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あわむら赤光

我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地2 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 2 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/卵の黄身 GA文庫

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ボロロロスでの激戦を制し、吸血皇子の呼び名を名誉あるものへと変えつつあるアレクシス候レオナート。時を同じくして、大陸南部より憎き四公家の一角・グレンキースが挙兵したとの報せが届く。その大軍は名だたるブレアデト“教導”傭兵団に鍛え抜かれ、まさしく精強無比。レオ達はこの強敵を迎え討つべく南征を決意するが、その先で出会ったのは、四公家の手から逃れてきた幼い姫と白銀の騎士。二人がレオに求めた、唯一つの願いとは―?集えよ!誇れよ!レオナートの御旗と共にある栄光を!痛快にして本格なるファンタジー戦記、英雄女傑入り乱れる第2弾!!
やっぱり軍師がムードメーカーというのは新鮮だなあ。陰気とは言わずともその堅苦しさから決して陽気とは言えないレオナート。彼って生真面目である分、結構内向きに考え込む傾向があると思うんですよね。そんなレオナートに常に寄り添うシェーラはフォークロアという合言葉を用いながら、レオナーとの思考を外側に引っ張り続けてる。加えて、首脳陣の雰囲気が重苦しくなったら率先して場を盛り上げて空気を軽くするんですよね。そうして場が和んだのを見計らって、決定打となる策を食後のデザートみたいにポンと提示して見せるのだから堪らない。これだけ場を掌握し続けているにも関わらず、シェーラは常に主導権そのものはレオナートに任せ続けて、彼女の存在感というのは見事にレオナート軍のマスコットみたいなポディションに収まっているのである。レオナート軍の幹部連中も、シェーラに対しては一目置きながらもどうしてもマスコット的振る舞いやムードメーカー的な言動が強く印象に残っているのか、彼女に対する接し方に自分よりも遥かに頭の良い人間に対する気後れや敬意の類が殆ど見当たらないんですよね。それでいて、ある意味ただの軍師などより言葉が届きやすい心の距離感にとどまっている。
軍師シェーラのこれはレオナート軍の外部の方が徹底しているかもしれない。レオナート軍以外の人間にはシェーラという軍師の存在はほぼ知られてないんですよね。レオナートという恒星が眩すぎて、敵対した相手はついついレオナートにばかり目を奪われて、それ以外に意識が行ってないところが見受けられる。
これに関しては、レオナート以外の諸将に関しても同じかもしれない。ちょっと二巻の段階でこんなにたくさん居ていいの!? というくらい、綺羅星のごとく色んなタイプの将星が集まってるんですよね、レオナート軍。攻勢に強いタイプばかりじゃなく、アレン君なんか今回ちょっと渋すぎないかい!? と思うくらい通好みの用兵見せていましたし、あれアレンくんみたいな若造がやるような指揮じゃないでしょう、地味なのが逆にめっちゃカッコいいんですが。また、前回降伏した中から売り込んできて新しく軍に加わったトラーメ。これがまた、食わせものである分、いい仕事するんですよね。まともに戦っても実に粘り強い戦い方をするし。レオナートとその直属部隊が呂布みたいな無茶苦茶な攻撃力と機動力を持っている分、見た目の派手さは全部レオナートが持っていくんだけれど、他にレオナートに伍する将であるエイナムもどんと構えているわけで、これだけ土台のしっかりした指揮官と部隊が数揃ってたら、そりゃ強いしレオナートを自由自在に遊軍みたいに動かせるわ。シェーラも、これだけレオナート好き勝手動かせたら楽しいだろうなあ。
神出鬼没、いつでもどこにでも現れるレオナート作戦、あれは敵からしたらひでえ悪夢だわ。いやでも、直属部隊は最初から分散して配置しておいて、レオナートだけあっちこっち派遣して、という作戦は各個撃破の一番難点である最適な場面での戦力の集中というのをレオナートと騎馬のザンザスだけに頼れるわけだから、そりゃバンバン決まるってなもんである。トドメに、獣使いティキの鷹によってリアルタイムで敵の動きを把握できてるんだから、シェーラやりたい放題である。
やっぱり戦記モノというのは個人の無双ではなく、群像劇として主人公以外にも推すことの出来るキャラが居たほうが、それもたくさんいた方が盛り上がるんですよね。
グレンキースの係累となるレオナートの妹姫や、彼女の脱出行を助けることになり彼女の騎士となるクルスという、実にこう堪能しがいのある味方勢力も出てきましたし。ってか、姫様可愛いなあ。あの公爵からどうしてこんな孫娘が、という聡明さと行動力を備えた賢姫なんだけれど、クルス相手にだけ恋するポンコツ姫になっちゃって、もう可愛い可愛い。

1巻感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16 ★★★☆   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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二年生の夏。雷帝の跡を継ぎ、ロシアの代表となったカティアの計らいで黒海での遠征合宿に向かった諸葉たち。しかし一時の憩いを破るようにエドワードから不穏な報せが。
「ロシア支部幹部九名が謎の失踪を遂げている。カティア女史にはくれぐれも油断しないようにね?」
六翼会議とカティアを結ぶ裏切りの線をほのめかし、エドワードは諸葉に密偵任務を与えるのだが―猶予はわずか三日間、果たして諸葉は最凶最悪の陰謀を暴けるのか!?振るえ、聖剣魔剣の絶なる連技!切ない想いが奏でる魔の唄を打ち砕け!信じた友のために清濁あわせて再びのロシアを往く、超王道学園ソード&ソーサリィ第16弾!!
そうだよなあ、世界各国の支部の中でも雷帝の恐怖政治によって統治していたロシア。諸葉に敗れたとはいえ、雷帝ヴァシリーサが健在だった頃はカティアも彼女の権威に乗っかって自由にあれこれ出来たかもしれないけれど、彼女がいなくなってしまったらそりゃ雷帝に抑えつけられていたものが好き勝手しだしますわなあ。元々力と恐怖によってねじ伏せ蓋をしていたものに、カティアがどれだけ対抗できるか。
彼女が最悪を逃れるために最低の選択を選んでしまったのも、悪魔の囁きにうなずいてしまったのも無理からぬところがある。というか、否と言えない状況まで追い込んでどうやっても提案に乗らないといけないところで、甘言を弄するあたり、六翼会議のやり方は実に巧妙で悪魔的なんだよなあ。そもそもの原因であるヴァシリーサを殺ったの、あんたらだってのに。

しかし、ここでしっかりとカティアの裏切りの情報を掴んでしまうのが、さすがは諜報のお家元である大英帝国のエドワード卿である。確かに六翼会議に一手も二手も先手を取られてしまっているものの、未だに本当に致命的なまでに状況が瓦解していないのは、これエドワードの功績だよなあ。彼がガッチリと根本を抑え、火消しに諸葉が駆けまわることで最悪は打開しつつなんとか次へ次へとつなげることができている。救済措置についても諸葉の打診から鐘を突くように対応してみせてくれてるし、エドワードの頼もしさは本当に助かる。
確かに切り崩しはウケてしまっている一方で、日本支部、というか諸葉たちの学園単体で見ると確実に戦力は向上してるんですよねえ。今回、これまでで一番えげつない敵だった人型魔神の大群に対して、諸葉単体での無双ではなく、ちゃんと次世代に世代が変わった実戦部隊で対抗できていたわけですから。特に、校長となった石動先輩抜きでこれだけ戦えたら大したものでしょう。新戦力の田中くんも然ることながら、特にめぼしい飛躍を見せていたのが春鹿で、Aランク昇進もこれなら文句なしですわ。間違いなく今回の戦いのMVPは彼女。ある意味、彼女が駆けまわることで戦線を維持していたようなものですしね。
ついに対異端者戦にデビューとなったエレーナも、これは一撃必殺要員として重要な役割を担えそうですし、先輩がごっそりと抜けてどうなるかと思った実戦部隊も、様々なポディションで優秀なメンバーが出てきて陣容固まってきたなあ。

ラスト、丈弦先輩がまたぞろえらい危ないところまで足踏み入れちゃってるんですけれど、死亡フラグじゃないですよね!?

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

【我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら赤光/ 卵の黄身 GA文庫

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天下無双―アレクシス大帝、レオナート一世の驍勇は真実そう評される。しかし、後に大陸統一を果たす彼も、若き日には“吸血皇子”の汚名を着せられ、故郷を奪われた、武骨で不器用な青年でしかなかった。これは、大反撃の物語である。再起を誓ったレオナートはまさに一騎当千!そして一本気な彼に惹かれて集うは、神とも魔物とも例えられる数多の名将、賢者、才媛、奇才。やがて彼らは腐敗した祖国を呑みこむ一大勢力となり、群雄する大国全てと渡り合っていく!痛快にして本格―多士済々の英雄女傑、武勇と軍略が熱く胸を焦がすファンタジー戦記、堂々開幕!!
真っ向勝負な戦記だなあ。主人公からして実に男臭い。無骨で寡黙で硬派な青年というと戦記物の主人公としてはどうしても愛嬌に欠けてしまうのだけれど、それを補うのが軍師にしてヒロインであるシェーラなのでしょう。作中でも触れられていますけれど、シェーラって軍師としてはかなり異質なんですよね。軍略謀略を司り、物事の裏の裏まで勘ぐり操ってみせる軍師という役割の人間は、どうしたって人間というものの裏側や心の闇を覗くせいか、ある種の陰を帯びているキャラが殆どなんですよね。頭が良すぎるが故に、物事に対しても人間に対しても達観し、或いは苦悩している。厭世家であったりキレキレすぎるカミソリのような人だったり、皮肉屋だったり必要以上にクールだったり。
ところがところが、このシャーラという少女は軍師でありながら、ひたすらに陽の人間なのである。わりと悪辣な手段を取ったり、危ない橋を渡る作戦を導き出したり、と戦場の軍師として戦国乱世の謀臣としてやることはやっているのですが、そこに闇を感じさせないのである。むしろ、その明るく天真爛漫なキャラクターでレオナーととその一派のムードメーカー的な役割を担っていて、その愛嬌たっぷりの在り方はマスコット的でもあり、周りの人たちの不安や絶望を才知と雰囲気の両方で振り払うキャラなのである。
そんな彼女に懐かれ、ひっつかれることで……そんなシェーラにいちいちちゃんと真面目に相手をして、構って、応じることで、本来寡黙なレオナートにも、その掛け合いで妙な愛嬌が生じて、暑苦しいだけじゃない微笑ましさ、ちょっとした隙のような真面目故の可愛らしさ、みたいなものが垣間見えてくるのである。
シェーラって娘が、レオナートという主人公の魅力を引き立ててるんですよねえ。これは、よいコンビなのです。
そして、戦記物といえば群像劇。主人公の傍らには、綺羅星のごとく将星が集まってくるのですが、意外なことに男率結構高め!! ライトノベルの戦記物だとどうしても女性キャラが群がってくるし、そういうのも好きなのですけれど、今作は男臭さと暑苦しさを雄叫びを浴びるように堪能するのがもっぱらの楽しみ方じゃあないですか。やっぱり、男同士の揺るぎない友情というのはいいものなんですよ。親友の危機に、助けに来たぞ、なんて野暮なことは言わず当たり前のように、叛逆の疑いを欠けられた友のもとに馳せ参じる。この情熱的な自然体の素晴らしきかな。
やっぱり、戦記物の主人公は情の厚い人の方が読んでいて痛快なんですよね。強さや能力で人を引っ張る以上に、その情の厚さ、熱さ、篤さに周りの人たちが惹かれ、集っていく話が好きなんだよなあ。

ちょっと残念だったのは第二王子の体たらくよりも、その黒幕だった公爵の方ですか。凄い大物感があったにも関わらず、のあの結末でしたからね。この手の黒幕は非常にしぶとく、前になかなか出てこないことで逆に手の出しづらいところから政治的戦略的デバフをかけ続けてくるからこそ、恐ろしいキャラになるだけに描かれていたポテンシャルの割に不用意だったんじゃないかな、と。いささか、倒した時のカタルシスがその分弱くなってしまった気がします。
とはいえ、この程度はただの前座か。どうも後ろにはもっとえげつない相手が控えているようですし、物語としてはレオナートの旗揚げがはじまったばかりですし、本格的に物語が動き出すであろうこれからが非常に楽しみな期待の新シリーズであります。

あわむら赤光作品感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 15 ★★★★   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 15 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 15】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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石動が校長となって初めて迎える新学年。戦力増強のため刷新された学園システムの目玉『学内総当たりリーグ戦』も大詰め! その優勝者には、ランクA昇格を賭けた石動校長への挑戦権が与えられる。
果たして、舞台に立つのは、
「邪魔はしないでよ、モモ先輩! 」
「サツキこそ足引っ張るなってば」
サツキ&春鹿の現・学園最強白鉄コンビ! それぞれ諸葉の教えを胸に、不撓不屈の精神で遥かなる高みを目指す!
だがその裏でヂーシンが石動に接近。ひたむきに強さを希求する男が闇の中で交わした『契約』とは?

「――僕は灰村君を越えたい」

届け、邪を払う刹那の閃き!!
信念と友情が燃える、疾風迅雷の学園ソード&ソーサリィ第15弾!!
石動先輩、かっけえなあもう!! 当初から闇堕ちしそうな気配をプンプンと漂わせながら、それでも鋼の意志と生真面目さ、一本気通った性格と克己心で踏みとどまり、真っ当な努力を持って成長を続けていた石動さん。しかし、並のAランクでは足元にも及ばない強者となりながら、超越者の壁は厚く高く、彼は何度も無様に這いつくばり、勝者から見下されながら血反吐を吐くような悔しさに咽びながら、無力に涙することになる。
そう、誰にも慕われ、信頼され、諸葉からも絶大な敬意を寄せられている石動先輩は、無残な敗北者であり続けていたのだ。
彼の強さへの希求は飢餓感に等しいもので、度重なる敗北と大きな強さの壁の存在は、求道者的な在り方ゆえに余計に彼を追い込んでいく。
そう、ここであっさりと闇堕ちしてしまうのなら、所詮石動さんもそれまでの人……というには、今までずっとかっこよくそれ以上に気持ちの良い人であり続けていたので、いつか絶対に来る展開だったとはいえ、どうなってしまうのかとハラハラしていたのですが……。
参った、この人は想像以上の人だった。まだまだ、全然分かっていなかったよ。なんて欲張りで、皆の信頼を裏切らない人なんだ。友人である丈弦先輩のほうがやっぱりこの人のことをわかってたよ。
まさか悪魔の誘惑に乗ってしまい強くなるためなら手段を選ばない! としながらも、だがそうやって得た強さをどう使うかはこっちの勝手だ! とばかりにパワーアップするだけして、力さえ得ればお前は用無しだ、とばかりに動いてしまうとは思わなかった。ってか、そのやり口は普通悪者サイドのやり方ですから。裏切り者とか反逆の弟子の行動パターンですから!!
これを主人公サイドでまんまとやってしまう人がいるとは、この展開は想像の埒外だったよ!
普通の闇堕ちする人は、強さを得るために他のすべてを捨ててしまい、自らが強くなりたいと思った理由を見失って、暴走或いは悪の手駒になってしまうというパターンなのだけれど、この石動先輩という人はもうこれだけ強さを渇望しながら、どうして強さを欲するか、の部分に関しては巌のごとく頑なに揺るぎなく見失わないんですよね。だからこそ、強くなるために手段を選ばなくても、道は見失わない。
いや、カッコいいですわ。これほどがむしゃらに、常人の壁を努力で突き破った人は滅多ないですよ。マジカッコいいですわ。
それでも、S級であるジーシンの壁はまだ厚かったのですけれど、今までと同じように打ちのめされ、地面に這いつくばらされながら、今までと違い今度はついに自らの力で立ち上がり、自らの力で届かないはずの敵に拳を届かすことが叶った。あれほど明確に、壁を突き破った瞬間が描かれたことがあっただろうか。
シリーズ15巻という長きに渡る積み重ねがあったからこそ感慨深い、そこで描かれ続けた石動先輩の葛藤と慟哭がついに報われた瞬間である。そして何より、常人の側であった人がついに超人の域へ努力と意思の力で到達した瞬間である。名実ともに、石動先輩は諸葉たちと同じステージへ這い上がってみせたのだ。
もうね、カッコいいですわ。男惚れですわー。
この人の凄いところは、あれだけ強さを求めながら、その求める強さを持っている人に対して一切嫉妬しようとしなかったところなんでしょうね。悔しく思い続けながら、しかし妬ましくは思わなかった。その高みに至りたいと願いながら、その高みに居る人を自分と同じ位置に引きずり下ろしたいと思うことはなかったのである。
ただただ、自分がその高みたるステージに上がりたかった。そこに居る人に憧れた。これぞ、求道者というものだったんでしょうなあ。

