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かんざきひろ

エロマンガ先生 10.千寿ムラマサと恋の文化祭 ★★★   



【エロマンガ先生 10.千寿ムラマサと恋の文化祭】 伏見 つかさ/かんざき ひろ  電撃文庫

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「兄さん……一緒に、寝てもいい?」
紗霧との甘い日々を過ごしていたマサムネは、ムラマサの父・麟太郎に呼び出される。千寿ムラマサのえっちすぎる新作小説が大騒動を巻き起こす!
秋――『青春の思い出』を作るため、ムラマサの通う女子校の文化祭に赴いたマサムネたち。
「兄さん! お嬢様の群れをジックリと観察したい!」
「クラスの人気者ですよ、花ちゃんは」
「千寿ムラマサ先生は文芸部の神です」
コスプレ喫茶に占いの館、エルフのミスコン出場などなど、文化祭を巡るうち、謎に包まれていた梅園花の学生生活が明かされていく。そして運命の後夜祭へ……。
えー、千寿ムラマサ先生ってそんな娘じゃなかっただろう。初登場した時のギラギラしたこの娘は、そんな社交性なんて微塵も持たない娘だったじゃないか。だからこそ、尋常ではなく尖っていたじゃないか。一途で一心不乱だったじゃないか。そういう余分のない娘だからこそ、エルフの対比なり得る娘だったんじゃないのか。
今回の文化祭を通じて今まで知らなかったムラマサ先輩の新たな一面、マサムネたちが知らなかった側面、梅園花という少女は果たして彼女のさらなる魅力となり得るのだろうか。どうしても、後付の設定に見えてしまうんですよね。これまでもちょっとずつムラマサ先輩の素顔や心根というものは、これまでの付き合い、遊んだり遊んだり勝負したり遊んだり、という中で見せてきてくれていて、それはそれで彼女というキャラの身になり実となって積み重なっていったと思うのだけれど、今回のそれは唐突感が否めなくて、果たして千寿ムラマサというキャラとマッチしていたかというとどうしても剥離している感覚が否めなかったのである。
一方で彼女の恋愛観の独特さ、或いは自己中心的なところは実にムラマサ先輩らしくて、そうらしかったんですよね。
紗霧のことはちゃんと友達として認識していた大事にしているし、彼女とマサムネが付き合い出したという現実も理解していながら、紗霧のことは実際は眼中になくてムラマサ先輩の恋愛は常にマサムネと一対一、彼が振り向いてくれるか否か、というところに局限されているところなんぞ特に、色んな意味で視野が限定されていて、だからこそ集中が半端なく深淵のような深みまで掘り下げられている、という強みが醸し出されているのである。
でも花ちゃん、紗霧はあんまり眼中にないけれどエルフだけは目に入ってる気がするんですよね。というか、エルフだけがライバル認定されているというべきか。
同時に、花ちゃんの限界が見えたともいうべき話でもあったように思います。ヒロインとしてどうしてもここまでだった、と。彼女たちの中では何も終わっていない途中の話だったかも知れませんけれど、作品としてはある程度の決着はついてしまったかもな、というムラマサ先輩討ち死に編でした。
やっぱり、最強はエルフだよなあ。

シリーズ感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 13.あやせif(上) ★★★☆   



【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 13.あやせif(上)】 伏見 つかさ/かんざき ひろ  電撃文庫

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『俺の妹』シリーズ復活! 新垣あやせルートをノベライズ!

高校3年の6月。俺はあやせから、相談を受ける。
「お兄さん、桐乃のことでご相談があります!」
あやせは妹の親友で、俺のことを嫌っている……これからもそのはずだった。なのに相談に乗っているうち、
「わたし、お兄さんにずっとひどいことを――」
誤解は解け、俺とあやせの距離は急速に縮まっていく。
「……へ、部屋で二人きりだからって変なことしないでくださいね?」
「やっぱり! な、何を考えているんですか変態!! つ、通報しますよ!」
あやせとアキバデートをしたり、一緒に妹ゲーをプレイしたり、夏コミに参加したり――どうしてこんなことに!?
これから語るのは、『俺と妹』の物語ではない。――俺とあやせの物語だ。
客観的に見て、妹の友達の中学3年生に嬉々としてセクハラする京介は、アウトですよね? ですよね?
あんまりにもだいぶ前の情報出ていて忘れてたのですけれど、これってゲーム版【俺妹】のゲームシナリオを下敷きにした、ヒロインたちのIFルートなんですね。若干、小説としては章と章、というかエピソードとエピソードの繋がりがぶつ切り感があるのはそういう事だったのですね。ゲームシナリオを下敷きにしている、というのは読んだ後に知ったので、なるほどそうだったのか、と納得した次第。特に、京介の感情の動きが見えないんですよ、これ。あやせの方はコミュニケーションを続けていくうちに、段々と距離感が狭くなっていく過程に関して如実に見て取れるのですけれど、京介があやせの事をどう思っているかに関してはちょっと良く読み取れなかったんですよね。なので、京介があやせのこと大声で「大好きだぜー」と言っちゃうのもそういう台詞を軽々しく告げてしまうのは無思慮じゃないか、あやせに妙な意識を抱かせてしまったりしてそんなつもりもないのに勘違いさせてしまったり、と軽率なんじゃないか、と思うところはあったわけです。もちろん、そんな軽率な言葉こそがトリガーとなってラブコメを進展させるのは定番ですから、その軽々しさが京介を悩みの沼に突き落とすのか、とワクワクしていた部分もあるんですね。
だから、あやせが告白してきたとき、こちらとしては京介は当然驚いて戸惑って一旦保留して彼女の真剣な告白に対して今度こそ真剣に悩むことになるのか、と思い込んでいたのです。
だから、速攻でオッケーだしたときには今回読んでて一番度肝を抜かれてしまいました。え!? 京介もあやせのこと好きだったの!? いつから!? いつの間に!?
そこで若干もやもやしてたんですが、これがゲームシナリオを元にしていると聞いてやっと納得できたんですよね。なるほど、プレイヤーとして京介を操作しながらあやせルートを進めているのと、小説の読者として京介という主人公を追っているのとでは、あやせとのやり取り、掛け合い、デートとか喧嘩とか、二人の間で起こるエピソードに対して感じる距離感が結構違うんですよね。だから、ゲームならあそこでのあやせの告白に対して、京介としてもプレイヤーとしても満を持したような感慨があるわけだ。そこに唐突感ってのはないはずなんですよね。
うん、でもだからこそこの巻、小説という媒体に変換しきれているかというと、できてると言い難い部分があるんでしょう。とはいえ、それはぶっちゃけ京介視点の捉え方というあたりに集約されているとも思うので、気になる人はそれほどいないのかもしれない。言うたらば、あやせの可愛らしさこそが主題であり、重要であるわけですしね。
とはいえ、あやせと京介の繋がりは、いわばあやせがどれだけ桐乃が好きで桐乃と仲良くしたいか、という所を間に挟んでのことで、あやせのハートにアプローチするにもあやせが落ち込んでいるのを慰め励ますのにも、全部桐乃が肯定するという部分を介してのことなので、桐乃を脇によけてあやせと京介がただ二人だけの間で向き合うのはまだなんですよね。
実のところ、黒猫なんかはむしろ桐乃を挟むことこそが最重要だと思うのですけれど、あやせに関しては彼女が桐乃に執着しているが故に、桐乃が関係なくなった時こそが大事だと思うだけに、下巻の推移は非常に楽しみなんですよね。
あやせのチョロさも重さもダダ甘さも、それが全部京介だけに向けられるようになったら、いったいどこまで甘酸っぱくトロトロに蕩けるのか、想像するだに凄いことになりそう、と期待ばかりが膨らんでしまいます。期待値あがっちゃうけど、大丈夫ですかね?

シリーズ感想

エロマンガ先生 9.紗霧の新婚生活 ★★★  



【エロマンガ先生 9.紗霧の新婚生活】 伏見つかさ/かんざきひろ  電撃文庫

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「初めて出逢うずっと前から……あなたのことが好きでした」
お互いの過去を打ち明け合い、ようやく心を通じ合わせたマサムネと紗霧。新たな関係を築いていくため、二人は子供の名前を考えたり、初デートに行ったりと初々しいやり取りをする。そんな和泉兄妹に、エルフとムラマサが言ったこととは!?
「つい数日前、オレが実際に体験したことだ」
先輩作家の草薙から、酔った過ちで危険なメッセージを誤射してしまったことを相談されたマサムネと国光。彼の家に現れた人物とは? そして獅童国光渾身の新作小説の内容とは?
「貴方たち兄妹に、謝ることがあります」
叔母の京香に紗霧との新たな関係を報告したマサムネ。だが京香の返答は意外なものだった……。氷の表情の裏に隠された京香の複雑な思いとは──? 和泉兄妹に京香がずっと隠してきた「秘密」がついに明かされる!
新婚生活、まだはじまってないよ! 生活以前に、お付き合いはじめました、という報告をあっちこっちの知人にして回るという展開でした。
結婚生活じゃなくて、結婚報告!
それにねえ……うーん、どうしてもまだ「おままごと」な感じがして仕方ないのです。マサムネは高校生、紗霧に至ってはまだ中学生相当なわけですから、どれだけ本人たちが本気で結婚を志していても、実態がついてきていないというか。
実際は、自分たちでちゃんと働いて収入を得て、二人で暮らし、家事やなんかも(ほぼマサムネがですが)やっているわけですから、責任のない子供たちのたわごと、なんてことは到底言えないんですよね。実態として、既に二人で生活を成立させることが出来ているわけですから。
そして、運命的な経緯を経てめぐりあい、そして今想いを交わしあった関係。もう結婚しちゃえよ、と言われても不思議無いくらいのハッピーエンドカップルなんですよねえ……。
でも、どうしてかまだあんまり「リアル」を感じないのはなんでだろう。と思うと、やはりマサムネと紗霧の精神性が年相応の幼さでありすぎるのか。まだ中学生の紗霧はもとより、マサムネもこの子純真過ぎるというか世間擦れしてなさすぎるんですよね。よくムラマサ先生の方を世間知らず扱いしてるけど、マサムネの方も実のところあんまりムラマサちゃんと大差ない気がするのです。彼もまた、自分の見たいものしか見ようとしない傾向があるというか。
エルフ先生との関係の方が安心して見ていられるのは、そのあたりエルフ先生の方が現実的でビシバシと言うべきことを言ってくれて、夢物語ではなく地に足についた形で将来を語ってくれるというタイプの本気の愛情を見せてくれているから、なのでしょう。
まあ別に、マサムネと紗霧の新婚生活、別におままごとでも何の問題もないのかもしれないですけどね。先にも語ったように既に二人は現状でちゃんと生活を成立させているのですから、実際に結婚してみたら思い描いていた夢の結婚生活と全然違った、みたいな話にはならないのですから。

ともあれ、新婚生活というか婚約発表というかそういう報告をしても、めげないエルフ先生とムラマサ先生。さすがである。いやまあ、今更と言えば今更なのでそれでエルフ先生が諦めるはずがない、というかエルフ先生は既にそれ前提として勝負挑んできているわけですからねえ。ムラマサ先生の方はいまいち動向がわかりませんが。
智恵ちゃんはもう自分で語った通り、既に周回遅れすぎたんですよ! 今の段階で意味深に好意をちらつかせて気を引く、なんて真似してたのは遅すぎるのです。エルフ先生たちの積極攻勢と比べて、あまりにもマサムネを取り巻く状況を把握していなかった、としか言いようがないのである。

そして本命の京香さん。この人こそ今更何を言っているのか、という段階で。まあこれまで何年も思い悩んで苦しんでいたのですから、頑固に凝り固まった考え方がすぐに変わらなかったのかもしれませんけど、あれで二人に嫌われると思っていたのなら自分の甥姪のことを見くびりすぎであり見損ないすぎでしょう。この人、子供の頃からおとなになった今でも一貫して面倒くさい人だったんだなあ!
でも、マサムネも紗霧も、あの母にしてこの子あり、という体でこの手の面倒くさい人大好きなタイプなんで、まあうまくまとまるのか。
しかし京香さん、これだけ頑固で思い込みは激しくて他人を勘違いさせること著しいと、生きるの大変そう。やっと最近報われてきたのかもしれませんけど、この人こそ結婚大丈夫だろうか。

