徒然雑記

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おれと一乃のゲーム同好会活動日誌

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その11 ごく個人的な世界のはじまり3   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その11 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その11 ごく個人的な世界のはじまり】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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荒谷学園第三旧校舎、古い木造建ての一階にあるゲーム同好会部室。白崎宗司は孤高の美少女、森塚一乃と放課後のときを過ごす…ってまた1巻のアレか!!“煉獄”森塚一乃の最後の武器にして最凶の妹、“断罪の鎮魂歌”終乃―漆黒の一乃と反転する純白の少女。終乃と宗司はたった二人で夢の世界を往く。追憶と追憶が重なる時、またしても一乃は―巨乳に変身!―そう、ここは荒谷学園第三旧校舎、古い木造建ての一階にあるゲーム同好会部室。かつてとある約束がなされたこの教室に卒業式の桜は舞うのか!?新感覚ラブコメディ的なにか、大団円の開演が迫る!
そこまでして巨乳になりたいのか、なりたいのか! これでまだキリカの巨乳に無駄な敵意をまき散らしているに留めていたら、苦笑で済んでいたのに、夢の世界で自分が巨乳になってご満悦しているのを見てたら、目尻が熱くなってきてしまいましたがな。

哀れな……。

いやもう敵愾心湧き立たせてるなら可愛い物なんだけれど、そこで実際は自分も巨乳になりたかっただけ、だというのなら、それはもうただの嫉妬。見苦しい八つ当たり、みっともないないものねだり。そして、現実じゃなくて夢の世界でも満足してしまえる時点で、もう虚しい。そこまでして巨乳になって見たかったのか。でも、一乃さん。それはね、巨乳じゃなくて虚乳って言うんだよ?
もはやここまで胸が張り出して悦に浸っているのを見てしまうと、宗司と永遠の世界にしけ込むのが目的じゃなくて、むしろ巨乳になるのが目的だったんじゃないだろうか、という勘ぐりすら出来てしまう。そりゃ、巨乳を愛でてくれる人がいないと、意味がないのかもしれませんけれど、一乃さん誰にも見てもらわなくても、肩こりを経験しただけで満足してそうだもんなあ。

さて、現実世界から夢の世界に逃げ込んで、ラスボスであり世界の敵たる存在の討伐を完全に放棄してしまった一乃さんに、さすがの世界さんもいい加減堪忍袋の緒が切れたのか、もう辻褄合わせとか考えずに無理やり「一乃の妹」なる存在をゼロから創造、誕生させ刺客として投入してきたのでした。その名も「森塚終乃」。
もはや、名前を真剣に考えるのも面倒くさいのか放棄してしまっているように思えるのは気のせいだろうか、大丈夫か世界さん。色々とやけっぱちになってないか? それとも誰も言うこと聞いてくれなくて拗ねてるのか?
案の定というべきか、よほど世界さんが無能なのかドジっ娘属性なのか、最終兵器として投入してきた終乃ちゃんは、見事に「ぽんこつ」。これ以上ないパーフェクトなポンコツ娘でありました。
最終兵器なのに、なんで作中屈指の弄られ属性なんだよっ、かわいいじゃないか!!
誰にもまともに相手してもらえず、涙目で奮闘しているうちに暴走し始め、いつの間にかいつものように同類が増えている、という有り様に。いや、後輩属性は初めてだったので、これはこれで。いや、むしろこれがベストで。
「先輩ッ♪」というふうに呼んでもらえるのは「お兄ちゃん」よりも何気にポイント高いです。
しかし、終乃にかぎらずどの子もポンコツすぎて、ヒロインというよりもネタキャラにまで落ちちゃってるよなあ。中で一番ヒロインというか少女らしく乙女らしくキラキラしていたのが、ペンギンことリアだったというのはどうなんだろう。まあリアは登場当初からぶっちぎりでヒロインしていましたけれど。場合によってはペンギンの頃から健気属性で売ってたし。

なんだかんだで、結局夢の国からもおん出るはめになり、結局非日常のような日常は続く。学校を卒業しても続くんだろうか。むしろ、大学入ってからの方が自由に非日常で日常は出来る気もするのだけれど、作品としてはこれで完結、でいいのかな。はっきり明言されてないので断言は出来ないけれど、常にエンドマークがつきそうだったサブタイトルが、ついに反転したわけだし。
いい加減ちょっとグダグダがすぎていたので、さすがに締めなのでしょう。もうちょっと話としても踊れたらよかったんでしょうけれど、お疲れ様でした。