そして、彼のそんな克己心は彼ほど凄まじくはなくとも、彼の後輩たちに着実に伝わり、感化し続けている。春鹿の成長しかり、サツキのあの悔し涙もまた然り。
主人公たる諸葉の圧倒的な存在による牽引だけでは、ここまで学園全体の雰囲気が向上したりはしなかったでしょう。強すぎる彼におんぶに抱っこになってしまい、さて他の生徒たちが果たして戦力となり得たか。
まー、なんにせよ今回ばかりは石動先輩オンステージの主人公回と言わざるをえないでしょう。もうこの人が全部持ってっちゃったもんなあ。どうやら、石動先輩の戦い、彼の得た能力を目の当たりにしたことをきっかけに、ある意味頭打ちだったレーシャも、どうやらヒントを得てパワーアップフラグが立ったみたいですし。
相手方は強力だけれど、静乃がマジモード入ったのも含めて、味方サイドの底上げがだいぶ叶ってきた感じだなあ。
にしても、静乃さん、びっくりするくらいサツキと打ち解けだしたなあ。打ち解けたというより、甘やかしだしたというか、可愛がりだしたというか。弄り方にラブが感じられるようになってきたぞw

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 14 ★★★★  

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 14 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 14】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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"いざ、剣と魔術の乱舞。日本支局攻防戦!!

「ただいま、エリカ叔母さん」
春休みに入った亜鐘学園を後にし、久々に実家に帰省した諸葉。マヤ&レーシャ同伴の家族団欒や、静乃の祖父から「彼氏の呼び出し」を受けるなど束の間の休暇を味わう。
だがその陰で、六翼会議が次なる一手に動きはじめる――日本支部長駿河安東の拉致。白騎士機関最大の急所を狙い、遂に《炎王》熾場自らが作戦の渦中に現れた。
迎え撃つは日・仏連合の最強チーム!
かつて敵対した二国が手を取り合い、奇策、鬼謀、超次元の防衛戦を繰り広げる。
綴れ、常識を突き破りし連理の秘術!!
剣と炎が入り乱れる緊迫の学園ソード&ソーサリィ第14弾!!"
そういえば諸葉の叔父さんと叔母さん、ずっと諸葉の話には出てきていたものの、実際に登場した事がなかったのか。
そりゃあ、諸葉をこれだけ出来た子に育てた人たちなのだから、立派な人たちなんだろうとは思ってたけれど……叔母さんが外人だってのは予想外すぎるよ!! この二人の来歴については作中では一切話題にはのぼらなかったのだけれど、多分裏設定、というか二人の半生の激動のストーリーみたいなのがちゃんとあるんだろうなあ。決して裕福な暮らしではない、というのは普通の日本人の夫婦ならそういう事もあるんだろうな、と思うだけなんだけれど、片割れが外国人だとよっぽどの紆余曲折の末にここに落ち着いたんじゃないだろうか、と想像が羽ばたいてしまう。まあ過去はどうあれ、今はただの一般人。そして諸葉によっては尊敬する叔父夫婦であるだけなのだけれど。
しかし、最初に親代わりの叔父夫婦の元に連れていったのが、いつもの二人じゃなくてまーやとレーシャの二人だったというのはなかなかの変化球である。でも、レーシャは特に、ナチュラルに場を和ませてくれる存在なので、こういう日常パートではけっこう重宝するんですよねえ。どんな相手でもレーシャは弄りやすいというか。サツキや静乃だと、このケースだと諸葉の親代わりの面前だと色々と畏まっちゃうし、意識し過ぎちゃう場面であろうから、家族の団らんという意味では自然体のまーやとレーシャの方が、馴染むんですよね。諸葉も、久々の帰省ということでリラックスしたいところだったでしょうし。

さて、肝心の六翼会議との抗争だけれど、事此処に至っても未だアドバンテージは向こうに持って行かれたまんまかー。まーやの覚醒など、着実に相手に奪われた主導権を取り返すための手は打ってるのだけれど、それでも追っつかないのはそれだけ相手が上手なんだろうけれど、それでも苦しいなあ。
ぶっちゃけ、今の白騎士機関って中国の師父は前線に立てないしアメリカも戦闘向きじゃなし。ぶっちゃけ、諸葉とエドワードとシャルルの三人で何とかしないと行けなかったわけで、ここでシャルルが痛手を受けたのはちょっと辛すぎる。六翼のうち一人も落とせてない、というのもなあ。よっぽどの大逆転劇が待っていないと、この展開はストレスが溜まるばかりですよ。
そして、目に見える形で白騎士機関と六翼会議がぶつかり合う一方で、のそりと鎌首をもたげるようにどうやら本筋の、本当の黒幕が浮上してきたじゃありませんか。なるほど、熾場さんが敵のボスというには、理性的だし突き抜けた感じがしなかったのはこういうことだったのか。

にしても、あのシャルルの面倒臭さはむしろ仲良くなってきた時のほうがより一層面倒くさいんじゃないだろうか。諸葉、いい加減慣れたのかと思ったら、まだ自在にあしらえるほどではなかったか。いや、可哀想だからもうちょっとかまってあげなよ、というのは他人事だからか。フランス支部のシャルルの部下たちが、慣れきった様子でシャルルを弄って遊んでいるのを見ると、慣れたら扱いやすい人なんだろうなあ、とは思うんだけれど。あれで、食事に誘われて実はめっちゃ嬉しがってた、とかわかんねえよ! 可愛げの塊みたいな人ではあるんだけれど、やっぱり面倒くさいよ!!

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13 4   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 13】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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亜鐘学園にも卒業式の日が訪れた。
実戦部隊の次期隊長も決まり、敬愛する先輩たちが旅立っていく朝に諸葉が思い出す記憶とは――

「大人しく性欲の餌食になれぃ!」
斎子と真夏のセクハラ海水浴!

「モロハ、遠慮なく揉むのデース」
ソフィの大胆すぎる勘違い?

「兄様、もう脱げないよぉ……」
「諸葉の全裸は私が守る」
女子寮騒然の脱衣ポーカー大会開催で諸葉の貞操が大ピンチ!!

心拍数ドキドキの肌色シチュエーション満載な嬉しすぎる大騒動♪

一方、遠くロシアの地にも勇気ある別れの星が瞬いた。

めくるめく展開に興奮必至の学園ソード&ソーサリィ、危険な第13弾!!
久々に見たなあ、こんな酷い表紙絵(苦笑 いや、男の尻が揉まれてるジャケットデザインとか見たこと無いから久々どころじゃないかもしれない。

というわけで、石動先輩たち三年生の卒業に合わせていくつかのエピソードを盛り込んだ短篇集。12巻と次の巻を繋ぐ幕間回でもあります。石動隊長たち三年生が抜けることで、実戦部隊も新体制を迎えることになるのだけれど、Aランクの石動隊長を始めとして実力を持つメンバーの多くが三年生に偏っていたために、彼らがごっそり抜けるのはかなり不安だったんですよね。静乃とサツキ、そして春鹿先輩を除くとCランクすら殆どいない本当に心もとないメンバーだけに、諸葉に頼り切りになってしまうのではないか、と。
そこの懸念は三年生諸氏も共有していたようで、石動隊長の後任となる新隊長の人選は、ある意味すごく納得でした。思えば、登場当初から人の上に立つべき資質は折々に触れて示してましたもんね。あれだけお調子者でやかましく鬱陶しい人間にも関わらず、メンタルのブレの無さはもしかしたら石動隊長よりも頑強かもしれないし、周りのこともよく見ているし、諸葉に対しても一切特別扱いせずに最初から先輩風吹かしてましたからねえ。諸葉に対して一貫して色眼鏡で見ないで、ちゃんと後輩として接してたのって実はこの人くらいなんじゃないだろうか。あれだけ突出していた諸葉が、あっさり実戦部隊に馴染んだのってこの人のお陰、という面は間違いなくある、と思われ。
普段は馬鹿ばっかりして迷惑かけまくるだろう人だけれど、肝心なときにはすごく頼もしいんじゃないだろうか。石動隊長みたいに全力で引っ張るタイプじゃないけれど、むしろこういう支えなきゃ、こっちがちゃんとしないと何やらかすかわからねえ、というアホな隊長の方が今の弱小メンバーは奮起しそう。
さつきは、まあ確かにもう一年。ちゃんと最上級生になってからだなあ。この娘も上にたったら良いリーダーになりそうだけれど。


「鬼副長の甘いワナ」
なんで、こんな女として終わってるというかエロオヤジをこじらせているような人が、見てくれは美人なんだろう。というわけで、斎子副長の鬼畜さを諸葉、これでもかと味わうの回。いったい何をどう育てたら、こんな酷いセクハラ親父に成長してしまうのか深刻に首を傾げたくなる。母親の方はわりと厳格でまともな人っぽいのに。やはり、セイバーらしく前世の影響なんだろうか。かわいそうに。
まあ、これに目をつけられて絡まれる諸葉の方が明らかにかわいそうなんですけれど。こんな中身ゲス親父な女性の生肉に思わず興奮してしまった諸葉の敗北感は想像するに余りある。


「アメリカ娘のミステイク」
ソフィア先輩の場合、ほぼ天然百%なのが恐ろしい。この人も最初の方はもっと色々と含みをもたせた怪しげな一面を持ったキャラクターだと思ってたんだけれどなあ。むしろ逆に、これ以上なくあけっぴろげな人過ぎて、うんこれは幾らなんでも無防備すぎる。
今回の短篇集は、諸葉も年頃の男の子なのだよ、というシャイというか初心な一面がけっこう垣間見えてよかったんですねえ。まあ、彼の場合このたぐいの主人公としては珍しいくらい、一貫して親しみやすいキャラなんですけれど。


「春鹿と斎子の放課後クッキング勝負」
……春鹿先輩、ちょっと追い込みすごすぎじゃないですか? 周回遅れ呼ばわりされたこの人ですけれど、ひたすら脳筋方向に突っ走っているさつきに、もったいぶりすぎて押しどころを見失ってる静乃、ある種の沼にハマってしまって遠いところに行ってしまったエレーナ、とヒロインとしてはなぜか残念な方向に迷走している他のヒロイン衆に対して、春鹿だけは着実に女子力あげてヒロインとしての徳を積み重ねてるんですよね。今回なんか、ついに諸葉の胃袋を掴んじゃいましたよ。もはや周回遅れどころか、追い越してないかこれ?


「宗谷真奈子の好き嫌い」
うわー、すごく面倒くさいタイプの女性にも関わらず、むしろそれがいい、というところまで至っちゃってる丈弦先輩、ガチでべた惚れじゃあないですか。この先輩、スマートな人柄だけにこっそり付き合ってるといっても、もっと余裕あるのかと思ってたんだけれど、デートの様子なんか見てたらいっぱいいっぱいにも程がある。ちょっと好きすぎだろう(笑
それにしても、デートでばったり、というシチュは一緒にも関わらず、諸葉の痒いところにまで行き届いたフォロー含みの可愛い後輩っぷりと、悪魔の様なさつきの所業の格差には笑ってしまった。いや、本当に無邪気に酷いな、さつき。これは殴りたいww


「サツキと斎子の女子寮ポーカー勝負」
これ、最後までサツキが負けてたら諸葉、斎子先輩にいったいどこまでされてたんだろう。鬼畜系エロゲの陵辱もかくや、というレベルにまで至ってたんじゃないだろうか。なにそれみたいw
ともあれ、無事人生終了していたのは間違いなし。サツキの豪運なのにポーカーフェイスが一切出来ない、という凄まじい弱さはちょっとおもしろすぎるでしょう。これで自分が弱い、という自覚があるならまだしも、あれだけ負け続けているにも関わらず、まったく揺らがないあの自信はどこから来るのか。この娘のアホさ加減も留まるところを知らないなあ。そこが可愛くもあるんだけれど、そこにヒロインとして、という冠がつくかどうかは微妙。
しかし、これビジュアル的にみたら凄まじい展開ですよね。作者、なんかネジ外れた?


「血戦 エカテリンブルグ」
12巻の衝撃のラストからどうなったのか、に合わせて雷帝が諸葉に敗れたあと、どうなっていたかについてもこの話で語られるのですが……そうだよなあ。雷帝がこれまでやってきた事がチャラになるわけじゃないんですよね。彼女の心を挫いたところでそのまま放置、というのは雷帝当人とロシアの人たちにとってそれはそれで厳しい処置だったと思うんですよね。自分たちで、これまでのことの精算と今後のことについて考えやってかなければいけなかったわけですから。
その中で、カティアはよくやっていたしこのまま行けば、ある程度は成果と安定は掴んでいたんだろうとは思うんだけれど、ヴァシリーサについてはどこまで助けられていただろうか。
彼女のへこみっぷりはちょっと予想外でしたけれどね。思うところはあったんだろうけれど、むしろだからこそ余計に立ち直れなかったんだろうなあ。自分だけのことなら、折れたものを鍛え直すことも出来たかもしれないけれど、彼女は前世も今世も王として在り、彼女なりに責任感を以って統治を行っていただけに、取り返しのつかないものに関してちゃんと理解し、受け止めていたわけだ。本当にただの暴君だったなら、あっさりと心いれかえられたのかもしれないけれど。
それこそやり直すには、もう一度生まれ変わらなければならないのかもしれない。


「エピローグ」
なるほど、そう来たか、と頷くばかりのラスト。そうだよなあ、この作品の主人公の一人である石動隊長を、このまま卒業、異動という形で物語の最前線から離すのはありえないですよねえ。
幸いにして、前任者が図らずも居なくなってしまったこともあり、この配置は大いにあり、かと。いや、本当に三年生全部抜けてそのままだったら、さすがにヤバかったもんなあ。


シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》12 3   

聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》12 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》12】 あわむら赤光/ refeia GA文庫

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諸葉不在の学園を襲う、招かれざる悪魔ども――亜鐘学園実戦部隊の総力をもって、絶望的状況を覆せ!!

「発表しまーす。今日、この学校は」
「オレたちの手で滅ぼすと決めた!」
諸葉不在の亜鐘学園を襲う未曾有の危機。反・救世主を唱える六翼会議の熾場亮が暗躍し、レナードとルイーズ、そしてヂーシンまでもが、学園壊滅の嵐を巻き起こす!
対抗するのはサツキ、静乃をはじめとした実戦部隊の精鋭たち。絶望的危機下にあって、誰もが命と全力を賭して立ち向かう。心は一つ、諸葉の帰還をひたすらに信じて……!