シリーズ感想

エロマンガ先生 8.和泉マサムネの休日 ★★★☆  



【エロマンガ先生 8.和泉マサムネの休日】 伏見 つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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「今日から兄さんは、私と同棲するの」著作『世界で一番可愛い妹』のアニメ化によって不眠不休の生活を余儀なくされたマサムネ。兄の無茶を心配した紗霧は、『開かずの間』での“同棲”を要求する。そうして始まったのは、妹やヒロインたちとの“同棲生活”だった!?同衾、お風呂、家庭裁判!?恋に仕事に、二重の修羅場をなんとか乗り切ったマサムネは、束の間の休日に、様々な思い出を回想していく。『妹やエルフと過ごした休日』『智恵との出会い』『ムラマサ先輩との日々』『マサムネが小説を書きはじめた「きっかけ」』。―そして、『私』が語る、和泉兄妹の過去。シリーズ最大の謎が明かされる第8巻!
これ、ちょうどアニメ化した頃に出たのですか。もうだいぶ前だよなあ。
自分の作品のアニメ化に伴って、莫大に作業量が増えてしまったマサムネだが、その生来の仕事ジャンキーな部分に点火してしまい、自分の体も顧みずに不眠不休で仕事に邁進してしまうことに。
体力的な無茶は若さの特権だけれど、やればやるほどのめり込んで余計に自分で仕事を増やしてしまう、って典型的だな、こいつも。彼の場合、創作活動に限らず普通にサラリーマンとかなっても仕事人間になってしまいそう。
それは結局、紗霧筆頭に家族総出で止められてしまったわけですが、止めたら止めたで途端に色ボケに走るのがここのヒロインたちである。マサムネを休ませる、という体が整ったとみるやすぐさま自分の欲望に負けてイチャイチャしだすんですよね。
でも、この積極性こそが彼女らをヒロイン足らしめているとも言えるのでしょう。その点、奥ゆかしく幼馴染だかクラスメイトだかの範疇を行ったり来たりしながら仲の良い趣味の合う親友、を演出している智恵なんぞ、心地よい友達関係に耽溺してそれ以上を求めないままチラッと匂わせるにとどめている、お蔭で残念ながらヒロインレースからはほぼほぼ放り出されてしまっている。彼女の立ち位置というのは本来の学生が主役のラブコメなら十分以上に有利かつ高品質な立ち位置であり、彼女の距離感身近な友達という関係も普通のラブコメならメイン格でもおかしくないんですよね。
ただしかし、本作ではマサムネは仕事に忙しくて学業には殆ど力を入れていないせいで、普段の生活で智恵と逢う機会もクラスメイトでよく出入りする本屋の娘、趣味仲間という親しい関係でありながらどうしても縁遠くなってしまっている上に、恋敵たるメインヒロインたちは義妹だったり同業者だったりとメインのお仕事関係でも深い仲であるために、機会の頻度が全然違う上に……みんな恐ろしいほどの肉食系積極攻勢型、しかも好きという感情を一切隠さずガンガン推してくる娘さんたち、特にエルフ、であるために、とかく智恵は舞台にあがる機会が殆ど与えられないんですよね、これは致命的。智恵からすると、これはもう色んな意味で相手が悪かったとしか言いようがないよなあ。
相手が悪かった、という意味ではエルフもほんとは最初から負け試合なんですよね。マサムネが小説を書き始めたきっかけ、紗霧が絵をかきはじめたきっかけから、まだ何も縁が無かった頃に結ばれた約束によってすべてがはじまり、やがて結実の果てに再会。しかも同時に家族として同じ屋根の下に住むようになった、とか運命的にも程がある、そしてお互い両思いというつけ入る隙がどこにあるんだ、というマサムネと紗霧の二人。完全に鉄板である。揺るぎのない青信号である。
にも関わらず、怯みもせず食いついて、実際脱落せずに堂々と恋人候補の位置を維持し続けているエルフ先生って、はっきり言って化け物級ヒロインなんですよね。ありえない状況を敢然と現出させ続けているわけですから。すげえなあ、と感心するばかりであり、なんというか途方もなく可愛いよなあ、と呆然とするばかりなのであります。
その手の空気を一切読まないムラマサ先生のマイウェイっぷりもある意味無敵で凄いのですが。

それはそれとして京香ちゃん、この人放って置くと無意識に間違いおかしてしまいそうで、絶対ヤバいな。実の兄に恋して、しかし恋破れた妹その後、を実録してるんですよね。なかなか見ないケースである。彼女の場合、恋した兄も、その兄と結ばれた幼馴染も、仲良くなった紗霧の母も、みんな亡くしてしまったわけで、本当にツライ立場な人でもあるんですよねえ。そりゃ、甥に兄の姿を透かし見て、ちょっと暴走してしまっても……うんうん。

さて、ついにマサムネも紗霧もお互いに契機が来るまでと秘め続けていた真実と想いを打ち明け、一歩踏み出したわけで、これで劇的に今までの関係が変わるのか。次のタイトルが新婚生活なだけに……いや、まだ紗霧さん13歳なんですけど。

シリーズ感想

エロマンガ先生 7.アニメで始まる同棲生活 ★★★☆   

エロマンガ先生 (7) アニメで始まる同棲生活 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 7.アニメで始まる同棲生活】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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「『世界で一番可愛い妹』アニメ化決定、おめでとうございます」
二人で創った小説のアニメを、兄妹一緒にリビングで観る――『二人の夢』にまた一歩近づいた和泉兄妹。興奮冷めやらぬままマサムネはアニメの脚本会議に臨むが、そこで出会った制作スタッフは一癖も二癖もある人たちだった。
アニメ化によって、マサムネの生活に様々な変化が! 先輩たちから本気のアドバイスをもらったり、智恵や学校のオタクたちから祝福されたり、ゲーム化企画も進行中!? 嵐のように舞い込んでくる大量の仕事! いきなり家にやってきた美少女脚本家! 最強のアシスタントとなったムラマサ先輩! エルフや京香も和泉家に乗り込んできて!?
仕事に学業、家事に恋愛、さすがのマサムネも不眠不休の生活を余儀なくされる。兄を心配した紗霧は、ある決断をするのだが……。
アニメ化決定! 人気シリーズ第7弾!
同棲って紗霧と最初から同居してるのに今更? と、思ったら違う人とだった。ってか、完全にただの居候であって同棲じゃないじゃん!
むしろ、これを機会に一緒に住むことになった京香さんの方が一緒に暮らしてくれるように頼むところから同棲っぽいんですけど。京香さんの反応からしても、チョロイン的だし。
でもいいんだろうか、京香さん。和泉兄妹にかまけて今度同居まで初めてしまったら、益々婚期遅れそう。もう、結婚するつもりなさそうな気もするけれど。
しかし、正宗は生活のサポートを京香さんに頼むほどの客観性を持っているくせに、仕事のスケジュール管理、というかマネジメント?に完全に失敗してしまっている、というのはなんともはや。それも、本人失敗しているという自覚がないところが特にヤバイ。あれもこれもと仕事を抱え込んで平気で睡眠時間削って生命力そのものを消費しながら仕事に没頭してしまうところなんぞ、自分をまったく客観的に見れてないもんなあ。
恐ろしいのは、まだ十代で体力有り余ってる正宗は場合によってはこの殺人的スケジュールをこなしてしまいかねないところなんですよね。彼って途中で放り出すことは絶対にせずに小説書きという創作ですらいっそ作業的に熟しちゃうところあるからなあ。
もしこれをクリアしてしまうと、成功体験としてこれが常態化しかねないのが特にヤバイ。前にやれたんだから、これからもやれるよ、と軽く思うようになってしまうともう他人からの意見とか聞かないし、それを当たり前として押し通すようになる、というのはよくある話。
本来なら京香さんがこれを掣肘しなければならないんだけれど、まだ京香さん側の都合もあってか同居まで至ってないのが事を面倒くさくしてしまった感がある。早めに紗霧が止めたのは本当に良かった。彼女は自分たちの夢が何のための夢なのか、というのを忘れてないということでもあるし。正宗の方は、紗霧が自分たちの夢の成就の邪魔をしてる、と怒ってるあたり完全に本末転倒に陥っているわけだが。
ってか、編集。アホみたいに仕事案件ばっかり詰め込んで、そんなんだったらバカでも出来る。相手未成年だというのに、調整もなんもせずに都合押し付けてばっかりというのは見ていて頭痛くなるんだけどなあ。
正宗のケースは極端も極端、余計な負担押し付けすぎているきらいもあるんだけれど、多かれ少なかれアニメ化の影響が原作者に対して押し寄せるなら、そりゃアニメ化決まった途端に続きでなくなる作家が散見されるのも当然だわなあ。これで執筆ペース崩して書けなくなる、というのもあるだろうし。
それはそれとして、アニメ化スタッフがみんな若い女の子、というのはちょっとやりすぎじゃね? 小説サイドアニメサイド全部見渡しても、平均年齢20歳前後になっちゃうんじゃないの?
これはこれで、すごいファンタジーだわなあ。

シリーズ感想

エロマンガ先生 6.山田エルフちゃんと結婚すべき十の理由 ★★★★   

エロマンガ先生 (6) 山田エルフちゃんと結婚すべき十の理由 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 6.山田エルフちゃんと結婚すべき十の理由】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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エロマンガ先生、禁断の初顔出し!担当編集によって仕組まれた陰謀から紗霧を守ったのは、セーラー服を着たうら若き『氷の姫君』の写真だった。兄妹の保護者、京香との新たな関係が描かれる。その一方で、和泉マサムネは、『山田エルフちゃんと結婚すべき十の理由』について、本人から熱烈なレクチャーを受けることに!妹一筋のマサムネを攻略するエルフの秘策とは!?さらには、めぐみたちと合コンをすることになったり、ムラマサ家訪問で彼女の秘密が明らかになるなど、ヒロインたちの猛攻勢にマサムネは耐えきれるのか!そして、マサムネたちの小説『世界で一番可愛い妹』にも新たな展開が―!?
いや、ヤメてさしあげろよ! 京香さんがいくらなんでも頼ってくれって言ったからって、頼る方向が想定外すぎるw 大人の女性になにやらせてんだ、この兄妹は!!! そして、なんでこの叔母さんはこんな頼みを了承してしまうんだww
どうも京香さん、若い頃はかなり美少女な妹キャラだったみたいだけれど、実際どういう少女時代、というか妹キャラとして過ごしてたんだろうか。てっきりしっかり者な妹キャラなのかと思ってたんだけれど、和泉兄弟の悪ノリとしか思えない本気弄りに対して、抵抗もそこそこにどんどんどツボにハマっていくように弄られるがまま逝く所まで頭から突撃してしまうあの姿を見る限り、もしかしてかなりの弄られキャラだったのか。兄貴分や姉貴分たちに無茶振りされて、真に受けてやらかしてしまうひどい目に遭う系の妹キャラだったのか?
この人、将来が心配……ってか現在からもう心配になってくるんですけれど。大丈夫なのか、今現在。しかも、顔出しでこんなことしてしまって。
しかし、影武者として京香さんに顔出ししてもらった以上、紗霧がアルミちゃんみたいに顔出しデビューする事はまずもう無いということなんだろうか。さすがにあれは偽物でした、影武者でした、というのでは筋が通らんだろうし。まあ、美女かと思ったら実はおっさんでした、という詐欺行為ではないので、悪質ではないんだろうけれど。
ってか、今回サブタイトルからも全編に渡ってどっぷり山田エルフ先生回なのかと思ったら、むしろオムニバスっつうか、これまで出てきた主要なメンバーそれぞれに話を振っていくような展開だったのですね。
次回からアニメ化話が持ってくるので、その前段階での準備回……って、特に準備らしい準備はされていないのだけれど、暖機運転回みたいなものか。
獅童先生と草薙先生たちとの合コン回。幹事のめぐみの伝手とプロデュース力に戦慄してしまう話でもあるのだけれど、揚羽ちゃん8歳に獅童先生が陥落させられてしまうのって、この6巻発売当時だとまだそこまで浸透していなかった概念「バブみ」そのものではなかろうか。ってか、このくらいから流行りだしてたんだっけか?