シリーズ感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その9 最後の一年より3   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その9 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その9 最後の一年より】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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なんやかやで同居することになった宗司と一乃、キリカ、フェルたち。荒谷学園ゲーム同好会はついに白崎家まで侵攻してきたのだった!
まず、昨今イケメン化著しい宗司が満を持して自宅にて最高のホワイトデーを提供する。そして二年生最後の部活
動を楽しむ一乃に仕掛けられた最悪の罠、アンダースコート大作戦、さらには再び繰り返される裸エプロン(下に水着を着てるよ)戦争!! 宗司の胃袋を、家庭を制するのは誰だ!?
「戦争は――なにも生み出さない(by宗司)」
終わりじゃないどこかに向かって驀進する新感覚ラブコメディ(と断言します)、第9巻!
もはや部活でも同好会でもそもそも学園モノでもなくなって、殆ど家に引きこもりみたいになってきた気がする昨今。何気に親父殿の嫁的存在が三人から六人に増えてたみたいなんだが、前巻でいったいなにがあった!?(笑
それはそれとして、今回の表紙はついに完全にヒロイン枠に参入と相成ったカラアゲさんことペンギンのような蛇のような何かであるリア嬢。宗司もあれでいい具合にノリよく壊れているので、作中登場人物で唯一と言っていい常識人であり、その分だけ気苦労を一手に担っている次女さんである。長女にしてリーダーのフェルが、もう完全にアーパーですもんね。でも、気苦労を背負ったぶん、ヒロインとしての立ち位置を確保してしまったのは幸か不幸か。とは言え、表紙にまで抜擢されるほどだから大したものであります。中身を見ても、今回挿絵の大半にリアが採用されているあたり、優遇は本物っぽい。宗司にも、ちゃんと嫁的養う対象に数えられてましたしねー。
そう、ハーレムを築くと将来的にそれだけたくさんの嫁さんを養わなければならないので、大変なのである、経済的に。わりと早々に現世から退場する気満々だった宗司くんですが、なんやかんやと終末的エンドマークは嫁さんたちの横暴によってかなり延々と先延ばしにされてしまったので、そうなると世知辛い現実的な経済事情というのに直面しなきゃならなくなってしまった、という何ともしまらないお話。まあ、何事も先立つモノがなければ成り立たないのであります。
その点、宗司くんにはちゃんと先達にして見習うべき人が居るわけで、まずその人にどうすればいいのか、あんたはどうしてたんだよ、と尋ねるのは大変賢明な行動だったと思われます。
うぉいこら、雪道! お前、ヒモやったんかぃ!!
いや、そりゃ瑛子の家は凄い金持ちでしたし、シロコもアングラで相当稼いでたってのはわかるんですけどさ。あー、多分天音はその点養われる側だな、うん。この娘は滲み出るような金に縁の無さそうな、貧乏そうな気配出してたし、うん。
一応、親父も自分で稼ぎは稼いでるみたいだけれど、自分一人の稼ぎで全部賄うのは全く無理だったようで、昨今のハーレムはF1ドライバーみたいに資金持ち寄りが常道ですか……。
でも、それを本作のヒロインに照らし合わせてみてみると……妹ちゃんはもちろん家計一緒ですし、キリカも一乃も別に家が金持ちという風でもないし、煉獄の眷属たちは元より動物形態が元だからお金とか関係ないし、あれ? 宗司詰んだ?
そう言えば、ついに煉獄の七大罪のウチ、ワンコが唯一男性人格と発覚! って、男性人格居たのかよ! まだ人化はしていないのだけれど、その様子からして可愛がられる弟キャラなのか!? さすがに七大罪の嫁化はせいぜいリアまでだろうなので、他のシスターズはワンコがハーレム化するんだろうか、してほしいな。
ってか、マンボウは女性人格なのかよww そろそろマンボウも人化する頃かと思うんだが、長らく引っ張られてるな、マンボウ。

次回への引きは、またぞろフェルを筆頭に煉獄の七大罪が怪しい動きを見せているけれど……ラストの怪しい動きって全然深刻な話にならないから、別段構えなくていいんだけれど、キリカが絡むとあれだよなあ。一乃が増えてダブル一乃でドタバタ、という展開が容易に予想できる、ってそれリリスがずっとやってるネタじゃね?