「皆のことはこのあたしが守ーる!!」
「夫の留守を守るのは妻の務めよ?」

招かれざる悪魔どもの来訪に、一致団結で立ち向かえ!
若き総力結集の防衛戦に挑む、超最強学園ソード&ソーサリィ第12弾!!
諸葉が居ない中での、残された亜鐘学園の生徒たちの激闘。六翼会議のメンバーの実力たるや如何なるものか、と思ってたんだけれど、なるほどなあ。如実にSクラス未満Aクラス以上、というあたりになるのね。ぶっちゃけ、諸葉を除いてもSクラスとAクラスには隔絶した差がありすぎて……ちょうどこの中間クラスが存在しないんですよね。その意味では、六翼会議のだいたいのメンバーはこの中間クラスにあたるわけか。新たに加わったヂーシンと、ロシアの雷帝はSクラスの一番下あたり。逆に石動隊長は限りなくAクラスの頂点に近いところまで実力を引き上げている、にも関わらず、隊長はどうしてももう一歩届かずに悔しい思いをし続けてるのが、辛いなあ。
かつて、ヂーシンにまるで歯が立たなかったのもさることながら、今回Sクラスに至らないであろうレナードにも一対一では伍しきれず、地べたを這うことになったのは悔しいことこの上ないだろう。隊長も、どんどん強くなっているにも関わらず、これだけ敗戦を重ねてしまっているのは、読んでいるこっちも辛いです。もっと報われて欲しいし、これだけ負け続けてしまうとどれだけ精神的に強靭な隊長でもどこかで悪堕ちしちゃうんじゃないか、という不安がつきまとってしまいます。ヂーシンに負けた後も危惧してたんだけれど、そんな不安を吹き飛ばすように揺るぎなく正道を歩み続けてくれて、隊長は大丈夫、と一度は安心したものですが、そこから勝利を得るのではなくさらに敗北を重ねてしまう展開になるとなあ……実際怖い。
伸び悩んでいるわけでもなく、レナードも絶賛しているようにその実力は着実にAクラスを超えつつあるわけですし、今回の防衛戦では戦線を支えきったMVPだと思うのですけれど、結果として勝ててない以上、隊長としても納得出来ないでしょうし。
意外と今回の戦い、身内側でも明暗分かれたような感じで、株をあげたのが副長の神崎とやはりサツキになるのか。そしてモモ先輩。神崎副長、本気でただの変態だと思ってたら、ここまで前線指揮官としての指揮能力に秀でているとは思いませんでした。これって、ログ・ホライズンのシロエばりの全力管制戦闘だわなあ。
モモ先輩は、というとこの人はBクラスというのが不思議になるくらいの活躍で。同時に、自分の限界の向こう側を、敵であるレナードに見出したことで、スピードタイプとしての進化の手応えを得てるんですよね。自分が進むべき道の具体例が、敵とはいえはっきりとそこに見いだせたわけで、手探りのママ進むよりもよほど進捗は早くなるでしょう。
そして、ひたむきに努力し続けた結果、それに見合う順調な成長を見せたサツキ。この娘に関しては、余計な業とか小細工抜きで、ひたすら脇目もふらず基礎工事で土台を鍛えてたらその分、想像を絶する超巨大建造物が出来そうな超巨大基礎が出来てました、みたいなノリで、どこまで底が抜けるのか楽しみになってきた。器の大きさの限界が見えない、という意味ではもしかしたらすでに訳の分からないことになっている諸葉よりっも、サツキの方がおっかないことになりそうで、ちょっとワクワクしている。

一方で、努力不足が露呈してしまったのが、静乃なんでしょう。ストイックなくらいに強さを探求している隊長や、努力を欠かさないサツキに迷いながらも進み続けるモモ先輩なんかに対して、静乃は実力を伏せるなんて悠長な真似をしている間に随分と置いてけぼりをくらってたんですなあ。神崎先輩のあの一言は厳しかった。昼行灯を気取ってやるべきことを怠っている者が、いざという時に限界を突破した何かを掴めるのか、というとそんなわけがなく、そんなはずがなく。今回、物語の流れというか回転からして、諸葉不在の中で静乃が大活躍しそうな順番だったと思うんですよ。あらすじでも、それっぽいことを匂わせていますし。ところが、実際はというと戦力のひとりとして相応の働きはしたものの、目立った活躍があったかというとお世辞にも秀でたところがあったわけではなく、肝心な所で実力不足を露呈してしまった感すらある。なかなか、厳しい展開じゃあないですか。
出来ないものは出来ない、という厳然たる現実は、マーヤについてもおんなじで。アニメでは彼女、あっさりと再現成功させていた校長の固有秘法を、しかしどれだけ頑張っても、泣き叫びながら振り絞っても何も成せなかったわけで。この作品って、諸葉がそれこそなんでもやってのける完璧超人なんでそっちに目が行きますけれど、意外と出来る出来ないの厳然たる区分け。やるべきことをしっかりやっている人としていない人に対する正当な結果、が結構如実に描かれてるんですよねえ。だからこそ、その境界線上で足掻いている、石動隊長以下の主人公以外のメンバーの活躍がしっかりと輝く作品になっていると思うんですけれど。

さて、ラストで最近おとなしかったロシア支部がどえらいことになってますけれど、ロシアの雷帝の今後が問われる展開でもあるなあ、これ。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》 11 3   

聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》11 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》 11】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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諸葉に迫る、刺激的な誘惑の数々! そして現世最高の発明家《工廠》アーリン=ハイバリー、遂に登場!! だけどその正体は……? ソフィアとも緊急密着するアメリカ編の第11弾!!

「ウチを救えるのハ君しかいないんダ」
アメリカ支部長アーリンたっての願いで、ソフィアと共に渡米することになった諸葉。果たしてそこでは――
「NYの夜を一緒に満喫しないか?」
なぜかアメリカ美女たちによる、刺激的な誘惑に次ぐ誘惑が待っていた!
手段を選ばぬ引き抜き工作をしかけてくる彼女たち。だが「家族愛」を重んじるアメリカ支部の真意を知った時、 諸葉は彼女たちの為、誰にも為すことのできぬ戦いへと自ら身を投じる――

放て、想いを束ねし必中の超撃!!

魅惑のお姉様たちと行く真冬のニューヨーク縦横無尽、オトナのレクチャー満載な旅情譚!
ソフィアたちと心も身体も緊急密着する、超最強学園ソード&ソーサリィ第11弾!!
あれ? 何この地味目の新キャラ。と、思ったら、この娘がアメリカ支部長なの!? え? アメリカ支部長って女だったの!? 何を勘違いしていたのか、自分、アメリカ支部長ってドワーフみたいなオッサンなんだと思い込んでました。なんでそんな風に思ってたんだろう。以前から、アメリカ支部だけは各支部の勢力争いから距離を置いているというか、アーリンが戦闘向きじゃないクリエイターかアーティスト気質の人で俗世に関心がないみたいな話で、今まで殆どスポットが当たっていなかったから、というのもあるんでしょうけれど。
しかし、前々からアメリカ支部の大人しさというか、自己主張の薄さは気になってたんですよね。だって、アメリカですよ。あの派手で目立ちたがり屋で、というのは偏見かもしれませんが、とにかく前に出たがるアメリカさんがなんとも大人しいのは不思議な感じだったのですが、今回諸葉がアメリカ支部に招かれて現地に赴くことで、その様子を目の当たりにすることが出来たわけで……いやいや、なるほどなあ。アメリカらしくない、と思っていましたけれど、アーリンの元に集うこのアメリカ支部という組織は、これはこれでアメリカらしいの一つの側面とも言えるのかもしれない。
あの大国意識剥き出しの傲慢な、しかし頼もしくも強い「アメリカ」というのはやっぱり、アメリカ合衆国の政府(ガバメント)としての、国家としてのそれであるわけで、しかしアメリカ支部はアーリンの意向と努力もあってか国からの干渉を徹底的に配した独立性を保っている。それが、大きなマクロとしてのアメリカではなく、ミクロなアメリカの精神性を体現してる感じなんですよね。ステイツとしてのアメリカじゃなくて、ファミリーとしてのアメリカ、とでも言うのか。アーリンが、組織への束縛を極端に忌避しているのも、そのあたりが大きいのでは。
結果として、面白いことにアメリカ支部は他の5つの支部と比べても極端に組織色が薄い集団になってるんですよね。これだけミニマムな集団で、よくあの広大なアメリカ大陸の防衛を賄えているものだ、と思う所なんだけれど、組織色が薄いのとは逆にチームとしての連携力は素晴らしく高いように、フットワーク軽いんだろうなあ。
なんか、よく知っているアメリカを、違う立ち位置から見たような新鮮なアメリカ感がなかなか楽しいお話でした。気分的にも、諸葉のアメリカ旅行編というか、ホームステイ編みたいな感じでしたし。
アーリン支部長も、もっと腹に一物抱えているタイプなのかと思っていただけに、本当に純粋に芸術家肌の、しかし真摯に身内の事を思いやるファミリーの長らしい人だったのは良い誤算でした。これで、本当に裏でなんぞ画策してそうな黒幕っぽいのって、日本の支部長だけになっちゃったじゃないですか。他はイギリスのエドワードも、フランスのシャルルも、中国の老師も、ロシアの雷帝もほぼ諸手を挙げての灰村派になっちゃってたところに、トドメでアメリカも支部丸ごと諸葉サイドになっちゃいましたしねえ、これ。
今回のアメリカでの魔神級の出現予知の、どうも情報がわざと後出しされてたんじゃないか、というようなタイミングとか見ても、どうも日本支部長がわざとやってるんじゃないか、という向きがありましたし、こりゃ獅子身中の虫はやっぱり日本の方になりそうか。
実際、諸葉がアメリカ行ってるタイミングで、日本でラストにあれですもんね。完全に陽動だ。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>10 4   

聖剣使いの禁呪詠唱《ワールドブレイク》10 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>10】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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聖夜を焦がす《悪魔》の火を斬りはらえ!!

亜鐘学園ですごすクリスマス!! だが、謎めく「六翼会議」の魔手はささやかな平穏を脅かす。絶好調、超王道学園ソード&ソーサリィ、堂々第10弾!!

亜鐘学園でむかえる初めてのクリスマス。諸葉はサツキたちへのプレゼントを選ぶべく町へ繰りだす。かつて会った不思議な女性・ネリーこと宇佐子との再会や、信頼しあう少女たちとのにぎやかな夜。諸葉はかけがえのない冬を満喫する。
だが、そんな平穏を打ち砕くように、凶暴な異端者が急襲。諸葉への執拗な敵意をぶつける謎の敵に対し、市街地での迎撃戦を緊急展開! その戦いの果てにたどりついた場所で、諸葉はあの禁じられたもう一人のランクS――《背教者》熾場亮と二度目の邂逅を果たす。

激熱、諸葉VS炎王!! 『六翼会議』の謎めく陰謀と悪魔の灼熱を斬りはらう、超最強バトル第10弾!!
今回の主役は何と言っても石動隊長すぎるでしょう。いや、考えてみれば前々から石動隊長は裏の主人公的に扱われていた気もする。折々に触れて、石動隊長はスポットあたってましたもんね。最近は特に、中国のレベルSとの戦い、先の英仏日の共同作戦における同じ日本のランクAたちとの対面など、石動隊長が歩んでいく道が刻々と描写され続けていましたし。その上で、今回のあの石動弟の末路。皆が楽しく過ごしているクリスマスの夜に、一人失踪した弟を探し続ける彼の姿に感じる苦味を何と表現したら良いものか。
その姿はカッコ良いとは決して言えない苦しさに塗れているのだけれど、諸葉のような快男児とは裏腹の鬱々としたものを抱え込んでいる陰鬱とすら言っていいだろう男なのだけれど、この人の石を咥え、石を括りつけ、石を引きずるようにして、それでもひたすらに前に進み続ける姿には、憧れや敬意に近いものを感じてしまう。強さ、カッコよさ、痛快さなら、ランクSの怪物たちがはるかに上回るだろう。それでも、人として仰ぎ見てしまうのは、こういう地を這い続けている人なのだろう。諸葉が、同じランクSの面々とは対等に渡り合いながら、石動隊長に関しては一貫して尊敬し続けてるのもよく分かる。
これほどの人が血を吐くように目指し続けているからこそ、ランクSというものに重みを感じるという部分もあるんじゃないかと思うくらいに。だからこそ、あのランクSの重みをわかっていないだろう輩が敵に回ってくれたのは僥倖ですらあると思うのだ。石動隊長にとっての、乗り越えるべき壁がそそり立ってくれたのだか。
弟は嗤ったが、今なら信じることが出来る。この人は、きっとその高みへと至るに違いない。その日がくるのが楽しみである。

いわゆる六翼会議による宣戦布告編となるのだろうけれど、その首領格である熾場亮の過去が語れる事で、かつての異端者との戦いがどれほど理不尽で凄惨なものであったか、それを踏まえてどれほど先人の努力があって今の体制が整えられたのかが明らかになり、一方的に熾場亮たち一党が邪悪と言い切れないだろう下地は敷かれたわけだけれど、さてどう折り合いをつけていくのか。ネリーはまず悪い人じゃないし、多分恐らく、でも間違いなくあれの正体であるあの人も、実は悪い人でしたって事もなさそうだし。
でも、割り切れない争いを、しかし悩み苦しみ迷った果てにスッキリ痛快に描くことは、作者のあわむらさんは前前作のデビューシリーズ【無限のリンケージ】でしっかりやってくれているので、そのあたりは心配していないのであります。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>94   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 9 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>9】 あわむら赤光/ refeia  GA文庫

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日英仏三大ランクS合同の大規模作戦決行!!

謎に包まれていた異端者発生地の特定に成功した白騎士機関。これを叩くべく、日英仏の三支部合同による史上最大の作戦が敢行される。

諸葉、エドワード、シャルルの三大ランクS、さらに初めてその姿を現した中国支部長・迭戈が一同に会し《群体要塞級》攻略の糸口を模索する。作戦の核を成す、最難関ミッションを一任される諸葉。気配を殺し、且つ迅速なる隠密行を要求される任務で、諸葉がパートナーに選んだのはなんと――モモ先輩!?
「もうアタシ……逃げないから! 」
往け、超神速のその先へ――!!