それはそれとしてサブタイトルにもある山田エルフ先生の一気呵成の攻勢ですよ。ってかね、マサムネの方も紗霧に後ろ暗いものを抱きながらもエルフに付き合っている時点でアレなんですよね。エルフ本人に、私の事好きでしょうと指摘されて、全然否定出来なかったのも当然と言ってしまえるくらいに、心がぐらついているのが見えてしまう。
マサムネとしては、紗霧の移行を最優先して、あくまで紗霧を一番に置いているのだけれど、じゃあそれ以外の女性は眼中にない、というくらいに度外視出来ているのかというと、少なくともエルフに関しては全然出来てないのよねえ。
一方でエルフはエルフで、マサムネがどうやったって紗霧を最優先にして揺れ動かないことをはっきりと認識した上で、それもまるっと受け入れて、全部許容すると明言してしまっているのがまた凄い。普通許容できないであろう部分を寛大にも……いや、寛大というと違うかな。そういう上から目線じゃなく、許すとか許さないとかでもなく、そういうマサムネが好きで、紗霧とまとめて幸せにしてやる、とまで言ってくれてるわけで。
いやこれどう考えても、エルフと結婚すると幸せになっちゃうんですよね。幸せにしてもらえること間違いないわけですよ。結婚しろよ!!
問題は、マサムネが一番好きなのは紗霧である、というこの一事だけであって、まあその一事こそが万事であるのだけれど、それを承知の上で果敢に攻めるエルフ先生凄いなあ。
二巻のプロポーズ前哨戦でも相当一気に押してきた、と思ったものですけれど、あれあくまでマサムネに告白させる、という攻めながらも最後で受け身で待つ、みたいな感じも見受けられたんだけれど、今回お婿さん候補なんて誤魔化しをせず、完全プロポーズそのものでしたからね。まさに圧倒的なんですよ。
これどうするんだろう。ここまでこの人を選んだらハッピーエンド間違い無し、という威風を放つヒロインがかつていただろうか。メインヒロインじゃないんだぜ、この人。
もう攻めて攻めて攻めまくってくるエルフ先生に対して、ムラマサ先生の方はというと着実にというか毎回小出しに、という感じで新たな側面、新たな表情、新たな素顔を見せてくるという累積型攻勢タイプで、今回は謎だったプライベートを公開することで、また普段の気が抜けまくった花ちゃんの素顔が暴露されてしまうことに。いやまあ、女子力という点では凄いアレなんだけれど、方向性としてはわりと紗霧と似たタイプなのかも。ああ、エルフ先生がなんだかんだとムラマサのことも構ってしまうのわかるなあ。この子も手が掛かる面倒を見たくなるタイプなんだわ。エルフ先生、紗霧だけじゃなくムラマサ先生も一緒に幸せにしてあげてください。って、頼むと本当に幸せにしてくれそうで、エルフ先生さすがだ。というか現段階で既に、初めての友達ポディションで花ちゃんのことめっちゃ幸せにしちゃってるもんなあ。
もうみんなエルフちゃんと結婚すればいいんだよ!! エルフちゃん量産すればいいんだよ!! それで万事解決なんじゃないかなあ、もう!

シリーズ感想

エロマンガ先生 5.和泉紗霧の初登校 ★★★★   

エロマンガ先生 (5) 和泉紗霧の初登校 (電撃文庫)


【エロマンガ先生 5.和泉紗霧の初登校】 伏見つかさ/かんざきひろ  電撃文庫

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「おにーさんっ、クリスマスパーティやりましょうよ! 」
12月、紗霧のクラスメイト・神野めぐみらの提案でクリスマスパーティを開くことになった和泉マサムネ。めぐみと山田エルフ、そして高砂智恵の初顔合わせや、エルフとっておきの"隠し球"、紗霧の可愛い企みなど、波乱必至のクリスマス。1月、マサムネは作家仲間の獅童国光、美少女イラストレーター・アルミの3人で『バレンタイン対策会議』を開いていた。全員が目当ての女子からチョコを貰うべく、激論を交わすのだが……! 3月、ラノベ作家たちのアニメ化バトルに決着がつき、和泉家は明暗分かれた同業者のたまり場と化していた。そんな中、兄妹の保護者である京香が帰ってきて……。兄妹別居の危機に、奮闘するのは意外な人物!?
ラノベ作家の兄とイラストレーターの妹が織り成す、大人気シリーズ第5弾!!

いやあ、これはマサムネが誤解するのも仕方ないよ。京香さんの接し方が親族としても大人としても保護者としても失敗しているというレベルでやらかしてる。ちゃんと話してみれば、というのは簡単だけれどこれ京香さんの方から取り付く島がなかったとも言えるし、あれだけ頭ごなしにやられてしまったら、マサムネが逸ってしまうのも無理ないなあ、と思う。
これって、京香さんとしては家族ゆえの遠慮の無さ、だったのかもしれない、と考えることは出来るかもしれないけれど。だって、このレベルで対人関係やってたらまともな社会人としてのコミュニケーションとれないでしょう。あっちゃコッチャで仕事上のトラブルが起こってしまいかねない。取引先とか上司相手でなく、部下や使用者に対しても普段はちゃんと気配りとか細かくやってそうな人ではあるんですよねえ。
結局、京香さんって無表情系妹キャラを拗らせ続けてしまった人なんでしょうねえ。いわゆるマサムネの父親を主人公とした物語のヒロインの人だったわけだ。その視点からすると、両親を喪ったマサムネや紗霧も酷い喪失感を抱えながら生きてきたんだけれど、京香さんとしても一番大切な人と、恐らく様々なエピソードを得て恋敵であると同時に友達だった人、家族を突然喪った、という意味では彼女の負っていた傷も相当のものだったはず。そんな中で、大人として、大切な人たちの忘れ形見の保護者として、あの人達の子供たちを自分が幸せに導いてやるんだ、自分が、自分が、という気負いが、京香さんがやらかす原因になってしまったんかなあ。
そもそも、マサムネたちを想う京香さんの距離感と、マサムネたちが見知らぬ親族である京香さんを見る距離感が全然異なっている事を、京香さん自身が自覚していたか怪しいところ。本来、子供たちと距離を詰めていく、という過程抜きにしてズケズケと遠慮なさすぎにマサムネと紗霧の間に踏み込んできてしまっているのがその辺想像させられるんですよねえ。これで、もっと大人として、叔母として包容力ある形で傷ついている子供たちを守るように動いてくれたら良かったのに、取った行動は自分の理想の押し付けだったわけですしね。
これ、京香さん自身が妹キャラだった、というところにも原因があるんでしょうか。大人世代の当時の描写がまだ無い以上想像するしか無いのだけれど、厳しいこと言っても包んでくれる兄みたいな人に、だらしのない姉みたいな人たち相手に、しっかり者で堅物の妹キャラとして小言を飛ばし、時に理不尽な物言いをしても、なんだかんだと甘やかして貰ってたんじゃないかなあ、と夢想してしまうんですよね。だからこそ、自分より小さくて弱い家族に対しての接し方がわからず、マサムネの父や紗霧の母に接するように、年上の家族たちに対するようにそのまま厳しく理不尽に接してしまい、破綻してしまった、と。あの「甘やかしてあげます」という言葉に込められた京香さんの想い、なかなかに想像をたくましくしてしまうんですよねえ。
これを、まだ子供だったマサムネたちに察してあげろよ、というのは幾らなんでも無理難題でしょう。彼らは彼らで自分の大切だった生活、思い出、そして大切な人と未来を守るために必死だったわけですし、どうみても京香さんはそれを無理やり奪っていく理不尽に過ぎなかったわけですから。
それでも、子供たちの成長は両者の間に出来てしまった溝を埋められるだけの「余裕」を生み出したわけで、その成長はそのまま人の輪の広がりでもあるんですよねえ。
考えてみると、これだけポジティブに人と人との繋がりを良きものとして描き切ることのできてる作品って、希少かもしれないなあ。さすがに、登校イベントは青臭え!と思ったんだけれど、それにちゃんと乗っかってくれるみんな、いい子だなあ、と思うほかない。
ムラマサ先輩のあの都合の良い女っぷりには、むしろ惚れてしまいそうだ。
本屋の智恵ちゃんもあれ、十分脈ありだったのか……ってか、彼女ライバル居ねえと思って余裕ぶっこいてたら凄まじいメンツにあっさり追い抜かれてしまった、という感じなんだろうなあ。勿体ぶってないで先物買いしておけば、というところなんだけれど、まあどうやっても先に紗霧という存在がドーンと居座っているので最初からどうにもならないのですが。
そんな揺るぎのない大本命の紗霧なんですが、彼女自身立場に甘えず常にメインヒロインとして燃料を投下してガンガンエンジン動かしているにも関わらず、全然突き放せないエルフちゃんのヒロインとしての凄まじいポテンシャルがヤバいなんてもんじゃないですよね、これ。酔っ払い共の後始末、嫌がりもせずに一緒にマサムネと掃除や片付けや手伝ってくれる姿に、もうなんか打ちのめされた。エルフ兄から、妹は一途で献身的という評価があったけれど、マジで登場人物中でも屈指の家庭的な娘なんだよなあ。そういう範疇に留まらず、なんというかこれだけ、この娘と結婚したら絶対に幸せになれる確信が得られる娘って、かつて居ただろうか、ってな感じなんですよねえ。すげえ、すげえキャラだわ。

シリーズ感想

エロマンガ先生 4.エロマンガ先生VSエロマンガ先生G ★★★★   

エロマンガ先生 (4) エロマンガ先生VSエロマンガ先生G (電撃文庫)

【エロマンガ先生 4.エロマンガ先生VSエロマンガ先生G】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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「よーっく聞けよ――ニセモノ野郎。オレ様が"本物"の『エロマンガ先生』だ」
「エロマンガ先生」の正統後継者を名乗る「エロマンガ先生G」の登場に動揺する紗霧。「エロマンガ先生」という恥ずかしいペンネームには、大きな秘密が隠されていた! 紗霧は、最強のライバルとペンネームを賭けて勝負することになる。紗霧が隠していた、恥ずかしいペンネームの秘密とは? 紗霧を圧倒する技量を誇る「エロマンガ先生G」の正体とは――?
そして、和泉兄妹の新作『世界で一番可愛い妹』にも、新たなる展開が!
ラノベ作家の兄とイラストレーターの妹が織り成す、業界コメディ最新刊!!
エロマンガ先生グレート!! 前巻のラストで登場したときはなんだこのパチもんわー、という印象だったのですけれど、思いの外真っ当に「グレート」してましたがな。由緒正しき「グレート」の系譜である。マジンガーZに対するグレートマジンガー、みたいな?
作家であるマサムネの良き好敵手たちは今までエルフちゃんはじめたくさん出てましたけれど、よく考えると紗霧と同じイラストレーターは今まで出てきていませんでしたもんね。そして、登場したと思ったら、切磋琢磨する相手としては上等すぎる相手じゃないですか。
ってかそれでも、いきなり対決になるとは思いませんでしたけれど。まさかの生放送で公式対決。イベントとして仕切ってしまう担当編集のお姉さん、すでにやってることが単なるライトノベルの編集の域を越えているような。これだけあれこれ企画して実際色んな人巻き込んで引っ張っていて、こうしてイベントを仕立て上げることの出来る編集なんて滅多いないでしょうに。ってかこれ編集の仕事なんだろうか。もう営業とか企画とかそっち足踏み入れてるような。結構ゲスっぽい人だけれど間違いなく優秀なんだわなあ。マサムネもこういう人に首根っこ掴まれているという意味では運の良い作家なのだろう。
それはそれとして、生放送での勝負の審査員、という立場で公衆の面前に立ちながら、そこでエルフちゃんとイチャイチャするなし! いやこれもう誰が見ても付き合ってるようにしか見えんでしょうに。
イラストレーター・エロマンガ先生Gの正体は引っ張ることなく速攻で明らかになるのですが、ってかエルフの仕込みかよ! エロマンガ先生Gの方も確かに本当に「エロマンガ先生」に深い因縁を持つ人物であり、彼女にもちゃんとエロマンガ先生を名乗るに相応しい正統な理由を持っているんですね。
でも、「エロマンガ先生」ってわざわざ奪い合ってまで名乗りたくなるような名前じゃないよね!! 実際、その譲れぬ思いから真剣のこの名前を取り合うことになる二人だけれど、何気にエロマンガ先生はイヤー、とか思ってるし。誰が悪いってどう考えても初代エロマンガ先生が悪すぎる。しかも名前の由来、島の名前とかじゃなくて本気で「エロマンガ」じゃないですかー!
今まで決して絵を描くことに対して生ぬるい取り組みをしていたわけではない紗霧だけれど、自分よりも明らかに上手く、そして絵を描くということに対して、自分の中の感動を表現するということに対して信念と情熱を持つ相手の登場、そしてその相手が自分に対して並々ならぬ複雑な思いをぶつけてくることに対して、真っ向から受けて立ち、これまで以上に絵を描くことに対して身命を賭していくことになる。没頭、或いは没入。もしくは耽溺、とすら言っていいかもしれない、絵を描くことへの情熱をたぎらせる紗霧には、この時あの対人関係能力の面倒くささは出る余地すらなく、今回は最初からエンジンかかりまくりのフルスロットルだったんですよね。
このあたりは、相手となるエロマンガ先生Gの人柄、じゃないけれど、ある種の関係の深さが伺えるのです。当人同士は初対面であっても、共通の人を通じての共感覚であり、想いの共有というべきものを秘めた、友達という枠ではない、あの紗霧の彼女の呼び方がいろんなものを表していたよなあ、と。
それにしても、今回は本職の作家じゃなくてイラストレーターの話だったせいか、対決シーンで何故か飛び交う「必殺技」に笑ってしまった。「エロマンガ光線(フラッシュ)!(実際光る)」とか、いったい何の戦いなんだ。すげえビジュアル重視ですよね、このあたり。
肝心の、マサムネの妹小説の方はこの対決イベントのお陰もあってか、大重版。その盛り上がりにかこつけて、早速メディアミックス戦略に則ってコミカライズスタート。って、まだ二巻も出ていない段階でコミカライズってすげえ早い、メチャクチャ早い。順風満帆どころじゃなく、早く次書かないとコミックに追いつかれるww これはレーベルの方も相当本気でないとここまで急がないよなあ。