葉村哲作品感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その8 ハッピーエンド・プロローグ3   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その8 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その8 ハッピーエンド・プロローグ】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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「全て受け止めてやる、全員かかってこい!」宗司はついに“誰も選ばない”という最低な宣言をした。一乃とキリカ、リリス×2のそれぞれのエンドが今、語られる!? ……と、その前に彼らの日常はというと、ウェディングドレスコスプレからウサ耳へ。リリスの胸が大きくなったりキリカデートだったり、リアが脱がされたり一乃がついに宗司と××だったり。さらに事態のあまりの煮え切らなさに、フェルによる『煉獄』けものかいぎが開催される!宗司の目指すハーレムエンドとはいったい!? 思わせぶりなこと言ってるけどこのシリーズまさか終わるのか!? 真相は第8巻へ――!
正直相当にぐだぐだになってきたと言わざるを得ない。宗司がハーレム宣言したのは良かったんだけれど、それである意味緊張感が失せちゃった感もあるんですよね。まあ緊張感があった試しも無い気がしますが、一乃たちが完全に開きなおちゃったので、逆に彼女たちの方の必死さが薄くなってきてるんですよね。前の彼女たちはもっとガツガツしていたのに、今の彼女たちはどこか現状維持で満足してしまっている。あの飢えた狼みたいにガジガジと宗司に噛み付いてきてたからこそ、ラブコメにもキレがあったんですけどね、最近はちょっとマンネリになってしまってる。ならそれはそれでもっと関係踏み込んでいくしかないんだが……ラストで完全に同棲生活に入ったので、今回は過渡期だったのかもしれないが、それでも一巻まるまるちょっと停滞しすぎだった。
シリアス編は、キリカさんとデート、くらいか。彼の物言いからすると、宗司の永遠の異能はシステムのバグであり、どうやら彼は先のシリーズの雪道と同じく、木の股から生まれた類の自然発生した存在のようだ。同じ永遠でも永遠式とは在り方が全然異なっているんだが、むしろ逆だからこそ消失した永遠式の残したバグだと捉えてみてもいいのかもしれない。
しかし、本来在ってはならないバグを修正スべきパッチデータである一乃たちが、そのままイチャイチャして役割を放置してるんだから、システムさんとしてはたまったもんじゃないよなあ。このまま放置すれば、宗司の異能が世界を停止させかねない以上、何事も無くこのままなし崩しでハーレム建国とはいかないだろうから、何らかのアクションはあるんだろうけれど……いい加減、ここまで何事も無く来ちゃってるもんなあ。これから何かあると言われても、はたして緊張感を取り戻せるのか。
いずれにしても、現状維持では破滅必至。それでなくても、キリカは一年経てば記憶をデリートされてしまう。まさか、またキリカさんだけゼロから始まる、なんて展開が続くはずもないので、何らかの決着はあるんだろうが……はてさて。
とりあえず、もうペンギンさんエンドでいいんじゃね?

葉村哲作品感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その6 End Time/End Game3   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その6 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その6 End Time/End Game】
 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J


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ついに明らかになった宗司と一乃の関係。二人は悠久のときをも超える、運命の敵どうしだった!
「あなたが私の『敵』なのでしょう」「…ああ」「正座」「?」「私、とても機嫌が悪いの」「はい(宗司、正座する)」「ムラムラするわね!」「イライラでなく!?」今度の一乃さんは女王様モード!ほか、食欲の秋にちょっぴり膨らんじゃう一乃キリカリリスとか、王様ゲームとかミニスカサンタとか。それでも宗司は永遠の敵なわけで…ゲーム同好会は一体どうなってしまうのか!?特別短編「秋葉原編」「池袋編」を完全収録した悶絶決定版ラブコメディ(でいいよねもう)第六巻。
……え? ちょっと、待って? なんでここで<永遠式>が出てくるの!?
あれ? え? まさか本当にそういう事だったの? ちょっとしたサービスの意味で前作の【天川天音の否定公式】との関連性を匂わせているだけかと思ってたんだが、もしかしてガチで繋がってるのか!?
振り返ってみると、宗司と彼の父親、そして三人の母親には血の繋がりはないような描写が綴られていた。特に三人の母親については、家族ではあるものの誰が自分の産みの親だというような態度を宗司は示してなかったんですよね。あくまで母親として可愛がり愛してくれた人だという風にしか語っていなかった。其れに比べて、父親だけは妙に近しい、というか養父とは言いがたい何らかの繋がりを感じさせるような態度だったんですよね。もし、この父親が前作の主人公である芦原雪道だったとしたら、彼が天川天音、長月瑛子、浅闇シロコ以外の女性とは絶対に関係を持つはずがない。そう考えるなら、彼女たちの実の息子ではない彼が、雪道の実の息子ではないのは間違いく……宗司の苗字が芦原ではなく白崎だというのも、宗司が実子ではない証拠だと思ってたんだが。
もし宗司が新しい雪道の次の<永遠式>だというのなら、ある意味雪道の息子というのも間違いじゃないんですよね。そして、その<永遠式>と自動的に運命の敵として位置づけられるのなら、一乃たちは<終焉式><虚構式><願望式>の原初式であると考えると全部しっくり来るのだ。順当に当てはめるなら、一乃が<終焉式>、キリカが<願望式>、リリスが<虚構式>なんだろう。宗司の発言からしても、永遠式に呼応して、一乃たちの能力は対抗存在として発生したような言い方してるし。
さらに、「『死にたくない』という絶望を砕く、『生きていたくない』という希望」という宗司の言葉からも、これらの原初式が想起されるんですよね。前回の天音っぽい一人目の母親に続いて、今回電話越しに登場した二人目の母親は、明らかに瑛子だったしなあ。てっきり、これらの問題は全部前作で片がついたと思ってたんだが、まさか持ち越ししちゃったのか?

前回の運命の敵である事が発覚した際は、まだ日常が崩れるほどの歪みは生じていなかったのですが、マイペースに日常を続けるのかと思った一乃は、何やら予想以上に無理していたようで。「日常継続ゲーム」なんて言い出しちゃったら、日常が続いている方がおかしい事を認めるようなものじゃないか。
さすがに今回のラストは、何事もなかったかのように今までの平和な展開を続けるわけにはいかないだろう激震が纏めて襲いかかってきたので、さすがに次巻は動くんだろうなあ……それでもなお、あのリリスやキリカでこれまでと同じくラブコメを続けたら、それはそれで尊敬しますけどね!