新たなる一歩への勇気と覚悟が試される、最大規模の総力バトル勃発な学園ソード&ソーサリィ第9弾!!
モモ先輩、アニメのキービジュアルではレーシャと並んでちゃんとサツキと静乃と同格の所にいるんですよね。静乃は、モモ先輩のことを周回遅れと言って余裕ぶってますけれど、彼女のスピードからすると周回遅れ程度で大丈夫なのかなあ、と。この人、走りだすまではモタモタとなかなか動き出さない人ですけれど、一端動く出したら思い切り良く全力で突っ走る人だからなあ。それは戦闘面だけじゃなく、恋愛関係でも同じなんじゃないかと。一途ですよ、この人。そりゃもう、ぐるぐると変な方向突っ走っているサツキや、微妙に落ち着いちゃってるレーシャと比べても、一度恋を自覚したらひたむきに前進してきそうで、周回遅れ程度じゃ全然遅くないんじゃないかなあ、と。静乃だって、いざとなるとヘタレそうなところあるし、余裕ぶってる場合じゃないですよ。
まあ、影ではちゃくちゃくとマーヤが侵略侵食洗脳を推し進めているので、気がつけばロリが大勝利、という危険性も。事実、若干既に手遅れ気味な事が発覚してますしw
しかし、この英仏との合同作戦という大舞台で、モモ先輩を引っ張ってくるとは思わなかった。彼女のポディションからして、ヒロインとして扱われるにしても、日常回を含めて、もっと余裕のある所で着々と彼女の実力や関係を積み立てて、という形になると思っていただけに、この場面でサツキや静乃を差し置いて彼女を持ってくるあたりは、モモ先輩の抜擢はかなり本気だと思われる。
実際、戦闘シーンを見てても、ことバトルの相棒という意味では黒魔の静乃や対人専門のレーシャ、そしてタンクのサツキと比べて、モモ先輩の諸葉との相性は抜群なんですよね。彼女のスピードは、諸葉の万能性に対して応用力が非常に高いのである。勿論、サツキや静乃も状況に寄るんだろうけれど……実はサツキはエドワード、静乃はシャルルの下位互換みたいな節もあり、本気で大物とガチで戦う場合にはエドワードたちと組む方が強そうなんだよなあ(苦笑
これまでの様子を見ていると、サツキは今やストライカーズのメインタンクの一人として、部隊に欠かせない一員となってるけれど、静乃の方は微妙に実力を存分に発揮できるポディションがまだ出来てないみたいなので、彼女の取り扱いどうなるのかは興味深いところなんですよね。

しかし、ストライカーズの石動隊長、前回ルー・ヂーシンに為すすべなく負けてしまったので、精神的に大丈夫か心配していたんだけれど、とりあえず大丈夫そうで安心した。この人、さり気なく闇堕ちしそうなフラグの気配があって心配なんですよねえ。精神的にもタフネスで気持ちのよい人でもあり余裕も懐の広さもバランス感覚も面白みもある人で、簡単に闇堕ちしそうな隙が見当たらないんですが、だからこその危うさがありそうな気もあり、でも逆に真っ当に強くなっていきそうでもあり、どっちにでも振りそうな可能性があって、この人も目が離せないんだよなあ。
やっとこ登場した日本支部のセイバーたちは、案の定イマイチパッとしない人たちで、もうちょい頑張れ、という感じなので、余計に石動隊長含めてストライカーズの面々には期待が膨らむのです。亀吉先輩が変な方向に才能を開眼させてしまったり、丈弦がえらく頼もしいポディションになってたり、とそろそろ副長の斎子さんがパワハラとセクハラしかしてない人みたいに見えてきたので、あんたもちょっと頑張れw

話の方は、要塞級三体との決戦に合わせて、囚われた人たちの潜入救出という、日本だけじゃなく英仏のセイバーたちも総動員したこれまでにない大規模戦闘なのだけれど(AJが荒ぶっておられる!)、色々倒す方法にも順番にも条件がある、というあたりは、大規模レイドバトルを連想させるシステムで面白かった。シャルルもエドワードも、単独自の戦闘スタイルと、パーティーリーダーとしての戦い方はそれぞれいつもとはまた違っているのねえ。
と、派手にバトルが進む一方で、物語はついにこの戦いそのものの核心へと踏み込みだす。ついに、真の敵の正体、その一部が明らかに……。
やっぱり、人間の敵は人間か。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 8 3   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>8 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 8】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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待ちに待った学園祭! だが――

「まーやが一日校長なのです! 」

マヤの職権濫用で、諸葉は恋の噂の真相を直撃取材されることに! そして明かされる、初々しくもうらやましすぎる諸葉の女性遍歴!! 兄の威厳を賭けたサツキとの添い寝合戦! 冷静すぎる静乃が初めて取り乱した、触れてはいけないあの場所とは? さらにモモ先輩との秘密特訓や、レーシャといく亜鐘学園部活動見学ツアー!?

そしてマヤと諸葉の密着24時間はベッドもお風呂もいっしょなのです!?(にぱっ)

束の間の平和を謳歌する、戦士たちの大騒ぎ!
その上まさかのAJ乱入でますます白熱する超最強のヒロインズカーニバル満開な第8弾!!
マヤさんが、幼女のくせに作品屈伸肉食な件について。あんた、静乃なんか目じゃないほどガチの肉食系幼女じゃないですか! 
というわけで、まーやを連れて学園祭巡り、というのを刺身のつまにして、それぞれのヒロインとの1エピソードを綴っていく短編形式。

『「妹」とすごす日曜日』
自称妹のサツキとの一日デート。これ見てると、最初の頃の諸葉の女の子の好みに、サツキがドストライクだった事が改めてよく分かる。だというのに、この自称妹はそのアドバンテージをそいやっ、と投げ捨てて、妹としての関係を押し付けちゃってるんですよね。勿体無い。ここで押せ押せで女の子として接していれば、そのまま転んでしまいそうなくらい、諸葉ってこの頃サツキにドキドキしてるんですよね。今となっては、もう諸葉の意識は「妹」として安定しちゃってるし。自分でチャンス踏みつぶしたんだもんなあ、この娘。アホの子である。
しかし、前世ではサツキ全然強くなかった、というのは前から出ていた情報だったっけ。これは意外だったのだけれど。今では不朽のタンク役として大活躍しているのですが。あれだけ短絡感情型に見えて、リーダーシップ持ちというのも意外。そういえば、石動隊長を除くと指揮官適正持ってる人材が殆どいないんだよなあ。副長は完全にアレだしw

『漆原静乃の逆鱗』
女の子に壁ドンされるって、燃えますね!
面白いのは、攻めっけを欠かさない静乃に対して、案外と諸葉の方も攻めっ気を絶やさないことか。静乃は余裕があるように見えて、押されれば素直に可愛げを見せるタイプでもあるので、ひたすらチョンチョンとつつきあうという、何ちちくりあってるんだ、という関係に見えてしまう二人である。何気に一番いちゃついてるのって、この二人なんだよなあ……と思っていたころもありました。まーや無双を観るまでわ。

『楽しい武活へようこそ』
レーシャのメンタルが豆腐。いや、それは登場当初からわかっていたところだけれど、この放っておけない感は諸葉だけじゃなくて、一般生徒まで共有できるレーシャの愛嬌だったのか、わかる。もはやマスコット化しているような気もするけれど。
それにしても、ここの学園の生徒のキャラの濃さは、ストライカーだけじゃなかったのか。一般生徒まで総じて奇矯じゃないかw

『天使ちゃんとの寮暮らし』
はい、アウト! 諸葉とまーやの禁断のイチャイチャ生活。息をするようにイチャイチャするこの二人。むしろ、意図して無垢を装いながら諸葉にイチャイチャしてもらう幼女の犯罪臭たるや、ちびっ子の方があうと。色々と邪ますぎる! まるで年齢をさげるアイテムだか魔法だかで幼児化して、女子寮に親友して女の子たちに可愛がられてゲヒゲヒほくそ笑むオッサン的な邪まさである。

『Like a whirlwind』
諸葉って、AJと並んで春鹿先輩のこと大好きだよなあ。私も大好きです。こういう、男まさりなくせで負けん気強いのに小動物っぽさを抑えきれないキャラクターとか。女っ気がないと自分で思い込んでいるところが、逆に無防備さにつながってて、健康的にエロいんですよね。一瞬たりとも止まってられないような、いつも走り回っているイメージもあってか、本当に可愛い。

『休日の二人』
AJさん再び! いやあ、この人本当に可愛いなあ。アンジェラさんは、突けば突くほど輝くんだから、エドワードももうちょっと弄ってあげるべきだよね。エドワードは、諸葉やら他のS級はイジるくせに、女性に対してはちと紳士すぎる。その点を鑑みると、諸葉の方が女慣れしている気すらしてくる。いや、実際誑かすの大得意なんですけど、この主人公。
ともあれ、AJさんはあれだけぶきっちょなんですから、自分から前に出ようとすると絶対にずっこける人なんですから、誰かが手伝ってあげないといけんのですねえ。エドワードは、あれ、人付き合いの仕方実は親密になるほど下手くそっぽいし。諸葉も、そろそろエドワードの事、信頼してあげてほしいものです。うざいのはわかるけど。AJのためにも。


というわけで、息抜きを挟んで、日英仏の合同作戦。合同作戦というと、どうしてもいがみ合いとか、利益配分での内部対立とかが挟まってしまうものなんだけれど、今となってはシャルルも諸葉大好きさんになってしまっているので、変な足の引っ張り合いが起こらなさそうな分、素直に燃える展開になってくれたらいいなっと。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 7 4   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 7 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 7】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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囚われの諸葉を救う、少女の覚悟!!
諸葉、拘禁……そして行方が途絶えて――脅威の使い手、ヂーシンが守る難攻不落の館へ挑め!

史上初・魔神級《異端者》との戦いの最中、突如として現れた“中国支部長代理"ルー=ヂーシン。
彼は諸葉こそが《異端者》を生み、操りさえする元凶だとの疑惑を唱える。諸葉は己の潔白を示すべく拘禁処分に敢えて甘んじるのだが――

「臭い物には蓋をすればよいのです」
ヂーシンらの卑劣な企みにより、外界から隔絶された異次元空間『牢獄の魔女の館』に幽閉されてしまう。静乃たちは諸葉を救い出すため、持てる手段を尽くし、難攻不落の館を破る決死の戦いに挑む――!!

綴れ、王佐の魔女の精髄! 不屈の想いが重なりあう、絶対最強の学園ソード&ソーサリィ第7弾!!

「あなたを佐けるのが、私の定めよ」

しょうがないといえばしょうがないのだけれど、石動隊長にはもう少し花を持たせてあげて欲しい。この人が容易に折れる事はないと思うのだけれど、弟という爆弾を抱えているだけにちょっと心配なんですよね。現状において、何の後ろ盾もなく純然たる努力と向上心だけでS級に到達しそうな気配があるのは石動隊長くらいなものだからなおさらに。いやでも、前回はフランス支部のA級を一方的に叩きのめしているので、不憫枠ではないのか。むしろ、現状がちょうどA級のトップクラスよりも上で、しかしS級には届かないくらい、という目安にはなったわけで、ここで挫けず敗北を糧にさらにパワーアップして欲しい。
とはいえ、この等級基準、どうやら単純な戦闘スペックじゃなく、対<異端者>戦にどれだけ有益か、というところにあるそうなので、その意味ではわりと健全な評価基準として機能してるんだなあ。【人喰い】レーシャが以外なほど等級低いままなのは、裏方仕事を負わされていたから正当な評価が伏せられていたと思ってたのだけれど、単純に対人戦特化型だから、だったのね。
ソフト面での運用特化型の能力についても非常に評価が高く設定してある、というのは対<異端者>組織として相応に整備され機能していることがよく分かる。ちゃらんぽらんに見えるエドワードだけど、あれで有能なんだよなあ。
でも、幾ら組織の基本構造がしっかりしていても、中の人間たちがそれに相応しい働きをしなければ、組織なんて機能しないわけで、現状の対<異端者>戦をそっちのけで内輪もめばかりしている状況は、お世辞にも健全とは言いがたい。諸葉が怒ってたように、異端者と戦うよりもS級同士、支部間で争ってばかりだし、権力争いに汲々として、本分を忘れてしまっている連中にも事欠かない。大層に何が救世主(セイヴァー)だ、恥ずかしいと思うのも無理はない。
でも、悪いところばかりに目をやらずに、イイ方に目を向ければ、各国にもちゃんと心ある人たちは居て、決して現状を良しとしているわけでもない。シャルル率いるフランス支部のように、勝手ばかりしている過激派、と見做されていたところだって、前巻の諸葉たちとの対立を通じて、彼らがひたすらがむしゃらに突き進むしかなかった状況に、ひとつのきっかけが訪れたケースもある。さらには、今回の諸葉に対して理不尽な扱いが強いられた件に関しては、組織の膿が目に見える形で湧きだした、という観点で見たら、大きな前進だったと捉えることも出来るだろう。
この作品のいいところは、能力の如何を問わず性格的に小物な輩は、相応の報いを受ける、わりと速攻で、という点ですね。端的にいうと、ムカつく野郎は気持ちよくぶっ飛ばされる、ひどい目にあう、虐げられた方が黙ってやられてない、というところなんでしょう。静乃の悪党な兄ちゃんのように、金と権力持った小悪党として味方サイドで活躍しまくってる稀有な例もありますけれど。あの兄ちゃん、わりと底の浅そうな狡っ辛い権力主義者なのに、上手く手綱握ってる静乃が巧妙なのか、異様に味方として頼もしいんですよね。一方で、底が浅い分万が一ふらふらと敵に回ってもあんまり怖くなさそうだし。面白い。

さて、ひと通り各支部のクラスSと渡り合ったところで、ようやく<異端者>という謎の存在に近づくファクターとなりそうな、或いは真の黒幕と思しき一団と、諸葉は知らず行き会うことになるのですが……、黒幕と行ってもどうやらこっちも悪役ではあっても悪人ではなさそうなのか、それとも良識が通じない相手なのか。シャルルの恋人のありさまを見ると、あれをやらかした相手は絶対悪っぽいんだけれど、今回登場した連中は決して話が通じない相手ではなさそうだったからなあ。とは言え、話が通じても交渉ができるかどうかは怪しいけれど。しかし、田中先生については、信頼していただけに、あの展開はちょっとショックだった。いやまだ、あの連中が敵だと決まったわけじゃないんだけれど、明らかに敵っぽい流れだもんなあ。
一方で、こっちこそ話が全然通じなさそうで、敵対しまくったフランス支部のシャルルは、というと……デレた、デレた、すごいデレたー! なに、シャルルさん、あなたAJをはるかに上回る勢いでこの物語最強のツンデレとして君臨するおつもりか!! クロエの解説が入るようになったことで、あの難儀なシャルルの傍若無人さが異様に可愛らしいツンデレにしか見えなくなったじゃないか!! どんだけ素直になれないんだよ!
でも、これからもそのままのシャルルさんで居てください。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 64   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 6 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 6】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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亜鐘学園実戦部隊VSフランス魔術軍団!!

熾烈なる『組織』対『組織』の総火力戦、勃発!
そして完全覚醒サラティガの真価とは――!?

「貴様が百億なら安いものだ」

ヨーロッパ経済界の大物、ランクSの黒魔――二つの顔をもつ男シャルルから突如スカウトされた諸葉。もちろん諸葉はすぐに辞退。だが、シャルルは不可解な執着をみせる。
古えより連なりし本物の魔術結社《太陽の揺籠》のゴーレム使いたちを動員、諸葉本人ではなく実戦部隊を襲わせたのだ。追い詰められる少年少女たち。しかし、限界を超えた死闘は彼らを新たな段階へと導く――。

組織対組織の総火力戦! 謎めくシャルルの真意。そして完全覚醒サラティガを手にした、諸葉の剣聖技とは?

永遠の絆を刃に変えて、百鬼夜行の魔術師集団に挑む学園ソード&ソーサリィ第6弾!!
やれやれ、困ったもんだ。この作品、読んでるこっちに「カッコイイーーッ!!」と拳握って身悶えさせりゃあイイと思ってるんだぜ? ふん、そんな安々と思惑に乗ると思ってもらっちゃ困りますなぁ……。

かっくえーーっ!!

石動隊長、かっけーーっ!!
丈弦先輩、かっけーーっ!!
そんでもって、シャルルが飛び切りかっくえーーーっ!!