と、あくまでメインは紗霧であり、ある意味アルミちゃんだったのですが、常にピッタリと張り付いて離れないエルフちゃんがまた可愛いんだ。もう毎日入り浸ってるのね、このお隣さん。アルミちゃんが嫉妬するのも無理からんベタベタっぷりであります。そんでもって、何気にエルフちゃんっていじられキャラで、出て来る全員にイジられてるんですよねえ、可愛いなあ。

シリーズ感想

エロマンガ先生 3.妹と妖精の島 ★★★★☆   

エロマンガ先生 (3) 妹と妖精の島 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 3.妹と妖精の島】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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『夏の取材&執筆合宿』! あんたたちの夢を叶えるためには、必須のイベントよ! 」
無事に『妹小説』を書き上げた和泉マサムネは、売れっ子作家・山田エルフの誘いで彼女の所有する南の島にやってきていた。
引きこもりの妹・紗霧の件もあり、合宿に乗り気ではなかったマサムネだが、他ならぬ紗霧からの"後押し"や、ムラマサ先輩の参加もあって、この合宿を有意義なものにしようと意気込むが……。
「二人で遊んでましょう! 」仕事そっちのけで遊び始めるエルフ。
「こ、こんな水着で……外に出るなど」エルフにハメられえっちな水着を披露することになってしまったムラマサ先輩。
他にも新しく出来た執筆仲間やエルフの兄の登場など、マサムネはじめての執筆合宿はどうなってしまうのか――?
はーーー……、いやあ面白いわ。すんげえ面白いわー。
ちょいとタイミングを逸して結構長らくシリーズ積んでしまっていたのですけれど、先日からはじめた「ルーレット&ダイスによる積読本を無作為にチョイスして読もう」でヒットしてくれたので、久々に続きを読む機会を得たのですが、うん面白いわー。
さすがというかなんというか、ラブコメというジャンルにおけるこの強烈なキャラの魅せ方に関してやっぱ伏見先生、パねえわー。エルフ、マサムネ、紗霧のトライアングルヒロインのこの圧巻のヒロイン力。これぞラブコメだよ、これがラブコメの真髄だよ、と思わずポカンと口を開けながらお三方にふみふみ蹂躙されてしまいましたがな。
特にエルフちゃんである。なにこの超ヒロイン。やたらカッコよくてちゃんとココぞという時にドカンと可愛い。この巻において、彼女のお兄ちゃんも登場して薄っすらとプライヴェートも明らかになってきたんだけれど、そこで間髪入れずのエルフ当人からの超々攻撃的ぶちかまし。この狙いすましたような一撃は勿論のことクリティカルヒットである。たとえこれまで彼女のことを何とも思っていなかったとしても、このあまりにも強力な一撃は完全に一発ノックアウトの威力でありました。もっとも、そこまでエルフが何もしていなかったというわけではなく、この娘やることなす事カッコイイんですよね。無茶振りも良くしてくるのだけれど、その後ろ暗さのない気持ちのよい行動がジャブの連発のように好感度をジリジリとあげてくるわけだ、これが。
ただでさえ、紗霧とムラマサという超高難度の気難しくてコミュ障な二人を即落ちさせて仲良くなっちゃってるのだから、とんでもねーやつである。それはわかっていたけれど、まさにわかっていただけというのを思い知らされるスマッシュヒットを食らわされた回でした。
もうエルフでいいじゃん、という気分にさせられるほどに。
しかし、この時点でマサムネは紗霧に対して一途に想いを寄せているわけで、そうでなかったらここでもう陥落していただろうなあ。そして、マサムネの気持ちを知っていてなお、この女自分に惚れさせる気満々なのである。なんという漢らしさw
彼女に限らず、今回は紗霧もムラマサも「水着回」だけあってか、これまでのいわゆる「彼女たちの事情」を整理した上で積極的に「ヒロイン」としてのアピールに勤しむ正しいラブコメ巻という感じだったんですよね、全体的に。一方で、彼女たち一歩立ち止まったからこそ、マサムネやエルフとゆっくり交流を深めたからこそ、作家として新たな視点を得て、自分の在り方を再認識し、心機一転再スタートというプロセスもちゃんと踏んでいるわけで、休憩でありつつちゃんとステップアップの話にもなっているあたり、長期シリーズを組み立てていく展望に卒のなさを感じるのでありました。というか、伏見さんの作品は毎回ちゃんと物語としても登場人物としても進展があり続ける、というのは何気に凄いなあ、と思う所。
それにしても、エルフのお兄さんがまんまエルフすぎて笑ってしまった。なんでこの人スーツ着てるの? なんで弓持ってないの? と思うくらい。絶対街似合わないよ、森へ還れw
いやいや、人物としてはエルフの兄なのかと疑わんばかりに非常にマトモで頼りになる大人の人でしたので、還ってもらうと困るのですが。

シリーズ感想

エロマンガ先生 2.妹と世界で一番面白い小説 ★★★☆  

エロマンガ先生 (2) 妹と世界で一番面白い小説 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 2.妹と世界で一番面白い小説】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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『兄妹の夢』を叶えるため『妹小説(仮)』の出版を目指す俺とエロマンガ先生―和泉紗霧。担当編集を説得するべく、和泉兄妹は協力して企画書を作り始めるが―そこに次々と大騒動が巻き起こる!『発売日は一年後です』容赦なく現実を突きつけてくる担当編集。『かくまって頂戴!』締め切りから逃げ続ける売れっ子作家・山田エルフ。『和泉ちゃんと同じものを好きになりたいんです』『やつをラノベにハメる』妹のクラスメイト・めぐみと、本屋の娘・智恵の初遭遇。とある理由から、どうしても今年中に新作を発表したいマサムネは、優勝者に出版枠が提供される『ラノベ天下一武闘会』に挑む!だがそこにレーベル最強の宿敵が参戦してきて…!
続きが出ないラノベばかり選別して、初心者に読ませるとか、悪魔か! 悪魔か!! 時代を超えてレイニー止めをリアルに押し付けるとか、笑顔で顔が引きつりましたがな。鬼か!!
しかし、【マリア様がみてる】のレイニー止めなんてもう14年も前になってしまうわけで、この時生まれていなかった子らがもう中学生というのは衝撃的だよなあ。喰らっためぐみもまだ生まれてないんだぜ。【Hyper hybrid organization】もその年代なんだけれど、本屋の智恵さんいったい幾つなんだ、高校生のくせにw
伏見先生的にはやはりその年代のラノベに直撃を受けたということなのか。デビュー作【十三番目のアリス】での登場が2006年ですからねえ。何となくわかる。そして、その頃に途絶えてしまった数々の作品の続きが読めることはもうないのだと……と、この頃描いてた頃は思わなかったんだろうなあ。まさか、【R.O.D.】の続きが出るとか。【R.O.D.】ですよ、【R.O.D.】。何年越しだよ、一体。
そう、望みはいつだって潰えていないのだ。来ないはずの夏が来ることだってあるかもしれない、かもしれない。
ムラマサ先生じゃないんですけどね、私だって伏見さんのバトルもの、まだ読みたいですよ? というか、具体的に言うと【十三番目のアリス】の続きを、今の作者の筆で書かれるのを未だに待ってますよ?
ムラマサ先生の気持ち、わかる部分も多いんですよね。大好きな作家の、そっちじゃないだろうという方向へ作風やジャンルがスライドして行ってしまって戻ってこないあの感覚。なければ、自分で書いてしまうしかないじゃないか、という欲求。個人的にはムラマサ先生のような、自分の書きたいものを書くために小説を書く、という小説家のスタイルが一番好きです。小説家になりたいために小説を書く、のではなく、ね。書きたいものがあるから、書きたい場面があるから、書きたいセリフがあるから、コンコンと溢れ出てくるうちからの間欠泉を抑えかねて、表に叩きださねば耐えられない抑えきれないあの衝動。
さすがに、ムラマサ先生ほどストイックというか、周りを顧みない現実を振り返らない集中に集中を重ねて尖りまくってしまった在り方は滅多ないと思われますけれど、これもまた小説家としての在り方の一つなのでしょう。こうして、極端な形とはいえムラマサ先生みたいなキャラを出してきて、それも最強の売れっ子作家として出してくるあたりに、この手のタイプの作家に対する想いみたいなものが透けて見えるわけで……。
だからこそ、ベクトルがかなり違う正宗の苦悶と抗いの末の壁の突破が引き立つのでありましょう。
いやまあ、ムラマサ先生のあの正宗への要求だけはドン引きでしたけれど。どれだけ自分だけで世界完結してるんだろう。面白いものは世に出て然るべき。正宗が書き散らした挙句に表に出ずに消えていく作品群にすら苦渋を感じてしまう身としては、勿体無いと思ってしまう身としては、独り占めは良くない、と思わざるを得ないのです。それでも、あれだけ絶賛され評価されてしまったら、嬉しいわなあ。お金もそうなんだけれど、自分の作品が他人の人生を変えてしまうほどの影響を与えていた、と知ってしまった時の感慨というものは表現にあまるものなんでしょう。ムラマサ先生の存在は、ライバルとして以上に正宗の作家魂に火をつけることになったんじゃなかろうか。
まあ、火はついても燃やす燃料は殆ど妹成分なのですが。一巻と裏腹に、既に紗霧と和解して仲良くなった状態なので、なんというか……既にラブラブすぎやしませんか、あんたたちw
傍から見るとずっとイチャイチャしてるようにしか見えないんですが。ぶっちゃけ相思相愛だもんなあ。
ここから拗れていくのか、さらに抉らせていってしまうのか。長らく積んでた分、続刊が溜まっているのですぐ続きが読めるのはありがたい。

1巻感想

エロマンガ先生 妹と開かずの間3   

エロマンガ先生 妹と開かずの間 (電撃文庫)

【エロマンガ先生 妹と開かずの間】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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高校生兼ラノベ作家の俺・和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。和泉紗霧。一年前に妹になったあいつは、まったく部屋から出てこない。今日も床をドンドンして、俺に食事を用意させやがる。こんな関係『兄妹』じゃないぜ。なんとか自発的に部屋から出てきてもらいたい。俺たちは二人きりの『家族』なんだから―。俺の相棒・担当イラストレーターの『エロマンガ先生』は、すっげーえろい絵を描く頼りになるヤツだ。会ったことないし、たぶんキモオタだろうけど、いつも感謝してる!…のだが、衝撃の事実が俺を襲う。『エロマンガ先生』は、俺の妹だった!?『俺の妹』コンビで贈る、新シリーズ!
何を思ってそんな名前を付けた!?
関係ないけれど、イラストレイターの人って作家や漫画家と比べて変な名前にしている人多いですよね。特徴的なものならまだいいんだけれど、読めないとか検索しにくい類の名前は仕事をするのに損が多いだろうに、と良く思うのです。ライトノベルの感想記事なんか書いていると、イラストレイターの名前を見ることが多いので尚更にそう思う機会が多かったり。
さて、本編ですけれど、新たな妹ラブ伝説、というよりも今回のはライトノベル作家ネタ、というべきなのかもしれない。というのも、この義妹ヒロイン、妹としての要素が非常に薄い。義理の妹になってからすぐに引き篭もって顔も合さない生活を続けていたせいで、家族らしい付き合いがさっぱりないんですよね。かと言って、引きこもりな家族との真剣な付き合い方について深く掘り下げて書いているわけではないので、兄妹という関係でありながら限りなく他人に近い身内なわけである、この二人。
まあかと言って、他人同士、という冷めた関係ではないんですけれどね。この微妙な人間関係をじっくりねっとり描写していってたなら、これも新たな妹とのドラマになったんでしょうけれど、どちらかというと重きがなされているのは、兄と妹の関係よりも作家と絵師、作家と作家のあれやこれや、であったわけである。
難しいのは、これが義妹であり同居人という関係でなければ成立しない物語であるところなんだけれど、かといって妹モノかというとやっぱり首を傾げたい。
マサムネがガチンコでぶつかり合うのは、結局引き篭もったままあんまり出てこない紗霧ではなく、ライバルであるエルフ先生だったのですから……。
それ以上に、この二人の関係って兄と妹である方がお互いの気持的にも立場的にも歪んじゃってますしねえ。ってか、普通に接しろよ。なんでそんな究極的に遠回りするんだ、この男は。いや、これもこの男が小説家の権化だからか。一般的な恋愛観からして大いに間違ってはいるが。小説家だって、ラブレターはそんな風に書かないし渡さないから、小説家としても大いに間違ってるんだが。

