの番茶 C・NOVELSファンタジア

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“虚神”も“鉄鎖の泉事件”もすべての黒幕は宰相ロンデニオだ―せめて一発喰らわせてやりたいと敵の隙を狙って帝都に潜むジンとマキナ。義賊を名乗る反政府組織『徒花』の仲間になり、帝国が隠し続けていた地下迷宮へと向かう。その迷宮が巨大な『虚工物』ではないかときき、新たな陰謀を感じるジン。いっぽう、宰相と面会する学院長に伴われ帝都を訪れたローズマリーたちは皇室直属騎士団の『徒花』掃討作戦に協力を依頼されてしまう…。大転回のシリーズ第三弾。
二巻の感想で、ローズだけはジンに対して怒っていいよ、と言ってたら、実際怒ってみたらこの妹、完全にジンと同類じゃないか!!
いやもう、これ笑うしか無いね。その価値基準こそジンとはやや違うものの、一度こうだと決めたら何があろうとやってのける、シンプルに言うと頭にきたらぶん殴る、の発想は完全にジンと一緒。これまで「英雄の娘」という括りに縛られていたが故に小さく纏まってしまっていた少女が、「自分はジンの妹だ!」と開き直った結果、勇者として見事に覚醒してしまったのは笑うしかないよね。あの性格も能力もデタラメな「英雄」様の血を、明らかにお母ちゃんの血の方が駆逐してるじゃないか。英雄も頭の上がらないという人物で、しかも父親の違う子供が二人とも「これ」ってのは、どう考えても母親の方が原因じゃん(笑
まあ流石にあのジンほど敵対=殲滅思考じゃないので、ローズの方が穏便にも見えますけれど、比較対象のジンがあれなだけで、筋を通させるという意味ではあれ、ローズも容赦なさそうなんだよなあ。相手の地位とかもう眼中にないだろうし、許せないとなったら相手が誰であろうと相応の報いは何としてでもウケさせるんじゃないだろうか。絶対に泣き寝入りはしないぞ。
その意味では、自分でぶっ飛ばして片を付けるジンよりも困難な道筋にも思えるのですが、その辺はやっぱり勇者なんだろうなあ。
というわけで、勇者という立場と英雄の娘という身の上に縛られて雁字搦めになっていた妹が、兄貴の断固としすぎる行動に価値観を揺さぶられ、自分が拠り所としてきた秩序と正義が随分と恣意的で身勝手なものだとわかってきて、じゃあどうすりゃいいんだ、と散々頭を悩ませた挙句にぶちきれ、「自分はジン・アークロストなんだ!」と開き直った結果、つまりジンと同じ「気に入らねえからぶん殴る」という発想に至ってしまうというお話でした。
って、ある意味これ大惨事だw

すべての元凶にして黒幕、みたいな雰囲気だったロンデニオが、先の虚神戦争の真実と相まってどうにも締まらない結果になってしまい、ジンとしては怒るに怒れない形になってしまったんですよね。ジンの怒りというのは概ね向こうの都合を押し付けられて意志を無理やり歪めさせられる理不尽に対して、のものなので、ロンデニオみたいなのはぶっちゃけ、勝手にやってろ、てなものなのでしょう。巻き込まれる事については迷惑だし振り払うけれど、彼としてはそこまで怒る事じゃないんでしょうなあ。代わりに、こういう身勝手に対して激怒するのがローズだったわけです。基準の違いですな、このあたり。
しかしまあ、アニスの楽しそうなこと楽しそうなこと。人生浮かれきってるよな、この娘。そんなに面白いかねえ、と思うし、無責任だなあと思うところだけれど、ここまで屈託がないとアニスだしなあ、と苦笑するしかない。まあこういう娘だからこそ、ローズと友達になれたのだろうけれど。