参った、前回の雷帝さんがランクSという割に人間的に非常に残念な人物で、敵としては気持ちよくぶっ飛ばされて蹂躙されてスカッとするタイプだったので、同じく人間的に破綻してそうだったシャルルに対しても、あらすじから予想される自分本位なやり方も相俟って、敬するべき敵としては殆ど期待していなかったのですが、これがどうして。これこそが世界に6人しか居なかったランクSの一人、と呼ぶに相応しいデタラメな力量を見せてくれて、これが格好いいのなんの。戦闘中のセリフがイカしてるんですよね。あれはヴァシリーサみたいなのには絶対言えないセリフだよなあ。生まれ持っての才能や出力に頼りきったものではない、自らの技量を研鑽し研鑽し、その技を業とまで磨き上げ、前人未到の領域へと到達した者だけに許された揺るぎない自負に支えられた最強宣言。
相対している諸葉のテンションが上がりまくるのも、これは仕方ない。諸葉って人間そのものが大好きなだけに、努力を惜しまず自分を高めようとする人はさらに大好きだし、そんな中で生まれる人の可能性の限界を突破したような神業とかには感動しちゃうタイプだもんなあ。それが自分が見たこともない領域の、想像したことすら無い遥か高みの超絶技巧ならば尚更に。その意味では、シャルルのスタイルってもろに諸葉の好みドストライクなんですよね。
シャルルの人品の方も、初対面こそあれだったんで……というかあの性格は難儀すぎるだろう、この人。どれだけ偉そうな俺様なんだ、と思ったら本人悪気はないし、あの様子だと自分では謙虚で控えめだと思い込んでるんじゃないだろうか、あれ。誤解されやすい性格、というよりも誤解しかされない性格だよね、あれ。いやまあ、じゃあどんな人物なんだよ、と言われるともう死ぬほど面倒くさいですが。面倒くさすぎて、色々抉らせてしまった挙句に思い詰め果てて行き着くところまで行き着いてしまった、みたいな。ある意味、超絶真面目なんだよなあ。でも、その面倒臭さが、放っておけなさこそが、周りの人達に慕われ、付き従わせている要因でもあるのでしょう。ただ、その面倒臭さ、頑固さ、愚直さ故の脆さが周囲の側近たちに彼を支え守ろうと思わせた分、諸共道をハズしてしまった、とも言えるんですよね。一緒になって泥をかぶり、悪成す道を往こうとする方へと走ってしまった。この手の面倒くさい人は、真正面から叱り飛ばしてその思い詰めて余裕をなくしてしまっている所に冷静になって考えるだけの余地を生み出させる事が必要なのに、それを怠って、共依存になってしまったのが問題だったのか。多分、それを成すべき役割だったのが、シャルルのパートナーだったフラヴィだったのでしょうけれど、まさにその要を失ってしまったことが拍車をかけてしまったんだろうなあ。その役割を担える可能性を持っていたクロエは、優しくて情が深く良識的だった分、どうもこの人甘やかし体質だったみたいだしw

しかし、思っていた以上にランクS=規格外とランクAの間には大きな断絶がある。あくまでランクAって常識の範疇内なんですよね。諸葉を含めてこれまで出た六頭領の力量を見ると、果たして同じ「救世主(セイバー)」なのかと疑いたくなるくらい。その中で、シャルルのそれが常識の延長線上にある常識外であったことは、決してランクAの人間がランクSへと至るのは、可能性として絶無ではないのだ、という事を示してくれたわけで、その意味でもシャルルって希望の星なんですよね。それを踏まえて、というわけじゃないんだけれど、石動隊長が現状に満足せずに英雄に焦がれる少年のようにひたすらに諸葉の背中を追い続けている姿は胸を打つ。事実として、唯一殆ど彼だけがランクAからSへと至る階段に這い上がろうとしているわけだし。他には静乃が居るくらいか。人喰いの彼女は、力としては突き抜けているけれど、ある意味能力的には至っちゃっている気もするし。その意味では遥か後方にあるとはいえ、サツキもあの急成長っぷりをみると……。
尤も、分かりやすく規格外として存在する七頭領とは違う領域で、規格の外に逸脱している人たちも居るようで。丈弦先輩がまさにそれであり、また田中先生もどうやら思ってた以上に裏が深いご様子で。
ともあれ、石動隊長のカッコよさはぶち抜けてます。あまりに上を見る事に一途すぎて、どうもあの弟に足引っ張られそうなフラグも立ってるんですけれど。弟の方は改心も克己もせずに腐りっぱなしかぁ。

これまである意味、内輪同士での諍いだったのが、ついに単なる怪獣扱いだった<異端者>のもとてつもないのが現れて、しかも……という、次回に繋げるには盛り上がり十分のラストシーン。最後にドーンをイラスト持ってくるのは、気合入ってるのが透けて見えるなあ。
ここからが実は本番だった、というのなら美味しすぎます。アニメ化も相まって、今一番旬なシリーズになってきましたよっと。

シリーズ感想

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 55   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 5】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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『禁呪』VS『禁呪』の歴史的大激突!!

現世最大最凶の魔力《雷帝》ヴァシリーサへ挑め! ロシア支部戦争編、開戦。

「これが俺の戦争だ」

ロシア支部に運命を弄ばれた少女レーシャを救うため、諸葉はひとり日本を離れ、広大な帝国へ殴りこむ。

目指すはランクSの禁呪使い《雷帝》ヴァシリーサ。しかし最悪最凶と謳われる、ロシアの猛者たちが諸葉の前に立ちはだかる! 容赦なき連戦につぐ連戦。入り乱れる絶技と絶技。己の持てる全ての力を駆使し、諸葉は前進し続ける!! そして戦いは決戦の地「エカテリンブルグ」へ――。

『禁呪』と『禁呪』がせめぎ合う、歴史的大激突! 静かな怒りが天を喰らい、世界の形さえ変えていく。
美しき案内人と危険なロシアを往く、バトルカタルシス爆発の学園ソード&ソーサリィ第5弾!!

アンジェラさん、大好きじゃーーー!!

うははは、ヤバイ、やばいやばい、AJさんが好きすぎてもうどうにもタマラナイ!! なにこの人、最高に素敵すぎるんじゃないですか? エドワードの部下で、以前腕試しに襲撃をかけてきた女の人、というのも忘れてたくらいの人だったんだけれど、今回ロシアのヴァシリーサに戦争を仕掛けようという諸葉に、エドワードが案内人として送り込まれてきたAJさん。彼女と二人旅、と相成ったわけですが、これがもう最高の旅だったのでした。ロシアの各地を区管長として収めているヴァシリーサの部下である幹部連中を片っ端から打っ倒していく、という殺伐とした旅のはずなんだけれど、AJさんと諸葉のでこぼこコンビがいい味出しまくってて、なんだかひたすら楽しい気分の旅だったんですよね。というか、AJさんが良いキャラすぎますよ。新ヒロインというのもおこがましい、何というか人間として手放しで好感持てちゃう人なんですよね。エドワードの美人腹心というからには、もっとクールなキャラなのかと思ったら、完全人情系の姐御肌で態度も荒っぽい人だったんだけれど、人の良さが滲み出ちゃってて、どんなキツイ憎まれ口叩かれてもついつい微笑みが浮かんで来ちゃうのである。
諸葉がまたAJさんのこと大好きでねえ。この主人公、わりと人間そのものが大好きなタイプで、どんな相手でも長所を目にとめて好感を覚える人好きする性格なんだけれど、それでもAJさんへの好き好きっぷりはちょっと度を越しているんじゃないか、というほどだったんだけれど……わかる、気持ちわかるよ! AJさんは付き合えば付き合うほど好きになっちゃうよな!! これについては、もしAJさんが男だったとしてもこの好感度天盤は変わらなかったと思う。男とか女とか抜きにして、人間としてAJさんべた惚れよ。
諸葉の立場からしても、AJさんみたいな立ち位置の人って初めてだったんじゃないだろうか。頼れる先輩なんかは石動隊長をはじめとして、決して居ないわけじゃなかったんだけれど、諸葉が年下の男の子として裏表なく甘えられるような人というのは居なかったんですよね。AJさんはそそっかしいし柄は悪いし短気で怒りっぽい事この上ないんだけれど……凄くじゃれつきやすい人なんですよね。邪険にはしても突き放さないし、根本的に面倒見の良い人で、諸葉の凄味を身近で実感しその実力を肌で理解しながらも、いざという時彼を身を挺して守ろうとしてくれた人でもあるわけです。それも諸葉がどれほど強かろうが関係なく、庇護者として、弟を守る姐のように、全身全霊を込めて。
もうねえ、あの諸葉があまりにAJさんを好きすぎた挙句、懐いちゃって懐いちゃって。お前は、元気の有り余った大型犬か、というくらいAJさんにじゃれついちゃってるし。AJさんはAJさんで、ぎゃーぎゃー喚いて叱りつけながらも、満更でもなさそうだし。
今回はエドワードとのお遊びとは違う、ついにランクSと本気で対決するという緊迫の展開だったはずなんだけれど、肝心のヴァシリーサではなく全部AJさんが持ってっちゃいましたよ。完全にAJさん回。
ラストなんか見てたら、諸葉、アンジェラさんに頭上がってないですか。静乃をはじめとするヒロイン衆ですら、アンジェラさんの雷にはタジタジだし、もうこれはアンジェラ姉さんと呼ぶほかナイですねっ!
これほどの人を腹心として懐に抱えているエドワードの偉大さが初めてわかった気がします。
それに比べて、ヴァシリーサは能力とは裏腹にその人格の方は思いっきり欠落、というよりも未熟さが目立つ人物だったようで。正直、あそこまで酷い支配をしていながらあの処置は甘い方だとは思うんですけれど、まあもう立ち直れないくらいにベキベキに心折りまくったからなあ。敵は<異端者>であって、これは所詮身内同士の揉め事に過ぎないわけで、内輪もめで戦力を減らすわけにはいかないし、しょうがないのか。精神的に未成熟であった分、ある程度叩き直すことは出来そうですし。
しかし、ポイントポイントの展開の熱さは、やっぱり素晴らしい。痛快感がパないです。此処ぞという時に、思わず拳をグッと握りしめてしまうような、痒い所に手がとどくような行き届いた、そう望むべき所に望むものが、時にはそれ以上に想像を上回る熱量が降り注ぐようなシーンの数々、いやいや素晴らしいったらありゃしない。
クライマックスの盛り上がりときたら、最高潮もいいところでした。あくまで諸葉が突き抜けた強さを示しつつ、しかしそれ以外の周りを固めるキャラたちがまた活き活きとして活躍を欠かさないんですよね。諸葉の一人舞台にならず、みんながべらぼうにカッコいい。その上で、諸葉が最高にカッコいいという構図は、痛快さにかけては現行のライトノベル見渡しても、最高峰と言っていいんじゃないでしょうか。
こりゃ、この作品弾けるで。

1巻 2巻 3巻 4巻感想

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 44   

聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 4 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 4】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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諸葉を狙う美しき《魔剣》の暗殺者――!!

ロシア支部の刺客・レーシャ襲来! 恐るべき《魔剣》の暗き光と、少女の横顔に見える影……。そして、遂に諸葉の《聖剣》が真の輝きを取り戻す!!
「灰村諸葉は身内に対して非情になれない。それが奴の死を招く――」
ロシア支部の密命を受け、留学生として諸葉の前に現れた美少女・レーシャ。彼女は"人喰い"の異名を持つ、対人戦のエキスパートだった。正体を隠したまま積極的にデートへ誘ってくるレーシャ。だが諸葉は彼女の破天荒なふるまいや、時折見せるひどく物悲しい眼差しに、語られざる残酷な掟を予感する……。

急襲、救世主殺しの救世主! 《魔剣》レプラザンの凶刃を受け止める、覚醒せし《聖剣》サラティガの真なる力とは――!? 美少女暗殺者と命懸けの通学路を行く、緊迫感最高潮の学園ソード&ソーサリィ第四弾!!
諸葉さん、あんたかっこ良すぎるじゃろう!! 一連のレーシャへの対応は元より、何より最後のあの行動でしょう。もう痺れたわー。なんつーかなぁ、この主人公って作中の登場人物たちにしても読者にしても、一番願ってやってほしい、と思っている事をズバンと叩き切るようにやってくれるんですよね。得てして、そういうやってほしい、と言うことは立場やしがらみ、常識や社会秩序、単純な力関係や圧力などからどうしても困難だったり、実行に障害があったりするものであり、それ以前に心理的にも足踏みしてしまうものなんですね。つまるところ、やって欲しいと願いつつも半ば無理だと諦めている。少なくとも、そこにたどり着くためには様々な多岐にわたる準備だとか辻褄合わせだとか、面倒くさい手順が必要になってくる、というのは否応なく理解してしまっているわけである。正義とは、正しくあるほど、善に近いほど身動きが取れなくなってしまうものなのです。
だからこそ……しがらみだのなんだのを全部すっ飛ばして、無視して、叩き潰して、許せないもんは許せないんだ! と正しき怒りを真っ向から理不尽にぶつけてくれることの、なんと痛快なことか。この痺れるようなカタルシスを果たして今どきどれだけ味わえるものか。

滾ったわ!!

いやあ、元々この諸葉くん、いわゆる俺つええ系主人公にも関わらず、肩肘張ってなくてスカした気障ったらしさもなく男女問わず好かれるタイプなんですよね。これだけ突出した力の持ち主なのに、ある種の特別感がなくって自然体なのです。周りの連中からも、気安い扱いを受けていますし、そういった関係を結べる人格の持ち主だったりするのですが、かといってやはり普通からは逸脱してるんですよね。ここぞという時の揺るぎのなさ、自分を持て余しておらず絶大な力そのものを制御下に置いている安定感。それでいて、こぢんまりしておらず荒々しいどこまでも膨れ上がるような雄大さもあって、とにかく頼もしいのなんの。それでいて、あの最後の果断さ、苛烈さ。惚れるわー、惚れ惚れするわー。
レーシャとの接し方も、半ば彼女が暗殺者とわかっていながら一緒に過ごしているのですが、なんていうかホント自然なんですよね。無闇におせっかいでもお人好しでもなく、過剰に何とかしてやろうとか思ってるんじゃなく、あの暗殺者とわかっていながらもそれはそれとして脇においておいて、本気で普通の友達として接してるんですよ、この子。
ロシア側としては、レーシャを身内として受け入れてしまえば諸葉は彼女を攻撃できない、と考えていたようですけれど、はっきり言って諸葉ってそういうレベルじゃないんですよね、これ。このニュアンスは読んでこそ理解できる範疇なんでしょうけれど、尋常じゃないですわ、彼。大物とかいう段階じゃないかも。こういう、よくあるシチュエーションだからこそ、諸葉という人物のパない器の大きさが見えた気がします。

お膳立てとしては、最高のシチュエーションになってきました。これは次回が楽しみすぎる!

1巻 2巻 3巻感想

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 34   

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 3 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 3】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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集団戦&水着まみれの強化合宿スタート!

真夏の海で戦士の休息を満喫♪
そして、諸葉たちの絆を試す超級試練が巻き起こる!

