かれい

七代勇者は謝れない 2 ★★★☆   



【七代勇者は謝れない 2】  串木野たんぼ/かれい GA文庫

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「どーしよ。くっつくのそれ……?」

勇者の力を奪いあう八代勇者(仮)ジオと(元)七代勇者イリア。崩壊しかけるジオの体をなんだかんだで維持しつつ、折れた聖剣を直す手段を求めて、2人は協力して(故)六代勇者ミルカークの出身地アステリアに向かう。

そんななかジオたちの前に現れる、ジオの妹セーネ。何よりも大事に思っていた彼女の出現に、ジオは激しく動揺してしまう。なぜなら、セーネは2年前に死んでいたはずで……。

セーネを蘇らせたという魔王ヴェル=カの目的とは。そして、兄妹の失われた絆の行方は――? 2人の勇者候補が紡ぐ聖剣争奪ファンタジー、再生の第2巻!
なるほど、こう来るかー。
死んだはずの妹が現れて、という展開で想像できるパターンというのは幾つもありますけれど、これはまったく予想していない展開でした。

普通に戻ってきた!

妹のセーネは本物で性格を改変されたり精神をイジられたりしたわけではない素のまま、ありのままの妹で、肉体こそ魔族のものになってるけれど、特に制約があるわけでもなく、呪いや呪詛で行動が縛られていたり、爆弾めいたものが仕掛けられているというわけでもない。セーネの希望に従って彼女を送り出した魔王ヴェル=カに、何かの企みやはかりごとがあるわけでもない。……これ、別にヴェル=カが実はいい人、というわけでもなく、後で出てくる幹部級の魔族でセーネを殺した張本人でもあるミ=ファーラもそうなんだけれど、魔族という種の持つ精神が人間のそれとは全く異なる異常性を持っていて、単なる邪悪とかでは測れない相手だということに繋がるのだけれど。

ともかく、本当にそのままのセーネが、帰っていた。そういう話だったのに。

肝心のジオがそれを信じられなかった。
これ、疑り深いとかそういう話じゃないんですよね。ジオの目の前でセーネが無残に殺された、その事実が彼に与えていた傷の深さ、そこから生じていた彼の中の闇の深さ。それが、現れたセーネを認める事を許さなかったのである。
信じる信じないの話じゃなく、彼の精神の均衡が持つか持たないか、の領域の話だったんですね。認めることは、そのまま彼の心を狂気に沈めかねない、それほどの傷だったのです、ジオにとってセーネの死というものは。

よくこれだけの闇を抱えながら、一巻であんな風にセーネの死を乗り越えられなくても飲み込んで、彼女の夢を叶えようと傍目には前向きに、頑張ってこれたなあと感心してしまいます。ドロドロと溶岩のように煮えたつものをあんなにも抱えながら、それを余人に悟らせることなく、人々を笑顔にしつづけていたのですから……こいつ、本物の勇者だよ。
でも、セーネの出現にこれまで見事に制御しきっていた闇と狂気が、堪えられなくなった、というべきなのかもしれません。それでも、そのまま暴走せずに耐えきるあたりが本当にこの主人公の凄まじさを感じてしまいます。
一方で、兄から完全に拒絶されてしまったセーネもまた、この娘の見識も凄まじいんですよね。果たして何処まで兄の闇を察したのかわからないのですけれど、彼を刺激するような無理押しはすぐに封じて、しかし一切退くことなく兄が激発するだろう一線のギリギリ瀬戸際を攻めるように、自分のセーネと判断できてしまうだろう要素を限りなく削ぎ落として、自分はそうです偽物です、と主張しながらしかし行動を共にすることを許してもらうのである。大好きな、何年も焦がれた兄に憎悪と憤怒の感情を浴びせられながらも、それでもいつか受け入れてもらえるように、と歯を食いしばって辛さ苦しさ悲しさを堪えて踏ん張ることを選んだのである。もうそれが健気で健気で。そして心が強い。あの兄をしてこの妹あり、だ。

こうなると、イリヤの役割というのは決して交われないこの兄妹の仲介役だったんですよね。もう一巻みたいにジオ相手にポンコツおばかやってる余裕は、むしろジオの側にもセーネにもなく、イリヤもずっとシリアスモードなので、彼女本来の優秀さが際立ってくるのだ。というか、すぐにセーネが本物だと察し、ジオの方も理屈じゃどうにもならない精神状態だと察して、両者をなんとか軟着陸させてかつての兄妹に戻れるように、と賢明に両方の間に入ってフォローしまくる姿はすごく甲斐甲斐しいんですよね。イリヤの本質が優しさにある、というのが伝わってくる振る舞いでした。
相変わらず頼りになる大人で、まだまだ未熟なジオとイリヤを支える聖剣のキリさんがまた心憎いほど、この若き勇者たちの保護者役として頼もしくて、目立った破綻なくジオとセーネが着実に歩み寄れたのはこの一人と一本の献身によるものだと言って過言はないのでしょう。