もう我慢するのやめた! と自分の勝手を押し通すことにしたジンだけれど、やってることは何だかんだと身近な誰かの尻拭いばっかりというのも因果な話。大事なものが少ないだけに、身勝手だからこそ身勝手に自分の好き勝手に、親身になったやつは見捨てないし、大事な奴がやらかしたことの後始末は責任をもって背負おうとする。もうちょっと無責任に生きればいいのに、と思うところだけれど、それが出来ないからこそ長らく我慢もしていたのだろうし、選ぶとなった時に手段も選ばず被害も考慮しないくらい徹底してしまうんだろうなあ。でも我慢するにしても、我慢しないことにしたあとにしても、自分の内側に入れずに拒絶してる、というのは確かにあると思う。だから、あのモニカのジンに対する糾弾は的を射ているようで聞いててかなり痛かったんですよね。何にせよ一方的なんだよなあ、ジンの思考回路というのは。そんな彼の懐にスルリと入り込んでいるのがもしかしたらマキナなのかもしれない。彼女のあの突発的な行動からすると、思いの外すんなりと収まるところ収まるのかもしれないなあ。
さて、なんか予想だにしない人物が予想だにしない行動に出て、なんぞこれ!? と面食らう中で次があっという間の最終巻。いったい着地地点がどこにあるのかサッパリなんだが、とにかく嫌というほどわかったのは、この英雄とその娘と息子と奥さん、つまりこの一家は絶対に敵に回してはいけません、という事ですな。
マジヤバいです、この家族w

1巻 2巻感想

ブレイブレイド 2.鉄鎖の泉4   

ブレイブレイド2 - 鉄鎖の泉 (C・NOVELSファンタジア)

【ブレイブレイド 2.鉄鎖の泉】 あやめゆう/しばの番茶 C・NOVELSファンタジア

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破壊的な力を持つ魔剣を腕に宿してしまったために、サーデイン聖央学院を追われ帝国へ身柄を移されたジンとマキナ。二人は魔剣と虚神の謎を探るため、女騎士・イルマ、科術士・テオボルトとともに結界で封じられた村へと派遣される。百年戦争の痕跡も英雄の記憶も色濃く残されたその村には、それゆえに人間を嫌う排他的な「神民」が暮らしていた。戦争の当事者でもないジンにまで当時の生々しい記憶のままに悪意をぶつけてくる族長にジンは苛立つ。そしてその夜、閉ざされているはずの村が何者かに襲撃されて!?シリーズ第二弾。
あああっ! なんと、そういう事だったんだ!! いやいやいや、これは迂闊でした。全然、そっち方面に頭が回っていなかった。何時出てくるか、何時出てくるのかとヤキモキし続け、遂には位相がズレていて、鉄鎖の泉が2つあるんじゃ、なんて想像まで巡らす始末。なんか、間違い探しを連想させる描写やジンが街の様子に変な違和感を感じている描写を、そんな風に取り違えて捉えちゃってたんですよね。お陰で、種明かしをされるまで全く気づかず、真相が明らかになってようやく「……ああっ!!」と理解する始末。
全部明らかになってみると、決してややこしかったり難しい作為が挟んでいるわけじゃなかったんですよね。えらく簡単な話だったんだ。ちょっと頭を巡らせばわかるようなこと。いやあ、でも全然気づかなかったなあ。自分が迂闊だった、というのも勿論なんですが、同時にそれだけ描写や構成が巧妙だったのは間違いありません。これはやられましたなあ。
というわけで、第一巻で何よりその主人公・ジンのとんでもない危険人物っぷりに度肝を抜かれた【ブレイブレイド】の第二巻。自分の父である英雄に立てつき国に居られなくなったジンは、マキナとともに帝国の間者の手引きで帝国へと渡し、そこで数ヶ月の逼塞を強いられたあと、鉄鎖の泉と呼ばれる遺跡へと派遣されることになる。
裏に様々な思惑や謀略がうごめいていたわけだけれど……戯けとしか言いようがない。馬鹿が、と頭を抱える他ない。