ランクSになろうがどこ吹く風の諸葉。夏休みとなり、サツキや静乃と学園精鋭部隊の強化合宿に参加する。
海水浴、BBQ、花火合戦、そして真夜中の秘密特訓! かけがえのない現世を満喫する諸葉たち。

一方、英国では白騎士機関を統べる《六頭領》が集結し、異例の緊急会議で諸葉の処遇をめぐり大激突。
そんな日本支部長・駿河不在の最悪のタイミングに、規格外の異端者が合宿所近海に出現する。
絶望的な状況下、撤退を命じられる学生たち。問われる、精鋭部隊の意義と意地。
そして、諸葉が下した決断は――

限界を壊し、運命を超えろ!
初の集団戦闘&眩しい水着で魅せる痛快無敵ソード&ソーサリィ第三弾!!
うわぁぁ、格好良いっ! 主人公の諸葉が相変わらず肩肘張らないスマートな性格イケメンなのは当然として、石動隊長をはじめとした男連中が軒並みすこぶるいい男、好漢たちだというのが燃える、実に燃える。三枚目の亀吉先輩ですら、三枚目故の痛快なかっこ良さを備えていて、あんたそりゃ皆から好かれるわ。諸葉が何気に亀吉先輩、大好きなのもよく分かる。
特に石動隊長は、一巻の言動からして真面目で実力者ではあるけれど小さくまとまってしまっている人なのかと思ったら、滅茶苦茶熱い人じゃないですか。勝つためならば、どれだけ汚名を被ろうと後ろ指さされようと組織のリーダーとして合理的に判断しよう、感情に流されずヒロイズムを否定しよう。だが、誰にもどこにも勝算がないのなら……。
「僕は僕の思うままに行動するしかないだろう?」
「今の僕は隊長ではなく、隊員でもない。ただの石動迅だ」
ひやぁぁ、惚れるわ。あんたこそ隊長だわ。想像の殻を見事に破ってくれる漢立ち。正直、世界最強の6人《六頭領》と同等のSランクに認定されようかという怪物そのものの諸葉が、学園の実戦部隊の一隊員という立場に果たして収まるのか、という疑問に対して、今回の話は見事に答えを出してくれたように思います。諸葉の格を落とすのではなく、この実戦部隊(ストライカーズ)の仲間たちが、友人たちが、諸葉と共に並び立つ戦友足りえるのだと証明することで。
だからこれは、諸葉とサツキと静乃のたった三人だけの戦いの物語じゃなく、亜鐘学園実戦部隊というチームの物語だ。うははは、この作品、やっぱり正しく作者のデビュー作である【無限のリンケージ】の系譜に連なる作品ですよ。あれと同じ匂いを、感触をヒシヒシと感じます。
うん、そうなると前半、強化合宿という名目で訓練以外の時間は遊びに費やす、というのも日常シーンで実戦部隊の面々が同じ学校の同じ世代の少年少女たちであり、屈託のない友情を交わし合う友達同士であり、お互いを高め合うライバル同士でもあり、という関係を寝食を共にすることで普段の学校でのそれから一歩も二歩も踏み込んだ形で深められたのも大きかったんでしょうね。あれで、丈弦さんのオトコ前っぷりとか、副隊長の変態性とか、意外と石動隊長が堅物なりのツッコミ属性だったのがわかったりとキャラ立ってましたもんね。ってか、斎子副長、アホすぎる。鬼の副長じゃなかったのか。こんなアホな人だったとはw
そして、一気にヒロイン度を爆上げしてきたのが、春鹿先輩でしょう。何この可愛い人。ボーイッシュな可愛さ、極まってますよ。冒頭付近で、春鹿先輩に好みの水着を勧める諸葉の卒の無さは、こいつモテて当然だよな、と唸らされたものですけれど、そっからの春鹿さんの初々しくも躍動感のあるデレっぷりは、見ていて応援したくなるような健気さがあって、いや参った。これ、完全にサツキと静乃の間に割って入ってきてますよ。

さて、現場ではこのようにワイワイやっている裏では、諸葉のSランク入り。つまり自分たちと同格の存在を認めるかどうかで、世界最初の六人にして世界最強の6人である《六頭領》が集結し、諸葉の扱いについて話し合うことに。最初期から、この6人については常に言及されていましたけれど、実際その人となりが明らかになってみると……前回、大迷惑をふっかけてきたエドワードが一番まともってどういう訳だよ!!
こ、これは酷い。エドワードこそ非常識の塊で他人の迷惑顧みず、いらんちょっかいかけてくる厄介者かと見ていたんですが、6人が集結した場面で見るとそのエドワードが一番常識人で、他の連中の無茶苦茶で非常識な言動を窘め抑える側に回ってるんですよね。エドワードが押さえ役に回ってるってww
こ・れ・は・酷・い!!
よくまあ、これ組織運営が回ってるな、と思うけれど、人格と能力は別なんだろうな、うん。ただ、この人達の人格破綻はけっこう笑えないレベルなので、彼らが諸葉にちょっかいをかけてくることになるとエドワードの時と違ってかなり黒いことになりそう……とか思ってたら、速攻で仕掛けてきやがった。
あかん、これは面白いで。

1巻 2巻感想

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 23   

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 2 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 2】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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覚悟はしてるさ――俺が最強になればいい。

「灰村君と交際しなさい、静乃」
学園最大の戦果をあげ、精鋭チームでも活躍し始めた灰村諸葉。
その力は世界にたった六人しかいないランクSセイヴァーに匹敵するものだった。
だがその能力ゆえに理事長――静乃の兄から目をつけられてしまう。
諸葉を権力の歯車に巻きこみたくないと願いながら、
漆原家の掟に逆らえず、密かに心を痛める静乃。
その兄の野心と企みに、現ランクSの一人"白騎士"エドワードが加担し、
事態は思わぬ様相に……。

激突、最強対不敗!!
愛する少女の哀しき鎖を断ち斬る、前世共鳴の学園ソード&ソーサリィ第二弾。
天地に轟け、禁忌の魔術――今、少年は不可避の運命を破壊するッ!!
うーーーむ……面白い! やっぱり面白いですよ、これ。前世だの異能力だの世界最強だのSランクだの、最近だと逆にネタにされてしまう要素タップリなのは相変わらずなんですけれど、茶化したりもせずガチンコで真面目なストーリーを組んでやってこれだけ面白いんだから、大したもんですよ。ちょっとデビュー作シリーズの【無限のリンケージ】の本気で一つのことにみんなで取り組んでいく、というスタイルへの回帰を垣間見た気がして嬉しかったり。
前回の感想記事でも言及したことだけれど、とにかく主人公の諸葉が地に足がついたしっかりとした人格と考え方の持ち主なんですよね。図抜けた力を持っていることに浮つくこともなく、逆に力を拒否するわけでもなく、かといって必要以上に醒めてクールに構えているわけでもない。他人よりも図抜けた力を持つということは、面倒事を沢山引き受けなければならないけれど、同時に出来ることも多くなる、と割りきって考えている傾向が見受けられる、その考え方は物事を優劣で捉える考え方を排するものであると同時に、利用できるものは利用するし、人間関係は穏当かつ友好的に社会秩序は常識にもとづいて則るべし、しかし自分の中の一線は譲るべからず。とまあ、実直な機会主義者というかフラットな現実主義者というか、ともかく非常にバランスのとれた精神性の持ち主なんですよね。空気の読める主人公、とも言える。なので、見ていて安心できるんですよね。無茶する必要のない場面では絶対に無茶しないし、無茶しなきゃいけない場面では絶対に裏切らずに無茶を押し通してくれる。物おじしない性格の男の子というのは猪突猛進のきらいもあって、ややも暴走しがちなんですけれど、諸葉に関してはその心配はまずありませんからね。意外と腹芸も出来ますし、世渡り上手な面もあり、器用に人間関係も繋いでいるので、わりとどのポディションでも熟せそうですし、先輩後輩男性女性上司部下の区別なく、全方位から信頼を寄せられそう……あれ? 完璧超人じゃね!? 一見、そんな風には見せない地味で緩い部分もある性格も、実は密かに完璧さを補強しているように見える。
何にせよ、期待というものを裏切らないし、とにかく読んでるこっちにストレスをまったく与えない大した主人公ですよ。それでいて、決めるべき場面ではきっちり決めてくれるわけですから。
なんか、足踏みするつもりは毛頭ないようで、わずか二巻目で一気にステップアップして世界最強の6人の一角とガチンコ勝負するという事態に。にも関わらず、未だにまったく底を見せない主人公、激つええ!! 一方で、相手の【白騎士】エドワードも器をさらけ出してしまう、ということも全くなく、これまた無茶苦茶さ加減を如何なく発揮し倒してくれて、この一戦でSクラスというものがどれだけデタラメなのかを、その性格やらキャラクターもシッチャカメッチャカっぷりも合わせて十分見せつけてくれました。これで、他の5人のSクラスはどんなんなんぞ!? と興味もふつふつと湧いて来ましたしね。
徐々に脇を固めるキャラクターも充実して来ましたし、デビュー作シリーズもそうでしたけれど、この作者さんは色んな立場立ち位置の人間を沢山登場させて物語に放り込んだほうが、ガンガン話も動き出し幅も広がるタイプに見えるなあ。
とはいえ、どうやらヒロインはやはり静乃とサツキの二人で固定の模様。幼女も出てきてますけれど、さすがにメインには食い込みそうもないなあ。それだけ、二人は鉄壁です。

1巻感想

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉3   

聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉 (GA文庫)

【聖剣使いの禁呪詠唱〈ワールドブレイク〉】 あわむら赤光/refeia  GA文庫

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『剣聖×禁呪使い』の前世共鳴カタルシス!
1人の身体に最強の《前世》が2つ――つまり超最強!!! ってことだろ?
最愛の二人を救う、新・学園ソード&ソーサリィ、始動!!


「兄様に会える予感がしてたの! 」
前世で愛を誓った姫剣士にして、実の妹の記憶を持つ少女・サツキと、
「私の唇……覚えてないわよね」
別の前世で隣に寄り添い、冥府の魔女として共に戦った少女・静乃。
輪廻を越え、愛する二人と同時に再会してしまった少年・諸葉は、サツキと静乃に挟まれて大弱り!?
そして、前世の記憶を力に変える転生者達の学園で、史上初めて二つの前世《剣聖×禁呪使い》の力に覚醒めた諸葉は、
誰よりも特別な運命を歩み始めた!!
永遠の絆で結ばれた最愛の二人を救う、前世共鳴の学園ソード&ソーサリィ。
我が剣に宿れ魔焔――今、少年は波乱の現世を斬りひらくッ!!
厨二病全開の痛い妹の妄想が実体化してしまうというドタバタラブコメ【現在進行形の黒歴史】の方でシッチャカメッチャカに遊んでいた反動が内面で生じてしまったのか、突然ガチの厨二設定モノを初めてしまったあわむらさん。うん、何となく気持ちは分かる。ふざけて遊んでたネタでも、ずっとやってるとちょっとだけ本気で書いてしまいたくなる事ってありますよ、だって男の子だもんw
とは言え、痛々しさの酸いも甘いも噛み分けた作者なら、こんなド直球すぎるくらいの厨二設定も、痛々しさに身悶えする恍惚感を主題にするのではなく、純粋に物語の枠組みであり味付けである、という位置取りに整え直す事なんてお手の物、ということなのか、普通に面白い学園バトルファンタジーに昇華されている。そもそも、主人公の諸葉が力に溺れたり浮かれたり、そもそもスカしたりカッコつけたりやたらと女人に無自覚に粉かけるようなフラグを立てるプロではない、と言う所が大きいのだろう。彼の過去に大きな挫折となり自分の英雄性を根こそぎ否定してしまうような出来事があったからこそなのだろうけれど、家が貧乏で堅実な生活設計を嫌でも立てないといけないという境遇が、身の程を知り増長せず地に足のついたその姿勢ににじみ出ている。これを、精神的に大人として成熟していると見るべきか、若いくせに枯れていると見るかは人によるだろう。
一方で、一人残念を極めてしまっているのが、ヒロインの片割れ、サツキである。
……うん、アホだね、この娘! せっかく生まれ変わって兄妹という許されない関係から赤の他人として再会して今度こそ誰に憚ること無く恋愛関係を築くことができたはずなのに、サツキ当人も今世こそは添い遂げてみせる! と勇んでいたくせに、実際何をしたかというと、諸葉に自分を妹として見てもらうために奮闘する、という願いとは真逆の方向へ突っ走ってしまう、というアーパー振り。何故自分で恋愛フラグを遠ざける! しかも、サツキは自分が何をしてるか全く気づいていないという頭の悪さ。なまじ、諸葉が最初はサツキをちゃんと異性の女の子として見ていただけに、彼が じゃあ、これからは頑張ってサツキを妹として見れるように頑張るよ、と言い出した時には思わず頭を抱えてしまった。しかも、サツキときたら何か致命的に間違えている違和感を感じながら、それをスルーしてやったーとばかりに喜んでるし。アホだ、この娘アホだ。

さて、本作では多くの少年少女が前世持ちとして覚醒し、専門の学校に集められて外の世界から侵攻してくる謎の敵への唯一の対抗手段として育てられているのだけれど……、ちょっと残念だったのが多種多様な前世から転生してきたはずの転生者たちが、それこそ一人ひとりの前世の数だけ様々な形の異能力を持っていてもおかしくないのに、何故か共通した二種の大系に能力がまとめられてしまっているところ。わかりやすくはあるんだけれど、そこまで一括りに大別されてしまうのは多様性の欠片もなく、せっかく色んな前世持ちがいるはずなのに、何ともつまらないじゃあないですか。もっとごった煮のアナーキーに色々やってみても面白かったのになあ。

あるいは現在進行形の黒歴史 5.−(堕)天使たちの夏休み−3   

あるいは現在進行形の黒歴史5 −(堕)天使たちの夏休み− (GA文庫)

【あるいは現在進行形の黒歴史 5.−(堕)天使たちの夏休み−】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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「愛しい妹は楓子(あたし)だけだよね、兄ちゃん?」
「そんなことないよね、キキの方が好きだよね、お兄ちゃん☆」

 さぁ、今ここに「どっちが英二の妹に相応しいか」対決の火ブタが切って落とされたああぁぁぁー! 仁義なき戦いの決着はいずこへ!?
 このほかにも実は酒乱だったアイシャリアが●●を●●したり、さらには××を××したり!
 なぜかコスプレ大会に巻き込まれた英二がロザリンドと★★寸前まで行ってしまったり……!? と大波乱!
 A.N.G.たちの隠された素顔に触れられる待望の短編集!