実の妹セーネの登場に、現状コンビで相棒みたいな状態で傍目から見てジオの事好きなのダダ漏れなイリヤとは、どういう絡みになるのか。やっぱり妹としては小姑としてイリヤを見定めていく展開になるのか、いっそ修羅場化するのか、とか想像してたんですけれど、兄と妹の関係が触れれば切れかねない一方的な敵視という状態に陥ってしまっていたので、逆にイリヤがセーネの最大の味方という形になっていたのは、これもなかなか予想外だったんですよね。
セーネの方も、今兄のそばにいるイリヤについて悪く思っている様子は全然なく、元々勇者オタクな吟遊詩人志望というのもあって、七代目勇者なイリヤのことは好意的に見ていたのかもしれませんけれど、一緒に旅するようになってからはさらにイリヤに懐くような関係になっていて、……うん、イリヤさん、いつの間にか最大の壁に成りかねない相手、籠絡してますよ?

結局、ジオとセーネの間が拗れてしまったのは、誤解とか無理解が原因ではなく、ただただ二人の兄妹愛が深かったがゆえ、という皮肉な原因だったわけですけれど、それをイリヤとセイさん、そして前回ではイリヤ愛が深すぎたために敵に回ってしまったユスティナの助けがあったがゆえに救われた話でした。
図らずも、以前はついに理解し合えず断絶してしまっていたイリヤの勇者パーティーの仲間たちと、今度こそ心通じあえた話でもあったんですよね。ジオとの交流やセーネへのフォローを通じて、今となってはイリヤには以前のような自己完結型のボッチ癖はほとんど払拭されたんじゃないだろうか。今回のイリヤは常に優しくて、気配り上手な面が引き立って見えてましたし。まだなんか、ジオに嫌われないと、とか思ってるみたいだけど、今回そういう余計なことしなくても何も問題もなく一緒に行動できていたこと、覚えていられるだろうか、このポンコツ勇者。ほんと、余計なこと考える余裕なく他の誰かのこと考えてた方が、うまくいくのかねえ、この女勇者の対人関係って。

と、これだけ丹念に人間の情の深さとややこしさと素敵さを描いたからこそ、魔族という存在の異質さがまた際立ってくるんですね。ミ=ファーラの人間の持つ感情への好奇心、というのはむしろわかりやすい部類なのかもしれない。それでも、異常性の塊みたいな行動原理で、色々とたまらん部分はあったのだけれど。
それ以上に、やはり魔王が何を考えているのか理解できなくて不気味である。偽っているとか装っているとかではなくて、言動は多分そのまま心のままなのだろうけれど、魔王のいう友達というのが果たして普通の人間の常識のそれと同じなのか。魔王本人は同じだと、思っていそうな所が怖くもある。
何気に冒頭のジオの首ポロリ事件の原因は何も解決していなかったりする、セーネはそれをなんとかするために来たのだけれど、話を聞いてもらえる状態じゃなかったからなあ。というわけで、まだジオは妹の名前を呼べなかったり、ジオの身体の問題もあり、次巻に続けるネタは十分なのでぜひ頑張って続いてほしいものであります。


賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 痛 ~愛弟子サヨナと今回はこのくらいで勘弁しといたるわ~ ★★★☆  



【賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 痛 ~愛弟子サヨナと今回はこのくらいで勘弁しといたるわ~】 有象利路/かれい 電撃文庫

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Q:どうしてこんな変態作の2巻が出るのですか?/A:あっ、悪ノリです。