こいつら、ジンを怒らせやがった。

この主人公がどれだけ危ない人間なのか、どれほどヤバい男なのかについては第一巻の感想でこれでもかと書き倒しました。書いても書いても全然足りない気がしましたけれど、とにかくそのとんでもなさたるや、今まで見てきた中でも随一。これでも随分とたくさんのライトノベルを読んできたつもりですけれど、その上で言います。言い切ります。このジンが、一番やばいw
今まで見てきた主人公の中で、一番敵に回したらいけないやつだ。
こいつを敵に回してしまったら、相手がどんな怪物でも英雄でも天才でも関係ないです。世界を救ってしまうような人知を超えた力を有していようと、世界を手のひらで転がすような神算鬼謀の智を持っていようと関係ありません。
絶対に勝てない。
ジンという一人の人間のスペックだけみたら、平凡なものです。今回新たに登場したキャラクターだけ見ても、敵味方関わらず彼が勝てるような能力の持ち主なんて殆どいませんでした。力もなく、技能も伸びず、才能なんて欠片もなく、魔力だって凡庸なもの。聡明で頭の回転が早く狡猾ではありますけれど、決して智謀湧くが如し、というタイプでもありません。若造である以上、知識も経験も年長者には多分に見劣りします。
でも、絶対彼には勝てない。彼を敵に回せば、絶対に叩き潰されます。
だって、なぜなら、彼は「やる」と決めたら絶対にやるからです。絶対にやっちゃうのです。

絶対にです。

怖ぇぇぇ! あかんて、やばいって、背筋震える、怖い怖い怖い、これはホントあきません。
それがもう嫌というほど目の当たりにして理解しきってしまっているだけに、ジンに余計なちょっかいをかけようとしている連中に、もう何やってるんだあほかーーっ、と叫びたくなる。悲鳴です、いいからやめとけっ、と必死に呼び止めたくなる感覚です。そっちは地雷原だーー! とか、あんたが拾ったその箱にはもう爆発しそうな時限爆弾が入ってるんだ、すぐに放り投げろーーっ!! と言いたくなるような感覚です。
いい気味だとか哀れみを感じるとか、そういう気分じゃないんですよね。もう、こっちまでガタガタ震えて見ていられない、という感覚。
これが雑魚っぽい格下だったり、見るからにヤラレ役の足りない奴らだったら、ここまでこっちもガタガタ震えることはないんでしょう。でも、彼に手を出してしまう輩というのは、普通に見たらとてもじゃないけど若輩の若者たちが太刀打ちできるとは思えない、歴戦にして辣腕たる大物ばかり。威厳も威風もたっぷりで、どんな小賢しい手を打たれようが、想像の埒外の攻撃を受けようが、眉一つ動かさずにいなされ返されいつの間にかひっくり返され、ぐうの音も出ないほど息の根を止められそうな、そんな本物の大物ばかりなんですよね。「英雄」にしても、今回の「真の黒幕」にしても。まともにやって、とても敵いそうもない、崩せそうもない、そんな途方も無い相手なのです。

にも関わらず、やっぱり思うわけです。
その少年だけは、敵に回しちゃダメなんだよっ!! と。

元来、非常に我慢強く賢明で冷静沈着な性格だけに、前半はジンも大人しくしていて、こちらも落ち着いて見ていられたのですが、中盤以降事件が起こり渦中に放り込まれて以降、ジンが段々とイライラっとしてきて、その上で淡々と自分の中のリミットラインを見極めだした日には、もうあとは「ひぇぇぇぇぇぇ!!」とビビりっぱなしです。
怒ってる、怒ってる、怒ってるぅぅww