しかし、いい加減一乃さん、マジで焦燥にかられるかして余裕がなくなったみたいで……ガチで据え膳し出したぞ、この女w もはやからかって遊ぶとか、鈍感くんを誘惑して反応を楽しむ段階を飛び越し、恋敵と張り合うがためにアピールすることすら跨ぎ越し、露骨にいいからお前、とっとと私を襲えやこら、と首根っこ捕まえて振り回すかのような勢いでの積極攻勢w キリカとリリスもそんな一乃に引きずられて、これ一体どんな桃色空間ですか?
もうボケと冗談と弄りについては、フェルを筆頭とする煉獄の不思議生物群がほぼ専任担当という有様に。ある意味、フェルがこれまで以上に大活躍ですよ。こいつ、第一罪とバレた途端に言動に遠慮が全力で皆無になったな。実に楽しそうに宗司たちで遊びまわってやがる。かっこいい台詞録音成功には吹いた。あれをばっちり録音してるとか、フェル、やり手すぎる(笑

葉村哲作品感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その5 この夜に奏でられるフィナーレ4   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その5 (MF文庫 J は 6-12)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その5 この夜に奏でられるフィナーレ】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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次はちょっと控えめに――控えませんでした。一乃さん、ブルマを着用。
夏休み明け、一乃のいない荒谷学園ゲーム同好会。生まれながらの異能『煉獄』、つまりフェルを失った森塚一乃は学校を休んでいた。事情を知らない宗司とキリカだが、キリカが一乃の家を訪れることになる。そこでキリカが見たものは……。その他、ブルマの妖精さんと柔軟体操とか、宗司と一乃のデート再びとか、まさかの女子会開催とか宗司のコスプレ(誰得)とか文化祭とか。一乃の異能、完全喪失!?「私はもう、ただの非力な女の子よ」――かつて宗司と交わされた「契約」はどうなってしまうのか? 葉村哲が贈る新感覚ラブコメディ(でおK)、全然自重する気配のない第五弾!
本気で自重する気無いな、一乃さん! ってか、異能がなくなり宗司と交わした「契約」が曖昧になってしまった為に、一乃さん的には腰が引けて宗司から距離を置こうとするんじゃないだろうか、なんて予想してたんだがこの女……余裕なくしてテンパッた挙句に逆に血相変えてしがみついてきやがった!!(爆笑
こらこらこらこら、クールで孤高の美少女は何処へ行った。もうそんなキャラ初っ端から残ってねえよと言われればそれまでだけれど、少なくとも形骸くらいは残ってたと思うんだが、そのへん全部かなぐり捨てて来たってなもんだ。表向き単に普段よりも壊れ気味なだけ、とも取れるけれどこれってもう一乃必死だよね。普段の見栄張って暴走して自爆するだけのプライドも残ってない様子だし。デート編なんていつもならついつい宗司の優しさに甘えてムチャクチャした挙句に色々と酷いことになるのが定番なのに、あまりにも普通にデートしてしまったお陰でキリカが一乃が壊れたって泣いちゃったくらいだし(泣くなよ……。
とにかくもう一乃さんちょっとビックリするくらい必死なのだ。今回の一乃さんのややもはっちゃけすぎなくらいのテンションはそういう事なのだ。ただ色ボケしてたり妄想に耽溺してたりキャラが壊れてたわけではない。距離をおくなんてとんでもない。それどころか、しがみつき、むしゃぶりつき、涙ながらに懇願するように私を捨てないで、私を忘れないで、私を一人にしないで、離さないでと喚いているのだ。それこそドSだった彼女が軽視できない勢いでMッ気をまき散らしていた程に。幼児退行して大暴れしていたあれが、実のところ今回の一乃さんの一番素の顔だったんじゃないだろうか。
一乃が宗司にベタぼれなのは本人も公言しているし自明の事だったんだけれど、ここまでなりふり構わなくなるほど好きだったとはなあ。
いろんな意味で弱ってしまった一乃の為に、キリカとリリスが今回に限って前に出ずフォローにまわっていたのはなかなか印象的だった。本気で仲が悪いはずの三人(四人?)なんだけれど、実際はこの通り溺れた犬を棒で叩くどころか助けてあげるあたり、何だかんだと仲がいいんだよな……多分。

フェルについてはちょっと勘違いしていた。彼女が煉獄の総体というわけじゃなくて、あくまでのあのペンギンとかワンコとかマンボウと同じ化身の一つであって、異能そのものに意識や人格があると決まったわけでもないのか。ただ、リリスの事も考えれば、キリカのバッドジョークや宗司の白夜にも何らかの要素があってもおかしくない、というのはまだ否定は出来ないんだな。……ってかフェル、前の巻であんなに意味深に姿消したくせに簡単に戻ってきたなおい。このゆるキャラヒロインめ。

そしてラストの衝撃的(?)なのかどうなのかよくわからない展開も、まるで皆の関係が決定的に壊れねじ曲がるシリアス展開っぽく終わっていたが、むしろあの設定は一乃さん逆に燃えそうなんだがな。またぞろドSに戻りそうな予感。それどころか肉食系になって宗司食いつかれそうな気がするんだが。ご愁傷さまである。