「クソっ、今回もダメだったか……ッ!」
担当編集は憤っていた。悪ノリで2巻が出てしまうこの『賢勇者』シリーズを王道ファンタジー路線に戻すべく、彼は時間遡行を繰り返し、未来を変えようとしていたのだ。
しかし、何度繰り返しても本作の主人公・シコルスキは、賢勇者というカッコいい肩書きなのに定期的に全裸になる変態であり、ヒロイン・サヨナは昨今のトレンドに反して胸が極薄で、性格がバブみから遠ざかっていくのだった。サブキャラも全員反社会的なサムシングだ。
「オレは、嫌なんだ! 全文検索で卑猥な単語がジャンジャン引っかかる下品な小説を編集するのは……! うおおおッ!」
果たして担当は未来を変えられたか!?
その答えは今、君の手の中にある――。
スタートから扉絵でなんか凄くイイ文言が書いてあるから、誰かの名言でも引用してるのかと思ったら、榎宮祐先生の推薦文だった。推薦文、いきなり冒頭に本文中に掲載すんな!! いや、別にしたらあかん事は全然ないんだよな。よし、しろ!! 実際これほんとに良い文章な気がするので(気がするので!)、こういう文章なら開幕に持ってきて貰っても推進力になりますものね。
しかし、あらすじもぶっ飛んでいりゃ、本文も色々やりたい放題で確かに「悪ノリ」に見えるんだけれど、ただやりたい放題やっているだけじゃあこうはならないんですよね。頭のおかしい人が頭のおかしいままに垂れ流された脳汁をぶちまけただけじゃあ、こうはならない。それはもっと野放図で狂気に満ちた怪作になるのだけれど、これはマトモな人がボーダーラインの上で綱渡りするスリルにもう笑うしか無いとばかりに神経をすり減らしながら突貫するトライアルアンドエラー作品っぽいんですよね。
途中の面接話では、なんか募集して応募してもらったキャラを登場させてたりするのですが、その扱いが結構優しいというか遠慮が伺えるんですよね。
「おばあちゃん」をボッシュートで強制排除しない時点で全然悪ノリじゃないと思いますよ!? もう振り切っちゃっているなら、自作自演キャラへの酷い扱いを見せておいた上であの「おばあちゃん」をさらなる酷い退場のさせ方をしそうなものである。ましてや、それ以降のわりと耐久力ありそうなキャラなら尚更に。でも、それ以降は普通にお引取り、だったもんなあ。
ラストも、物語としてちゃんと筋道立てて展開を通した上でキレイな着陸を見せてくれるところに、途中どれだけ限界に挑戦してメタネタシモネタをばらまきながらも、ちゃんとした形を整えてしまうマトモな作家としての本能が伺い知れるのだ。
あとがきにも、色々と心身削って魂まで削って疲弊しまくっている様子が垣間見えるだけに、そりゃ根本でまともな人が通常とは別の意味で限界方向に挑んでしまったら、そりゃ疲弊もしますわねえ。
むしろ、頭を捻ってこういうのひり出してくるの、逆に凄いと思いませんか? そちらに戦慄を覚えてしまいます。ネタに関してもただぶちまけるのではなく、見せ方に技巧を感じたりするところもありますし、演出のはっちゃけっぷりは小説媒体という枠組みにとらわれない発想で、かつてGA文庫の【のうりん】で白鳥先生と切符先生のコンビによる本文の文章と挿絵の合体必殺技で見せられた演出の可能性、その一つの発展型を見せてもらえたかのようでした。
てか、悪ノリしてたの担当さんの方じゃないの!? そうでなくても、無茶振りされてバッドトリップしてでもなければなかなか「こう」はならないと思うけどなあ。
三木一馬氏の実写写真にはさすがに吹き出すのを止められなかったぜ。本人コメントはないんですか?w
サブタイトルが発売直前に変更になったのは、むしろ作品のヤバさを強調するエピソードになった気もしますけど、そのあとにつけられたのが吉本新喜劇とかでよく使われる ↑ だったのは、このネタが使われるシチュエーションを考えると、わりと本気でボコボコにされる勢いで叱れられたんじゃなかろうかと邪推してしまうんですがw
そして、これで終わる終わる完結完結、というのは終わる終わる詐欺にしかもう見えないですよ? そして、サヨナちゃんとはもっと性的にヨゴレ役に勤しんでも許されると思うのだよ?(私が許す!)

1巻感想

七代勇者は謝れない ★★★☆   



【七代勇者は謝れない】 串木野 たんぼ/かれい GA文庫

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聖剣を抜いたのに、神々に勇者と認められなかった勇者志望の少年ジオ。
横で見ていただけなのに、なぜか七代目勇者にされた天才少女イリア。
一度すれ違った二人の運命は、イリアが魔王に敗北を喫し、戻ってきたことで再び交錯する。

「勇者代われイリアァァァ!!」
「だめ、私がもう一度やる」

勃発するは、勇者の資格争奪戦。代われ代わらぬ喧々囂々。いがみ合つつも、七代目(元)と八代目(仮)の2人の勇者候補はそれぞれの想いを胸に、ともに旅立つことになるのだが――?
真の勇者はどっちだ!? なんとかやり直したい元勇者と早く勇者になりたい少年による勇者力争奪ファンタジー、出立!