彼のロジックというのは余計なものを取り除いていくと極々シンプルなんですよね。そして、それは決して他者を排斥するものではありません。恐ろしく自立し切って、独立しきって、極まり過ぎているので、愛だの憎しみだの欲だの過去だの世間体だの権力だのしがらみだの、余計なものを背負ってしまっている人には中々追随も理解も出来ずしてもらえないものなのかもしれませんけれど、何もかも放り出して自分というものをシンプルに立脚してしまうと、彼の行動原理というのはスッと浸透するものなのかもしれません。そうでなくても、そんなあまりにも単純で厳しい生き様を真似できなくても、憧れてしまうものなのかもしれません。
ともあれ、彼が彼らしくあり、それを貫いて周囲の有象無象を振り払った時、多かれ少なかれ周りの人間達もその影響を受けざるを得ないのでしょう。いい意味でも悪い意味でも。それは、ジンの妹のローズたちもそうですし、今回のイルマたちもそう。何より、一番側にいるマキナもまた、変化を続けています。
でも、なんやかんやと普通の物語と違って、キャラクターに甘くないというか、最初から最後まで突き放してるのが特徴と言えば特徴なんだよなあ、このシリーズ。イルマの在り様なんか、非常に面白いですよ。そして、神民と人間の関係についても、非常に面白い。
何が大人で、何が子供か。あとがきの冒頭に書いてらっしゃる「大人と子供の違いというのは『子供の前で大人として振る舞えるか否か』というだけの話」という一文が、結構作品全体の根底を担っているような気もする。その大人として振る舞うべき相手の子供が、年齢的な子供だけを意味していない、というあたりが難しい話ですけれど。大人になれない子供に対して此方は大人として振る舞うのって、だいぶん難しいですよ?
まあ相手が恥ずかしく思ってくれるだけのモノを持っていてくれればいいのですが。

しかし、終わってみると、やっぱりジンって随分とシスコンだよなあ。だだ甘お兄ちゃんじゃないか。まあ、ローズもローズで同じくらいブラコンなわけだけれど。
愉快なことに、ローズがブラコンであればあるほど、ジンの在り様って認めがたいんですよね。大好きでたまらないからこそ、我慢出来ない。
可愛い妹です。うん、君だけは怒っていいよ。

1巻感想

ブレイブレイド 1.遺跡の虚人4   

ブレイブレイド1 - 遺跡の虚人 (C・NOVELSファンタジア)