いきなり話は変わるが、やたら速筆の作家さんって、何年かすると燃え尽きる率、そこそこ高いよねw
いやあ、単なるイメージかもしれないけれど、デビューからガンガン書きまくっていた人が、段々息切れしたように刊行スピードを減らしていき、やがてシリーズも途中のママ音沙汰なくなってしまう。というパターンをいくども経験しているがためか、そんな印象がある。
まあ、実際は敢然と何年にもわたって息切れもせずバリバリ書きまくってる人も、パッと思いつくだけで沢山思い浮かんだので、やっぱりイメージなのかもしれないけれど。
プロとして生き残れるのは、やはりこういう書いて書いて書きまくってなお、すり切れない人なんだろうなあ。なかには擦り切れるどころか、もうベテランもいい所なくらいの年月書いてるくせに、さらにクオリティあげたり、作風の幅を広げたり、レベルアップしていく人も結構いますしねえ。
ただ、こういうマサムネみたいな書き方をしている作家さんから、息を呑むような、電撃に打たれるような傑作や名作が生まれる想像はしにくいのも確か。とはいえ、安定したレベルの作品を沢山供給する、というタイプだって大事なんですけどね。作家なんてものは、それこそ十人十色でいいんだと思う。いろんなタイプが居てこそ、停滞は遠のいていくものなんだから。でも、マサムネはボツが多すぎるよなあ。決して書捨てしているわけじゃないのは、ボツにされた原稿にのたうちまわるような、自分の子供を殺されるような苦痛を感じている事からも間違いないんだろうけれど、やっぱり慣れや摩耗というのはあるんですよねえ。
マサムネが、今までと違うスタイルで新しい作品を書いた、というのはその理由とはまた、いいことなんじゃないかしら。物語を書くことだけじゃなくて、今までと違うやり方で挑んでみる、というのは新たな見地が広がるものですし。
さて、この伏見さんがライトノベルを書く、ということについて具体的にどういう見識を持っているのかについては、どこか自伝っぽく、しかし巧妙にフィクションに彩られ、様々な方向から違う価値観を持ちがる形式からして、まったく悟らせずに面白いエンタメとして出来上がってる事に、やっぱり上手いなあと思うばかりなんですが、【十三番目のアリス】の続きはいつ出るんですか? という件についてはいつまででも言い続けるのですよ?w 【火目の巫女】についても同じくなw

さて、今回の新作のホラー枠は、神野めぐみ、一択で。何が怖いって、この娘全部わかっててやってるっぽいところ。マサムネや紗霧みたいな人間のことを全く理解できずに自分の常識だけで判断している、というだけなら迷惑なだけで怖くはないんだけれど……なんか全部解ってるのにやらかしている卦が微妙に見受けられるのが怖い。

で、実妹からさらに実妹で押してくるのではなく、義妹になったのは現実的回避と捉えるべきか、はたまた逃げと見るべきか。今度は実妹でも妥協抜き、というパターンを密かに期待していたのだがw

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 124   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12) (電撃文庫)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 12】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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“人生相談”から始まった兄妹の物語もついにフィナーレ!

やれやれ……俺が長々と語ってきたこの物語にも、そろそろ終わりが見えてきたようだ。まあんなこと言っても、物語ってのはたいがいラスト付近が一番キツいもんで、俺の高校生活最後の数ヶ月は、そりゃもう大変なことになる。まさしくクライマックスってやつだ。そんなの、平穏を愛する俺の人生にはいらねーのにな。けど、まあ、やってみるさ。地に足つけない、嵐のような人生も、なってみりゃあ面白い。手ぇ抜くのはもったいないし――俺が始めた物語には、俺自身がケリを付けるべきだろう。 
 ……ここまで付き合ってくれて、ありがとうな。


書き終えてから、初っ端からネタバレ全開だったのを自覚しまして、一応伏せます。一応ね。これ、記事に直接アクセスしたら、全部見えちゃうからあまり意味が無いのですけれど、それでもまあ一応。



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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 114   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (電撃文庫)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 11】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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「あの頃のあたし―お、お兄ちゃんっ子だったの」。引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた俺と桐乃。話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていって…「仕方ないことなんかなぁ、この世に一個だってねーんだよ!」「学校に行ったら負けだと思っている」「その謎のペットボトルは…まさか…おまえ禁断の行為を…!」「『凄いお兄ちゃん』なんて、最初からいなかったんだよ」「そんなことで、お兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃん」「だから。あたしは、あんたのことが嫌いになったんだよ」。兄妹冷戦の真相が、ついに明かされる。重要エピソード満載の第11弾。
この話、まず自分は、麻奈実はズルい、と思ってしまったんだが……うーん、この第一印象はどうなんだろう。改めて考えてみると、そんな風にこの幼馴染の事を捉えてしまうのも少し違うような気もしてるんですよね。狡猾であることは決してズルいとは思わないんだけれど……。そもそも、麻奈実って桐乃の事眼中にもなかったんですよね。相手にもしていなかった。それって傲慢? うん、傲慢なような気もするけれど、「普通」という概念に立ってみれば、妹である桐乃が眼中にもなかった、というのは正しくもある。ただねえ、自分はこの麻奈実の「正当性」が多分気に入らないんだろうなあ。受動的に見えて、実は一番能動的に素早く動いていた、という点には驚かされたけれど、そうやって固定した位置に座して、この女性はずっと高みから見下ろしてたようにも思えるんだよなあ。桐乃をはじめ、黒猫やあやせが一生懸命考えて、心を駆動して、感情を爆発させて真っ向からぶつかって、走り回っているのを、麻奈実は座したまま上から見下ろしていたように思えてしまう。そうして、京介がかつて自分が絡めた糸をプツリプツリと引きちぎり、かつてのような、しかしかつてと違う身の詰まった「本物」になって、麻奈実の座から逸脱しはじめた今になり、ようやく桐乃たちと同じ舞台に降りてきた。でも、やっぱり上から目線、に感じる。決して、対等じゃなく、修正してあげようか、みたいにして。
それは、ようやく勝負に至ったのかもしれないけれど、決して対等の相手との真っ向勝負、って見えないんですよね。黒猫やあやせたちが、桐乃と正々堂々ぶち当たって、自分の望みを叶えようとしているのに比べると、正しくラスボスとしての振る舞いに見える。でも、そんな態度って、恋愛、としてはどうなんだろうね。麻奈実は、桐乃の兄への思いを気持ち悪い、と切って捨てたけれど、むしろ自分には麻奈実の有り様、やり方の方が不気味で気持ち悪く感じちゃったんだよなあ。桐乃は、失望の先に今の京介を受け入れ、好いている。黒猫も、あやせも、加奈子も同様だ。でも、麻奈実には、今の京介を好き、と感じさせるものがあっただろうか。自分の思い描いた理想の京介が幻想に過ぎないという事実にのたうちまわり、その果てに今の京介を受け入れるだけの心の揺れがあっただろうか。
確かに、黒猫と付き合った時のショックは大きかったんだろうけれど、麻奈実の意識を変えるには充分な出来事だったんだろうけれど、京介が麻奈実の望む平凡にはなかなか落ち着けない人間だったと、麻奈実も解っているんだろうけれど、それでも加奈子との会話を見てると、桐乃を何とかしてしまおうという企みは、そうしてあやせや黒猫たちも安心して自分と勝負できるのだ、という物言いは、上から目線だと思うのだ。
という、これらの印象も、あくまで印象であって……何度も麻奈実の言動を読み返してくると、そこまでラスボスみたいに振舞っている訳でもない気がしてくるんですよね。そこまで上に立ってるわけでも、見下しているわけでも、偉そうに傲慢になっているわけでも、思いが足りてないわけでも過去で停滞しているわけでもないと思う。こんな風に感じてしまったのは、過剰反応のような気もしてくる。麻奈実は、もっと柔らかな言葉遣いで語ってますし、伝わってくる心根もまたふわふわと包容力がありますしね。
うーん、今回は自分の「解釈」に自信がないんですよね。なんか、客観的にではなく感情的に捉えてしまって、見方が一方的になってしまったんじゃないだろうか、という思いがこびりついて離れない。
まあでも、あやせや黒猫たちにとっては、絶対余計なお世話、だと思うな。麻奈実の「良識」というやつは。

紆余曲折ありましたけれど、俺妹もついに次で完結。麻奈実については色々と書いたけれど、それでも京介が彼女を選んでも多分、納得出来ると思う。誰を選んでも、ストンと腑に落ちるようにしてくれる、それだけの信頼は作者の腕には抱いていますから。
個人的には、黒猫派ですけどね。欲張って、黒猫がハーレムGetエンド(笑

伏見つかさ作品感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 104   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 10 (電撃文庫 ふ 8-15)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 10】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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 あのバカがしばらく一人暮らしをすることになった。受験勉強に集中するためってのと、あとひとつ、お母さんが最近あたしと京介の仲がよすぎることを変に疑ってるらしい……。あたしと京介がそんな関係に──なんて、あるわけないじゃん!
 で、まあ、責任の一端は、ちょっとだけあたしに……あるみたいだし、あいつもどうせコンビニのお弁当とかばっか食べそうだし、仕方ないから、あたしが面倒見てあげようかと思ったんだけど……。
 ちょっとあんたたち、なに勝手に京介の家で引越し祝いパーティ開こうとしてんの!? 発案者の地味子はいいとして、黒いのに沙織に、あやせに……加奈子まで! ていうか、あんたたち知り合いだったの!? えっ? 地味子と仲直り? そんなのあとあと! あーもー、ひなちゃんは言うこと聞かないし! こんなんじゃ京介が勉強に集中できないじゃん!
………………おお。

って、放心してたんじゃ話も進みませんがな。相変わらず、最後の引きがメチャメチャ凶悪だな、これ!!
表紙は桐乃と京介の新婚生活になっちゃってますが、実際はどうかというと……

あやせーーー!!!!!

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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 94   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9 (電撃文庫 ふ 8-14)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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今度の『俺の妹』は“それぞれの視点”で描かれる特別編! 
さらには意外なコラボも!?


 あのルリ姉に──好きな人ぉ? どーせ脳内彼氏でしょ? (8)巻の顛末を黒猫の妹・日向の視点から描いた『あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使』。腐女子の妹を「世界一可愛い」と豪語する、もうひとつの“残念な兄妹”の物語『俺の妹はこんなに可愛い』。いくつもの“顔”を持つ沙織・バジーナの“ルーツ”に迫る『カメレオンドーター』。桐乃に“トラウマ”を植えつけた瀬菜の恐るべき行動とは?『突撃 乙女ロード!』。お兄さんが彼女と別れたのって、もしかして……私のせい? あやせのフクザツな乙女心と、加奈子のライブ楽屋裏の一幕『過ちのダークエンジェル』。ほか『真夜中のガールズトーク』『妹のウエディングドレス』2本を収録! さらにはアニメOP主題歌を担当した「ClariS」とのコラボが実現! 原作の主題歌『nexus』の発売や、作中に「ClariS」の二人が登場するなど驚き満載の特別編!!
なんだよこれ、どいつもこいつも重度のシスコンとブラコンばっかりじゃないかw その中でもカラー口絵の加奈子のコメントは際立ってた。加奈子はこれ読む限りはシスコンとは違うんだけれど、素直じゃないひねくれてるほかの連中に比べて、実にストレートなんですよね。なんか、ニヤニヤを通り越して微笑んでしまった。

【あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使】
かっけぇ! なんだこの人!?
いかん、思わず妹・日向とシンクロしてしまったがな。時々京介って素でカッコイイんだよなあ。スカしてるわけでも気障にカッコつけてる訳じゃないんだが、なんだこいつ!? と目を剥いてしまうようなカッコイイ時がある。勿論、そこに至るまでにみっともないくらいにグダグダやっているのは、京介視点の本編で嫌というほど味わっているんだけれど、それを踏まえてなおカッコイイんですよね。惚れるわぁ。
まあ、最近かっこ良さに比例するようにキモさも右肩あがりなのですが。京介兄やん、まじキモいです。
というわけで、こまっしゃくれた五更家の次女日向の視点による黒猫が京介と付き合いだし、別れてしまった時の一部始終が描かれているのですが……黒猫、はしゃぎっぱなしじゃないかw
家族の前では建前も何も吹き飛んでいるので、京介や桐乃に対する感情も訴訟されかねないほどの勢いで垂れ流し。黒猫、あんたそんなに京介と桐乃のこと好き好き大好き超愛してる、状態だったんだな。もう、デレッデレである。8巻でも充分デレッデレかと思ったけれど、あれは京介の手前まだまだ澄ましてたんだというのがよくわかる。しかしまあ、黒猫め、随分と妹に心配かけてるんだなあ。基本的にいいお姉ちゃんしているとは思うけれど、あんまり妹に生暖かい目で見守られるような真似はしないほうがいいと思うぞ、うん。
妹ちゃんの視点ということで、彼氏として連れてこられた京介のことも語られているのだけれど、思ってた以上に京介って慕われてたんだなあ。懐かれた、とも言う。すっかり五更家に馴染んでいるあたり、この男、人様の家庭にするっと入り込むの得意だよなあ。田村家だけじゃなかったのか。
あと、桐乃が京介並みにキモいんですが。こいつら、確かに血の繋がった兄妹だよ……兄妹揃ってこれ、ということはあの両親のうちのどちらかも、この手のキモ属性持ちなのか!? ……多分母親だな、あれは。