「考えるんじゃない。感じるのよ!」
「ふざけんなあああ!」
ちょっとっ、短篇集と見せかけて、理子が死んでしまった事情とか堕天使(笑)たちが転生してしまった事件の真相やら、さらっと書かれてるじゃないか。これ、本編でも一番重要で根幹をなすポイントじゃないのか!? なんか、転生者たち誕生の真相が明らかになると同時に、それに纏わる新展開も控えているみたいだし。
それでも、理子が本当に死んでしまっていた、のではなかったことには安心した。この事実如何では先々の展開、コメディー抜きにした本当に深刻な話になりかねなかったし。ただ、現状では理子は生き返る余地があるにしても、他のマリスを除いた子たちについてはもう既に死んでいる、という事実は揺るぎがないんですよね。キキとアイシャとロザリンドについては現状維持以外は救われる余地がもうないんだよなあ。実のところかなり不安定な立場なんですよね、彼女たち。受肉した現状がはたしていつまでも続くものかわからないし、さらには彼女たちが仮にも生き返っているという状態に対して、是正を求める勢力が登場してしまった以上、今後は形はどうあれ本気で生きるか死ぬかの話になってくるわけだし……まあ、そこまでシリアスにはならんだろうが。
理子が死んでいた、という話が前巻ラストで持ち上がってから疑問だった、理子の妹の舞子はどうなっていたのか、という疑問についても解消。性格全然変わってるじゃないか! ああでも、なんで理子が大人しくアレの言うことを聞いていたのかは納得した。そう言えば、理子は理子の姿のまま登場したので忘れていたけれど、転生した姿って一応、楓子が設定した容姿になってるはずなんだよなあ。実はこの巻読むまで、アレが舞子という可能性を欠片も考えてなかった。そうだよなあ、理子になにかあったとしたら、舞子の方にも同じ何かがあったと考えた方が自然だったんだなあ。
しかし、母ちゃんはマジで凄いな。普通に幽霊とか幽体離脱した霊体とか見えたり喋ったり出来るのか。

ともあれ、次回から新展開が待っているようなので、あんまり腰砕けにならない程度にはシリアスにやってほしいなあ。特に、理子周りについては。楓子はもうずっとあんなんでウザイの諦めているのでw
あれはどうしようもないキモウトだよなあ。あんな厳格な父親の教育のもとで、どうしてあんな変態が育ってしまうのか、謎だ。
あと、本屋であんな立ち読みの仕方しちゃいけません! 兄貴、そこは殴ってでもやめさせるべきだ。

あわむら赤光作品感想

あるいは現在進行形の黒歴史 4.リトル・ヴァンパイア☆が俺の嫁?3   

あるいは現在進行形の黒歴史4 −リトル・ヴァンパイア☆が俺の嫁?− (GA文庫)

【あるいは現在進行形の黒歴史 4.リトル・ヴァンパイア☆が俺の嫁?】 あわむら赤光/refeia(GA文庫)

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 世界に奇祭は数あれど、その中でもひときわ異彩を放つのが深幸町が誇る「裸マント祭り」である! 「裸」に「マント」とくれば、「祭り」でしょう! 祭らざるを得ないでしょう! WASHOY!
 ……いや、その理屈はおかしい。

「グヘヘグヘグヘ見えてまうでー。ペロンと剥いてまうでー」
 頭を抱える英二をよそに、裸マントの幼女たちに欲情しまくる楓子。
 まあ、こいつはいつものことなのでほおっておくとして、いま問題なのはキキだ。夜な夜な吉岡家を抜け出して不審な行動をとる彼女の行方を追い、今日も英二たちは裸マントの群れの中を東西奔走しているのだ!

 YESロリータ! NOタッチ!
史上稀にみる頭の悪い話だ……。脳みそに何か湧いてしまったのか、あわむら先生。前回でも相当にアレな話だったのに、今回はさらに輪をかけて「アレ」な話になってしまってるじゃないか。というか、前回はキキの洗脳の結果ああいう大騒ぎになっていたのだけれど、今回は何なの? 前にも増して狂乱状態、街全体がおかしくなって「ようじょようじょ」と喚くヘンタイが夜を跋扈し、普通の町の人達が裸マントでうろつくという発狂したお祭り状態にも関わらず、結局実は魔法の影響でした♪ などというネタ明かしもないままそのへん流されてしまったのだが、もしかしてみんな本気で素だったのか!? 正気のまま頭おかしくなってたのか!? そもそも頭おかしかったのか!? もしかしてこの世界の人類は楓子みたいなのが多数派なのか!?
というか、酔っ払って書いたんじゃないだろうな、これ。素面で書けるレヴェルじゃないぞ。ふと我に返って冷静になって振り返ってしまうと死にたくなるような話だぞ。

とまあ、あまりの狂態に腰砕けになりながら、何やらキキにも悲しい過去があったのね、というらへんのお話もふにゃふにゃとふやけた心地で生暖かく見守りながら、個人的に裸マントはある程度成熟した女性にこそ似合うファッションであるという見解を新たにしつつ、あー今回も酷い話wだったなあ、という気分で終わりかけたら……ラストでとんでもない事に!!
ラストでどエライとんでもないことにーーーっ!?

うわっ、うわっ、わーーーー。マジかよっ!! ちょっ、なにそれどういう事なの!? え? もしかして最初からそうだったのか!?
ロザリんたちアンジェのシステムが、まさかこういう形で衝撃を与えてくるとは想像してなかっただけに完全に死角を突かれた。単純にこれまでは、不遇の死を迎えてしまった中でこんな形でとは言え甦れて、楽しそうだし、まあよかったじゃない。そんなふうに軽く捉えてたんですよね。でも、所詮はそれって他人ごとだったからだったのか。結局、英二たちにとってロザリんたちの生前は全然知らない関わりのない人でしかなく、今のアンジェとして蘇った彼女たちしか知らないわけだから、彼女たちが一度死んでしまっている、という事実は実感を伴わない情報に過ぎなかったんですよね。聞いた話から共感はすることはできても、その人が死んだという喪失感や悲しみを共有できるわけじゃない。
でも、それが知ってる人だったら!??

この展開はショックだわー。となると、メープルの正体もいささか勘ぐらないといけないのかもしれない。今回その本性が僅かなりとも垣間見えた上に、あの展開ですもん。妙だと言われれば変に思えてくるあの家の事、名前だけで一向に登場する様子を見せないかの人物を考えると、想像の余地はある。
しかし、まさかそういうカラクリになっていたとは。なんども繰り返しになるが……驚いた。こりゃ、今回はっちゃけた分、次回は相当にシリアスで深刻な話になる可能性もあるぞ。

あわむら赤光作品感想

あるいは現在進行形の黒歴史 3.わだつみの海妃が俺の嫁?3   

あるいは現在進行形の黒歴史3 −わだつみの海妃が俺の嫁?− (GA文庫)

【あるいは現在進行形の黒歴史 3.わだつみの海妃が俺の嫁?】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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♪さあ 讃えなさい 跪きなさい〜
♪こんなカワイイ女王様に
♪仕えられるなんて〜 あんたたち
♪生まれてきて ラッキーよ〜
「うおおおおー! キキたぁーん!」
「よ・う・ぢぉ! よ・う・ぢぉ!」

 学校の講堂に響き渡る裸マントの幼女の澄んだ歌声。そしてそれに呼応するかのように、彼女を称える生徒達の声がこだまする。
 な、なんだ、この異様な空間は?
「我らのアイドル、キキたんだー!」
 戸惑う英二をよそに楓子がきらきらした瞳で壇上の幼女を追っている。ぐあああ、またこいつのせいかー!
 血を吸った者を絶対服従させる力を持つリトル・ヴァンパイアのキキ。いったい彼女の目的とは!?
こ、これはアカンわーーーっ! アイシャさんが嫁として完璧すぎる! ぶっちゃけ、妹・マリス・ロザリンはもはや賑やかしのレベル。太刀打ち出来るとか出来ないとか以前の話。ロザリンドが意外と常識人、などと言っていた前巻が懐かしくなってくる。天使としてはまったくの役立たずだったアイシャですけど、逆に言うとそれだけまともで良識的な人だったんですよね。本当に普通の穏やかな大人の女性だったと。家事も万能で気遣い上手。頑固者でわりと意固地なところもある英二に対して、柔らかく包むようにそっと後ろから支えるような姉さん女房な姿勢は一昔前の良き夫婦のようで、ぶっちゃけ同居三人娘のような戯けた輩では割り込む隙間もないという、完璧な旦那様と若奥様空間が形成されてしまっている始末。
仮にも俺の嫁が云々、という話である以上、もはやここでゲーム終了でしょう。アイシャ以上に嫁なキャラなんて居ねえよ!!
他に挽回の余地があるとしたら、あまりにも英二とアイシャの雰囲気がしっくり行きすぎてしまっているせいで、好いた惚れたに胸をときめかせる段階をどこか通りすぎてしまっている感じなんですよね。まだ高校生の若造がそこまで安定した空気に馴染んじゃうというのもおかしな話だし、恋愛感情に揺さぶられる余地は幾らでもあるわけです。そもそも、英二とアイシャは今のところ馴染んでしまっているというだけで、そこまで深い仲まで進んでませんしね。アイシャさんは、今回の一件で本気で腰を入れる気になったようですけど。とは言え、バカ三人組の妹、マリス、ロザリンドでは話にならんよなあ。バカだし。バカしかやんないし。マジメに一人の人間として、女性として英二と向き合っているアイシャとでは立ち位置から違うんだし。ロザリンドも、一度は素の顔で英二に触れたんだから、そのまま行けばよかったのに。設定の鎧に隠れてたらアイシャに本当に追い抜かされるぞ。
まあ、この三巻に至っても本命は幼なじみの理子で良さそうですけどね。英二の信頼度に依存度がやっぱりこの子だけ桁違いだ。
と、アイシャ無双に目が行って、肝心の新登場組は目立ってたのか目立ってないのか。吸血鬼キキの抱えている闇のカギについては、今回優子母さんが概ねとっかかりを引っ張り出してくれたので、おそらくキキの当番回になるだろう次回で一気にやってくれるだろう。
しかし、男脱がして女だけ下着を残すとは、中途半端だなっ!! なんでイカツい熊みたいなおやじの全裸マントなんか見なきゃいけないんだよっ!! 親父さん、もうその格好だけで今回株価大暴落ですよ。厳格だけどまともな人だと思ってたのに。いや、洗脳されたんだから仕方ないんだけど、それでも脱いじゃだめだよw
小娘共はいいから、優子母さんの裸マントが観たかった、と思う自分はわりと通だと自負したいw ちなみに幼女には関心無いなッ。

あわむら赤光作品感想

無限のリンケージ 5.ナイト・オブ・ナロート5   

無限のリンケージ 5 −ナイト・オブ・ナロート− (GA文庫)

【無限のリンケージ 5.ナイト・オブ・ナロート】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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 ハルト・ミウラに手痛い敗北を喫したラーベルトだが、再戦の機会は予想以上に早く訪れた。2オン2のエキシビジョンマッチ〈アスラ・カーニバル〉の出場選手として、人気投票で選ばれたのだ。
 しかも相手はハルトとディナイスの強力タッグ。BTRに楽しさを見出したラーベルトにとって、それは喜び以外の何物でもなかった。

 だが、そんなラーベルトにナラウタを解放する策としてアーニャ姫から告げられたのは、「試合中にハルト・ミウラを暗殺せよ」というもの。衝撃的な主命にラーベルトは思い悩むが……?
 無限のリンケージ、堂々のクライマックス!
登場人物のほぼすべてが納得のいく形での終わりを、しかも妥協の産物ではなく、迷い悩み苦しんだ果てに独りでではなく仲間や友人や愛する人、家族の助けによって答えにたどり着き、全力を出し切って満ち足りた充実感とともに勝ち取ったハッピーエンドを迎えた、という意味において、まさにこれこそが大団円! 大団円オブ大団円ともいうべき大団円だったのではないでしょうか大団円ッ♪ww
元々読み応えのある良い作品だったけど、期待していたものよりも遥かに素晴らしい最終回を持ってきてくれたのではないだろうか。こんな素晴らしい終わり方をされたんじゃ、作品そのものの評価もうなぎのぼりに上げざるをえない、というかあげさせてください。

先のハルトとの戦いでの敗北は、前巻の感想で大きなターニングポイントになるのでは、と書いたのだけれど、予想していたラーベルトの戦意や戦う姿勢、サクヤとの関係についてのものではなく、ダイレクトにナロート救国の政治問題へと波及していったんですよね。これはちょっと驚いた。と、同時に感心させられた。単に戦いに負けた影響による曖昧な精神的な揺らぎによって、主人公とヒロインの関係を揺らすのは定番なんですけど、いささか理由付けとしては説得力に乏しいんですよね。それが、この政治問題によってハルトの暗殺を命じられた事により、ラーベルトの騎士としての義務感と国を失ってしまったことによる贖罪の念、というラーベルトの弁慶の泣き所を具体的に攻める事によって、彼が自分を見失うほどに追い詰められていく様に、大きな説得力が生じている。
しかも、物語の焦点をラーベルト独りに宛てがってしまうのではなく、問題の影響は連鎖的に登場人物たちに波及していき、キャラクターたちの様々な想いがアスラ・カーニバルの一戦を頂点として螺旋を描くように絡まりながら集約していく。そりゃあ、盛り上がるさ。
そして、この最終巻が素晴らしいのは、ラーベルトを初めとしたキャラたちが直面していた心の停滞を、肝心の最終決戦を前に一気に解決し、暗闇を吹き払ってしまった所なんですよね。鬱々としたもの、仄暗い感情を抱いたまま戦いに赴くのではなく、まさに後顧の憂いをなくし、皆が心晴れやかに全力で力を発揮できる状態になってから、最終決戦に。
そりゃあ盛り上がるさ。

毎度毎度よく悩むラーベルトでしたが、今回は特に飛びっきりでしたね。悩むというよりも、自分の本心と騎士の責務に挟まれて、身動きが取れなくなってしまった、というべきか。それでも、騎士として、かつて国を失ってしまったモノの贖罪として、自分の本心を押し殺して徹しようとするものの、越えてはいけない境界を前にしたとき、怯え立ちすくみ恥も外聞もなく泣きじゃくってしまうのでした。あのラーベルトが。
そして、進退極まったときに彼が求めたのは、サクヤの姿。彼が泣きじゃくりながら、心の中で何度もサクヤの名前を連呼し、彼女の助けを求めながら蹲ってしまった様子は、色々な意味でショックでしたよ。この二人の関係って、自分が見えていたと思っていた部分はほんとに表層だったんだなあ、と。同時に感動でもあったんですよね。彼にとって、あの娘の存在というのはそこまで絶大なものになっていたんだと分かって。
そんなサクヤとラーベルトを見守るベックスが、もう惚れそうなほど頼もしいんだ。この人は最初から最後まで、本当の意味で兄貴分でした。ラーベルトにあんな歳相応の、いや年齢よりも幼い本音の顔を引き出すのなんて、ベックス以外には出来なかったでしょうし、サクヤという難しい子の本心をいつだって見逃さず、妹分として見守り導きここまで連れてきたのは、間違いなくこの人でしたもんね。
他のチームスタッフも素敵な人達ばかりで、誰一人欠けてもダメだというのが伝わってくる、そして皆がこのチームを心から大好きなのだというのがビリビリと伝わってくる、とても素晴らしいチームでした。ライバルとなる王者ディナイスの旦那も、もう惚れ惚れするようないい男だったしなあ。生意気王子のシグも、その生意気さが可愛くて、アーニャ姫を前にしたときのヘタレっぷりがまた可愛くて、子憎たらしいキャラなんですが結局敵に回ること無く、ラーベルトと変な意味で息のあった漫才を繰り広げてたあたり、実は仲良くなってない?
なにより一番ほんわかさせられたのは、アーニャ姫がちゃんと幸せになれたことかしら。周囲の目には彼女が一人で不幸を背負ったみたいに見えてるのかもしれないですが、亡国の王女として彼女は望むべき最良の結果を手に入れた上で、本来なら敵国の王子であり、また自分の国を滅ぼした仇敵の息子である少年、というどう考えても幸せに結ばれることがないであろう相手との恋を成就させることができたんですからねえ。ラストの彼女、心から幸せそうで嬉しかったなあ。
強さを求めるあまり、武人として歪んだ道を歩み続けていたハルトにもまた転機が訪れ、復讐に身を焦がすあまりに破綻しかかっていた「スミス(笑」もなんだかんだと自分の居場所を手に入れたみたいだし。まさかのブリュックナーだったよなあ、あれは。厄介な問題児なんだと思ってたら、厄介な変態だというのは変わらなかったけど、あんななんとも痛快で気持ちのいい人だったとは、見かけにはよらないもんだ。

そして、本当の騎士としての矜持を掴みとり、正々堂々と全力を尽くせる戦いの場と好敵手にこれから挑み続けることが出来る環境に至り、そんな自分を親愛と友情と共に支援してくれる仲間たちが傍にいて、そしてそして、心を捧げる愛する人を見つけることができた。ラーベルトにとって、そしてサクヤにとって、そして彼らを取り巻く人達にとって最上の大団円。
心が温かくなり、胸が熱くなり、爽快で爽やかな素晴らしいハッピーエンドでした。
売り上げ的にはモニョモニョ、だったらしいですね。うーん、やっぱりなあ。面白い良い作品だったんだけどなあ。でも、それでも5巻まで出してくれたGA文庫編集部はグッドジョブでした、ありがとう♪

1巻 2巻 3巻 4巻感想

あるいは現在進行形の黒歴史 2.紅バラの剣姫が俺の嫁?3   

あるいは現在進行形の黒歴史2 −紅バラの剣姫が俺の嫁?− (GA文庫)

【あるいは現在進行形の黒歴史 2.紅バラの剣姫が俺の嫁?】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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 夏! 海! おっぱい!
 英二の猛反対をガン無視して「美しい海の街・蘇々木」へとやってきたのは楓子、ロザリンド、マリス……と、英二(←被害者)。

 時ならぬ水着天国に目を輝かせる楓子の暴走は止まらず、平和な海水浴場はまさに酒池肉林のハーレム(?)に! だがしかし、幸せの絶頂にある楓子の身に不吉な影が……!?