【ブレイブレイド 1.遺跡の虚人】 あやめゆう/しばの番茶 C・NOVELSファンタジア

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先の大戦の英雄を讃え、後継者を養成する目的で作られたサーディン聖央学院―その英雄を父に、「勇者」の名をほしいままにする優等生を妹に持つジンは、落ちこぼれ。早々に才能に見切りを付け、英雄候補生らしくなく振舞う彼に周囲の目は冷たいが、妖精エリスやマイナー学科の変人学生たちとそれなりに学生生活を謳歌していた。そんなある日、研修先の遺跡で少女を拾った事で、生活は一変。「私はあなたのモノです」といい、虚人と名乗るその人形めいた謎の少女の正体は?そしてジンの運命は!?新シリーズ開幕。
すっげえな、この主人公、すっげえなあ!! なんというか……ヤバいです、このジンという主人公。触れるだけで斬れそうな危険性というか、扱いを間違えると持ち主を傷つける凶器というか。精神的に不安定だったり狂気に魅入られているというわけじゃないんですよ。むしろ常人よりも我慢強く冷静で物事に対しても非常に醒めた見方をしているタイプなんですよね。ただ頑固。凄まじく頑固。そしてその頑固さというのは、岩のようにゴツゴツしているものでも、凝り固まって融通のきかない、というものとは少し違っていて……こいつの頑固さというのは剣なんですよ。刃と言ってもいいのか。限界まで研ぎ上げられたような刃の切っ先のような頑固さ。
もうね、ヤバいんですよ。ここまで主人公という種類の人間に危険性を感じたことは滅多ありません。もう、うわこいつやっべえ! と思いましたもん。自分が非才である事を受け入れながら、諦める事をせずずっと努力を続け、それでも実らぬ才に対して、なおも腐ることなく自分の出来る事を探しながら無明の道を歩き続ける。英雄の息子であり、勇者の兄であるという立場でありながら、その立場に相応しい才能もなく、英雄の息子たる道を進まず王道から外れていく彼に対しては、周囲から常に非難と抑圧が浴びせられ、時に人格や存在価値さえ否定されながら、鬱屈に耐える日々。
これ、英雄である父は実の親ではなく、再婚した母の連れ子であって、実の父はアル中のクズ野郎である、という事実もまたジンの鬱屈を強めているんですよね。そして、かつて自分のあとをついてまわっていた妹は、いつの間にか自分を遥かに追い越して英雄の子としての期待に応えて勇者と呼ばれる存在になり、期待に応えられないジンに対しては酷く辛辣に当たるようになってしまっている。英雄である父親は、こいつはこいつで規格外である以上凡人でしかないジンとは何もかもが咬み合わない。友人と呼べる人間も殆どおらず、唯一変人のウィルと妖精のエリスが友達であるくらいの、孤立しきった学院生活。
まあ歪んじまう環境ではあるんです。でも、虚人マキナと出会うまで、魔剣を身に宿してしまうまで、彼はそんな抑圧された環境の中でも、これ自分に対して誠実に生きてたと思うんですよね。決して歪んでなんかいなかった。弱い自分に忸怩たる思いを抱きながらも、自分を貶めるような真似はせず、腐らずに誇りを持って生きていたんです。それって凄いことだと思うけれど、更に言うと恐ろしいことでもあると思うんですよね。彼はそうやって、我慢し続けていたんですから。どれだけの怒りが、悔しさが、我慢の中に積もっていっていたか。内圧は凄いことになってたんじゃないでしょうか。
でも、そのままなら、彼はその押さえ込んだ内圧を、決して表には出さなかっただろうと思う。多分、魔剣を手にし、マキナを傍に置く事になり、弱者であった彼が途方も無い力を手に入れてしまった後も。彼は決して力に溺れたりなんかしなかったでしょうし、力に酔い、力を誇示し、今まで与えられ続けていた抑圧を見返そう、なんて考え方をしたとは思えないんですよね。この少年は、ビックリするくらいに理性的で我慢強くて、理不尽を嫌う性格のようでしたから。もう、頑固なほどに。
だからこそ、許せなかったんでしょう。ひとがこれまでずっとし続けてきた我慢を踏みにじるような真似が。一方的に自分の都合を押し付けてきて、勝手な幻想を押し付けてきて、英雄の息子たるに振る舞いを強要してくる、万人にとっての正しさが。自分の生き方を、穢そうとする他者の意志が。