聖剣実際抜いたのに、本人じゃなくて近くで見てた娘が勇者認定されるって、抜く意味ねー!!
誰もが讃え称賛する天才少女イリヤ。その評判に違わず、本人は人外無双の人類最強。いきなり勇者指名されたにも関わらず、わりとノリノリで引き受けちゃう。一方、努力し求め続けた勇者としての称号を横から掻っ攫われて、仕方ないと諦めずに非常に見苦しく抵抗するジオ。
これ、超然とした完璧超人の天才少女に身の程を弁えない少年が絡み続けるタイプのコメディかと思ったら……魔王と戦って負けて帰ってきたイリヤが非常に見苦しい言い訳をはじめてごまかしだしたお陰で、途端に同レベルにして低レベルの見苦しい勇者権の奪い合いに発展してしまって、草生えた!
おまけに、勇者認定を下す神々の裁定がめっちゃ軽い! おまえらアイドルの推し変じゃないんだから、という具合の尻軽さで軽々とやっぱイリヤ、いやいやこれはジオでしょう、という具合に勇者であることを示す紋章がぴょんぴょんと二人の間を行き来するわけですよ。
そのどれだけ勇者に相応しいか、という勇者力というのがまた単純な能力や実績ではなくて、世間様の評判、一般市民からの人気や期待値というのが作用するんですね。おかげで、お互い勇者としての見せ場を食い合う事態に。単なる活躍のみならず、どれだけ人気が上がるかを見計らったような宣伝工作、ド派手な口上、と自己演出に終止することに。なにやってんだこいつらw
とはいえ、お互い嫌い合ってたり本気で相手を蹴落とそうとしていたり、というわけじゃないんですよね。ジオには勇者になって吟遊詩人である妹に自分の勲を唄ってもらうという夢があり勇者になる事を譲れないという事情があり、イリヤはイリヤで人の期待に答えなければならない、という自縄自縛となっている歪みがあり、また万人が自分を崇め奉るなかで一人突っかかってくるジオに対してかなり歪んだ感情を抱くに至ってしまい、その結果として見苦しいくらい張り合う有様になっているのである。二人とも、アホらしいように見えて非常に重たい背景を抱えているからこその歪みっぷりでもあるんですね。ただ、あの意地の張り合いは別の意味で拗らせちゃってるんですね。
加えて、張り合いながらもあれで相手を貶めて、という直接的なネガティブキャンペーンははってないんですよ……いや、ジオくんめっちゃネガキャン貼ってたような気もしますけれど、誰にも真面目に受け取ってもらえずそういうキャラとしてみんなに微笑ましく見られてしまう、というなぜか好感度アップしているあたりに彼の人柄の良さが滲み出てしまっている気がしますが。
なんだかんだと、お互いちゃんと認めあっているんですね。実際、天才少女完璧超人なイリヤのみならず、ジオの方も聖剣のキリちゃんが絶賛するように歴代勇者と比べても上位にあげられるような実力者でイリヤがいなかったら間違いなく文句無しで勇者になれてた逸材なんですよね。ってか聖剣実際抜いたのは伊達じゃあないのだ。
なので、お互い実力に対しては疑いようはないし、イリヤなんかは実際はジオに一緒に来てほしくて仕方ない。いやこの子、ほんとに拗らせちゃってるなあ。ジオに対してだけは嫌われ続けないと自分に構ってくれない、と信じ込んでいるあたり対人スキルが誤っちゃってるのがよくわかる。
それもこれも、彼女に対して誰もが期待し信仰するような環境が悪いと言えば悪いのですけれど。

でも、所々で全力で見苦しかったり卑しかったりするあたり、根っこの所でアレな部分は間違いなくあるぞ、この七代目。そしてあまりにもボッチ属性を拗らせてしまっているイリヤの本性に気づいてしまったジオは、これまた拗らせてしまっていた勇者パーティーの一人である聖女との関係改善にあれこれ小細工をはじめてしまうのである。いやもう、こういうの見過ごせないあたり何だかんだとイイ子すぎるジオくん。神々がポンポンとイリヤから彼に紋章を移行させちゃったり、イリヤに比肩するくらい彼の人気が民衆の間であがってしまうのもわからなくもないんですよね。
実はイリヤがベタぼれしてしまっているのも無理ないかっこよさ。勇者になるという決意と覚悟も、ほんとはすごく重たい事情を抱えているのに、それについてはひっそりと胸の奥にしまっていた奥ゆかしさ。いい男なんですよ、ほんと。なのになんで、時々あれだけ人間が小さくなるのかw
まあこの二人以上に、この二人の間を取り持つ聖剣がいいヤツすぎるんですけどね。年長者としてまだ幼い部分を多分に持つイリヤとジオをあたたかく見守り、また助言を与える保護者みたいな振る舞いをしてくれますし。それ以上に二人や状況に振り回されて苦労するわけですけれど。

なかなかにシッチャカメッチャカな展開で、勢いに任せた分文章の中で状況とかわかりにくい所とかもあって読みにくい、と思う所もけっこうあったのだけれど、それでもイリヤとジオが本当に可愛らしくて楽しいお話でした。
わりとそっちのけにされていた肝心の魔王の方にも重要な伏線が敷かれているみたいだし、続きが楽しみ。


賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 ~愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド~ ★★★★   



【賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 ~愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド~】 有象利路/かれい 電撃文庫

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その男、最強にして変態――。弟子サヨナ絶望の日々を描くわくわく冒険譚!