1巻 2巻 3巻 4巻感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その4 彼女だけのエピローグ3   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その4 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その4 彼女だけのエピローグ】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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「お目覚めなさい、ご主人さま」超目覚めの悪い感じで毎朝が訪れる荒谷学園ゲーム同好会の夏休み。白崎家では一乃、キリカが泊まりこむ合宿が開催されていた。双子の妹リリス×2と二人が毎秒ごとに宗司を巻き込む喧嘩を繰り広げる中、チャイムが鳴ったドアの向こうには。「そうじ、はじめまして、フェルはあなたの……あなたの、なに?」燃えるような瞳に真っ白肌、ネコ耳&巨乳、妹みたいに小さめな……なんか色々ちょっとずつかぶっちゃってる感じの美少女だった!新たな火種とともに、ついに物語の核心の予感!? 葉村哲が贈る新感覚ラブコメディ(かも?)、第四弾!
此処に来てさらに新ヒロイン!? とは露程も思わなかった。葉村式からして、すでにヒロインは一乃、キリカ、リリスの三人で定まっており、ここにさらにもう一人加わるというのはあり得ない。
だとすると、フェルという少女は何なのか。図らずも、あるいは図ってか、粗筋で凡そ彼女についての核心めいたことは書いてあるんですよね。彼女の正体そのものは散々同棲ラブコメをやらかしたあとのラストにてついに明らかになるのだけれど、先のシリーズ【天川天音の否定公式】で第四のヒロインになれなかった少女「コッペリア」がそうであったように、彼女こそが物語を覆い隠していたベールを開くための作動キーであった訳ですな。とはいえ、彼女はコッペリアのように受動的ではなく、彼女自身の意思に基づいて能動的に役割を担っていたのですけれど。それに、彼女の正体そのものにはさすがに驚かされました。これって彼女だけが特別なのか、あるいは彼女以外の同類もまた同じように自律しているのか。ここは結構重要だと思いますよ。場合によってはキリカの運命にも関わってくることですし、未だ明らかになっていない宗司に纏わる諸々についての今後の展開にも大きく作用してくるはずですから。
何れにしても、前シリーズにひき続いてメインヒロインまたも蚊帳の外に放り出されたなあ。当初は非日常設定の中心に居ると思わせておいて、いざとなると実は一番部外者だったという有様になるのは、前の天川天音とおんなじわけで。そう言えば、今回三人いる宗司の母親のうち今回電話口で登場したの、あれ天音だよなあ。残念さは相変わらずのご様子で。
ともあれ、今のところ本当に一乃が一番の部外者なのかは、異能に纏わる話がまったくの情報不足なので断定はし難いのだけれど、ラストのあの展開なら少なくとも一乃がそう思い込む可能性は高いはず。こりゃ、イケイケ娘さんも背中を向けて距離を置こうとしてしまうのか。そうなってしまうと、果たしてあの宗司がどう反応するのかやや怖い所なんですよね。来るものは拒まずの彼だけど、去る者は追わず的な「無関心」とも言うべき側面を今回垣間見てしまっただけに、今後の一乃に対してどういうアクションを示すのかわからない部分がある。
あー、今まで宗司が「あの」キリカとこれまで仲良く過ごしてこれたのって、つまり宗司が「そういう」人間だったから、なんだよなあ。キリカもそれを本能的にか理解しているからこそ、彼に対して安心して懐いているのだろうけれど……。ふーむ、となるとやっぱり重要なのは一乃という新しく加わった要素なのか。
彼女と宗司が出会ったことでもしナニカ変化が生じ、生まれたものがあるのだとしたら、次回以降それが明示されるはず。やはり次回は大きく話が動きそうだ。話は動かなくても、関係と感情は動きそうだ。

にしてもだ、この娘さんたち攻撃力は高いけれど、受け身に回ると弱すぎですなっ! 宗司くんが悪質な洗脳を受けてキャラ変わってしまった日誌七なんか、ボロボロじゃないですか。あんたら、鼻血吹いて倒れるヘタレハーレム主人公かw

葉村哲作品感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その3 エンドオフ・エンドレスエンド4   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その3 (MF文庫J)