【真夜中のガールズトーク】
桐乃視点である。繰り返す、桐乃視点なのである。
……桐乃、お兄ちゃん好きすぎるだろうw しかも、最近の一連の出来事や黒猫との一件を通して、どうも理想の枠で括った虚像ではない、等身大の在るがままの兄貴に惚れてきているようだし。それでも兄貴には期待しちゃうのか、この娘は。可愛いなあ、もう。
彼女の独白を聞いていると、どうして京介と一時期疎遠になったのかがうっすらと見えそうなことをつぶやいているのだけれど、それよりも注目はあの発言ですよ。……もしかして、桐乃の真奈美への感情って思ってたようなただの敵視とは違うのか?
あと、黒猫の親父さんと京介がなに話してたか異様に気になるんだが(笑
とりあえず、桐乃はやっぱり京介の嫁は黒猫がいいみたいだ。どう聞いてもこれ、黒猫を応援しているようにしか聞こえないしw


【俺の妹はこんなに可愛い】
赤城兄妹は正直ヤバいレベル。むしろこの二人が存在しているお陰で、京介と桐乃がまだマシで健全に見えてくるという不思議、あるいは計算しつくされた配置?
兄貴が妹狂いなのは前から堂々と表明されてましたけれど、これ妹の方も相当にイッちゃってるじゃないか。もうちょっと冷めて単なるネタ扱いなのかと思ったら、完全に相思相愛じゃないかこれw
正直、桐乃と京介よりも高い確率で将来社会的に認知できない関係にマジで陥りそうだ。
それにしても、まさか京介が白昼堂々、赤城とどっちの妹が可愛いか対決なぞはじめる時代が来るなんて。京介、お前もう自分がシスコンだと隠そうともしてないな、おい。
いきなり赤城の妹自慢に俺の妹の方がガチで可愛いんだよ、とキレだす京介。末期だ、リアル末期だ。
そして、京介の妹対決に負けたくないから可愛い写真よこせのメールに、罵倒の返信とともにちゃっかりポーズ決めた写メを送る桐乃さん……だ、ダメだ、この妹の方ももうブラコン隠そうとしてねえw
京介……お前、携帯に妹とのツーショットプリクラ貼ってるのかよ……スゲエな、本気で末期だ。


【カメレオンドーター】
槇島沙織が如何にして沙織・バジーナになったのか。彼女が如何にして自分のサークルを作ろうと思うに至ったか、のお話。以前にちらっとだけ触れられていた、彼女が失ってしまった遊び場のお話ですな。沙織も考えてみるとこれもシスコンの一種なのでしょうけれど、こちらは正しくコンプレックスだなあ。尊敬もしてるし目標とすべき人物なのでしょうけれど、それ以上にむかつくし腹が立つし頭に来るし、と天敵そのもの。彼女に関してだけは、姉が嫌いだ、というのは間違っていないのでしょう。それでも、家族なんだよなあ。
それにしても、一連の黒猫恋人問題について完全にハブられてた事に関して切れまくる沙織が、壊れたw 


【突撃! 乙女ロード】
桐乃の友達との付き合い方は、今となってみるとなかなか面白い。特に、一般人とは違うオタク仲間とのそれだと。オタクはオタクなんだけれど、わりと対応が卒ないんですよね。このへん、沙織とは別の意味で合わせるのが結構上手い。やろうと思えば出来るんだよな、この子は。
で、先の兄貴たちの妹自慢大会を繰り返すように、こちらでは兄貴自慢大会に。桐乃も言うようになったなあ……ってか、お前も携帯にプリクラ貼ってるのかよ、隠す気ないのか!?
しかし、京介のシスコンは桐乃の口から聞くと、酷いな。どれも事実なんだよな。なんかもう、人として終わってるレベルですよ?


【過ちのダークエンジェル】
……あやせェ。
この女、もしかしてぶっちぎりでダメなんじゃぁ。前に京介を監禁調教しかけた時から薄々怪しいと思ってたんだが、思考の方向性が明らかにおかしい。なるほど、ヤンデレになる素養というのはこういう部分から垣間見えるのか。本格発症する前の段階でその顕著な傾向を確かめられるケースは稀なだけに興味深いサンプルだ。皆さん、ここのヤンデレ予備群がいますよ、注意!!
ってかさ、あれほど本気で京介に付きまとわれるの嫌がってたくせに、相手の反応が淡白になりはじめたら途端に物足りなくなってむくれだすって、アレだよね、相当にアレだよね。いやよいやよも好きの内、というレベルじゃないぞ?
……マジで今のあやせなら、セクハラしても許してくれるどころか、むしろやめてくださいと口では言いながらもっともっとと強請ってくる可能性を! 否定! 出来ない!
ところで、新キャラの【ClariS】ってなんぞ? と思ったら、主題歌歌ってた人らかいね。凄いな、チョイ役はチョイ役でも、ちゃんと挿絵付きでがっつり京介たちと絡んでたぞ!? というか、京介の野郎、リアルの人にガチでセクハラしやがったぞ、いいのか!?(笑


【妹のウェディングドレス】
表紙絵の桐乃のウェディングドレス、まさかちゃんと本当に着る短編あったのか。表紙だけのネタなのかと思ってた。話があるにしても、どうせモデルの仕事だよな、とは思っていたものの、それだとどうして京介がスーツで決めているのかが謎だったのだが、そういう事だったのか。
ってか、そろそろ京介はシスコン自重しろ。いや、自重はしなくてもいいが世間の目をもうちょっと気にしなさいw
桐乃があそこで、ちゃんとあれは自分の兄です、と言うシーンには、二人の関係が一巻の頃からすると隔世の感があって、何気に感慨深かった。
あとがきの書き方を見ると、この衣装、これ一回きりの見納め、という気はさらさらないようで、ええいそのまま行けるとこまでやっちゃえやっちゃえ。


なにやら、桐乃の独白シーンでチラチラと過去についての後悔と、過ちを繰り返さないという戒めが垣間見えるんですよね。これはそろそろかつての二人の断絶の原因が明かされる話がくるフラグかしら?
妙に大人しいというか、虎視眈々と爪を研いでいる感のある田村真奈美嬢の動向も合わさって、こりゃあ過去絡みの話くるか?


伏見つかさ作品感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 84   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 8 (電撃文庫 ふ 8-13)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 8】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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「私と付き合ってください」

 新たな局面を迎えた恋愛模様。
 そして──
「きょうちゃん。────おこるよ?」
「貴様等、そこに並んで正座しろ!」
「恋人ができたそうですね、お兄さん」
 俺の全方位土下座外交が幕を開けた。
 幼馴染みに三年ぶりのマジギレ予告をされたり、あやせに火あぶりにされかけたり──
「五更日向です。──こっちは末っ子の珠希」
 新たな登場人物も加わって高校生活最後の夏休みは毎日が大騒動だ。
 そんなある日、黒猫が『運命の記述』と題された予言書を見せてきて……?
 予言書に秘められた少女の“願い”とは!?
 兄妹の関係にも、一大転機が訪れる、人気シリーズ第8弾!
本当に全方位に対して土下座しまくりやがった、この兄貴w この巻だけで何回土下座したんだ、兄ちゃん。
という訳で、激動の第8巻。いやあ、色々な意味で想定していた部分を上回ってきた。黒猫に対する京介の本気度や、桐乃の兄への本心や黒猫と付き合う事に対する態度。そして何より、黒猫の姿勢が。
先の巻の感想でも触れているように、黒猫は桐乃から京介を奪うような真似はしないと考えてたんですよね。桐乃の兄への好意を尊重して、たとえ恋人になっても桐乃の居場所を取ってしまわないように立ち振る舞うものだと。実際、予想通り黒猫は告白することを事前に桐乃に相談していましたし、恋人として京介の部屋に遊びに来た時、桐乃をハブらず一緒に遊ぼうと働きかけていましたし(というか、黒猫が桐乃にあんなに素直に積極的に一緒に遊ぼうと誘ったのって初めてじゃないのか?)。ただ、あれ? と思うところもあったんですよね。黒猫の誘いを桐乃が物分りのいい妹の態度で退いてしまったシーン。そして、何よりあの黒猫の願いが描かれたノートの最後のページのイラストですよ。あの絵の描写を読んだ時、何か自分、黒猫の思惑について決定的に見誤っていたんじゃないかと、或いは過少に見積もっていたんじゃないかという感覚がモワモワっと湧き上がってきたのでした。
それまでのイメージからすると、桐乃の場所に黒猫自身が居て、逆に桐乃を黒猫たちが迎え入れる、という構図で黒猫の心象を捉えていましたからね。あのイラストの構図はかなり虚を突かれたんですよ。
ああ、逆だったのか、と。
だから、最後の唐突な展開は黒猫の思惑がわかるまでは何が何だかわからずに混乱させられましたけれど、彼女の意図がはっきりした後は随分とすんなりと納得させられました。それでも、黒猫があそこまで能動的で欲張りだったとは思わなかったなあ。京介はどうやら根本のところで理解してないみたいだけど、黒猫の理想が叶う為には、桐乃に彼氏が出来るなんてことは論外だと思うぞ。

それにしても、異性と付き合うのは初めて同士な黒猫と京介の初々しくも微笑ましい熱々っぷりにはニヤニヤしっぱなし。いやあ、黒猫がやたらと可愛かったのは当然として、それにも況して可愛かったのが京介兄ちゃんというのはどうなんだろう(笑 恋人が出来て浮かれまくってる兄ちゃんの可愛いこと可愛いこと。デートすればするほど黒猫に夢中になっていく姿は眩しいばかりで、この巻のヒロインは間違いなく京介でございました。
可愛い以上にキモかったけどな!!
最近の京介は妹に「キモッ!」と言われても「まさにその通り!」と諸手を挙げて賛同されても仕方ないくらいキモいぞw
でも、ここまで京介に本気で惚れられてたんだから、黒猫のやり方は家の事情が絡んだ上に理想を手に入れるためとはいえ、ちと直球すぎた気がする。女としてはもっと狡いやり方をしても良かったと思うんですよね。変なところで潔癖というか、正々堂々としているところがあるんだよなあ、瑠璃っぺは。現状で、既に桐乃は黒猫を充分認めてるんだから、何も一旦精算しなくても手練手管を駆使すれば現状を保ったまま理想型へとこぎつけることは不可能ではなかったはず。でもまあ、そういう腹芸が出来ない子なんだよなあ。すっげえ不器用だし。
それに、直球だからこそ、桐乃の本音を引き出せたとも言えるし。
本編初ですよ。桐乃があそこまで心底を底の底までさらけ出したのは。正直、桐乃があそこまで自分の想いをぶっちゃける日が来るなんて思わなかった。えっ、そこまで言っちゃうの!? と仰天したくらい、ぶちまけましたし。
とはいえ、全部告白してしまったとはいえ、その告白の「解説」はしてないんですよね。お陰で色々と解釈できる余地が残っている。今回はこれまでと比べても非常に分かりやすいとも思いますけどね。京介と兄貴の使い分けとか。案の定、京介はわかってないようだけど。でも、無意識下ではちょっとヤバくなってるかもしれないですね。事故って桐乃を押し倒してしまった時の反応なんか、前の時とえらく違ってしまってますし。あれはもう「妹」に対するものではなくなってるだろう。
そう考えると、黒猫の理想は着実に実現化しつつあるのかもしれない。

ラスボス化著しい麻奈実ですけど、果たして彼女は黒猫をどこまで危険視してるんだろう。えらい余裕だけど、彼女の解釈からすると一番着実にハードルクリアしつつあるのは黒猫其の人なんだけどなあ。黒猫が想像を上回る勢いで麻奈実のアドバンテージだった以心伝心の所帯染みた居心地良い女房ポディションを、初々しい恋人関係と並列して構築してしまっただけに、一体どうするつもりなのか。
今回、京介が麻奈実に一切相談もせず頼らなかった、というのはわざわざ印象づけて描写している以上、何らかの意味はあるはずなので、今後ラスボスの動向は気にしておいた方がいいかもしれない。

まあ、一番わけわからなかったのはあやせですけどね。彼女だけは何考えてるか本気でわからん。いや、ものすごく分かりやすい気もするんだけど、危なすぎて判断しづらいw

しかしこれ、この「俺妹」という作品としてのオチはどう締めるつもりなんだろう。なんか色々な方向に精算されちゃいましたし、結末が全然見えなくなっちゃったんだけど。そもそも、関係性を元に戻す必要だけはなかったと思うんだけどなあ。要は、桐乃の気持ちの落とし所を確保さえ出来ればよかったはずですし、それなら表面上の関係性は斯くの如き状態にしたとしても、京介に黒猫との事を「ああなった」と思ってしまう形にしたのはちとモヤモヤが残ったかな。出来れば、気持ちまで「精算」されてない事を願うばかり。それだと、黒猫さんが完全に二兎を追うものは一兎をも得ず、という有様になってしまい、ちょっと可哀想過ぎますからっ。まあ、自業自得な気もするけどw

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 75   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈7〉 ((電撃文庫))

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 7】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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……すげえわ、これ。ここぞという最高のタイミングでスペードのエースを切ってきやがった。

どうしよう。どうするんだ、これ?