「ところでコレ、ホントに出版するの?」
編集長の鋭い眼光とその言葉に、担当編集の命は風前の灯火であった。

本作は『賢者にして勇者である最強の称号《賢勇者》を持つ男が、弟子(おっとり巨乳美少女)とともに社会の裏に隠れた悪を断罪する』という“ザ・今時のライトノベル作品”としてスタートした。
だが作家からあがってきた原稿は、全裸のイケメン(賢勇者)をはじめ、筆舌に尽くしがたい変態仲間たちが織りなすナンセンスギャグギガ盛りの――いわば「なぜか堂々としている社会悪」的な何かであったのだ(ついでにヒロインの胸も削られていた)。

「だ、出版(だ)します! 面白いですから!」
超言い訳っぽい担当の言葉は真実か!? ――その答えは、君の目で確かめろ!
……凄えな、これ。いやマジですっげえなこれ! 凄えなこれ!?
なんかもう最初、凄えとしか語彙が出てこなくて参った。いやだって、凄いんだもん。キレキレ過ぎじゃないですか、このギャグ漫画。いや、漫画じゃなかったライトノベルだった。でもこのキャラ同士の掛け合いのテンポって4コマ漫画のそれに近いものを感じたんですよね。超面白いギャグ4コマ漫画を文章で読んでしまったような。いやそれにしても、ギャグの切れ味が半端なさすぎて圧巻ですらあるのだけれど。
正直、ここまでキレッキレにキレまくってるギャグラノベってちょっと他に類を見ないんじゃないだろうか。これでも結構たくさん読んできた自負はあるんだけれど、本作はガチで尋常ではないものがある。読んでて最初の方は、自分はとんでもないものを読んでいるんじゃないだろうか、という畏怖を笑い転げながら感じるというなかなか器用な有様になってしまったほど。
圧巻ですらあった。ちょっと白目剥いてたかもしれない。
ただ、序盤がそれだけ神がかっていたのに比べてしまうと、中盤以降はちょっと落ち着いてしまう。少なからず、魔王のカグヤちゃんが作中でもツッコまれてたけど、普通すぎて存在感が低かったせいかそこで少々冷静さを取り戻してしまったのかもしれない。
メタネタを後半に行くほど多様しすぎて、それに頼ってしまいがちになってしまったのも個人的に勢いを減じてしまったと感じたところです。メタネタは嫌いじゃないどころか、【ゴクドーくん漫遊記】でそんな手法があったのか、と感銘を受け以来うまく使っている分には好きなネタですし、本作におけるメタネタはKADOKAWAの御乱行な扱い方といい実にアレすぎて、血塗れの釘バットを振り回して時々振り回している自分にもヒットしているような暴れっぷりは清々しいほどで、いやもうこれぞメタネタの使い方の焚書本、という感じの凶悪な使い方で実に良かったのですけれど、若干繰り返しすぎて後半しつこく感じてしまったなあ、という向きがあったんですよね。ギャグネタの比重としても、後半に行くに連れてメタネタが増えてちと喰い飽きてきたというのがあるのですよ。あれなら、もっとシモネタでも攻めてくれても嬉しかったのに、というところで。まあこのあたりは、個人の好みもあるので、自分の感想に過ぎないのですが。
あと、終盤に向かって弟子っ娘サヨナの物語が進展するのですけれど、これが残念なことにギャグ作品としての勢いや切れ味に対して手綱を締めるようなバランスになってしまった感があるんですよね。ギャグの切れ味を増す方向ではなく、ギャグによってシッチャカメッチャカに引っ掻き回されて笑いに塗りつぶされるところを、変に落ち着かせられて平静さを取り戻してしまう要素になってしまったというべきか。クライマックスで今までの登場人物(変態)をオールキャストで登場させて、場をぐちゃぐちゃにして引っ掻き回すという展開も、燃え要素のある笑いではあったのだけれど、序盤の「なんじゃこりゃーー!」というあの訳のわからなさ、不条理、ナンセンスを沸騰させたようなそれとは違って、どうしても統制された理性を感じてしまったんだよなあ。
精神汚染から開放されてしまった、みたいな。それがちと残念というか物足らない部分であったのです。前半ほんとに自分の中でも伝説になるんじゃないか、という勢いだったからなあ。
いやそれでも、ほんとにとんでもねー作品なのだけれど。色んな意味でとんでもねー作品だったんだけど。
ただ、サヨナちゃんの弟子生活見ている限り、あのお師匠様を最終話であんな信頼する要素は一ミリも存在しなかったと思うんだけど! 概ねひどい目にしか合わされてなかったですよね!? なにかしらお師匠様として尊敬されるようなこと、されたことなかったですよね? むしろ、いつ縊り殺すかカウントダウン、終末時計の針一秒も止まりません! みたいな感じだったと思うのだけれど。
年頃の女の子が何回何度何人の汚い男の裸、全裸、生まれたままの姿を見せられたのか。そのうち、ろくに反応もしなくなったあたりに、サヨナの汚れちまった感が出ていて実にワクワクでした。冒険って誰が誰に対して冒険ランドだったんだろう。冒険というか暴挙に全裸頭頂してた気もするけれど。しかし、【境界線上のホライゾン】の主人公・全裸に続く主人公の全裸率だったなあ。モザイク無し時間で換算すると容易に上回っていたかもしれない。画面上における汚いおっさんどもの全裸になってはいけない公共の場所での全裸率に関して言うなら、圧倒的ですらあったかもしれない。なぜ、清涼剤としてサヨナちゃんの全裸が存在しなかったのかが深刻な謎である。もはや途中から老若男女の区別なく衣服とか必要なかったんじゃなかろうか。全部全裸でも良かったんじゃないだろうか、特に問題なさそうだし! だし!