【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その3 エンドオフ・エンドレスエンド】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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知っているかしら、私の看病は……、蕩けそうなぐらい甘いわよ
荒谷学園ゲーム同好会。いっさいのゲームを拒否し、思いつくままに刹那の時を燃やしつくす少年少女たちが集う永遠の天国(かっこよくしてみた)。さて、同好会の次なる使命は、旧校舎の大掃除! 素早く若奥様スタイルにコスプレした一乃とキリカ、そして増殖する妹・リリス×2の壮絶なバトルが始まる! ほか、花火をする五人とか、宗司の家に泊まりにくる一乃とキリカとか、無人島に宝探しに出かけるとか。ぽろりしかない……だと!?  そして密かに語られる、宗司とリリスの秘密の過去――。葉村哲が贈る新感覚ラブコメディ(問題ない!)、第三弾!
ん? んんん? 妻的な人が三人? 高校時代の友達で、文化祭の日に告白されて、そのままいい雰囲気のままズルズルと現在に至る……って、なんか聞いたことのあるような来歴なんですが、宗司くんのお父さん。苗字が違うじゃないか、という意見も浮かぶのだけれど、そもそもリリスがそうであるように、宗司が父親の実子であるかというと、どうもかなり怪しい部分があるし。宗司が、三人いる母親について肉親としての愛情があることは語っても、実の母親というふうには、その語り口からは感じられなかったし。そもそもあの写真。父親と母親三人が映ってる写真。なんで十年前なんだ? 宗司の年齢である16,7年より前の、子供がいない時分の若い頃の写真ではなく。
父親、性格が結構違うくね? という部分は確かにあるんですけどね。でも、宗司の正体が未だに謎に包まれ、彼が自分のことについて嘘をついていることが明らかになった以上、父親と母親たちの素性が、いわゆる前作のあの人たちである可能性は大いにあるはず。
だとしたら、幸せにやってるということで、嬉しいんですけどね。両親の寝室、ダブルベッド二つ並べて、四人一緒に寝られるようにしてるって、どれだけ幸せ享受してるんだ、って話ですけど(笑
しかし、身近にこうしてハーレム完成させた実例があると、現状の宗司だけが認めていない一乃、キリカ、リリスによるラブラブ時空も、そのまま成立してしまえばいいんじゃない、という気になっちゃいますよねえ。肝心のヒロイン衆も「あれ? ハーレムってありなの?」と蒙を啓かれたようですし。さすがは日本人。前例主義者は伊達じゃありませんw

さて、本格的にリリスも加わったヒロインたちの誘惑合戦もアバンチュールな夏に差し掛かった事でさらにエスカレート。まあ、エスカレートと言っても彼女らが切羽詰ってるって訳じゃないんですけどね。この手のラブコメ系で主人公にアピールをスルーされ続けていると、大抵のヒロイン衆は焦って暴走しだすのが常なのですが、一乃たちはむしろ余裕たっぷりなのが面白い。宗司が弄り甲斐のある可愛い反応をしてくれるというのもあるし、彼女たち自身がそれほどガツガツと成果を求めてないからなんでしょうね。今の関係を大いに楽しみつつ、でも本気になって襲ってきてもそれはそれで嬉しいからオッケー、という余裕のある姿勢でいるからか、露骨な誘惑を仕掛けてきても見苦しさがないですしね。恋敵との競り合いも、姑息に走らず真正面からの殴り合いで、いっそ爽快でありますし。
そろそろ一乃の異能が、ただの謎ペット製造機関になりつつあるのが何とかしろ、という感じですがw
にしても、自分、ナース服属性は皆無だったはずなんだけどなあ……まさか、黒ナース服なんてジャンルがあるとは! これは死角を突かれたぜ。さらに、白スク。自分、白スクに限らずスクール水着にはピクリとも食指を動かされること皆無だったのだが……一乃さん、すげえぜ。ナース服といい白スクといい、本来萌え属性にないジャンルにも関わらず、ザクザクとこちらのハートを抉ってきやがる。おへそおへそ♪ 最近の一乃さんの誘惑は、本気でその場で襲い掛かれても仕方ないレベルだぞ。
「そう、私は森塚一乃、十六歳」「強引に迫られるのも悪くないかもとちょっぴり思う、意外に受け身な部分もある少女」
「そう、私は森塚一乃、十六歳」「鉄壁のガードを誇るも一度内側に踏み込まれると意外にちょろい少女、攻略難易度は上の下ぐらい」
「ね、ねえ宗司。私は首輪と目隠しにロープくらいなら、その、頑張るわよ?」
鉄壁のガードを誇っていたのはいつの時代ですか、一乃さん。全然記憶にないんだが(笑

一応、今回はリリスの当番回、になるのかな。此処に来て、ほぼ一乃やキリカと同等の第三ヒロインとして、出番の頻度も同じくなってきたし。彼女が養女であること。最初は一人であったことなどが明らかになったわけで。彼女の異能「第一世界」の詳しい内容や、なぜ同一の二人のリリスが存在しているのか、の謎については語られないものの、あの過去回想から色々推察は出来るようになっている。
とはいえ、むしろあの回想は宗司の異常性を示すものとして描かれているようだけれど。やっぱりこちらのシリーズでも、ヒロイン的な役回りになるのは主人公である宗司になるっぽいな。
そして、次は同棲編か。これももう、定番だな(笑

1巻 2巻感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 24   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 その2 (MF文庫J)

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌 2】 葉村哲/

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 bk1

荒谷学園第三旧校舎、古い木造校舎の一階にある部室。白崎宗司と森塚一乃、そして沢村キリカ。三人きりのゲーム同好会では今日も元気に(ゲームしないで)お喋りとか宗司いじめとか宗司を巡る異能バトルが繰り返されている。宗司の妹・双子のリリスも加わった今、戦況は混乱するばかり――。そんな中、沢村キリカの誕生日が近づき、昔から仲の良かった宗司とキリカは「17歳の誕生日までにしたいことリスト」を片手に宗司とデート(?)に出かける。大ヒット御礼、葉村哲が贈る、新感覚ラブコメディ(な気がする!)第二弾登場!