でもね、だからと言って、ここまで思いきれるもんなのか。覚悟を据える事が出来るものなのか。
力の大きさでも能力の強さでも技術の巧みさでもない。それなら、ジンが勝てる相手なんかこの学院には一人もいない。それなのに、この少年は……メーター振り切ったような極まった覚悟、それだけで。こうだ、と決めた事について微塵も迷わないその躊躇の無さだけで。引火した火薬庫みたいな激情とブリザードのような冷静さ、客観性だけで、能力的には遥か上を行く相手をなぎ倒していったのです、彼は。
爽快とか、痛快なんてもんじゃないですよ、その姿は。怖気の走る、震えるような、本当に危険なものを目の前にして立ち竦むしかないような感覚に、息を呑むばかり。とんでもなかった、本当になんちゅうやつじゃ、こいつ。
覚悟を決めた迷いの無さ、とはここまで凄まじいものなのか。
ハッキリ言って、魔剣という兵器は問題じゃないですね。英雄を含めて周囲の人間がジンの在り方の禁忌に触れてしまった、或いは触れざるを得なかった原因である、そうせざるをえないほど強力な兵器であった魔剣ですけれど……英雄の親父が危惧したのって、魔剣の強大さそのものじゃなくて、ジンという人間がそんな強力な兵器を宿してしまった事そのものだったんでしょう。だって、こいつ目的のためなら魔剣使うこと躊躇わないもの。力の強弱が、使用を躊躇わせる要因に全くならないんですよね、彼。必要と有らば使う、それだけ。必要なら、何がどうなろうと使う、ただそれだけ、という精神性の恐ろしさ。それこそを危惧したような気がします。だから、あんな強引で乱暴な措置に出たんでしょうね。
英雄親父が完全に見込み違いを起こしていたのは、危険なのは魔剣ではなく魔剣をジンが持つこと、と思ってた事なんですよね。違うんですよ。ジンがこうと決めたら、魔剣の有る無しなんて関係ないんですよ。魔剣があろうがなかろうが、才がなかろうが弱かろうが関係ない。やるとなったら絶対に意志を通してしまう、その完膚なきまでの実行力こそが危険だったわけです。今回の一件だって、見てたらジンは魔剣という存在を完全に一つの道具として利用したおしていました。特別なモノとしてまるで扱っちゃあいないし、何らかの象徴として見たりなんてかけらもしていない。必要だから使ったにすぎないのです。その割り切り方がね、またもう彼の壮絶さなんでしょう。彼がこれまで安全だったのは、我慢することを受け入れていたからです。どれだけ抑圧されていても、最後の一線は越えなかったから。誇りを、彼の魂を踏みにじるような真似をしなかったからでしかありませんでした。そこを親父さんは見誤っていた。鬼から金棒を奪いとろうとして、大人しくて何もする気のなかった鬼を怒らせたら本末転倒ってもんです。
こういうのをね、やぶ蛇って言うんですよね!
いや、この親父さんはそのへんも解ってたはずなんだよなあ。だって、ジンは選ぶやつだって看破してるもの。選んだら、必ずやっちまうやつだ、と言ってますしね。どれほどえげつない選択だろうと、一度選べば必ずやる、と。それでもなお、親父殿の想像を遥かに超えていたのか。だって、結果的にこの親父殿の行動こそが、ジンに選択を強いて、選ばせちゃったんですしね。
やっぱり、やぶ蛇だったな。息子の恐ろしさを知っていたからこそ先手を打って選択を封じようとして、結果として選択させちゃったんだから。

兎にも角にも、主人公であるジンの「凄味」に圧倒されるばかりでした。とんでもないよ、こいつ。結局、この主人公、最後まで「強い」と思わせるものはなかったです。最初から最後まで変わらないまま、凡才で能力もなく弱いまま、それは魔剣を宿しても同じ事で…………しかし、これほどコイツには誰にも勝てない、と立ち竦むような覚悟と躊躇いの無さと迫力を感じさせる主人公は、早々お目にかかったことはないでしょう。圧巻でした。
先に良質のファンタジー【RINGADAWN〈リンガドン〉 】三部作を描き上げた作者だけあって、妖精エリスや虚人マキナ、そして妹のローズマリー、いろいろ性格ぶっ飛んでる戦士のアニス、英雄親父とその相棒の先生など、個性的で躍動感のあるキャラも揃っているんですが……このメンツが周囲を固めて物語が進む、とならないのは展開として凄いよなあ。てっきりエリスとアニスくらいはくっついていくと思ったのに。連れて行くのはマキナだけ。しかも、国外逃亡ですよ。亡命ですよ。そして、他のメンツはローズを中心として勇者パーティーを組んで事実上の追撃戦、ですか。ジンはあれか、魔王にでもなるのか、これ。それはそれで面白そうだけれど、魔王と言ってもジンの場合だと反英雄だよなあ、これ。
うんうん、主人公の性格、というか有り様といいこの展開といい、突っ走る気満々で、ワクワクが止まりませんわ。

あやめゆう作品感想

RINGADAWN 幽霊街と呪い笛吹き4   

RINGADAWN〈リンガドン〉 - 幽霊街と呪い笛吹き (C.NOVELSファンタジア)

【RINGADAWN 幽霊街と呪い笛吹き】 あやめゆう/BUNBUN C.NOVELSファンタジア

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幽霊街を見つけてはいけない----幼い頃に聞かされた御伽噺さながらに無人となった村を発見した税務官イセリナ。村人たちを消し去ったのは呪いか犯罪か陰謀なのか。御伽噺シリーズ第二弾!