なにはともあれ、ヤバイ! 酷い! 最低♪ の三拍子揃った大怪作でした。いやあ、もう凄えわ、うん。

縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!! 彼女が高校デビューに失敗して引きこもりと化したので、俺が青春をコーディネートすることに。 ★★★☆  



【縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!! 彼女が高校デビューに失敗して引きこもりと化したので、俺が青春をコーディネートすることに。】  うわみくるま/かれい 電撃文庫

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おいヒッキー幼馴染よ。今日からお前は――俺の着せ替え人形だ!

俺・小野友永は女の子に服を縫い上げ、脱がせ、着せかえるのが生きがいの紳士だ。ところがある日、今まで俺の望むまま着せ替え人形となっていた妹・みちるから突然、「お兄ちゃんの服は着ない」宣言をされてしまった! なぜだ!? 俺の服の何がいけなかったというんだァァァアアア!?
失意に沈む俺だったが、偶然にも深夜のコンビニで疎遠になっていた幼馴染み・凛堂鳴と再会した。しかしその姿はオールグレーのスウェット上下!? 色気のカケラもない上に体型が2年前と変わらない幼女のままだ……。聞けば、キメすぎた服装で高校デビューに大失敗して以来、残念なヒキコモリ生活を送っているらしい。体型が残念なのは遺伝らしい。
この運命的な利害の一致により、俺は新たな着せ替え人形をゲット……もとい、鳴の青春をコーディネートすることに!

スウェット上下で外出ちゃダメーー!! 最悪で、新聞受けに新聞を取りに行くくらいでしょ。ゴミ集積場にゴミ捨てに行くのもちょっとどうかと思います。ましてやコンビニとか、マジか!?(真剣)
斯くの如き残念な娘さんがメインヒロインである。しかも、金髪幼女(染髪)。デビューしすぎにも程がある。まあこの娘さんがまたアホの子でねえ、アホな子ほど可愛いと言いますが、実際可愛い。
半ばペット枠でありますが。
いやうん、鬱陶しい系のアホの子だと大変ですけれど、この鳴坊は愛嬌のあるおもしろ可愛い系だからなあ。しかも、チョロいので適当なこと言ってれば騙されてくれるしw
まあイジってると永遠に面白かわいいので、主人公の友永が甘やかしつくしてしまったのも無理カラン。ほぼほぼ保護者枠だな、これ。
ただ、保護者を気取るには友永が天才と紙一重の変態すぎるのであるけれど。変態と言っても性癖があれ、とかではなく別に鳴のこと女性扱いすらしていないのだけれど、玩具扱いだよね。ただ、女の子に服を着せて喜ぶ変態として極まっているので、鳴と友永が揃うとツッコミ不在の恐怖カップルになってしまうのが実に恐ろしい。いくら幼女に見えても同年齢の女子を堂々と脱がして着せ替えるのは犯罪だと思います! 二回目以降は鳴も速攻で順応して下着姿になることに抵抗なくなってしまっているあたり、この娘さんも心底ダメなんですが。女としてどうかというレベルでダメなんですけれど。
ともあれ、そんなダメを尽くしたような娘さんを社会復帰させるために、尽力する主人公の方がとりあえず社会通念、一般常識を習得しましょうね、という有様なので、一体何をやっているんだろう、という若干カオスじみた展開なのである、すごい。
でも、服一式作って用意してくれてコーディネートまでしてくれる、ってめちゃくちゃ楽ですよね。自分で考えないで済むし。ってか、鳴ちゃんこのままだと本気で着せ替え人形で止まってしまって自分でコーディネート考える、ということしなくなるんじゃないだろうか。最初からしてないけど。させると彼女が社会的に死ぬのは、すでに登場時に死亡者扱いだったことからも明らかなのだけれど。
それでももう、一生友永居ないと成り立たない人間になってしまうよなあ、と思ってたら彼女自身がそうなるつもり満々なので、なんというかご愁傷様である。
いいのか、その男は高校進学祝に妹にウェディングドレス(自作)を送るような男だぞ。しかも、高校生になった妹と未だに一緒にお風呂入ってる男だぞ。
兄の作った服を着ることを拒絶して、兄離れしたと見せかけて一緒にお風呂入るのはむしろバッチコイな妹もかなりどうかしているが。
一貫して掛け合いによどみがないというか、洗練されたコントのようにリズムよく転がる丁々発止は気持ちの良いくらいのもので、キャラのはっちゃけぷりも相まって読んでいる時間は非常に楽しいものでした。バカ話なんだけれど、何気にストーリーの方はきっちり完成度高くて面白かったです。