うわぁ………(絶句

やっぱり、葉村哲は葉村哲だったということかー。いやあ、このラブコメな日常が崩れ去る事はない以上、一巻でちと書いたように異能がもたらす要素はあくまでエッセンスに留まっているのだろうけれど……代わり映えしない日常が送られる根底に、こんな真実が寄り添っているというのは想像を絶するなあ。
これ、異能を持った人間たちの繰り広げる駄弁り系日常ラブコメというフレーズなんだけど、この作品の特別なところは登場人物が異能を持っているにも関わらず、その異能力を無駄遣いしながら日常を過ごしていく所にあるのだと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。
異能を持っている、というのは関係ないのだ。注視するべきは、宗司をはじめとした登場人物の精神面での異常性なのだ。最後まで読んでもらうと理解できると思うが、キリカの秘密を知ってしまった今となると、あの真実を抱えたまま生きているキリカと、それを知った上で全部受け入れている宗司が、平然と日常を楽しそうに過ごしている事自体が異常極まりないんですよね。普通なら耐えられないし、まず破綻してしまうはず。それを微塵も感じさせずに何でもない日常を過ごしているということがどれだけおかしい話か。
まだその過去が明らかになっていない一乃や、どう見ても存在自体が狂っている白崎リリカ×2など、未だ掘り下げが行われていない他のヒロインにしても、どうせキリカの例からしてもろくでもない真実を抱えているのはまず間違いないはず。
となると、この作品って他愛ないキャッキャウフフのラブコメな日常を描きながら、そうした日常が送られていること自体が異常で異端でイカレている、という凄まじい有り様になっているという事になる。それってまるで、絶望めいた救いで、地獄みたいな楽園だ。
改めて見なおしてみても、宗司という主人公は想像を絶する。この青年は、一体どういう在り方を以て自らを保っているのだろう。キリカと知り合って以来、もう何年も経っているはずなのに、どうしてこの男は表面上だけだろうと平静でいられるんだろう。キリカと、あんな気楽に付き合えるんだろう。普通の仲の良い女の子のように付き合えるんだろう。一緒に笑えるんだろう。
想像を絶する。信じられない。
いや、だからこそか。こういう男でなければ、キリカや一乃のような絶望を抱えた少女を受け入れ切れず、そんな男だからこそ彼女たちもまた一途に想いを寄せるしか無いのだろう。それこそ、全身全霊を賭けて。口では茶化した風を装いながらも、その実彼女らの露骨な誘惑する言動はいつだって本気で、身も心も宗司に捧げきっているのだ。
彼女らの愛は、常に献身である。

と、いう風に書いているととても重たい話に見えてしまうかもしれないが、基本的には現在続いているシリーズ作品の中では五指に入るであろうイチャラブコメディだ。
なまじ宗司が鈍いを通り越して完全スルーに徹しているものだから、自他共に認める地雷女の一乃とキリカはツンする暇もなく競い合うように宗司へのデレをエスカレートさせていく。宗司が完全に木石ではなく、二人に恋愛感情を抱いていないというだけで二人の可愛さやアピールにわりと年頃の男の子らしくグラグラと理性をぐらつかせ、はっきりと口に出して可愛い可愛いと褒めたりもするので、嬉し恥ずかしな小っ恥ずかしい甘酸っぱい雰囲気にもよくなりますしね。好きな男の子にそんな可愛い反応をされたら、そりゃあ鼻息荒くしてやること為すこと過激化していくのも仕方ありません(無いのか?)
しょっちゅうガチで殴り合ってる影響か、段々と一乃とキリカの中も複雑怪奇に良くなってきている感じですし……良くなってるのかなあ? 本当に抜け駆けされたら、ガチで殺し合いになりそうな緊張感もエッセンス(笑

にしてもだ、一乃にしてもキリカにしても、ヤバいくらいに可愛い。もうメロメロである。その発射しまくりな「襲って♪襲って♪光線」はいい加減凶器だw
君ら、本気でソージ君好きなんだねえ(笑

葉村哲作品感想

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その1 ごく個人的な世界の終わり4   

おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その1 ごく個人的な世界の終わり

【おれと一乃のゲーム同好会活動日誌その1 ごく個人的な世界の終わり】 葉村哲/ほんたにかなえ MF文庫J

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おれ、この人には一生付いていくべきだと思うんだ♪
いかん。葉村さんの描くヒロインが毎度毎度ツボすぎる。