うむむむむ。参ったな、これは。本気で驚いた。桐乃って、そこまで切羽詰ってたのか? 思えば海外留学から帰ってきてしまった頃から、ちょっと歯止めを失っていたというか、初期の頃と比べてもその反応の仕方が随分とあからさまになってて、それこそ本当に押し殺して見せまいとしていたものが、気づかれても構わない、むしろ気づいてしまって欲しい、と思ってでもいるかのようだったんですよね。
そうかー。本気で余裕なくなってきてたんだな。今まで程度じゃ我慢できなくなってしまうほどに、想い、膨らんできちゃってたんだ。
うわぁ、ちょっと泣けてきたぞ。桐乃が抱え込んでた想いの重さと切なさを思うと、ねえ。
思えば、あのデートだって変だったもんなあ。桐乃は必死に見られる、監視されていると強調していたけれど、京介はまったくそれらしい相手を見ていないんですよね。
明らかにアレ、偽装デートを偽装したデートじゃないか。そこまでしちゃうほどに、気持ちを持て余していたと思うと、ねえ。しかし、だからと言って京介に気づいてやれよ、というのも違うんだよなあ。気づいたら気づいたで、桐乃にとってそれが良い事か、というとそうでもないんですよね。京介も随分と染まってきたというか壊れてきているけれど、妹が自分を本気で好いていると知ったとして、俺も好きだったんだよ、となるかというと……。この兄ちゃんの性格からして、むしろきっちり一線を引いてしまう可能性の方が高く感じるんだよなあ。桐乃も本能的にか論理的にかわからないけれど、自分の本当の気持ちを言ってしまってはいけない、と感じている節がある。カレシになってくれ、と頼んだときに、京介がドン引き気味に自分のことがマジで好きなのか、と問いかけたとき桐乃が蒼白になったの、あれ京介がドン引き気味だった、ということよりも自分の本当の気持ちが知られてしまう事への恐怖の方が強かったような気がするんですよね。
いや、クライマックスでのあの桐乃のセリフを考えると、京介の態度こそが問題だったのか。……いやいやいや、ちょっと待て。もしかしてあれってマジだったんじゃないだろうな? いや、マジではないか。でも、スカウトへの言い訳として彼氏役が必要だったとしても、あのモジモジした様子はちょっとおかしい。桐乃の態度としておかしい。偽装を頼む、という理由にかこつけて、兄貴に告白した、というシチュエーションに浸っていた、ってところか。
それが、京介のドン引きの態度を見て冷静さを取り戻し、同時に傷ついて、絶対に気持ちを知られちゃいけないという想いと、どうにか伝わって欲しいという気持ちがぶつかり合って、この巻での些かリミッターが外れた状態になっちゃってたって事なのかしら、想像をめぐらしてみると。
で、止めがあの兄貴と黒猫の会話聞いちゃったところか。
そりゃ、冷静じゃ居られないよなあ。

そんでね。
桐乃が兄貴のことを好きなんだという事実、薄々は気づいている人はそれなり、人数居ると思うんですが、桐乃の本気を本当に理解しているのって、考えてみると黒猫だけなんですよね。
黒猫だけが、桐乃の想いを全部分かってくれている理解者なんですよ。それを桐乃が以前から分かっていたかは分からないけど、少なくともあの打ち上げでの黒猫の激怒でわかったはず。


そこで意味深になってくるのが、件の桐乃との激突のあと、桐乃と黒猫が随分と長く電話をしていた、という描写なのである。そして、電話のあと桐乃がさっぱりとした顔をしていた、という点。
そして、その後のあの黒猫の行動。
まず間違いなく、確信に近いものがある。桐乃はまず間違いなく、黒猫のあの行動を承知している。了解している。黒猫の性格と、今の桐乃と黒猫の仲、そして黒猫が桐乃の気持ちを知っている事から鑑みると、まず京介に告げる前に桐乃に自分の気持ちと今後の行動について宣告するに違いない。
と、断言してしまおう。
以前に黒猫、同じことを桐乃不在の時にしようとしてたじゃないか、という向きもあるかもしれないが、状況や人間関係も変わってきてるからなあ。

正直、この後の展開が予想できないんですけどね。あの最後の一文が文字通りのものかどうかから、まだ確認しないと安心できないし。自分は、あの組み合わせが一番いいとは思うんですけどね、地味子には悪いが。ここで有耶無耶にされたら、いくらなんでも黒猫がかわいそうすぎるし。
それに、黒猫なら桐乃の気持ち、否定しないと思うんですよね。独り占めして盗らないと思うんですよ。ちゃんと、尊重してくれる気がする。取り合いにはなるだろうけどw でも、取り合い、という行為を享受してくれると思うんだ。
今回は桐乃が歯止めを失って右往左往している部分が大きかっただけに、黒猫が随分と助けになってくれてた気がする。それこそ、彼女がメインヒロイン並みだった5巻レベルで。その上、要所要所でこれも五巻並みにヒロインアピールしてたもんなあ。
ちょうどアニメで白いノースリーブ姿を見せてくれてただけによくわかる。黒猫、白が似合うって。

しかし、肝心の兄貴だが……どんどん壊れてきたなあ(笑
兄ちゃん、おもしろすぎるんですけど? 特にあやせ相手の時の壊れっぷりはなんなの、あれw 明らかに変なスイッチはいってるんですが。然して、なんでまたPSPのゲームのシナリオ、原作者が手がけてるのがあやせシナリオなワケですか? な、なんか本編で書けない分、あやせの話書きたい書きたい、という本音が透けて見えてくるような……原作者シナリオにも関わらず一番壊れた話しになりそうな予感がw 
親父のあの有り様をみると、実は似たもの親子だったのか、と思ってしまうけど。親父さん、今回相当読者の株あがったんじゃないのか。息子と愚痴り合った上にワガママ言いまくる親父さんが可愛いの何の……鬱陶しいわ!(苦笑


まあ、なんとも物凄い展開だった。一章の偽装デート、二章のあやせ家侵入編。三章の夏コミ参加編、とそれまでも十分面白い流れだったのに、なんかもう全部最後の二連撃に持っていかれてしまった。惜しげもなく叩きつけてきたものである。しばらくは放心状態だ。

ところで、各所で持ち上がってきている兄弟間の問題だけど……何気に一番ヤバいというか、一線を超えてしまいそうなのって、高坂家でも赤城家でもなく、あの真壁家なんじゃないだろうかw いやね、むしろシスコン過ぎたりブラコン過ぎない方が危ないんですよって!(笑

伏見つかさ作品感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 64   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 6 (電撃文庫 ふ 8-11)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 6】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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電話中の妹を横目に見ながら、「ただいま」と一声かける。
すると桐乃は、ちらっと俺の顔を見て、こくんと軽く頷いた。
「……へっ」
以前はガン無視だったことを考えれば、多少はマシになったのかもしれねーな。

多少はマシ、どころじゃねーですよ! 当事者の兄ちゃんはわかってないかもしれないが、これは劇的に変わってますがな!!

留学先から無理矢理に連れ帰ってきたにも関わらず、あんまり妹の態度が変わらないことに拍子抜けしている京介兄ちゃんだが、これに関しては麻奈美の意見が正しいわなあ。実際、一年前と言わず留学前らへんと比べても、桐乃の京介への態度は驚くくらい柔らかくなってるし、つんけんした態度にも以前にあった鋭利な鋭さはすっかり失せている。見る人が見れば、甘えまくっているようにしか見えないんじゃないだろうか。
変わったといえば、京介自身も相当変わったと言うか毒されたと言うか。思考パターンがかなりおかしくなってきてしまっている。エロゲ脳? 昔はオタク文化に対して非常にフラットな立ち位置に居たはずで、桐乃の趣味が父親に露呈した際にかばった時なんぞは偏見のない客観的な立場から、桐乃をかばっていたものだけど、今となってはあまりに桐乃側に踏み込んじゃってて、きっと同じような事態になっても、あの時と同じ立ち位置では意見出来ないんだろうなあ。
その影響からか、女の子への接し方もなんかおかしくなってきている気がするぞ? 前巻の黒猫への構いっぷりは、自分は黒猫が特別なのかと思う部分があったんだけれど、どうも今回の京介の能動的な走り回り方を見ていると、年下の女の子をお世話して回る喜びに目覚めてしまったとしか思えないところが……。
その分、フラグ立てまくるハメに陥っちゃってるが(苦笑

桐乃としては、幼馴染の麻奈美にだけ目くじらを立ててれば良かったところが、こりゃあ気が休まらんだろうねえ。気がつけば、自分の友人達が軒並みアニキに目を向け始めちゃってるんだから。とはいえ、あからさまに嫉妬しまくる桐乃はずいぶんと可愛いことになってしまっている。麻奈美に対してはキツい態度で当たってれば良かったものの、友達に対してはそうも行かないのだし。自分が留学していない間に、黒猫が兄貴の部屋に入り浸っていたという事実に愕然とし、慣れた様子で兄貴のベッドでゴロゴロと寛ぐ黒猫の姿に狂乱する桐乃の姿は、存分に堪能させてもらったw
まあ、なにげに一番やばいのはあやせだけどな。何がやばいって、京介のあやせ好きっぷりがヤバいw どれくらい好きかというと、桐乃のメルルへのハマりっぷりレベル。こいつ、本気で狙ってないか? 悪いことに、京介を毛嫌いしていたあやせもいつの間にか京介を見直し出しているという悪循環?
この事実に桐乃が気づいてしまった時が恐ろしいw

さて、メインとなるであろう沙織の素顔公開は……長編スペクタクルを期待していた身としてはわりとあっさり何事もなく終わったなー、という印象では合ったものの、沙織の本性については京介並みに「誰だお前ーーーー!?」というなかなかの衝撃だった。
かなり世慣れているというイメージだったので、単純に素顔が美人というくらいだと思っていただけに、これほど性格から異なっていたとはちょっと予想いていなかった。そっかー、彼女もいろいろとイッパイイッパイだったのかー。
なるほど、彼女の事情を知ってしまうと、桐乃が急にいなくなってしまったことは京介や黒猫、あやせたち以上に、沙織にとってはショックだったんだな。ただ、一連の出来事があったからこそ、沙織の演技に隙が現れ、桐乃たちが彼女の素顔に近づけるきっかけになったのだから、禍転じて、という事になるんだろうね。黒猫と桐乃もそうだけど、留学から帰ってきて以来、以前よりもずっと屈託なく遠慮なく見栄もはらずに、距離感が近くなって仲良くなったように見えるしね。

そして、最後に留学先の桐乃のルームメイトであり、桐乃の在り方を一度は崩しかけた相手でもある天才小学生リアが来日してくるお話。
ここでは、妹の桐乃では伺いしれなかった、やんちゃな年下の面倒を見るお姉ちゃんの桐乃という新しい一面を眼にすることに。いやあ、これは新しい魅力だわ。作者はまだ此処に至っても、桐乃のキャラのポテンシャルをさらに引き出しにかかってるよ。サブキャラも活発に動いてきたし、四巻あたりで作品を掌握したと感じてからこっち、このシリーズ、面白さが順調に伸びまくってる。
リアと桐乃。走ることへの二人の考え方の違いの見せ方も、なかなか興味深かった。走ることにすべてを掛けている、というのは言葉足らずか。走ることそのものが生き甲斐ともいえるリアと、走ること以外にも大切なものをたくさん抱えている桐乃。故にか、桐乃は留学先で一度、走ること以外の全部を投げ捨てようとすらしてしまうわけだけど、兄貴が迎えに来てくれたことで彼女は自分にとっての正しいあり方というのを見つけることができたのですね。桐乃の在り方は決して中途半端ではなく、彼女のやり方でとても真剣に打ち込んでいる。生き方の違う二人が、お互いにそれを認め合う事になる今回のお話は、なにげに感動的だったんじゃないでしょうか。
この二人に限らず、この作品に登場するキャラクターというのは、桐乃に代表されるようにみんなそれぞれに趣味にしても仕事にしても生き方にしても、何にしても一生懸命だ。精一杯真剣に向き合い、渾身の力を込めて突き進んでいる。
それが、このシリーズが不思議なほど清々しい空気を帯びている要因なのかな、と最後の話を読んで思ったり。