うわみくるま作品感想

月とライカと吸血姫 ★★★★☆   

月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)

【月とライカと吸血姫】 牧野圭祐/かれい ガガガ文庫

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宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女の物語。人類史上初の宇宙飛行士は、吸血鬼の少女だった――。

いまだ有人宇宙飛行が成功していなかった時代。
共和国の最高指導者は、ロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。『連合王国よりも先に、人類を宇宙へ到達させよ!』と息巻いていた。
その裏では、共和国の雪原の果て、秘密都市<ライカ44>において、ロケットの実験飛行に人間の身代わりとして吸血鬼を使う『ノスフェラトゥ計画』が進行していた。とある事件をきっかけに、宇宙飛行士候補生<落第>を押されかけていたレフ・レプス中尉。彼は、ひょんなことから実験台に選ばれた吸血鬼の少女、イリナ・ルミネスクの監視係を命じられる。
厳しい訓練。失敗続きの実験。本当に人類は宇宙にたどり着けるのか。チームがそんな空気に包まれた。
「誰よりも先に、私は宇宙を旅するの。誰も行ったことのないあの宇宙から月を見てみたいの」
イリナの確かな想い。彼らの胸にあるのは、宇宙への純粋な憧れ。
上層部のエゴや時代の波に翻弄されながらも、命を懸けて遥か宇宙を目指す彼らがそこにはいた。宇宙に焦がれた青年と吸血鬼の少女が紡ぐ、宙と青春のコスモノーツグラフィティがここに。
人の夢と書いて、儚いと読む。という言葉を何となく思い出してしまった。
宇宙を目指す物語というと、過酷で残酷ではあっても未来と希望が待っているものなのですけれど、本作は少し違うんですよね。人として、初の有人宇宙飛行へと旅立とうとしているイリナ・ルミネスクにとって宇宙に到達するということは、終着点なのである。吸血鬼である彼女は、人類扱いされず実験体に過ぎず、いわば先に生物として初めて宇宙飛行をすることになったライカ犬と同じモノ扱いされている存在にすぎない。
彼女の飛行は、人間が宇宙に行って帰るための予行演習であるが為にちゃんと帰還までのプロセスは組まれているけれど、見込まれている成功率は最初から半分を切り、それは計画がせっつかれるたびに急速に下がっていく。
つまりは、帰ってこれないのも仕方ない、と最初から見積もられてしまっているのである。それこそ、最初から帰ってこれないことが前提だったライカ犬に比べればマシ、というくらいには。
彼女はそれを知っている。イリナはそれを承知している。それでも、彼女は宇宙を目指しているのだ。そこにたどり着こうとしているのだ。そうして、そこにたどり着いてこそようやく自分は自由になるのだと信じている。いや、決めている。
自由の意味を、彼女がつぶやいた時には読者である自分はまだ理解していなかった。それがようやく察せられたのは、わずかにレフに心開いた彼女がその心情を吐露したときだった。
それが、それしか彼女に救いがないとわかった時のあの切なさ。自分の結末を承知してなお、宇宙に憧れそこを目指そうとしている彼女の夢は、あまりにも儚くて、悲しかった。
もし、レフという青年が居なければ、彼女を人として見るしか出来なくて、同じく自分の命よりも宇宙へのあこがれに忠実で、イリヤと夢を共有してくれる存在が、喜びも悲しみも生きることそのものを共有してくれる存在が居なければ、彼女の心は地球の重力から完全に解き放たれてしまっていただろう。
吸血鬼の故郷だという月へと、彼女は何の未練もなく旅立っていただろう。それは、彼女にとっては後腐れのない未練のない結末だったかもしれない。幸せですらあったかもしれない。夢がかなって、何もかもが消え去ってしまうという終わりを迎えられたかもしれない。
そう思えば、レフとの間に結ばれてしまった絆は、未練は、夢の跡のその先は、とても残酷な現実を二人に突きつけることになるかもしれない。
それでも、レフは求め、イリヤは足掻いて、生きる意思を貫いた。戦って、選んだのだ。だからそれは、どれほどの悲劇が彼らを待ち受けているのだとしても、祝福スべきなのだろう。誰にも語られぬ人類初のコスモノーツの誕生と帰還を。