「(中略)。それに、ソージみたいなタイプは、怖いから」
「怖い?」
「誰にでも平等に優しい人の『特別』には、誰もなれないから」
「……そうね」
「あ、でも確実にソージを好きになっちゃうタイプもいるよ」
「どんなタイプかしら?」
「地雷女」
「ちょっと優しくされただけで舞い上がって運命とか感じちゃって、距離感無視して踏み込むんだけど、アピールの仕方が素直じゃないから気づいてもらえなくて空回りした挙句、ほとんど八つ当たりで迷惑かけちゃうの。でも相手は優しいから許してくれて、ますます舞い上がって以下エンドレス――って感じかなっ!」
「素晴らしい分析だわ。でも何故かしら、少し胸が痛いわ」
「うん、実はわたしも言ってて胸が痛かったよ」

viva、地雷女♪

前作が、滅びゆく運命のもと、永遠に似た刹那の中で恋に殉じる少女たちの儚くも美しい恋愛模様を描いたラブストーリーだとしたら、本作はそのラブの部分を徹底的に抽出した上で、異能という外装をまとわせた上で、その外装をまったく活用するシチュエーションが皆無な最近はやりの駄弁り派日常系のジャンルに放り込んだ、ごった煮作品である!
ジャンルは日常系ラブコメ異能バトル!
ジャンルが隆盛となりだすと、そこからいろんな派生系が生まれてくるものだけど、ついに異能者さんたちによる益体もない駄弁り日常系まで出てくるとは、そのうち異世界ファンタジー日常系とかスペオペ日常系とかも出てきそうだな。
あとがきの葉村先生がまるっきり「はがない」の小鳩さんとか「俺妹」の黒猫さんなのは置いておいて、とりあえず担当さんの柔軟性はグッドジョブ(笑
次は日常系コメディにしましょう→えーっ、ムリっす。武器も異能も二つ名もない世界を書けなんて→じゃあ、武器も異能も二つ名も出てくる日常系にしましょう。
何故そうなる(爆笑
いやでも、これは慧眼ですよ。前作でも、あの独特で幻想的な雰囲気とは別に、日常パートのラブコメ部分はこれだけ独立させても十分いけるだろう、ってくらいに良く出来てましたし、あの悶絶しそうな甘甘な雰囲気を一冊丸ごと堪能させてやろうという目論見は、大いにアリと言わざるを得ない。
実際、本作は非常にラブコメ色が強いんですよね。メインヒロインとなる一乃とキリカは、もう既に主人公の宗司にベタ惚れ、という段階ですし。もっとも、二人共いささか性格に難があるので、好意のあらわし方が=宗司を言葉責めにしたり逆セクハラで慌てさせたりという、とにかく弄らずには居られないという有り様なのでアレなのですが、上の本文引用でも彼女たち自身が述懐しているように、宗司くんは非常に懐の広い男の子なので、弄られてもツッコミスキルで鮮やかにあしらいつつ、丁寧に根気よく二人の相手をしてくれるんですよね。だいたい、一乃の弄り方もキツいものではなくて、その言動の端々に隠しきれない好意がはみ出しまくってるんですよね。宗司は気づいてくれないにしても、一乃のムチャ振りを邪険にせずいちいち付き合ってるし、お陰で、傍目には多少ズレているとはいえ、ずっとイチャイチャらぶってるようにしか見えん!(笑

この作品が自分にとって新鮮だったのは、このラブラブ全開の部分なんですよね。最近流行りの日常系コメディって、ラブコメ要素はあるにしても、普段のダラダラした日常を壊さない程度にしか小出ししてくれないわけです。もっとも、将来的に爆弾となって炸裂しそうな伏線は様々な作品で随所に仕込まれていますけど。でも、あくまでメインはだらだらと続く何気のない日常の方。たとえば「はがない」では友達が出来た時の予行演習、「神明解」は帰宅、「生徒会の一存」は生徒会室での駄弁り、といった風に。
ところが、この……ええっと、略称はなんなんだ? 一乃さん? おれいち? ともかく、本作はというと、何も起こらない代わり映えのしない日常がメインなのは一緒なのですが、一乃とキリカにとってその日常というのは、宗司とイチャイチャする&恋敵を潰すッ、というものなので、必然的にこの「おれいち」ではラブコメ! が、メインとなってくるわけです。
短編が幾つも挟まれる日常系コメディというジャンルでラブコメをやられてしまうと、一巻で十本以上の様々なラブコメイベントを一気に堪能できるという、これかなり至福でありますよ?
しかも、葉村さんのラブコメは、私の波長に合うのか、毎度毎度、芯がぐにゃぐにゃになるほど悶えさせられるシロモノで、もう甘いのなんの。砂を吐きそう(笑

異能という要素は、なんだろうこれ。登場人物たちの不安の根本であり、また絆でもある、といった所か。ふとしたことで、ここで描かれている日常風景があっさりと吹き飛んでしまう原因となりそうなものでもあり、作品全体にある種の儚い雰囲気を漂わせている要素でもある。もっとも、前作の否定公式のあの滅びの雰囲気に比べたら、あくまで予感にもならない匂い程度のものだけれど、あくまでエッセンスって感じか。
あと、犬五号とペンギン(笑
犬はもとより、ペンギンは反則だ。階段降りてくるシーンなんか、かわいすぎるんですけど!

あー、やっぱりこの人の書くラブストーリー、波長が合うわー。胸がキュッとなるような嬉し恥ずかしな話を読みたい時はこの人の作品を読むに限る♪
新キャラは程々に、一乃とキリカをあくまでメインに掘り下げて、とことんラブコメで長々とやって欲しいなあ。甘甘、堪能させていただきました。

 
11月26日

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