で、ラストには恒例の桐乃の爆弾発言。この期に及んでこれほどインパクトのあるのがくるとは!!w
さすがに偽装なんだろうが、偽装とはいえ面と向かってそういう事を頼むようになるとはねえ。隔世の感あり、だ。それ以上に、桐乃が内心なにをどう期待しているのかを想像するだけで顔がニヤケてくる。こいつ、そろそろ自分がお兄ちゃん大好き人間であることを隠せなくなってきてるぞw
いや、兄貴の方も最近はタイトルがん無視で「うちの妹はベラボウにかわいいにきまってるだろうが」というタイトルにした方がいいんじゃないだろうか、という有様だけどさw

1巻 4巻 5巻感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 54   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 5】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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四巻の感想でも書いたことだけれど、完全に作品を掌中に入れることに成功してるなあ。あとがきでは一番苦戦した巻と触れていはるけど、シチュエーションを用意さえしたら、もうキャラクターはある程度勝手に動いてくれてたんじゃないだろうか。少なくとも、黒猫や沙織についてはそんな感じがしたんだけれど。
なんにせよ、面白さの安定感がハンパない。いやさ、こりゃあ推進ロケット二段目に点火したんじゃないかしら。前巻から、こう「ぐぐっ」と面白さが迫り上がってきてる感じがするんですよね。

これは自分個人の感覚ではっきりと自信があるわけじゃないんだけれど、今回については黒猫の物語であると同時に、彼女に自分から積極的に関わろうとすることで京介兄貴の話にもなっていた気がする。なんだかんだとこれまで受身側だった京介が、この巻では最初から最後まで果敢に自律的に動いていたんですよね。その御陰で、彼の趣味趣向や思考パターンという人品の隅っこの方まで見えるように、掘り下げが進んでたように見える。
うーん、こうしてみると黒猫と京介ってかなり相性がいいんだよなあ。桐乃相手だと京介って兄の見栄か矜持かか、ここまで開けっぴろげになかなかなれないし。いや、なれなかった、と過去形で言うべきか。
桐乃がいなくなった事で空いた空白にぽんと入り込んだ黒猫は、気難しくて面倒くさい性格だけれど、京介にとっては他人であるからこそ意地をはらずに可愛がれる相手で、黒猫も京介は肉親でないからこそ、桐乃と違ってちゃんと人間関係の距離感を測る事が出来ていたわけで。
時として、彼我の距離感を測れずに踏み込みすぎ、離れすぎる肉親同士よりも、程よく近しい距離にある他人の方が、大きな影響と見識の変化をもたらすことがあるんですよね。麻奈美も、あれは肉親並に近すぎるのでダメだったんだろうし。
京介にどんな意識の変化が訪れたかどうかは、この巻の最後まで読めばわかるでしょう。正直、ここまで彼の桐乃への意識が変わると、この巻を挟んで桐乃との関係とか今後の話の広がり方とか、かなり変わりそうな予感がするんですよね。
黒猫との関係も含めて、これって麻奈美がいなかったらラブコメ的にもドえらく面白くなりそうなキャパもあったんだろうけどなあ。桐乃、これ絶対京介と黒猫との関係みたら、えらいことなるぞw
麻奈美の鉄板さはもうどうしようもなさそうだし、こればっかりはどうしようもないのか。

それにしても、京介は黒猫好きすぎだろうこれ(苦笑
ネコ可愛がり、とでも言うんだろうか。ここまで嬉々として性格の面倒くさい後輩少女の世話を焼きまくる男ってのも相当珍しいぞ。だいたい、小学生でもあるまいに、年下の女の子が部屋に入り浸っている事に対して、何の違和感も危機感も持っていない、というのはある意味阿良々木くん並に女性に対する意識がズレてるところがあるんだよなあ、京介にーちゃんは。
さすがに、二人きりの時は多少なりとも問題意識がある素振りを見せるあたりはまだ健全だけど。ただ、久々に伏見先生特有の女の子の無防備なエロさが所々で炸裂していたので、何となくイケナい雰囲気がそこかしこに漂っていて、ニヤニヤさせていただきましたけど。
まさか黒猫がこれほどヒロインとしてポンテンシャルを秘めていたとはなあ。4巻終わったときは黒猫ルート突入か、の振りにもふーんというくらいのものだっただけに、この巻の黒猫のヒロイン度の急上昇には、まったくもって御見逸しました、としか言えません。
あのシーン、黒猫のしおらしい態度からしても、まずメールの件がなかったらいわゆる決定的な出来事、が起こってたはずなのに、惜しい惜しい。

桐乃の一件は素直にお兄ちゃんグッドジョブ、と拍手したい。あのままだと、桐乃には間違いなくその後の人生に影響があるような挫折と傷を負うことになっただろうし。桐乃はバカだなあ、と思うけどあの自分に妥協や逃げを許さないかたくなさには敬意を覚えるんですよね。彼女のあの高潔さは失われてはいけない部分だと思うし、彼女が自身のそういう所に嫌悪や侮蔑を抱くようになってしまっては、彼女の在り様というのは大きく変わってしまっていたでしょう。
そんな彼女の一番真ん中の芯の部分に傷をつけず、大切なものを損なわせずに、見事に後ろに引かせたわけですから、お兄ちゃんよくやったと手放しで褒めてあげたい。
あのシーンは、桐乃を守る、という意味では一巻のクライマックスに匹敵するくらいに大きな仕事だったように思いますよ。

さて、これで黒猫の独壇場も終わってしまったものの、桐乃不在の間に大いに存在感を高めることには成功したわけで、これで次の巻からは二大巨頭並び立つ! といった風情になるのか。
次回はネタ満載のコメディになるそうですが、そろそろ沙織の話も読んでみたいなあ、とこれだけ想定以上の黒猫の可愛さを見せられると、ついつい期待してしまいます。

ねこシス5   

ねこシス (電撃文庫 ふ 8-9)

【ねこシス】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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か、かわいい。なにこれ、やべえよ。もう美緒がべらぼうに可愛いすぎる!!
鈴が猫可愛がりするのも痛いほどわかる。この世にこれほど可愛い生物がいるのか、というくらいにかわいい。あれだな、可愛いさかりの子供を持た親御さんとか、初孫相手のじいちゃんばあちゃんはこんな風な気持ちになるんだろうな、きっと。
猫又一家の三女に産まれ、十三年を猫として過ごしてきた美緒が、初めて人化の術を成功させ、猫と人間の感覚や価値観の違いに戸惑いながら、初めて体験する人間としての世界を、純粋で無垢な心のままに体験していく、優しい姉妹たちに囲まれたとてもとても素敵な物語。

十三番目のアリスの頃からそうだったんだけど、この作者さん、親愛の情がたっぷり籠もったスキンシップの描き方がとても巧かったんですよね。俺妹の場合、あの兄妹にしても素直にスキンシップ交わすような間柄じゃなかったので、その手の場面なかったんだけど、このねこシスはとても姉妹仲が良い関係であり、そもそも美緒が他人に甘えることを猫の本能そのままに忌避しない性格なので、屈託ない愛情たっぷりのスキンシップが随所に見られて、もうニヤニヤしっぱなしでした。

初めて人間に変身して、猫とはあまりに違う感覚に戸惑う美緒の様子もまたべらぼうに可愛くてねえ、た、たまらん。そんな美緒の可愛さを横においても、人間というまったく別の生き物に変化した後の違和感や感覚の違いへの驚き、新鮮な感激、感動の描写がとても丁寧に描かれてるんですよね。猫と人間の視覚認識の違いから、味覚の変化まで。それら猫と人間の齟齬に戸惑う美緒を、甲斐甲斐しく世話する、人化としては三年先輩になる妹の鈴が、またいい子なんですよね。口絵や紹介文から、とても元気の良い子らしいというのは分かっていたんですが、その分気分屋で短慮な考えの先走りしがちな子なのだと思い込んでたのですが、非常に気配り上手で甲斐甲斐しくしっかりものの妹さんで、初めてなことばかりのやや天然でぽややんとしたお姉ちゃんの美緒を嬉々として世話して、その様子に一喜一憂する姿は、この子はこの子でめちゃくちゃ愛らしい。
そのさらにお姉さんである次女の千夜子も、ウソつきで素っ気無く言う事も辛辣なツンと澄ましたひねくれ者のお姉さんなんですが、黒猫のクロとの関係といい、なんだかんだと妹たちをとても大切にしている事といい、元は俺妹の黒猫の原型だったらしいキャラなんですが、個人的にはこの千夜子姉さんの方が好きだなあ。
そして長女のかぐらお姉さん。本来は大の人間嫌いのくせに、妹たちの人間の中で暮らしてみたい、という意思を常に尊重し、彼女たちを大切に守りながらも、一個の対等な相手として扱うその態度は偉いんですよね。多少大人げない所はあるんですが、伊達にみんなのお姉さんじゃないというところですか。美緒との話からすると、どうにも過去に人間との間に恋愛がらみでひと悶着あったみたいな感じなんですが、どうなんでしょうねえ。

最初は猫と人間の感覚の違いに翻弄され、その新鮮な驚きの連続に好奇心を大いに満たしていた美緒ですが、やがてこれまで猫として生きてきた自分と、何年も人間として生きてきた千夜子と鈴との間に生まれ始めていた価値観の齟齬に戸惑い、そして姉妹たちが通っている学校に体験入学をすることで人間たちと触れ合う事で、猫とは大きく違う人間たちの考え方、自由な猫の生き方とは裏腹の窮屈な社会の在り方というものにも触れ、様々な体験をしていきます。
その上で、美緒はこれからも人間として生きるのか、それとも猫に戻るのかを選択することになるのですが……。
姉妹の愛情、人間の醜さと優しさ、そういった人間関係や行動原理、感情の機微といったものがとても丁寧に、丹念に、優しく柔らかく温かく描き出された、ぽかぽかと心が温まる素晴らしい作品でした。
これこそが伏見つかさという作家の真骨頂、とすら言いたくなるような作品だったなあ。面白かった。それ以上に、とても優しい気持ちになれる作品でした。
ああもう、これ大好きだっ!
 
12月3日

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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(ジャンプコミックス)
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(フロース コミック)
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(フロース コミック)
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(フロース コミック)
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(フロース コミック)
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12月2日

(一迅社ノベルス)
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(一迅社ノベルス)
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(一迅社ノベルス)
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(講談社ラノベ文庫)
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(講談社ラノベ文庫)
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(Kラノベブックス)
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(早川書房)
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12月1日

(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(角川スニーカー文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJ文庫)
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(HJコミックス)
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(HJコミックス)
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11月30日

(GCノベルズ)
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(GCノベルズ)
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11月29日

(ヒーロー文庫)
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(ヒーロー文庫)
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(ファミ通文庫)
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(エンターブレイン)
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11月28日

(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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(Mノベルス)
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11月27日

(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(電撃コミックスNEXT)
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(アクションコミックス)
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11月26日

(エンターブレイン)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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11月25日

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(ガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ビッグガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ヤングガンガンコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(ガルドコミックス)
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(コロナ・コミックス)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(MF文庫J)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップ文庫)
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(オーバーラップノベルス)
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(オーバーラップノベルスf)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(ダッシュエックス文庫)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(MFブックス)
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(KADOKAWA)
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11月22日

(MFC)
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(MFC)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(MFコミックス フラッパーシリーズ)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(モーニング KC)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスJOKER)
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(ガンガンコミックスpixiv)
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11月20日

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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(富士見ファンタジア文庫)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(TOブックス)
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(GCN文庫)
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11月19日

(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(ヤングジャンプコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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(サンデーGXコミックス)
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11月18日

(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガ文庫)
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(ガガガブックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(少年サンデーコミックス)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤンマガKCスペシャル)
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(ヤングチャンピオン烈コミックス)
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11月17日

(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(電撃の新文芸)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(星海社FICTIONS)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(アフタヌーンKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(マガジンエッジKC)
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(講談社コミックス)
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(講談社コミックス)
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(フロース コミック)
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11月16日

(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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(アース・スターノベル)
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11月15日

(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(富士見L文庫)
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(Gファンタジーコミックス)
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11月12日

(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(GA文庫)
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(宝島社)
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(星海社COMICS)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(ゲッサン少年サンデーコミックス)
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(サンデーうぇぶりSSC)
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(ビッグコミックス)
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(アース・スター コミックス)
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(メテオCOMICS)
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11月11日

(裏少年サンデーコミックス)
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(アクションコミックス(月刊アクション))
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11月10日

(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(BLADEコミックス)
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(MFコミックス アライブシリーズ)
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(電撃文庫)
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(電撃文庫)
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(カドカワBOOKS)
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(TOブックス)
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11月9日

(ドラゴンコミックスエイジ)
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(ドラゴンコミックスエイジ)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(角川コミックス・エース)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(KCデラックス)
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(シリウスKC)
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(講談社コミックス)
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