次々と領内で増えていく村人の消えた村落。ついには街と呼んでいいほどの集落まで無人と化していくさまは、さながらお伽話に語られる【幽霊街】の呪いの如く。
危機感どころかさして問題意識すらない貴族たちに憤り、自ら調査に出ることにした税務官イセリナが頼りにしたのは、奇矯で癖のある性格をした幼馴染の軍師カミナ。彼とその護衛騎士ノルンを伴って彼女が辿り着いた【幽霊街】の謎の真相は……。
これは……お見事ッ!! 
真相が明らかになってみれば決して複雑でも何でもない単純なことだったのだけれど、頭の片隅にもこの真実は思いつきませんでしたわ。ほぼ完璧に手のひらの上で踊らされた。
なるほどなあ、なんでカミナが騎士でも将軍でも領主でも参謀でもなく、わざわざ「軍師」なんて役柄をこの物語において与えられていたのか、全部読み終わったあとで否応なく納得させられた。つまるところ、軍師の仕事というのは、事が起こったあとで始めたら遅いんですね。事が始まる前に、彼らの仕事は全部備えを終えていないといけない……いや、それですら不十分。一から十まで、起爆から収束すらまですべてを掌握してこそ、軍師としての仕事を成し遂げたとは言えないのだろう。その意味では、カミナは見事に軍師としての仕事を成し遂げたのだろう。尤も、カミナが誰の軍師だったかと考えると色々と複雑なんですけどね。
最初は彼はイセリナの為の軍師だったのかと考えてたんだけれど、改めて振り返ってみると多分違うんでしょうね。もし、カミナがイセリナの軍師だったら、このラストはちょっと違うものになっていたはず。第一作でもそうだったんだけれど、主人公がヒロインに捧げる忠誠心、或いは信頼というのは彼女たち個人に向けられているものではなく、彼女たちが抱く思想であり誇りであり在り方に預けられてるんですよね。だからその行動も目的も、彼女たちの信念にこそ捧げら殉じられる。特にカミナとイセリナのそれは、二人が子供の頃に、二人で考え育て上げたものだから、それは二人の間で芽生えた愛情よりも優先されなければならなかった。
もし二人で見出したものよりも愛情を優先させてしまえば、その途端カミナとイセリナの絆と信頼は潰えてしまう。皮肉な話だ、その絆と信頼があったからこそ芽生えた愛だったのに。生まれた恋だったのに。二人がお互いを大切に思い、お互いを信じるからこその必然の別れ。まさに叶わぬ恋であり、悲恋そのものだ。
ほんのりとした切なさに、思わずため息を落とす、そんな読後感でございました。

その点、貴族でも軍師でもない、ただの騎士であるノルンはシンプルだよなあ。騎士はただ相手に剣を預けるだけ。それはイセリナとカミナのように一番根底にあるものを共有し合うような関係じゃないんだけれど、ノルンの性格からすると細かいところはどうでもよさそうだし、いいのか。この人は自分でも言うように、考えるのは得意じゃないし自分の役割じゃないと弁えているようですから。なんかこう、考え方がシンプルイズベストすぎて、逆に面白いよ、羽根の騎士。

三部作ということで、次回がどうやら完結編らしいけれど、一巻もこの二巻も世界観もキャラも映えてて面白かったので次で終わりというのはなかなか勿体無いなあと思わされた。三巻も新キャラが主人公なんだろうけれど、一巻やこの二巻のメンツも出張ってきてくれそうなので、完結編に相応しい盛り上がりを期待したい。
 
11月26日

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