仮想の世界とは言え、冷戦時代の米ソの宇宙開発競争をモチーフに描かれたこの作品世界。舞台となる国が西側ではなく、東側であるというのも面白いのだけれど、冷たいセクショナリズムに覆い尽くされたこの旧ソ連をモデルとした共和国。国のあり方としては確かに冷徹で酷薄なのだけれど、その中で生きている人間は決して冷たい血が流れているマシンでも悪人でもだけでもないんですよね。それは、開発主任の博士や、チェーカーに該当する治安維持組織の人間も同じで、勿論その組織内での立場故の振る舞いはあるものの、ちゃんと人間らしい情を持っていて、主人公たちを追い詰めるのではなく逆に助けてくれたり、さり気なく便宜を図ってくれたり、なんていう真似もしてくれて、ありがちな東側の描き方ではない、ちゃんと国や組織の中で人間が生きて、心を動かしている物語であったことが、何とも嬉しい。そうであるからこそ、イリナとレフに課せられた宿命が引き立つとも言えますし、宇宙に対する想いの熱がより人間の物語として伝わってきたのかもしれません。
読後の余韻に、しばし浸りたくなる良作でした。

ここから脱出たければ恋しあえっ 23   

ここから脱出たければ恋しあえっ2 (角川スニーカー文庫)

【ここから脱出たければ恋しあえっ 2】 竹井10日/かれい 角川スニーカー文庫

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巨大密室と化した学校から、やっとの思いで脱出した悠真と美少女4人(+美少年1人)。だが学校の外は、なぜか絶海の孤島だった!ムチャぶりしまくる謎の猫耳宇宙服・名無しさんが提示した、今度の脱出条件は…恋人をさらに増やすこと!?閉じ込められ少女も2人増え、素直クールな先輩からツンロリ天才少女、メイドに幼馴染み、実の妹までが悠真をめぐって大騒ぎ!あれ、この状況…別に脱出しなくてもよくね?の第2巻。
すでに二巻目にして、ここから脱出しなくてもいいじゃない、という前提から崩壊しかねない状況に。
リアル無人島生活にしてしまうと、生きるのに精一杯で恋愛している暇がなくなってしまうという悪循環。人間衣食住に充足してこそ精神の余裕が出来るものである、との言にも通じる話である。そこで、主催の猫耳宇宙服名無しによって、不足なく衣食住が供給されるという無人島生活と言うよりも楽園生活に突入した結果、やっぱり脱出しなくてもいいんじゃね? という重ね重ねの悪循環。
おい主催者、色々とグダグダすぎるぞ(苦笑
まあ、竹井作品は微に入り細に入り、概ねグダグダであることを旨としているんで、これはこれで平常運転とも言える。

んで、新たに加わったメンバーは悠真の異性の親友である奏と、紫苑の同性の親友である葵子。葵子、紫苑とキャラ被ってね? と思ったら、豆腐メンタル子さんでした。葵子さん、なんか気がついたら悠真にどっぷり依存してたんですが。あれ? いつの間にデレて堕ちた? というくらいの超早業。居眠りでもしてたっけか、私。
もう一人の親友、奏と来たら、こちらはこちらで親友親友、恋愛感情なんて全然ないよ! とあっけらかんと言いながら、一応恋人関係になった紫苑や美羽を鼻で笑うような凄まじいスキンシップを繰り返す。抱きつくなんざ平常運転。平気でチュッチュチュッチュとキスをして、ベタベタひっついたまま離れない。そうしながら、親友だからこれくらい普通だぜ、と平然としている奏と悠真。
こ・い・つ・ら〜〜。
この調子で、親友だからベロチューしてもどうってことない。親友だからお風呂で裸の付き合いをしても何の問題もない。親友だから、ちょっとセックスしてもいいんじゃね? 親友同士だし、子供とか作ってみた! と、全部親友だから、で押し通しそうな勢いである。
親友最強説。悠真もちょっとは疑問に思えよ(笑

そんな親友という関係にこだわる奏にも、相応の理由と信念があってそうしている、というのが事情に踏み込むことで明らかになっていく。この作者が書くシリアスパートって、ギャグパートと別世界か、と思うくらいにデロデロの生々しさがあるんですよね。正直、あんまり冷静にじっくりと向き合いたくない、人間の気持ち悪い側面がギトギトと脂ぎって波打ってるんですよ。それをうまくギャグパートでオブラートに包んでいるからこそ、ある程度落ち着いて見られるけれど、普通に見たら嫌悪感パないんだろうなあ。
椛なんかも、そんな悪意にさらされた犠牲者の一人。悠真は、敢えてあんな態度をとることで椛を守ってきたのか。子供なりの、最大限の庇護だったんだなあ。それも、椛がちゃんと信じて分かってくれてたから、保てた関係なんだろうけれど、通じ合っていたからこそ最終的に認定されたわけで……あれ? 順調に恋が成就しつつある?
そのうちラストには実った恋を収穫だー、とリアルバトロワがはじまりそうで怖いが、始まってしまうとどう考えても妹の独壇場になってしまうので、それはないか。

次の舞台は、定番とも言えるあれか。さすがに、ここからさらに新キャラ、というのはなさそうなので……あれ? だとすると千早ちゃんと妹の出番になってしまうのか? どちらもある意味バッドエンド直行じゃね?

竹井10日作品感想
 
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