「ごめんなさいね、英二さん。この子はわたくしがお借りします」
 気絶した楓子を抱いて微笑んでいたのは……わだつみの海妃・アイシャリアだった!
 楓子さらわる!? いったい何が始まるっていうんです!?
あれ? ロザリン、登場時から痛々しいイタさばかりが強調されてて、なんてイタい娘なんだろうと生暖かい目でしか見られなかったのだが、もしかして本当にスペック高かったのか!?
楓子のそれはもう痛々しい妄想ノートの設定を受肉することで現世に蘇った天使たち。ただし、死神のマリスを除いて他の連中はというと、元々は生前その辺の普通の娘さんだった幽霊に過ぎないわけで、言わば物凄い力こそ得てしまったものの中身はただの一般人なんですよね。そんな普通の娘さんがいきなり異能の力を備えても、そりゃ使いこなせんわなあ。アイシャのあまりにも残念な有り様に、そんな当然のことに今更のように思い当たったわけで……。
そう考えると、ロザリン、大したもんだわ。いくら中二病真っ盛りな上に演劇少女で役に没頭してたとはいえ、ちゃんと紅薔薇の剣姫の力使いこなしてたもんなあ。
というわけで、今回はロザリンドの当番回。名誉挽回というか、彼女もちゃんとヒロインなのですよー、と主張するがごときお話であった。でもこれ、紅薔薇の剣姫ロザリンドの話というよりも、田舎の地味な演劇部員だった木村玉子の物語と言った方が正確なんじゃないだろうか。生前の劣等感を克服し、単に外面だけ紅薔薇の剣姫ロザリンドに成り切って格好だけ演じるのではなく、本中身から自分に負けず自分を諦めない不屈の意志を宿し、本当の主人公になるまでの物語。
意外に彼女、ヒロインとしてもスペック高かったんだよなあ。一巻読んだ時には、この楓子並みに痛い子はラブコメとか無理だろう、と思ったんだけど。
痛いし思い込み激しいし猪突猛進のきらいはあるけれど、痛さでいったら妹の楓子がブッチギリで酷くて、それに比べれば全然マシだったんですよね。楓子の酷さが人並みを超えすぎているのが悪いんだが(苦笑
マリスはマリスでこの子は本当に人間じゃないもんだから行動基準がかなりぶっ壊れている上に、天然無表情系としては度し難いくらいイイ性格してしまっているし、で実はこのメンツの中でロザリンがかなりまともで普通の女の子っぽい事が明らかになるのである。
……前回、兄貴が血を吐いて死んじゃうんじゃないか? と心配になるくらい大変な目にあってたんだが、そりゃ妹とマリスしか居なかったんだから、そりゃあ酷い有り様になるに決まってるわ(苦笑
その点、ロザリンドが加わった今回はやっぱり色々と振り回されているといえ、ロザリンの常識的な言動にホッと一息付ける瞬間が度々あったせいか、兄貴も何だかんだとまだ精神的に余裕あるんですよね……いや、慣れてしまったんじゃないよ、きっと?
ロザリンのお陰で、なんとかラブコメとしての体裁を整える事ができ始めたんじゃないだろうか。いやほんとに、楓子とマリスだけだったらラブコメとしてはスプラッタすぎるもんな(苦笑
ただし、今のところ俺嫁レースの先頭を走るのは、敢えて幼馴染の理子だと主張しよう。前巻から既にその存在が語られていた幼馴染。兄貴と楓子が語っているのを聞いてるだけで、何とも個性的というか特徴的な子なんだろうな、とは思ってたけど、これは予想以上だった。
なんかこう、フレキシブルな野生動物? 人懐っこいんだけれど、安易に触ってるとガップリ喰われそうな感じ? 
これはアリだ!
というか、兄貴がこの子に対して隙が多すぎだろ、これ。自身のコンプレックスだとか弱い部分とか、この娘に対しては全然隠そうとしてないんですよね。それどころか、甘えてすらいる。楓子たちには背伸びするくらいの勢いで頼もしからんとしてるのに。今のところこれ、マリスやロザリン、同じ土俵に立ててもいないんじゃないのか? まあ幸いにして一つ屋根の下で暮らしている上に、件の特殊な事情を共有しているわけだから、アドバンテージは無くはないんだが。今回のロザリンみたいに、ちゃっかり距離縮める事も実際出来てるわけですしねえ。
しかしこれ、どんどんヒロイン増やしてどうするんだ? 多分、次の巻あたりには理子の妹の舞子も出てくるんだろうし。アイシャは普通にあの人と上手くいかせてあげればよかったのにねえ。

1巻感想

無限のリンケージ 4.サムライ・インパクト3   

無限のリンケージ 4 ―サムライ・インパクト― (GA文庫)

【無限のリンケージ 4.サムライ・インパクト】 あわむら赤光/せんむ GA文庫

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「四年、か……待たされる身は辛かったぞ、ラーベルト・カイガン」

 次戦の対戦相手であるハルト・ミウラは、そんな言葉をラーベルトに投げかけてきた。
 戦う価値のある相手としか試合をせず、しかもデビューから九年間無敗を誇る『無冠の帝王』ハルト。シャクナゲ門下の大先輩にして、切断力場の第一人者ガットゥサイをもスタッフとして擁する強敵に、ラーベルトたちは厳しい戦いを覚悟する。

 一方、コーチのオデットは夜の街路で一人の少年と出会う。シガード・ギクセン。グーシン帝国第四王子の名前を持つ彼の目的とは!? 新たな嵐が、惑星アスラに吹き荒れる!

サクヤは……その歳で表と裏の顔を使い分けるのか。いや、今がまさに裏表を使い分けだした端緒の時期に当たるのだろう。
ラーベルトやベックス、セシリアたち身内に見せる屈託の無い少女として、自らの才に自信と誇りを抱く偉大なる天才技術者としてのサクヤが、決して親しい人達には見せない、裏取引や危険にして大胆な駆け引きを冷然と執り行なう交渉者としての裏の顔。そのギャップにはかなりドキドキさせられる。この娘は、良い悪女の才能がある。
尤も、彼女の行動原理は表も裏も全く同じで、すなわちラーベルトのためという意味では一貫している。表のサクヤは、傍らでラーベルトの脆い心を支え、技術者としてラーベルトが全力で戦える術を与えることで、もう充分なくらいラーベルトを助けているのだけれど、恋する少女であるサクヤは、それだけでは自分が彼のために全力を尽くしているとは考えなかったのでしょうね。チームスタッフの中で唯一ラーベルトの秘密を共有し、彼の目的を助けると誓った身として、彼女は現場スタッフとして果たす役割を超えて、ラーベルトが考えるやり方を超えて、彼の望みを叶えようと奔走しているわけだ。なんて健気で献身的な、と思う一方で、きっとアーニャへの対抗心もあるんだろうなあとも思えるわけで……この負けず嫌いめ(笑
とはいえ、サクヤの動き方は大したもんだと思うんですよね。完全に表と裏を使い分け、切り替えて、身近な人達に違和感どころか一切気取られていないんだから。健気だろうと恋する少女だろうとなんだろうと、彼女が一端の「女」であることが窺い知れる。

そんな彼女やラーベルトたちにとって、今回は完膚無きまでの敗北であったのは、物語全体においても一つのターニングポイントになるんだろうか。今までは負けはあっても、試合の上での仕方のない負けや、状況によるものであって、万全の対策を取り、必勝の体勢で挑んだにも関わらず返り討ちにされたのは、今回が初めてだったんですよね。ラーベルトは勝利への執念で、サクヤは純粋な技術力で、言い訳の使用のない無様な敗北を喫してしまう。
負かしてくれた相手が、バーギャンのような好漢だったならここまで悔しい事はないんですけどね。相手のハルト・ミウラは狷介を拗らせてしまったような、歪んだ人物。チームのコーチであるオデットの兄弟子であり、もしかしたら意味深な関係になり得たかもしれない相手。ここで彼を打ち倒す事は、ラーベルトの最終目的も含めて、様々な問題が打開に向かうターニングポイントでもあっただけに、この負けは本当に痛いんだよなあ。
ただ、このハルトが当面の試合における壁としてではなく、ラーベルトの目的である故郷を救うことに深く関わってきた事は、かなり意外な展開だった。
新たに現れたシガード王子。ラーベルトの故国を滅ぼした国の王子である彼が、いったいどういう目的を持っているのかもわからないし。ただ、登場した場面をあんな風にした、ということは単純な敵ではないっぽいんですよね。ラーベルトからすると憎悪の対象なんだろうけど、肝心の滅ぼされた側の国の姫であるアーニャは、シグの事を悪く思ってないようだし、シグの方もアーニャにメロメロっぽいし。なにより、あんな姿を見せられたら、好感しか抱けないよなあ。可愛いじゃないか。
そもそも、彼の目的ももしかしたらラーベルトたちと決して敵対するようなものではないようにも思えるんですよね。ただ、単純に味方というのも、ちょっち怪しいところがあるし。ハルトとオデットの関係を思うと、彼の発言というのは物騒ですもんね。なんとか、穏当な形でまとまって欲しいところなんですが。
なにより、負けたラーベルトとサクヤの復活の矛先が、どこへ向けられるべきなのか、まだ提示されてないので、なんにせよ次だよなあ。恐らく、急展開が待っているだろう次巻こそが実質のターニングポイントか。

あわむら赤光作品感想

あるいは現在進行形の黒歴史  殺戮天使が俺の嫁?3   

あるいは現在進行形の黒歴史 ―殺戮天使が俺の嫁?― (GA文庫)

【あるいは現在進行形の黒歴史  殺戮天使が俺の嫁?】 あわむら赤光/refeia GA文庫

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あははは、なんだこの妹、アホすぎる!
厨二病全開の脳内妄想ノートなんか、あっけらかんと見せに来るなよー。そういうの、見せられる方が困るんだから。んなもん見せられた上に嬉々と解説されても、いったいどうしろと。
お兄ちゃんも嫌がりうんざりしながらも、ちゃんと相手してやるあたり甘いよなあ。こんなベタベタしてくる鬱陶しい妹、突き放してナンボだろうに。
うん、でもうんざりしながらもついつい付き合ってあげちゃうのもわからなくもない。痛いしアホだし困ったちゃんだけど、アホの子ほどカワイイって言うもんなあ。さすがに、お兄ちゃんラブー!!と飛び掛ってくるのを張り倒してしまうように、この妹を異性として相手するのは辛いとか苦しいを通り越して「無理!」だけど、妹としては可愛がっちゃうのは理解できる。こんなに懐かれちゃあねえ、邪険には出来ないよ(苦笑
まあこの一家は家庭環境もけっこう特殊だ。厳格で権威的で圧倒的なお父さんもインパクト強いけど(この手のオヤジはなんだかんだと娘に甘いパターンが多いけど、この親父さんは息子だろうと娘だろうと鉄拳を振るうのに躊躇いがないかなり強烈なタイプ)、この一家の何が一番インパクト強いって、絶対お母さんだよ。駄目だ、この妹をしてこの母ありだ(笑
お父さん大好きすぎるだろう、お母さん。なまじ、親父さんがいかつくてごっつくて性格も堅物な分、親父さんのキャラクター無視してラブラブしまくるお母さんの空気読まないこと空気読まないこと。親父さんが困ってる困ってる、押されてる押されてる、押し倒されたーー!!(爆笑
この夫婦、絶対母親のほうが夜這いして寝とったな、うん。
この一方的に振り回されまくる構図って、ある意味こっちはこっちで濃厚にラブコメしてるよなあ。自分でもラブコメ大好き大好物と公言してはばからないし。人生をコメるな、おばさん。

ある意味、この一家のインパクトが強すぎて、妹の妄想ノートから誕生した、というか妹の妄想設定を利用してこの世界に受肉した黒歴史ヒロインズのインパクトが薄れてしまったんじゃないかという心配すらしてしまう。いや、こいつらはこいつらで相当個性的というか妄想的でこれ以上どうしろって言うんだ、というくらいのキャラクターなんですけどね。
この存在自体が痛い存在って、コミュニケーション大変だよなあ。もし、主人公サイドがお兄ちゃんだけだったら、あまりの痛々しさで逆に息苦しい話になってしまったかもしれない。それを、さらに痛い妹ちゃんが合いの手入れるみたいに引っ掻き回すので、お兄ちゃんが全般ツッコミ役にまわれたおかげで、軽快なテンポの掛け合いがトントン拍子に進むノリのよい、しかしバランスの取れた安定性の高いコメディとして、上手く成立している。このへん、作者の上手さが伺える。
幼馴染ストとしては、今回旅行に行ってたかして名前しか出てこなかった、お母さん曰く全然フラグの立たない、でも仲の良い幼馴染の存在が気になるところだが、当面はクーデレのマリス一本になるのかなあ。ロザリンドは妹レベルのアホの子なので、色々と「無理」だろう、これw
 
1月21日

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1月10日

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1月8日

(BLADEコミックス)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(電撃コミックスNEXT)
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(角川コミックス)
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1月7日

(少年チャンピオン・コミックス)
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(マガジンポケット)
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(マガジンポケット)
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(マガジンポケット)
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(マガジンポケット)
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(good!アフタヌーン)
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(good!アフタヌーン)
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(good!アフタヌーン)
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(good!アフタヌーン)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(マガジンポケット)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(シリウスKC)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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(SQEXノベル)
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1月6日

(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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1月5日

(ヒーローズコミックス)
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(ヒーローズコミックス)
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1月4日

(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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12月28日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(一迅社ノベルス)
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(一迅社ノベルス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(ビッグ コミックス)
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12月27日

(ヒーロー文庫)
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(YKコミックス)
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(YKコミックス)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(B's-LOG COMICS)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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(REXコミックス)
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12月26日

(モンスターコミックス)
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12月25日

(ZERO-SUMコミックス)
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(ZERO-SUMコミックス)
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(DNAメディアコミックス)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ファミ通文庫)
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(PASH!ブックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス)
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(電撃コミックスEX)
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(電撃コミックスNEXT)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスUP!)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(まんがタイムKRコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ライドコミックス)
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